JP6330572B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータに電力を供給する電力変換装置に関するものである。
空気調和装置では、圧縮機のモータに電力を供給するために電力変換装置が用いられることが多い。このような電力変換装置としては、交流を直流に変換するコンバータ回路と、コンバータ回路の出力を平滑化する電解コンデンサと、直流を交流に変換するインバータ回路とを有したものが知られている。
また、コンバータ回路とインバータ回路を有した電力変換装置には、コンバータ回路とインバータ回路の間に比較的小容量のコンデンサを設けてインバータ回路への入力電圧を脈動させつつ、入力電圧の脈動に同期させて負荷(例えばIPMモータ)の電流を脈動させることで、入力電流の導通幅を広げて力率改善を実現しているものがある(例えば特許文献1を参照)。
特開2002−51589号公報
ところで、特許文献1の電力変換装置によってモータに電力を供給すると、インバータ回路への入力電圧の脈動がモータのトルクの脈動を引き起こすこととなる。そして、このようにトルクの脈動を生ずるモータで、より大きなトルクを得るには、インバータ回路への入力電圧(直流電圧)が高い期間(ここでは平均電圧より高い期間とする。)に、なるべく大きな電流が流れるようにすることが考えられる。
しかしながら、このような電流の増大は、モータにおける銅損の増大に繋がることになる。
また、コンバータ回路の出力を平滑化する電解コンデンサが設けられた電力変換装置であっても、平滑化後の直流電圧には若干の電圧変化が存在する。そのため、モータを一定トルクで運転すると、電圧が低い期間に電流が増大することになり、コンバータ回路の出力を平滑化する電解コンデンサが設けられた電力変換装置であっても、やはり、銅損の改善の余地がある。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、モータに電力を供給する電力変換装置において、モータの銅損を低減できるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
交流を整流して直流を出力する直流電源部(11,12)と、
複数のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のスイッチング動作によって、上記直流電源部(11,12)からの直流を交流に変換してモータ(20)に供給するインバータ回路(13)と、
上記モータ(20)をd-q軸ベクトル制御する場合におけるd軸電流(id)のベクトルとq軸電流(iq)のベクトルの合成ベクトルであるモータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が、上記スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)における電流の制約値よりも小さく設定された定数値である振幅目標値(Im*)に近づくように、上記モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)の進み遅れを制御しつつ上記スイッチング動作の制御を行う制御部(14)と、
を備えたことを特徴とする。
この構成では、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が、振幅目標値(Im*)に近づくように、モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)が制御されて、インバータ回路(13)における相電流(iu,iv,iw)の振幅が一定になる。その結果、モータ(20)が出力すべきトルクが平均化される。
また、第2の発明は、
第1の発明において、
上記制御部(14)は、
前記モータ(20)の速度(ω)とその目標値(ω*)との偏差に基づいて、上記モータ電流ベクトル(Ia)の大きさを指示するモータ電流指令値(Ia*)を求める速度制御部(14a)と、
上記モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が上記振幅目標値(Im*)よりも大きい場合には、上記位相(β)がより小さくなるように、上記位相(β)の指令値である電流位相指令(β*)を生成し、上記モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が上記振幅目標値(Im*)以下の場合には上記位相(β)がより大きくなるように、上記電流位相指令(β*)を生成する電流位相指令生成部(14b)と、
上記電流位相指令(β*)の正弦と上記モータ電流指令値(Ia*)との積から上記d軸電流(id)の指令値(id*)を生成し、該電流位相指令(β*)の余弦と上記モータ電流指令値(Ia*)との積からq軸電流(iq)の指令値(iq*)を生成する電流指令生成部(14c)と、
を備えたことを特徴とする。
