JP6318926B2 - 高周波誘導加熱用蓋材 - Google Patents

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Description

本発明は、ヨーグルト、乳酸飲料、果実飲料などの液状・流動食品、小麦粉などの粉状食品、ハムやチーズなどの固形食品、各種医薬品等を収容するプラスチック製容器の開口部を高周波誘導加熱により融着して密封するための蓋材に関する。
食品等を収容するプラスチック製容器として、透明性、耐衝撃性、加工性等に優れたポリスチレン製容器が広く使用されており、このようなポリスチレン製容器の開口部は、抵抗加熱式のサーマルヘッド加熱に比べ、高速加熱・高温加熱が容易であり、加熱効率が高い等の利点を有する高周波誘導加熱により、熱接着性の蓋材で密封されている。このような蓋材としては、高周波誘導加熱により発熱する層であるアルミニウム箔に応力緩和機能を有する低密度ポリエチレン層が積層された複合材料の当該低密度ポリエチレン層上に、所定性状のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)とポリエチレンワックスと高分子粘着付与剤とを含有するホットメルト接着剤層を10〜30g/m(約25〜75μm厚)で設けた蓋材(特許文献1)や、酢酸ビニル含量が比較的高いエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするシーラント層を約20μm厚で設けた蓋材(特許文献2)等が提案されている。
特開平10−156995号公報 特開2003−320613号公報
しかしながら、特許文献1、2で提案されている蓋材で耐衝撃性ポリスチレン製容器の開口部に設けられたドーナツ状フランジを熱接着性の蓋材で密封した場合、ホットメルト接着剤層やシーラント層の厚みが20μm以上であるため、高周波誘導加熱であるかサーマルヘッド加熱かに関わらず、溶融したホットメルト接着剤又はヒートシール剤がヒートシール部から押し出され、フランジの周囲のホットメルト接着剤層やシーラント層の厚みが、加熱する前の厚みよりも厚くなるという問題がある。
このような問題を抱えた容器から蓋材を引き剥がす場合、引き剥がし始めのシール強度が非常に大きくなり、またその直後にいったん大きくシール強度が低下し、その後再びシール強度が徐々に増大するという挙動を示す。引き剥がし始めのシール強度が非常に大きくなると、子供や老人などの力が弱い人にとって、蓋材が引き剥がし難くなるという問題があり、また、引き剥がし始めの大きなシール強度の直後にいったん大きくシール強度が低下すると、力が弱い人であるか強い人であるかに関わらず、引き剥がしが不安定となり、内容物をこぼしたり、飛び散らせたりするという問題がある。従って、このような問題が生じないような高周波シール強度特性を実現することが求められている。
また、このような蓋材については、当該蓋材から内容物に溶け出す物質の量(具体的には、n−へプタンに溶出する物質の量(対n−へプタン溶出量))をできるだけ少なくすることや、ストローで突き刺す際に要する力(突き刺し強度)を実用的範囲内とすることが求められている。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決しようとするものであり、高周波誘導発熱層、応力緩和層、アンカーコート層及び熱接着剤層がこの順で積層されてなる蓋材に対し、高周波誘導加熱によりポリスチレン容器に融着可能とし、容器に融着した蓋材を子供や老人でも安定的に引き剥がすことを可能とし、しかも当該蓋材から内容物に溶け出す物質の量をできるだけ少なくし、更に、ストローで突き刺す際に要する力を実用的範囲内とすることを目的とする。
本発明者らは、高周波誘導発熱層、応力緩和層、アンカーコート層及び熱接着剤層を、高周波シール強度特性と突き刺し強度と対n−へプタン溶出量とを考慮し、それぞれ所定の素材から所定の厚みで形成することにより上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、高周波誘導発熱層、応力緩和層、アンカーコート層及び熱接着剤層がこの順で積層されてなり、高周波誘導加熱によりポリスチレンに対し当該接着剤層が融着可能な蓋材であって、
高周波誘導発熱層は、5〜50μm厚の金属層であり、
応力緩和層は、6〜60μm厚のポリオレフィン系又はポリエステル系熱可塑性樹脂層であり、
アンカーコート層は、0.1〜5μm厚の変性ポリオレフィン系アンカーコート剤層、ポリエステル系アンカーコート剤層、又はポリウレタン系アンカーコート剤層であり、
