JP6301307B2 - クローラ - Google Patents

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Description

本発明は、クローラに関する。
通常、ゴムクローラの内部には、クローラ周方向に沿って延びるメインコードをクローラ幅方向に並べて構成されたメインコード層が配設されている。このメインコード層の構造として、メインコード層のクローラ周方向の両端部を突き合わせた構造(以下、適宜「突き合わせ構造」と記載する。)が知られている。突き合わせ構造のメインコード層を有するゴムクローラでは、突き合わせ部分における張力確保のために、メインコード層の一方の端部から他方の端部へ補助コードを延ばすことがある(例えば、特許文献1)。
特開2000-177660号公報
ところで、突き合わせ構造のメインコード層を有するゴムクローラは、メインコード層と補助コード層の重ね合わせ部分の曲げ剛性がその他の部分よりも高くなる。このため、重ね合わせ部分が駆動輪や遊動輪に巻き掛かると、重ね合わせ部分とその他の部分の境界(補助コード層のクローラ周方向の端部)近傍に曲げ剛性の差によって過剰な曲げ(曲率半径が小さい曲げ)が生じやすい傾向がある。
本発明は、突き合わせ構造のメインコード層を有するクローラにおいて、駆動輪や遊動輪に巻き掛かったときの曲げ剛性をクローラ周方向で均一に近づけることを課題とする。
本発明の第1の態様のクローラは、無端帯状の弾性体と、前記弾性体内に配設され、弾性体周方向に沿って延びるメインコードを弾性体幅方向に複数本並べて構成され、弾性体周方向の両端部が突き合わされたメインコード層と、前記弾性体内に配設されると共に前記メインコード層に積層され、弾性体周方向に沿って延びて前記メインコード層の両端部に跨ると共に弾性体周方向に伸縮可能とされた補助コードを弾性体幅方向に複数本並べて構成された補助コード層と、を有している。
以上説明したように、本発明のクローラは、駆動輪や遊動輪に巻き掛かけられたときの曲げ剛性をクローラ周方向で均一に近づけることができる。
第1実施形態のゴムクローラを側方(クローラ幅方向)から見た側面図。 図1に示すゴムクローラをクローラ内周側から見た平面図。 図2に示すゴムクローラの3X−3X線断面図。 図2に示すゴムクローラの4X−4X線断面図。 図4に示すゴムクローラの5X部の拡大図。 図5に示すゴムクローラのメインコード層及び各補助コード層の6X−6X線断面図。 図6に示すメインコード層及び各補助コード層の7X−7X線断面図。 図4に示すゴムクローラの重ね合わせ部がスプロケットに巻き掛かった状態を示す、図2の4X−4X線断面に対応するゴムクローラの側断面図。 図8に示す状態のゴムクローラの補助コード層がクローラ周方向に伸びた状態を示す補助コード層をクローラ外周側から見た展開図。 図8に示す状態のゴムクローラの補助コード層がクローラ周方向に縮んだ状態を示す補助コード層をクローラ外周側から見た展開図。 図7に示すメインコードの拡大断面図。 図7に示す補助コードの拡大断面図。 第2実施形態のゴムクローラを芯金翼部上でクローラ周方向に沿って切断した切断面をクローラ幅方向から見た側断面図(図2の4X−4X線断面に対応する側断面図)。 第3実施形態のゴムクローラを芯金翼部上でクローラ周方向に沿って切断した切断面をクローラ幅方向から見た側断面図(図2の4X−4X線断面に対応する側断面図)。 第4実施形態のゴムクローラを芯金翼部上でクローラ周方向に沿って切断した切断面をクローラ幅方向から見た側断面図(図2の4X−4X線断面に対応する側断面図)。 第5実施形態のゴムクローラの内周面を見た平面図。 図16に示すゴムクローラの17X−17X線断面図。 図16に示すゴムクローラの18X−18X線断面図。 変形例のメインコードの拡大断面図である。 第7実施形態のゴムクローラを芯金翼部上でクローラ周方向に沿って切断した切断面をクローラ幅方向から見た側断面図(図2の4X−4X線断面に対応する側断面図)。 第7実施形態のゴムクローラで用いられる補助コードの拡大断面図である。 第7実施形態のゴムクローラで用いられる補助コードの変形例の拡大断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るクローラについて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るクローラの一例としての無端状のゴムクローラ10は、機体としてのクローラ車の駆動軸に連結された駆動輪の一例としてのスプロケット100と、クローラ車に回転自在に取付けられた遊動輪の一例としてのアイドラー102とに巻き掛けられて用いられる。また、ゴムクローラ10の内周を、スプロケット100とアイドラー102の間に配置され且つクローラ車に回転自在に取り付けられた複数の転輪104(図1参照)が転動するようになっている。
本実施形態では、無端状のゴムクローラ10の周方向(図2の矢印S方向)を「クローラ周方向」と記載し、ゴムクローラ10の幅方向(図2の矢印W方向)を「クローラ幅方向」と記載する。なお、クローラ周方向(ゴムクローラ10の長手方向と同義)とクローラ幅方向は、ゴムクローラ10を内周側または外周側から見た場合に直交する。
また、本実施形態では、スプロケット100、アイドラー102、及び転輪104に巻き掛けて環状となったゴムクローラ10の内周側(図3、図4の矢印IN方向側)を「クローラ内周側」と記載し、上記ゴムクローラ10の外周側(図3、図4の矢印OUT方向側)を「クローラ外周側」と記載する。なお、図3、図4の矢印IN方向(環状の内側方向)、矢印OUT方向(環状の外側方向)は、巻き掛け状態のゴムクローラ10の内外方向(ゴムクローラ10の厚み方向と同義)を示している。
なお、本実施形態では、ゴムクローラ10をスプロケット100及びアイドラー102に巻き掛ける構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、スプロケット100、アイドラー102、及び転輪104の配置によっては、スプロケット100及びアイドラー102に加えて、一つまたは複数の転輪104にゴムクローラ10が巻き掛けられる構成としてもよい。
図1に示すように、スプロケット100は、クローラ車の駆動軸に連結される円盤状の輪部100Aの外周面に、円周方向に一定間隔で歯部100Bを形成したものである。このスプロケット100は、ゴムクローラ10にクローラ車からの駆動力を作用させて(詳細は後述)、ゴムクローラ10をスプロケット100及びアイドラー102の間で循環させるものである。
アイドラー102は、円盤状とされ、クローラ車に回転自在に取付けられている。また、アイドラー102は、クローラ車側が備える図示しない油圧等の加圧機構によってスプロケット100から離間する方向へ押圧されて、ゴムクローラ10のテンション(張力)を一定に保持するものである。
転輪104は、クローラ車の重量を支持するものであり、クローラ車に回転自在に取付けられる軸部104Aと、軸部104Aの両端部から外周側にそれぞれ張り出す鍔部である輪部104Bと、を含んで構成されている(図3、図4参照)。
上記アイドラー102及び転輪104は、スプロケット100及びアイドラー102の間を循環するゴムクローラ10に対して従動回転するようになっている。
図1に示すように、ゴムクローラ10は、ゴム材を無端帯状に形成したゴムベルト12を有している。なお、本実施形態のゴムベルト12は、本発明の無端帯状の弾性体の一例である。また、本実施形態のゴムベルト12の周方向、幅方向、内周側、外周側は、それぞれクローラ周方向、クローラ幅方向、クローラ内周側、クローラ外周側と一致する。
図2に示すように、ゴムベルト12には、芯金20がクローラ周方向に間隔(本実施形態では一定間隔)をあけて複数埋設されている。本実施形態の芯金20は、金属材料で形成されている。なお、本発明としては、芯金20がゴムクローラ10の仕様に対して十分な強度を備えるならば、金属材料以外の材料で構成しても構わない。例えば、芯金20を樹脂材料で形成してもよい。
