JP6302744B2 - コンタミネーション防止可能な安全キャビネット - Google Patents

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Description

本発明は、作業用チャンバと外部とのコンタミネーションを防止するコンタミネーション防止可能な安全キャビネットに関する。
前面シャッタ100によって開閉する前面開口101を有する所定容積の作業用チャンバ102と、前面開口101近傍に形成された空気流入開口103と、作業用チャンバ102の下方(直下)に位置して空気流入開口103につながる第1空気流路104と、作業用チャンバ102の後方(直後)に位置して第1空気流路104につながる第2空気流路105と、作業用チャンバ102の上方(直上)に位置して第2空気流路105につながる第3空気流路106と、給気用HEPAフィルタ107および排気用HEPAフィルタ108と、給気用HEPAフィルタ107を通流させた清浄空気を作業用チャンバ102の上方から下方に向かって給気するとともに、排気用HEPAフィルタ108を通流させた清浄空気を作業用チャンバ102の外部に排気する送風ファン109とを有し、前面開口101の開口寸法に応じて作業用チャンバ102に供給する吹き出し風速と、前面開口101から吸込む吸込み風速とを制御する安全キャビネット110が開示されている(特許文献1参照)。
この安全キャビネット110では、図10示すように、利用者111が前面シャッタ100を引き上げて前面開口101を開放した使用中に給気用HEPAフィルタ107を通過した清浄空気が作業用チャンバ102(作業空間)に流入するとともに、清浄空気と前面開口101から進入する外気との混合気が前面開口101の下方に作られた空気流入開口103に流入し、その混合気が第1空気流路104から第2空気流路105に流入しつつ送風ファン109に流入する。
送風ファン109に流入した混合気は、その一部が排気用HEPAフィルタ108を通流して清浄空気となり、安全キャビネット110の外部に排気され、残部が給気用HEPAフィルタ107に流入して再び作業用チャンバ102に給気される。排気用HEPAフィルタ108から排気された空気は、安全キャビネット110を設置した室112に放出される。室112には、HEPAフィルタを通流した外気が外気取り入れ口113から給気されている。この安全キャビネット110は、給気用HEPAフィルタ107および排気用HEPAフィルタ109によって細菌やウイルス等の微生物や微細な塵埃が濾過されるから、清浄空気を室112に排気することができるとともに、清浄空気を作業用チャンバ102に給気することができる。
特開2013−51962号公報
前記特許文献1に開示の安全キャビネット110は、前面シャッタ100を引き上げて前面開口101を開放した使用中に作業用チャンバ102の内部を流動した空気がチャンバ102の前面開口101から外部に漏出、拡散しないように、チャンバ102を流動した空気と前面開口101から進入する室内空気との混合気を空気流入開口103から第1〜第3空気流路104〜106に流入させる。
しかし、前面開口101から作業用チャンバ102の内部に挿入した利用者111の手や腕の動きによって前面開口101近傍における気流が乱れ、それによって図10に矢印L1で示すようにチャンバ102を流動した空気の一部が前面開口101からチャンバ102の外部(安全キャビネット110を設置した室112)に漏出するコンタミネーションを起こす場合がある。作業用チャンバ102を流動した空気の一部が安全キャビネット110を設置した室112に漏出すると、チャンバ102に存在する細菌やウイルス等の微生物が外部に流出し、利用者111のみならず、キャビネット110を設置した室112の全域が汚染されてしまう。そのため、コンタミネーションを厳密に防止するには、1室に1台の安全キャビネット110しか設置することができない。
なお、安全キャビネット110の内部の清浄度レベルはグレードAであり、それを維持するためにグレードBの清浄度レベルの室112が必要とされる。グレードBの室112を施設する必要からその室112の周辺に清浄度レベルがグレードCやグレードDのガウニング室やデガウニング室、バッファエリア、サプライ室等の複数の室を用意しなければならず、1台の安全キャビネット110を設置するために大規模な施設を構築しなければならない。さらに、その施設の稼働状況を維持するために多量のエネルギーを消費しなければならず、省エネ化を実現することができない。
本発明の目的は、作業用チャンバの使用中におけるコンタミネーションを防ぐことができ、細菌やウイルス等の微生物による周辺汚染を防ぐことができるコンタミネーション防止可能な安全キャビネットを提供することにある。本発明の他の目的は、設置のための清浄度レベルがグレードBやグレードCの複数の室を構築する必要はなく、1室に複数台の安全キャビネットを設置することができるとともに、省エネ化を実現することができるコンタミネーション防止可能な安全キャビネットを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、前面シャッタによって開閉する前面開口を有して頂部に第1フィルタが設置された所定容積の作業用チャンバと、作業用チャンバの下方に位置して前後方向へ延びる第1空気流路と、作業用チャンバの後方に位置して第1空気流路につながって上下方向へ延びる第2空気流路と、作業用チャンバの上方に位置して第2空気流路につながって前後方向へ延びる第3空気流路と、作業用チャンバの上方から下方に向かって空気を流動させる第1送風機とを備え、作業用チャンバと外部とのコンタミネーションを防止するコンタミネーション防止可能な安全キャビネットである。
前記前提における本発明の特徴としては、安全キャビネットが、第2空気流路の後方に位置して上下方向へ延びる空気循環第1ダクトと、第1ダクトにつながって第3空気流路の上方に位置して前後方向へ延びる空気循環第2ダクトと、作業用チャンバの前方に位置して作業用チャンバを利用する利用者が出入する所定容積の作業スペースと、第1空気流路の下方に延びる第1ダクトの底部から空気を流入させる第1空気流入口と、第3空気流路から第2ダクトに空気を流入させる第2空気流入口と、第3空気流路から第2ダクトに流入する空気を濾過する第2フィルタと、作業スペースの後方エリアおよび中央エリアに位置して作業スペースに空気を給気する第1空気給気口と、第2ダクトに設置されて第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって空気を給気する第2送風機と、第2送風機によって作業スペースに給気される空気を濾過する第3フィルタと、第1空気給気口の前方に位置して作業スペースに空気を給気する第2空気給気口と、第2ダクトに設置されて第2空気給気口から作業スペースの床面に向かって空気を給気する第3送風機とを備え、安全キャビネットでは、利用者が作業スペースに存在し、作業用チャンバの前面開口が開放されている場合、第1送風機によって第1フィルタに通流させた空気を作業用チャンバの上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前面開口近傍から第1空気流路に流入させつつ第2空気流路から第3空気流路に導いてその空気の一部を再び作業用チャンバに流入させ、かつ、その空気の残部を第2フィルタに通流させつつ第2空気流入口から第2ダクトに流入させ、さらに、第2ダクトを流動する空気を第2送風機によって第3フィルタに通流させつつ第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気するとともに、第2ダクトを流動する空気を第3送風機によって第2空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気し、床面に向かった空気を第1空気流入口から第1ダクトに流入させつつ第2ダクトに流入させ、第2空気流入口から第2ダクトに流入した空気と第1ダクトから第2ダクトに流入した空気との混合気を床面に向かって再び給気する利用運転を実施することにある。
本発明の一例として、利用運転では、第3送風機から給気する空気の風速が第2送風機から給気する空気の風速よりも速い。
本発明の他の一例として、安全キャビネットでは、利用者が作業スペースに存在し、シャッタによって作業用チャンバの前面開口が閉鎖されている場合、第2ダクトを流動する空気を第2送風機によって第3フィルタに通流させつつ第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気するとともに、第2ダクトを流動する空気を第3送風機によって第2空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気し、床面に向かった空気を第1空気流入口から第1ダクトに流入させつつ第2ダクトに流入させ、第1ダクトから第2ダクトに流入した空気を床面に向かって再び給気する準備運転を実施する。
本発明の他の一例として、準備運転では、第3送風機から給気する空気の風速が第2送風機から給気する空気の風速よりも速い。
本発明の他の一例として、準備運転では、第2送風機から給気する空気の風速が利用運転において第2送風機から給気する空気の風速よりも速い。
本発明の他の一例として、安全キャビネットでは、利用者が作業スペースに存在せず、シャッタによって作業用チャンバの前面開口が閉鎖されている場合、第3送風機から空気を給気することなく、第2ダクトを流動する空気を第2送風機によって第3フィルタに通流させつつ第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気し、床面に向かった空気を第1空気流入口から第1ダクトに流入させつつ第2ダクトに流入させ、第1ダクトから第2ダクトに流入した空気を床面に向かって再び給気するアイドリング運転を実施する。
本発明の他の一例として、アイドリング運転では、第2送風機から給気する空気の風速が利用運転および準備運転において第2送風機から給気する空気の風速よりも遅い。
本発明の他の一例として、準備運転とアイドリング運転とでは、第1送風機によって第1フィルタに通流させた空気を作業用チャンバの上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前面開口近傍から第1空気流路に流入させつつ第2空気流路から第3空気流路に導いてその空気を再び作業用チャンバに流入させる。
本発明の他の一例としては、安全キャビネットが、利用者の作業スペースへの進入または退出を検出する第1検出手段と、前面開口の開放または閉鎖を検出する第2検出手段とを含み、安全キャビネットでは、第1検出手段によって利用者の進入が検出されるとともに、第2検出手段によって前面開口の開放が検出された場合に利用運転を実施し、第1検出手段によって利用者の進入が検出されるとともに、第2検出手段によって前面開口の閉鎖が検出された場合に準備運転を実施し、第1検出手段によって利用者の退出が検出されるとともに、第2検出手段によって前面開口の閉鎖が検出された場合にアイドリング運転を実施する。
本発明の他の一例としては、安全キャビネットが、第3送風機によって給気される空気を濾過する第4フィルタと、第1空気流入口から第1ダクトに流入する空気を濾過する第5フィルタとを含む。
本発明の他の一例としては、安全キャビネットが作業スペースの横方向両側に位置する側面パネルを含み、安全キャビネットでは、作業スペースが第1および第2ダクトと側面パネルと床面とに囲繞されているとともに、作業用チャンバの反対側が開放されている。
