JP6025642B2 - 遊星歯車減速装置およびそのシリーズ - Google Patents

遊星歯車減速装置およびそのシリーズ Download PDF

Info

Publication number
JP6025642B2
JP6025642B2 JP2013075335A JP2013075335A JP6025642B2 JP 6025642 B2 JP6025642 B2 JP 6025642B2 JP 2013075335 A JP2013075335 A JP 2013075335A JP 2013075335 A JP2013075335 A JP 2013075335A JP 6025642 B2 JP6025642 B2 JP 6025642B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casing
planetary gear
carrier member
main bearing
reduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013075335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014199125A (ja
Inventor
慎一 西部
慎一 西部
光藤 栄
栄 光藤
祐一 西谷
祐一 西谷
哲三 石川
哲三 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2013075335A priority Critical patent/JP6025642B2/ja
Publication of JP2014199125A publication Critical patent/JP2014199125A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6025642B2 publication Critical patent/JP6025642B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

本発明は、遊星歯車減速装置およびそのシリーズに関する。
特許文献1に、偏心揺動型の遊星歯車減速装置が開示されている。
この遊星歯車減速装置は、内歯歯車、該内歯歯車に内接噛合する外歯歯車、および該外歯歯車の軸方向両側部に配置されたキャリヤ部材を有する遊星歯車機構を備えている。この減速装置では、外歯歯車が揺動しながら内歯歯車と噛合し、噛合の際に生じる両歯車の相対回転を、ケーシングとキャリヤ部材との相対回転として取り出している。
ケーシングとキャリヤ部材は、「主軸受」と称される容量の大きな軸受を介して相対回転可能とされている。
特開2010−156430号公報(図1)
減速装置は、種々の産業機械等に組み込まれて使用されるが、当該産業機械等の用途によっては、何らかの原因で該産業機械側から減速装置の主軸受に非常に大きなモーメントが逆入力されてくることがある。
このような大きなモーメントに対しては、主軸受の容量を大きくするという対策で対応することには限界があり、またコストも掛かる。そのため、このようなモーメントを「産業機械側」に設けたより大きな軸受機構で受け持つようにする構成が提案されている。この構成によれば、後に詳述するように、結果として、減速装置側では、主軸受の配置を省略することができる。
しかし、主軸受がない場合であっても、減速装置内には潤滑を必要とする他の軸受や歯車等が存在するため、これらの軸受や歯車等の適正な潤滑は必要である。
しかしながら、主軸受を有しない減速装置の構造に対して、潤滑性を向上させる工夫については、未だ提案されたものがないというのが実情である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、主軸受を有しない減速装置に関して、合理的に良好な潤滑性を確保することをその課題としている。
本発明は、ケーシングに対して遊星歯車機構のキャリヤ部材が相対回転する遊星歯車減速装置のシリーズであって、前記ケーシングとキャリヤ部材との間に主軸受が配置される第1減速装置と、前記ケーシングとキャリヤ部材との間に主軸受が配置されない第2減速装置と、を有し、前記第1減速装置と第2減速装置は、前記ケーシングおよび前記キャリヤ部材が共用され、かつ、前記第2減速装置においては、前記主軸受の配置空間に開口する給脂口が設けられた構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明においては、主軸受を有しない減速装置にあっては、当該主軸受の配置空間(もし主軸受を配置するとするならば、この位置になるとされる空間:換言するならば、第1減速装置において主軸受が配置されている空間)が、比較的余裕を持った空間として存在することに着目し、この配置空間に開口する給脂口を設けるようにしている。
そのため、主軸受を有する減速装置と主軸受を有しない減速装置とで、大きな設計変更を伴うことなく、特に主軸受を有しない減速装置において、潤滑剤の供給をより効率的かつ確実に行うことができる。
