JP6316531B1 - ブロック共重合体、分散剤および顔料分散組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散剤として用いることができ、優れた耐熱性を有するブロック共重合体を提供する。【解決手段】ブロック共重合体は、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位を含むBブロックとを有することを特徴とする。〔式(1)、(2)において、R11、R12、R13、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R11、R12およびR13のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X1およびX2は2価の連結基を示す。R14およびR23は水素原子またはメチル基を示す。Y-は芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンよりなる群から選択される少なくとも1種を示す。〕【選択図】なし

Description

本発明は、ブロック共重合体、分散剤および顔料分散組成物に関する。
従来、液晶ディスプレー等に用いられるカラーフィルタの製造において、基板への色材の付与方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法等が知られている。これらの中でも、分光特性、耐久性、パターン形状および精度の観点から、顔料分散法が広く使用されている。顔料分散法では、例えば、顔料、分散剤、分散媒体(溶媒)を混合した顔料分散組成物からなる塗布膜を基板上に形成し、所望のパターン形状のフォトマスクを介して露光し、アルカリ現像が行われる。
また、液晶ディスプレーの製造では、色材のパターン形状を形成後、その上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着またはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を十分に得るために、これらの形成は一般に200℃以上の高温で行われる。しかし、前記顔料分散組成物に樹脂型分散剤を多く用いると、高熱を伴う工程の前後でカラーフィルタのコントラスト比の低下、色相の変化等の耐熱性が問題となる。
そこで、耐熱性を向上させた樹脂型分散剤が提案されている。例えば、特許文献1では、耐熱性の優れたカラーフィルタを得るために、側鎖に4級アンモニウム塩基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基を有さないBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体を、カラーフィルタ用顔料分散剤として用いることが開示されている(特許文献1(請求項1、段落0049〜0058)参照)。
また、特許文献2では、側鎖に酸性基を有するAブロックと、側鎖にアミノ基または4級アンモニウム塩基を有するBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体を顔料分散剤として用いることで、塗布特性および長期保存安定性、アルカリ現像性が向上することが開示されている(特許文献2(請求項1、段落0031〜0034、0038〜0040)参照)。
特開2012−068559号公報 特開2013−203887号公報
従来、耐熱性を向上させた樹脂型分散剤が提案されているが、樹脂型分散剤の耐熱性は十分ではないという問題があった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、例えば分散剤として用いることができ、優れた耐熱性を有するブロック共重合体を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のブロック共重合体は、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位を含むBブロックとを有することを特徴とする。
Figure 0006316531
〔式(1)において、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R11、R12およびR13のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X1は2価の連結基を示す。R14は水素原子またはメチル基を示す。Y-は芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンよりなる群から選択される少なくとも1種を示す。〕
Figure 0006316531
〔式(2)において、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X2は2価の連結基を示す。R23は水素原子またはメチル基を示す。〕
従来の4級アンモニウム塩基を有するポリマーは、4級アンモニウムカチオンの対イオンとしてハロゲンアニオンが一般的に用いられている。このようなハロゲンアニオンを含有するポリマーは、高温雰囲気において、対イオンの脱離反応を生じるため、耐熱性が劣ると考えられる。本発明のブロック共重合体は、Bブロック中の4級アンモニウムカチオンの対イオンが芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンまたは芳香族カルボン酸アニオンであるため、耐熱性に優れる。また、本発明のブロック共重合体は、酸性基を有するAブロックと、特定の構造を有するBブロックとを有するため、分散剤として用いることができる。
前記ブロック共重合体は、A−B型ブロック共重合体であることが好ましい。前記ブロック共重合体において、前記酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率は、前記Aブロック100質量%中において2質量%〜20質量%であることが好ましい。前記ブロック共重合体において、前記一般式(1)で表される構造単位の含有率は、前記Bブロック100質量%中において30質量%〜85質量%であることが好ましい。前記Aブロックの含有量は、ブロック共重合体100質量%中において35質量%〜85質量%であることが好ましい。
本発明には、前記ブロック共重合体を含有する第一組成物、および、前記第一組成物を、水洗し、乾燥して得られる第二組成物も含まれる。前記第一組成物に含有されるブロック共重合体の分子量分布(PDI)は、2.0以下であることが好ましい。また、本発明には、前記ブロック共重合体、第一組成物または第二組成物を含有する分散剤が含まれる。さらに、本発明には、前記分散剤と顔料と分散媒体を含有する顔料分散組成物も含まれる。このような組成物としては、カラーフィルタ用顔料分散組成物が挙げられる。
本発明のブロック共重合体の製造方法は、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、下記式(2)で表される構造単位および下記式(3)で表される構造単位を含むBブロックとを有するブロック共重合体の前駆体を準備する工程(A)と、前記工程(A)で得られたブロック共重合体の前駆体に、芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩を作用させ、ブロック共重合体を得る工程(B)とを備えることを特徴とする。
Figure 0006316531
〔式(2)において、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X2は2価の連結基を示す。R23は水素原子またはメチル基を示す。〕
Figure 0006316531
〔式(3)において、R31、R32およびR33は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R31、R32およびR33のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X3は2価の連結基を示す。R34は水素原子またはメチル基を示す。X-はハロゲンアニオンを示す。〕
上記工程(B)において、芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸または芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩を用いることで、4級アンモニウムカチオンの対イオンをハロゲンアニオンから芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンまたは芳香族カルボン酸アニオンに交換(アニオン交換)することが容易となる。
この工程(B)におけるアニオン交換に関して、HASB則に基づいて各イオンを分類する。例えば、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオン)は、電気陰性度が大きく、分極率が小さいため、硬い塩基に分類される。アルカリ金属イオン(例えば、カリウムイオン)は硬い酸に分類される。芳香環のπ電子系を有する芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンは軟らかい塩基に分類すると考えられる。ポリマー中の4級アンモニウムイオンは軟らかい酸に分類すると考えられる。HSAB則によると、軟らかい酸には軟らかい塩基、硬い酸には硬い塩基のように同程度の硬さの酸と塩基を組み合わせは結合力が強いと言われている。上記アニオン交換において結合力の強いイオンペアが生成することでアニオン交換が容易になると考えられる。
前記製造方法は、前記工程(A)において、リビングラジカル重合を用いて前記ブロック共重合体の前駆体を準備することが好ましい。また、前記製造方法は、前記工程(B)で得られたブロック共重合体を、水洗する工程(C)を備えることが好ましい。
本発明によれば、例えば分散剤として用いることができ、優れた耐熱性を有するブロック共重合体を提供することができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示である。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。
<1 ブロック共重合体>
本発明のブロック共重合体は、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、後述する一般式(1)で表される構造単位および後述する一般式(2)で表される構造単位を含むBブロックとを有することを特徴とする。
本発明において、「Aブロック」は「Aセグメント」と言い換えることができ、「Bブロック」は「Bセグメント」と言い換えることができる。本発明において、「ビニルモノマー」とは分子中にラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーのことをいう。「ビニルモノマーに由来する構造単位」とは、ビニルモノマーのラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合が、重合して炭素−炭素単結合になった構造単位をいう。「(メタ)アクリル」は「アクリルおよびメタクリルの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリレート」は「アクレートおよびメタクリレートの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルおよびメタクロイル少なくとも一方」をいう。
本発明のブロック共重合体の各種構成成分等について以下説明する。
(1.1 Aブロック)
Aブロックは、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を有するポリマーブロックである。Aブロックは、酸性基を有することで、アルカリ現像が容易になると考えられる。そのため、前記ブロック共重合体は、アルカリ現像を採用したカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用の顔料分散組成物に好適に使用できる。
前記酸性基としては、カルボキシ基(−COOH)、スルホン酸基(−SO3H)、リン酸基(−OPO32)、ホスホン酸基(−PO32)、ホスフィン酸基(−PO22)が挙げられる。Aブロックは、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を1種のみ有してもよいし、2種以上有していてもよい。
前記酸性基を有するビニルモノマーとしては、カルボキシ基を有するビニルモノマー、スルホン酸基を有するビニルモノマー、またはリン酸基を有するビニルモノマーから選択される少なくとも1種が好ましい。これらの中でも好ましくは、カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー、スルホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、またはリン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーから選択される少なくとも1種である。
カルボキシ基を有するビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレアート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等のヒドロキシ基を有するビニルモノマー(好ましくはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)に無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等の酸無水物を反応させたモノマー;クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
スルホン酸基を有するビニルモノマーとしては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ジスルホン酸エチル(メタ)アクリレート、メチルプロピルスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スルホン酸エチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
リン酸基を有するビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−(ホスホノオキシ)エチル等が挙げられる。
酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率は、Aブロック100質量%中において2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上であり、20質量%以下が好ましく、より好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは16質量%以下である。酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率が2質量%以上であればアルカリ現像において、アルカリで中和した際の溶解速度が速くなり、20質量%以下であれば親水性が高すぎず、形成される画素が乱雑になることを抑制できる。
