JP6328039B2 - 縦置きの歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、縦置きの歯車装置に関する。
特許文献1に、縦置きの歯車装置を含む駆動ユニットがショベルカーに組み込まれた構成例が開示されている。
この駆動ユニットの歯車装置は、入力軸が出力軸よりも鉛直方向上側に配置されている。歯車装置は、入力軸と、該入力軸にスプラインを介して組み込まれた太陽歯車と、軸受を介して入力軸を支持する支持部材と、軸受と太陽歯車との間において入力軸に外嵌されたカラーと、を有している。
上記歯車装置において、例えば、2段目の遊星歯車装置の太陽歯車は、入力軸(1段目の遊星歯車装置の出力軸)の先端にスプラインを介して(つまり軸方向に移動可能な連結態様で)組み込まれ、軸方向上側への移動は、入力軸に圧入されたカラーによって規制する構造とされていた。
特開2014−114952号公報(図1、図2、図4)
上記のような構成で組み込まれた歯車装置の太陽歯車は、縦置きであり、かつカラーで軸方向上側への移動が規制されているため、通常の使用態様では、上側に強く浮き上がってくるようなことはない。
しかし、何らかの原因で、太陽歯車がカラーごと軸方向上側に強く浮き上がってくることがあり、この場合に、軸受を損傷させてしまう虞があった。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであって、たとえ何らかの原因で入力軸に組み込まれた歯車が強く上昇してくるような状況が生じたとしても、軸受の損傷を防止することのできる縦置きの歯車装置を提供することをその課題としている。
本発明は、入力軸と、出力軸と、前記入力軸に軸方向に移動可能な連結態様で組み込まれた歯車と、軸受を介して前記入力軸を支持する支持部材と、前記軸受と前記歯車との間において前記入力軸に外嵌されたカラーと、を備え、前記入力軸が、前記出力軸よりも鉛直方向上側に配置される縦置きの歯車装置であって、前記歯車の軸方向移動を規制する移動規制部材を有し、該移動規制部材は、前記支持部材と一体化されると共に、前記歯車と前記カラーとの間に配置され、前記歯車と軸方向に対向する構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明においては、歯車の軸方向移動を規制する移動規制部材を備えている。この移動規制部材は、入力軸を軸受を介して支持している支持部材と一体化され、入力軸に組み込まれる歯車とカラーとの間に配置され、かつ歯車と軸方向に対向している。したがって、何らかの原因で歯車が軸方向カラー側に強く上昇してくるような状況が発生したとしても、支持部材に固定された状態で対向して配置されている移動規制部材によってこの上昇が規制される。
このため、歯車の上昇がカラーに伝達されるのが阻止され、軸受が損傷するのを防止することができる。
本発明によれば、何らかの原因で入力軸に組み込まれた歯車が強く上昇してくるような状況が生じたとしても、軸受の損傷を防止することができる。
本発明の実施形態の一例に係る縦置きの歯車装置が適用されている駆動ユニットの一部破断の正面図 図1の破断部分の拡大断面図 図2の要部拡大断面図 図1の移動規制部材の正面図 上記縦置きの歯車装置を含む駆動ユニットが組み込まれたショベルカーの斜視図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
まず、図5を参照して、本発明の実施形態の一例に係る縦置きの歯車装置を含む駆動ユニット10が組み込まれたショベルカー100の全体概略構成から説明する。
