JP6303659B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンターなどの液体噴射装置に関する。
液体噴射装置の一例として、記録ヘッドに設けたノズルからインクを噴射することで印刷を行うインクジェット式のプリンターがある。こうしたプリンターのうちには、記録ヘッドをキャッピングするためのキャップ部材と、キャップ部材内に収容されたインク吸収材と、キャップ部材内を吸引する吸引機構とを備えて、記録ヘッド内のインクを吸引して排出させるものがある。
このようなプリンターにおいては、インク吸収材の変形によってキャップ部材の内底部とインク吸収材との間に隙間が生じ、その隙間にインクが溜まることがある。すると、キャップ部材の内底部に設けられた大気開放口を通じてキャップ部材内を大気開放するときに、隙間に溜まったインクがインク吸収材を介して泡状になって吹き上がり、記録ヘッド内のノズルに付着することがある。
そして、このようにインクの泡がノズルに付着すると、ノズル内に形成されたメニスカスが破壊されて、インクの噴射不良を招くおそれがある。そのため、従来、インク吸収材のノズルと対面する部分に凹部を設け、この凹部に泡を収容することで、インクの泡がノズルに付着することを抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−6726号公報
ところで、吸引によって記録ヘッドから排出されたインクを保持したキャップ部材を記録ヘッドから離すとき、記録ヘッドとキャップとの間にインクの膜が張り、その膜が記録ヘッド側とキャップ側とに分断されることにより、インク吸収材上に大きな泡が生じることがある。このような泡は、インク吸収材に設けられた凹部を跨ぐほど径が大きいため、インク吸収材に設けた凹部によってノズルへの付着を抑制することができない。
そして、このようにキャッピングの解除に伴って生じた大きな泡がインク吸収材上に残っていると、次にキャッピングをする際などに記録ヘッドのノズルに接触して、ノズル内に形成されたメニスカスが破壊されてしまう、という課題がある。
なお、このような課題は、インクを噴射して印刷を行うプリンターに限らず、液体を噴射可能な液体噴射部と、同液体噴射部に対して相対移動するキャップとを有する液体噴射装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャップが液体噴射部から離れるときに生じた泡がノズルに付着することを抑制することができる液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、液体を噴射可能な複数のノズルを有して、複数の前記ノズルが第1方向に並ぶことで形成されるノズル列が、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶように複数列設けられる液体噴射部と、前記複数のノズルが開口する閉空間を形成するキャップと、前記キャップ内に配置される液体受容部と、を備え、前記液体受容部には、前記キャップが前記閉空間を形成したときに、前記ノズル列に対面する受容領域が前記ノズル列に対応して複数設けられ、前記複数の受容領域は、前記第2方向において、前記液体噴射部の前記ノズル列と前記ノズル列との間の領域と対面する位置に空間が形成されるように間隔をおいて配置される。
この構成によれば、キャップ内に配置される液体受容部は、キャップが閉空間を形成したときにノズル列に対面する受容領域を複数有するので、ノズルから流出した液体を受容領域で受容することができる。また、これら複数の受容領域は、第1方向と交差する第2方向において、液体噴射部のノズル列が形成されていない領域と対面する位置に空間が形成されるように間隔をおいて配置されている。すなわち、液体噴射部のノズル列が形成されていない領域と対面する位置には液体受容部が配置されないので、キャップが液体噴射部から離れるときに泡が生じても、その泡は第2方向において受容領域の間に形成される空間によって分断されて径が小さくなる。これにより、ノズルに向かう方向への泡の盛り上がりが抑制されるので、キャップが液体噴射部から離れるときに生じた泡がノズルに付着することを抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記キャップは、前記キャップ内の液体を排出するための排出孔が開口する底部と、前記排出孔を囲むように前記底部に立設される壁部と、を有し、前記排出孔は前記空間と連通する。