前記Aブロックは、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位以外の他の構造単位を有していてもよい。Aブロックに含まれ得る他の構造単位は、酸性基を有するビニルモノマー、および後述のBブロックを形成するビニルモノマーの両方と共重合し得るビニルモノマーにより形成されるものであれば特に制限はない。Aブロックの他の構造単位を形成し得るビニルモノマーは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Aブロックの他の構造単位を形成し得るビニルモノマーの具体例としては、α−オレフィン、芳香族ビニルモノマー、ヘテロ環を含有するビニルモノマー、ビニルアミド、カルボン酸ビニル、ジエン類、(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。これらのビニルモノマーはヒドロキシ基、エポキシ基を有していてもよい。
α−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、1−ビニルナフタレン等が挙げられる。
ヘテロ環を含有するビニルモノマーとしては、2−ビニルチオフェン、N−メチル−2−ビニルピロール、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
ビニルアミドとしては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−ε−カプトラクタム等が挙げられる。
カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等が挙げられる。
(メタ)アクリルモノマーとしては、鎖状アルキル基(直鎖アルキル基または分岐鎖状アルキル基)を有する(メタ)アクリレート;環状アルキル基(単環構造)を有する(メタ)アクリレート;芳香環基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド;ポリエチレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレート;ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート;ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物;アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート;環状エーテル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。芳香環基を有する(メタ)アクリレートとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。ポリエチレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコール(n=1〜5)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜5)エチルエーテル(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコール(n=1〜5)プロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン1mol付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン2mol付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン3mol付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン4mol付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン5mol付加物等が挙げられる。
アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
環状エーテル基を有する(メタ)アクリレートとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸2−(4−モルホリニル)エチル、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2−〔(2−テトラヒドロピラニル)オキシ〕エチル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキサン−(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Aブロックに含まれ得る他の構造単位を形成し得るビニルモノマーは、(メタ)アクリルモノマーが好ましく、鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香環基を有する(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物、環状エーテル基を有する(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。Aブロックで使用し得る前記ビニルモノマーは、それぞれ1種または2種以上を使用することができる。
Aブロックが、鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、環状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、芳香環基を有する(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種のビニルモノマーに由来する構造単位を有する場合、これらの構造単位の合計含有率は、Aブロック100質量%中において30質量%以上が好ましく、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、98質量%以下が好ましく、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
Aブロックが、(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート、および、環状エーテル基を有する(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種のビニルモノマーに由来する構造単位を有する場合、これらの構造単位の合計含有率は、Aブロック100質量%中において2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、70質量%以下が好ましく、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
また、Aブロックは、アミノ基を有さないことが好ましい。つまり、Aブロックを構成するビニルモノマーには、アミノ基を有するビニルモノマーを含有しないことが好ましい。Aブロックにアミノ基が多量に存在すると、顔料分散剤として使用した際に、顔料がAブロックおよびBブロックの両方に吸着されてしまい、顔料の分散性能が低下する。Aブロック中のアミノ基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率は、2質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
Aブロックにおいて2種以上の構造単位が含有される場合は、Aブロックに含有される各種構造単位は、Aブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合等の何れの態様で含有されていてもよく、均一性の観点からランダム共重合の態様で含有されていることが好ましい。例えば、Aブロックが、a1ブロックからなる構造単位とa2ブロックとからなる構造単位との共重合体により形成されていてもよい。
(1.2 Bブロック)
Bブロックは、一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位を有するポリマーブロックである。Bブロックは、3級アミノ基に加え4級アンモニウム塩基を有することから、顔料との高い親和性を有すると考えられる。
(1.2.1 一般式(1)で表される構造単位)
一般式(1)で表される構造単位は、構造中に4級アンモニウム塩を有し、そのアニオン成分として、芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンよりなる群から選択される少なくとも1種を有する。Bブロックにおける一般式(1)で表される構造単位は、1種のみであってもよいし2種以上を有していてもよい。
Figure 0006316531
〔式(1)において、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R11、R12およびR13のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X1は2価の連結基を示す。R14は水素原子またはメチル基を示す。Y-は芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンよりなる群から選択される少なくとも1種を示す。〕
前記R11〜R13で表される鎖状の炭化水素基には、直鎖状および分岐鎖状のいずれも含まれる。前記R11〜R13で表される鎖状の炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、ベンゾイル基(−COC65)、ヒドロキシ基等が挙げられる。前記R11〜R13で表される環状の炭化水素基が有する置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
前記R11〜R13で表される基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜16のアラルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基(−CH265)がより好ましい。
前記R11〜R13のうち2つ以上が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば、5〜7員環の含窒素複素単環またはこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香族性を有しないものが好ましく、飽和環がより好ましい。具体的には下記式(11−1)、(11−2)、(11−3)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(11−1)、(11−2)、(11−3)において、R61は、R11〜R13のいずれかである。R62は、炭素数1〜6のアルキル基を示す。lは0〜5の整数を表す。mは0〜4の整数を表す。nは0〜4の整数を表す。lが2〜5、mが2〜4、nが2〜4の場合、複数存在するR62は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
一般式(1)において、2価の連結基X1としては、例えば、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R15−基、−COO−R16−基〔ただし、R15およびR16は単結合、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、または炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられる。2価の連結基X1としては、好ましくは−COO−R16−基であり、−COO−R17−基〔ただし、R17はメチレン基、炭素数2〜4のアルキレン基〕がより好ましい。
上記一般式(1)において対イオンのYは芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンよりなる群から選択される少なくとも1種を示す。これらの中でも対イオンのYは芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオンが好ましい。
芳香族ジカルボン酸イミドアニオンは、芳香族ジカルボン酸イミドのアニオンであり、ジカルボイミドを構成する窒素からプロトンを取り去ったものである。芳香族ジカルボン酸イミドは、分子中に芳香環と芳香環に直接結合するイミド基(−C(=O)NHC(=O)−)を有する。前記イミド基は、両末端が1つの芳香環に結合していてもよいし、それぞれ異なる芳香環に結合していてもよい。芳香族ジカルボン酸イミドアニオンとしては、一般式(12)で表されるものが好ましい。
Figure 0006316531
〔一般式(12)において、環Aは置換基を有していてもよい芳香環を表す。〕
一般式(12)において、環Aを構成する芳香環とは、芳香族性を有する環構造である。前記芳香環としては、単環および縮合環のいずれも含まれる。前記単環としては、5または6員環が好ましく、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環が好適である。前記縮合環としては、2〜5縮合環が好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インドール環が好適である。前記芳香環が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸イミドアニオンとしては、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イド(式(12−1));1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イド(式(12−2));1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[g]イソインドール−2−イド(式(12−3));5−フェニル−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イド(式(12−4));1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ナフト[2,3−f]イソインドール−2−イド(式(12−5));1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ナフト[2,3−g]イソインドール−2−イド(式(12−6));1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ジベンゾ[e,g]イソインドール−2−イド(式(12−7));等が挙げられる。
Figure 0006316531
芳香族スルホン酸アニオンは、芳香族スルホン酸のアニオンである。芳香族スルホン酸は、分子中に、芳香族環とこの芳香族環に直接結合したスルホン酸基を有する。芳香族スルホン酸アニオンとしては、下記式(13)で表されるものが好ましい。
Figure 0006316531
〔一般式(13)において、Arは置換基を有していてもよい芳香環を表す。〕
一般式(13)において、Arを構成する芳香環とは、芳香族性を有する環構造である。前記芳香環としては、単環および縮合環のいずれも含まれる。前記単環としては、5または6員環が好ましく、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環が好適である。前記縮合環としては、2〜5縮合環が好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インドール環が好適である。前記芳香環が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基等が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオンとしては、ベンゼンスルホン酸アニオン(式(13−1));1−ナフタレンスルホン酸アニオン(式(13−2));2−ナフタレンスルホン酸アニオン(式(13−3));4−ビフェニルスルホン酸アニオン(式(13−4));2−アントラセンスルホン酸アニオン(式(13−5));1−アントラセンスルホン酸アニオン(式(13−6));3−フェナントレンスルホン酸アニオン(式(13−7));p−スチレンスルホン酸アニオン(式(13−8));p−トルエンスルホン酸アニオン(式(13−9))等が挙げられる。
