JP6335309B2 - 酢酸セルロースフレーク及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酢酸セルロースフレーク及びその製造方法に関する。
一般的な酢酸セルロースの製造方法は以下の手順で行われる。セルロース材料であるパルプ、リンターなどを解砕し、硫酸触媒を含むか含まない酢酸を添加する前処理工程を経て、冷却した酢酸、無水酢酸、硫酸触媒を添加してニーダーで外部ジャケットにより温度制御をしながら、アセチル化を行う(酢化工程)。アセチル化により完全三置換酢酸セルロース(一次酢酸セルロース)を得たのち、粘調な一次酢酸セルロースを熟成槽に投下して、酢酸マグネシウム溶液などの中和剤を添加し、マグネシウムにより硫酸を中和(完全中和または部分中和)するとともに、酢酸マグネシウムに含まれる水分により無水酢酸を失活させ、加水分解させて所望する酢化度の酢酸セルロースを得る(熟成工程)。この酢酸セルロース(二次酢酸セルロース)に多量の水分を添加して酢酸セルロースを沈殿させる(沈殿工程)。沈殿した酢酸セルロースを固液分離して洗浄(精製工程)、乾燥させて酢酸セルロースを得る(乾燥工程)。
特許文献1では、ケン化熟成工程において外部から熱を加えることなく、水と残存する未反応無水酢酸との反応熱による温度上昇によってのみケン化熟成処理を行うことにより、細かな異物が少なくろ過性のよいセルローストリアセテートが得られることが記載されている。
特許文献2では、アシル化、脱アシル化(又は加水分解又は熟成)などの一連の工程を経て得られるセルロースエステルの調製において、アシル化(特に酢化)の硫酸触媒、熟成(脱アシル化)の硫酸触媒や水性溶媒(特に水)の含有量などの反応条件を調整又は選択することにより、高置換度で、かつ置換度単位での組成分布が著しく狭いセルロースエステルが得られることが記載されている。
特許第4509239号公報 特許第4108077号公報
酢酸セルロースは近年のフラットパネルディスプレイの光学要素の簡略化、薄膜化の要求により、様々な物性を有するものが求められている。特に、薄膜化が要求されている。しかしながら、薄膜化する場合には、フィルムの厚み方向の光学特性が小さくなるため、酢酸セルロースの平均酢化度を低下させる必要がある。また、薄膜化する場合には、粘度が低すぎて液が流動してムラが発生する、基体の裏面に液が回るなどを避けるため流延時の溶液粘度が高い必要があり、このためには溶液粘度を高くする必要がある。酢酸セルロースの重合度を大きくすること、すなわち、粘度平均重合度を高めることにより溶液粘度を高くすることができる。
しかしながら、従来の酢酸セルロースの製造方法では、酢酸セルロースの加水分解とセルロースのβ―グルコシド結合の解重合が平行して生じるため、重合度が高く、低酢化度の酢酸セルロースを得ることはできなかった。
また、従来の製造方法では、酢化工程において、酢化時間を短くすると、重合度が高い酢酸セルロースが得られ、さらに熟成工程において、熟成時間を短く、熟成温度を高くすると、重合度が高い低酢化度の酢酸セルロースが得られる。しかし、このようにして得られた酢酸セルロースは、アセチル置換度のバラツキが大きく(アセチル未置換セルロースが多く)、ろ過工数が多くなり生産性が悪いものであった。
本発明は、上記現状に鑑み、酢化工程及びケン化熟成工程を含む製造方法により得られる酢酸セルロースフレークであって、重合度が大きく、かつ酢化度が低いと共に、アセチル置換度のバラツキが小さいセルロースフレークを提供することを課題とする。
アセチル化反応は発熱反応であるので、添加された酢酸が融解するときに吸熱する融解熱とアセチル化の反応熱のバランスにより、反応温度は決定されるため、ニーダーを外部から冷却したりあるいは加温したりするジャケットが存在している。しかし、セルロースは固体であり一次酢酸セルロースも粘調な流体であり熱容量が高く、断熱性が高いために酢酸セルロースの反応装置内の温度を均一に制御することができない。このような理由から、アセチル化反応の反応温度は、主に添加する無水酢酸及び酢酸の温度により制御する。
無水酢酸及び酢酸は完全な固体となると流動性が失われるため、原料セルロースと均一に混合することができず、反応装置内の温度を均一に制御することができない。そのため、半固化状態(水に例えるとシャーベット状)までしか冷却できず、凡そ氷点下20℃程度までしか冷却できない。