この構成によれば、キャップの底部に形成された排出孔は、第2方向において受容領域と受容領域との間に形成される空間と連通するので、この空間にノズルから排出された液体が溜まった場合には、その液体を排出孔を通じてキャップの外に排出することができる。
上記液体噴射装置において、前記第2方向は前記第1方向と直交する方向である。
この構成によれば、第1方向に延びる複数の受容領域は第1方向と直交する第2方向に並ぶように配置されるので、第2方向に並ぶ受容領域と受容領域との間の空間を確実に確保することができる。
上記液体噴射装置において、前記キャップは、前記キャップ内の液体を排出するための排出孔が開口する底部と、前記排出孔を囲むように前記底部に立設される壁部と、を有し、前記液体受容部は前記底部から離れた位置に配置される。
この構成によれば、液体受容部は底部から離れた位置に配置されるので、液体受容部を底部と接する位置に配置する場合よりも、キャップ内に溜まった液体を、排出孔を通じて速やかに流出させることができる。
上記液体噴射装置において、前記キャップが前記閉空間を形成したときの前記受容領域と前記液体噴射部との距離をLgとするとともに、前記第2方向における前記受容領域の長さをLaとすると、La÷2<Lgである。
受容領域と液体噴射部との間に、受容領域の外縁に端部が接触するように半球状の泡が生じた場合には、受容領域の面積が広いほど、同受容領域に付着した泡の最大半径が大きくなる。例えば、第2方向における受容領域の長さをLaとすると、この受容領域に付着する泡の最大半径はLa÷2になる。また、このような泡が付着した受容領域に液体噴射部が近づくと、泡が液体噴射部に接触する可能性が高くなる。その点、上記構成によれば、キャップが液体噴射部に近づいて閉空間を形成したときに、受容領域と液体噴射部との距離Lgが、泡の半径であるLa÷2よりも大きいので、泡の液体噴射部への接触が抑制される。
上記液体噴射装置において、前記第1方向及び前記第2方向は前記ノズルが液体を噴射する噴射方向と交差する方向であり、前記第2方向における前記受容領域の長さをLa、前記噴射方向における前記液体受容部の長さをLbとすると、Lb<Laである。
この構成によれば、噴射方向における受容領域の長さを短くすることにより、液体受容部を配置するキャップの噴射方向におけるサイズを小さくすることができる。
上記液体噴射装置において、前記液体受容部は多孔質材からなる。
この構成によれば、多孔質材からなる液体受容部に受容された液体は、液体受容部内に形成された孔を通じて液体受容部内に吸収されたり、液体受容部を通過したりする。そのため、液体受容部が液体を受容したときに、その液体が液体受容部の受容面となる上面に溜まってノズルに接触することを抑制することができる。
一実施形態の液体噴射装置の構成を模式的に示す断面図。 キャッピング時の液体噴射装置を模式的に示す断面図。 図2における3−3線矢視断面図。 液体噴射装置の作用を説明する断面図。 キャップの変更例を示す上面図。
以下、液体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。液体噴射装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって記録(印刷)を行うインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、液体噴射装置11は、液体を噴射する液体噴射部13と、液体噴射部13のメンテナンスを行うためのメンテナンス装置14とを備えている。液体噴射部13には、液体を液滴として噴射可能なノズル22が複数設けられる。液体噴射部13は、図示しない媒体に対してノズル22から液体を噴射することで記録(印刷)を行う。
液体噴射部13は、媒体の搬送方向と交差する媒体の幅方向に往復移動可能なキャリッジ(図示略)に保持されていてもよいし、媒体の幅方向に対応する幅(長さ)を有するいわゆるラインヘッドであってもよい。
本実施形態において、ノズル22が液体を噴射する方向を噴射方向Zとする。液体噴射部13に設けられた開口面21には、ノズル22の開口となる噴射口23が複数形成されている。噴射方向Zと交差する第1方向X(図1においては紙面から手前に向かう方向)に並ぶ複数のノズル22は、ノズル列N(図3を併せて参照)を形成する。そして、液体噴射部13には、噴射方向Z及び第1方向Xと交差(例えば、直交)する第2方向Y(図1においては左方向)に並ぶように複数列設けられる。
