以下に添付図面を参照して、情報提供装置、伝送システムおよびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る伝送システムの構成の一例を示す図である。まずは図1を用いて、本実施の形態の概略を説明する。なお、本実施の形態では、距離的に離れた場所間で遠隔会議を行うことが可能な伝送システムについて説明する。
伝送システムには、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理システム、及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の情報提供装置、伝送システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム又は伝送システムにも適用される。
図1に示す伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa、10ab、10ba、10bb、10ca、10cb、10da、10db)、各伝送端末用のディスプレイ(130aa、130ab、130ba、130bb、130ca、130cb、130da、130db)、伝送端末と協働し情報の提供を行う情報提供装置(30a、30b、30c、30d)、中継装置(40a、40b、40c、40d)、画像形成装置としての複合機80、及び伝送管理システム50、ルータ(60a、60b、60ab、60c、60d、60cd)及びプログラム提供システム70を有している。
本実施形態では、伝送端末(10aa、10ab…)のうち任意の伝送端末を示す場合には「伝送端末10」を用い、ディスプレイ(130aa、130ab…)のうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ130」を用い、情報提供装置のうち任意の情報提供装置を示す場合には「情報提供装置30」を用い、中継装置(40a、40b、40c、40d)のうち任意の中継装置を示す場合には「中継装置40」を用い、ルータ(60a、60b、60c…)のうち任意のルータを示す場合には「ルータ60」を用いて表記する。なお、各端末や装置の個数は、図1の例に限定されないものとする。
伝送端末10は、他の伝送端末10との間で通話を行うために、画像データ(後述する撮像データ、表示データ)や音データ等の会議情報の送受信を行う。即ち、本実施形態における通話には、音データの送受信だけでなく、画像データの送受信も含まれる。
ここで、会議情報とは、伝送端末10を用いて行われる通話(遠隔会議)の場において、当該会議の参加者に提示される物(例えば商品見本)、参加者の人物像、配布される書類、及び配布はされないがプロジェクター等の表示装置によって伝送端末10のディスプレイ130以外に表示される資料画像等が含まれる。このように会議情報とは、直接対面して行うとした場合の会議の場において参加者が把握できる情報を意味する。なお、会議情報は、画像データ及び音データの両方であってもよいし、少なくともこれらの一つであればよい。例えば、画像データだけの場合には出席者の音声を画像中に字幕として表してもよい。なお、本実施形態では、画像データの画像が動画の場合について説明するが、静止画であってもよいし、動画と静止画の両方が含まれてもよい。
情報提供装置30は、例えば、携帯することが可能な携帯電話機、ノートPC(Personal Computer)、スマートフォン等の携帯型デバイスである。情報提供装置30は、通信可能な距離の異なる二種類の通信方法を用いて伝送端末10および複合機80と通信し、当該情報提供装置30が備える後述するディスプレイ306に表示された画面を表す表示データを伝送端末10に送信(提供)する。ここで、画面表示は、情報提供装置30に予め導入された所定のソフトウェアプログラム(例えば、文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、プレゼンテーション用ソフトウェア等)を、情報提供装置30で実行することによって行われる。なお、画面とは、情報提供装置30の後述するディスプレイ306に表示された静止画や動画のデータを意味する。また、図1では、各拠点(事業所)に一つの情報提供装置30を設けているが、情報提供装置30の利用者(所持者)が移動することで、何れの拠点の伝送端末10とも接続させることが可能であるとする。
複合機80(MFP:Multi Functional Periperal、以下、単に「MFP80」という場合もある。)は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、ドキュメントボックス機能を備えている。なお、本実施の形態の複合機80は、スキャナ機能、プリンタ機能を備えていれば他の機能を有さない複合機であってもよく、また、スキャナ装置であってもよい。
本実施の形態では、ユーザは、情報提供装置30を複合機80に近接させて、情報提供装置30から複合機80にスキャン対象の文書のスキャン指示を行って、複合機80にスキャン対象の文書をスキャンさせる。そして、情報提供装置30は、複合機80からスキャンした文書のデータを受信し、受信したデータを、情報提供装置30の所定の保管場所に保存し、データのファイル名と保管場所とを対応付けて情報提供装置30内のファイル管理テーブルに登録する。そして、ユーザは、情報提供装置30を伝送端末10に近接させて、共有対象のデータを情報提供装置30内の保管場所から選択して、伝送端末10に送信する。伝送端末10は、当該データを、電子会議で共有する。
中継装置40は、伝送端末10間の通信を中継する中継装置である。具体的に、中継装置40は、伝送端末10を用いて行われる通話(遠隔会議)において、複数の伝送端末10の間で送受信される会議情報を各伝送端末10に中継する。また、中継装置40は、伝送端末10の通話相手となる他の伝送端末10との間で撮像データ等の会議情報の受信に遅延が生じた場合に、画像データの解像度を変更して情報量を低減してから、相手先の伝送端末10へ画像データを送信する。これにより遅延を解消し会議と会議情報通信の同時性を確保する。なお、遅延量に応じた解像度の変更方法については、公知の技術を用いることが可能である。
伝送管理システム50は、伝送端末10及び中継装置40を一元的に管理する。具体的に、伝送管理システム50は、伝送端末10及び中継装置40の通信状況を一元的に管理する。例えば、伝送管理システム50は、伝送端末10及び中継装置40と遣り取りを行い、伝送端末10の伝送システム1への登録管理、伝送端末10の端末ID及びIPアドレスの管理、使用についての課金管理、各伝送端末10が通信可能な他の伝送端末10の通知、各伝送端末10の使用状況の把握等を行う。そして、伝送管理システム50は、必要に応じて各伝送端末10の状況(未接続、ログイン中、会議中など)を他の各伝送端末10に通知する。
ルータ60は、ネットワーク間を相互接続するルータ装置であって、会議情報(画像データ及び音データ)の送受信に最適な経路の選択を行う。
プログラム提供システム70は、伝送端末10に各種機能を実現させる又は伝送端末10を各種手段として機能させるための伝送端末用プログラムが記憶された、図示しないHD(Hard Disk)を備えており、伝送端末10に伝送端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム70のHDには、情報提供装置30に各種機能を実現させる又は情報提供装置30を各種手段として機能させるための情報提供装置用プログラムも記憶されており、情報提供装置30に、情報提供装置用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム70のHDには、中継装置40に各種機能を実現させる又は中継装置40を各種手段として機能させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置40に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム70のHDには、伝送管理システム50に各種機能を実現させる又は伝送管理システム50を各種手段として機能させるための通話管理用プログラムも記憶されており、伝送管理システム50に、通話管理用プログラムを送信することができる。
また、伝送端末(10aa、10ab)、中継装置40a、及びルータ60aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。伝送端末(10ba、10bb)、中継装置40b、及びルータ60bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ60abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、伝送端末(10ca、10cb)、複合機80、中継装置40c、及びルータ60cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。伝送端末(10da、10db)、中継装置40d、及びルータ60dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ60cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカであり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(60ab、60cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
複合機80は、図1に示すように、地域Bに属しているが、地域Aに属すように構成しても良い。情報提供装置30と通信可能に構成すれば、LAN2c等に接続せず、スタンドアロンで設置するように構成してもよい。
また、伝送管理システム50及びプログラム提供システム70は、インターネット2iを介して、伝送端末10及び中継装置40と通信可能に接続されている。伝送管理システム50及びプログラム提供システム70は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく無線による通信が行われる箇所があってもよい。
次に、上述した伝送端末10、情報提供装置30及び複合機80のハードウェア構成について説明する。まず、図2を参照して、伝送端末10のハードウェア構成について説明する。
図2は、伝送端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。同図に示すように、伝送端末10は、伝送端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、CPU101の制御に従ってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、メモリカード等の記録メディア106に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するメディアドライブ107、伝送端末10の宛先を選択する場合などに操作されるカーソル等の操作ボタン108、伝送端末10の電源のON/OFFを切り替えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F110を備えている。
また、伝送端末10は、情報提供装置30と各種データを送受信するための通信インタフェースとして、第1通信I/F111と第2通信I/F112とを備えている。ここで、第1通信I/F111は、NFC(Near Field Communication)と呼ばれる非接触IC用無線通信規格に準拠した通信インタフェースであり、第2通信I/F112は、Bluetooth(登録商標)通信規格に準拠した通信インタフェースである。
また、伝送端末10は、会議の当事者等の映像を撮影し映像データを出力するカメラ113、カメラ113の駆動を制御し当該カメラ113で撮像された画像データの送受信を行うカメラI/F114を備えている。なお、カメラ113には、CPU101の制御に従って被写体を撮像し画像データを得るCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)等の撮像素子が内蔵されている。また、カメラ113は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によってカメラI/F114に接続される。
また、伝送端末10は、CPU101の制御に従って、マイク115及びスピーカ116との間で音信号の入出力を処理する音入出力I/F117を備えている。ここで、マイク115及びスピーカ116は、USBケーブル等によって音入出力I/F117に接続される。なお、マイク115で集音対象となる音は、自己の伝送端末10周辺の音(例えば、自己の伝送端末10の操作者等の音声)等であり、スピーカ116で出力対象となる音は、他の伝送端末10から送信された音(例えば、他の伝送端末10の操作者の音声等)である。
また、伝送端末10は、CPU101の制御に従って、ディスプレイ130に画像データを送信するディスプレイI/F118を有している。ディスプレイ130は、ケーブル130cによってディスプレイI/F118に接続される。このケーブル130cは、アナログRGB(VGA)信用用ケーブであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
なお、本実施形態では、ディスプレイI/F118にディスプレイ130を接続する形態としたが、これに限らず、プロジェクタ装置等の投影装置を含む映像出力機器と接続することが可能である。
また、伝送端末10は、外部機器を接続するための外部機器接続I/F119を有している。外部機器接続I/F119には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって外付けカメラ、外付けマイク及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ113に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク115や内蔵型のスピーカ116に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
更に、伝送端末10は、上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン120を備えている。
なお、記録メディア106は、伝送端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御に従ってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。また、ディスプレイ130は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。
また、伝送端末10で実行される伝送端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、伝送端末用プログラムを、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶してもよい。また、ネットワークI/F110を経由して同プログラムをプログラム提供システム70からダウンロードさせ、フラッシュメモリ104や記録メディア106に記録させるようにしてもよい。
