JP6317601B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、イソブチレン系重合体を含有してなる熱可塑性エラストマー組成物に関し、より詳しくは、炭酸カルシウム上に担持された白金触媒の共存下にイソブチレン系重合体を動的架橋させて得られる熱可塑性エラストマー組成物に関する。
従来、弾性を有する高分子材料としては、天然ゴムまたは合成ゴムなどのゴム類に架橋剤や補強剤などを配合して高温高圧下で架橋したものが汎用されている。しかしながら、この様なゴム類は、高温高圧下で長時間にわたって架橋および成形を行なう行程が必要であり、生産性の面で課題があった。
また、架橋したゴムは熱可塑性を示さないため、熱可塑性樹脂のようにリサイクル成形が一般的に不可能である。そのため、通常の熱可塑性樹脂と同じように熱プレス成形、射出成形、および押出し成形などの汎用の溶融成形技術を利用して成型品を簡単に製造することのできる熱可塑性エラストマーが近年種々開発されている。
このような熱可塑性エラストマーの例としては、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、スチレン系、塩化ビニル系などが挙げられる。これらのうちで、スチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富み、ゴム弾性に優れていることから広く使用されている。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、またそれらを水素添加したスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)やスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などが開発されている。しかし、これらのブロック共重合体は、圧縮永久歪み特性が不充分であった。
一方、柔軟性に富み、ゴム弾性に優れ、さらにガスバリア性に優れた熱可塑性エラストマーとしては、イソブチレンを主体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックとを含有するイソブチレン系ブロック共重合体(SIBS)が知られているが、SIBSも本質的に架橋を含まない熱可塑性エラストマーであるため、加熱時の変形率(圧縮永久歪み)やゴム弾性の低下という課題があった。
特許文献1には、上記課題を解決するものとして、イソブチレン系重合体を熱可塑性樹脂の存在下で動的架橋した熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。この組成物は、イソブチレン系重合体の特徴である制振性に優れ、柔軟性や、成形加工性、ゴム的特性を有した上で、圧縮永久歪み特性が改良されたものである。しかし、上記の組成物に使用されている原材料の中でも特に、0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジアリルジシロキサン錯体 1%キシレン溶液は液体であるため、コンパウンド業者にとっては液体成分添加設備を新設しなければならない場合があったり、また、添加量自体も極少量であることから、添加量の定量性が保証されにくく、意図した添加量よりも多量に投入されたり、または少量しか投入されない場合は、所望の性能を有する組成物が得られない場合があった。
また、特許文献1〜5に開示されているように、何らかの固体に白金錯体を担持させた白金触媒を使用する場合もあるが、例えばシリカを担体とする場合、他の担体に比較してシリカ自体が比較的高価であるだけでなく、組成物を作成する際に粘度が激しく上昇する場合があるなど、必ずしも取扱いが容易であるとは言えなかった。
カーボンブラックを担体とする場合は得られた組成物が意図せず灰色〜黒色に着色してしまう場合があった。
一方、0価の白金金属や、白金黒といった化合物では、触媒能が低い場合があり、物性面で満足のいく熱可塑性エラストマー組成物が得られない場合があった。
従って、物性、作業性、製品への着色の面で、必ずしも満足できる組成物が得られていないのが現状であり、組成物の物性に優れ、原料の取扱いが容易で、製造しやすく、更には意図しない着色が無い熱可塑性エラストマー組成物が求められていた。
特開2003−55528号公報 特開2006−152030号公報 特開2011−21074号公報 特開平11−166075号公報 特開2000−336239号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、組成物の物性に優れ、原料が取扱い易く、製造しやすく、更には意図しない着色が無い熱可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
本発明者は、炭酸カルシウムに担持された白金ビニルシロキサン錯体を用いてアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体を動的に架橋させて得られる熱可塑性組成物により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体を、(b)炭酸カルシウムに担持された白金ビニルシロキサン錯体、(c)ハイドロジェンシロキサン系化合物 (Si−H化合物)および、(d) 熱可塑性樹脂の共存下に、動的に架橋させてなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物に関する。
好ましい実施態様としては、炭酸カルシウムに担持された白金ビニルシロキサン錯体中のビニルシロキサン配位子が1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサンまたは2,4,6,8−テトラアルキル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンであることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物に関する。
好ましい実施態様としては、炭酸カルシウムに担持された白金ビニルシロキサン錯体中のビニルシロキサン配位子が1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンまたは2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンであることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物に関する。
好ましい実施態様としては、アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体が、アリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物に関する。
本発明によれば、組成物の物性に優れ、原料が取扱い易く、製造しやすく、更には意図しない着色が無い熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
本発明の(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体とは、末端にアリル基を有し、主鎖にイソブチレン単位を含むものであればいずれの重合体も使用することができるが、イソブチレン単位を60重量%以上含有するものが良好なガスバリア性、耐熱性を発現できる点から好ましい。
重合体の構造は、ランダムであってもブロックであってもかまわないが、高分子量の熱可塑性エラストマーが製造できるなど、産業上有用な重合体が得られる点から、ブロック体であることが好ましい。さらにブロック体としては、(1)イソブチレンを主体とする重合体ブロックの末端にアリル基が直接結合している重合体の他に、(2)イソブチレンを主体とする重合体ブロックの末端には、芳香族ビニル系単量体を主体とする重合体ブロックが結合し、さらにその芳香族ビニル系単量体を主体とする重合体ブロックの他の末端にアリル基が結合した重合体、即ちアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体が好適に使用される。これらの中でも、後者のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体は、架橋工程を経なくてもゴム弾性を発現できるだけでなく、ペレット形状で提供されるため取扱い易く、更には熱可塑性エラストマーとして一旦成型した後でもリユース可能な材料であることから好ましい。
<<アリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体>>
本発明で製造されるアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体は、芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなる。
<芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック>
芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックは、芳香族ビニル系化合物に由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
