JP6302453B2 - 電流センサ - Google Patents
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Description
このような多相の導体用の電流センサにおいて各相毎に2枚の磁気シールドで導体を挟む場合、磁気シールドを導体に対して精度良く位置決めして固定することが困難であった。
このような問題を解決するために、特許文献1には、導体(バスバー)と磁気シールドとをケースに一体成形することで、磁気シールドと導体との位置精度を高める技術が開示されている。
しかしながら、引用文献2に開示された装置では、磁気シールドはリブ等によってケースに固定されており、位置決め精度が悪いという問題がある。
また、本発明は、ケースに一体成形で固定されたケース磁気シールドの位置を目視で容易に確認できる電流センサを提供することを目的とする。
そのため、前記第1のシールド露出開口部に露出した前記蓋磁気シールドの前記縁部の位置を見ることで、前記蓋磁気シールドが前記蓋内の正しい位置に固定されているかを目視で容易に確認できる。
この構成によれば、前記ケースの収容空間内で発生した熱を、前記蓋磁気シールドを介して放熱することができる。
この構成によれば、前記ケースの収容空間内で発生した熱を、前記蓋磁気シールドを介して前記第2のシールド露出開口部から外側に放熱することができる。また、前記蓋磁気シールドを前記蓋に一体成形する際に金型に挟んで固定するために前記第2のシールド露出開口部を利用できる。
この構成によれば、前記第1のシールド露出開口部を前記蓋磁気シールドの位置を確認する手段として機能させ、前記第2のシールド露出開口部を製造時に金型に挟んで固定する固定部として機能させることができる大きさを確保できる。
この構成によれば、製造工程において、前記蓋に一体成形で固定された前記蓋磁気シールドの位置を前記第1のシールド露出開口部を介して確認後に、当該第1のシールド露出開口部に充填部材を充填することで、前記蓋の外来磁界の遮蔽効率を高めることができる。
そのため、前記第3のシールド露出開口部に露出した前記ケース磁気シールドの前記縁部の位置を見ることで、前記ケース磁気シールドが前記ケース内の正しい位置に固定されているかを目視で容易に確認できる。
この構成によれば、前記ケースの前記導体と対向する位置、すなわち前記導体の誘導磁界が測定される領域付近には前記ケースの部材が存在するため、隣接導体を流れる電流による磁界の影響を小さくし、高精度な測定が可能になる。
この構成によれば、前記長方形の前記ケース磁気シールドの2つの角部と、隣合う2辺の各々の一部との少なくとも一方が前記第3のシールド露出開口部から露出しているため、直交する2方向における前記ケース磁気シールドの位置ずれを目視で確認できる。
この構成によれば、前記第3のシールド露出開口部から露出する前記ケース磁気シールドの前記4辺の位置を基に、前記ケース磁気シールドの位置ずれを目視で確認できる。
この構成によれば、前記ケースの収容空間内で発生した熱を、前記ケース磁気シールドを介して放熱することができる。
この構成によれば、前記ケースの収容空間内で発生した熱を、前記ケース磁気シールドを介して前記第4のシールド露出開口部から外側に放熱することができる。また、前記ケース磁気シールドを前記ケースに一体成形する際に金型に挟んで固定するために前記第4のシールド露出開口部を利用できる。
この構成によれば、前記第3のシールド露出開口部を前記ケース磁気シールドの位置を確認する手段として機能させ、前記第4のシールド露出開口部を製造時に金型に挟んで固定する固定部として機能させることができる大きさを確保できる。
また、本発明によれば、ケースに一体成形で固定されたケース磁気シールドの位置を目視で容易に確認できる電流センサを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態の電流センサ1の外観斜視図、図2は図1に示す電流センサ1の蓋11側から見た分解斜視図、図3は図1に示す電流センサ1のケース13側から見た分解斜視図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態では、蓋11の短手方向をX1−X2方向とし、蓋11の長手方向をY1−Y2方向とし、蓋11の面と直交する方向をZ1−Z2方向としている。
