JP6307811B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、プレイグニッションの発生を抑制するエンジンの制御装置に関する。
ガソリンエンジンでは、従来から、圧縮比を10〜12程度に設定するのが一般的である。しかし、近年では、圧縮比をさらに高めることにより熱効率を改善し、燃費の向上を図る高圧縮比エンジンの開発が進められている。
高圧縮比エンジンでは、圧縮比が高く設定されるにつれて、また、過給器を搭載したエンジンでは、過給圧が高く設定されるにつれて、低回転高負荷域、あるいは、低回転高過給域において、従来では生じなかった自着火現象(以下、プレイグニッションと称する。)が発生しやすくなる。
プレイグニッションとは、スパークプラグによる点火よりも前に、燃料が燃焼してしまう現象である。
プレイグニッションが生じると、燃焼室内に急激な圧力上昇が生じ、その衝撃波がピストンやシリンダ内壁に衝突する。この衝突により、シリンダ内の温度はさらに上昇し、エンジンは所定の性能を発揮できなくなる。このため、プレイグニッションを防止するための対策が必要である。
なお、燃焼室内における燃料の自着火現象として、プレイグニッションの他にノッキングがある。ノッキングは、燃料と空気との混合気が燃焼過程で高温高圧になることにより、正常な燃焼が起こる前に、未燃焼混合気(エンドガス)に自然着火してしまうことに起因する。
燃焼室内で発生している現象が、プレイグニッションであるのかノッキングであるのかを区別する技術として、例えば、特許文献1、2に記載のものがある。
特開2011−226473号公報 特開2011−214447号公報
特許文献1、2に記載の技術では、高回転高負荷時におけるプレイグニッション発生後の回避対策として、空燃比のリッチ化や吸気弁の閉弁時期の遅角、一部の燃料の噴射時期の遅角等を段階的に行っている。しかし、低回転高負荷時におけるプレイグニッションの回避対策については、何ら開示されていない。
そこで、この発明の課題は、低回転高負荷時においてプレイグニッションが発生した場合に、そのプレイグニッションを速やかに解消することである。
上記の課題を解決するために、この発明は、燃焼室内にプレイグニッションが発生したことを検出するプレイグニッション検出手段と、前記燃焼室内のライナに付着する燃料を抑制する燃料付着抑制手段とを備え、前記プレイグニッション検出手段がプレイグニッションの発生を検出した場合に、前記燃料付着抑制手段は、前記ライナに燃料が付着することを抑制することによりプレイグニッションを回避させることを特徴とするエンジンの制御装置を採用した。
上記の構成において、前記プレイグニッション検出手段として非共振型ノックセンサを採用すれば、前記非共振型ノックセンサは、所定のしきい値を超える振動、すなわち、ノッキングの振動レベルを超える振動を検出することにより、プレイグニッションの発生を検出することができる。
前記燃料付着抑制手段として、エンジンの冷却水の温度を制御する冷却水調整装置を採用すれば、前記プレイグニッション検出手段がプレイグニッションの発生を検出した場合に、前記冷却水調整装置は、エンジンの冷却水の温度を高くすることにより前記ライナへの燃料の付着を抑制することができる。
また、前記燃料付着抑制手段として、燃焼室内にタンブル流を発生させるタンブル流発生手段を採用すれば、前記プレイグニッション検出手段がプレイグニッションの発生を検出した場合に、前記タンブル流発生手段は、筒内流動を強化することにより前記ライナへの燃料の付着を抑制することができる。
そのほか、前記燃料付着抑制手段として、燃料の噴射圧を調整する燃料噴射圧制御手段を採用すれば、前記プレイグニッション検出手段がプレイグニッションの発生を検出した場合に、前記燃料噴射圧制御手段は、燃料の噴射圧を弱めることにより前記ライナへの燃料の付着を抑制することができる。
前記燃料付着抑制手段として、燃料の噴射時期を調整する燃料噴射時期制御手段を採用すれば、前記プレイグニッション検出手段がプレイグニッションの発生を検出した場合に、前記燃料噴射時期制御手段は、燃料の噴射時期を遅角させることにより前記ライナへの燃料の付着を抑制することができる。
この発明は、プレイグニッション検出手段がプレイグニッションの発生を検出した場合に、燃料付着抑制手段が、燃焼室内のライナに燃料が付着することを抑制するので、プレイグニッションを速やかに解消することができる。
また、低回転高負荷時におけるプレイグニッションは、ノッキング時に生じる振動よりも強い振動を伴うので、プレイグニッション検出手段として非共振型ノックセンサを採用し、所定のしきい値を超える振動を検出することによりプレイグニッションの発生を速やかに検出することができる。