Figure 0006316531
芳香族ホスホン酸アニオンは、芳香族ホスホン酸のアニオンである。芳香族ホスホン酸は、分子中に、芳香族環とこの芳香族環に直接結合したホスホン酸基を有する。芳香族ホスホン酸アニオンとしては、下記式(14)で表されるものが好ましい。
Figure 0006316531
〔一般式(14)において、Arは置換基を有していてもよい芳香環を表す。〕
一般式(14)において、Arを構成する芳香環とは、芳香族性を有する環構造である。前記芳香環としては、単環および縮合環のいずれも含まれる。前記単環としては、5または6員環が好ましく、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環が好適である。前記縮合環としては、2〜5縮合環が好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インドール環が好適である。前記芳香環が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基等が挙げられる。
芳香族ホスホン酸アニオンとしては、ベンゼンホスホン酸アニオン(式(14−1));1−ナフタレンホスホン酸アニオン(式(14−2));2−ナフタレンホスホン酸アニオン(式(14−3));4−ビフェニルホスホン酸アニオン(式(14−4));2−アントラセンホスホン酸アニオン(式(14−5));1−アントラセンホスホン酸アニオン(式(14−6));3−フェナントレンホスホン酸アニオン(式(14−7));等が挙げられる。
Figure 0006316531
芳香族カルボン酸アニオンは、芳香族カルボン酸のアニオンである。芳香族カルボン酸は、分子中に、芳香族環とこの芳香族環に直接結合したカルボキシ基を有する。芳香族カルボン酸アニオンとしては、下記式(15)で表されるものが好ましい。
Figure 0006316531
〔一般式(15)において、Arは置換基を有していてもよい芳香環を表す。〕
一般式(15)において、Arを構成する芳香環とは、芳香族性を有する環構造である。前記芳香環としては、単環および縮合環のいずれも含まれる。前記単環としては、5または6員環が好ましく、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環が好適である。前記縮合環としては、2〜5縮合環が好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インドール環が好適である。前記芳香環が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基等が挙げられる。
芳香族カルボン酸アニオンとしては、安息香酸アニオン(式(15−1));1−ナフタレンカルボン酸アニオン(式(15−2));2−ナフタレンカルボン酸アニオン(式(15−3));4−ビフェニルカルボン酸アニオン(式(15−4));2−アントラセンカルボン酸アニオン(式(15−5));1−アントラセンカルボン酸アニオン(式(15−6));3−フェナントレンカルボン酸アニオン(式(15−7));p−スチレンカルボン酸アニオン(式(15−8));p−トルエンカルボン酸アニオン(式(15−9))等が挙げられる。
Figure 0006316531
一般式(1)で表される構造単位の含有率は、Bブロック100質量%中において30質量%以上が好ましく、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、85質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。一般式(1)で表される構造単位の含有率をこの範囲にすることで顔料と高い親和性を有すると考えられる。
(1.2.2 一般式(2)で表される構造単位)
一般式(2)で表される構造単位は、3級アミン構造を有する。Bブロックにおける一般式(2)で表される構造単位は、1種のみであってもよいし2種以上を有していてもよい。
Figure 0006316531
〔式(2)において、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X2は2価の連結基を示す。R23は水素原子またはメチル基を示す。〕
前記R21またはR22で表される鎖状の炭化水素基には、直鎖状および分岐鎖状のいずれも含まれる。前記R21またはR22で表される鎖状の炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、ベンゾイル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。前記R21またはR22で表される環状の炭化水素基が有する置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
前記R21またはR22で表される基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜16のアラルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基がより好ましい。
前記R21またはR22が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば、5〜7員環の含窒素複素単環またはこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香族性を有しないものが好ましく、飽和環がより好ましい。具体的には下記式(21−1)、(21−2)、(21−3)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(21−1)、(21−2)、(21−3)において、R71は、炭素数1〜6のアルキル基を示す。lは0〜5の整数を表す。mは0〜4の整数を表す。nは0〜4の整数を表す。lが2〜5、mが2〜4、nが2〜4の場合、複数存在するR71は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
上記一般式(2)において、2価の連結基X2としては、例えば、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R24−基、−COO−R25−基〔ただし、R24およびR25は単結合、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、または炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは−COO−R25−基であり、−COO−R26−基〔ただし、R26はメチレン基、炭素数2〜4のアルキレン基〕がより好ましい。
一般式(2)で表される構造単位の含有率は、Bブロック100質量%中において15質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、70質量%以下が好ましく、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。一般式(2)で表される構造単位の含有率をこの範囲にすることで顔料と高い親和性を有すると考えられる。
Bブロックは、一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位のみであっても良いし、他の構造単位が含まれていてもよい。顔料との親和性を保持する観点から、Bブロック中の一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位との合計含有率は、80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。また、Bブロックは、Aブロックが有する酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を実質的に含有しないことが好ましい。すなわち、Aブロックが有する酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率は、Bブロック100質量%中において、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
Bブロックの他の構造単位を形成し得るビニルモノマーの具体例としては、Aブロックの他の構造単位を形成し得るビニルのモノマーの具体例として例示したものと同一のものを挙げることができる。
Bブロックにおいて2種以上の構造単位が含有される場合は、Bブロックに含有される各種構造単位は、Bブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合等の何れの態様で含有されていてもよく、均一性の観点からランダム共重合の態様で含有されていることが好ましい。例えば、Bブロックが、b1ブロックからなる構造単位とb2ブロックとからなる構造単位との共重合体により形成されていてもよい。
(1.3 ブロック共重合体)
本発明のブロック共重合体の構造は、線状ブロック共重合体であることが好ましい。また、線状ブロック共重合体は、いずれの構造(配列)であっても良いが、線状ブロック共重合体の物性、または組成物の物性の観点から、AブロックをA、BブロックをBと表現したとき、(A−B)型、(A−B)−A型、(B−A)−B型(mは1以上の整数、例えば1〜3の整数)よりなる群から選択される少なくとも1種の構造を持つ共重合体であることが好ましい。これらの中でも、加工時の取扱い性、組成物の物性の観点から、A−Bで表されるジブロック共重合体であることが好ましい。A−Bで表されるジブロック共重合体を構成することで、Aブロックに有する酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位と、Bブロックに有する3級アミノ基を有するビニルモノマーに由来する構造単位および4級アンモニウム塩基を有するビニルモノマーに由来する構造単位とが局在化し、効率的に顔料と、溶媒、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂)と好適に作用することができると考えられる。
Aブロックの含有率は、ブロック共重合体全体100質量%中において、35質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上であり、85質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。Bブロックの含有率は、ブロック共重合体全体100質量%中において、15質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、65質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。AブロックおよびBブロックの含有率を、上記範囲内に調整することで、耐熱性、分散剤として使用した際の分散性能をバランスよく両立できる。
<2 ブロック共重合体の第一組成物>
本発明の第一組成物は、前記ブロック共重合体を含有する。前記第一組成物は、前記ブロック共重合体以外の他の成分を含有する。前記他の成分としては、ブロック共重合体の製造方法に起因する不純物が挙げられる。例えば、ブロック共重合体の製造に、後述する4級化剤や、芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩を使用した場合、前記4級化剤に由来するハロゲン成分や、芳香族ジカルボン酸イミド等のアルカリ金属塩に由来するアルカリ金属成分が挙げられる。なお、第一組成物は、析出した塩(前記4級化剤に由来するハロゲン成分と、芳香族ジカルボン酸イミド等のアルカリ金属塩に由来するアルカリ金属成分との塩)などの不純物をろ過により除去することが好ましい。
前記第一組成物に含まれるブロック共重合体の分子量は、ゲルパーミエーショングラフィー(以下「GPC」という)法により測定される。前記ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は5000以上が好ましく、より好ましくは6000以上、さらに好ましくは7000以上であり、15000以下が好ましく、より好ましくは12000以下、さらに好ましくは10000以下である。重量平均分子量が上記範囲内にあれば、分散剤として使用した際の分散性能がより良好となる。
前記第一組成物に含まれるブロック共重合体の分子量分布(PDI)は、2.0以下であることが好ましく、1.6以下であることより好ましい。なお、本発明において、分子量分布(PDI)とは、(ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw))/(ブロック共重合体の数平均分子量(Mn))によって求められるものである。PDIが小さいほど分子量分布の幅が狭い、分子量のそろった共重合体となり、その値が1.0のとき最も分子量分布の幅が狭い。ブロック共重合体の分子量分布(PDI)が、2.0を超えると、分子量の小さいものや、分子量の大きいものが含まれることになる。
前記第一組成物のアミン価は、顔料への吸着性および顔料分散性の観点から、10mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは20mgKOH/g以上、さらに好ましくは30mgKOH/g以上であり、200mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは150mgKOH/g以下、さらに好ましくは100mgKOH/g以下である。
前記第一組成物の酸価は、5mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは10mgKOH/g以上、さらに好ましくは15mgKOH/g以上であり、50mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは35mgKOH/g以下である。酸価をこの範囲にすることで、ブロック共重合体の顔料との親和性を損なうことなく、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂)と好適に作用することができる。
<3 ブロック共重合体の第二組成物>
本発明の第二組成物は、前記第一組成物を水洗し、乾燥することで得られる。水洗、乾燥後の第二組成物は、塩(前記4級化剤に由来するハロゲン成分と、芳香族ジカルボン酸イミド等のアルカリ金属塩に由来するアルカリ金属成分との塩)の含有量が低減されている。なお、第二組成物についても、前記第一組成物と同様に、ブロック共重合体の製造方法に起因する不純物が含まれている。前記第一組成物とは、前記ブロック共重合体を含有する組成物であり、ブロック共重合体を合成した際の反応液も含まれる。
前記第二組成物に含まれるブロック共重合体は、一般式(1)で表される構造単位を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、前記第二組成物は、ブロック共重合体以外の他の成分を含有する。前記他の成分としては、芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸、芳香族カルボン酸が挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸は、アニオンであってもよいし、アルカリ金属塩であってもよい。