このショベルカー100は、下部走行体(クローラ)102と、下部走行体102の上部に旋回可能に載置された上部旋回体106とを備える。下部走行体102には、旋回内歯歯車114が固定されている。上部旋回体106には、駆動ユニット10が取り付けられている。下部走行体102に固定された旋回内歯歯車114と上部旋回体106に取り付けられた駆動ユニット10の最終出力軸118が噛合している。これにより、該噛合の反作用で上部旋回体106が旋回内歯歯車114の軸心周りで旋回可能である。上部旋回体106は、運転席104を有し、旋回しながらブーム108、アーム110、及びアタッチメント112を操作可能である。
ショベルカー100の旋回内歯歯車114は、上部旋回体106を水平面内で旋回させるという構造上、軸心が鉛直方向に向けられている。一方、下部走行体102側の旋回内歯歯車114と噛合する最終出力軸118を、最下部に有する上部旋回体106側の駆動ユニット10には、入力軸が、出力軸よりも鉛直方向上側に配置される縦置きの歯車装置(後述する1段目〜3段目遊星歯車装置14〜16)が組み込まれている。
なお、ここで、「入力軸が、出力軸よりも鉛直方向上側に配置される」とは、「入力軸が、鉛直方向において出力軸よりも上側に位置している」ことを意味している。入力軸および出力軸の軸方向が鉛直方向と一致している必要はない。つまり、入力軸および出力軸の軸方向が鉛直方向に対して傾いていてもよい。
図1、図2を参照して、駆動ユニット10の全体概略構成を説明する。
駆動ユニット10は、鉛直方向O1の上側から、モータ(駆動源)12、1段目〜3段目の縦置きの遊星歯車装置14〜16を備える。1段目〜3段目の遊星歯車装置14〜16は、全て単純遊星歯車機構の動力伝達構造を有しており、動力を伝達する構成については、基本的に同一である。
ここでは、1段目遊星歯車装置14から2段目遊星歯車装置15に差し掛かる部分までの概略構成を主に説明する。
1段目遊星歯車装置14は、入力軸20と、該入力軸20の先端に組み込まれた太陽歯車22と、太陽歯車22が外接噛合する遊星歯車24と、遊星歯車24が内接噛合する内歯歯車26と、遊星歯車24を太陽歯車22の周りで公転可能に支持するキャリヤ30と、キャリヤ30と一体化された出力軸40と、を備える。
1段目遊星歯車装置14の入力軸20は、前段のモータ12のモータ軸12Aと一体化されている。入力軸20の先端(負荷側)には外スプライン20Bが形成されている。該外スプライン20Bには、内周に内スプライン22Bが形成された太陽歯車22が組み込まれている。
1段目遊星歯車装置14の太陽歯車22は、ヘリカルギヤで構成されている。なお、後述する2段目遊星歯車装置15の太陽歯車82には、スパーギヤが採用されている。太陽歯車22は、歯部22Cと、歯部22Cに連続して負荷側に突出された軸部22Dと、を有している。太陽歯車22は、遊星歯車24と噛合している。
1段目遊星歯車装置14の遊星歯車24は、キャリヤ30に支持され、太陽歯車22の周りを公転可能である。遊星歯車24は、内歯歯車26に内接噛合している。内歯歯車26は、ケーシング60と一体化されている。
なお、ケーシング60は、複数のケーシング体(第1ケーシング体61、第2ケーシング体62、…)を連結した構成とされている。図2においては、複数のケーシング体のうち、モータ12と1段目遊星歯車装置14との間に配置された第1ケーシング体61、1段目遊星歯車装置14の歯車機構を収容する第2ケーシング体62、1段目遊星歯車装置14と2段目遊星歯車装置15との間に配置された第3ケーシング体63が、表れている。
1段目遊星歯車装置14のキャリヤ30は、第1側部31、第2側部32、第1、第2側部31、32を連結する連結部33および遊星歯車24を支持する連結ピン34を備える。なお、出力軸40は、ボルト37を介してキャリヤ30の第2側部32と一体化されている。このため、見方を変えるならば、出力軸40もキャリヤ30の一部を構成していると捉えることもできる。キャリヤ30は、遊星歯車24を太陽歯車22の周りで公転可能に支持している。
