JP6336361B2 - 体外循環装置 - Google Patents

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Description

本発明は体外循環装置、特に気泡検出時にチューブを閉塞する手段を有する体外循環装置に関する。
例えば患者の心臓外科手術を行う場合には、体外循環装置の血液ポンプを作動して患者の静脈より脱血し、人工肺により血液中のガス交換を行った後に、この血液を再び患者の動脈に戻す体外血液循環を行う。この体外循環装置については、血液はチューブ内を循環しており、その循環時にチューブ内に気泡が発生した場合、患者に危害を与えることになるため、血液の流れをいったん止めるか、もしくは気泡を別のルートにて排出する必要がある。
血液の流れをいったん止める手法については、例えば、気泡センサによるチューブ内の気泡の検出に基づいて、制御部がチューブクランプに閉塞する旨の指示を出し、そして、チューブを締付けて閉塞するようになっている。
また、気泡を別ルートに排出する手法については、例えば特許文献1の図1に示されるように、血液回路中に切換え手段7を有しており、気泡検出手段6が気泡を検知した場合、切換え手段7で流路を変えることで、気泡を含んだ血液を平常時とは異なる気泡排出ルートに回して、廃液収納容器8に排出している。
特開2008−220417号公報
ところで、特許文献1のように気泡排出ルートを別に設ける手法では、装置自体が大掛かりで、設置の手間が増え、また、血栓が生じる可能性も高まる。特に緊急に循環を補助しなくてはならない場合、その設置の手間の増大は、救急救命の現場では大きな障害となる。また血栓ができる可能性を増やすことは患者の予後に悪影響を及ぼし得ることは言うまでもない。
一方、チューブクランプを用いてチューブを閉塞する手法の場合、特許文献1のような問題は生じ難いが、気泡を検知して血液の流れを止めた後は、やはり血液回路中から気泡を除去する対処が必要となる。このため術者は、例えばチューブに取り付けられた三方活栓からシリンジで血液を引いて、人手で気泡を除去している。しかしながら、血液回路中のどの位置に気泡が存在するのかが分かり難いため、気泡除去までに相当の時間を費やし、このため、血液循環の再開に手間取って、患者の生命維持に支障をきたす恐れが高まってしまう。
そこで、本発明は、気泡を検知してチューブを閉塞した際、血液回路中の気泡を迅速に除去できる体外循環装置を提供することを目的とする。
上記課題は、血液を被術者の体外へチューブを用いて循環させる血液回路中に、気泡を検出する気泡センサと、前記気泡センサよりも下流側に配置され、前記気泡を検出した際に前記チューブを閉塞するチューブクランプとを備えた体外循環装置であって、前記血液回路中には前記チューブ内の血液流量を検出する流量センサが設けられ、前記流量センサが前記気泡を検出した際に測定した血液流量に基づいて、前記気泡を検出してから前記チューブを閉塞するまでの時間に、血液が前記気泡センサから前記チューブ内を進んだ距離である進行距離を推定する制御部を有し、前記進行距離に基づいて推定される気泡の位置情報を報知する報知部を有し、前記チューブは、その長さ方向に沿って配列された複数の目印を有しており、前記報知部は、前記複数の目印の内、気泡が近接していると推定される目印を報知するようにしたことを特徴とする体外循環装置により解決される。
上記構成によれば、体外循環装置は、血液回路中の相対的に上流に気泡センサを、下流にチューブクランプを有しているため、血液回路中に気泡を検出すると、チューブを閉塞して、気泡が患者に流れることを防止できる。
そして、当該血液回路中にはチューブ内の血液流量を検出する流量センサが設けられ、流量センサが気泡を検出した際に測定した血液流量に基づいて、気泡を検出してからチューブを閉塞するまでの時間に、血液が気泡センサからチューブ内を進んだ距離である進行距離を推定する制御部を有している。この点、この気泡検知時からチューブを閉塞するまでにチューブ内を流れる血液の進行距離は、血液の流れによって気泡が気泡センサから流れた距離であると推定できる。
そして、この進行距離に基づいて推定される気泡の位置情報を報知する報知部を有する。従って、例えば、報知部が表示画面である場合は進行距離(即ち、気泡センサから気泡までの推定される距離)を表示するなどして、術者が気泡の位置を把握するために有用な情報を与えることができ、これにより気泡を除去する対処が迅速に行える。
また、前記構成によれば、例えば、報知部が表示部である場合、その表示部に表された目印を見て、それに対応した目印をチューブから探せば(例えば、表示部の目印が「A」であれば、その「A」という目印をチューブから探せば)、その探した目印の位置を気泡の位置として術者に認識させることができる。なお、このようなチューブと報知部との目印を対応させる手法では、チューブに気泡位置把握用のランプを取付けた手法と比べて、気泡を除去する迅速性は若干劣るものの、チューブに悪影響を及ぼす恐れを排除でき、また、ランプをチューブに取付ける手間を排除できる等の優れた効果がある。
好ましくは、前記血液回路中において、前記気泡センサと前記チューブクランプとの間には人工肺が配置されており、前記制御部は、前記気泡センサと前記人工肺との距離を特定すると共に、前記人工肺を前記チューブの長さに換算するようにしたことを特徴とする。