この発明の一実施形態のエンジン及びエンジンの制御装置の構成を示す要部拡大正面図である。 同実施形態のエンジンの制御を示すフローチャートである。 低回転高負荷時におけるプレイグニッションの発生領域を示すグラフ図である。 ノッキングが発生した場合の振動の波形を示すグラフ図である。 プレイグニッションが発生した場合の振動の波形を示すグラフ図である。 目標水温のマップ図である。 水温補正値のグラフ図である。 水温補正時間のグラフ図である。 水温補正値のグラフ図である。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態は、自動車用の4サイクルガソリンエンジンの制御装置である。図1は、このエンジンが備える1つの気筒における燃焼室3の要部、及び、エンジンの制御装置の構成を示すものである。これらの図面では、この発明に直接関係する部材、手段のみを示し、他の部材等については図示省略している。
図1に示すように、エンジンのシリンダ1内にはピストン2が収容されている。シリンダ1の内壁面、及び、ピストン2の頂面等により燃焼室3が形成されている。シリンダ1の内壁面は、そのシリンダ1に圧入された筒状のライナ3aで形成されており、ピストン2外周のピストンリングとの摺動をスムーズにしている。
また、シリンダ1には、混合気を燃焼室3に導く吸気ポート5、燃焼室3からの排気を送り出す排気ポート7、及び、シリンダヘッド側から気筒の筒軸方向に沿って下向きに配置された点火プラグ4等が備えられている。
なお、図面では、一つのシリンダ1のみを示しているが、エンジンは、単気筒であってもよいし、複数のシリンダ1を備えた多気筒であってもよい。
吸気ポート5には、その吸気ポート5内に燃料を噴射する燃料噴射装置として、ポート噴射弁9が設けられている。ポート噴射弁9は、吸気ポート5の流路内の吸入空気に燃料を噴射し混合気を形成する。また、シリンダ1には、燃焼室3内に直接燃料を噴射する筒内燃料噴射装置として直噴弁10が設けられている。
吸気ポート5には、燃焼室3への開口部を開閉する吸気バルブ6が設けられている。また、排気ポート7には、燃焼室3への開口部を開閉する排気バルブ8が設けられている。
これらの吸気バルブ6及び排気バルブ8は、シリンダヘッド側に設けたカムシャフトにバルブリフタを介して接続されているので、カムシャフトの回転によって、所定のタイミングで吸気ポート5、排気ポート7を開閉する。カムシャフトへの動力の伝達は、カムシャフト側に設けたスプロケットとクランクシャフト側に設けたスプロケットとの間をタイミングチェーン等で連結することにより行われている。
吸気バルブ6や排気バルブ8、点火プラグ4、ポート噴射弁9、直噴弁10、その他エンジンの動作に必要な機器は、それぞれケーブルを通じて、電子制御ユニット(Electronic Control Unit)20に備えられた制御手段によって制御される。この実施形態では、電子制御ユニットのコンピュータの一部を、エンジンの制御手段として用いている。
このエンジンは、燃焼室3内にプレイグニッションが発生したことを検出するプレイグニッション検出手段sを備える。この実施形態では、プレイグニッション検出手段sとして、シリンダブロックの振動を検出することができる非共振型ノックセンサ11を採用している。
非共振型ノックセンサ11は、シリンダブロック等に固定され、内蔵の圧電素子により振動を電圧に変換する機能を有する。非共振型であるので、ノッキング時の振動に限定されることなく、プレイグニッション時を含めた広範囲の振動周波数や振動レベルに対応することができる。非共振型ノックセンサ11から出力される電圧の値により、振動レベルの数値、ノッキングやプレイグニッションの発生の有無を検出、判別することができる。
プレイグニッションは、ノッキング時に生じる振動よりも強い振動を伴う。特に、低回転高負荷時において、プレイグニッションは、ノッキング時に生じる振動よりもかなり強い振動を伴う。このため、非共振型ノックセンサ11が、所定のしきい値、すなわち、ノッキングの振動レベルを超える振動を検出することにより、その振動がノッキングによるものではなく、プレイグニッションによるものであると判別でき、プレイグニッションの発生を検出することができる。
しきい値は、ノッキング時に生じ得る振動の最大強さよりも高い値に設定すればよい。発生する振動がしきい値を超えることで、燃焼室3内で発生している現象が、ノッキングではなく、プレイグニッションであることを検出することができる。
検出した振動が、ノッキングによるものであるか、プレイグニッションによるものであるかの判別は、電子制御ユニット20が備える振動判別手段24が行うことができる。また、この判別を、非共振型ノックセンサ11自身が行ってもよい。