本発明の他の一例としては、第2空気給気口が作業スペースを横断して一方の側面パネルと他方の側面パネルとの間に延びるスリットであり、第3送風機から給気される空気がスリットを通過することで作業スペースの外からの空気の進入を遮断するエアーカーテンを形成している。
本発明の他の一例として、安全キャビネットでは、作業用チャンバ内部における空気の清浄度レベルがグレードAであり、作業スペースにおける空気の清浄度レベルがグレードBであり、作業スペースの外における空気の清浄度レベルがグレードCまたはグレードDである。
本発明にかかるコンタミネーション防止可能な安全キャビネットによれば、その利用運転において、第2ダクトを流動する空気を第2送風機によって第3フィルタに通流させつつ第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気するとともに、第2ダクトを流動する空気を第3送風機によって第2空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気し、床面に向かった空気を第1空気流入口から第1ダクトに流入させつつ第2ダクトに流入させ、第2空気流入口から第2ダクトに流入した空気と第1ダクトから第2ダクトに流入した空気との混合気を床面に向かって再び給気するから、第1空気給気口から作業スペースの後方エリアおよび中央エリアの床面に向かって給気された空気が作業用チャンバの前面開口の前方から第1ダクトに流入することでその空気が第1のエアーバリアを形成するとともに、第2空気給気口から作業スペースの前方エリアの床面に向かって給気された空気が第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気された空気の前方から第1ダクトに流入することでその空気が第2のエアーバリアを形成し、前面開口から作業用チャンバの内部に挿入した利用者の手や腕の動きによって前面開口近傍における気流が乱れ、チャンバを流動した空気の一部が前面開口からチャンバの外部に漏出したとしても、その空気を第1および第2のエアーバリアによって第1ダクトに流入させることができ、チャンバの外部に漏出した空気の安全キャビネットの外部への漏出や拡散を防ぐことができる。安全キャビネットは、作業用チャンバの使用中におけるチャンバの外部に漏出した空気の安全キャビネットの外部への漏出や拡散が防止されるから、チャンバの外部に漏出した空気が安全キャビネットの外部へ漏出するコンタミネーションを防ぐことができ、細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃による周辺汚染を防ぐことができる。安全キャビネットは、第1送風機によって第1フィルタに通流させた空気を作業用チャンバの上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前面開口近傍から第1空気流路に流入させつつ第2空気流路から第3空気流路に導いてその空気の一部を再び作業用チャンバに流入させるから、チャンバの使用中に第1フィルタによって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時チャンバに流入させることができ、チャンバを清浄な状態に保つことができるのみならず、第2送風機によって第3フィルタに通流させた空気を作業スペースの床面に向かって給気するから、第3フィルタによって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペースに給気することができ、作業スペースを清浄な状態に保つことができる。
利用運転において、第3送風機から給気する空気の風速が第2送風機から給気する空気の風速よりも速いコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、第3送風機から給気する空気の風速を第2送風機から給気する空気の風速よりも速くすることで、第2空気給気口から給気された空気から形成される第2のエアーバリアのバリア機能を向上させることができ、作業用チャンバの外部に漏出した空気や第1空気給気口から給気された空気が第3送風機から給気された空気(第2のエアーバリア)の外側に漏出することはなく、前面開口から作業用チャンバの外部に漏出した空気が第1空気給気口から給気された空気から形成される第1のエアーバリアを通過したとしても、その空気を第2のエアーバリアによって第1ダクトに流入させることができ、チャンバの外部に漏出した空気の安全キャビネットの外部への漏出や拡散を防ぐことができる。安全キャビネットは、作業用チャンバの使用中におけるチャンバの外部に漏出した空気の安全キャビネットの外部への漏出や拡散が確実に防止されるから、チャンバの外部に漏出した空気が安全キャビネットの外部へ漏出するコンタミネーションを防ぐことができ、細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃による周辺汚染を防ぐことができる。安全キャビネットは、第2送風機によって第3フィルタに通流させた空気を作業スペースの床面に向かって給気するから、第3フィルタによって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペースに給気することができ、作業スペースを清浄な状態に保つことができる。
利用者が作業スペースに存在し、シャッタによって作業用チャンバの前面開口が閉鎖されている場合、第2ダクトを流動する空気を第2送風機によって第3フィルタに通流させつつ第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気するとともに、第2ダクトを流動する空気を第3送風機によって第2空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気し、床面に向かった空気を第1空気流入口から第1ダクトに流入させつつ第2ダクトに流入させ、第1ダクトから第2ダクトに流入した空気を床面に向かって再び給気する準備運転を実施するコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、第1空気給気口から作業スペースの後方エリアおよび中央エリアの床面に向かって給気された空気が作業用チャンバの前面開口の前方から第1ダクトに流入することでその空気が第1のエアーバリアを形成するとともに、第2空気給気口から作業スペースの前方エリアの床面に向かって給気された空気が第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気された空気の前方から第1ダクトに流入することでその空気が第2のエアーバリアを形成し、利用者が作業スペースに存在したとしても、利用者から放出される細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃を第1および第2のエアーバリアによって第1ダクトに流入させることができ、第2送風機によって第3フィルタに通流させた空気を作業スペースの床面に向かって給気するから、第3フィルタによって利用者から放出される細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペースに給気することができ、準備運転において作業スペースを清浄な状態に保つことができる。
準備運転において、第3送風機から給気する空気の風速が第2送風機から給気する空気の風速よりも速いコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、第3送風機から給気する空気の風速を第2送風機から給気する空気の風速よりも速くすることで、第2空気給気口から給気された空気から形成される第2のエアーバリアのバリア機能を向上させることができ、第1空気給気口から給気された空気が第3送風機から給気された空気(第2のエアーバリア)の外側に漏出することはなく、利用者が作業スペースに存在し、利用者が作業スペースにおいてガウニングやデガウニングを行うことで利用者から細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が放出されたとしても、微生物や微細な塵埃を第2のエアーバリアによって第1ダクトに確実に流入させることができる。安全キャビネットは、第2送風機によって第3フィルタに通流させた空気を作業スペースの床面に向かって給気するから、第3フィルタによって利用者から放出される微生物および塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペースに給気することができ、準備運転において作業スペースを清浄な状態に保つことができる。
準備運転において、第2送風機から給気する空気の風速が利用運転において第2送風機から給気する空気の風速よりも速いコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、第2送風機から給気する空気の風速を利用運転のときよりも準備運転のときに速くすることで、第1空気給気口から給気された空気から形成される第1のエアーバリアのバリア機能を利用運転のときよりも向上させることができ、利用者が作業スペースに存在し、利用者が作業スペースにおいてガウニングやデガウニングを行うことで利用者から細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が放出されたとしても、微生物や微細な塵埃を第1のエアーバリアによって第1ダクトに確実に流入させることができる。安全キャビネットは、第2送風機によって第3フィルタに通流させた空気を作業スペースの床面に向かって給気するから、第3フィルタによって利用者から放出される微生物および塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペースに給気することができ、準備運転において作業スペースを清浄な状態に保つことができる。
利用者が作業スペースに存在せず、シャッタによって作業用チャンバの前面開口が閉鎖されている場合、第3送風機から空気を給気することなく、第2ダクトを流動する空気を第2送風機によって第3フィルタに通流させつつ第1空気給気口から作業スペースの床面に向かって給気し、床面に向かった空気を第1空気流入口から第1ダクトに流入させつつ第2ダクトに流入させ、第1ダクトから第2ダクトに流入した空気を床面に向かって再び給気するアイドリング運転を実施するコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、第2送風機によって第3フィルタに通流させた空気を作業スペースの後方エリアおよび中央エリアの床面に向かって給気しつつ、空気をスペースから第1および第2ダクトに流入させることで、第1空気給気口から給気された空気が第1のエアーバリアを形成するから、作業スペースから安全キャビネットの外部への空気の漏出や拡散を防ぐことができるとともに、第3フィルタによって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペースに給気することができ、アイドリング運転において作業スペースを清浄な状態に保つことができる。