熱接着剤層は、0.5〜7μm厚のアクリル系ヒートシール剤層であり、
JIS Z1707による高周波誘導発熱層側からの突き刺し強度が3〜10Nであり、
食品衛生法の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の器具及び容器包装の規格試験に規定される蒸発残留物試験法(溶出液n−ヘプタン)において、残留物量が30μg/mL以下である
ことを特徴とする蓋材を提供する。
また、本発明は、フランジ部が形成された開口部を有する食品容器と、その中に収容された液状乃至流動食品と、該食品容器の開口部に形成されたフランジ部に融着した蓋材とから構成される容器入り食品であって、該蓋材が上述の本発明の蓋材であり、その蓋材が、熱接着剤層側から開口部のフランジ部に適用され高周波誘導加熱により融着されていることを特徴とする容器入り食品を提供する。
本発明の蓋材においては、高周波誘導発熱層、応力緩和層、アンカーコート層及び熱接着剤層が、高周波シール強度特性と突き刺し強度と対n−へプタン溶出量とを考慮し、それぞれ所定の素材から所定の厚みで形成されている。このため、容器に融着した蓋材を子供や老人でも安定的に引き剥がすことが可能となり、しかも蓋材から内容物に溶け出す物質の量を減少させ、更に、ストローで突き刺す際に要する力(突き刺し強度)を実用的範囲内とすることが可能となる。
図1は、本発明の蓋材の概略断面図である。 図2は、実施例1の蓋材の高周波シール強度特性図である。 図3は、実施例2の蓋材の高周波シール強度特性図である。 図4は、比較例1の蓋材の高周波シール強度特性図である。 図5は、比較例2の蓋材の高周波シール強度特性図である。
以下、本発明の蓋材を図面を参照しながら説明する。
<蓋材>
図1に示すように、本発明の蓋材10は、高周波誘導発熱層1、応力緩和層2、アンカーコート層3及び熱接着剤層4がこの順で積層されている構造を有する。この蓋材10は、高周波誘導加熱によりポリスチレンに対し当該接着剤層が融着可能な蓋材である。高周波誘導加熱可能であるのは、高周波誘導発熱層に高周波が印加されると高周波誘導発熱層に渦電流が流れ、高周波誘導発熱層自体がその抵抗分のジュール熱を発生するからである。また、ポリスチレンに対し融着可能であるのは、後述するように、ポリスチレンに対し親和性を有する材料から熱接着剤層4を構成するからである。
なお、本発明の蓋材は、スチレンホモポリマーやブタジエン等を共重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)からなる容器に対して高周波誘導加熱により融着可能であり、また、抵抗加熱式のサーマルヘッド加熱でも融着可能である。
また、熱接着剤層4と反対側の高周波誘導発熱層1の表面には、公知の印刷層や、更に透明保護層を設けることができる。また、これらの層を積層するに当たっては、必要に応じて公知のアンカーコート層を設けることができる。
「高周波誘導発熱層1」
高周波誘導発熱層1は、前述したとおり、高周波が印加された際に、それ自体に渦電流が誘導されて発熱する層である。このような高周波誘導発熱層1としては、5〜50μm厚、好ましくは20〜40μm厚の金属層が挙げられる。金属層の具体例としては、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、金等の金属薄膜が挙げられる。中でも、成形性、高周波加熱適性、経済性の点からアルミニウム箔を好ましく挙げることができる。
なお、高周波誘導加熱の条件としては、0.25kW、3秒という条件を例示することができるが、層構成や使用する素材によって適宜変更することができる。
「応力緩和層2」
応力緩和層2は、蓋材の機械的強度を補強し、高周波加熱の際の応力を緩和し、また、熱接着剤層4へ過度の熱量が付加されるのを抑制し、熱接着剤層4が均一に加熱されることを可能とする熱緩和層としても機能する層である。このような応力緩和層2としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂層、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系熱可塑性樹脂から形成される樹脂層を適用することができる。高周波シール強度の安定性等を考慮すると無延伸ポリプロピレン層、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート層を好ましく適用することができる。