また、このエンジンは、燃焼室3内のライナ3aに付着する燃料を抑制する燃料付着抑制手段を備える。この実施形態では、燃料付着抑制手段として、エンジンの冷却水の温度を制御する冷却水調整装置12を採用している。冷却水調整装置12は、例えば、ラジエータへの冷却水の流通量を調整することにより、冷却水の温度を自由に制御できる電制サーモスタットでもよいし、ラジエータへ向かって送り出す冷却水の量を調整することにより、冷却水の温度を自由に制御できる電動ウォーターポンプ等であってもよい。
この燃料付着抑制手段を制御するための付着抑制制御手段21は、電子制御ユニット20のコンピュータに備えられる。この実施形態では、付着抑制制御手段21は、ケーブル等を通じて、前記電制サーモスタットや電動ウォーターポンプ等に動作の指令を出している。
電子制御ユニット20が備えるエンジン情報取得手段22は、制御に必要な冷却水の温度の情報や、エンジンの回転数、負荷の情報等をエンジンから取得し、その情報を付着抑制制御手段21による制御に活用している。また、エンジン情報取得手段22は、非共振型ノックセンサ11や振動判別手段24からの情報、特に、ノッキングやプレイグニッションの発生の有無の情報を取得する。
プレイグニッション検出手段sがプレイグニッションの発生を検出し、エンジン情報取得手段22がプレイグニッションの発生の情報を取得すると、付着抑制制御手段21は、エンジンの冷却水の温度が高くなるように冷却水調整装置12を制御する。
冷却水の温度が上がれば、シリンダ1及びその内部ライナ3aの温度は上昇し、燃料の気化が促進されることから、ライナ3aに燃料が付着することが抑制される。
ライナ3aに付着する燃料が少なくなれば、ライナからのオイルの飛散が生じにくくなり、プレイグニッションを効果的に回避することができると考えられている。すなわち、既に発生しているプレイグニッションを速やかに解消させることができる。
このエンジンの制御方法を、図2のフローチャート及び図3〜図9に示すマップ図やグラフ図を基に説明する。
図2に示すように、まず、エンジン回転数と負荷読込を行う。情報の読み込みは、電子制御ユニット20のエンジン情報取得手段22が行う(図中のステップS1参照)。
読み込まれたエンジン回転数と負荷の情報に基づき、現在の運転状況が、図3の左上、網掛け部分に示す低回転高負荷時におけるプレイグニッション発生領域pであるかどうかが判別される。プレイグニッション発生領域pは、低回転高負荷時特有のプレイグニッションが発生しやすい領域であり、この情報は、予め、電子制御ユニット20に記憶されている。判別は、電子制御ユニット20が備える運転状況判別手段23が行う(図中のステップS2参照)。なお、過給器が搭載されたエンジンの場合は、低回転高過給時特有のプレイグニッションが発生しやすい領域が、このプレイグニッション発生領域pに対応する。
現在の運転状況がプレイグニッション発生領域pにない場合は、そのまま運転を継続する。現在の運転状況がプレイグニッション発生領域pにある場合は、プレイグニッションが発生する可能性が高いので、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、プレイグニッション検出手段sとしての非共振型ノックセンサ11からの出力された電圧又は振動の数値(以下、プレイグニッション検出手段sからの出力情報を「ノックセンサ出力」と称する。)が、予め設定されたしきい値である第一の所定値(以下、「所定値1」と称する。)以上であるかどうかが判別される。
ノックセンサ出力が所定値1未満である場合は、ノッキングやプレイグニッションはいずれも発生していないと判別され、そのまま運転を継続する。ノックセンサ出力が所定値1以上である場合は、ノッキング又はプレイグニッションが発生していると判別され、ステップS4へ移行する。
ステップS4では、ノックセンサ出力が、予め設定されたしきい値である第二の所定値(以下、「所定値2」と称する。)以上であるかどうかが判別される。
ノックセンサ出力が所定値2未満である場合は、プレイグニッションは発生しておらず、ノッキングが発生していると判別され、ステップS6へ移行する。ステップS6では、点火時期の遅角など、通常のノック制御、すなわち、通常運転時に行われるノッキング回避制御が行われる。ノッキングが解消すれば、通常の運転を継続する。
出力された振動の数値が所定値2以上である場合は、ノッキングは発生しておらず、プレイグニッションが発生していると判別され、ステップS5へ移行する。ステップS5では、プレイグ回避制御、すなわち、以下のプレイグニッション回避制御が行われる。
