JP6304457B2 - 貼付剤 - Google Patents

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Description

本発明は、薬物を経皮投与するための貼付剤に関する。
従来から、薬物を体内に経皮吸収させるために、貼付剤が用いられている。貼付剤は、一般的に、支持体と、粘着剤及び薬物を含む粘着剤層とを含む。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤及びシリコーン系粘着剤などが用いられている。これらの中でも、モノマーの組み合わせによって、機能や経皮吸収性能を選択することができることから、アクリル系粘着剤が多く用いられている(例えば、特許文献1など)。
そして、特許文献2には、支持体と、該支持体上に配置されており粘着基剤及び薬物を含有する粘着剤層とを備え、前記粘着基剤が、分子中にカルボキシル基及び水酸基を実質的に有さないアクリル系高分子と、ゴム系高分子とを含有し、前記アクリル系高分子がアクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル共重合体であり、前記ゴム系高分子がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体及びポリイソブチレンから選ばれる少なくとも1種であり、前記薬物が塩基性薬物及びそれらの薬理上許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である貼付剤が提案されている。
特許第4724368号公報 特許第4261911号公報
特許文献2に係る貼付剤は、皮膚に貼り付ける際には、十分なタックを発揮することができる。しかしながら、貼付後の人体の動きに伴って、皮膚に貼付した貼付剤が皮膚から容易に剥離するという問題がある。従って、人体の動きにもかかわらず、皮膚に長期間に亘って安定的に貼付することができる貼付剤が所望されている。
本発明の目的は、皮膚に貼り付ける際に優れたタックを発揮できると共に、貼付中に皮膚からの剥がれが低減された貼付剤を提供することにある。従って、本発明の貼付剤は、皮膚に長期間に亘って安定的に貼付することができ、薬物を体内に安定的に経皮吸収させることができる。
本発明の貼付剤は、支持体と、上記支持体の一面に積層一体化されてなり、アクリル系粘着剤、重量平均分子量が40000〜400000であるポリイソブチレン及び薬物を含有し、上記ポリイソブチレンと上記アクリル系粘着剤の含有比率(ポリイソブチレン/アクリル系粘着剤)が0.4〜0.8である粘着剤層とを含んでいることを特徴とする。
本発明によれば、貼付時に皮膚に対して優れたタックを発揮できると共に、貼付中に皮膚からの剥がれが低減された貼付剤を提供することができる。
本発明の貼付剤は、支持体と、上記支持体の一面に積層一体化された粘着剤層とを含む。
[粘着剤層]
粘着剤層は、アクリル系粘着剤、ポリイソブチレン及び薬物を含有している。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤としては、従来から貼付剤において用いられている粘着剤であれば特に限定されない。アクリル系粘着剤としては、アルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体を重合させてなるアクリル系重合体が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートは、エチレン性不飽和二重結合及びエステル結合(−COO−)以外の官能基を有していないことが好ましい。又、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の水素原子が官能基によって置換されていないことが好ましい。このような官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基(−COOH)、ハロゲン原子などが挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。アクリル系重合体は、単独で用いられても、2種以上を併用してもよい。
ポリイソブチレンはアクリル系粘着剤に相溶しないため、粘着剤層中では、アクリル系粘着剤とポリイソブチレンは単一相を形成せずに、それぞれが相分離して独立した相として存在している。
アクリル系粘着剤が、アルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体を重合させてなるアクリル系重合体を含有し、アルキル(メタ)アクリレートが、エチレン性不飽和二重結合及びエステル結合(−COO−)以外の官能基を有していない場合、又は、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の水素原子が官能基によって置換されていない場合、アクリル系粘着剤とポリイソブチレンとがミクロな相分離構造をとりながら良好に混合する。人体の動きなどに伴って、貼付剤に該貼付剤を皮膚から剥離させようとする力が加わった場合にあっても、粘着剤層の表面全面において、ミクロに分散したポリイソブチレンが凝集破壊しながら皮膚に対して糸を引く。糸状となったポリイソブチレンは、粘着剤層が皮膚表面から剥離するのを阻止すると共に、弾性復元力によって粘着剤層を皮膚表面に貼着した状態に復帰させる。従って、貼付剤は、人体の動きなどにかかわらず、長期間に亘って安定的に貼着した状態を維持することができる。
