JP6337476B2 - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液圧制動装置と回生制動装置とを備える車両に適用される車両の制動制御装置に関する。
液圧制動装置に加え、回生制動力を車両に付与する回生制動装置をも備える車両の開発が進められている。こうした車両では、運転者によるブレーキ操作時に、そのブレーキ操作量に応じた要求制動力に基づき、回生制動装置及び液圧制動装置が制御されることがある。しかしながら、液圧制動装置の応答速度は、回生制動装置の応答速度よりも小さい。
そのため、こうした車両では、回生制動装置の作動態様を液圧制動装置の応答速度に合わせるようにしている。例えば、特許文献1では、運転者によるブレーキ操作の開始時点から回生制動装置の作動による車両への回生制動力の付与が開始される時点までの時間を、液圧制動力の発生が液圧制動装置に指示される時点から実際に液圧制動装置によって車両に液圧制動力が付与され始める時点までの時間と等しくするように、回生制動装置を制御するようにしている。
特開2013−158186号公報
ところで、近年では、回生制動力と液圧制動力とを協調させる車両では、要求制動力の増大に伴って車両全体の制動力を増大させるに際し、その応答速度をより大きくしたいという要望がある。
本発明の目的は、車両に対する要求制動力の増大時における車両全体に付与される制動力の応答速度を大きくすることができる車両の制動制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための車両の制動制御装置は、車両に回生制動力を付与する回生制動装置と、車輪に対して設けられているホイールシリンダ内の液圧を調整することにより、車両に液圧制動力を付与する液圧制動装置と、を備える車両に適用される装置である。この制動制御装置は、車両に要求されている要求制動力の増大に伴って液圧制動力が増大されるときに、回生制動装置によって車両に付与される回生制動力を増大させる補正処理を実施する補正制御部を備える。
一般的に、回生制動装置が車両に付与する回生制動力の応答速度は、液圧制動装置が車両に付与する液圧制動力の応答速度よりも大きい。上記構成によれば、要求制動力の増大に伴って液圧制動力が増大されるときには、この液圧制動力の応答遅れを補償するために補正処理が実施され、回生制動力が増大される。その結果、補正処理が実施されない場合と比較して、要求制動力の増大開始と、車両全体に付与される制動力の増大開始との間のタイムラグが短縮される。したがって、車両に対する要求制動力の増大時における車両全体に付与される制動力の応答速度を大きくすることができるようになる。
ところで、液圧制動装置の作動に基づく液圧制動力の応答速度は、小さいときもあれば大きいときもある。そのため、要求制動力の増大態様が同等である場合であっても、要求制動力から実際に液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力を減じた差である制動力差の変動態様は、そのときの液圧制動力の応答速度に応じた態様となる。そこで、上記車両の制動制御装置において、補正制御部は、補正処理の実施に伴う回生制動力の増大量を、上記制動力差が大きいほど多くすることが好ましい。この構成によれば、補正処理の実施に伴う回生制動力の増大量を、液圧制動力の応答速度に応じた量に決定することができる。その結果、要求制動力が増大されるときに、同要求制動力と車両全体の制動力との差をより小さくすることができるようになる。
また、上記車両の制動制御装置は、液圧制動装置に対する要求値である要求液圧制動力と液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力との差分が不感帯相当値を超えているときに、液圧制動装置を制御して液圧制動力を目標液圧制動力に近づける液圧制御部を備えるようにしてもよい。この場合、要求液圧制動力が変更され、上記の差分が不感帯相当値よりも大きくなると液圧制動装置の作動によって液圧制動力が目標液圧制動力に近づくようになる。そのため、液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が要求液圧制動力以上である状況下で同要求液圧制動力が増大されるときには、液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が要求液圧制動力未満である状況下で同要求液圧制動力が増大されるときと比較して、液圧制動力の応答速度が小さくなり、上記制動力差が大きくなりやすい。
そこで、補正制御部は、液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が要求液圧制動力以上である状況下で同要求液圧制動力が増大されるときには、液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が要求液圧制動力未満である状況下で同要求液圧制動力が増大されるときと比較して、補正処理の実施によって回生制動力を増大させる時間を長くするようにしてもよい。この場合、要求制動力の増大に応じて要求液圧制動力が増大される時点で液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が要求液圧制動力以上であるか否かによって、補正処理の実施によって回生制動力を増大させる時間が調整される。すなわち、こうした制動制御を採用することにより、補正処理の実施に伴う回生制動力の増大量を、上記制動力差が大きいほど多くする制御を実現することができる。
また、上記車両の制動制御装置において、補正制御部は、補正処理の実施中において、上記制動力差が終了判定値未満になったときに同補正処理を終了するようにしてもよい。この構成によれば、上記制動力差が大きいときに補正処理を実施することができる。