この実施形態では、燃料付着抑制手段として、エンジンの冷却水の温度を制御する冷却水調整装置12を採用しているので、プレイグニッション回避制御として、付着抑制制御手段21は、冷却水調整装置12を通過する水量を減らし、冷却水の温度を上昇させる制御を行う。具体的には、電制サーモスタットの作動温度(冷却水の流通を許容する最低設定温度)を上昇させるか、電動ウォーターポンプの吐出量を制限する等の制御である。
これにより、冷却水の温度とともに、シリンダ1及びその内部のライナ3aの温度は上昇し、燃料の気化が促進される。気化の促進により、ライナ3aに燃料が付着することが抑制され、プレイグニッションは解消する。プレイグニッションが解消すれば、通常の運転を継続する。
なお、所定値1については、ノッキング時に生じる振動の大きさを基に決定することができる。所定値1としては、例えば、図4に示すように、ノッキング時に生じる定常的な振動の大きさ、あるいは、振動の平均値等とすることができる。すなわち、所定値1は、検出した振動が所定値1以上であれば、ノッキングが生じていると判別できる数値である。
所定値2については、プレイグニッション時に生じる振動の大きさを基に決定することができる。所定値2としては、例えば、図5の中央に示すように、ノッキング時の振動よりも突出して高い数値を示すプレイグニッション時に生じる振動の数値と、ノッキング時に生じ得る振動の最大値の間の数値とすることができる。図5の中央に示す振幅の大きい突出した波形が、プレイグニッションによるものであり、その両側の小さな振幅の波形が、ノッキングによるものである。すなわち、所定値2は、検出した振動が所定値2以上であれば、少なくともプレイグニッションが生じていると判別できる数値である。
ここで、電制サーモスタット等で水温を制御する際、通常は、例えば、図6のマップ図に示すように、ノッキングを回避することを目的として、高負荷になるほど水温が低くなるように設定される。
この発明では、図7に示すように、ノックセンサ出力が大きくなるほど、すなわち、プレイグニッションの程度が大きくなるほど、冷却水の温度が高くなるように設定される。図7の縦軸は、設定される水温の数値、すなわち、水温補正値を示す。横軸は「ノックセンサ出力−所定値1」としているが、「ノックセンサ出力−所定値2」としてもよい。このグラフ図に示すように、設定できる水温には自ずから上限があるため、ノックセンサ出力が一定値以上大きくなっても、或る上限温度で、それ以上の温度上昇を制限することになる。
図8は、水温上昇時間補正のマップ図である。図8の縦軸は、設定される水温補正の継続時間、すなわち、水温補正時間を示す。横軸を「ノックセンサ出力−所定値1」としている点は同様である。水温補正時間、すなわち、水温を高くする時間は、通常は数十秒程度であるので、ノックセンサ出力が大きくなるほど、すなわち、プレイグニッションの程度が大きくなるほど、水温補正の継続時間も長く設定される。
図9は、水温補正を継続させる時間、すなわち、水温上昇時間が終了した後の、水温の変化を示す。図9の縦軸は、設定される水温の数値、すなわち、水温補正値を示す。横軸は経過時間としている。このグラフ図に示すように、水温上昇時間が終了すると、水温は、徐々に通常の目標水温に戻される。
上記実施形態では、燃料付着抑制手段として、エンジンの冷却水の温度を制御する冷却水調整装置12を採用したが、燃料付着抑制手段として、ライナ3aへの燃料の付着を抑制する機能を有する他の手段を採用してもよい。
例えば、燃料付着抑制手段として、燃焼室3内に、シリンダヘッド側とクランクシャフト側とを結ぶ上下方向への旋回流であるタンブル流を発生させるタンブル流発生手段を採用してもよい。
タンブル流発生手段は、例えば、吸気ポート5の燃焼室3への開口部に設けられ、吸気ポート5から燃焼室3側への気流を、クランクシャフト側に誘導するタンブルコントロールバルブ等であってもよい。また、タンブルコントロールバルブは、吸気ポート5の燃焼室3への開口部以外の部分に設けた吸気通路を開閉するものであって、その吸気通路から導入される気流により、燃焼室3内にタンブル流を生じさせるものであってもよい。電子制御ユニット20の付着抑制制御手段21は、ケーブル等を通じて、このタンブルコントロールバルブに動作の指令を出すことができる。
プレイグニッション検出手段sがプレイグニッションの発生を検出した場合に、タンブル流発生手段は、燃焼室3内にタンブル流を発生させることにより筒内流動を強化する。筒内流動の強化により、ライナ3aへの燃料の付着を抑制することができる。
また、燃料付着抑制手段として、燃料の噴射圧を調整する燃料噴射圧制御手段を採用してもよい。燃料噴射圧制御手段は、ポート噴射弁9の噴射量を調整するものであってもよいが、燃焼室3内に直接燃料を噴射する直噴弁10を制御するものであることが望ましい。