そうすると、気泡センサと人工肺との距離が特定されているので、気泡センサからの進行距離を判断すれば、気泡が人工肺に到達したか否かの推定が可能となる。さらに、人工肺はチューブの長さに換算されるため、チューブの中を進んだ血液の進行距離を判断すれば、気泡が人工肺の中、或いは、それより下流にあるか否かの推定が可能となる。
好ましくは、前記チューブを閉塞するまでの時間を、前記チューブ内の血液温度及び/又は環境温度によって変更するようにしたことを特徴とする。
従って、血液温度や環境温度によって、チューブクランプのチューブを閉塞する時間が変化したとしても、チューブが閉塞するまでに血液が気泡センサから流れる進行距離をより正確に算出して、より正確な気泡位置を術者に知らせることができる。
以上、本発明によれば、気泡を検知してチューブを閉塞した際、血液回路中の気泡を迅速に除去できる体外循環装置を提供することができる。
本発明の体外循環装置の好ましい実施形態を示す系統図。 図1の体外循環装置に用いられるチューブクランプの概略断面図。 図1の体外循環装置の特徴的な構成を示す概略ブロック構成図。 チューブクランプのチューブ種類や環境・血液温度に対応した反応時間に関するデータテーブルの一例。 人工肺のチューブ換算距離に関するデータテーブルの一例。 報知部としての表示画面例(図8の簡易情報の場合の表示画面例)。 報知部としての表示画面のその他の例(図8の標準情報の場合の表示画面例)。 図1の体外循環装置の特徴的な動作を示すフローチャート。 本実施形態の体外循環装置の第1変形例に係る報知部を説明するための図。 本実施形態の体外循環装置の第2変形例に係る報知部の図。 本実施形態の体外循環装置の第2変形例に係るチューブの図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の図において、同一の符号を付した箇所は特に言及がない限り同様の構成である。
本実施形態の体外循環装置は、「補助循環動作」や「体外循環動作」の場合に使用される。「体外循環動作」とは、例えば外科手術によって一時的に心臓での血液循環を止めるような場合に、体外循環装置により血液の循環動作とこの血液に対するガス交換動作(酸素付加および/または二酸化炭素除去)を行うことである。「補助循環動作」とは、患者の心臓が十分な機能を果たせない場合や肺によるガス交換が十分に行えないような状態において、体外循環装置によって血液の循環動作の補助を行うことである。装置によっては血液に対するガス交換動作を行う機能を持つものもある。
図1は、本発明の実施形態に係る体外循環装置1の系統図である。
この図の体外循環装置1は、患者(被術者)Pの静脈から脱血した後に、この血液を再び患者の動脈に戻すようにした血液の管路を備えた血液回路(「血液循環回路」ともいう)1Rを有している。
血液回路1R中には、患者Pの血管に挿入される静脈側カニューレ5及び動脈側カニューレ6と、体外で管路となるチューブ(脱血チューブ11及び送血チューブ12)と、血液を送る血液ポンプ4と、血液に対するガス交換動作を行う人工肺2と、気泡を検知するための気泡センサ37と、気泡を検知した際にチューブを閉塞するチューブクランプ50と、チューブ内の血液流量を測定するための流量センサ52と、血液回路1R中に配設された各部品を制御するコントローラ10とを有し、心臓と肺の代行を行っている。
静脈側カニューレ(脱血側カニューレ)5はコネクターCNにより脱血チューブ(脱血ライン)11と結合され、動脈側カニューレ(送血側カニューレ)6はコネクターCMにより送血チューブ(送血ライン)12と結合される。
脱血チューブ11と送血チューブ12は、例えば塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム等の可撓性及び弾力性を有すると共に透明性の高い合成樹脂製の管路が使用できる。
脱血チューブ11内では、血液はV方向(血液ポンプ4側)に流れ、送血チューブ12内では、血液はW方向(患者側)に流れる。脱血チューブ11の途中には、そのチューブ内の気泡を検出する気泡センサ37が配設されている。
血液ポンプ4は脱血チューブ11の下流側端部に接続されており、コントローラ10からの指令SGにより作動すると、脱血チューブ11から脱血する。そして、脱血された血液は人工肺2を通った後、送血チューブ12を介して患者Pに戻される。
血液ポンプ4には既知のポンプを用いることができ、本実施形態では遠心ポンプを利用している。この遠心ポンプである血液ポンプ4は、例えば磁石が埋め込まれた回転子(不図示)を有するポンプヘッド4bと、このポンプヘッド4b側に磁石が取付けられたドライブモータ(駆動源)4aとからなり、ドライブモータ4aが回転すると、磁力により回転子が回転するようになっている。ドライブモータ4aの回転数は、コントローラ10の回転摘み等からなる操作部32により設定される。
本実施形態の血液ポンプ4は、ポンプヘッド4bの中に熱電対等の公知の血液温度センサ(図3参照)が設けられており、この血液温度センサの検出結果は電気信号に変換されてコントローラ10に送信され、血液温度が測定される。
なお、本発明の血液ポンプ4は遠心ポンプに限られるものではなく、例えばローラーポンプや軸流ポンプ等も利用できる。また、血液温度の測定手段も上記に限られるものではなく、他の公知の手段を用いることができる。
