JP6307590B2 - マンモグラフィ装置 - Google Patents

Description

本発明は、被検体をレントゲン撮影するマンモグラフィ装置、及びこれを利用した被検体撮影方法に関し、さらに詳細には、被検者に加えられる苦痛や不便さを無くすか最小化して、被検者に安らかさを提供しながらも高い撮影正確度を達成することができるマンモグラフィ装置、及びこれを利用した被検体撮影方法に関する。

本発明は、知識経済部のナノ素材基盤マルチエックス線源及び断層合成映像システム技術開発の一環で行った研究から導出されたものである[課題管理番号: 10037414、課題名: ナノ素材基盤マルチエックス線源及び断層合成映像システム技術の開発]。

レントゲン（X-ray）は、波長が0.01nmから10nm、周波数が30×10¹⁵Hzから30×10¹⁸Hzに該当する短波長の電磁気波を総称する。レントゲン撮影は、レントゲンが持った高い透過力で被検体の内部を投映表示する放射線写真法（radiography）中の一つである。周知のとおり、レントゲンは物体を透過する過程中にコンプトン散乱（compton scattering）、光電効果（photoelectric effect）など、物体の材質、密度、厚さに伴う減衰現象を伴う。したがって、レントゲン撮影は、被検体を通過する過程中に累積したレントゲンの減衰量に基づいて被検体の内部を平面に投映表示し、このために専用のレントゲンシステムが用いられる。

最近になって、レントゲン映像技術は、半導体部門とつなぎ合わせられながら、フィルムを利用した伝統のアナログ方式の代わりに、相対的に高い解像度、広い動的領域、容易な電気的信号の生成、簡便なデータ処理及び保存など、多様な長所を持ったデジタルレントゲン映像技術に速やかに進化している。デジタル基盤の映像技術は、デジタル映像の優れた診断能に基づき、疾病の早期診断という臨床環境的要求を強く反映している。

これに伴い、レントゲンが有する固有の生体組織対照能力を活用し、被検体として***の内部構造を高解像度映像に表現することにより、乳癌の検出と早期診断のための病変及び微細石灰化を検出することができる***専用レントゲン撮影技術である「デジタルマンモグラフィ」が紹介されている。このようなデジタルマンモグラフィは、デジタルレントゲン映像技術の多様な長所とともに、映像の拡大、撮影回数の減少、解像度の上昇、輝度及びコントラスト比の調節を通じた被曝の最小化という固有の特徴によって速やかに普及されている。

一般的なマンモグラフィ装置は大きく、下端部が底に固定された垂直柱状の支持コラム（column）と、前記支持コラムに垂直方向に昇降可能に設けられ、中間部分が水平軸に対して回転可能に構成された、全体的にC字又はこれと類似の形状を呈するCアーム（C-arm）又は装置本体を含む。前記装置本体の上端部には、下端部に向かってレントゲンを照射するジェネレーターが取り付けられ、前記装置本体の下端部には、ジェネレーターと対面するディテクターが取り付けられている。前記ジェネレーターとディテクターとの間には、前記装置本体の内面に沿って上下直線往復運動する圧迫パッドが設けられている。

このようなマンモグラフィ装置において、被検者が撮影位置へ立つか座る状態で立ち入れば、装置本体は支持コラムに対し昇降及び回転し、被検者の***がディテクター上の目的位置に置かれるように高さ及び角度が調節される。引続き、圧迫パッドはディテクターに向かって移動することで***を圧迫する。この状態で、ジェネレーターは***及びディテクターに向かってレントゲンを照射し、***の後方に位置したディテクターが***を通過したレントゲンを受光して映像を得ることになる。

つまり、ディテクターはレントゲンの入射量に比例した位置別の電気信号を生成し、電気信号と位置情報を読み取って映像処理アルゴリズムで処理すれば、当該角度に対する***のレントゲン映像を得ることができる。以後、***を挟んでジェネレーターとディテクターを回転させながら前記過程を繰り返すことにより、マンモグラフィ装置は多様な内外斜位撮影（Mediolateral Oblique View）角度で被検者の***に対する高解像度の映像を得ることができる。

