JP2008008458A - 建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置 - Google Patents

建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置 Download PDF

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径生 堀
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Abstract

【課題】アンギュラコンタクト玉軸受を利用した建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置により走行減速機のコンパクト化を図りつつ、そのアンギュラコンタクト玉軸受の長寿命化を図る。
【解決手段】スプロケット100の内周とハウジング110の外周との間に組み込むアンギュラコンタクト玉軸受120の外輪1と内輪3の両方を、その接触点a、b、c、dとアキシャル方向の反対側にカウンタ部7、11を形成すると共に、軌道面2、4と玉6が2点接触する状態でその軸受中心線C上の部分と玉6の間に隙間g1、g2が生じるように設けることにより、潤滑剤が2つの接触点に達し易くなるようにした。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば、油圧ショベル、ショベル系掘削機、ブルドーザ、ローダ、トレンチャ、ダンパ、スクレーパ、パイプレイヤなどの履帯式建設機械に適用される走行減速機のスプロケット支持装置に関する。
この種のスプロケット支持装置は、スプロケットと、走行体側に固定するハウジングと、前記スプロケットの内周と前記ハウジングの外周との間に組み込むアンギュラコンタクト玉軸受とを備えている。回転側のスプロケットと固定側のハウジングの間は、フローティングシール部により密封されている。フローティングシール部は、走行減速機内からの油漏れや走行減速機内への異物侵入を防止するためのものである(例えば、特許文献1参照)。
アンギュラコンタクト玉軸受は、フローティングシール部の変形によるシール破壊の防止、姿勢制御等から所要の剛性を要求されるが、走行減速機自体の構成上の制約から、軸受は薄肉(JIS規格の直径系列8以下)であることも要求される。これらに応えるため、玉個数、玉径を増すことにより軸受剛性の増大化を図ることは困難である。軸受の大型化が避けられず、その結果、スプロケットの内周と前記ハウジングの外周との間に設ける組み込み空間が大きくなり、ひいては走行減速機自体の大型化を招くからである。
それ故、近年では、機体重量に応じて走行減速機のスプロケット支持装置において、アンギュラコンタクト玉軸受よりも剛性が高い円錐ころ軸受が採用されることも多くなっている。
しかし、円錐ころ軸受は、アンギュラコンタクト玉軸受よりも軌道面や転動体の研削工程が複雑であり、比較的コスト高なものである。
そこで、本出願人は、前記のアンギュラコンタクト玉軸受は、履帯式建設機械の走行速度が遅く、一般に100rpmを超えない低速回転で作動すること、また、一方向のアキシャル荷重しか作用しないことに着目し、走行減速機のスプロケット支持装置に好適なアンギュラコンタクト玉軸受を提案している(特許文献2参照)。
前掲の特許文献2のアンギュラコンタクト玉軸受は、外輪と内輪のいずれか一方の軌道面に玉が2点で接触し、他方の軌道面に前記玉が少なくとも1点で接触し、前記一方の軌道面上の接触点が軸受中心線を境界としてアキシャル方向の一方側に片寄って位置し、前記他方の軌道面上の接触点が前記の一方側と反対側に片寄って位置するものである。
前記玉と前記一方の軌道面の2点接触で一方向に作用するアキシャル荷重を受けるように軸受取付方向を適合させることにより、そのアキシャル荷重が上記2点の接触角に応じて分散された状態で受けられる。その結果、軸受の変形が上記従来例よりも抑制される、すなわち、軸受剛性が高められる。なお、ラジアル荷重は、前記玉が前記他方の軌道面に少なくとも1点で接触するため、上記従来例と同様に受けることができる。
したがって、前掲の特許文献2のアンギュラコンタクト玉軸受は、前記一方向のアキシャル荷重に対する剛性を向上させることができる。
特開平7−83332号公報 特開2005−201294号公報
ところで、アンギュラコンタクト玉軸受は、玉がこの中心を通り呼び作用線と直交する軸線回りでスピンしながら公転する、という本質的特徴を有する。このスピンは、玉や軌道面が摩耗したり剥離したりする原因となる。