また、補正制御部は、補正処理の実施中において、液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力の増大が検知されたときに同補正処理を終了するようにしてもよい。この構成によれば、要求制動力の増大に伴って液圧制動力が増大し始めたときに補正処理を終了させることができるようになる。
なお、補正制御部は、ブレーキ操作部材の操作量の増大に応じた要求制動力の増大時に補正処理を開始することが好ましい。この構成によれば、運転者による車両の減速度の増大要求があるときには、補正処理の実施によって車両の減速度を速やかに増大させることが可能となる。したがって、ブレーキ操作を行う運転者に対するドライバビリティを向上させることができるようになる。
車両の制動制御装置の一実施形態である制御装置を備えるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図。 ホイールシリンダ圧とホイールシリンダ圧を変動させるために必要なブレーキ液の量との関係を示すグラフ。 液圧制動力を増大させる途中でその増大勾配が変化する場合のホイールシリンダ圧の推移を示すタイミングチャート。 減少状態から増大状態に移行した場合のホイールシリンダ圧の推移を示すタイミングチャート。 (a)〜(c)は、保持状態から増大状態に移行した場合のホイールシリンダ圧の推移を示すタイミングチャート。 運転者によってブレーキ操作が行われているときに実行される処理ルーチンを説明するフローチャート。 補正量を決定するために実行される処理ルーチンを説明するフローチャート。 運転者によるブレーキ操作時のタイミングチャートの一例であって、(a)は要求制動力の推移を示し、(b)は実行液圧制動力の推移を示し、(c)は実行回生制動力の推移を示し、(d)は実行制動力の推移を示す。 別の実施形態において、運転者によってブレーキ操作が行われているときに実行される処理ルーチンの一部を説明するフローチャート。
以下、車両の制動制御装置を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1には、本実施形態の車両の制動制御装置である制御装置100を備えるハイブリッド車両が図示されている。図1に示すように、ハイブリッド車両には、ハイブリッドシステム10と、全ての車輪WHに対して制動力(液圧制動力)を付与する液圧制動装置30とが設けられている。
ハイブリッドシステム10は、ガソリンなどの燃料の供給によって運転されるエンジン11と、回生制動装置の一例であるモータジェネレータ12とを備えている。モータジェネレータ12は、ベルト13と電磁式のクラッチ14とを通じてエンジン11のクランク軸11aに連結されている。このクラッチ14は車両走行中には接続状態になる。そして、クラッチ14が接続状態である場合、モータジェネレータ12から出力される動力をクランク軸11aに伝達したり、クランク軸11aの回転をモータジェネレータ12に伝達したりすることが可能となる。
また、エンジン11のクランク軸11aには自動変速機15が連結されており、自動変速機15の出力軸15aにはディファレンシャル16を通じて車輪WHが連結されている。そのため、エンジン11及びモータジェネレータ12のうち少なくとも一方から出力された動力は、自動変速機15及びディファレンシャル16を通じて車輪WHに伝達される。
モータジェネレータ12は、バッテリ21からの電力がインバータ22を介して供給されることにより動力を発生する。また、モータジェネレータ12は、クランク軸11aの回転がクラッチ14及びベルト13を通じて伝達されることにより発電可能となっている。そして、このモータジェネレータ12で発電された電力は、インバータ22を介してバッテリ21に供給されて蓄電される。なお、車輪WHの回転がモータジェネレータ12に伝達され、同モータジェネレータ12が発電している場合、車輪WHには、発電量に応じた回生制動力が付与される。
液圧制動装置30は、いわゆるバイワイヤ方式の液圧制動装置である。すなわち、液圧制動装置30は、ブレーキ操作部材の一例であるブレーキペダル31が駆動連結されている液圧発生装置32と、車輪WH毎に設けられているブレーキ機構35のホイールシリンダ36内の液圧であるホイールシリンダ圧(以下、「WC圧」ともいう。)を調整するブレーキアクチュエータ33とを有している。また、液圧制動装置30には、ブレーキペダル31の操作量を検出するブレーキ操作量検出センサSE1が設けられている。
こうした液圧制動装置30は、車輪WH毎に設けられているブレーキ機構35のホイールシリンダ36内にブレーキ液を供給すべく動作する供給ポンプを有している。また、液圧制動装置30は、ホイールシリンダ36内へのブレーキ液の流入速度を調整するための弁及びホイールシリンダ36内からのブレーキ液の流出速度を調整するための弁などを有している。
ブレーキ機構35は、車輪WHと一体回転する回転体(例えば、ディスク)と、車体に支持されている摩擦材(例えば、ブレーキパッド)とを備えている。そして、摩擦材は、ホイールシリンダ36内の液圧であるホイールシリンダ圧(以下、「WC圧」ともいう。)に応じた力で回転体に押しつけられる。すなわち、ブレーキ機構35は、WC圧に応じた液圧制動力を車輪WHに付与する。なお、本実施形態では、運転者によるブレーキ操作時に液圧制動力が車両に付与される場合、各ホイールシリンダ36内のWC圧はほぼ同圧とされる。
次に、制御装置100について説明する。