次に、図3を参照して、情報提供装置30のハードウェア構成について説明する。図3は、情報提供装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。同図に示すように、情報提供装置30は、情報提供装置30全体の動作を制御するCPU301、CPU301の駆動に用いられる各種プログラムを記憶したROM302、CPU301のワークエリアとして使用されるRAM303、情報提供装置用プログラム等の各種データを記憶するHD(Hard Disk)304、CPU301の制御に従って、HD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)305、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種表示情報を表示する液晶や有機EL等の表示デバイスで構成されるディスプレイ306、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F307、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う操作ボタン308、タッチパネルにより各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う操作パネル309、フラッシュメモリ等の記録メディア310に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するメディアドライブ311、外部機器を接続するための外部機器接続I/F315を備えている。
また、情報提供装置30は、伝送端末10と各種データを送受信するための通信インタフェースとして、第1通信I/F312と第2通信I/F313とを備えている。ここで、第1通信I/F312は、NFC(Near Field Communication)と呼ばれる非接触IC用無線通信規格に準拠した通信インタフェースであり、第2通信I/F313は、Bluetooth(登録商標)通信規格に準拠した通信インタフェースである。
外部機器接続I/F315には、USBケーブル等によって各種外部機器が接続可能である。ここで、本実施の形態では、情報提供装置30が第1通信I/F312、第2通信I/F313により伝送端末10と接続する構成を例にあげて説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置30を、外部機器接続I/F315によりUSBケーブル等で伝送端末10と接続するように構成してもよい。
更に、情報提供装置30は、上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン314を備えている。また、記録メディア310は、情報提供装置30に対して着脱自在な構成となっている。
なお、情報提供装置30が実行する情報提供装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア310等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、情報提供装置用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。また、ネットワークI/F307を経由して同プログラムをプログラム提供システム70からダウンロードさせ、HD304や記録メディア310等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録させるようにしてもよい。
また、中継装置40、伝送管理システム50及びプログラム提供システム70は、何れもサーバ装置であって、上述した情報提供装置30と同様のコンピュータ構成を有している(図示せず)。中継装置40、伝送管理システム50及びプログラム提供システム70の各々が具備するCPUは、自己の装置が具備する記憶媒体に記憶されたプログラムや、プログラム提供システム70から提供されるプログラムを実行することにより、各装置の機能を実現している。
次に、複合機80のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施の形態にかかる複合機のハードウェア構成を示す説明図である。図4に示すように、複合機80は、コントローラ510とプリンタ部81およびスキャナ部82とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ510は、複合機80全体の制御と描画、通信、操作部520からの入力を制御するコントローラである。なお、プリンタ部81またはスキャナ部82には、2値化を行う誤差拡散や階調の補正を行うガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。操作部520は、スキャナ部82で読み取られた原稿の原稿画像情報等をLCD(Liquid Crystal Display)に表示するとともに操作者からの入力をタッチパネルを介して受け付ける操作表示部520aと、操作者からのキー入力を受け付けるキーボード部520bとを有している。
本実施の形態にかかる複合機80は、操作部520のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能を切り替えて選択することが可能となっている。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、スキャナ機能の選択時にはスキャナモードとなり、ファクシミリ機能の選択時にはファクシミリモードとなる。
コントローラ510は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)511と、システムメモリ(MEM−P)512と、ノースブリッジ(NB)513と、サウスブリッジ(SB)514と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)516と、記憶部であるローカルメモリ(MEM−C)517と、記憶部であるハードディスクドライブ(HDD)518とを有し、NB513とASIC516との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス515で接続した構成となる。また、MEM−P512は、ROM(Read Only Memory)512aと、RAM(Random Access Memory)512bとをさらに有する。
CPU511は、デジタル複合機80の全体制御を行うものであり、NB513、MEM−P512およびSB514からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB513は、CPU511とMEM−P512、SB514、AGPバス515とを接続するためのブリッジであり、MEM−P512に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P512は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM512aとRAM512bとからなる。ROM512aは、CPU511の動作を制御するプログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM512bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB514は、NB513とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB514は、PCIバスを介してNB513と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部580なども接続される。
ASIC516は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス515、PCIバス、HDD518およびMEM−C517をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC516は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC516の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C517を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、プリンタ部81やスキャナ部82との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。このASIC516には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)530、USB(Universal Serial Bus)540、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース550、第1通信I/F583、第2通信インタフェースI/F585が接続される。ここで、第1通信I/F583は、NFCに準拠した通信インタフェースであり、第2通信I/F585は、Bluetooth(登録商標)通信規格に準拠した通信インタフェースである。
MEM−C517は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD518は、画像データの蓄積、CPU511の動作を制御するプログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGPバス515は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P512に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするものである。
次に、上述した伝送端末10、情報提供装置30及び複合機80の機能構成について説明する。図5は、実施の形態1の伝送端末10、情報提供装置30及び複合機80の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、伝送端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音入力部15、音出力部16、表示制御部17、絞込部18、記憶・読出処理部19、外部情報判定部20、NFC送受信部21及びブルートゥース送受信部22を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素の何れかが、RAM103に展開された伝送端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、伝送端末10は、図2に示したSSD105によって構築される記憶部23を有している。
伝送端末10の送受信部11は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示したネットワークI/F110によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。また、送受信部11は、中継装置40を介して会議相手となる他の伝送端末10との間で通信が確立すると、この他の伝送端末10の端末IDを、記憶部23に格納された後述する管理テーブル231に登録することで、通話相手(会議相手)となった伝送端末10の端末IDを管理する。なお、伝送端末10の端末IDは、例えば、各伝送端末10に予め割り当てられたホストネームやIPアドレスであって、各伝送端末10を識別可能な識別情報である。
操作入力受付部12は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現され、伝送端末10の操作者による各種入力を受け付ける。例えば、操作者が、会議相手の伝送端末10を選択する場合に、ディスプレイ130に表示された会議相手を選択するための選択用画面(図示せず)で、会議相手が使用する伝送端末10をカーソルキーで選択し決定ボタンを押すと、その選択された伝送端末10の端末IDやIPアドレスを、会議相手として受け付ける。また、操作入力受付部12では、画面に表示される画像データの配置や大きさ(レイアウト)を変更する場合に自己の伝送端末10の操作者から操作ボタン108等を介して、その変更を指示する情報を受け付ける。
ログイン要求部13は、図2に示したCPU101からの命令によって実現され、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50に、自己の伝送端末10のログインを要求するログイン要求情報、及び自己の伝送端末10の現時点でのIPアドレスを自動的に送信する。ここで、ログイン要求情報には、端末IDが少なくとも含まれているものとし、伝送管理システム50は、各伝送端末10から送信されるログイン要求情報(端末ID)及びIPアドレスの管理を行う。なお、伝送管理システム50に対するログイン要求情報及びIPアドレスの送信は、伝送端末10の電源投入に伴い、自動的に行われるように設定されているものとする。
撮像部14は、図2に示したCPU101からの命令、図2に示したカメラ113及びカメラI/F114によって実現され、被写体である出席者などの会議室の画像を撮影し、この撮影により得られた画像データを出力する。
音入力部15は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した音入出力I/F117によって実現され、マイク115によって収集された伝送端末10近傍の音を音信号に変換し音データを生成する。音出力部16は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した音入出力I/F117によって実現され、他の伝送端末10から送信された音データ等をスピーカ116に出力することで、スピーカ116から音を出力させる。
表示制御部17は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示したディスプレイI/F118によって実現され、ディスプレイ130に対して画像データや表示データを送信し、これらのデータを表示するための制御を行う。
絞込部18は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示したネットワークI/F110によって実現され、複数の中継装置40から一つの中継装置40に絞り込む処理を行う。具体的に、絞込部18は、中継装置40に所定の送信情報を送信した時点から、当該送信情報に対する応答情報(ACK)を中継装置40から受信するまでの所要時間(msec単位)を算出し、この所要時間のうち最短時間で中継された中継装置40を、使用する中継装置40として選択することで、複数の中継装置40から一つの中継装置40を選択する。
記憶・読出処理部19は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示したSSD105によって実行され、記憶部23に各種データを記憶したり、記憶部23に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
記憶部23には、会議相手となる他の伝送端末10の端末ID(Identification)を管理するための管理テーブル231(図6参照)や、情報提供装置30の利用可否を判定するための認証情報(利用者ID及びパスワード)を格納した認証テーブル232(図7参照)が記憶されている。また、記憶部23には、自己の記憶部23が情報提供装置30にマウントされた際に、当該情報提供装置30のCPU301により実行される、表示データ取得プログラム233やデータ送信用のドライバ等が記憶されている。なお、表示データ取得プログラム233は、情報提供装置30において表示データ取得部35を実現させるためのプログラムである。