図3に示すように、芯金20は、芯金中央部22と、この芯金中央部22のクローラ幅方向の両端部からクローラ幅方向外側にそれぞれ延出する一対の芯金翼部24と、芯金翼部24の根元側(本実施形態では、根元部)からクローラ内周側に突出する芯金突起26と、を含んで構成されている。
芯金中央部22は、スプロケット100から荷重や駆動力を受ける部分のため、芯金翼部24よりもクローラ内外方向に肉厚とされている。また、本実施形態の芯金中央部22は、ゴムベルト12中に完全に埋設されているが、本発明はこの構成に限定されずに、芯金中央部22のクローラ内周側の表面がゴムベルト12から露出していてもよい。
芯金突起26は、突出先端部側がゴムベルト12からクローラ内周側に突出している。この芯金突起26の突出した部分は、ゴムベルト12と同じゴム材でゴム被覆されている。なお、本発明は上記構成に限定されず、芯金突起26の突出部分については、ゴム被覆されない構成でも、一部のみがゴム被覆される構成でもよい。
ゴムクローラ10では、ゴムベルト12の一対の芯金突起26間、言い換えると、芯金中央部22上をスプロケット100及びアイドラー102が転動するようになっている。これら一対の芯金突起26は、スプロケット100及びアイドラー102と当接することで、スプロケット100及びアイドラー102のクローラ幅方向への移動を制限することができる。言い換えると、芯金突起26は、スプロケット100及びアイドラー102と当接することで、スプロケット100及びアイドラー102と、ゴムクローラ10(ゴムベルト12)とのクローラ幅方向の相対変位を抑制することができる。
本実施形態では、図2に示すように、芯金20の芯金中央部22のクローラ幅方向の中央を通る直線(以下、適宜「芯金中央線」と記載する。)と、ゴムベルト12のクローラ幅方向の中央を通る直線(以下では、中央線CLと記載する)とが略一致している。なお、本発明は上記構成に限定されず、ゴムベルト12の中央線CLに対して芯金20の芯金中央線がクローラ幅方向にずれていてもよい。また、本実施形態では、クローラ幅方向に沿って中央線CLに近い側をクローラ幅方向内側、遠い側をクローラ幅方向外側とする。
図2、図3に示すように、ゴムベルト12の一対の芯金突起26を挟んでクローラ幅方向両側には、クローラ内周側に***すると共にクローラ周方向に沿って延びる転輪転動面16がそれぞれ形成されている。この転輪転動面16は、平坦状とされ、前述の転輪104が転動するようになっている。
図2に示すように、ゴムベルト12の内周には、クローラ周方向に互いに隣り合う芯金20の芯金中央部22間にスプロケット100の歯部100Bが挿入係合される係合凹部50が形成されている。なお、本発明はこの構成に限定されず、ゴムベルト12に係合凹部50の代わりにゴムベルト12をクローラ内外に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に歯部100Bを挿入係合させる構成としてもよい。また、上記係合凹部50の底部にクローラ内外に貫通するスリットなどを形成してもよい。
ここで、スプロケット100の歯部100Bが係合凹部50に挿入係合した状態でスプロケット100が回転(駆動)すると、係合凹部50を介して芯金20の芯金中央部22に駆動力が入力されて、ゴムベルト12(ゴムクローラ10)に駆動力が伝達される。
図1に示すように、ゴムベルト12の外周には、クローラ外周側に突出するラグ14、15がクローラ周方向に間隔をあけながら交互に配設される。ラグ14、15は、ゴム材で形成され、ゴムクローラ10の地面と接地する接地部位を構成している。また、ラグ14、15はともにクローラ幅方向に沿って延びている。一方、図3に示すように、ラグ14は、ラグ15よりも幅広(ここでは、クローラ幅方向に沿った長さが長い)とされる。
図4に示すように、ラグ14、15は、それぞれ芯金20のクローラ外周側に配設されている。言い換えると、芯金20とラグ14はクローラ内外方向(クローラ厚み方向)に重なり合っている。なお、本発明は上記構成に限定されず、ラグの配置位置や形状については、従来公知のものを用いてもよい。
図3、図4に示すように、ゴムベルト12内には、一対の芯金翼部24のクローラ外周側にクローラ周方向に沿ってメインコード層30がそれぞれ配設されている。このメインコード層30は、クローラ周方向に沿って延びるメインコード32をクローラ幅方向に複数本並べて構成されている。また、クローラ幅方向に並べられたメインコード32は、全体がゴム材(図7では、被覆ゴム33で示す)によって被覆されている。具体的には、メインコード層30は、無端帯状のゴム材に複数本のメインコード32を埋設したメインコードプライにより構成されている。また、本実施形態では、被覆ゴム33としてゴムベルト12と同じゴム材を用いているが、本発明はこの構成に限定されず、被覆ゴム33としてゴムベルト12と異なるゴム材を用いてもよい。なお、本実施形態のメインコード32は、本発明のメインコードの一例であり、本実施形態のメインコード層30は、本発明のメインコード層の一例である。
また、メインコード層30は、クローラ周方向の両端部が突き合わされている。具体的には、メインコード層30を構成するメインコード32がゴムベルト12内をほぼ一周しており、図4、図5に示すように、長手方向の両端部(クローラ周方向の両端部と同義)32Aが突き合わされている。ここでメインコード32の両端部32Aは、間に隙間が形成されるように突き合わされても、間に隙間が形成されないように(換言すれば、両端部32Aが接触するように)突き合わされてもよく、突き合わせた部分を接合(例えば、溶接)してもよい。なお、図4、図5に示すように、本実施形態のメインコード32は、間に隙間が形成されるように両端部32Aが突き合わされている。なお、本実施形態では、各メインコード32の両端部32Aを中心線(図6の一点鎖線)が一致するように突き合わせているが、本発明はこの構成に限定されず、被覆ゴム33を含むメインコード層30の両端部が突き合わされていれば、各メインコード32の両端部32A間で中心線がずれていてもよい。例えば、メインコード32の両端部32Aがメインコード32の直径以上にクローラ幅方向にずれていてもよい。なお、この場合にも、クローラ幅方向から見て、メインコード32の両端部32Aが突き合わされて見える。
また、メインコード層30を構成する各メインコード32は、両端部32Aが同じ芯金20(具体的には、芯金翼部24)のクローラ外周側(図4、図5では、下側)に配設されている。なお、本発明はこの構成に限定されず、各メインコード32の両端部32Aが同じ芯金20のクローラ外周側に配設されなくてもよい。
図11に示すように、本実施形態のメインコード32は、複数本のストランド34を撚り合わせて形成されている。このストランド34は、複数本のフィラメント35を撚り合わせて形成されている。なお、本発明は上記構成に限定されず、本発明のメインコードとして、例えば、図19に示すメインコード132を用いてもよい。このメインコード132は、複数本のフィラメント135を撚り合せて形成されたストランド134を複数本撚り合せて形成されている。
また、本実施形態では、メインコード32の一例として引っ張り強度に優れるスチールコード(複数本のスチールフィラメントを撚り合せて形成されたスチールストランドを複数本撚り合せて形成されたスチールコード)を用いている。なお、本発明は上記構成に限定されず、十分な引張り強度とメインコード層30としての曲げ剛性を確保することができれば、有機繊維(例えば、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維など)で構成した有機繊維コードをメインコードとして用いてもよい。