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、1〜16が好ましく、1〜14がより好ましく、2〜14が特に好ましく、2〜12が最も好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜16のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びヒドロシキプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アルキル基の炭素数が1〜16のアルキル(メタ)アクリレートとしては、ドデシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、ドデシル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましく、ドデシルメタクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましく、ドデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレートが特に好ましい。アルキル(メタ)アクリレートは、単独で用いられても、2種以上を併用してもよい。
アクリル系重合体としては、上述したアルキル基の炭素数が1〜16のアルキル(メタ)アクリレートと、アルキル基の炭素数が3〜16のアルキル(メタ)アクリレートとを共重合させてなるアクリル系共重合体が好ましい。アルキル基の炭素数が1〜16のアルキル(メタ)アクリレートと、アルキル基の炭素数が3〜16のアルキル(メタ)アクリレートとは、相違していることが必要である。
アルキル基の炭素数が3〜16のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なかでも、ドデシル(メタ)アクリレートが好ましい。
アクリル系共重合体としては、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレートを含む単量体を共重合させてなるアクリル系共重合体が好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレートを含む単量体を共重合させてなるアクリル系共重合体がより好ましく、ドデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートを含む単量体を共重合させてなるアクリル系共重合体が特に好ましい。
アクリル系共重合体中におけるアルキル基の炭素数が1〜16のアルキル(メタ)アクリレート成分の含有量は、40質量%以上が好ましく、45〜100質量%がより好ましく、45〜95質量%が特に好ましい。
アクリル系共重合体中におけるアルキル基の炭素数が3〜16のアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、60質量%未満が好ましく、1〜55質量%がより好ましく、5〜55質量%が特に好ましい。
アクリル系共重合体の単量体は、アルキル(メタ)アクリレート以外の、他のモノマーを含有していてもよい。他のモノマーとしては、例えば、1−ビニル−2−ピロリドン、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニルなどが挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
アクリル系重合体の重合方法としては、従来公知の方法にて行なえばよい。例えば、重合開始剤の存在下で、上述した単量体を重合する方法が挙げられる。具体的には、所定量の単量体、重合開始剤、重合溶媒、及び必要に応じて架橋剤を反応器に供給し、60〜80℃の温度で4〜48時間に亘って加熱して、単量体をラジカル重合させる。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾビス系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド(LPO)、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。重合溶媒としては、例えば、酢酸エチルやトルエンなどが挙げられる。更に、重合反応は、窒素ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
粘着剤層中におけるアクリル系粘着剤の含有量は、35質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上が特に好ましい。粘着剤層中におけるアクリル系粘着剤の含有量は、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下が特に好ましい。アクリル系粘着剤の含有量が35質量%以上であると、皮膚に対して粘着剤層がより優れたタックを発揮することができる。アクリル系粘着剤の含有量が65質量%以下であると、必要な量の薬物を粘着剤層に容易に添加することができる。
