JP6305846B2 - アタッチメント構成部材及びこれを備えた建設機械のアタッチメント並びにアタッチメントの製造方法 - Google Patents

アタッチメント構成部材及びこれを備えた建設機械のアタッチメント並びにアタッチメントの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、建設機械の機体に対して変位可能に取り付けられるアタッチメントに関するものである。
従来から、軸方向に延びるとともに軸方向と直交する方向において閉断面を有するアタッチメントが知られている。
アタッチメントは、軸方向に延びるとともに軸方向と直交する方向に対向する一対の側板と、側板の第1縁部同士を連結するための第1連結部材と、第1縁部と反対側の第2縁部同士を連結するための第2連結部材とを有する。
この種のアタッチメントにおいて、両側板は、アタッチメントの強度及び剛性の確保、並びにアタッチメントの軽量化を目的として軸方向に複数の側板片に分割され、これらの側板片同士が溶接されることにより側板が製造される。
例えば、特許文献1に記載のブーム(アタッチメント)は、軸方向に延びる左右一対のウェブ板(側板)と、上及び下のフランジ板(第1連結部材及び第2連結部材)とを備えている。ウェブ板の各々は、軸方向に溶接された第1〜第5ウェブ材(側板片)によって構成されている。
また、特許文献1に記載のブームは、次のような方法で製造される。
まず、第1〜第5ウェブ材を軸方向に順次突合せ溶接することによりウェブ板を製造する。このように製造されたウェブ板を一対準備し、当該一対のウェブ板が対向した状態で当該ウェブ板同士を連結するようにウェブ板の上縁部に上のフランジ板を溶接する。次いで、ウェブ板同士を連結するようにウェブ板の下縁部に下のフランジ板を溶接する。
しかし、上述のように複数の側板片を溶接することによって側板を製造する場合、側板片における溶接部の止端部近傍の疲労強度が低下し、アタッチメントの変形時、特に軸方向と直交する方向の曲げ変形時にアタッチメントの強度が不足するという問題がある。
これを解決するために、溶接後の側板片に対し、疲労強度を向上するためにピーニング処理が施されることがある。ピーニング処理は、側板片に対して圧縮残留応力を導入するための処理である。
国際公開第2012/144037号
ここで、ピーニング処理が施された両側板には、上述のように、その後、第1連結部材及び第2連結部材が溶接される。
この溶接時の熱は、側板片における第1連結部材又は第2連結部材の近傍の範囲に伝達し、この熱によって側板片が焼きなまされることにより当該側板片に導入された圧縮残留応力が開放されてしまう。
この場合、ピーニング処理による疲労強度向上の効果が側板片から消失し、側板の強度が低下してしまう。
本発明の目的は、連結部材の溶接時における側板の強度低下を抑制することができるアタッチメント構成部材及びこれを備えた建設機械のアタッチメント並びにアタッチメントの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する対向方向に対向する一対の側板と、前記軸方向及び前記対向方向と直交する軸直交方向における前記側板の第1縁部同士を連結する第1連結部材と、前記軸直交方向における前記第1縁部と反対側の前記側板の第2縁部同士を連結する第2連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントを製造するためのアタッチメント構成部材であって、前記側板を構成するために溶接線を介して前記軸方向に互いに溶接された一対の側板片と、前記第1連結部材の一部を構成するために前記溶接線に重ねられた状態で両側板片の第1縁部の端面に溶接された第1連結片とを備え、前記両側板片の少なくとも一方には、前記溶接線に沿ってピーニング処理部が形成され、前記第1連結部材のうち前記第1連結片以外の部分を構成するための第1連結部材本体は、当該第1連結部材本体を前記軸直交方向に貫通するとともに前記第1連結片と嵌合可能な第1被嵌合部を有し、かつ、前記第1連結片が前記第1被嵌合部に嵌合した状態で前記両側板片の第1縁部の端面に溶接されるものであり、前記第1連結片は、当該第1連結片が前記第1被嵌合部に嵌合した状態で前記第1被嵌合部を取り囲む前記第1連結部材本体の第1内面に接触可能な第1接触面を有するとともに、前記第1接触面と前記第1内面との溶接時に前記側板において温度が400℃以下となる領域に前記ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、アタッチメント構成部材を提供する。
また、本発明は、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する対向方向に対向する一対の側板と、前記軸方向及び前記対向方向と直交する軸直交方向における前記側板の第1縁部同士を連結する第1連結部材と、前記軸直交方向における前記第1縁部と反対側の前記側板の第2縁部同士を連結する第2連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントを製造するための方法であって、前記側板を形成するための一対の側板片を溶接線に沿って前記軸方向に溶接する側板片溶接工程と、前記第1連結部材の一部を構成するための第1連結片を前記溶接線に重ねた状態で当該第1連結片を両側板片の第1縁部の端面に溶接する第1連結片溶接工程と、前記第1連結片溶接工程の後、前記両側板片の少なくとも一方に対し前記溶接線に沿ってピーニング処理部を形成する処理施工工程と、前記処理施工工程の後、前記第1連結部材のうち前記第1連結片以外の部分を構成するための第1連結部材本体を、当該第1連結部材本体を前記軸直交方向に貫通する第1被嵌合部に前記第1連結片が嵌合するように、前記両側板片に溶接された前記第1連結片に対して位置決めする第1位置決め工程と、前記第1位置決め工程が行われている状態で前記両側板片の第1縁部の端面に対して前記第1連結部材本体を溶接する第1本体溶接工程と、前記第1位置決め工程が行われている状態で、前記第1被嵌合部を取り囲む前記第1連結部材本体の第1内面と当該第1内面に接触する前記第1連結片の第1接触面とを溶接する第1接触面溶接工程とを含み、前記第1連結片溶接工程では、前記第1接触面溶接工程時に前記側板において温度が400℃以下となる領域に前記ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する前記第1連結片を用いる、建設機械のアタッチメントの製造方法を提供する。