制御装置100には、ブレーキ操作量検出センサSE1に加え、運転者によるアクセルペダル17の操作量を検出するアクセル開度センサSE2、車両の車体速度を検出する車速センサSE3及び車両の前後方向の加速度である前後加速度を検出する加速度センサSE4が電気的に接続されている。こうした制御装置100は、パワーマネージメントコンピュータ101と、パワートレーン制御ユニット102と、モータ制御ユニット103と、ブレーキ制御ユニット104とを備えている。パワートレーン制御ユニット102は、エンジン11、自動変速機15及びクラッチ14を有するパワートレーンPTを制御する。モータ制御ユニット103はモータジェネレータ12を制御し、ブレーキ制御ユニット104は液圧制動装置30を制御する。
パワーマネージメントコンピュータ101は、運転者がアクセル操作を行う場合、車両の走行状態に基づき、エンジン11に要求する要求動力及びモータジェネレータ12に要求する要求動力を演算する。また、パワーマネージメントコンピュータ101は、バッテリ21への充電が必要と判断したときには、エンジン11からの動力によってモータジェネレータ12に発電させるべく、エンジン11に対する要求動力及びモータジェネレータ12での発電量に対する要求値である要求発電量を演算する。そして、パワーマネージメントコンピュータ101は、要求動力に基づいた制御指令をパワートレーン制御ユニット102に送信したり、要求動力又は要求発電量に基づいた制御指令をモータ制御ユニット103に送信したりする。
また、パワーマネージメントコンピュータ101は、その時点でのバッテリ21の蓄電量及び車両の車体速度などに基づき、その時点で車両に付与可能な回生制動力の最大値BPR_Maxを算出する。そして、パワーマネージメントコンピュータ101は、算出したその時点の回生制動力の最大値BPR_Maxをブレーキ制御ユニット104に送信する。
こうしたパワーマネージメントコンピュータ101は、運転者によるブレーキ操作に伴う車両減速時には、ブレーキ制御ユニット104によって演算された要求回生制動力BPRTに関する情報を受信する。すると、パワーマネージメントコンピュータ101は、受信した情報をモータ制御ユニット103に送信する。
モータ制御ユニット103は、運転者によるブレーキ操作に伴う車両減速時には、パワーマネージメントコンピュータ101から要求回生制動力BPRTに関する情報を受信する。そして、モータ制御ユニット103は、受信した情報に基づいた要求回生制動力BPRTと同等の回生制動力が車両に付与されるようにモータジェネレータ12に発電させる。なお、このようにモータジェネレータ12が実際に車両に付与する回生制動力のことを「実行回生制動力BPR」というものとする。
ブレーキ制御ユニット104は、運転者がブレーキ操作を行う場合、ブレーキ操作量検出センサSE1によって検出されたブレーキ操作量に基づき、運転者が要求する車両に対する要求制動力BPTを演算する。このとき、要求制動力BPTは、ブレーキ操作量が多いほど大きくされる。また、ブレーキ制御ユニット104は、演算した要求制動力BPTに応じて要求液圧制動力である目標液圧制動力BPPTを演算する。そして、ブレーキ制御ユニット104は、目標液圧制動力BPPTに基づいて液圧制動装置30を制御する。
また、ブレーキ制御ユニット104は、要求回生制動力BPRTを演算する。例えば、液圧制動装置30によって実際に車両に付与されている液圧制動力を「実行液圧制動力BPP」としたとき、ブレーキ制御ユニット104は、要求制動力BPTから実行液圧制動力BPPを減じた差である制動力差BP_Subが大きいほど要求回生制動力BPRTを大きくする。そして、ブレーキ制御ユニット104は、演算した要求回生制動力BPRTに関する情報をパワーマネージメントコンピュータ101に送信する。
ここで、液圧制動装置30によって車両に付与される実行液圧制動力BPPの応答速度は、一般的に、モータジェネレータ12によって車両に付与される実行回生制動力BPRの応答速度よりも小さい。そのため、本実施形態では、運転者によるブレーキ操作が開始された場合、及び運転者によってブレーキ操作量が増大された場合には、実行液圧制動力BPPの応答遅れを実行回生制動力BPRで補償する補正処理が実行される。これにより、要求制動力BPTが増大したときに、実行液圧制動力BPP及び実行回生制動力BPRの和である実行制動力BPAの増大を速やかに開始させることが可能となる。
ただし、液圧制動装置30によって車両に付与される実行液圧制動力BPPの応答速度は、ホイールシリンダ36内のWC圧の大きさ、及び液圧制動力の増大が開始される前の状態によって変わりうる。そして、実行液圧制動力BPPの応答速度が小さいときには、応答速度が大きいときと比較して、要求制動力BPTから実行液圧制動力BPPを減じた制動力差BP_Subが大きくなりやすい。そのため、そのときの実行液圧制動力BPPの応答速度に応じて、補正処理の実施に伴う実行回生制動力BPRの増大量を調整することにより、車両全体の制動力である実行制動力BPAの適正化を図ることができる。
図2を参照して、ホイールシリンダ36内のWC圧Pwcに応じた実行液圧制動力の応答速度の変化について説明する。
図2には、WC圧Pwcと、WC圧Pwcを変更(増圧や減圧)させるために必要なブレーキ液の液量Yとの関係を示している。図2に示すように、WC圧Pwcを増圧させるために必要なブレーキ液の液量Yは、WC圧Pwcが低いときほど多くなる。例えば、WC圧Pwcを、第11の液圧Pwc11から、第11の液圧Pwc11よりも所定量ΔPwc1だけ高い第12の液圧Pwc12まで増圧させるための液量は、第1の液量ΔY1である。これに対し、WC圧Pwcを、第12の液圧Pwc12よりも高い第21の液圧Pwc21から、第21の液圧Pwc21よりも所定量ΔPwc1だけ高い第22の液圧Pwc22まで増圧させる場合に必要な液量は、第1の液量ΔY1よりも少ない第2の液量ΔY2である。