ここで、図6は、記憶部23に記憶された管理テーブル231の一例を示す図である。同図に示すように、管理テーブル231には、会議相手となる伝送端末10の端末IDが、データ番号と対応付けて登録されている。ここで、端末IDを格納する欄には、会議相手の伝送端末10の端末ID(伝送端末10aa、伝送端末10ba、伝送端末10ca)が登録される。また、データ番号は、各端末IDを管理するための管理番号であって、各端末IDの伝送端末10から配信された画像データ(撮像データ)を後述する表示領域に割り当てる際に用いられる。
また、図7は、記憶部23に記憶された認証テーブル232の一例を示す図である。同図に示すように、認証テーブル232は、利用者IDを格納する欄(利用者ID欄)とパスワードを格納する欄(パスワード欄)とから構成され、情報提供装置30の正規利用者の利用者IDとパスワードとが対応付けて格納されている。なお、情報提供装置30の正規利用者には、利用者ID及びパスワードの組からなる認証情報が予め配布されているものとする。
図5に戻り、外部情報判定部20は、図2に示したCPU101によって実現され、伝送端末10の外部にある情報提供装置30からデータの送受信があるか否かを判定する。
NFC送受信部21は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した第1通信I/F111によって実現され、NFC規格の非接触通信により情報提供装置30の後述するNFC送受信部31との間で、非接触の通信(以下、NFC通信という)を行う。
ここで、NFC送受信部21は、もう一つの通信手段である第2通信I/F112(ブルートゥース送受信部22)と比較して短い距離、具体的には通信距離が最大10cm程度の非接触無線通信により、データを送受信する。NFC送受信部21によるNFC規格の非接触通信では、そのデータ転送速度(最大424kbps)がブルートゥース送受信部22によるBluetooth(登録商標)通信規格の無線通信のデータ転送速度(最大24Mbps)よりも遅いため、比較的小容量のデータの通信に用いるものとする。なお、NFC送受信部21は、通信規格をNFCに限る必要はなく、比較的近距離、すなわち後述するBluetooth(登録商標)通信規格の無線通信の通信範囲より狭い通信範囲での無線通信が可能であれば他の通信規格の通信インタフェースを第1通信I/F111とすすることで、他の通信規格に応じた機能部を実現してもよい。
NFC送受信部21は、情報提供装置30がNFC送受信部21の通信圏内に接近した場合に、当該情報提供装置30の後述するNFC送受信部31とNFC通信を行い、このNFC送受信部31から送信される認証情報を受信するとともに、Bluetooth(登録商標)通信規格の無線通信(以下、ブルートゥース通信という)を確立するために必要な接続設定情報をNFC送受信部31に送信する。ここで、接続設定情報とは、ブルートゥース送受信部22での無線通信を行う際に必要となる情報であって、第2通信I/F112に割り当てられたBD(Bluetooth Device)アドレスやパスフレーズ等が含まれる。なお、接続設定情報は、NFC送受信部21が保持する形態としてもよいし、NFC送受信部21が第2通信I/F112から読み出す形態としてもよい。
ブルートゥース送受信部22は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した第2通信I/F112によって実現され、近距離通信手段であるBluetooth(登録商標)通信規格により情報提供装置30と無線で通信する。ブルートゥース送受信部22は、NFC規格の非接触通信方式であるNFC送受信部21と比較して大容量(最大24Mbps)でデータの送受信を行う。また、ブルートゥース送受信部22では、機器間の距離が10〜100m程度で利用することができ、NFC送受信部21の通信範囲と比較し通信範囲が拡大している。
また、ブルートゥース送受信部22は、情報提供装置30との間でデータの送受信を行うのに際し、NFC送受信部21が情報提供装置30に送信した接続設定情報を用いて、情報提供装置30との間でブルートゥース通信を確立する。
なお、本実施形態では、第2通信I/F112として、Bluetooth(登録商標)通信規格に準拠した通信I/Fを用いているが、これに限定されるものでなく、他の規格、例えば、IEEE802.11a/IEEE802.11b規格のWiFi(Wireless Fidelity)方式の通信I/Fを用いてもよい。この場合、データの送受信を担うIEEE802.11a/b/g/n規格のネットワークボードと、IEEE802.11a/b/g/nによる無線通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御部(通信制御プログラム)とで、ブルートゥース送受信部22に相当するWiFi送受信部を構成すればよい。
また、UWB(Ultra Wide Band)通信方式で機器間の距離が3m以内なら優先のUSB2.0と同等の480Mbpsでの通信が可能なWireless USB規格で無線通信を行うように構成することができる。この場合には、データの送受信を担うWireless USB規格のUSBデバイスと、UWB通信方式による無線通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御部(通信制御プログラム)とで、ブルートゥース送受信部22に相当するWireless USB送受信部を構成すればよい。
次に、情報提供装置30について説明する。情報提供装置30は、図5に示されているように、NFC送受信部31、ブルートゥース送受信部32、操作入力受付部33、表示制御部34、表示データ取得部35、表示データ通信部36及び記憶・読出処理部37、ファイル制御部39を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素の何れかが、RAM303に展開された情報提供装置用プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、情報提供装置30は、図3に示されているHDD305によって構築される記憶部38を有している。
NFC送受信部31は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示した第1通信I/F312によって実現され、NFC規格の非接触通信(以下、NFC通信という)により伝送端末10のNFC送受信部21および複合機80のNFC送受信部85と非接触で通信する。
また、NFC送受信部31は、自己の情報提供装置30が伝送端末10のNFC送受信部21の通信圏内に接近すると、当該伝送端末10のNFC送受信部21との間でNFC通信を確立し、各種データ(情報)の送受信を行うようになっている。具体的に、NFC送受信部31は、伝送端末10のNFC送受信部21との間でNFC通信を確立すると、自己の装置の利用者により入力された認証情報を伝送端末10に送信したり、当該伝送端末10のNFC送受信部21が保持する接続設定情報を受信したりする。なお、本実施形態では、情報提供装置30の利用者により当該情報提供装置30に入力された認証情報を、通信先となる伝送端末10に返送することで、当該伝送端末10に認証情報の認証を実行させる。
同様に、NFC送受信部31は、自己の情報提供装置30が複合機80のNFC送受信部85の通信圏内に接近すると、当該複合機80のNFC送受信部85との間でNFC通信を確立し、各種データ(情報)の送受信を行うようになっている。具体的に、NFC送受信部31は、複合機80のNFC送受信部85との間でNFC通信を確立すると、情報提供装置30から複合機80を利用するための認証IDや機能ID、ブルートゥース送受信部32による通信を確立するための通信設定情報、機能設定情報を送信する。
ブルートゥース送受信部32は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示した第2通信I/F313によって実現され、伝送端末10のブルートゥース送受信部22との通信が確立した場合は、後述する表示データ取得部35が取得した表示データを伝送端末10に送信する。また、ブルートゥース送受信部32は、伝送端末10から表示データの共有状態を示す情報などを受信する。さらに、ブルートゥース送受信部32は、複合機80のブルートゥース送受信部86との通信が確立した場合には、複合機80から、画像データを受信する。
ここで、図8は、伝送端末10と情報提供装置30とを接続する無線通信の通信範囲を説明するための図である。図9は、複合機80と情報提供装置30とを接続する無線通信の通信範囲を説明するための図である。
図8、9において、2点鎖線で示す通信範囲A11がNFC規格での通信範囲、即ちNFC送受信部21及びNFC送受信部31、NFC送受信部85及びNFC送受信部31との通信が可能な近接無線通信範囲を表している。また、破線で示す通信範囲A12が、Bluetooth(登録商標)通信規格での通信範囲、即ちブルートゥース送受信部22及びブルートゥース送受信部32、ブルートゥース送受信部86及びブルートゥース送受信部32との通信が可能な近距離無線通信範囲を示している。このように、通信範囲A12は通信範囲A11に比べて通信が可能な範囲が大きくなっており、より長距離での通信が可能となっている。
上述したように、NFC送受信部21及びNFC送受信部31、NFC送受信部85及びNFC送受信部31は、通信範囲A11内に入ると自動的にNFC通信を確立し認証情報や接続設定情報の授受を行う。この後、伝送端末10、複合機80にて認証情報が受理されると、ブルートゥース送受信部22及びブルートゥース送受信部32、ブルートゥース送受信部86及びブルートゥース送受信部32は、先に交換された接続設定情報を用いてブルートゥース通信を確立する。
このように、データの送受信が容易なNFC通信によって、伝送端末10と情報提供装置30との間、複合機80と情報提供装置30との間のブルートゥース通信に必要な接続設定情報を交換する。また、情報提供装置30の利用者は、伝送端末10や複合機80に情報提供装置30を近付けるだけで両装置のブルートゥース通信の確立に必要な情報を授受できる。これにより、特別な操作をすることなく通信相手である伝送端末10、複合機80を特定でき、ブルートゥース通信が可能となるため利便性を向上させることができる。
図5に戻り、操作入力受付部33は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示した操作ボタン308、操作パネル309によって実現され、利用者の操作による入力を受け付ける。
表示制御部34は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示したディスプレイ306によって実現され、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種情報をディスプレイ306に表示させる。
表示データ取得部35は、図3に示したCPU301と、伝送端末10の記憶部23に記憶された表示データ取得プログラム233との協働によって実現され、表示制御部34がディスプレイ306に表示させる各種情報に関する表示データを取得するものである。
表示データ通信部36は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示した第2通信I/F313によって実現され、表示データ取得部35が取得した表示データを、ブルートゥース送受信部32を介して伝送端末10に送信する。また、表示データ通信部36は、伝送端末10から状態の変化に応じて送信される各種情報を受信する。
記憶・読出処理部37は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示したHDD305によって実現され、記憶部38に各種データを記憶したり、記憶部38に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。この記憶部38には、会議中に共有させる資料等のデータ(以下、資料データという)や、この資料データを表示させるための各種プログラム(ワードプロセッサ、スプレッドシート、プレゼンテーション)等が予め記憶されている。また、この資料データには、複合機80でスキャンされ、受信したデータも含まれる。
また、記憶・読出処理部37は、保存手段として機能し、複合機80でスキャンされ、複合機80から受信したデータを資料データとして記憶部38の所定の保管場所に保存する。
ファイル制御部39は、制御手段として機能し、複合機80から受信した一または複数のデータの識別情報であるファイル名と、各データが保存された保管場所とを対応づけたファイル管理テーブルを記憶部38に生成する。すでに、ファイル管理テーブルが記憶部38に生成されている場合には、ファイル名と、当該データが保存された保管場所とを対応づけてファイル管理テーブルに登録する。ファイル管理テーブルには、一または複数のデータのファイル名のそれぞれに対して、保管場所が対応づけられている。
図10は、ファイル管理テーブルの一例を示す説明図である。本実施の形態では、データの保管場所とファイル名とが一つのパスで記述され、これにより、データの保管場所とファイル名とが対応づけられている。すなわち、図10の「¥cdonference¥doc¥strategy.pdf」の例において、「¥cdonference¥doc¥」が保管場所であり、「strategy.pdf」がファイル名である。
図5に戻り、上述の表示制御部34は、ファイル管理テーブルに登録された一または複数のデータのファイル名の一覧を、ディスプレイ306に表示し、ユーザに操作入力受付部33を介して、共有対象のデータのファイル名を選択させる。記憶・読出処理部37は、ユーザが選択したファイル名のデータを、記憶部38のファイル管理テーブルに登録された保管場所から読み出し、表示データ通信部36が、読み出されたデータをブルートゥース送受信部32を介して伝送端末10に送信する。
次に、複合機80の機能的構成について説明する。複合機80は、スキャナ部81と、プリンタ部82と、ファクシミリ送受信部83と、データ処理部84、NFC送受信部85と、ブルートゥース送受信部86と、認証部88と、利用可否判定部87と、認証データ記憶部89とを備えている。
NFC送受信部85は、上述のNFCの無線通信規格により情報提供装置30と非接触で双方向通信するものであり、具体的には、情報提供装置30のNFC送受信部31からの情報を非接触で読み出す通信制御プログラムを内蔵したリーダ/ライタまたはタグの機能を有する。NFC送受信部85は、もう一つの通信手段であるブルートゥース送受信部86と比較して近距離、すなわち通信距離が0〜10数cmの非接触無線通信によりデータを送受信する。また、NFC送受信部85によるNFC規格の非接触通信では、データ転送速度(100〜400kbps)がブルートゥース送受信部86によるBluetooth(R)規格の無線通信のデータ転送速度(1〜2Mbps)よりも遅いため、比較的小容量のデータの通信に用いる。なお、NFC送受信部85は、通信規格をNFCに限る必要はなく、比較的近距離、すなわち後述するBluetooth(R)規格の無線通信の通信範囲より狭い通信範囲での無線通信が可能であればIrDA(Infrared Data Association)など他の通信規格であってもよい。
また、NFC送受信部85は、情報提供装置30がNFC送受信部85の通信圏内に存在した場合に、情報提供装置30のNFC送受信部31の通信制御プログラムと同じ通信プロトコルによって情報提供装置30のNFC送受信部31との通信を確立し、情報提供装置30から送信された認証ID、機能ID、通信設定情報、機能設定情報を受信する。ここで、認証IDとは、情報提供装置30からの指示による複合機80の利用を許可するか否かを判定するための認証情報である。なお、認証IDは、情報提供装置30に割当てられた固有の情報や情報提供装置30を所持するユーザを識別する情報であってもよい。ユーザを識別する情報を用いる場合は、社員ID等の情報を用いてもよい。また、機能IDとは、情報提供装置30が利用を要求する複合機80の機能を示す機能情報であり、例えば、複合機80のプリント機能を利用する場合は、機能IDに“プリントID”を設定する。また、複合機80のスキャナ機能を利用する場合は、機能IDに“スキャナID”を設定する。