より具体的には、キャリヤ30の第1側部31は、太陽歯車22および遊星歯車24の軸方向反負荷側の側部に配置され、第2側部32は、太陽歯車22および遊星歯車24の軸方向負荷側の側部に配置されている。連結部33は、第1側部31および第2側部32を(単一の部材として)一体的に連結している。連結ピン34は、第1側部31および第2側部32とは別の部材で構成されている。連結ピン34は、第1側部31の第1ピン孔31A、および第2側部32の第2ピン孔32Aに圧入されることによって、第1側部31および第2側部32を周方向の複数箇所で連結している。連結ピン34は、遊星歯車24の支持軸を構成し、ニードル軸受25を介して遊星歯車24を太陽歯車22の周りで公転可能に支持している。
キャリヤ30の支持構造について説明すると、キャリヤ30は、第1主軸受51および第2主軸受53によって支持されている。第1主軸受51の外輪51Bは、キャリヤ30の第1側部31の径方向中央に形成された第1中央貫通孔31Bの内周に配置されている。一方、第1ケーシング体61の一部が、入力軸20の外周の近傍にまで径方向内側に延在され、延在された部分の内側端部61Aから入力軸20と平行に円筒状の軸受載置部61Bが形成されている。そして、該第1ケーシング体61の軸受載置部61Bに第1主軸受51の内輪51Aが配置されている。つまり、第1主軸受51に対し、第1ケーシング体61が径方向内側に位置し、キャリヤ30が径方向外側に位置している。
一方、第2主軸受53の外輪53Bは、第3ケーシング体63の内周に形成された軸受載置部63Bの径方向内側に配置されている。第2主軸受53の内輪53Aは、キャリヤ30とボルト37を介して一体化されることにより、該キャリヤ30の一部を構成していると捉えることができる出力軸40の径方向外側に配置されている。
要するならば、本実施形態では、第1主軸受51は、径方向内側にケーシング(第1ケーシング体61)、外側にキャリヤ(第1側部31)が配置されており、第2主軸受53は、径方向内側にキャリヤ(出力軸40)、外側にケーシング(第3ケーシング体63)が配置されていることになる。キャリヤ30は、第1主軸受51および第2主軸受53によって、このような支持態様で、第1ケーシング体61および第3ケーシング体63に対して相対回転可能に支持されている。
なお、符号52は、太陽歯車22を支持する太陽歯車用軸受である。太陽歯車用軸受52の外輪52Bは、キャリヤ30の第2側部32の径方向中央に形成された第2中央貫通孔32Bの内周に配置されている。太陽歯車用軸受52の内輪52Aは、太陽歯車22の軸部22Dの外周に配置されている。
既に説明したように、1段目遊星歯車装置14のキャリヤ30は、ボルト37を介して(1段目遊星歯車装置14の)出力軸40と一体化されている。この出力軸40は、2段目遊星歯車装置15の入力軸を兼ねている。よって、以降、1段目遊星歯車装置14の出力軸40は、2段目遊星歯車装置15の説明をするときは、入力軸40と呼称する(1段目遊星歯車装置14の出力軸40=2段目遊星歯車装置15の入力軸40)。
本実施形態では、2段目遊星歯車装置15において、入力軸40の先端に組み込まれた太陽歯車82の軸方向移動を規制する構造に、本発明を適用している。
図3を合わせて参照して概略から説明すると、2段目遊星歯車装置15は、入力軸40と、出力軸(図示略)と、入力軸40の先端に軸方向に移動可能な連結態様で組み込まれた太陽歯車82と、第2主軸受53を介して入力軸40を支持する第3ケーシング体(支持部材)63と、第2主軸受53と太陽歯車82との間において入力軸40に外嵌されたカラー56と、を備える。
2段目遊星歯車装置15も、入力軸40が、図示せぬ出力軸よりも鉛直方向O1の上側に配置される縦置きの歯車装置である。そして、2段目遊星歯車装置15は、太陽歯車82の軸方向の移動を規制する移動規制部材70を有している。移動規制部材70は、第3ケーシング体63と一体化されると共に、太陽歯車82とカラー56との間に配置され、太陽歯車82と軸方向に対向している。
以下、詳細に説明する。