以上の撮影原理を有する一般的なマンモグラフィ装置において、被検者の不便を最小化して高品質のレントゲン映像を得るための核心的な駆動メカニズムは、圧迫パッドの圧迫動作と装置本体の昇降及び回転動作である。特に、圧迫パッドは、レントゲン撮影中に***に直接的な圧力をかけることによって被検者が感じる苦痛及び不便さと直結され、装置本体は、昇降及び回転を介し正確な撮影位置を決めることによってレントゲン映像の品質と直結される。

ここで、前記圧迫パッドが***を圧迫する目的は、乳腺と重なって見える塊（病変又は微細石灰化の可能性が高い部分）などを乳腺と分離するために***を圧迫した状態で撮影するためである。

しかし、このような圧迫パッドによる圧迫は被検者が最も大きく感じる苦痛で、特にこのような苦痛の程度は、被検者の生体指数に応じて別に感じるのが通常的である。例えば、***の大きさが小さいほど、***の密度が高いほど、幼いほど被検者は大きい苦痛を受けることになる。

さらに、従来のマンモグラフィ装置は、大概このような圧迫パッドの圧迫圧力がマニュアル値に調節されるが、その圧迫速度は大凡一定である。つまり、従来のマンモグラフィ装置は、圧迫パッドが被検者の生体指数にかかわらず画一的なマニュアル値によって制御されることにより、被検者に適する撮影の環境を提供できないので、被検者は大きい苦痛とともに不便さを感じることになる。さらに、このような苦痛及び不便さにより、被検者が動くことになる場合が発生すると、正確なレントゲン映像を得ることができなくなる。

したがって、本発明は、前記従来の問題点を解決するために提案されたものであって、被検者に加えられる苦痛や不便さを無くすか最小化して、被検者に安らかさを提供しながらも高い撮影正確度を達成することができるマンモグラフィ装置、及びこれを利用した被検体撮影方法を提供するのにその目的がある。

前記目的を達成するための本発明の一様態によれば、レントゲンを照射するジェネレーターと、前記ジェネレーターと対面するディテクターと、前記ジェネレーターとディテクターとの間を移動して被検体を圧迫する圧迫パッドと、被検者の生体指数を判断する生体指数判断部と、前記生体指数判断部で判断された生体指数に基づいて前記圧迫パッドの移動距離及び速度を制御するコントローラと、を含むマンモグラフィ装置が提供される。

前記生体指数は、被検者の年齢、性別、身長、体重、妊娠可否、***の大きさ、***の密度、及び体質量からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。

前記生体指数判断部は、***の大きさ測定器、***の密度測定器、及び体脂肪測定器からなる群から選択された一つ以上を含む生体指数感知ユニットを含むことができる。

前記コントローラは、前記圧迫パッドを等速度、加速度、減速度、及びこれらの組み合せからなる群から選択された条件で移動させることができる。

本発明の他の様態によれば、レントゲンを照射するジェネレーター、前記ジェネレーターと対面するディテクター、及び前記ジェネレーターとディテクターとの間を移動して被検体を圧迫する圧迫パッドを含むマンモグラフィ装置を提供する段階と、被検者の生体指数を判断する段階と、前記判断された被検者の生体指数に基づいて前記圧迫パッドの移動距離及び速度を制御しながら被検体を圧迫する段階と、を含む被検体撮影方法が提供される。

前記被検体を圧迫する段階は、前記判断された被検者の生体指数に基づいて前記圧迫パッドの移動距離及び速度を決定する段階と、前記決定された圧迫パッドの移動距離及び速度で前記圧迫パッドを移動させる段階と、を含むことができる。

前記被検者の生体指数を判断する段階は、***の大きさ測定器、***の密度測定器、及び体脂肪測定器からなる群から選択された一つ以上を含む生体指数感知ユニットから得られたデータを受信する段階を含むことができる。

前記被検体を圧迫する段階は、圧迫パッドを等速度、加速度、減速度、及びこれらの組み合せからなる群から選択された条件で移動させることができる。

このような本発明のマンモグラフィ装置及びこれを利用した被検体撮影方法により、被検者に加えられる苦痛や不便さを無くすか最小化して被検者に安らかさを提供することができる。さらに、このように安らかな状態でレントゲン撮影が可能なため、高い撮影正確度を達成することができ、不要な撮影回数を減少させてレントゲンに対する被曝を減らすことができる。