本実施形態において、第1方向X及び第2方向Yは噴射方向Zと直交する方向として図示しているが、第1方向X、第2方向Y及び噴射方向Zの交差角度は任意に変更することができる。なお、液体噴射部13が、媒体の搬送方向と交差する媒体の幅方向に往復移動可能なキャリッジ(図示略)に保持される場合、第1方向Xは媒体の搬送方向となり、第2方向Yは媒体の幅方向(キャリッジの移動方向)となる。また、液体噴射部13が媒体の幅方向に対応する幅(長さ)を有するラインヘッドである場合、第1方向Xは媒体の幅方向となり、第2方向Yは液体噴射部13と媒体との相対移動方向(液体噴射部13が移動しない場合は、媒体の搬送方向)となる。
本実施形態では、ノズル列Nが2列ずつ第1方向Xに所定の間隔をあけて配置された様子を例示しているが、ノズル列Nは1列ずつ第1方向Xに所定の間隔をあけて配置してもよいし、3列以上を1単位として第1方向Xに所定の間隔をあけて配置してもよい。なお、液体噴射部13において、第2方向Yに間隔をあけて配置されたノズル列Nとノズル列Nとの間の領域を領域ABと表記する。
メンテナンス装置14は、キャップ15と、排出流路16を介してキャップ15に接続される回収体17と、排出流路16の途中位置に配置される吸引機構18と、通気流路19を介してキャップ15に接続される大気開放弁20とを備えている。
キャップ15は、排出流路16及び通気流路19が接続される底部31と、底部31に立設される壁部32と、壁部32の先端に設けられた弾性変形可能なリップ部33とを有して、リップ部33が開口部を形成する有底箱状をなす。また、キャップ15の底部31と壁部32とは、液体を貯留可能な液体貯留部34を形成する。
キャップ15の底部31には、排出流路16が接続される位置に、キャップ15内の液体を排出するための排出孔41が開口している。また、キャップ15の底部31には、通気流路19が接続される位置に、大気開放弁20と連通する通気孔42が開口している。排出孔41及び通気孔42は、底部31に形成された貫通孔であり、壁部32は貫通孔である排出孔41及び通気孔42を囲むように底部31に立設されている。
図2に示すように、キャップ15及び液体噴射部13のうち一方が他方に近づく方向に移動すると、リップ部33が開口面21に接触して、キャップ15が複数の噴射口23が開口する閉空間CSを囲み形成する。なお、このようにキャップ15によって噴射口23が開口する閉空間CSを形成することを「キャッピング」という。そして、キャップ15が液体噴射部13から離れる方向に相対移動すると、キャッピングは解除される。
なお、キャッピングの際にキャップ15が接触する対象は開口面21に限らず、例えば液体噴射部13の側面部分や液体噴射部13を保持する部材(図示略)とキャップ15とを接触させることで、噴射口23が開口する閉空間CSを形成することもできる。
キャップ15によって液体噴射部13のキャッピングを行うとともに大気開放弁20を閉弁した状態で吸引機構18が駆動すると、閉空間CSが減圧されて負圧になる。これにより、噴射口23を通じて液体噴射部13から液体が排出される吸引クリーニングが実行される。
吸引クリーニングは、例えばノズル22が目詰まりするなどして、液体の噴射不良が生じた場合などに、こうした噴射不良を解消するためのメンテナンス動作として行われる。そのため、吸引クリーニングによって噴射口23から排出される液体には、液体噴射部13内に混入した気泡や増粘した液体の溶質成分などが含まれる。そして、吸引クリーニングで噴射口23から排出された液体は、廃液として排出流路16を通じて回収体17に回収される。
吸引クリーニングの実行後には、大気開放弁20を開弁状態にすることで閉空間CSの負圧を解消した上で、キャップ15を液体噴射部13から離れる方向に相対移動させることでキャッピングを解除する。続いて、吸引機構18を駆動することによって、液体貯留部34に残っている液体を排出流路16を通じて回収体17に排出する空吸引を行う。