特に、前掲の特許文献2のアンギュラコンタクト玉軸受は、前記玉と前記一方の軌道面の加工精度に限界があり、また前記玉と前記一方の軌道面の2点の接触点間で周速差があるため、前記のスピンが複雑になり易い。このため、前掲の特許文献2のアンギュラコンタクト玉軸受は、従来のアンギュラコンタクト玉軸受よりも一方の軌道面や玉が摩耗し易い本質的特徴がある。
建設機械用走行減速機は、建設機械の作動効率を高める点でメンテンナンス時間が少ない程よく、アンギュラコンタクト玉軸受の耐用時間をできるだけ長くすることが求められる。
そこで、この発明の課題は、アンギュラコンタクト玉軸受を利用した建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置により走行減速機のコンパクト化を図りつつ、そのアンギュラコンタクト玉軸受の長寿命化を図ることにある。
上記の課題を達成するため、この発明は、スプロケットと、走行体側に固定されたハウジングと、前記スプロケットの内周と前記ハウジングの外周との間に組み込んだアンギュラコンタクト玉軸受とを備えた建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置において、前記アンギュラコンタクト玉軸受は、外輪と内輪のいずれか一方の軌道面に玉が2点で接触し、他方の軌道面に前記玉が少なくとも1点で接触し、前記一方の軌道面上の接触点が軸受中心線を境界としてアキシャル方向の一方側に片寄って位置し、前記他方の軌道面上の接触点が前記の一方側と反対側に片寄って位置するものであり、前記外輪と前記内輪のうち、少なくとも前記一方の軌道面側のものが、その接触点とアキシャル方向の反対側にカウンタ部が形成されると共に、前記一方の軌道面と前記玉が2点接触する状態でその軸受中心線上の部分と前記玉の間に隙間が生じるように設けられていることを特徴とする構成を採用したものである。
具体的には、上述のように前記アンギュラコンタクト玉軸受の軸受剛性が向上する分、スプロケットを従来より薄肉・小径化することにより、建設機械用走行減速機のコンパクト化を図ることができる。
そして、前記外輪と前記内輪のうち、少なくとも前記一方の軌道面側のものが、前記カウンタ部の形成により肩落としされる分、両肩部がある場合よりも軸受外から軸受中心線上に向けて潤滑剤が流入し易くなる。流入した潤滑剤は、その軸受中心線上の部分と前記玉の間に隙間が生じているので、前記一方の軌道面上の2つの接触点に潤滑剤が達し易くなり、一方の軌道面や玉が摩耗し難くなる。したがって、前記アンギュラコンタクト玉軸受の長寿命化を図ることができる。
この発明の建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置は、油圧ショベル、ブルドーザに適用することができる。具体的には、油圧ショベル又はブルドーザ用走行減速機のスプロケットを前記アンギュラコンタクト玉軸受で支持させた構成にすることができる。
上述のように、この発明は、上記特徴を有するアンギュラコンタクト玉軸受を利用した建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置とすることにより、走行減速機のコンパクト化を図りつつ、そのアンギュラコンタクト玉軸受の長寿命化を図ることができる。
以下、この発明の第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、この実施形態に係る建設機械用走行減速機の全体構成を示している。実施形態に係る建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置は、スプロケット100と、走行体側に固定するハウジング110と、スプロケット100の内周とハウジング110の外周との間に組み込むアンギュラコンタクト玉軸受120、120とを備えている。
スプロケット100は、回転ドラム101と、この回転ドラム101の外周部に取り付けられたスプロケットホイル102とからなる。スプロケットホイル102には、履帯130が掛け回される。
ハウジング110は、油圧ショベル又はブルドーザの走行サイドフレーム(図示省略)に固定される。
ハウジング110は内周部を有し、その内方には、油圧モータ140が設けられている。ハウジング110の外周部には、回転ドラム101の内周部との間にアンギュラコンタクト玉軸受120、120を装着するための軸受座111が設けられている。
アンギュラコンタクト玉軸受120、120は、スプロケット100をハウジング110に対し回転自在に支持する。
