JP2013154609A - 蓋材 - Google Patents

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Masato Yuno
政人 油野
Katsunobu Ito
克伸 伊藤
Takashi Nakagome
隆 中込
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Abstract

【課題】 本発明は、密封性及び易開封性に優れ、且つ成形性に優れ、製造工程の自由度が高く、経済性にも優れた層間剥離タイプの蓋材、及びそれを用いた包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】 基材層、中間層、及び該中間層に隣接するシール層をこの順に有する積層体からなる蓋材において、該中間層は、アイオノマー樹脂からなる層であり、該シール層は、ポリエチレン樹脂からなる層であることを特徴とする、上記蓋材、及びそれを用いた包装体を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中間層とシール層との間の層間剥離により易開封性を有する蓋材、及びそれを用いた包装体に関する。
従来、各種の飲食料品、液体洗剤等の化成品ないし化粧品、医薬品、雑貨品、産業部材等の物品を充填包装するために、種々の形態からなる容器が開発されている。
そして、その容器の開口部をシールする蓋材には、内容物の品質を確実に保護する密封性、及び、消費時に容易に開封することができる易開封性すなわちイージーピール性の両方が要求される。
この要求を満たす蓋材として、種々の層構成からなるものが提案されており、その開封の仕組みの違いにより、幾つかのタイプが存在する。
その中で、層間剥離タイプの蓋材は、シール層及びそれに隣接する中間層の少なくとも2層からなるシーラントを有するものであり、この蓋材で密封された包装体の開封は、初期開封力によりシール部外周縁近傍でシール層が破壊し、次いで、シール層と中間層との間で剥離が起こり、次いで、シール部内周縁近傍でシール層が破壊することにより達成される。
層間剥離タイプの蓋材を開封するために要する力、すなわち剥離強度(ピール強度)は、シール層と中間層との層間接着強度によって決まり、シール層と容器の被着部との接着強度には依存しない。したがって、密封時のヒートシール条件にばらつきがあったとしても、剥離強度は一定であるため、このタイプの蓋材は、安定した易開封性を示すことができる。
層間剥離タイプの蓋材として、例えば特許文献1には、シーラントのシール層が、エチレン−不飽和カルボン酸(またはそのエステル)共重合体とポリエチレンまたはポリプロピレン等とのブレンドポリマーからなり、該シール層に隣接する中間層が、エチレン−不飽和カルボン酸(またはそのエステル)共重合体からなることを特徴とする蓋材が開示されている。
また、特許文献2には、シーラントのシール層が、ポリエチレンからなり、該シール層に隣接する中間層が、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)とポリプロピレンとのブレンドポリマーからなることを特徴とする蓋材が開示されている。
これらの特許文献に係る蓋材は、押出温度帯域が互いに異なる2種類の樹脂のブレンドポリマーからなる層を有するが、このような層は、いずれか一方の押出温度帯域に合わせると、他方の樹脂の劣化が生じるため、製膜後に異臭を発生することがある点において問題を有する。
また、層間剥離タイプの蓋材において、シール層を厚くすると、包装体を開封する際に必要な初期開封抵抗(強度)、すなわち、最初にシール層を破壊するために必要な力が大きくなるため、開封がスムースに進まず、易開封性が損なわれることが知られている。したがって、このタイプの蓋材においては、シール層を出来る限り薄く、数μm以下にする必要がある。しかしながら、シール層を形成する熱可塑性樹脂をこのような薄さで均一に成形するには、徹底した工程管理が必須であり、製造コストが大幅に増大する。
特開平5−212835号公報 特開2002−283513公報
本発明は、上記の問題を解決し、密封性及び易開封性に優れ、且つ成形性に優れ、製造工程の自由度が高く、経済性にも優れた層間剥離タイプの蓋材、及びそれを用いた包装体を提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討の結果、シール層及びそれに隣接する中間層を構成する樹脂の組み合わせを検討し、特定の種類の樹脂を組み合わせて使用し、上記の目的を達成することを見出した。