この構成では、より効率よくトルクを発生する方向に位相(β)がシフトさせられる。
また、第3の発明は、
第2の発明において、
上記電流位相指令生成部(14b)は、上記直流電源部(11,12)の電圧(vdc)が、上記q軸電流(iq)がゼロの場合における上記モータ(20)の誘起電圧よりも低い場合には、上記モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)に関わらず、上記q軸電流(iq)がゼロとなるように、上記電流位相指令(β*)を生成することを特徴とする。
この構成では、直流電源部(11,12)の出力が脈動して、電圧が比較的低くなった際にも、モータ(20)においてトルクを発生できる。
第1の発明や第2の発明によれば、モータ(20)が出力すべきトルクが平均化されるので、電流のピーク値を低減することができ、その結果、モータの銅損を低減することが可能になる。
また、第3の発明によれば、モータ(20)のトルクをより確実に平均化できる。
図1は、実施形態1の電力変換装置の構成を示すブロック図である。 図2は、交流電源からの電流、電圧、及びコンデンサ電圧の波形を例示する。 図3は、制御部の構成例を示すブロック図である。 図4は、電流位相指令生成部の動作を説明するフローチャートである。 図5は、実施形態1における相電流、d軸電流指令値、及びq軸電流指令値の波形を例示する。 図6は、モータ電流ベクトルの位相を例示する。 図7は、従来例のインバータ回路における相電流、d軸電流指令値、及びq軸電流指令値の一例を示す。 図8は、電流位相指令生成部の動作を説明するフローチャートである。 図9は、従来の電力変換装置における、コンデンサ電圧、d軸電流指令値、及びq軸電流指令値の波形を例示する。 図10は、実施形態2における、コンデンサ電圧、d軸電流指令値、及びq軸電流指令値の波形を例示する。 図11は、実施形態2におけるU相電流と従来例のU相電流とを比較する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る電力変換装置(10)の構成を示すブロック図である。この電力変換装置(10)は、例えば、空気調和装置の圧縮機(図示は省略)を駆動するモータ等に電力を供給するために用いる。
電力変換装置(10)は、図1に示すように、コンバータ回路(11)、コンデンサ(12)、インバータ回路(13)、及び制御部(14)を備え、単相の交流電源(30)から供給された交流電力を所定の周波数、電圧の交流電力に変換して、モータ(20)に供給する。モータ(20)には、例えば、いわゆるIPM(Interior Permanent Magnet)モータを採用する。
〈コンバータ回路〉
コンバータ回路(11)は、リアクトル(L1)を介して交流電源(30)に接続され、交流電源(30)からの交流を直流に整流する。この例では、コンバータ回路(11)は、4つのダイオード(D1〜D4)がブリッジ状に結線されたダイオードブリッジ回路である。これらのダイオード(D1〜D4)によって、交流電源(30)の交流電圧を全波整流して、直流電圧に変換する。
〈コンデンサ〉
コンデンサ(12)は、コンバータ回路(11)の正及び負の出力ノードの間に接続され、このコンデンサ(12)の両端に生じた直流電圧(以下、コンデンサ電圧(vdc))がインバータ回路(13)の入力ノードに印加されている。この例では、コンデンサ(12)は、コンバータ回路(11)の正極側の出力ノードには、リアクトル(L2)を介して接続されている。このコンデンサ(12)とコンバータ回路(11)とで、本発明の直流電源部の一例を構成している。
このコンデンサ(12)は、インバータ回路(13)のスイッチング素子(後述)がスイッチング動作する際に生じるリプル電圧(電圧変動)のみを平滑化可能な静電容量を有している。すなわち、コンデンサ(12)は、コンバータ回路(11)によって整流された電圧(電源電圧に応じて変動する電圧)を平滑化するような静電容量を有さない小容量のコンデンサである。
したがって、コンデンサ電圧(vdc)は、電源電圧の2倍の周波数で脈動している。具体的に、コンデンサ電圧(vdc)は、その最大値(Vmax)がその最小値(Vmin)の2倍以上となるような大きな脈動を有している。図2は、交流電源(30)からの電流(電源電流(is))、交流電源(30)の電圧(vs)、及びコンデンサ電圧(vdc)の波形を例示する。なお、本実施形態では、コンデンサ(12)は、フィルムコンデンサを採用している。勿論、コンデンサの種類は、これに限定されない。
〈インバータ回路〉
インバータ回路(13)は、入力ノードがコンデンサ(12)に接続され、脈動する直流電圧(コンデンサ電圧(vdc))が供給されている。インバータ回路(13)は、供給された直流をスイッチングして三相交流(U,V,W)に変換し、モータ(20)に供給する。