本発明によれば、第1連結部材を第1連結片と第1連結部材本体とに分割するとともに第1連結部材本体の溶接に先立って第1連結片が側板片に対して溶接されている。これにより、ピーニング処理の前に、溶接線付近の第1連結部材(第1連結片)の溶接を済ませることができる。そして、第1連結片が溶接された両側板片の少なくとも一方にピーニング処理を施すことによりアタッチメント構成部材が製造される。
ここで、第1連結片は、第1接触面と第1内面との溶接時の温度が400℃以下となる領域にピーニング処理部を配置することができる大きさを有する。つまり、アタッチメント構成部材に対する第1連結部材本体の溶接個所のうち最も近接する溶接個所からの熱によりピーニング処理部が上昇する温度を400℃以下に抑えることができる。
図7に示すように、ピーニング処理の効果は、第1連結部材本体の溶接時に側板においてピーニング処理部の温度が400℃を超えると、急激に低下することが確認されている。
そのため、本発明によれば、ピーニング処理部により側板片同士の溶接部において側板の疲労強度を向上することができるとともに、この疲労強度の向上効果が第1連結部材の溶接時に低下するのを抑制することができる。
ここで、第1接触面のうち軸直交方向の視点において軸方向と平行する仮想軸と交差する交差部分は当該仮想線と直交していてもよいが、この場合、第1連結部材に軸直交方向の曲げ力が加えられると交差部分と第1内面との溶接部に対し溶接線と直交する方向に大きな応力が生じる。そのため、前記溶接部の強度を確保することが難しい。
そこで、前記アタッチメント構成部材において、前記第1接触面のうち前記軸直交方向の視点において前記軸方向と平行する仮想軸と交差する交差部分は、当該仮想軸に対して傾斜していることが好ましい。
また、前記アタッチメントの製造方法において、前記第1連結片溶接工程では、前記第1接触面のうち前記軸直交方向の視点において前記軸方向と平行する仮想軸と交差する交差部分が当該仮想軸に対して傾斜するように前記第1連結片を前記両側板片に溶接することが好ましい。
これらの態様によれば、第1連結片と第1連結部材本体との溶接後に第1連結部材に軸直交方向の曲げ力が加えられた場合であっても、交差部分と第1内面との溶接部に対して溶接線と直交する方向に生じる応力の成分を低減することができる。そのため、第1連結片と第1連結部材本体との溶接強度を十分に確保することができる。
具体的に、前記軸直交方向の視点における前記交差部分の前記仮想軸に対する角度は、45°以下に設定することができる。
これにより、交差部分が仮想軸と直交する場合と比較して、交差部分と第1内面との溶接部に対し溶接線と直交する方向に作用する応力の成分を約7割(1/√2)以下に低減することができる(相対的に、溶接部の強度を少なくとも1.4倍にすることができる)。
なお、『交差部分の仮想軸に対する角度』は劣角を意味し、『45°以下』とは、交差部分が湾曲又は屈曲している場合、交差部分における仮想軸に対する最大角度が45°以下であることを意味する。
ここで、第1被嵌合部は、第1連結部材を軸直交方向に貫通する穴であってもよいが、この場合、第1嵌合部内に第1連結片を軸直交方向に通すように第1連結片と第1連結部材本体とを位置決めする必要があり、位置決め作業が煩雑となる。
そこで、前記アタッチメント構成部材において、前記第1被嵌合部は、前記第1連結部材本体の対向方向の端面において開く溝であり、前記第1連結片は、前記第1被嵌合部内に前記対向方向に挿入可能な形状を有することが好ましい。
また、前記建設機械のアタッチメントの製造方法において、前記第1被嵌合部は、前記第1連結部材本体の対向方向の端面において開く溝であり、前記第1連結片溶接工程では、前記第1被嵌合部内に前記対向方向に挿入可能な形状を有する前記第1連結片を用いることが好ましい。
これらの態様によれば、第1連結片を第1被嵌合部内に対向方向にも挿入することができるため、第1被嵌合部を貫通穴により構成する場合と比較して、第1連結片と第1連結部材本体との位置決め作業が容易になる。
前記アタッチメント構成部材は、前記第2連結部材の一部を構成するために前記溶接線に重ねられた状態で前記両側板片の第2縁部の端面に溶接された第2連結片をさらに備え、前記第2連結部材のうち前記第2連結片以外の部分を構成するための第2連結部材本体は、当該第2連結部材本体を前記軸直交方向に貫通するとともに前記第2連結片と嵌合可能な第2被嵌合部を有し、かつ、前記第2連結片が前記第2被嵌合部に嵌合した状態で前記両側板片の第2縁部の端面に溶接されるものであり、前記第2連結片は、当該第2連結片が前記第2被嵌合部に嵌合した状態で前記第2被嵌合部を取り囲む前記第2連結部材本体の第2内面に接触可能な第2接触面を有するとともに、前記第2接触面と前記第2内面との溶接時に前記側板において温度が400℃以下となる領域に前記ピーニング処理部を配置することができる大きさを有することが好ましい。
また、前記建設機械のアタッチメントの製造方法において、前記処理施工工程の前に、前記第2連結部材の一部を構成するための第2連結片を前記溶接線に重ねた状態で当該第2連結片を前記両側板片の第2縁部の端面に溶接する第2連結片溶接工程と、前記処理施工工程の後、前記第2連結部材のうち前記第2連結片以外の部分を構成するための第2連結部材本体を、当該第2連結部材本体を前記軸直交方向に貫通する第2被嵌合部に前記第2連結片が嵌合するように、前記両側板片に固定された前記第2連結片に対して位置決めする第2位置決め工程と、前記第2位置決め工程が行われている状態で前記両側板片の第2縁部の端面に対して前記第2連結部材本体を溶接する第2本体溶接工程と、前記第2位置決め工程が行われている状態で、前記第2被嵌合部を取り囲む前記第2連結部材本体の第2内面と当該第2内面に接触する前記第2連結片の第2接触面とを溶接する第2接触面溶接工程とを含み、前記第2連結片溶接工程では、前記第2接触面溶接工程時に前記側板において温度が400℃以下となる領域に前記ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する前記第2連結片を用いることが好ましい。