すなわち、基材層、中間層、及び該中間層に隣接するシール層をこの順に有する積層体からなる蓋材において、該中間層は、アイオノマー樹脂からなる層であり、該シール層は、ポリエチレン樹脂からなる層であることを特徴とする、上記蓋材、及びそれを用いた包装体が、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.基材層、中間層、及び該中間層に隣接するシール層をこの順に有する積層体からなる蓋材において、該中間層は、アイオノマー樹脂からなる層であり、該シール層は、ポリエチレン樹脂からなる層であることを特徴とする、上記蓋材。
2.前記中間層の層厚が10〜100μmであり、前記シール層の層厚が1〜30μmであることを特徴とする、上記1に記載の蓋材。
3.前記ポリエチレン樹脂は、メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg荷重)が15〜80g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(高圧法によって生成されるエチレンの単独重合体、以下「LDPE」と称する)であることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の蓋材。
4.前記中間層とシール層とが、共押出コーティング法により基材層上に積層されてなることを特徴とする、上記1〜4のいずれかに記載の蓋材。
5.前記シール層を介してヒートシールされた被シール体からの剥離が、前記シール層と前記中間層との層間剥離により行われることを特徴とする、上記1〜5のいずれかに記載の蓋材。
6.上記1〜6のいずれかに記載の蓋材と、ポリエチレン樹脂を表面にコートしたフランジ部を有する容器とからなり、該蓋材と該容器とを、該蓋材のシール層の面が容器のフランジ部と対向するように重ね合せ、ヒートシールしてなる包装体。
本発明の蓋材は、層間剥離タイプの蓋材であって、ポリエチレン樹脂からなるシール層と、アイオノマー樹脂からなる中間層との組み合わせを有することを特徴とする。本発明の蓋材において、シール層は、容器の被着面と接する側の最表面、すなわち、包装体の最内層となる面を形成し、ヒートシールにより溶融して、容器の被着面と接着する層である。また、中間層は、シール層に隣接して存在し、ヒートシール時にクッションの役割を果たし、容器の被着面に凹凸がある場合であっても、隙間を生じずに、内容物を密封するための層である。
本発明の蓋材において、中間層及びシール層は、それぞれ1種類の樹脂からなり、押出温度帯域が異なる異種の樹脂を有意な量で含むことがない。したがって、本発明の蓋材は
、成形性に優れ、異臭の発生がなく、包装用途を限定せずに、食品や医薬品等の広範囲の内容物に対して使用することができる。
また、本発明の蓋材の製造において、シーラントの中間層及びシール層として、特定の樹脂及び樹脂組成物の組み合わせを用い、これらを、中間層の層厚が10〜100μmであり、シール層の層厚が1〜30μmとなるように共押出する。これにより、特定の破壊強度を有するシール層(すなわちポリエチレン樹脂からなる層)と、このシール層に特定の層間接着強度で結合する中間層(すなわちアイオノマー樹脂層)が形成される結果、本発明の蓋材は、運搬や保管時に生じる歪みにも耐えられる高い密封性を示しながら、開封時には優れた易開封性を示す。
また、本発明の蓋材において、シール層は、ポリエチレン樹脂からなる。これにより、易開封性を損なわずに密封性を高めることができ、さらに、厳しい工程管理が不要となることから製造コストを低減することができる。
さらに、本発明に係る蓋材は、例えば、プラスチック成形容器のフランジ部に、蓋材をヒートシールする場合、例えば、プラスチック成形容器のフランジ部が、凸状等に突起している部分を有するシール部の場合に、蓋材をリングシールによりヒートシールしても、シール層が、突き破られることもなく、良好な密閉性と易開封性を得ることができるものである。
また、プラスチック成形容器のフランジ部のシール面積が小さい場合に、蓋材をリングシールによりヒートシールしても、その密閉性が不安定になることもなく、極めて良好な密閉性を有するというものである。
すなわち、本発明の蓋材は、ヒートシール性に優れ、その密封性を十分に満足し得るものであって、内容物の品質の保護、保存期間の延長等の要請を満たすと共に、イージーピール性に優れ、消費時に包装用袋を容易に開封することができる易開封性を有するものであり、各種のプラスチック成形容器用の蓋材として適用することができるものである。
