JP6334133B2 - 高色域液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、DCI規格またはAdobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置、ならびにこれに用いる高色域液晶表示装置用白色発光ダイオードおよび高色域液晶表示装置用カラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、省電力、薄型、軽量等の特性を有することから、近年、益々その需要が高まっており、その開発が進められている。上記液晶表示装置は、バックライトからの透過光を利用した透過型液晶表示装置と、外光の反射を利用した反射型液晶表示装置とに大別される。また、透過型液晶表示装置は、反射型液晶表示装置に比べて彩度に優れ、暗所で使用した場合に表示情報を見やすいといった利点を有する。
ところで、近年、表示装置においてはより鮮やかな表示を行うことが求められており、表示装置の色規格として、DCI(デジタル シネマ イニシアティブ(Digital Cinema Initiatives))規格やAdobe1998規格といった高色域の規格が提唱されている。
また、液晶表示装置においても、上述した各規格の色域を再現することが求められている。
液晶表示装置の色再現範囲を広げる方法として、バックライトとして、青色発光ダイオード(以下、発光ダイオードをLEDと称して説明する場合がある。)、緑色LED、および赤色LEDの3色のLEDを用いたRGB−LED型バックライトを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上述したRGB−LED型バックライトは、赤色光、緑色光、および青色光の3色の光が混色された高色域な白色光を発することができ、また、色純度が良好といった特徴を有するものである。
しかしながら、上述したRGB−LED型バックライトを用いた場合も、上述したDCI規格およびAdobe1998規格の色域に十分に対応することが可能な色再現範囲を有する高色域液晶表示装置を得ることが困難であるという問題がある。
また、RGB-LED型バックライトを用いた場合は、各色のLEDを個別に制御して白色光を調整する必要があることから、その制御が煩雑であるという問題もある。
特開2005−321727号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、DCI規格またはAdobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置、ならびにこれに用いる高色域液晶表示装置用白色LEDおよび高色域液晶表示装置用カラーフィルタを提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用白色LEDであって、青色光を発光する青色LEDチップと、赤色光を発光する赤色LEDチップと、上記青色光を励起源として緑色光を発光する緑色蛍光体を含有する緑色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が535nm〜545nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜640nmの範囲内であり、上記緑色光のスペクトルの半値幅が45nm〜65nmの範囲内であり、上記緑色光の600nmの光強度が、上記緑色光のピーク波長の光強度の15%以上であることを特徴とする高色域液晶表示装置用白色LEDを提供する。
本発明によれば、高色域液晶表示装置用白色LEDが上述した光特性を有することにより、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本発明は、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用白色LEDであって、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が525nm〜540nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であることを特徴とする高色域液晶表示装置用白色LEDを提供する。
本発明によれば、高色域液晶表示装置用白色LEDが上述した光特性を有することにより、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本発明は、Adobe1998規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用白色LEDであって、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が515nm〜525nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が610nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であることを特徴とする高色域液晶表示装置用白色LEDを提供する。
本発明によれば、高色域液晶表示装置用白色LEDが上述した光特性を有することにより、Adobe1998規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、Adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本発明は、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用カラーフィルタであって、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が585nm〜600nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とする高色域液晶表示装置用カラーフィルタを提供する。
本発明によれば、高色域液晶表示装置用カラーフィルタが上述した透過特性を有することにより、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本発明は、Adobe1998規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用カラーフィルタであって、透明基材と、上記透明基材上に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が515nm〜535nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が575nm〜595nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が100nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とする高色域液晶表示装置用カラーフィルタを提供する。
本発明によれば、高色域液晶表示装置用カラーフィルタが上述した透過特性を有することにより、Adobe1998規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、Adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本発明は、白色LEDを有するバックライト部と、カラーフィルタ、対向基板、ならびに上記カラーフィルタおよび対向基板の間に形成された液晶層を有する表示部と、を有するDCI規格の高色域液晶表示装置であって、上記白色LEDが、上述の高色域液晶表示装置用白色LEDであり、上記カラーフィルタが、上述の高色域液晶表示装置用カラーフィルタであることを特徴とする高色域液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、上述した光特性を有する白色LEDおよび上述した透過特性を有するカラーフィルタを有することにより、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置とすることができる。
本発明は、白色LEDを有するバックライト部と、カラーフィルタ、対向基板、ならびに上記カラーフィルタおよび対向基板の間に形成された液晶層を有する表示部と、を有するAdobe1998規格の高色域液晶表示装置であって、上記白色LEDが、上述の高色域液晶表示装置用白色LEDであり、上記カラーフィルタが、上述の高色域液晶表示装置用カラーフィルタであることを特徴とする高色域液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、上述した光特性を有する白色LEDおよび上述した透過特性を有するカラーフィルタを有することにより、Adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置とすることができる。
本発明の高色域液晶表示装置は、DCI規格またはAdobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができるといった作用効果を奏する。
本発明の高色域液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の高色域液晶表示装置用白色LEDの一例を示す概略断面図である。 本発明の高色域液晶表示装置用白色LEDのスペクトルの一例を示すグラフである。 本発明の高色域液晶表示装置用カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明の高色域液晶表示装置用カラーフィルタの透過スペクトルの一例を示すグラフである。 本発明の高色域液晶表示装置用白色LEDの他の例を示す概略断面図である。 本発明の高色域液晶表示装置用白色LEDのスペクトルの他の例を示すグラフである。 本発明の高色域液晶表示装置用カラーフィルタの透過スペクトルの他の例を示すグラフである。 本発明の高色域液晶表示装置用白色LEDのスペクトルの他の例を示すグラフである。 本発明の高色域液晶表示装置用カラーフィルタの透過スペクトルの他の例を示すグラフである。
以下、本発明の高色域液晶表示装置、高色域液晶表示装置用白色LED、および高色域液晶表示装置用カラーフィルタの詳細について説明する。
A.高色域液晶表示装置
本発明の高色域液晶表示装置は、色規格の違いにより、2つの態様を有する。以下、各態様について説明する。
I.第1態様
本態様の高色域液晶表示装置は、DCI規格の高色域液晶表示装置である。
ここで、DCI規格とは、Disney、Fox、Metro-Goldwyn-Mayer、Paramount Pictures、Sony Pictures Entertainment、Universal Studios、Warner Bros. Studios の7つの映画スタジオが作った団体(Digital Cinema Initiative,LCC)のデジタルシネマの規格である。
また、DCI規格の色域は、CIE1931−XYZ表色系のxy色度図において、青色座標(x,y)=(0.150,0.060)、緑色座標(x,y)=(0.265,0.690)、赤色座標(x,y)=(0.680,0.320)の三点を結んだ三角形で示される領域をいう。
本態様の高色域液晶表示装置は、構成の違いにより、さらに2つの実施態様を有する。以下、各実施態様について説明する。
1.第1実施態様
本実施態様の高色域液晶表示装置は、白色LEDを有するバックライト部と、カラーフィルタ、対向基板、ならびに上記カラーフィルタおよび対向基板の間に形成された液晶層を有する表示部と、を有するDCI規格の高色域液晶表示装置であって、上記白色LEDが、青色光を発光する青色LEDチップと、赤色光を発光する赤色LEDチップと、上記青色光を励起源として緑色光を発光する緑色蛍光体を含有する緑色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が535nm〜545nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜640nmの範囲内であり、上記緑色光のスペクトルの半値幅が45nm〜65nmの範囲内であり、上記緑色光の600nmの光強度が、上記緑色光のピーク波長の光強度の15%以上であり、上記カラーフィルタが、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が585nm〜600nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とするものである。
ここで、本実施態様の高色域液晶表示装置について図を用いて説明する。
図1は本実施態様の高色域液晶表示装置の一例を示す概略断面図であり、図2は本実施態様に用いられる白色LEDの一例を示す概略断面図であり、図3は本実施態様に用いられる白色LEDのスペクトルの一例を示すグラフであり、図4は本実施態様に用いられるカラーフィルタの一例を示す概略断面図であり、図5は本実施態様に用いられるカラーフィルタの透過スペクトルの一例を示すグラフである。
図1に例示するように、本実施態様の高色域液晶表示装置100は、白色LED10Aを有するバックライト部10と、カラーフィルタ20A、対向基板20B、ならびにカラーフィルタ20Aおよび対向基板20Bの間に形成された液晶層20Cを有する表示部20と、を有する。図1においては、バックライト部10が、さらに駆動基板10Bと、筐体10Cとを有する例について示している。また、表示部20は、通常、カラーフィルタ20Aおよび対向基板20Bの間を封止する封止部20Dを有する。
