JP2014098634A - 電流センサ - Google Patents

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Shinji Mitsuya
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Abstract

【課題】磁気シールド部材に隙間があっても測定精度の悪化を低減することができる電流センサを提供することを目的とする。
【解決手段】一方向に被測定電流が流れる第1電流路(12a)と、第1電流路(12a)と電気的に接続され、一方向とは逆向きの他方向に被測定電流が流れる第2電流路(12b)と、が平行に配設された電流路(12)と、第1電流路(12a)及び第2電流路(12b)に対応して配設され、電流路(12)に被測定電流が流れたときに発生する磁界を検出する複数の磁電変換素子(13)と、磁電変換素子(13)、第1電流路(12a)及び第2電流路(12b)を覆う磁気シールド部材(15)と、を備え、磁気シールド部材(15)には、一方向に沿った隙間(15g)があり、この隙間(15g)が、第1電流路(12a)及び第2電流路(12b)のそれぞれから等距離の位置に設けられていることを特徴としている。
【選択図】図6

Description

本発明は、被測定電流が流れたときに発生する磁界を検出して電流路に流れる被測定電流を測定する電流センサに関する。
近年、各種機器の制御や監視のために、各種機器に取り付けて各種機器に流れる被測定電流を測定する電流センサが一般に用いられてきた。この種の電流センサとして、電流路に流れる被測定電流から生じる磁界を感知する磁電変換素子やホール素子等の磁電変換素子を用いた方法の電流センサが良く知られている。そして、この電流センサの測定精度を向上させるため、外部磁界の影響を低減する磁気シールド部材を備えた電流センサが良く知られている。
上述した電流センサとして、特許文献1(従来例)では、図14に示すような電流センサ900が開示されている。図14は、従来例の電流センサ900を説明する図であって、図14Aは、電流センサ900の構成の概略を示す図であり、図14Bは、磁性体コア905の内部に発生する磁界の向きをシミュレーションにて示した図である。図14に示す電流センサ900は、計測対象となる電流が相互に逆方向に流れるよう同一配線の一部が平行に配設された平行配設部を有する被電流計測配線(電流バー)902と、平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向の磁界を検出する磁気検出手段(磁気センサ)903と、磁気検出手段(磁気センサ)903にて検出した磁界に基づいて、被電流計測配線(電流バー)902に流れた電流を検出する電流検出手段(コイル)904と、平行配設部を囲う磁性体コア905と、を備えて構成されている。そして、この磁性体コア905は、被電流計測配線(電流バー)902に電流が流れることにより発生した磁界を増強させるとともに、外部磁界が磁気検出手段(磁気センサ)903にて検出されることを抑制するよう、当該外部磁界を遮蔽する磁気シールドの機能も有している。これにより、低コストで外部磁気ノイズの誤検出を抑制した信頼性の高い電流センサ900を提供できるとしている。
このような磁気シールド部材を用いる場合、磁気シールド部材としてつなぎ目或いは隙間が無いものを用いるのが磁気シールドにとって好適であるが、そのためには、磁気シールド部材を深絞り加工や成形加工等の難しい工法で作製しなければいけなかった。このため、図14Bに示す従来例の磁性体コア905のように、2つの部品を組み合わせて、隙間(905a、905b)を有した構成にするのが一般的であった。特に、磁気シールドだけの機能を有する磁気シールド部材の場合、板状の金属板を折り曲げて加工すると、容易にしかも安価に磁気シールド部材を作製することができた。その際にも、いずれかの部分に隙間を有した構成となってしまう。
特開2010−276422号公報
しかしながら、図14Aでは図示されていないが、図14Bに示すような隙間905a、905bがある場合、隙間905a、905bの部分から漏れ磁界が発生し、この漏れ磁界により磁性体コア905の内部の磁界が乱されてしまう。このため、磁気検出手段(磁気センサ)903にて検出する磁界が不安定となり、電流センサ900の測定精度が悪化するという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するもので、磁気シールド部材に隙間があっても測定精度の悪化を低減することができる電流センサを提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の電流センサは、一方向に被測定電流が流れる第1電流路と、前記第1電流路と電気的に接続され、前記一方向とは逆向きの他方向に前記被測定電流が流れる第2電流路と、が平行に配設された電流路と、前記第1電流路及び前記第2電流路に対応して配設され、前記電流路に前記被測定電流が流れたときに発生する磁界を検出する複数の磁電変換素子と、前記磁電変換素子、前記第1電流路及び前記第2電流路を囲う磁気シールド部材と、を備え、前記磁気シールド部材には、前記一方向に沿った隙間があり、前記隙間は、前記第1電流路及び前記第2電流路のそれぞれから等距離の位置に設けられていることを特徴としている。