すなわち、大気開放弁20は、開弁状態になることで通気孔42を通じて閉空間CSを大気に連通させる。なお、吸引機構18は、例えば、排出流路16としてのチューブを押し潰しながら回転する回転部材を有するチューブポンプとすることができる。この場合には、回転部材によるチューブの押し潰しを解除することで、閉空間CSを大気開放することができる。このように、吸引機構18が大気開放機構として機能する場合には、通気孔42、通気流路19及び大気開放弁20を備えなくても、貫通孔である排出孔41を通じて気体がキャップ15内に流入することを許容することができる。
また、噴射不良を解消するためのメンテナンス動作として、液体噴射部13が噴射口23からキャップ15に向けて液滴を噴射するフラッシングを行うこともある。なお、フラッシングを行った後には、吸引機構18を駆動することによって、液体貯留部34に貯留された液体を、排出流路16を通じて回収体17に排出する空吸引を行う。
キャップ15の底部31には、複数の支持軸43が突設されている。キャップ15内には、支持軸43に支持される態様で、板状の液体受容部44が配置される。液体受容部44は、キャップ15が閉空間CSを形成したときに、噴射口23と対面する位置であって、底部31から離れた位置に配置されるように、キャップ15内の空間において中空の位置に配置されることが好ましい。
液体受容部44は、例えば多孔質材によって形成することができる。なお、液体受容部44は、吸引機構18に連通する排出孔41から離れた位置に配置されるので、液体受容部44には吸引機構18の吸引力が及びにくい。したがって、液体受容部44は、液体を保持しにくい材料によって構成するのが好ましい。例えば、多孔質材によって液体受容部44を形成する場合であっても、内部の気泡(空洞)が大きく、かつ連続しているなどして、吸収した液体が自重で排出される構成であることが好ましい。
液体受容部44には、キャップ15が閉空間CSを形成したときに、ノズル列Nに対面する受容領域45がノズル列Nに対応して複数設けられる。また、複数の受容領域45は、第2方向Yにおいて、液体噴射部13のノズル列Nとノズル列Nとの間の領域ABと対面する位置に空間SPが形成されるように間隔をおいて配置される。
すなわち、キャップ15が閉空間CSを形成したときに、液体受容部44の受容領域45は底部31とノズル列Nとの間に配置される。また、キャップ15が閉空間CSを形成したときに、排出孔41及び通気孔42は空間SPと連通する態様になる。
吸引クリーニングの際に噴射口23から排出された液体は、液体受容部44によって受容される。また、フラッシングは、通常、キャッピングを解除した状態で行われるが、液体受容部44は噴射口23と対応する位置に設けられるので、フラッシングの際に液体噴射部13から噴射される液体は液体受容部44によって受容される。
そして、液体受容部44が受容した液体は、液体受容部44を伝い落ちて液体貯留部34に貯留される。すなわち、キャップ15は、液体噴射部13から排出された液体を液体貯留部34に貯留することによって、吸引機構18による吸引が行われるまでの間、液体を保持する。
図3に示すように、本実施形態では、空間SPを形成するために、液体受容部44に複数の貫通孔46を形成しているが、空間SPを形成するために、第1方向Xに延びる液体受容部44を第2方向Yに並ぶように複数配置してもよい。また、液体受容部44は、壁部32との間に隙間47を形成するように、第1方向X及び第2方向Yにおける長さをキャップ15の開口部よりも小さくすることが好ましい。
図4に示すように、キャップ15が閉空間CSを形成したときの受容領域45と液体噴射部13の開口面21との距離をLgとするとともに、第2方向Yにおける受容領域45の長さをLaとすると、La÷2<Lgであることが好ましい。すなわち、La÷2=Lhとすると、Lh<Lgであることが好ましい。また、噴射方向Zにおける液体受容部44の長さ(液体受容部44の厚さ)をLbとすると、Lb<Laであることが好ましい。
次に、以上のように構成された液体噴射装置11の作用について説明する。
吸引クリーニングにおいて吸引機構18の駆動を停止したとき、キャップ15内には噴射口23から排出された液体が溜まっている。そのため、キャップ15が液体噴射部13から離れるときに、開口面21の端部とキャップ15のリップ部33との間に液体の膜が張り、この膜が液体噴射部13側とキャップ15側とに分断される結果、図1に二点鎖線で示すように、液体受容部44に接する半球状の大きな泡BLが形成されることがある。そして、このような泡BLが次のキャッピング時などにノズル22の噴射口23に接触すると、ノズル22内に形成された液体のメニスカスを乱して、噴射不良が生じるおそれがある。