人工肺2は、血液ポンプ4よりも下流に配置され、血液ポンプ4とは脱血チューブ11と同様の材質でなるチューブ9で接続されている。人工肺2には公知の膜型人工肺、好ましくは中空糸型人工肺、さらに好ましくは外部灌流型人工肺を用いることができる。図の場合は外部灌流型人工肺であり、酸素濃度を調整した混合ガスがチューブ14を通じて供給され、この供給された混合ガスは、多孔質膜をストロー状にした複数のホローファイバ(中空糸型ガス交換膜)の中を通るようになっている。これに対して、血液ポンプ4から流れてきた血液も人工肺2の中に導入され、この導入された血液は、複数のホローファイバどうしの間を通って、送血ライン12に送られる(従って、外部灌流型人工肺では、複数のホローファイバどうしの間が血液回路となる)。そして、ホローファイバの内側と外側でガス交換を行っている。なお、本発明の人工肺2は、このような外部灌流型に限られるものではなく、内部灌流型であってもよく、或いは、中空糸型とは異なる膜型人工肺であっても構わない。
気泡センサ37は、チューブ内に存在する気泡を検出する検出器であり、好ましくは脱血チューブ11の途中に配置される。
気泡センサ37には、既知のセンサを利用することができる。本実施形態の気泡センサ37には超音波式検出センサが用いられ、脱血チューブ11内を流れる血液中に存在する気泡が、送信した超音波の受信強度を変化させることから、気泡を検出できる。
この気泡センサ37が取付けられる脱血チューブ11の位置は予め決められており、その位置にはマークMA1,MA2,MA3が付されている。マークMA1〜3の機能や使用方法等の詳細については後で説明するが、マークMA1〜3は気泡センサ37の血液回路中における位置を特定するための目印である。本実施形態のマークMA1〜3は、チューブの長さ方向に沿って所定間隔で複数配置(例えば10cm毎に配置)され、複数のマークMA1〜3は、夫々、人工肺2から決められた距離に付されている。これにより、複数のマークMA1〜3の内いずれか一つのマークの位置に気泡センサ37が取付けられると、人工肺2と気泡センサ37との距離が特定可能となる。なお、図のマークMA1〜3は、気泡センサ37の取付け位置に自由度を持たせるため3カ所としているが、本発明はこれに限られず、予め決められた一箇所であってもよい。
チューブクランプ50は、コントローラ10の指示により送血チューブ12を締付けて、その流路を閉塞するための閉塞装置であり、ファストクランプとも言う。このチューブクランプ50については、図1、及びチューブクランプ50の構造例を示す縦断面図である図2を用いて説明する。
チューブクランプ50は、図1に示すように、気泡センサ37よりも下流側に配置され、図の場合、人工肺2より下流の送血チューブ12の途中に配置されている。そして、チューブクランプ50の上流にある気泡センサ37が脱血チューブ11内の気泡を検出し、コントローラ10がその検出信号ARを受けると、コントローラ10内のクランプ制御部20はチューブクランプ50に閉塞指示TAを出し、チューブクランプ50は送血チューブ12を緊急に閉塞して、患者Pへの気泡の誤送を阻止するようになっている。
具体的には、図2に示すように、チューブクランプ50は、本体部51と、この本体部51に対して開閉可能な蓋部52とを有している。本体部51と蓋部52との間には、送血チューブ12の一部を装着するための装着空間60が設けられており、蓋部52を閉じることで、本体部51と蓋部52とで送血チューブ12が挟持可能とされている。
本体部51は全体が直方体であり、上下に移動する押子85が内蔵されている。押子85は、スプリング86の力で送血チューブ12を蓋部52に押し付け、送血チューブ12の内部空間を潰すことで、送血チューブ12の閉塞状態を作る押圧部材である。具体的には、図2の送血チューブ12を押す前の押子85の状態は、スプリング86の力に抗して退避した状態であり、ソレノイド89がクランプ制御部20の指令により、押子85の軸部87と係止されることで、押子85が退避した状態は保持される。そして、図1の気泡センサ37が送血チューブ12内の気泡を検出すると、クランプ制御部20が図2のソレノイド89に閉塞指示TAを出し、軸部87を含む押子85の退避状態が解除されて、押子85はスプリング86の力により、本体部51内をUP方向に移動し、蓋部52に送血チューブ12を押し付けて潰すようになっている。
なお、図1に示すように、送血チューブ12には複数の三方活栓78,79が設けられている。そのうち一方の三方活栓78は、人工肺2とチューブクランプ50との間に配置され、チューブ閉塞後、送血チューブ12内の気泡を除去するために用いられる。即ち、三方活栓78は、平常時の送血ルートとは異なるルート78bを有し、ハンドル78aを回して該ルート78bに送血ルートを変更した上で、ルート78bに接続されたシリンジで気泡を含んだ血液を吸引可能とされている。他方の三方活栓79は、チューブクランプ50よりも下流であって、好ましくは送血チューブ12の患者寄りに配置されている。この三方活栓79は、気泡をチューブクランプ50の上流側に止めることができなかった場合の三方活栓であり、使用方法は三方活栓78と同様である。
図1の流量センサ52は、体外の管路であるチューブ内の血液流量(L/min)を測定するための検出器である。このように流量センサ52を設けるのは、正常な血液循環を見張るためであり、さらに、気泡が発生してチューブを閉塞した際の気泡位置を推定するためである(この点については後で詳細に説明する)。