本発明に係るマンモグラフィ装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明に係るマンモグラフィ装置を構成する圧迫パッドの駆動部及びコントローラを含む一部構成を示す斜視図である。 本発明に係るマンモグラフィ装置を構成するコントローラのブロック図である。 本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法を示すフローチャート図である。 本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法において、時間に対する圧迫パッドの移動距離の相関関係を示すグラフである。 本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法において、時間に対する圧迫パッドの移動距離の相関関係を示すグラフである。 本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法において、時間に対する圧迫パッドの移動距離の相関関係を示すグラフである。 本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法において、時間に対する圧迫パッドの移動距離の相関関係を示すグラフである。 本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法において、時間に対する圧迫パッドの移動距離の相関関係を示すグラフである。

本発明の更なる目的、特徴及び長所は、次の詳細な説明及び図面からより明らかに理解することができる。本発明の詳細な説明に先立って、本発明は多様な変形及び変更を図ることができ、幾多の実施例を有することができる。下記で説明されて図面に示された例示等は、本発明を特定の実施例に対して限定しようとするものではない。また、後続する特許請求の範囲の範疇で多様な変形、変更及び修正が行われることが可能であり、これらもまた本発明の範疇に含まれるものとして理解することができる。

ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及された際には、互いが直接的に連結又は接続されていることもあり得るが、中間にまた他の構成要素が介在されて間接的に連結又は接続されていることも含むものとして理解しなければならないであろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及された際には、中間に他の構成要素が存在しないものとして理解しなければならないであろう。

本明細書で用いられた用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであって、本発明を限定しようとの意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかにそうでないと言及されない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、作動、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、作動、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。

また、明細書に記載された「...部」、「...ユニット」、「...モジュール」等の用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして具現され得る。

また、図面を参照して説明するにおいて、同一な構成要素は同一な参照符号を与え、これに対する重複される説明は略する。本発明の説明において、関連公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不要にぼやかし得ると判断される場合、その詳細な説明を略する。

以下、本発明の好ましい実施例に係るデジタルマンモグラフィ装置を、図面を参照して詳しく説明する。本明細書で、「マンモグラフィ装置」はデジタル方式のマンモグラフィ装置を例として説明しているが、本発明はこれに限定されず、アナログ方式にも適用され得ることは勿論である。

図１は、本発明に係るマンモグラフィ装置の全体構成を示す斜視図であり、図２は、本発明に係るマンモグラフィ装置を構成する圧迫パッドの駆動部及びコントローラを含む一部構成を示す斜視図である。

図１に示されているところのように、本発明に係るマンモグラフィ装置は、レントゲン撮影のための基本的な構成を含む装置本体100と、装置本体100が垂直移動可能に連結される支持コラム200とを含む。前記支持コラム200は、下端部が底に固定された垂直柱状の支持体であって、装置本体100が垂直長さ方向に沿って昇降可能に装置本体100に垂直軸を提供する。

前記装置本体100は、上下両端部が互いに向かい合う弧状であって、全体的にC字又はこれと類似の形状を呈するためCアームともいう。装置本体100は、コラム200に垂直方向に昇降可能に連結されたコラム連結部110と、コラム連結部110に対して回転可能に連結された垂直連結部120とを含む。装置本体100は、装置本体100の垂直連結部120の一端部（例えば、本実施例では上端部）に取り付けられて向かい合う他端部（例えば、本実施例では下端部）に向かってレントゲンを照射するジェネレーター130と、垂直連結部120の他端部に取り付けられてジェネレーター130と対面するディテクター140と、前記装置本体100の内面に沿ってジェネレーター130とディテクター140との間を直線往復運動する圧迫パッド150とを含む。被検体は、圧迫パッド150とディテクター140との間に位置してレントゲン撮影が行われるが、圧迫パッド150とディテクター140との間に検査板160を選択的に設けて、被検体を圧迫パッド150と検査板160との間に位置させてレントゲン撮影を行うことができる。