これによれば、本発明の電流センサは、第1電流路及び第2電流路を囲う磁気シールド部材の隙間が第1電流路及び第2電流路のそれぞれから等距離の位置に設けられているので、この隙間の部分の磁界は、第1電流路から生じる磁界と第2電流路から生じる磁界とが逆向きでしかも同じ強さの磁界となっている。このため、どちらかに偏って隙間がある場合と比較して、磁気シールド部材の隙間から漏れる漏れ磁界を小さく抑えることができる。このことにより、磁気シールド部材に隙間があっても、隙間から漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化を低減することができる。
また、本発明の電流センサは、前記磁電変換素子の内、前記第1電流路に対応して配設される第1磁電変換素子と前記第2電流路に対応して配設される第2磁電変換素子との組み合わせが、少なくとも1組以上あり、前記組み合わせの前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子は、前記隙間から等距離の位置に設けられていることを特徴としている。
これによれば、第1電流路に配設される第1磁電変換素子及び第2電流路に配設される第2磁電変換素子が隙間から等距離の位置に設けられているので、外部磁界や電流路に被測定電流が流れたときに発生する磁界による、この隙間から漏れてくる漏れ磁界の影響が、2つの磁電変換素子に同じ強さで現れてくる。このため、2つの磁電変換素子からの出力を差動処理することにより、漏れ磁界の影響をより正確に相殺することができる。このことにより、磁気シールド部材に隙間があっても、隙間から漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化をより低減することができる。
また、本発明の電流センサは、前記磁気シールド部材は、1枚のシールド基材を折り曲げて形成されており、前記隙間は、1個所であることを特徴としている。
これによれば、1枚のシールド基材を折り曲げて形成されて生じた隙間が1個所であるので、隙間が2個所、或いはそれ以上の場合と比較し、隙間からの漏れ磁界をより小さくすることができ、測定精度の悪化をより一層低減することができる。
本発明の電流センサは、第1電流路及び第2電流路を囲う磁気シールド部材の隙間が第1電流路及び第2電流路のそれぞれから等距離の位置に設けられているので、この隙間の部分の磁界は、第1電流路から生じる磁界と第2電流路から生じる磁界とが逆向きでしかも同じ強さの磁界となっている。このため、それぞれの磁界が相殺されて、磁気シールド部材の隙間から漏れる漏れ磁界を小さく抑えることができる。このことにより、磁気シールド部材に隙間があっても、隙間から漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化を低減することができる。
本発明の第1実施形態の電流センサを説明する分解斜視図である。 本発明の第1実施形態の電流センサを説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態の電流センサを説明する図であって、図2に示すZ1側から見た上面図である。 本発明の第1実施形態の電流センサを説明する図であって、図3の一部を省略した上面図である。 本発明の第1実施形態の電流センサを説明する図であって、図4の一部を省略した上面図である。 本発明の第1実施形態の電流センサを説明する図であって、図3に示すVI−VI線における断面図である。 本発明の第1実施形態の電流センサを説明する図であって、図3に示すVII−VII線における断面図である。 本発明の第1実施形態の電流センサを説明する構成図であって、図6における磁気シールド部材と内部磁界との関係の一例を示した断面図である。 本発明の第1実施形態の電流センサを説明する構成図であって、図6における磁気シールド部材と外部部磁界との関係の一例を示した断面図である。 磁気シールド部材の隙間の影響をシミュレーションしたモデル図であって、図10Aは、本発明の第1実施形態の電流センサのモデル図であり、図10Bは、比較例1のモデル図であり、図10Cは、比較例2のモデル図である。 本発明の第1実施形態の電流センサのシミュレーション結果であり、図11Aは、内部磁場による影響を各モデル間で比較したグラフであり、図11Bは、図11Aに示すP部分を拡大して示したグラフである。 