JP6336055B2 - 半導体装置、半導体装置の製造方法、電力変換装置、3相モータシステム、自動車、および鉄道車両 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法、電力変換装置、3相モータシステム、自動車、および鉄道車両 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法、電力変換装置、3相モータシステム、自動車、および鉄道車両に関し、特に信頼性向上に関する。
パワー半導体デバイスの一つであるパワー金属絶縁膜半導体電界効果トランジスタ(MISFET:Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)において、従来は、珪素(Si)基板を用いたパワーMISFET(以下、SiパワーMISFETと記す)が主流であった。
それに対して、炭化珪素(SiC)基板(以下、SiC基板と記す)を用いたパワーMISFET(以下、SiCパワーMISFETと記す)はSiパワーMISFETと比較して、高耐圧化および低損失化が可能である。このため、省電力または環境配慮型のインバータ技術の分野において、特に注目が集まっている。
SiCパワーMISFETは、SiパワーMISFETと比較して、同耐圧ではオン抵抗の低抵抗化が可能である。これは、炭化珪素(SiC)は、珪素(Si)と比較して絶縁破壊電界強度が約7倍と大きく、ドリフト層となるエピタキシャル層を薄くできることに起因する。しかし、炭化珪素(SiC)から得られるべき本来の特性から考えると、未だ十分な特性が得られているとは言えず、エネルギーの高効率利用の観点から、更なるオン抵抗の低減が望まれている。
DMOS(Double diffused Metal oxide Semiconductor)構造のSiCパワーMISFETのオン抵抗に関して解決すべき課題の一つが、チャネル寄生抵抗である。低耐圧の600V耐圧のDMOSでは、チャネル寄生抵抗が寄生抵抗の主因であり、高耐圧の3300V耐圧のDMOSにおいても、ドリフト抵抗の次に高い。したがって、このチャネル寄生抵抗の低減がSiCパワーMISFETには必要となる。
チャネル寄生抵抗が高い要因はDMOSのチャネル面となるSi(0001)面のチャネル移動度の低さにある。この問題を解決するために、たとえば、特許文献1に記載されているように、DMOSのp型のボディ層の一部、及び、ボディ層の外部に溝を掘るようにトレンチを形成し、実効的なチャネル幅を広くする方法が開示されている。また、チャネル寄生抵抗を低減するために、高チャネル移動度が得られる(11−20)面や(1−100)面の利用が検討されている。(11−20)面や(1−100)面などの高チャネル移動度の面を利用するためには、(0001)面の基板にトレンチ型構造のMOSFET構造を形成する必要がある。しかし、トレンチ型構造のMOSFET構造は、ゲート絶縁膜及びゲートの一部が耐圧を支えるp型のボディ層下部だけではなく、ドリフト層直上に形成されるため、ゲート絶縁膜に絶縁耐圧を越える電界が印加され、絶縁破壊に至る。そこで、トレンチ構造を有しながら、ゲート絶縁膜にかかる電界を緩和する試みがなされている。特許文献2には、p型のボディ層の一部をトレンチ下部に形成されたゲート絶縁膜より低い位置に形成することにより、ゲート絶縁膜にかかる電界を緩和する方法が開示されている。
国際公開第2010/110246号 特開2009−260253号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2の何れもトレンチ構造の一部がp型のボディ層の外部に露出する構造であるため、ゲート絶縁膜にかかる電界が通常のDMOSと比較して高い。したがって、初期耐圧が所望の耐圧以上であったとしても、ゲート絶縁膜の信頼性が経時的に低下してしまう。そこで本願発明者等は、高チャネル移動度が期待できるトレンチ型でありながら、ゲート絶縁膜にかかる電界を抑えることで、高い信頼性も期待できる構造について検討した。
本発明の目的は、トレンチ構造を用い、かつ、トレンチ下部のゲート絶縁膜にかかる電界を抑えることで、高性能かつ高信頼性の炭化珪素半導体装置を提供することにある。ひいては、電力変換装置、3相モータシステム、自動車、および鉄道車両の高性能化を実現する技術を提供する。
本発明では、第1導電型の半導体基板と、半導体基板の裏面側に形成されているドレイン電極と、半導体基板上に形成されている第1導電型のドリフト層と、第1導電型のソース領域と、ドリフト層と電気的に接続している第1導電型の電流拡散層と、ソース領域と電流拡散層とに接している第2導電型のボディ層と、ソース領域とボディ層と電流拡散層とに延在し、ボディ層よりも浅く、底面がボディ層に接しているトレンチと、トレンチの内壁に形成されているゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されているゲート電極と、を有する半導体装置とすることで、上述の課題を解決する。
本発明によれば、高性能かつ高信頼性の炭化珪素半導体装置を提供することができる。ひいては、電力変換装置、3相モータシステム、自動車、および鉄道車両の高性能化を実現することができる。
本発明の実施例の半導体チップの要部上面図である。 本発明の実施例のSiCパワーMISFET構造の要部鳥瞰図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部上面図である。 図9(a)の線分AA’での要部断面図である。 図9(a)の線分BB’での要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体チップの多結晶シリコンのゲート電極、ソースコンタクト部、およびゲートコンタクト部の位置関係を示す要部上面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例のSiCパワーMISFETの要部断面図である。 本発明の実施例の半導体チップの多結晶シリコンのゲート電極、ソースコンタクト部、およびゲートコンタクト部の位置関係を示す要部上面図である。 本発明の実施例の電力変換装置(インバータ)の回路図である。 本発明の実施例の電力変換装置(インバータ)の回路図である。 本発明の実施例の電気自動車の構成図である。 本発明の実施例の昇圧コンバータの回路図である。 本発明の実施例の鉄道車両の構成図である。 本発明の実施例のSiCパワーMISFET構造の要部鳥瞰図である。 本発明の実施例の半導体チップの多結晶シリコンのゲート電極、ソースコンタクト部、およびゲートコンタクト部の位置関係を示す要部上面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例のSiCパワーMISFET構造の要部鳥瞰図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。 本発明の実施例の半導体装置の製造工程を説明するための半導体装置の製造過程の要部断面図である。
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の半導体装置の実施例について図1および図2を用いて説明する。図1は、複数の縦型SiCパワーMISFET構造6を有する本実施例の半導体チップ1の要部上面図である。図2は、SiCパワーMISFET構造6の要部鳥瞰図である。