流量センサ52には既知の流量計を利用でき、本実施形態の場合、超音波伝搬時間差方式センサ(広義では超音波流量センサ)が用いられている。この超音波伝搬時間差方式センサは、血流の向きWとその逆向きの両方に対して超音波を送受信し、この向きに基づく超音波の伝達時間の差から、血液流量を検出している。
図1の流量センサ52は、好ましい形態として、送血チューブ52のラインの内、チューブクランプ50よりも下流に配置されているが、本発明の流量センサ52の態様は、必ずこのような態様に限られるものではなく、チューブクランプ50より上流であっても構わない。
コントローラ10は、体外循環装置1全体の動作の判断・制御を行うものであり、図示しないバスを介して互いに接続され、クロック発信器のクロック信号を基準にして動作するようにした複数のCPU(Central Processing Unit)・ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等からなるコンピュータである。
このコントローラ10には回転摘み等からなる操作部32が設けられており、これを使用者が操作することにより、血液ポンプ4の回転数や種々のデータの入力設定が可能とされている。この入力設定されるデータの内、チューブ閉塞時の気泡位置を判断するためのデータ(パラメータ)としては、後で詳細に説明するが、チューブの種類(チューブの断面積)、人工肺の種類、気泡センサの取付け位置(上述したマークMA1〜3の位置)があり、これらはプルダウンメニューでの入力が可能とされている。
また、コントローラ10は環境温度を測定するための公知の環境温度センサ22を有している。環境温度センサ22は、環境温度によって変化するチューブクランプ50の反応時間(気泡センサ37が気泡を検出してから、送血チューブ12が閉塞されるまでの時間)を特定するためのものである。
また、コントローラ10は報知部として表示部35及びスピーカー93を有し、表示部35には操作部32で操作する際の設定用情報(血液ポンプ3の回転数設定、人工肺2の種類、チューブの種類、等)、体外循環装置1の適正な運転や患者の体調などを把握するための各種メッセージ(血液温度、血液流量、血圧、等)、及び異常時に対応するためのメッセージ(チューブを閉塞した際の気泡位置情報、等)が表示される。また、スピーカー93からは、気泡が発生した際の警告音などが鳴らされる。
このようなコントローラ10には、チューブを閉塞した際に気泡位置を推定するための気泡位置推定用の制御部(以下、「制御部」という)100と、チューブクランプ50を制御するためのクランプ制御部20とを有している。
以下、この制御部100、及びクランプ制御部20を中心にした好ましい構成例を、主に図3〜図7を用いて、詳細に説明する。
図3は図1の体外循環装置1の特徴的な構成を示す概略ブロック構成図、図4はチューブクランプのチューブ種類や環境・血液温度に対応した反応時間に関するデータテーブルの例、図5は人工肺内の血液回路をチューブに換算した際の距離に関するデータテーブルの例、図6及び図7は報知部としての表示画面例である。
図3に示すクランプ制御部20は、チューブクランプ50を制御するための回路を構成しており、チューブクランプ50及び気泡センサ37と接続されている。気泡センサ37が気泡を検出すると、その検出結果は電気信号に変換されてクランプ制御部20に入力され、クランプ制御部20は、直ぐにチューブクランプ50に閉塞命令を出して、チューブクランプ50は図2の一点鎖線で示すように、押子85で送血チューブ12を蓋部52に押し付けて、送血チューブ12を閉塞するようにしている。このようなクランプ制御部20は、制御部100と接続されており、チューブクランプ50に閉塞命令を出した後、制御部100に対して、気泡を検出した旨の情報を出力する構成とされている。
制御部100は中央処理装置(CPU)13を備え、この中央処理装置13は、チューブを閉塞した際の気泡の位置を推定するための判断・演算や命令等を集中的に処理しており、バスを介してROM(Read Only Memory)である進行距離判断プログラム19、及びクランプDT33と接続されている。
進行距離判断プログラム19は、気泡検出時に流量センサ52が測定した血液流量に基づいて、気泡を検出してからチューブを閉塞するまでの時間に、血液が気泡センサからチューブ内を進んだ距離である「進行距離」を算出するためのプログラムが格納されている。このプログラムは、中央処理装置13が気泡検出の情報を受けてからチューブを閉塞するまでの時間と血液流量を乗じた値に基いて、血液がチューブ内を進んだ距離を求めるものであり、具体的には以下の式1、或いはこの式1を利用した式(例えば「(Q×Tc)/(A×60000)」)が格納されている。なお、以下の式1の「L」は進行距離(m)、「Q」は血液流量(L/min)、「A」はチューブ内の断面積(m)、「Tc」は気泡検出からチューブクランプがチューブを閉塞するまでの時間である反応時間(sec)であり、体積1L=1/1000m、1sec=1/60minの単位換算を式に含む。
L=(Q/60×Tc)/1000/A・・・・式1
上記式1に基づいて、中央処理装置13が「進行距離」を算出するようになっている。
クランプDT33には、上記進行距離判断プログラム19の演算式のうち「Tc(反応時間)」を求めるためのデータテーブルが格納されている。このクランプDT33に格納されたデータテーブルの一例が図4であり、図4に示すように、反応時間Tcはチューブの種類(特に断面積・硬度の違いによる種類)、環境温度Tb、血液温度Taに対応して変わることからデータテーブル化されている。即ち、チューブの断面積や硬度が大きくなれば反応時間Tcも比例して長くなり、また、環境・血液温度が上がれば、それに反比例して反応時間Tcは短くなる。
