JP2018087910A - 着色感放射線性組成物およびカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の着色感放射線性組成物は、着色剤、分散剤、分散媒体、バインダー樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有する。前記分散剤は、脂環式アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位および脂肪族アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を合計で80質量%以上含有するAブロックと、アミノ基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含有するBブロックとを有し、前記Bブロックにおけるハンセン溶解度パラメータの双極子間力項(δpB)と水素結合力項(δhB)との和(δpB+δhB)が、前記Aブロックにおけるハンセン溶解度パラメータの双極子間力項(δpA)と水素結合力項(δhA)との和(δpA+δhA)より大きいブロック共重合体である。また、前記着色感放射線性組成物において、前記分散剤のAブロックのハンセン溶解度パラメータとバインダー樹脂のハンセン溶解度パラメータとの距離(Ra)が1.0〜4.0である。
δ2=δd 2+δp 2+δh 2 (1)
δd=ΣFdi/ΣVi (2)
δp=(ΣFpi 2)1/2/ΣVi (3)
δh=(ΣEhi/ΣVi)1/2 (4)
(Ra)2=4(δd1−δd2)2+(δp1−δp2)2+(δh1−δh2)2 (5)
本発明の着色組成物は、着色剤として顔料を含有する。顔料としては、有機顔料および無機顔料のいずれでもよいが、有機化合物を主成分とする有機顔料が特に好ましい。顔料としては、例えば、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料等の各色の顔料が挙げられる。顔料の構造は、モノアゾ系顔料、ジアゾ系顔料、縮合ジアゾ系顔料等のアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、キナクリドン系顔料、インディゴ系顔料、チオインディゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料等の多環系顔料等が挙げられる。着色組成物に含まれる顔料は、1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。
本発明の着色組成物に用いる分散剤は、AブロックとBブロックとを有するブロック共重合体である。本発明で用いるブロック共重合体は、BブロックにおけるHSPの双極子間力項(δpB)と水素結合力項(δhB)との和(δpB+δhB)が、AブロックにおけるHSPの双極子間力項(δpA)と水素結合力項(δhA)との和(δpA+δhA)より大きい((δpB+δhB)>(δpA+δhA))ことを特徴とする。
Aブロックは、脂環式アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位および脂肪族アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位含有する。これらの脂環式アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位および脂肪族アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の合計含有率は、Aブロック100質量%中において、80質量%以上であり、85質量%以上が好ましい。
ヘテロ環を含有するビニルモノマーとしては、2−ビニルチオフェン、N−メチル−2−ビニルピロール、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
ビニルアミドとしては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−ε−カプトラクタム等が挙げられる。
カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等が挙げられる。
Bブロックは、アミノ基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含有するポリマーブロックである。Bブロックは、アミノ基を有することから、着色剤との高い親和性を有し、着色剤または酸性基含有色素誘導体で処理された着色剤に吸着する機能を示すと考えられる。
本発明で用いるブロック共重合体の構造は、線状ブロック共重合体であることが好ましい。また、線状ブロック共重合体は、いずれの構造(配列)であっても良いが、線状ブロック共重合体の物性、または組成物の物性の観点から、AブロックをA、BブロックをBと表現したとき、(A−B)m型、(A−B)m−A型、(B−A)m−B型(mは1以上の整数、例えば1〜3の整数)よりなる群から選択される少なくとも1種の構造を持つ共重合体であることが好ましい。これらの中でも、加工時の取扱い性、組成物の物性の観点から、A−Bで表されるジブロック共重合体であることが好ましい。A−Bで表されるジブロック共重合体を構成することで、Aブロックに有する脂環式アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位および脂肪族アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位と、Bブロックに有するアミノ基を有するビニルモノマーに由来する構造単位とが局在化し、効率的に着色剤と、分散媒体、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂)と好適に作用することができると考えられる。
本発明で用いるブロック共重合体の製造方法としては、ビニルモノマーの重合反応によって、Aブロックを先に製造し、AブロックにBブロックのモノマーを重合する方法;Bブロックを先に製造し、BブロックにAブロックのモノマーを重合する方法;AブロックとBブロックとを別々に製造した後、AブロックとBブロックとをカップリングする方法;が挙げられる。
(a)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物を用いて重合する方法。
(b)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との混合物を用いて重合する方法。
