JP6300430B2 - 膜厚測定方法および膜厚測定装置 - Google Patents

膜厚測定方法および膜厚測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、膜厚測定方法および膜厚測定装置に関し、より詳細には、測定の基準となる空気層を導入することにより、塗膜の硬化前後の屈折率を事前に測定すること無く、塗膜の膜厚および膜厚変化を測定する方法および装置に関する。
自動車等の工業製品や、建築物の内装材、外装材の表面には、素材の保護および美粧性を付与することを目的として、各種の塗料が塗装され、塗膜が形成されている。近年では、特定の波長を有する光の照射(例えば、紫外線照射)によって反応硬化する塗料(光硬化樹脂)を使用して、塗料を数秒で硬化させる塗装方法が導入されている。
特定波長の光の照射により光硬化樹脂が反応硬化すると、その膜厚は減少する。塗膜の機能を維持するためには、塗装後の塗膜の状態を管理する必要があり、塗膜の膜厚を知る必要がある。光照射後の硬化後の塗膜の膜厚を測定する方法としては、例えば、塗膜表面の位置をレーザ変位計で測定する方法や、近年研究されているテラヘルツ波を用いた光干渉断層法(特許文献1)がある。また、光硬化樹脂の収縮率を計測する方法としては、例えば、光照射前の塗料の液体比重と硬化後の固体比重とを比較する方法がある。
特開2004−028618号公報
しかしながら、従来から公知の膜厚測定方法にも問題がある。例えば、膜厚を直接的に測定する方法として、塗膜表面の位置をレーザ変位計で測定する方法では、レーザ照射部を基点として膜厚を測定するので、レーザ照射部と塗膜との間の距離を厳密に管理する必要があった。またこれにより、測定システムが複雑化するという欠点があった。さらに、特許文献1に記載のテラヘルツ波を用いた光干渉断層法では、膜の深さ方向(厚さ方向)の分解能が不十分な上に、光源にフェムト秒レーザを用いたり多数の光学素子を用いるなど、測定システムが複雑化かつ大型化するという欠点があった。また、光硬化樹脂の収縮率は、用いる光硬化樹脂の種類によって異なるので、収縮率が低い場合、塗装後(硬化後)の塗膜の膜厚を高精度かつ短時間で測定することができなかった。また、塗膜の硬化前後の屈折率を事前に測定しておく必要があり、別途の工程を必要としていた。
本発明は、上記説明した従来技術の問題を解決するために成されたものであり、その目的は、塗膜の硬化前後の屈折率を事前に測定すること無く、塗膜の膜厚を高精度かつ短時間で測定することができる膜厚測定方法および装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、塗膜の硬化前後の屈折率を事前に測定すること無く、塗膜の膜厚変化を高精度かつ短時間で測定することができる膜厚測定方法および装置を提供することにある。
上記目的の達成のために、本発明に係る膜厚測定方法は、所定の厚さを有する基準空気層内に載置された塗膜に光源からの測定光を照射し、前記塗膜からの反射光を含む干渉光の強度を検出することにより、前記塗膜の膜厚を測定する方法であって、光源からの測定光を、参照光と前記基準空気層への入射光とに分岐する分岐ステップと、前記参照光の光学距離を調整して、前記基準空気層からの反射光と前記参照光とを干渉せしめ、該干渉による複数の第1の強度信号(B,D)を検出する第1の検出ステップと、検出した複数の前記第1の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記基準空気層の厚さに対応する光学距離(BD)を決定する第1の光学距離決定ステップと、前記基準空気層内に前記塗膜を載置し、前記塗膜の前記測定光の照射側に隣接する第1の空気層を画定する塗膜載置ステップと、前記参照光の光学距離を調整して、前記第1の空気層からの反射光と前記参照光とを干渉せしめ、該干渉による複数の第2の強度信号(B,C’)を検出する第2の検出ステップと、検出した複数の前記第2の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記第1の空気層の厚さに対応する光学距離(BC’)を決定する第2の光学距離決定ステップと、前記基準空気層の光学距離(BD)と、前記第1の空気層の光学距離(BC’)とから、前記塗膜の厚さ(c’d)を計算する第1の膜厚計算ステップとを含む。
また、本発明に係る膜厚測定装置は、所定の厚さを有する基準空気層内に載置された塗膜に光源からの測定光を照射し、前記塗膜からの反射光を含む干渉光の強度を検出することにより、前記塗膜の膜厚を測定する装置であって、光源と、前記光源からの測定光を、参照光と、前記基準空気層または前記塗膜への入射光とに分岐する分岐手段と、前記参照光の光学距離を調整する参照光光学系と、前記入射光を前記基準空気層または前記塗膜へ入射させ、さらに、前記基準空気層または前記塗膜からの反射光を取り出す反射光光学系と、前記反射光光学系からの反射光と前記参照光光学系からの参照光とを干渉せしめる干渉手段と、前記干渉手段からの、前記反射光を含む干渉光を検出して前記干渉光の強度信号を出力する検出手段と、前記強度信号を解析する解析手段とを備え、前記塗膜が基準空気層内に載置されていない第1の状態の測定対象に対して、前記検出手段が、前記基準空気層からの反射光と前記参照光との干渉による複数の第1の強度信号(B,D)を検出して出力し、前記解析手段が、検出した複数の前記第1の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記基準空気層の厚さに対応する光学距離(BD)を決定し、前記塗膜が基準空気層内に載置されている第2の状態の、前記塗膜の前記測定光の照射側に隣接する第1の空気層が画定されている測定対象に対して、前記検出手段が、前記第1の空気層からの反射光と前記参照光との干渉による複数の第2の強度信号(B,C’)を検出して出力し、前記解析手段が、検出した複数の前記第2の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記第1の空気層の厚さに対応する光学距離(BC’)を決定し、前記検出手段が、前記基準空気層の光学距離(BD)と、前記第1の空気層の光学距離(BC’)とから、前記塗膜の厚さ(c’d)を計算する。