芳香族ビニル系化合物としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的な入手性やガラス転移温度の点から、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、インデンか、または、これらの混合物が好ましく、特に入手性が良好である点でスチレンが好ましい。
<イソブチレンを主体とする重合体ブロック>
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックは、得られる共重合体のエラストマーとしての力学物性が優れていることから、イソブチレンに由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
また、イソブチレンのみから形成されるブロックであってもよいし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、イソブチレン以外のモノマーを含有していてもよい。イソブチレン以外のモノマーとしては、イソブチレンとカチオン重合可能なモノマーであれば特に制限はないが、例えば、脂肪族オレフィン類、芳香族ビニル化合物、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記いずれの重合体ブロックも、共重合成分として、相互の単量体を使用することができるほか、その他のカチオン重合可能な単量体成分を使用することができる。このような単量体成分としては、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<イソブチレン系ブロック共重合体>
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体はイソブチレンを主体とする重合体ブロックのみか、またはイソブチレンを主体とする重合体ブロックと芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックから構成されている限り、その構造には特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。
所望の物性を発現する上で、ポリスチレン等に代表される芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックが必要ないか、むしろ存在しないことが望まれる場合に好ましい構造としては、イソブチレンを主体とする重合体ブロックが挙げられる。
一方、物性バランスや成形加工性の観点から好ましい構造としては、両末端に芳香族系化合物を主体とする重合体ブロックを有し、間にイソブチレン系化合物を主体とする重合体ブロック主体とするブロックを有するABA型トリブロック共重合体や、芳香族系化合物を主体とする重合体ブロックとイソブチレンを主体とする重合体ブロックが結合したAB型ジブロック共重合体が挙げられる。
アリル基を有するイソブチレン系ブロック共重合体の全重量に占めるイソブチレンを主体とする重合体ブロックの含有量としては、好ましくは20〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%である。95%を上回ると、ペレットとしての取り扱いが困難になり、共重合体がベール状となる為に、加工時の取り扱い性が悪化する点で好ましくない。また、20%を下回ると共重合体の硬度が高くなり過ぎ、柔軟性が乏しくなり、エラストマー材料としての性能を十分に発揮できない。
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量は特に制限がないがゲルパーミエーションクロマトグラムで測定したポリスチレン換算分子量において、10,000から500,000が好ましく、30,000から300,000がとくに好ましい。10,000未満の場合、機械的な特性が十分に発現されず、エラストマー材料としての性能に劣る場合がある。また500,000を超える場合、成形性の低下が大きく、取扱いが困難になる場合がある。
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)で表される数)は、1.0〜3.0が好ましく、1.0〜2.0がより好ましい。3.0を超える場合は、分子量の均一性が低く、溶融状態または溶剤等を利用して成型する場合に重合体の粘度が高くなる傾向があり、作業性が悪化する場合がある。そのため、特に、樹脂の溶融粘度を低粘度化できることから1.8より小さいことが好ましい。
<アリル基>
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体のアリル基とは、ヒドロシリル基含有化合物による架橋反応に対して活性のある基である。
アリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体のアリル基の量は、耐熱性や耐溶剤性、他の樹脂との相溶性改善効果や、圧縮永久歪改善効果の観点から1分子あたり平均して少なくとも1.0個のアルケニル基を末端に有する重合体である。1.0個未満であると、耐熱性、耐溶剤性、相溶性改善効果、圧縮永久歪改善効果の面で所望の効果が充分に得られない場合がある。
イソブチレン系ブロック共重合体の末端へのアリル基の導入方法としては、特開平3−152164号公報や特開平7−304909号公報に開示されているような、水酸基などの官能基を有する重合体に不飽和基を有する化合物を反応させて重合体に不飽和基を導入する方法があげられる。またハロゲン原子を有する重合体に不飽和基を導入するためにはアルケニルフェニルエーテルとのフリーデルクラフツ反応を行なう方法、ルイス酸存在下にアリルシラン系化合物等との置換反応を行なう方法、種々のフェノール類とのフリーデルクラフツ反応を行ない水酸基を導入した上でさらに前記のアルケニル基導入反応を行なう方法などがあげられる。
さらに米国特許第4316973号明細書、特開昭63−105005号公報、特開平4−288309号公報に開示されているように単量体の重合時に不飽和基を導入することも可能である。
これらの中でも、本発明においては、アリルシラン系化合物をアリル化剤として使用し、アリルシラン系化合物と塩素の置換反応により末端にアリル基を導入したものが、アリル基導入効率および導入されたアリル基の架橋反応に対する反応性の点から好ましい。
本発明で用いることができるアリルシラン系化合物としては、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリプロピルシラン、アリルトリイソプロピルシラン、アリルトリブチルシラン、アリルトリフェニルシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルジクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、アリル(クロロプロピル)ジクロロシラン、アリルトリクロロシラン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジエチルシラン、ジアリルジプロピルシラン、ジアリルジブチルシラン、ジアリルジフェニルシラン、トリアリルメチルシラン、テトラアリルシラン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのケイ素化合物の中では、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジエチルシラン、トリアリルメチルシラン、テトラアリルシランが入手性、反応性の点で好ましい。
アリルシラン系化合物の使用量は、ケイ素に結合しているアリル基と開始剤中の官能基数の比で表される数値((ケイ素に結合しているアリル基)/(開始剤中の官能基数))が、1以上となるように設定することが、樹脂中のアリル基導入率を高められる点で好ましい。すなわち、通常は、アリルシラン類が過剰となるように仕込むことが好ましい。(ケイ素に結合しているアリル基)/(開始剤中の官能基数)で表される比の好ましい範囲としては、1.0〜30であり、より好ましくは、1.1〜10である。1.0当量以下では、アリル基導入率が低下し、アリル基が導入されない重合体末端が残存する場合があるため好ましくない。一方、30当量以上では、経済的に不利になる為好ましくない。
<重合溶剤>
本発明における重合反応および、重合体のアリル化反応は必要に応じて有機溶媒中で行うことができる。