また、通信設定情報とは、ブルートゥース送受信部86での無線通信を行う際に必要となる初期設定情報である。このように、データの送受信が容易なNFC通信によって情報提供装置30と複合機80の間でブルートゥース通信の通信設定情報を受信することにより、ユーザは複合機80に情報提供装置30を近づけるだけで特別な操作をすることなく、通信相手である複合機80を特定でき、ブルートゥース通信が可能となるため、利便性が向上する。機能設定情報とは、機能に応じた処理内容を指示する設定情報である。例えば、機能IDにプリントIDが設定されている場合は、機能設定情報として印刷設定情報である設定ID“両面印刷”に設定値“on”または“off”、設定ID“集約”に設定値“on”または“off”等を設定する。また、機能IDにスキャンIDが設定されている場合は、機能設定情報としてスキャン設定情報である設定ID“解像度”に設定値“300”dpi等を設定する。
認証部88は、情報提供装置30によって送信された認証IDが複合機80の利用を認められるIDであるか否かを判断する。具体的には、NFC送受信部85によって受信した認証IDと認証データ記憶部89に格納されている認証IDとが一致するか否かによって認証を行う。
利用可否判定部87は、情報提供装置30によって送信された機能IDが複合機80の利用を認められるIDであるか否かを判断する。具体的には、認証データ記憶部89からNFC送受信部85によって受信した認証IDおよび機能IDに対応する利用許可情報を取得し、取得された利用許可情報に利用可が設定されているか否かで判断する。
ブルートゥース送受信部86は、Bluetooth(R)規格により情報提供装置30と非接触で通信するものである。Bluetooth(R)規格の無線通信方式を採用したブルートゥース送受信部86は、NFC規格の非接触通信方式のNFC送受信部85と比較して大容量かつ高速(1〜10Mbps)でデータの送受信を行う。また、Bluetooth(R)規格の無線通信方式を採用したブルートゥース送受信部86では、機器間の距離が10m以内であれば障害物があっても利用することができ、NFC規格の通信方式の通信範囲に比べて通信範囲が長くなっている。
ブルートゥース送受信部86は、具体的には、データの送受信を担うBluetooth(R)規格のトランシーバ等のBluetooth(R)I/F(インタフェース)と、通信制御部とから構成される。Bluetooth(R)I/Fは、接続先の情報提供装置30との間でデータの送受信を担うものである。通信制御部は、情報提供装置30との間でデータを送受信する前に、Bluetooth(R)I/Fを介して通信設定情報を通信先と交換して、Bluetooth(R)規格の無線通信を確立する処理を行う通信制御プログラムである。この通信設定情報としては、Bluetooth(R)I/Fに割り当てられた固有のアドレス情報を用いる。
なお、本実施の形態では、無線通信としてBluetooth(R)規格に準拠したブルートゥース送受信部86を用いているが、これに限定されるものではなく、Bluetooth(R)規格に代えて他の規格、例えば、IEEE802.11a/IEEE802.11b/IEEE802.11n/IEEE802.11gなどいわゆる無線LAN規格の方式で無線通信を行うように構成することができる。この場合、データの送受信を担うIEEE802.11a/IEEE802.11b規格のネットワークボードとIEEE802.11a/IEEE802.11bによる無線通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御部(通信制御プログラム)で無線LAN通信部を構成すればよい。また、UWB通信方式で機器間の距離が3m以内なら有線のUSB2.0と同等の480Mbpsでの通信が可能なWireless USB規格で無線通信を行うように構成することができる。この場合には、データの送受信を担うWireless USB規格としてのUWBデバイス、無線通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御部(通信制御プログラム)によりWireless USB通信部を構成すればよい。
また、ブルートゥース送受信部86は、NFC通信によって情報提供装置30から通信設定情報を受信し、受信された通信設定情報によって情報提供装置30とのブルートゥース通信が確立した場合は、機能IDに応じたデータを送受信する。なお、送受信されるデータは、画像データや文書データ、テキストデータ、その他様々な種類のデータのいずれであってもよい。
スキャナ部81は、CCD(Charge Coupled Devices)等のような撮像素子で原稿を読み取る。なお、スキャナ部81には、ADF(AutoDocument Feeder)を搭載して、自動原稿送りを行う機能を設けてもよい。
データ処理部84は、ブルートゥース送受信部86によって受信したデータまたはブルートゥース送受信部86によって送信するデータ等に対してNFC送受信部85によって受信した機能ID、機能設定条件に応じた処理を行う。例えば、機能IDが“プリントID”の場合は、機能設定情報に応じてデータに対して濃度や色調整等の画像処理や片面/両面印刷等のレイアウト加工等を行う。また、機能IDが“スキャナID”の場合は、スキャナ部81から読取ったデータに対して機能設定条件に従って画像処理やレイアウト加工等を行う。
プリンタ部82は、データ処理部84によって画像処理やレイアウト加工等されたデータを印刷する。
ファクシミリ送受信部83は、スキャナ部81によって読込まれたデータや情報提供装置30から送信されたデータを、ネットワークを介して他の複合機やファクシミリ装置、クライアント端末などに送信する。また、ファクシミリ送受信部83は、他の複合機やファクシミリ装置、クライアント端末から送信されたデータを受信する。
認証データ記憶部89は、複合機80の機能を利用できるか否かを判断するための認証データを格納する。図11は、認証データ記憶部89のデータ構成の一例を示す説明図である。認証データ記憶部89は、認証IDと機能IDごとの利用許可情報とを対応付けて記憶している。図11に示すように、認証ID“person1”は複合機80のプリンタ機能とスキャナ機能のいずれも利用可である。また、認証ID“person2”は複合機80のスキャナ機能は利用可であるが、プリント機能は利用不可である。
次に、以上に述べた伝送システム1の伝送端末10のディスプレイ130に表示されるデータについて説明する。遠隔会議の場において、伝送端末10のディスプレイ130上に表示されるデータとしては、カメラ113により撮像された撮像データと、情報提供装置30から送信される表示データ(複合機80でスキャンされて情報提供装置30に保存されたデータも含む)とが挙げられる。ここで、撮像データは、自己及び他の伝送端末10のカメラ113で撮像された画像データを意味する。また、表示データは、情報提供装置30のディスプレイ306に表示されている画面を表すものである。
図12は、伝送端末10のディスプレイ130に表示された表示画面の一例を示す図である。同図では一の画面を4つの領域に区分けした例を示しており、画面左部から中央にかけての大領域(第1表示領域)を表示領域A21、画面右上部から右下部にかけての小領域(第2表示領域)をそれぞれ表示領域A22から表示領域A24としている。図12の画面構成の場合、例えば、表示領域A21には、会議の参加者がマイク115に向かって発話中の伝送端末10の撮像データが割り当てられる。以下、この処理について説明する。
まず、各伝送端末10のCPU101では、音入力部15を介して入力された自己の伝送端末10の操作者の発話区間を検出し、この区間が検出されたときに、自己の伝送端末10の端末IDを、中継装置40を介して他の伝送端末10に向けて送信する。この端末IDを各伝送端末10が受信すると、各伝送端末10の表示制御部17は、図5に示した管理テーブル231を参照し、この端末IDに合致するデータ番号を特定する。そして、表示制御部17は、特定したデータ番号に対応付けられた端末IDの伝送端末10から受信した撮像データを、表示領域A21に割り当てて表示する。また、表示制御部17は、他のデータ番号に対応付けられた端末IDの伝送端末10から受信した撮像データを、表示領域A22から順に割り当てて表示する。これにより、現在発話中の伝送端末10の撮像データが、表示画面の中央に近い位置に配置され且つ他よりも大きく表示されるため、発話中の参加者の視認性を向上させるとともに強調して表示することができる。なお、表示領域A22〜表示領域A24へのデータ番号の割当順序は特に問わず、例えば、昇順又は降順にソートする形態としてもよい。
また、情報提供装置30から表示データが送信された場合、表示制御部17は、図13に示すように、この表示データを表示領域A21に割り当ててA25等のように表示するとともに、各伝送端末10の撮像データを表示領域A22から順に割り当てて表示する。これにより、表示データが表示画面の中央に近い位置に配置されて且つ他よりも大きく表示されるため、プレゼンテーション資料等の視認性を向上させるとともに強調して表示することができる。
さらに、上記に述べた表示例を次のように変形させてもよい。情報提供装置30から表示データが送信されているときは、図14に示すように、表示データを画面全体(表示領域A2)に割り当てることで、表示データを画面全体に表示させる。そして、利用者により伝送端末10の所定のボタン(例えばカーソルキー)が押下され、操作入力受付部12によりこの所定のボタンの入力が受け付けられると、表示制御部17は図12の画面に切り替える。以後、利用者が所定のボタンを押下する毎に図13→図14→図12…というように表示画面を循環して切り替える。この形態により、資料データを表示しているときでも、状況に応じて他の伝送端末10から送信された撮像データ、つまり他拠点の人物を確認することが可能となる。
次に、以上のように構成された伝送システム1において、情報提供装置30から、複合機80に画像形成の指示を行って、情報提供装置30が複合機80からデータを取得する処理について説明する。
まず、会議の参加者たるユーザは、情報処理装置30と複合機80との接続を開始し、複合機80に対し画像形成(スキャンまたはプリント)の指示を行う。具体的には、情報提供装置30の表示制御部34は、図15に示すログイン画面をディスプレイ306に表示する。ユーザは、このログイン画面で、認証IDと、画像形成の指示を示す機能IDを入力する。図15では、機能IDとしてスキャナIDを入力し、複合機80に対し、セットした原稿のスキャンの指示を画像形成の指示として行った例を示している。
ログイン画面でユーザからの認証ID、機能IDおよびOKが入力されると、かかる入力を操作入力受付部33が受け付ける。そして、ユーザは、情報提供装置30を複合機80に近接または接触させ、NFC通信の実行を行う。ここで、操作入力受付部33が入力を受け付けたときに、表示制御部34は、図16に示すナビゲーション画面をディスプレイ306に表示して、ユーザに情報提供装置30を接触させるよう指示する。また、このナビゲーション画面では、複合機80から受信したデータに付与するファイル名の入力も行う。なお、かかるナビゲーション画面を表示しない構成としてもよい。
そして、以下のように無線通信確立およびデータ処理を行う。図17、図18は、情報提供装置30と複合機80が行う無線通信確立処理手順およびデータ処理手順を示すフローチャートである。
まず、情報提供装置30において、NFC送受信部31は複合機80のNFC送受信部85との通信が確立したか否かを判断する(ステップS301)。複合機80のNFC送受信部85との通信が確立していない、すなわち情報提供装置30が通信圏内に存在しないと判断した場合は(ステップS301:No)、ステップS301に戻り、複合機80のNFC送受信部85との通信が確立するまで繰り返す。
同様に、複合機80において、NFC送受信部85は情報提供装置30のNFC送受信部31との通信が確立したか否かを判断する(ステップS302)。情報提供装置30のNFC送受信部31との通信が確立していない、すなわち情報提供装置30が通信圏内に存在しないと判断した場合は(ステップS302:No)、ステップS302に戻り、情報提供装置30のNFC送受信部31との通信が確立するまで繰り返す。
次に、情報提供装置30のNFC送受信部31との通信が確立した、すなわち情報提供装置30が複合機80の通信圏内に存在すると判断した場合は(ステップS301:Yes)、NFC送受信部31は複合機80のNFC送受信部85に認証ID、機能ID、機能設定情報を送信する(ステップS303)。
ここで、情報提供装置30が通信圏内に存在する場合とは、ユーザが情報提供装置30のNFC送受信部31と複合機80のNFC送受信部85とをタッチさせるような場合であり、ユーザが利用したい複合機80を確実に指示することができる。
複合機80において、情報提供装置30のNFC送受信部31との通信が確立した、すなわち情報提供装置30が通信圏内に存在すると判断した場合は(ステップS302:Yes)、NFC送受信部85は情報提供装置30のNFC送受信部31から送信された認証ID、機能ID、機能設定情報を受信する(ステップS304)。認証部88は、認証データ記憶部89から認証IDを取得する(ステップS305)。NFC送受信部85は、認証データ記憶部89から取得した認証IDを情報提供装置30に送信する(ステップS306)。認証部88は、認証データ記憶部89から取得した認証IDと、情報提供装置30から送信された認証IDを照合し、複合機80の利用を認証するか否かを判断する(ステップS307)。複合機80の利用を認証しない、すなわち受信した認証IDが認証データ記憶部89に格納されていないと判断した場合は(ステップS307:No)、処理を終了する。
情報提供装置30において、NFC送受信部31は複合機80から送信された認証IDを受信する(ステップS308)。NFC送受信部31は、受信した認証IDによって複合機80の利用を認証するか否かを判断する(ステップS309)。受信した認証IDによって複合機80の利用を認証すると判断した場合は(ステップS309:Yes)、処理を継続する。受信した認証IDによって複合機80の利用を認証しないと判断した場合は(ステップS309:No)、表示制御部34は、図19に示すエラー画面をディスプレイ306に表示し、処理を終了する。
複合機80において、複合機80の利用を認証する、すなわち受信した認証IDが認証データ記憶部89に格納されていると判断した場合は(ステップS307:Yes)、利用可否判定部87が情報提供装置30から受信した認証ID、機能IDに対応した利用可否情報を認証データ記憶部89から取得する(ステップS310)。NFC送受信部85は、認証データ記憶部89から取得した利用可否情報を情報提供装置30に送信する(ステップS311)。利用可否判定部87は、取得した利用可否情報によって指定された機能が利用可能であるか否かを判断する(ステップS312)。指定された機能が利用可能でないと判断した場合は(ステップS312:No)、処理を終了する。
情報提供装置30において、NFC送受信部31は複合機80から送信された利用可否情報を受信する(ステップS313)。NFC送受信部31は、受信した利用可否情報によって複合機80の機能が利用可能であるか否かを判断する(ステップS314)。複合機80の機能が利用可能であると判断した場合は(ステップS314:Yes)、処理を継続する。複合機80の機能が利用可能でないと判断した場合は(ステップS314:No)、処理を終了する。