すなわち、WC圧Pwcが低い状態で同WC圧Pwcを増圧させたり減圧させたりする場合は、WC圧Pwcが高い状態で同WC圧Pwcを増圧させたり減圧させたりする場合よりも、ホイールシリンダ36内へのブレーキ液の流入量又はホイールシリンダ36からのブレーキ液の流出量が多くなる。そのため、WC圧Pwcが高いほど、WC圧Pwcの変化勾配が急勾配になりやすい分、液圧制動力の応答速度が大きくなる。
図3〜図5を参照して、液圧制動装置30の作動によって液圧制動力が増大される前の状態に応じた液圧制動力の応答速度の変化について説明する。
始めに、目標液圧制動力BPPTの変動に合わせた実行液圧制動力BPPの制御について説明する。すなわち、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの差分ΔBPP(=|BPPT−BPP|)が所定の不感帯相当値D1以下である場合、目標液圧制動力BPPTが変動(増大又は減少)しても、実行液圧制動力BPPは保持される。すなわち、目標液圧制動力BPPTに不感帯相当値D1を加算した和と、目標液圧制動力BPPTから不感帯相当値D1を減じた差との間が、制御の不感帯領域DZに設定される。そして、上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1よりも大きいと、液圧制動装置30は、目標液圧制動力BPPTに実行液圧制動力BPPを近づけるべく作動される。
次に、図3を参照して、目標液圧制動力BPPTの増大途中でその増大速度が変わる場合について説明する。図3に示すように、増大速度が切り替わるタイミングt21よりも以前では、上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1以下とならない範囲で、実行液圧制動力BPPは、目標液圧制動力BPPTの増大に応じて増大される。このときの実行液圧制動力BPPの増大速度は、目標液圧制動力BPPTの増大速度とほぼ等しい。そして、上記のタイミングt21に達し、目標液圧制動力BPPTの増大速度が大きくされる。このとき、上記の差分ΔBPPは不感帯相当値D1よりも大きい。そのため、タイミングt21で目標液圧制動力BPPTの増大速度が大きくなっても、実行液圧制動力BPPは、変更後における目標液圧制動力BPPTの増大速度とほぼ等しい速度で増大される。
すなわち、目標液圧制動力BPPTの増大途中でその増大速度が変更される場合にあっては、実行液圧制動力BPPの応答速度は比較的大きい。
次に、図4を参照して、目標液圧制動力BPPTを減少させる減少状態から目標液圧制動力BPPTを増大させる増大状態に移行させる場合について説明する。図4に示すように、第1のタイミングt31までの減少状態では、実行液圧制動力BPPは、目標液圧制動力BPPTに不感帯相当値D1を加算した和よりも僅かに大きい状態で、目標液圧制動力BPPTの減少に合わせて減少される。
そして、第1のタイミングt31で増大状態に移行されると、目標液圧制動力BPPTが増大されることにより、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの差分ΔBPPが不感帯相当値D1以下となる。そのため、第1のタイミングt31からは実行液圧制動力BPPは保持される。そして、第2のタイミングt32で実行液圧制動力BPPが目標液圧制動力BPPTと等しくなり、その後の第3のタイミングt33で実行液圧制動力BPPが目標液圧制動力BPPTよりも小さい状態で上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1と等しくなる。すると、第3のタイミングt33の経過を契機に、実行液圧制動力BPPの増大が開始される。
すなわち、目標液圧制動力BPPTの増大開始(第1のタイミングt31)と、実行液圧制動力BPPの増大開始(第3のタイミングt33)との間に、タイムラグTLが生じる。そして、このようにタイムラグTLが生じる分、液圧制動力の応答速度が小さくなる。
次に、図5(a),(b),(c)を参照して、目標液圧制動力BPPTを保持する保持状態から増大状態に移行させる場合について説明する。
図5(a)には、保持状態では目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとがほぼ等しい場合、すなわち差分ΔBPPがほぼ「0(零)」である場合が図示されている。この場合、第1のタイミングt41で保持状態から増大状態になっても、第1のタイミングt41から、差分ΔBPPが不感帯相当値D1と等しい第2のタイミングt42までは、実行液圧制動力BPPの保持が継続される。すなわち、第1のタイミングt41から第2のタイミングt42までの期間が、タイムラグTLとなる。そして、第2のタイミングt42が経過すると、実行液圧制動力BPPが増大され始める。
なお、この場合、目標液圧制動力BPPTの増大の開始時点では、図4に示す減少状態から増大状態に移行させる場合と比較して、上記の差分ΔBPPが小さい。そのため、液圧制動力の応答速度は、減少状態から増大状態に移行させる場合よりも大きい。
ただし、保持状態から増大状態への移行時に発生するタイムラグTLの長さは、保持状態時における目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの大小関係によっても変わる。すなわち、図5(b)に示すように、第1のタイミングt51で実行液圧制動力BPPの減少状態から保持状態に移行された場合、実行液圧制動力BPPは、目標液圧制動力BPPTよりも大きい状態で保持される。その後の第2のタイミングt52で保持状態から増大状態に移行されると、目標液圧制動力BPPTの増大は開始されるものの、上記の差分ΔBPPは不感帯相当値D1以下となるため、実行液圧制動力BPPの保持は継続される。そして、第3のタイミングt53で差分ΔBPPが不感帯相当値D1よりも大きくなると、実行液圧制動力BPPの増大が開始される。