図1に示すように、本実施例の半導体装置である半導体チップ1は、複数のnチャネル型のSiCパワーMISFET構造6が並列接続されたソース配線用電極2の下方に位置するアクティブ領域(SiCパワーMISFET形成領域、素子形成領域)と、平面視において上記アクティブ領域を囲む周辺形成領域とを有する。周辺形成領域には、平面視において上記アクティブ領域を囲むように形成された複数のp型のフローティング・フィールド・リミッティング・リング(FLR:Floating Field Limited Ring)3と、平面視において上記複数のp型のFLR3を囲むように形成されたn型のガードリング4が形成されている。
n型の炭化珪素(SiC)エピタキシャル基板(以下、SiCエピタキシャル基板と記す)のアクティブ領域の表面側に、SiCパワーMISFETのゲート電極、n++型のソース領域、およびチャネル領域等が形成され、SiCエピタキシャル基板の裏面側に、SiCパワーMISFETのn型のドレイン領域が形成されている。
複数のp型のFLR3をアクティブ領域の周辺に形成することにより、オフ時において、最大電界部分が順次外側のp型のFLR3へ移り、最外周のp型のフローティング・フィールド・リミッティング・リング3で降伏するようになるので、半導体チップ1を高耐圧とすることが可能となる。図1では、3個のp型のFLR3が形成されている例を図示しているが、これに限定されるものではない。また、n++型のガードリング4は、アクティブ領域に形成されたSiCパワーMISFETを保護する機能を有する。
アクティブ領域内に形成された複数のSiCパワーMISFET6は、平面視においてストライプパターンとなっており、それぞれのストライプパターンに接続する引出配線(ゲートバスライン)によって、全てのSiCパワーMISFETのゲート電極はゲート配線用電極8と電気的に接続している。
また、複数のSiCパワーMISFET6はソース配線用電極2に覆われており、それぞれのSiCパワーMISFET6のソースおよびボディ層の電位固定層はソース配線用電極2に接続されている。ソース配線用電極2は絶縁膜の開口部7を通じて外部配線と接続されている。ゲート配線用電極8はソース配線用電極2と互いに離間して形成されており、それぞれのSiCパワーMISFET6のゲート電極と接続されている。ゲート配線用電極8は、開口部5を通じて外部配線と接続されている。また、n型のSiCエピタキシャル基板の裏面側に形成されたn型のドレイン領域は、n型のSiCエピタキシャル基板の裏面全面に形成されたドレイン配線用電極(図示せず)と電気的に接続している。
次に、本実施例のSiCパワーMISFET6の構造を、図2を用いて説明する。
炭化珪素(SiC)からなるn型のSiC基板(基板)101の表面(第1主面)上に、n型のSiC基板101よりも不純物濃度の低い炭化珪素(SiC)からなるn型のエピタキシャル層102が形成されており、n型のSiC基板101と、ドリフト層となる部分を含むn型のエピタキシャル層102と、からSiCエピタキシャル基板104が構成されている。n型のエピタキシャル層102の厚さは、例えば5〜50μm程度である。
型のエピタキシャル層102の表面から所定の深さ(第1深さ)を有して、n型のエピタキシャル層102内にはp型のボディ層(ウェル領域)105が形成されている。図2中の図示は省略するが、p型のボディ層105に接してp++型のボディ層電位固定領域106が形成されている。さらに、n型のエピタキシャル層102の表面から所定の深さ(第3深さ)を有して、p型のボディ層105内にはp型のボディ層105に接して、窒素を不純物とするn++型のソース領域107が形成されている。p型のボディ層105とp型のボディ層105の間のエピタキシャル層102には両側のp型のボディ層105に接して、n型のエピタキシャル層102の表面から所定の深さ(第4深さ)を有して、n型の電流拡散層108が形成されている。電流拡散層108は、ドリフト層上に形成されており、ドリフト層と電気的に接続している。第4深さは第1深さより浅いので、電流拡散層108とSiC基板101の間には、p型のボディ層105が存在する。第3深さは第1深さより浅いので、ソース領域107とSiC基板101の間には、p型のボディ層105が存在する。
p型のボディ層105には、n型のエピタキシャル層102の表面から所定の深さ(第5深さ)のトレンチ109が形成されている。ここで、トレンチ109は、n型のソース領域107とn型の電流拡散層108にかかるように延在している。トレンチ109のn型のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第5深さ)は、p型のボディ層105の深さ(第1深さ)よりも浅い。トレンチ109の深さ(第5深さ)は、p型のボディ層105の深さ(第1深さ)よりも浅いので、トレンチ109の底面は、p型のボディ層105に接している。また、本実施例では、トレンチ109は、電流拡散層108とSiC基板101の間にp型のボディ層105が存在する領域の上方の範囲で、電流拡散層108に延在している。さらに、トレンチ109は、ソース領域107とSiC基板101の間にp型のボディ層105が存在する領域の上方の範囲で、ソース領域107に延在している。したがって、トレンチ109の底面は、p型のボディ層105に囲まれている。トレンチ109の表面とp型のボディ層105の表面とp型のボディ層105に挟まれたエピタキシャル層102の表面には、ゲート絶縁膜110が形成されている。p型のボディ層105の上方のゲート絶縁膜110上には、ゲート電極111が形成されている。
p型のボディ層105のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第1深さ)は、例えば0.5〜2.0μm程度である。また、n++型のソース領域107のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第3深さ)は、第1深さよりも浅く、例えば0.1〜0.6μm程度である。一方、n型の電流拡散層領域108のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第4深さ)は、第1深さよりも浅く、例えば0.1〜0.7μm程度である。トレンチ109のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第5深さ)は、第1深さよりも浅く、例えば0.1〜1.5μm程度である。なお、本実施例では、トレンチ109のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第5深さ)は、第3深さおよび第4深さよりも深いが、第5深さを第3深さおよび第4深さよりも浅い構成にすることもできる。第5深さが第3深さおよび第4深さよりも深い構成、第5深さが第3深さおよび第4深さよりも浅い構成のいずれにおいても、トレンチ109の底面はp型のボディ層105に囲まれる。第5深さを第3深さよりも浅い構成にした場合には、ソース領域107にあるトレンチ109の底面とp型のボディ層105の間には、ソース領域107が存在する。第5深さを第4深さよりも浅い構成にした場合には、電流拡散層領域108にあるトレンチ109の底面とp型のボディ層105の間には、電流拡散層領域108が存在する。トレンチ109のチャネル長に並行な方向の長さは、例えば1〜3μm程度である。トレンチ109のチャネル幅に並行な方向の長さ(すなわちトレンチの幅)は、例えば0.1〜2μm程度である。チャネル幅に並行な方向のトレンチ109とトレンチ109の間の距離(トレンチ間隔)は、例えば0.1〜2μm程度である。図示は省略するがp++型のボディ層電位固定領域106のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第2深さ)は、例えば0.1〜0.3μm程度である。
なお、「−」および「+」は、導電型がn型またはp型の相対的な不純物濃度を表記した符号であり、例えばn型の場合、「n」、「n」、「n」、「n++」の順にn型不純物の不純物濃度は高くなる。