そのような重合溶媒としては、カチオン重合で一般的に使用される溶媒であれば特に限定されず、ハロゲン化炭化水素からなる溶媒、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素等の非ハロゲン系の溶媒又はこれらの混合物を用いることができる。上記ハロゲン化炭化水素としては、特に限定されず、塩化メチル、塩化メチレン、クロロエタン、ジクロロエタン、1−クロロプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルブタン、1−クロロ−3−メチルブタン、1−クロロ−2,2−ジメチルブタン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1−クロロ−2,3−ジメチルブタン、1−クロロペンタン、1−クロロ−2−メチルペンタン、1−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロ−4−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロ−2−メチルヘキサン、1−クロロ−3−メチルヘキサン、1−クロロ−4−メチルヘキサン、1−クロロ−5−メチルヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロプロパン、2−クロロブタン、2−クロロペンタン、2−クロロペンタン、2−クロロヘキサン、2−クロロヘプタン、2−クロロオクタン、クロロベンゼン等が使用でき、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明で使用できる脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、パラフィン油、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
なかでも、炭素数3〜5のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いることが、イソブチレン系ブロック共重合体の溶解性、経済性の点から好ましく、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロペンタンとペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンの組み合わせが溶解性、経済性、反応性、後処理工程での蒸留のしやすさの点から最適である。
前記有機溶媒は、本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、得られる重合体の濃度が1〜50重量%となるように設定するのが好ましく、より好ましくは、3〜35重量%である。
一般に、上述したカチオン重合は水分の混入によって重合が阻害されることが知られている。そのため、重合に使用する前に溶剤中の水分は除いておくことが望ましい。水分の脱水方法としては、一般的な脱水剤である塩化カルシウムやモレキュラーシーブス等の添加および接触でも除去することは可能である。
重合溶剤をより高度に精製するには、蒸留による方法が挙げられる。蒸留であれば、沸点に差異のある不純物はほぼ除去することが可能である。蒸留はバッチ蒸留でも連続蒸留でもよい。
例えば、バッチ蒸留の場合には、蒸留初期の塔頂留出液を抜き出すことにより低沸点不純物を除去し、蒸留後の塔底残存液を抜き出すことにより高沸点不純物を除去することができる。連続蒸留の場合には、除去対象不純物の種類によって、1本あるいは複数本の蒸留塔により、不純物が除去可能である。
<製造方法>
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体を製造するための重合方法としては特に限定されず、例えば、下記一般式(1)で表される化合物の存在下で、イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を共重合させる方法等が挙げられる。
(CR12 X)nY (1)
式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基及び炭素数1〜6のアシロキシル基からなる群より選択される置換基を表す。R1 及びR2 は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。R1 及びR2 は、同一であっても異なっていてもよい。また、複数存在するR1 及びR2 は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。Yは、n個の置換基(CR12X)を有することができる多価の芳香族炭化水素基又は多価の脂肪族炭化水素基を表す。nは、1〜6の自然数を表す。
上記ハロゲン原子としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアルコキシル基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアシロキシ基としては特に限定されず、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表わされる化合物は重合開始剤となるもので、ルイス酸等の存在下で炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C65 C(CH32 Cl]、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,4−Cl(CH32 CC64 C(CH32 Cl]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3−Cl(CH32 CC64 C(CH32 Cl]、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3,5−(ClC(CH32363 ]、及び、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン[1,3−(C(CH32Cl)2 −5−(C(CH33 )C63]。
これらの中でより好ましいものは、1−クロル−1−メチルエチルベンゼン[C65 C(CH32Cl]、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C64 (C(CH32 Cl)2 ]、及び、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH32363 ]である。[なお、1−クロル−1−メチルエチルベンゼンは、α−クロロイソプロピルベンゼン、2−クロロ−2−プロピルベンゼン又はクミルクロライドとも呼ばれる。ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン又はジクミルクロライドとも呼ばれる。トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン又はトリクミルクロライドとも呼ばれる。]
上記重合反応においては、更にルイス酸触媒を共存させることができる。このようなルイス酸触媒としてはカチオン重合に使用できるものであれば特に限定されず、例えば、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF ・OEt、SnCl、SbCl 、SbF 、WCl 、TaCl 、VCl、FeCl、FeBr、ZnCl 、ZnBr 、AlCl、AlBr等の金属ハロゲン化物;または、TiCl(OiPr)、TiCl(OiPr)、TiCl(OiPr)等の金属上にハロゲン原子とアルコキシド基の両方を有する金属化合物;EtAlCl、EtAlCl、MeAlCl、MeAlCl等の有機金属ハロゲン化物等が挙げられる。
なかでも、触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl、BCl 、SnClが好ましい。上記ルイス酸触媒の使用量としては特に限定されず、使用する単量体の重合特性、重合濃度、所望する重合時間や系中の発熱挙動等を鑑みて任意に設定することができる。好ましくは、上記(I)式で表される化合物に対して、0.1〜200倍モルの範囲で用いられ、より好ましくは0.2〜100倍モルの範囲である。
上記重合反応においては、更に必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。上記電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長末端の炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、分子量分布の狭くかつ構造が制御された重合体を得ることができる。上記電子供与体成分としては特に限定されず、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等が挙げられる。
上記電子供与体成分としては、種々の化合物の電子供与体(エレクトロンドナー)としての強さを表すパラメーターとして定義されるドナー数が15〜60であるものとして、通常、具体的には、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2−t−ブチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、リン酸トリメチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、チタン(III)メトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド等のチタンアルコキシド;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウムアルコキシド等が使用できるが、好ましいものとして、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド等が挙げられる。上記種々の物質のドナー数については、「ドナーとアクセプター」、グードマン著、大瀧、岡田訳、学会出版センター(1983)に示されている。これらの中でも、添加効果が顕著である2−メチルピリジン、反応系が均一となるチタン(IV)イソプロポキシドが特に好ましい。