アイドリング運転において第2送風機から給気する空気の風速が利用運転および準備運転において第2送風機から給気する空気の風速よりも遅いコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、アイドリング運転において第2送風機から給気する空気の風速を利用運転および準備運転において第2送風機から給気する空気の風速よりも遅くすることで、アイドリング運転時に利用運転や準備運転のときよりも少ない量の空気を作業スペースに給気することができるから、安全キャビネットを利用しないアイドリング運転においてエネルギーの消費を低減することができ、省エネ化を実現することができる。安全キャビネットは、第3フィルタによって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が濾過された清浄な空気を常時作業スペースに給気することができ、アイドリング運転において作業スペースを清浄な状態に保つことができる。
準備運転とアイドリング運転とにおいて、第1送風機によって第1フィルタに通流させた空気を作業用チャンバの上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前面開口近傍から第1空気流路に流入させつつ第2空気流路から第3空気流路に導いてその空気を再び作業用チャンバに流入させるコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、準備運転とアイドリング運転とにおける作業用チャンバの未使用中に、第1フィルタによって細菌やウイルス等の微生物が濾過された清浄な空気を常時作業用チャンバに流入させることができ、チャンバを清浄な状態に保つことができる。安全キャビネットは、準備運転およびアイドリング運転において、チャンバの内部が清浄な状態に保持されるから、作業用チャンバを常時使用可能な状態にしておくことができ、チャンバを直ちに使用することができる。
利用者の作業スペースへの進入または退出を検出する第1検出手段と、前面開口の開放または閉鎖を検出する第2検出手段とを含み、第1検出手段によって利用者の進入が検出されるとともに、第2検出手段によって前面開口の開放が検出された場合に利用運転を実施し、第1検出手段によって利用者の進入が検出されるとともに、第2検出手段によって前面開口の閉鎖が検出された場合に準備運転を実施し、第1検出手段によって利用者の退出が検出されるとともに、第2検出手段によって前面開口の閉鎖が検出された場合にアイドリング運転を実施するコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、第1検出手段によって利用者の作業スペースへの進入または退出を自動的に検出するとともに、第2検出手段によって前面開口の開放または閉鎖を自動的に検出し、それら検出手段の各検出信号によって利用運転や準備運転、アイドリング運転を実施するから、利用者が自ら利用運転や準備運転、アイドリング運転に切り替える必要はなく、キャビネットの使い勝手を向上させることができるとともに、利用者による各運転の切替ミスを防ぐことができ、キャビネットの安全性を向上させることができる。安全キャビネットは、第1検出手段によって利用者の進入が検出され、第2検出手段によって前面開口の開放が検出された場合、利用運転が自動的に実施されるから、作業用チャンバの外部に漏出した空気が安全キャビネットの外部へ漏出するコンタミネーションを防ぐことができ、細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃による周辺汚染を防ぐことができる。安全キャビネットは、第1検出手段によって利用者の進入が検出され、第2検出手段によって前面開口の閉鎖が検出された場合に準備運転が自動的に実施されるから、利用者から放出される微生物や微細な塵埃を第1および第2のエアーバリアによって第1ダクトに流入させることができ、ガウニングやデガウニングによって利用者から微生物や微細な塵埃が放出されたとしても、微生物や微細な塵埃をフィルタによって捕集することができ、準備運転において作業スペースを清浄な状態に保つことができる。安全キャビネットは、第1検出手段によって利用者の退出が検出され、第2検出手段によって前面開口の閉鎖が検出された場合にアイドリング運転が自動的に実施されるから、第1空気給気口から給気された空気が形成する第1のエアーバリアによって作業スペースから安全キャビネットの外部への空気の漏出や拡散を防ぐことができるとともに、第3フィルタによって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペースに給気することができ、作業スペースを清浄な状態に保つことができる。
第3送風機によって給気される空気を濾過する第4フィルタと第1空気流入口から第1ダクトに流入する空気を濾過する第5フィルタとを含むコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、第1ダクトや第2ダクトを通流する空気に細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が含まれていたとしても、それら微生物や塵埃が第4フィルタに捕集されるから、第1空気給気口から給気された空気が形成する第1のエアーバリアの清浄な状態を保持することができ、第1のエアーバリアによって作業スペースを清浄な状態に保持することができる。安全キャビネットは、第1空気流入口から第1ダクトに流入する空気に細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が含まれていたとしても、それら微生物や塵埃が第5フィルタに捕集されるから、第1および第2ダクトに流入した空気の清浄な状態に保持することができ、作業用チャンバや作業スペースに清浄な空気を給気することができる。
作業スペースの横方向両側に位置する側面パネルを含み、作業スペースが第1および第2ダクトと側面パネルと床面とに囲繞されているとともに、作業用チャンバの反対側が開放されているコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、第1および第2ダクトと側面パネルと床面とから利用者が入出可能な所定容積の作業スペースが画成され、その作業スペースが第1および第2のエアーバリアによって清浄に保持されるとともに、作業用チャンバの反対側(作業スペースの一端)が開放されているから、利用者が作業スペースに容易に入出することができるのみならず、作業スペースにおいて利用者が清浄な環境で各種の作業を行うことができる。
第2空気給気口が作業スペースを横切って一方の側面パネルと他方の側面パネルとの間に延びるスリットであり、第3送風機から給気される空気がスリットを通過することで作業スペースの外からの空気の進入を遮断するエアーカーテンを形成しているコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、利用運転において、第2のエアーバリアを形成するエアーカーテンによって作業用チャンバの外部に漏出した空気が安全キャビネットの外部へ漏出するコンタミネーションを防ぐことができ、細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃による周辺汚染を確実に防ぐことができる。安全キャビネットは、準備運転において、利用者から放出される微生物や微細な塵埃を第2のエアーバリアを形成するエアーカーテンによって第1ダクトに流入させることができ、エアーカーテンによって利用者から放出される微生物や微細な塵埃の安全キャビネットの外部への漏出や拡散を確実に防ぐことができる。
作業用チャンバ内部における空気の清浄度レベルがグレードAであり、作業スペースにおける空気の清浄度レベルがグレードBであり、作業スペースの外における空気の清浄度レベルがグレードCまたはグレードDであるコンタミネーション防止可能な安全キャビネットは、作業用チャンバ内部の空気の清浄度レベルをグレードAに保持することができるとともに、作業スペースの空気の清浄度レベルをグレードBに保持することができるから、従来技術のように清浄度レベルがグレードBの室を作り、その室に1台のみの安全キャビネットを設置し、グレードBの室の周辺に清浄度レベルがグレードCやグレードDのガウニング室やデガウニング室、バッファエリア、サプライ室等の複数の室を用意する場合と比較し、空気の清浄度レベルがグレードCまたはグレードDの1つの室に複数台の安全キャビネットを設置することができ、安全キャビネットを設置するために大規模な施設を構築する必要がない。
一例として示す安全キャビネットの側面図。 安全キャビネットの正面図。 安全キャビネットの上面図。 安全キャビネットを設置した室の一例を示す図。 安全キャビネットの各運転モードの遷移を説明するフローチャート。 図5から続く利用運転のフローチャート。 アイドリング運転の一例を示す安全キャビネットの側面図。 準備運転の一例を示す安全キャビネットの側面図。 利用運転の一例を示す安全キャビネットの側面図。 従来技術の安全キャビネットの空気の流れを示す図。
一例として示す安全キャビネット10の側面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかるコンタミネーション防止可能な安全キャビネットの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、安全キャビネット10の正面図であり、図3は、安全キャビネット10の上面図である。図4は、安全キャビネット10を設置した室11の一例を示す図である。図1〜図3では、上下方向を矢印A(図1,2のみ)、前後方向を矢印B(図1,3のみ)で示し、横方向を矢印C(図2,3のみ)で示す。図3では、人感センサ31および開閉センサ32の図示を省略している。
コンタミネーション防止可能な安全キャビネット10は、図4に示すように、複数台のそれが1つの室11に設置される。図4では、1つの室11に5台の安全キャビネット10が設置されているが、室11に設置するキャビネット10の台数を図示のそれに限定するものではなく、室11の容積によって設置するキャビネット10の台数が決定される。安全キャビネット10は、医療や製薬等において行われる遺伝子操作や細胞操作、または、感染症の研究等による細菌やウイルス等の微生物の汚染による災害(バイオハザード)を防止、または、精密機械や半導体製造時の清浄環境を用意する目的で使用される。
安全キャビネット10は、作業用チャンバ12と、第1〜第3空気流路13〜15と、作業スペース16と、空気循環第1および第2ダクト17,18と、第1および第2空気流入口19,20と、第1および第2空気給気口21,22と、第1〜第3送風機23〜25と、第1〜第5フィルタ26〜30と、人感センサ31(第1検出手段)および開閉センサ32(第2検出手段)と、コントローラ33(制御装置)とから構成されている。
作業用チャンバ12は、頂面板34、第1底面板35、前面板36、背面板37、側面板38に囲繞された六面体の箱である。頂面板34や第1底面板35、背面板37、側面板38は、スチール材やステンレス材、アルミ材、合成樹脂材から作られた矩形の板である。前面板36は、ガラス材や合成樹脂材から作られた矩形の透明板であり、その下部に開閉可能な前面シャッタ39が取り付けられている。作業用チャンバ12は、頂面板34の下部に紫外線を照射する殺菌灯(図示せず)を備えている。
前面シャッタ39は、ガラス材や合成樹脂製の透明板であり、前面板36に上下方向へ摺動可能に設置されている。前面シャッタ39を引き上げると、作業用チャンバ12に前面開口40(図9参照)が作られてチャンバ12の前面の一部(下部)が開放され、引き上げたシャッタ39を引き下げると、前面開口40が閉じられて前面が閉鎖される。後記する利用者52が作業用チャンバ12の前面開口40からチャンバ12の内部に手や腕を挿入し、チャンバ12の内部において所定の作業を行う。作業用チャンバ12の底部(第1底面板35)であって前面開口40の近傍には、空気流入開口41が作られている。空気流入開口41は、作業用チャンバ12の一方の側面板38と他方の側面板38との間に延びていてチャンバ12を横断している。