さらに、本発明の蓋材においては、基材層として金属フィルムや蒸着フィルムを用いる場合であっても、該基材層と中間層との間に新たに接着剤層を設けたり、接着力を高めるための表面処理を行ったりする必要がなく、中間層とシール層とを、基材層上に直接、共押出コーティングにより積層することにより、高い層間密着性が得られる。
したがって、本発明の蓋材は、接着剤の成分が内容物中に溶出することがないため、食品や薬品等の様々な内容物の包装に広く適用することができる。
本発明の蓋材を構成する積層体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明の蓋材を構成する積層体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明の蓋材を使用して製造した包装体について、その一例の層構成を示す概略的断面図である。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)とは、JIS K6922に準拠した手法から測定したものであり、特に記載のない限り、190℃、2.16kg荷重で測定した数値である。
また、本発明において、密度は、JIS K7112に準拠した手法から測定したものである。
<I> 蓋材を構成する積層体及びこれを用いて製造した包装体の層構成
図1は、本発明の蓋材を構成する積層体の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
図1に示されるように、本発明の蓋材を構成する積層体は、シーラント1と基材層4とからなり、シーラント1は、ポリエチレン樹脂からなるシール層2と、アイオノマー樹脂からなる中間層3とからなる構成を基本とする。本発明の蓋材を用いて容器を密封するには、シール層2の側の接着面Pを、容器の被着面と対向するように重ね合せ、ヒートシールする。
別の態様において、図2に示されるように、本発明の蓋材を構成する積層体は、基材層4として、紙や樹脂フィルム等からなる基材フィルム4aと、アルミニウム箔等からなるガスバリア性フィルム4bとを有する多層積層フィルムを用いることもできる。
図3は、本発明の蓋材を使用して製造した包装体について、その一例の層構成を示す概略的断面図である。
図3に示されるように、本発明の蓋材Aのシール層2の側の接着面Pを、内容物12を充填した容器11の開口部のフランジ部13の被着面Qに対向させて重ね合せ、ヒートシールすることにより密封し、本発明の包装体Bを製造する。フランジ部13の被着面Qは、ポリエチレン樹脂でコートされており、シール層2を形成するポリエチレン樹脂と融着して、優れたシール安定性及び夾雑物シール性を示す。
<II> 基材層
本発明において、基材層としては、包装用途に応じて、蓋材として必要な強度、シール時の耐熱性、デッドホールド性、フラット性等を保持する任意の基材を使用することができる。本発明において好適に使用される基材の例としては、模造紙、クレイコート紙、クラフト紙、板紙、合成紙等の各種の紙、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム等の各種樹脂フィルム、金属酸化物等の蒸着層を有する蒸着フィルム、アルミニウム箔等の金属フィルム、その他種々のバリア性フィルム、遮光性フィルム、及び、これらをラミネートした多層積層フィルムが挙げられる。フィルムのラミネートは、任意の方法により行うことができる。
基材層の層厚は、包装用途に応じて、当業者が適宜に決定することができる。
また、基材層の中間層積層面には、所望に応じて、コロナ放電処理、薬品処理、オゾン処理等の種々の表面処理を施したり、アンカーコート剤や接着剤をコーティングすればよい。
さらに、基材層の中間層積層面と反対側の表面には、所望に応じてさらなる層、例えば、文字、絵柄等の任意の印刷絵柄層やこれを保護する表面保護層を設けることができる。
<III> 中間層
本発明の蓋材において、中間層は、蓋材をヒートシールする際に、被着面の凹凸に追随して、密封性を補うクッション層としての機能を果たすと同時に、隣接して積層されるシール層と基材層との接着層としても機能する。
本発明において、中間層はアイオノマー樹脂からなる層である。好適に用いられるアイ