本発明によれば、主軸受を有しない減速装置に関して、合理的に良好な潤滑性を確保することができる。
本発明の実施形態の一例に係る遊星歯車減速装置のシリーズの中で、主軸受を有する遊星歯車減速装置の構成例を示す断面図 同じく、主軸受を有しない遊星歯車減速装置の構成例を示す断面図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る遊星歯車減速装置のシリーズの中で、主軸受を有する第1減速装置の構成例を示す断面図、図2は、同じく、主軸受を有しない第2減速装置の構成例を示す断面図である。
この遊星歯車減速装置のシリーズは、ケーシング30に対して遊星歯車機構29の第1、第2キャリヤ(キャリヤ部材)32、34が相対回転する遊星歯車減速装置の一群の中に、ケーシング30と第1、第2キャリヤ(キャリヤ部材)32、34との間に主軸受36、38が配置される(有する)第1減速装置G1と、ケーシング30と第1、第2キャリヤ32、34との間に主軸受が配置されない(有しない)第2減速装置G2と、を含んでいる。
第1減速装置G1と第2減速装置G2は、(給脂口80、82の形成前の)ケーシング30および第1、第2キャリヤ32、34が共用されている。より詳細には、第1減速装置G1と第2減速装置G2は、主軸受36、38の有無および給脂口80、82の配置構成が異なるだけで、その他の構成は共通とされている(共用されている)。そのため、ここでは、第1、第2減速装置G1、G2に共通する部材には共通の符号を付すこととし、一緒に説明してゆく。
第1、第2減速装置G1、G2は、中央クランクタイプと称される偏心揺動型の遊星歯車減速装置で、産業用ロボット(全体は図示略)の関節を駆動するために用いられる。
第1、第2減速装置G1、G2の入力軸12は、大径の中空部12Aを有するホローシャフトで構成されている。中空部12Aは図示せぬ配線を通すために使用される。入力軸12の第2キャリヤ34側の端部には、タップ穴12Bが形成されている。入力軸12は、このタップ穴12Bを利用して図示せぬ前段の部材(例えば歯車やプーリ)と連結されている。入力軸12には、偏心体14、16が一体に形成されている。すなわち、この実施形態では、入力軸12が、「偏心体軸」として機能している。
偏心体14、16は、それぞれ(入力軸12の軸心O1から偏心量Δe1だけずれた)軸心O2、O3を有し、それぞれの外周が入力軸12の軸心O1に対して該偏心量Δe1分だけ偏心している。この例では、偏心体14、16は、180度の位相差を持って入力軸12と一体的に形成されている。
偏心体14、16の外周にはころ軸受18、20が配置されている。ころ軸受18、20の外周には外歯歯車22、24が揺動可能に組み込まれている。外歯歯車22、24は、それぞれ内歯歯車26に内接噛合している。
内歯歯車26は、この実施形態では、ケーシング30と一体化された内歯歯車本体26A、および該内歯歯車26の「内歯」を構成する円柱状の外ピン26Bとで主に構成されている。外ピン26Bは、内歯歯車本体26Aの外ピン溝26Cに回転自在に支持されている。内歯歯車26の内歯の数(外ピン26Bの本数)は、外歯歯車22、24の外歯の数よりも僅かだけ(この例では1だけ)多い。
外歯歯車22、24は、その軸心(O2、O3に同じ)からオフセットされた位置に複数の貫通孔22A、24Aが形成され、該貫通孔22A、24Aをピン状の連結部材である内ピン28が貫通している。
内ピン28は、第1、第2キャリヤ32、34の圧入孔32A、34Aに圧入されている。内ピン28は、外歯歯車22、24の貫通孔22A、24Aを貫通して複数設けられている。内ピン28は、外歯歯車22、24の自転成分と同期して入力軸12の軸心O1の周りを公転し、第1、第2キャリヤ32、34を入力軸12の軸心O1周りで回転させる。なお、内ピン28の外周には、摺動促進体44が配置されている。内ピン28は、(摺動促進体44を介して)貫通孔22A、24Aの一部と常に当接している。一方、内ピン28と摺動促進体44と貫通孔22A、24Aが当接していない部分には、偏心体14、16の偏心量Δe1の2倍に相当する隙間が存在している。尤も、内ピン28の外周の摺動促進体44はなくてもよい。
また、外歯歯車22、24の軸方向両側には、一対の第1、第2キャリヤ(キャリヤ部材)32、34が配置されている。第1、第2キャリヤ32、34は、両端にねじ部35A、35Bを有する複数のキャリヤピン35およびナット37を介して連結・一体化されている。また、第1、第2キャリヤ32、34は、第1、第2入力軸受40、42を介して前記入力軸12を回転自在に支持している。
ここで、図1に示されるように、本実施形態におけるシリーズにおいては、「主軸受を有するタイプ」である第1減速装置G1は、背面合わせで組み込まれた一対のアンギュラ玉軸受で構成される主軸受36、38が、ケーシング30と第1、第2キャリヤ32、34との間に配置されている。すなわち、第1、第2キャリヤ32、34は、主軸受36、38を介してケーシング30に支持されている。主軸受36、38は、それぞれ転動体(ボール)36A、38A、外輪36B、38B、および内輪36C、36Cを有している。