本発明の第1実施形態の電流センサのシミュレーション結果であり、外部磁場による影響を各モデル間で比較したグラフである。 本発明の第1実施形態の電流センサの変形例を説明する図であって、図13Aは、図6と対比した変形例1の断面図であり、図13Bは、電流路の変形例2の斜視図である。 従来例の電流センサを説明する図であって、図14Aは、電流センサの構成の概略を示す図であり、図14Bは、磁性体コアの内部に発生する磁界の向きをシミュレーションにて示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する分解斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する図であって、図2に示すZ1側から見た上面図である。図4は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する図であって、図3の上ケース11Aを省略した上面図である。図5は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する図であって、図4の磁気シールド部材15の一部を省略した上面図である。図6は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する図であって、図3に示すVI−VI線における断面図である。図7は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する図であって、図3に示すVII−VII線における断面図である。
本発明の第1実施形態の電流センサ101は、図1ないし図5に示すように、第1電流路12aと第2電流路12bとが平行に配設された電流路12と、電流路12に電流が流れたときに発生する磁界を検出する複数の磁電変換素子13と、磁電変換素子13、第1電流路12a及び第2電流路12bを囲う磁気シールド部材15と、を備えて構成される。他に、電流センサ101は、複数の磁電変換素子13間を接続する回路パターン(図示していない)を有した絶縁基板19と、電流路12を位置決めして支持する支持部材52と、電流路12、磁電変換素子13、磁気シールド部材15、絶縁基板19及び支持部材52を収容する筐体11と、が設けられている。
筐体11は、図1ないし図3、図6、図7に示すように、箱状に形成された上ケース11Aと、底面と底面の両端から延設された側面とでU字状に形成された下ケース11Dと、から構成されている。そして、磁気センサパッケージ14が搭載された絶縁基板19と電流路12と磁気シールド部材15と支持部材52とを、上ケース11Aと下ケース11Dとで挟むようにして収容している。また、図2及び図3に示すように、電流路12の一部と支持部材52の一部が筐体11からはみ出して収容されている。また、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)等の合成樹脂材料を用いており、射出成形等で作製している。
電流路12は、銅(Cu)等の導電性の良い材質を用い、図1、図4及び図5に示すように、U字形状を一部に有しており、このU字形状は、平行に配設された第1電流路12a及び第2電流路12bと、第1電流路12aと第2電流路12bとを電気的に接続した連結部12kと、から構成されている。そして、電流路12に被測定電流が流れると、第1電流路12aには一方向(例えば図5に示すY1方向)に被測定電流が流れ、連結部12kを介して、第2電流路12bには一方向とは逆向きの他方向(例えば図5に示すY2方向)に被測定電流が流れるようになっている。
更に、電流路12には、第1電流路12a及び第2電流路12bに連続して、端子部17a及び端子部17bが、連結部12kと反対側に設けられ、U字形状の縦方向(図1に示すY2方向)に向けて形成されている。そして、この端子部17a及び端子部17bの端部には、図示していない被測定電流路(測定したい電流路)と接続し固定するための孔17hが設けられている。この電流路12の被測定電流路への接続及び固定は、図示はしていないが、電流路12の孔17hを利用し、ボルト及びナット等を用いて、容易に達成することができる。なお、電流路12の材質に銅(Cu)を用いたが、これに限定されるものではなく、導電性の良い材質であれば良く、例えばアルミニウム(Al)等でも良い。
また、電流路12は、電流センサ101が組み立てられた際には、図1、図6及び図7に示す支持部材52の上方側(図6に示すZ1側)に配置され、支持部材52に載置される。