また、図3に示す中央処理装置13は、RAM(Random Access Memory)であるデータ記憶部15を介して、流量センサ52、血液温度センサ42、環境温度センサ22、及び操作部32と接続されている。
データ記憶部15には、流量センサ52から血液流量が、血液温度センサ42から血液温度が、環境温度センサ22から環境温度が、それぞれ常時入力されて一時的に記憶され、中央処理装置13がクランプ制御部20から気泡を検出したという情報を受けた時点で、血液流量Q、血液温度Ta、環境温度Tbが確定される。
また、操作部32は、設定時(変更設定時も含む)に、プルダウンメニューにより、チューブクランプで閉塞するチューブの種類を選択可能とされているが、このチューブ型番(チューブの種類)が選択されると、データ記憶部15がそれを記憶しておき、クランプ制御部20から気泡を検出したという情報を受けた時点で当該チューブの種類が確定される。
この気泡検出時に確定された血液流量Qが、進行距離判断プログラム19に格納された上記式1の「Q(血液流量)」に代入されることになる。
また、気泡検出時に確定されたチューブ型番、血液温度Ta、環境温度Tbは、チューブクランプの反応時間Tcを判断するためのデータであり、チューブ型番、血液温度Ta、及び環境温度Tbが確定すると、中央処理装置13が例えば図4のデータテーブルが格納された図3のクランプDT33を基準にして、チューブクランプの反応時間Tcを特定するようになっている。そして、この反応時間Tcが、進行距離判断プログラム19に格納された上記式1の「Tc(反応時間)」に代入されることになる。なお、チューブ型番が確定すれば、それに対応したチューブ内の断面積(A)も分かり、その数値が進行距離判断プログラム19に格納された上記式1の「A(断面積)」に代入されることになる。
このように、中央処理装置13は、上記式1「L=(Q/60×Tc)/1000/A」に基づいて、気泡検出時の「Q(血液流量)」「Tc(反応時間)」「A(断面積)」を代入して、「L(進行距離)」を算出している。
そして、この進行距離Lは、気泡を検出してからチューブを閉塞するまでに、血液の流れにのって気泡が気泡センサからチューブ内を進んだ距離と推定できる。
さらに、中央処理装置13は、バスを介してROMである人工肺DT34とも接続されている。人工肺DT34は例えば図5に示すようなデータテーブルであり、人工肺の種類に対応して、人工肺内の血液回路をチューブの長さに換算した数値(以下、「チューブ換算距離」という)に関するデータが記録されている。この人工肺DT34に基づいて、中央処理装置13は、操作部32で選択された人工肺の種類とチューブの種類を利用して、チューブ換算距離を特定できる。すなわち、図3の操作部32では、設定時(変更設定時も含む)に、人工肺の種類とチューブの種類が選択され、この選択された人工肺・チューブの種類はデータ記憶部15に一時的に記憶され、中央処理装置13がクランプ制御部20から気泡検出の入力をされると、人工肺・チューブの種類が確定される。そして、このように確定された人工肺・チューブの種類(図5の場合は、人工肺コード番号とチューブの型番)を用いて、中央処理装置13は人工肺DT34に基づいて、チューブ換算距離を算出するようになっている。
また、操作部32では、上述のように設定時(変更設定時も含む)に、気泡センサの取付け位置(図1のマークMA1〜3のいずれかの位置)も選択されており、このマークMA1〜3の各位置は人工肺から予め決められた距離に付されている。従って、気泡検出時において気泡センサから人工肺までの距離が判断可能されている。
このようにして、本実施形態では、「気泡センサから人工肺までの距離」が特定されると共に、人工肺の「チューブ換算距離」も算出される。従って、上述のように中央処理装置13が算出した「進行距離」(気泡検出後からチューブ閉塞までに気泡センサからチューブ内を流れる血液の距離)に基づいて、気泡が少なくとも「人工肺よりも上流」「人工肺の中」「人工肺よりも下流」のいずれに存在するのかを判断できる。
そして、中央処理装置13は表示部(報知部)35と接続されており、表示部35は、上述のように中央処理装置13で算出された「進行距離」に基づいて、中央処理装置13の命令により、推定された気泡の位置情報を報知するようにしている。本実施形態の表示部35の画面に示される「気泡の位置情報」としては、図6に示すように、「推定される気泡位置の気泡センサからの距離」がある。又は、上述のように、人工肺を基準にした気泡の位置が推定可能であるため、図7(A)(B)に示すように、気泡が人工肺の上流にあるのか、人工肺の中にあるのか、或いは人工肺の下流にあるのか、を報知することもできる。なお、図6及び図7に示される表示部35はカラー液晶、有機EL等による表示画面を有しており入力機能としては静電容量式、感圧式等によるタッチセンサ式となっている。そのOKの図の部分45に触れると、当該気泡の位置情報が解除される。
次に、体外循環装置1の動作例について、図8を中心にして、図1〜図7を参照しながら説明する(なお、以下の記載で図8に付されていない符号は図1〜図7を参照)。
図8は図1の体外循環装置1の特徴的な動作を示す概略フローチャートである。