複合機80において、指定された機能が利用可能であると判断した場合は(ステップS312:Yes)、NFC送受信部85は情報提供装置30との間で通信設定情報を交換する(ステップS315、S316)。具体的には、複合機80のNFC送受信部85から情報提供装置30に対して通信設定情報の送信を要求し、情報提供装置30のNFC送受信部31はブルートゥース通信の通信設定情報を送信する。なお、ブルートゥース通信の通信設定情報は、ステップS303、S304において、認証ID、機能ID、機能設定情報とともに送信してもよい。
情報提供装置30において、ブルートゥース送受信部32は複合機80のブルートゥース送受信部86との通信が確立したか否かを判断する(ステップS317)。複合機80のブルートゥース送受信部86との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS317:No)、処理を終了する。複合機80のブルートゥース送受信部86との通信が確立したと判断した場合は(ステップS317:Yes)、利用機能を判断する(ステップS318)。利用機能がプリンタであると判断した場合は(ステップS318:プリンタ)、記憶部38に格納されているデータを複合機80に送信する(ステップS319)。
一方、複合機80において、ブルートゥース送受信部86は情報提供装置30のブルートゥース送受信部32との通信が確立したか否かを判断する(ステップS320)。情報提供装置30のブルートゥース送受信部32との通信が確立していないと判断した場合は(ステップS320:No)、処理を終了する。
情報提供装置30のブルートゥース送受信部32との通信が確立したと判断した場合は(ステップS320:Yes)、利用可否判定部87は利用機能を判断する(ステップS321)。利用機能がプリンタである、すなわち機能IDがプリンタIDであると判断した場合は(ステップS321:プリンタ)、ブルートゥース送受信部86は情報提供装置30から送信されたデータを受信する(ステップS322)。ここで、受信するデータは、印刷設定情報に従って加工される前のデータである。なお、情報提供装置30側でデータ処理機能を備えている場合は、加工されたデータを受信し、受信したデータを印刷してもよい。また、印刷設定情報の一部に対応するデータ処理を情報提供装置30側で行い、情報提供装置30から送信された印刷設定情報に従って残りのデータ処理を複合機80側で行ってもよい。データ処理部106は、受信したデータを印刷設定情報に従って印刷用に処理する(ステップS323)。なお、印刷設定情報は、プリンタドライバで行ってもよいし、PDF(Portable Document Format)やPostScript等のような各記述言語形式でデータ内に印刷設定情報を埋め込んでもよい。プリンタ部82は、処理されたデータを印刷する(ステップS324)。
ステップS321において、利用機能がスキャナである、すなわち機能IDがスキャナIDであると判断した場合は(ステップS321:スキャナ)、スキャナ部81は原稿を読込む(ステップS325)。データ処理部106は、スキャナ設定情報に応じて読込まれたデータを処理する(ステップS326)。ブルートゥース送受信部86は、処理したデータを情報提供装置30に送信する(ステップS327)。
情報提供装置30において、ブルートゥース送受信部32は、複合機80のブルートゥース送受信部86から送信されたデータを受信する(ステップS328)。データを受信すると、ファイル制御部39は、受信したデータに図16のナビゲーション画面で入力されたファイル名を付与する(ステップS329)。
ここで、図16に示すナビゲーション画面を表示しない場合、あるいはナビゲーション画面でファイル名の入力がなかった場合には、ファイル制御部39は、年月日時刻を取得して、当該年月日時刻からファイル名を生成する。例えば、2011年9月1日10時10分30秒であれば、ファイル制御部39は、ファイル名を「20110901101030.pdf」として生成する。なお、かかるファイル名は一例であり、これに限定するものではない。
次に、記憶・読出処理部37は、ファイル名が付与されたデータを記憶部38の所定の保管場所に保存する(ステップS330)。そして、ファイル制御部39は、図10に示すように、当該補完場所とファイル名とを対応づけて、ファイル管理テーブルに登録する(ステップS331)。
このように、情報提供装置30は、複合機80に近接してスキャンの指示を行うだけで、複合機80にセットした原稿のスキャンを行わせ、スキャンしたデータを受信することができる。
また、情報提供装置30と複合機80がNFC通信でブルートゥース通信に必要な通信設定情報を送信し、送信された通信設定情報を用いてブルートゥース通信を確立することができるため、情報提供装置30を複合機80に近づけるだけで複合機80との通信を容易に行うことができる。また、複合機80で利用する機能の指示を情報提供装置30からNFC通信で送信することにより、複合機80側でデータ送受信やデータに対する設定を操作することなく、複合機80の機能を利用することができるため、ユーザの作業負担を軽減することができる。
なお、機能設定情報も情報提供装置30から複合機80に送信し、複合機80のスキャナ部81よって原稿を読取り、読取られたデータに対して機能設定情報に従ってデータ処理を他の複合機やファクシミリ装置に送信するようにしてもよい。
次に、他の伝送端末10と接続状態にある伝送端末10に、情報提供装置30を接続する際の動作について説明する。
まず、情報提供装置30では、操作入力受付部33により自己の装置の利用を開始する所定の操作が受け付けられると、表示制御部34は、図20に示すようなログイン画面をディスプレイ306に表示する。ここで、領域A31及び領域A32は、認証情報(利用者ID、パスワード)を入力するための領域である。なお、詳細な処理の流れは後述するが、この情報提供装置30と接続を行う伝送端末10の認証テーブル232に登録された認証情報が領域A31及び領域A32に入力されることで、当該情報提供装置30の表示データ取得部35の機能が利用できるよう構成されている。
また、OKボタンB11は、領域A31及び領域A32に入力された認証情報を、情報提供装置30のCPU301(操作入力受付部33)に通知することを指示するためのボタンである。なお、クリアボタンB12は、領域A31及び領域A32に入力された認証情報のクリアを指示するためのボタンであり、クリアボタンB12が押下されると表示制御部34により、領域A31及び領域A32に入力された認証情報がクリアされる。
情報提供装置30の利用者により、情報提供装置30の操作ボタン308や操作パネル309を介して領域A31及び領域A32に認証情報が入力され、その後、OKボタンB11が押下されると、操作入力受付部33は入力された認証情報を受け付ける。また、表示制御部34は、OKボタンB11の押下に応じ、図21に示すような、操作手順を案内するナビゲーション画面をディスプレイ306に表示する。なお、図21のナビゲーション画面では、情報提供装置30を伝送端末10に接触させること、即ち伝送端末10及び情報提供装置30間でのNFC通信の実行を促している。
ナビゲーション画面に従い、利用者が情報提供装置30を伝送端末10に接触(近接)させると、情報提供装置30のNFC送受信部31(第1通信I/F312)と伝送端末10のNFC送受信部21(第1通信I/F111)との間でNFC通信が確立する。また、表示制御部34は、NFC通信の確立に伴い、図21の画面をディスプレイ306からクリアする。
情報提供装置30のブルートゥース送受信部32は、NFC通信により得られた伝送端末10の接続設定情報を用いて当該伝送端末10のブルートゥース送受信部22と通信し、伝送端末10の記憶部23のマウント処理を行う。そして、情報提供装置30のCPU301は、記憶部23のマウントに成功すると、この記憶部23に記憶された表示データ取得プログラム233を実行することで、表示データ取得部35を実現する。以下、図22を参照して、伝送端末10の表示データ取得プログラム233が情報提供装置30により起動されるまでの処理の手順について説明する。
図22は、伝送端末10の表示データ取得プログラム233が情報提供装置30により起動されるまでの処理の手順を説明するための図である。まず、情報提供装置30と伝送端末10との間でNFC通信が確立すると、情報提供装置30のNFC送受信部31は、操作入力受付部33により利用者からの入力を受け付けた上述の認証情報を、伝送端末10のNFC送受信部21に送信する(ステップS11)。
一方、伝送端末10では、NFC送受信部21が認証情報を受信すると、外部情報判定部20が記憶部23に記憶された認証テーブル232を参照し、NFC送受信部21が受信した認証情報の認証(検証)を行う(ステップS12)。具体的に、伝送端末10の外部情報判定部20は、情報提供装置30から受信した認証情報に含まれる利用者IDが、認証テーブル232の利用者ID欄に存在し、この利用者ID欄と同行のパスワード欄に格納されたパスワードが、認証情報に含まれるパスワードに一致するか否かを判定する。NFC送受信部21は、一致すると判定した場合、伝送端末10のNFC送受信部21から情報提供装置30のNFC送受信部31へ、認証を受理したことを示すOK信号を送信する(ステップS13)。
なお、外部情報判定部20による認証の結果、認証テーブル232に登録された利用者ID及びパスワードとの一致を確認することができなかった場合、NFC送受信部21は、伝送端末10のNFC送受信部21から情報提供装置30のNFC送受信部31へ、認証を棄却したことを示すNG信号を送信する。このNG信号を受信した情報提供装置30では、表示制御部34が図23に示すようなエラー画面を表示し、処理を終了する。
情報提供装置30のNFC送受信部31は、伝送端末10のNFC送受信部21からOK信号を受信すると、このNFC送受信部21が保持する接続設定情報、つまりブルートゥース通信に必要な第2通信I/F112(ブルートゥース送受信部22)の接続設定情報を読み取る(ステップS14)。
次いで、情報提供装置30のブルートゥース送受信部32は、ステップS14でNFC送受信部31が読み取った接続設定情報を用いて、Bluetooth(登録商標)通信のための接続設定を行う(ステップS15)。この接続設定に応じて、伝送端末10のブルートゥース送受信部22は、ブルートゥース送受信部32との接続を開始し、接続結果が成功であればOK信号をブルートゥース送受信部32に送信する。また、伝送端末10のブルートゥース送受信部22は、接続結果が失敗であればNG信号をブルートゥース送受信部32に送信する。
情報提供装置30では、ブルートゥース送受信部32がBluetooth(登録商標)通信が可能な状態と判断すると、すなわちブルートゥース送受信部22からOK信号を受信すると、表示データ通信部36はブルートゥース送受信部32及びブルートゥース送受信部22を介して伝送端末10の記憶部23にアクセスし、当該記憶部23を情報提供装置30のファイルシステム上にマウントする(ステップS16)。なお、ブルートゥース送受信部22からの接続結果がNG信号であった場合、情報提供装置30の表示制御部34は、図23に示すようなエラー画面を表示し、処理を終了する。
情報提供装置30の表示データ通信部36は、記憶部23のマウントが完了すると、当該記憶部23に記憶された表示データ取得プログラム233のファイルにアクセスし、この表示データ取得プログラム233を実行する(ステップS17)。表示データ取得プログラム233が実行されると、情報提供装置30側では表示データ取得部35としての機能が実現され、情報提供装置30の表示制御部34が表示する表示データを取得することが可能となる。
ここで、情報提供装置30による表示データ取得処理の詳細について説明する。図24は、表示データ取得処理の手順を示すフローチャートである。まず、情報提供装置30の記憶・読出部37は、記憶部38からファイル管理テーブルを読みだす(ステップS2301)。そして、表示制御部34は、ディスプレイ306にファイル選択画面を表示する(ステップS2302)。次に、表示制御部34は、ファイル選択画面にファイル管理テーブルに登録されているファイル名をすべて表示する(ステップS2303)。この後、情報提供装置30は、ユーザからのファイル選択の受付けの待ち状態となる(ステップS2304:No)。
図25は、ファイル名一覧が表示されたファイル選択画面の一例を示す模式図である。図25に示すように、ファイル選択画面には、図10に示したファイル管理テーブルに登録されらファイル名の一覧がユーザに選択可能に表示されている。ここで、ファイル選択画面には、保管場所は表示されない。
そして、ユーザから、ファイル選択画面からのファイル名の選択を受け付けた場合には(ステップS2304:Yes)、ファイル制御部39は、記憶・読出部37を介して、記憶部38の保管場所から選択されたファイル名のデータを取得する(ステップS2305)。
なお、上記の例では図20のログイン画面に示したように、情報提供装置30の利用者に認証情報を手動で入力させる形態としたが、情報提供装置30の出荷時などの段階でNFC送受信部31が参照可能な記憶媒体に認証情報を予め記憶しておくことで、利用者が行う認証情報の入力を省略する形態としてもよい。この場合の手順は、上述のログイン画面の表示に係る処理を省略して処理を開始すればよい。
以上のように、情報提供装置30と伝送端末10との接続時に認証を行い、この認証結果が棄却であった場合には、表示データ取得部35の機能が実現されないので、表示データが不用意に伝送端末10に送信されてしまうことを防止することができ、表示データが秘匿情報であった場合の漏洩を防止することができる。また、情報提供装置30と伝送端末10との接続が行われると、情報提供装置30の表示データ通信部36は、伝送端末10の記憶部23をマウントして表示データ取得プログラム233を実行するので、予め情報提供装置30に同プログラムをインストールする必要がなくなり、会議の準備に係る利用者の負担を軽減できる。また、情報提供装置30の記憶部38の容量を節約することもできる。さらに、複合機80でスキャンしたデータを、容易に伝送端末10で共有することが可能となる。
次に、図26及び図27を参照して、情報提供装置30に表示されている表示データを伝送端末10に送信する際の処理について説明する。表示データ取得プログラム233の実行により情報提供装置30に実現された情報提供装置30の表示データ取得部35は、図26−1又は図26−2に示すように、表示データの送信開始を指示するための操作入力手段として、開始ボタンB31をディスプレイ306に表示する。ここで、図26−1、図26−2は、情報提供装置30のディスプレイ306に表示された表示画面を示す図であって、それぞれ異なる表示内容(表示データ)が表示された例を示している。
表示データ取得部35は、操作入力受付部33を介して開始ボタンB31の押下を検出すると、ディスプレイ306に表示されている画面の表示データを取得し、表示データ通信部36を用いて伝送端末10に送信させる。なお、ディスプレイ306に表示された開始ボタンB31については、表示データに含めないことが好ましい。以下、情報提供装置30から表示データが送信される際の処理について説明する。
図27は、情報提供装置30から表示データを送信する際の処理の手順を説明するための図である。なお、同図では説明が複雑になることを避けるため、情報提供装置30(30a、30c)及び伝送端末10(10aa、10ca)をそれぞれ2台とした例を示しているが、これに限らず3台以上としてもよい。また、本処理では、各伝送端末10で表示可能(共有可能)な情報提供装置30の表示データを一つに制限する場合について説明する。また、情報提供装置30a及び伝送端末10aa、情報提供装置30c及び伝送端末10caの各組で、ブルートゥース通信が確立されているものとする。