尤も、本発明では、主軸受の外輪あるいは内輪の装備は、必ずしも必須ではない。すなわち、本発明に係る主軸受は、例えば、ケーシングの内周が転動面として機能することで、該ケーシングが外輪を兼用する構成であってもよいし、また、キャリヤ部材の外周が転動面として機能することで、該キャリヤ部材が内輪を兼用する構成であってもよい。
また、転動体も、この実施形態では、玉(ボール)であるが、円筒ころ、あるいはテーパころ等で構成される転動体であってもよい。
なお、ケーシング30には、第2キャリヤ34側の主軸受38と径方向から見てほぼ重なる位置に、外部部材取付用のフランジ部30Aが径方向に突出して設けられている。
また、第1減速装置G1においては、図1に示されるように、ケーシング30を貫通して内歯歯車26の外ピン溝26C(あるいは外ピン26B)と外ピン溝26Cとの間に開口する給脂口80が設けられている。なお、符号76、78は、オイルシールである。
一方、図2に示されるように、本実施形態におけるシリーズにおける「主軸受を有しないタイプ」である第2減速装置G2は、主軸受の機能を、該第2減速装置G2が組み込まれる親機械であるロボット(全体は図示略)側に持たせている。
具体的には、第2減速装置G2のケーシング30のフランジ部30Aには、(外部部材である)ロボットの第1アーム52(および該第1アーム52と一体的に動くサブ部材54)がボルト56を介して連結・固定されている。第1アーム52には、ボルト58を介して第1補助部材59が固定されており、該第1補助部材59を介してクロスローラ軸受60の外輪62が固定されている。
一方、第1キャリヤ32には、該第1キャリヤ32に形成されたタップ穴32Tに、ロボットの第2アーム72がボルト74を介して連結・固定されている。第2アーム72には、このボルト74によって第2補助部材76が共締めされており、該第2補助部材76を介して前記クロスローラ軸受60の内輪64が固定されている。
この構成により、ロボットの第1アーム52と第2アーム72は、クロスローラ軸受60を介して回転自在に支持されることになる。(クロスローラ軸受60であるため)第1アーム52および第2アーム72のラジアル方向の荷重およびスラスト方向の荷重の双方を受けることができる。また、結果として、該第1アーム52に固定されているケーシング30、および第2アーム72に固定されている第1キャリヤ32が、クロスローラ軸受60によって(主軸受を有しなくても)回転自在に支持されることになる。
図2の断面図から明らかなように、主軸受を有しない第2減速装置G2は、主軸受を有する第1減速装置G1と比較して、主軸受(36、38)の配置空間(該第1減速装置G1において主軸受36、38が配置されていた空間)Pm1、Pm2が、そのまま「何も存在しない空間」として残されている。
第2減速装置G2には、この主軸受の配置空間Pm1、Pm2のうち、第2キャリヤ34側の配置空間Pm2に開口する潤滑剤(この実施形態ではグリス)の給脂口82が設けられる。給脂口82は、ケーシング30に外部部材取付用として設けられたフランジ部30Aを、径方向に貫通して設けられている。
ここで、この実施形態では、第1減速装置G1の主軸受36、38は、ケーシング30内に配置される軸受18、20、36、38、40、42のうち、第1減速装置G1の軸方向で最も端部側に位置する軸受(この実施形態では入力軸受40または42が相当している)と径方向から見て重なる位置に設けられている。これは、見方を変えるならば、この実施形態における第2減速装置G2の給脂口82が、「ケーシング30内に配置される軸受18、20、40、42のうち、第2減速装置G2の軸方向で最も端部側に位置する軸受(この実施形態では入力軸受40または42が相当している)と径方向から見て重なる位置に設けられている」ということでもある。
次に、この偏心揺動型の第1、第2減速装置G1、G2の作用を説明する。
入力軸12が回転すると、該入力軸12と一体化されている偏心体14、16が偏心揺動回転し、該偏心体14、16の外周にころ軸受18、20を介して組み込まれている外歯歯車22、24が180度の位相差で揺動される。外歯歯車22、24は、内歯歯車26に内接噛合しており、かつ、この実施形態では内歯歯車本体26Aがケーシング30と一体化されている。そのため、外歯歯車22、24は、入力軸12が1回回転する毎に、内歯歯車26(ケーシング30)に対して歯数差分(この例では1歯分)だけ相対回転する(自転する)。
外歯歯車22、24の自転成分は、該外歯歯車22、24の貫通孔22A、24Aを貫通している摺動促進体44および内ピン28を介して第1、第2キャリヤ32、34に伝達され、該第1、第2キャリヤ32、34がケーシング30に対して外歯歯車22、24の自転成分と同一の速度で相対的に回転する。