また、図2に例示するように、本実施態様に用いられる白色LED10Aは、青色光を発光する青色LEDチップ11Bと、赤色光を発光する赤色LEDチップ11Rと、青色光を励起源として緑色光を発光する緑色蛍光体12Gを含有する緑色蛍光体層13Gとを有する。図2に例示するように、白色LED10Aは、通常、上述した各構成を支持するための支持体14を有し、必要に応じて上述した各構成を封入するためのカプセル材15を有するものである。
また、図3に例示するように、本実施態様に用いられる白色LEDは、青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、緑色光のピーク波長が535nm〜545nmの範囲内、および赤色光のピーク波長が630nm〜640nmの範囲内であり、緑色光のスペクトルの半値幅が45nm〜65nmの範囲内であり、緑色光の600nmの光強度が、緑色光のピーク波長の光強度の15%以上である。
また、図4に例示するように、本実施態様に用いられるカラーフィルタ20Aは、透明基材21と、透明基材21上にパターン状に形成された青色着色層22B、緑色着色層22G、および赤色着色層22Rを備える着色層22とを有する。また、必要に応じて着色層22間に遮光部23を有していてもよい。
また、図5に例示するように、本実施態様に用いられるカラーフィルタは、青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、緑色着色層の透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内、および赤色着色層の透過率が50%を示す波長が585nm〜600nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下、および緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下である。
本実施態様によれば、上述した光特性を有する白色LEDおよび上記透過特性を有するカラーフィルタを有することにより、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置とすることができる。
ここで、色再現範囲とは、CIE1931−XYZ表色系のxy色度図において、高色域液晶表示装置の青色座標、緑色座標、および赤色座標の3点を結んだ三角形の領域と、DCI規格の色域とが重なっている領域の範囲をいう。
ここで、上述したように、従来のRGB−LED型バックライトを用いた高色域液晶表示装置においては、DCI規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難であるという問題がある。この理由については、次のように考えられる。
すなわち、RGB−LED型バックライトにおいて用いられる各色のLEDのうち、緑色LEDおよび赤色LEDについては、DCI規格における緑色座標および赤色座標に対応する波長の光を発するものを得ることが現状困難であると考えられる。そのため、RGB−LED型バックライトから照射される白色光は、DCI規格における緑色座標および赤色座標に対応する波長の光を含まないものと考えられる。
ここで、一般に、液晶表示装置においては、バックライトからの白色光に含まれる特定の波長の光をカラーフィルタを用いて選択的に透過させることにより、各色の調整を行ってカラー表示が行われる。
よって、従来の高色域液晶表示装置においては、DCI規格における緑色座標および赤色座標に対応する波長の光を含まない白色光が用いられていることから、カラーフィルタを用いて各色を調整した場合も、DCI規格における緑色座標および赤色座標を再現することが困難となり、DCI規格の色域に対して色再現範囲を十分に対応させることが困難となると考えられる。
これに対して、本実施態様では、緑色蛍光体から発光される緑色光を用いていることから、緑色LEDを用いる場合に比べて、緑色光のスペクトルの半値幅を広げることができる。その結果、白色LEDから発光される白色光が、DCI規格における緑色座標に対応する光を含むことができる。
また、本実施態様では、上述した透過特性を有するカラーフィルタを用いることにより、上述の白色光に含まれる光のうち、DCI規格における青色、緑色、および赤色の各色の色座標に対応する波長の光または上記波長に近い波長の光を選択的に透過させることが可能となるため、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置とすることが可能となる。
また、本実施態様において、白色LEDの赤色光の光源を、赤色蛍光体ではなく、赤色LEDチップとした理由についても説明する。
一般に蛍光体からの発光はLEDからの発光に比べて弱い光となる。そのため、白色光を構成する赤色光、緑色光、および青色光の3色の光のうち、2色の光として蛍光体からの発光を利用した場合は白色LEDから照射される白色光の輝度が小さくなるため、本実施態様の高色域液晶表示装置の表示が暗くなることや、表示自体を行うことが困難となる可能性があるからである。
本実施態様の高色域液晶表示装置は、バックライト部に用いられる白色LEDとして、青色LEDチップ、赤色LEDチップ、および緑色蛍光体層から構成されるものを用いることにより、DCI規格の緑色座標に対応する光を含む白色光とすることができること、上述した白色光を発光する白色LEDに対して、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことを可能とするカラーフィルタの透過特性を見出したことに特徴を有するものである。
以下、本実施態様の高色域液晶表示装置の詳細について説明する。
(1)バックライト部
本実施態様に用いられるバックライト部は、白色LEDを有するものである。
(a)白色LED
本実施態様に用いられる白色LEDは、青色光を発光する青色LEDチップと、赤色光を発光する赤色LEDチップと、上記青色光を励起源として緑色光を発光する緑色蛍光体を含有する緑色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が535nm〜545nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜640nmの範囲内であり、上記緑色光のスペクトルの半値幅が45nm〜65nmの範囲内であり、上記緑色光の600nmの光強度が、上記緑色光のピーク波長の光強度の15%以上であることを特徴とする。
(i)白色LEDの光特性
上記白色LEDの光特性について説明する。
上記白色LEDは、青色LEDチップから発光される青色光、赤色LEDチップから発光される赤色光、および緑色蛍光体から青色光を励起源として発光させる緑色光を混色させることにより白色光を発光させるものである。
まず、青色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内であれば特に限定されない。上記青色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、DCI規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記青色光のスペクトルの半値幅としては、本実施態様の高色域液晶表示装置において所望の青色表示を行うことができれば特に限定されず、青色LEDチップに応じて適宜決定されるものである。具体的な上記青色光のスペクトルの半値幅としては、10nm〜50nmの範囲内、なかでも15nm〜45nmの範囲内、特に20nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。上記青色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本実施態様の高色域液晶表示装置における青色座標をDCI規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。また、上記青色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合は、青色LEDチップ自体を得ることが困難となる可能性があるからである。
次に緑色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記緑色光のピーク波長が535nm〜545nmの範囲内であれば特に限定されない。上記緑色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、DCI規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記緑色光のスペクトルの半値幅としては、45nm〜65nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも45nm〜60nmの範囲内、特に45nm〜55nmの範囲内であることが好ましい。上記緑色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本実施態様の高色域液晶表示装置における緑色座標をDCI規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。
また、本実施態様に用いられる白色LEDにおける緑色光は、600nmの光強度が緑色光のピーク波長の光強度の15%以上である。上記比率としては、なかでも15%〜25%の範囲内、特に15%〜20%の範囲内であることが好ましい。上記比率が上記範囲に満たない場合は、光源の中間色が減少することにより、色調整が困難となる可能性があるからである。
上記比率の上限としては、50%程度である。上記比率が上記値を超える場合は、光源の中間色が増加することにより、色純度を高くできない可能性があるからである。
次に、赤色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記赤色光のピーク波長が630nm〜640nmの範囲内であれば特に限定されない。上記赤色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、DCI規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記赤色光のスペクトルの半値幅としては、本実施態様の高色域液晶表示装置において所望の赤色表示を行うことができれば特に限定されず、赤色LEDチップに応じて適宜決定されるものである。具体的な上記赤色光のスペクトルの半値幅としては、10nm〜50nmの範囲内、なかでも15nm〜40nmの範囲内、特に20nm〜35nmの範囲内であることが好ましい。上記赤色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本実施態様の高色域液晶表示装置における赤色座標をDCI規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。また、上記赤色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合は、赤色LEDチップ自体を得ることが困難となる可能性があるからである。
上記白色LEDに含まれる青色光、緑色光、および赤色光のピーク波長における光強度(ピーク強度)の比率としては、本実施態様の高色域液晶表示装置においてDCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができれば特に限定されないが、青色光のピーク強度:緑色光のピーク強度:赤色光のピーク強度が、50〜100:20〜70:50〜100であることが好ましく、60〜100:30〜60:60〜100であることがより好ましく、70〜100:40〜60:70〜100であることがさらに好ましい。各色の光のピーク強度の比率が上記関係を満たさない場合は、上記白色光が着色し、本実施態様の高色域液晶表示装置を用いて各色を同程度の輝度で表示することが困難となる可能性があるからである。
上記白色LEDにおける各色のピーク波長、ピーク強度、半値幅等は、分光輝度計SR−UL1(トプコン社製)を用いて、各色の光のスペクトルを測定し、算出した値である。
また、上記白色LEDから発光される白色光としては、上述した各スペクトルを有する青色光、緑色光、および赤色光を有していれば特に限定されない。上記白色光としては、CIE1931−XYZ表色系のxy色度図において、x座標が0.300〜0.315の範囲内、なかでも0.305〜0.315の範囲内、特に0.305〜0.310の範囲内、y座標が0.310〜0.340の範囲内、なかでも0.315〜0.335の範囲内、特に0.320〜0.335の範囲内であることが好ましい。x座標およびy座標が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上記白色光が着色し、本実施態様の高色域液晶表示装置を用いて各色を同程度の輝度で表示することが困難となる可能性があるからである。
なお、白色光の色座標は、分光輝度計SR−UL1(トプコン社製)を用いて、光源スペクトルを測定し、算出した値である。
(ii)白色LEDの構成
本実施態様に用いられる白色LEDは、青色光を発光する青色LEDチップと、赤色光を発光する赤色LEDチップと、上記青色光を励起源として緑色光を発光する緑色蛍光体を含有する緑色蛍光体層とを有するものである。
本実施態様に用いられる緑色蛍光体層について説明する。