本実施形態のインバータ回路(13)は、複数のスイッチング素子がブリッジ結線されて構成されている。このインバータ回路(13)は、三相交流をモータ(20)に出力するために、6個のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)を備えている。詳しくは、インバータ回路(13)は、2つのスイッチング素子を互いに直列接続した3つのスイッチングレグを備え、各スイッチングレグにおける上アームのスイッチング素子(Su,Sv,Sw)と下アームのスイッチング素子(Sx,Sy,Sz)との中点が、それぞれモータ(20)の各相のコイル(後述)に接続されている。また、各スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)には、還流ダイオード(Du,Dv,Dw,Dx,Dy,Dz)が逆並列接続されている。
インバータ回路(13)は、これらのスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のスイッチング動作によって、供給された直流をスイッチングして三相交流電圧に変換し、モータ(20)へ供給する。このスイッチング動作の制御は制御部(14)が行う。
〈制御部〉
制御部(14)は、マイクロコンピュータ(図示は省略)とそれを動作させるプログラムを格納したメモリデバイス(マイクロコンピュータに内蔵してもよい)を含み、インバータ回路(13)の出力を制御して、モータ(20)の駆動を制御する。具体的に、制御部(14)は、モータ(20)の駆動の制御に、d−q軸ベクトル制御を用いる。また、制御部(14)は、後に詳述するように、スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)に流れる電流がその許容値以下(例えばインバータ回路(13)の定格電流値の√2倍以下)で、且つインバータ回路(13)における相電流(iu,iv,iw)の振幅が一定となるように、モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)の大きさ(進み及び遅れ)を制御する。なお、モータ電流ベクトル(Ia)とは、モータ(20)をd−q軸ベクトル制御する場合におけるd軸電流(id)のベクトルとq軸電流(iq)のベクトルの合成ベクトルである。
図3は、制御部(14)の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、制御部(14)は、速度制御部(14a)、電流位相指令生成部(14b)、電流指令生成部(14c)、電圧指令生成部(14d)、出力電圧演算部(14e)、及びPWM演算部(14f)を備えている。
−速度制御部(14a)−
速度制御部(14a)は、モータ(20)の速度を制御する操作量を求める。具体的にこの実施形態では、速度制御部(14a)には、モータ(20)の機械角速度(ω)と、機械角速度(ω)の目標値(速度指令値(ω*))との偏差が入力され、速度制御部(14a)は、この偏差に対して、比例・積分演算(以下、PI演算)を行うことによって、上記操作量として、モータ電流ベクトル(Ia)の大きさを指示するモータ電流指令値(Ia*)を出力している。
−電流位相指令生成部(14b)−
電流位相指令生成部(14b)は、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)がスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)における電流の制約値より小さく、且つインバータ回路(13)における相電流(iu,iv,iw)の振幅が一定となるように、モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)の指令値である電流位相指令(β*)を生成する。
このとき、電流位相指令生成部(14b)は、コンデンサ電圧(vdc)が低下したときにも、モータ(20)において所定のトルクを発生できるように、インバータ回路(13)の出力電圧がモータ(20)の誘起電圧(後述の式(1)における右辺の値)を下回らないように電流位相指令(β*)を求める。具体的には、電流位相指令生成部(14b)は、コンデンサ(12)の電圧(vdc)が、q軸電流(iq)がゼロの場合におけるモータ(20)の誘起電圧よりも低いという条件(以下、条件1とする)が成立する場合には、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)に関わらず、q軸電流(iq)がゼロとなるように、電流位相指令(β*)を生成する。より具体的には、β*=90°とする。なお、条件1は、次の式(1)のように表せる。
Figure 0006330572
式(1)において、Vdcは、コンデンサ(12)の電圧である。また、ωeはモータ(20)の電気角速度、Ldはモータ(20)のd軸インダクタンス、idはモータ(20)のd軸電流、φは、モータ(20)の永久磁石(図示は省略)による鎖交磁束である。