体外循環装置1については、血液循環前の準備として、図1及び図2に示すコントローラ10の電源を入れ(図8のステップ1)、その後、操作部を用いて初期設定を行う(図8のステップ2)。初期設定の作業としては、通常の設定作業として血液ポンプ3の回転数設定、等がある。
次いで、この初期設定作業に引き続く設定作業として、本実施形態の場合、気泡を検知してチューブを閉塞した際に報知する気泡位置情報として、「簡易情報」と「標準情報」のいずれかを選択できるようにしている(図8のステップ3)。
簡易情報は、設定作業を容易にし、緊急に体外循環が必要な場合に役立つものであり、図6の表示画面例に示すように、推定される気泡位置の気泡センサからの距離を表示するのみである。これを選択した場合、設定作業として、プルダウンメニューによる脱血チューブ11・送血チューブ12の種類の選択のみを行い(図8のステップ4)、その後、体外循環を開始する(図8のステップ5)。なお、本実施形態では脱血チューブ11と送血チューブ12には同様のものを用いているため、一種類のチューブの選択で足りるようにしている(この設定作業で選択した結果は、図3のデータ記憶部15に記憶される)。
これに対して、標準情報は、気泡位置をより詳しく、かつ分かり易く報知するものであり、図7の表示画面例に示すように、例えば人工肺2を基準にした気泡の位置を表示するものである。図8のステップ3で標準情報を選択した場合、標準情報のフラグがONになり(図8のステップ3−1)、その後、設定作業として、プルダウンメニューによる人工肺2の種類の選択、脱血チューブ11・送血チューブ12の種類の選択(本実施形態では上述のように一種類のチューブの選択のみ)、気泡センサ37の取付け位置(図1の複数のマークMA1〜3の内、いずれかのマーク)の選択を行う(図8のステップ3−2)。なお、この設定作業で選択した各結果は、図3のデータ記憶部15に記憶される。
そして、体外循環を開始する(図8のステップ5)。なお、体外循環の際、図3の流量センサ52、血液温度センサ42、及び環境温度センサ22は、常時、電気信号に変換した血液流量Q、血液温度Ta、及び環境温度Tbのデータを図3のデータ記憶部15に出力する。
次いで、体外循環の開始から、気泡センサ37がチューブ内の気泡の有無を常に見張っており(図8のステップ6)、気泡を検知しない場合は、その見張りを続ける。そして、気泡を検知した場合、図3のクランプ制御部20がチューブクランプ50に対してチューブの閉塞を命令し、チューブクランプ50はチューブを閉塞する(図8のステップ7)。この際、図1のコントローラ10はスピーカー93により気泡が発生したことをアラームする。また、チューブの閉塞と連動してドライブモータ4aを停止し、血液ポンプ4の動作を停止することが好ましい。
次いで、図3のクランプ制御部20は、中央処理装置13に気泡検出のデータを出力し、中央処理装置13は、その時点でデータ記憶部15に記憶されている「血液流量Q」「チューブの種類(「チューブ内の断面積A」を含む)」「血液温度Ta」「環境温度Tb」を確定する(図8のステップ8)。
次いで、この確定した「チューブの種類」「血液温度Ta」「環境温度Tb」により、図3の中央処理装置13は、クランプDT33(例えば図4のデータテーブル参照)に基づいて、チューブクランプの「反応時間Tc」を特定する(図8のステップ9)。
次いで、この特定・確定した「血液流量Q」「チューブの断面積A」「反応時間Tc」により、図3の中央処理装置13は、進行距離判断プログラム19に格納された上記式1に基づいて、「進行距離L(気泡を検知してからチューブを閉塞するまでの時間に、血液が気泡センサからチューブ内を進んだ距離)」を算出する(図8のステップ10)。例えば、血液流量Qが4L/min、チューブの断面積Aが100mm(0.0001m)、反応時間Tcが0.5secであれば、上記式1から、進行距離Lは約0.33mとなる。
次いで、図8のステップ11に進み、標準情報のフラグがONになっていなければ、表示部(報知部)35の画面に、例えば図6のような簡易的な気泡の位置情報を表示する。
これに対して、図8のステップ11で、標準情報のフラグがONになっていれば、図3のデータ記憶部15で記録されている人工肺の種類を確定し、人工肺DT34(例えば図5のデータテーブル参照)に基づいて、人工肺のチューブ換算距離を特定する(図8のステップ12)。
次いで、設定作業の際に選択した気泡センサ37の取付け位置を確定する(図8のステップ13)。即ち、図1の複数のマークMA1〜3内、いずれのマークを選択したかを確定し、その確定したマークと人工肺2との距離を判断する。
次いで、図8のステップ10で算出した「進行距離」に基づいて、図8のステップ12で特定した「チューブ換算距離」、及び図8のステップ13で確定した気泡センサ37の取付け位置を利用して、気泡が「人工肺よりも上流」「人工肺の中」「人工肺よりも下流」のいずれに存在するのかを判断する(図8のステップ14)。なお、血液回路中の遠心ポンプ4については、その中を血液が流れる距離・時間は短く、チューブに換算した際の距離は予め一つに特定しておけばよい。本実施形態の遠心ポンプ4の場合はチューブに換算した際の距離を3cmとし、そして、上記「進行距離」に基づいて、気泡が「人工肺よりも上流」「人工肺の中」「人工肺よりも下流」のいずれに存在するのかを判断している。