第1空気流路13は、作業用チャンバ12の下方(直下)に位置して前後方向へ延びている。第1空気流路13は、チャンバ12の第1底面板35と第1底面板35から下方へ離間して前後方向へ延びる第2底面板42との間に画成されている。第1空気流路13は、作業用チャンバ12の底部に作られた空気流入開口41につながり、空気流入開口41から流入した空気が通流する。
第2空気流路14は、作業用チャンバ12の後方(直後)に位置して上下方向へ延びている。第2空気流路14は、チャンバ12の背面板37と背面板37から後方へ離間する空気循環第1ダクト17との間に画成されている。第2空気流路14は、第1空気流路13につながり、第1空気流路13から流入した空気が通流する。
第3空気流路15は、作業用チャンバ12の上方(直上)に位置して前後方向へ延びている。第3空気流路15は、チャンバ12の頂面板34と頂面板34から上方へ離間する空気循環第2ダクト18との間に画成されている。第3空気流路15は、第2空気流路14につながり、第2空気流路14から流入した空気が通流する。
作業スペース16は、空気循環第1ダクト17(上下方向へ延びる背面パネル43を含む)と空気循環第2ダクト18(前後方向へ延びる天面パネル44を含む)と上下方向へ延びる側面パネル45と床面46とに囲繞され、利用者52が入出可能かつ利用者52が作業可能な所定の容積を有する。作業スペース16における作業用チャンバ12の直前には、利用者52が座る椅子47が設置されている。
背面パネル43や天面パネル44、側面パネル45は、スチール材やステンレス材、アルミ材、合成樹脂材から作られた矩形の板である。背面パネル43や天面パネル44、側面パネル45は、その下端縁が床面46に気密に固定されている。作業スペース16は、作業用チャンバ12の前方に画成され、チャンバ12の反対側(スペース16の前端)が開放され、出入口48を形成している。作業用チャンバ12を利用する利用者52は、作業スペース16の出入口48(前端)からスペース16に進入する。
空気循環第1ダクト17は、第2空気流路14の後方(直後)に位置して上下方向へ延びている。空気循環第1ダクト17は、第2空気流路14に並行して床面46近傍から第3空気流路15の上方へ延出している。空気循環第1ダクト17には、床面46近傍(第1空気流入口19)から流入した空気が通流する。空気循環第2ダクト18は、空気循環第1ダクト17につながり、第3空気流路15の上方(直上)に位置して前後方向へ延びている。空気循環第2ダクト18は、第3空気流路15に並行して第2空気流路14の直前から作業スペース16の上方に延出し、スペース16の出入口48(前端)まで延びている。空気循環第2ダクト18には、空気循環第1ダクト17から流入した空気が通流する。
第1空気流入口19は、床面46近傍に延びる(第1空気流路13の下方に延びる)空気循環第1ダクト17の底部に設置されている。第1空気流入口19には作業スペース16の空気が通流し、その空気が第1空気流入口19を通って空気循環第1ダクト17の底部に流入する。第2空気流入口20は、第3空気流路15の上方に延びる空気循環第2ダクト18の下部に設置されている。第2空気流入口20には第3空気流路15を流動する空気が通流し、その空気が第2空気流入口20を通って空気循環第2ダクト18に流入する。
第1空気給気口21は、作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50に延びる空気循環第2ダクト18に設置され、空気をスペース16の後方エリア49および中央エリア50の床面46に向かって給気する。第2空気給気口22は、第1空気給気口21の前方に位置し、作業スペース16の前方エリア51に延びる空気循環第2ダクト18に設置されている。第2空気給気口22は、作業スペース16を横断して一方の側面パネル45と他方の側面パネル45との間に延びるスリットである。第2空気給気口22は、空気を作業スペース16の前方エリア51の床面46に向かって給気する。
第1送風機23は、第2空気流路14の側に位置する第3空気流路15に設置され、第3空気流路15に流入した空気を作業用チャンバ12の上方(頂部)から下方(底部)に向かって流動させるとともに、第3空気流路15に流入した空気を第2空気流入口20から空気循環第2ダクト18に流入させる。第1送風機23は、その制御部が信号線または無線によってコントローラ33に接続されている。
第2送風機24は、作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50であってスペース16の上方に延びる空気循環第2ダクト18(作業用チャンバ12を利用中の利用者52の直上に延びる第2ダクト18)に設置されている。第2送風機24は、空気循環第2ダクト18に流入した空気を第1空気給気口21を介して作業スペース16の上方から下方(床面46)に向かって給気する。
第2送風機24から給気される空気は、作業用チャンバ12を利用中の利用者52の直上から利用者52に向かうとともに、作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50の床面46に向かって流動する。第2送風機24は、その制御部が信号線または無線によってコントローラ33に接続されている。
第3送風機25は、作業スペース16の前方エリア51であってスペース16の上方に延びる空気循環第2ダクト18(作業用チャンバ12を利用中の利用者52の前方に延びる第2ダクト18)に設置されている。第3送風機25は、空気循環第2ダクト18に流入した空気を第2空気給気口22(スリット)を介して作業スペース16の上方から下方(床面46)に向かって給気する。
第3送風機25から給気される空気は、スリット(第2空気給気口22)を通過することで作業スペース16の外(室11の内部)からの空気の進入を遮断するエアーカーテンを形成し、スペース16の前方エリア51の床面46に向かって流動する。第3送風機25は、その制御部が信号線または無線によってコントローラ33に接続されている。
第1フィルタ26は、作業用チャンバ16の頂部(頂面板34)に設置されている。第1フィルタ26は、フィルタケース(図示せず)に収納され、ケースを介して作業用チャンバ16の頂面板34に着脱可能に取り付けられている。第1フィルタ26は、第3空気流路15から作業用チャンバ16に流入する空気を濾過し、第3空気流路15を流動した空気に含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃を捕集し、清浄な空気を作業スペース16に送る。
第2フィルタ27は、第3空気流路15の上部であって第2空気流入口20の直下に設置されている。第2フィルタ27は、フィルタケース(図示せず)に収納され、ケースを介して第3空気流路15の上部に着脱可能に取り付けられている。第2フィルタ27は、第3空気流路15から空気循環第2ダクト18に流入する空気を濾過し、第3空気流路15を流動した空気に含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃を捕集し、清浄な空気を第2ダクト18に送る。
第3フィルタ28は、第1空気給気口21に設置され、作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50に配置されている。第3フィルタ28は、フィルタケース(図示せず)に収納され、ケースを介して第1空気給気口21に着脱可能に取り付けられている。第3フィルタ28は、空気循環第2ダクト18から作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50に向かって給気する空気を濾過し、第2ダクト18を流動した空気に含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃を捕集し、清浄な空気をスペース16の後方エリア49および中央エリア50に送る。
第4フィルタ29は、第2空気給気口22に設置され、作業スペース16の前方エリア51に配置されている。第4フィルタ29は、フィルタケース(図示せず)に収納され、ケースを介して第2空気給気口22に着脱可能に取り付けられている。第4フィルタ29は、空気循環第2ダクト18から作業スペース16の前方エリア51に向かって給気する空気を濾過し、第2ダクト18を流動した空気に含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃を捕集し、清浄な空気をスペース16の前方エリア51に送る。
第5フィルタ30は、第1空気流入口19に設置され、空気循環第1ダクト17の底部に配置されている。第5フィルタ30は、フィルタケース(図示せず)に収納され、ケースを介して第1空気流入口19に着脱可能に取り付けられている。第5フィルタ30は、第1および第2空気給気口21,22から作業スペース16に給気された空気を濾過し、スペース16を流動した空気に含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃を捕集し、清浄な空気を空気循環第1ダクト17に送る。
第1〜第5フィルタ26〜30には、HEPAフィルタが使用されている。なお、それらフィルタ26〜30は、所定期間使用された後、新しいそれと交換される。なお、第1〜第5フィルタ26〜30の集塵効率は、0.3μmの粒子において99.97%以上である。第1〜第5フィルタ26〜30には、ULPAフィルタを使用することもできる。第5フィルタ30には、その下流に位置する第1〜第4フィルタ26〜29の負担を軽減する中性能フィルタやプレフィルタを使用することもできる。
人感センサ31(第1検出手段)は、作業用チャンバ16の前面板36の上部に設置されている。人感センサ31は、信号線または無線によってコントローラ33に接続されている。なお、人感センサ31の設置箇所は、センサ31にセンシング範囲を考慮して適宜決定され、前面板36の上部以外に設置される場合がある。
人感センサ31は、作業スペース16に利用者52が進入した場合、進入信号をコントローラ33に送信し、スペース16に利用者52が存在しない場合、または、スペース16に進入した利用者52がスペース16から退出した場合、退出信号をコントローラ33に送信する。人感センサ31には、作業スペース16に不可視光線を照射し、その不可視光線の反射によって人体を検知する近赤外線反射式センサ、作業スペース16にマイクロ波を照射し、そのマイクロ波の反射によって人体を検知するマイクロ波ドップラー式センサ、作業スペース16に超音波を照射し、その超音波の反射によって人体を検知する超音波センサを使用することができる。
なお、人感センサが椅子47に設置され、利用者52が椅子47に座った場合、進入信号をコントローラ33に送信し、利用者52が椅子47から離れた場合、退出信号をコントローラ33に送信する。椅子47に設置される人感センサには、感圧スイッチを使用することができる。
開閉センサ32(第2検出手段)は、作業用チャンバ16の前面板36または前面シャッタ39に設置されている。開閉センサ32は、信号線または無線によってコントローラ33に接続されている。開閉センサ32は、前面シャッタ39が引き上げられて作業用チャンバ16の前面の一部(前面開口40)が開放された場合、開放信号をコントローラ33に送信し、チャンバ16の前面(前面開口40)が閉鎖されている場合、または、シャッタ39が引き下げられてチャンバ16の前面(前面開口40)が閉鎖された場合、閉鎖信号をコントローラ33に送信する。開閉センサ32には、リミットスイッチ、感圧スイッチ、光電スイッチ、近接センサを使用することができる。