前記第二組成物に含まれるブロック共重合体の分子量は、GPC法により測定される。前記ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は5000以上が好ましく、より好ましくは6000以上、さらに好ましくは7000以上であり、15000以下が好ましく、より好ましくは12000以下、さらに好ましくは10000以下である。重量平均分子量が上記範囲内にあれば、分散剤として使用した際の分散性能がより良好となる。
前記第二組成物に含まれるブロック共重合体の分子量分布(PDI)は、2.0以下であることが好ましく、1.6以下であることより好ましい。ブロック共重合体の分子量分布(PDI)が、2.0を超えると、分子量の小さいものや、分子量の大きいものが含まれることになる。
前記第二組成物のアミン価は、顔料への吸着性および顔料分散性の観点から、10mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは20mgKOH/g以上、さらに好ましくは30mgKOH/g以上であり、200mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは150mgKOH/g以下、さらに好ましくは100mgKOH/g以下である。
前記第二組成物の酸価は、5mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは10mgKOH/g以上、さらに好ましくは15mgKOH/g以上であり、50mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは35mgKOH/g以下である。
前記第二組成物は、ハロゲンアニオンの含有量が8000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは6000ppm以下、さらに好ましくは4000ppm以下である。
<4 ブロック共重合体の製造方法>
本発明のブロック共重合体の製造方法は、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、後述する一般式(2)で表される構造単位および後述する一般式(3)で表される構造単位を含むBブロックとを有するブロック共重合体の前駆体を準備する工程(A);前記工程(A)で得られたブロック共重合体の前駆体に、芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩を作用させ、ブロック共重合体を得る工程(B);を備えることを特徴とする。なお、本発明において「ブロック共重合体の前駆体」とは、アニオン交換前のブロック共重合体のことをいう。
(4.1 工程(A))
前記工程(A)では、ブロック共重合体の前駆体を準備する。前記ブロック共重合体の前駆体は、酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、一般式(2)で表される構造単位および一般式(3)で表される構造単位を含むBブロックとを有する。
Figure 0006316531
〔式(2)において、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X2は2価の連結基を示す。R23は水素原子またはメチル基を示す。〕
式(2)中のR21〜R23およびX2は、上記(Bブロック)の説明において記載したものと同様である。
Figure 0006316531
〔式(3)において、R31、R32およびR33は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R31、R32およびR33のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X3は2価の連結基を示す。R34は水素原子またはメチル基を示す。X-はハロゲンアニオンを示す。〕
前記R31〜R33で表される鎖状の炭化水素基には、直鎖状および分岐鎖状のいずれも含まれる。前記R31〜R33で表される鎖状の炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、ベンゾイル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。前記R31〜R33で表される環状の炭化水素基が有する置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
前記R31〜R33で表される基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜16のアラルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基がより好ましい。
前記R31〜R33のうち2つ以上が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば、5〜7員環の含窒素複素単環またはこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香族性を有しないものが好ましく、飽和環がより好ましい。具体的には下記式(31−1)、(31−2)、(31−3)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(31−1)、(31−2)、(31−3)において、R81は、R31〜R33のいずれかである。R82は、炭素数1〜6のアルキル基を示す。lは0〜5の整数を表す。mは0〜4の整数を表す。nは0〜4の整数を表す。lが2〜5、mが2〜4、nが2〜4の場合、複数存在するR82は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
上記一般式(3)において、2価の連結基X3としては、例えば、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R35−基、−COO−R36−基〔ただし、R35およびR36は単結合、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、または炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは−COO−R36−基であり、−COO−R37−基〔ただし、R37はメチレン基、炭素数2〜4のアルキレン基〕がより好ましい。
-としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンアニオンが挙げられ、好ましくは塩化物イオンである。
(4.1.1 Aブロック)
前記工程(A)において、Aブロックは、例えば、酸性基を有するビニルモノマーを含有するモノマー組成物を重合することで得られる。
前記工程(A)で使用する酸性基を有するビニルモノマーとしては、上述したものが使用でき、カルボキシ基を有するビニルモノマー、スルホン酸基を有するビニルモノマー、またはリン酸基を有するビニルモノマーから選択される少なくとも1種が好ましい。また、Aブロック用のモノマー組成物には、酸性基を有するビニルモノマーに加えて、上述したAブロックの他の構造単位を形成し得るビニルモノマーを配合してもよい。
(4.1.2 Bブロック)
前記工程(A)において、Bブロックは、一般式(2)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーおよび一般式(3)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーを含有するモノマー組成物を重合する方法;一般式(2)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーを含有するモノマー組成物を重合した後、得られた重合物中の一般式(2)で表される構造単位の一部の3級アミン構造を4級化する方法が挙げられる。
前記一般式(2)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノブチル(メタ)アクレート等が挙げられる。前記一般式(2)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(3)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシブチルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジエチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルベンジルジエチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシブチルベンジルジエチルアンモニウムクロリド;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロミド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムブロミド、(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメチルアンモニウムブロミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、(メタ)アクリロイルオキシブチルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジエチルアンモニウムブロミド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルベンジルジエチルアンモニウムブロミド、(メタ)アクリロイルオキシブチルベンジルジエチルアンモニウムブロミド;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムヨージド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムヨージド、(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメチルアンモニウムヨージド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムヨージド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルベンジルジメチルアンモニウムヨージド、(メタ)アクリロイルオキシブチルベンジルジメチルアンモニウムヨージド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジエチルアンモニウムヨージド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルベンジルジエチルアンモニウムヨージド、(メタ)アクリロイルオキシブチルベンジルジエチルアンモニウムヨージド;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムフロリド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムフロリド、(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメチルアンモニウムフロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムフロリド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルベンジルジメチルアンモニウムフロリド、(メタ)アクリロイルオキシブチルベンジルジメチルアンモニウムフロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルジエチルアンモニウムフロリド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルベンジルジエチルアンモニウムフロリド、(メタ)アクリロイルオキシブチルベンジルジエチルアンモニウムフロリドが挙げられる。前記一般式(3)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、一般式(2)で表される構造単位の3級アミン構造を4級化する場合、4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル;塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル等のハロゲン化アラルキルが挙げられる。これらの中でも、好ましくは塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル等のハロゲン化アラルキルであり、より好ましくは塩化ベンジルである。4級化後の構造には、4級化剤に由来するアルキル基、アラルキル基が導入される。よって、4級化により導入されたアルキル基、アラルキル基の量を測定することで、一般式(3)で表される構造単位の量を推定することができる。
(4.1.3 方法)
前記工程(A)としては、Aブロックを先に製造し、AブロックにBブロックのモノマーを重合する方法;Bブロックを先に製造し、BブロックにAブロックのモノマーを重合する方法;AブロックとBブロックとを別々に製造した後、AブロックとBブロックとをカップリングする方法;Aブロックを先に製造し、Aブロックに一般式(2)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーを含有するモノマー組成物を重合し、得られた重合物中の一般式(2)で表される構造単位の一部の3級アミン構造を4級化する方法;一般式(2)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーを含有するモノマー組成物を重合し、この重合物にAブロックのモノマーを重合し、得られた重合物中の一般式(2)で表される構造単位の一部の3級アミン構造を4級化する方法;Aブロックと一般式(2)で表される構造単位を有するブロックとを別々に製造し、これらのブロックをカップリングした後、得られた重合物中の一般式(2)で表される構造単位の一部の3級アミン構造を4級化する方法;が挙げられる。
(4.1.4 リビングラジカル重合)
重合法は特に限定されないが、リビングラジカル重合が好ましい。すなわち、前記第一ブロック共重合体としては、リビングラジカル重合を用いて重合されたものが好ましい。従来のラジカル重合法は、開始反応、成長反応だけでなく、停止反応、連鎖移動反応により成長末端の失活が起こり、様々な分子量、不均一な組成のポリマーの混合物となり易い傾向がある。前記リビングラジカル重合法は、従来のラジカル重合法の簡便性と汎用性を保ちながら、停止反応や、連鎖移動が起こりにくく、成長末端が失活することなく成長するため、分子量分布の精密制御、均一な組成のポリマーの製造が容易である点で好ましい。
リビングラジカル重合法には、重合成長末端を安定化させる手法の違いにより、遷移金属触媒を用いる方法(ATRP法);硫黄系の可逆的連鎖移動剤を用いる方法(RAFT法);有機テルル化合物を用いる方法(TERP法)等がある。ATRP法は、アミン系錯体を使用するため、酸性基を有するビニルモノマーの酸性基を保護しなければ、使用できない場合がある。RAFT法は、多種のモノマーを使用した場合、低分子量分布になりづらく、かつ硫黄臭や着色等の不具合がある場合がある。これらの方法の中でも、使用できるモノマーの多様性、高分子領域での分子量制御、均一な組成、あるいは着色の観点から、TERP法を用いることが好ましい。