応力緩和層2の層厚は、6〜60μm、好ましくは9〜60μmである。この範囲であれば、十分な応力緩和と熱緩和とを実現できると共に、十分な熱量を高周波誘導発熱層1から熱接着剤層4へ伝導させることができる。
なお、応力緩和層2が無延伸ポリプロピレン層である場合のその層厚は、高周波シール強度特性と成形性と突き刺し強度とを考慮すると、好ましくは20〜60μm、より好ましくは30〜60μmであり、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート層である場合のその層厚は、同様に高周波シール強度特性と成形性と突き刺し強度とを考慮すると、好ましくは6〜12μm、より好ましくは9〜12μmである。
高周波誘導発熱層1に応力緩和層2を設ける方法としては、公知の手法を採用することができる。例えば、高周波誘導発熱層1に、直接、応力緩和層2を構成する材料を溶融押し出しラミネートしてもよく、公知のアンカーコート剤を高周波誘導発熱層1に塗布法または溶融押し出し法により成膜してアンカーコート層を形成し、そこへ応力緩和層2を構成する材料を溶融押し出しラミネートすることや、高周波誘導発熱層1に公知のドライラミネーション用接着剤を塗布し、乾燥した後、応力緩和層2を構成する材料からなるフィルムをドライラミネートしてもよい。ここで、アンカーコート剤としては、後述するアンカーコート層3に用いることができるアンカーコート剤を適用することができる。
「アンカーコート層3」
アンカーコート層3は、応力緩和層2と熱接着剤層4とを密着させる層であり、応力緩和層2の材質に合わせて選択され、その層厚によって高周波シール特性(特にシール強度)を調整する層である。
アンカーコート層3としては、塩素又は酸で変性した変性ポリオレフィン系アンカーコート剤、ポリエステル系アンカーコート剤、ポリウレタン系のアンカーコート剤から形成した層を適用することができる。特に、応力緩和層2が無延伸ポリプロピレン層である場合には、ポリプロピレンとの密着性改善のために、塩素化ポリオレフィン系もしくはポリウレタン系アンカーコート剤層を好ましく適用することができる。また、応力緩和層2がポリエチレンテレフタレート層である場合には、ポリエチレンテレフタレートとの密着性改善のために、ポリエステル系もしくはポリウレタン系アンカーコート剤層を好ましく適用することができる。なお、アンカーコート層3には、応力緩和層2とアンカーコート層3との間の密着性を阻害しない範囲内で、各種フィラー等の添加剤を含有させてもよい。
このようなアンカーコート層の層厚は、0.1〜5μm、好ましくは1〜3μmである。この範囲であれば、良好な高周波シール強度特性を実現することができる。なお、この範囲の中で、薄くすると高周波シール強度を低下させ、厚くすると高周波シール強度を上昇させることができるので、アンカーコート層の層厚制御によっても高周波シール強度特性のコントロールが可能となる。
「熱接着剤層4」
熱接着剤層4は、高周波誘導発熱層1から伝導してきた熱により、ポリスチレン等からなる容器に融着する層であるとともに、容器の内容物に接触する層である。このため、熱接着剤層4としては、ポリスチレンに融着可能であって、しかも内容物に溶出し難い接着性材料から構成することが求められ、具体的には、アクリル系熱接着剤層である。市販品の例としては、DIC社製「ディックシール(登録商標)A−250DEH」が挙げられる。なお、熱接着剤層4には、アンカーコート層3と熱接着剤層4との間の密着性を阻害しない範囲内で、各種フィラー等の添加剤を含有させることができる。また、熱接着剤層4の表面には、必要に応じてエンボス加工を施してもよい。
熱接着剤層4の層厚は、0.5〜7μm、好ましくは1〜5μmである。この範囲であれば、高周波加熱で十分な高周波シール特性(特にシール強度)が得られ、しかも蓋材を安定的に引き剥がすことができ、更に対n−ヘプタン溶出量を小さくすることができる。
熱接着剤層4は、グラビアコーター、コンマコーター、ダイコーター等公知の塗布手法を利用して、熱接着剤をアンカーコート層3に塗布し乾燥することにより形成することができる。
「印刷層、保護層」
本発明の蓋材には、高周波誘導発熱層1の外表面に公知の手法で形成可能な印刷層を設けることができる。さらには透明保護層を設けることもできる。また、蓋材の高周波誘導発熱層1側の外表面に必要に応じてエンボス加工を施してもよい。
(高周波誘導加熱による高周波シール強度特性)