コントローラ33は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(メインメモリおよびキャッシュメモリ)とを有するコンピュータであり、記憶デバイスが内蔵されている。コントローラ33には、テンキーユニット(図示せず)やタッチパネル(図示せず)、ディスプレイ(図示せず)等の入出力装置がインターフェイスを介して接続されている。コントローラ33の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに従って、後記するアイドリング運転、準備運転、利用運転を実施する。
コントローラ33の記憶デバイスには、アイドリング運転や準備運転、利用運転における第1〜第3送風機23〜25の発停、アイドリング運転や準備運転、利用運転における第1〜第3送風機23〜25の風速、アイドリング運転や準備運転、利用運転における第1〜第3送風機23〜25の風量の設定情報が格納されている。各種運転における第1〜第3送風機23〜25の風速や風量は、テンキーユニットやタッチパネル等の入力装置によって任意に設定することができる。
安全キャビネット10では、人感センサ31によって利用者52の作業スペース16に対する非存在が検出され、開閉センサ32によって前面シャッタ39による作業用チャンバ12の前面開口40の閉鎖が検出された場合、アイドリング運転が実施され、人感センサ31によって利用者52のスペース16への存在が検出され、開閉センサ32によってシャッタ39によるチャンバ12の前面開口40の閉鎖が検出された場合、準備運転が実施される。人感センサ31によって利用者52の作業スペース16への存在が検出され、開閉センサ32によって作業用チャンバ12の前面開口40の開放が検出された場合、利用運転が実施される。
なお、図示はしていないが、コントローラ33に接続されたタッチパネルにアイドリング運転ボタン、準備運転ボタン、利用運転ボタンを表示し、安全キャビネット10の作業スペース16に進入した利用者52が準備運転ボタンを押して準備運転を開始させてガウニング(防護服や無塵服の着用)を行い、前面シャッタ39を引き上げる直前に利用運転ボタンを押して準備運転から利用運転に切り替えることもできる。この場合、作業を終了した利用者52がシャッタ39を引き下げて前面開口40を閉鎖した後、準備運転ボタンを押して利用運転から準備運転に切り替え、デガウニングを行い、利用者52が作業スペース16から退出する直前にアイドリング運転ボタンを押して準備運転からアイドリング運転に切り替える。
図5は、安全キャビネット10の各運転モードの遷移を説明するフローチャートであり、図6は、図5から続くフローチャートである。図7は、アイドリング運転の一例を示す安全キャビネット10の側面図であり、図8は、準備運転の一例を示す安全キャビネット10の側面図である。図9は、利用運転を示す安全キャビネット10の側面図である。
安全キャビネット10を起動すると、最初にアイドリング運転が実施される(S−10)。アイドリング運転においてコントローラ33は、第1および第2送風機23,24の制御部に起動信号を送信するとともに、それら送風機23,24の制御部に風速信号を送信する。コントローラ33は、人感センサ31および開閉センサ32に起動信号を送信する。アイドリング運転では、第3送風機25が起動せず、第3送風機25の停止状態が維持される。
第1送風機23の制御部は、コントローラ33から送信された起動信号および風速信号にしたがい、その風速信号に対応する出力で第1送風機23を起動させ、第1送風機23の出力を維持する。第2送風機24の制御部は、コントローラ33から送信された起動信号および風速信号にしたがい、その風速信号に対応する出力で第2送風機24を起動させ、第2送風機24の出力を維持する。
アイドリング運転において人感センサ31は、作業スペース16への利用者52の進入、退出を監視し、開閉センサ32は、前面開口40の開放、閉鎖状態を監視する。なお、アイドリング運転では、第2送風機24から給気する空気の風速が後記する利用運転および準備運転において第2送風機24から給気する空気の風速よりも遅い。
アイドリング運転では、図7に矢印で示すように、第1送風機23が稼働することで、空気が作業用チャンバ12→第1空気流路13→第2空気流路14→第3空気流路15の順で循環し、第2送風機24が稼働することで、空気が空気循環第1ダクト17→空気循環第2ダクト18→作業スペース16の順で循環する。なお、アイドリング運転では、第3送風機25から空気は給気されない。アイドリング運転において第2送風機24(第1空気給気口21)から給気される空気の風速は、例えば、0.1〜0.2m/sの範囲、好ましくは、0.15m/sであり、第2送風機24(第1空気給気口21)から給気される空気の風量は、例えば、300〜600m3/hの範囲、好ましくは、450m3/hである。
アイドリング運転では、第1送風機23によって第1フィルタ26に通流させた空気を作業用チャンバ12の上方(頂部)から下方(底部)に向かって流動させるとともに、その空気を前面シャッタ39の直下(前面開口40近傍)に形成された空気流入開口41から第1空気流路13に流入させつつ、第2空気流路14から第3空気流路15に流入させ、その空気を再び作業用チャンバ12に流入させる。第3空気流路15から作業用チャンバ12に流入する空気は、第1フィルタ26を通流することで、それに含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃がフィルタ26に捕集され、清浄な空気となって作業用チャンバ12に給気される。
アイドリング運転では、空気循環第2ダクト18を流動する空気を第2送風機24によって第3フィルタ28に通流させつつ、第1空気給気口21から作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50の床面46に向かって上方から下方へ給気する。空気循環第1ダクト17および空気循環第2ダクト18を流動した空気は、第3フィルタ28を通流することで、それに含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃がフィルタ28に捕集され、清浄な空気となって作業スペース16の床面46に向かって給気される。
第1空気給気口21から床面46に向かった空気は、作業用チャンバ12の下方を通って第1空気流入口19から第5フィルタ30を通流した後、空気循環第1ダクト17に流入し、第1ダクト17から空気循環第2ダクト18に流入する。第1ダクト17から第2ダクト18に流入した空気は、第2送風機24によって第1空気給気口21から床面46に向かって再び給気される。作業スペース16を流動した空気は、第5フィルタ30を通流することで、それに含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃がフィルタ30に捕集され、清浄な空気となって第1ダクト17に流入する。
アイドリング運転の実施を継続中にコントローラ33は、人感センサ31によって作業スペース16への利用者52の進入が検出されたかを判断する(S−11)。作業スペース16に利用者52が進入せず、スペース16に利用者52が存在しない場合、人感センサ31は、利用者52の退出信号をコントローラ33に送信する。作業スペース16への利用者52の進入が検出されず、利用者52の退出が検出されている場合、コントローラ33は、アイドリング運転を継続して実施する(S−12)。アイドリング運転では、第1送風機23を停止させ、第2送風機24のみを稼働させてもよい。この場合、作業用チャンバ12に空気は給気されず、空気が空気循環第1ダクト17→空気循環第2ダクト18→作業スペース16の順で循環する。
コンタミネーション防止可能な安全キャビネット10は、アイドリング運転において、第2送風機24によって第3フィルタ28に通流させた空気を第1空気給気口21から作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50の床面46に向かって給気しつつ、空気をスペース16から第1および第2ダクト17,18に流入させることで、第1空気給気口21から給気された空気が第1のエアーバリアを形成するから、スペース16から室11(安全キャビネット10の外部)への空気の漏出や拡散を防ぐことができる。安全キャビネット10は、第3フィルタ28によって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時スペース16に給気することができ、アイドリング運転においてスペース16を清浄な状態に調整し、維持することができる。
安全キャビネット10は、アイドリング運転における作業用チャンバ16の未使用中に、第1フィルタ26によって細菌やウイルス等の微生物が濾過された清浄な空気を常時作業用チャンバ12に流入させることができ、チャンバ12を清浄な状態に調整し、維持することができる。安全キャビネット10は、アイドリング運転において、作業用チャンバ12の内部が清浄な状態に保持されるから、チャンバ12を常時使用可能な状態にしておくことができ、利用者52がチャンバ12を直ちに使用することができる。
安全キャビネット10は、アイドリング運転において第2送風機24から給気する空気の風速を利用運転および準備運転において第2送風機24から給気する空気の風速よりも遅くすることで、アイドリング運転時に利用運転や準備運転のときよりも少ない量の空気を作業スペース16に給気することができるから、安全キャビネット10を利用しないアイドリング運転においてエネルギーの消費を低減することができ、省エネ化を実現することができる。
作業スペース16の出入口48から利用者52がスペース16に進入し、スペース16に利用者52が存在する場合、人感センサ31は、利用者52の進入信号をコントローラ33に送信する。人感センサ31から進入信号を受信したコントローラ33は、ステップ11(S−11)において、作業スペース16に利用者52が進入したと判断し、アイドリング運転を中断して準備運転を実施する(S−13)。
準備運転においてコントローラ33は、第2送風機24の制御部に風速信号を送信し、第3送風機25の制御部に起動信号を送信するとともに、第3送風機25の制御部に風速信号を送信する。第1送風機23の制御部は、アイドリング運転と同様に、第1送風機23の出力を維持する。
第2送風機24の制御部は、コントローラ33から送信された風速信号にしたがい、その風速信号に対応する出力に変更し、第2送風機24の変更した出力を維持する。第3送風機25の制御部は、コントローラ33から送信された起動信号および風速信号にしたがい、その風速信号に対応する出力で第3送風機25を起動させ、第3送風機25の出力を維持する。
準備運転において人感センサ31は、作業スペース16に対する利用者52の退出を監視し、開閉センサ32は、前面開口40の開放を監視する。なお、準備運転では、第2送風機24から給気する空気の流量が第3送風機25から給気する空気の流量よりも多く、かつ、第3送風機25から給気する空気の風速が第2送風機24から給気する空気の風速よりも速い。さらに、準備運転では、第2送風機24から給気する空気の風速が利用運転において第2送風機24から給気する空気の風速よりも速い。