そこで、本発明者らは、酢化工程において使用する酢酸と無水酢酸との混合物を、凝固点以下に冷却して固体とすると共に粉末状に調節し、これを酢化工程において原料セルロースと混合することで、アセチル化反応の反応温度を制御することを可能とした。これにより、重合度が大きく、かつ酢化度が低いと共に、アセチル置換度のバラツキが小さいセルロースフレークを製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、酢化工程及びケン化熟成工程を含む製造方法により得られる酢酸セルロースフレークであって、平均酢化度が60.0%〜61.5%であり、粘度平均重合度が360〜440であり、かつろ過度が100以下である、酢酸セルロースフレークを提供するものである。
酢酸セルロースを構成する糖鎖成分において、マンノース単位の含量が0.3モル%以上であり、マンノース単位の含量に対するキシロース単位の含量の割合(モル比)が6.5未満であることが好ましい。
また、本発明は、酢化工程及びケン化熟成工程を含む、酢酸セルロースフレークの製造方法であって、当該酢化工程において、酢酸と無水酢酸との混合物を凝固点以下に冷却して得た固体粉末と原料セルロースを混合することで酢化を行う、酢酸セルロースフレークの製造方法を提供するものである。
本発明の酢酸セルロースフレークは、重合度が大きく、かつ酢化度が低いと共に、アセチル置換度のバラツキが小さいので、薄膜に要求されるひずみの緩和やコントラストムラ改善などの光学特性を満たし、ろ過工数が少なく生産性に優れる。
以下、本発明の好ましい実施の形態の一例を具体的に説明する。
[酢酸セルロースフレーク]
本発明に係る酢酸セルロースフレークは、酢化工程及びケン化熟成工程を含む製造方法により得られるものである。ここで、フレークとは、鱗片状、粒状、粉状を広く含む薄片状の形状をいう。
(平均酢化度)
本発明に係る酢酸セルロースフレークの平均酢化度は、60.0%〜61.5%であることが好ましく、60.0%〜61.2%であることがより好ましく、60.0%〜61.0%であるであることがさらに好ましい。60.0%未満であると吸湿性が増して安定性が悪くなり、61.5%を超えると、薄膜化した場合に、ひずみやコントラストムラなどの光学特性に劣る。
平均酢化度とは、酢酸セルロース単位重量当たりの結合酢酸の重量百分率である。
平均酢化度は、ASTM D−817−91(セルロースアセテートなどの試験方法)の酢化度の測定方法に準拠して、測定することができる。乾燥したセルロースアセテート1.9gを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶液(容量比4:1)150mLに溶解した後、1N−水酸化ナトリウム水溶液30mLを添加し、25℃で2時間ケン化する。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また、上記と同様の方法でブランク試験を行い、下記式に従って酢化度を計算する。
平均酢化度(%)={6.5×(B−A)×F}/W
(式中、Aは試料の1N−硫酸の滴定量(mL)を、Bはブランク試験の1N−硫酸の滴定量(mL)を、Fは1N−硫酸の濃度ファクターを、Wは試料の重量を示す)。
(粘度平均重合度)
本発明に係る酢酸セルロースフレークの粘度平均重合度は、360〜440であることが好ましく、365〜430であることがより好ましく、375〜425であることがさらに好ましい。360未満であると薄膜化する場合、流延時に液が流動してムラが発生する、基体の裏面に液が回るなどにより薄膜の品質が劣りやすく、440を超えると、流動性が悪く取扱いが困難となる。
粘度平均重合度(DP)は、以下の方法により測定することができる。
絶乾した試料の約0.2gを精秤し、塩化メチレン:エタノール=9:1(重量比)の混合溶媒100mLに溶解する。これをオストワルド粘度計にて25℃で落下秒数を測定し、粘度平均重合度(DP)を以下の式により求める。
ηr e l = T / T0
〔η 〕= ( ln ηr e l ) / C
DP = 〔η 〕/ Km
( 式中、T ; 測定試料の落下秒数
0 ; 溶媒単独の落下秒数
C ; 濃度( g / リットル)
Km ; 6 × 10-4 を示す)
(ろ過度)
本発明に係る酢酸セルロースフレークのろ過度は、100以下であることが好ましく、75以下であることがより好ましく、50以下であることがさらに好ましい。下限は特に限定されないが、10以上である。