そして、電流位相指令生成部(14b)は、上記条件1が不成立の場合(すなわち、コンデンサ電圧(vdc)が十分に高い場合)には、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)と、所定の振幅目標値(Im*)との大小関係に応じて電流位相指令(β*)を定める。具体的に、電流位相指令生成部(14b)は、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が、振幅目標値(Im*)よりも大きいという条件(以下、条件2とする)が成立する場合には、モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)がより小さくなるように、電流位相指令(β*)を生成し、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が振幅目標値(Im*)以下の場合には位相(β)がより大きくなるように、電流位相指令(β*)を生成する。ここで、振幅目標値(Im*)は、スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)における電流の制約値よりも小さく設定された定数値である。振幅目標値(Im*)は、一例として、インバータ回路(13)の定格電流値の√2倍以下の値に設定することが考えられる。
電流位相指令生成部(14b)の動作により、効率よくトルクを発生する方向に位相(β)がシフトさせられる。この例では、βの具体的な変更量を定めるためにPI演算を利用する。具体的には、電流位相指令生成部(14b)は、振幅(Im)と振幅目標値(Im*)との偏差を求め、その偏差に対してPI演算を行って、電流位相指令(β*)を生成し、電流指令生成部(14c)に出力する。
−電流指令生成部(14c)−
電流指令生成部(14c)は、電流位相指令(β*)の正弦に−1を乗じた値(−sinβ*)と、モータ電流指令値(Ia*)との積からd軸電流(id)の指令値(d軸電流指令値(id*))を生成する。また、電流指令生成部(14c)は、電流位相指令(β*)の余弦(cosβ*)とモータ電流指令値(Ia*)との積からq軸電流(iq)の指令値(q軸電流指令値(iq*))を生成する。したがって、電流位相指令(β*)が90°の場合には、q軸電流(iq)はゼロとなる。
−電圧指令生成部(14d)−
電圧指令生成部(14d)は、q軸電流(iq)とq軸電流指令値(iq*)との偏差に対してPI演算を行って、モータ(20)のq軸電圧(vq)の指令値(q軸電圧指令値(vq*))を生成する。また、電圧指令生成部(14d)は、d軸電流(id)とd軸電流指令値(id*)との偏差に対してPI演算を行って、モータ(20)のd軸電圧(vd)の指令値(d軸電圧指令値(vd*))を生成する。
−出力電圧演算部(14e)、PWM演算部(14f)−
出力電圧演算部(14e)は、電圧指令生成部(14d)が出力した、q軸電圧指令値(vq*)とd軸電圧指令値(vd*)に対して座標変換を行って、インバータ回路(13)が出力すべき3相分の相電圧(Vu,Vv,Vw)の指令値(相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*))を求める。
PWM演算部(14f)は、相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)に基づいて、インバータ回路(13)の各スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)をオン(或いはオフ)にする時間を決定し、その時間に対応した制御信号(G)をそれぞれのスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)の駆動回路(図示は省略)に出力する。
〈電力変換装置の動作〉
例えば、モータ(20)が空気調和装置の圧縮機用のモータであるとすると、モータ(20)の機械角速度(ω)は、冷房や暖房の負荷に応じて所望の値、すなわち速度指令値(ω*)が定まる。
速度指令値(ω*)が定まると、機械角速度(ω)と速度指令値(ω*)との偏差が求められ、速度制御部(14a)は、この偏差に対して、PI演算を行ってモータ電流指令値(Ia*)を出力する。
一方、電流位相指令生成部(14b)は、電流位相指令(β*)を求める。図4は、電流位相指令生成部(14b)の動作を説明するフローチャートである。この例では、ステップ(S01)において、電流位相指令生成部(14b)は、上記条件1の成立、不成立を判定する。条件1が成立していた場合には、ステップ(S02)の処理に移行し、不成立の場合にはステップ(S03)の処理に移行する。例えば、ステップ(S02)に移行した場合は、電流位相指令生成部(14b)は、位相(β)の目標値として、電流位相指令(β*)=90°を電流指令生成部(14c)に出力する。