この場合、第2のタイミングt52から第3のタイミングt53までの期間がタイムラグTLとなるが、この場合のタイムラグTLは、図5(a)に示す場合のタイムラグTLよりも長い。すなわち、液圧制動力の応答速度は、図5(a)に示す場合よりも小さい。
また、図5(c)に示すように、第1のタイミングt61で増大状態から保持状態に移行された場合、実行液圧制動力BPPは、目標液圧制動力BPPTよりも小さい状態で保持される。その後の第2のタイミングt62で保持状態から増大状態に移行されると、目標液圧制動力BPPTの増大が開始されると直後の第3のタイミングt63で、上記の差分ΔBPPが不感帯相当値D1よりも大きくなる。そのため、第3のタイミングt63で、実行液圧制動力BPPの増大が開始される。
この場合、第2のタイミングt62から第3のタイミングt63までの期間がタイムラグTLとなるが、この場合のタイムラグTLは、図5(a)に示す場合及び図5(b)に示す場合よりも短くなる。すなわち、液圧制動力の応答速度は、図5(a)に示す場合及び図5(b)に示す場合よりも大きい。
次に、図6に示すフローチャートを参照して、運転者によるブレーキ操作時にブレーキ制御ユニット104が実行する処理ルーチンについて説明する。なお、この処理ルーチンは、予め設定されている制御サイクル毎に実行される。
図6に示すように、本処理ルーチンにおいて、ブレーキ制御ユニット104は、要求制動力BPTを、ブレーキ操作量検出センサSE1によって検出されたブレーキ操作量が多いほど大きくする(ステップS11)。続いて、ブレーキ制御ユニット104は、モータジェネレータ12によって車両に付与されている実行回生制動力BPRに関する情報をパワーマネージメントコンピュータ101から受信する(ステップS12)。続いて、ブレーキ制御ユニット104は、ステップS11で演算した要求制動力BPTから、ステップS12で取得した実行回生制動力BPRを減じた差を目標液圧制動力BPPTとする(ステップS13)。すなわち、目標液圧制動力BPPTは、要求制動力BPTが大きいほど大きくなりやすく、実行回生制動力BPRが小さいほど大きくなりやすい。
そして、ブレーキ制御ユニット104は、ステップS13で演算した目標液圧制動力BPPTに実行液圧制動力BPPを近づけるべく液圧制動装置30を制御する(ステップS14)。この点で、本実施形態では、ブレーキ制御ユニット104により、目標液圧制動力BPPTと実行液圧制動力BPPとの差分ΔBPPが不感帯相当値D1を超えているときに、液圧制動装置30を制御して実行液圧制動力BPPを目標液圧制動力BPPTに近づける「液圧制御部」の一例が構成される。
続いて、ブレーキ制御ユニット104は、液圧制動装置30によって車両に付与されている実行液圧制動力BPPを演算する(ステップS15)。ここでは、ホイールシリンダ36内のWC圧Pwcを検出するセンサが設けられている場合、同センサによって検出されたWC圧Pwcに基づいて実行液圧制動力BPPを演算することができる。また、液圧制動装置30の作動状態から推定される液圧制動力の推定値を実行液圧制動力BPPとしてもよい。
そして、ブレーキ制御ユニット104は、補正処理の実施に伴う実行回生制動力BPRの増大量である補正量ΔBPR及び要求回生制動力BPRTを決定する補正量決定処理を実行する(ステップS16)。この補正量決定処理については、図7を用いて後述する。続いて、ブレーキ制御ユニット104は、決定した要求回生制動力BPRTに関する情報をパワーマネージメントコンピュータ101に送信する(ステップS17)。すなわち、本実施形態では、ステップS16,S17により、要求制動力BPTの増大に伴って実行液圧制動力BPPが増大されるときに、モータジェネレータ12によって車両に付与される実行回生制動力BPRを増大させる「補正処理」の一例が構成される。そして、ブレーキ制御ユニット104により、補正処理を実施する「補正制御部」の一例が構成される。その後、ブレーキ制御ユニット104は、本処理ルーチンを一旦終了する。
なお、パワーマネージメントコンピュータ101は、受信した要求回生制動力BPRTに関する情報をモータ制御ユニット103に送信する。そして、同情報を受信したモータ制御ユニット103は、実行回生制動力BPRを要求回生制動力BPRTに近づけるべくモータジェネレータ12を制御する。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、上記ステップS16の補正量決定処理ルーチンについて説明する。ここでは、要求制動力BPTの増大が開始される時点のことを「制動増大開始時」といい、制動増大開始時の実行回生制動力BPRのことを「制動増大開始時の実行回生制動力BPRA」というものとする。なお、ここでいう「制動増大開始時」は、運転者によるブレーキ操作が開始された時点と、ブレーキ操作量が保持されている状態からブレーキ操作量が増大される状態に移行した時点とを含んでいる。
図7に示すように、本処理ルーチンにおいて、ブレーキ制御ユニット104は、制動増大開始時の実行回生制動力BPRAが、現時点の回生制動力の最大値BPR_Maxよりも小さいか否かを判定する(ステップS21)。既に制動増大開始時の実行回生制動力BPRAが回生制動力の最大値BPR_Maxに達している場合には、補正処理の実施によって実行回生制動力BPRを増大させることができない。そのため、制動増大開始時の実行回生制動力BPRAが回生制動力の最大値BPR_Max以上である場合(ステップS21:NO)、ブレーキ制御ユニット104は、補正量ΔBPRに「0(零)」をセットし(ステップS22)、その処理を後述するステップS26に移行する。なお、ここでいう「補正量ΔBPR」とは、制動増大開始時の実行回生制動力BPRAに対して上乗せする回生制動力の増加量のことを示している。
