JP6207333B2 - 膜厚測定方法および膜厚測定装置 - Google Patents

膜厚測定方法および膜厚測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、膜厚測定方法および膜厚測定装置に関し、より詳細には、光輝材を含む層を間に挟む複層塗膜の膜厚を高精度で測定する方法および装置に関する。
自動車等の工業製品や、建築物の内装材、外装材の表面には、素材の保護および美粧性を付与することを目的として、各種の塗料が塗装され、塗膜が形成されている。近年では、より美粧性を高めるために、複層塗膜(多層膜)を施した工業製品が増加している。複層塗膜を形成する場合、例えば、基材となるFRPやPP(ポリプロピレン)の表面に、下色となるベース層(隠蔽塗膜)と、アルミフレーク等の光輝材を含む層と、透明なクリア層とを順に形成している。このような複層塗膜を施した工業製品では、膜厚が薄いと所定の性能を発揮できず、また、膜厚が厚いと塗装の垂れが生じたり塗膜の割れが生じるため、製造現場において膜厚を一定の範囲内に管理することが必要とされている。
塗膜の膜厚を測定する方法としては、例えば、塗膜表面の位置をレーザ変位計で測定する方法や、近年研究されている光干渉断層法(特許文献1)がある。
特開2004−028618号公報
しかしながら、従来から公知の膜厚測定方法にも問題がある。例えば、膜厚を直接的に測定する方法として、塗膜表面の位置をレーザ変位計で測定する方法では、レーザ照射部を基点として膜厚を測定するので、レーザ照射部と塗膜との間の距離を厳密に管理する必要があった。またこれにより、測定システムが複雑化するという欠点があった。さらに、特許文献1に記載の光干渉断層法では、膜の深さ方向(厚さ方向)の分解能が不十分な上に、多数の光学素子を組み合わせるので、測定システムが複雑化かつ大型化するという欠点があった。
さらに、特許文献1に記載の光干渉断層法であっても、測定対象である複層塗膜を構成するいずれかの塗膜中に、反射型の金属フレーク等の光輝材が含まれていると、各層間の界面における干渉強度が安定せずに、正しい膜厚を測定することが困難であった。
図1は、光干渉断層法(Optical Coherence Tomography)を用いて複層塗膜の膜厚を測定する際の問題点を説明するための模式図である。図中、(A)は複層塗膜の塗膜構成を示す断面図であり、(B)は塗膜の干渉波形を示す模式図である。
ここでは説明のため、図1(A)に示すような、基材層(FRP)と、下色となるベース層(隠蔽塗膜層)と、アルミベース層(光輝材層)と、透明なクリア層CCとを順に積層した構造に対して、光干渉断層法により膜厚を測定する場合を例とする。
下色ベース層内には、塗膜の色相を特徴付けるための着色顔料が含まれている。アルミベース層内には、美粧性を付与するためにアルミフレーク101等の光輝材が含まれている。アルミベース層に着目して説明すると、入射光であるOCT光は、アルミフレーク101によって反射せずに、アルミベース層と下色ベース層との界面cまたは下色ベース層内で反射するケース(I)と、アルミフレーク101によって反射するケース(II)とがある。
ケース(I)では、下色ベース層内に顔料として含まれている二酸化チタンによってOCT光が多重散乱することによって、符号102で示すように、波高の異なる複数のピークが、下色ベース層に相当する領域内に出現する。ケース(II)では、アルミベース層内のアルミフレーク101によってOCT光が反射することによって、符号103で示すように、波高の高いピークが、アルミベース層に相当する領域内にランダムに出現する。
光干渉断層法を用いて塗膜の膜厚を測定する場合、測定により得られた複数の干渉波形のピーク信号間の間隔から、膜厚を算出している。しかしながら、複層塗膜が光輝材を含む層を間に挟む場合には、測定により実際に得られる干渉波形には、符号102および103で示すこれらケース(I)およびケース(II)の両方の干渉波形が混在するので、各層間の界面を特定することが困難となり、正しい膜厚を測定することが困難であった。
本発明は、上記説明した従来技術の問題を解決するために成されたものであり、その目的は、光輝材を含む層を間に挟む複層塗膜の膜厚を高精度で測定することができる膜厚測定方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、本発明に係る第1の膜厚測定方法は、光干渉断層法により得られる干渉波形の複数の強度信号のピーク間の間隔から、複層塗膜の膜厚を算出する方法であって、複層塗膜が、基材層と、ベース塗膜層と、光輝材層と、クリア層とを順に積層した塗膜であり、前記ベース塗膜層内の顔料物質により光の多重散乱が生じ、前記複層塗膜に光源からの光を照射して、前記複層塗膜内のそれぞれの層または層間の界面からの反射光を含む干渉光の強度を検出して、前記複層塗膜内のそれぞれの前記層または前記層間の界面に対応する複数の強度信号の干渉波形を取得する干渉波形取得ステップと、前記複層塗膜上の所定の領域内の複数箇所において、前記干渉波形取得ステップを所定の回数繰り返し実行して、複数の前記干渉波形を取得する多点計測ステップと、複数の前記干渉波形を積算して、積算された干渉波形を求める積算ステップと、前記積算された干渉波形において、前記光輝材層と前記ベース塗膜層との界面に対応する第1の強度信号のピークの位置を特定する、第1の界面特定ステップと、前記積算された干渉波形または積算前の複数の前記干渉波形の何れかにおいて、前記複層塗膜の周囲の空気の層と前記クリア層との界面に対応する第2の強度信号のピークの位置を特定する、第2の界面特定ステップと、前記第1の強度信号のピーク位置と前記第2の強度信号のピーク位置との間隔から、前記クリア層の膜厚と前記光輝材層の膜厚との和に相当する膜厚を計算する膜厚計算ステップとを含む、膜厚測定方法である。