支持部材52は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)等の合成樹脂材料を用いており、図1に示すように、中央に孔が設けられた平板状の基部52dと、基部52dから延設された複数の部位と、から構成されている。この複数の部位は、基部52dの一方側端部(図1に示すY2方向側の端部)の左右に形成された立設部52rと、この立設部52rに挟まれた位置に設けられた突設部52tと、基部52dの他方側端部(図1に示すY1方向側の端部)の左右に形成された延設部52eとから構成されている。また、支持部材52は、合成樹脂材料を用いているので、射出成形等で加工され、このような複雑な形状を容易に作製することができる。
電流路12が支持部材52に載置された際には、図1、図4及び図5に示すように、電流路12の端子部17a及び端子部17bのそれぞれの外側に形成された傾斜部12mと、支持部材52の立設部52rに設けられた傾斜壁52kと、を当接させている。更に、電流路12のU字形状の幅方向(図5に示すX方向)の外側端面12tと、支持部材52の延設部52eとを当接させているとともに、支持部材52の突設部52tを電流路12のスリット部12sに嵌め込んでいる。これにより、電流路12と支持部材52との位置決めを正確に行なうことができる。
磁電変換素子13は、電流路12に電流が流れたときに発生する磁界を検出する素子であって、例えば、巨大磁気抵抗効果を用いた磁気検出素子(GMR(Giant Magneto Resistive)素子という)を用い、図1、図4ないし図6に示すように、第1電流路12aに対応して配設される第1磁電変換素子13Aと、第2電流路12bに対応して配設される第2磁電変換素子13Bと、の1組が配設されている。そして、この1組の磁電変換素子13(第1磁電変換素子13A、第2磁電変換素子13B)は、GMR素子をシリコン基板上に作製した後、GMR素子を切り出してチップを作り、切り出されたGMR素子のチップと信号の取り出しのためのリード端子14rとを電気的に接続して、熱硬化性の合成樹脂でパッケージングして、磁気センサパッケージ14としている。なお、このGMR素子が、磁界の変化に応じてGMR素子における抵抗値が変化する性質を有しているので、磁電変換素子13は、この抵抗値の変化から電流路12に流れる被測定電流を算出することにより、電流路12に流れる被測定電流を測定することができる。
また、磁電変換素子13(第1磁電変換素子13A、第2磁電変換素子13B)は、リード端子14rと回路パターン(図示していない)とがはんだ付けされ、図1、図5及び図6に示すように、電流路12のU字形状と対向して配設された絶縁基板19に搭載されている。そして、電流路12と絶縁基板19とが配設された際に、図4ないし図6に示すように、第1磁電変換素子13Aが一方の第1電流路12a上に設けられるとともに、第2磁電変換素子13Bが他方の第2電流路12b上に設けられるようになる。
また、図5に示すように、第1磁電変換素子13Aと第2磁電変換素子13Bの感度軸方向KDが、同じ方向(図5では、X2方向)を向いて配設されているとともに、第1磁電変換素子13Aと第2磁電変換素子13Bの感度影響軸方向EDが、同じ方向(図5では、Y1方向)を向いて配設されている。そして、本発明の第1実施形態の電流センサ101は、第1磁電変換素子13Aからの信号と第2磁電変換素子13Bからの信号とを算出することで、被測定電流路(測定したい電流路)に流れる被測定電流の電流値を精度良く測定することができる。なお、本発明の第1実施形態では、感度影響軸方向EDが、磁電変換素子13(第1磁電変換素子13A、第2磁電変換素子13B)にかけられたバイアスの方向になっており、感度軸方向KDと感度影響軸方向EDとのなす角が90°の場合について説明したが、この90°に限るものではない。
絶縁基板19は、一般に広く知られている片面のプリント配線板を用いており、ガラス入りのエポキシ樹脂のベース基板に、ベース基板上に設けられた銅(Cu)等の金属箔をパターニングして、回路を構成するための回路パターンを形成している。なお、絶縁基板19にガラス入りのエポキシ樹脂からなるプリント配線板を用いたが、これに限定されるものではなく、例えばセラミック配線板、フレキシブル配線板でも良い。
また、絶縁基板19が電流路12と対向して配設された際には、図1、図4、図5及び図7に示すように、絶縁基板19の一端側にある左右の外周側壁19sと支持部材52の延設部52eの内側壁52wとを当接させているとともに、絶縁基板19の他端側にある左右の外周側壁19tと支持部材52の立設部52rの内側壁52zとを当接させている。これにより、絶縁基板19と支持部材52との位置決めを正確に行なうことができる。
磁気シールド部材15は、透磁率の高い珪素鋼を用い、図1、図6及び図7に示すように、上面15a、底面15b、左右の側面15s、側面15tで構成され、矩形の筒状に成形されている。そして、磁気シールド部材15が組み込まれた際には、図4ないし図6に示すように、2つの磁電変換素子13(第1磁電変換素子13A、第2磁電変換素子13B)と第1電流路12a及び第2電流路12bとを囲うようにして配設されるようになる。なお、磁気シールド部材15の材料として珪素鋼を用いたが、磁気シールド効果を有する材質であれば、これに限るものではない。