図3、図4に示すように、ゴムベルト12内には、メインコード層30のクローラ外周側にクローラ周方向に延びる補助コード層36が配設されている。この補助コード層36は、メインコード層30の両端部(各メインコード32の両端部32A)を跨ぐようにメインコード層30に積層されている。また、補助コード層36は、クローラ周方向に延びる補助コード38をクローラ幅方向に複数本並べて構成されている。この補助コード38は、クローラ幅方向から見て、メインコード32の両端部32Aに跨っている。
また、クローラ幅方向に並べられた補助コード38は、全体がゴム材(図7では、被覆ゴム39で示す)によって被覆されている。具体的には、補助コード層36は、無端帯状のゴム材に複数本の補助コード38を埋設した補助コードプライにより構成されている。
また、本実施形態では、被覆ゴム39としてゴムベルト12と同じゴム材を用いているが、本発明はこの構成に限定されず、被覆ゴム39としてゴムベルト12と異なるゴム材を用いてもよい。なお、本実施形態の補助コード38は、本発明の補助コードの一例であり、本実施形態の補助コード層36は、本発明の補助コード層の一例である。
補助コード38は、クローラ周方向に伸縮可能とされている。具体的には、図6に示すように、補助コード38は、クローラ周方向と直交する方向であるクローラ幅方向に振幅をもつようにメインコード32を緩やかに屈曲させた屈曲部40を有している。具体的には、本実施形態では、補助コード38が複数の屈曲部40を有し、クローラ厚み方向から見て、クローラ周方向に隣り合う屈曲部40同士が互いに逆向きに屈曲している(換言すれば、隣り合う屈曲部40同士の振幅方向が互いに逆向きとなっている)。また、補助コード38は、クローラ厚み方向から見て、クローラ周方向に隣り合う屈曲部40同士が互いに連続している。なお、本実施形態の補助コード38は、クローラ厚み方向から見て、クローラ周方向に波状(例えば、サイン波状、矩形波状、ジグザグ状等)に延びている。
図6に示すように、クローラ厚み方向から見て、クローラ幅方向に隣り合う補助コード38の屈曲部40は、互いに同じ向きに屈曲している。具体的には、クローラ幅方向に隣り合う補助コード38の波形状が同位相かつ同振幅とされている。なお、本発明は上記構成に限定されず、例えば、クローラ幅方向に隣り合う補助コードの波形状が、振幅が異なるが同位相、位相がずれているが同振幅、または、振幅も位相も異なる構成であってもよい。なお、図6では、補助コード38の波形状の振幅(屈曲部40の振幅)を符号A1で示し、補助コード38の波形状の波長(屈曲部40の端部間距離の2倍)を符号λ1で示している。また、図6において、補助コード38及び後述する補助コード44の中心を通る一点鎖線は、補助コード38及び後述する補助コード44のそれぞれの中心線である。
図4に示すように、補助コード38の長手方向の両端部38A(クローラ周方向の両端部と同義)は、クローラ幅方向から見て、それぞれラグ14またはラグ15のクローラ内周側に配設されている。なお、本発明はこの構成に限定されず、補助コード38の両端部38Aのうちの少なくとも一方がラグ14とラグ15との間に配設されていてもよい。
また、本実施形態では、メインコード層30と補助コード層36の接着面積をA、被覆ゴム39(本実施形態では被覆ゴム33と同じゴム材)の許容応力をK、メインコード層30の総強力(メインコード32の1本当たりの強力×メインコード32の打ち込み本数)をHとしたとき、A×K≧Hを満たしている。この関係を満たすことにより、メインコード層30と補助コード層36との間の層間剥離を効果的に抑制することができる。
図12に示すように、本実施形態の補助コード38は、複数本のフィラメント47を撚り合わせて形成されている。また、本実施形態では、補助コード38の一例として引っ張り強度に優れるスチールコード(複数本のスチールフィラメントを撚り合せて形成されたスチールコード)を用いている。なお、本発明は上記構成に限定されず、十分な引張り強度と補助コード層36としての曲げ剛性を確保することができれば、有機繊維(例えば、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維など)で構成した有機繊維コードを補助コードとして用いてもよい。
また、本実施形態では、補助コード38を複数本のフィラメント47を撚り合せて形成する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、補助コード38を1本のフィラメントとする構成としてもよい。
また、補助コード38は、メインコード32よりも小径とされている。そして、補助コード層36は、厚み(クローラ厚み方向に沿った厚み)がメインコード層30よりも薄く、幅(クローラ幅方向に沿った幅)がメインコード層30と略同じになっている。
図3、図4に示すように、ゴムベルト12内には、メインコード層30のクローラ内周側に補助コード層36と同じ構成の補助コード層42が積層されている。具体的には、補助コード層42は、補助コード38に対応する補助コード44、被覆ゴム39に対応する被覆ゴム45で構成されている。また、補助コード44は、フィラメント41に対応するフィラメント47で構成されている。なお、補助コード44の屈曲部46は、補助コード38の屈曲部40に対応している。
また、本実施形態では、クローラ厚み方向から見て、補助コード38の波形状と補助コード44の波形状が同位相かつ同振幅とされている。なお、本発明は上記構成に限定されず、例えば、補助コード38の波形状と補助コード44の波形状が、振幅が異なるが同位相、または、位相がずれているが同振幅である構成であってもよい。なお、図6では、補助コード44の波形状の振幅(屈曲部46の振幅)を符号A2で示し、波長(屈曲部46の端部間距離の2倍)をλ2で示している。なお、本実施形態の補助コード44は、本発明の補助コードの一例であり、本実施形態の補助コード層42は、本発明の補助コード層の一例である。
また、補助コード層42は、メインコード層30を挟んで補助コード層36とクローラ周方向の同じ位置に配置されている。すなわち、補助コード44の長手方向の両端部44A(クローラ周方向の両端部)は、芯金20(具体的には、芯金翼部24)のクローラ内周側に配設されている。
また、補助コード層36及び補助コード層42の総強力の合計は、メインコード層30の総強力以上とされている。
なお、メインコード層30の総強力は、メインコード32の打ち込み本数に1本のメインコード32の破断時の強力(引張力)を乗じて求められる。
同様に、補助コード層36の総強力は、補助コード38の打ち込み本数に1本の補助コード38の破断時の強力(引張力)を乗じて求められ、補助コード層42の総強力は、補助コード44の打ち込み本数に1本の補助コード44の破断時の強力を乗じて求められる。
次に、本実施形態のゴムクローラ10の作用効果について説明する。
ゴムクローラ10では、スプロケット100やアイドラー102に巻き掛かった部分では、メインコード層30が曲げの中心面となってゴムベルト12が曲げられる。このとき、メインコード層30を基準としてクローラ内周側には圧縮力が作用し、クローラ外周側には引張力が作用する。
ここで、ゴムクローラ10では、図8に示すように、メインコード層30と補助コード層36及び補助コード層42とを重ね合わせた部分(以下、適宜「重ね合わせ部」と記載する。)がスプロケット100やアイドラー102に巻き掛かると、メインコード層30が曲げの中心となり、補助コード層36及び補助コード層42がクローラ周方向に伸縮する。具体的には、図9に示すように、補助コード層36には、引張力が作用するため、補助コード38の複数の屈曲部40が伸びる。すなわち、補助コード38のクローラ周方向の長さが伸びる(長くなる)。これにより、補助コード層36のクローラ周方向の長さも伸びる。一方、図10に示すように、補助コード層42には、圧縮力が作用するため、補助コード44の複数の屈曲部46がさらに屈曲されて縮む。すなわち、補助コード44のクローラ周方向の長さが縮む(短くなる)。これにより、補助コード層42のクローラ周方向の長さも縮む。