一方、制動増大開始時の実行回生制動力BPRAが回生制動力の最大値BPR_Max未満である場合(ステップS21:YES)、ブレーキ制御ユニット104は、現時点の回生制動力の最大値BPR_Maxから制動増大開始時の実行回生制動力BPRAを減じた差を、補正許容量ΔBPR_Limとする(ステップS23)。そして、ブレーキ制御ユニット104は、暫定補正量ΔBPR1を演算する(ステップS24)。例えば、前回の制御サイクルで決定した補正量を前回の補正量ΔBPR(n−1)とした場合、ブレーキ制御ユニット104は、前回の補正量ΔBPR(n−1)と単位増大量BPRUPとの和を暫定補正量ΔBPR1とする。例えば、単位増大量BPRUPは、その時点のブレーキ操作量の増大速度に応じた値であって、同増大速度が大きいほど大きい値とされる。
続いて、ブレーキ制御ユニット104は、暫定補正量ΔBPR1と、補正許容量ΔBPR_Limとのうち最小となる値を補正量ΔBPRとする(ステップS25)。すなわち、補正量ΔBPRは、実行回生制動力BPRが回生制動力の最大値BPR_Maxを超えない範囲内で徐々に増大される。
ステップS26において、ブレーキ制御ユニット104は、上記ステップS11で演算した要求制動力BPTから上記ステップS15で演算した現時点の実行液圧制動力BPPを減じた差を制動力差BP_Subとする。そして、ブレーキ制御ユニット104は、制動増大開始時の実行回生制動力BPRAと補正量ΔBPRとの和と、制動力差BP_Subとのうち最小となる値を要求回生制動力BPRTとする(ステップS27)。その後、ブレーキ制御ユニット104は、本処理ルーチンを終了する。
次に、図8に示すタイミングチャートを参照して、運転者によるブレーキ操作時における作用について説明する。
図8(a),(b),(c),(d)に示すように、車両走行中の第1のタイミングt11で運転者がブレーキ操作を開始すると、要求制動力BPTは、ブレーキ操作量の増大に合わせて徐々に大きくなる。そして、その後の第4のタイミングt14でブレーキ操作量が一定となるため、要求制動力BPTは、第4のタイミングt14以降では一定となる。
こうしたブレーキ操作の開始直後にあっては、実行液圧制動力BPPの応答遅れに起因し、車両には実行液圧制動力BPPが付与されない。また、この場合における制動増大開始時の実行回生制動力BPRAは、「0(零)」であり、現時点の回生制動力の最大値BPR_Maxよりも小さい(ステップS21:YES)。そのため、補正量ΔBPRを「0(零)」よりも大きい値に決定することが可能となる(ステップS23〜S27,S17)。
すなわち、応答遅れによって実行液圧制動力BPPが車両に付与されない第1のタイミングt11から第3のタイミングt13までの期間では、実行液圧制動力BPPが「0(零)」であり、暫定補正量ΔBPR1の増大勾配は、要求制動力BPTの増大勾配と等しくなる。しかも、暫定補正量ΔBPR1は、補正許容量ΔBPR_Lim(=BPR_Max−BPRA)以下となる。そのため、同期間では、補正量ΔBPRは要求制動力BPT、すなわち暫定補正量ΔBPR1の増大に合わせて徐々に大きくなる。すると、要求回生制動力BPRTは要求制動力BPTと等しくなり、結果として、要求制動力BPTとほぼ等しい実行回生制動力BPRが車両に付与されることとなる。
そして、第3のタイミングt13に達すると、実行回生制動力BPRが、回生制動力の最大値BPR_Maxに達する。すると、暫定補正量ΔBPR1が補正許容量ΔBPR_Limよりも大きくなるため、第3のタイミングt13以降では、補正量ΔBPRが補正許容量ΔBPR_Limで保持され、要求回生制動力BPRTが補正許容量ΔBPR_Limで保持される。その結果、実行回生制動力BPRが回生制動力の最大値BPR_Maxで保持される。
また、第3のタイミングt13からは、実行液圧制動力BPPが実際に増大され始める。その結果、第3のタイミングt13以前では、実行制動力BPAは、実行回生制動力BPRと等しかったのに対し、第3のタイミングt13以降では、実行制動力BPAは、実行回生制動力BPRと実行液圧制動力BPPとの和と等しくなる。
なお、第3のタイミングt13の直後にあっては、ホイールシリンダ36内のWC圧Pwcが低圧であるため、実行液圧制動力BPPの増大速度は比較的小さい。しかし、WC圧Pwcが高くなると、実行液圧制動力BPPの増大速度も大きくなる。そして、要求制動力BPTの保持が開始される第4のタイミングt14よりも後の第5のタイミングt15で、実行制動力BPAが要求制動力BPTとほぼ等しくなり、第5のタイミングt15以降では、実行液圧制動力BPPが保持されるようになる。
ここで、補正処理を行わない比較例では、車両に実行回生制動力BPRが付与されないため、図5(b)に二点鎖線で示すように、第5のタイミングt15よりも後の第6のタイミングt16まで実行液圧制動力BPPの増大が継続される。すなわち、運転者がブレーキ操作量を保持するようになっても、実行制動力BPAの増大が継続される期間が比較的長い。
これに対し、本実施形態では、補正処理が実施されるため、第5のタイミングt15で、実行制動力BPA、すなわち実行液圧制動力BPPの増大が終了される。すなわち、上記比較例の場合よりも、運転者がブレーキ操作量を保持し始めた以降で、実行制動力BPAの増大が継続される期間が短くなる。