その後、表示部35の画面に例えば図7のような人工肺を基準とした気泡の位置情報を表示する。
本実施形態の体外循環装置1及びその制御方法は以上のように構成されており、このため、気泡を検出してチューブを閉塞した際、術者は気泡の位置を知ることができる。従って、チューブの中から気泡を迅速に除去でき、患者の生命維持に支障をきたす恐れを低減することができる。特に、人工肺を基準にして、その前後か、或いは中にあるのかを知るだけでも、気泡を除去する作業者にとっては有用な情報であり、気泡除去作業の時間短縮に与える効果は大きい。
〔第1変形例〕
図9は本実施形態の体外循環装置の第1変形例に係る報知部を説明するための図であり、人工肺2からチューブクランプ50までの概略斜視図である。この図において、図1ないし図8と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第1変形例が上述した体外循環装置と異なるのは、報知部70についてである。
即ち、図9の報知部70は、送血チューブ12に沿って配列された複数のランプ71〜76を有している。
この報知部70は、人工肺2とチューブクランプ50との間の送血チューブ12の長手方向に沿って、送血チューブ12に対して固定された例えばテープライトであり、シリコーン等の可撓性を有するチューブ内に、その長さ方向に沿って所定間隔で複数のランプ(本変形例の場合はLED)71〜76が実装されることで形成されている。この複数のランプ71〜76は、互いの間隔が等間隔であり、その数は多い方が好ましい。図のランプ71〜76は例えば10cm間隔で6個のみを図示しているが、ランプの間隔はそれよりも狭く、数も多い方が好ましい。
なお、本変形例では、報知部70を送血チューブ12にのみ貼付して固定しているが、本発明はこれに限られず、脱血チューブ11(図1参照)に貼付しても構わない。また、報知部70をチューブに貼付するのではなく、他の治具ないし支持手段を利用してチューブに固定しても構わない。
そして、コントローラ10には表示部ドライバ80が設けられ、表示部ドライバ80は制御部100の指令によりランプ71〜76を点灯させ、これにより気泡の位置を報知するようにしている。なお、本変形例の場合、上記「進行距離」を算出するだけではなく、気泡センサ37から推定される気泡までの距離L1を判断する必要があるため、少なくとも気泡センサ37の取付け位置を特定する必要がある。更に、本変形例のように、人工肺2より下流側の送血チューブ12に報知部70を配置する場合は、人工肺2の「チューブ換算距離」も特定する必要があるため、図8のステップ3において標準情報を選択した場合と同様のステップを行う必要がある。
気泡位置を報知するためのランプ71〜76の点灯方法としては、複数のランプ71〜76の内、気泡があると推定される位置に近接したランプのみを点灯させ、或いは、気泡があると推定される位置に近接したランプのみを点灯させない方法でもよいが、本変形例の場合、全てのランプ71〜76を点灯させた上で、気泡があると推定される位置に近接したランプのみの色を変えて、気泡位置を報知している。例えば、図9の場合、気泡があると推定される位置に近接したランプ73,74のみ赤色に点灯させ、その他のランプ71,72,75,76を緑色に点灯させている。図9では、互いに近接した2個所のランプ73,74の間に気泡BUがあると推定された場合は、当該2個所のランプ73,74の点灯色を変えている。
第1変形例は以上のように構成され、このように報知部70は、チューブに沿って配設された複数のランプ71〜76であり、その点灯により気泡位置を報知しているため、気泡位置をより分かり易く報知できる。そして、例えば図9に示すように、ランプ73,74どうしの間に気泡BUがあれば、例えば、ランプ73と一つ上流側にあるランプ72との間の位置Pa、及び、三方活栓78の少し下流側の位置Pbを鉗子でクランプし、そして、三方活栓78のルート78bにシリンジを接続して、ランプ73〜ランプ75の間にある血液だけ引いて、気泡を迅速に除去できる。
なお、第1変形例では、人工肺2とチューブクランプ50との間の送血チューブ12のややチューブクランプ50側に三方活栓78を配置しているが、三方活栓78の配置はこれに限られるものではない。この際、三方活栓78を人工肺2とチューブクランプ50との中央部に配置するとよく、これにより、気泡が三方活栓78の上流又は下流のいずれにあっても、ほどよく迅速な対処が可能となる。
〔第2変形例〕
図10は、本実施形態の体外循環装置1の第2変形例に係る報知部90の図であり、図11は、その第2変形例に係るチューブの図である。なお、図11の吹き出し部分はチューブの部分拡大図である。これらの図において、図1ないし図9と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第2変形例が上述した実施形態及びその第1変形例に係る体外循環装置と異なるのは、報知部90とチューブの構成についてである。
即ち、図11に示すように、送血チューブ12は、その長さ方向に沿って配列された複数の目印A〜Fを有している。この目印A〜Fは、第1変形例のようなランプではなく、送血チューブ12に付された単なる文字・数字・記号・図形等の目印であり、図10の報知部90により報知された気泡位置に対応した目印である。図11の複数の目印A〜Fは、等間隔であるのが好ましく、更に、その数は多い方が詳細な気泡位置が把握できるため好ましい。しかし、当該目印の数が多過ぎると、図9のランプと違って目印を探すのに時間がかかることから、例えば概ね3〜10cm間隔で配置するとよい。なお、図11では送血チューブ12のみ図示しているが、本変形例はこれに限られず、脱血チューブ11(図1参照)に目印を付けても勿論構わない。