TERP法とは、有機テルル化合物を重合開始剤として用い、ラジカル重合性化合物(ビニルモノマー)を重合させる方法であり、例えば、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、および、国際公開第2004/096870号に記載された方法である。
TERP法の具体的な重合法としては、下記(a)〜(d)が挙げられる。
(a)ビニルモノマーを、一般式(4)で表される有機テルル化合物を用いて重合する方法。
(b)ビニルモノマーを、一般式(4)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との混合物を用いて重合する方法。
(c)ビニルモノマーを、一般式(4)で表される有機テルル化合物と一般式(5)で表される有機ジテルル化合物との混合物を用いて重合する方法。
(d)ビニルモノマーを、一般式(4)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(5)で表される有機ジテルル化合物との混合物を用いて重合する方法。
Figure 0006316531
〔一般式(4)において、R41は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を示す。R42およびR43は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。R44は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、シアノ基、アリル基またはプロパルギル基を示す。〕
Figure 0006316531
〔一般式(5)において、R41は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を示す。〕
41で表される基は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基であり、具体的には次の通りである。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができ
る。
42およびR43で表される基は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、各基は、具体的には次の通りである。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
44で表される基は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、シアノ基、アリル基またはプロパルギル基であり、具体的には次の通りである。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。好ましくはフェニル基である。
置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。置換基を有しているアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−COR441で示されるカルボニル含有基(R441は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基またはアリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。また、これらの置換基は、1個または2個置換しているのがよい。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルキル基が酸素原子に結合した基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tet−ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基、オクチロキシ基等を挙げることができる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、−CONR44214422(R4421、R4422は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基)を挙げることがきる。
オキシカルボニル基としては、−COOR443(R443は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基)で表される基が好ましく、例えばカルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、ter−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。
アリル基としては、−CR44414442−CR4443=CR44444445(R4441、R4442は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R4443、R4444、R4445は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基であり、それぞれの置換基が環状構造で繋がっていてもよい)を挙げることができる。
プロパルギル基としては、−CR44514452−C≡CR4453(R4451、R4452は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R4453は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはシリル基)を挙げることができる。
一般式(4)で表される有機テルル化合物は、具体的には(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(メチルテラニルメチル)ナフタレン、エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート、(2−トリメチルシロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネート、(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネートまたは(3−トリメチルシリルプロパルギル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピネート等、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、および国際公開第2004/096870号に記載された有機テルル化合物の全てを例示することができる。
一般式(5)で表される有機ジテルル化合物は、具体的には、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−s−ブチルジテルリド、ジ−t−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリドまたはジピリジルジテルリド等を例示することができる。
アゾ系重合開始剤は、通常のラジカル重合で使用するアゾ系重合開始剤であれば特に制限なく使用することができる。例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70)、2,2’−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、または2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等を例示することができる。
重合工程は、不活性ガスで置換した容器で、ビニルモノマーと一般式(4)の有機テルル化合物とに、ビニルモノマーの種類に応じて反応促進、分子量および分子量分布の制御等の目的で、さらにアゾ系重合開始剤および/または一般式(5)の有機ジテルル化合物を混合する。このとき、不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができる。好ましくは、アルゴン、窒素が良い。
前記(a)、(b)、(c)および(d)の重合法において、ビニルモノマーの使用量は、目的とする共重合体の物性により適宜調節すればよいが、通常、一般式(4)の有機テルル化合物1molに対しビニルモノマーを5〜10000molとすることが好ましい。
前記(b)の重合法において、一般式(4)の有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、アゾ系重合開始剤の使用量としては、通常、一般式(4)の有機テルル化合物1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol〜10molとすることが好ましい。
前記(c)の重合法において、一般式(4)の有機テルル化合物と一般式(5)の有機ジテルル化合物とを併用する場合、一般式(5)の有機ジテルル化合物の使用量としては、通常、一般式(4)の有機テルル化合物1molに対して一般式(5)の有機ジテルル化合物を0.01mol〜100molとすることが好ましい。
前記(d)の重合法において、一般式(4)の有機テルル化合物と一般式(5)の有機ジテルル化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、アゾ系重合開始剤の使用量としては、通常、一般式(4)の有機テルル化合物と一般式(5)の有機ジテルル化合物の合計1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol〜100molとするのがよい。
重合反応は、無溶媒でも行うことができるが、ラジカル重合で一般に使用される非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒を使用し、前記混合物を撹拌して行なってもよい。使用できる非プロトン性溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはトリフルオロメチルベンゼン等を例示することができる。また、プロトン性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノールまたはジアセトンアルコール等を例示することができる。
溶媒の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ビニルモノマー1gに対して、0.01ml以上が好ましく、より好ましくは0.05ml以上、さらに好ましくは0.1ml以上であり、50ml以下が好ましく、より好ましくは10ml以下、さらに好ましくは1ml以下である。
反応温度、反応時間は、得られる共重合体の分子量或いは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、0〜150℃で、1分〜100時間撹拌する。TERP法は、低い重合温度および短い重合時間であっても高い収率と精密な分子量分布を得ることができる。このとき、圧力は、通常、常圧で行われるが、加圧または減圧しても構わない。
重合反応の終了後、得られた反応混合物から、通常の分離精製手段により、使用溶媒、残存ビニルモノマーの除去等を行い、目的とする共重合体を分離することができる。
重合反応により得られる共重合体の成長末端は、−TeR41(式中、R41は前記と同じである)の形態であり、重合反応終了後の空気中の操作により失活していくが、テルル原子が残存する場合がある。テルル原子が末端に残存した共重合体は着色したり、熱安定性が劣ったりするため、テルル原子を除去することが好ましい。
テルル原子を除去する方法としては、トリブチルスタンナンまたはチオール化合物等を用いるラジカル還元方法;活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土、モレキュラーシーブスおよび高分子吸着剤等で吸着する方法;イオン交換樹脂等で金属を吸着する方法;過酸化水素水または過酸化ベンゾイル等の過酸化物を添加したり、空気または酸素を系中に吹き込むことで共重合体末端のテルル原子を酸化分解させ、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留テルル化合物を除去する液−液抽出法や固−液抽出法;特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限界ろ過等の溶液状態での精製方法;を用いることができ、また、これらの方法を組み合わせて用いることもできる。
(4.1.5 4級化)
重合物中の一般式(2)で表される構造単位の一部の3級アミン構造を4級化する方法としては、重合物と4級化剤とを接触させる方法が挙げられる。具体的には、一般式(2)で表される構造単位を形成し得るビニルモノマーを含有するモノマー組成物を重合した後、この反応液に4級化剤を添加し、撹拌する方法が挙げられる。
4級化剤を添加する反応液の温度は55℃〜65℃が好ましく、撹拌時間は、5時間〜20時間が好ましい。4級化剤を添加する際に、重合後の反応液を希釈することも好ましい。希釈のために添加する溶媒としては、重合反応に使用し得る溶媒が挙げられ、プロトン性溶媒が好ましく、メタノールがより好ましい。
(4.1.6 ブロック共重合体の前駆体)
前記ブロック共重合体の前駆体の分子量は、GPC法により測定される。前記ブロック共重合体の前駆体の重量平均分子量(Mw)は5000以上が好ましく、より好ましくは6000以上、さらに好ましくは7000以上であり、15000以下が好ましく、より好ましくは12000以下、さらに好ましくは10000以下である。
前記ブロック共重合体の前駆体の分子量分布(PDI)は、2.0以下であることが好ましく、1.6以下であることより好ましい。
前記ブロック共重合体の前駆体のAブロックの含有率は、ブロック共重合体全体100質量%中において、35質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上であり、85質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。前記ブロック共重合体の前駆体のBブロックの含有率は、ブロック共重合体全体100質量%中において、15質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、65質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。
前記ブロック共重合体の前駆体のアミン価は、顔料への吸着性および顔料分散性の観点から、10mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは20mgKOH/g以上、さらに好ましくは30mgKOH/g以上であり、200mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは150mgKOH/g以下、さらに好ましくは100mgKOH/g以下である。前記ブロック共重合体の前駆体のアミン価は一般式(2)で表される構造単位に由来するものである。
前記ブロック共重合体の前駆体の酸価は、5mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは10mgKOH/g以上、さらに好ましくは15mgKOH/g以上であり、50mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは35mgKOH/g以下である。
(4.2 工程(B))