本発明の蓋材は、以上説明したような構成を有するため、従来と異なる高周波シール強度特性を示す。即ち、熱接着剤層4の厚み(0.5〜7μm)が、従来の蓋材のホットメルト接着剤層やシーラント剤層(20μm以上)よりも非常に薄くなっているため、密封すべき容器の開口部のフランジの周囲に押し出されて接着剤層の厚みが厚くなったとしても、従来の場合に比べると相対的に非常に薄くなっている。このため、容器から蓋材を引き剥がす際に、引き剥がし始めの高周波シール強度が過度に大きくなることはなく、安定した高周波シール強度を示す。従って、子供や老人などの力が弱い人にとって、蓋材が引き剥がし難くなるという問題がなく、内容物が飛び散ったりするという問題の発生が抑制される。
(突き刺し強度)
本発明の蓋材は、以上説明したような構成を有するため、JIS Z1707による高周波誘導発熱層1側からの突き刺し強度が3〜10Nとなる。このため、常用での強度を保ちながら、ストローにより容易に突き刺すことができる。
(対n−ヘプタン溶出量)
本発明の蓋材は、容器の内容物に接触する熱接着剤層4として、耐溶剤性に優れるアクリル系熱接着剤層を用い、塗布量自体も少なくすることで、従来のホットメルト接着剤やシーラント樹脂が苦手とする対n−ヘプタン溶出量を少なくすることができる。具体的には、食品衛生法の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の器具及び容器包装の規格試験に規定される蒸発残留物試験法(溶出液n−ヘプタン)の油性食品溶出試験に基づき、残留物を30μg/mL以下とすることができる。
「蓋材の製造方法」
既に説明したとおり、本発明の蓋材は、公知の手法を利用して、高周波誘導発熱層1に応力緩和層2を設け、応力緩和層2にアンカーコート層3、更に熱接着剤層4を設けることにより製造することができる。
<蓋材の用途>
本発明の蓋材は、フランジ部が形成された開口部を有する食品容器と、その中に収容された液状乃至流動食品と、該食品容器の開口部に形成されたフランジ部に融着した蓋材とから構成される容器入り食品の当該蓋材として好ましく適用することできる。この場合、蓋材は、接着剤層側から開口部のフランジ部に適用され高周波誘導加熱により熱接着される。このようにして得られる「容器入り食品」も本発明の一態様である。食品容器としては、ポリスチレン製の公知の食品容器等を挙げることができる。
液状乃至流動食品における「液状乃至流動」状態とは、容器を傾斜させると内容物が流出可能な状態を意味する。このような液状乃至流動食品としては、ヨーグルト、乳酸飲料等の乳製品、ジャム製品、スープ、カレーソース、シチュー等の食品などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
(AL箔/CPP/アンカーコート層/熱接着剤層)
厚さ30μmのアルミニウム箔(JIS H4160に規定される合金番号:1N30)の片面に、厚さ30μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(FHK2、フタムラ化学(株))を2液硬化型ドライラミ接着剤(ポリエステル系ポリウレタン樹脂)を用いてドライラミネートし、さらに塩素化ポリオレフィン系アンカーコート剤(スーパークロン(登録商標)、日本製紙(株))をグラビアコーターで塗布し乾燥させることにより1.4μm厚のアンカーコート層を形成し、このアンカーコート層上にアクリル系熱接着剤(ディックシール(登録商標)A−250DEH、DIC(株))をグラビアコーターで塗布乾燥することにより1.1μmの熱接着剤層を形成した。これにより実施例1の蓋材を得た。
実施例2
(AL箔/PET/アンカーコート層/熱接着剤層)
厚さ30μmのアルミニウム箔(JIS H4160に規定される合金番号:1N30)の片面に、厚さ9μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(FE2001、フタムラ化学(株))を2液硬化型ドライラミ接着剤(ポリエステル系ポリウレタン樹脂)にてドライラミネートし基材とした。次に熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂(Tg:−20℃、水酸基価:3.5mgKOH/g)と別の熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂(Tg:35℃、水酸基価:4.0mgKOH/g)を1対1で混合し、トルエン/MEKに溶解させ、そこにイソシアネート系硬化剤(ポリイソシアネート、NCO含有量:11%)をNCO/OH比が3となるように配合してアンカーコート剤とした。これを基材のPET面にグラビアコーターで塗布し、乾燥することにより3.2μm厚のアンカーコート層を形成し、このアンカーコート層上に、アクリル系熱接着剤(ディックシールA−250DEH、DIC(株))を、グラビアコーターで塗布し、乾燥することにより1.0μm厚の熱接着剤層を形成した。これにより実施例2の蓋材を得た。