また、ステップ(S03)に移行した場合には、電流位相指令生成部(14b)は、条件2の成立、不成立を判定する。条件2が成立した場合には、ステップ(S04)に進んで、βが小さくなるように(βを遅らせるように)電流位相指令(β*)を生成する。条件2が不成立の場合には、ステップ(S05)に進んで、βが大きくなるように(βを進めるように)電流位相指令(β*)を生成する。ステップ(S03)〜ステップ(S05)は、既述の通り、一例としてPI演算で実現できる。このように電流位相指令(β*)を定めると、コンデンサ電圧(vdc)の変化に応じて位相(β)が調整され、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が、一定値である振幅目標値(Im*)に近づくように制御されることになる。
上記のようにして、モータ電流指令値(Ia*)と電流位相指令(β*)が求められると、電流指令生成部(14c)がd軸電流指令値(id*)とq軸電流指令値(iq*)を生成する。例えば、条件1が成立していた場合には、β*=90°となり、q軸電流(iq)がゼロに制御される(いわゆる弱め磁束制御が行われる)。一方、条件1が不成立であった場合には、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が振幅目標値(Im*)に近づくように、d軸電流指令値(id*)及びq軸電流指令値(iq*)が定められる。
その後、電圧指令生成部(14d)によるd軸電圧指令値(vd*)及びq軸電圧指令値(vq*)の生成、出力電圧演算部(14e)による相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)の生成、PWM演算部(14f)による制御信号(G)の生成が行われる。それにより、インバータ回路(13)では、スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のオンオフ動作が行われ、所望の電力がモータ(20)に供給される。
〈本実施形態における効果〉
図5は、実施形態1における相電流、d軸電流指令値(id*)、及びq軸電流指令値(iq*)の波形を例示する。図5では、(A)が相電流(iu,iv,iw)であり、(B)がd軸電流指令値(id*)、及びq軸電流指令値(iq*)である。図6は、モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)を例示する。また、図7は、従来例のインバータ回路における相電流、d軸電流指令値、及びq軸電流指令値の一例を示す。図7では、(A)が相電流であり、(B)がd軸電流指令値、及びq軸電流指令値である。ここでは従来例として、コンバータ回路とインバータ回路の間に比較的小容量のコンデンサを設けた電力変換装置において、所定の平均トルクを得るために、インバータ回路への入力電圧(直流電圧)が高い期間に電流がなるべく大きく流れるように制御する電力変換装置を想定している。
従来例では、コンデンサ電圧が比較的高い期間にモータにトルクを発生させるので、交流のゼロクロスである時刻t=T1やt=T2の近傍のようにコンデンサ電圧(vdc)が比較的低い期間には相電流の振幅が低下し、コンデンサ電圧(vdc)が比較的高い期間には、相電流の振幅を増加させるように、d軸電流指令値及びq軸電流指令値が生成されている。
一方、本実施形態の電力変換装置(10)では、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が振幅目標値(Im*)に近づくように、モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)の進み遅れを制御することによって、d軸電流指令値(id*)及びq軸電流指令値(iq*)を生成する。その結果、本実施形態では、図5に示すように各相の電流(iu,iv,iw)の振幅が概ね一定となる。すなわち、本実施形態では、モータ(20)が出力すべきトルクを分散化(平均化)し、相電流の振幅の最大値を抑えているのである。なお、一般的な電力変換装置では、モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)は定数である。
そして、単位時間(例えば交流電源(30)の周期)あたりの平均トルクを同じにして本実施形態の相電流と従来例の相電流の振幅を比較すると、相電流の最大振幅は、従来例の方が本実施形態よりも大きくなる。つまり、単位時間あたりの平均トルクが同じであれば、本実施形態の電力変換装置(10)によってモータ(20)を駆動する方が、従来例の電力変換装置によってモータ(20)を駆動するよりも、モータ(20)における銅損が低減する。
また、相電流の最大振幅が、従来例の方が本実施形態よりも大きいということは、従来例の方が、本実施形態よりも大容量のスイッチング素子がインバータ回路に必要になるということである。換言すれば、本実施形態では、スイッチング素子等の大容量化を避けつつ、モータのトルクを確保できるのである。