本実施態様に用いられる緑色蛍光体としては、上述したスペクトルを有する青色光を励起源として、上述したスペクトルを有する緑色光を発することができるものであれば特に限定されない。緑色蛍光体として具体的には、βサイアロン(beta−SiAlON)等を挙げることができる。
緑色蛍光体層に用いられる樹脂としては、透明性を有し、上記緑色蛍光体を分散させることができ、後述する青色LEDチップおよび赤色LEDチップを覆うように形成することができるものであれば特に限定されず、一般的なLEDの蛍光体層に用いられるものと同様とすることができる。
緑色蛍光体層の形状、および形成方法等については、一般的なLEDの蛍光体層に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
次に、本実施態様に用いられる青色LEDチップについて説明する。
本実施態様に用いられる青色LEDチップとしては、上述したスペクトルを有する青色光を発光することができるものであれば特に限定されない。青色LEDチップについては、公知のものを用いることができる。
次に、本実施態様に用いられる赤色LEDチップについて説明する。
本実施態様に用いられる赤色LEDチップとしては、上述したスペクトルを有する赤色光を発光することができるものであれば特に限定されない。赤色LEDチップについては、公知のものを用いることができる。
本実施態様に用いられる白色LEDは、上述した青色LEDチップ、赤色LEDチップ、および緑色蛍光体層を有するものであれば特に限定されない。上記白色LEDは、上記構成以外にも、通常、上記各構成を支持する支持体、青色LEDチップおよび赤色LEDチップを電極と接続させるためのリード線、電極、上記各構成を封入するためのカプセル材等を有する。
(iii)白色LEDの形成方法
本実施態様に用いられる白色LEDの形成方法については、一般的なLEDの形成方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)バックライト部
本実施態様に用いられるバックライト部は、上述した白色LEDを有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して用いることができる。このような構成としては、例えば、駆動基板、反射板、導光板、筐体等を挙げることができる。なお、これらの構成については、公知のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
バックライト部の形成方法については、特に限定されず、公知の方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)表示部
本実施態様に用いられる表示部は、カラーフィルタ、対向基板、ならびに上記カラーフィルタおよび上記対向基板の間に配置された液晶層を有するものである。
(a)カラーフィルタ
本実施態様に用いられるカラーフィルタは、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が585nm〜600nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とするものである。
(i)カラーフィルタの透過特性
まず、青色着色層の透過特性について説明する。
上記青色着色層の透過光のピーク波長としては、445nm〜465nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも445nm〜460nmの範囲内、特に445nm〜455nmの範囲内であることが好ましい。上記青色着色層の透過光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅としては、110nm以下であれば特に限定されないが、なかでも105nm以下、特に100nm以下であることが好ましい。上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を有する場合も、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
また、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅の下限としては、透過率、パターニング性等を考慮すると70nm程度である。上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記値に満たない場合は、カラーフィルタを用いて高色域液晶表示装置の青色表示を調整することが困難となる可能性があるからである。
次に、緑色着色層の透過特性について説明する。
上記緑色着色層の透過光のピーク波長としては、520nm〜540nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも520nm〜535nmの範囲内、特に520nm〜530nmの範囲内であることが好ましい。上記緑色着色層の透過光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅としては、110nm以下であれば特に限定されないが、なかでも105nm以下、特に100nm以下であることが好ましい。上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を有する場合も、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
また、上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅の下限としては、透過率、パターニング性等を考慮すると70nm程度である。上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記値に満たない場合は、カラーフィルタを用いて高色域液晶表示装置の緑色表示を調整することが困難となる可能性があるからである。
次に、赤色着色層の透過特性について説明する。
上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長としては、585nm〜600nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも、585nm〜595nmの範囲内、特に、590nm〜595nmの範囲内であることが好ましい。赤色着色層における上記波長が上記範囲に満たない場合または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記赤色着色層は、400nm〜550nmの波長域における赤色着色層の平均透過率が5%以下であるものである。
上記波長域における赤色着色層の平均透過率としては、なかでも4%以下、特に3%以下であることが好ましい。上記波長域における赤色着色層の平均透過率が上記値を超える場合は、赤色着色層の透過光の一部に含まれる青色光、緑色光の影響により、本実施態様の高色域液晶表示装置において所望の赤色表示を行うことが困難となり、色再現範囲をDCI規格の色域に十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記青色着色層および緑色着色層の透過光のピーク波長、半値幅、赤色着色層の透過率が50%となる波長および400nm〜550nmの波長域の平均透過率は、例えば、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いてカラーフィルタの透過スペクトルを測定することにより求めることができる。
(ii)カラーフィルタの構成
本実施態様に用いられるカラーフィルタは、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された青色着色層、緑色着色層および赤色着色層を備える着色層とを有するものである。
(着色層)
上記着色層は、着色材を含有するものであり、通常、樹脂層中に着色材を分散させて構成される。
上記着色材としては、各色の着色層が上述した透過特性を有するようにすることができれば特に限定されず、公知の顔料、染料等の着色材を用いることができる。特に、色純度が高い染料は、着色層を薄膜化可能なことから好ましい。
青色着色材としては、例えばピグメントブルー(PB)1、PB15:1、PB15:3、PB15:4、PB15:6、PB56、PB61、PB62等を好適に用いることができる。また、上記青色着色材に加えて、コントラストや色味の調整のために、ピグメントバイオレット(PV)23を添加してもよい。また、トリアリールメタン系、キサテン系、ローダミン系の染料を用いても良い。
また、緑色着色材としては、例えば、ピグメントグリーン(PG)1、PG4、PG7、PG36又はPG58等を好適に用いることができる。また、上記緑色着色材に加えて、コントラストや色味の調節のためにピグメントイエロー(PY)138、PY139やPY150等が含まれていても良い。また、アゾ系の染料を用いても良い。
また、赤色着色材としては、例えば、ピグメントレッド(PR)177、PR242、PR254又はPR208等を好適に用いることができる。また、上記赤色着色材に加えて、コントラストや色味の調節のために、PY139やPY150等が含まれていても良い。また、アゾ系の染料を用いても良い。
上記着色層に用いられる樹脂としては、上述した着色材を分散させることができ、透明基材上に所望の着色層を形成することができるものであれば特に限定されず、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられているものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記着色層としては、少なくとも青色、緑色、および赤色の3色の着色層を有していれば特に限定されず、必要に応じて上述した3色以外の着色層を有していてもよい。
着色層の配列、形状、および形成方法等については、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(透明基材)
本実施態様に用いられる透明基材は、上述した着色層を支持するものである。
上記透明基材としては、一般的なカラーフィルタの透明基材として公知のものを用いることができる。例えば、ガラス基材や、透明樹脂製フィルム等が挙げられる。
(その他の構成)
本実施態様におけるカラーフィルタとしては、透明基材と、着色層とを有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して加えることができる。
このような構成としては、例えば、着色層間を区画する遮光部、着色層上に形成される保護層、本実施態様の高色域液晶表示装置のセルギャップを保持するための柱状スペーサ等が挙げられるがこれらに限定されない。
(iii)カラーフィルタの形成方法
本実施態様に用いられるカラーフィルタの製造方法については、一般的なカラーフィルタの製造方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)対向基板
次に、本実施態様に用いられる対向基板について説明する。
本実施態様に用いられる対向基板としては、本実施態様における高色域液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
ここで、本実施態様における高色域液晶表示装置の駆動方式としては、良好な画像表示を行うことができるのであれば特に限定されるものではなく、一般的に透過型液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、例えば、TN方式、IPS方式、OCB方式、および、MVA方式等を挙げることができる。本実施態様においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができる。
(c)液晶層
次に液晶層について説明する。本実施態様における液晶層は、カラーフィルタおよび対向基板間に設けられるものである。液晶層を構成する液晶としては、本実施態様の高色域液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、およびこれらの混合物を用いることができる。
液晶層の形成方法としては、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができ、例えば、真空注入方式や液晶滴下方式等が挙げられる。
(d)その他の構成
本実施態様に用いられる表示部は、上述したカラーフィルタ、対向基板、および液晶層を有するものであれば特に限定されず他にも必要な構成を適宜選択して追加することができる。
このような構成としては、例えば、偏光板等を挙げることができる。
(e)表示部の形成方法
本実施態様に用いられる表示部の形成方法については、一般的な液晶表示装置に用いられる表示部と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他の構成
本実施態様の高色域液晶表示装置は、上述したバックライト部および表示部を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
(4)高色域液晶表示装置
本実施態様の高色域液晶表示装置は、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本実施態様の高色域液晶表示装置のDCI規格の色域に対する色再現率としては、所望の表示を行うことができれば特に限定されないが、98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましく、100%であることが特に好ましい。