また、磁気シールド部材15が組み込まれた際には、図4、図5及び図7に示すように、磁気シールド部材15の左右の側面15s、側面15tの内壁15wと支持部材52の延設部52eの外側壁52pとを当接させているとともに、磁気シールド部材15の左右の側面15s、側面15tの内壁15wと支持部材52の立設部52rの外側壁52qとを当接させている。これにより、磁気シールド部材15と支持部材52との位置決めを正確に行なうことができる。
また、磁気シールド部材15の作製は、1枚のシールド基材(珪素鋼板)を折り曲げることにより、容易に作製することができる。そのため、磁気シールド部材15には、上面15aに一方向(図1及び図4に示すY方向)に沿った隙間15gが1個所、形成されている。
この隙間15gは、図6及び図7に示すように、第1電流路12a及び第2電流路12bのそれぞれから等距離の位置に設けられている。この両者の相対位置関係は、磁気シールド部材15と支持部材52とが位置決めされているとともに、電流路12と支持部材52とが位置決めされていることにより、正確に達成することができる。
更に、この隙間15gは、図4及び図6に示すように、第1磁電変換素子13A及び第2磁電変換素子13Bのそれぞれから等距離の位置に設けられている。これは、磁気シールド部材15と支持部材52とが位置決めされているとともに、磁電変換素子13が搭載された絶縁基板19と支持部材52とが位置決めされていることにより、正確に達成することができる。なお、本発明の第1実施形態では、支持部材52を基準として、電流路12、磁電変換素子13及び磁気シールド部材15の相対位置を正確に決めているが、支持部材52に限らず、例えば、筐体11や絶縁基板19、或いはその他の部品を用いて行なっても良い。
次に、この磁気シールド部材15のシールド効果について簡単に説明する。図8は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する構成図であって、図6における磁気シールド部材15と内部磁界との関係の一例を示した断面図である。図9は、本発明の第1実施形態の電流センサ101を説明する構成図であって、図6における磁気シールド部材15と外部部磁界との関係の一例を示した断面図である。
図8に示すように、一方向に被測定電流が流れる第1電流路12aにより生じる内部磁界と、一方向とは逆向きの他方向に被測定電流が流れる第2電流路12bにより生じる内部磁界とが、磁気シールド部材15内において、お互いに打ち消し合う向きになっているので、磁気シールド部材15のシールド効果が飽和しない。しかも、磁気シールド部材15の隙間15gが第1電流路12a及び第2電流路12bのそれぞれから等距離の位置に設けられているので、この隙間15gの部分の磁界は、それぞれ逆向きでしかも同じ強さの磁界となっている。このため、どちらかに偏って隙間15gがある場合と比較して、磁気シールド部材15の隙間15gから漏れる漏れ磁界を小さく抑えることができる。このことにより、磁気シールド部材15に隙間15gがあっても、隙間15gから漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化を低減することができる。
また、磁気シールド部材15は、最も磁電変換素子13(13A、13B)の感度に影響を及ぼす感度軸方向KD(図9に示すX方向で、矢印の向きはプラスの向きを示している)から入る外部磁界に対して、この磁気シールド部材15が磁路として作用するので、磁電変換素子13への外部磁界の影響を低減することができる。
また、図9に示すように、例えば隙間15gがある上面15aに対して直角方向(図9に示すZ1方向)からの外部磁界MXが存在したとしても、第1電流路12aに配設される第1磁電変換素子13A及び第2電流路12bに配設される第2磁電変換素子13Bが隙間15gから等距離の位置に設けられているので、この隙間15gから漏れてくる漏れ磁界の影響が、2つの磁電変換素子13に同じ強さで現れてくる。このため、2つの磁電変換素子13からの出力を差動処理することにより、漏れ磁界の影響をより正確に相殺することができる。更に、電流路12に被測定電流が流れたときに発生する内部磁界による、隙間15gから漏れる漏れ磁界の影響も、同様にして正確に相殺することができる。これらのことにより、磁気シールド部材15に隙間15gがあっても、隙間15gから漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化をより低減することができる。なお、図9では、Z1方向から外部磁界MXが入るように象徴的に示しているが、Z1方向以外から入る外部磁界に対して同様のことが言える。