(c)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物と一般式(2)で表される有機ジテルル化合物との混合物を用いて重合する方法。
(d)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(2)で表される有機ジテルル化合物との混合物を用いて重合する方法。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができ
る。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。好ましくはフェニル基である。
置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。置換基を有しているアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−COR41で示されるカルボニル含有基(R41は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基またはアリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。また、これらの置換基は、1個または2個置換しているのがよい。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルキル基が酸素原子に結合した基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tet−ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基、オクチロキシ基等を挙げることができる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、−CONR421R422(R421、R422は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基)を挙げることがきる。
オキシカルボニル基としては、−COOR43(R43は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基)で表される基が好ましく、例えばカルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、ter−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。
アリル基としては、−CR441R442−CR443=CR444R445(R441、R442は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R443、R444、R445は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基であり、それぞれの置換基が環状構造で繋がっていてもよい)を挙げることができる。
プロパルギル基としては、−CR451R452−C≡CR453(R451、R452は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R453は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはシリル基)を挙げることができる。
前記(b)の重合法において、一般式(1)の有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、アゾ系重合開始剤の使用量としては、通常、一般式(1)の有機テルル化合物1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol〜10molとすることが好ましい。
前記(c)の重合法において、一般式(1)の有機テルル化合物と一般式(2)の有機ジテルル化合物とを併用する場合、一般式(2)の有機ジテルル化合物の使用量としては、通常、一般式(1)の有機テルル化合物1molに対して一般式(2)の有機ジテルル化合物を0.01mol〜100molとすることが好ましい。
前記(d)の重合法において、一般式(1)の有機テルル化合物と一般式(2)の有機ジテルル化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、アゾ系重合開始剤の使用量としては、通常、一般式(1)の有機テルル化合物と一般式(2)の有機ジテルル化合物の合計1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol〜100molとするのがよい。
重合反応により得られる共重合体の成長末端は、−TeR1(式中、R1は前記と同じである)の形態であり、重合反応終了後の空気中の操作により失活していくが、テルル原子が残存する場合がある。テルル原子が末端に残存した共重合体は着色したり、熱安定性が劣ったりするため、テルル原子を除去することが好ましい。
本発明の着色組成物は、分散媒体としては、着色組成物を構成する他の成分を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度に揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用できる。例えば従来公知の有機溶媒を使用することができ、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等のグリコールアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート等のグリコールジアセテート類;シクロヘキサノールアセテート等のアルキルアセテート類;アミルエーテル、プロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシプロパノール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコール等の1価または多価アルコール類;n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシル等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類;アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等の鎖状または環状エステル類;3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸等のアルコキシカルボン酸類;ブチルクロライド、アミルクロライド等のハロゲン化炭化水素類;メトキシメチルペンタノン等のエーテルケトン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類等が挙げられる。有機溶媒は、着色剤等の分散性、分散剤の溶解性、着色組成物の塗布性等の観点から、グリコールアルキルエーテルアセテート類、1価または多価アルコール類であることが好ましい。着色組成物に含まれる溶媒は、1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。