その点、液体受容部44において受容領域45と受容領域45との間に空間SPがあると、その空間SPで膜が分断されるので、泡が形成されにくい。
また、図4に二点鎖線示すように受容領域45に接する泡BSが形成されたとしても、受容領域45の短辺の長さ(本実施形態では第2方向Yにおける長さ)が泡BSの直径の最大値となるため、空間SPがない場合よりも、泡BSの半径が小さくなる。すなわち、噴射方向Zにおける泡BSの長さが短くなるため、ノズル22の噴射口23に泡BSが接触しにくくなる。
特に、La÷2<Lgである場合には、泡BSの半径の最大値Br=La÷2=Lhが受容領域45と液体噴射部13との距離Lgよりも短くなるので、泡BSとノズル22との接触が抑制される。したがって、泡BSがノズル22のメニスカスに接触することに起因する噴射不良の発生を抑制することができる。
また、液体噴射装置11において吸引クリーニングを行うと、閉空間CSを大気開放した後に、ノズル22から排出された液体が開口面21に付着した液滴となって残ることがある。こうした液滴がノズル22から噴射される液滴に接触すると、ノズル22から噴射された液滴の飛翔方向が変化して、印刷品質を低下させてしまうことがある。その点、吸引クリーニング後に、噴射口23と対面するように配置された液体受容部44が開口面21に付着した液滴に触れることによって、液滴が開口面21から除去されるので、開口面21への液滴の付着に起因する印刷品質の低下が抑制される。
さらに、フラッシングを行うときには、ノズル22から噴射された液滴が液体貯留部34に入る前に液体受容部44によって受容される。フラッシングを行うと、液滴とともに微細なミストが生じて開口面21に付着することがある。こうしたミストが開口面21で徐々に大きくなって液滴となると、この大きくなった液滴が、ノズル22から噴射される液滴に接触して噴射された液滴の飛翔方向を変化させ、印刷品質を低下させてしまうことがある。その点、フラッシングの液滴を開口面21と底部31との間に中空配置されている液体受容部44によって受容すれば、ノズル22から噴射された液滴の飛翔距離を短くすることができる分、ミストの発生を抑制することができるので、好ましい。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)キャップ15内に配置される液体受容部44は、キャップ15が閉空間CSを形成したときにノズル列Nに対面する複数の受容領域45を有するので、ノズル22から流出した液体を受容領域45で受容することができる。また、これら複数の受容領域45は、第1方向Xと交差する第2方向Yにおいて、液体噴射部13のノズル列Nが形成されていない領域ABと対面する位置に空間SPが形成されるように間隔をおいて配置されている。すなわち、液体噴射部13のノズル列Nが形成されていない領域ABと対面する位置には液体受容部44が配置されないので、キャップ15が液体噴射部13から離れるときに泡BSが生じても、その泡BSは第2方向Yにおいて受容領域45の間に形成される空間SPによって分断されて径が小さくなる。これにより、ノズル22に向かう方向への泡BSの盛り上がりが抑制されるので、キャップ15が液体噴射部13から離れるときに生じた泡BSがノズル22に付着することを抑制することができる。
(2)キャップ15の底部31に形成された排出孔41は、第2方向Yにおいて受容領域45と受容領域45との間に形成される空間SPと連通するので、この空間SPにノズル22から排出された液体が溜まった場合には、その液体を排出孔41を通じてキャップ15の外に排出することができる。
(3)第1方向Xに延びる複数の受容領域45は第1方向Xと直交する第2方向Yに並ぶように配置されるので、第2方向Yに並ぶ受容領域45と受容領域45との間の空間SPを確実に確保することができる。
(4)液体受容部44は底部31から離れた位置に配置されるので、液体受容部44を底部31と接する位置に配置する場合よりも、キャップ15内に溜まった液体を、排出孔41を通じて速やかに流出させることができる。