これらの態様によれば、側板と第1連結部材との溶接時だけでなく側板と第2連結部材との溶接時においても、ピーニング処理部による側板の疲労強度の低下を抑制することができる。
したがって、第1連結部材及び第2連結部材の溶接時における側板の強度低下を確実に抑えることができる。
また、本発明は、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する対向方向に対向する一対の側板と、前記軸方向及び前記対向方向と直交する軸直交方向における前記側板の第1縁部同士を連結する第1連結部材と、前記軸直交方向における前記第1縁部と反対側の前記側板の第2縁部同士を連結する第2連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントであって、前記アタッチメントの一部として、上述したアタッチメント構成部材を備えている、建設機械のアタッチメントを提供する。
本発明によれば、連結部材との溶接時における側板の強度低下を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。 図1に示すブームの側面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV部の拡大図である。 図4のV−V線断面図である。 図5のVI−VI線断面図である。 連結部材本体の溶接前のピーニング処理部における側板の硬度に対する連結片と連結部材本体との溶接後のピーニング処理部における側板の硬度の比率を示すグラフである。 ブームの製造方法を説明するための斜視図であり、側板片及び第1連結片を示すものである。 ブームの製造方法を説明するための斜視図であり、ブーム構成部材と第1連結部材本体とが分離した状態を示すものである。 ブームの製造方法を説明するための斜視図であり、ブーム構成部材と第1連結部材本体とが分離した状態を示すものである。 本発明の第2実施形態に係るブームの図5相当図である。 本発明の第3実施形態に係るブームの図5相当図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
<第1実施形態(図1〜図7)>
図1を参照して、本発明の実施形態に係る油圧ショベル1は、一対のクローラ2aを有する下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に対して変位可能に取り付けられた作業機4とを備えている。
作業機4は、上部旋回体3に対して上げ下げ可能に取り付けられたブーム(アタッチメント)5と、ブーム5の先端部に対して回転可能に取り付けられたアーム6と、アーム6の先端部に対して回転可能に取り付けられたバケット7とを備えている。
また、作業機4は、上部旋回体3に対してブーム5を上げ下げ駆動するブームシリンダ8と、ブーム5に対してアーム6を回転駆動するアームシリンダ9と、アーム6に対してバケット7を回転駆動するバケットシリンダ10とを備えている。
図2及び図3を参照して、ブーム5は、軸方向D1に延びるとともに軸方向D1と直交する方向において閉断面を有する。なお、軸方向D1は、側面視(図2)においてブーム5の高さ範囲(後述する第1連結部材12と第2連結部材13との間の範囲)の中央を通る軸線に沿った方向である。
具体的に、ブーム5は、軸方向D1に延びるとともに軸方向D1と直交する対向方向D2に対向する一対の側板11と、軸方向D1及び対向方向D2と直交する軸直交方向D3における側板11の第1縁部(図の下縁部)同士を連結する第1連結部材12と、軸直交方向D3における第1縁部と反対側の側板11の第2縁部(図の上縁部)同士を連結する第2連結部材13と、ブームシリンダ8の先端部を取り付けるためのボス14と、アームシリンダ9の基端部を取り付けるためのブラケット15とを備えている。
ボス14は、当該ボス14が両側板11を貫通した状態で両側板11に固定(溶接)されている。ブラケット15は、第2連結部材13の外側面に固定(溶接)されている。ボス14は、軸方向D1においてブラケット15よりもブーム5の基端側の位置に設けられている。
両側板11は同様の構成を有するため、以下、一方の側板11について説明し、他方の側板11の説明を省略する。また、第1連結部材12のうち前記一方の側板11に溶接される部分と、前記他方の側板11に溶接される部分とは同様の構成を有するため、以下、第1連結部材12のうち前記一方の側板11に溶接される部分のみについて説明する。
図2に示すように、側板11は、軸方向D1に溶接された4枚の側板片16〜19を備えている。
側板片16〜19は、軸方向D1に沿って一列に配置されているとともに、側板片16〜19の互いに隣接するもの同士が溶接されている。具体的に、側板片16の先端部と側板片17の基端部とが互い突合せ溶接され、側板片17の先端部と側板片18の基端部とが互いに突合せ溶接され、側板片18の先端部と側板片19の基端部とが互いに突合せ溶接されている。側板片16と側板片17との境界線(溶接線W1)は、ブーム5におけるボス14よりも基端側の位置に設けられている。側板片17と側板片18との境界線(溶接線W2)は、ブーム5におけるボス14よりも先端側の位置に設けられている。側板片18と側板片19との境界線(溶接線W3)は、ブーム5における溶接線W2よりも先端側の位置に設けられている。以下、溶接線W1〜W3のうちの主に溶接線W1に関する構成について説明する。
図4及び図5を参照して、側板片16、17は、ほぼ同じ厚みを有している。側板片16の表裏両面には、ピーニング処理部R1、R3が溶接線W1に沿って設けられている。同様に、側板片17の表裏両面には、ピーニング処理部R2、R4が設けられている。ピーニング処理部R1〜R4は、側板片16、17の疲労強度を向上するために側板片16、17に対して圧縮残留応力が導入されることにより形成された部分である。