上記色再現率を上記値以上とすることにより、従来の高色域液晶表示装置よりも、良好な色再現範囲を示すものとすることができる。
なお、高色域液晶表示装置のDCI規格の色域に対する色再現率は、赤色、緑色、青色(RGB)の単色表示時の色度を輝度計(SR−UL1:トプコン社製)を用いて測定し、算出した値である。
(5)高色域液晶表示装置の製造方法
本実施態様の高色域液晶表示装置の製造方法については、一般的な液晶表示装置の製造方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.第2実施態様
本実施態様の高色域液晶表示装置は、白色LEDを有するバックライト部と、カラーフィルタ、対向基板、ならびに上記カラーフィルタおよび対向基板の間に形成された液晶層を有する表示部と、を有するDCI規格の高色域液晶表示装置であって、上記白色LEDが、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が525nm〜540nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であり、上記カラーフィルタが、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が585nm〜600nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とするものである。
本実施態様の高色域液晶表示装置について図を用いて説明する。図6は本実施態様に用いられる白色LEDの一例を示す概略断面図である。また、図7は本実施態様に用いられる白色LEDのスペクトルの一例を示すグラフであり、図8は本実施態様に用いられるカラーフィルタの透過スペクトルの一例を示すグラフである。
なお、本実施態様の高色域液晶表示装置の構成については図1で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
図6に例示するように、本実施態様に用いられる白色LED10Aは、青色光を発光する青色LEDチップ11Bと、緑色光を発光する緑色LEDチップ11Gと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体12Rを含有する赤色蛍光体層13Rとを有する。なお、図6において説明していない符号については図2で説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、図7に例示するように、本実施態様に用いられる白色LEDは、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が525nm〜540nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上である。
本実施態様に用いられるカラーフィルタの構成については図3で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。図8に例示するように、本実施態様に用いられるカラーフィルタは、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が585nm〜600nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下である。
本実施態様によれば、上述した光特性を有する白色LEDおよび上述した透過特性を有するカラーフィルタを有することにより、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置とすることができる。
より具体的には、本実施態様では、赤色蛍光体から発光される赤色光を用いていることから、赤色LEDを用いる場合に比べて、赤色光のスペクトルの半値幅を広げることができる。その結果、白色LEDから発光される白色光が、DCI規格における赤色の色座標に対応する光を含むことができる。
また、本実施態様では、上述した透過特性を有するカラーフィルタを用いることにより、上述の白色光に含まれる光のうち、DCI規格における青色、緑色、および赤色の各色の色座標に対応する波長の光または上記波長に近い波長の光を選択的に透過させることが可能となるため、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置とすることが可能となる。
また、本実施態様において、白色LEDの緑色光の光源を、緑色蛍光体ではなく、緑色LEDチップとした理由については、上述した「1.第1実施態様」において、白色LEDの赤色光源を赤色LEDチップとした理由と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本実施態様の高色域液晶表示装置は、バックライト部に用いられる白色LEDとして、青色LEDチップ、緑色LEDチップ、および赤色蛍光体層から構成されるものを用いることにより、DCI規格の赤色の色座標に対応する光を含む白色光とすることができること、上述した白色光を発光する白色LEDに対して、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことを可能とするカラーフィルタの透過特性を見出したことに特徴を有するものである。
以下、本実施態様の高色域液晶表示装置の詳細について説明する。
(1)バックライト部
本実施態様に用いられるバックライト部は、白色LEDを有するものである。
(a)白色LED
本実施態様に用いられる白色LEDは、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が525nm〜540nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であることを特徴とする。
(i)白色LEDの光特性
上記白色LEDの光特性について説明する。
上記白色LEDは、青色LEDチップから発光される青色光、緑色LEDチップから発光される緑色光、および赤色蛍光体から青色光を励起源として発光させる赤色光を混色させることにより白色光を発光させるものである。
まず、青色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内であれば特に限定されない。上記青色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、DCI規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記青色光のスペクトルの半値幅としては、本実施態様の高色域液晶表示装置において所望の青色表示を行うことができれば特に限定されず、青色LEDチップに応じて適宜決定されるものである。具体的な上記青色光のスペクトルの半値幅としては、10nm〜50nmの範囲内、なかでも15nm〜45nmの範囲内、特に20nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。上記青色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本実施態様の高色域液晶表示装置における青色座標をDCI規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。また、上記青色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合は、青色LEDチップ自体を得ることが困難となる可能性があるからである。
次に緑色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記緑色光のピーク波長が525nm〜540nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも525nm〜535nmの範囲内、特に530nm〜535nmの範囲内であることが好ましい。上記緑色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、DCI規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記緑色光のスペクトルの半値幅としては、本実施態様の高色域液晶表示装置において所望の緑色表示を行うことができれば特に限定されず、緑色LEDチップに応じて適宜決定されるものである。具体的な上記緑色光のスペクトルの半値幅としては、10nm〜50nmの範囲内、なかでも15nm〜45nmの範囲内、特に20nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。上記緑色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本実施態様の高色域液晶表示装置における緑色座標をDCI規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。また、上記緑色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合は、緑色LEDチップ自体を得ることが困難となる可能性があるからである。
次に、赤色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記赤色光のピーク波長が630nm〜650nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも635nm〜650nmの範囲内、特に635nm〜645nmの範囲内であることが好ましい。上記赤色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、DCI規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
本実施態様においては、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であれば特に限定されないが、なかでも30nm〜90nmの範囲内、特に40nm〜80nmの範囲内であることが好ましい。
また、上記赤色光のスペクトルの半値幅の上限値としては、100nm程度である。
上記赤色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本実施態様の高色域液晶表示装置における赤色座標をDCI規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。
上記白色LEDに含まれる青色光、緑色光、および赤色光のピーク波長における光強度(ピーク強度)の比率としては、本実施態様の液晶表示装置においてDCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができれば特に限定されないが、青色光のピーク強度:緑色光のピーク強度:赤色光のピーク強度が、60〜100:40〜80:20〜60であることが好ましく、70〜100:50〜80:30〜60であることがより好ましく、80〜100:60〜80:40〜60であることがさらに好ましい。
各色の光のピーク強度の比率が上記関係を満たさない場合は、上記白色光が着色し、本実施態様の高色域液晶表示装置を用いて各色を同程度の輝度で表示することが困難となる可能性があるからである。
上記白色LEDにおける各色のピーク波長、ピーク強度、半値幅、スペクトル等の測定方法については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明した方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記白色LEDから発光される白色光としては、上述した各スペクトルを有する青色光、緑色光、および赤色光を有していれば特に限定されない。上記白色光としては、CIE1931−XYZ表色系のxy色度図において、x座標が0.295〜0.320の範囲内、なかでも0.300〜0.315の範囲内、特に0.300〜0.310の範囲内、y座標が0.300〜0.330の範囲内、なかでも0.305〜0.325の範囲内、特に0.310〜0.325の範囲内であることが好ましい。x座標およびy座標が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上記白色光が着色し、本実施態様の高色域液晶表示装置を用いて各色を同程度の輝度で表示することが困難となる可能性があるからである。
なお、白色光の色座標の測定方法については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明した方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(ii)白色LEDの構成
本実施態様に用いられる白色LEDは、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有するものである。
本実施態様に用いられる赤色蛍光体層について説明する。
本実施態様に用いられる赤色蛍光体としては、上述したスペクトルを有する青色光を励起源として、上述したスペクトルを有する赤色光を発することができるものであれば特に限定されない。赤色蛍光体として具体的には、CASN、SCASN等を挙げることができる。
赤色蛍光体層に用いられる樹脂、赤色蛍光体層の形状、および形成方法等については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
次に、本実施態様に用いられる緑色LEDチップについて説明する。