そして、図10に示すように報知部90は表示部の表示画面を利用したものであり、気泡検出後にチューブクランプがチューブを閉塞した際、図11の送血チューブ12に付された複数の目印A〜Fの内、気泡が近接していると推定される目印A〜Fを、図10の表示部で把握できるように表示している。その表示方法としては、単に、気泡が近接していると推定される一つの目印のみを表示してもよいが、本変形例の場合は、図11の実際の送血チューブ12に対応するようにして、図10の表示部には送血チューブ12と同様の目印A〜Fが付いたチューブが表示され、そして、該表示部は、気泡があると推定した位置に対応した部分の色を変えたり明るくしたりしている。具体的には、図3の中央処理装置13は、算出した「進行距離(血液が気泡センサから進んだ距離)」、及び気泡センサの取付け位置に基づいて、血液回路中の気泡位置を推定し、そして、その位置が遠心ポンプよりも下流である場合、遠心ポンプを3cmのチューブとみなし、更に人工肺よりも下流である場合、人工肺の「チューブ換算距離」を用いて、人工肺より下流にある気泡の位置を推定する。このようにして気泡の位置を推定した図3の中央処理装置13は、コントローラ10内の表示部ドライバ(不図示)に指令を出し、図10に示す表示部は該指令に従って、推定した気泡の位置を周りよりも明るくすると共に色を変えて点灯させる。そして、例えば図10に示すように、色を変えて明るく点灯した部分がBとCの目印の間あれば、術者は、図11の実際の送血チューブ12に付された目印BとCの間に気泡があると判断できる。
第2変形例は以上のように構成され、このため、術者は、表示部である報知部90に表示されたり点灯したりした目印A〜Fを見て、それに対応したチューブの目印を目安にしながら、気泡の位置を知ることができる。
なお、チューブに配置された目印はアルファベット文字に限られるものではなく、番号やローマ文字であってもよいし、或いは、その他の図形であってもよい。
また、本発明の報知部90は表示部に限られるものではなく、スピーカーであってもよい。スピーカーの場合は、チューブに付された番号等を音声で報知すればよく、術者は、その音声で報知された番号等を目安にして、気泡位置を探すことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施形態では、複数種のチューブや人工肺に対応して気泡の位置情報を報知可能にするため、設定時にチューブの種類や人工肺の種類を選択可能にしているが、本発明はこれに限られるものではなく、チューブの種類や人工肺の種類は予め決められた一種類にしても構わない。
また、上記実施形態では、「進行距離」や「チューブ換算距離」は一つの制御部100でその数値を決めているが、複数の制御部を用いて決めるようにしてもよい。
また、本発明の気泡センサやチューブクランプの取付け位置は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、気泡センサ及びチューブクランプの双方を送血チューブ、或いは脱血チューブに配置しても構わない。
1・・・体外循環装置、1R・・・血液回路(血液循環回路)、2・・・人工肺、3・・・血液ポンプ(遠心ポンプ)、10・・・コントローラ、11・・・脱血ライン、12・・・送血ライン、35・・・報知部(表示部)、37・・・気泡センサ、50・・・チューブクランプ、52・・・流量センサ、100・・・制御部

Claims (3)

  1. 血液を被術者の体外へチューブを用いて循環させる血液回路中に、気泡を検出する気泡センサと、前記気泡センサよりも下流側に配置され、前記気泡を検出した際に前記チューブを閉塞するチューブクランプとを備えた体外循環装置であって、
    前記血液回路中には前記チューブ内の血液流量を検出する流量センサが設けられ、
    前記流量センサが前記気泡を検出した際に測定した血液流量に基づいて、前記気泡を検出してから前記チューブを閉塞するまでの時間に、血液が前記気泡センサから前記チューブ内を進んだ距離である進行距離を推定する制御部を有し、
    前記進行距離に基づいて推定される気泡の位置情報を報知する報知部を有し、
    前記チューブは、その長さ方向に沿って配列された複数の目印を有しており、
    前記報知部は、前記複数の目印の内、気泡が近接していると推定される目印を報知するようにした
    ことを特徴とする体外循環装置。
  2. 前記血液回路中において、前記気泡センサと前記チューブクランプとの間には人工肺が配置されており、
    前記制御部は、前記気泡センサと前記人工肺との距離を特定すると共に、前記人工肺を前記チューブの長さに換算するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の体外循環装置。
  3. 前記チューブを閉塞するまでの時間を、前記チューブ内の血液温度及び/又は環境温度によって変更するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の体外循環装置
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