100を超えるとアセチル置換度のバラツキが大きく、ろ過工数が多くなる。そのため、製膜工程でろ過されてもフィルム上に置換度の異なる酢酸セルロースが多く含まれることにより、クロスニコルでの明欠点(輝点異物)が多いものとなる。ろ過度は小さい方がアセチル置換度のバラツキが小さく、ろ過工数が少なくなるため好ましいが、10未満であると、粘度が低すぎる場合があり薄膜化する場合に粘度が低すぎて液が流動してムラが発生する場合などがあり、好ましくない。
ろ過度は、所定の濾布上での目詰まりの度合いである。
ろ過度は、以下の方法により測定することができる。
2mmのメッシュを通過し、なおかつ1mmのメッシュを通過しない粒径の試料を調製して乾燥した後、試料70gを500mLの溶解用容器に入れ、メタノール30gを添加した後、塩化メチレンを 342g添加し、2rpmの速度で容器を回転することにより溶解を開始する。溶解開始6 時間後に、25℃ に調温し、3kg/cmの圧力下、金巾(s618)を3枚重ねたろ布( 直径15mm、ろ過面積1.77cm )を用いて溶液をろ過する。この時、ろ過開始後20分までのろ過量をP(g)、0分より60分までのろ過量をP(g)として測定し、下記式によりろ過度Kw(g−1)を計算する。

Figure 0006335309
(酢酸セルロースを構成する糖構成比)
本発明に係る酢酸セルロースフレークの酢酸セルロースを構成する糖鎖成分において、マンノース単位の含量が0.3モル%以上であり、マンノース単位の含量に対するキシロース単位の含量の割合(モル比)が6.5未満であることが好ましい。
また、マンノース単位の含量は、0.3モル%〜2.5モル%であることが好ましく、0.3モル%〜2.0モル%であることがより好ましく、0.3モル%〜1.5モル%であることがさらに好ましい。マンノース単位の含量に対するキシロース単位の含量の割合(モル比)は、0.3以上6.5未満であることが好ましく、1.0以上6.0未満であることがより好ましく、2.0以上5.5未満であることがさらに好ましい。
得られた酢酸セルロースの構成糖鎖成分及び原料となり得るセルロース(パルプ)の糖構成比は、次のようにして分析できる。
充分に乾燥した試料200mgを精秤し、72%硫酸3mlを加え、氷水で冷却しながら超音波を用い、2時間以上かけて試料を完全に溶解させる。得られた溶液に蒸留水39mlを加えて十分に振盪し、窒素気流下、110℃で3時間還流した後、30分間放冷する。次いで、炭酸バリウム14gを加え、氷水で冷却しつつ超音波を用いて中和する。30分後、さらに炭酸バリウム10gを加え、pH5.5〜6.5程度になるまで中和し、ろ過する。濾液を超純水で100重量倍に希釈し、試料を調製する。
得られた試料を下記の条件でイオンクロマトグラフィにより分析する。
高速液体クロマトグラフィ(HPLC、アジレント・テクノロジー社製Agilent 1200シリーズシステム)
検出器:CoronaPlus CAD検出器
カラム:Shodex社製、Asahipak NH2P-50 4E(250×4.6mm)
ガードカラム:Shodex社製、Asahipak NH2P-50G 4A
溶離液:超純水/アセトニトリル(HPLC用)=25/75(v/v)
溶離液流量: 1.0ml/分
カラム温度:20℃
なお、マンノース、キシロース、グルコースのモル比は、予め、マンノース、キシロース、グルコース標品を用いて作成した検量線より求めることができる。これらの3成分の合計を100として各構成糖鎖成分の含量をモル%で表す。
[酢酸セルロースフレークの製造方法]
本発明に係る酢酸セルロースフレークの製造方法は、酢化工程及びケン化熟成工程を含む、酢酸セルロースフレークの製造方法であって、酢化工程において、酢酸と無水酢酸との混合物を凝固点以下に冷却して得た固体粉末と原料セルロースを混合することで酢化を行うものである。
酢酸セルロースフレークの製造方法について詳述する。
酢酸セルロースフレークは、通常、セルロースに酢酸を添加して前処理活性化する活性化工程(i)と、硫酸触媒の存在下で、前処理活性化したセルロースを酢化する酢化工程(ii)と、必要に応じて前記硫酸触媒を部分中和する工程と、硫酸触媒(又は残存硫酸)の存在下で熟成するケン化熟成工程(iii)と、精製及び乾燥処理(iv)とを含む一連の工程を経ることにより製造することができる。なお、一般的な酢酸セルロースの製造方法については、「木材化学」(上)(右田ら、共立出版(株)1968年発行、第180頁〜第190頁)を参照できる。
(原料セルロース)
本発明に係る酢酸セルロースフレークの原料となり得るセルロース(パルプ)としては、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)や綿花リンターなどが使用できる。これらのセルロースは単独で又は二種以上組み合わせてもよく、例えば、針葉樹パルプと、綿花リンター又は広葉樹パルプとを併用してもよい。