型のSiC基板101の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1018〜1×1021cm−3、n型のエピタキシャル層102の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1014〜1×1017cm−3、p型のボディ層105の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1016〜1×1019cm−3である。また、n++型のソース領域107の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1019〜1×1021cm−3、n型の電流拡散領域108の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば5×1016〜5×1018cm−3である。p++型のボディ層電位固定領域106の不純物濃度の好ましい範囲は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
本実施例のSiCパワーMISFET6のチャネル領域は、トレンチ109の表面およびトレンチ109にはさまれたp型のボディ層105の表面である。また、JFET領域はp型のボディ層105とp型のボディ層105の間の領域である。チャネル領域上にはゲート絶縁膜110が形成され、ゲート絶縁膜110上にはゲート電極111が形成されている。但し、ゲート電極111は、JFET領域上の内の下方にp型のボディ層105が設けられていない部分には形成されていない。
次に、本実施例のSiCパワーMISFET6の特徴を、図2を用いて説明する。図2に示すように、本実施例の半導体装置は、トレンチ109側面がチャネル領域となるため、SiCエピタキシャル基板104表面のチャネル領域と比較して高いチャネル移動度が期待できる。また、トレンチ109を形成することによって、トレンチを形成しない通常のDMOSと比較してチャネル幅が大きくなり、高い電流密度が期待できる。さらに、本実施例によれば、トレンチ109側面が炭化珪素半導体装置のチャネル領域となるため、4°オフSi(0001)面基板をSiC基板101として用いた場合、(11−20)面や(1−100)面をチャネル面として利用することができる。したがって、単にSiC基板101の(0001)面の表面をチャネル領域として利用する場合と比べて高いチャネル移動度が期待できる。
また、本実施例の半導体装置は、トレンチ109はp型のボディ層105よりも浅いのでトレンチ109の底面にはp型のボディ層105があり、通常のトレンチ型構造のMOSFET構造と比較して、耐圧保持時にトレンチ表面に形成されたゲート絶縁膜にかかる電界を大幅に緩和することができる。さらに本実施例では、上述のようにトレンチ109の底面がp型のボディ層105に囲まれているので、さらにゲート絶縁膜にかかる電界を緩和することができる。以上より、高チャネル移動度と広いチャネル幅による、通常のトレンチ型構造のSiCパワーMOSFET並みの高い電流密度と、高い絶縁膜信頼性による高信頼と、を両立したSiCパワーMOSFETを提供することが可能である。さらに、本実施例のゲート電極111の端部は、p型のボディ層105の上方の範囲内に形成される。すなわち、ゲート電極111の端部とSiC基板101の間には、p型のボディ層105が存在する。したがって、下方にp型のボディ層105が存在しないJFET領域上にゲート電極111は形成されず、耐圧保持時にかかるJFET領域上の酸化膜電界を通常のDMOS構造と比較して大幅に緩和することが可能である。
本実施例の半導体装置の製造方法について図3〜図18を用いて工程順に説明する。図3は、本実施例の半導体装置の製造方法(工程P1〜P6)を説明する工程図である。図4〜図15、図17、および図18は、本実施例の半導体装置のSiCパワーMISFET6形成領域(素子形成領域)の一部を拡大して示す要部断面図である。図16は、SiCパワーMISFET6が搭載された半導体チップの要部上面図である。
<工程P1>
まず、図4に示すように、n型の4H−SiC基板101を用意する。n型のSiC基板101には、n型不純物が導入されている、このn型不純物は、例えば窒素(N)であり、このn型不純物の不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3の範囲である。また、n型のSiC基板101はSi面とC面との両面を有するが、n型のSiC基板101の表面はSi面またはC面のどちらでもよい。
次に、n型のSiC基板101の表面(第1主面)にエピタキシャル成長法により炭化珪素(SiC)のn型のエピタキシャル層102を形成する。n型のエピタキシャル層102には、n型のSiC基板101の不純物濃度よりも低いn型不純物が導入されている。n型のエピタキシャル層102の不純物濃度は、SiCパワーMISFETの素子定格に依存するが、例えば1×1014〜1×1017cm−3の範囲である。また、n型のエピタキシャル層102の厚さは、例えば5〜50μmである。以上の工程により、n型のSiC基板101およびn型のエピタキシャル層102からなるSiCエピタキシャル基板104が形成される。
<工程P2>
次に、n型のSiC基板101の裏面(第2主面)から所定の深さ(第6深さ)に至るまで、n型のSiC基板101の裏面にn型のドレイン領域103を形成する。n型のドレイン領域103の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、図5に示すように、n型のエピタキシャル層102の表面上に、マスクM1を形成する。マスクM1の厚さは、例えば1.0〜3.0μm程度である。素子形成領域におけるマスクM1の幅は、例えば1.0〜5.0μm程度である。マスク材料としては無機材料のSiO膜、Si膜、SiN膜や有機材料のレジスト膜、ポリイミド膜を用いることができる。
次に、マスクM1越しに、n型のエピタキシャル層102にp型不純物として、例えばアルミニウム原子(Al)をイオン注入する。これにより、n型のエピタキシャル層102の素子形成領域にp型のボディ層105を形成する。なお、図示は省略するが、同時に素子形成領域周辺にp型のFLR3を形成する。終端部の構造としては、これに限定されるものではなく、例えばジャンクション・ターミネーション・エクステンション(JTE:Junction Termination Extension)構造であってもよい。
p型のボディ層105のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第1深さ)は、例えば0.5〜2.0μm程度である。また、p型のボディ層105の不純物濃度は、例えば1×1016〜1×1019cm−3の範囲である。
次に、図6に示すように、マスクM1を除去した後、マスクM2を例えば、レジスト膜で形成する。マスクM2の厚さは、例えば0.5〜3μm程度である。後の工程においてp型のボディ層105の電位を固定するp++型のボディ層の電位固定領域106が形成される領域のみに開口部分が設けられている。
次に、マスクM2越しに、n型のエピタキシャル層102にp型不純物として、例えばアルミニウム原子(Al)をイオン注入して、p++型のボディ層の電位固定領域106を形成する。p++型のボディ層電位固定領域106のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第2深さ)は、例えば0.1〜0.3μm程度である。p++型のボディ層電位固定領域106の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、図7に示すように、マスクM2を除去した後、マスクM3を例えば、レジスト膜で形成する。マスクM3の厚さは、例えば0.5〜3μm程度である。後の工程においてn++型のソース領域107が形成される領域に開口部分が設けられている。また、図示は省略するが、FLR3の外周にガードリング4が形成される領域にも開口部が設けられている。