比較例1
(AL箔/LDPE/ホットメルト接着剤層)
厚さ30μmのアルミニウム箔(JIS H4160に規定される合金番号:1N30)の片面に、2液硬化型押出しラミネート用アンカーコート剤(イソシアネート系)をグラビアコーターで塗布し、乾燥することにより0.35μm厚のアンカーコート層を形成し、そのアンカーコート層上に、厚さ30μmの低密度ポリエチレン(MFR=7)を押出しラミネートし、更に、ワックス(パラフィンワックス、融点66℃)55質量部、粘着付与剤(テルペン樹脂、軟化点105℃)10質量部、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(VA28%、MI115、分子量20000)35質量部からなるホットメルト樹脂組成物を、グラビアコーターにて塗布量11g/mとなるように点状に塗布し、35μm厚のホットメルト接着剤層(熱接着剤層)を形成した。これにより比較例1の蓋材を作成した。
比較例2
(AL箔/LDPE/シーラント層)
厚さ30μmのアルミニウム箔(JIS H4160に規定される合金番号:1N30)の片面に、2液硬化型押出しラミネート用アンカーコート剤(イソシアネート系)をグラビアコーターにて塗布し、乾燥することにより0.35μm厚のアンカーコート層を形成し、そのアンカーコート層上に、厚さ30μmの低密度ポリエチレン(MFR=7)を押出しラミネートし、更にその上に30μm厚のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするシーラント樹脂(CMPS V3032、三井デュポンポリケミカル(株))を押出しラミネートすることによりシーラント層(熱接着剤層)を形成した。これにより比較例2の蓋材を作成した。
(評価)
実施1〜2及び比較例1〜2で得られた蓋材について、「高周波シール強度特性」、「突き刺し強度」、「対n−ヘプタン溶出量」を以下に説明するように試験、評価した。
「高周波シール強度特性」
(イ)蓋材を、長さ90mm巾20mmの短冊状に切り出し、サンプルとした。
(ロ)このサンプルを、その熱接着剤層側からサンプルと同じサイズの短冊状のポリスチレンシート(1.5mm厚)に重ね合わせ、長手方向の一端から5mm離して長手方向に幅5mmのシリコンゴム製押さえ板でサンプルを押圧(押圧条件:1.3MPa)しながら、押さえ板部分を高周波誘導コイルを用い、0.25kW、1秒という条件で高周波誘導加熱した。
(ハ)加熱処理後のサンプルの幅方向の両端を長手方向にそれぞれ2.5mm巾でポリスチレンシートと共に切除することにより引っ張り試験用サンプル(90mm長15mm巾)を作成した。
(ニ)得られた引っ張り試験用サンプルを引張試験機(オートグラフ(登録商標)AGS−500NJ、(株)島津製作所)を用いて、300mm/min.の引張り速度で180°剥離試験を行った。得られた結果を図2(実施例1)、図3(実施例2)、図4(比較例1)、図5(比較例2)に示す。実用的には、引き剥がし始めに突出した高周波シール強度を示さずに安定した高周波シール強度(好ましくは5〜15N/15mm)であることが望まれる。
「突き刺し強度」
開口部の内径が20mm、外径が24mmのポリスチレン製のボトル容器の開口部に、蓋材の熱接着剤層面を溶着して固定し試験サンプルとした。この蓋材に対し、アルミニウム箔側からJIS Z1707に従って、先端が半径0.5mmの半球状となっている直径1.0mmのステンレススチール針を毎分50mmの速度で突き刺し、針が貫通するまでの最大応力(N)を、万能精密試験器(オートグラフAGS−500NJ、(株)島津製作所)を用いて測定した。得られた結果を表1に示す。実用上、突き刺し強度は3〜10Nであることが望まれる。
「対n−ヘプタン溶出量」
