JP6320700B2 - 金属−炭素繊維複合体及びその製造方法、並びに炭素繊維及びその製造方法 - Google Patents

金属−炭素繊維複合体及びその製造方法、並びに炭素繊維及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、金属−炭素繊維複合体及び該金属−炭素繊維複合体の製造方法、並びに炭素繊維及び該炭素繊維の製造方法に関する。
従来、各種ガスの吸蔵材料、二次電池の電極材料、電気二重層キャパシタ材料、触媒の坦持材料等の分野に応用する目的で、炭素材料に関する様々な研究がなされている。
例えば、下記特許文献1では、触媒と反応温度の適正化を図ることにより得られた、高比表面積をもつ炭素ナノ繊維が開示されている。そして、この炭素ナノ繊維は、高性能触媒調製用担体や電気二重層キャパシタへの使用が期待される旨が記載されている。
また、下記特許文献2では、CVD法により、基材となる触媒表面からカーボンナノチューブを成長させる方法が記載されている。
特開2006−241651号公報 US2005/0112409A1
しかしながら、特許文献1の炭素ナノ繊維や特許文献2のカーボンナノチューブは、メソ孔又はマクロ孔を炭素繊維自体が持たず、また、炭素ナノ繊維と引出電極への接続が必要あるため、電気二重層キャパシタ等の二次電池の電極材料等への応用が困難であった。
本発明の目的は、炭素繊維自体に複数の細孔が存在しており、二次電池の電極材料、導電性ペースト又は電気二重層キャパシタ材料等への応用が可能である、金属−炭素繊維複合体を提供することにある。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体は、マトリックスとなる触媒活性のない第1の金属と、上記第1の金属の表面と内部のうち少なくとも一方に分散されている、触媒活性のある2種以上の第2の金属からなるナノ微粒子とを含む金属複合体と、上記ナノ微粒子から延びている複数の細孔を有する炭素繊維とを備える。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体のある特定の局面では、上記第1の金属が、周期表第8族〜第10族の遷移金属以外の金属である。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体の他の特定の局面では、上記第2の金属は、周期表第8族〜第10族に属する少なくとも1種の遷移金属である。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体では、好ましくは、上記第1の金属が、銅である。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体では、好ましくは、上記第2の金属が、鉄、コバルト、ニッケル又はパラジウムから成る群から選択された2種以上の金属からなる。
上記第2の金属は、鉄、コバルト、ニッケル又はパラジウムからなる群から選択された2種以上の金属からなることがより好ましく、鉄とコバルトであることが、さらに好ましい。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体では、好ましくは、上記第2の金属が、上記金属中に、0.3〜18重量%の割合で含有されている。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体では、好ましくは、上記細孔が、メソ孔又はマクロ孔を含んでいる。上記メソ孔又はマクロ孔の孔径は、10nm〜200nmであることがより好ましい。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体では、好ましくは、上記細孔が、上記炭素繊維の側面と横断面の双方に存在している。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体の製造方法では、上記第1の金属と、上記第1の金属の表面と内部のうち少なくとも一方に分散している上記第2の金属のナノ微粒子とを含む、金属複合体を準備する工程と、上記ナノ微粒子に加熱下で炭素源を接触させる工程とを備える。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体の製造方法では、上記金属複合体を準備する工程が、上記第1の金属と上記第2の金属に熱処理を施すことにより行われる。
本発明に係る複数の細孔を有する炭素繊維の製造方法では、金属−炭素繊維複合体から、酸やアルカリにより金属複合体を除去する方法や炭素繊維を粉砕処理などで切断した後に分級する方法により、金属複合体を単離する工程を備える。