本実施態様に用いられる緑色LEDチップとしては、上述したスペクトルを有する緑色光を発光することができるものであれば特に限定されない。緑色LEDチップについては、公知のものを用いることができる。
本実施態様に用いられる青色LEDチップ、任意の構成、および白色LEDの形成方法については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)バックライト部
本実施態様に用いられるバックライト部は、上述した白色LEDを有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して用いることができる。このような構成については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
バックライト部の形成方法については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)表示部
本実施態様に用いられる表示部は、カラーフィルタ、対向基板、ならびに上記カラーフィルタおよび上記対向基板の間に配置された液晶層を有するものである。
(a)カラーフィルタ
本実施態様に用いられるカラーフィルタは、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が585nm〜600nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とするものである。
(i)カラーフィルタの透過特性
まず、青色着色層の透過特性について説明する。
上記青色着色層の透過光のピーク波長としては、445nm〜465nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも450nm〜465nmの範囲内、特に450nm〜460nmの範囲内であることが好ましい。上記青色着色層の透過光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅としては、110nm以下であれば特に限定されないが、なかでも105nm以下、特に100nm以下であることが好ましい。上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を有する場合も、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
また、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅の下限としては、透過率、パターニング性を考慮すると70nm程度である。上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記値に満たない場合は、カラーフィルタを用いて高色域液晶表示装置の青色表示を調整することが困難となる可能性があるからである。
次に、緑色着色層の透過特性について説明する。
上記緑色着色層の透過光のピーク波長としては、520nm〜540nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも525nm〜540nmの範囲内、特に525nm〜535nmの範囲内であることが好ましい。上記緑色着色層の透過光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅としては、110nm以下であれば特に限定されないが、なかでも105nm以下、特に100nm以下であることが好ましい。上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を有する場合も、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
また、上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅の下限としては、透過率、パターニング性を考慮すると70nm程度である。上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記値に満たない場合は、カラーフィルタを用いて高色域液晶表示装置の緑色表示を調整することが困難となる可能性があるからである。
次に、赤色着色層の透過特性について説明する。
上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長としては、585nm〜600nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも590nm〜600nmの範囲内、特に590nm〜595nmの範囲内であることが好ましい。赤色着色層における上記波長が上記範囲に満たない場合または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本実施態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をDCI規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記赤色着色層は、400nm〜550nmの波長域における赤色着色層の平均透過率が5%以下であるものである。
上記波長域における赤色着色層の平均透過率としては、なかでも4%以下、特に3%以下であることが好ましい。上記波長域における赤色着色層の平均透過率が上記値を超える場合は、赤色着色層の透過光の一部に含まれる青色光、緑色光の影響により、本実施態様の高色域液晶表示装置において所望の赤色表示を行うことが困難となり、色再現範囲をDCI規格の色域に十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記青色着色層および緑色着色層の透過光のピーク波長、赤色着色層の透過率が50%となる波長および400nm〜550nmの波長域の平均透過率、ならびにカラーフィルタの可視光域全域の平均透過率の測定方法については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明した方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(ii)カラーフィルタの構成
本実施態様に用いられるカラーフィルタの構成については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)その他
本実施態様に用いられる表示部について上述した点以外については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他の構成
本実施態様の高色域液晶表示装置は、上述したバックライト部および表示部を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
(4)高色域液晶表示装置
本実施態様の高色域液晶表示装置のDCI規格の色域に対する色再現率、および本実施態様の高色域液晶表示装置の製造方法については、上述した「1.第1実施態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
II.第2態様
本態様の高色域液晶表示装置は、白色LEDを有するバックライト部と、カラーフィルタ、対向基板、ならびに上記カラーフィルタおよび対向基板の間に形成された液晶層を有する表示部と、を有するAdobe1998規格の高色域液晶表示装置であって、上記白色LEDが、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が515nm〜525nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が610nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であり、上記カラーフィルタが、透明基材と、上記透明基材上に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が515nm〜535nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が575nm〜595nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が100nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とするものである。
Adobe1998規格とは、アドビシステムズが提唱しているプロフェッショナルのカラーイメージング環境、及び出版/印刷の分野向けの規格である。
また、Adobe1998規格の色域は、CIE1931−XYZ表色系のxy色度図において、青色座標(x,y)=(0.150,0.060)、緑色座標(x,y)=(0.210,0.710)、赤色座標(x,y)=(0.640,0.330)の三点を結んだ三角形で示される領域をいう。
ここで、本態様の高色域液晶表示装置について図を用いて説明する。
図9は本態様に用いられる白色LEDのスペクトルの一例を示すグラフであり、図10は本態様に用いられるカラーフィルタの透過スペクトルの一例を示すグラフである。
本態様の液晶表示装置の構成、ならびに本態様に用いられる白色LEDの構成、およびカラーフィルタの構成については、上述した図1、図4、図6で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
図9に例示するように、本態様に用いられる白色LEDは、青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、緑色光のピーク波長が515nm〜525nmの範囲内、および赤色光のピーク波長が610nm〜650nmの範囲内であり、赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上である。
また、図10に例示するように、本態様に用いられるカラーフィルタは、青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、緑色着色層の透過光のピーク波長が515nm〜535nmの範囲内、および赤色着色層の透過率が50%を示す波長が575nm〜595nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、青色着色層の透過スペクトルの半値幅が100nm以下、および緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下である。
本態様によれば、上述した光特性を有する白色LEDおよび上述した透過特性を有するカラーフィルタを有することにより、Adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置とすることができる。
ここで、色再現範囲とは、CIE1931−XYZ表色系のxy色度図において、高色域液晶表示装置の青色座標、緑色座標、および赤色座標の3点を結んだ三角形の領域と、Adobe1998規格の色域とが重なっている領域の範囲をいう。
ここで、上述したように、従来のRGB−LED型バックライトを用いた高色域液晶表示装置においては、Adobe1998規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難であるという問題がある。この理由については、次のように考えられる。
すなわち、RGB−LED型バックライトにおいて用いられる各色のLEDのうち、赤色LEDについては、Adobe1998規格における赤色座標に対応する波長の光を発するものを得ることが現状困難であると考えられる。そのため、RGB−LED型バックライトから照射される白色光は、Adobe1998規格における赤色座標に対応する波長の光を含まないものと考えられる。
よって、従来の高色域液晶表示装置においては、Adobe1998規格における赤色座標に対応する波長の光を含まない白色光が用いられていることから、カラーフィルタを用いて各色を調整した場合も、Adobe1998規格における赤色座標を再現することが困難となり、Adobe1998規格の色域に対して色再現範囲を十分に対応させることが困難となると考えられる。
これに対して、本態様では、赤色蛍光体から発光される赤色光を用いていることから、赤色LEDを用いる場合に比べて、赤色光のスペクトルの半値幅を広げることができる。その結果、白色LEDから発光される白色光が、Adobe1998規格における赤色座標に対応する光を含むことができる。
また、本態様では、上述した透過特性を有するカラーフィルタを用いることにより、上述の白色光に含まれる光のうち、Adobe1998規格における青色、緑色、および赤色の各色の色座標に対応する波長の光または上記波長に近い波長の光を選択的に透過させることが可能となるため、Adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示す高色域液晶表示装置とすることが可能となる。
本態様の高色域液晶表示装置は、バックライト部に用いられる白色LEDとして、青色LEDチップ、緑色LEDチップ、および赤色蛍光体層から構成されるものを用いることにより、Adobe1998規格の赤色の座標に対応する光を含む白色光とすることができること、上述した白色光を発光する白色LEDに対して、Adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことを可能とするカラーフィルタの透過特性を見出したことに特徴を有するものである。
以下、本態様の高色域液晶表示装置の詳細について説明する。
1.バックライト部