前記コラム連結部110には、垂直連結部120が***を内外斜位撮影で撮影可能に水平軸に対して回転可能に連結され、垂直連結部120をこのように回転させるための（図示されていない）回転駆動部が設けられている。

垂直連結部120は基本的に、図２に示されているところのように、ジェネレーター130とディテクター140がそれぞれ取り付けられた上下両端部と、これを連結する2つの柱121とからなる。垂直連結部120には、圧迫パッド150を上下に移動させるための駆動手段として上端部に備えられた駆動モーター122と、下端部には設けられたプーリー126と、駆動モーター122の回転軸と垂直連結部120の下端部のプーリー126にかかっている駆動ベルト124とを含む。垂直連結部120の2つの柱121には、圧迫パッド支持部152が滑走可能に連結され、駆動ベルト124の一側が圧迫パッド支持部152に固定連結されている。このような構成により、駆動モーター122の回転に応じて駆動ベルト124が上下に移動し、それにより圧迫パッド支持部152が上下に移動することになる。このとき、圧迫パッド支持部152の先端部には圧迫パッド150が固定され、圧迫パッド150は圧迫パッド支持部152とともに上下に移動する。圧迫パッド150のこのような上下移動により、ディテクター140、又は場合によって検査板160上に位置する***を圧迫することになる。

装置本体100の上端部に取り付けられたジェネレーター130は、高い運動エネルギーを有した電子を金属のターゲット（target）に衝突させてレントゲンを発生させる装置であって、好ましくはレントゲンの照射方向又は照射面積を制御するコリメーター（collimator）等の光学計を備える。

装置本体100の下端部に取り付けられたディテクター140は、基本的に***を通過したレントゲンを受光して映像を得るための手段であって、***を載せることでこれを支持する被検体支持部としての役目も同時に兼ねることができる。すなわち、前記ディテクター140上に***を載せた後、前記圧迫パッド150で***を加圧することにより、前記ディテクター140と圧迫パッド150との間で***が圧迫され、そのように圧迫された状態の***を前記ジェネレーター130とディテクター140により撮影することとなる。ディテクター140は、レントゲンの入射量に比例した位置別の電気信号を生成し、電気信号と位置情報を読み取って映像処理アルゴリズムで処理して***のレントゲン映像を得ることができる。このとき、ディテクター140にはレントゲンの変換方式に応じて別途の中間段階なしにレントゲンから直接電気的信号を獲得する直接変換方式、又はレントゲンを可視光線に変換して可視光線により間接的に電気的信号を得る間接変換方式等の一般的な技術内容が幅広く適用され得る。

検査板160は、ディテクター140の被検体支持部としての機能の代わりをするために選択的構成として含まれ得る。検査板160が含まれる場合、圧迫パッド150と検査板160により***が加圧され、このような状態の***を前記ジェネレーター130とディテクター140を介して撮影することとなる。よって、ディテクター140は、***を通過したレントゲンを受光して映像を得る機能のみを行うことになる。

このような構成を有するマンモグラフィ装置において、ディテクター140、又は場合によって検査板160上に位置する***を圧迫するため、駆動モーター122はコントローラ300により駆動される。コントローラ300はマンモグラフィ装置の全ての構成要素を制御するための構成であって、圧迫パッド150の移動を制御する機能以外の機能は、従来のマンモグラフィ装置のコントローラと同一である。すなわち、圧迫パッド150の移動を制御する機能は、既に設けられたマンモグラフィ装置のコントローラに機能的に付加され得る。これと異なり、コントローラ300はサブコントローラの形態に備えられ、圧迫パッド150の移動のみを制御し、マンモグラフィ装置の他の構成要素は別途のメインコントローラで制御され得ることは勿論である。本明細書では、いずれの場合であれ、コントローラの圧迫パッド150の移動を制御する機能のみを説明する。

図２に示されているところのように、コントローラ300は生体指数入力ユニット410及び／又は生体指数感知ユニット420から生体指数の入力を受け、それに基づいて駆動モーター122を駆動させることにより、圧迫パッド支持部152及びそれに連結された圧迫パッド150を所望の距離及び速度で上下移動させ、ディテクター140、又は場合によって検査板160上に位置する***を圧迫することになる。便宜上、生体指数入力ユニット410及び／又は生体指数感知ユニット420を生体指数判断部と称する。