次に、マスクM3越しに、n型のエピタキシャル層102にn型不純物として、窒素原子(N)をイオン注入して、素子形成領域にn++型のソース領域107を形成する。またこの際、図示は省略するが、周辺形成領域にn++型のガードリング4を形成する。n++型のソース領域107およびn++型のガードリング4のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第3深さ)は、例えば0.1〜0.6μm程度である。また、n++型のソース領域107およびn++型のガードリング4の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、図8に示すように、マスクM3を除去した後、マスクM4を例えば、レジスト膜で形成する。マスクM4の厚さは、例えば0.5〜3μm程度である。後の工程においてn型の電流拡散領域108が形成される領域に開口部分が設けられている。
次に、マスクM4越しに、n型のエピタキシャル層102にn型不純物として、窒素原子(N)をイオン注入して、素子形成領域にn型の電流拡散領域108を形成する。n型の電流拡散領域108のエピタキシャル層102の表面からの深さ(第4深さ)は、例えば0.1〜0.7μm程度である。また、n型の電流拡散領域108の不純物濃度は、例えば5×1016〜5×1018cm−3の範囲である。
<工程P3>
次に、マスクM4を除去した後、図示は省略するが、SiCエピタキシャル基板104の表面上および裏面上に、例えばプラズマCVD法により炭素(C)膜を堆積する。炭素(C)膜の厚さは、例えば0.03μm程度である。この炭素(C)膜により、SiCエピタキシャル基板104の表面および裏面を被覆した後、SiCエピタキシャル基板104に1500℃以上の温度で2〜3分程度の熱処理を施す。これにより、SiCエピタキシャル基板104にイオン注入した各不純物の活性化を行う。熱処理後は、炭素(C)膜を、例えば酸素プラズマ処理により除去する。
<工程P4>
次に、図9(a)〜(c)に示すように、マスクM5を例えば、レジスト膜で形成する。図9(a)は、半導体チップ1の本製造工程での要部上面図である。図9(b)は、図9(a)の線分AA’での要部断面図である。図9(c)は、図9(a)の線分BB’での要部断面図である。マスクM5の厚さは、例えば0.5〜3μm程度である。後の工程においてトレンチ109が形成される領域に開口部分が設けられている。
次に、ドライエッチングプロセスを用いてp型のボディ層105にトレンチ109を形成する。トレンチ109の深さZ(第5深さ)は、例えば0.1〜1.5μm程度である。トレンチ109のチャネル長方向に並行な方向の長さXは、例えば1〜3μm程度である。トレンチ109のチャネル長方向に直交する方向の長さである幅Y1は、例えば0.1〜2μm程度である。チャネル長方向に直交する方向のトレンチ109間の間隔Y2(トレンチ間隔)は、例えば0.1〜2μm程度である。
<工程P5>
次に、図10に示すように、マスクM5を除去した後、トレンチ109の内壁を含む第1主面側の表面にゲート絶縁膜110を形成する。ゲート絶縁膜110は、例えば熱CVD法により形成されたSiO膜からなる。ゲート絶縁膜110の厚さは、例えば0.005〜0.15μm程度である。
次に、図11に示すように、ゲート絶縁膜110上に、n型の多結晶珪素(Si)膜111Aを形成する。n型の多結晶珪素(Si)膜111Aの厚さは、例えば0.01〜4μm程度である。
次に、図12に示すように、マスクM6(ホトレジスト膜)を用いて、多結晶珪素(Si)膜111Aをドライエッチング法により加工して、ゲート電極111を形成する。この際に、p型のボディ層105に挟まれたJFET領域上の多結晶珪素(Si)膜111Aは除去する。これにより、ゲート電極111の端部は、p型のボディ層105の上方に形成される。
次に、図示は省略するが、マスクM6を除去した後、ゲート電極111をライト酸化する。ライト酸化の条件としては、例えば、ドライ酸化900℃、30分程度である。
<工程P6>
次に、図13に示すように、第1主面側の表面上にゲート電極111およびゲート絶縁膜110を覆うように、例えばプラズマCVD法により、層間絶縁膜112を形成する。
次に、図14に示すように、マスクM7(ホトレジスト膜)を用いて、層間絶縁膜112およびゲート絶縁膜110をドライエッチング法により加工して、n++型のソース領域107の一部およびp++型のボディ層電位固定領域106に達する開口部CNT_Sを形成する。
次に、図15に示すように、マスクM7を除去した後、開口部CNT_Sの底面に露出しているn++型のソース領域107の一部およびp++型のボディ層電位固定領域106のそれぞれの表面に金属シリサイド層113を形成する。
図示は省略するが、まず、第1主面側の表面上に層間絶縁膜112および開口部CNT_Sの内部(側面および底面)を覆うように、例えばスパッタリング法により第1金属膜として、例えばニッケル(Ni)を堆積する。この第1金属膜の厚さは、例えば0.05μm程度である。続いて、600〜1000℃のシリサイド化熱処理を施すことにより、開口部CNT_Sの底面において、第1金属膜と、n++型のソース領域107の一部およびp++型のボディ層電位固定領域106のそれぞれの表面と、を反応させて、金属シリサイド層113として、例えばニッケルシリサイド(NiSi)層を開口部CNT_Sの底面に露出しているn++型のソース領域107の一部およびp++型のボディ層電位固定領域106のそれぞれの表面に形成する。続いて、未反応の第1金属膜をウェットエッチング法により除去する。ウェットエッチング法には、例えば硫酸過水が用いられる。
次に、素子形成領域の終端にゲートコンタクト用の開口部CNT_G117を形成する。図16は、本実施例による複数のSiCパワーMISFETが搭載された半導体チップの多結晶シリコンのゲート電極111、ソースコンタクト部である金属シリサイド膜113、およびゲートコンタクト部に対応する開口部CNT_G117の位置関係を示す要部上面図である。開口部CNT_G117の形成箇所は、ストリング状に形成した素子のストリング端に位置する部分である。図示は省略するが、マスク(ホトレジスト膜)を用いて、層間絶縁膜112を加工して、ゲート電極111に達する開口部CNT_G117を形成する。
次に、図17に示すように、n++型のソース領域107の一部およびp++型のボディ層電位固定領域106のそれぞれの表面に形成された金属シリサイド膜113に達する開口部CNT_Sの内部と、ゲート電極111に達する開口部CNT_G117(図示は省略)の内部と、を含む第1主面側の表面上に、第3金属膜114として、例えばチタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜とアルミニウム(Al)膜とからなる積層膜を堆積する。アルミニウム(Al)膜の厚さは、例えば2.0μm以上が好ましい。続いて、第3金属膜114を加工することにより、開口部CNT_S内の金属シリサイド層113を介してn++型のソース領域107の一部およびp++型のボディ層電位固定領域106と電気的に接続するソース配線用電極2と、ゲート電極111と開口部CNT_G117を通して電気的に接続するゲート配線用電極8と、を形成する。