2段目遊星歯車装置15の入力軸40は、キャリヤ30の第2側部32とボルト37を介して一体化された円板状のフランジ部42と、該フランジ部42の径方向中央から負荷側に突出・延在された軸部44とを有する。軸部44は、負荷側対向面を有する段差部44Aを有している。
入力軸40の近傍には、第3ケーシング体63が位置している。第3ケーシング体63は、径方向内側にまで延在された壁部63Aと該壁部63Aの径方向内側端部に形成された軸受載置部63Bと、該軸受載置部63Bと軸方向に並んで配置されたオイルシール配置部63Dとを備えている。
入力軸40と第3ケーシング体63との間には、第2主軸受53が配置されている。つまり、第3ケーシング体63は、第2主軸受53を介して入力軸40を支持している。第2主軸受53は、入力軸40の外周および軸部44の前記段差部44Aと当接する内輪53A、第3ケーシング体63の前記軸受載置部63Bと当接する外輪53B、内輪53Aと外輪53Bとの間で転動する転動体(この例ではボール)53Dを備える。第2主軸受53の負荷側には、該第2主軸受53の内輪53Aと当接して、カラー56が配置されている。
カラー56は、入力軸40の該カラー56が外嵌されている部分の外径d40(56)より僅かに小さい内周56Aを有し、入力軸40に圧入によって外嵌されることで、第2主軸受53の入力軸40上の位置決めを行っている。カラー56は、軸と平行な断面が軸方向に長いほぼ長方形とされ、全体がリング状に形成されている。カラー56の外周56Bは、オイルシール58の摺接面を構成し、カラー56の外周56Bと第3ケーシング体63の前記オイルシール配置部63Dとの間に、2個のオイルシール58が配置されている。カラー56の負荷側には、軸方向に隙間δ(70−56)を有して、移動規制部材70が配置されている。また、移動規制部材70の負荷側には、当て部材74が配置されている。移動規制部材70および当て部材74については、後に詳述する。
当て部材74の負荷側、つまり入力軸40の先端(負荷側:下側)には、太陽歯車82が組み込まれている。
太陽歯車82は、内周に内スプライン82Bを有し、外周に歯部82Cを有する。内スプライン82Bは、入力軸40の先端に形成された外スプライン44Sと係合している。つまり、太陽歯車82は、外スプライン44Sおよび内スプライン82Bを介して、(軸方向に移動可能な連結態様で)入力軸40に組み込まれている。なお、前述したように、1段目遊星歯車装置14の太陽歯車22は、ヘリカルギヤで構成されていたが、2段目遊星歯車装置15の太陽歯車82には、スパーギヤが採用されている。
従来、この太陽歯車82は、軸方向反負荷側への移動については、特に規制されていなかった。しかし、本実施形態においては、移動規制部材70によって軸方向反負荷側への移動が規制されている。移動規制部材70は、第3ケーシング体(支持部材)63と一体化されると共に、太陽歯車82とカラー56との間に配置され、太陽歯車82と軸方向に対向している。
前述したように、第3ケーシング体63は、径方向内側にまで延在された壁部63Aを有している。移動規制部材70は、複数の(この例では6本の)ボルト72を介してこの第3ケーシング体63の壁部63Aの負荷側端面63A1に固定され、第3ケーシング体63と一体化されている。なお、符号70Hは、第3ケーシング体63の壁部63Aに形成されたボルト72のボルト孔である。
図3には、移動規制部材70が2段目遊星歯車装置15に組み込まれた状態の断面(軸と平行な断面)が表れており、図4には、移動規制部材70単体の正面が示されている。なお、図3に表れている移動規制部材70の断面は、図4の矢視III−III線に沿う断面に相当している。
移動規制部材70は、軸と平行な断面が、径方向に長い長方形とされ、径方向中央に入力軸40が貫通する貫通孔70Pを有するリング状の部材で構成されている。移動規制部材70の太陽歯車82と対向する面70Aには、径方向外側から内側へ向かう溝70Bが対角に2本形成されている。より具体的には、溝70Bは、径方向中央より外側の位置から穿設されて直線的に径方向(法線方向)内側に向かい、貫通孔70Pに至っている。この溝70Bは、移動規制部材70の近傍に存在する潤滑剤を、径方向内側に移動させ易くするためのものである。