また、各伝送端末10の外部情報判定部20は、中継装置40から通知される表示データの受信状態を保持するための受信フラグをRAM103等に記憶している。この受信フラグは、現在、情報提供装置30から表示データが送信中か否かを記憶するようになっており、表示データの受信の有無に応じてそれぞれtrue(送信あり)又はfalse(送信なし)を記憶する。なお、受信フラグの初期値はfalseである。
以下、情報提供装置30aから表示データが送信される例について説明する。情報提供装置30aの操作入力受付部33が、上述した表示データの送信開始を指示する開始ボタン(開始ボタンB31等)の押下入力を受け付けると(ステップS21)、情報提供装置30aの表示データ取得部35は、表示データの送信開始を伝送端末10aaに通知する(ステップS22)。
表示データの配信開始が通知された伝送端末10aaでは、外部情報判定部20が受信フラグの状態を確認し(ステップS23)、falseであると判定すると、中継装置40に表示データの配信開始を要求する指示情報(以下、配信開始要求という)を送信する(ステップS24)。
なお、中継装置40は、上述した絞込部18の機能により選択された一の中継装置40が用いられるものとする。また、中継装置40への送信の際には、管理テーブル231に登録された他の伝送端末10の端末IDから特定したIPアドレスやドメイン名等のアドレスを、自己の伝送端末10のアドレスとともに送信することで、自己の伝送端末10と会議中にある全ての伝送端末10(自己の伝送端末10を含む)宛への転送を依頼する(以下、同様)。
中継装置40では、伝送端末10aaから配信開始要求を受信すると、この配信開始要求を送信した伝送端末10aa及び当該伝送端末10aaと通信中にある他の伝送端末10宛に、表示データの配信開始を通知する配信開始イベントを通知する(ステップS25、S26)。また、伝送端末10aaでは、配信開始イベントを中継装置40から受信すると、外部情報判定部20は、表示データの送信開始を指示する情報(以下、送信可能情報という)を情報提供装置30aに送信する(ステップS27)。
情報提供装置30aでは伝送端末10aaから送信可能情報を受信すると、表示データ通信部36は、伝送端末10aaを介して表示データ取得部35により取得された表示データを各伝送端末10に送信する(ステップS28)。この送信処理を詳しく説明すると以下のようになる。
まず、情報提供装置30aの表示データ取得部35が、ディスプレイ306に表示されている画面を表示データとして取得する。次いで、表示データ通信部36は、表示データ取得部35が取得した表示データを、ブルートゥース送受信部32を介して伝送端末10aaに送信する。
情報提供装置30aとブルートゥース通信により接続された伝送端末10aaでは、情報提供装置30aから表示データを受信すると、外部情報判定部20は、この表示データを、自己の伝送端末10aaの撮像部14や音入力部15で取得されたデータ(撮像データ等)とともに送受信部11に出力することで、通信ネットワーク2を介して中継装置40に送信する。
そして、中継装置40は、伝送端末10aaから送信されたデータを各伝送端末10に向けて送信(配信)する。このとき、中継装置40が転送する情報提供装置30aの表示データを、送信元の伝送端末10aaに対しても送信が行われるようにする。また、伝送端末10aaの表示制御部17では、中継装置40に送信する前のデータを表示するのではなく、中継装置40を経由した後のデータを表示するようにする。同様に各伝送端末10のカメラ113で撮像された撮像データについても、一旦中継装置40に送信し、当該中継装置40から戻ってきた撮像データを表示するようにする。
上記の処理を行うことで、表示データがどの情報提供装置30から送信されても、各伝送端末10で受信するまでの遅延時間がほぼ同じとなる。そのため、例えば、情報提供装置30aの利用者が当該情報提供装置30aにて資料のページ送り(次又は前ページの表示)を行ったときに、ほぼ同時期に各伝送端末10の表示内容が変更されるため、遠隔会議であっても円滑にコミュニケーションを図ることができる。また、撮像データについても同様であり、当該撮像データが各伝送端末10で表示されるまでの遅延時間を、全ての伝送端末10で略同等に揃えることができる。
図27の処理の説明に戻る。情報提供装置30aでは、表示データ通信部36が表示データの送信を開始すると、表示データ取得部35は、ディスプレイ306に表示された配信開始を指示するための開始ボタンを、配信停止を指示するための停止ボタンに変更する(ステップS29)。ここで、図28−1、図28−2は、情報提供装置30のディスプレイ306に表示された表示画面を示す図であって、上述した図26−1、図26−2の画面にそれぞれ対応している。図28−1、図28−2において、停止ボタンB32は、表示データの配信停止を指示するためのボタンであり、表示データの送信に伴い、図26−1、図26−2に示した開始ボタンB31の表示から切り替えられたものである。なお、後述するように、停止ボタンB32の押下により、表示データの送信が停止されるよう構成されている。
図27に戻り、表示データを受信した各伝送端末10では、外部情報判定部20が受信フラグをtrueにセットし(ステップS30、S31)、表示制御部17が表示データおよび撮像データの画面配置を再構成する(ステップS32、S33)。具体的には、図13で説明したように、情報提供装置30aから送信された表示データを表示領域A21に配置して表示し、各伝送端末10で撮像された撮像データを表示領域A22以降に順次配置して表示する。
以上に述べたように、情報提供装置30のディスプレイ306に表示データの送信開始を指示する開始ボタンを配置(表示)することで、利用者は開始ボタンを押下する、という容易な操作で表示データを各伝送端末10に送信(配信)することが可能となる。また、表示データの送信状態に応じて開始ボタン/停止ボタンを切り替えることにより、表示データが配信されているか否かを容易に確認できるため、公開したくない情報を誤って送信してしまうという誤操作を防止することができる。
次に、図29を参照し、情報提供装置30aの表示データを送信している状態から、情報提供装置30cの表示データの送信に切り替える際の処理例について説明する。ここで、図29は、表示データの送信元を切り替える際の処理の手順を説明するための図である。なお、図29に示す処理は上述した図27の処理の後、情報提供装置30cの開始ボタンB31が押下された例を示している。
情報提供装置30cの操作入力受付部33では、利用者から開始ボタンB31の押下入力を受け付けると(ステップS41)、当該情報提供装置30cの表示データ取得部35は、表示データの配信開始を伝送端末10caに通知する(ステップS42)。
表示データの配信開始が通知された伝送端末10caでは、外部情報判定部20が受信フラグの状態を確認し(ステップS43)、trueであると判定すると、中継装置40に表示データの配信停止を要求する指示情報(以下、配信停止要求という)を送信する(ステップS44)。
中継装置40では、伝送端末10caから配信停止要求を受信すると、この配信停止要求を送信した伝送端末10ca及び当該伝送端末10caと通信中にある他の伝送端末10宛に、表示データの配信停止を通知する配信停止イベントを通知する(ステップS45、S46)。
配信停止イベントを受信した各伝送端末10の外部情報判定部20では、自己の伝送端末10に接続された情報提供装置30宛に、表示データの送信停止を指示する情報(以下、送信停止情報という)を送信する(ステップS47、S48)。表示データを送信中の情報提供装置30aの表示データ取得部35では、この送信停止情報の受信に伴い、表示データの送信を停止することで、中継装置40による各伝送端末10への表示データの配信を停止させる(ステップS49)。
また、各情報提供装置30の表示データ取得部35は、送信停止情報を受信すると、ディスプレイ306に表示されていた停止ボタンB32の表示を、表示データの送信開始を指示する開始ボタンB31に変更する(ステップS50、S51)。この処理により、図28−1等に示した情報提供装置30aの停止ボタンB32は、図26−1に示すように開始ボタンB31に変更される。なお、情報提供装置30cにおいても表示の変更は同様に行われるが、既に開始ボタンB31が表示されているため、情報提供装置30cの利用者からの見た目は変わらない。
次いで、各伝送端末10の外部情報判定部20が、受信フラグをfalseにセットすると(ステップS52、S53)、表示制御部17は、ディスプレイ306の表示領域A21に表示していた表示データをクリアし、各伝送端末10の撮像データを表示領域A21以降に順次配置して表示することで、表示画面の再配置を行う(ステップS54、S55)。また、伝送端末10caの外部情報判定部20は、中継装置40に配信開始要求を送信する(ステップS56)。以降のステップS57〜S65では、図27で説明したステップS25〜S33と同様の処理が行われるため説明を省略する。
これにより、情報提供装置30cの表示データが、各伝送端末10の表示画面の表示領域A21に配置され、他の画像データが表示領域A22以降に順次配置されることになる。また、他拠点の表示データが伝送端末10の画面に表示されていても、自拠点の利用者は情報提供装置30の開始ボタンを押下する、という容易な操作で自拠点の情報提供装置30に表示された表示データを各拠点の伝送端末10に送信し、自拠点側の表示データに画面を切り替えることが可能である。
次に、図30を参照して、情報提供装置30から送信されている表示データを停止する際の処理例について説明する。ここで、図30は、表示データの送信を停止する際の処理の手順を説明するための図である。なお、図30に示す処理は上述した図29の処理の後、情報提供装置30cの停止ボタンB32が押下された例を示している。
情報提供装置30cの操作入力受付部33では、利用者から停止ボタンB32の押下入力を受け付けると(ステップS71)、当該情報提供装置30cの表示データ取得部35は、表示データの配信停止を伝送端末10caに通知する(ステップS72)。以降のステップS73〜S85は、図29で説明したステップS43〜S55と同様の処理が行われるため説明を省略する。
これにより、情報提供装置30cからの表示データの送信が停止され、各伝送端末10の表示画面には画像データのみが表示されるようになる。なお、各伝送端末10の表示画面のうち、表示領域A21には既に述べたように会話をしている拠点の画像データが配置される。このように、情報提供装置30の利用者は停止ボタンB32を押下する、という容易な操作で表示データの送信を停止することが可能になる。
また、図27、図29及び図30に示した処理によれば、情報提供装置30の表示画面(表示データ)を各伝送端末10で共有する際に、情報提供装置30を所望の伝送端末10に近接させることで当該伝送端末10を経由して他の伝送端末10に表示データを配信することができるため、会議拠点毎にネットワークの接続手続きを行う必要がなくなり、表示データの共有を容易に行うことが可能となる。また、画面共有のために別のネットワーク基盤技術を用意する必要もないため、コストの増加を防ぐことができる。
また、各伝送端末10から中継装置40へ配信の開始又は停止を要求することで、どの伝送端末10(情報提供装置30)が表示データを送信している状態にあるかということを中継装置40側で管理する必要がなくなる。これにより、情報提供装置30から送信する表示データを一つの拠点に制限する必要はあるものの、中継装置40の処理の負荷が小さくなり、より多くの伝送端末10に中継させることが可能となるため、スケーラビリティを向上することができる。
なお、各情報提供装置30に表示される送信開始または停止を指示するGUIはボタン(開始ボタンB31、停止ボタンB32)に限定されるものではなく、メニューを表示して利用者に選択させるようにしてもよい。また、開始ボタンB31及び停止ボタンB32にラベルをつけて(例えば、開始ボタンB31には「画面共有を開始」、停止ボタンB32には「画面共有を終了」)、ボタン押下により発生する処理の内容を表示させるようにしてもよい。また、「画面共有できます」、「画面共有中です」というようなテキストデータをそれぞれ開始ボタンB31、停止ボタンB32と併せて表示させるようにしてもよい。
このように本実施の形態では、ユーザは、情報提供装置30を複合機80に近接させて、情報提供装置30から複合機80にスキャン対象の文書のスキャン指示を行って、複合機80にスキャン対象の文書をスキャンさせる。そして、情報提供装置30は、複合機80からスキャンした文書のデータを受信し、受信したデータを、情報提供装置30の所定の保管場所に保存し、データのファイル名と保管場所とを対応付けて情報提供装置30内のファイル管理テーブルに登録する。そして、ユーザは、情報提供装置30を伝送端末10に近接させて、共有対象のデータを情報提供装置30内の保管場所から選択して、伝送端末10に送信する。伝送端末10は、当該データを、電子会議で共有する。このため、本実施の形態によれば、複合機80でスキャンされたデータを容易に共有することができる。
(実施の形態2)
図31は、実施の形態2の伝送端末3110、情報提供装置30及び複合機80の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態では、情報提供装置30が表示データを送信する制御手順、情報提供装置30が表示データの送信を停止する制御手順が実施の形態1と異なっている。
図31に示すように、伝送端末3110は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音入力部15、音出力部16、表示制御部17、絞込部18、記憶・読出処理部19、外部情報判定部20、配置情報選択部3125、NFC送受信部21及びブルートゥース送受信部22を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素の何れかが、RAM103に展開された伝送端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。ここで、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音入力部15、音出力部16、表示制御部17、絞込部18、記憶・読出処理部19、外部情報判定部20、NFC送受信部21及びブルートゥース送受信部22については実施の形態1と同様である。
また、伝送端末3110は、図2に示したSSD105によって構築される記憶部23を有している。
記憶部23には、管理テーブル231、認証テーブル232、表示データ取得プログラム233やデータ送信用のドライバ等、配置情報管理表3123、イベントフラグテーブル3124が記憶されている。ここで、管理テーブル231、認証テーブル232、表示データ取得プログラム233やデータ送信用のドライバ等については、実施の形態1と同様である。
配置情報選択部3125は表示データの配信イベントに基づき、イベントフラグテーブル3124から共有フラグを選択し配置情報管理表3123に設定することで、表示制御部17に、ディスプレイ130に表示させる画面の配置情報を指示する。配置情報管理表3123とイベントフラグテーブル3124を用いた制御はの詳細については後述する。
〔表示データの表示制御について〕
以下、本実施形態の表示データの表示制御について詳述する。
(配置情報管理表)