本態様に用いられるバックライト部は、白色LEDを有するものである。
(1)白色LED
本態様に用いられる白色LEDは、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が515nm〜525nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が610nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であることであることを特徴とする。
(a)白色LEDの光特性
上記白色LEDの光特性について説明する。
上記白色LEDは、青色LEDチップから発光される青色光、緑色LEDチップから発光される緑色光、および赤色蛍光体から青色光を励起源として発光させる赤色光を混色させることにより白色光を発光させるものである。
まず、青色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内であれば特に限定されない。上記青色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、adobe1998規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記青色光のスペクトルの半値幅としては、本態様の高色域液晶表示装置において所望の青色表示を行うことができれば特に限定されず、青色LEDチップに応じて適宜決定されるものである。具体的な上記青色光のスペクトルの半値幅としては、10nm〜50nmの範囲内、なかでも15nm〜45nmの範囲内、特に20nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。上記青色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本態様の高色域液晶表示装置における青色表示の色座標をadobe1998規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。また、上記青色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合は、青色LEDチップ自体を得ることが困難となる可能性があるからである。
次に緑色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記緑色光のピーク波長が515nm〜525nmの範囲内であれば特に限定されない。上記緑色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、adobe1998規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記緑色光のスペクトルの半値幅としては、本態様の高色域液晶表示装置において所望の緑色表示を行うことができれば特に限定されず、緑色LEDチップに応じて適宜決定されるものである。具体的な上記緑色光のスペクトルの半値幅としては、10nm〜50nmの範囲内、なかでも20nm〜40nmの範囲内、特に25nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。上記緑色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本態様の高色域液晶表示装置における緑色表示の色座標をadobe1998規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。また、上記緑色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合は、緑色LEDチップ自体を得ることが困難となる可能性があるからである。
次に、赤色光について説明する。
上記白色LEDにおいては、上記赤色光のピーク波長が610nm〜650nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも615nm〜645nmの範囲内、特に615nm〜640nmの範囲内であることが好ましい。上記赤色光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを組み合わせたとしても、adobe1998規格の色域に対する色再現範囲を十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
本態様においては上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であれば特に限定されないが、なかでも50nm〜200nmの範囲内、特に60nm〜180nmの範囲内であることが好ましい。
また、上記赤色光のスペクトルの半値幅の上限値としては、250nm程度である。
上記赤色光のスペクトルの半値幅が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、後述するカラーフィルタを用いて本実施態様の高色域液晶表示装置における赤色座標をadobe1998規格に沿うものとすることが困難となる可能性があるからである。
上記白色LEDに含まれる青色光、緑色光、および赤色光のピーク波長における光強度(ピーク強度)の比率としては、本態様の液晶表示装置においてadobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができれば特に限定されないが、青色光のピーク強度:緑色光のピーク強度:赤色光のピーク強度が、60〜100:40〜80:20〜60であることが好ましく、70〜100:50〜80:30〜60であることがより好ましく、80〜100:60〜80:40〜60であることがさらに好ましい。
各色の光のピーク強度の比率が上記関係を満たさない場合は、上記白色光が着色し、本態様の高色域液晶表示装置を用いて各色を同程度の輝度で表示することが困難となる可能性があるからである。
上記白色LEDにおける各色のピーク波長、ピーク強度、半値幅、スペクトル等の測定方法については、上述した「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明した方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記白色LEDから発光される白色光としては、上述した各スペクトルを有する青色光、緑色光、および赤色光を有していれば特に限定されない。上記白色光としては、CIE1931−XYZ表色系のxy色度図において、x座標が0.280〜0.310の範囲内、なかでも0.285〜0.305の範囲内、特に0.290〜0.300の範囲内、y座標が0.290〜0.330の範囲内、なかでも0.295〜0.325の範囲内、特に0.300〜0.320の範囲内であることが好ましい。x座標およびy座標が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上記白色光が着色し、本態様の高色域液晶表示装置を用いて各色を同程度の輝度で表示することが困難となる可能性があるからである。
なお、白色光の色座標の測定方法については、上述した「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明した方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)白色LEDの構成
本態様に用いられる白色LEDは、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有するものである。
本実施態様に用いられる赤色蛍光体層について説明する。
本実施態様に用いられる赤色蛍光体としては、上述したスペクトルを有する青色光を励起源として、上述したスペクトルを有する赤色光を発することができるものであれば特に限定されない。赤色蛍光体として具体的には、258−Nitride等を挙げることができる。
赤色蛍光体層に用いられる樹脂、赤色蛍光体層の形状、および形成方法等については、上述した「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる緑色LEDチップについては、上述した「I.第1態様 2.第2実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる青色LEDチップ、任意の構成、および白色LEDの形成方法については、上述した「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)バックライト部
本態様に用いられるバックライト部は、上述した白色LEDを有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して用いることができる。このような構成については、上述した「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
バックライト部の形成方法については、上述した「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.表示部
本態様に用いられる表示部は、カラーフィルタ、対向基板、ならびに上記カラーフィルタおよび上記対向基板の間に配置された液晶層を有するものである。
(1)カラーフィルタ
本態様に用いられるカラーフィルタは、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が515nm〜535nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が575nm〜595nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が100nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とするものである。
(a)カラーフィルタの透過特性
まず、青色着色層の透過特性について説明する。
上記青色着色層の透過光のピーク波長としては、445nm〜465nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも450nm〜465nmの範囲内、特に450nm〜460nmの範囲内であることが好ましい。上記青色着色層の透過光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をadobe1998規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅としては、100nm以下であれば特に限定されないが、なかでも98nm以下、特に95nm以下であることが好ましい。上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を有する場合も、本態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をadobe1998規格の色域に対して十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。また、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅の下限としては、70nm程度である。上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記値に満たない場合は、カラーフィルタを用いて高色域液晶表示装置の青色表示を調整することが困難となる可能性があるからである。
次に、緑色着色層の透過特性について説明する。
上記緑色着色層の透過光のピーク波長としては、515nm〜535nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも520nm〜535nmの範囲内、特に520nm〜530nmの範囲内であることが好ましい。上記緑色着色層の透過光のピーク波長が上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をadobe1998規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅としては、110nm以下であれば特に限定されないが、なかでも105nm以下、特に100nm以下であることが好ましい。上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を有する場合も、本態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をadobe1998規格の色域に対して十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
また、上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅の下限としては、70nm程度である。
上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が上記値に満たない場合は、カラーフィルタを用いて高色域液晶表示装置の緑色表示を調整することが困難となる可能性があるからである。
次に、赤色着色層の透過特性について説明する。