本発明に係る膜厚測定方法および膜厚測定装置によれば、塗膜の硬化前後の屈折率を事前に測定すること無く、光照射後の硬化後の塗膜の膜厚を、高精度かつ短時間で測定することができる。測定光に近赤外光を使用することにより、顔料を含む可視光の透過率が小さい塗膜についても膜厚の測定が可能である。
また、本発明に係る膜厚測定方法および膜厚測定装置によれば、光干渉断層法を採用しているので、従来と比較して測定に必要な光学素子の数を減少させることができ、装置自体を小型化して、ポータブルなサイズで製作することが可能である。光干渉断層法では測定対象の層に測定光を照射し、測定対象の層に直接的に接触することがないので、塗膜が硬化する前のウェット膜に対しても、膜厚の測定が可能となる。硬化前のウェット膜に対しても膜厚の測定が可能であるので、硬化用の光照射後の硬化後の塗膜に対しても膜厚の測定を行うことにより、膜厚の減少率や膜厚の収縮率といった、光照射後の膜厚変化を測定することが可能となる。さらに、屈折率が未知の物質に関して、測定対象の層に直接的に接触することがなく、屈折率を測定することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る光硬化樹脂の膜厚測定装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る膜厚測定装置を用いて光硬化樹脂の塗膜からなるサンプルに対して干渉光強度の測定を行う例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態に係る膜厚測定装置を用いて、測定の基準として空気層を使用するサンプルに対して干渉光強度の測定を行う例を説明する模式図であり、石英ガラスとの間に空気層が設けられたサンプルを示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る膜厚測定装置を用いて、測定の基準として空気層を使用するサンプルに対して干渉光強度の測定を行う例を説明する模式図であり、干渉光強度と光学距離との関係を表すプロファイルを示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面において、同じ符号は同じ又は類似の構成要素を示すこととし、よって、同じ又は類似の構成要素に関する説明を省略する。
本発明では、位置分解能が高く、塗膜に対する透過性が高い近赤外線を測定光の好ましい光源とし、光源から2つに分岐された一方の測定系光路の光線を塗膜に照射し、他方の参照系光路の光線を参照光とし、少なくとも参照系光路の光学距離を制御しながら、2つの光路の光学距離が一致したときに生じる、塗膜からの反射光と参照光との重ね合わせによる干渉光を測定することにより、塗膜の膜厚を測定する。特に、本発明では、測定の基準となる空気層を導入することにより、塗膜の硬化前後の屈折率を事前に測定すること無く、塗膜の膜厚および膜厚変化を測定する。以下では、本発明の一実施の形態として、光硬化樹脂を使用して塗膜を形成した場合について説明する。
本発明では光の干渉現象を利用するので、光が通過する距離を波長単位で評価することが必要である。本発明では、光は異なる媒質中(空気、塗膜中の各層)を通過するので波長が変化する。従って、本明細書において「距離」とは、特別な記載が無い限り、媒質の屈折率を考慮した「光学距離」を意味することとする。
(1)装置構成
図1は、本発明の実施の形態に係る塗膜の膜厚測定装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る塗膜の膜厚測定装置は、マイケルソン干渉計の原理を用いるOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層法)を採用し、光源部と、光源部からの光を用いて干渉を生じさせる第1光学部と、塗膜のサンプルに光を照射し、サンプルからの反射光を第1光学部に入射させる第2光学部と、参照光を制御する第3光学部と、干渉光を受光して増幅する受光増幅部と、増幅の結果を記録して解析する解析部とを備えて構成される。
より具体的には、膜厚測定装置は、光源1と、ビームスプリッタ2と、集束レンズ3と、位置可変機構付き交差ミラー5と、固定ミラー6と、受光センサ7と、増幅器8と、コンピュータ9とを備える。ビームスプリッタ2は、光源1で発生させた光を入射光と参照光とに分岐し、後述の反射光と参照光とを重ね合わせ、干渉を生じさせる。集束レンズ3は、入射光を集束させてサンプル4に照射し、サンプル4からの反射光をビームスプリッタ2に戻させる。サンプル4は石英ガラス10の層で挟まれており、サンプル4と石英ガラス10との間に空気層11が設けられる。位置可変機構付き交差ミラー5は、参照光の光学距離を変化させ、且つ、参照光をビームスプリッタ2に戻させる。位置可変機構付き交差ミラー5の移動距離(物理距離)は、公知のインタフェースを介してコンピュータ9に送信される。固定ミラー6は、位置可変機構付き交差ミラー5に固定されているミラーである。受光センサ7は干渉光を受光する。増幅器8は受光センサ7の出力信号を増幅する。コンピュータ9は増幅した信号を解析する。