しかも、本実施形態では、振幅目標値(Im*)がスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)における電流の制約値よりも小さく設定されているので、各スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)に過大な電流が流れることがない。
《発明の実施形態2》
実施形態2では、コンデンサ(12)として、コンバータ回路(11)の出力を平滑化する電解コンデンサを用いた電力変換装置(10)の例を説明する。本実施形態の電力変換装置(10)もコンバータ回路(11)、コンデンサ(12)、インバータ回路(13)、及び制御部(14)を備えている。本実施形態のコンバータ回路(11)、及びインバータ回路(13)の構成は実施形態1と同じである。また、コンデンサ(12)は、コンバータ回路(11)の出力(直流)を平滑化できるように大きな容量(例えば3000μF)のコンデンサを用いている。なお、本実施形態では、コンデンサ(12)には、電解コンデンサを採用している。勿論、コンデンサの種類は、これに限定されない。
制御部(14)も実施形態1と同じものを用いることは可能であるが本実施形態では、制御部(14)には変更を加えてある。
上記のように、十分に大きな容量のコンデンサをコンデンサ(12)として用いると、条件1(実施形態1を参照)は常に成立すると考えられるので、制御部(14)では、条件1の成否を判断するステップ(S01)及びステップ(S02)の処理機能を省略することが可能である。そのため、本実施形態では、制御部(14)は、実施形態1で説明したステップ(S03)〜ステップ(S05)の処理機能は有しているが、ステップ(S01)及びステップ(S02)の処理機能は有していない。
なお、振幅目標値(Im*)は実施形態1と同様にインバータ回路(13)の定格電流値の√2倍としている。
〈電力変換装置の動作〉
本実施形態でも速度制御部(14a)は、実施形態1と同様にモータ電流指令値(Ia*)を出力する。一方、電流位相指令生成部(14b)は、電流位相指令(β*)を求める。図8は、電流位相指令生成部(14b)の動作を説明するフローチャートである。
まず、ステップ(S03)では、電流位相指令生成部(14b)は、条件2(実施形態1を参照)の成立、不成立を判定する。条件2が成立した場合には、ステップ(S04)に進んで、βが小さくなるように電流位相指令(β*)を生成する。条件2が不成立の場合には、ステップ(S05)に進んで、βが大きくなるように電流位相指令(β*)を生成する。ステップ(S03)〜ステップ(S05)は、一例としてPI演算で実現できる。このように電流位相指令(β*)を定めると、コンデンサ電圧(vdc)の変化に応じて位相(β)が調整され、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が、一定値である振幅目標値(Im*)に近づくように制御されることになる。
上記のようにして、モータ電流指令値(Ia*)と電流位相指令(β*)が求められると、電流指令生成部(14c)がd軸電流指令値(id*)とq軸電流指令値(iq*)を生成する。その後、電圧指令生成部(14d)によるd軸電圧指令値(vd*)及びq軸電圧指令値(vq*)の生成、出力電圧演算部(14e)による相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)の生成、PWM演算部(14f)による制御信号(G)の生成が行われる。それにより、インバータ回路(13)では、スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のオンオフ動作が行われ、所望の電力がモータ(20)に供給される。
〈本実施形態における効果〉
図9は、従来の電力変換装置における、コンデンサ電圧、d軸電流指令値、及びq軸電流指令値の波形を例示する。詳しくは、図9では(A)はコンデンサ電圧を示し、(B)はd軸電流指令値、及びq軸電流指令値の波形を示し、(C)は相電流を示している。ここでは従来例として、コンバータ回路とインバータ回路との間に、コンバータ回路の出力の平滑化用に電解コンデンサを設けた電力変換装置を想定している。このように、コンバータ回路の出力に電解コンデンサを設けた場合であっても、図9の(A)に示すように、インバータ回路に入力される直流の電圧(コンデンサ電圧)は、脈動とまでは言えないが若干の電圧変化がある。
また、図9に示した従来の電力変換装置では、インバータ回路に入力される直流電圧の変化がスイッチングの制御において考慮されることはなく、例えばモータを一定トルクで運転させる場合には、図9の(B)に示すように、d軸電流及びq軸電流が一定値である。そのため、コンデンサ電圧が低い期間は、コンデンサ電圧が高い期間に比べて相電流は大きくなる。なお、この従来例では、位相(β)は40°(一定値)である。