食品衛生法の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の器具及び容器包装の規格試験に規定される蒸発残留物試験法(溶出液n−ヘプタン)の油性食品溶出試験に基づいて、蓋材の対n−へプタン溶出量を測定した。具体的には、蓋材を100mm四方にカットし、200mメスシリンダー中のヘプタン200mL中に沈め、25℃で1時間静置し、その後蓋材を取り出し、試験溶液とした。試験溶液をエバポレーターにて10ml程度まで減圧濃縮後、熱風乾燥器にて蒸発乾固し、その後105℃の乾燥器内で2時間乾燥後、秤量し試験溶液の蒸発残渣を得た(溶出液の蒸発残渣:m1[μg])。それとは別に、n−ヘプタンだけについて、同様に蒸発残渣を測定し、溶媒の蒸発残渣を得た(溶媒の蒸発残渣m2[μg])。これらのデータを以下式に代入して、対n−ヘプタン溶出量[μg/mL]を算出した。得られた結果を表1に示す。対n−ヘプタン溶出量は少なければ少ない程好ましく、内容物にもよるが、最も厳しい基準として30μg/mL以下であることが望まれる。
Figure 0006318926
Figure 0006318926
(考察)
図1〜図4、表1からわかるように、比較例1及び2の蓋材は、容器に融着させた蓋材を引き剥がす際に、引き剥がし始めのシール強度が非常に大きくなり、またその直後にいったん大きく高周波シール強度が低下するという挙動を示す。それに対し、実施例1及び2の蓋材は、そのような挙動を示さず、安定した高周波シール強度を示した。
また、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の蓋材は、いずれも実用上問題のない突き刺し性を示したが、対n−ヘプタン溶出量については、実施例1及び2の蓋材は、15μg/mL以下であったが、比較例1及び2の蓋材は30μg/mLを超えていた。
本発明の蓋材においては、高周波誘導発熱層、応力緩和層、アンカーコート層及び熱接着剤層が、高周波シート強度特性と突き刺し強度と対n−へプタン溶出量とを考慮し、それぞれ所定の素材を用いて、所定の厚みで形成されている。このため、容器に融着した蓋材を子供や老人でも安定的に引き剥がすことが可能となり、しかも内容物に溶け出す物質の量を減少させ、更に、ストローで突き刺す際に要する力を実用的範囲内とすることが可能となる。よって、食品容器や医薬品容器の蓋材として有用である。
1 高周波誘導発熱層
2 応力緩和層
3 アンカーコート層
4 熱接着剤層
10 蓋材

Claims (8)

  1. 高周波誘導発熱層、応力緩和層、アンカーコート層及び熱接着剤層がこの順で積層されてなり、高周波誘導加熱によりポリスチレンに対し当該接着剤層が融着可能な蓋材であって、
    高周波誘導発熱層は、5〜50μm厚の金属層であり、
    応力緩和層は、6〜60μm厚のポリオレフィン系又はポリエステル系熱可塑性樹脂層であり、
    アンカーコート層は、0.1〜5μm厚の変性ポリオレフィン系アンカーコート剤層、ポリエステル系アンカーコート剤層、又はポリウレタン系アンカーコート剤層であり、
    熱接着剤層は、0.5〜7μm厚のアクリル系熱接着剤層であり、
    JIS Z1707による高周波誘導発熱層側からの突き刺し強度が3〜10Nであり、
    食品衛生法の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の器具及び容器包装の規格試験に規定される蒸発残留物試験法(溶出液n−ヘプタン)において、残留物量が30μg/mL以下である
    ことを特徴とする蓋材。
  2. 高周波誘導発熱層が、20〜40μm厚のアルミニウム箔である請求項1記載の蓋材。
  3. 応力緩和層が、20〜60μm厚の無延伸ポリプロピレン層である請求項1又は2記載の蓋材。
  4. アンカーコート剤層が、変性ポリオレフィン系アンカーコート剤層である請求項3記載の蓋材。
  5. 応力緩和層が、6〜12μm厚のポリエチレンテレフタレート層である請求項1又は2記載の蓋材。
  6. アンカーコート剤層が、ポリエステル系又はポリウレタン系アンカーコート剤層である請求項5記載の蓋材。
  7. 高周波誘導発熱層の外表面に印刷層が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の蓋材。
  8. フランジ部が形成された開口部を有する食品容器と、その中に収容された液状乃至流動食品と、該食品容器の開口部に形成されたフランジ部に融着した蓋材とから構成される容器入り食品であって、該蓋材が請求項1〜7のいずれかに記載の蓋材であり、その蓋材が、熱接着剤層側から開口部のフランジ部に適用され高周波誘導加熱により融着されていることを特徴とする容器入り食品。
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