ここで、主軸受を有する第1減速装置G1では、例えば、ケーシング30のフランジ部30Aに第1外部部材31を連結し、第1キャリヤ32のタップ穴32Tに第2外部部材33を連結することにより、幅広い用途で第1外部部材31と第2外部部材33とを相対回転させることができる。
第1減速装置G1のグリスの注入は、ケーシング30を貫通して内歯歯車26の外ピン溝26C(あるいは外ピン26B)と外ピン溝26Cとの間に開口するように設けられた給脂口80を介して行われる。これにより、内歯歯車26や外歯歯車22、24の噛合部の潤滑や外歯歯車を支持するころ軸受18、20、あるいは入力軸受40、42等の潤滑性を確保することができる。
一方、主軸受を有しない第2減速装置G2は、図2に示されるような第1アーム52と第2アーム72との間に配置されたクロスローラ軸受60の存在により、主軸受がなくても、該第1アーム52(および第1アーム52と一体的に動くサブ部材54)と第2アーム72とを相対的に回転させることができる。なお、これに伴って、この第1アーム52と連結されている第2減速装置G2のケーシング30、および第2アーム72と連結されている第1キャリヤ32(および該第1キャリヤ32とさらにキャリヤピン35を介して連結されている第2キャリヤ34)も、主軸受無しで相対回転する。
主軸受36、38を有しない第2減速装置G2にあっては、親機械のロボット側で、主軸受相当の機能を持たせているため、当該親機械の操業に当たって掛かり得ると想定される曲げモーメント等に十分対応し得る軸受(例えばクロスローラ軸受60)等を自由に使用することができる。また、第2減速装置G2自体については、主軸受の分のコストを低減することができるため、全体に無駄のない合理的な設計が実現可能である。
また、主軸受を配置する場合に必要な「配置空間Pm1、Pm2」が、そのまま確保されていることを利用して、この配置空間Pm1またはPm2に開口する給脂口82を設けるようにしたため、広い配置空間Pm1またはPm2を介して第2減速装置G2内に潤滑剤(この例ではグリス)を少ない封入抵抗で供給することができ、該潤滑剤の供給を簡易にかつ確実に行うことができる。
本実施形態に係る第1、第2減速装置G1、G2のシリーズにあっては、主軸受36、38の有無、および給脂口80、82の配置構成において差別化がなされている以外は、全て共通の部材を使用している。このため、シリーズ全体としてのコストを低減することができ、かつ、ユーザの要求に応じて主軸受36、38の有無および給脂口80、82の配置構成を自由に選択することができる。
とりわけ、本実施形態においては、ケーシング30に外部部材である第1アーム取付用のフランジ部30Aが設けられ、給脂口82は、該フランジ部30Aを径方向に貫通して設けられている。そのため、この例のように、特にフランジ部30Aの軸方向両側に、外部部材である第1アーム52、および該第1アーム52と一体的に動くサブ部材54が連結されるような場合であっても、該第1アーム52(およびサブ部材54)と干渉することなく潤滑剤を供給することができる。一般に、主軸受を有しない第2減速装置G2にあっては、フランジ部30Aの軸方向側部には、(比較的大型の)外部部材が連結されることが多いが、フランジ部30Aの径方向外側には、外部部材が位置しないことが多い。このため、この第2減速装置G2においてフランジ部30Aを径方向に貫通して給脂口82を形成するという構成は、現実には、大きなメリットを提供している。
また、第2減速装置G2の給脂口82が、ケーシング30内に配置される軸受のうち、第1減速装置G1の軸方向で最も端部側に位置する軸受である入力軸受40、42のうち、第2キャリヤ34側の入力軸受42と径方向から見て「重なる位置」に設けられている。このため、給脂の際に、該入力軸受42が上側となるように第2減速装置G2を床等に載置して潤滑剤を供給することにより、該入力軸受42を含めてこれより下側に位置している全ての軸受や歯車等に対しグリスを満遍なくかつ少ない封入抵抗で容易に供給することができる。
この種の偏心揺動型の減速装置においては、グリスの給入が困難なことが多く、親機械のある現場での給脂が困難なことから、減速装置の製造工場において予め専用の給脂機器を用いて強制的にグリスを封入し、密閉した上で出荷することも多かったが、本実施形態に係るシリーズにおいては、特に、主軸受を有しない第2減速装置G2にあっては、現場での給脂やグリスの交換が容易に行えるようになった。
なお、この構成について補足するならば、給脂口が、ケーシング内に配置される軸受のうち、減速装置の軸方向で最も端部側に位置する軸受と径方向から見て重なる位置か、または軸方向外側に設けられていれば、グリスの供給の確実性は、担保可能である。
また、上記実施形態においては、第1減速装置と第2減速装置の各部材を基本的に全て共用したシリーズを構築していたため、第2減速装置では、主軸受の配置空間がそのまま確保されていたが、本実施形態に係る第2減速装置を、シリーズを離れて単独に見た場合には、必ずしも主軸受をそのまま配置可能な空間が確保されている必要はない。