本実施の形態では、ビームスプリッタ2が第1光学部に相当し、集束レンズ3が第2光学部に相当し、位置可変機構付き交差ミラー5および固定ミラー6が第3光学部に相当し、受光センサ7および増幅器8が受光増幅部に相当し、コンピュータ9が解析部に相当する。
(2)装置の動作
次に、本実施の形態に係る塗膜の膜厚測定装置の動作を、図1に示す膜厚測定装置の一例を用いて説明する。
サンプル4は、例えばガラス基板上に光硬化樹脂が塗布された塗膜であり、所定の台(図示せず)に載置される。光源1であるSLD(Super Luminescent Diode)から発せられた光は、ビームスプリッタ2によって、直進する参照光と進行方向が変更された入射光とに分岐される。入射光は、集束レンズ3によってサンプル4に入射し、サンプルからの反射光はまた、集束レンズ3を介してビームスプリッタ2に入射する。一方、位置可変機構付き交差ミラー5は、図1に矢印Xで示す方向に例えば左から右へ移動させられながら、すなわち、参照光の光学距離を変化させながら、参照光の方向を変更して参照光をビームスプリッタ2に入射させる。このとき、ビームスプリッタ2において、サンプル4からの反射光と位置可変機構付き交差ミラー5からの参照光とが重なり合い、干渉が生じる。このように形成された干渉光は、受光センサ7によって受光される。増幅器8は受光センサ9の出力を増幅し、コンピュータ9は、増幅器8の出力を解析して、塗膜の膜厚を後述する方法で算出する。
上記した位置可変機構付き交差ミラー5を移動する理由、すなわち位置可変機構付き交差ミラー5の位置を走査する理由は、参照光の光学距離を変化させるためである。ビームスプリッタ2においてサンプル4からの反射光と重ね合う際に、参照光は、その光学距離に応じたサンプル4の深さ方向の、所定の距離からの反射光と干渉を生じる。すなわち、参照光の光学距離と入射光および反射光の光学距離とが等しいときに、干渉光の強度が増大する。
例えば、まず、図1に示す配置において、ビームスプリッタ2から位置可変機構付き交差ミラー5を介した固定ミラー6までの距離を、ビームスプリッタ2からサンプル4の表面までの距離と同じ距離に設定する。次に、この状態から、位置可変機構付き交差ミラー5を右へ、光硬化樹脂層の厚さほど移動させると、例えば光硬化樹脂の屈折率が空気の屈折率と同じである場合、参照光は、光硬化樹脂の底面の界面で生じた反射光と干渉を生じる。
従って、光硬化樹脂層の膜厚を計測するには、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を最小でも、光硬化樹脂層の全体の厚さほど走査(スキャン)する必要がある。
(3)干渉光の測定から得られる情報
屈折率が不連続に変化する部分において光の反射が生じる。すなわち、サンプルからの反射光はサンプル中の屈折率の変化を反映する情報である。塗膜において屈折率変化の大きな要因となるのは「塗膜と塗膜との間の(層間の)屈折率差」、「光源波長λに対してλ/2に相当するサイズの塗膜含有物(主に顔料)、相分離構造」などである。
このうち、層間の屈折率差による屈折率変化は、塗膜の各層の厚さがほぼ一定であると考えられるので、塗膜の深さ方向の位置はほぼ一定である。この特徴により、屈折率変化が層間の屈折率差に起因するものか、あるいは、含有物の存在に起因するものかを区別することが可能となる。
図2は、本発明の実施の形態に係る膜厚測定装置を用いて光硬化樹脂の塗膜からなるサンプルに対して測定を行い、検出信号を解析する例を説明する模式図である。図2(A)は、ガラス板と表層の光硬化樹脂層とからなる塗膜のサンプルを示している。図2(B)は、干渉光強度と光学距離との関係を表すプロファイルを示している。例えば、一例として図2(B)のプロファイルが示すピークパターンには以下のような関係が存在し、塗膜の膜厚や屈折率の算出に利用することができる。
・ピークの数
干渉光強度のピーク、すなわち、最も強い干渉光を生じさせた場所は、屈折率の変化が最も大きい場所であり、塗膜の屈折率が変化する界面、および塗膜と周囲との界面を意味する。例えば、自然環境(空気中)に置かれるサンプルが、素材と、素材上のN層の複層塗膜とを備える場合、空気と複層塗膜の表層との屈折率の相違、および、素材と複層塗膜の最下層との屈折率の相違を考慮すると、複層塗膜を取り巻く屈折率が変化する界面の数はN+1である。すなわち、屈折率が変化する界面の数は、屈折率が異なる複層塗膜の層の数より1つ多くなる。これにより、界面に対応するピークの数から、複層塗膜が何層の塗膜から構成されているのかが分かる。
・ピーク間の距離
ピーク間の距離は、すなわち光学距離であり、膜の厚さおよび屈折率により決まる。従って、ピーク間の距離により各層の膜厚を求めることができる。後述する実施形態において詳細に説明するように、本発明では、測定の基準となる空気層を導入することにより、塗膜の硬化前後の屈折率を事前に測定すること無く、ピーク間の光学距離により、塗膜の膜厚を測定することが可能である。塗膜の硬化前後の両方において、ピーク間の光学距離から空気層の光学距離を求めることにより、塗膜の硬化前後の膜厚および屈折率の両方を測定することが可能である。