上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長としては575nm〜595nmの範囲内であれば特に限定されないが、なかでも580nm〜595nmの範囲内、特に580nm〜590nmの範囲内であることが好ましい。赤色着色層における上記波長が上記範囲に満たない場合または上記範囲を超える場合は、上述したバックライト部を用いた場合であっても、本態様の高色域液晶表示装置の色再現範囲をadobe1998規格の色域に対して十分対応させることが困難になる可能性があるからである。
上記赤色着色層は、400nm〜550nmの波長域における赤色着色層の平均透過率が5%以下であるものである。
上記波長域における赤色着色層の平均透過率としては、なかでも4%以下、特に3%以下であることが好ましい。上記波長域における赤色着色層の平均透過率が上記値を超える場合は、赤色着色層の透過光の一部に含まれる青色光、緑色光の影響により、本態様の高色域液晶表示装置において所望の赤色表示を行うことが困難となり、色再現範囲をadobe1998規格の色域に十分に対応させることが困難となる可能性があるからである。
上記青色着色層および緑色着色層の透過光のピーク波長、半値幅、赤色着色層の透過率が50%となる波長および400nm〜550nmの波長域の平均透過率の測定方法は、「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明した方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)カラーフィルタの構成
本実施態様に用いられるカラーフィルタの構成については、上述した「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)その他
本実施態様に用いられる表示部について上述した点以外については、上述した「I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.その他の構成
本態様の高色域液晶表示装置は、上述したバックライト部および表示部を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
4.高色域液晶表示装置
本態様の高色域液晶表示装置は、adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本態様の高色域液晶表示装置のadobe1998規格の色域に対する色再現率としては、所望の表示を行うことができれば特に限定されないが、98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましく、100%であることが特に好ましい。上記色再現率を上記値以上とすることにより、従来の高色域液晶表示装置よりも、良好な色再現範囲を示すものとすることができる。
なお、上述の高色域液晶表示装置のadobe1998規格の色域に対する色再現率は、赤色、緑色、青色(RGB)の単色表示時の色度を輝度計(SR−UL1:トプコン社製)を用いて測定し、算出した値である。
5.高色域液晶表示装置の製造方法
本態様の高色域液晶表示装置の製造方法については、一般的な液晶表示装置の製造方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
B.高色域液晶表示装置用白色LED
本発明の高色域液晶表示装置用白色LED(以下、単に白色LEDと称して説明する場合がある。)は、用いられる高色域液晶表示装置の色規格の違いにより、2つの態様を有する。以下、各態様について説明する。
I.第1態様
本態様の白色LEDは、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いられるものである。本態様の白色LEDは、その構成の違いにより、さらに2つの実施態様を有する。以下、各実施態様について説明する。
1.第1実施態様
本実施態様の高色域液晶表示装置用白色LEDは、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用白色LEDであって、青色光を発光する青色LEDチップと、赤色光を発光する赤色LEDチップと、上記青色光を励起源として緑色光を発光する緑色蛍光体を含有する緑色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が535nm〜545nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜640nmの範囲内であり、上記緑色光のスペクトルの半値幅が45nm〜65nmの範囲内であり、上記緑色光の600nmの光強度が、上記緑色光のピーク波長の光強度の15%以上であることを特徴とするものである。
本実施態様の白色LEDの構成、およびスペクトルの例については、図2および図3で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本実施態様によれば、上記白色LEDが上述した光特性を有することにより、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
また、ここで、従来の高色域液晶表示装置において好適に用いられているRGB-LED型のバックライトにおいては、各色のLEDを制御して中間色表示を行うことにより、白色光の明るさや色味を調整する必要があることから、各色のLEDを個別に制御する必要があるため、その制御が煩雑であるという問題がある。
これに対して、本実施態様の白色LEDは単色光源としてバックライトに用いることができることから、その制御をより簡便に行うことが可能となる。
また、本実施態様によれば、白色LEDの発光効率を良好なものとすることができるため、上記白色LEDを用いたバックライトを小型化することができる。
本実施態様の白色LEDについては、上述した「A.高色域液晶表示装置 I.第1態様 1.第1実施態様」の項で説明した白色LEDと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.第2実施態様
本実施態様の高色域液晶表示装置用白色LEDは、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用白色LEDであって、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が525nm〜540nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が630nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であることを特徴とするものである。
本実施態様の白色LEDの構成、およびスペクトルの例については、図6および図7で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本実施態様によれば、上記白色LEDが上述した光特性を有することにより、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
また、本実施態様によれば、本実施態様の白色LEDは単色光源としてバックライトに用いることができることから、その制御をより簡便に行うことが可能となる。
本実施態様の白色LEDについては、上述した「A.高色域液晶表示装置 I.第1態様 2.第2実施態様」の項で説明した白色LEDと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
II.第2態様
本態様の高色域液晶表示装置用白色LEDは、Adobe1998規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用白色LEDであって、青色光を発光する青色LEDチップと、緑色光を発光する緑色LEDチップと、上記青色光を励起源として赤色光を発光する赤色蛍光体を含有する赤色蛍光体層とを有し、上記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、上記緑色光のピーク波長が515nm〜525nmの範囲内、および上記赤色光のピーク波長が610nm〜650nmの範囲内であり、上記赤色光のスペクトルの半値幅が25nm以上であることを特徴とするものである。
本態様の白色LEDの構成、およびスペクトルの例については、図6および図9で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上記白色LEDが上述した光特性を有することにより、Adobe1998規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、Adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
また、本態様によれば、本態様の白色LEDは単色光源としてバックライトに用いることができることから、その制御をより簡便に行うことが可能となる。
本態様の白色LEDについては、上述した「A.高色域液晶表示装置 II.第2態様」の項で説明した白色LEDと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
C.高色域液晶表示装置用カラーフィルタ
本発明の高色域液晶表示装置用カラーフィルタ(以下、単にカラーフィルタと称して説明する場合がある。)は、用いられる高色域液晶表示装置の色規格の違いにより、2つの態様を有する。以下、各態様について説明する。
I.第1態様
本態様の高色域液晶表示装置用カラーフィルタは、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用カラーフィルタであって、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が585nm〜600nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とするものである。
本態様のカラーフィルタの構成、およびスペクトルの例については、図4、図5、図8で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上記カラーフィルタが上述した透過特性を有することにより、DCI規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、DCI規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本態様のカラーフィルタについては、上述した「A.高色域液晶表示装置 I.第1態様」の項で説明したカラーフィルタと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
II.第2態様
本態様の高色域液晶表示装置用カラーフィルタは、Adobe1998規格の高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用カラーフィルタであって、透明基材と、上記透明基材上に形成された青色着色層、緑色着色層、および赤色着色層を備える着色層とを有し、上記青色着色層の透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内、上記緑色着色層の透過光のピーク波長が515nm〜535nmの範囲内、および上記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が575nm〜595nmの範囲内であり、400nm〜550nmの波長域における上記赤色着色層の平均透過率が5%以下であり、上記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が100nm以下、および上記緑色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とするものである。
本態様のカラーフィルタの構成、およびスペクトルの例については、図4、図10で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上記カラーフィルタが上述した透過特性を有することにより、Adobe1998規格の高色域液晶表示装置に用いた場合に、Adobe1998規格の色域に対して良好な色再現範囲を示すことができる。
本態様のカラーフィルタについては、上述した「A.高色域液晶表示装置 II.第2態様」の項で説明したカラーフィルタと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
I.DCI規格の液晶表示装置
[実施例1]
1.白色LEDの作製
青色光のピーク波長が452.5nmの青色LEDチップ、赤色光のピーク波長が623nmの赤色LEDチップ、および緑色蛍光体としてβサイアロンを含有し、緑色光のピーク波長が535nmの緑色蛍光体層を有する図3のスペクトルを有する白色LEDを以下の手順により作製した。
基材に表面加工をし、青色LEDチップ、赤色LEDチップを形成した。その後、電極を形成し、さらに保護膜を形成した。電極上の保護膜にフォトリソグラフィーによりコンタクトホール形成し、ワイヤーボンディングした。その後、緑色蛍光体層を塗布し、白色LEDを作製した。
2.カラーフィルタの作製
青色着色層の透過光のピーク波長が455nm、透過スペクトルの半値幅が100nm、緑色着色層の透過光のピーク波長が530nm、透過スペクトルの半値幅が100nm、赤色着色層の透過率が50%となる波長が592nm、赤色着色層の400nm〜550nmの平均透過率が1.8%となる図5の透過スペクトルを有するカラーフィルタを以下の手順により作製した。
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’ーアゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。