油圧モータ140の出力軸141は、この出力軸141の回転を減速してスプロケット100に伝達する減速機150に接続されている。減速機150は、回転ドラム101の油圧モータ140と反対側に取り付けられたケーシング160の内部に設けられている。なお、ケースシング160の回転ドラム101と反対側の側面は、着脱式のカバー161になっている。
この第1実施形態においては、減速機150は、ケーシング160の内周に設けられたリングギヤ151と、油圧モータ140の出力軸141に結合されたプロペラシャフト152の第1サンギヤ153aと、第1サンギヤ153aとリングギヤ151との間に設けられた遊星歯車減速機構とからなる。遊星歯車減速機構は、第1キャリア154a、第1ピン155a、第1プラネタリギヤ156a、第2サンギヤ153b、第2キャリア154b、第2ピン155b、第2プラネタリギヤ156b、第3サンギヤ153c、第3キャリア154c、第3ピン155c、第3プラネタリギヤ156cからなる周知の構成のものが採用されている。
油圧モータ140が駆動されると、前述の遊星歯車減速機構により回転力が増大する。最終段減速部である第3キャリア154cはハウジング110に結合されており、回転不可能となっている。第3プラネタリギヤ156cの自転力がリングギヤ151を回転させ、ケーシング160、回転ドラム101を介してリングギヤ151と一体化されているスプロケットホイル102が一体回転し、履帯130が移動させられ、油圧ショベル又はブルドーザの走行が行なわれる。
回転ドラム101とハウジング110との回転摺動部には、外部からの土砂、泥水の侵入を防ぐためラビリンス部170が形成されている。ラビリンス部170の内側にはフローティングシール部171が設けられている。フローティングシール部171は、回転ドラム101、ハウジング110の内周部に対向するOリング溝が形成された一対のリング部材と、Oリングとからなる周知の構成のものが採用されている。
上記アンギュラコンタクト玉軸受120、120は、背面組合せ軸受として構成されており、それぞれに所定の予圧が付与されている。
各アンギュラコンタクト玉軸受120は、図2に示すように、外輪1の軌道面2と内輪3の軌道面4の間に保持器5によって一定間隔をおいて保持された玉6が介在されたものである。
玉6の仕様は、鋼製玉、セラミック玉等の玉素材、耐摩耗性を向上させる表面被覆処理の有無、玉直径、玉数などを適宜に選択することができる。
外輪1の内径面は、その両端部に大径内面からなるカウンタ部7と小径内面からなる肩部8が形成され、そのカウンタ部7と肩部8の間に全体として円弧面となる前記の軌道面2が形成されている。
軌道面2は、図3(a)から分かるように、アーチ型の2個の円弧面2a、2bにより形成され、その両円弧面2a、2bの衝合点9の両側において玉6との接触点a、bが形成される。図2において軸受中心線Cに対する接触点aの角度(接触角)をθ1で示し、接触点bの角度(接触角)をθ2で示す。
内輪3の外径面の形状は、前記外輪1の内径面の形状と玉6の中心点Oを基準に点対称の形状をなす。すなわち、内輪3の外径面は、その両端部に小径外面からなるカウンタ部11と大径外面からなる肩部12が形成され、そのカウンタ部11と肩部12の間に全体として円弧面となる前記の軌道面4が形成される。
軌道面4は、図3(b)から分かるように、アーチ型の2個の円弧面4c、4dにより形成され、その両円弧面4c、4dの衝合点13の両側において玉6との接触点c、dが形成される。図2において、軸受中心線Cに対する接触点cの角度(接触角)をθ3(=θ1)で示し、接触点dの角度(接触角)をθ4(=θ2)で示す。
以上の説明から明らかなように、この発明においては、外輪1の軌道面2における2箇所の接触点a、bがともに軸受中心線Cを境界として、アキシャル方向の荷重Pが加えられる側に片寄った位置に設定される。同様に、内輪3においてもその軌道面4における2箇所の接触点c、dがともに軸受中心線Cを境界として、前記と反対のアキシャル方向の荷重Pが加えられる側に片寄った位置に設定される。なお、θ1(=θ3)は最小5°、θ2(=θ4)の最大は80°であり、各接触点間の角度θはこれらの範囲で適宜定められる。
この軸受によって受けることができるアキシャル荷重Pは、図2の白抜き矢印で示すように、外輪1においては肩部8側からカウンタ部7側に向かう方向、内輪3においては肩部12側からカウンタ部11に向かう方向に限定され、この反対方向のアキシャル荷重を受けることはできない。