オノマー樹脂としては、MFRが2〜30g/10分、より好ましくは6〜15g/10分のものである。MFRが2g/10分より小さいと、シール層との共押出ができない。また30g/10分より大きいと、ネックインが大きくなり、狭幅及び偏肉が発生し易い。特にMFRが6〜15g/10分のアイオノマー樹脂を、シール層を形成する樹脂組成物と共押出することにより、中間層とシール層とは、好適な接着強度で積層され、優れた易開封性が得られる。
アイオノマー樹脂としては、具体的にはエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体カリウム架橋樹脂が挙げられる。さらに具体的には、エチレンに炭素数3〜8の不飽和カルボン酸が約2〜35重量%、好ましくは3〜21重量%の割合で共重合してなるエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボン酸基がカリウムで約10モル%以上、好ましくは15モル%以上の割合で中和されているものが用いられる。
本発明に用いられるアイオノマー樹脂としては、米国デュポン社が開発し、三井デュポンポリケミカル(株)が国産化しているハイミラン(商品名)が使用される。また、オレフィン類と不飽和カルボン酸、或いは更に他のビニルモノマーとの共重合体をアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、或いは有機塩基で中和して得られる樹脂、例えば、デュポン社製「サーリン」(商品名)で代表される樹脂を使用することもできる。
本発明の蓋材において、中間層の層厚は、好ましくは10〜100μm、より好ましくは25〜60μmである。中間層の層厚が10μm未満では、被着面の凹凸、例えば紙製容器の糊代を張り合わせてできた繋ぎ目等に追随することができず、クッション層として機能しない。一方、層厚が100μmを超えると、均一な膜厚で製膜することが困難になる。
<IV> シール層
本発明の蓋材において、シール層は、容器の被着面と接する側の最表面、すなわち、包装体の最内層となる面を形成する層であり、ヒートシールにより溶融して、容器の被着面にコートされたポリエチレン樹脂層と接着する。
本発明において、シール層は、ポリエチレン樹脂からなる。
ポリエチレン樹脂としては、任意のポリエチレン、例えば低密度、中密度または高密度ポリエチレンが使用でき、またホモポリマー、コポリマーまたはグラフトポリマー等を使用できるが、好適には、密度が0.900〜0.930g/cm3の低密度ポリエチレン、特に、MFRが15〜80g/10分、より好ましくは15〜40g/10分のLDPEが使用される。
このLDPEを用いることにより、容器の被着面との高く安定したシール強度、及び、中間層との好適な剥離強度が得られる。LDPEのMFRが15g/10分未満であると、シール層の破壊強度が高まるため、包装体を開封する際に必要な初期開封抵抗、すなわち、最初にシール層を破壊するために必要な力が大きく、易開封性が損なわれる。一方、LDPEのMFRが80g/10分より大きいと、製膜性に劣る。
本発明の蓋材において、シール層の層厚は、1〜30μmの範囲、例えば1〜20μmの範囲、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上の範囲である。シール層の層厚が1μmより薄いと、均質に製膜することが困難であり、また、シール層として十分な密封性を提供することができない。30μmより厚いと、初期開封抵抗が大きくなり過ぎて、易開封性が損なわれる。
さらに、シール層が3μmより薄いと、初期開封抵抗は手で容易に開封できる範囲に抑えられるが、製膜のために厳しい工程管理が必須であり、製造コストが大幅に増大する。
また、線シール突起フランジを有する容器へのシールが不安定となること等の理由から好ましくない。
また、本発明において、シール層の層厚を5μm以上の厚さに設けることも可能である。このような層厚のシール層は、厳しい工程管理を必要とせずに安定して製膜することができ、さらに、高い密封性を提供することができる。
<V> 蓋材を構成する積層体の製造
本発明の蓋材を構成する積層体の製造において、中間層とシール層とからなるシーラントは、各層の材料となる樹脂及び樹脂組成物を、Tダイ共押出機あるいは共押出インフレーション製膜機等を使用し、共押出することにより製膜される。ここで、中間層とシール層とからなる共押出フィルムを製膜し、これを、基材層を形成するフィルムとドライラミネートすることにより、本発明の蓋材を構成する積層体を製造することができる。
また、基材層が樹脂フィルムからなる場合は、基材層、中間層及びシール層の3層を共押出により製膜することもできる。