リンターパルプについて述べる。リンターパルプは、木材パルプに比べセルロースの重合度は大きく、本発明の酢酸セルロースの製造過程で解重合が生じても、得られる酢酸セルロースの重合度が大きい酢酸セルロースが得られやすいという観点からは、リンターパルプを原料として用いることが好ましい。
次に、木材パルプについて述べる。木材パルプは、木材からパルプを精製する過程でセルロースの重合度が低下する。本発明により、木材パルプを原料として、重合度の低下が少なく、酢化度が低い酢酸セルロースフレークが得られ、このような酢酸セルロースはろ過度が低く、比較的アセチル置換度のバラツキが小さい。このような観点からは、木材パルプを原料として用いることが好ましい。
木材パルプは安価であるが、流延法(溶液成膜法)において支持体からの剥離性が劣る。綿花リンターは剥離性を改善するためには有用であるものの、入手が困難であるとともに高価であるため、セルロースエステルフィルムの工業的製造には不利である。そのため、パルプとしては、構成糖鎖成分全体に対して低いマンノース含量のパルプ及びマンノース含量に対するキシロース含量の高いパルプを用いるのが工業的製造には有利である。
このように工業的製造に有利に製造される酢酸セルロースフレークを用いて得られるのが、上述する糖構成比を有する酢酸セルロースフレークである。
(製造工程)
セルロースに酢酸を添加して前処理活性化する活性化工程(i)において、酢酸の使用量は、セルロース100重量部に対して、好ましくは10〜500重量部である。また、前処理活性化は、好ましくは密閉及び攪拌条件下、好ましくは20〜50℃で、0.5〜2時間行う。
前処理活性化したセルロースを酢化する酢化工程(ii)において、酢酸と無水酢酸との混合物を凝固点以下に冷却して得た固体粉末と原料セルロースを混合することで酢化を行うことが好ましい。酢酸と無水酢酸との混合物を凝固点以下に冷却して得た固体粉末を原料セルロースと混合することにより、酢化工程における反応温度のピーク温度(以下、酢化ピーク温度ともいう。)を低く抑制することが可能となる。しかも、反応温度が10℃以下に保持される時間、及び、反応温度がピーク温度に達している時間を長く維持することが可能となり、これにより、本発明の酢酸セルロースフレークを製造することができる。
反応温度が10℃以下に保持される時間としては特に限定されないが、従来の製造方法における時間よりも長くなり、例えば、60〜200分程度であることが好ましい。時間が短すぎると、完全三置換セルロースの製造が不十分となる場合があり、長すぎると、重合度の低下が生じやすくなるためである。
反応温度がピーク温度に達する時間(以下、酢化ピーク時間ともいう。)としては特に限定されないが、従来の製造方法における時間よりも長くなり、例えば、100〜300分程度であることが好ましい。時間が短すぎると、ピーク温度が上昇し、ろ過性が悪化する。逆に長すぎると、重合度の低下が生じやすくなる。
酢化ピーク温度としては特に限定されないが、従来の製造方法におけるピーク温度よりも低くなり、例えば、20〜35℃程度であることが好ましい。
従来の製造方法として、例えば、特開2004−002883号公報段落0018に記載されているように、反応温度が35℃未満では、エステル化反応が円滑に進行しない場合があることが記載されており、このような低い温度で酢化を行うことは、困難であった。
ここで、反応温度が10℃以下に保持される時間は、反応開始から反応熱により温度が上昇し10℃に到達するまでの時間をいう。
反応温度がピーク温度に達する時間は、反応開始から反応熱により温度が上昇し、中和剤を投入するまでの酢化工程においてもっとも高い温度になるまでの時間をいう。
なお、反応開始は、固体粉末と原料セルロースを混合した時点をいう。
反応温度のピーク温度は、反応熱により温度が上昇し、中和剤を投入するまでの酢化工程においてもっとも高くなったときの温度をいう。
また、固体粉末は、原料セルロースと混合する前に、−20℃以下に冷却されることが好ましい。より好ましくは−25℃以下に冷却されることがより好ましい。より確実にピーク温度を下げることができるためである。冷却の手段としては、例えば、−30℃以下の冷風を送ることが挙げられる。
固体粉末は、粒子状の固形物である。セルロースと混合しやすい形状および大きさであれば、形状は特に限定されないが、例えば、球状、粉末状などの形状が挙げられる。