本発明の着色組成物は、バインダー樹脂(ただし、前記分散剤は除く)を含有する。これにより、着色組成物のアルカリ現像性や基板への結着性を高めることができる。このようなバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基等の酸性基を有する樹脂であることが好ましい。
本発明の着色組成物は、架橋剤を含有する。本発明において架橋剤とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、架橋剤としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
本発明の着色組成物は、光重合開始剤を含有する。これにより、着色組成物に感放射線性を付与することができる。本発明に用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠赤外線、電子線、X線等の放射線の露光により、架橋剤の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
本発明の顔料分散組成物には、分散剤に用いる本発明を特徴づけるブロック共重合体中のアミノ基とイオン結合させて吸着させるために、さらに酸性基を有する酸性の色素誘導体を含有させることが好ましい。この色素誘導体は、色素骨格に酸性官能基が導入されたものである。色素骨格としては、着色組成物を構成している着色剤と同一または類似の骨格、該顔料の原料となる化合物と同一または類似の骨格が好ましい。色素骨格の具体例としては、アゾ系色素骨格、フタロシアニン系色素骨格、アントラキノン系色素骨格、トリアジン系色素骨格、アクリジン系色素骨格、ペリレン系色素骨格等を上げることができる。色素骨格に導入される酸性基としては、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基が好ましい。なお、合成の都合上、および酸性度の強さからスルホン酸基が好ましい。また、酸性基は、色素骨格に直接結合してもよいが、アルキル基やアリール基等の炭化水素基;エステル、エーテル、スルホンアミド、ウレタン結合を介して色素骨格に結合してもよい。
着色組成物は、着色剤、分散剤、分散媒体、バインダー樹脂、架橋剤、光重合開始剤、必要に応じて他の添加剤等を配合し、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ボールミル、ディゾルバー、ニーダー等の混合分散機を用いて混合することによって製造される。着色組成物は、混合後に濾過することが好ましい。他の添加剤としては、例えば、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐剤、防カビ剤等が挙げられる。本発明の着色感放射線性組成物を用いることで、優れた輝度の着色層を形成することができる。したがって、本発明の着色感放射線性組成物は、カラーフィルターの形成に好適に使用できる。
BTEE:エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート
DBDT:ジブチルジテルリド
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
MMA:メタクリル酸メチル
BMA:メタクリル酸ブチル
EHMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
BzMA:メタクリル酸ベンジル
HPMA:メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル
THFMA:メタクリル酸テトラヒドロフルフリル
MAA:メタクリル酸
DMAEMA:メタクリル酸ジメチルアミノエチル
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MP:1−メトキシ−2−プロパノール
核磁気共鳴(NMR)測定装置(Bruker社製、型式:AVANCE500(周波数500MHz))を用いて、1H−NMRを測定(溶媒:重水素化クロロホルム、内部標準:テトラメチルシラン)した。得られたNMRスペクトルについて、モノマー由来のビニル基と、ポリマー由来のエステル側鎖のピークの積分比を求め、モノマーの重合率を算出した。
高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、型式:HLC−8320GPC)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。カラムはTSKgel SuperAW3000(Φ4.6mm×150mm)(東ソー社製)およびTSKgel SuperAW4000(Φ4.6mm×150mm)の2本、移動相に10mmol/Lリチウムブロミド/ジメチルホルムアミド溶液、検出器に示差屈折率検出器を使用した。測定条件は、カラム温度を40℃、試料濃度を1mg/mL、試料注入量を10μL、流速を0.6mL/minとした。標準物質としてポリスチレン(東ソー社製、TSK Standard)を使用して検量線(校正曲線)を作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。これらの測定値から分子量分布(PDI)を算出した。
アミン価は、固形分1gあたりの塩基性成分と当量の水酸化カリウム(KOH)の質量で表わしたものである。測定サンプルをテトラヒドロフランに溶解し、電位差滴定装置(商品名:GT−06、三菱化学社製)を用いて、得られた溶液を0.1mol/L塩酸/2−プロパノール溶液で中和滴定した。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として次式によりアミン価(B)を算出した。
B=56.11×Vs×0.1×f/w