上記電子供与体成分は、通常、上記重合開始剤に対して0.01〜100倍モル用いられ、0.1〜50倍モルの範囲で用いられるのが好ましい。
実際の重合反応を行うにあたっては、冷却下、例えば、−100℃以上0℃未満の温度で各成分を混合する。エネルギーコストと重合反応の安定性から、より好ましい温度範囲は、−80℃〜−30℃である。
本発明のアリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体を製造する場合、ルイス酸、重合開始剤、電子供与体成分、単量体成分等の添加方法及び添加順序等は特に限定されるものではないが、好ましい方法としては、例えば、(1)重合開始剤及びルイス酸からなる開始剤系と電子供与体成分との存在下に、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a)を重合する工程、(2)次いで反応系に芳香族ビニル系単量体成分(b)を添加して重合する工程、(3)実質的に重合が終了した段階で、アリルシラン系化合物を添加して、アリル基を導入する工程からなる製造方法が、操作が簡便であるという点で推奨される。
該製造方法は、工程(1)で、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a)の重合が実質的に終了してから、芳香族ビニル系単量体成分(b)を添加するのが一般的であるが、芳香族ビニル系単量体成分(b)としてイソブチレンよりもカチオン重合活性の低い単量体を使用する場合には、工程(1)で、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a)の重合が実質的に終了する前に、芳香族ビニル系単量体成分(b)を添加しても、ブロック共重合体の合成が可能である。また、芳香族ビニル系単量体成分(b)として、イソブチレンとほぼ同等のカチオン重合活性を有し、かつ、共重合可能な単量体を使用する場合には、工程(1)で、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a)の重合が実質的に終了する前に芳香族ビニル系単量体成分(b)を添加すれば、分子鎖の一部にランダム性のある重合体ブロックを有するブロック共重合体等を製造することが可能である。
アリル基を導入する反応は、各単量体を重合する条件と同様に、冷却下、例えば、−100℃以上0℃未満の温度で各成分を混合する。エネルギーコストと重合反応の安定性から、より好ましい温度範囲は、−80℃〜−30℃である。
アリル基を導入する反応は、各単量体を重合する条件と同様に、必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、その際に推奨される溶媒としては前述したものが候補として挙げられる。
本発明の(b)白金ビニルシロキサン錯体を担持させた炭酸カルシウムに含まれる白金ビニルシロキサン錯体とは、0価の白金原子を中心金属に持ち、配位子として下記一般式(2)および/または(3)で表されるビニルシロキサン系化合物を配位子として有する金属錯体のことを言う。
Figure 0006317601
Figure 0006317601
(式中、R 及びR は、それぞれ、炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。また、複数存在するR及びR は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。)
これらの白金錯体の具体例を示すならば、例えば、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子に有する白金錯体は別名、Karstedt触媒として知られている化合物であり、下記構造式(4)を有しているものとして知られている。
Figure 0006317601
(式中、Me基はメチル基を表す。)
前記ビニルシロキサン系化合物を配位子に有する白金錯体は、塩化白金酸HPtClに比べ、入手性、触媒能、化学的および熱的安定性のバランスに優れていることから好ましい。
本発明の(b)白金ビニルシロキサン錯体を担持させた炭酸カルシウムに含まれる炭酸カルシウムとしては、特に制限は無いが、風化貝殻、風化海産微生物殻、粗晶質石灰石、風化方解石、大理石の天然物を原料として、乾式粉砕法または湿式粉砕法によって得られる炭酸カルシウムや、一般的に炭酸ガス反応法や可溶性塩反応法として知られる反応により合成される炭酸カルシウムが好適に使用できる。
本発明で使用する炭酸カルシウムの粒子形には特に制限は無く、立方形、紡鐘形、柱状形、球状形などいずれの粒子形状を有する炭酸カルシウムでも使用できる。
本発明で使用する炭酸カルシウムのBET比表面積(m/g)の値としては、1.0〜200のものが好ましく、2.0〜100のものがより好ましい。
BET比表面積が1.0より小さいと、添加量によっては組成物の粘度が上昇し、混練および成型時に扱いにくい場合があるため好ましくない。また、BET比表面積が200より大きいものは一般的に製造することが困難である場合が多く、経済性の面で不利となる点で好ましくない。
本発明で使用する炭酸カルシウムの平均一次粒子径(μm)としては、0.01〜5.0が好ましく、0.02〜2.0であることが好ましい。平均粒子径が0.01より小さいと、一次粒子が凝集しやすく本発明の熱可塑性エラストマー組成物への分散性が劣る場合がある。平均粒子径が5.0よりも大きい場合は、比表面積が小さくなり、触媒を効率的に担持できず、触媒効率が低い場合があるため好ましくない。
本発明で使用する炭酸カルシウムの表面処理の有無は特に制限は無いが、例えば粒子径の小さい炭酸カルシウムは一般に凝集しやすい傾向があり、本発明の熱可塑性エラストマー組成物への分散性の点で劣る場合があることから、ヒドロシリル化反応の触媒活性も十分でなくなる場合がある。その際には、飽和または不飽和の脂肪酸およびその脂肪酸エステル、ロジン酸、ロジン酸エステル、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸エステル等の樹脂酸及び/または樹脂酸エステルや、ビニルシラン、アミノシラン、メルカプトシラン等のシランカップリング剤、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン樹脂等の高分子化合物などの表面処理剤で処理してもよい。
一方、比較的粒子径の大きい炭酸カルシウムを使用する場合は、前述の炭酸カルシウムの凝集は実用上問題にならない場合もある。すなわち、本発明のヒドロシリル化反応における反応速度や触媒活性の面で満足の行く組成物が得られる場合には、炭酸カルシウム表面上の処理は必ずしも必要ではない。
本発明の(b)白金ビニルシロキサン錯体を担持させた炭酸カルシウム触媒は、「Pt−VTS/CaCO」や「Pt−CTS/CaCO」の製品名称で、N.E.ケムキャット社から入手できるものが好適に使用できる。
これらの白金触媒は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
触媒量としては特に制限はないが、(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体のアルケニル基1molに対し、白金原子のモル数が10−1〜 10−10molの範囲で用いるのが好ましく、より好ましくは10−2 〜10−8molの範囲である。10−10molより少ないと硬化が十分に進行しない場合があり好ましくない。また、10−1mol以上用いる事は、経済的に不利であるので好ましくない。
本発明の(c)ハイドロジェンシロキサン系化合物 (Si−H化合物)としては、特に制限はないが、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンが好ましく、各種のものを用いることができる。
その中でもヒドロシリル基を3個以上持ち、シロキサンユニットを3個以上500個以下持つ、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンが好ましく、ヒドロシリル基を3個以上持ち、シロキサンユニットを10個以上200個以下持つポリシロキサンがさらに好ましく、ヒドロシリル基を3個以上持ち、シロキサンユニットを20個以上100個以下持つポリシロキサンが特に好ましい。ヒドロシリル基が3個未満の含有量では架橋によるネットワークの十分な成長が達成されず最適なゴム弾性が得られない、またシロキサンユニットが501個以上あるとポリシロキサンの粘度が高く、アルケニル基を有するスチレン−イソブチレン系ブロック共重合体へうまく分散が行われず、架橋反応にムラが発生し好ましくない。またポリシロキサンユニットが100個以下だとヒドロシリル化に必要なヒドロシリル基含有ポリシロキサンを減少させることができるため好ましい。ここで言うポリシロキサンユニットとは以下の一般式(5) 、(6) 、(7) を指す。
[Si(RO] (5)
[Si(H)(R)O] (6)