準備運転では、図8に矢印で示すように、第1送風機23が稼働することで、空気が作業用チャンバ12→第1空気流路13→第2空気流路14→第3空気流路15の順で循環し、第2および第3送風機24が稼働することで、空気が空気循環第1ダクト17→空気循環第2ダクト18→作業スペース16の順で循環する。作業スペース16に進入した利用者52は、準備運転においてガウニングや各種作業の準備を行う。
準備運転において第2送風機24(第1空気給気口21)から給気される空気の風速は、例えば、0.3〜0.60m/sの範囲、好ましくは、0.45m/sであり、第2送風機24(第1空気給気口21)から給気される空気の風量は、例えば、900〜1500m3/hの範囲、好ましくは、1350m3/hである。準備運転において第3送風機25(第2空気給気口22)から給気される空気の風速は、例えば、1.50〜1.90m/sの範囲、好ましくは、1.70m/sであり、第3送風機25(第2空気給気口22)から給気される空気の風量は、例えば、400〜600m3/hの範囲、好ましくは、500m3/hである。
準備運転では、第1送風機23によって第1フィルタ26に通流させた空気を作業用チャンバ12の上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前面シャッタ39の直下に形成された空気流入開口41から第1空気流路13に流入させつつ、第2空気流路14から第3空気流路15に流入させ、その空気を再び作業用チャンバ12に流入させる。
準備運転では、空気循環第2ダクト18を流動する空気を第2送風機24によって第3フィルタ28に通流させつつ、第1空気給気口21から作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50の床面46に向かって給気するとともに、第2ダクト18を流動する空気を第3送風機25によって第4フィルタ29に通流させつつ、第2空気給気口22から作業スペース16の前方エリア51の床面46に向かって給気する。
第3送風機25によって第2空気給気口22(スリット)から給気される空気は、第2送風機24によって第1空気給気口21から給気された空気の前方において作業スペース16の前方エリア51を横断するエアーカーテンを形成する。なお、空気循環第1ダクト17および空気循環第2ダクト18を流動した空気は、第4フィルタ29を通流することで、それに含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃がフィルタ29に捕集され、清浄な空気となって第2空気給気口22から作業スペース16の床面46に向かって給気される。準備運転では、室11の空気が作業スペース16に進入しようとしても、図8に矢印L2で示すように、第2空気給気口22(スリット)から給気された空気によって形成されるエアーカーテンによって作業スペース16への進入が阻止される。
第1および第2空気給気口21,22から床面46に向かった空気は、作業用チャンバ12の下方を通って第1空気流入口19から第5フィルタ30を通流した後、空気循環第1ダクト17に流入し、第1ダクト17から空気循環第2ダクト18に流入する。第1ダクト17から第2ダクト18に流入した空気は、第2および第3送風機24,25によって第1および第2空気給気口21,22から床面46に向かって再び給気される。
準備運転では、第1空気給気口21から給気された空気が第2空気給気口22(スリット)から給気された空気によって形成されるエアーカーテンの後方から第1空気流入口19に流入し、第2空気給気口22から給気された空気が第1空気給気口21から給気された空気の前方から第1空気流入口19に流入する。したがって、第1空気給気口21から給気された空気が作業スペース16から室11に流出しようとしても(室11の空気が作業スペース16に流入しようとしても)、第2空気給気口22から給気された空気によって形成されるエアーカーテンによって室11への流出が阻止されるとともに、室11の空気の作業スペース16内にある作業用チャンバ12の前面板36や前面シャッタ39への進入も阻止される。
準備運転の実施を継続中にコントローラ33は、開閉センサ32によって作業用チャンバ12の前面開口40の開放が検出されたかを判断する(S−14)。前面シャッタ39が引き上げられることがなく、前面開口40の開放が検出されない場合、開閉センサ32は、前面開口40の閉鎖信号をコントローラ33に送信する。開閉センサ32から閉鎖信号を受信したコントローラ33は、人感センサ31によって作業スペース16に対する利用者52の退出が検出されたかを判断する(S−15)。
ステップ15(S−15)において、利用者52の退出が検出されず、人感センサ31から進入信号が送信されている場合、コントローラ33は、準備運転を継続して実施する(S−16)。準備運転では、第1送風機23を停止させ、第2送風機24のみを稼働させてもよい。この場合、作業用チャンバ12に空気は給気されず、空気が空気循環第1ダクト17→空気循環第2ダクト18→作業スペース16の順で循環する。
ステップ15(S−15)において、利用者52の退出が検出され、人感センサ31から退出信号が送信された場合、コントローラ33は、準備運転を中断し、図7に示すアイドリング運転を再び実施する(S−10)。アイドリング運転を再び実施する場合、コントローラ33は、第3送風機25の制御部に停止信号を送信し、第2送風機24の制御部に風速信号を送信する。第3送風機25の制御部は、コントローラ33から送信された停止信号にしたがい、第3送風機25を停止させる。第2送風機24の制御部は、コントローラ33から送信された風速信号にしたがい、その風速信号に対応する出力に変更し、変更した出力を維持する。
コンタミネーション防止可能な安全キャビネット10は、準備運転において、第2送風機24によって第3フィルタ28に通流させた空気を第1空気給気口21から作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50の床面46に向かって給気しつつ、空気をスペース16から空気循環第1および第2ダクト17,18に流入させることで、第1空気給気口21から給気された空気が第1のエアーバリアを形成するとともに、第3送風機25によって第4フィルタ29に通流させた空気を第2空気給気口22から作業スペース16の前方エリア51の床面46に向かって給気しつつ、空気をスペース16から第1および第2ダクト17,18に流入させることで、第2空気給気口22から給気された空気が第2のエアーバリアを形成し、利用者52が作業スペース16に存在したとしても、利用者52から放出される細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃を第1および第2のエアーバリアによって第1および第2ダクト17,18に流入させることができ、微生物や塵埃の室11への漏出や拡散を防ぐことができる。
安全キャビネット10は、第2および第3送風機24,25によって第3〜第5フィルタ28〜30に通流させた空気を作業スペース16の床面46に向かって給気するから、第3〜第5フィルタ28〜30によって利用者52から放出される微生物および塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペース16に給気することができ、準備運転においてスペース16を清浄な状態に保つことができる。
安全キャビネット10は、準備運転における作業用チャンバ16の未使用中に、第1フィルタ26によって細菌やウイルス等の微生物が濾過された清浄な空気を常時作業用チャンバ12に流入させることができ、チャンバ12を清浄な状態に保つことができる。安全キャビネット10は、準備運転において、作業用チャンバ12の内部が清浄な状態に保持されるから、チャンバ12を常時使用可能な状態にしておくことができ、利用者52がチャンバ12を直ちに使用することができる。
安全キャビネット10は、準備運転において、第3送風機25から給気する空気の風速を第2送風機24から給気する空気の風速よりも速くすることで、第2空気給気口22から給気された空気から形成される第2のエアーバリア(エアーカーテン)のバリア機能を向上させることができ、第1空気給気口21から給気された空気が第3送風機25から給気された空気(第2のエアーバリア)の外側に漏出することはなく、利用者52が作業スペース16に存在したとしても、利用者52から放出される細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃を第2のエアーバリアによって第1および第2ダクト17,18に確実に流入させることができる。また、第1空気給気口21から給気する空気の風速を第2空気給気口22から給気する空気の風速よりも遅くすることで、作業準備のため待機している利用者52の不快感を低減させることができる。
安全キャビネット10は、準備運転において、第2送風機24から給気する空気の風速を利用運転のときよりも準備運転のときに速くすることで、第1空気給気口21から給気された空気から形成される第1のエアーバリアのバリア機能を利用運転のときよりも向上させることができ、利用者52が作業スペース16に存在し、利用者52が作業スペース16においてガウニングやデガウニングを行うことで利用者52から細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が放出されたとしても、微生物や微細な塵埃を第1のエアーバリアによって第1および第2ダクト17,18に確実に流入させることができる。
安全キャビネット10は、第2送風機24(第1空気給気口21)から給気する空気の流量を第3送風機25(第2空気給気口22)から給気する空気の流量よりも多くすることで、第2送風機24によって第3フィルタ28に通流させた多量の空気を作業スペース16の床面46に向かって給気することができるから、第3フィルタ28によって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペース16に給気することができ、準備運転において作業スペース16を清浄な状態に保つことができる。
作業スペース16に進入した利用者52が準備運転の実施中に前面シャッタ39を引き上げ、作業用チャンバ12の前面開口40を開放した場合、開閉センサ32は、開放信号をコントローラ33に送信する。開閉センサ32から開放信号を受信したコントローラ33は、ステップ14(S−14)において、作業用チャンバ12の前面開口40が開放されたと判断し、準備運転を中断して利用運転を実施する(S−17)。
利用運転においてコントローラ33は、第2および第3送風機24,25の制御部に風速信号を送信する。第1送風機23の制御部は、アイドリング運転や準備運転と同様に、第1送風機23の出力を維持する。第2および第3送風機24,25の制御部は、コントローラ33から送信された風速信号にしたがい、その風速信号に対応する出力に変更し、変更した出力を維持する。
利用運転において人感センサ31は、作業スペース16に対する利用者52の退出を監視し、開閉センサ32は、前面開口40の閉鎖を監視する。なお、利用運転では、第2送風機24から給気する空気の流量が第3送風機25から給気する空気の流量よりも多く、かつ、第3送風機25から給気する空気の風速が第2送風機24から給気する空気の風速よりも速い。