本発明に係る複数の細孔を有する炭素繊維は、金属−炭素繊維複合体から、酸やアルカリにより金属複合体を除去する方法や炭素繊維を粉砕処理などで切断した後に分級する方法により、金属複合体を単離することにより得られた炭素繊維である。
本発明によれば、炭素繊維自体に複数の細孔が存在している、金属−炭素繊維複合体が得られる。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体の製造方法によれば、炭素繊維に複数の細孔が存在している、金属−炭素繊維複合体を提供することが可能となる。
熱処理工程と炭素源を接触させる工程の温度プロファイルの一例を示す図である。 金属複合体中に析出したナノ微粒子(鉄、コバルト)の透過顕微鏡写真を示す図である、 実施例1において得られた金属−炭素繊維複合材料の電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例1において得られた金属−炭素繊維複合材料の拡大図の電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例2において得られた金属−炭素繊維複合材料の電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例3において得られた金属−炭素繊維複合材料の電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例4において得られた金属−炭素繊維複合材料の電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例5において得られた金属−炭素繊維複合材料の電子顕微鏡写真を示す図である。 比較例1において得られた金属−炭素繊維複合材料の電子顕微鏡写真を示す図である。 比較例2において得られた金属−炭素繊維複合材料の電子顕微鏡写真を示す図である。 比較例3において得られた金属−炭素繊維複合材料の電子顕微鏡写真を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(金属−炭素繊維複合体)
本発明に係る金属−炭素繊維複合体は、金属と、該金属の表面から延びている、複数の炭素繊維とを備える。上記金属の形状としては、特に限定されず、例えば、粉体状、箔状又は線状のものを用いることができる。粉体状である場合、その数平均粒子径は、好ましくは、0.5〜45μmである。上記金属は、マトリックスとなる触媒活性のない第1の金属と、触媒活性のある2種以上の第2の金属とを含む、金属複合体である。上記第2の金属は、上記第1の金属の表面と内部のうち少なくとも一方に分散されているナノ微粒子である。上記ナノ微粒子は、上記第1の金属の表面と内部の双方、又は表面のみに分散されていることが望ましい。この上記ナノ微粒子は触媒として作用し、上記炭素繊維は、上記ナノ微粒子から延びている構造をとることができる。
上記第1の金属としては、例えば、銅、ニオブ、タンタル、アルミニウム、銀、クロム、モリブデン、マンガン、マグネシウム、タングステン、金又はチタンを用いることができる。そして、銅又は銀を用いることが好ましく、銅を用いることがより好ましい。
上記第2の金属としては、特に限定されないが、触媒種となる周期表第8族〜第10族の遷移金属を好適に用いることができる。上記周期表第8族〜第10族の遷移金属としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト又はパラジウムが挙げられ、鉄又はコバルトであることが好ましい。鉄とコバルトを組み合わせて用いることが好ましい。
上記金属複合体全体に対する、上記第2金属の総含有量は、0.03〜18重量%であることが好ましく、0.1〜12重量%であることがより好ましい。さらに好ましくは0.3〜8重量%である。含有率が上記範囲にある場合、簡易な熱処理によりナノ微粒子が析出し易いため好適である。
本発明において、より多くの上記ナノ微粒子を表面に分散させるために、上記金属複合体の表面をエッチングしてもよい。金属複合体表面における、ナノ微粒子の占める面積は、3〜50%であることが好ましい。この面積が小さすぎると触媒反応が弱く、大きすぎるとナノ微粒子同士が接触し粗大化してしまうことがある。
上記金属複合体を形成する上記第1の金属と上記第2の金属の組み合わせとしては、特に限定されないが、上記第1の金属に銅を用い、上記第2の金属に鉄又はコバルトを用いることが好ましい。銅マトリックス中に鉄とコバルトを組み合わせて使用した場合、熱処理などにより、鉄とコバルトは混ざった状態で、ナノ微粒子としてマトリックス中に自己組織化的に析出するためである。