アクリル系粘着剤の溶解性パラメーター(solubility parameter)は、8.5〜10(cal/cm31/2が好ましく、8.7〜9.5(cal/cm31/2がより好ましい。アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターが8.5(cal/cm31/2以上であると、アクリル系粘着剤とポリイソブチレンとがミクロな相分離構造を形成する。アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターが10(cal/cm31/2以下であると、粘着剤層中において、アクリル系粘着剤とポリイソブチレンとがミクロな相分離構造をとりながら良好に混合している。従って、貼付剤に該貼付剤を皮膚から剥離しようとする力が加わっても、粘着剤層の全面において、ポリイソブチレンが糸を引き、貼付剤が皮膚表面から剥離するのを良好に阻止する。
溶解性パラメーター(solubility parameter)とは、J. H. Hildebrandによって定義された、分子間の凝集エネルギー(cal)の単位体積(cm3)あたりの密度(cal/cm3)の平方根である。具体的には、溶解性パラメーターδは、下記式(1)によって求められる。
δ=(E/V)1/2 (1)
(式中、δは溶解性パラメーター〔(cal/cm31/2〕であり、Eはモル凝集エネルギー(cal)であり、Vはモル容積(cm3/mol)である。)
また、溶解性パラメーターは、例えば、「溶解性パラメーター適用事例集」(谷口彰敏、(株)情報機構、2007年3月15日、p.276〜282)などに記載されている値を参照することもできる。
なお、アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターは、各モノマーの重量百分率と各モノマーの溶解性パラメーターを二乗した値とを掛け、これにより得られた値の和の平方根とする。具体的には、下記式(2)によって求められる。
δA=[(φ1×δ1 2+φ2×δ2 2+・・・+φn×δn 2)/100]1/2 (2)
(式中、δAはアクリル系粘着剤の溶解性パラメーター〔(cal/cm31/2〕である。φnは全モノマー中のn種目のモノマーの重量百分率(質量%)である。δnはn種目のモノマーの溶解性パラメーター〔(cal/cm31/2〕である。nはモノマーの種類数を表す整数である。)
(ポリイソブチレン)
粘着剤層中にはポリイソブチレンが含有されている。ポリイソブチレンは、粘着剤層中において、アクリル系粘着剤と相溶することなく、アクリル系粘着剤と単一相を形成せずに、相分離して独立した相として存在している。そして、ポリイソブチレンは、ゴム弾性を有している。
人体の動きに伴って皮膚表面が変化する。人体の動きによって、皮膚表面に貼着された貼付剤には、該貼付剤を皮膚表面から剥離させようとする剥離力が加わることがある。この剥離力によって粘着剤層が皮膚表面から浮いた状態となろうとしても、ポリイソブチレンが粘着剤層と皮膚表面との間において糸を引いた状態となる。糸状のポリイソブチレンは、粘着剤層が皮膚表面から離脱するのを阻止すると共に、弾性復元力によって皮膚表面から離れようとする粘着剤層を皮膚表面に復帰させるように作用する。その結果、粘着剤層は、皮膚表面に貼着した状態を維持する。従って、粘着剤層は、人体の動きにかかわらず、皮膚表面に貼着した状態を確実に維持し、貼付剤は、貼付後の皮膚の動きに関わりなく皮膚表面に確実に貼付した状態を維持する。
ポリイソブチレンの重量平均分子量Mwは、40000〜400000であり、60000〜150000が好ましく、65000〜100000がより好ましい。ポリイソブチレンの重量平均分子量が40000以上であると、粘着剤層が皮膚表面から浮いた状態になろうとしても、粘着剤層と皮膚表面との間で糸状となり、貼付剤が皮膚表面に貼着した状態を確実に維持する。ポリイソブチレンの重量平均分子量が400000以下であると、粘着剤層と皮膚表面との間で一時的に形成される糸状のポリイソブチレンが、粘着剤層を皮膚表面に復帰させるのに必要な弾性を発現するので好ましい。なお、ポリイソブチレンの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されるポリスチレン換算値をいう。
ポリイソブチレンが、複数種類のポリイソブチレンを含有している場合、ポリイソブチレンの重量平均分子量Mwは、下記式(3)に基づいて算出された値をいう。
Mw=[M1×W1+M2×W2+・・・+Mn×Wn]/100 (3)
(式中、Mwはポリイソブチレンの重量平均分子量である。Mnは全ポリイソブチレン中のn番目のポリイソブチレンの重量平均分子量である。Wnは全ポリイソブチレン中のn番目のポリイソブチレンの重量百分率(質量%)である。nはポリイソブチレンの種類数を表す整数である。)
ポリイソブチレンの溶解性パラメーターは、7.1〜8.3(cal/cm31/2が好ましい。ポリイソブチレンの溶解性パラメーターが7.1〜8.3(cal/cm31/2であると、粘着剤層中において、アクリル系粘着剤とポリイソブチレンとがミクロな相分離構造をとりながら良好に混合している。従って、貼付剤に該貼付剤を皮膚から剥離しようとする力が加わっても、粘着剤層の全面において、ポリイソブチレンが糸を引き、貼付剤が皮膚表面から剥離するのを良好に阻止する。なお、ポリイソブチレンの溶解性パラメーターは、アクリル系粘着剤の場合と同様の方法にて測定することができる。
アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターとポリイソブチレンの溶解性パラメーターとの差の絶対値は、0.9〜2.5(cal/cm31/2が好ましく、1.1〜1.9(cal/cm31/2がより好ましい。アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターとポリイソブチレンの溶解性パラメーターとの差の絶対値が0.9〜2.5(cal/cm31/2であると、粘着剤層中において、アクリル系粘着剤とポリイソブチレンとをミクロな相分離構造をとりながら良好に混合させることができる。従って、貼付剤に該貼付剤を皮膚から剥離しようとする力が加わっても、粘着剤層の全面において、ポリイソブチレンが糸を引き、貼付剤が皮膚表面から剥離するのを良好に阻止する。
粘着剤層中において、ポリイソブチレンとアクリル系粘着剤の含有比率(ポリイソブチレンの質量/アクリル系粘着剤の質量)は0.4〜0.8であり、0.5〜0.7が好ましく、0.55〜0.65がより好ましい。ポリイソブチレンとアクリル系粘着剤の含有比率が0.4以上であると、人体の動きにかかわらず、貼付剤を皮膚表面に安定的に貼着させておくことができる。ポリイソブチレンとアクリル系粘着剤の含有比率が0.8以下であると、皮膚に対して粘着剤層がより優れたタックを発揮することができる。
粘着剤層中におけるポリイソブチレンの含有量は、15〜40質量%が好ましく、20〜38質量%がより好ましく、25〜36質量%が特に好ましい。粘着剤層中におけるポリイソブチレンの含有量が15質量%以上であると、人体の動きにかかわらず、貼付剤を皮膚表面に安定的に貼着させておくことができる。粘着剤層中におけるポリイソブチレンの含有量が40質量%以下であると、皮膚に対して粘着剤層がより優れたタックを発揮することができる。
(可塑剤)
粘着剤層は、可塑剤を含んでいることが好ましい。可塑剤は、皮膚に対して粘着剤層がより優れたタックを発揮するので、アクリル系粘着剤及びポリイソブチレンの双方に相溶できることが好ましい。粘着剤層中にポリイソブチレンが含有されていると、粘着剤層中にポリイソブチレンが含有されていない場合に比して、皮膚に対する粘着剤層のタックが低下する。粘着剤層中に可塑剤を含有させることによって、アクリル系粘着剤を可塑化して、皮膚表面に対する粘着剤層の投錨性を向上させることができる。これにより、貼付剤を皮膚表面に貼付する際に、皮膚に対して粘着剤層が優れたタックを発揮することができ、貼付剤を皮膚に確実に貼り付けることができる。従って、ポリイソブチレンと可塑剤とを組み合わせて用いることによって、貼付剤を皮膚表面に強固に貼着することができると共に、貼付後においても、人体の動きにもかかわらず、貼付剤を安定的に皮膚表面に貼着させておくことができる。
可塑剤としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、アジピン酸イソプロピル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどのエステル類;ミリスチルアルコール、セタノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコールなどの1価アルコール;オクタンジオールなどの2価アルコール;オレイン酸、ステアリン酸などの酸類;流動パラフィンなどが挙げられる。可塑剤としては、エステル類及び流動パラフィンが好ましく、1価カルボン酸と1価アルコールとのエステル及び流動パラフィンがより好ましい。1価カルボン酸としては、例えば、ミリスチン酸、オレイン酸などが挙げられる。1価アルコールとしては、例えば、イソプロピルアルコール、デジルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコールなどが挙げられる。なお、可塑剤は、単独で用いられても、2種以上を併用してもよい。
粘着剤層中において、可塑剤とポリイソブチレンとの含有比率(可塑剤の質量/ポリイソブチレンの質量)は、2以下が好ましく、0.4以下がより好ましく、0.35以下が特に好ましい。可塑剤とポリイソブチレンとの含有比率が2以下であると、粘着剤層と皮膚表面との間で一時的に形成される糸状のポリイソブチレンが、粘着剤層を皮膚表面に復帰させるのに必要な弾性を発現するので好ましい。可塑剤とポリイソブチレンとの含有比率(可塑剤の質量/ポリイソブチレンの質量)は、0.1以上が好ましく、0.15以上がより好ましい。可塑剤とポリイソブチレンとの含有比率が0.1以上であると、粘着剤層と皮膚表面との間の距離が大きくなっても、ポリイソブチレンが糸を引き、粘着剤層を皮膚表面により確実に復帰させる。
粘着剤層中における可塑剤の含有量は、0.1〜35質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。可塑剤の含有量が0.1質量%以上であると、皮膚に対して粘着剤層が優れたタックを発揮することができる。可塑剤の含有量が35質量%以下であると、保存中の粘着剤層のコールドフローを抑制できるので好ましい。
可塑剤の溶解性パラメーターは、6.5〜9.2(cal/cm31/2が好ましく、6.5〜8.4(cal/cm31/2がより好ましく、6.7〜8.2(cal/cm31/2が特に好ましく、7.0〜8.0(cal/cm31/2が最も好ましい。可塑剤の溶解性パラメーターが6.5〜9.2(cal/cm31/2であると、可塑剤がアクリル系粘着剤及びポリイソブチレンの双方に良好に相溶し、皮膚に対して粘着剤層がより優れたタックを発揮することができる。なお、可塑剤の溶解性パラメーターは、アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターと同様の要領で測定された値をいう。