次に、図示は省略するが、SiO膜もしくはポリイミド膜をパッシベーション膜としてゲート配線用電極8およびソース配線用電極2を覆うように堆積させる。
次に、図示は省略するが、パッシベーション膜を加工してパッシベーションを形成する。その際に、ソース電極開口部7とゲート電極開口部5を形成する。
次に、図示は省略するが、n型のSiC基板101の裏面に、例えばスパッタリング法により第2金属膜を堆積する。この第2金属膜の厚さは、例えば0.1μm程度である。
次に、図18に示すように、レーザーシリサイド化熱処理を施すことにより、第2金属膜とn型のSiC基板101とを反応させて、n型のSiC基板101の裏面側に形成されたn型のドレイン領域103を覆うように金属シリサイド層115を形成する。続いて、金属シリサイド層115を覆うように、ドレイン配線用電極116を形成する。ドレイン配線用電極116として、Ti膜とNi膜と金(Au)膜の積層膜を合計で0.5〜1μm堆積させて形成する。
その後、ソース配線用電極2、ゲート配線用電極8、およびドレイン配線用電極116に、それぞれ外部配線が電気的に接続される。以上のように、本実施例の半導体装置を製造することができる。
本実施例と前述した実施例1との相違点は、レイアウトにある。実施例1では、開口部CNT_G117を素子形成領域の終端に形成するが、本実施例では、図19の炭化珪素半導体装置のSiCパワーMISFET形成領域(素子形成領域)の一部を拡大して示す要部断面図に示すように、開口部CNT_G117が素子上に形成され、開口部CNT_G117内に形成されているゲート配線用電極が多結晶シリコンのゲート電極111に接続している。
このように、素子上に開口部CNT_G117内のゲート配線用電極を設けることにより、図20に要部平面図で、ゲートコンタクト部である開口部CNT_G117内のゲート配線用電極、ソースコンタクト部である開口部CNT_S内の金属シリサイド層113、および多結晶シリコンのゲート電極111の位置関係を示したように、ゲート電極111をストリング状に形成し引き回すことなく、ゲート配線用電極117に接続することができる。なお、図20に示すような正方形状のゲート電極111以外に、長方形、六角形、多角形、円なども選択できる。また、図20に示すようなゲート電極111を格子状に並べる以外に千鳥状など互い違いに並べることもできる。本実施例の半導体装置の製造方法は、実施例1と同様であり、図3の工程表は実施例1と実施例2で共通である。
このように、本実施例によれば、ゲート電極111をストリング状に形成し引き回すことなく、シート抵抗が多結晶シリコンより低い金属で形成されている開口部CNT_G117内のゲート配線用電極に接続することができるため、ゲート抵抗が小さく、スイッチング動作時の遅延を抑えることができる。また、ゲート電極111をストリング状に形成するよりも、正方形状に形成した方が、チャネル幅をさらに広げることが可能である。したがって、実施例1と比較して、さらに電流密度を高くすることができる。したがって、実施例1よりも、さらに高い性能を得ることができる。
本実施例では、前述の実施例1のSiCパワーMISFET、または前述の実施例2のSiCパワーMISFETを備えた電力変換装置について説明する。図21は、本実施例の電力変換装置(インバータ)の回路図である。
図21に示すように、本実施例のインバータは、パワーモジュール302内に、スイッチング素子であるSiCパワーMISFET304と、ダイオード305とを有する。各単相において、端子306〜310を介して、電源電圧(Vcc)と負荷(例えばモータ)301の入力電位との間にSiCパワーMISFET304とダイオード305とが逆並列に接続されており(上アーム)、負荷301の入力電位と接地電位(GND)との間にもSiCパワーMISFET素子304とダイオード305とが逆並列に接続されている(下アーム)。つまり、負荷301では各単相に2つのSiCパワーMISFET304と2つのダイオード305が設けられており、3相で6つのスイッチング素子304と6つのダイオード5が設けられている。そして、個々のSiCパワーMISFET304のゲート電極には、端子311、312を介して、制御回路303が接続されており、この制御回路303によってSiCパワーMISFET304が制御されている。従って、本実施例のインバータは、制御回路303でパワーモジュール302を構成するSiCパワーMISFET304を流れる電流を制御することにより、負荷301を駆動することができる。
パワーモジュール302内での、SiCパワーMISFET304の機能について以下に説明する。負荷301として、例えばモータを制御駆動させるためには所望の電圧の正弦波を負荷301に入力する必要がある。制御回路303はSiCパワーMISFET304を制御し、矩形波のパルス幅を動的に変化させるパルス幅変調動作を行っている。出力された矩形波はインダクタを経ることで、平滑化され、擬似的な所望の正弦波となる。SiCパワーMISFET304は、このパルス幅変調動作を行うための矩形波を作り出す。
SiCパワーMISFET304に、前述の実施例1または前述の実施例2の半導体装置を用いることにより、例えば、SiCパワーMISFET304のオン抵抗が小さいので、冷却のためのヒートシンクなどの構造を小さくし、パワーモジュール302を小型化および軽量化することができ、ひいては電力変換装置を小型化および軽量化することができる。また、SiCパワーMISFET304のゲート絶縁膜の信頼性が高いので、パワーモジュール302を長寿命化することができる。
また、本実施例の電力変換装置は、3相モータシステムとすることができる。前述の図20に示した負荷301は3相モータであり、スイッチング素子に前述の実施例1または前述の実施例2において説明した半導体装置を備えた電力変換装置を用いることにより、3相モータシステムの小型化や高性能化を実現することができる。
本実施例では、前述の実施例1のSiCパワーMISFET、または前述の実施例2のSiCパワーMISFETを備える電力変換装置を説明する。図22は、本実施例の電力変換装置(インバータ)を示す回路図である。
図22に示すように、本実施例のインバータは、パワーモジュール402内にスイッチング素子としてSiCパワーMISFET404を備えている。各単相において、端子405〜409を介して、電源電圧(Vcc)と負荷(例えばモータ)401の入力電位との間にSiCパワーMISFET404が接続されており(上アーム)、負荷401の入力電位と接地電位(GND)との間にもSiCパワーMISFET素子404が接続されている(下アーム)。つまり、負荷401では各単相に2つのSiCパワーMISFET404が設けられており、3相で6つのスイッチング素子404が設けられている。そして、個々のSiCパワーMISFET304のゲート電極には、端子410、411を介して、制御回路403が接続されており、この制御回路403によってSiCパワーMISFET404が制御されている。従って、本実施例のインバータでは、制御回路403でパワーモジュール402内のSiCパワーMISFET404を流れる電流を制御することにより、負荷401を駆動することができる。
パワーモジュール402内のSiCパワーMISFET404の機能について以下に説明する。SiCパワーMISFETの機能の1つとして、本実施例でも実施例3と同様に、パルス幅変調動作を行うための矩形波を作り出す機能を有している。本実施例ではさらに、SiCパワーMISFET404は、実施例3のダイオード305の役割も担う。例えば、モータのように負荷401にインダクタンスを含む場合、SiCパワーMISFET404をOFFしたとき、インダクタンスに蓄えられたエネルギーを必ず放出しなければならない(還流電流)。実施例3では、ダイオード305がこの役割を担う。一方、本実施例では、同期整流駆動を用いるので、環流電流を流す役割をSiCパワーMISFET404が担う。本実施例の同期整流駆動では、還流時にSiCパワーMISFET404のゲートをONにし、SiCパワーMISFET404を逆導通させる。