また、上記目的を達成するための、本発明に係る第2の膜厚測定方法は、光干渉断層法により得られる干渉波形の複数の強度信号のピーク間の間隔から、複層塗膜の膜厚を算出する方法であって、複層塗膜が、基材層と、ベース塗膜層と、光輝材層と、クリア層とを順に積層した塗膜であり、前記ベース塗膜層内の顔料物質により光の多重散乱が生じ、前記複層塗膜に光源からの光を照射して、前記複層塗膜内のそれぞれの層または層間の界面からの反射光を含む干渉光の強度を検出して、前記複層塗膜内のそれぞれの前記層または前記層間の界面に対応する複数の強度信号の干渉波形を取得する干渉波形取得ステップと、前記複層塗膜上の所定の領域内の複数箇所において、前記干渉波形取得ステップを所定の回数繰り返し実行して、複数の前記干渉波形を取得する多点計測ステップと、複数の前記干渉波形を積算して、積算された干渉波形を求める積算ステップと、前記積算された干渉波形において、前記光輝材層と前記ベース塗膜層との界面に対応する第1の強度信号のピークの位置を特定する、第1の界面特定ステップと、積算前の前記干渉波形のそれぞれに含まれる複数の前記強度信号のそれぞれについて、前記強度信号が所定のしきい値よりも大きい干渉強度を有するか否かを判別することにより、前記クリア層と前記光輝材層との界面に対応する第3の強度信号のピークの位置を特定する、第3の界面特定ステップと、前記第1の強度信号のピーク位置と前記第3の強度信号のピーク位置との間隔から、前記光輝材層の膜厚を計算する光輝材層膜厚計算ステップとを含む、膜厚測定方法である。
また、上記目的を達成するための、本発明に係る第1の膜厚測定装置は、光干渉断層法により得られる干渉波形の複数の強度信号のピーク間の間隔から、複層塗膜の膜厚を算出する装置であって、複層塗膜が、基材層と、ベース塗膜層と、光輝材層と、クリア層とを順に積層した塗膜であり、前記ベース塗膜層内の顔料物質により光の多重散乱が生じ、光源と、前記光源からの光を参照光と前記複層塗膜への入射光とに分岐する分岐手段と、前記参照光の光学距離を調整する参照光光学系と、前記入射光を前記複層塗膜へ入射させ、さらに、前記複層塗膜からの反射光を取り出す反射光光学系と、前記反射光光学系からの反射光と前記参照光光学系からの参照光とを干渉せしめる干渉手段と、前記干渉手段からの、前記反射光を含む干渉光を検出して前記干渉光の強度信号を出力する検出手段と、前記強度信号を解析する解析手段とを備え、前記検出手段が、前記複層塗膜内のそれぞれの層または層間の界面からの反射光を含む干渉光の強度を検出して、前記複層塗膜内のそれぞれの前記層または前記層間の界面に対応する複数の強度信号の干渉波形を取得し、前記複層塗膜上の所定の領域内の複数箇所において、前記干渉波形の取得を所定の回数繰り返し実行して、複数の前記干渉波形を取得し、前記解析手段が、複数の前記干渉波形を積算して、積算された干渉波形を求め、前記積算された干渉波形において、前記光輝材層と前記ベース塗膜層との界面に対応する第1の強度信号のピークの位置を特定し、前記積算された干渉波形または積算前の複数の前記干渉波形の何れかにおいて、前記複層塗膜の周囲の空気の層と前記クリア層との界面に対応する第2の強度信号のピークの位置を特定し、前記第1の強度信号のピーク位置と前記第2の強度信号のピーク位置との間隔から、前記クリア層の膜厚と前記光輝材層の膜厚との和に相当する膜厚を計算する、膜厚測定装置である。
また、上記目的を達成するための、本発明に係る第2の膜厚測定装置は、光干渉断層法により得られる干渉波形の複数の強度信号のピーク間の間隔から、複層塗膜の膜厚を算出する装置であって、複層塗膜が、基材層と、ベース塗膜層と、光輝材層と、クリア層とを順に積層した塗膜であり、前記ベース塗膜層内の顔料物質により光の多重散乱が生じ、光源と、前記光源からの光を参照光と前記複層塗膜への入射光とに分岐する分岐手段と、前記参照光の光学距離を調整する参照光光学系と、前記入射光を前記複層塗膜へ入射させ、さらに、前記複層塗膜からの反射光を取り出す反射光光学系と、前記反射光光学系からの反射光と前記参照光光学系からの参照光とを干渉せしめる干渉手段と、前記干渉手段からの、前記反射光を含む干渉光を検出して前記干渉光の強度信号を出力する検出手段と、前記強度信号を解析する解析手段とを備え、前記検出手段が、前記複層塗膜内のそれぞれの層または層間の界面からの反射光を含む干渉光の強度を検出して、前記複層塗膜内のそれぞれの前記層または前記層間の界面に対応する複数の強度信