B:アミン価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.1mol/L塩酸/2−プロパノール溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/L塩酸/2−プロパノール溶液の力価
w:測定サンプルの質量(g)(固形分換算)
酸価は、固形分1gあたりの酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量を表わしたものである。測定サンプルをテトラヒドロフランに溶解し、電位差滴定装置(商品名:GT−06、三菱化学社製)を用いて、得られた溶液を0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液で中和滴定した。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として、次式により酸価を算出した。
A=56.11×Vs×0.5×f/w
A:酸価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液の使用量(mL)
f:0.5mol/L水酸化カリウム/エタノール溶液の力価
w:測定サンプル重量(g)(固形分換算)
E型粘度計(商品名:TVE−22L、東機産業社製)を用い、コーンローター(1°34’×R24)を使用して、25℃下、ローター回転数60rpmで粘度を測定した。初期粘度が20cps未満のものを「○」、20cps以上のものを「×」とした。
大塚電子社製CFコントラスト測定装置(商品名:CM−50)を用いて測定した。得られた輝度について、比較例1の輝度を100として各試料の輝度を指数化し、下記の基準で評価した。
「◎」:100.2以上
「○」:100.1以上、100.2未満
「△」:99.9以上、100.1未満
「×」:99.9未満
(ブロック共重合体No.1)
アルゴンガス導入管、撹拌機を備えたフラスコに、MMA 9.45g、MAA 1.65g、CHMA 3.63g、AIBN 0.148g、PMA 14.73gを仕込み、アルゴン置換後、BTEE 0.90g、DBDT 0.55gを加え、60℃で16時間反応させた。重合率は、99%であった。
ブロック共重合体No.1の作製方法と同様にしてブロック共重合体No.2〜8を作製した。表2に、使用した原料モノマー、有機テルル化合物、有機ジテルル化合物、アゾ系重合開始剤、溶媒、反応条件、重合率を示した。また、表3に、各ブロック共重合体の組成、Mw、PDI、酸価、アミン価を示した。
(実施例1)
C.I.Pigment Green 58を1.33質量部、C.I.Pigment Yellow 138を0.57質量部、分散剤としてブロック共重合体No.1を0.76質量部、バインダー樹脂(BzMAとMAAとのランダム共重合体(質量比80:20)、Mw=9,800、PDI=1.93、酸価127mgKOH/g)を0.76質量部、MPを1.90質量部、PMAを13.68質量部、および、0.3mmのジルコニアビーズ114gをSUS容器に充填し、縦型ビーズミルにて3時間分散させて顔料分散液を作製した。
分散剤を表4に記載のブロック共重合体に変更した以外は、実施例1の作製方法と同様にして行った。また、表4に得られた着色組成物の粘度およびカラーフィルタ基板の輝度の評価結果を示した。
Claims (10)
- 着色剤、分散剤、分散媒体、バインダー樹脂、架橋剤および光重合開始剤を含有する着色感放射線性組成物であって、
前記分散剤が、脂環式アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位および脂肪族アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を合計で80質量%以上含有するAブロックと、アミノ基を有するビニルモノマーに由来する構造単位を含有するBブロックとを有し、前記Bブロックにおけるハンセン溶解度パラメータの双極子間力項(δpB)と水素結合力項(δhB)との和(δpB+δhB)が、前記Aブロックにおけるハンセン溶解度パラメータの双極子間力項(δpA)と水素結合力項(δhA)との和(δpA+δhA)より大きいブロック共重合体であり、
前記ブロック共重合体のAブロックのハンセン溶解度パラメータと前記バインダー樹脂のハンセン溶解度パラメータとの距離(Ra)が1.0〜4.0であることを特徴とする着色感放射線性組成物。 - 前記ブロック共重合体のAブロック中の芳香族基を有するビニルモノマーに由来する構造単位および架橋性官能基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の合計含有率が、2質量%以下である請求項1に記載の着色感放射線性組成物。
- 前記ブロック共重合体が、A−B型ブロック共重合体である請求項1または2に記載の着色感放射線性組成物。
- 前記ブロック共重合体のアミン価が、10mgKOH/g〜200mgKOH/gである請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色感放射線性組成物。
- 前記脂環式アルキル基を有するビニルモノマーに由来する構造単位の含有率が、前記Aブロック100質量%中において20質量%〜70質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色感放射線性組成物。
- 前記Aブロックの含有率が、前記ブロック共重合体全体100質量%中において50質量%〜90質量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色感放射線性組成物。
- 前記ブロック共重合体の分子量分布(PDI)が2.0以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色感放射線性組成物。
- 前記ブロック共重合体が、リビングラジカル重合により重合されたものである請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色感放射線性組成物。
- カラーフィルタ用である請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色感放射線性組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色感放射線性組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ。
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