第1連結部材12は、溶接線W1に下から重ねられた状態で両側板片16、17の第一縁部(図の下縁部)の端面に溶接された第1連結片20と、第1連結片20に嵌合した状態で両側板片16、17の第一縁部の端面に溶接された第1連結部材本体21とを備えている。
図8は、第1連結片20と側板片16、17とを分離して示す斜視図であり、図9及び図10は、第1連結部材12を第1連結片20と第1連結部材本体21とに分解して示す斜視図である。
第1連結片20は、図8〜図10に示すように、後述する第1連結部材本体21の第1被嵌合部21eに嵌合可能な形状を有する板部材である。具体的に、第1連結片20は、対向方向D2の外側に向く外側面20aと、対向方向D2の内側に向く内側面20bと、外側面20aと内側面20bとの間に設けられた傾斜面20c、20dとを有する。内側面20b及び傾斜面20c、20dは、第1接触面に相当する(以下、第1接触面20b〜20dともいう)。
外側面20a及び内側面20bは、軸方向D1に略平行に延びている。
一方、傾斜面20c、20dは、図5に示すように軸直交方向D3の視点において軸方向D1と平行する仮想軸に対して交差する交差部分であり、当該仮想軸に対して傾斜している。具体的に、傾斜面20cは、対向方向D2の外側に向かうに従い軸方向D1の基端側に延びている。一方、傾斜面20dは、対向方向D2の外側に向かうに従い軸方向D1の先端側に延びている。傾斜面20c及び傾斜面20dは、軸直交方向D3の視点(図5)において内側面20bの中点を通り対向方向D2と平行する直線について線対称である。また、傾斜面20c、20dの軸方向D1と平行する仮想軸に対する角度(劣角)は、それぞれ約40°に設定されている。
図9及び図10を参照して、第1連結部材本体21は、当該第一連結部材本体21を軸直交方向D3に貫通するとともに第1連結片20と嵌合可能な第1被嵌合部21eを有する板部材である。第1被嵌合部21eは、第1連結部材本体21の対向方向D2の端面において開く溝である。具体的に、第1連結部材本体21は、対向方向D2の外側面(端面)21aと、第1被嵌合部21eを取り囲む内側面21b、傾斜面21c、21d(第1内面:以下、第1内面21b〜21dともいう)とを備えている。
外側面21a及び内側面21bは、軸方向D1に略平行に延びている。内側面21bの軸方向D1の長さは、第1連結片20の内側面20bの軸方向D1の長さと略同一である。
一方、傾斜面21c、21dは、図5に示すように軸直交方向D3の視点において軸方向D1と平行する仮想軸に対して傾斜している。具体的に、傾斜面21cは、第1連結片20の傾斜面20cと略平行に延びている。一方、傾斜面21dは、第1連結片20の傾斜面20dと略平行に延びている。つまり、第1連結片20は、第1被嵌合部21e内に対向方向D2に挿入可能な形状を有する。第1連結片20が第1被嵌合部21eに挿入された状態で、第1連結片20の外側面20a及び第1連結部材本体21の外側面21aは、同一平面上に配置される。
以下、側板11と連結部材12との溶接個所について説明する。
図3及び図4に示すように、側板11の第1縁部の端面は、対向方向D2の外側に設けられた隅肉溶接部W4によって第1連結部材本体21の表面(上面)に溶接されている。なお、側板11の第2縁部の端面は、対向方向D2の外側に設けられた隅肉溶接部W5によって第2連結部材13の表面(下面)に溶接されている。
一方、図5、図6、図9及び図10に示すように、側板11の第1縁部の端面は、対向方向D2の両側に設けられた隅肉溶接部W6、W7によって第1連結片20の表面に対して溶接されている。
なお、図4及び図5では、説明の便宜上、隅肉溶接部W4と隅肉溶接部W6とが離れた状態を示しているが、両溶接部W4、W6は、傾斜面20c、20d上で互いに連結されていることが好ましい。同様に、図5では、隅肉溶接部W7が傾斜面20c、20dから離れた状態を示しているが、隅肉溶接部W7は、傾斜面20c、20d上まで延びていることが好ましい。これらの点は、図9〜図12でも同様である。
そして、図5に示すように、第1連結片20及び第1連結部材本体21は、第1接触面20b〜20d(第1内面21b〜21b)に沿って互いに突合せ溶接されている。つまり、第1連結片20及び第1連結部材本体21は、第1接触面20b〜20dと第1内面21b〜21dとが接触した状態(第1連結片20が第1被嵌合部21eに嵌合した状態)で、互いに突合せ溶接されている。
ここで、第1接触面20b〜20dと第1内面21b〜21dとの溶接時の熱は、側板11における第1連結片20の近傍の範囲に伝達される。この熱が所定温度以上になると、ピーニング処理部R1〜R4による側板11の疲労強度向上の効果が急激に減少する。以下、図7を参照して、ピーニング処理部R1〜R4に対する熱影響について説明する。
図7は、連結片と結部材本体との溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度に対する連結片と連結部材本体との溶接後のピーニング処理部における側板11の硬度との比率を示すグラフである。なお、硬度及び疲労強度は、高強度鋼を除き、一般に比例する関係にあるため、図7において側板11の硬度を比較することにより当該側板11の疲労強度の比率を確認することができる。
図7においては、連結片と連結部材本体との溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度が基準(100%)として設定されている。ピーニング処理部における側板11の硬度は、ピーニング処理前の側板11の硬度に対し約5%向上している。
また、連結片に対する連結部材本体の溶接時に100℃以上400℃以下となるピーニング処理部における側板11の硬度は、連結片と連結部材本体との溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度以上の硬度を維持している。ここで、連結片と連結部材本体との溶接時に200℃以上400℃以下となるピーニング処理部における側板11の硬度が連結片と連結部材本体との溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度を超えている理由は、側板11にひずみ時効が生じているためであると考えられる。