ちなみに、運転者によるブレーキ操作の開始前における液圧制動装置30の作動状態によっては、図8(b)に一点鎖線で示すように、第3のタイミングt13よりも前の第2のタイミングt12から実行液圧制動力BPPの増大が実際に開始されることがある。この場合、第2のタイミングt12以降では、制動力差BP_Sub(=BPT−BPP)が、制動増大開始時の実行回生制動力BPRA(この場合は0(零))と暫定補正量ΔBPR1(=ΔBPR(n−1)+BPRUP)との和よりも小さくなる。すなわち、要求回生制動力BPRTが制動力差BP_Subと等しくされる。その結果、第2のタイミングt12以降では、図8(c)に一点鎖線で示すように、補正量ΔBPRの増大速度は、第2のタイミングt12以前よりも小さくなる。
以上、上記構成及び作用によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)要求制動力BPTの増大に伴って実行液圧制動力BPPを増大させるときには、実行液圧制動力BPPの応答遅れを補償するために補正処理が実施され、実行回生制動力BPRが増大される。その結果、補正処理が実施されない場合と比較して、要求制動力BPTの増大開始と、車両全体に付与される実行制動力BPAの増大開始との間のタイムラグが短縮される。したがって、車両に対する要求制動力BPTの増大時における車両全体に付与される実行制動力BPAの応答速度を大きくすることができる。
(2)また、このように補正処理を実施することにより、ブレーキ操作量がほぼ一定となった以降では、補正処理が実施されない場合と比較して、実行制動力BPAの増大が継続される期間が短くなる。すなわち、車両の減速態様を運転者によるブレーキ操作態様に近づけることができ、ひいてはドライバビリティを高めることができる。
(3)また、車両の状態によっては、要求制動力BPTの増大によって、実行液圧制動力BPPを増大させることなく、実行回生制動力BPRのみを増大させることがある。本実施形態では、実行液圧制動力BPPを増大させる場合には、補正処理の実施によって実行液圧制動力BPPの応答遅れが補償されるため、実行制動力BPAの増大態様を、実行回生制動力BPRのみを増大させる場合に近づけることができる。すなわち、実行液圧制動力BPPの増大を含む方法及び実行液圧制動力BPPの増大を含まない方法の何れの方法が選択されても、車両の減速態様のばらつきを抑えることができる。したがって、ブレーキ操作量が増大される際には、実行制動力BPAの応答速度を大きくしつつもドライバビリティを高めることができる。
(4)本実施形態では、補正処理の実施に伴う実行回生制動力BPRの増大量である補正量ΔBPRは、要求制動力BPTから実行液圧制動力BPPを減じた差である制動力差BP_Subが大きいほど大きくなる。このため、実行液圧制動力BPPと実行回生制動力BPRとの和である実行制動力BPAを要求制動力BPTに近づけることができる。その結果、車両の減速態様を運転者の要求する減速態様に近づけることができ、ひいてはドライバビリティを高めることができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態では、補正処理の実施に伴う実行回生制動力の増大量である補正量ΔBPRを暫定補正量ΔBPR1に応じて変更するようにしていたが、同補正量ΔBPRを予め設定された所定値とするようにしてもよい。ただし、この場合であっても、補正許容量ΔBPR_Limが所定値未満であるときには、補正量ΔBPRを補正許容量ΔBPR_Limとすることが好ましい。こうした構成を採用しても、上記(1)〜(3)と同等の効果を得ることができる。
・目標液圧制動力BPPTを増大させるに際し、上記タイムラグTLの長さを予測し(図3〜図5参照)、補正処理によって補正量ΔBPRを増大させる期間をタイムラグTLに基づき決定するようにしてもよい。この場合、タイムラグTLが長いと予測される場合ほど、補正量ΔBPRが大きくなりやすい。こうした構成を採用しても、上記(1)と同等の効果を得ることができる。なお、上記の期間の経過後における車両制動時にあっては、実行回生制動力BPRを保持するようにしてもよい。
また、補正処理の開始によって補正量ΔBPRを増大させる期間を、タイムラグTLの長さによらず一定期間としてもよい。
・補正処理を、液圧制動装置30によって車両に付与されている実行液圧制動力BPPの増大が検知されたときに終了するようにしてもよい。この場合、実行液圧制動力BPPの増大が検知されると、補正量ΔBPRが徐々に小さくされ、実行回生制動力BPRが徐々に減少される。こうした構成を採用しても、上記(1)と同等の効果を得ることができる。
・実行液圧制動力BPPが増大し始めて制動力差BP_Subが小さくなったと判断できるときには、補正処理を終了させるようにしてもよい。例えば、図9に示すように、補正量決定処理(ステップS16)で補正量ΔBPRが決定された後において、ブレーキ制御ユニット104は、制動力差BP_Subが予め設定された終了判定値ΔBPTh未満であるか否かを判定する(ステップS161)。制動力差BP_Subが終了判定値ΔBPTh以上である場合(ステップS161:NO)、ブレーキ制御ユニット104は、制動増大開始時の実行回生制動力BPRAと補正量ΔBPRとの和と、制動力差BP_Subとのうち小さい方の値を要求回生制動力BPRTとし、同要求回生制動力BPRTに関する情報をパワーマネージメントコンピュータ101に送信する(ステップS17)。一方、制動力差BP_Subが終了判定値ΔBPTh未満である場合(ステップS161:YES)、ブレーキ制御ユニット104は、補正量ΔBPRに「0(零)」をセットする(ステップS162)。その後、ブレーキ制御ユニット104は、制動増大開始時の実行回生制動力BPRAと補正量ΔBPR(=0(零))との和と、制動力差BP_Subとのうち小さい方の値を要求回生制動力BPRTとし、同要求回生制動力BPRTに関する情報をパワーマネージメントコンピュータ101に送信する(ステップS17)。すなわち、制動力差BP_Subが終了判定値ΔBPTh未満になったときに補正処理が終了される。このような構成を採用した場合、制動力差BP_Subが大きいときにのみに補正処理を実施することができる。