(薬物)
粘着剤層は、薬物を含んでいる。薬物としては、経皮吸収可能であればよく、例えば、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、タクリン、及びメマンチンなどのアルツハイマー治療薬;セレギリン及びロチゴチンなどのパーキンソン病治療薬;メチルフェニデートなどの注意欠陥・多動性障害治療薬;ジクロフェナク、インドメタシン、及びサリチル酸エチルなどの抗炎症薬などが挙げられる。
薬物は、30℃で液体状であり且つ可塑化効果を有している液状薬物であることが好ましい。このような液状薬物としては、リバスチグミン、セレギリン、メマンチン及びサリチル酸エチルなどが挙げられる。これらの液状薬物によれば、アクリル系粘着剤を可塑化して、皮膚表面に対する粘着剤層の投錨性をさらに向上させることができる。これにより、貼付剤を貼付する際に、皮膚に対して粘着剤層がより優れたタックを発揮することができる。
粘着剤層中における薬物の含有量は、アクリル系粘着剤100質量部に対して、1〜40質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、5〜25質量部が特に好ましい。薬物の含有量が低いと、薬物血中濃度を所望の範囲まで向上できないことがある。また、薬物の含有量が高いと、過剰の薬物が無駄となることがある。
(他の添加剤)
粘着剤層は、それぞれ上述したアクリル系粘着剤、ポリイソブチレン及び可塑剤以外にも、他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、吸収促進剤、安定化剤、充填剤などが挙げられる。
充填剤は、粘着剤層の形状保持性を調整するために用いられる。充填剤としては、例えば、無水ケイ酸、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機充填剤;炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの有機金属塩類;乳糖、結晶セルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
粘着剤層中における充填剤の含有量は、アクリル系粘着剤100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましい。充填剤の含有量が高いと、粘着剤層のタックを低下させることがある。
粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、10〜250μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、40〜150μmが特に好ましい。薄い粘着剤層では、十分な量の薬物を含有できないことがある。また、厚い粘着剤層では、凝集力が低下することがある。
[支持体]
本発明の貼付剤では、上述した粘着剤層は支持体の一面に積層一体化される。支持体は、粘着剤層中の薬物の損失を防ぎ、貼付剤に自己保持性を付与するための強度を有することが求められる。このような支持体としては、樹脂フィルム、不織布、織布、編布、アルミニウムシートなどが挙げられる。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、酢酸セルロース、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。なかでも、揮散性のある薬物であっても粘着剤層からの薬物の損失を防げることから、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
不織布を構成する素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、レーヨン、綿などが挙げられ、ポリエステルが好ましい。なお、これらの素材は、単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
支持体は、単層であっても、複数層が積層一体化された積層シートであってもよい。積層シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートシートと、不織布や柔軟な樹脂シートとが積層一体化された積層シートが挙げられる。
支持体の厚みは、特に制限されないが、2〜200μmが好ましく、2〜100μmがより好ましい。
[剥離ライナー]
本発明の貼付剤では、粘着剤層の一面に、剥離ライナーが剥離可能に積層一体化されていてもよい。剥離ライナーは、粘着剤層中の薬物の損失防止や粘着剤層を保護するために用いられる。
剥離ライナーとしては、例えば、紙及び樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。剥離ライナーの粘着剤層と対向させる面には離型処理が施されていることが好ましい。
[貼付剤の製造方法]