なお、この実施形態では、太陽歯車82と移動規制部材70との間に当て部材74が配置されている。当て部材74は、この実施形態では、滑り軸受として機能するリング状の部材で構成されている。当て部材74は、隙間嵌めにて入力軸40に組み込まれている。ただし、該当て部材の内周74Aの内径は、D74であり、入力軸40の軸部44の当て部材74が外嵌されている位置の外径d40(74)とほぼ同一である。すなわち、当て部材74は、入力軸40に対して隙間嵌めにて外嵌されているが、入力軸40に対して径方向に動けるほどの隙間は有していない(入力軸40に対して径方向に動くことはできない)。また、当て部材74の負荷側端面74Bと太陽歯車82の反負荷側端面82Eとの間は、この実施形態では、特に隙間は設けられていない。
ここで、カラー56、移動規制部材70、および当て部材74間の隙間の大きさについて説明すると、この実施形態では、移動規制部材70の内径D70は、入力軸40の移動規制部材70が外嵌されている部分の外径d40(70)よりも2・δ70だけ大きい。つまり、入力軸40の外周と移動規制部材70の内周との間にはδ70の隙間があり、入力軸40と移動規制部材70は接触していない。
移動規制部材70の反負荷側端面70Eとカラー56の負荷側端面56Fとの間には、軸方向の隙間δ(70−56)が形成されている。つまり、移動規制部材70とカラー56は接触していない。移動規制部材70の負荷側端面(太陽歯車82と対向する面)70Aと当て部材74の反負荷側端面74Cとの間には、軸方向の隙間δ(70−74)が形成されている。つまり、移動規制部材70と当て部材74も接触していない。
そして、移動規制部材70とカラー56との間の隙間δ(70−56)よりも、移動規制部材70と当て部材74との間の隙間δ(70−74)の方が大きい。
次に、本実施形態の作用を設明する。
駆動ユニット10の1段目〜3段目の遊星歯車装置14〜16の基本的な動力伝達作用は、全て同一である。すなわち、モータ12のモータ軸12Aが回転すると、該モータ軸12Aと一体化されている1段目遊星歯車装置14の入力軸20が回転し、太陽歯車22が回転する。すると、遊星歯車24が、自転しながら太陽歯車22の周りで公転する。この遊星歯車24の公転が、遊星歯車24を支持している連結ピン34を介してキャリヤ30全体を回転させる。キャリヤ30の回転は、該キャリヤ30の第2側部32とボルト37を介して連結されている出力軸(2段目遊星歯車装置15の入力軸)40に伝達される。
入力軸40の回転は、該入力軸40の外スプライン44Sおよび太陽歯車82の内スプライン82Bを介して太陽歯車82を回転させる。この後は、すでに説明した1段目遊星歯車装置14と同様の作用が、2段目遊星歯車装置15および3段目遊星歯車装置16においてもなされる。
そして、3段目遊星歯車装置16の最下部に位置する最終出力軸118が、ショベルカー100の下部走行体102の旋回内歯歯車114と噛合し、該噛合の反作用で上部旋回体106が旋回内歯歯車114の軸心周りで旋回することができる。
ここで、2段目遊星歯車装置15の太陽歯車82は、スパーギヤであって、かつ外スプライン44Sと内スプライン82Bによる連結(軸方向に移動可能な連結態様による連結)で連結されている。しかし、2段目遊星歯車装置15は縦置きであって、入力軸40は、鉛直方向O1に組み付けられており、かつ太陽歯車82の上部にはカラー56が位置している。そのため、通常の運転状態では、太陽歯車82が上昇してくることはなく、第2主軸受53の損傷の問題も生じない。そのため、従来は、太陽歯車82の上昇に関しては、特に対策は取られていなかった。