したがって、還流時導通損失はダイオードの特性ではなく、SiCパワーMISFET404の特性で決まる。また、同期整流駆動を行う場合、上下アームが短絡することを防ぐため、上下のSiCパワーMISFETが共にOFFとなる不動作時間が必要となる。この不動作時間の間はSiCパワーMISFET404のドリフト層とp型ボディ層によって形成される内蔵PNダイオードが駆動する。ただし、SiCはキャリアの走行距離がSiより短く、不動作時間の間の損失は小さく、例えば、実施例3のダイオード305をSiCショットキーバリアダイオードとした場合と、同等である。
このように、本実施例では、SiCパワーMISFET404に、前述の実施例1または前述の実施例2の半導体装置を用いることにより、例えば、SiCパワーMISFET404が高性能な分、還流時の損失を小さくでき、さらなる高性能化が可能になる。また、還流ダイオードをSiCパワーMISFET404とは別に設けないため、パワーモジュール402をさらに小型化することができる。
また、本実施例の電力変換装置は、3相モータシステムとすることができる。図21に示した負荷401は3相モータであり、パワーモジュール402に、前述の実施例1または前述の実施例2の半導体装置を備えることにより、3相モータシステムの小型化や高性能化を実現することができる。
実施例3または実施例4で説明した3相モータシステムは、ハイブリット自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの自動車に用いることができる。本実施例では、3相モータシステムを搭載した自動車を、図23および図24を用いて説明する。図23は、本実施例の電気自動車の構成を示す概略図である。図24は、本実施例の昇圧コンバータの回路図である。
図23に示すように、本実施例の電気自動車は、駆動輪501aおよび駆動輪501bが接続された駆動軸502に動力を入出力可能とする3相モータ503と、3相モータ503を駆動するためのインバータ504と、バッテリ505と、を備える。さらに、本実施例の電気自動車は、昇圧コンバータ508と、リレー509と、電子制御ユニット510と、を備え、昇圧コンバータ508は、インバータ504が接続された電力ライン506と、バッテリ505が接続された電力ライン507とに接続されている。
3相モータ503は、永久磁石が埋め込まれたロータと、3相コイルが巻回されたステータとを備えた同期発電電動機である。インバータ504には、前述の実施例3または前述の実施例4において説明したインバータを用いることができる。
昇圧コンバータ508は図24に示すように、インバータ513に、リアクトル511および平滑用コンデンサ112が接続された構成からなる。インバータ513は、例えば、前述の実施例4で説明したインバータと同様であり、インバータ内の素子構成も同じである。本実施例でも、実施例4と同様にスイッチング素子をSiCパワーMISFET514とし、同期整流駆動させる。
図23の電子制御ユニット510は、マイクロプロセッサと、記憶装置と、入出力ポートとを備えており、3相モータ503のロータ位置を検出するセンサからの信号、またはバッテリ505の充放電値などを受信する。そして、インバータ504、昇圧コンバータ508、およびリレー509を制御するための信号を出力する。
このように、本実施例によれば、電力変換装置であるインバータ504および昇圧コンバータ508に、前述の実施例3および前述の実施例4の電力変換装置を用いることができる。また、3相モータ503、およびインバータ504などからなる3相モータシステムに、前述の実施例3または前述の実施例4の3相モータシステムを用いることができる。これにより、電気自動車の省エネルギー化、小型化、軽量化や電力変換装置の省スペース化を図ることができる。
なお、本実施例では、電気自動車について説明したが、エンジンも併用するハイブリット自動車、バッテリ505が燃料電池スタックとなった燃料電池自動車にも同様に上述の3相モータシステムを適用することができる。
実施例3および実施例4の3相モータシステムは、鉄道車両に用いることができる。本実施例では、3相モータシステムを用いた鉄道車両を図25を用いて説明する。図25は、本実施例の鉄道車両のコンバータおよびインバータを含む回路図である。
図25に示すように、鉄道車両には架線OW(例えば25kV)からパンタグラフPGを介して電力が供給される。トランス609を介して電圧が1.5kVまで降圧され、コンバータ607で交流から直流に変換される。さらに、キャパシタ608を介してインバータ602で直流から交流に変換されて、負荷601である3相モータが駆動される。コンバータ607内の素子構成は実施例3のようにSiCパワーMISFETおよびダイオードを併用してもよく、また実施例4のようにSiCパワーMISFET単独でもよい。
本実施例では、実施例4のようにスイッチング素子をSiCパワーMISFET604として同期整流駆動させる。なお、図25では、実施例4で説明した制御回路は省略している。また、図中、符号RTは線路、符号WHは車輪を示す。
このように本実施例によればコンバータ607に、実施例3または実施例4の電力変換装置を用いることができる。また、負荷601、インバータ602、および制御回路からなる3相モータシステムに、実施例3または実施例4の3相モータシステムを用いることができる。これにより、鉄道車両の省エネルギー化や、3相モータシステムを含む床下部品の小型化による低床化および軽量化を図ることができる。
図26に、本実施例のSiCパワーMISFETの要部鳥瞰図を示す。本実施例と実施例1との相違点は、図26に示すように、JFET領域上にゲート電極711の一部を残す点にある。JFET領域上にゲート電極711の一部を残すことにより、ゲート電極のJFET領域側端部とp型のボディ層の端部との配置のマージンを確保する必要がなく、セル長を短くすることができる。よって、よりオン抵抗の低減が可能である。
図27に、本実施例のSiCパワーMISFETのレイアウトを示す。本実施例では、レイアウトとして、実施例2のように、各素子のゲート電極711にゲート配線用電極を接続する必要がなく、図27のようにゲート電極711を引き回すことで、各素子にゲート電位を供給することができる。本実施例でのゲートコンタクト用の開口部CNT_G717の形成箇所は、素子形成領域端部である。したがって、本実施例は実施例2と比較して、プロセスが容易であり、歩留りの向上とコストの低減が可能である。
本実施例による炭化珪素半導体装置の製造方法について図28〜図30を用いて工程順に説明する。図28〜図30は炭化珪素半導体装置のSiCパワーMISFET構造形成領域(素子形成領域)の一部を拡大して示す要部断面図である。
実施例1および実施例2と同様にして、図28に示すように、n型のSiC基板(基板)701の表面(第1主面)上にn型のエピタキシャル層702を形成して、n型のSiC基板701とn型のエピタキシャル層702とからなるSiCエピタキシャル基板704を形成する。n型のSiC基板701の不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3の範囲であり、n型のエピタキシャル層702の不純物濃度は、1×1014〜1×1017cm−3の範囲である。続いて、n型のSiC基板701の裏面(第2主面)にn型のドレイン領域703を形成する。n型のドレイン領域703の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、マスク越しに、n型のエピタキシャル層702にp型不純物として、例えばアルミニウム原子(Al)をイオン注入する(図示は省略)。これにより、n型のエピタキシャル層702の素子形成領域にp型のボディ層705を形成する。なお、図示は省略するが、イオン注入の際に素子形成領域周辺にp型のFLRを形成する。p型のボディ層705の不純物濃度は、例えば1×1016〜1×1019cm−3の範囲である。