一方、連結片と連結部材本体との溶接時に500℃以上となるピーニング処理部における側板11の硬度は、連結片と連結部材本体との溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度よりも低くなっている。
そこで、第1連結片20は、第1連結片20と第1連結部材本体21との溶接時(第1接触面20b〜20dと第1内面21b〜21dとの溶接時)に側板11において温度が400℃以下となる領域にピーニング処理部R1〜R4を配置することができる大きさを有する。
具体的に、図5に示すように、側板片16、17同士の溶接部(溶接線W1)は、第1連結片20の軸方向D1の中央位置で、かつ、対向方向D2において外側面20aよりも内側面20bに近い位置に配置されている。そのため、ピーニング処理部R1〜R4のうち第1接触面20b〜20dに最も近いのは、内側のピーニング処理部R3、R4である。そこで、ピーニング処理部R3、R4から第1接触面20b〜20d(第1実施形態では傾斜面20c、20d)までの最短距離D4は、第1接触面20b〜20dと第1内面21b〜21dとの溶接時にピーニング処理部R3、R4の温度が400℃以下となるように設定されている。最短距離D4は、10mm以上に設定されている。なお、ピーニング処理部R4に対する最短距離D4についての図示は省略している。
以下、上述したブーム5の製造方法について説明する。
まず、図2に示すように、側板片16〜19を溶接線W1〜W3に沿って軸方向D1に溶接する(側板片溶接工程)。
次いで、図8の矢印Y1に示すように、第1連結片20を下から溶接線W1に重ねるとともに、この状態で第1連結片20を両側板片16、17の第1縁部の端面に対して隅肉溶接部W6、W7(図9及び図10参照)によって溶接する(第1連結片溶接工程)。
ここで、両側板11と第1連結部材12と第2連結部材13とによって閉断面を形成するために、両側板11、第1連結部材12及び第2連結部材13の位置関係(以下、閉断面形成のための位置関係という)が予め設定されている。前記第1連結片溶接工程では、閉断面形成のための位置関係で両側板11、第1連結部材12及び第2連結部材13を組み付け可能となるように側板11と第1連結片20とを位置決めし、この状態で両者を溶接する。本実施形態において、第1連結片20は、その外側面20a及び内側面20bが軸方向D1に平行するように両側板片16、17に対して位置決めされた状態で、側板11に溶接される。
第1連結片溶接工程の後、図9及び図10に示すように、両側板片16、17の両側面に対し溶接線W1に沿ってピーニング処理部R1〜R4を形成する(処理施工工程)。
これにより、両側板片16、17にピーニング処理部R1〜R4が設けられているとともに、この両側板片16、17に第1連結片20が溶接されたアタッチメント構成部材5Aが製造される。
ここで、処理施工工程の前に溶接線W1付近の第1連結片20の溶接を済ませているため、ピーニング処理部R1〜R4は、第1連結片20の溶接時の熱影響を受けない。
処理施工工程の後、前記閉断面形成のための位置関係に即した位置関係となるように、第1連結部材本体21と側板11(第1連結部材20)とを位置決めする(第1位置決め工程)。具体的に、図8及び図9の二点鎖線で示す第1連結部材本体21上の位置に側板11が配置されるように、第1連結部材本体21と側板11とを位置決めする。これにより、第1連結部材本体21の第1被嵌合部21eと第1連結片20とが嵌合する。換言すると、第1位置決め工程では、結果として第1被嵌合部21eと第1連結片20とが嵌合するように第1連結部材本体21と側板11とを位置決めする。
ここで、第1被嵌合部21eは、対向方向D2の外側に向けて互いに離れる傾斜面21c、21dを有しているため、第1連結片20を対向方向D2に沿って第1被嵌合部21e内に容易に挿入することができる。
第1位置決め工程が行われている状態で、両側板片16、17の第1縁部の端面に対して隅肉溶接部W4(図3参照)により第1連結部材本体21を溶接する(第1本体溶接工程)。
また、第1位置決め工程が行われている状態で、図5に示すように、第1接触面20b〜20dと第1内面21b〜21dとを溶接する(第1接触面溶接工程)。上述のように、ピーニング処理部R3、R4から第1接触面20b〜20dまでの最短距離D4は、第1接触面20b〜20dと第1内面21b〜21dとの溶接時にピーニング処理部R3、R4の温度が400℃以下となるように設定されている。そのため、第1接触面溶接工程時の熱によりピーニング処理部R1〜R4による疲労強度向上効果が失われることはない。
なお、第1本体溶接工程及び第1接触面溶接工程の順序は逆でもよい。
そして、両側板11に第1連結部材12が溶接された後、当該両側板11の第2縁部の端面に対して隅肉溶接部W5(図3参照)により第2連結部材13を溶接する。これにより、軸方向D1に延びるとともに軸方向D1と直交する方向において閉断面を有するブーム5を製造することができる。
なお、両側板11に対して第2連結部材13を溶接した後に第1連結部材12を溶接してもよい。
以上説明したように、第1連結部材12を第1連結片20と第1連結部材本体21とに分割するとともに第1連結部材本体21の溶接に先立って第1連結片20が側板片16、17に対して溶接されている。これにより、ピーニング処理の前に、溶接線W1付近の第1連結部材12(第1連結片20)の溶接を済ませることができる。そして、第1連結片20が溶接された両側板片16、17にピーニング処理を施すことによりアタッチメント構成部材が製造される。
ここで、第1連結片20は、第1接触面20b〜20dと第1内面21b〜21dとの溶接時の温度が400℃以下となる領域にピーニング処理部R1〜R4を配置することができる大きさを有する。つまり、アタッチメント構成部材に対する第1連結部材本体21の溶接個所のうち最も近接する溶接個所からの熱によりピーニング処理部R1〜R4が上昇する温度を400℃以下に抑えることができる。
図7に示すように、ピーニング処理の効果は、第1連結部材本体21の溶接時に側板11においてピーニング処理部の温度が400℃を超えると、急激に低下することが確認されている。