固体粉末は、流動性を有する半固化状態まで冷却した酢酸と無水酢酸との混合物を、下から冷風が噴出する十分に凝固点以下に冷却された冷却管(冷却塔)に噴霧することにより製造することができる。また、酢酸と無水酢酸との混合物を、凝固点以下に冷却して固体状の塊とした後、削ることにより製造することもできる。
固体粉末とする酢酸と無水酢酸との混合物は、酢酸と無水酢酸とが含まれていれば、特に限定されないが、酢酸と無水酢酸とが、酢酸300〜600重量部(好ましくは350〜530重量部)および無水酢酸200〜400重量部(好ましくは240〜280重量部)の割合で混合されていることが好ましい。
この酢化反応は、セルロース100重量部に対して、酢酸と無水酢酸の混合物500〜1000重量部と、濃硫酸5〜15重量部(好ましくは7〜13重量部、特に好ましくは8〜11重量部)とを添加して行う。酢化反応は、攪拌条件下、外部から反応系の内外には一切の熱は加えず、行うことが望ましい。また、酢化反応にかかる時間(以下、酢化時間ともいう。)は、150〜280分であることが望ましい。ここで、酢化時間とは、原料セルロースが反応系内に投入され、無水酢酸と反応を開始した時点から中和剤投入までの時間をいう。
この酢化反応により、硫酸は硫酸エステルとしてセルロースに結合しているため、反応終了後、熱安定性向上のためこの硫酸エステルをケン化熟成工程において除去する。ケン化熟成に際して、酢化応停止のために水、酢酸水溶液、又は酢酸マグネシウム水溶液などを添加する。水の添加量は、反応系に存在する無水酢酸と反応して酢酸を生成させ、ケン化熟成工程後の反応系の水分量が2〜10重量%程度になるように添加する。
また、反応系における硫酸イオン濃度が高いと効率よく硫酸エステルを除去することができないため、酢酸マグネシウム等の酢酸のアルカリ土類金属塩の水溶液又は酢酸−水混合溶液を添加して不溶性の硫酸塩を形成させることにより、反応系の硫酸イオン濃度を0.2〜1.0%に調整することが好ましい。なお、例えば、反応系に酢酸マグネシウムの酢酸−水混合溶液を添加することにより、酢化反応の停止と硫酸イオン濃度の低下を同時に行うこともできる。
ケン化熟成の時間(以下、熟成時間ともいう。)は、特に限定されないが、平均酢化度を任意の数値に調整するため、例えば、50〜75分程度であることが好ましい。ここで、熟成時間は、ケン化開始からケン化反応停止までの時間をいう。
また、ケン化熟成は、好ましくは50〜75℃、特に好ましくは55〜65℃の熟成温度で20〜120分間保持することにより行う。ここで、熟成温度とは、熟成時間における反応系内の温度の温度をいう。
酢酸と無水酢酸との混合物を凝固点以下に冷却して得た固体粉末を原料セルロースと混合することにより、酢化ピーク温度を低く抑制することが可能となるだけでなく、ケン化熟成工程における熟成温度も低く抑制することが可能となる。
ケン化熟成工程においては、水と無水酢酸との反応熱を利用することにより、反応系全体を均一でかつ適正な温度に保持することができるため、酢化度が高すぎるものや低すぎるものが生成することが防止される。
酢酸セルロースフレークの精製方法としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば沈殿、ろ過、洗浄、乾燥、抽出、濃縮、カラムクロマトグラフィーなどの方法を単独で、又は2以上を適宜組み合わせて使用できるが、操作性、精製効率等の観点で、沈殿(再沈殿)操作により酢酸セルロースフレークを分離する方法が好ましい。沈殿操作は、酢酸セルロースフレークを含む溶液を酢酸セルロースフレークの貧溶媒中に投入する、又は酢酸セルロースフレークを含む溶液に貧溶媒を投入するなど、酢酸セルロースフレークを含む溶液を該貧溶媒と混合することにより行われる。
乾燥方法は特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、送風や減圧などの条件下乾燥を行うことができる。
酢酸セルロースフレークの製造において、セルロースに、酢酸及び無水酢酸以外の任意成分を添加することができる。
このような任意成分として、例えば、反応後は蒸発して残留しない液体の窒素、二酸化炭素、残留するものの反応に寄与せず、沈殿工程で除去でき、かつ凝固点が低い有機溶剤(例えばプロピルアルコール)などを冷却して添加することができる。
上記の酢酸セルロースフレークの製造方法の前処理活性化したセルロースを酢化する酢化工程(ii)において、酢酸と無水酢酸との混合物を凝固点以下に冷却して得た固体粉末と原料セルロースを混合することで酢化を行う以外にも、反応に必要な酢酸と無水酢酸の量以外に酢酸を大過剰量、原料セルロースに混同することで酢化を行う方法が挙げられる。ここで、大過剰量とは、例えば、原料セルロース100重量部に対し、90重量部〜150重量部である。