工程(B)では、前記工程(A)終了後、得られたブロック共重合体の前駆体に芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩を作用させ、ブロック共重合体を得る。工程(B)により、一般式(3)で表される構造単位が有するハロゲンアニオンを、芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホニウムイオンまたは芳香族カルボン酸アニオンに交換(アニオン交換)することができる。
芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩におけるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムがあり、この中でも経済的に有利な点からリチウム、ナトリウム、カリウムが好ましい。
芳香族ジカルボン酸イミドのアルカリ金属塩としては、例えば、一般式(6)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(6)において、環Aは置換基を有していてもよい芳香環を表し、M1はアルカリ金属を表す。〕
一般式(6)において、環Aを構成する芳香環とは、芳香族性を有する環構造である。前記芳香環としては、単環および縮合環のいずれも含まれる。前記単環としては、5または6員環が好ましく、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環が好適である。前記縮合環としては、2〜5縮合環が好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インドール環が好適である。前記芳香環が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基等が挙げられる。M1で表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸イミドのアルカリ金属塩としては、例えば、一般式(6−1)〜(6−7)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(6−1)〜(6−7)において、M1はアルカリ金属を表す。〕
芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、一般式(7)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(7)において、Arは置換基を有していてもよい芳香環を表し、M2はアルカリ金属を表す。〕
一般式(7)において、Arを構成する芳香環とは、芳香族性を有する環構造である。前記芳香環としては、単環および縮合環のいずれも含まれる。前記単環としては、5または6員環が好ましく、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環が好適である。前記縮合環としては、2〜5縮合環が好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インドール環が好適である。前記芳香環が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基等が挙げられる。M2で表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。
芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、一般式(7−1)〜(7−9)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(7−1)〜(7−9)において、M2はアルカリ金属を表す。〕
芳香族ホスホン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、一般式(8)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(8)において、Arは置換基を有していてもよい芳香環を表し、M3はアルカリ金属を表す。〕
一般式(8)において、Arを構成する芳香環とは、芳香族性を有する環構造である。前記芳香環としては、単環および縮合環のいずれも含まれる。前記単環としては、5または6員環が好ましく、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環が好適である。前記縮合環としては、2〜5縮合環が好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インドール環が好適である。前記芳香環が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基等が挙げられる。M3で表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。
芳香族ホスホン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、一般式(8−1)〜(8−7)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(8−1)〜(8−7)において、M3はアルカリ金属を表す。〕
芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、一般式(9)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006316531
〔一般式(9)において、Arは置換基を有していてもよい芳香環を表し、M4はアルカリ金属を表す。〕
一般式(9)において、Arを構成する芳香環とは、芳香族性を有する環構造である。前記芳香環としては、単環および縮合環のいずれも含まれる。前記単環としては、5または6員環が好ましく、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環が好適である。前記縮合環としては、2〜5縮合環が好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インドール環が好適である。前記芳香環が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基等が挙げられる。M4で表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。
芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、一般式(9−1)〜(9−9)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006316531
前記工程(B)において、ブロック共重合体の前駆体に前記アルカリ金属塩を作用させる方法としては、前記ブロック共重合体の前駆体を溶解した溶液に前記アルカリ金属塩を添加して撹拌する方法が挙げられる。
前記工程(B)では、工程(A)の重合後の反応液に前記アルカリ金属塩を添加してもよい。なお、アニオン交換の効率の観点から、工程(A)終了後の重合溶液からブロック共重合体の前駆体を単離し、これを新たな溶媒に溶解させた溶液に、前記アルカリ金属塩を添加することが好ましい。
前記ブロック共重合体の前駆体を溶解することができる溶媒としては、非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒を使用することができる。使用できる非プロトン性溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはトリフルオロメチルベンゼン等を例示することができる。また、プロトン性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノールまたはジアセトンアルコール等を例示することができる。
工程(B)において、ブロック共重合体の前駆体を溶解するための溶媒の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ブロック共重合体の前駆体1gに対して、通常、2ml〜10mlの範囲であり、好ましくは2ml〜5mlがよい。
工程(B)における、芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩の使用量としては、4級アンモニウム基に対して0.5当量以上が好ましく、より好ましくは0.9当量以上であり、1.1当量以下が好ましく、より好ましくは1.0当量以下である。
工程(B)において、ブロック共重合体の前駆体と前記アルカリ金属塩とを接触させる際の溶液温度は、通常55℃〜70℃、好ましくは55℃〜65℃であり、撹拌時間は、通常18時間〜24時間、好ましくは20時間〜22時間がよい。
反応終了後、反応液から溶媒を除去することでブロック共重合体を含有する第一組成物が得られる。なお、得られた第一組成物は、析出した塩(前記4級化剤に由来するハロゲン成分と、芳香族ジカルボン酸イミド等のアルカリ金属塩に由来するアルカリ金属成分との塩)などの不純物をろ過により除去することが好ましい。
(4.3 工程(C))
前記ブロック共重合体の製造方法は、前記工程(B)で得られたブロック共重合体を、水洗する工程(C)を備えていることが好ましい。前記水洗方法としては、公知の洗浄方法を用いることができるが、分液洗浄が好ましい。分液洗浄は、工程(B)終了後の溶液に対して行ってもよいし、前記工程(B)終了後の溶液からブロック共重合体の第一組成物を単離し、得られた第一組成物を適当な溶媒に溶解させた溶液に対して行ってもよい。
上記分液洗浄の具体例としては、ブロック共重合体を溶解した溶媒と、水とを混合後、分離した水層を抜き取る。水洗することで、第一組成物に含まれる塩(前記4級化剤に由来するハロゲン成分と、芳香族ジカルボン酸イミド等のアルカリ金属塩に由来するアルカリ金属成分との塩)の含有量をより低減できる。また、さらに、分液洗浄を繰り返すことで一層の効果がある。分液洗浄後、ブロック共重合体が溶解した相の溶媒を減圧下除去することで、目的のブロック共重合体の第二組成物を得ることができる。
上述の分液操作の溶媒は、ブロック共重合体を溶解することができ、水と相分離可能な溶媒であればよく、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケトン等を挙げることができ、これらを混合して用いてもよい。また、水洗に使用する水は、アルコール等を含有してもよい。
上記分液洗浄において、水の使用量は、ブロック共重合体を溶解している溶媒相に対して、体積比で0.1倍量〜10倍量が好ましく、より好ましくは0.5倍量〜5倍量である。分液洗浄を行う際の液温は、10℃〜60℃が好ましく、より好ましくは30℃〜50℃、特に好ましくは35℃〜45℃である。
<5 分散剤、顔料分散組成物>
本発明の分散剤は、前記ブロック共重合体、第一組成物または第二組成物を主成分として含有するものである。なお前記分散剤は、実質的に本発明のブロック共重合体、第一組成物または第二組成物のみからなるものであることが好ましい。本発明の顔料分散組成物は、前記分散剤と、顔料と、分散媒体とを含有してなる。この場合に使用する顔料の種類および粒子径は、その用途によっても異なり、特に限定されない。前記顔料分散組成物は、カラーフィルタ用に使用できる。本発明を特徴づけるブロック共重合体は、その構造中(Bブロック)の3級アミノ基および4級アンモニウム塩基が、酸性顔料または酸性基含有色素誘導体で処理された顔料の酸性基と強固に結合し、このBブロックが顔料に吸着することで、または4級アンモニウム塩基の対イオンである芳香族ジカルボン酸イミドアニオンの芳香族部位が顔料の色素骨格部位と吸着することで、顔料分散性を高める作用を発揮すると考えられる。すなわち、本発明の分散剤は、この作用によって顔料の良好に分散させる成分であるので、分散させる顔料の種類については特に限定されない。
顔料分散組成物において、分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して5質量部〜200質量部であることが好ましく、10質量部〜100質量部であることがより好ましく、10質量部〜50質量部であることがさらに好ましい。
顔料としては、有機顔料および無機顔料のいずれでもよいが、有機化合物を主成分とする有機顔料が特に好ましい。顔料としては、例えば、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料等の各色の顔料が挙げられる。顔料の構造は、モノアゾ系顔料、ジアゾ系顔料、縮合ジアゾ系顔料等のアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、キナクリドン系顔料、インディゴ系顔料、チオインディゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料等の多環系顔料等が挙げられる。顔料分散組成物に含まれる顔料は、1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。
顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、122、123、146、149、168、177、178、179、187、200、202、208、210、215、224、254、255、264等の赤色顔料;C.I.Pigment Yellow 1、3、5、6、14、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、93、97、98、104、108、110、138、139、147、150、151、154、155、166、167、168、170、180、188、193、194、213等の黄色顔料;C.I.Pigment Orange 36、38、43等の橙色顔料;C.I.Pigment Blue 15、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60等の青色顔料;C.I.Pigment Green 7、36、58等の緑色顔料;C.I.Pigment Violet 23、32、50等の紫色顔料等が挙げられる。顔料は、これらの中でも、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 255、C.I.Pigment Red 264、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:2、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 15:6、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Green 7、C.I.Pigment Green 36、C.I.Pigment Green 58等が好ましい。
顔料分散組成物における顔料の含有量の上限値は、顔料分散組成物の固形分全量中において、通常80質量%であり、70質量%であることが好ましく、60質量%であることがより好ましい。また、顔料分散組成物における顔料の含有量の下限値は、顔料分散組成物の固形分全量中において、通常10質量%であり、20質量%であることが好ましく、30質量%であることがより好ましい。