この観点で、第2減速装置G2は、「ケーシング30に対して遊星歯車機構の第1、第2キャリヤ(キャリヤ部材)32、34が相対回転する遊星歯車減速装置G2であって、ケーシング30と第1、第2キャリヤ32、34との間に主軸受が配置されず、かつ該ケーシング30と第1、第2キャリヤ32または34との間の空間(Pm1)または(Pm2)に開口する給脂口82が設けられたことを特徴とする遊星歯車減速装置」と捉えることもできる。
なお、上記実施形態では、偏心体軸が内歯歯車の径方向中央に1本のみ存在する中央クランクタイプと称される偏心揺動型の減速装置が示されていたが、この種の減速装置の減速機構としては、内歯歯車の軸心からオフセットした位置に、複数の偏心体軸を有し、この複数の偏心体軸に備えられた偏心体を同期して回転させることによって外歯歯車を揺動させる、いわゆる振り分けタイプと称される減速装置も知られている。本発明は、当該振り分けタイプの偏心揺動型の遊星歯車減速装置等にも、全く同様に適用することができる。さらには、単純遊星歯車減速装置においても、適用することが可能である。
また、上記実施形態の第1減速装置Glにおいては、ケーシング30の外ピン溝26Cと外ピン溝26Cの間に給脂口80が設けられていたが、給脂口80の位置はこれに限定されない。例えば、第1キャリヤ32あるいは第2キャリヤ34を軸方向に貫通して給脂口(80)を設けてもよい。第2減速装置G2の給脂口82についても、上記実施形態のようにフランジ部30Aに設ける場合に限定されず、主軸受の配置空間Pm1またはPm2に開口していれば、その形成態様は限定されない。
さらに、上記実施形態においては、第1減速装置G1および第2減速装置G2のケーシング30においては、ケーシング30のベースとなる部材は共用しつつ、給脂口80と給脂口82の形成位置が異なっていた。また、上記実施形態においては、第1、第2キャリヤ32、34は完全に共用されていたが、第1減速装置G1において第1、第2キャリヤ32、34のいずれかに給脂口(80)が設けられる場合もある。また、第1減速装置G1と第2減速装置G2とで、第1キャリヤ32に形成されるタップ穴の位置や数が異なる場合もある。このような場合にも、第1、第2キャリヤ32、34のベースとなる部材については共用されている。このように、本発明において、「ケーシングおよびキャリヤ部材を共用する」とは、最終的に減速装置として完成した状態で、全く同じ形状・構造とされている場合だけでなく、最終的に減速装置として完成した状態では、給脂口やタップ穴の形成態様等一部が異なっていたとしても、そのベースとなる部材が共用されている場合も含む概念である。
G1、G2…第1、第2減速装置
12…入力軸
14、16…偏心体
22、24…外歯歯車
26…内歯歯車
30…ケーシング
32、34…第1、第2キャリヤ(キャリヤ部材)
36、38…主軸受
52…第1アーム
72…第2アーム
80、82…給脂口

Claims (5)

  1. ケーシングに対して遊星歯車機構のキャリヤ部材が相対回転する遊星歯車減速装置のシリーズであって、
    前記ケーシングとキャリヤ部材との間に主軸受が配置される第1減速装置と、前記ケーシングとキャリヤ部材との間に主軸受が配置されない第2減速装置と、を有し、
    前記第1減速装置と第2減速装置は、前記ケーシングおよび前記キャリヤ部材が共用され、かつ、
    前記第2減速装置においては、前記主軸受の配置空間に開口する給脂口が設けられた
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置のシリーズ。
  2. 請求項1において、
    前記ケーシングに外部部材取付用のフランジ部が設けられ、
    前記給脂口は、該フランジ部を径方向に貫通して設けられる
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置のシリーズ。
  3. 請求項2において、
    前記フランジ部の軸方向両側に外部部材が配置される
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置のシリーズ。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記給脂口は、前記ケーシング内に配置される軸受のうち、減速装置の軸方向で最も端部側に位置する軸受と径方向から見て重なる位置か、または軸方向外側に設けられる
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置のシリーズ。
  5. ケーシングに対して遊星歯車機構のキャリヤ部材が相対回転する遊星歯車減速装置であって、
    前記キャリヤ部材として、前記遊星歯車機構の軸方向一側に配置される第1キャリヤ部材と、前記遊星歯車機構の軸方向他側に配置される第2キャリヤ部材と、を有し、
    前記ケーシングと前記第1キャリヤ部材との間、および前記ケーシングと前記第2キャリヤ部材との間のいずれにも主軸受が配置されず、かつ
    該ケーシングと前記第2キャリヤ部材との間の空間に開口する給脂口が設けられた
    ことを特徴とする遊星歯車減速装置。