上記金属複合体の構成成分として、第3の金属を含有してもよい。このような成分としては、例えば、ケイ素、リン、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、ニオブ、バナジウム、亜鉛又はすずを挙げることができる。上記第3の金属は、上記第2の金属と混合してナノ微粒子を形成することができ、ナノ微粒子の触媒能をより一層高めたり、細孔の発生をより高めることができる。上記第3の金属は、第2の金属と同程度の割合で含まれていることが好ましい。
上記炭素繊維は、上記金属複合体の表面から延びている。上記炭素繊維としては、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンフィラメント、カーボンナノフィラメント、カーボンナノコイル、を用いる事ができる。上記炭素繊維の横断面の形状は、特に限定されず、円形、角形のような形状のものが挙げられ、角形であることが好ましい。上記、炭素繊維は、単一の繊維であってもよく、複数の繊維からなる繊維束であってもよい。上記単一の繊維の繊維径は、5〜100nmであることが好ましい。また、上記繊維束の繊維径は、20〜2000nmであることが好ましい。
本発明の金属−炭素繊維複合体では、上記炭素繊維に複数の細孔が存在している。上記細孔が存在していることにより、比表面積が大きくでき有用である。
上記細孔としては、特に限定されないが、直径2nm以下のマイクロ孔(ミクロ孔)、直径2nm〜50nmのメソ孔、直径50nm以上のマクロ孔を用いることができる。なかでも、メソ孔又はマクロ孔であることが好ましい。上記メソ孔又はマクロ孔は、細孔全体の50%以上の割合で含まれていることが好ましい。また、上記細孔の孔径は、10〜200nmであることが好ましい。上記範囲にある場合、二次電池の電解質が付着しやすく好適に用いることができる。また、上記細孔は、繊維の横断面だけでなく、側面にも存在していることが好ましい。側面にも細孔が存在していることにより、より一層比表面積を大きくすることができる。
本発明に係る金属−炭素繊維複合体には、上述したように、炭素繊維に複数の細孔が存在している。従って、比表面積が大きく、特定のサイズの分子が接着、吸着し易いという特徴を有する。よって、各種ガスの吸蔵材料、二次電池の電極材料、導電性ペースト、電気二重層キャパシタ材料、電線、熱伝導シート、熱伝導チューブ、熱伝導性コンポジット等の素材又は触媒の坦持材料など、広範な分野で好適に使用することができる。例えば、上記金属−炭素繊維複合体の金属複合体の上記第1の金属として線状、箔状の銅を用いれば、メソ孔炭素繊維よりなる電極と、該電極から配線された上記銅を引き出し電極とする電極材料を作製することができる。上記電極材料は、内部抵抗を小さくできるため、有用である。また、本発明の金属−炭素繊維複合体は、耐摩耗性に優れ、かつ高い導電性を有するので、カーボンブラシ等の接点材料や粉末冶金用材料として用いることができる。
(金属−炭素繊維複合体の製造方法)
本発明に係る金属−炭素繊維複合体の製造方法では、まず、マトリックスとなる第1の金属と、上記第1の金属の表面と内部のうち少なくとも一方に分散している、触媒活性のある2種以上の第2の金属のナノ微粒子とを含む、金属複合体を準備する工程1と、上記ナノ微粒子に加熱下で炭素源を接触させる化学気相成長法(CVD法)により、上記金属−炭素繊維複合体を生成する工程2とを備える。
上記金属複合体を準備する工程1の一例としては、まず、溶融や溶体化処理により、上記第2の金属を上記第1の金属中に固溶させる。次に、触媒種である上記第2の金属を自己組織化させ、ナノ微粒子を得る。上記自己組織化は、熱処理によって行うことができる。そして、上記熱処理の温度としては、特に限定されないが300℃〜1050℃であることが好ましい。
上記ナノ微粒子を得るための上記熱処理は、工程2の炭素源に上記ナノ微粒子を接触する直前に行ってもよく、別の工程で行っても良い。また、上記金属が粉体状の場合は、工程2の前半に行ってもよい。また、この方法においては、冷却速度を制御することにより、ナノ微粒子の大きさを調整することができる。
工程1の他の例としては、第1の金属及び第2の金属を溶体化処理した後、熱処理によりナノ粒子を析出させる方法が挙げられる。また、金属体が粉体である場合は、例えば、第1の金属及び第2の金属を溶解し、得られた液体を噴霧する、アトマイズ法により作製してもよい。アトマイズ法としては、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法又は遠心力アトマイズ法などが挙げられる。上記溶体化処理又は上記アトマイズ処理を施された金属体は、その後、酸化防止雰囲気中で300℃〜700℃、数分〜数百時間の熱処理をする事により、ナノ微粒子を析出し、第1の金属中に分散することができる。なお、ナノ粒子の大きさ及び密度は、第2の金属の含有量や熱処理条件(温度、時間)等で制御できる。