プレイグニッション検出手段sがプレイグニッションの発生を検出した場合に、燃料噴射圧制御手段は、燃料の噴射圧を弱める。これにより、燃料が噴射時の初速によって直進しようとする貫徹力は減少し、ライナ3aへの燃料の付着を抑制することができる。
さらに、燃料付着抑制手段として、燃料の噴射時期を調整する燃料噴射時期制御手段を採用してもよい。燃料噴射時期制御手段は、同じく、ポート噴射弁9の噴射時期を調整するものであってもよいが、直噴弁10を制御するものであることが望ましい。
プレイグニッション検出手段sがプレイグニッションの発生を検出した場合に、燃料噴射時期制御手段は、燃料の噴射時期を遅角させることによりライナ3aへの燃料の付着を抑制することができる。燃料の噴射時期を遅角することにより、ピストン2の頂面に当たる燃料が増加し、ライナ3aに当たる燃料が減少するからである。
この実施形態では、プレイグニッション検出手段sとして振動センサ、特に、非共振型ノックセンサを用いたが、プレイグニッション時の振動を検出できる他の振動センサを用いてもよい。また、振動センサに代えて、燃焼室3内の圧力を検出できる筒内圧センサや、燃焼室3内での火炎の発生を検出できるイオン電流センサ等を用いてもよい。
なお、上記特許文献1、2に示す従来の技術では、筒内圧センサや振動センサを用いて、シリンダに発生している振動強度の最大値が、所定のしきい値を超えた場合に点火時期の遅角を行い、その遅角により振動強度が低減するか否かによって、プレイグニッションとノッキングとを区別していた。
また、上記従来の技術では、筒内圧センサや振動センサとは別に、燃料の燃焼により生じる火炎を検出するイオン電流センサを併用することにより、通常の燃焼時やノッキング発生時とは異なるプレイグニッション特有の火炎発生タイミングを検出し、プレイグニッションとノッキングとを区別していた。
この発明によれば、プレイグニッション検出手段sとして非共振型ノックセンサ11を採用したことにより、低速高負荷運転時において、プレイグニッションとノッキングとを瞬時に区別できる。すなわち、点火時期の遅角後の反応を待ってその区別を行う上記技術と比べて、円滑でスピーディな制御が可能である。
また、プレイグニッション検出手段sとして非共振型ノックセンサを用いれば、ノッキングの検出とプレイグニッションの検出を同一のセンサで行うことができる。このため、筒内圧センサや振動センサとは別にイオン電流センサを併用していた上記技術と比べて、装置の簡略化、低コスト化が可能である。
1 シリンダ
2 ピストン
3 燃焼室
4 点火プラグ
5 吸気ポート
6 吸気バルブ
7 排気ポート
8 排気バルブ
9 燃料噴射装置(ポート噴射弁)
10 筒内燃料噴射装置(直噴弁)
11 非共振型ノックセンサ
12 冷却水調整装置
20 電子制御ユニット(Electronic Control Unit)
21 付着抑制制御手段
22 エンジン情報取得手段
23 運転状況判別手段
24 振動判別手段
s プレイグニッション検出手段

Claims (3)

  1. 燃焼室内にプレイグニッションが発生したことを検出するプレイグニッション検出手段と、
    前記燃焼室内のライナに付着する燃料を抑制する燃料付着抑制手段とを備え、
    前記プレイグニッション検出手段がプレイグニッションの発生を検出した場合に、前記燃料付着抑制手段は、前記ライナに燃料が付着することを抑制することによりプレイグニッションを回避させ、
    前記燃料付着抑制手段は、エンジンの冷却水の温度を制御する冷却水調整装置であり、
    前記プレイグニッション検出手段がプレイグニッションの発生を検出した場合に、前記冷却水調整装置は、エンジンの冷却水の温度を高くすることにより前記ライナへの燃料の付着を抑制し、
    前記冷却水調整装置は、プレイグニッションの程度が大きくなるほど、前記冷却水の温度が高くなるように設定することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記プレイグニッション検出手段は非共振型ノックセンサであり、
    前記非共振型ノックセンサは、所定のしきい値を超える振動を検出することによりプレイグニッションの発生を検出することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記冷却水調整装置は、プレイグニッションの程度が大きくなるほど、前記冷却水の温度を高くする時間が長くなるように設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置。
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