・ピークの高さおよびピークパターン
ピークの高さの比率から、それぞれの界面や層内の状態を知ることができ、ピークのパターンから、塗膜の内部構造を知ることができる。
(4)膜厚測定方法
次に、本実施の形態に係る膜厚測定装置を使用して得られた典型的な測定結果に基づいた、光硬化樹脂の膜厚測定方法を説明する。まず、ピーク間の距離から光硬化樹脂の相対的な光学距離を求める方法を説明する。次に、測定の基準となる空気層を導入することにより、光硬化樹脂の硬化前後の屈折率を事前に測定すること無く、膜厚を測定する方法を説明する。
図2(A)は、ガラス板と表層の光硬化樹脂層とからなる塗膜のサンプルを示している。サンプル中の隣接する各層間の屈折率が異なるため、図1に示す光源1からサンプルに測定用の光(測定光)を照射すると、測定光はサンプルの各層の上面で反射されて、反射光α、β、γを生じる。
これらの反射光のそれぞれは、干渉が生じるように調整された光学距離を持つ参照光と干渉し強め合い、受光センサ7によって受光されて、図2(B)に示す3つのピーク信号が得られる。ここで、図2(B)の横軸は、得られた干渉光間の光学距離を表し、縦軸は、受光した干渉光の強度を表している。図2(B)においてピーク信号に付した参照符号α〜γは、図2(A)における反射光α〜γに対応する。図2(B)に示すように、3つのピーク信号α〜γで規定される2つのピーク間の間隔のうち、ピーク信号α〜β間の間隔が、反射光α、βを生じた膜の膜厚(すなわち光硬化樹脂の膜厚)に相当し、ピーク信号β〜γ間の間隔が、反射光β、γを生じた膜の膜厚(すなわちガラス板の厚さ)に相当する。
ピーク間の間隔を求める具体的な手順を説明すると、まず、光源1から、膜厚測定用の測定光をサンプル4に照射し、光硬化樹脂の表層の界面から反射する反射光αに対応する干渉光の強度がピーク(極大)となる位置に、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を調整する。この際の位置可変機構付き交差ミラー5の位置をPαとする。次に、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を移動させ、光硬化樹脂の底面の界面から反射する反射光βに対応する干渉光の強度がピークとなる位置に、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を調整する。この際の位置可変機構付き交差ミラー5の位置をPβとする。位置PαおよびPβの情報は、図2(B)に示すプロファイルのピーク信号α,βの位置にそれぞれ対応する。
このようにして得られた干渉光の強度と光学距離との関係図(プロファイル)を参照して、ピーク間の間隔からそれらの層の相対的な厚さ(光学距離)が分かる。 図3および図4は、本発明の実施の形態に係る膜厚測定装置を用いて、測定の基準として空気層を使用するサンプルに対して干渉光強度の測定を行う例を説明する模式図である。図3は、石英ガラス10との間に空気層11が設けられたサンプル4を示し、図4は、干渉光強度と光学距離との関係を表すプロファイルを示している。以下の説明では、層の厚さを表現する際に、アルファベットの小文字が物理距離を意味し、アルファベットの大文字が光学距離を意味することとする。
まず、図3(i)に示すように、塗膜サンプル4を抜いた状態で、2枚の石英ガラス10を重ねることにより、空気層11を形成する。空気層11の表層側の界面をb、底面側の界面をdとすると、空気層11の厚さは、物理距離ではbdと表され、光学距離ではBDと表される。この空気層11に対して、光源1から膜厚測定用の測定光を照射し、空気層11の光学距離BDを測定する。図4(i)のプロファイルに示すように、ピークAが界面aでの干渉光強度のピークに相当し、ピークBが界面bでの干渉光強度のピークに相当する。同様にピークDが界面dに相当し、ピークEが界面eに相当する。すなわち測定値BDは、図4(i)に示すピークB〜ピークD間の光学距離に相当する。
次に、図3(ii)に示すように、空気層11内に、膜厚の測定対象である光硬化樹脂のサンプル4を挿入する。サンプル4の表層側の界面をc’とすると、この状態での空気層11’の厚さは、光学距離ではBC’と表される。この空気層11’に対して、光源1から膜厚測定用の測定光を照射し、空気層11’の光学距離BC’を測定する。この測定値BC’は、図4(ii)に示すピークB〜ピークC’間の光学距離に相当する。
次に、図3(iii)に示すように、硬化用の光(例えば、紫外線)を照射する硬化用光源(図示せず)から、ウェット状態のサンプル4に硬化用の光を所定の時間照射し、光硬化樹脂を硬化させる。硬化により光照射後のサンプル4’は膜厚が減少する。硬化後のサンプル4’の表層側の界面をc’’とすると、この状態での空気層11’’の厚さは、光学距離ではBC’’と表される。この空気層11’’に対して、光源1から膜厚測定用の測定光を照射し、空気層11’’の光学距離BC’’を測定する。この測定値BC’’は、図4(iii)に示すピークB〜ピークC’’間の光学距離に相当する。
以上の測定により、空気層11の光学距離BDと、空気層11’の光学距離BC’と、空気層11’’の光学距離BC’’とを得ることができた。これら空気層の光学距離に関する3つの測定値を用いると、測定対象である光硬化樹脂のサンプルに関して、硬化前のウェット膜厚、硬化後のCURE膜厚、硬化収縮率、ウェット膜の屈折率、およびCURE膜の屈折率の全てを計算により得ることができる。