分散媒体としては、例えば従来公知の有機溶媒を使用することができ、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等のグリコールアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート等のグリコールジアセテート類;シクロヘキサノールアセテート等のアルキルアセテート類;アミルエーテル、プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシプロパノール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコール等の1価または多価アルコール類;n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシル等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類;アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等の鎖状または環状エステル類;3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸等のアルコキシカルボン酸類;ブチルクロライド、アミルクロライド等のハロゲン化炭化水素類;メトキシメチルペンタノン等のエーテルケトン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類等が挙げられる。有機溶媒は、顔料等の分散性、分散剤の溶解性、顔料分散組成物の塗布性等の観点から、グリコールアルキルエーテルアセテート類、1価または多価アルコール類であることが好ましい。顔料分散組成物に含まれる溶媒は、1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。
顔料分散組成物中の分散媒体の含有量は、特に限定されず、適宜調整することができる。顔料分散組成物中の分散媒体の含有量の上限値は、通常99質量%である。また、顔料分散組成物中の分散媒体の含有量の下限値は、顔料分散組成物の塗布に適した粘度を考慮して、通常70質量%であり、80質量%であることが好ましい。上記分散媒体は、顔料分散組成物から形成される析出物を溶解、除去するための溶媒として使用できる。
本発明の顔料分散組成物には、分散剤に用いる本発明を特徴づけるブロック共重合体中の3級アミノ基および4級アンモニウム塩基とイオン結合させて吸着させるために、さらに酸性基を有する酸性の色素誘導体を含有させることが好ましい。この色素誘導体は、色素骨格に酸性官能基が導入されたものである。色素骨格としては、顔料分散組成物を構成している顔料と同一または類似の骨格、該顔料の原料となる化合物と同一または類似の骨格が好ましい。色素骨格の具体例としては、アゾ系色素骨格、フタロシアニン系色素骨格、アントラキノン系色素骨格、トリアジン系色素骨格、アクリジン系色素骨格、ペリレン系色素骨格等を上げることができる。色素骨格に導入される酸性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基が好ましい。なお、合成の都合上、および酸性度の強さからスルホン酸基が好ましい。また、酸性基は、色素骨格に直接結合してもよいが、アルキル基やアリール基等の炭化水素基;エステル、エーテル、スルホンアミド、ウレタン結合を介して色素骨格に結合してもよい。
本発明の顔料分散組成物には、バインダー樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂は、例えば、重合体であってもよい。バインダー樹脂が重合体である場合、重合体を構成するモノマーの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン(p−メチルスチレン)、2−メチルスチレン(o−メチルスチレン)、3−メチルスチレン(m−メチルスチレン)、4−メトキシスチレン(p−メトキシスチレン)、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブトキシスチレン等の芳香族不飽和モノマー(スチレン系モノマー)等が挙げられる。
顔料分散組成物をカラーフィルタ用の着色剤として用いる場合には、バインダー樹脂は、カルボキシル基含有不飽和モノマーと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であることが好ましい。このような共重合体の具体例としては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸ブチルとの共重合体、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸ベンジルとの共重合体、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸ベンジルとの共重合体等が挙げられる。バインダー樹脂と顔料との親和性の観点からは、バインダー樹脂は、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸ベンジルとの共重合体であることが特に好ましい。カルボキシル基含有不飽和モノマーと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体において、(メタ)アクリル酸の含有量は、全モノマー成分中、通常5質量%〜90質量%であり、10質量%〜70質量%であることが好ましく、20質量%〜70質量%であることがより好ましい。Mwは、3,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜50,000であることがより好ましく、5,000〜20,000であることがさらに好ましい。バインダー樹脂のMwが3,000以上であると、顔料分散組成物から形成された塗布膜の耐熱性、膜強度等が良好となり、Mwが100,000以下であると、この塗布膜のアルカリ水溶液による現像性がより一層良好となる。
顔料分散組成物をカラーフィルタ用の着色剤として用いる場合には、バインダー樹脂の酸価は、20mgKOH/g〜170mgKOH/gであることが好ましく、50mgKOH/g〜150mgKOH/gであることがより好ましく、90mgKOH/g〜150mgKOH/gであることがさらに好ましい。バインダー樹脂の酸価が20mgKOH以上/gであると、顔料分散組成物を塗布膜としたときのアルカリ現像性がより一層良好となり、170mgKOH/g以下であると耐熱性が良好となる。
顔料分散組成物に含まれるバインダー樹脂は、1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。顔料分散組成物において、バインダー樹脂の含有量は、顔料100質量部に対して、5質量部〜200質量部であることが好ましく、10質量部〜100質量部であることがより好ましく、10質量部〜50質量部であることがさらに好ましい。
顔料分散組成物は、顔料、分散剤、分散媒体、色素誘導体、バインダー樹脂等を、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ボールミル、ディゾルバー、ニーダー等の混合分散機を用いて混合することによって得られる。顔料分散組成物は、混合後に濾過することが好ましい。
顔料分散組成物は、必要に応じて他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、光重合性モノマー、光重合開始剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐剤、防カビ剤等が挙げられる。光重合性モノマーとしては、バインダー樹脂と相溶性のあるエチレン性不飽和二重結合を少なくとも2つ有する化合物等が好ましい。このような化合物としては、顔料分散組成物をカラーフィルタ用の着色剤として用いる場合、アルカリ可溶性を有し、1分子内に1つ以上の酸性基と2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、1分子内に1つ以上の酸性基と3つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物がさらに好ましい。エチレン性不飽和二重結合を少なくとも2つ有する化合物としては、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、3官能以上の(メタ)アクリレートが好ましい。1分子内に1つ以上の酸性基と2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、酸性基含有多官能性(メタ)アクリレートがより好ましく、3官能以上の酸性基含有多官能性(メタ)アクリレートが特に好ましい。酸性基としては、アルカリ現像が可能なものであればよく、例えばカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。酸性基は、アルカリ現像性および樹脂組成物の取り扱い性をより一層向上させる観点からカルボキシ基が好ましい。
顔料分散組成物をスピンコート法、ロールコート法、スリットコート法等の方法により基板上に塗布することにより、基板上に顔料分散組成物の塗布膜を形成することができる。顔料分散組成物を基板の上に塗布した後、必要に応じて乾燥(脱溶媒処理)等を施してもよい。
本発明の顔料分散組成物を、例えばカラーフィルタのパターニング材等として用いる場合、分散剤に用いる本発明を特徴づけるブロック共重合体の耐熱性が優れていることから、高温を伴う工程の前後でのコントラスト比の低下、色相の変化等を抑制することが期待できる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。また、各種物性測定は以下の機器により測定を行った。なお、略語の意味は下記のとおりである。
BTEE:エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート
DBDT:ジブチルジテルリド
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
MMA:メタクリル酸メチル
BMA:メタクリル酸ブチル
EHMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル
BzMA:メタクリル酸ベンジル
M4EGM:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーPME−200、日油社製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
THFMA:メタクリル酸テトラヒドロフルフリル
PCL5:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの5molカプロラクトン付加物(ダイセル化学社製、プラクセル(登録商標)FM5)
MAA:メタクリル酸
DMAEMA:メタクリル酸ジメチルアミノエチル
BzCl:塩化ベンジル
PIK:フタルイミドカリウム
NaSS:p−スチレンスルホン酸ナトリウム
NaTS:p−トルエンスルホン酸ナトリウム
NaBA:安息香酸ナトリウム
NaHPPA:フェニルホスホン酸一ナトリウム
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MP:1−メトキシ−2−プロパノール
AcOEt:酢酸エチル
(重合率)
核磁気共鳴(NMR)測定装置(Bruker社製、型式:AVANCE500(周波数500MHz))を用いて、1H−NMRを測定(溶媒:重水素化クロロホルム、内部標準:テトラメチルシラン)した。得られたNMRスペクトルについて、モノマー由来のビニル基と、ポリマー由来のエステル側鎖のピークの積分比を求め、モノマーの重合率を算出した。
(重量平均分子量(Mw)および分子量分布(PDI))
高速液体クロマトグラフ(東ソー製、型式:HLC8320)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。カラムはSHODEX KF−603(Φ6.0mm×150mm)(SHODEX社製)を1本、移動相に30mmol/L臭化リチウム−30mmol/L酢酸−N−メチルピロリドン、検出器に示差屈折率検出器を使用した。測定条件は、カラム温度を40℃、試料濃度を100mg/mL、試料注入量を10μL、流速を0.6mL/minとした。標準物質としてポリスチレン(東ソー社製、TSK Standard)を使用して検量線(校正曲線)を作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。これらの測定値から分子量分布(PDI)を算出した。
(アミン価)
アミン価は、固形分1gあたりの塩基性成分と当量の水酸化カリウム(KOH)の質量で表したものである。測定試料をテトラヒドロフランに溶解し、電位差滴定装置(商品名:915 KF Ti−touch、Metrohm社製)を用いて、得られた溶液を0.1mol/L塩酸/2−プロパノール溶液で中和滴定した。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として次式によりアミン価(B)を算出した。
B=56.11×Vs×0.1×f/w
B:アミン価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.1mol/L塩酸/2−プロパノール溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/L塩酸/2−プロパノール溶液の力価
w:測定試料の質量(g)(固形分換算)
(酸価)
酸価は、固形分1gあたりの酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量を表したものである。測定試料をテトラヒドロフロンに溶解し、得られた溶液を0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液で中和滴定した。次式により酸価(A)を算出した。
A=56.11×Vs×0.5×f/w
A:酸価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液の使用量 (mL)
f:0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液の力価
w:測定試料の質量(g)(固形分換算)
(粘度)
E型粘度計(商品名:TVE−22L、東機産業社製)を用い、コーンローター(1°34’×R24)のを使用して、25℃下、ローター回転数100rpmで粘度を測定した。
(加熱重量減少温度)
熱重量・示差熱同時測定装置(TG−DTA)(SIIナノテクノロジー社製、TG−DTA6300)を用いて測定した。測定試料は、測定前に温度130℃で2時間減圧乾燥した。測定条件は、試料質量約10mg、空気流入量200ml/min、昇温速度10℃/min、測定温度範囲40℃〜600℃とした。得られたTG曲線から試料質量が10%減少した温度を読み取り、これを加熱重量減少温度とした。
(ハロゲンアニオンの含有量)
試料調整は、次のようにして行った。第二組成物質量約10mgを燃焼炉(商品名:AQF−2100H、三菱化学アナリテック製)に投入した。燃焼炉のヒーターは900℃(内側)、ガス流量をアルゴン200mL/min、酸素400mL/min、加湿用アルゴン100mL/min、燃焼炉滞在時間を15分とした。排気ガスを捕集器(商品名:AU−250、三菱化学アナリテック製)で捕捉した。吸収液に超純水を使用し、得られた吸水液35mLを、超純水を用いて50mLに希釈し試料溶液を調整した。
ハロゲンアニオンの含有量は、イオンクロマトグラフィー(商品名:DIONEX ICS−1600、Thermo Scientific製)を用いて測定した。カラムはIon Pac AS−14A(DIONEX製)、溶離液は陰イオン分析用溶離液(商品名:AS12A,DIONEX製)を使用した。測定条件は、試料注入量を25μL、流速を1.5mL/minとした。標準物質として塩素アニオン濃度1ppm、2ppmの標準液を使用して検量線(校正曲線)を作成し、塩素アニオン濃度を算出した。