[Si(R)(R)O] (7)
ヒドロシリル基含有ポリシロキサン として、一般式(8) または(9) で表される鎖状ポリシロキサン;
SiO−[Si(RO]−[Si(H)(R)O]−[Si(R)(R)O]−SiR (8)
HR SiO−[Si(RO]−[Si(H)(R)O]−[Si(R)(R)O]−SiR H (9)
(式中、RおよびRは炭素数1〜6のアルキル基、または、フェニル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基を示す。b は3≦b、a,b,cは3≦a+b+c≦500を満たす整数を表す。)
一般式(10)で表される環状シロキサン;
Figure 0006317601
(式中、RおよびRは炭素数1〜6のアルキル基、または、フェニル基、R10は炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基を示す。eは3≦b、d,e,fはd+e+f≦500を満たす整数を表す。) 等の化合物を用いることができる。
さらに上記のヒドロシリル基(Si−H基)を有する化合物のうち、相溶性がよいという点から、とくに下記の一般式(11)で表されるものが好ましい。
Figure 0006317601
(式中、g、hは整数であり2≦g+h≦50、2≦g、0≦hである。R11は水素原子またはメチル基を表し、R12は炭素数1〜20の炭化水素基で1つ以上の芳香環を有していてもよい。iは0≦i≦5の整数である。)
このような化合物としては、信越化学社製の商品名「KF−99」、「KF−9901」、モメンティブ社製の商品名「TSF484」、東レダウコーニング社製の商品名「SH1107」などが挙げられる。
これらの中でも入手性の点から鎖状ポリシロキサンが好ましく、例えばモメンティブ社製のメチルハイドロジェンシロキサン(商品名:TSF484)などが挙げられる。
アルケニル基を有するスチレン−イソブチレン系ブロック共重合体とヒドロシリル基含有ポリシロキサンは任意の割合で混合することができるが、硬化性の面から、アルケニル基のモル数と、前記ヒドロシリル基含有ポリシロキサン中のSi−H結合のモル数の比(アルケニル基/Si−H基)が0.01〜5の範囲であることが好ましい。さらに、0.02〜2.5であることが好ましい。モル数の比が5 以上になると架橋が不十分でべとつきのある強度や圧縮永久歪の点で満足いく物性を有する組成物が得られない場合がある。また、0.01より小さいと、硬化後も組成物中に反応しうるヒドロシリル基が残存することになり、クラック、ボイドが発生し、均一で強度のある硬化物が得られない場合があるため好ましくない。
本発明の(d) 熱可塑性樹脂としては特に制限は無く、汎用熱可塑性樹脂、汎用熱可塑性エラストマー、汎用エンジニアリングプラスチック、特殊エンジニアリングプラスチックなどが好適に使用できる。
汎用熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、芳香族ビニル化合物系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂などがあげられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物、またはα−オレフィンと他の不飽和単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体およびこれら重合体の酸化、ハロゲン化またはスルホン化したものなどがあげられる。具体的には、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、その他のエチレン−αオレフィン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、塩素化ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの(共)重合体などがあげられる。これらの中でコスト、樹脂組成物の物性バランスの点からポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはこれらの混合物が好ましく使用できる。
芳香族ビニル化合物系樹脂としては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体などがあげられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニルなどがあげられる。
ポリアクリル系樹脂としては、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル−ブタジエン−α−メチルスチレン(耐熱ABS)、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体などがあげられる。
ポリエーテル系樹脂としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフランなどがあげられる。
汎用熱可塑性エラストマーとしては、芳香族ビニル化合物系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、アイオノマー系熱可塑性エラストマー、液晶性熱可塑性エラストマー等が挙げられる。この中でも、入手性や物性の面で好適に使用できるのは芳香族ビニル化合物系熱可塑性エラストマーである。
芳香族ビニル化合物系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、またそれらを水素添加したスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)やスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等が挙げられる。
汎用エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメチルペンテン、超高分子量ポリエチレンなどがあげられる。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン−46、ナイロン−610、ナイロン−612などがあげられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、無定形ポリエチレンテレフタレート、結晶性ポリエチレンテレフタレートなどがあげられる。
ポリカーボネート系樹脂としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビスェノールAの芳香族水素の一部または全部を、アルキル基、ハロゲン原子で置換したもの、ヒドロキノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどに基づいて形成されるポリカーボネート系樹脂などがあげられる。
ポリアセタール系樹脂としては、ポリオキシメチレンなどがあげられる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテルなどがあげられる。
特殊エンジニアリングプラスチックとしては、ポリスルホン系樹脂、ポリスルフィド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、サーモトロピック液晶樹脂などがあげられる。
ポリスルホン系樹脂としては、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4’−ビスフェノールエーテルスルホン)などがあげられる。
ポリスルフィド系樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(4,4’−ジフェニレンスルフィド)などがあげられる。
ポリスルフィド系樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(4,4’−ジフェニレンスルフィド)などがあげられる。
サーモトロピック液晶樹脂としては、p−ヒドロキシ安息香酸、ビフェノールおよびテレフタル酸の共重合体、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびp−ヒドロキシ安息香酸の共重合体などがあげられる。
これらの中でも、相溶性の面から芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系樹脂が好ましく、特にスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体およびポリプロピレンおよびポリエチレンが好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量は、動的架橋された前記樹脂組成物の合計量100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、5〜100重量部であるのがさらに好ましい。200重量部をこえると、圧縮永久歪み特性の悪化が著しくなる傾向にあり、5重量部より少なくなると成形性が著しく低くなる傾向にある。