JP2013075335A 2013-03-29 2013-03-29 遊星歯車減速装置およびそのシリーズ Active JP6025642B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075335A JP6025642B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 遊星歯車減速装置およびそのシリーズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075335A JP6025642B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 遊星歯車減速装置およびそのシリーズ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014199125A JP2014199125A (ja) 2014-10-23
JP6025642B2 true JP6025642B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=52356150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013075335A Active JP6025642B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 遊星歯車減速装置およびそのシリーズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6025642B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6376964B2 (ja) * 2014-12-09 2018-08-22 住友重機械工業株式会社 減速装置のシリーズ、減速装置のシリーズの製造方法、減速装置
JP2019167967A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 株式会社ニッセイ 減速機及び減速機シリーズの製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5256170B2 (ja) * 2009-11-05 2013-08-07 住友重機械工業株式会社 減速装置
JP5615745B2 (ja) * 2011-03-16 2014-10-29 住友重機械工業株式会社 減速装置、及び減速装置のシリーズ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014199125A (ja) 2014-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5466741B2 (ja) 減速装置
JP5822392B2 (ja) 偏心揺動型減速機
JP5701724B2 (ja) 歯車装置
US10281007B2 (en) Speed reducer
JP2007240003A (ja) 軸受部構造および該軸受部構造を備えた偏心揺動型歯車装置
JP2017044319A (ja) 偏心揺動型の歯車装置および産業用ロボット
JP6002569B2 (ja) 減速装置のセンタパイプ構造
JP2023184669A (ja) 歯車ユニット
JP6169004B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
JP6025642B2 (ja) 遊星歯車減速装置およびそのシリーズ
TWI404872B (zh) Planetary reducer
JP6278762B2 (ja) 偏心揺動型の歯車装置
JP7129308B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
JP5965809B2 (ja) 偏心揺動型の減速装置
WO2018168763A1 (ja) 差動減速機
JP2015121255A (ja) 遊星歯車機構
JP5606587B2 (ja) 歯車装置
WO2019181965A1 (ja) 減速機及び減速機シリーズの製造方法
JP2018048702A (ja) 歯車装置
JP2020020409A (ja) 差動減速機
JP2009047264A (ja) 偏心揺動型歯車装置
JP2009024738A (ja) 偏心揺動型歯車装置
JP7283683B2 (ja) 変速機
JP7193976B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
JP5339743B2 (ja) 歯車装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6025642

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150