このため、ゴムクローラ10では、上記重ね合わせ部とその他の部分の曲げ剛性の差が小さくなる。すなわち、ゴムクローラ10によれば、スプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときの曲げ剛性をクローラ周方向で均一に近づけることができる。
これにより、上記重ね合わせ部がスプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときに、重ね合わせ部とその他の部分との境界近傍でゴムベルト12に過剰な曲げが生じるのを抑制することができる。結果、ゴムベルト12の一部分(上記境界近傍)に過剰な曲げが繰り返し生じるのが抑制されるため、屈曲疲労を低減することができる。
また、ゴムクローラ10では、メインコード層30の両端部(各メインコード32の両端部32A)を補助コード層36と補助コード層42で挟むことから、メインコード層30の端部近傍を起点とする過剰な曲げを抑制することができる。
さらに、ゴムクローラ10では、クローラ厚み方向から見て、補助コード38の屈曲部40をクローラ幅方向に屈曲させている、すなわち、屈曲部40の振幅方向をクローラ幅方向にしていることから、補助コード層36の厚み(クローラ厚み方向の厚み)を薄くすることができる。同様に、補助コード層42の厚み(クローラ厚み方向の厚み)を薄くすることができるため、軽量化を図ることができる。
またさらに、ゴムクローラ10では、補助コード38のクローラ周方向に隣り合う屈曲部40同士が互いに逆向きに屈曲していることから、補助コード38へのクローラ周方向の入力(引張力及び圧縮力)に対して補助コード層36をクローラ周方向にバランスよく伸縮させることができる。同様に、補助コード44へのクローラ周方向の入力(引張力及び圧縮力)に対して補助コード層42をクローラ周方向にバランスよく伸縮させることができる。また、クローラ厚み方向から見て、補助コード38のクローラ周方向に隣り合う屈曲部40同士を連続させていることから、補助コード38のクローラ周方向の伸縮量を増大させることができる。同様に、補助コード44のクローラ周方向の伸縮量を増大させることができる。
そして、ゴムクローラ10では、クローラ厚み方向から見て、クローラ幅方向に隣り合う補助コード38の屈曲部40を互いに同じ向きに屈曲させている、すなわち、隣り合う補助コード38の屈曲部40の振幅方向を互いに同じ向きにしていることから、各補助コード38のクローラ周方向の伸縮量を均一に近づけることができる。同様に、各補助コード44のクローラ周方向の伸縮量を均一に近づけることができる。特に、ゴムクローラ10では、クローラ幅方向に隣り合う補助コード38の波形状を同位相かつ同振幅にしていることから、各補助コード38のクローラ周方向の伸縮量(本実施形態では、伸び量)を均一に近づけることができる。これにより、補助コード層36のクローラ周方向の伸縮量(本実施形態では、伸び量)をクローラ幅方向で一定に近づけることができる。
同様に、クローラ幅方向に隣り合う補助コード44同士を同位相かつ同振幅にしていることから、各補助コード44のクローラ周方向の伸縮量(本実施形態では、縮み量)を均一に近づけることができる。これにより、補助コード層42のクローラ周方向の伸縮量(本実施形態では、縮み量)をクローラ幅方向で一定に近づけることができる。
そして、ゴムクローラ10では、補助コード層36及び補助コード層42の総強力の合計を、メインコード層30の総強力以上にしていることから、メインコード32の両端部32A間の隙間部分においても、補助コード層36及び補助コード層42によって十分な張力が確保される。すなわち、ゴムクローラ10では、補助コード層36及び補助コード層42により、走行時の張力を十分に確保することができる。
一方、ゴムクローラ10は、重ね合わせ部がスプロケット100やアイドラー102に巻き掛かると、補助コード層36がクローラ周方向に伸びるため、例えば、補助コード層36が伸びないものと比べて、メインコード層30の重ね合わせ部に対応した部位に作用する圧縮力を低減することができる。また、上記のように補助コード層36がクローラ周方向に伸びるため、メインコード層30と補助コード層36との間のゴムに作用するせん断力を低下させられる。これにより、メインコード層30と補助コード層36の間の剥離(層間剥離)を抑制することができる。
また、ゴムクローラ10は、重ね合わせ部の巻き掛かり時には、補助コード層42がクローラ周方向に縮むため、例えば、補助コード層42が縮まないものと比べて、メインコード層30の重ね合わせ部に対応した部位に作用する圧縮力(圧縮応力)を低減することができる。また、上記のように補助コード層42がクローラ周方向に伸びるため、メインコード層30と補助コード層42との間のゴムに作用するせん断力を低下させられる。これにより、メインコード層30と補助コード層42の間の剥離(層間剥離)を抑制することができる。
第1実施形態では、補助コード層36と補助コード層42を同じ構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、補助コード層36と補助コード層42を異なる構成としてもよい。例えば、補助コード層36と補助コード層42の長さを異ならせてもよく、補助コード38と補助コード44の振幅及び位相を異ならせてもよく、さらに、補助コード38と補助コード44の材質、コード径、及びコードの撚り構造などを異ならせてもよい。
なお、補助コード層36には引張力が作用し、補助コード層42には圧縮力が作用するため、作用する力に応じて補助コード層36と補助コード層42の構成を異ならせることが好ましい。
第1実施形態では、クローラ厚み方向から見て、補助コード38がクローラ幅方向に振幅をもつように屈曲された屈曲部40を有する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、補助コード38がクローラ周方向に対して直交する方向、例えば、クローラ幅方向から見て、クローラ厚み方向に振幅をもつように屈曲させた屈曲部を有する構成としてもよい。また、補助コード38は、クローラ周方向に対して直交する方向に振幅を有していれば、例えば、クローラ周方向に隣り合う屈曲部40同士をつなぐ部分がクローラ周方向に沿って直線状に延びる構成としてもよい。一方、補助コード38を、クローラ周方向を中心軸として螺旋状に巻きながらクローラ周方向に沿って配設する構成としてもよい。なお、上記補助コード38の構成は、補助コード44、及び後述する第2〜第5実施形態の全ての補助コードに適用してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るゴムクローラについて説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図13に示すように、本実施形態のゴムクローラ60は、補助コード層36のクローラ外周側に補助コード層62が積層され、補助コード層42のクローラ内周側に補助コード層66が積層される構成を除いて第1実施形態のゴムクローラ10と同一の構成である。このため、以下では、補助コード層62及び補助コード層66について説明する。
なお、本実施形態の補助コード64、68は、本発明の補助コードの一例であり、本実施形態の補助コード層62、66は、本発明の補助コード層の一例である。
図13に示すように、補助コード層62は、クローラ周方向の長さを除いて補助コード層36と同じ構成である。具体的には、補助コード層62は、補助コード38に対応する補助コード64、被覆ゴム39に対応する被覆ゴム(図示省略)で構成されている。
また、補助コード層62は、クローラ幅方向から見てメインコード層30の両端部(各メインコード32の両端部32A)にクローラ外周側から跨っている。
また、本実施形態では、補助コード64の波形状と補助コード38の波形状が同位相かつ同振幅とされている。なお、本発明は上記構成に限定されず、例えば、補助コード64の波形状と補助コード38の波形状が、振幅が異なるが同位相、位相がずれているが同振幅、または、振幅も位相も異なる構成であってもよい。