更に、本発明の第1実施形態では、1枚のシールド基材を折り曲げて形成されて生じた隙間15gが1個所であるので、隙間15gが2個所、或いはそれ以上の場合と比較し、隙間15gからの漏れ磁界をより小さくすることができ、測定精度の悪化をより一層低減することができる。
最後に、上述した効果について検証を行なった結果を説明する。図10は、磁気シールド部材15の隙間15gの影響をシミュレーションしたモデル図であって、図10Aは、本発明の第1実施形態の電流センサ101のモデル図(AA)であり、図10Bは、比較例1のモデル図(BB)で、磁気シールド部材B15の隙間が無い場合であり、図10Cは、比較例2のモデル図(CC)で、磁気シールド部材C15の隙間Cgが片側にずれた場合である。図11は、本発明の第1実施形態の電流センサ101のシミュレーション結果であり、図11Aは、内部磁場による影響を各モデル間で比較したグラフであり、図11Bは、図11Aに示すP部分を拡大して示したグラフである。図11中のA1は、電流センサ101のモデル図(AA)の結果であり、B1は、比較例1のモデル図(BB)の結果であり、C1は、比較例2のモデル図(CC)の結果である。図12は、本発明の第1実施形態の電流センサ101のシミュレーション結果であり、外部磁場による影響を各モデル間で比較したグラフである。このシミュレーションに用いた外部磁場は、図10に示すZ1方向から一様な磁場(1mTとした)がかかったものとした。また、図12中のA2は、電流センサ101のモデル図(AA)の結果であり、B2は、比較例1のモデル図(BB)の結果であり、C2は、比較例2のモデル図(CC)の結果である。なお、図11及び図12の横軸は、図10Aに示す隙間15gの中心をゼロとし、X1方向をプラス位置、X2方向をマイナス位置として表しており、縦軸は、磁束密度を示している。
その結果、磁気シールド部材C15の隙間Cgが片側にずれたプラス位置側において、図11Bに示すように、電流センサ101のモデル図(AA)の結果A1と隙間がない比較例1のモデル図(BB)の結果B1とがほぼ一致しているのに対し、隙間Cgが片側にずれた比較例2のモデル図(CC)の結果C1が、大きくずれていることが分かる。この隙間Cgのずれが、比較例2において測定精度の悪化を引き起こす一因となる。このことにより、磁気シールド部材15に隙間15gがあっても、隙間15gから漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化を低減することができるといえる。
また、図12に示すように、電流センサ101のモデル図(AA)の結果A2と隙間がない比較例1のモデル図(BB)の結果B2とが多少のずれはあるが同じ傾向なのに対し、隙間Cgが片側にずれた比較例2のモデル図(CC)の結果C2は、大きくずれているうえに、磁気シールド部材C15の隙間Cgが片側にずれたプラス位置側が大幅なずれが生じていることが分かる。この隙間Cgのずれにより、電流センサ101や隙間がない比較例1のモデルと比較して、磁束密度のずれが大きく左右のバランスが悪くなり、比較例2において測定精度の悪化を引き起こす一因となる。このことにより、磁気シールド部材15に隙間15gがあっても、隙間15gから漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化を低減することができるといえる。
以上により、本発明の電流センサ101は、第1電流路12a及び第2電流路12bを囲う磁気シールド部材15の隙間15gが第1電流路12a及び第2電流路12bのそれぞれから等距離の位置に設けられているので、この隙間15gの部分の磁界は、第1電流路12aから生じる磁界と第2電流路12bから生じる磁界とが逆向きで、しかも同じ強さの磁界となっている。このため、どちらかに偏って隙間15gがある場合と比較して、磁気シールド部材15の隙間15gから漏れる漏れ磁界を小さく抑えることができる。このことにより、磁気シールド部材15に隙間15gがあっても、隙間15gから漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化を低減することができる。
また、第1電流路12aに配設される第1磁電変換素子13A及び第2電流路12bに配設される第2磁電変換素子13Bが隙間15gから等距離の位置に設けられているので、外部磁界や電流路12に被測定電流が流れたときに発生する磁界による、この隙間15gから漏れてくる漏れ磁界の影響が、2つの磁電変換素子13に同じ強さで現れてくる。このため、2つの磁電変換素子13からの出力を差動処理することにより、漏れ磁界の影響をより正確に相殺することができる。このことにより、磁気シールド部材15に隙間15gがあっても、隙間15gから漏れる漏れ磁界の影響が少なく、測定精度の悪化をより低減することができる。