まず、測定の基準とした空気層11の厚さbd(物理距離)を求めておく。空気の屈折率をnとすると、n=1であるので、
となり、光学距離がそのまま物理距離となる。図3(ii)に示すウェット膜厚c’dは、
と表され、屈折率の値を用いることなく、光学距離の測定値BD,BC’により表すことができる。図3(iii)に示すCURE膜厚c’’dは、
と表され、屈折率の値を用いることなく、光学距離の測定値BD,BC’’により表すことができる。光硬化樹脂の硬化前後の膜厚の収縮率は、
と表され、屈折率の値を用いることなく、光学距離の測定値BD,BC’’により表すことができる。
ウェット膜およびCURE膜の屈折率自体も、光学距離の測定値BD,BC’’により表すことができる。ウェット膜の屈折率nは、
と表すことができ、CURE膜の屈折率nは、
と表すことができる。ここで、光学距離C’D’は、図4(ii)に示すピークC’〜ピークD’間の光学距離に相当するので、図3(ii)に示す界面c’における干渉光強度のピークと界面dにおける干渉光強度のピークとを測定して、これらピーク間の光学距離を求める。同様に、光学距離C’’D’’は、図4(iii)に示すピークC’’〜ピークD’’間の光学距離に相当するので、図3(iii)に示す界面c’’における干渉光強度のピークと界面dにおける干渉光強度のピークとを測定して、これらピーク間の光学距離を求める。
以上説明したように、空気層の光学距離に関する3つの測定値を用いると、測定対象である光硬化樹脂のサンプルに関して、硬化前のウェット膜厚、硬化後のCURE膜厚、硬化収縮率、ウェット膜の屈折率、およびCURE膜の屈折率の全てを計算により得ることができる。本発明の方法によると、これら膜厚の測定にWET膜およびCURE膜の屈折率は必要としないため、屈折率測定による誤差を考慮せずに済むこととなり、作業工程の面でも簡略化することができる。
本膜厚測定装置により得られる膜の深さ方向(厚さ方向)の空間分解能ΔTは、入射光の性質によって決められ、光源の波長幅Δλが広いほど、光源の波長λが短いほど向上する。空間分解能ΔTは、下記の式1により求めることができる。
ΔT=2ln(2/π×(λ /Δλ) ) (式1)
ここで、λは入射光の中心波長であり、Δλは入射光のスペクトル幅である。lnは自然対数を意味する。
従って、例えば、中心波長が1310nmで、スペクトル幅が約90nmの赤外LEDを本実施の形態に係る膜厚装置の光源として使用する場合、分解能ΔTは8.4μmである。短波長で高帯域なほど分解能ΔTが向上する。自動車外板用途の複層塗膜を想定する場合、通常、各層の膜厚は約10〜15μm以上である。従って、波長が1310nmでスペクトル幅が約90nmの赤外LEDは、自動車外板用途の塗膜の測定に関しては十分な分解能を提供できることが分かる。なお、自動車製造において省工程化を図るため、将来、各層の塗膜を薄膜化かつ高機能化する必要があれば、分解能の不足を解消するためには、式1に示す関係に基づいて光源を選択して、測定装置の分解能をさらに高くすればよい。
また逆に、波長を特定することもできる。例えば、分解能ΔTが15μm程度で、スペクトル幅が90nmの赤外LEDを使うとき、必要な観察波長は、上記の式1により約1.7μmであることが分かる。同じ分解能ΔTが15μm程度で、スペクトル幅が120nmの赤外LEDを使うときは、必要な観察波長は、上記の式1により約2.0μmであることが分かる。
また、膜厚の測定に使用する光源として、780nm以下の波長(可視光)では、水分等の不純物による吸収や散乱の影響を受ける場合があるので好ましくない。一方、3000nm以上の波長では、膜厚測定装置の空間分解能が、塗膜の層間を分離して検出するために必要な距離よりも大きくなってしまうので、複層塗膜を正確に解析できない。このような空間分解能および透過率の配慮から、本願発明において光源として使用するのは、波長が780nm〜3000nmの範囲内、好ましくは1300nm〜2000nmの範囲内の近赤外線である。
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。図1に示す膜厚測定装置並びに上記説明した実施の形態は、あくまでも例示に過ぎず、当業者であれば、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変更や置換をすることができる。
例えば、上記した図2〜図4を用いた説明では、サンプルの一箇所を測定する場合を説明したが、本膜厚測定装置は、複数箇所からの反射光を測定して塗膜の2次元又は3次元の情報を得ることもできる。塗膜の複数箇所を線状にまたは平面的に測定する場合、本装置を持ち運び可能なポータブル測定器にしたり、その他の移動可能な載置台に固定することにより、さらには、被塗物を移動することにより、種々の態様の測定が実現できる。
干渉光を得るには測定系の光学距離と参照系の光学距離とが一致すれば十分であるので、図1に示す装置におけるビームスプリッタ2、集束レンズ3や、交差ミラー5および固定ミラー6の配置は、相対的に自由に配置することができる。すなわち、それらの構成要件の配置は、2つの光学系の光路長を一致させる任意の配置であればよい。また、光学系自体も、例えば、ハーフミラーを配置したり、全反射ミラーを配置したりする種々のシステムとして実現してもよい。