しかし、とりわけ、例えばショベルカー100のように、出力側の回転が突然止められるほどの強い負荷が頻繁に掛かるような用途にあっては、歯車間の(軸の傾き等の)僅かな組み付け誤差や歯面の製造誤差等の影響を受けて太陽歯車82に強いスラスト荷重(上昇しようとする力)が発生することがある。そして、この太陽歯車(82)の上昇しようとするスラスト荷重は、ときに、カラー(56)を押し上げ、その結果、カラー(56)が圧入されている入力軸(40)全体を押し上げ、軸受(第2主軸受53)を損傷させることがあった。
しかし、本実施形態においては、太陽歯車82の軸方向の移動を規制する移動規制部材70を備えている。移動規制部材70は、入力軸40を第2主軸受53を介して支持している第3ケーシング体63と、ボルト72を介して一体化されている。また、移動規制部材70は、太陽歯車82とカラー56との間に配置され、太陽歯車82と軸方向に対向している。そのため、何らかの原因で太陽歯車82が軸方向カラー56側に強く上昇してくるような状況が発生したとしても、第3ケーシング体63に固定された状態で対向して配置されている移動規制部材70によってこの上昇が規制される。したがって、太陽歯車82のスラスト荷重(上昇力)がカラー56に伝達されるのが阻止され、カラー56は上昇しない。そのため、カラー56と共に入力軸40が上昇するという作用も生じなくなり、第2主軸受53の損傷が防止される。
ここで、本実施形態においては、太陽歯車82と移動規制部材70との間に当て部材74が配置されている。この当て部材74は、この例では滑り軸受で構成されている。このため、速い回転速度で回転する太陽歯車82と固定状態にある移動規制部材70との間で過度な摩耗や発熱の問題が生じにくい。
また、本実施形態においては、移動規制部材70とカラー56との間の隙間δ(70−56)よりも、移動規制部材70と当て部材74との間の隙間δ(70−74)の方が大きく設定されている。このため、移動規制部材70と当て部材74との間には潤滑剤を供給し易いが、一方、カラー56の近傍には潤滑剤が到達しにくいという作用効果を得ることができる。移動規制部材70と当て部材74との間には相対回転が生じているため、潤滑剤が、潤沢に供給される方が好ましい。一方、カラー56の近傍は、潤滑剤は、特に必要としない。むしろ、本構成例においては、カラー56の外周には、オイルシール58が配置されていて、1段目遊星歯車装置14側と2段目遊星歯車装置15側との潤滑剤の行き来を阻止しようとしている。この観点からも、カラー56の近傍に潤滑剤が供給されるのは、むしろ好ましくない。本実施形態では、移動規制部材70とカラー56との間の隙間δ(70−56)よりも、移動規制部材70と当て部材74との間の隙間δ(70−74)の方が大きく設定されているため、ラビリンス効果により、カラー56の近傍に潤滑剤が到達するのが効果的に抑制される。
なお、この移動規制部材70が存在することによるラビリンス効果は、移動規制部材70とカラー56との間の隙間δ(70−56)および移動規制部材70と当て部材74との間の隙間δ(70−74)の大小とは関係なく(移動規制部材70が存在することだけで)相応に得られる効果である。そのため、移動規制部材70は、その存在によって、1段目遊星歯車装置14側と2段目遊星歯車装置15側との封止性能をより高めていると言える。
また、本実施形態では、移動規制部材70の太陽歯車82と対向する面70Aに、径方向外側から内側へ向かう溝70Bが形成されている。これにより、「太陽歯車82が軸方向に動く距離」という観点での太陽歯車82と移動規制部材70との間の隙間を大きくすることなく、「潤滑剤の通り道」という観点での太陽歯車82と移動規制部材70との間の隙間を、実質的に、より大きく形成することができる。つまり、太陽歯車82は、あまり上下方向に自由には動けないようになっているのが好ましいため、溝70Bが形成されているというのは、太陽歯車82の軸方向の移動可能距離を小さく抑えた上で、より多くの潤滑剤を、移動規制部材70と当て部材74との間に導入できるという点で良好な効果が得られる。