利用運転では、図9に矢印で示すように、第1送風機23が稼働することで、空気が作業用チャンバ12→第1空気流路13→第2空気流路14→第3空気流路15の順で循環し、第2および第3送風機24が稼働することで、空気が空気循環第1ダクト17→空気循環第2ダクト18→作業スペース16の順で循環する。さらに、空気が第1空気流路13→第2空気流路14→第3空気流路15→空気循環第2ダクト18→作業スペース16の順で循環する。利用運転において利用者52は、作業用チャンバ12の前面開口40からチャンバ12の内部に手や腕を挿入し、チャンバ12の内部において各種作業を行う。
利用運転において第2送風機24(第1空気給気口21)から給気される空気の風速は、例えば、0.25〜0.35m/sの範囲、好ましくは、0.30m/sであり、第2送風機24(第1空気給気口21)から給気される空気の風量は、例えば、870〜930m3/hの範囲、好ましくは、900m3/hである。利用運転において第3送風機25から給気される空気の風速は、例えば、1.50〜1.90m/sの範囲、好ましくは、1.70m/sであり、第3送風機25から給気される空気の風量は、例えば、470〜530m3/hの範囲、好ましくは、500m3/hである。
利用運転では、第1送風機23によって第1フィルタ26に通流させた空気を作業用チャンバ12の上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前面シャッタ39の直下に形成された空気流入開口41から第1空気流路13に流入させつつ、第2空気流路14から第3空気流路15に流入させ、その空気の一部を再び作業用チャンバ12に流入させる。さらに、その空気の残部を第2フィルタ27に通流させつつ第2空気流入口20から空気循環第2ダクト18に流入させる。
利用運転では、空気循環第2ダクト18を流動する空気を第2送風機24によって第3フィルタ28に通流させつつ、第1空気給気口21から作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50の床面46に向かって給気するとともに、第2ダクト18を流動する空気を第3送風機25によって第4フィルタ29に通流させつつ、第2空気給気口22から作業スペース16の前方エリア51の床面46に向かって給気する。
第3送風機25によって第2空気給気口22(スリット)から給気される空気は、第2送風機24によって第1空気給気口21から給気された空気の前方において作業スペース16の前方エリア51を横断するエアーカーテンを形成する。なお、空気循環第1ダクト17および空気循環第2ダクト18を流動した空気は、第4フィルタ29を通流することで、それに含まれる細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃がフィルタ29に捕集され、清浄な空気となって第2空気給気口22から作業スペース16の床面46に向かって給気される。利用運転では、室11の空気が作業スペース16に進入しようとしても、図9に矢印L2で示すように、第2空気給気口22(スリット)から給気された空気によって形成されるエアーカーテンによって作業スペース16への進入が阻止される。
第1および第2空気給気口21,22から床面46に向かった空気は、作業用チャンバ12の下方を通って第1空気流入口19から第5フィルタ30を通流した後、空気循環第1ダクト17に流入し、第1ダクト17から空気循環第2ダクト18に流入する。利用運転では、第1ダクト17から第2ダクト18に流入した空気と第3空気流路15を通って第2空気流入口20から第2ダクト18に流入した空気とが混合されて混合気になり、その混合気が第2および第3送風機24,25によって第1および第2空気給気口21,22から床面46に向かって再び給気される。
利用運転では、第1空気給気口21から給気された空気(混合気)が第2空気給気口22(スリット)から給気された空気(混合気)によって形成されるエアーカーテンの後方から第1空気流入口19に流入し、第2空気給気口22から給気された空気が第1空気給気口21から給気された空気の前方から第1空気流入口19に流入する。したがって、第1空気給気口21から給気された空気が作業スペース16から室11に流入しようとしても、第2空気給気口22から給気された空気によって形成されるエアーカーテンによって室11への進入が阻止される。
利用運転では、第1空気給気口21から給気された空気の一部が前面開口40から空気流入開口41を通って第1空気流路13に流入し、第2および第3空気流路14,15を通って作業用チャンバ12と第2ダクトとに流入する。利用運転では、前面開口40から作業用チャンバ12の内部に挿入した利用者52の手や腕の動きによって前面開口40近傍における気流が乱れ、それによってチャンバ12を流動した空気の一部が前面開口40から作業スペース16(チャンバ12の外部)に漏出する場合がある。
しかし、安全キャビネット10は、前面開口40から作業スペース16に漏出した作業用チャンバ12の内部の空気が図9に矢印L3で示すように第1空気給気口21から給気された空気に合流し、チャンバ12の下方から第1空気流入口19に流入しつつ第5フィルタ30を通流し、第1および第2ダクト17,18を通って第3および第4フィルタ28,29を通流する。したがって、作業用チャンバ12の内部の空気に含まれる細菌やウイルス等の微生物がフィルタ28〜30に捕集され、清浄な空気となって第1および第2空気給気口21,22から作業スペース16の床面46に向かって給気される。
利用運転の実施を継続中にコントローラ33は、開閉センサ32によって作業用チャンバ12の前面開口40の閉鎖が検出されたかを判断する(S−18)。前面シャッタ39が引き下げられることがなく、前面開口40の閉鎖が検出されない場合、開閉センサ32は、前面開口40の開放信号をコントローラ33に送信する。開閉センサ32から開放信号を受信している間、コントローラ33は、ステップ18(S−18)において前面開口40が開放されていると判断し、利用運転を継続して実施する(S−19)。
ステップ18(S−18)において、利用者52が前面シャッタ39を引き下げ、シャッタ39によって前面開口40が閉鎖された場合、開閉センサ32は、前面開口40の閉鎖信号をコントローラ33に送信する。開閉センサ32から閉鎖信号を受信したコントローラ33は、ステップ18(S−18)において前面開口40が閉鎖されたと判断する。
次に、コントローラ33は、人感センサ31によって作業スペース16に対する利用者52の退出が検出されたかを判断する(S−20)。利用者52の退出が検出されず、人感センサ31から進入信号が送信されている場合、コントローラ33は、ステップ20(S−20)において利用者52が作業スペース16に存在すると判断し、利用運転を中断して図8に示す準備運転を再び実施する(S−13)。
この場合の準備運転において利用者52は、デガウニングや片付け作業を行う。準備運転を再び実施する場合、コントローラ33は、第2および第3送風機24,25の制御部に風速信号を送信する。第2および第3送風機24,25の制御部は、コントローラ33から送信された風速信号にしたがい、その風速信号に対応する出力に変更し、変更した出力を維持する。
デガウニングや片付け作業を行った利用者52が作業スペース16の出入口48を通ってスペース16から退出すると、人感センサ31は、退出信号をコントローラ33に送信する。コントローラ33は、人感センサ31から退出信号を受信すると、ステップ20(S−20)において利用者52が作業スペース16に存在しないと判断する。
次に、コントローラ33は、安全キャビネット10の運転の停止が指令されたかを判断する(S−21)。コントローラ33は、停止が指令されない場合、図7に示すアイドリング運転を再び実施する(S−10)。なお、停止が指令された場合、コントローラ33は、安全キャビネット10の運転を停止し、第1〜第3送風機23〜25、人感センサ31、開閉センサ32が停止する。
安全キャビネット10では、アイドリング運転や準備運転、利用運転における作業用チャンバ12の内部の空気の清浄度レベルがEU−GMP(EU Guidelines to Good Manufacturing Practice Medical Products for Human and Veterinary Use)に定められるところのグレードA(ISO−146411−1の5相当)に保持され、作業スペース16の空気の清浄度レベルがグレードB(ISO 7相当)に保持される。作業スペース16の外(室11)における空気の清浄度レベルはグレードC(ISO 8相当)またはグレードD(ISO 8相当)である。
コンタミネーション防止可能な安全キャビネット10は、利用運転において、第2送風機24によって第3フィルタ28に通流させた空気を第1空気給気口21から作業スペース16の後方エリア49および中央エリア50の床面46に向かって給気しつつ、空気をスペース16から空気循環第1および第2ダクト17,18に流入させることで、第1空気給気口21から給気された空気が第1のエアーバリアを形成するとともに、第3送風機25によって第4フィルタ29に通流させた空気を第2空気給気口22から作業スペース16の前方エリア51の床面46に向かって給気しつつ、空気をスペース16から第1および第2ダクト17,18に流入させることで、第2空気給気口22から給気された空気が第2のエアーバリアを形成し、前面開口40から作業用チャンバ12の内部に挿入した利用者52の手や腕の動きによって前面開口40近傍における気流が乱れ、チャンバ12を流動した空気の一部が前面開口40からチャンバ12の外部(作業スペース16)に漏出したとしても、その空気を第1および第2のエアーバリアによって空気循環第1ダクト17に流入させることができ、チャンバ12の外部に漏出した空気の安全キャビネット10の外部(室11)への漏出や拡散を防ぐことができる。
安全キャビネット10は、作業用チャンバ12の使用中におけるチャンバ12の外部(作業スペース16)に漏出した空気の安全キャビネット10の外部(室11)への漏出や拡散が防止されるから、チャンバ12の外部に漏出した空気が安全キャビネット10の外部へ漏出するコンタミネーションを防ぐことができ、細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃による周辺汚染を防ぐことができる。
安全キャビネット10は、利用運転において、第1送風機23によって第1フィルタ26に通流させた空気を作業用チャンバ12の上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前面開口40近傍から第1空気流路13に流入させつつ第2空気流路14から第3空気流路13に導いてその空気の一部を再びチャンバ12に流入させるから、チャンバ12の使用中に第1フィルタ26によって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時チャンバ12に流入させることができ、チャンバ12を清浄な状態に保つことができるのみならず、第2および第3送風機24,25によって第3および第4フィルタ28,29に通流させた空気を作業スペース12の床面46に向かって給気するから、第3および第4フィルタ28,29によって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペース16に給気することができ、スペース16を清浄な状態に保つことができる。