また、基材層を形成するフィルム上に、中間層とシール層とを直接、共押出コーティング法により積層して、該積層体を製造してもよい。
本発明においては、中間層が、紙や金属と強く安定に結合し得るアイオノマー樹脂からなるため、基材層が、紙である場合、または、アルミニウム箔等の金属フィルムや、金属または無機酸化物の蒸着フィルム等からなるバリアフィルムを含む場合であっても、中間層及びシール層を、基材層上に直接、共押出コーティングにより積層することができる。ここで、基材層と中間層との間に新たに接着剤層を設けたり、接着力を高めるための表面処理を行ったりする必要はない。
<VI> 蓋材及び包装体の製造
本発明の蓋材は、上記のようにして得られた積層体を、容器の開口部周辺に設けられたフランジ部の形状に合わせて打ち抜くことにより製造される。
実際の製造においては、容器の開口部の形状に合わせて予め打ち抜かれた枚葉の蓋材として製造されるほか、巻き取り状の蓋材を充填シール装置に供給して、内容物が充填された容器の開口部周縁のフランジ部にヒートシールした後、インラインで個々の形状に打ち抜く方法で製造される場合も多く、いずれの方法でも製造できる。
本発明の包装体は、上記蓋材のシール層の面を、内容物を充填した容器のフランジ部と対向するように重ね合せ、ヒートシールすることにより製造することができる。ここで、容器のフランジ部は、ポリエチレン樹脂でコートされている。
本発明の包装体中に封入される内容物としては、各種の飲食料品、液体洗剤等の化成品ないし化粧品、医薬品、雑貨品、産業部材等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、上記容器としては、その目的、用途等により、各種の角型、丸型、角錐型、円錐型等の種々の形状からなる容器を使用することができ、また、フランジ部の被着面がポリエチレン樹脂でコートされているものであれば、それ以外の部分はいかなる材料からなるものであってもよい。
なお、本発明において、蓋材と容器とのヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
次に、本発明について下記に具体例を例示して更に詳しく説明する。
[実施例1]
坪量110g/m2のクレイコート紙に、紙層の中間層側に融点105℃、MFR8g/10分の低密度ポリエチレン層10μmを形成し、アルミニウム9μmと共押しラミネートを行った。
アルミニウム層の中間層側に、融点98℃、MFR5.5g/10分のアイオノマー樹脂層(三井デュポン・ポリケミカル社製ハイミラン 1652)40μmを用い、融点105℃、MFR55g/10分の低密度ポリエチレン100質量部、8μmのヒートシール層を用い、
中間層の押出し温度280℃、ヒートシール層の押出し温度250℃、ダイス温度260℃、ラインスピード80m/minで両者を共押出しラミネートし、下記構造の蓋材を作製した。
(層構成)
紙100g/PE10μm/Al9μm/アイオノマー40μm/ヒートシール層10μm
[実施例2]
クレイコート紙とアルミニウム箔とを、MFR8g/10分、融点105℃のLDPEを介するサンドイッチラミネート法によりラミネートし、基材フィルムを得た。
一方、融点105℃、MFR55g/10分の低密度ポリエチレン100質量部、8μmのヒートシール層を用い、
次いで、上記で得られた基材フィルム上のアルミニウム箔の面に直接、中間層を形成する側に、MFR5.5g/10分、融点98℃のアイオノマー(三井デュポン・ポリケミカル社製ハイミラン(登録商標) 1652)と、シール層を形成する上記樹脂組成物とを、層厚が、中間層30μm及びシール層8μmとなるように、共押出コーティングにより積層し、本発明の蓋材を構成する積層体を製造した。中間層の押出し温度280℃、シール層の押出し温度250℃、及びダイス温度260℃とし、押出しのラインスピードは80m/分とした。
得られた積層体の層構成は、以下のとおりであった:クレイコート紙(坪量110g/m2)/LDPE層(層厚10μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/中間層(層厚30μm)/シール層(層厚8μm)。
次いで、この積層体を用いて、本発明の蓋材及び包装体を製造した。この積層体を、直径100mmの円形であって、外周の一部につまみ片を設けた形状で打ち抜いて、本発明の蓋材を製造した。