また、メインコード層30から遠い補助コード層62は、メインコード層30に近い補助コード層36よりもクローラ周方向の長さが短くなっている。
またさらに、補助コード層36及び補助コード層62は、各々の補助コード38の端部38Aと補助コード64の端部64Aとがクローラ周方向にずれている。
一方、補助コード層66は、クローラ周方向の長さを除いて補助コード層42と同じ構成である。具体的には、補助コード層66は、補助コード44に対応する補助コード68、被覆ゴム45に対応する被覆ゴム(図示省略)で構成されている。
また、補助コード層66は、クローラ幅方向から見てメインコード32の両端部32Aにクローラ内周側から跨っている。
また、本実施形態では、補助コード68と補助コード44が同位相かつ同振幅とされている。なお、本発明は上記構成に限定されず、例えば、補助コード44と補助コード68が、振幅が異なるが同位相、位相がずれているが同振幅、または、振幅も位相も異なる構成であってもよい。
また、メインコード層30から遠い補助コード層66は、メインコード層30に近い補助コード層42よりもクローラ周方向の長さが短くなっている。
またさらに、補助コード層42及び補助コード層66は、各々の補助コード44の端部44Aと補助コード68の端部68Aとがクローラ周方向にずれている。
また、本実施形態では、補助コード層62と補助コード層66のクローラ周方向に沿った長さ、及びクローラ幅方向に沿った幅が同じにされている。そして、補助コード層62と補助コード層66は、メインコード層30を挟んでクローラ周方向の同じ位置に配置されている。
さらに、補助コード層36、補助コード層42、補助コード層62、及び補助コード層66の総強力の合計は、メインコード層30の総強力以上とされている。
また、補助コード層62は、補助コード層36よりもクローラ外周側に配置されるため、巻き掛け時に作用する引張力が補助コード層36よりも大きくなる。このため、補助コード層62に補助コード層36以上の伸び代を持たせる構成とすることが好ましい。一例として、補助コード64と補助コード38の振幅を同じにしつつ、補助コード64の波長を補助コード38の波長よりも短くすればよい。なお、本発明はこの構成に限定されず、補助コード64の波長と振幅を補助コード38と同じにしてもよく、それ以外でもよい。
また、補助コード層66は、補助コード層42よりもクローラ内周側に配置されるため、巻き掛け時に作用する圧縮力が補助コード層42よりも大きくなる。このため、補助コード層66に補助コード層42以上の縮み代を持たせる構成とすることが好ましい。一例として、補助コード68と補助コード44の振幅を同じにしつつ、補助コード68の波長を補助コード44の波長よりも長くすればよい。なお、本発明はこの構成に限定されず、補助コード68の波長と振幅を補助コード44と同じにしてもよく、それ以外でもよい。
次に、本実施形態のゴムクローラ60の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第1実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
ゴムクローラ60では、メインコード層30のクローラ外周側に補助コード層36及び補助コード層62の2層を積層し、クローラ内周側に補助コード層42及び補助コード層66の2層を積層したため、各補助コード層の伸縮量(波長や振幅)を調整することで、メインコード層30と各補助コード層の重ね合わせ部の曲げ剛性を最適化できる。
ゴムクローラ60では、補助コード層36の端部38Aと補助コード層62の端部64Aをクローラ周方向にずらしていることから、メインコード層30と補助コード層36、62の重ね合わせ部とその他の部分の曲げ剛性の差を小さくすることができる。一方、補助コード層42の端部44Aと補助コード層66の端部68Aをクローラ周方向にずらしていることから、メインコード層30と補助コード層42、66の重ね合わせ部とその他の部分の曲げ剛性の差を小さくすることができる。
ゴムクローラ60では、メインコード層30から遠い補助コード層62、66の弾性体周方向に沿った長さをメインコード層30に近い補助コード層36、42よりも短くすることで、巻き掛け時の曲げ剛性を確保しつつ、重量を低減するこができる。
第2実施形態では、メインコード層30のクローラ外周側に2層の補助コード層36、62を積層し、クローラ内周側に2層の補助コード層42、66を積層する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、メインコード層30のクローラ外周側に3層以上の補助コード層を設けてもよく、メインコード層30のクローラ内周側に3層以上の補助コード層を設けてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るゴムクローラについて説明する。なお、第2実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図14に示すように、本実施形態のゴムクローラ70は、メインコード層30のクローラ外周側に補助コード層36及び補助コード層62が積層されるが、クローラ内周側に補助コード層42及び補助コード層66が積層されない構成を除いて、第2実施形態のゴムクローラ60と同一の構成である。
次に、本実施形態のゴムクローラ70の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第2実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
本実施形態のゴムクローラ70では、第2実施形態のゴムクローラ60のようにメインコード層30のクローラ内周側に補助コード層42及び補助コード層66を積層しないため、重量を軽減することができる。また、ゴムクローラ70は、ゴムクローラ60と比べて、ゴムベルト12の厚みを薄くできるためスプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときにゴムベルト12の外周に生じる引っ張り歪みを抑制できる。
また、図14に示すように、メインコード層30の両端部(各メインコード32の両端部32A)は、同じ芯金20のクローラ外周側に配置されることから、スプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときに動きが拘束されるため、両端部32A近傍を起点として過剰な曲げが生じるのを抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るゴムクローラについて説明する。なお、第2実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図15に示すように、本実施形態のゴムクローラ72は、メインコード層30のクローラ外周側に補助コード層36及び補助コード層62が積層されるが、クローラ内周側には補助コード層42が積層されずに補助コード層66のみが積層される構成を除いて、第2実施形態のゴムクローラ60と同一の構成である。
次に、本実施形態のゴムクローラ72の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第2実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