このように、一方向に限定されたアキシャル荷重Pを2点で受けることにより、各接触点に加えられる荷重が1点で受ける場合に比べ分散軽減され軸受の変形量が小さくなる。すなわち、軸受の剛性が増大する。その分、回転ドラム101の薄肉化を図り、走行減速機をコンパクトにすることができる。
また、回転ドラム101が薄肉なため、回転ドラム101とケーシング160とを溶接することが可能になる。溶接によれば、玉ト、玉ト穴の形成が不要になり、製造コストを低減することができる。
なお、この第1実施形態では、図2に示すように、上記外輪1と上記内輪3のそれぞれは、その接触点a、b、c、dとアキシャル方向の反対側にカウンタ部7、11が形成されたものであるが、さらに、外輪1は分離形に設けられており、内輪3と保持器5と玉6はアセンブリとされている。
具体的に述べると、図2、図3(a)、図4(a)に示すように、カウンタ部7の内径Riは、玉6が軌道面2と2点接触する状態で玉6の外接円径よりも大きくなり、軌道面2とカウンタ部7の境界f1は、軸受中心線Cよりも肩部8側に片寄って位置するように設定されている。
図2、図3(b)、図4(a)に示すように、軌道面4とカウンタ部11の境界f2は、軸受中心線Cよりも肩部12と反対側に片寄って位置し、カウンタ部11の外径Reは、図4(b)に示すように、保持器5のみで保持された状態の玉6の配軸支部の内接径Aよりも大きくなるように設定されている。保持器5と玉6は、カウンタ部11の外径Reに対する直径締め代(Re−A)により組み立て後に分離しないようになっている。軌道面4は、玉6が軌道面4と2点接触する状態で軸受中心線C上の部分が玉6の内接円径よりも小さくなるように設定されている。
上記構成により、図3(a)、(b)に示すように、玉6が軌道面2と2点接触する状態で、外輪1の軸受中心線C上の部分と玉6の間に隙間g1が生じ、また、玉6が軌道面4と2点接触する状態で、内輪3の軸受中心線C上の部分と玉6の間に隙間g2が生じるようになっている。
上記のカウンタ部7により、外輪1は、図4(a)に示すように、前記アキシャル荷重の受け方向と反対側に向けて移動させることが可能で、内輪3、保持器5、玉6からなる内輪アセンブリに対して自由に分離可能となっている。
このアンギュラコンタクト玉軸受は、例えば、循環給油の油潤滑下で使用される。潤滑油は、図2に矢線で流れ方向を示すように、保持器5の椀形の向きに合せて軸受け外から、カウンタ部7と保持器5の間に形成された間隙を通って軸受中心線Cまで円滑に流入し、玉6の転動に巻き込まれて前記の隙間g1から接触点aに供給される。なお、アンギュラコンタクト玉軸受120、120は、油浴潤滑になっており、各アンギュラコンタクト玉軸受120、120の正面側には、十分な差幅hが設けられており、潤滑油が流入し易くなっている。
このアンギュラコンタクト玉軸受120のように、玉が外輪と内輪の各軌道面と2点接触する場合、カウンタ部が外輪と内輪のそれぞれに形成された構成が好ましいが、使用条件等に応じて、外輪と内輪のいずれか一方側にのみカウンタ部が形成された構成にすることもできる。この構成の場合でも、潤滑油が一方側のカウンタ部から玉の転動に巻き込まれて他方側の接触点まで運ばれ易くなるため、他方側の接触点の潤滑環境が向上する。
なお、カウンタ部7は、外輪1の軸受中心線C上に上記境界f1が位置すると共に、境界f1における内径が玉6の外接円径よりも大きくなるように構成することもできる。
また、このアンギュラコンタクト玉軸受120においては、外輪1と保持器5と玉6をアセンブリとし、内輪3を分離形に設けることもできる。このように、外輪1と内輪3のいずれか一方を分離形にすれば、狭い設置空間においても軸受の取付作業が容易になるという利点がある。
なお、軸受中心線Cに近い側の接触角θを15〜25°、軸受中心線から離れた側の接触角θを40〜50°とした構成を採用することができる。
本発明者らは、玉6と軌道面2との弾性接触変形を弾性接触理論に基づいて計算した。各接触角θ、θの違いによるラジアル剛性とアキシアル剛性を定量的に調査した。計算対象としたアンギュラ玉軸受のサイズは、外径380mm、内径290mm、幅40mmとした。上記計算結果より、ラジアル変位は接触角θを小さくするほど少なくなり、25°以上で十分なラジアル剛性を確保できることが分かった。また、アキシアル変位は接触角θを大きくするほど少なくなり、40°以上で十分なアキシアル剛性を確保できることが分かった。これらの計算結果に基づいて、接触角θの範囲は15〜25°、接触角θの範囲は40〜50°にすることが好適であると分かった。なお、接触角θの下限値を15°としたのは、玉がカウンタ部へ乗り上げる恐れをなくすためであり、接触角θの上限値を50°としたのは、玉6が肩部8へ乗り上げる恐れをなくすためである。