なお、図4、図5および図6において、蓋磁気シールド21の位置にはハッチングを付している。
図8は蓋磁気シールド21と一体成形された蓋11をX2方向から見た側面図、図9は蓋磁気シールド21と一体成形された蓋11を底面側斜め方向から見た斜視図である。
図3に示すように、ケース13は、回路基板25、磁気センサ27および導体29の一部を収容する収容空間8を有する。
図4〜図6に示すように、蓋11には収容空間8側に向けて一部が露出するように6個の蓋磁気シールド21が一体成形(例えば、インサート成形)によって固定されている。
具体的には、図4および図5に示すように、蓋11の中央に形成された電極露出開口部41に対してX1側に3つの蓋磁気シールド21がY1−Y2方向に等間隔に形成され、X2側に3つの蓋磁気シールド21がY1−Y2方向に等間隔に形成されている。蓋磁気シールド21は、例えば、長方形の板形状をしており、空気より高い透磁率を有している。
ここで、上記4つの縁部21aは、蓋磁気シールド21の2つの長辺の中央付近の縁部と、2つの短辺の中央付近の縁部とである。
図6に示す例では、蓋11の成形時に、図6中左上の蓋磁気シールド21がX1方向にずれて固定され、中上の蓋磁気シールド21がY1方向にずれて固定された場合を示している。
第2のシールド露出開口部11eを設けたことで、ケース13の収容空間8内で発生した熱を、蓋磁気シールド21を介して外側に放熱することができる。また、蓋磁気シールド21を蓋11に一体成形する際に金型に挟んで固定するために第2のシールド露出開口部11eを利用できる。
電極露出開口部41は、後述するように、ケース13の位置決め部51の外縁部51aと係合して、蓋11とケース13とを高精度に位置決めする機能を有している。
図4に示すように、電極露出開口部41は、蓋11に直交するZ1−Z2方向から見た平面視において凹多角形である。
図10は、電流センサ1のケース13の外観斜視図である。
ケース13は、例えば、樹脂などの絶縁性部材で形成されている。
図10に示すように、ケース13は、ケース13の底面から蓋11に向けて突き出た6つの位置決め部51を有する。 ケース13の位置決め部51の蓋11側の外縁部51aは、電極露出開口部41と同じ凹多角形であり、電極露出開口部41内に嵌合される。
図11に示すように、導体29は、屈曲部29cを有している。
ケース13内において、磁気センサ27と導体29との間にケース13が位置している。ここで、ケース13は、記磁気センサと対向する第1の領域131の厚みが、その外側の第2の領域133の厚みよりも薄い。
なお、図12および図13において、ケース磁気シールド31の位置にはハッチングを付している。
具体的には、図12に示すように、ケース13の中央に形成された電極収容部51dに対してX1側に3つのケース磁気シールド31がY1−Y2方向に等間隔に形成され、X2側に3つのケース磁気シールド31がY1−Y2方向に等間隔に形成されている。ケース磁気シールド31は、例えば、長方形の板形状をしており、空気より高い透磁率を有している。
ここで、上記6つの縁部31aは、ケース磁気シールド31の2つの短辺の中央付近の縁部と、4つの角部付近の長辺の縁部とである。
第4のシールド露出開口部13mを設けたことで、ケース13の収容空間8内で発生した熱を、ケース磁気シールド31を介して外側に放熱することができる。また、ケース磁気シールド31をケース13に一体成形する際に金型に挟んで固定するために第4のシールド露出開口部13mを利用できる。
射出成形等により、蓋磁気シールド21と蓋11とを一体成形する。この際に、蓋11の第2のシールド露出開口部11eが金型で挟まれて保持される。これにより、蓋磁気シールド21が蓋11に高精度に位置決めされる。