本実施形態のゴムクローラ72では、第2実施形態のゴムクローラ60のようにメインコード層30のクローラ内周側に補助コード層42を積層しないため、重量を軽減することができる。一方で、ゴムクローラ72では、図15に示すように、メインコード層30のクローラ内周側に補助コード層66を積層するため、スプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときに両端部32A近傍を起点として過剰な曲げが生じるのを抑制することができる。また、メインコード層30のクローラ内周側に補助コード層66を積層することで、第3実施形態のゴムクローラと比べて、メインコード層30の補助コード層66との重ね合わせ部に作用する圧縮力を効果的に低減することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係るゴムクローラについて説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図16〜図18に示すように、本実施形態のゴムクローラ80は、第1実施形態のようなスプロケット100及びアイドラー102を有する機体向けのゴムクローラでなく、左右一対の円盤状のドライブホイール110及びアイドラーホイール(図示省略)を有する機体向けのゴムクローラである。また、本実施形態のゴムクローラ80は、第1実施形態のゴムクローラ10のように芯金20及び係合凹部50を設けず、代わりにゴム突起84を設ける、所謂、芯金レスゴムクローラである。
図16に示すように、本実施形態のゴムクローラ80は、無端帯状のゴムベルト82を有している。このゴムベルト82には、クローラ周方向に間隔(本実施形態では、一定間隔)をあけてクローラ内周側に突出するゴム突起84が形成されている。このゴム突起84は、クローラ幅方向両側のゴムベルト82の内周面上を転動するドライブホイール110及びアイドラーホイール(図示省略)と当接してゴムクローラ80とドライブホイール110及びアイドラーホイールとの相対移動を抑制するものである。また、本実施形態のゴムクローラ80は、ドライブホイール110とゴムベルト内周面との摩擦力、及び、一対のドライブホイール110の外周縁部間に橋渡された複数のピン部111がゴム突起84に当接して伝達される駆動力によって、ドライブホイール110とアイドラーホイールとの間を循環するようになっている。
図17、図18に示すように、ゴムベルト82内には、クローラ周方向に沿って延びるメインコード層86が配設されている。このメインコード層86は、第1実施形態のメインコード32に対応するメインコード88をクローラ幅方向に並べて構成されている。また、メインコード層86のクローラ幅方向の端部は、ゴムベルト82のドライブホイール及びアイドラーホイールが接触する部分よりもゴムベルト82のクローラ幅方向の端部側に位置している。
また、メインコード層86のクローラ外周側には、補助コード層90が配設されている。この補助コード層90は、第1実施形態の補助コード38に対応する補助コード92をクローラ幅方向に並べて構成されている。この補助コード92は、メインコード88の両端部88Aを跨いでいる。また、補助コード92の両端部は、ラグ14またはラグ15のクローラ内周側に配設されている。
一方、メインコード層86のクローラ内周側には、補助コード層94が配設されている。この補助コード層94は、第1実施形態の補助コード44に対応する補助コード96をクローラ幅方向に並べて構成されている。この補助コード96は、メインコード88の両端部88Aを跨いでいる。また、補助コード96の両端部は、ゴム突起84のクローラ外周側に配設されている。
次に、本実施形態のゴムクローラ80の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第1実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
本実施形態のゴムクローラ80では、補助コード92の両端部92Aをゴム厚みが厚いラグ14またはラグ15のクローラ内周側に配設していることから、例えば、ゴム厚みが薄いラグ14とラグ15との間に配設した場合と比べて、補助コード92の端部92Aを基点とした過剰な曲げを抑制することができる。
一方、ゴムクローラ80では、補助コード96の両端部96Aをゴム厚みが厚いゴム突起84のクローラ内周側に配設していることから、例えば、ゴム厚みが薄いゴム突起84間に配設した場合と比べて、補助コード96の端部96Aを基点とした過剰な曲げを抑制することができる。従って、芯金レスのゴムクローラ80の耐久性が向上する。
第1実施形態に係るゴムクローラでは、補助コード38、44にそれぞれ屈曲部40、46を形成することで、補助コード38、44をクローラ周方向に伸縮可能にしているが、本発明はこの構成に限定されず、補助コードがクローラ周方向に伸縮できれば、上記構成以外でも構わない。一例として、第6実施形態に係るゴムクローラでは、補助コードとしてハイエロンゲーションコードを用い、該補助コードをクローラ周方向に延設している。なお、「ハイエロンゲーションコード」とは、一般に、複数本のストランドを緩く撚り合わせて、ストランドを互いに動き易く形成したコードであり、高い伸び性を有し(即ち破断までの伸びが大きい)、S−S曲線(Stress(応力)−Strain(歪) Curve)が低歪領域で傾きが小さく(低弾性率)、高歪領域で傾きが大きく(高弾性率)なる特性を有するコードである。補助コードとしてハイエロンゲーションコードを用いることで、補助コードに蛇行癖を付ける工程を必要としないため、製造工程を簡単にできる。なお、補助コードとしてハイエロンゲーションコードを用いる構成については、第2〜第5実施形態に適用してもよい。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係るゴムクローラについて説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。図20に示すように、本実施形態のゴムクローラ140は、メインコード層30のクローラ外周側に補助コード層36が積層されず、メインコード層30のクローラ内周側に補助コード層42に対応する補助コード層142が積層される構成を除いて、第1実施形態のゴムクローラ10と同一の構成である。
補助コード層142は、クローラ周方向に沿って直線状に延びる補助コード144をクローラ幅方向に複数本並べて構成されている。この補助コード144は、クローラ幅方向から見て、メインコード32の両端部32Aに跨っている。なお、補助コード層142は、補助コード144の構成以外は、第1実施形態の補助コード層42と同一の構成である。なお、本実施形態の補助コード144は、本発明の補助コードの一例であり、本実施形態の補助コード層142は、本発明の補助コード層の一例である。また、図20の符号144Aは、補助コード144の端部を示す。
図21に示されるように、補助コード144は、中心部に位置する1本のフィラメント147の周囲に複数本(本実施形態では5本)の他のフィラメント148を撚り合せた層撚り構造のストランド146を複数本(本実施形態では4本)撚り合せた複撚り構造である。なお、本発明は上記構成に限定されない。例えば、ストランド146を単撚り構造としてもよい。
また、補助コード144は、ストランド146を構成するすべての層(ここでは、フィラメント148で構成される層)の撚り方向とストランド146の撚り方向とが同方向とされている(所謂ラング撚り構造)。なお、フィラメント148で構成される層の撚り方向とは、フィラメント148の撚り方向を指す。また、ストランド146を単撚りとした場合には、ストランド146を構成するすべての層の撚り方向は、ストランド146を構成するそれぞれのフィラメントの撚り方向となる。
補助コード144は、上記撚り構造としているため、バネ状の特性を有しており、クローラ周方向に伸縮可能とされている。具体的には、補助コード144は、補助コード144の軸線方向と直交する方向から見て、張力付与状態では、フィラメント148が補助コード144の軸線方向に引っ張られて、補助コード144の軸線方向に対する傾斜角度(鋭角側の角度)が無負荷状態よりも小さくなり、補助コード144全体が伸びる。また、補助コード144は、上記撚り構造としているため、例えば、ストランド146を構成するすべての層の撚り方向とストランド146同士の撚り方向とが逆方向とされた通常撚り構造の補助コードよりも、クローラ周方向の伸縮量を増大させることができる、すなわち、クローラ周方向の伸縮性に優れる。