次に、マスク越しに、n型のエピタキシャル層702にp型不純物、例えばアルミニウム原子(Al)をイオン注入する(図示は省略)。これにより、p型のボディ層705内にp++型のボディ層の電位固定領域706を形成する。p++型のボディ層の電位固定領域706の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、マスク越しに、n型のエピタキシャル層702にn型不純物として、窒素原子(N)をイオン注入して、素子形成領域にn++型のソース領域707を形成する(図示は省略)。n++型のソース領域707の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、マスク越しに、n型のエピタキシャル層702にn型不純物として、窒素原子(N)をイオン注入して、素子形成領域にn型の電流拡散領域708を形成する(図示は省略)。n型の電流拡散領域708の不純物濃度は、例えば5×1016〜5×1018cm−3の範囲である。
次に、イオン注入した各不純物の活性化を行う(図示は省略)。次に、トレンチマスクを形成し、ドライエッチングプロセスを用いてp型のボディ層705にトレンチ709を形成する(図示せず)。次に、トレンチ709の内壁を含む第1主面側の表面にゲート絶縁膜710を形成する。ゲート絶縁膜710は、例えば熱CVD法により形成されたSiO膜からなる(図示せず)。ゲート絶縁膜710の厚さは、例えば0.005〜0.15μm程度である。
次に、図28に示すように、ゲート絶縁膜710上に、n型の多結晶珪素(Si)膜711Aを形成する。n型の多結晶珪素(Si)膜711Aの厚さは、例えば0.01〜4μm程度である。
次に、図29に示すように、マスクM6’(ホトレジスト膜)を用いて、多結晶珪素(Si)膜711Aをドライエッチング法により加工して、ゲート電極711を形成する。この際に、p型のボディ層705に挟まれたJFET領域上の多結晶珪素(Si)膜711Aは残す。
その後、層間絶縁膜712を形成し(図示せず)、n++型のソース領域707の一部およびp++型のボディ層電位固定領域706に達する開口部を形成し(図示せず)、開口部表面に金属シリサイド層713を形成する(図示せず)。次に、ゲートコンタクト用の開口部717を形成し(図示せず)、ソース配線用電極714とゲート配線用電極(図示せず)を形成し、パッシベーション膜を(図示せず)形成する。次に、図30に示すように、n型のSiC基板701の裏面側に金属シリサイド715とドレイン用電極716を形成する。その後、ソース配線用電極、ゲート配線用電極、およびドレイン配線用電極にそれぞれ外部配線が電気的に接続される。
本実施例では、実施例1および実施例2と比較してセル長を短くできるので、同じ面積の半導体チップにより多くのセルを設けることで、さらなるオン抵抗の低減が可能である。また、本実施例では、ゲート電極711を配線のように引き回すことが可能であり、プロセスが容易であり、歩留りの向上とコストの低減が可能である。
図31に、本実施例のSiCパワーMISFETの要部鳥瞰図を示す。本実施例と実施例7との相違点は、図31に示すようにp型のボディ層805及びn型の電流拡散領域808上の一部及びJFET領域上に厚い絶縁膜817を形成する点にある。本実施例では、厚い絶縁膜817に覆われているのは、n型の電流拡散領域808の内のオン抵抗に影響のない範囲なので、実施例7と同様にオン抵抗を低くできる。また、厚い絶縁膜817をゲート電極811とJFET領域の間に形成することにより、実施例7に比べて、さらに絶縁耐圧を高くできる。
本実施例の炭化珪素半導体装置の製造方法を、図32〜図36を用いて工程順に説明する。図32〜図36は、炭化珪素半導体装置のSiCパワーMISFET構造形成領域(素子形成領域)の一部を拡大して示す要部断面図である。
実施例1および実施例2と同様にして、図32に示すように、n型のSiC基板(基板)801の表面(第1主面)上にn型のエピタキシャル層802を形成して、n型のSiC基板801とn型のエピタキシャル層802とからなるSiCエピタキシャル基板804を形成する。n型のSiC基板801の不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3の範囲であり、n型のエピタキシャル層802の不純物濃度は、1×1014〜1×1017cm−3の範囲である。続いて、n型のSiC基板801の裏面(第2主面)にn型のドレイン領域803を形成する。n型のドレイン領域803の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、マスク越しに、n型のエピタキシャル層802にp型不純物として、例えばアルミニウム原子(Al)をイオン注入する(図示は省略)。これにより、n型のエピタキシャル層802の素子形成領域にp型のボディ層805を形成する。なお、図示は省略するが、同時に素子形成領域周辺にp型のFLRを形成する。p型のボディ層805の不純物濃度は、例えば1×1016〜1×1019cm−3の範囲である。
次に、マスク越しに、n型のエピタキシャル層802にp型不純物として、例えばアルミニウム原子(Al)をイオン注入する(図示は省略)。これにより、p型のボディ層805内にp++型のボディ層の電位固定領域806を形成する。p++型のボディ層の電位固定領域806の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、マスク越しに、n型のエピタキシャル層802にn型不純物として、窒素原子(N)をイオン注入して、素子形成領域にn++型のソース領域807を形成する(図示は省略)。n++型のソース領域807の不純物濃度は、例えば1×1019〜1×1021cm−3の範囲である。
次に、マスク越しに、n型のエピタキシャル層802にn型不純物として、窒素原子(N)をイオン注入して、素子形成領域にn型の電流拡散領域808を形成する(図示は省略)。n型の電流拡散領域808の不純物濃度は、例えば5×1016〜5×1018cm−3の範囲である。
次に、イオン注入した各不純物の活性化を行う(図示は省略)。次に、トレンチマスクを形成し、ドライエッチングプロセスを用いてp型のボディ層805にトレンチ809を形成する(図示せず)。次に、図32に示すように、p型のボディ層805、n型の電流拡散領域808上の一部、およびJFET領域上にゲート絶縁膜よりも厚い絶縁膜817を形成する。たとえば、プラズマCVDによって、酸化膜を0.05〜0.5μm堆積させ(図示せず)、レジストマスクを形成した後、ウェットエッチングで酸化膜を一部除去することで、ゲート絶縁膜よりも厚い絶縁膜817を形成する(図示せず)。
次に、図33に示すように、トレンチ809の内壁を含む第1主面側の表面にゲート絶縁膜810を形成する。ゲート絶縁膜810は、例えば熱CVD法により形成されたSiO膜からなる(図示せず)。ゲート絶縁膜810の厚さは、例えば0.005〜0.15μm程度である。
次に、図34に示すように、ゲート絶縁膜810上に、n型の多結晶珪素(Si)膜811Aを形成する。n型の多結晶珪素(Si)膜811Aの厚さは、例えば0.01〜4μm程度である。