なお、上記実施形態では、移動規制部材として、溝を有する構成を採用していたが、移動規制部材の溝は、必ずしもなくてもよい。また、この溝は、特に形状は問われない。つまり、径方向外側から内側へ向かう溝であれば、潤滑剤の導入という作用効果を得ることができるため、上記例とは別の形状の溝であってもよい。例えば、上記例では、溝は、径方向に直線状に形成されているが、曲線状に(例えば円弧状に)形成するようにしてもよい。また、径方向外側端部から内側端部まで貫通する溝であってもよい。さらには、上記実施形態では、溝を2本形成していたが、形成する溝の本数も、2本には限定されず、1本または3本以上であってもよい。
また、上記実施形態では、当て部材を、滑り軸受で構成するようにしていたが、当て部材の具体的な構成は、特にこれに限定されるものではない。つまり、この当て部材は、必ずしも滑り軸受で構成される必要はなく、例えば、より積極的に摺動抵抗を低減するべく、ボールやローラ等の転動体を有するスラスト軸受で構成するようにしてもよい。また、当て部材は、そもそも必須の構成要素ではなく、なくてもよい。
また、カラー、移動規制部材、および当て部材間の隙間の大きさも、必ずしも、上記例に限定されず、他の周囲の構成によっては、大小関係が逆転していてもよい。
上記実施形態においては、ショベルカーの駆動ユニットに組み込まれている(2段目の)遊星歯車装置に本発明が適用されていたが、本発明の縦置きの歯車装置の具体的な採用例は、この例に限定されない。例えば、上記例で言うならば、1段目や3段目の遊星歯車装置に適用してもよい。また、歯車装置は必ずしも単純遊星歯車装置でなくてもよく、例えば遊星歯車が揺動しながら内歯歯車に内接噛合する偏心揺動型の遊星歯車装置であってもよい。さらには、遊星歯車装置でなくてもよく、例えば平行軸歯車装置や直交軸歯車装置であってもよい。また、必ずしも減速装置でなくてもよく、等速装置(アイドラ装置)や増速装置であってもよい。
40…入力軸
53…第2主軸受(軸受)
56…カラー
63…第3ケーシング体(支持部材)
70…移動規制部材
82…太陽歯車(歯車)

Claims (5)

  1. 入力軸と、出力軸と、前記入力軸に軸方向に移動可能な連結態様で組み込まれた歯車と、軸受を介して前記入力軸を支持する支持部材と、前記軸受と前記歯車との間において前記入力軸に外嵌されたカラーと、を備え、
    前記入力軸が、前記出力軸よりも鉛直方向上側に配置される縦置きの歯車装置であって、
    前記歯車の軸方向移動を規制する移動規制部材を有し、
    該移動規制部材は、前記支持部材と一体化されると共に、前記歯車と前記カラーとの間に配置され、前記歯車と軸方向に対向する
    ことを特徴とする縦置きの歯車装置。
  2. 請求項1において、
    前記歯車と前記移動規制部材との間に、当て部材が配置されている
    ことを特徴とする縦置きの歯車装置。
  3. 請求項2において、
    前記移動規制部材と前記カラーとの間に隙間が形成されると共に、前記移動規制部材と前記当て部材との間に隙間が形成され、
    前記移動規制部材と前記カラーとの間の隙間よりも、前記移動規制部材と前記当て部材との間の隙間の方が大きい
    ことを特徴とする縦置きの歯車装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記カラーの外周に、オイルシールが配置されている
    ことを特徴とする縦置きの歯車装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記移動規制部材の前記歯車と対向する面に、径方向外側から内側へ向かう溝が形成されている
    ことを特徴とする縦置きの歯車装置。
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