本発明の動的架橋された樹脂組成物に熱可塑性樹脂を溶融混練するには、公知の方法を採用すればよく、前述のバッチ式混練装置や連続式混練装置を使用することができる。たとえば、各成分を計量し、タンブラーや、ヘンシェルミキサー、リボブレンダーなどで混合したのち、押出機や、バンバリーミキサー、ロールなどで溶融混練する方法があげられる。このときの混練温度は、とくに限定はないが、100〜250℃の範囲が好ましく、150〜220℃の範囲がより好ましい。混練温度が100℃よりも低くなると、溶融が不充分となる傾向があり、250℃よりも高くなると、加熱による劣化が起こり始める傾向がある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、成形性や柔軟性を向上させる目的で、さらに軟化剤を添加することができる。軟化剤としてはとくに限定されないが、通常、室温で液体または液状の材料が好適に用いられる。また親水性および疎水性のいずれの軟化剤も使用できる。このような軟化剤としては鉱物油系、植物油系、合成系などの各種ゴム用または樹脂用軟化剤があげられる。
鉱物油としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、および芳香族系の高沸点石油成分があげられる。このなかでも架橋反応を阻害しないパラフィン系オイルが好ましい。植物油系としては、ひまし油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油などがあげられる。合成系としては、ポリブテン、水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、液状ポリα−オレフィン類などの液状もしくは低分子量の合成油があげられる。また、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル等の二塩基酸ジアルキルエステル等も用いられる。
これらの中でも相溶性、ガスバリア性の点でポリブテンオイルが好ましい。また、衛生性の観点で、数平均分子量が20000以上のポリブテンを用いると抽出性が極めて低く好ましい。これら軟化剤は所望の粘度および物性を得るために2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
軟化剤の配合量は、(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体100重量部に対し、1〜300重量部であることが好ましい。配合量が300重量部をこえると、べとつきが生じたり、機械的強度の低下が起こる傾向がある。
本発明の効果を損なわない範囲であれば、更にライオトロピック液晶樹脂、液状樹脂、熱硬化性樹脂、架橋ゴムなどを配合してもよい。 ライオトロピック液晶樹脂としては、アラミド、ポリp−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリテレフタロイルフドラジドなどがあげれられる。
液状樹脂としては、シリコーン系樹脂、変性シリコーン(MS)系樹脂、ポリイソブチレン(PIB)系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、変性ポリサルファイド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアクリルウレタン系樹脂などがあげられる。 熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ヒドロシリル化架橋系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ユリア系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などがあげられる。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ヒドロシリル化架橋系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ユリア系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などがあげられる。
さらに本発明の効果を損なわない範囲であれば、本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、物性改良あるいは経済上の利点から充填材および補強材を配合することができる。好適な充填材、補強材としては、ハードクレー、ソフトクレー、カオリンクレー、珪藻土、ケイ砂、珪藻土、軽石粉、スレート粉、乾式または湿式シリカ、無定形シリカ、ウォラスナイト、合成または天然ゼオライト、タルク、硫酸バリウム、リトポン、軽質または重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、二硫化モリブデン、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、その他の金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウムなどの麟片状無機充填材、各種の金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、カーボンブラック、粒状ないし粉末ポリマーなどの粒状ないし粉末状固体充填材、その他の各種の天然または人工の短繊維、長繊維などが例示できる。これらの充填剤、補強材は分散性を高めたり、他配合物との相溶性を改善したり、化学的に結合を形成させる目的で表面をシラン系化合物によって処理していてもよい。また中空フィラー、たとえば、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体からなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図ることができる。
さらに軽量化、衝撃吸収性などの各種物性の改善のために、各種発泡剤を混入させることも可能であり、また、混合時などに機械的に気体を混ぜ込むことも可能である。
これら充填材は、本発明の効果を損なわないものであれば何でも良く、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。たとえば、透明性の要求されない用途においては無機フィラーを含有させることによりブロッキング性が改良されまたコスト面で有利となる場合があり、また隠蔽性を付与することも可能である。また、無機フィラーとして水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を使用した場合には、難燃剤を併用することで優れた難燃性を付与できる場合がある。
上記充填材の配合量は、(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体100重量部に対して、0〜500重量部である。500重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の物性低下が著しい場合があるため好ましくない。好ましくは0〜100重量部である。
また本発明の効果を損なわない範囲であれば、本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて、ヒンダードフェノール系、リン酸エステル系、アミン系、硫黄系などの酸化防止剤、および/またはベンソチアゾール系、ベンソトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤、および光安定剤を配合することができる。
前記酸化防止剤や紫外線吸収剤、光安定剤の推奨される配合量は(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体100重量部100重量部に対して、0.000001〜50重量部、好ましくは0.00001〜10重量部である。
さらに本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル、トリメリット酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ、ポリエステルなどがあげられる。
さらに本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば粘着付与樹脂を添加することができる。粘着付与樹脂としては、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の水素化物、ポリテルペン樹脂などがあげられ、より具体的には、ロジン、ガムロジン、トール油ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン等のロジン系樹脂;テルペンフェノール樹脂;α−ピネン、β−ピネン、リモネン等を主体とするテルペン樹脂;芳香族炭化水素変性テルペン樹脂;脂肪族系、脂環族系、芳香族系の石油樹脂;クマロン・インデン樹脂;スチレン系樹脂;アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のフェノール系樹脂;キシレン樹脂等を例示することができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上は、所望のタック、粘着力及び保持力が得られるように適宜選択することができる。