そのため、ピーニング処理部R1〜R4により側板片16、17同士の溶接部において側板11の疲労強度を向上することができるとともに、この疲労強度の向上効果が第1連結部材12の溶接時に低下するのを抑制することができる。
また、第1実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
第1実施形態では、第1接触面20b〜20dのうち軸直交方向D3の視点(図5)において軸方向D1と平行する仮想軸と交差する傾斜面(交差部分)20c、20dが可撓軸に対して傾斜している。
これにより、第1連結片20と第1連結部材本体21との溶接後に第1連結部材12に軸直交方向D3の曲げ力が加えられた場合(第1連結部材12に引張応力又は圧縮応力が生じた場合)であっても、傾斜面20c、20d及び傾斜面21c、21dの溶接部に対して溶接線と直交する方向に生じる応力の成分を低減することができる。そのため、第1連結片20と第1連結部材本体21との溶接強度を十分に確保することができる。
具体的に、傾斜面20c、20dの仮想軸に対する角度が45°以下(約40°)に設定されている。
そのため、傾斜面20c、20dが仮想軸と直交する場合と比較して、傾斜面20c、20dと傾斜面21c、21dとの溶接部に対して溶接線と直交する方向に生じる応力の成分を約7割(1/√2)以下に低減することができる。
第1連結片20を第1被嵌合部21e内に対向方向D2に挿入することができるため、第1被嵌合部21eを貫通穴により構成する場合と比較して、第1連結片20と第1連結部材本体21との位置決め作業が容易になる。
<第2実施形態(図11)>
第1実施形態に係る第1連結片20は、軸直交方向D3の視点(図5)において軸方向D1に対称な傾斜面20c、20dを有しているが、第1連結片の形状はこれに限定されない。以下、第1実施形態のうち第1実施形態と相違する部分について主に説明する。
第2実施形態に係る第1連結片22は、後述する第1連結部材本体24の第1被嵌合部24eに嵌合可能な形状を有する板部材である。具体的に、第1連結片22は、軸方向D1の外側を向く外側面22aと、軸方向D1の内側を向く内側面22bと、軸直交方向D3の視点において軸方向D1と平行する仮想軸に対して傾斜する傾斜面22c、22dとを有する。内側面22b及び傾斜面22c、22dは、第1接触面に相当する。
第1実施形態と異なり、傾斜面22c、22dは、互いに略平行に延びている。つまり、第2実施形態に係る第1連結片22は、軸直交方向D3の視点において平行四辺形の形状を有する。
一方、第1連結部材本体24は、当該第1連結部材本体24を軸直交方向D3に貫通するとともに第1連結片22と嵌合可能な第1被嵌合部24eを有する板部材である。第1被嵌合部24eは、第1連結部材本体24の対向方向D2の端面において開く溝である。具体的に、第1連結部材本体24は、対向方向D2の外側面(端面)24aと、第1被嵌合部24eを取り囲む内側面24b、傾斜面24c、24d(第1内面)とを備えている。
第1実施形態と異なり、傾斜面24c、24dは、第1連結片22の傾斜面22c、22dと略平行に延びている。
このように第1連結片22が平行四辺形の形状を有する場合においても、第1連結部材本体24の対向方向D2の端面において開く第1被嵌合部24eを形成することにより、当該第1被嵌合部24e内に対向方向D2に第1連結片22を挿入することができる。
なお、第1実施形態の第1連結片20において、内側面20bを省略し、傾斜面20c、20d同士が互いに交差する三角形の形状を有する第1連結片を用いることもできる。
<第3実施形態(図12)>
前記実施形態では、多角形の形状を有する第1連結片について説明したが、図12に示すように、軸直交方向D3の視点(図12)において円弧面23bを有する第1連結片23を用いることもできる。以下、上述の実施形態と異なる部分について主に説明する。
第1連結片23は、後述する第1連結部材本体25の第1被嵌合部25cに嵌合可能な形状を有する板部材である。具体的に、第1連結片23は、対向方向D2の外側を向く外側面23aと、対向方向D2の内側を向く円弧面23bとを有する。円弧面23bは、第1接触面に相当する。
円弧面23bの中心位置(図示せず)は、対向方向D2において外側面23aの外側に設定されている。これにより、第1連結片23は、対向方向D2の外側に向けて広がる形状を有する。
一方、第1連結部材本体25は、当該第1連結部材本体25を軸直交方向D3に貫通するとともに第1連結片23と嵌合可能な第1被嵌合部25cを有する板部材である。第1被嵌合部25cは、第1連結部材本体25の対向方向D2の端面において開く溝である。具体的に、第1連結部材本体25は、対向方向D2の外側面(端面)25aと、第1被嵌合部25cを取り囲む円弧面25bとを備えている。
円弧面25bは、第1連結片23の外側面23aと第1連結部材本体25の外側面25aとが同一平面上に配置された状態で、第1連結片23の円弧面23bに接触する。つまり、円弧面25bの中心位置(図示せず)も、対向方向D2において外側面25aの外側に設定されている。これにより、第1実施形態の第1被嵌合部21eと同様に、第1被嵌合部25cは、対向方向D2の外側に向けて広がる形状を有する。そのため、第1連結片23を対向方向D2に沿って第1被嵌合部25c内に容易に挿入することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、例えば、次の態様を採ることもできる。
前記実施形態では、図面における側板11の上縁部を第1縁部とし、図面における側板11の下縁部を第2縁部として説明したが、第1縁部及び第2縁部の向きは限定されない。
ただし、少なくとも側板11の下側に位置する縁部に溶接される連結部材が連結片と連結部材本体とに分割されていれば、以下の効果を得ることができる。