前記接触角θ、θ間の広がり角θ(=θ−θ)を20°以上とすることにより、玉6が軌道面2と接触する2点間での弾性接触変形領域の重なり合いを防止して、玉6を2点接触させることによる剛性向上効果を十分に確保することができる。
前記玉6を軌道面2、4の両方と2点で接触させることにより、ラジアル剛性とアキシアル剛性をよりバランスよく確保することができる。
また、前記玉6が2点で接触する軌道面2、4を、円錐角が異なる2つの円錐面で形成し、前記玉6をこれらの2つの円錐面と1点ずつで接触させる構成を採用することもできる。
すなわち、軌道面2、4を、円錐角が異なる2つの円錐面で形成し、玉6をこれらの2つの円錐面と1点ずつで接触させることにより、玉6が2点接触する軌道面を、周方向にのみ曲率を有する加工が容易な円錐面のみで形成することができる。したがって、形状精度が安定し易くなり、製造コストも安価になる。なお、軌道面2、4の一方のみを円錐面から形成してもよい。
また、前記玉6が接触する軌道面2のうち、2つの接触点a、bの間に位置する部分に、周方向へ延びる油溝を形成した構成を採用することもできる。
すなわち、各接触点での弾性接触変形により2つの接触点a、bの間の内側領域は、ほとんど隙間がなくなる。上記油溝を形成することにより、2つの接触点a、bの間の内側領域に潤滑油を効率よく供給できる。
なお、前記油溝は、前記2つの接触点a、b間の中央に形成することが好ましい。油溝が各接触点での弾性接触変形領域内に入らないようにして、玉6と溝縁部の間にエッジ応力が発生するのを防止することができる。
前記2つの接触点a、bの接触角間の広がり角θを25°以上とすることによっても、油溝が各接触点a、bでの弾性接触変形領域内に入らないようにして、玉6と溝縁部の間にエッジ応力が発生するのを防止することができる。
次に、この発明の第2実施形態を説明する。なお、以下、上記第1実施形態と同一に考えられる構成の説明を省略する。図5、図6に示した第2実施形態に係るアンギュラコンタクト玉軸受は、基本的には前記の第1実施形態の場合と同様であるが、内輪3の軌道面4は全体として円弧面に形成され玉6の接触点eが1点のみである点において相違する。接触点eの位置は、外輪の各接触点a、bの接触角θ1、θ2の差の二分の1(θ/2)の線上に定められる。外輪1においては前述の場合と同様に2点で接触するため、この場合は3点接触型のアンギュラコンタクト玉軸受となる。この構造では、内輪3側においては軸受剛性の増大は図れないが、外輪1においては前述の場合と同様に軸受剛性の増大を図ることができる。
なお、このアンギュラコンタクト玉軸受においては、上記とは逆に外輪1の軌道面2における接触点を1点とし、内輪3の軌道面4における接触点を2点とすることもできる。
次に、この発明の第3実施形態を説明する。図7に示した第3実施形態に係るアンギュラコンタクト玉軸受は、内輪14が複列の一体形に設けられ、外輪1が分離形に設けられた正面組合せ軸受とされている。
1つの軌道面2、軌道面4、外輪1、保持器5および1セットの玉6で構成される第1配列部15および第2配列部16は、同一の呼び接触角を有する。呼び接触角は、軌道面2、4がそれぞれ衝合点9、13と玉中心Oを結ぶ線に関し対称なので、(θ1−θ2)/2の算出式により定めることができる。
第1配列部15および第2配列部16において、玉6は、軌道面2、4のそれぞれに2点で接触し、上記θ1、θ3が15°、上記θ2、θ4が45°に設定されている。すなわち、第1配列部15および第2配列部16では、呼び接触角が30°となっており、これにより呼び作用線が決まる。ここで、第3実施形態に係るアンギュラコンタクト玉軸受は、正面組合せなので、第1配列部15および第2配列部16の呼び作用線は、互いに軸受内側で交わるように設けられる。
なお、潤滑油は、外輪1、1間の空間に供給されると、各カウンタ部7側から第1配列部15、第2配列部16に流入する。これは保持器5が椀形のためであり、保持器やハウジングの構成、使用環境に応じて他の循環経路や潤滑方法を採用することが可能である。
次に、この発明の第4実施形態を説明する。図8に示した第4実施形態に係るアンギュラコンタクト玉軸受は、外輪17が複列の一体形に設けられ、内輪18、19が分離形に設けられた背面組合せ軸受とされている。
第1配列部20および第2配列部21は、玉仕様、軸受サイズ、接触状態、呼び接触角が相異なる構成とされている。これにより、アンギュラコンタクト玉軸受は、アキシャル方向の両方向間で大きな負荷差がある場合などにおいても、第1配列部20および第2配列部21の負担の均等化を図ることが可能になり、軸受剛性や軸受寿命などを調整することができる。