本発明の貼付剤の製造方法としては、例えば、(1)アクリル系粘着剤及びポリイソブチレン、薬物及び溶剤を含む粘着剤層溶液を、支持体の一面に塗工した後に乾燥させることにより、支持体の一面に粘着剤層を積層一体化し、必要に応じて、粘着剤層に剥離ライナーを、剥離ライナーの離型処理が施された面が粘着剤層に対向した状態となるように積層する方法、(2)上記粘着剤層溶液を剥離ライナーの離型処理が施された面上に塗工し、乾燥させることにより、剥離ライナー上に粘着剤層を形成し、この粘着剤層に支持体を積層一体化させる方法などが挙げられる。
粘着剤層溶液は、アクリル系粘着剤、ポリイソブチレン、薬物及び溶剤を均一に撹拌することにより得られる。溶剤としては、アクリル系粘着剤及びポリイソブチレンを溶解できるものであれば限定されないが、例えば、トルエン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、及び酢酸エチルが好ましい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
[アクリル系粘着剤Aの調製]
アクリル系粘着剤Aの調製を下記の要領で行なった。ドデシルメタクリレート13質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート78質量部及び2−エチルヘキシルアクリレート9質量部を含む単量体を、酢酸エチル50質量部に添加して、これらを撹拌することにより、反応液を得た。次に、反応液を40リットルの重合機に供給し、重合機内を80℃の窒素雰囲気とした。一方、ベンゾイルパーオキサイド0.5質量部をシクロヘキサン50質量部に溶解させて重合開始剤溶液を得た。そして、反応液に重合開始剤溶液を24時間かけて加えながら単量体を共重合させ、重合完了後に反応液に更に酢酸エチルを加えて、アクリル系粘着剤Aの含有量が35質量%である溶液を得た。アクリル系粘着剤Aの溶解性パラメーターは、9.0(cal/cm31/2であった。
(実施例1〜15、及び比較例1〜
アクリル系粘着剤A、エチルセルロース(凝集力調整剤、溶解性パラメーター:10.3(cal/cm31/2、DowChemical社製 商品名「エトセル」)、ポリイソブチレンA(重量平均分子量:340000、溶解性パラメーター:7.6(cal/cm31/2、BASF社製 商品名「Oppanol B50」)、ポリイソブチレンB(重量平均分子量:200000、溶解性パラメーター:7.6(cal/cm31/2、BASF社製 商品名「Oppanol B30」)、ポリイソブチレンC(重量平均分子量:75000、溶解性パラメーター:7.6(cal/cm31/2、BASF社製 商品名「Oppanol B15」)、ポリイソブチレンD(重量平均分子量:51000、溶解性パラメーター:7.6(cal/cm31/2、BASF社製 商品名「Oppanol B12」)、流動パラフィン(溶解性パラメーター:7.1(cal/cm31/2、カネダ社製 商品名「ハイコールM−72」)、ミリスチン酸イソプロピル(溶解性パラメーター:8.0(cal/cm31/2)、オクチルドデカノール(溶解性パラメーター:8.9(cal/cm31/2)、アジピン酸ジイソプロピル(溶解性パラメーター:8.5(cal/cm31/2)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(溶解性パラメーター:9.1(cal/cm31/2)及びリバスチグミンを、それぞれ表1〜3に示した配合量となるように配合して混合物を得、この混合物に、固形分の濃度が25質量%になるように、酢酸エチル及びトルエンを加えた後、これらを均一になるまで混合して、粘着剤層溶液を作製した。なお、表において、溶解性パラメーターは「SP」と表記した。トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは、カプリル酸及びカプリン酸を含むカルボン酸とグリセリンとのトリエステルである。
次に、剥離ライナーとして、シリコーン離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を用意した。この剥離ライナーのシリコーン離型処理面に、粘着剤層溶液を塗布し、80℃で15分間乾燥させることにより、剥離ライナーのシリコーン離型処理面に粘着剤層(厚み100μm)が形成された積層体を得た。
そして、支持体として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm)を用意した。この支持体と積層体を、支持体と粘着剤層とが対向するように重ね合わせて、積層体の粘着剤層を支持体の一面に積層一体化させることによって貼付剤を得た。
[評価]
実施例及び比較例で得られた直後の貼付剤について、下記の要領で、180°剥離試験、ボールタック試験、プローブタック試験及び保存試験(耐コールドフロー性)を行い、得られた結果を表1〜3の「初期」の欄に示した。
貼付剤を20時間皮膚に貼着した後、皮膚から剥離する直前の貼付剤(使用後)を想定した。具体的には、粘着剤層中にリバスチグミンを10質量部含有する貼付剤については、粘着剤層中のリバスチグミンの含有量を2質量部とした貼付剤(使用後)を用意した。粘着剤層中にリバスチグミンを11質量部含有する貼付剤については、粘着剤層中のリバスチグミンの含有量を3質量部とした貼付剤(使用後)を用意した。粘着剤層中にリバスチグミンを12質量部含有する貼付剤については、粘着剤層中のリバスチグミンの含有量を3質量部とした貼付剤(使用後)を用意した。貼付剤(使用後)について、下記の要領で、180°剥離試験、ボールタック試験及びプローブタック試験を行い、得られた結果を表1〜3の「API低濃度」の欄に示した。