得られた金属複合体の表面により多くのナノ粒子が表出するように、得られた金属複合体の表面をエッチングしてもよい。エッチングは、例えば、ナイタール液、又は酢酸アンモニウム−メタノール溶液等で金属複合体の表面を処理することによって実施できる。
工程2では、上記ナノ微粒子に加熱下で炭素源を接触させるCVD法により、上記金属−炭素繊維複合体を生成する。工程2は、反応容器内で行うことができる。上記反応容器としては、上記細孔を有する炭素繊維が得られる限り、特に限定されない。回転型、縦型、流動層型又は自由落下型の反応容器を適宜用いることができる。
工程2の操作は、例えば、触媒化学気相成長法(Cat−CVD法)によって、実施することができる。詳細には、上記金属複合体の所定量を反応管に充填した後、所定温度まで加熱し、炭素繊維の原料である炭素源を、上記ナノ微粒子の表面上に供給することにより行う。上記加熱の温度としては、300℃〜900℃であることが好ましく、400℃〜800℃であることがより好ましい。450℃〜750℃であることがさらに好ましい。上記炭素源は、単独で触媒上に供給してもよく、キャリアガスとともに触媒上に供給してもよい。このようなキャリアガスとしては、例えば、不活性ガス、還元性ガスを用いることができるし、上記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いることもでき、特に限定されないが、酸素以外を用いることが好ましい。より好ましくは、窒素、アルゴン、水素、ヘリウムを用いることができる。これらのガスは、炭素含有化合物の線速及び濃度のコントロールができる。なお、酸素ガスについては、爆発範囲外であれば使用してもよい。また、単独で触媒上に供給する場合は、真空ポンプなどによる減圧下で行うことができる。
上記炭素源である炭素含有化合物としては、特に限定されないが、炭素数1〜30の化合物を用いることができ、炭素数1〜7であることが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜4であり、更に好ましくは炭素数1又は2の化合物が用いられる。また、炭化水素は芳香族であっても、非芳香族であってもよい。加えて、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類等の酸素含有炭素化合物を用いることもできる。これらの炭素含有化合物としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トリオキサン、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、酢酸エチル、一酸化炭素またはこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパンおよびプロピレンから選ばれた炭素化合物が、純度の高いカーボンナノチューブを得られる点で好ましい。そして、これらは常温、常圧中で気体であるため、ガスとして供給量を規定して反応に供することができる。一方、他の炭素含有化合物は、常圧で反応を行う場合、気化などの工程を追加する必要がある。
上記工程1及び上記工程2の一例としてのヒートプロファイルを図1に示す。ここで、図中1−A及び1−Bの工程は、上記工程1であり、図中1−Cの工程は上記工程2を示す。図中、斜線部分では、エチレンガス雰囲気下において、その他の部分については、窒素ガス雰囲気下で処理を行っている。
図1における、1−Aの工程において、300℃〜400℃で銅粉をエチレンガスに接触させる(凝集防止工程)。次に、図中、1−Bの工程で、不活性ガス中で400℃〜650℃に保持し銅粉中及び銅粉表面にナノ触媒を析出させる(触媒析出工程)。そして、図中、1−Cの工程で、ナノ微粒子から炭素同素体が生成する(炭素生成工程)。
本製造方法により得られた、金属−炭素繊維複合体は、そのまま使用することが好ましいが、使用形態によっては、金属−炭素繊維複合体から、金属複合体を単離して用いても構わない。例えば、金属−炭素繊維複合体から、酸やアルカリにより金属複合体を除去することができる。また、箔状、線状の金属複合体から延びている炭素繊維は、掻き取る事により分離することができる。粉体状の金属複合体から延びている炭素繊維は、粉砕処理後に風力分級、沈降法による分級、磁界による分離が可能である。
次に、具体的な実施例につき説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5及び比較例1〜3)
(金属複合体の作製)
表1の組成の金属複合体の溶解物から、水アトマイズ法、又はガスアトマイズ法により、Cu−Fe−Co及びCu−Co等の各金属微粒子(粉体)を製造した。
(CVD法による金属−炭素繊維複合体の作製)