このように大過剰量の酢酸を用いる方法は、化学反応系に必要な量の酢酸と無水酢酸の量をはるかに超えた量の酢酸を用いるものである。
得られた酢酸セルロースフレークは、必要に応じて有機溶媒に溶解させた後、各種成型品に成形することができる。
成型時に用いる有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;炭素原子数3〜12のエーテル類、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール;炭素原子数が3〜12のケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノン;炭素原子数が3〜12のエステル類、例えば、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートを挙げることができる。
エーテル類、ケトン類及びエステル類は、環状構造を有していてもよく、エーテル類、ケトン類及びエステル類の官能基(−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する有機溶媒、例えば2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールを用いることができる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。さらに、有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。
また、エーテル類、ケトン類及びエステル類と他の有機溶媒を併用してもよい。併用できる有機溶媒としては、ニトロメタン、炭素原子数が1〜6のアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、t−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール)等を挙げることができる。
エーテル類、ケトン類及びエステル類と他の有機溶媒を併用する場合、混合溶媒中のエーテル類、ケトン類及びエステル類の割合は、10〜99.5重量%が好ましく、20〜99重量%が特に好ましく、40〜98.5重量%がさらに好ましく、60〜98重量%が最も好ましい。
溶媒の使用量は、成型しようとする目的物に応じて、成型性等を考慮して適宜設定することができる。例えば、酢酸セルロースの濃度が、好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは10〜25重量%、最も好ましくは15〜20重量%となる量である。
また、酢酸セルロースフレークを成形する際には、用途に応じて、可塑剤、劣化防止剤、紫外線防止剤、着色剤等の各種添加剤を配合することができる。
これらのうち可塑剤としては、リン酸エステル、例えば、トリフェニルフォスフェート及びトリクレジルフォスフェート;フタル酸エステル、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート;クエン酸エステル、例えば、クエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチル;その他のカルボン酸エステル、例えば、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。これらの中でもフィルムの耐湿熱性を向上させるため、フタル酸エステル系可塑剤が好ましく、ジエチルフタレートが特に好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(i)活性化工程
原料として、広葉樹クラフト法パルプ(α−セルロース含量98.5重量%、含水率8.5%)をディスクリファイナーで処理し、綿状とした。100重量部の綿状セルロースに表1に示す割合で前処理酢酸を噴霧し、25℃で、30分間よく攪拌し、室温で一夜静置することで前処理した。
(ii)酢化工程
酢酸と、無水酢酸と、酢化硫酸触媒として濃硫酸とを表1の割合で混合し、−30℃に冷却した冷却管中に噴霧させ、下方から−30℃の冷風を送ることで、固体状で微粒子状の混合酸粉末を得た。この粉末を攪拌しながら、表1の予冷移酸温度の欄に記載された温度に保持した。この固体状の予冷移酸粉末を二軸ニーダー型反応器に入れ、前処理済の綿状セルロースを加え、混合した。酢化工程での10℃以下での保持時間は98分であった。酢化ピーク時間は133分であった。酢化ピーク温度は25℃であった。酢化時間は240分を要した。