油圧ショベル1による掘削作業を行う場合、ブーム5には、当該ブーム5の先端部が上向きに変位するような曲げ変形が生じる。この曲げ変形により、側板11の第1連結部材12との溶接部近傍には側板11の第2連結部材13との溶接部近傍と比較して大きな引張応力が発生する。この場合、前記引張応力は、側板片16〜19同士の溶接個所に対して不利に働き、ブーム5の寿命を短くするおそれがある。そこで、側板11の下側に溶接される第1連結部材12が第1連結片20と第1連結部材本体21とに分割されていることにより、側板片16〜19同士の溶接個所の下端部まで確実にピーニング処理による疲労強度向上効果を発揮させることができる。そのため、ブーム5の寿命を延ばすことができる。
ピーニング処理部R1〜R4は、溶接線W1に沿って側板片16、17の双方に形成されているが、側板片16、17の一方に設けられていてもよい。ただし、互いに隣接する側板片の厚みが異なる場合、少なくとも厚みの小さな側板片にピーニング処理部が設けられていることが好ましい。
また、ピーニング処理部の設けられている箇所は、溶接線W1に限定されず、溶接線W1〜W3の少なくとも1つに沿って側板片17〜19の少なくとも1つに設けることができる。この場合、ピーニング処理部が設けられている溶接線W1〜W3に重なるように、少なくとも1つの第1連結片を設けることもできる。
前記実施形態では、第1被嵌合部21e、24e、25cとして第1連結部材本体21、24、25の対向方向D2の端面で開く溝を例示したが、第1被嵌合部は、第1連結部材本体を軸直交方向D3に貫通する穴でもよい。
前記実施形態では、側板11の第1縁部に溶接される第1連結部材12が第1連結片20、22、23と第1連結部材本体21、24、25とに分割されている構成について説明したが、第2連結部材13についても同様の構成を適用することができる。
この場合、図示を省略するが、第2連結部材13は、第1連結片に相当する第2連結片と、第1連結部材本体に相当する第2連結部材本体とを有する。第2連結部材本体は、第1被嵌合部に相当する第2被嵌合部を有する。一方、第2連結片は、第2連結片が第2被嵌合部に嵌合した状態で第2連結部材本体の第2被嵌合部を取り囲む第2内面と接触可能な第2接触面を有する。また、第2連結片は、第2接触面と第2内面との溶接時に側板11において温度が400℃以下となる領域にピーニング処理部R1〜R4を配置することができる大きさを有する。
この第2連結部材13を有するブーム5を製造する場合、側板片16、17同士の溶接後(側板片溶接工程後)であってピーニング処理部R1〜R4の形成前(処理施工工程前)の段階で、第2連結片を両側板片16、17に溶接する(第2連結片溶接工程)。そして、処理施工工程の後、第2被嵌合部に第2連結片が嵌合するように第2連結部材本体を第2連結片に対して位置決めする(第2位置決め工程)。この第2位置決め工程が行われている状態で、両側板片16、17の第2縁部の端面に第2連結部材本体を溶接するとともに(第2本体溶接工程)、第2内面と第2接触面とを溶接する(第2接触面溶接工程)。
このようにすれば、側板11と第1連結部材12との溶接時だけでなく側板11と第2連結部材13との溶接時においても、ピーニング処理部R1〜R4による側板11の疲労強度の低下を抑制することができる。
したがって、第1連結部材12及び第2連結部材13の溶接時における側板11の強度低下を確実に抑えることができる。
また、本発明のアタッチメントは、ブーム5に限定されない。例えば、アーム6をアタッチメントとして製造することもできる。
D1 軸方向
D2 対向方向
D3 軸直交方向
R1〜R4 ピーニング処理部
W1 溶接線(側板片同士の溶接線)
1 油圧ショベル(建設機械の一例)
5 ブーム(アタッチメントの一例)
11 側板
12 第1連結部材
13 第2連結部材
16、17 側板片
20、22、23 第1連結片
20b、22b 内側面(第1接触面の一例)
20c、20d、22c、22d 傾斜面(第1接触面の一例)
21、24、25 第1連結部材本体
21b、24b 内側面(第1内面の一例)
21c、21d、24c、24d 傾斜面(第1内面の一例)
21e、24e、25c 第1被嵌合部
23b 円弧面(第1接触面の一例)
25b 円弧面(第1内面の一例)

Claims (11)

  1. 軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する対向方向に対向する一対の側板と、前記軸方向及び前記対向方向と直交する軸直交方向における前記側板の第1縁部同士を連結する第1連結部材と、前記軸直交方向における前記第1縁部と反対側の前記側板の第2縁部同士を連結する第2連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントを製造するためのアタッチメント構成部材であって、
    前記側板を構成するために溶接線を介して前記軸方向に互いに溶接された一対の側板片と、
    前記第1連結部材の一部を構成するために前記溶接線に重ねられた状態で両側板片の第1縁部の端面に溶接された第1連結片とを備え、
    前記両側板片の少なくとも一方には、前記溶接線に沿ってピーニング処理部が形成され、
    前記第1連結部材のうち前記第1連結片以外の部分を構成するための第1連結部材本体は、当該第1連結部材本体を前記軸直交方向に貫通するとともに前記第1連結片と嵌合可能な第1被嵌合部を有し、かつ、前記第1連結片が前記第1被嵌合部に嵌合した状態で前記両側板片の第1縁部の端面に溶接されるものであり、
    前記第1連結片は、当該第1連結片が前記第1被嵌合部に嵌合した状態で前記第1被嵌合部を取り囲む前記第1連結部材本体の第1内面に接触可能な第1接触面を有するとともに、前記第1接触面と前記第1内面との溶接時に前記側板において温度が400℃以下となる領域に前記ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、アタッチメント構成部材。
  2. 前記第1接触面のうち前記軸直交方向の視点において前記軸方向と平行する仮想軸と交差する交差部分は、当該仮想軸に対して傾斜している、請求項1に記載のアタッチメント構成部材。
  3. 前記軸直交方向の視点における前記交差部分の前記仮想軸に対する角度は、45°以下である、請求項2に記載のアタッチメント構成部材。
  4. 前記第1被嵌合部は、前記第1連結部材本体の対向方向の端面において開く溝であり、