4gの上記金属複合体粉を、内径26mm長さ70mmの石英セル中に投入し、内径32mm、長さ700mmのロータリー円筒形石英管を用いた、銅炭素複合CVD反応器(ロータリーキルン)により、表1の条件で金属複合体上に炭素繊維を生成し、表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜3の金属−炭素繊維複合体を作製した。
なお、図2は、銅マトリックス中に鉄とコバルトよりなるナノ微粒子が析出したナノ微粒子の透過顕微鏡写真を示す図である。このナノ微粒子はEDS元素像により鉄及びコバルトで構成されている事が確認出来ている。
(金属−炭素繊維複合体の評価)
1)SEMによる観察
実施例1〜5及び比較例1〜3の金属−炭素繊維複合体をFE−SEMによって観察した。結果を、図3〜図11及び表2に示す。実施例1〜5においては、細孔を側面に持つ炭素繊維が生成していることを観察できた。
一方、第2の金属に鉄又はコバルトを使用していない比較例1、3においては、炭素繊維の側面に細孔は観察されなかった。比較例2においては太い繊維(500nm)の先に細い繊維(10〜50nm)が観察された。
2)比表面積測定
本発明のメソ孔性炭素繊維の比表面積や、メソ孔及びマクロ孔の測定方法は、多孔質材料の同定法として使用される、N(メソ〜マクロ孔の場合)を用いたガス吸着法による細孔分布測定法を用いる。本発明の比表面積測定と細孔分布測定は、島津製作所株式会社製の定容量式ガス吸着法測定装置BELSORP−miniを用いた。対象試料の前処理としては、80℃、2時間脱ガス処理を行った。吸着ガスとしてNを使用した。比表面積は、BET法で算出される。メソ孔〜マクロ孔測定の場合、液体N温度-196℃で相対圧約0.01〜0.99までの等温吸着測定を実施した。メソ孔〜マクロ孔の場合、同装置のDH解析法にて約20〜2000Åの範囲のメソ孔〜マクロ孔の細孔分布を算出した。ピーク微分細孔容積とは上記解析ソフトにて導出されるメソ孔〜マクロ孔の細孔分布のピークまたはショルダー中心値の細孔容量値のことを指す。メソ孔〜マクロ孔の細孔分布におけるピーク径とは、横軸を対数表示したその細孔分布に現れるピークやショルダー状のピーク系及びショルダーの中心値を意味する。
表中にはピークの細孔サイズを記した。また2山分布になっている物は2点記入した。
結果を、表2に示す。
実施例1〜5において、比表面積が比較例1〜3よりも大きくなっていることを確認した。特に、実施例1においては、1−Bの工程が長時間で有るため比表面積が大きくなった事が考えられる。また、比較例1〜3も平均細孔径及び細孔サイズは測定されるが、これは複数の繊維の間の空間が細孔として測定された物が主であり、本発明の細孔とは異なる。

Claims (8)

  1. マトリックスとなる銅と、前記銅の内部に分散されている、鉄及びコバルトを含む2種以上の金属からなるナノ微粒子とを含む金属複合体と、
    前記ナノ微粒子から延びている複数の細孔を有する炭素繊維とを備える、金属−炭素繊維複合体。
  2. 前記金属複合体中に、前記鉄及びコバルトを含む2種以上の金属が、0.3〜18重量%の割合で含有されている、請求項1に記載の金属−炭素繊維複合体。
  3. 前記細孔が、メソ孔又はマクロ孔を含む、請求項1又は2に記載の金属−炭素繊維複合体。
  4. 前記メソ孔又はマクロ孔の孔径が、10nm〜200nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属−炭素繊維複合体。
  5. 前記細孔が、前記炭素繊維の側面と横断面の双方に存在している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属−炭素繊維複合体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属−炭素繊維複合体の製造方法であって、
    前記銅と、前記銅の内部に分散している前記鉄及びコバルトを含む2種以上の金属のナノ微粒子とを含む、金属複合体を準備する工程と、
    前記ナノ微粒子に加熱下で炭素源を接触させる工程とを備える、金属−炭素繊維複合体の製造方法。
  7. 前記金属複合体を準備する工程が、前記銅と前記鉄及びコバルトを含む2種以上の金属に熱処理を施すことにより行われる、請求項6に記載の金属−炭素繊維複合体の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属−炭素繊維複合体から、酸やアルカリにより金属複合体を除去する方法、又は炭素繊維を切断した後に分級する方法により、金属複合体を単離する工程を備える、複数の細孔を有する炭素繊維の製造方法。
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