また、1枚のシールド基材を折り曲げて形成されて生じた隙間15gが1個所であるので、隙間15gが2個所、或いはそれ以上の場合と比較し、隙間15gからの漏れ磁界を小さくすることができ、測定精度の悪化をより一層低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
図13は、本発明の第1実施形態の電流センサ101の変形例を説明する図であって、図13Aは、図6と対比した変形例1の断面図であり、図13Bは、電流路12の変形例2の斜視図である。
<変形例1>
上記第1実施形態では、隙間15gが1個所形成された磁気シールド部材15を好適に用いたが、図13Aに示すように、隙間15jが第1電流路12a及び第2電流路12bのそれぞれから等距離の位置に設けられているとともに、隙間15jが第1磁電変換素子13A及び第2磁電変換素子13Bから等距離の位置に設けられており、2箇所の隙間(15g、15j)を有する構成でも良い。
<変形例2>
上記第1実施形態では、電流路12がU字形状に形成された構成にしたが、平行に配設された第1電流路12aと第2電流路12bとが電気的に接続していれば良く、例えば、図13Bに示すように、下方に折り曲げたれた連結部12jであっても良く、連結部はどのような形状であっても良い。
<変形例3>
上記第1実施形態では、磁電変換素子13を1組設けた構成にしたが、磁電変換素子13を2組設けた構成、或いはそれ以上設けた構成でも良い。
<変形例4>
上記第1実施形態では、1枚のシールド基材(珪素鋼板)を折り曲げて磁気シールド部材15を好適に用いたが、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂に扁平状の磁性粉末を分散させて、射出成形等により成形した成形部材を2つ組み合わせて、磁気シールド部材としても良い。また、磁性粉末を含有しない合成樹脂部材に、磁気シールド層を合成樹脂部材の内側の全面或いは外側の全面のいずれかに塗布して形成し、2つの合成樹脂部材を組み合わせて、磁気シールド部材としても良い。
<変形例5>
上記第1実施形態では、電流路12の断面形状が矩形の板状のタイプ、所謂バスバータイプを用いたが、断面形状が円形若しくは楕円形の電線のタイプの電流路を用いても良い。
<変形例6>
上記第1実施形態では、磁電変換素子13を電流路12に対して絶縁基板19を挟んで配設した構成にしたが、磁電変換素子13を電流路12に対向して配設した構成でも良い。
<変形例7>
上記第1実施形態では、磁電変換素子13を熱硬化性の合成樹脂でパッケージングして磁気センサパッケージ14とし、絶縁基板19に実装したが、磁電変換素子13をそのまま絶縁基板19に実装、所謂ベアチップ実装しても良い。
<変形例8>
上記第1実施形態では、磁電変換素子13としてGMR素子を好適に用いたが、他に、MR(Magneto Resistive) 素子、AMR(Anisotropic Magneto Resistive)素子、TMR(Tunnel Magneto Resistive)素子、ホール素子等であっても良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
12 電流路
12a 第1電流路
12b 第2電流路
13 磁電変換素子
13A 第1磁電変換素子
13B 第2磁電変換素子
15 磁気シールド部材
15g、15j 隙間
101 電流センサ

Claims (3)

  1. 一方向に被測定電流が流れる第1電流路と、前記第1電流路と電気的に接続され、前記一方向とは逆向きの他方向に前記被測定電流が流れる第2電流路と、が平行に配設された電流路と、
    前記第1電流路及び前記第2電流路に対応して配設され、前記電流路に前記被測定電流が流れたときに発生する磁界を検出する複数の磁電変換素子と、
    前記磁電変換素子、前記第1電流路及び前記第2電流路を囲う磁気シールド部材と、を備え、
    前記磁気シールド部材には、前記一方向に沿った隙間があり、
    前記隙間は、前記第1電流路及び前記第2電流路のそれぞれから等距離の位置に設けられていることを特徴とする電流センサ。
  2. 前記磁電変換素子の内、前記第1電流路に対応して配設される第1磁電変換素子と前記第2電流路に対応して配設される第2磁電変換素子との組み合わせが、少なくとも1組以上あり、
    前記組み合わせの前記第1磁電変換素子及び前記第2磁電変換素子は、前記隙間から等距離の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記磁気シールド部材は、1枚のシールド基材を折り曲げて形成されており、
    前記隙間は、1個所であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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