本発明の主要構成要素である前記コントローラ300に対し、図２及び図３を参照して具体的に検討してみる。図３は、本発明に係るマンモグラフィ装置を構成するコントローラのブロック図である。

図２及び図３に示す通り、本発明に係るマンモグラフィ装置の生体指数判断部は、それぞれ異なる被検者の生体指数を入力する生体指数入力ユニット410及び／又は被検者の生体指数を感知する生体指数感知ユニット420を含む。

前記生体指数入力ユニット410は、マンモグラフィ装置の外部で把握された被検者の生体指数、例えば、年齢、性別、身長、体重、妊娠可否等を管理者が入力するためのユニットであって、マンモグラフィ装置に連結されたキーボード、モニターのタッチパネル、リモコン等を含むことができる。

前記生体指数感知ユニット420は、マンモグラフィ装置内における被検者の生体指数を測定する部分であって、被検者の***の大きさ及び／又は密度を測定する測定器、被検者の体質量を測定する測定器等を含む。このような生体指数感知ユニット420は、マンモグラフィ装置の一側、好ましくは装置本体100の一側に設けられ得る。

次に、前記生体指数入力ユニット410により入力され、及び／又は生体指数感知ユニット420により感知されて測定された値により圧迫パッド150の移動を制御するコントローラ300の構成及び作動に対し、図３を参照して説明する。

コントローラ300には、生体指数データ受信部322、圧迫速度決定部324及びモーター制御部326を含む圧迫速度調節部320と、圧迫速度データベース（DB）340を含む。

圧迫速度調節部320の生体指数データ受信部322は、生体指数入力ユニット410及び／又は生体指数感知ユニット420から生体指数データを受信して圧迫速度決定部324へ伝達する。圧迫速度決定部324は、圧迫速度DB 340と通信し、前記生体指数データに基づいて圧迫速度DB 340に既に格納された圧迫パッドの移動距離及び速度をマッチングさせ、圧迫パッド150の最終移動距離及び速度を決定する。決定された圧迫パッド150の最終移動距離及び速度に対するデータをモーター制御部326に伝達し、モーター制御部326は受信したデータに基づいて駆動モーター122の作動を制御する。このとき、前記圧迫速度DB 340は、生体指数別の圧迫パッドの移動距離及び速度をテーブル状に格納することができ、コントローラ300に内/外装されたメモリ、又はマンモグラフィ装置に連結されたコンソールPCに搭載されてよい。

次に、図４を参照し、本発明に係るマンモグラフィ装置を利用して被検者の***をレントゲン撮影する方法に対して説明する。図４は、本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法を示すフローチャートである。図４に示すとおり、本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法は次の通りである。

本方法は、被検者を立つか座る状態でマンモグラフィ装置の撮影位置の定位置に就かせる段階（st1）と、生体指数入力ユニット410及び／又は生体指数感知ユニット420を介して被検者の生体指数を入力及び／又は測定する段階（st2）とを含む。これらの段階（st1、st2）は順が変わっても関係ない。段階（st1）のために、装置本体100はコラム200に沿って上下移動しながら、ディテクター140（又は場合によって検査板160）の位置を被検者の***の位置に合わせて調整する。このような位置調整は自動又は手動で行われ、自動に行われるためには、被検者の***の位置を測定又は入力する段階を先行することが好ましい。この場合、段階（st1）と段階（st2）の順を変えながら、段階（st2）において被検者の***の位置に対するデータを生体指数入力ユニット410及び／又は生体指数感知ユニット420を介して更に入力及び／又は測定し、それによりディテクター140の位置を自動に調整することができる。

次いで、被検者の生体指数が入力及び／又は測定されると、コントローラ300で圧迫パッド150の移動距離及び速度を決定する段階（st3）を経ることとなる。これは、前述したところのように、段階（st2）で生体指数入力ユニット410及び／又は生体指数感知ユニット420を介して入力及び／又は測定された被検者の生体指数をコントローラ300の生体指数データ受信部322が受信し、コントローラ300の圧迫速度決定部324が圧迫速度DB 340と通信しながら受信された生体指数データに基づいて圧迫パッド150の移動距離及び速度を決定する。