また、補助コード144は、破断時の強力の50%の張力を付与した際の伸びが1.5%以上15%以下となるようにフィラメント148の補助コード144の軸線方向に対する傾斜角度などが設定されている。
ここで、破断時の強力の50%の張力を付与した際の伸びが1.5%以上の場合、ゴムクローラ140において、メインコード層30と補助コード層142とが重ね合わされた重ね合わせ部と他の部分の曲げ剛性の差が小さくなるため、スプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときの曲げ剛性をクローラ周方向で均一に近づけることができる。一方、破断時の強力の50%の張力を付与した際の伸びが15%を越える場合、メインコード層30の端部間距離の拡大にともなって、端部間近傍に位置する芯金20同士間の距離も拡大して、スプロケット100の歯飛びやスプロケット100の摩耗、騒音、振動等の発生が懸念される。
したがって、補助コード144は、破断時の強力の50%の張力を付与した際の伸びを1.5%以上15%以下とすることが好ましい。
補助コード144の材質は、補助コード44と同様ものを用いてもよい。なお、本実施形態では、補助コード144をスチールコードとしている。
次に、本実施形態のゴムクローラ140の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第1実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
ゴムクローラ140では、ストランド146を構成するすべての層の撚り方向とストランド146同士の撚り方向とを同方向とする撚り構造とすることで補助コード144がクローラ周方向に伸縮できるため、例えば、第1〜第5実施形態の補助コードのように蛇行癖を付ける必要がなく、製造工程を簡単にできる。
また、補助コード層142は、第1〜第5実施形態の補助コードのように蛇行癖が付与されたものと比べて、圧縮に対する伸縮量が少なく耐久性が高い。このため、ゴムクローラ140では、補助コード層142をクローラ外周側に積層した場合はメインコードへの圧縮方向の応力が発生するが、補助コード層142をメインコード層30のクローラ内周側に積層することでメインコードへの圧縮方向の応力発生をおさえることができ、メインコードへの負荷を軽減しつつスプロケット100やアイドラー102に巻き掛かったときの曲げ剛性をクローラ周方向でより均一に近づけることができる。
本実施形態では、補助コード層142の撚り構造を図21に示される撚り構造としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図22に示される補助コード154の撚り構造としてもよい。なお、補助コード154は、第7実施形態の補助コード144の変形例であり、本発明の一例である。図22に示されるように、補助コード154に用いられるストランド156は、中心部に位置する撚り合された複数本(本実施形態では3本)のフィラメント157の周囲に複数本(本実施形態では9本)の他のフィラメント158が撚り合されてフィラメント158による層が形成され、その層の周囲に複数本(本実施形態では13本)の他のフィラメント159が撚り合されてフィラメント158による層が形成されている。また補助コード154は、中心部に位置する1本のストランド156(所謂コアストランド)の周囲に複数本(本実施形態では6本)の他のストランド156を撚り合せた複撚り構造であり、中心部に位置するストランド156を構成するすべての層の撚り方向と他のストランド156の撚り方向とが同方向とされている(所謂ラング撚り)。上記構成の補助コード154は、第7実施形態の補助コード144と同様に伸縮可能とされている。
なお、第7実施形態の伸縮する補助コード144の構成については、第2〜第5実施形態に適用してもよい。すなわち、伸縮可能な撚り構造とした補助コードに蛇行癖を付与してもよい。また、伸縮可能な撚り構造とした補助コードを有する補助コード層と蛇行癖を付与した補助コードを有する補助コード層を組み合わせてゴムクローラに適用してもよい。
第1〜第6実施形態では、補助コード層がゴムベルト12の一部に配設される構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、補助コード層がゴムベルト12内を一周して、両端部が重ね合わされる構成としてもよい。
第1〜第6実施形態では、本発明の無端帯状の弾性体の一例として、ゴム材を無端帯状に形成したゴムベルト12またはゴムベルト82を用いているが、本発明はこの構成に限定されず、ゴム弾性を有する弾性体(所謂ゴム弾性体)を無端帯状に形成したゴム弾性体ベルト、例えば、ゴム弾性を有する樹脂材料(例えば、エラストマなど)を無端帯状に形成した樹脂ベルトを用いてもよい。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
(試験例1)
本発明の効果を確かめるために、本発明に含まれる実施例のゴムクローラと本発明に含まれない比較例のゴムクローラを以下のように試験した。
<供試ゴムクローラ>
・実施例1:第1実施形態のゴムクローラと同じ構造のゴムクローラ。
・実施例2:第3実施形態のゴムクローラと同じ構造のゴムクローラ。
・実施例3:第2実施形態のゴムクローラと同じ構造のゴムクローラ。
・実施例4:第4実施形態のゴムクローラと同じ構造のゴムクローラ。
・比較例1:メインコード層の両端部を重ね合わせた構造のゴムクローラ。
・比較例2:比較例1とメインコードの撚り構造などが異なる構造のゴムクローラ。
なお、各供試ゴムクローラの詳細については、表1に示す。
また、比較例1、実施例1、及び実施例2は各々同サイズのゴムクローラであり、比較例2、実施例3、及び実施例4は各々同サイズのクローラである。
Figure 0006301307
<試験方法>
まず、比較例1のゴムクローラのメインコードの重ね合わせ部、及び、実施例1、2のゴムクローラのメインコード層と補助コード層の重ね合わせ部に、直径352mmの円盤状体(試験用のホイール)をクローラ内周側から20kNの力で押し付けて、各供試ゴムクローラを試験用ホイールの外周に沿うように曲げる。そして、この曲げ状態下においてメインコードに作用する圧縮力をFEM解析で求めた。なお、測定条件として、最外層の補助コード層の伸びを1.7%に設定した。
一方、比較例2のゴムクローラのメインコードの重ね合わせ部、及び、実施例3、4のゴムクローラのメインコード層と補助コード層の重ね合わせ部に、直径611mmの円盤状体(試験用のホイール)をクローラ内周側から30kNの力で押し付けて、各供試ゴムクローラを試験用ホイールの外周に沿うように曲げる。そして、この曲げ状態下においてメインコードに作用する圧縮力をFEM解析で求めた。なお、測定条件として、最外層の補助コード層の伸びを1.7%に設定した。
結果は表1に示す。メインコードに作用する圧縮力が小さいほど良好な結果を示す。
表1から分かるように、比較例1、2のゴムクローラに比べて実施例1〜4のゴムクローラは、ホイールに巻き掛かった際にメインコードに作用する圧縮力(圧縮応力)が低減されている。このため、突合せ構造のメインコード層を有するクローラに本発明の実施例1〜4の補助コード層を積層すれば、メインコード層の耐久性、すなわち、クローラの耐久性を向上させることができる。
(試験例2)
また、本発明の効果を確かめるために、本発明に含まれる実施例のゴムクローラと本発明に含まれない比較例のゴムクローラを以下のように試験した。
<供試ゴムクローラ>
・実施例5:第1実施形態のゴムクローラと同じ構造であり、クローラ内周側の補助コード層の補助コードとクローラ外周側の補助コード層の補助コードをそれぞれS撚りとした構造(所謂ラングS撚り)としたゴムクローラ。
・実施例6:第2実施形態のゴムクローラのクローラ外周側の各補助コード層を削除しクローラ内周側の各補助コード層の補助コードをそれぞれS撚りとした構造(所謂ラングS撚り)としたゴムクローラ。