<共重合体の製造>
(ブロック共重合体の前駆体No.1)
アルゴンガス導入管、撹拌機を備えたフラスコにMMA 46.1g、BMA 22.2g、EHMA 20.9g、BzMA 15.4g、M4EGM 8.1g、MAA 8.1g、AIBN 0.82g、PMA 80.5gを仕込み、アルゴン置換後、BTEE 7.49g、DBDT 4.61gを加え、60℃で15時間反応させAブロックを重合した。重合率は99%であった。
反応溶液に、予めアルゴン置換したDMAEMA 54.3g、AIBN 0.41g、PMA 36.2gの混合溶液を加え、60℃で10時間反応さ、Bブロックを重合した。重合率は98%であった。
反応終了後、反応液に予めアルゴン置換したメタノール(165g)を加え希釈し、塩化ベンジル(15.3g)を希釈溶液に加え、60℃で10時間反応させることで4級化した。
反応終了後、撹拌しているn−ヘプタン中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することによりブロック共重合体の前駆体No.1を得た。得られたブロック共重合体の前駆体No.1はMwが7618、PDIが1.30、酸価が32mgKOH/g、アミン価が64mgKOH/g、加熱重量減少温度が254℃であった。
(ブロック共重合体の前駆体No.2〜12)
ブロック共重合体の前駆体No.1の作製方法と同様にしてブロック共重合体の前駆体No.2〜12を作製した。表1、2に、使用した原料モノマー、有機テルル化合物、有機ジテルル化合物、アゾ系重合開始剤、溶媒、4級化剤、反応条件、重合率を示した。また、表3、4に、各ブロック共重合体の前駆体の組成、Mw、PDI、酸価、アミン価、加熱重量減少温度を示した。
Figure 0006316531
Figure 0006316531
Figure 0006316531
Figure 0006316531
(ブロック共重合体の第一組成物No.31)
上記で得られたブロック共重合体の前駆体No.1 87.5gに、PMA 110g、MP 110gを加え溶解させた。得られた溶液にPIK 11.2gを加え、60℃で20時間反応させることでアニオン交換した。反応液を濾過した後、濾液から溶媒を除去し、ブロック共重合体の第一組成物No.31を得た。得られた第一組成物No.31は、含まれるブロック共重合体のMwが7479、PDIが1.23であり、第一組成物No.31の酸価が31mgKOH/g、アミン価が101mgKOH/g、加熱重量減少温度が273℃であった。
(ブロック共重合体の第一組成物No.32〜46)
ブロック共重合体の第一組成物No.31の作製方法と同様にして第一組成物No.32〜46を作製した。表5、6に、使用した原料共重合体、アニオン交換剤、溶媒、反応条件を示した。また、表7、8に、第一組成物に含まれるブロック共重合体の組成、Mw、PDI、および、第一組成物の酸価、アミン価、加熱重量減少温度を示した。
Figure 0006316531
Figure 0006316531
Figure 0006316531
Figure 0006316531
(ブロック共重合体の第二組成物No.51)
上記で得られたブロック共重合体の前駆体No.1 87.5gに、PMA 110g、MP 110gを加え溶解させた。得られた溶液にPIK 11.2gを加え、60℃で20時間反応させることでアニオン交換した。得られた反応液を冷却後、酢酸エチル、水を加え40℃で1時間撹拌した。分液を行い、有機層を獲得した。得られた有機層を減圧濃縮し、乾燥することでブロック共重合体の第二組成物No.51を得た。得られたブロック共重合体の第二組成物No.51は、含まれるブロック共重合体のMwが7852、PDIが1.21であった。また、第二組成物の酸価が32mgKOH/g、アミン価が89mgKOH/g、加熱重量減少温度が291℃、塩素アニオン含有量が3501ppm(固形分換算)であった。
(ブロック共重合体の第二組成物No.52〜65)
ブロック共重合体の第二組成物No.51の作製方法と同様にして第二組成物No.53〜65を作製した。表9、10に、第二組成物に含まれるブロック共重合体の組成、Mw、PDI、および、第二組成物の酸価、アミン価、加熱重量減少温度を示した。得られた第二組成物No.59の塩素アニオン含有量は6615ppm(固形分換算)であった。
Figure 0006316531
Figure 0006316531
<顔料分散組成物の製造>
(顔料分散組成物1)
C.I.Pigment Red254(商品名:BKCF、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 10質量部、ブロック共重合体の前駆体No.1 3質量部、バインダー樹脂(メタクリル酸ベンジル/メタクル酸=80/20の質量比で重合させたもの、Mw=12024、PDI=1.83、酸価130mgKOH/g、固形分39質量%のPMA溶液) 3質量部、MP 3質量部、PMA 81質量部となるように配合を調製し、遊星ボールミル(0.3mmジルコニアビーズ)で2時間攪拌することで顔料分散組成物を製造した。得られた顔料分散組成物の粘度は4.0mPa・sであった。
(顔料分散組成物2)
C.I.Pigment Red254(商品名:BKCF、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 10質量部、ブロック共重合体の第二組成物No.51 3質量部、バインダー樹脂(メタクリル酸ベンジル/メタクル酸=80/20の質量比で重合させたもの、Mw=12024、PDI=1.83、酸価130mgKOH/g、固形分39質量%のPMA溶液) 3質量部、MP 3質量部、PMA 81質量部となるように配合を調製し、遊星ボールミル(0.3mmジルコニアビーズ)で2時間攪拌することで顔料分散組成物を製造した。得られた顔料分散組成物の粘度は3.0mPa・sであった。
本発明には以下の実施態様が含まれる。
(実施態様1)
酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位を含むBブロックとを有することを特徴とするブロック共重合体。
Figure 0006316531
〔式(1)において、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R11、R12およびR13のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X1は2価の連結基を示す。R14は水素原子またはメチル基を示す。Y-は芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンよりなる群から選択される少なくとも1種を示す。〕
Figure 0006316531
〔式(2)において、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X2は2価の連結基を示す。R23は水素原子またはメチル基を示す。〕
(実施態様2)
A−B型ブロック共重合体である実施態様1に記載のブロック共重合体。
(実施態様3)
前記酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率が、前記Aブロック100質量%中において2質量%〜20質量%である実施態様1または2に記載のブロック共重合体。
(実施態様4)
前記一般式(1)で表される構造単位の含有率が、前記Bブロック100質量%中において30質量%〜85質量%である実施態様1〜3のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
(実施態様5)
前記Aブロックの含有率が、ブロック共重合体100質量%中において35質量%〜85質量%である実施態様1〜4のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
(実施態様6)
実施態様1〜5のいずれか一項に記載のブロック共重合体を含有する第一組成物。
(実施態様7)
前記ブロック共重合体の分子量分布(PDI)が2.0以下である実施態様6に記載の第一組成物。
(実施態様8)
実施態様7の第一組成物を、水洗し、乾燥して得られる第二組成物。
(実施態様9)
実施態様1〜のいずれか一つに記載のブロック共重合体、実施態様6または7に記載の第一組成物、あるいは、実施態様8に記載の第二組成物を含有する分散剤。
(実施態様10)
実施態様9に記載の分散剤と顔料と分散媒体を含有する顔料分散組成物。
(実施態様11)
カラーフィルタ用である実施態様10に記載の顔料分散組成物。
(実施態様12)
酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、下記一般式(2)で表される構造単位および下記一般式(3)で表される構造単位を含むBブロックとを有するブロック共重合体の前駆体を準備する工程(A)と、
前記工程(A)で得られたブロック共重合体の前駆体に、芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩を作用させ、ブロック共重合体を得る工程(B)とを備えることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
Figure 0006316531
〔式(2)において、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X2は2価の連結基を示す。R23は水素原子またはメチル基を示す。〕
Figure 0006316531
〔式(3)において、R31、R32およびR33は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R31、R32およびR33のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X3は2価の連結基を示す。R34は水素原子またはメチル基を示す。X-はハロゲンアニオンを示す。〕
(実施態様13)
前記工程(A)において、リビングラジカル重合を用いて前記第一ブロック共重合体の前駆体を準備する実施態様12に記載のブロック共重合体の製造方法。
(実施態様14)
前記工程(B)で得られたブロック共重合体を、水洗する工程(C)を備える実施態様12または13に記載のブロック共重合体の製造方法。
本発明のブロック共重合体は、Aブロックが酸性基を有することで、アルカリ現像が容易になる。また、Bブロックの4級アンモニウムカチオンの対イオンが、芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンまたは芳香族カルボン酸アニオンであるため、耐熱性に優れる。よって、本発明のブロック共重合体は、アルカリ現像を採用したカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用の顔料分散組成物に好適に使用できる。

Claims (14)

  1. 酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位を含むBブロックとを有することを特徴とするブロック共重合体。
    Figure 0006316531
    〔式(1)において、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R11、R12およびR13のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X1は2価の連結基を示す。R14は水素原子またはメチル基を示す。Y-は芳香族ジカルボン酸イミドアニオン、芳香族スルホン酸アニオン、芳香族ホスホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンよりなる群から選択される少なくとも1種を示す。〕
    Figure 0006316531
    〔式(2)において、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X2は2価の連結基を示す。R23は水素原子またはメチル基を示す。〕
  2. A−B型ブロック共重合体である請求項1に記載のブロック共重合体。
  3. 前記酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率が、前記Aブロック100質量%中において2質量%〜20質量%である請求項1または2に記載のブロック共重合体。
  4. 前記一般式(1)で表される構造単位の含有率が、前記Bブロック100質量%中において30質量%〜85質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
  5. 前記Aブロックの含有率が、ブロック共重合体100質量%中において35質量%〜85質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のブロック共重合体を含有する第一組成物。
  7. 前記ブロック共重合体の分子量分布(PDI)が2.0以下である請求項6に記載の第一組成物。
  8. 請求項7に記載の第一組成物を、水洗し、乾燥して得られる第二組成物。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のブロック共重合体、請求項6または7に記載の第一組成物、あるいは、請求項8に記載の第二組成物を含有する分散剤。
  10. 請求項9に記載の分散剤と顔料と分散媒体を含有する顔料分散組成物。
  11. カラーフィルタ用である請求項10に記載の顔料分散組成物。
  12. 酸性基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含むAブロックと、下記一般式(2)で表される構造単位および下記一般式(3)で表される構造単位を含むBブロックとを有するブロック共重合体の前駆体を準備する工程(A)と、
    前記工程(A)で得られたブロック共重合体の前駆体に、芳香族ジカルボン酸イミド、芳香族スルホン酸、芳香族ホスホン酸および芳香族カルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩を作用させ、ブロック共重合体を得る工程(B)とを備えることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
    Figure 0006316531
    〔式(2)において、R21およびR22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R21およびR22が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X2は2価の連結基を示す。R23は水素原子またはメチル基を示す。〕
    Figure 0006316531
    〔式(3)において、R31、R32およびR33は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基を示す。R31、R32およびR33のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。X3は2価の連結基を示す。R34は水素原子またはメチル基を示す。X-はハロゲンアニオンを示す。〕
  13. 前記工程(A)において、リビングラジカル重合を用いて前記ブロック共重合体の前駆体を準備する請求項12に記載のブロック共重合体の製造方法。
  14. 前記工程(B)で得られたブロック共重合体を、水洗する工程(C)を備える請求項12または13に記載のブロック共重合体の製造方法。
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