このとき、蓋11の第1のシールド露出開口部11dに露出する蓋磁気シールド21の面積や縁部21aの位置を基に、蓋磁気シールド21が正確に位置決めされているかを判定する。そして、正確に位置決めされて否と判断した場合は、例えば、不良品扱いとする。
このとき、ケース13の第3のシールド露出開口部13kに露出するケース磁気シールド31の面積や縁部31aの位置を基に、ケース磁気シールド31が正確に位置決めされているかを判定する。そして、正確に位置決めされて否と判断した場合は、例えば、不良品扱いとする。
上述したように、電流センサ1では、図5に示すように、蓋磁気シールド21を一体成形により固定された蓋11の第1のシールド露出開口部11dには、蓋磁気シールド21の縁部21aが露出している。
そのため、第1のシールド露出開口部11dに露出した蓋磁気シールド21の縁部21aの位置を見ることで、蓋磁気シールド21が蓋11内の正しい位置に固定されているかを目視で容易に確認できる。
そのため、蓋11の導体29と対向する位置、すなわち導体29の誘導磁界が測定される領域付近には蓋11の部材が存在するため、隣接導体を流れる電流による磁界の影響を小さくし、高精度な測定が可能になる。
そのため、第3のシールド露出開口部13kに露出したケース磁気シールド31の縁部31aの位置を見ることで、ケース磁気シールド31がケース13内の正しい位置に固定されているかを目視で容易に確認できる。
そのため、ケース13の収容空間8内で発生した熱を、ケース磁気シールド31を介して放熱することができる。
そのため、ケース13の収容空間8内で発生した熱を、ケース磁気シールド31を介して第4のシールド露出開口部13mから外側に放熱することができる。また、ケース磁気シールド31をケース13に一体成形する際に金型に挟んで固定するために第4のシールド露出開口部13mを利用できる。
そのため、第3のシールド露出開口部13kをケース磁気シールド31の位置を確認する手段として機能させ、第4のシールド露出開口部13mを製造時に金型に挟んで固定する固定部として機能させることができる大きさを確保できる。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した実施形態では、蓋11とおよびケース13に、それぞれ第1のシールド露出開口部11dおよび第3のシールド露出開口部13kを形成した場合を例示したが、いずれか一方にのみシールド露出開口部を形成してもよい。
また、上述した実施形態では、蓋11に第2のシールド露出開口部11eを形成し、ケース13に第4のシールド露出開口部13mを形成する場合を例示したが、これらのいずれか、あるいは双方を形成しないようにしてもよい
また、図16に示すように、蓋磁気シールド21の2つの角部を露出するように第1のシールド露出開口部11dを形成してもよい。
また、図18に示すように、ケース磁気シールド31の2つの角部を露出するように第3のシールド露出開口部13kを形成してもよい。
また、ケース13には電流センサ1を他の部品に固定するための固定用取り付け穴を形成してもよい。当該固定用取り付け穴は、電流センサ1の外側に突出するように設けてもよい。また、当該固定用取り付け穴は、ケース13と一体にケース13の周辺に設けても良い。
また、ケース13は、電流センサ1の図示しないコネクタに接続されたケーブルをワイヤーハーネスとして束ねるために、フック形状の突起を設けてもよい。
また、電流センサ1を取り付ける高さと接続される導体との高さとが一致しない場合、端子電極の折り曲げ角度により、端子の高さを調整してもよい。
また、上述した実施形態では、蓋11の第1のシールド露出開口部11dに露出する蓋磁気シールド21の位置や面積等を基に目視で位置ずれを判定したが、撮像結果を基に画像処理で位置ずれを判別するようにしてもよい。
8…収容空間
9…収容空間開口部
11…蓋
11d…第1のシールド露出開口部
11e…第2のシールド露出開口部
41…電極露出開口部
13…ケース
13k…第3のシールド露出開口部