・実施例7:第7実施形態のゴムクローラと同じ構造であり、補助コード層の補助コードをそれぞれZ撚りとした構造(所謂ラングZ撚り)が異なるゴムクローラ。
・比較例3:メインコード層の両端部を重ね合わせた構造のゴムクローラ。
・比較例4:比較例3とメインコードの撚り構造及び撚り方向などが異なる構造のゴムクローラ。
なお、各供試ゴムクローラの詳細については、表2に示す。
また、比較例3、実施例5及び実施例6は各々同サイズのゴムクローラであり、比較例4及び実施例7は各々同サイズのクローラである。
Figure 0006301307
<試験方法>
まず、比較例3、実施例5及び実施例6の各供試ゴムクローラを直径352mmの試験用のスプロケット及びアイドラーに巻き掛け、0.5tの張力を付与した状態で回転させた。なお、これらの供試ゴムクローラは、試験用のスプロケット又はアイドラーに巻き掛って曲げられるのを1回として、30万回曲がるように回転させた。そして、30万回曲げた後に、比較例3のゴムクローラのメインコードの重ね合わせ部周辺、及び、実施例5及び実施例6の各ゴムクローラのメインコード層と補助コード層の重ね合わせ部周辺に亀裂が生じていないかを目視で確認した。なお、亀裂が生じた場合にはジョイント部の耐久性を「B」、亀裂が生じていない場合にはジョイント部の耐久性を「A」として評価し、結果を表2に示した。
一方、比較例4及び実施例7の各供試ゴムクローラを直径611mmの試験用のスプロケット及びアイドラーに巻き掛け、0.5tの張力を付与した状態で回転させた。なお、これらの供試ゴムクローラは、試験用のスプロケット又はアイドラーに巻き掛って曲げられるのを1回として、30万回曲がるように回転させた。そして、30万回曲げた後に、比較例4のゴムクローラのメインコードの重ね合わせ部周辺、及び、実施例7のゴムクローラのメインコード層と補助コード層の重ね合わせ部周辺に亀裂が生じていないかを目視で確認した。なお、亀裂が生じた場合にはジョイント部の耐久性を「B」、亀裂が生じていない場合にはジョイント部の耐久性を「A」として評価し、結果を表2に示した。
表2から分かるように、比較例3、4のゴムクローラに比べて実施例5〜7のゴムクローラは、ジョイント部の耐久性に優れている。これは、試験用のスプロケット又はアイドラーに巻き掛かった際にメインコードに作用する圧縮力(圧縮応力)が低減されているためと思われる。すなわち、突合せ構造のメインコード層を有するクローラに本発明の実施例5〜7の補助コード層を積層すれば、メインコード層の耐久性、すなわち、クローラの耐久性を向上させることができる。
なお、2013年2月25日に出願された日本国特許出願2013−034965号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
10,60,70,72,80,140・・・ゴムクローラ(クローラ)、 12,82・・・ゴムベルト(無端状の弾性体)、 30,86・・・メインコード層、 32,88・・・メインコード、 32A,88A・・・端部、 36,42,62,66,90,94,142・・・補助コード層、 38,44,64,68,92,96,144,154・・・補助コード、 40,46・・・屈曲部、 146,156・・・ストランド A1,A2・・・振幅、 S・・・クローラ周方向(弾性体周方向)、 W・・・クローラ幅方向(弾性体幅方向)、 IN・・・クローラ内周側(弾性体内周側)、 OUT・・・クローラ外周側(弾性体外周側)。

Claims (16)

  1. 無端帯状の弾性体と、
    前記弾性体内に配設され、弾性体周方向に沿って延びるメインコードを弾性体幅方向に複数本並べて構成され、弾性体周方向の両端部が突き合わされたメインコード層と、
    前記弾性体内に配設されると共に前記メインコード層に積層され、弾性体周方向に沿って延びて前記メインコード層の両端部に跨ると共に弾性体周方向に伸縮可能とされた補助コードを弾性体幅方向に複数本並べて構成された補助コード層と、
    を有するクローラ。
  2. 前記補助コードは、破断時の強力の50%の張力を付与した際の伸びが1.5%以上15%以下である、請求項1に記載のクローラ。
  3. 前記補助コードは、単撚り構造又は層撚り構造のストランドを複数本撚り合せた複撚り構造であり、前記ストランドを構成するすべての層の撚り方向と前記ストランドの撚り方向とが同方向である、請求項1又は請求項2に記載のクローラ。
  4. 前記補助コードは、中心部に位置する前記ストランドの周囲に複数本の他の前記ストランドを撚り合せた複撚り構造であり、中心部に位置する前記ストランドを構成するすべての層の撚り方向と他の前記ストランドの撚り方向とが同方向である、請求項3に記載のクローラ。
  5. 前記補助コードは、弾性体周方向と直交する方向に振幅をもつように屈曲させた屈曲部を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクローラ。
  6. 弾性体厚み方向から見て、前記屈曲部は、弾性体幅方向に屈曲している、請求項5に記載のクローラ。
  7. 前記補助コードは、複数の前記屈曲部を有し、
    弾性体厚み方向から見て、弾性体周方向に隣り合う前記屈曲部同士が互いに逆向きに屈曲している、請求項6に記載のクローラ。
  8. 弾性体厚み方向から見て、弾性体幅方向に隣り合う前記補助コードの前記屈曲部が互いに同じ向きに屈曲している、請求項6または請求項7に記載のクローラ。
  9. 弾性体厚み方向から見て、弾性体周方向に隣り合う前記屈曲部同士が連続している、請求項8に記載のクローラ。
  10. 前記補助コード層は、前記メインコード層の弾性体内周側及び弾性体外周側にそれぞれ積層されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のクローラ。
  11. 複数の前記補助コード層の総強力の合計は、前記メインコード層の総強力以上である、請求項10に記載のクローラ。
  12. 前記補助コード層は、前記メインコード層の弾性体内周側及び弾性体外周側の少なくとも一方側に複数層積層されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のクローラ。
  13. 互いに重なり合う前記補助コード層は、各々の弾性体周方向の端部が弾性体周方向にずれている、請求項12に記載のクローラ。
  14. 互いに重なり合う前記補助コード層のうち、前記メインコード層から遠い前記補助コード層は、前記メインコード層に近い前記補助コード層よりも弾性体周方向に沿った長さが短い、請求項13に記載のクローラ。
  15. 前記弾性体の外周には、弾性体外周側に突出するラグが弾性体周方向に間隔をあけて形成され、
    前記弾性体の内周には、弾性体内周側に突出するゴム突起が弾性体周方向に間隔をあけて形成され、
    前記メインコード層の弾性体外周側に積層された前記補助コード層は、前記補助コードの両端部が前記ラグの弾性体内周側に配設され、
    前記メインコード層の弾性体内周側に積層された前記補助コード層は、前記補助コードの両端部が前記ゴム突起のクローラ外周側に配設されている、請求項10に記載のクローラ。
  16. 前記補助コードは、ハイエロンゲーションコードである、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項1〜4のいずれか1項を引用する請求項10、請求項1〜4のいずれか1項を引用する請求項10を引用する請求項11、請求項1〜4のいずれか1項を引用する請求項12、請求項1〜4のいずれか1項を引用する請求項12を引用する請求項13、請求項1〜4のいずれか1項を引用する請求項12を引用する請求項13を引用する請求項14、請求項1〜4のいずれか1項を引用する請求項10を引用する請求項15、のいずれか1項に記載のクローラ。
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