(180°剥離試験(粘着力))
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、試験片(幅22.5mm×長さ15mm)を3枚得た。各試験片について、JIS Z0237(2009年)に規定された180°引き剥がし試験に準じて、引き剥がし粘着力(g/25mm)を測定し、これらの相加平均値を、表1〜3に示した。
(ボールタック試験(タック))
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、試験片(幅22.5mm×長さ15mm)を3枚得た。各試験片について、JIS Z0237(2009年)に規定された傾斜式ボールタック試験に準じて、最大ボールナンバーを測定した。そして、3枚の試験片の最大ボールナンバーの相加平均値を、表1〜3に示した。
(プローブタック試験)
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、試験片(面積3cm2)を3枚得た。各試験片について、プローブタックテスター(UBM社製 商品名「TA−500」)を用いて、試験片の粘着剤層の表面に、プローブを圧着力1000gにて3秒間圧着した。次に、プローブを0.01mm/sの速さで粘着剤層から引き離し、試験片の粘着剤層とプローブとが完全に剥離するまで引っ張り力を連続的に測定して引っ張りピークを得た。測定された引っ張りピークの面積を、表1〜3に示した。
(保存試験(耐コールドフロー性))
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、試験片(面積3cm2)を1枚得た。試験片を5cm×5cmの平面長方形状の透明な貼付剤用包材に封入し、60℃にて1週間保存した後、目視でコールドフローを下記基準に基づいて評価した。評価結果を表1〜3に示した。
− :粘着剤層のはみ出しはなかった。
+/−:粘着剤層の一部に僅かなはみ出しがあった。
+ :試験片の全周において、粘着剤層のはみ出しがあった。
++ :0.5mm以上の粘着剤層のはみ出しがあった。
Figure 0006304457
Figure 0006304457
Figure 0006304457
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年8月27日に出願された日本国特許出願第2015−168095号に基づく優先権を主張し、この出願の開示はその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
本発明の貼付剤は、貼付時に皮膚に対して優れたタックを発揮できると共に、貼付中に皮膚からの剥がれが低減されており、各種薬物を安定的に経皮吸収させて、薬物投与効果を安定的に得ることができる。

Claims (6)

  1. 支持体と、
    上記支持体の一面に積層一体化されてなり、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びドデシル(メタ)アクリレートを含むアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体を重合させてなるアクリル系共重合体を含み且つ溶解性パラメーターが8.5〜10(cal/cm31/2であるアクリル系粘着剤35〜65質量%、重量平均分子量が40000〜400000であり、且つ溶解性パラメーターが7.1〜8.3(cal/cm31/2 であるポリイソブチレン15〜40質量%、可塑剤、及び30℃で液状体であり且つ可塑化効果を有している液状薬物を含む薬物を含有し、上記ポリイソブチレンと上記アクリル系粘着剤の含有比率(ポリイソブチレンの質量/アクリル系粘着剤の質量)が0.5〜0.8であり、上記アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターと上記ポリイソブチレンの溶解性パラメーターとの差の絶対値が0.9〜2.5(cal/cm31/2 であり、且つ上記可塑剤と上記ポリイソブチレンの含有比率(可塑剤の質量/ポリイソブチレンの質量)が2以下である粘着剤層とを含んでいることを特徴とする貼付剤。
  2. 可塑剤の溶解性パラメーターが6.5〜9.2(cal/cm31/2であることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
  3. 可塑剤が、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルよりなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
  4. 粘着剤層中における可塑剤の含有量が、0.1〜35質量%であることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
  5. アルキル(メタ)アクリレートは、エチレン性不飽和二重結合及びエステル結合以外の官能基を有していないことを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
  6. 薬物が、リバスチグミンを含むことを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
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