図32は、配置情報管理表3123の一例を示す図である。配置情報管理表3123には、表示データの配置を管理するための情報が登録されている。「配置情報No」はレコードを識別するための識別情報であり、「配置情報」は、映像データ及び表示データをディスプレイ100にどのように配置するかの情報が記憶されている。配置情報には「VIEW_MULTI」と「SHARED_MULTI」がある。これらについては後述するが、「VIEW_MULTI」は映像データだけを表示することを、「SHARED_MULTI」は映像データと表示データを混在させて表示することを、それぞれ意味する。
また、「共有フラグ」は、配置情報選択部3125が配信イベントに基づき図36のイベントフラグテーブル3124を参照して決定する。「共有フラグ」により「配置情報No」が一意に定まる。伝送端末3110が表示データを受信する状態には以下の2つがある。
・情報提供装置30が接続された伝送端末3110で、この情報提供装置30からの表示データを受信している状態
・伝送端末3110が、他の伝送端末3110と接続された情報提供装置30から表示データを受信している状態
本実施形態ではこの2つの状態のいずれも「SHARED」と称する。また、伝送端末3110が全く表示データを受信していない状態を「UNSHARED」と称する。配置情報管理表3123は、伝送端末3110の共有フラグが「SHARED」であれば、配置情報No2の「SHARED_MULTI」の配置情報と結びつけ、共有フラグが「UNSHARED」であれば配置情報No1の「VIEW_MULTI」の配置情報と結びつける。
なお、共有フラグと配置情報の対応付けは一例であり、極端に言えば逆の対応づけも可能である。また、伝送端末3110が表示データを受信する2つの状態を同じ「SHARED」とするのでなく、2つの受信状態を「SHARED1」「SHARED2」として、それぞれを異なる配置情報に対応づけることもできる。配置情報管理表3123の設定は、伝送端末の各参加者が行うことができる。
図33は、ディスプレイ130の分割例と分割により生じる領域を示す図の一例である。領域1〜4はそれぞれに異なる映像データ又は表示データを表示することができるので、この例では最大で4つの映像データ及び表示データを表示することができる。図33では、領域1が他の領域2〜4よりも広く割り当てられている。この領域1〜4のどの領域に映像データを表示し、どの領域に表示データを表示するかを定めるのが「配置情報」である。
図34は、配置情報と、各領域1〜4に割り当てられる映像データ又は表示データの関係の一例を示す図である。図34に示すように、配置情報=「VIEW_MULTI」の場合、領域1には映像データ1が、領域2には映像データ2が、それぞれ表示され全ての領域1〜4に映像データが表示される。配置情報=「SHARED_MULTI」の場合、領域1には表示データが、領域2には映像データ1が、領域3には映像データ2が、それぞれ表示される。
配置情報についてより詳細に説明する。
・「VIEW_MULTI」の場合
領域1から順に各端末で受信している映像データの数だけ映像データが割当てられる配置情報である。例えば、2つの伝送端末3110が伝送管理システム50に接続されている場合は領域2まで映像データが表示され、領域3,領域4には何も表示されない。領域1には現在、参加者が注目すべき相手側の映像データを伝送端末3110は表示するようにして、発話している側の伝送端末3110の撮像部14が撮影した映像データとする。この映像データを特定するため、各伝送端末の音入力部15は音声レベルに基づき発話を検出した場合、表示制御部17は、該当する伝送端末3110の端末IDを中継装置40に転送する。中継装置40はこの端末IDを各伝送端末3110に同報的に配信するので、各伝送端末3110は領域1に表示すべき映像データを特定することができる。なお、表示制御部17は中継装置40でなく、該当する伝送端末3110の端末IDを遠隔通信管理システム50に送信してもよい。また、領域2には発話していない側の映像データを表示する。
・「SHARED_MULTI」の場合
領域1には表示データが表示され、他の領域2〜4には映像データが割当てられる配置情報である。2つの伝送端末1,2が伝送管理システム50に接続されている場合は、領域2と領域3に各伝送端末3110の映像データが表示され、領域4には何も表示されない。
配置情報選択部3125は、自機の伝送端末3110と接続された情報提供装置30から表示データを受信しているか否か、及び、他の伝送端末から表示データを受信しているか否かを定めることになる配信イベントに応じて、自機の共有フラグを「SHARED」又は「UNSHARED」に設定する。「SHARED」に設定するとは、共有フラグの値に「SHARED」「1」又は「ON」を代入することを、「UNSHARED」に設定するとは、共有フラグの値に「UNSHARED」「0」又は「OFF」を代入することをいう。
上記のように、配置情報選択部3125は共有フラグを更新すると、配置情報管理表3123の共有フラグを参照した結果に基づき、表示制御部17に対し映像データ及び表示データの領域1〜4への割り当てを変更する。
図35は、配置情報選択部3125が選択する配置情報の状態遷移図の一例である。初期状態が配置情報のNo1かNo2のいずれになるかは、自機である起動直後の伝送端末3110に表示データが送信されているか否かに応じて変わってくる。図35に示すように、配置情報No1が選択された状態で、配置情報選択部3125が共有フラグに「SHARED」をセットした場合、配置情報選択部3125は配置情報No2を選択する。配置情報No2が選択された状態で、配置情報選択部3125が共有フラグに「UNSHARED」をセットした場合、配置情報選択部3125は配置情報No1を選択する。配置情報No1が選択された状態で、配置情報選択部3125が共有フラグに「UNSHARED」をセットした場合、配置情報選択部3125はそのまま配置情報No1を選択し、配置情報No2が選択された状態で、配置情報選択部3125が共有フラグに「SHARED」をセットした場合、配置情報選択部3125はそのまま配置情報No2を選択する。
(表示制御フラグ)
表示制御フラグは、情報提供装置30が情報提供装置30のディスプレイ306に表示するメニュー等の表示を伝送端末3110が制御するために用いられる。図36は、中継装置40から送信される配信イベントと、配信イベントに応じて配置情報選択部3125が設定する表示フラグ、及び、表示制御部17が決定する表示制御フラグの対応の一例(イベントフラグテーブル3124)である。
配信イベントには「配信開始イベント」「他からの配信開始イベント」「配信停止イベント」「他からの配信停止イベント」がある。前者2つの配信イベントの共有フラグは、伝送端末3110が表示データを受信する配信イベントに対応して「SHARED」であり、後者2つの配信イベントの共有フラグは、伝送端末3110が表示データを受信しない配信イベントに対応して「UNSHAED」である。
また、「配信開始イベント」に対応する表示制御フラグは「SHARED」であり、「他からの配信開始イベント」に対応する表示制御フラグは「SHARED_ANOTHER」であり、「配信開始イベント」と「他からの配信停止イベント」に対応する表示制御フラグは「UNSHARED」である。表示制御フラグについては以下で説明する。情報提供装置30の表示制御部34は、表示制御フラグを伝送端末3110から受信すると、ディスプレイ306に表示するメニューを遷移させる。
図37(a)は、情報提供装置30の記憶部38に記憶されている遷移条件テーブルの一例を模式的に説明する図の一例である。起動直後のディスプレイ306は、伝送端末3110が表示データを共有していないという前提で「共有開始」を表示する。「共有開始」は情報提供装置30の表示データを、情報提供装置30に接続された伝送端末以外の伝送端末3110と共有することを開始させるメニューであり、具体的には参加者の操作を受け付ける「共有開始」ボタンである(以下、「共有開始」と「共有開始」ボタンを厳密には使い分けずに用いる。)。
「共有開始」の表示中に、情報提供装置30が表示制御フラグ「SHARED」を受信すると、表示制御部34は表示データの共有を解除させるための「共有停止」を表示する。「共有停止」は、当該情報提供装置30が表示している表示データを、当該情報提供装置30と直接接続されていない伝送端末3110と共有することを停止させるメニューであり、具体的には参加者の操作を受け付ける「共有停止」ボタンである(以下、「共有停止」と「共有停止」ボタンを厳密には使い分けずに用いる。)。
「共有停止」の表示中に、情報提供装置30が表示制御フラグ「SHARED」以外(「UNSHARED」、「SHARED_ANOTHER」)を受信すると、表示制御部34は表示データの共有を開始できるように「共有開始」を表示する。
なお、情報提供装置30が「共有開始」の表示中に、表示制御フラグ「SHARED」以外を受信した場合、メニューはそのままであり、情報提供装置30が「共有停止」の表示中に表示制御フラグ「SHARED」を受信した場合はメニューはそのままである。
このように、配信イベントに、共有フラグと表示制御フラグが対応づけられていることで、伝送端末3110がディスプレイ130に表示する表示データ及び映像データの表示態様に応じて、情報提供装置30のディスプレイ306の表示態様(メニュー)も決定することができる。
そして、情報提供装置30のディスプレイ306にメニューを表示している間、表示制御部34は、表示制御フラグに応じて共有状態を表示する。
図37(b)は、表示制御フラグと共有状態の対応関係の一例を示す図である。このような対応関係は遷移条件テーブルと共に記憶部38に記憶されている。この”共有状態”が後述するように、情報提供装置30の画面のメッセージ欄に表示され、参加者は伝送端末3110の”現在の共有状態”を把握できるようになっている。”共有状態”には、以下の状態がある。
・(a)伝送端末3110が表示データを共有していない(UNSHARED)
・(b)伝送端末3110が自機に接続された情報提供装置30が表示している表示データを共有している(SHARED)
・(c)伝送端末3110が他の伝送端末3110に接続された情報提供装置30が表示している表示データを共有している(SHARED_ANOTHER)
<表示データの共有開始処理>
図38は、2つの情報提供装置30(情報提供装置1,2)が表示データの送信を開始する際の制御手順を示すシーケンス図の一例である。
ところで、上述したように伝送端末3110が表示データを受信するまでの表示フラグは「UNSHARED」である。したがって、伝送端末3110のディスプレイ130の画面には、映像データのみが表示される。
伝送端末3110が表示データを受信するまでのディスプレイ130の画面の状態について図12、13を用いて説明する。配置情報管理表3123の表示フラグが「UNSHARED」であることは、配置情報選択部3125が配置情報No1を選択している状態である。このため、この場合には、図12に示すように、領域1、2は中継装置40から受信した映像データが表示される。配置情報選択部3125が、領域1に自機の映像データを表示するか、他機の映像データを表示するかは配置情報管理表3123の説明で述べたとおりであるが、参加者の操作により切り替えるように実現してもよい。
また、伝送端末3110が配信イベントを通知されるまで、表示制御部17は何も表示制御フラグを情報提供装置30に送信しないか、又は、「UNSHARED」の表示制御フラグを情報提供装置30へ送信している。情報提供装置30の表示制御部34は、起動直後の状態として又は「UNSHARED」の表示制御フラグに応じたメニューをディスプレイ306に表示する。
図39は情報提供装置30に表示されるいくつかの画面例を示す図である。セッションが確立されていない場合には、図39(a)に示すようにメニュー401には何も文字は表示されず、メニュー402には「会議が行われていません」というメッセージが表示されている。
図39(b)は情報提供装置30に表示されるメニュー401及び共有状態402の一例を示す。図39(b)では、メニュー401として「共有開始」ボタンが、共有状態402として「共有していません」というメッセージが表示されている。「共有開始」ボタンは参加者がタッチパネルを押下することで直接、又は、キーボード211やマウス212を操作して押下することができる。
なお、図39(b)では、情報提供装置30が有する資料の表示データが表示され、その他、状態表示のウィンドウや別の資料の表示データが表示されている。参加者が、情報提供装置30が表示中の表示データを他の伝送端末2と共有する場合、「共有開始」ボタンを押下する。これにより、情報提供装置30が表示データの送信を開始する。
図38に戻り、操作入力受付部33が、参加者による情報提供装置1に表示されている項目「共有開始」ボタンの押下を受け付ける(ステップS3801)。そして、表示データ通信部36は、伝送端末1に共有開始を通知し、表示データの送信を開始する(ステップS3802)。
次に、伝送端末1の表示制御部17は中継装置40に対して配信開始を要求し、表示データを中継装置40に送信する(ステップS3803)。
中継装置40は、表示データの品質を変更して「配信開始イベント」を伝送端末1に通知し、表示データの配信を開始する(ステップS3804)。
伝送端末1の配置情報選択部3125は「配信開始イベント」を取得すると、イベントフラグテーブル3124に従い共有フラグを「SHARED」に設定する(ステップS3805)。伝送端末1の配置情報選択部3125は、配置情報管理表3123に従って配置情報No2を選択して、表示制御部17に、領域1〜4毎に映像データ及び表示データの割り当てを指示する(ステップS3806)。これにより、ディスプレイ130の状態は図12から図13の状態に変化する。図13では、領域1に表示データが表示され、領域2と3に映像データが表示されている。
伝送端末1には「配信開始イベント」が通知されているため、表示制御部17はイベントフラグテーブル3124に従い表示制御フラグを「SHARED」に設定して情報提供装置1に通知する(ステップS3807)。
情報提供装置1の表示制御部34は、図37(a)の遷移条件テーブルに従って、表示制御フラグに応じてメニュー401の表示を変更するか否かを判定する(ステップS3808)。
図39(b)に示したように「共有開始」ボタンが表示されている状態で、情報提供装置2が表示制御フラグ「SHARED」を受信したため、表示制御部34はディスプレイ306のメニュー401を「共有停止」ボタンへ変更させる(ステップS3809)。図39(c)は「共有停止」ボタンが表示されたディスプレイ306の画面例を示す。
また、表示制御部34は、表示制御フラグ「SHARED」を受信したため、図39(c)に示すように共有状態402に「この表示を共有しています」と表示する(ステップS3810)。
中継装置40は、表示データの品質を変更して「他からの配信開始イベント」を伝送端末2に通知し、表示データの配信を開始する(ステップS3811)。
伝送端末2の表示制御部17は「他からの配信開始イベント」が通知された場合、配信停止を中継装置40に要求するか否かを判定する(ステップS3812)。この判定は、すでに伝送端末2が表示データを共有している場合に、どの表示データを表示するかを判定するために必要となる。この判定方法については後述するが、ここでは共有フラグは「UNSHARED」であるため配信停止要求は行わない。
伝送端末2の配置情報選択部3125は「他からの配信開始イベント」を受信すると、イベントフラグテーブル3124に従い配置情報管理表3123の共有フラグを「SHARED」にセットする(ステップS3813)。
伝送端末2の配置情報選択部3125は配置情報管理表3123から共有フラグが「SHARED」に設定されたため配置情報No2を選択して、表示制御部17に、領域1〜4毎に映像データ及び表示データの割り当てを指示する(ステップS3814)。これにより、ディスプレイ130の状態は図12から図13の状態に変化する。