13m…第4のシールド露出開口部
51…位置決め部
51a…外縁部
51c…端面
51d…電極収容部
21…蓋磁気シールド
21a…縁部
23…ナット
25…回路基板
27…磁気センサ
29…導体
29a…第1の端子電極
31…ケース磁気シールド
31a…縁部
65,75…充填部材
131…第1の領域
133…第2の領域
Claims (16)
- 被測定電流が流れる導体と、
前記被測定電流が発生する誘導磁界を測定する磁気センサと、
前記導体と前記磁気センサとを収容する収容空間と、当該収容空間に通じる収容空間開口部とを備えたケースと、
前記ケースの前記収容空間開口部を覆う蓋と、
前記蓋に一体成形により固定された蓋磁気シールドと
を有し、
前記蓋は、前記蓋磁気シールドの縁部を露出した第1のシールド露出開口部を有する
電流センサ。 - 前記第1のシールド露出開口部は、前記蓋の前記導体と対向する位置以外の位置に形成されている
請求項1に記載の電流センサ。 - 前記蓋磁気シールドは長方形の板状であり、
前記蓋の前記第1のシールド露出開口部は、前記蓋磁気シールドの前記長方形の対向する2つの角部と、隣合う2辺の各々の一部との少なくとも一方を露出している
請求項1または請求項2に記載の電流センサ。 - 前記蓋磁気シールドは長方形の板状であり、
前記蓋の前記第1のシールド露出開口部は、前記蓋磁気シールドの前記長方形の4辺の各々の一部を露出している
請求項1または請求項2に記載の電流センサ。 - 前記第1のシールド露出開口部は、前記ケースの前記収容空間に向けて前記蓋磁気シールドを露出している
請求項1〜4のいずれかに記載の電流センサ。 - 前記蓋は、前記蓋の外側に向けて前記蓋磁気シールドを露出した第2のシールド露出開口部を有する
請求項1〜5のいずれかに記載の電流センサ。 - 前記第2のシールド露出開口部は、前記蓋磁気シールドの縁部以外の箇所を露出していると共に、前記第1のシールド露出開口部と比べて小さい
請求項6に記載の電流センサ。 - 前記第1のシールド露出開口部に充填された充填部材
をさらに有する請求項1〜7のいずれかに記載の電流センサ。 - 前記ケースに一体成形により固定されたケース磁気シールドを有し、
前記ケースは、前記ケース磁気シールドの縁部を露出した第3のシールド露出開口部を有する
請求項1〜8のいずれかに記載の電流センサ。 - 前記第3のシールド露出開口部は、前記ケースの前記導体と対向する位置以外の位置に形成されている
請求項9に記載の電流センサ。 - 前記ケース磁気シールドは長方形の板状であり、
前記ケースの前記第3のシールド露出開口部は、前記ケース磁気シールドの前記長方形の対向する2つの角部と、隣合う2辺の各々の一部との少なくとも一方を露出している
請求項9または請求項10に記載の電流センサ。 - 前記ケース磁気シールドは長方形の板状であり、
前記ケースの前記第3のシールド露出開口部は、前記ケース磁気シールドの前記長方形の4辺の各々の一部を露出している
請求項9または請求項10に記載の電流センサ。 - 前記第3のシールド露出開口部は、前記ケースの前記収容空間に向けて前記ケース磁気シールドを露出している
請求項9〜12のいずれかに記載の電流センサ。 - 前記ケースは、前記ケースの外側に向けて前記ケース磁気シールドを露出した第4のシールド露出開口部を有する
請求項9〜13のいずれかに記載の電流センサ。 - 前記第4のシールド露出開口部は、前記ケース磁気シールドの縁部以外の箇所を露出していると共に、前記第3のシールド露出開口部と比べて小さい
請求項14に記載の電流センサ。 - 前記ケース内において、前記ケース磁気シールドと前記磁気センサとの間に前記導体が位置し、
前記磁気センサと前記導体との間に前記ケースの部材が位置し、
前記部材は、前記磁気センサと対向する第1の領域の厚みが、当該第1の領域の外側の第2の領域の厚みよりも薄い
請求項9〜15のいずれかに記載の電流センサ。
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