(iii)ケン化熟成工程
酢化反応を行い、所定の酢化時間が終了した後に、150〜250重量部の24重量%の酢酸マグネシウム水溶液(及び水)を添加し、未反応の無水酢酸を分解し、酢化を停止させた。その後、反応浴を所定の熟成温度(脱アセチル化温度64℃)に整温して、熟成を行った(熟成を開始した)。熟成時間は70分とした。
(iv)精製及び乾燥処理
酢酸セルロースを沈殿させ、ろ別し、乾燥処理を行い、酢酸セルロースフレークを得た。
(粘度平均重合度)
得られた酢酸セルロースフレークについて、上述の方法で粘度平均重合度を算出した。オストワルド粘度計は柴田科学株式会社製を用いた。結果は表1に示す。
(平均酢化度)
得られた酢酸セルロースフレークについて、上述の方法で平均酢化度を算出した。結果は表1に示す。
(ろ過度)
得られた酢酸セルロースフレークについて、上述の方法でろ過度を算出した。結果は表1に示す。
(実施例2)
(i)活性化工程
実施例1と同様に行った。
(ii)酢化工程
酢化硫酸触媒として濃硫酸の量及び予冷移酸温度を表1の通りとし、10℃以下での保持時間、酢化ピーク時間、酢化ピーク温度、及び酢化時間が表1の通りとなった以外は、実施例1と同様に行った。
(iii)ケン化熟成工程
実施例1と同様に行った。
(iv)精製及び乾燥処理
実施例1と同様に、酢酸セルロースを沈殿させ、ろ別し、乾燥処理を行い、酢酸セルロースフレークを得た。
得られた酢酸セルロースフレークについて、粘度平均重合度、平均酢化度、及びろ過度を実施例1と同様に算出した。結果は表1に示す。
(実施例3)
(i)活性化工程
原料として、シート状セルロース(コットンリンターパルプ)をディスクリファイナーで処理し、綿状とした。100重量部の綿状セルロース(含水率10%)に表1に示す前処理酢酸の割合で酢酸を噴霧し、よく撹拌した。室温で一夜静置したのち、表1に示す割合で二段酸としてさらに酢酸を噴霧しよく攪拌することで前処理をした。
(ii)酢化工程
酢化硫酸触媒として濃硫酸の量及び予冷移酸温度を表1の通りとし、10℃以下での保持時間、酢化ピーク時間、酢化ピーク温度、及び酢化時間が表1の通りとなった以外は、実施例1と同様に行った。
(iii)ケン化熟成工程
熟成温度、及び熟成時間を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(iv)精製及び乾燥処理
実施例1と同様に、酢酸セルロースを沈殿させ、ろ別し、乾燥処理を行い、酢酸セルロースフレークを得た。
得られた酢酸セルロースフレークについて、粘度平均重合度、平均酢化度、及びろ過度を実施例1と同様に算出した。結果は表1に示す。
(実施例4)
(i)活性化工程
前処理酢酸の量を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(ii)酢化工程
酢酸、無水酢酸、及び予冷移酸温度を表1の通りとし、10℃以下での保持時間、酢化ピーク時間、酢化ピーク温度、及び酢化時間が表1の通りとなった以外は、実施例1と同様に行った。
(iii)ケン化熟成工程
熟成温度、及び熟成時間を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(iv)精製及び乾燥処理
実施例1と同様に、酢酸セルロースを沈殿させ、ろ別し、乾燥処理を行い、酢酸セルロースフレークを得た。
得られた酢酸セルロースフレークについて、粘度平均重合度、平均酢化度、及びろ過度を実施例1と同様に算出した。結果は表1に示す。
(比較例1)
(i)活性化工程
実施例1と同様に行った。
(ii)酢化工程
予冷移酸温度を表1の通りとし、10℃以下での保持時間、酢化ピーク時間、酢化ピーク温度、及び酢化時間が表1の通りとなった以外は、実施例1と同様に行った。
(iii)ケン化熟成工程
熟成温度、及び熟成時間を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(iv)精製及び乾燥処理
実施例1と同様に、酢酸セルロースを沈殿させ、ろ別し、乾燥処理を行い、酢酸セルロースフレークを得た。
得られた酢酸セルロースフレークについて、粘度平均重合度、平均酢化度、及びろ過度を実施例1と同様に算出した。結果は表1に示す。
(比較例2)
(i)活性化工程
実施例3と同様に行った。
(ii)酢化工程