上記粘着付与剤の配合量は、(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体100重量部に対して1〜500重量部である。上記範囲を外れると、バランスのとれた物性を有する粘着剤組成物を得ることは難しい。好ましくは、30〜300重量部である。
さらに他の添加剤として難燃剤、抗菌剤、光安定剤、着色剤、流動性改良剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤、改質剤、顔料、染料、導電性フィラー、各種の化学発泡剤、物理発泡剤などを添加することができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて使用可能である。
ブロッキング防止剤としては、たとえばシリカ、ゼオライトなどが好適であり、これらは天然、合成の何れでもよくまた架橋アクリル真球粒子などの真球架橋粒子も好適である。
また帯電防止剤としては、炭素数12〜18のアルキル基を有するN,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アルキルアミン類やグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
さらに、滑剤としては、脂肪酸金属塩系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪族アルコール系滑剤、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、パラフィン系滑剤などが好ましく用いられ、これらの中から2種以上を選択して用いてもよい。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物は、以下に例示する方法によって製造することができる。たとえば、ラボプラストミル、ブラベンダー、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどのような密閉型または開放型のバッチ式混練装置を用いて製造する場合は、あらかじめ混合した架橋剤以外の全ての成分を混練装置に投入し、均一になるまで溶融混練し、次いでそれに架橋剤を添加して架橋反応が充分に進行したのち、溶融混練を停止する方法があげられる。
また、単軸押出機、二軸押出機などのように連続式の溶融混練装置を用いて製造する場合は、架橋剤以外の全ての成分をあらかじめ押出機などの溶融混練装置によって均一になるまで溶融混練した後ペレット化し、そのペレットに架橋剤をドライブレンドした後、更に押出機やバンバリーミキサーなどの溶融混練装置で溶融混練して、(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体を動的に架橋する方法や、架橋剤以外のすべての成分を押出機などの溶融混練装置によって溶融混練し、そこに押出機のシリンダーの途中から架橋剤を添加して更に溶融混練し、(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体を動的に架橋する方法などがあげられる。本発明の(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体は室温で固体であり、ペレット、クラム、粉体といった形状で取り扱えるため、押出機への投入方法としては、一般的な供給装置を用いることができる。
溶融混練を行なうに当たっては、140〜240℃の温度範囲が好ましく、150〜230℃の温度範囲がさらに好ましい。溶融混練温度が140℃よりも低いと、熱可塑性樹脂成分が溶融せず、充分な混合ができない傾向があり、240℃よりも高いと、(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体の熱分解が起こりやすくなる傾向がある。
本発明の成形体および改質剤は、ガスバリア性、柔軟性に富み、成形加工性、ゴム的特性、機械的強度、圧縮永久歪み特性に優れている。したがって、以下のような用途に利用可能である。
(1)改質剤:樹脂改質剤(熱可塑性樹脂の耐衝撃性改質剤、制振性改質剤、ガスバリヤー性改質剤、軟化剤など、熱硬化性樹脂の耐衝撃性改質剤、低応力化剤など)、アスファルト改質剤(道路用アスファルト改質剤、防水シート用アスファルト改質剤、橋梁床版用防水材)、タイヤ改質剤(タイヤのウェットグリップ性向上剤)、ゴム改質剤。
(2)接着剤または粘着剤:ホットメルト系接着剤、水系接着剤、溶剤系接着剤、粘着剤。
(3)粘度調整剤:オイル、潤滑油などに添加する粘度調整剤。
(4)コーティング剤:塗料などに利用するベースレジン、シーラント。
(5)PVC代替などに使用される材料:ケーブル、コネクター、プラグなどの電線被覆材、人形などの玩具、養生用テープ、ロゴマーク(スポーツウェアやスポーツシューズ用)、キャリーバック、衣料用包装材、トラックの幌、農業用フィルム(ハウス栽培用)、消しゴム、業務用エプロン(ターポリン)、床材・天井材などの建物の内装材、レインコート、雨傘、ショッピングバッグ、椅子やソファーなどの表皮材、ベルトや鞄などの表皮材、ガーデンホース、冷蔵庫のガスケット(パッキング)、洗濯機や掃除機のフレキシブルホース、自動車用内装材。
(6)制振材、防振材、緩衝材:制振材、とくにアルミ、鋼板とともに多層に張り合わせた制振材、防振材、緩衝材(建築用途、自動車用途、フロアー制振用途、フローリング用途、遊戯器具用途、精密機器用途、電子機器用途に使用)、靴底、文具・玩具用品のグリップ、日用雑貨・大工用品のグリップ、ゴルフクラブ・バットなどのグリップや心材、テニスラケット・卓球ラケットなどのラバーおよびグリップ。
(7)防音材、吸音材:自動車内外装材、自動車天井材、鉄道車両用材、配管用材。
(8)シール材:ガスケット、建築用ガスケット、栓体、合わせガラス用および複層ガラス用のガラスシール材、包装材、シート、多層シート、容器、多層容器などのガスバリヤー用材、土木シート、防水シート、包装輸送資材、シーラント、医療用薬栓、シリンジガスケット。
(9)チューブ:医療用チューブ、インク用チューブ、食品用チューブ、タイヤ用チューブ。
(10)発泡体:ビーズ発泡、徐圧発泡、押出発泡による発泡体(配管被覆材、合成木材、木粉系発泡体など)、化学発泡および物理発泡における発泡剤のキャリヤー。
(11)その他:衣料用途、難燃剤用途、閉がい具、キャップ、バッグ、ガスケット、ホース、シューズ、運動用具類、発泡性耐火シート、エアバックカバー、バンパー、内装部品(インパネやシフトノブなどの表皮材)、ウェザーストリップ、ルーフモール、ドア下モールなどの自動車用部材、電子レンジ用食品トレー、ポーション用食品容器、食品容器用ラミネートフィルム、食品容器用ポリスチレンシート(刺身容器・鶏卵パック)、カップラーメン容器、ポリスチレン系網目状発泡体、冷菓カップ、透明飲料カップなどの食品用容器、ICトレー、CD−ROMシャーシ、ホイールキャップ、弾性糸、不織布、ワイヤーハーネス、紙おむつのバックシート、2色成形用コンパウンド材、水中ゴーグル、パソコン用マウス、クッション、ストッパー。
以下、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
(分子量測定)
下記実施例中、「数平均分子量」、「重量平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、サイズ浸透クロマトグラフィー(SEC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。測定装置としては、Waters社製510型GPCシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、カラム温度35℃の条件下にて、ポリマー濃度が4mg/mlである試料溶液をGPCに注入することで測定した。ポリスチレンを標準試料として用いた。
(アリル基導入数)
得られた重合体のプロトンNMRスペクトル(測定装置:Bruker社製AVANCEシリーズ、400MHz核磁気共鳴装置、測定溶媒:クロロホルム)の、イソブチレン基の積分比と、アリル基の積分比から、重合体一分子あたりに導入されたアリル基の数を求めた。
(破断強度:Tb)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は200mm/分とした。
(破断伸び:Eb)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は200mm/分とした。
(硬度)
JIS K6253に準拠し、スプリング式のタイプAデュロメータで硬度(以下、JIS−A硬度と略す)を測定した。硬度は測定直後の数値を採用した。なお、試験片は12.0mm厚プレスシートを用いた。
(圧縮永久歪)
JIS K 6262に準拠し、試験片は12.0mm厚プレスシートを使用した。70℃×22時間、25%変形の条件にて測定した。
(製造例)
5Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)2353mL及びヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)262mLを加え、重合容器を−75℃のドライアイス/アセトンバス中に浸して冷却した後、イソブチレンモノマー855mL(10.5mol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。次に、p−ジクミルクロライド3.51g(15.2mmol)及びα−ピコリン0.849g(9.11mmol)を加えた。次に四塩化チタン7.08mL(64.5mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から60分間同じ温度で撹拌を行った後、ガスクロマトグラフィー法によりイソブチレンの消費率を求めたところ、99%に達していることが確認された。その後、スチレンモノマー215ml(2.02mmol)を添加した。その後、ガスクロマトグラフィーによってスチレンモノマーの消費量を経時的に測定し、スチレンモノマーが仕込量の85%消費されたことを確認できた時点で、ジアリルジメチルシラン8.3mL(45.6mmol)と、四塩化チタン14.2mL(129mmol)を加えた。その後、同じ温度で3時間撹拌を続けた。次いで、反応溶液全体を60度に加熱している純水5Lに注ぎ込み、30分間メカニカルスターラーを使用して激しく撹拌することで、重合を停止させた。次に、純水5Lで洗浄を3回繰り返した。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることで、アリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(P−1)を720g得た。
得られたポリマーの数平均分子量は68,100、分子量分布は1.39であった。更に、末端に導入されたアリル基数は1.8個であった。
(実施例1)
次に、製造例で得られたアリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を用いて動的架橋組成物を作成し、物性を評価した。すなわち、表1に記載の配合重量部数に従い、ポリプロピレン5.3g(プライムポリマー社製、グレード名J−215W)を180度、100rpmで混練しているところに、アリル基を末端に有するスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(P−1)21gと酸化防止剤0.11g(チバスペシャルティケミカルズ社製、グレード名Irganox1010)を加え、同じ温度で混練を続けた。次に、ポリブテンオイル12.6g(出光興産社製、グレード名100R)をゆっくり加えた。次いで、架橋剤0.315g(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、グレード名TSF484)および、炭酸カルシウムに担持された白金触媒0.022g(N.E.ケムキャット社製、グレード名「MX CAT−VTS」、白金含有量:0.7重量%、本触媒に用いられている炭酸カルシウムは、BET比表面積が4.0−7.0m/gであり、一次粒子径は1,500nm(長径)、表面処理剤による表面処理をしていないものを用いた)をこの順にスクリューフィーダーを用いてプラストミルのベント口より周囲への付着が無いように慎重に加えた。そのままの温度および回転数で撹拌を続け、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)の指示トルクが最大値となるまで撹拌を続けた。指示トルクが最大値を示したことを確認した後、次の1分間で230度/真空下に脱泡した。その後、樹脂組成物を払い出した。次に、得られた樹脂組成物を200度でプレスして、2mm厚のシート状試験片および12mm厚の円柱状試験片を作成した。得られた2mm厚シート状試験片からダンベル状試験片を打ち抜き、これを用いて動的架橋組成物の引張物性を測定した。更に、12mm厚円柱状試験片を用いて圧縮永久歪を評価した。その結果を表1に示す。
(実施例2〜6)
実施例2および3では、炭酸カルシウムに担持された白金触媒「MX CAT−VTS(N.E.ケムキャット社製、白金含有量:0.7重量%)」を表1に記載の重量部数となるように加えたこと以外は実施例1と同様にして組成物を作成し、得られた組成物の物性を測定した。実施例4〜6では、炭酸カルシウムに担持された白金触媒として、「MX CAT−CTS(N.E.ケムキャット社製、白金含有量:0.68重量%、本触媒に用いられている炭酸カルシウムは、BET比表面積が4.0−7.0m/gであり、一次粒子径は1,500nm(長径)、表面処理剤による表面処理をしていないものを用いた)」を表1に記載の重量部数に従って加えたこと以外は実施例1と同様にして組成物を作成し、得られた組成物の物性を測定した。
(参考例)
参考例では、白金触媒としてキシレン溶液である「Pt−VTSC−3.0X(ユミコア社製、白金含有量:3.0重量%)」を表1に記載の重量部数となるように加えた。この際、混練中の組成物に白金触媒を正確に添加する為に、作業者がマイクロピペットを用い、投入口やその周辺に付着することがないよう慎重に添加した。更には、実施例1と同様にして組成物を作成し、得られた組成物の物性を測定した。
(比較例1)
比較例1では、白金触媒として、キシレン溶液である「Pt−VTSC−3.0X(ユミコア社製、白金含有量:3.0重量%)」を表1に記載の重量部数となるように加えたこと以外は実施例1と同様にして組成物を作成し、得られた組成物の物性を測定した。
(比較例2)
比較例2では、白金触媒として、シリカに担持された白金触媒「PL−CAT 100M(N.E.ケムキャット社製、白金含有量:0.78重量%)」を表1に記載の重量部数となるように加えたこと以外は実施例1と同様にして組成物を作成し、得られた組成物の物性を測定した。
実施例1〜6および参考例の結果を比較することにより、本発明の組成物によれば、従来より使用されてきた白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液を触媒とする組成物と同様の物性を示す組成物が得られることがわかる。
また、比較例1に示すように、溶液状の「Pt−VTSC−3.0X(ユミコア社製)」を使用した場合、得られた組成物の諸物性が参考例に比べ、低下している場合が散見される。これは、触媒の添加量が非常に少量であるため、触媒投入口の縁に付着したり、全量が正しく投入されても組成物との粘度差によりうまく混練されず、動的架橋反応を効率的に触媒できなかったことに起因していると考えられる。参考例に比べ、実施例1〜6では炭酸カルシウムに担持されることにより効率的に混練され、所望の物性が得られることが分かる。
一方、実施例1〜6および比較例2の結果を比較することにより、本発明の組成物によれば、シリカに担持された白金ビニルシロキサン錯体を触媒として使用した場合に比べ、圧縮永久歪、硬度、引張強度といった諸物性に優れる組成物が得られることがわかる。この結果の原因は必ずしも明確にはなっていないが、比較例2において用いた担体であるシリカが白金錯体および/または架橋剤(ハイドロジェンシリコーン)と何らかの反応をしている為に、目的とする架橋反応が阻害された結果起こったものと考えられる。すなわち、シリカを担体とした白金触媒を用いて動的架橋組成物を得る際には、架橋反応の阻害によるものと考えられる物性の低下が見られる。更に、実施例1〜6の混練時最大トルクが25〜26N・mであったのに対し、シリカに担持された白金ビニルシロキサン錯体を触媒として使用した場合は29N・mと高い値を示していた。このことは、組成物の粘度が高まっていることを示しており、シリカを添加することによって製造しにくい組成物となっていることがわかる。
従って、本発明の組成物によれば、組成物の物性に優れ、原料の取扱いが容易で、製造しやすく、更には意図しない着色が無い熱可塑性エラストマー組成物が得られることがわかる。
Figure 0006317601

Claims (4)

  1. (a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体を、(b)炭酸カルシウムに担持された白金ビニルシロキサン錯体、(c)ハイドロジェンシロキサン系化合物 (Si−H化合物)および、(d) 熱可塑性樹脂の共存下に、動的に架橋させてなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記(b)炭酸カルシウムに担持された白金ビニルシロキサン錯体中のビニルシロキサン配位子が1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサンまたは2,4,6,8−テトラアルキル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記(b)炭酸カルシウムに担持された白金ビニルシロキサン錯体中のビニルシロキサン配位子が1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンまたは2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 前記(a)アリル基を末端に有するイソブチレン系重合体が、アリル基を末端に有するイソブチレン系ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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