    前記第1連結片は、前記第1被嵌合部内に前記対向方向に挿入可能な形状を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載のアタッチメント構成部材。
  5. 前記アタッチメント構成部材は、前記第2連結部材の一部を構成するために前記溶接線に重ねられた状態で前記両側板片の第2縁部の端面に溶接された第2連結片をさらに備え、
    前記第2連結部材のうち前記第2連結片以外の部分を構成するための第2連結部材本体は、当該第2連結部材本体を前記軸直交方向に貫通するとともに前記第2連結片と嵌合可能な第2被嵌合部を有し、かつ、前記第2連結片が前記第2被嵌合部に嵌合した状態で前記両側板片の第2縁部の端面に溶接されるものであり、
    前記第2連結片は、当該第2連結片が前記第2被嵌合部に嵌合した状態で前記第2被嵌合部を取り囲む前記第2連結部材本体の第2内面に接触可能な第2接触面を有するとともに、前記第2接触面と前記第2内面との溶接時に前記側板において温度が400℃以下となる領域に前記ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する、請求項1〜4の何れか1項に記載のアタッチメント構成部材。
  6. 軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する対向方向に対向する一対の側板と、前記軸方向及び前記対向方向と直交する軸直交方向における前記側板の第1縁部同士を連結する第1連結部材と、前記軸直交方向における前記第1縁部と反対側の前記側板の第2縁部同士を連結する第2連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントであって、
    前記アタッチメントの一部として、請求項1〜5の何れか1項に記載のアタッチメント構成部材を備えている、建設機械のアタッチメント。
  7. 軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する対向方向に対向する一対の側板と、前記軸方向及び前記対向方向と直交する軸直交方向における前記側板の第1縁部同士を連結する第1連結部材と、前記軸直交方向における前記第1縁部と反対側の前記側板の第2縁部同士を連結する第2連結部材とを有し、前記軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する建設機械のアタッチメントを製造するための方法であって、
    前記側板を形成するための一対の側板片を溶接線に沿って前記軸方向に溶接する側板片溶接工程と、
    前記第1連結部材の一部を構成するための第1連結片を前記溶接線に重ねた状態で当該第1連結片を両側板片の第1縁部の端面に溶接する第1連結片溶接工程と、
    前記第1連結片溶接工程の後、前記両側板片の少なくとも一方に対し前記溶接線に沿ってピーニング処理部を形成する処理施工工程と、
    前記処理施工工程の後、前記第1連結部材のうち前記第1連結片以外の部分を構成するための第1連結部材本体を、当該第1連結部材本体を前記軸直交方向に貫通する第1被嵌合部に前記第1連結片が嵌合するように、前記両側板片に溶接された前記第1連結片に対して位置決めする第1位置決め工程と、
    前記第1位置決め工程が行われている状態で前記両側板片の第1縁部の端面に対して前記第1連結部材本体を溶接する第1本体溶接工程と、
    前記第1位置決め工程が行われている状態で、前記第1被嵌合部を取り囲む前記第1連結部材本体の第1内面と当該第1内面に接触する前記第1連結片の第1接触面とを溶接する第1接触面溶接工程とを含み、
    前記第1連結片溶接工程では、前記第1接触面溶接工程時に前記側板において温度が400℃以下となる領域に前記ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する前記第1連結片を用いる、建設機械のアタッチメントの製造方法。
  8. 前記第1連結片溶接工程では、前記第1接触面のうち前記軸直交方向の視点において前記軸方向と平行する仮想軸と交差する交差部分が当該仮想軸に対して傾斜するように前記第1連結片を前記両側板片に溶接する、請求項7に記載の建設機械のアタッチメントの製造方法。
  9. 前記軸直交方向の視点における前記交差部分の前記仮想軸に対する角度は、45°以下である、請求項8に記載の建設機械のアタッチメントの製造方法。
  10. 前記第1被嵌合部は、前記第1連結部材本体の対向方向の端面において開く溝であり、
    前記第1連結片溶接工程では、前記第1被嵌合部内に前記対向方向に挿入可能な形状を有する前記第1連結片を用いる、請求項7〜9の何れか1項に記載の建設機械のアタッチメントの製造方法。
  11. 前記処理施工工程の前に、前記第2連結部材の一部を構成するための第2連結片を前記溶接線に重ねた状態で当該第2連結片を前記両側板片の第2縁部の端面に溶接する第2連結片溶接工程と、
    前記処理施工工程の後、前記第2連結部材のうち前記第2連結片以外の部分を構成するための第2連結部材本体を、当該第2連結部材本体を前記軸直交方向に貫通する第2被嵌合部に前記第2連結片が嵌合するように、前記両側板片に固定された前記第2連結片に対
    して位置決めする第2位置決め工程と、
    前記第2位置決め工程が行われている状態で前記両側板片の第2縁部の端面に対して前記第2連結部材本体を溶接する第2本体溶接工程と、
    前記第2位置決め工程が行われている状態で、前記第2被嵌合部を取り囲む前記第2連結部材本体の第2内面と当該第2内面に接触する前記第2連結片の第2接触面とを溶接する第2接触面溶接工程とを含み、
    前記第2連結片溶接工程では、前記第2接触面溶接工程時に前記側板において温度が400℃以下となる領域に前記ピーニング処理部を配置することができる大きさを有する前記第2連結片を用いる、請求項7〜10の何れか1項に記載の建設機械のアタッチメントの製造方法。
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