酢化硫酸触媒として濃硫酸の量及び予冷移酸温度を表1の通りとし、10℃以下での保持時間、酢化ピーク時間、酢化ピーク温度、及び酢化時間が表1の通りとなった以外は、実施例1と同様に行った。
(iii)ケン化熟成工程
熟成温度、及び熟成時間を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(iv)精製及び乾燥処理
実施例1と同様に、酢酸セルロースを沈殿させ、ろ別し、乾燥処理を行い、酢酸セルロースフレークを得た。
得られた酢酸セルロースフレークについて、粘度平均重合度、平均酢化度、及びろ過度を実施例1と同様に算出した。結果は表1に示す。
(比較例3)
(i)活性化工程
前処理酢酸の量を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(ii)酢化工程
酢酸、無水酢酸、酢化硫酸触媒として濃硫酸の量及び予冷移酸温度を表1の通りとし、10℃以下での保持時間、酢化ピーク時間、酢化ピーク温度、及び酢化時間が表1の通りとなった以外は、実施例1と同様に行った。
(iii)ケン化熟成工程
熟成温度、及び熟成時間を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(iv)精製及び乾燥処理
実施例1と同様に、酢酸セルロースを沈殿させ、ろ別し、乾燥処理を行い、酢酸セルロースフレークを得た。
得られた酢酸セルロースフレークについて、粘度平均重合度、平均酢化度、及びろ過度を実施例1と同様に算出した。結果は表1に示す。
(比較例4)
(i)活性化工程
前処理酢酸の量を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(ii)酢化工程
酢酸、無水酢酸、酢化硫酸触媒として濃硫酸の量及び予冷移酸温度を表1の通りとし、10℃以下での保持時間、酢化ピーク時間、酢化ピーク温度、及び酢化時間が表1の通りとなった以外は、実施例1と同様に行った。
(iii)ケン化熟成工程
熟成温度、及び熟成時間を表1の通りとした以外は、実施例1と同様に行った。
(iv)精製及び乾燥処理
実施例1と同様に、酢酸セルロースを沈殿させ、ろ別し、乾燥処理を行い、酢酸セルロースフレークを得た。
得られた酢酸セルロースフレークについて、粘度平均重合度、平均酢化度、及びろ過度を実施例1と同様に算出した。結果は表1に示す。
Figure 0006335309
光学フィルム、特には偏光能を有さないことが要求される偏光板保護膜に用いるのに好適である。

Claims (10)

  1. 酢化工程及びケン化熟成工程を含む製造方法により得られる酢酸セルロースフレークであって、
    平均酢化度が60.0%〜61.5%であり、
    粘度平均重合度が360〜440であり、かつ
    ろ過度が100以下である、酢酸セルロースフレーク。
  2. 前記平均酢化度が60.0%〜61.2%である、請求項1に記載の酢酸セルロースフレーク。
  3. 前記平均酢化度が60.0%〜61.0%である、請求項1又は2に記載の酢酸セルロースフレーク。
  4. 前記粘度平均重合度が365〜430である、請求項1〜3のいずれかに記載の酢酸セルロースフレーク。
  5. 前記粘度平均重合度が375〜425である、請求項1〜4のいずれかに記載の酢酸セルロースフレーク。
  6. 前記ろ過度が75以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の酢酸セルロースフレーク。
  7. 前記ろ過度が50以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の酢酸セルロースフレーク。
  8. 酢酸セルロースを構成する糖鎖成分において、マンノース単位の含量が0.3モル%以上であり、マンノース単位の含量に対するキシロース単位の含量の割合(モル比)が6.5未満である、請求項1〜7のいずれかに記載の酢酸セルロースフレーク。
  9. 酢化工程及びケン化熟成工程を含む、酢酸セルロースフレークの製造方法であって、
    当該酢化工程において、酢酸と無水酢酸との混合物を凝固点以下に冷却して得た固体粉末と原料セルロースを混合することで酢化を行う、酢酸セルロースフレークの製造方法。
  10. 前記固体粉末は、原料セルロースと混合する前に、−20℃以下に冷却される、請求項9に記載の酢酸セルロースフレークの製造方法。
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