その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。
得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物Aとした。
<硬化性樹脂組成物Aの組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) :16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
:24重量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) :4重量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン :4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル :52重量部
(遮光性の着色樹脂層の形成)
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料 (三菱化学社製 #2600) :20重量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 111)
:16重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :64重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光性の着色層用組成物を得た。
<遮光性の着色層用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液 :50重量部
・硬化性樹脂組成物A :20重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル :30重量部
基板上に上記遮光性の着色層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光性の着色層を形成した。
上記遮光性の着色層を、超高圧水銀ランプでフォトマスク用いて遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して形成した。
(赤色着色層の形成)
下記組成の赤色硬化性樹脂組成物を用いてスピンコーティング法により厚さ2.5μmの塗布膜を形成した。上記塗布膜の厚さは、赤色着色層が図5に示す透過特性を有するように調整した。その後、上記塗布膜を70℃のオーブン中で3分間乾燥した。
次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。
次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。
その後、基板を200℃の雰囲気下に15分間放置することにより、赤色着色層パターン(以下、レリーフパターンともいう)を形成した。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド177 :3重量部
・C.I.ピグメントレッド254 :4重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・硬化性樹脂組成物A :23重量部
・酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(緑色着色層の形成)
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、厚さ2.5μmの塗布膜を形成したこと以外は、赤色着色層パターンと同様の方法により所定の領域に緑色着色層からなるパターン(レリーフパターンともいう)を形成した。上記塗布膜の厚さは、緑色着色層が図5に示す透過特性を有するように調整した。
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン58 :5重量部
・C.I.ピグメントイエロー138 :3重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・硬化性樹脂組成物A :22重量部
・酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(青色着色層の形成)
更に、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、厚さ2.5μmの塗布膜を形成したこと以外は、赤色着色層パターンと同様の方法により所定の領域に青色着色層からなるパターン(レリーフパターンともいう)を形成した。上記塗布膜の厚さは、青色着色層が図5に示す透過特性を有するように調整した。
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6 :4重量部
・C.I.ピグメントバイオレット23 :1重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・硬化性樹脂組成物A :25重量部
・酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
3.高色域液晶表示装置の作製
カラーフィルタ及び対向基板に配向膜に形成し液晶を滴下して張り合わせ表示部を得た。また、上述した白色LEDを駆動基板が設けられた筐体に複数取り付けることにより、バックライト部を得た。上記表示部の対向基板側とバックライトの発光側と対向させて配置することにより、高色域液晶表示装置を得た。
[実施例2]
(白色LEDの作製)
青色光のピーク波長が452.5nmの青色LEDチップ、緑色光のピーク波長が542nmの緑色LEDチップ、および赤色蛍光体としてCASNを含有し、赤色光のピーク波長が615nmの赤色蛍光体層を有する図7のスペクトルを有する白色LEDを以下の手順により作製した。
赤色LEDチップの代わりに緑色チップを基材上に形成したこと、および緑色蛍光体層の代わりに赤色蛍光体層を形成したこと以外は実施例1と同等に白色LEDを作製した。
(カラーフィルタの作製)
青色着色層の透過光のピーク波長が456nm、透過スペクトルの半値幅が100nm、緑色着色層の透過光のピーク波長が525nm、透過スペクトルの半値幅が94nm、赤色着色層の透過率が50%となる波長が591nm、赤色着色層の400nm〜550nmの平均透過率が4.2%となる図8の透過スペクトルを有するカラーフィルタを形成した。カラーフィルタは、赤色、緑色および青色の各色の硬化性樹脂組成物を所定の色度で塗布した以外は実施例1と同様にして作製した。
(高色域液晶表示装置の作製)
上述した白色LEDおよびカラーフィルタを用いたこと以外は、実施例1と同様にして高色域液晶表示装置を作製した。
[比較例1]
白色LEDを、青色LEDチップおよびYAG蛍光体で構成される光源に変更したこと以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
[比較例2]
白色LEDを、RGB−LED光源に変更した以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。RGB−LED光源は、青色光のピーク波長が448nm、半値幅22nmの青色LEDチップ、緑色光のピーク波長が521nm、半値幅35nmの緑色LEDチップ、赤色光のピーク波長が632nm、半値幅15nmの赤色LEDチップを有するものを用いた。また、RGB−LED光源における各色のLEDチップの組み合わせは、RGB−LED光源にかかる電流密度が300mA/mmの場合における各色のピークの組み合わせを最適化したものである。
[評価]
実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の高色域液晶表示装置(高色域LCD)の輝度を同等とした場合の、DCI規格の色域に対する色再現率、LED光源の大きさ、LED光源の発光効率、カラーフィルタ(CF)の平均透過率を調べた。結果を表1に示す。なお、表1中のLED光源の大きさ、LED光源の発光効率については比較例2における値を1とした場合の比率で表わしている。また、LED光源は、白色LEDまたはRGB−LED光源のいずれかをいうものである。また、本評価におけるCFの平均透過率は、各実施例および各比較例において共通するカラーフィルタに対して、各実施例および各比較例において異なるLED光源を使用した場合のCFの平均透過率である。
また、表1中、バックライトの駆動効率について、○は、高色域液晶表示装置の輝度を同等とした場合に、RGB−LED光源を用いた場合に比べて白色LEDを用いた場合の方が、バックライトの駆動を制御しやすいことを示したものである。
Figure 0006334133
II.Adobe1998規格の液晶表示装置
[実施例3]
(白色LEDの作製)
452.5nmの青色LEDチップ、527.5nmの緑色LEDチップ、および赤色蛍光体として258−Nitrideを含有し、赤色光のピーク波長が615nmの赤色蛍光体層を有する図9のスペクトルを有する白色LEDを以下の手順により作製した。
赤色LEDチップの代わりに緑色チップを基材上に形成したこと、および緑色蛍光体層の代わりに赤色蛍光体層を形成したこと以外は実施例1と同等に白色LEDを作製した。
(カラーフィルタの作製)
青色着色層の透過光のピーク波長が455nm、透過スペクトルの半値幅が89nm、緑色着色層の透過光のピーク波長が527nm、透過スペクトルの半値幅が88nm、赤色着色層の透過率が50%となる波長が585nm、赤色着色層の400nm〜550nmの平均透過率が3.4%となる図10の透過スペクトルを有するカラーフィルタを以下の手順により作製した。カラーフィルタは、赤色、緑色および青色の各色の硬化性樹脂組成物を所定の色度で塗布した以外は実施例1と同様にして作製した。
(高色域液晶表示装置の作製)
上述した白色LEDおよびカラーフィルタを用いたこと以外は、実施例1と同様にして高色域液晶表示装置を作製した。
[比較例3]
青色LEDチップ、および緑色LEDチップにはGaN系半導体素子、赤色LEDチップにはAlGaInP系半導体素子を用いてRGB−LED光源を作製した以外は実施例3と同様にして高色域液晶表示装置を作製した。また、RGB−LED光源における各色のLEDチップの組み合わせは、RGB−LED光源にかかる電流密度が300mA/mmの場合における各色のピークの組み合わせを最適化したものである。
[評価]
実施例3および比較例3の高色域液晶表示装置の輝度を同等とした場合の、Adobe1998規格の色域に対する色再現率、LED光源の大きさ、LED光源の発光効率、CFの平均透過率を調べた。結果を表2に示す。なお、表2中の高色域液晶表示装置の輝度、LED光源の大きさ、LED光源の発光効率については比較例3における値を1とした場合の比率で表わしている。また、CFの平均透過率、バックライトの駆動効率については、上述した表1と同様の評価をしたものである。
Figure 0006334133
10 … バックライト部
10A … 白色LED
11B … 青色LEDチップ
11G … 緑色LEDチップ
11R … 赤色LEDチップ
12G … 緑色蛍光体
12R … 赤色蛍光体
13G … 緑色蛍光体層
13R … 赤色蛍光体層
20 … 表示部
20A … カラーフィルタ
20B … 対向基板
20C … 液晶層
21 … 透明基材
22 … 着色層
22B … 青色着色層
22G … 緑色着色層
22R … 赤色着色層
100 … 高色域液晶表示装置

Claims (3)

  1. 透明基材と、前記透明基材上にパターン状に形成され、透過光のピーク波長が445nm〜465nmの範囲内である青色着色層、透過光のピーク波長が520nm〜540nmの範囲内であり、透過スペクトルの半値幅が110nm以下である緑色着色層、および、400nm〜550nmの波長域における平均透過率が5%以下である赤色着色層を備える着色層とを有するカラーフィルタを具備する高色域液晶表示装置に用いられる高色域液晶表示装置用白色発光ダイオードであって、
    青色光を発光する青色発光ダイオードチップと、赤色光を発光する赤色発光ダイオードチップと、前記青色光を励起源として緑色光を発光する緑色蛍光体を含有する緑色蛍光体層とを有し、
    前記青色光のピーク波長が445nm〜455nmの範囲内、前記緑色光のピーク波長が535nm〜545nmの範囲内、および前記赤色光のピーク波長が630nm〜640nmの範囲内であり、
    前記緑色光のスペクトルの半値幅が45nm〜65nmの範囲内であり、
    前記緑色光の600nmの光強度が、前記緑色光のピーク波長の光強度の15%以上であり、
    前記赤色着色層の透過率が50%を示す波長が590nm〜595nmの範囲内であることを特徴とする高色域液晶表示装置用白色発光ダイオード。
  2. 前記青色着色層の透過スペクトルの半値幅が110nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高色域液晶表示装置用白色発光ダイオード。
  3. 前記高色域液晶表示装置用白色発光ダイオードが、単色光源として前記高色域液晶表示装置のバックライトに用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高色域液晶表示装置用白色発光ダイオード。
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