・要求制動力BPTの増大に伴って補正処理が実施されている状況下で、要求制動力BPTの増大速度と、実行液圧制動力BPPの増大速度とが等しいと見なせるようになったときに、補正処理を終了させるようにしてもよい。
・液圧制動装置としては、自動的に制動力を付与することのできる機能を有する装置も知られている。こうした液圧制動装置を備える車両にあっては、自動制動に伴う要求制動力BPTの増大に際して実行液圧制動力BPPを増大させるときに、実行液圧制動力BPPの応答遅れを補償するために、実行回生制動力BPRを増大させる補正処理を実施するようにしてもよい。こうした場合であっても、車両の実際の減速態様を、制動制御装置が規定するプロファイルに沿った減速態様に近づけることができる。
・液圧制動装置30は、回生制動装置と協調可能な制動装置であれば、ブレーキ操作量に応じた液圧が発生するマスタシリンダとホイールシリンダ36とがメカ的に分離されているバイワイヤ方式の装置ではなく、マスタシリンダとホイールシリンダ36とが液路を通じて連通している装置であってもよい。この場合であっても、マスタシリンダ内の液圧の増大開始と、ホイールシリンダ36内のWC圧Pwcの増大開始とのずれを補正処理の実施によって補償することができる。
・車両は、エンジン11を備える車両であれば、1モータ方式のハイブリッド車両の他、2モータ方式のハイブリッド車両であってもよい。また、回生制動装置として発電機を備える場合、車両は、駆動源としてエンジン11のみを備えるものであってもよい。
・車両は、エンジン11を備えない車両であってもよい。例えば、車両は、電気自動車であってもよい。
・ブレーキ操作部材は、運転者に操作されるものであればブレーキペダル31以外の他の任意のもの(例えば、ブレーキレバー)であってもよい。
12…回生制動装置の一例であるモータジェネレータ、30…液圧制動装置、31…ブレーキ操作部材の一例であるブレーキペダル、36…ホイールシリンダ、100…制動制御装置としての制御装置、104…補正制御部及び液圧制御部の一例であるブレーキ制御ユニット、WH…車輪、BPP…実行液圧制動力、BPPT…要求液圧制動力である目標液圧制動力、BPR…実行回生制動力、BPT…要求制動力、BP_Sub…制動力差、D1…不感帯相当値、Pwc…WC圧、ΔBPP…差分、ΔBPR…回生制動力の増大量としての補正量、ΔBPTh…終了判定値。

Claims (6)

  1. 車両に回生制動力を付与する回生制動装置と、
    車輪に対して設けられているホイールシリンダ内の液圧を調整することにより、車両に液圧制動力を付与する液圧制動装置と、を備える車両に適用される車両の制動制御装置であって、
    車両に要求されている要求制動力の増大に伴って液圧制動力が増大されるときに、要求制動力の増大に対する液圧制動力の増大の応答遅れを補償すべく、前記回生制動装置によって車両に付与される回生制動力を増大させる補正処理を実施する補正制御部を備える
    ことを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 前記補正制御部は、前記補正処理の実施に伴う回生制動力の増大量を、要求制動力から前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力を減じた差である制動力差が大きいほど多くする
    請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 前記液圧制動装置に対する要求値である要求液圧制動力と同液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力との差分が不感帯相当値を超えているときに、同液圧制動装置を制御して液圧制動力を前記要求液圧制動力に近づける液圧制御部を備えており、
    前記補正制御部は、前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が前記要求液圧制動力以上である状況下で同要求液圧制動力が増大されるときには、前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力が前記要求液圧制動力未満である状況下で同要求液圧制動力が増大されるときと比較して、前記補正処理の実施によって回生制動力を増大させる時間を長くする
    請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  4. 前記補正制御部は、前記補正処理の実施中において、要求制動力から前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力を減じた差である制動力差が終了判定値未満になったときに同補正処理を終了する
    請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  5. 前記補正制御部は、前記補正処理の実施中において、前記液圧制動装置によって車両に付与されている液圧制動力の増大が検知されたときに同補正処理を終了する
    請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  6. 前記補正制御部は、前記液圧制動装置が車両に付与する液圧制動力の応答速度が小さいほど、前記補正処理の実施に伴う回生制動力の増大量を大きくする
    請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
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