ここで、玉仕様は、上記の通りであり、軸受サイズは、軸受外径、軸受内径、軸受幅、カウンタ部の外径または内径軌道面の曲率半径などである。接触状態は、一方および他方の軌道面における接触点数、両軌道面の接触点数の合計である総接触点数などである。
具体的には、第1配列部20を構成する玉22の玉直径、玉数が第2配列部21を構成する玉23よりも増大されている。この玉仕様の相異に伴い、外輪17、内輪18、19の軸受サイズが適宜変更されている。
また、第1配列部20の接触状態は、軌道面24、25のそれぞれの接触点数が2点、総接触点数が4点となっている。第2配列部21の接触状態は、外輪17の軌道面26の接触点数が1点、内輪19の軌道面27の接触点数が2点、総接触点数が3点となっている。これは、第2配列部21の部分の外輪肉厚により変形が十分に抑制されるためである。
第1配列部20は、上記θ1、θ3が40°、上記θ2、θ4が60°に設定されており、呼び接触角が50°となっている。第2配列部21は、上記θ1が30°、上記θ2が60°に設定されており、呼び接触角が45°となっている。
なお、潤滑油は、第1配列部20のカウンタ部28側から流入し、第2配列部21を通過してカウンタ部29側から流出するように供給される。
次に、この発明の第5実施形態を説明する。図9に示した第5実施形態に係るアンギュラコンタクト玉軸受は、外輪30が分離形に設けられた背面組合せ軸受とされている。
カウンタ部31は、潤滑油の流入がより円滑になるように、テーパ面のように広がりをもった形状に形成されている。内輪32は、両肩付とされている。外輪30の軌道面33、内輪32の軌道面34における接触点数が2点、総接触点数が4点となっている。
上記各実施形態に係るアンギュラコンタクト玉軸受の各構成は、本開示の態様に限定されるものではなく、各構成に求められる作用を奏する限り、適宜に変更することができる。また、各実施形態に係るアンギュラコンタクト玉軸受の各構成は、各実施形態間において適宜に組み合わせて採用することができる。
第1実施形態の走行減速機の全体構成を示す縦断面図 図1のアンギュラコンタクト玉軸受の拡大図 (a)図2の外輪の一部拡大縦断面図、(b)図2の内輪の一部拡大断面図 (a)図2の外輪を抜き出す様子を示す作用説明図、(b)図2の保持器とボールと軸受中心との関係を示す部分断面図 第2実施形態のアンギュラコンタクト玉軸受の拡大縦断面図 (a)図5の外輪の一部拡大図、(b)図5の内輪の一部拡大図 第3実施形態のアンギュラコンタクト玉軸受の縦断面図 第4実施形態のアンギュラコンタクト玉軸受の縦断面図 第5実施形態のアンギュラコンタクト玉軸受の縦断面図
符号の説明
1 外輪
2、4 軌道面
3 内輪
5 保持器
6 玉
7、11 カウンタ部
8、12 肩部
9、13 衝合点
100 スプロケット
101 回転ドラム
102 スプロケットホイル
110 ハウジング
120 アンギュラコンタクト玉軸受

Claims (2)

  1. スプロケットと、走行体側に固定する軸受ハウジングと、前記スプロケットの内周と前記ハウジングの外周との間に組み込むアンギュラコンタクト玉軸受とを備えた建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置において、
    前記アンギュラコンタクト玉軸受は、外輪と内輪のいずれか一方の軌道面に玉が2点で接触し、他方の軌道面に前記玉が少なくとも1点で接触し、前記一方の軌道面上の接触点が軸受中心線を境界としてアキシャル方向の一方側に片寄って位置し、前記他方の軌道面上の接触点が前記の一方側と反対側に片寄って位置するものであり、前記外輪と前記内輪のうち、少なくとも前記一方の軌道面側のものが、その接触点とアキシャル方向の反対側にカウンタ部が形成されると共に、前記一方の軌道面と前記玉が2点接触する状態でその軸受中心線上の部分と前記玉の間に隙間が生じるように設けられていることを特徴とする建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置。
  2. 油圧ショベル又はブルドーザ用走行減速機のスプロケットを前記アンギュラコンタクト玉軸受で支持させた請求項1に記載の建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置。
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