また、上記の実施形態では、参照光の光学距離を制御する構成を、線形の往復運動が可能な位置可変機構付き交差ミラー5としている。すなわち、交差ミラー5の移動機構は線形運動の機構である。しかしながら、例えば、交差ミラーを回転ディスク上に固定し、回転ディスクとモータ・シャフトとを接続し、モータを定速で回転させることで、安定な位置走査が可能な回転機構を実現して、参照光の光学距離を制御してもよい。位置可変機構付き交差ミラー5は、例えばステッピングモータで位置の制御が可能であり、高精度の位置制御が可能である。ステッピングモータに代えてサーボモータを使用してもよく、この場合、ステッピングモータを使用する場合と比較して、より高精度の位置制御が可能となる。
また、上記の実施形態では、測定用の光源にSLD(Super Luminescent Diode)を使用したが、SLD以外にも、LED(Light Emitting Diode)などコヒーレンシを必要としない種々の光を使用することができる。
受光センサとしては、光電子増倍管、フォトダイオード等を用いることができる。受光センサの出力を増幅する増幅方法についても特に規定しないが、精度を高めるためにロックインアンプを用いることができる。
さらに、本膜厚測定装置は、TD(Time Domain)法と組み合わせて、安価で簡便なポータブルな装置として実現することができる。TD法の場合、参照ミラーである交差ミラー5を一定速度で移動し、参照系光路の光学距離と測定系光路の光学距離とが一致した位置で起こる干渉を観察し、干渉光すなわち反射光の時間軸の情報を得る。反射光は時間軸に沿って並ぶ(図2(B)の横軸が時間軸になる)ので、得られた反射光の数から塗膜の枚数情報を得る。さらに、時間軸の情報から距離情報を得る。すなわち、時間軸の情報を、参照ミラーの移動した物理距離に変換し、さらに光学距離に変換し、さらに膜の物理距離に変換することで、複層膜間の物理距離(膜厚)を得ることができる。例えば、最表面との干渉を測定した時間をt0として、走査速度を一定のvとすると、時間t1で測定した次の界面までの参照ミラーの移動距離Zは、Z=(t1−t0)/vで求めることができる。
また、上記実施の形態では、干渉光の強度がピークとなる位置に位置可変機構付き交差ミラー5の位置を調整した際に、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を取得しコンピュータ9に送信しているが、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を、測定対象の光硬化樹脂層の厚さ方向に向けて連続的に走査(スキャン)して、干渉光の強度と、位置可変機構付き交差ミラー5の移動距離(物理距離)とをセットにしたデータをコンピュータ9に随時送信し、走査終了後に、このセットにされたデータをコンピュータ9が解析して、干渉光の強度がピークとなるときの位置可変機構付き交差ミラー5の位置を決定してもよい。
また、上記実施の形態では、測定対象である塗膜が光硬化樹脂で形成されている場合について説明したが、塗膜の原料は光硬化樹脂に限定されず、塗料の通常の乾燥工程により硬化される塗料であってもよい。また、硬化用の光は紫外線(UV)に限らず、光硬化樹脂を硬化させることが可能な、特定の波長を有する光であればよい。また、光硬化樹脂に代えて、電子線により硬化する樹脂を使用してもよく、この場合、硬化用の電子線として、特定のエネルギーを有する電子線を放出する電子線源を使用すればよい。
また、上記実施の形態では基板にガラス板を使用し、図3に示すように、硬化用の光をサンプル4の下方からガラス板を介して光硬化樹脂に照射していたが、硬化用の光の入射の態様についてはこれに限定されない。ガラス板に代えて、自動車用外板を構成する塗膜であってもよく、この場合、表層に位置する光硬化樹脂には、光硬化樹脂の表層の側から(すなわち、図3に示すサンプル4の上方から)硬化用の光を照射すればよい。
また、上記の実施形態では、測定の基準として空気層を使用したが、基準となる層としては、測定光が透過可能であり、屈折率が既知の層であればよい。例えば空気層に限らず、屈折率が既知の他のガス層であってもよく、測定対象である光硬化樹脂が水溶性でなければ、屈折率が既知の液体層であってもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
<1>空気層の光学距離の測定
石英ガラス板を準備し、その両端に2枚のガラス板を載せて支柱とした。さらにその上に石英ガラス板を重ねて配置し、厚さが均一な空気層を作製した。次に、図1に示す本発明の膜厚測定装置を用いて、この空気層の光学距離BDを測定した。
<2>WET膜の準備
次に、石英ガラス板の蓋を開け、最下層の石英ガラス上にUV硬化材料を塗布した後蓋を閉じ、上下が石英ガラス板で挟まれた、WET膜の層と空気層とを作製した。UV硬化材料としては、BASF社製のアルキルフェノン系光重合開始剤を含む塗料を準備した。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)に、DAROCUR(登録商標)1173を3質量%添加した塗料を準備して使用した。
<3>各層の光学距離の測定
次に、図1に示す本発明の膜厚測定装置を用いて、上方から測定光を入射し、各層の光学距離BC’,C’D’を測定した。
<4>WET膜の膜厚の算出
<1>で測定した空気層の光学距離BDと、<3>で測定した空気層の光学距離BC’とから、c’d=BD−BC’より、WET膜の膜厚(物理距離)c’d=139.4μmを得た。また、WET膜に関するこの物理距離と、<3>で測定しておいたWET膜の光学距離C’D’とから、C’D’/c’dより、WET膜の屈折率n=1.432を得た。