段階（st3）で圧迫パッド150の移動距離及び速度が決定されれば、コントローラ300のモーター制御部326は、駆動モーター122を駆動させて決定された移動距離及び速度で圧迫パッド150を移動させることにより***の圧迫を実施する（段階（st4））。当該圧迫が完了すれば、レントゲン撮影する段階（st5）を経て被検体撮影方法が終了する。

このような被検体撮影方法で、図５から図９を参照し、時間に伴う圧迫パッドの移動距離の相関関係について説明する。図５から図９は、本発明に係るマンモグラフィ装置を利用した被検体撮影方法において、時間に対する圧迫パッドの移動距離の相関関係を示すグラフである。これらのグラフでは、***の大きさが同一な場合、圧迫パッド150の時間に対する移動距離、すなわち、圧迫速度を異にして、圧迫パッド150が最終的に到達する距離は同一にした場合を例として説明している。

圧迫パッド150の時間に伴う移動距離の変化は、大きく２つのグループ、４種類の場合（case）に区分され得る。第１グループ（図５及び図６）は、圧迫パッド150の移動距離が初期位置から圧迫完了時まで線形（case 1、C11及びC12）又は非線形（case 2、C21及びC22）の場合である。第２グループ（図７及び図８）は、圧迫パッド150の移動距離が初期位置から圧迫パッド150と***の接触までの第１区間（DoからDc）と、圧迫パッド150と***の接触から圧迫完了までの第２区間（DcからDf）とに区分され、第１区間（DoからDc）では線形で、第２区間（DcからDf）で線形（case 3、C31及びC32）又は非線形（case 4、C41及びC42）の場合である。一方、図５から図９のグラフでC0と表示された点線は、従来の技術に係るマンモグラフィ装置の場合であって、固定された一定の速度で移動する圧迫パッドの時間に伴う移動距離を示す。

先ず、図５に示したグラフは、第１グループで圧迫パッド150の移動距離が時間に応じて線形に増加する場合、すなわち、圧迫パッド150の速度が一定な場合（case 1、C11及びC12）である。従来の技術に係るマンモグラフィ装置で固定された一定の速度で移動する圧迫パッドの場合（C0）と比べて、本発明に係るマンモグラフィ装置は、従来の技術より高い等速度（C11）又は低い等速度（C12）で圧迫パッド150が移動され得る。高い等速度（C11）で圧迫をかける場合は早い時間に***の圧迫が完了（tf11）する反面、低い等速度（C12）で圧迫をかける場合は***の圧迫が完了する時間（tf12）が長くなる。圧迫速度は、被検者の生体指数に応じてC11からC12の間で適宜決められ得る。

図６に示したグラフは、第１グループで圧迫パッド150の移動速度が減少又は増加する場合、すなわち、圧迫パッド150が減速度又は加速度で移動する場合（case 2、C21及びC22）である。グラフ（C21）は、圧迫パッド150の圧迫速度が初期位置から圧迫完了時まで漸次減少する場合を示すものであり、グラフ（C22）は、圧迫パッド150の圧迫速度が初期位置から圧迫完了時まで増加する場合を示すものである。これは初期に急激な圧迫で始めて圧迫が完了する時点では徐々に圧迫を行う場合（C21）と、初期に徐々に圧迫し始めて圧迫が完了する時点では急に圧迫をかける場合（C21）であって、生体指数に応じて圧迫速度の変化程度を適宜決めることができる。

次に、図７に示したグラフは、第２グループで圧迫パッド150が一定の速度で移動し、***と接触した時点（tc）以降に圧迫が完了する時まで一定の値で増加又は減少した速度で移動する場合（case 3、C31及びC32）である。グラフ（C31）は、圧迫パッド150の圧迫速度が接触後に一定の値で増加した場合を示すものであって、圧迫パッド150の速度を最初位置から接触位置までの区間（DoからDc）の第１速度（V1）と、接触位置から圧迫完了位置までの区間（DcからDf）の第２速度（V2）とに分ける場合、V1＜V2の関係を有する。また、グラフ（C32）は、圧迫パッド150の圧迫速度が接触後に一定の値で減少する場合を示すものであって、圧迫パッド150の速度を最初位置から接触位置までの区間（DoからDc）の第１速度（V1）と、接触位置から圧迫完了位置までの区間（DcからDf）の第２速度（V2）とに分ける場合、V1＞V2の関係を有する。