(5)受容領域45と液体噴射部13との間に、受容領域45の外縁に端部が接触するように半球状の泡BSが生じた場合には、受容領域45の面積が広いほど、同受容領域45に付着した泡BSの最大半径Brが大きくなる。例えば、第2方向Yにおける受容領域45の長さをLaとすると、この受容領域45に付着する泡BSの最大半径BrはLa÷2になる。また、このような泡BSが付着した受容領域45に液体噴射部13が近づくと、泡BSが液体噴射部13に接触する可能性が高くなる。その点、上記実施形態によれば、キャップ15が液体噴射部13に近づいて閉空間CSを形成したときに、受容領域45と液体噴射部13との距離Lgが、泡BSの半径であるLa÷2よりも大きいので、泡BSの液体噴射部13への接触が抑制される。
(6)噴射方向Zにおける受容領域45の長さを短くすることにより、液体受容部44を配置するキャップ15の噴射方向Zにおけるサイズを小さくすることができる。なお、上記実施形態の液体受容部44は、液体を吸収して保持するための吸収材ではないため、噴射方向Zにおけるサイズを小さくしても、機能が低下することがない。
(7)多孔質材からなる液体受容部44に受容された液体は、液体受容部44内に形成された孔を通じて液体受容部44内に吸収されたり、液体受容部44を通過したりする。そのため、液体受容部44が液体を受容したときに、その液体が液体受容部44の受容面となる上面に溜まってノズル22に接触することを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下に示す変形例のように変更してもよい。
・図5に示す変更例のように、ノズル列Nを形成するノズル22が並ぶ第1方向Xと、複数のノズル列Nが並ぶ第2方向Yとの交差角度は、90度に限らない。すなわち、第2方向Yは第1方向Xと直交する方向でなくてもよい。また、第1方向Xが媒体の搬送方向Fに対して斜めに交差していてもよい。そして、このようなノズル列Nに対応して、キャップ15B及び液体受容部44Bが平面視において平行四辺形状をなすように、キャップ15B及び液体受容部44Bの形状を変更してもよい。
・図5に示す変更例のように、液体噴射部13のノズル列Nとノズル列Nとの間の領域ABと対面する空間SPは、ノズル列Nの延びる方向(第1方向X)において分断されていてもよい。例えば、液体受容部44Bに、ノズル列Nの延びる方向(第1方向X)に並ぶ複数の貫通孔46を設ける場合には、空間SPがノズル列Nの延びる方向において分断される。
・キャップ15に液体受容部44を支持する支持軸43を設けず、液体受容部44が壁部32に係止されるようにしてもよい。
・キャップ15に液体受容部44を支持する支持軸43を設けず、液体受容部44を底部31と接するように配置してもよい。この場合、排出孔41を貫通孔46(空間SP)と連通するように配置すれば、空間SPに溜まった液体を、排出孔41を通じて速やかに排出することができる。
なお、多孔質材からなる液体受容部44が通気孔42を覆うように底部31と接する位置に配置されている場合には、通気孔42を通じてキャップ15内に気体が流入するときに、多孔質材を介して液体が泡状になるおそれがある。このように多孔質材を介して生じる泡は、上記実施形態において説明した泡BL,BSのように単一の大きな泡ではなく、複数の微小な泡が互いに接触して塊となったものであるが、このような泡の塊が生じた場合にも、同泡の塊が空間SPに収容されることにより、ノズル22への付着が抑制される。
また、液体受容部44の膨張等に起因して液体受容部44の底面が凹状に変化して、こうした凹状の底面と底部31との間にできた隙間に液体が溜まると、この隙間に連通する通気孔42から気体が流入した場合に泡の塊が生じやすくなる。その点、第2方向Yにおいて液体受容部44(受容領域45)が間隔をおいて配置されれば、液体受容部44が第2方向Yに連続して配置される場合と比較して、液体受容部44の底面が凹状に変形しにくいので、底部31との間に隙間が生じにくい。すなわち、液体受容部44の変形を抑制することによって、通気孔42を通じて大気開放を行う際に、泡の発生を抑制することができる。
・キャップ15における排出孔41及び通気孔42の配置は任意に変更することができる。例えば、排出孔41及び通気孔42を壁部32に設けてもよい。この場合にも、液体貯留部34に貯留された液体を排出するために、排出孔41は底部31に近い位置に配置することが好ましい。