伝送端末2はステップS3811で「他からの配信開始イベント」が通知されているため、表示制御部17はイベントフラグテーブル3124に従い表示制御フラグを「SHARED_ANOTHER」に設定し情報提供装置2に通知する(ステップS3815)。
情報提供装置1の表示制御部34は、図37の遷移条件テーブルに従って、表示制御フラグに応じてメニュー401の表示を変更するか否かを判定する(ステップS3816)。図39(b)に示したように「共有開始」ボタンが表示されている状態で、情報提供装置2が表示制御フラグ「SHARED_ANOTHER」を受信したため、表示制御部34はディスプレイ306のメニュー401を変更しない。
表示制御部34は表示制御フラグを参照してディスプレイ306に「他の表示を共有しています」という共有状態402を表示する(ステップS3817)。
図39(d)は、伝送端末2が伝送端末1の表示データを共有している場合に、情報提供装置2のディスプレイ306に表示される画面例を示す。図39(d)では、メニュー401が「共有開始」であるが、共有状態402に「他の表示を共有しています」と表示されている。
以上説明したように、情報提供装置1では、メニュー401が「共有開始」ボタンから「共有停止」ボタンに変更され、共有状態402は「共有していません」から「この表示を共有しています」に変更される。また、情報提供装置2では、メニュー401は変更されず、共有状態402が「共有していません」から「他の表示を共有しています」に変更される。したがって、参加者はメニュー401を操作することで、表示データを共有することができ、共有状態402を目視することで、操作対象の伝送端末3110が自機と接続された情報提供装置30と表示データを共有しているか否かを一目で把握できる。
<共有する表示データの切り替え>
図38の処理の後、情報提供装置2から表示データを送信する際の処理手順について説明する。伝送端末1及び2のディスプレイ130には図13が、情報提供装置1のディスプレイ306には図39(c)が、情報提供装置2のディスプレイ306には図39(d)がそれぞれ表示されている。
図40は、情報提供装置2が表示データの送信を開始する際の制御手順を示すシーケンス図の一例である。ステップS4001、S4002、S4003、S4011の処理については、図38において情報提供装置1が情報提供装置2に変わっただけなので説明を省略する。
伝送端末1の表示制御部17は「他からの配信開始イベント」が通知された場合、中継装置40に配信停止を要求するか否かを判定する(ステップS4012)。
後述するように、伝送端末1の共有フラグは「SHARED」であるため、表示制御部17は中継装置40に配信停止を要求する(ステップS4013)。中継装置40は、後述する処理を行い、表示データの送信を停止する。なお、ここでは中継装置40は伝送端末2から配信開始が要求されたので、中継装置40が配信している表示データが他にあるため、配信停止イベントは発生しない。
伝送端末1の表示制御部17は、「他からの配信開始イベント」に対応するため、表示データの送信停止を情報提供装置1に要求する(ステップS4014)。これにより、共有対象の表示データを1つに制限できる。表示制御フラグ「SHARED_ANOTHER」をもって、表示データの送信停止を要求してもよい。
情報提供装置1の表示データ通信部36は表示データの送信を停止する(ステップS4015)。この停止により表示データの送信が停止される。
伝送端末1の配置情報選択部3125は、「他からの配信開始イベント」を受信したため、イベントフラグテーブル3124に従い共有フラグを「SHARED」に設定する(ステップS4016)。
伝送端末1の配置情報選択部3125は配置情報管理表3123の配置情報No2を選択して表示制御部17に、領域1〜4と表示データと映像データの対応を指示する(ステップS4017)。
また、伝送端末1にはステップS4011で「他からの配信開始イベント」が通知されているため、イベントフラグテーブル3124に従い表示制御部17は表示制御フラグ「SHARED_ANOTHER」を情報提供装置1に通知する(ステップS4018)。
情報提供装置1の表示制御部34は、図37(a)の遷移情報テーブルに基づき、メニュー401の表示を変更するか否かを判定する(ステップS4019)。
表示制御部34が「共有停止」を表示している状態で、表示制御フラグ「SHARED_ANOTHER」の通知を受けたため、表示制御部34はディスプレイ306に「共有開始」ボタンを表示させる(ステップS4020)。
また、表示制御部34は、表示制御フラグ「SHARED_ANOTHER」を参照してディスプレイ306に共有状態402に「他の表示を共有しています」というメッセージを表示する(ステップS4021)。ステップS4020とS4021により情報提供装置1のディスプレイ306は、図39(d)のようになる。
一方、伝送端末2の配置情報選択部3125は配信開始イベントを取得すると、イベントフラグテーブル3124に従い共有フラグを「SHARED」に設定する(ステップS4005)。
伝送端末2の配置情報選択部3125は配置情報管理表3123に従って配置情報No2を選択して、表示制御部17に領域1〜4毎に映像データ及び表示データを割り当てる(ステップS4006)。すでに、図38のS3814で配置情報選択部3125は配置情報No2を選択しているので、配置情報No2が再度選択される。
ステップS4004で伝送端末2には配信開始イベントが通知されているため、表示制御部17はイベントフラグテーブル3124に従い表示制御フラグを「SHARED」に設定して情報提供装置2に通知する(ステップS4007)。
情報提供装置2の表示制御部34は、図37(a)の遷移情報テーブル431に従って、表示制御フラグに応じてメニュー401の表示を変更するか否かを判定する(ステップS4008)。
図39(d)に示したように「共有開始」ボタンが表示されている状態で、情報提供装置2が表示制御フラグ「SHARED」を受信したため、表示制御部34はディスプレイ306のメニュー401を「共有停止」ボタンに変更する(ステップS4009)。
また、表示制御部34は、表示制御フラグ「SHARED」を受信したため、図39(c)に示すように共有状態402に「この表示を共有しています」と表示する(ステップS4010)。したがって、ディスプレイ306の画面は図39(c)になる。
以上のように、図40の処理が終了すると、情報提供装置1のディスプレイ306は図28(d)のようになり、情報提供装置2のディスプレイ306は図28(c)のようになる。すなわち、情報提供装置1では、メニュー401が「共有停止」から「共有開始」に変更され、共有状態402は「この表示を共有しています」から「他の表示を共有しています」に変更される。また、情報提供装置2では、メニュー401が「共有開始」から「共有停止」に変更され、共有状態402が「他の表示を共有しています」から「この表示を共有しています」に変更される。
S4014で説明したように、情報提供装置1は中継装置40からの「他からの配信開始イベント」に応じて表示データの送信を停止するので、各伝送端末3110が表示する表示データを1つに制限できる。
<図38のS3812の配信停止要求の判定>
図41は、伝送端末3110が「他からの配信開始イベント」を受信した場合に配信停止を要求するか否かを判定する手順を示すフローチャート図の一例である。
この処理は、伝送端末3110が他から配信開始イベントを受信すると作動する(S4101)。
表示制御部17は、「他からの配信開始イベント」を受信すると、共有フラグが「SHARED」に設定されているか否かを判定する(ステップS4102)。共有フラグが「SHARED」であることは、自機に接続された情報提供装置1又はそれ以外の情報提供装置2が配信している表示データを共有している状態なので、伝送端末3110はそのままでは「他からの配信開始イベント」に対応できない。
このため、共有フラグが「SHARED」の場合(ステップS4102のYes)、表示制御部17は中継装置40に配信停止を要求する(ステップS4103)。中継装置40は配信停止を要求した伝送端末3110に対する表示データの配信を停止する。
<図40のS4012の判定>
中継装置40は伝送端末3110からの配信停止の要求に対し、伝送端末3110の表示フラグや表示制御フラグを更新するため、他の全ての伝送端末に「配信停止イベント」又は「他からの配信停止イベント」を通知するか否かを判定する。
図42は、中継装置40の判定手順を示すフローチャート図の一例である。まず、中継装置40は、配信停止が要求された表示データの配信を停止する(ステップS4201)。
次に、中継装置40は、配信している表示データがまだあるか否かを判定する(ステップS4202)。すなわち、中継装置40にテレビ会議に参加している拠点から表示データが送信されており、中継装置40は、それを配信しているか否かを判定する。
配信している表示データがまだある場合(ステップS4202のYes)、その表示データを配信するため、中継装置40は伝送端末に「配信停止イベント」を一切通知しない。
配信している表示データがもうない場合(ステップS4202のNo)、全ての伝送端末の表示フラグ及び表示制御フラグを更新するため、中継装置40は、配信停止を要求した伝送端末に「配信停止イベント」を通知し、他の伝送端末に「他からの配信停止イベント」を通知する(ステップS4203)。
こうすることで、配信している表示データがまだある場合には、伝送端末1,2は共有フラグが「SHARED」のまま表示データの配信を受け付けることができ、配信している表示データがない場合には、情報提供装置1,2に共有制御フラグ「UNSHARED」を通知できる。
〔表示データの送信停止〕
次に、図43のシーケンス図を用いて図40の処理が終了した状態で、情報提供装置2が表示データの送信を停止する手順を説明する。参加者が自機の情報提供装置2から表示データの送信を停止したい場合、参加者は情報提供装置2に表示されているメニュー401の「共有停止」ボタンを押下する。
情報提供装置2の操作入力受付部33は、「共有停止」ボタンの押下を受け付ける(ステップS4301)。そして、表示データ通信部36は、伝送端末2に送信停止を通知する(ステップS4302)。
伝送端末2の表示制御部17は、中継装置40に対して配信停止を要求する(ステップS4303)。中継装置40は、図42に従って「配信停止イベント」を通知するか否かを判定する。
すでに中継装置40が配信している表示データは伝送端末2から送信される表示データだけなので、中継装置40は「配信停止イベント」を伝送端末2に通知し(ステップS4304)、「他からの配信停止イベント」を伝送端末1に配信する(ステップS4313、図42のS4203)。これにより、表示データの配信が停止される。なお、中継装置40は「配信停止イベント」を送信する際、図42のS4201の表示データの配信の停止を送信しなくてもよいし、「配信停止イベント」と重複するがS4201の表示データの配信の停止を送信してもよい。
伝送端末2の表示制御部17は、「配信停止イベント」を受信すると、表示データの送信停止を情報提供装置2に要求する(ステップS4305)。
情報提供装置2の表示データ通信部36は、表示データの送信を停止する(ステップS4306)。この停止により、表示データの送信が停止する。なお、S4302で表示データの送信を停止してもよい。
伝送端末2の配置情報選択部3125は、図36のイベントフラグテーブル3124に従って共有フラグを「UNSHARED」に設定する(ステップS4307)。
伝送端末2の配置情報選択部3125は、共有フラグの設定に応じて、配置情報管理表3123の配置情報No1を選択する(ステップS4308)。これにより、表示制御部17は図12のように、領域1、2に映像データを割り当てて画面を表示する。
また、S4304で伝送端末2には「配信停止イベント」が通知されているため、表示制御部17はイベントフラグテーブル3124に基づき、表示制御フラグ「UNSHARED」を情報提供装置2に通知する(ステップS4309)。
情報提供装置2の表示制御部34は、図37(a)の遷移条件テーブルに従い、メニュー401を変更するか否かを判定する(ステップS4310)。
情報提供装置2が「共有停止」を表示している状態で、表示制御フラグ「UNSHARED」を受信したため、表示制御部34はディスプレイ306にメニュー401として「共有開始」ボタンを表示する(ステップS4311)。
また、表示制御部34は表示制御フラグを参照してディスプレイ306に共有状態402のメッセージを表示する(ステップS4312)。表示制御フラグが「UNSHARED」の場合、メッセージは「共有していません」となる。
ステップS4314〜S4316の処理は、ステップS4307〜S4309の処理とほぼ同様である。
すなわち、伝送端末2の表示制御部17は、「他からの配信停止イベント」を受信すると、図36のイベントフラグテーブル3124に従って共有フラグを「UNSHARED」に設定する(ステップS4314)。すでに表示データの送信は停止されているので、表示データの送信停止を情報提供装置1に要求する必要はない。
伝送端末1の配置情報選択部3125は、共有フラグの設定に応じて、配置情報管理表3123の配置情報No1を選択する(ステップS4315)。これにより、表示制御部17は図12のように、領域1、2に映像データを割り当てて画面を表示する。
また、S4313で伝送端末1には「他からの配信停止イベント」が通知されているため、表示制御部17はイベントフラグテーブル3124に基づき、表示制御フラグ「UNSHARED」を情報提供装置1に通知する(ステップS4316)。
情報提供装置1の表示制御部34は、図37(a)の遷移条件テーブルに従い、メニュー401を変更するか否かを判定する(ステップS4317)。
情報提供装置1が「共有開始」を表示している状態で、表示制御フラグ「UNSHARED」を受信したため、表示制御部34はそのまま「共有開始」ボタンの表示を継続する。
また、表示制御部34は、表示制御フラグを参照してディスプレイ306に共有状態402のメッセージを表示する(ステップS4318)。表示制御フラグが「UNSHARED」の場合、メッセージは「共有していません」となる。
以上の処理が終了したことで、情報提供装置1及び情報提供装置2のディスプレイ306は、いずれも図39(b)のようになる。情報提供装置1では、メニュー401が「共有開始」のまま変更されないが、共有状態402のメッセージは「他の表示を共有しています」から「共有していません」に変更される。また、情報提供装置2では、メニュー401が「共有停止」から「共有開始」に変更され、共有状態402のメッセージが「この表示を共有しています」から「共有していません」に変更される。
本実施の形態は、情報提供装置30が表示データを送信する制御手順、情報提供装置30が表示データの送信を停止する制御手順が実施の形態1と異なっているが、実施の形態1と同様の効果を奏する。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
例えば、上記実施形態では、距離的に離れた場所間の遠隔会議の例を示したが、これに限らず、実際に距離的に離れている場合だけでなく、同じ建物内の会議室のように距離的に近い会議室の間、また、同じ部屋であっても肉声が聞こえないような場所間の遠隔会議に用いてもよい。すなわち遠隔会議とは直接対面して行う会議ではなく、伝送システムを介して行う会議を意味する。また、会議には一人対一人で行う打ち合せのような場合も含まれるものとする。
また、上記実施形態では、伝送システム1によってテレビ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。