安全キャビネット10は、利用運転において、第3送風機25から給気する空気の風速を第2送風機24から給気する空気の風速よりも速くすることで、第2空気給気口22から給気された空気から形成される第2のエアーバリア(エアーカーテン)のバリア機能を向上させることができ、作業用チャンバ12の外部(作業スペース16)に漏出した空気や第1空気給気口21から給気された空気が第3送風機25から給気された空気(第2のエアーバリア)の外側に漏出することはなく、前面開口40からチャンバ12の外部に漏出した空気が第1空気給気口21から給気された空気から形成される第1のエアーバリアを通過したとしても、その空気を第2のエアーバリアによって空気循環第1ダクト17に流入させることができ、チャンバ12の外部に漏出した空気の安全キャビネット10の外部(室11)への漏出や拡散を防ぐことができる。
安全キャビネット10は、第2送風機24(第1空気給気口21)から給気する空気の流量を第3送風機25(第2空気給気口22)から給気する空気の流量よりも多くすることで、第2送風機24によって第3フィルタ28に通流させた多量の空気を作業スペース16の床面46に向かって給気することができるから、第3フィルタ28によって細菌やウイルス等の微生物および微細な塵埃が捕集された清浄な空気を常時作業スペース16に給気することができ、利用運転において作業スペース16を清浄な状態に保つことができる。
安全キャビネット10は、アイドリング運転や準備運転、利用運転において、作業用チャンバ12の内部の空気の清浄度レベルをグレードAに保持することができるとともに、作業スペース16の空気の清浄度レベルをグレードBに保持することができるから、従来技術のように清浄度レベルがグレードAの室を作り、その室に1台のみの安全キャビネットを設置し、グレードAの室の周辺に清浄度レベルがグレードBやグレードCのガウニング室やデガウニング室、バッファエリア、サプライ室等の複数の室を用意する場合と比較し、空気の清浄度レベルがグレードCまたはグレードDの1つの室11に複数台の安全キャビネット10を設置することができ、安全キャビネット10を設置するために大規模な施設を構築する必要がない。
10 安全キャビネット
11 室
12 作業用チャンバ
13 第1空気流路
14 第2空気流路
15 第3空気流路
16 作業スペース
17 空気循環第1ダクト
18 空気循環第2ダクト
19 第1空気流入口
20 第2空気流入口
21 第1空気給気口
22 第2空気給気口
23 第1送風機
24 第2送風機
25 第3送風機
26 第1フィルタ
27 第2フィルタ
28 第3フィルタ
29 第4フィルタ
30 第5フィルタ
31 人感センサ
32 開閉センサ
33 コントローラ
39 前面シャッタ
40 前面開口
41 空気流入開口
46 床面
49 後方エリア
50 中央エリア
51 前方エリア
52 利用者

Claims (13)

  1. 前面シャッタによって開閉する前面開口を有して頂部に第1フィルタが設置された所定容積の作業用チャンバと、前記作業用チャンバの下方に位置して前後方向へ延びる第1空気流路と、前記作業用チャンバの後方に位置して前記第1空気流路につながって上下方向へ延びる第2空気流路と、前記作業用チャンバの上方に位置して前記第2空気流路につながって前後方向へ延びる第3空気流路と、前記作業用チャンバの上方から下方に向かって空気を流動させる第1送風機とを備え、前記作業用チャンバと外部とのコンタミネーションを防止するコンタミネーション防止可能な安全キャビネットにおいて、
    前記安全キャビネットが、前記第2空気流路の後方に位置して上下方向へ延びる空気循環第1ダクトと、前記第1ダクトにつながって前記第3空気流路の上方に位置して前後方向へ延びる空気循環第2ダクトと、前記作業用チャンバの前方に位置して該作業用チャンバを利用する利用者が出入する所定容積の作業スペースと、前記第1空気流路の下方に延びる前記第1ダクトの底部から空気を流入させる第1空気流入口と、前記第3空気流路から前記第2ダクトに空気を流入させる第2空気流入口と、前記第3空気流路から前記第2ダクトに流入する空気を濾過する第2フィルタと、前記作業スペースの後方エリアおよび中央エリアに位置して該作業スペースに空気を給気する第1空気給気口と、前記第2ダクトに設置されて前記第1空気給気口から前記作業スペースの床面に向かって空気を給気する第2送風機と、前記第2送風機によって前記作業スペースに給気される空気を濾過する第3フィルタと、前記第1空気給気口の前方に位置して前記作業スペースに空気を給気する第2空気給気口と、前記第2ダクトに設置されて前記第2空気給気口から前記作業スペースの床面に向かって空気を給気する第3送風機とを備え、
    前記安全キャビネットでは、前記利用者が前記作業スペースに存在し、前記作業用チャンバの前面開口が開放されている場合、前記第1送風機によって前記第1フィルタに通流させた空気を前記作業用チャンバの上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前記前面開口近傍から前記第1空気流路に流入させつつ前記第2空気流路から前記第3空気流路に導いてその空気の一部を再び該作業用チャンバに流入させ、かつ、その空気の残部を前記第2フィルタに通流させつつ前記第2空気流入口から前記第2ダクトに流入させ、さらに、前記第2ダクトを流動する空気を前記第2送風機によって前記第3フィルタに通流させつつ前記第1空気給気口から前記作業スペースの床面に向かって給気するとともに、前記第2ダクトを流動する空気を前記第3送風機によって前記第2空気給気口から前記作業スペースの床面に向かって給気し、前記床面に向かった空気を前記第1空気流入口から前記第1ダクトに流入させつつ前記第2ダクトに流入させ、前記第2空気流入口から前記第2ダクトに流入した空気と前記第1ダクトから前記第2ダクトに流入した空気との混合気を前記床面に向かって再び給気する利用運転を実施することを特徴とするコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  2. 前記利用運転では、前記第3送風機から給気する空気の風速が前記第2送風機から給気する空気の風速よりも速い請求項1に記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  3. 前記安全キャビネットでは、前記利用者が前記作業スペースに存在し、前記シャッタによって前記作業用チャンバの前面開口が閉鎖されている場合、前記第2ダクトを流動する空気を前記第2送風機によって前記第3フィルタに通流させつつ前記第1空気給気口から前記作業スペースの床面に向かって給気するとともに、前記第2ダクトを流動する空気を前記第3送風機によって前記第2空気給気口から前記作業スペースの床面に向かって給気し、前記床面に向かった空気を前記第1空気流入口から前記第1ダクトに流入させつつ前記第2ダクトに流入させ、前記第1ダクトから前記第2ダクトに流入した空気を前記床面に向かって再び給気する準備運転を実施する請求項1または請求項2に記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  4. 前記準備運転では、前記第3送風機から給気する空気の風速が前記第2送風機から給気する空気の風速よりも速い請求項3に記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  5. 前記準備運転では、前記第2送風機から給気する空気の風速が前記利用運転において該第2送風機から給気する空気の風速よりも速い請求項3または請求項4に記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  6. 前記安全キャビネットでは、前記利用者が前記作業スペースに存在せず、前記シャッタによって前記作業用チャンバの前面開口が閉鎖されている場合、前記第3送風機から空気を給気することなく、前記第2ダクトを流動する空気を前記第2送風機によって前記第3フィルタに通流させつつ前記第1空気給気口から前記作業スペースの床面に向かって給気し、前記床面に向かった空気を前記第1空気流入口から前記第1ダクトに流入させつつ前記第2ダクトに流入させ、前記第1ダクトから前記第2ダクトに流入した空気を前記床面に向かって再び給気するアイドリング運転を実施する請求項1ないし請求項5いずれかに記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  7. 前記アイドリング運転では、前記第2送風機から給気する空気の風速が前記利用運転および前記準備運転において該第2送風機から給気する空気の風速よりも遅い請求項6に記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  8. 前記準備運転と前記アイドリング運転とでは、前記第1送風機によって前記第1フィルタに通流させた空気を前記作業用チャンバの上方から下方に向かって流動させるとともに、その空気を前記前面開口近傍から前記第1空気流路に流入させつつ前記第2空気流路から前記第3空気流路に導いてその空気を再び該作業用チャンバに流入させる請求項6または請求項7に記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  9. 前記安全キャビネットが、前記利用者の前記作業スペースへの進入または退出を検出する第1検出手段と、前記前面開口の開放または閉鎖を検出する第2検出手段とを含み、前記安全キャビネットでは、前記第1検出手段によって利用者の進入が検出されるとともに、前記第2検出手段によって前記前面開口の開放が検出された場合に前記利用運転を実施し、前記第1検出手段によって利用者の進入が検出されるとともに、前記第2検出手段によって前記前面開口の閉鎖が検出された場合に前記準備運転を実施し、前記第1検出手段によって利用者の退出が検出されるとともに、前記第2検出手段によって前記前面開口の閉鎖が検出された場合に前記アイドリング運転を実施する請求項6ないし請求項8いずれかに記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  10. 前記安全キャビネットが、前記第3送風機によって給気される空気を濾過する第4フィルタと、前記第1空気流入口から前記第1ダクトに流入する空気を濾過する第5フィルタとを含む請求項1ないし請求項9いずれかに記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  11. 前記安全キャビネットが、前記作業スペースの横方向両側に位置する側面パネルを含み、前記安全キャビネットでは、前記作業スペースが前記第1および第2ダクトと前記側面パネルと前記床面とに囲繞されているとともに、前記作業用チャンバの反対側が開放されている請求項1ないし請求項10いずれかに記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  12. 前記第2空気給気口が、前記作業スペースを横断して一方の側面パネルと他方の側面パネルとの間に延びるスリットであり、前記第3送風機から給気される空気が、前記スリットを通過することで前記作業スペースの外からの空気の進入を遮断するエアーカーテンを形成している請求項11に記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
  13. 前記安全キャビネットでは、前記作業用チャンバ内部における空気の清浄度レベルがグレードAであり、前記作業スペースにおける空気の清浄度レベルがグレードBであり、前記作業スペースの外における空気の清浄度レベルがグレードCまたはグレードDである請求項1ないし請求項12いずれかに記載のコンタミネーション防止可能な安全キャビネット。
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