次に、図35に示すように、マスクM6’’(ホトレジスト膜)を用いて、多結晶珪素(Si)膜811Aをドライエッチング法により加工して、ゲート電極811を形成する。この際に、p型のボディ層805に挟まれたJFET領域上の多結晶珪素(Si)膜811Aは残す。
その後、層間絶縁膜812を形成し(図示せず)、n++型のソース領域807の一部およびp++型のボディ層電位固定領域806に達する開口部を形成し(図示せず)、開口部表面に金属シリサイド層813を形成する(図示せず)。次に、ゲートコンタクト用の開口部817を形成し(図示せず)、ソース配線用電極814とゲート配線用電極(図示せず)を形成し、パッシベーション膜を(図示せず)形成する。次に、図36に示すように、n型のSiC基板801の裏面側に金属シリサイド815とドレイン用電極816を形成する。その後、ソース配線用電極、ゲート配線用電極、およびドレイン配線用電極にそれぞれ外部配線が電気的に接続される。
本実施例では、n型の電流拡散領域808上の一部及びJFET領域上にゲート絶縁膜よりも厚い絶縁膜817を形成するため、実施例7よりも、さらに高い絶縁耐圧を得ることができる。
1:半導体チップ、2:ソース配線用電極(SiCパワーMISFET形成領域、素子形成領域)、3:p型のフローティング・フィールド・リミッティング・リング、4:n++型のガードリング、5:ゲート開口部、6:SiCパワーMISFET構造、7:ソース開口部、8:ゲート配線用電極、101:n型のSiC基板(基板)、102:n型のエピタキシャル層、103:n型のドレイン領域、104:SiCエピタキシャル基板、105:p型のボディ層(ウェル領域)、106:p++型のボディ層電位固定領域、107:n++型のソース領域、108:n型の電流拡散領域、109:トレンチ、110:ゲート絶縁膜、111:ゲート電極。

Claims (15)

  1. 第1不純物濃度を有する第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の裏面側に形成されている裏面電極と、
    前記半導体基板上に形成されている前記第1不純物濃度よりも低い第2不純物濃度の前記第1導電型の第1領域と、
    第3不純物濃度を有する前記第1導電型の第2領域と、
    前記第1領域と電気的に接続している前記第2不純物濃度よりも高く、および前記第3不純物濃度よりも低い第4不純物濃度の前記第1導電型の第3領域と、
    前記第2領域と前記第3領域とに接している、前記第1導電型とは反対の第2導電型の第4領域と、
    一端側の側面が前記第2領域と接し、反対側の他端側の側面が前記第3領域と接し、並びに前記第2領域と前記第3領域との間に在る中間部の側面、および底面が前記第4領域と接して、前記第2領域と前記第3領域との間を結び前記半導体基板の主面と平行に延在しているトレンチと、
    前記トレンチの内壁に形成されている絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成されているゲート電極と、を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記トレンチに接している前記第3領域の部分と前記半導体基板の間には、前記第4領域が存在することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記トレンチに接している前記第2領域の部分と前記半導体基板の間には、前記第4領域が存在することを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記ゲート電極の端部と前記半導体基板の間には、前記第4領域が存在することを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記半導体基板は炭化珪素を材質としていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1に記載の半導体装置をスイッチング素子として有する電力変換装置。
  7. 請求項6に記載の電力変換装置で直流電力を交流電力に変換し、3相モータを駆動する3相モータシステム。
  8. 請求項7に記載の3相モータシステムで車輪を駆動する自動車。
  9. 請求項7に記載の3相モータシステムで車輪を駆動する鉄道車両。
  10. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の裏面側に形成されているドレイン電極と、
    前記半導体基板上に形成されている第1不純物濃度を有する前記第1導電型のドリフト層と、
    第2不純物濃度を有する前記第1導電型のソース領域と、
    前記ドリフト層と電気的に接続している前記第1不純物濃度よりも高く、および前記第2不純物濃度よりも低い第3不純物濃度の前記第1導電型の電流拡散層と、
    前記ソース領域と前記電流拡散層とに接している、前記第1導電型とは反対の第2導電
    型のボディ層と、
    一端側の側面が前記ソース領域と接し、反対側の他端側の側面が前記電流拡散層と接し、並びに前記ソース領域と前記電流拡散層との間に在る中間部の側面、および底面が前記ボディ層と接して、前記ソース領域と前記電流拡散層との間を結び前記半導体基板の主面と平行に延在しているトレンチと、
    前記トレンチの内壁に形成されているゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されているゲート電極と、を有することを特徴とする半導体
    装置。
  11. 請求項10に記載の半導体装置において、
    前記トレンチに接している前記電流拡散層の部分と前記半導体基板の間には、前記ボディ層が存在することを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項10に記載の半導体装置において、
    前記トレンチに接している前記ソース領域の部分と前記半導体基板の間には、前記ボディ層が存在することを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項10に記載の半導体装置において、
    前記ゲート電極の端部と前記半導体基板の間には、前記ボディ層が存在することを特徴
    とする半導体装置。
  14. 請求項10に記載の半導体装置において、
    前記半導体基板は炭化珪素を材質としていることを特徴とする半導体装置。
  15. 第1不純物濃度を有する第1導電型のエピタキシャル層が形成されている前記第1導電型の炭化珪素半導体基板を準備し、
    前記エピタキシャル層内に第1導電型とは反対の第2導電型の第1領域を第2導電型不純物をイオン注入して形成し、
    前記第1領域内に第2不純物濃度を有する前記第1導電型の第2領域を第1導電型不純物をイオン注入して形成し、
    前記エピタキシャル層内で、前記第2領域と間隔を空けて前記第1領域を一部に含む領域に、前記第1不純物濃度よりも高く、および前記第2不純物濃度よりも低い第3不純物濃度の前記第1導電型の第3領域を第1導電型不純物をイオン注入して形成し、
    前記第1領域上であって前記第2領域と前記第3領域との間を結び前記炭化珪素半導体基板の主面と平行に延在するトレンチを形成し、
    前記トレンチの内壁に絶縁膜を形成し、
    前記絶縁膜上にゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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