・液体受容部44は、例えば金網や織物のようなメッシュ状の部材によって構成することもできる。すなわち、液体受容部44は、吸引クリーニングの後に液滴に接触したり、フラッシング時に液滴を受容したりすることができればよいので、液体を吸収しない材料によって形成してもよい。ただし、液体受容部44が液体を吸収することができれば、吸引クリーニングの後に開口面21から速やかに液滴を除去したり、フラッシング時に受容した液滴の跳ね返りを抑制したりすることができる。
・液体噴射部が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して記録を行う構成にしてもよい。
・媒体は用紙に限らず、プラスチックフィルムや薄い板材などでもよいし、捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。
11…液体噴射装置、13…液体噴射部、15,15B…キャップ、22…ノズル、31…底部、32…壁部、41…排出孔、44,44B…液体受容部、45…受容領域、N…ノズル列、X…第1方向、Y…第2方向、Z…噴射方向、AB…領域、CS…閉空間、SP…空間。

Claims (6)

  1. 液体を噴射可能な複数のノズルを有して、複数の前記ノズルが第1方向に並ぶことで形成されるノズル列が、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶように複数列設けられる液体噴射部と、
    前記複数のノズルが開口する閉空間を形成するキャップと、
    前記キャップ内に配置される液体受容部と、を備え、
    前記液体受容部には、前記キャップが前記閉空間を形成したときに、前記ノズル列に対面する受容領域が前記ノズル列に対応して複数設けられ、
    前記複数の受容領域は、前記第2方向において、前記液体噴射部の前記ノズル列と前記ノズル列との間の領域と対面する位置に空間が形成されるように間隔をおいて配置され
    前記キャップが前記閉空間を形成したときの前記受容領域と前記液体噴射部との距離をLgとするとともに、前記第2方向における前記受容領域の長さをLaとすると、La÷2<Lgであることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 液体を噴射可能な複数のノズルを有して、複数の前記ノズルが第1方向に並ぶことで形成されるノズル列が、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶように複数列設けられる液体噴射部と、
    前記複数のノズルが開口する閉空間を形成するキャップと、
    前記キャップ内に配置される液体受容部と、を備え、
    前記液体受容部には、前記キャップが前記閉空間を形成したときに、前記ノズル列に対面する受容領域が前記ノズル列に対応して複数設けられ、
    前記複数の受容領域は、前記第2方向において、前記液体噴射部の前記ノズル列と前記ノズル列との間の領域と対面する位置に空間が形成されるように間隔をおいて配置され
    前記第1方向及び前記第2方向は前記ノズルが液体を噴射する噴射方向と交差する方向であり、
    前記第2方向における前記受容領域の長さをLa、前記噴射方向における前記液体受容部の長さをLbとすると、Lb<Laであることを特徴とする液体噴射装置。
  3. 前記キャップは、前記キャップ内の液体を排出するための排出孔が開口する底部と、前記排出孔を囲むように前記底部に立設される壁部と、を有し、
    前記排出孔は前記空間と連通することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記第2方向は前記第1方向と直交する方向であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記キャップは、前記キャップ内の液体を排出するための排出孔が開口する底部と、前記排出孔を囲むように前記底部に立設される壁部と、を有し、
    前記液体受容部は前記底部から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記液体受容部は多孔質材からなることを特徴とする請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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