図10は、実施形態2におけるコンデンサ電圧(vdc)、d軸電流指令値(id*)、及びq軸電流指令値(iq*)の波形を例示する。図10では(A)はコンデンサの電圧(vdc)を示し、(B)はd軸電流指令値(id*)、及びq軸電流指令値(iq*)の波形を示し、(C)は相電流(iu,iv,iw)を示している。
この実施形態では、コンデンサ電圧(vdc)の変化は、図9に示した従来の電力変換装置のコンデンサ電圧と同様である。一方、d軸電流指令値(id*)及びq軸電流指令値(iq*)は、従来例とは異なり、コンデンサ電圧(vdc)の変動に応じて変化している。この例では、モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が振幅目標値(Im*)に近づくようにモータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)値が制御される過程において、d軸電流指令値(id*)及びq軸電流指令値(iq*)は、コンデンサ電圧(vdc)が低下すると減少し、コンデンサ電圧(vdc)が増大すると増大している。
そして、図11は、実施形態2におけるU相の電流と従来例のU相の電流とを比較する図である。図11では、単位時間あたりの平均トルクを同じにして本実施形態と従来例の相電流の振幅を比較している。図11に示すように、本実施形態では、相電流(iu)のピーク値が従来例よりも低減している。したがって、単位時間あたりの平均トルクが同じであれば、本実施形態の電力変換装置(10)によってモータ(20)を駆動する方が、従来例の電力変換装置によってモータ(20)を駆動するよりも、モータ(20)における銅損が低減する。
《その他の実施形態》
なお、交流電源(30)には、三相交流電源を採用してもよい。
本発明は、モータに電力を供給する電力変換装置として有用である。
10 電力変換装置
11 コンバータ回路(直流電源部)
12 コンデンサ(直流電源部)
13 インバータ回路
14 制御部
14a 速度制御部
14b 電流位相指令生成部
14c 電流指令生成部
20 モータ

Claims (3)

  1. 交流を整流して直流を出力する直流電源部(11,12)と、
    複数のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のスイッチング動作によって、上記直流電源部(11,12)からの直流を交流に変換してモータ(20)に供給するインバータ回路(13)と、
    上記モータ(20)をd-q軸ベクトル制御する場合におけるd軸電流(id)のベクトルとq軸電流(iq)のベクトルの合成ベクトルであるモータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が、上記スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)における電流の制約値よりも小さく設定された定数値である振幅目標値(Im*)に近づくように、上記モータ電流ベクトル(Ia)の位相(β)の進み遅れを制御しつつ上記スイッチング動作の制御を行う制御部(14)と、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、
    上記制御部(14)は、
    前記モータ(20)の速度(ω)とその目標値(ω*)との偏差に基づいて、上記モータ電流ベクトル(Ia)の大きさを指示するモータ電流指令値(Ia*)を求める速度制御部(14a)と、
    上記モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が上記振幅目標値(Im*)よりも大きい場合には、上記位相(β)がより小さくなるように、上記位相(β)の指令値である電流位相指令(β*)を生成し、上記モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)が上記振幅目標値(Im*)以下の場合には上記位相(β)がより大きくなるように、上記電流位相指令(β*)を生成する電流位相指令生成部(14b)と、
    上記電流位相指令(β*)の正弦と上記モータ電流指令値(Ia*)との積から上記d軸電流(id)の指令値(id*)を生成し、該電流位相指令(β*)の余弦と上記モータ電流指令値(Ia*)との積からq軸電流(iq)の指令値(iq*)を生成する電流指令生成部(14c)と、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項2において、
    上記電流位相指令生成部(14b)は、上記直流電源部(11,12)の電圧(vdc)が、上記q軸電流(iq)がゼロの場合における上記モータ(20)の誘起電圧よりも低い場合には、上記モータ電流ベクトル(Ia)の振幅(Im)に関わらず、上記q軸電流(iq)がゼロとなるように、上記電流位相指令(β*)を生成することを特徴とする電力変換装置。
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