<5>WET塗膜の硬化処理
次に、WET塗膜に硬化用の光を照射し、塗膜を硬化させた。塗膜の硬化には、硬化用の光源として200W水銀キセノンランプを備える(株)三永電機製作所製のSUPERCURE−203Sを使用した。硬化用光の照射条件は、サンプルと水銀キセノンランプとの間の距離を20mmとし、約180mWの照射出力で、硬化用光を10秒間照射した。
<6>各層の光学距離の測定およびCURE膜の膜厚の算出
硬化後のCURE膜に対して、図1に示す本発明の膜厚測定装置を用いて、上方から測定光を入射し、各層の光学距離BC’’,C’’D’’を測定した。測定した空気層の光学距離BC’’と、<1>で測定した空気層の光学距離とから、c’’d=BD−BC’’より、CURE膜の膜厚(物理距離)c’’d=119.2μmを得た。また、CURE膜に関するこの物理距離と、<6>で測定しておいたCURE膜の光学距離C’’D’’とから、C’’D’’/c’’dより、CURE膜の屈折率n=1.487を得た。
<7>収縮量および収縮率の計算
<4>および<6>で算出した値c’d=139.4μm、c’’d=119.2μmから、c’d−c’’dより塗膜の収縮量=20.2μmを得た。また、(c’d−c’’d)/c’dより塗膜の収縮率=14.5%を得た。
1 光源
2 ビームスプリッタ
3 集束レンズ
4 塗膜サンプル
5 位置可変機構付き交差ミラー
6 固定ミラー
7 受光センサ
8 増幅器
9 コンピュータ
10 石英ガラス
11 空気層

Claims (13)

  1. 所定の厚さを有する基準空気層内に載置された、顔料を含む塗膜に光源からの測定光を照射し、前記塗膜からの反射光を含む干渉光の強度を検出することにより、前記塗膜の膜厚を測定する方法であって、
    光源からの測定光を、参照光と前記基準空気層への入射光とに分岐する分岐ステップと、
    前記参照光の光学距離を調整して、前記基準空気層からの反射光と前記参照光とを干渉せしめ、該干渉による複数の第1の強度信号を検出する第1の検出ステップと、
    検出した複数の前記第1の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記基準空気層の厚さに対応する光学距離を決定する第1の光学距離決定ステップと、
    前記基準空気層内に前記塗膜を載置し、前記塗膜の前記測定光の照射側に隣接する第1の空気層を画定する塗膜載置ステップと、
    前記参照光の光学距離を調整して、前記第1の空気層からの反射光と前記参照光とを干せしめ、該干渉による複数の第2の強度信号を検出する第2の検出ステップと、
    検出した複数の前記第2の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記第1の空気層の厚さに対応する光学距離を決定する第2の光学距離決定ステップと、
    前記基準空気層の光学距離と、前記第1の空気層の光学距離とから、前記塗膜の厚さを計算する第1の膜厚計算ステップとを含み、
    前記塗膜が、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂であり、前記光源からの前記光が、波長1300nm〜2000nmの範囲内の近赤外光である、膜厚測定方法。
  2. 前記参照光の光学距離を調整して、前記塗膜からの反射光と前記参照光とを干渉せしめ、該干渉による複数の第3の強度信号を検出する第3の検出ステップと、
    検出した複数の前記第3の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記塗膜の厚さに対応する光学距離を決定する第3の光学距離決定ステップと、
    前記基準空気層の光学距離と、前記第1の空気層の光学距離と、前記塗膜の光学距離とから、前記塗膜の屈折率を計算する第1の屈折率計算ステップとをさらに含む、請求項1に記載の膜厚測定方法。
  3. 前記塗膜を硬化させ、硬化後の前記塗膜の前記測定光の照射側に隣接する第2の空気層を画定する硬化ステップと、
    前記参照光の光学距離を調整して、前記第2の空気層からの反射光と前記参照光とを干渉せしめ、該干渉による複数の第4の強度信号を検出する第4の検出ステップと、
    検出した複数の前記第4の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記第2の空気層の厚さに対応する光学距離を決定する第4の光学距離決定ステップと、
    前記基準空気層の光学距離と、前記第2の空気層の光学距離とから、硬化後の前記塗膜の厚さを計算する第2の膜厚計算ステップとをさらに含む、請求項1または2に記載の膜厚測定方法。
  4. 前記参照光の光学距離を調整して、硬化後の前記塗膜からの反射光と前記参照光とを干渉せしめ、該干渉による複数の第5の強度信号を検出する第5の検出ステップと、
    検出した複数の前記第5の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、硬化後の前記塗膜の厚さに対応する光学距離を決定する第5の光学距離決定ステップと、
    前記基準空気層の光学距離と、前記第2の空気層の光学距離と、硬化後の前記塗膜の光学距離とから、硬化後の前記塗膜の屈折率を計算する第2の屈折率計算ステップとをさらに含む、請求項3に記載の膜厚測定方法。