図８に示したグラフは、第２グループで圧迫パッド150が一定の速度で移動して***と接触した時点（tc）以降に圧迫が完了する時まで圧迫パッド150の速度が漸次増加又は漸次減少しながら、すなわち、加速度又は減速度を保ちながら移動する場合（case 4、C41及びC42）である。グラフ（C41）は、圧迫パッド150の圧迫速度が接触後に漸次増加する場合を示すものであって、圧迫パッド150の速度を最初位置から接触位置までの区間（DoからDc）の第１速度（V1）と、接触位置から圧迫完了位置までの区間（DcからDf）の第２速度（V2）とに分ける場合、V1は一定、V2は増加の関係を有する。グラフ（C42）は、圧迫パッド150の圧迫速度が接触後に漸次減少する場合を示すものであって、圧迫パッド150の速度を最初位置から接触位置までの区間（DoからDc）の第１速度（V1）と、接触位置から圧迫完了位置までの区間（DcからDf）の第１速度（V2）とに分ける場合、V1は一定、V2は減少の関係を有する。

これら４つの場合に加え、図９に示されているところのように、圧迫パッド150が一定の速度で移動して***と接触した時点（tc）以降に圧迫速度が増減を繰り返すこともできる。この場合、***に加えられる圧迫の軽減を繰り返しながら***を圧迫することになると、全体的な痛症が減少し得る。これは、図８でC41とC42が組み合わせられた形態であるといえる。このように、圧迫パッド150の移動は、図５から図９に示されているもの以外に幾多の形態に組み合わせて具現することができることは勿論である。

前記のような本発明に係るマンモグラフィ装置、及びこれを利用した被検体撮影方法によれば、高い撮影正確度を提供すると同時に、被検者に苦痛や不便さを無くすか最小化して被検者に安らかさを提供することができる。

以上で説明した本発明は、前述した実施例及び図面により限定されるものではなく、本発明の技術的思想を脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるのは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者において明白なことである。

Claims (4)

1. レントゲンを照射するジェネレーターと、
   前記ジェネレーターと対面するディテクターと、
   前記ジェネレーターとディテクターとの間を移動して被検体を圧迫する圧迫パッドと、
   生体指数入力ユニットと生体指数感知ユニットとを含み、前記被検体の生体指数を判断する生体指数判断部であって、マンモグラフィ装置のユーザが前記生体指数入力ユニットを介して前記被検体の生体指数を入力することができるとともに、前記生体指数感知ユニットが前記被検体の生体指数を測定することができるように構成された生体指数判断部と、
   前記生体指数判断部の生体指数入力ユニットを介して入力された生体指数と、前記生体指数判断部の生体指数感知ユニットが測定した生体指数とに基づいて、前記圧迫パッドの移動距離及び速度を制御するコントローラと、
   を含むマンモグラフィ装置。
2. 前記生体指数入力ユニットを介して入力された生体指数は、前記被検体の年齢、性別、身長、体重、および妊娠可否からなる群から選択された一つ以上を含み、
   前記生体指数判断部の生体指数感知ユニットが測定した生体指数は、前記被検体の***の大きさ、***の密度、及び体質量からなる群から選択された一つ以上を含む、請求項１に記載のマンモグラフィ装置。
3. 前記生体指数感知ユニットは、
   ***の大きさ測定器、***の密度測定器、及び体脂肪測定器からなる群から選択された一つ以上を含む請求項２に記載のマンモグラフィ装置。
4. 前記コントローラは、前記圧迫パッドを等速度、加速度、減速度、及びこれらの組み合せからなる群から選択された条件で移動させる請求項１〜３のうちのいずれか一項に記載のマンモグラフィ装置。
   

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