得られた蓋材と、厚み20μmのLDPEを最内面にコートした紙カップ(200cc、直径82mm)とを用意し、蓋材のシール層の面が、容器の開口部周縁のフランジ部と対向するように重ね合せ、リングシーラーを用いて、シール温度160℃、圧力100kPa、時間1秒の条件でヒートシールして、包装体を製造した。
[実施例3]
坪量110g/m2のクレイコート紙に、紙層の中間層側に融点105℃、MFR8g/10分の低密度ポリエチレン層10μmを形成し、アルミニウム9μmと共押しラミネートを行った。
アルミニウム層の中間層側に、融点91℃、MFR5.0g/10分のアイオノマー樹脂(三井デュポン・ポリケミカル社製ハイミラン 1705)100質量部、30μmの中間層を用い、
融点105℃、MFR45g/10分の低密度ポリエチレン100質量部、8μmのヒートシール層を用い、
中間層の押出し温度280℃、ヒートシール層の押出し温度250℃、ダイス温度260℃、ラインスピード80m/minで両者を共押出しラミネートし、下記構造の蓋材を作製した。
[比較例1]
樹脂組成物中のLDPEとして、MFR20g/10分、融点106℃のLDPEの代わりに、MFR4g/10分、融点110℃のLDPEを用いる以外は、実施例3と同様にして、クレイコート紙(坪量110g/m2)/LDPE層(層厚10μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/中間層(層厚35μm)/シール層(層厚10μm)、の層構成を有する積層体を得た。
次いで、この積層体を用いて、実施例1と同様にして、蓋材及び包装体を製造した。
[評価]
実施例1〜3及び比較例1で得られた包装体について、易開封性、開封感、開封外観を以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
(易開封性の評価)
JIS Z0238に定められる容器の破裂強さ試験に従って、破裂時(ヒートシール部が開封し、空気漏れが起きる)の圧力(単位kPa)を測定した。
(開封感・開封外観の評価)
各包装体について、開封時の感触を判定し、開封後のシール部の外観を目視で評価した。
Figure 2013154609
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜3の積層体は、適度な密封性及び良好な易開封性を示した。また、剥離後は、シール層/中間層間の剥離による美麗な剥離面が得られた。
これに対し、比較例1の積層体は、シール層を形成するLDPEのMFRが大きいため、シール層の破壊がスムースに進まず、開封に大きな力を要した。
1.シーラント
2.シール層
3.中間層
4.基材層
4a.基材フィルム
4b.ガスバリア性フィルム
11.容器
12.内容物
13.フランジ部
A、A1.蓋材
B.包装体
P.蓋材の接着面
Q.フランジ部の被着面

Claims (4)

  1. 基材層、中間層、及び該中間層に隣接するシール層をこの順に有する積層体からなる蓋材において、
    該中間層は、アイオノマー樹脂からなる層であり、
    該シール層は、メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg荷重)が15〜80g/10分である高圧法低密度ポリエチレンからなる層であり、
    該中間層の層厚が10〜100μmであり、該シール層の層厚が1〜30μmであることを特徴とする、上記蓋材。
  2. 前記中間層とシール層とが、共押出コーティング法により基材層上に積層されてなることを特徴とする、請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記シール層を介してヒートシールされた被シール体からの剥離が、前記シール層と前記中間層との層間剥離により行われることを特徴とする、請求項1または2に記載の蓋材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋材と、ポリエチレンを最内面にコートした容器とからなり、該蓋材と該容器とを、該蓋材のシール層の面が容器のフランジ部と対向するように重ね合せ、ヒートシールしてなる包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019038603A (ja) * 2017-08-29 2019-03-14 株式会社悠心 液中シール用ラミネートフィルムおよび液中シール方法

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