  5. 前記基準空気層の光学距離と、前記第1の空気層の光学距離と、前記第2の空気層の光学距離とから、前記塗膜の硬化前後の収縮率を計算する硬化収縮率計算ステップをさらに含む、請求項3に記載の膜厚測定方法。
  6. 前記第1の検出ステップが、
    前記基準空気層の表層側の第1の界面から反射する第1の反射光と前記参照光との干渉による第1の干渉光の強度信号と、
    前記基準空気層の底面側の第2の界面から反射する第2の反射光と前記参照光との干渉による第2の干渉光の強度信号とを検出するステップであり、
    前記第1の光学距離決定ステップが、
    前記第1の干渉光の強度信号が極大となるときの前記参照光の光学距離と、前記第2の干渉光の強度信号が極大となるときの前記参照光の光学距離との差分から、前記基準空気層の厚さに対応する前記光学距離を決定するステップである、請求項1に記載の膜厚測定方法。
  7. 前記光源が、LEDまたはSLDの何れかである、請求項1に記載の膜厚測定方法。
  8. 所定の厚さを有する基準空気層内に載置された、顔料を含む塗膜に光源からの測定光を照射し、前記塗膜からの反射光を含む干渉光の強度を検出することにより、前記塗膜の膜厚を測定する装置であって、
    光源と、
    前記光源からの測定光を、参照光と、前記基準空気層または前記塗膜への入射光とに分岐する分岐手段と、
    前記参照光の光学距離を調整する参照光光学系と、
    前記入射光を前記基準空気層または前記塗膜へ入射させ、さらに、前記基準空気層または前記塗膜からの反射光を取り出す反射光光学系と、
    前記反射光光学系からの反射光と前記参照光光学系からの参照光とを干渉せしめる干渉段と、
    前記干渉手段からの、前記反射光を含む干渉光を検出して前記干渉光の強度信号を出力する検出手段と、
    前記強度信号を解析する解析手段とを備え、
    前記塗膜が基準空気層内に載置されていない第1の状態の測定対象に対して、
    前記検出手段が、前記基準空気層からの反射光と前記参照光との干渉による複数の第1の強度信号を検出して出力し、前記解析手段が、検出した複数の前記第1の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記基準空気層の厚さに対応する光学距離を決定し、
    前記塗膜が基準空気層内に載置されている第2の状態の、前記塗膜の前記測定光の照射側に隣接する第1の空気層が画定されている測定対象に対して、
    前記検出手段が、前記第1の空気層からの反射光と前記参照光との干渉による複数の第2の強度信号を検出して出力し、前記解析手段が、検出した複数の前記第2の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記第1の空気層の厚さに対応する光学距離を決定し、
    前記検出手段が、前記基準空気層の光学距離と、前記第1の空気層の光学距離とから、前記塗膜の厚さを計算し、
    前記塗膜が、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂であり、前記光源からの前記光が、波長1300nm〜2000nmの範囲内の近赤外光である、膜厚測定装置。
  9. 前記第2の状態の測定対象に対して、さらに、
    前記検出手段が、前記塗膜からの反射光と前記参照光との干渉による複数の第3の強度信号を検出して出力し、前記解析手段が、検出した複数の前記第3の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記塗膜の厚さに対応する光学距離を決定し、
    前記検出手段が、前記基準空気層の光学距離と、前記第1の空気層の光学距離と、前記塗膜の光学距離とから、前記塗膜の屈折率を計算する、請求項に記載の膜厚測定装置。
  10. さらに、前記塗膜を硬化させる硬化手段をさらに備え、該硬化手段により前記塗膜が硬化された第3の状態の、硬化後の前記塗膜の前記測定光の照射側に隣接する第2の空気層が画定されている測定対象に対して、
    前記検出手段が、前記第2の空気層からの反射光と前記参照光との干渉による複数の第4の強度信号を検出して出力し、前記解析手段が、検出した複数の前記第4の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、前記第2の空気層の厚さに対応する光学距離を決定し、
    前記検出手段が、前記基準空気層の光学距離と、前記第2の空気層の光学距離とから、硬化後の前記塗膜の厚さを計算する、請求項またはに記載の膜厚測定装置。
  11. 前記第3の状態の測定対象に対して、さらに、
    前記検出手段が、硬化後の前記塗膜からの反射光と前記参照光との干渉による複数の第5の強度信号を検出して出力し、前記解析手段が、検出した複数の前記第5の強度信号の隣接するピーク間の間隔から、硬化後の前記塗膜の厚さに対応する光学距離を決定し、
    前記検出手段が、前記基準空気層の光学距離と、前記第2の空気層の光学距離と、硬化後の前記塗膜の光学距離とから、硬化後の前記塗膜の屈折率を計算する、請求項10に記載の膜厚測定装置。
  12. 前記検出手段が、前記基準空気層の光学距離と、前記第1の空気層の光学距離と、前記第2の空気層の光学距離とから、前記塗膜の硬化前後の収縮率を計算する、請求項10に記載の膜厚測定装置。
  13. 前記光源が、LEDまたはSLDの何れかである、請求項に記載の膜厚測定装置。
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