号の干渉波形を取得し、前記複層塗膜上の所定の領域内の複数箇所において、前記干渉波形の取得を所定の回数繰り返し実行して、複数の前記干渉波形を取得し、前記解析手段が、複数の前記干渉波形を積算して、積算された干渉波形を求め、前記積算された干渉波形において、前記光輝材層と前記ベース塗膜層との界面に対応する第1の強度信号のピークの位置を特定し、積算前の前記干渉波形のそれぞれに含まれる複数の前記強度信号のそれぞれについて、前記強度信号が所定のしきい値よりも大きい干渉強度を有するか否かを判別することにより、前記クリア層と前記光輝材層との界面に対応する第3の強度信号のピークの位置を特定し、前記第1の強度信号のピーク位置と前記第3の強度信号のピーク位置との間隔から、前記光輝材層の膜厚を計算する、膜厚測定装置である。
本発明によると、光輝材を含む層を間に挟む複層塗膜の膜厚を高精度で測定することができる。特に、本発明では、干渉波形のピークの出現頻度の差に着目して、複数の干渉波形を積算しているので、干渉波形の強度に影響されず、非常に干渉強度の低い塗膜(すなわち光の反射強度が低い塗膜)であっても、精度の高い膜厚測定が可能となる。
光干渉断層法(Optical Coherence Tomography)を用いて複層塗膜の膜厚を測定する際の問題点を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態において使用する塗膜の膜厚測定装置の概略構成を示すブロック図である。 図2に示す膜厚測定装置を用いて複層塗膜のサンプルに対して測定を行い、検出信号を解析する例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態に係る膜厚測定方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る膜厚測定方法において行うデータ処理の概念を説明する模式図である。 本発明の実施の形態に係る膜厚測定方法により、図1に示す複層塗膜に対して干渉波形の計測を行った結果を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る膜厚測定の結果と電磁膜厚計による膜厚測定結果との対応関係を表すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面において、同じ符号は同じ又は類似の構成要素を示すこととし、よって、同じ又は類似の構成要素に関する説明を省略する。
以下ではまず、光干渉断層法を用いて塗膜の膜厚を測定する方法を説明し、次に、本発明の一実施の形態として、図1に示す塗膜構成と同じ塗膜構成を有する複層塗膜を測定対象として、光輝材を含む層を間に挟む複層塗膜の膜厚を測定する方法について説明する。
(1)光干渉断層法による膜厚測定
本発明で使用する光干渉断層法では、位置分解能が高く、塗膜に対する透過性が高い近赤外線を測定光の好ましい光源とし、光源から2つに分岐された一方の測定系光路の光線を塗膜に照射し、他方の参照系光路の光線を参照光とし、少なくとも参照系光路の光学距離を制御しながら、2つの光路の光学距離が一致したときに生じる、塗膜からの反射光と参照光との重ね合わせによる干渉光を測定することにより、塗膜の膜厚を測定する。
本発明では光の干渉現象を利用するので、光が通過する距離を波長単位で評価することが必要である。本発明では、光は異なる媒質中(空気、塗膜中の各層)を通過するので波長が変化する。従って、本明細書において「距離」とは、特別な記載が無い限り、媒質の屈折率を考慮した「光学距離」を意味することとする。
(1−1)装置構成
図2は、本発明の実施の形態において使用する塗膜の膜厚測定装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態において使用する塗膜の膜厚測定装置は、マイケルソン干渉計の原理を用いるOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層法)を採用し、光源部と、光源部からの光を用いて干渉を生じさせる第1光学部と、塗膜のサンプルに光を照射し、サンプルからの反射光を第1光学部に入射させる第2光学部と、参照光を制御する第3光学部と、干渉光を受光して増幅する受光増幅部と、増幅の結果を記録して解析する解析部とを備えて構成される。
より具体的には、膜厚測定装置は、光源1と、ビームスプリッタ2と、集束レンズ3と、位置可変機構付き交差ミラー5と、固定ミラー6と、受光センサ7と、増幅器8と、コンピュータ9とを備える。ビームスプリッタ2は、光源1で発生させた光を入射光と参照光とに分岐し、後述の反射光と参照光とを重ね合わせ、干渉を生じさせる。集束レンズ3は、入射光を集束させてサンプル4に照射し、サンプル4からの反射光をビームスプリッタ2に戻させる。位置可変機構付き交差ミラー5は、参照光の光学距離を変化させ、且つ、参照光をビームスプリッタ2に戻させる。位置可変機構付き交差ミラー5の移動距離(物理距離)は、公知のインタフェースを介してコンピュータ9に送信される。固定ミラー6は、位置可変機構付き交差ミラー5に固定されているミラーである。受光センサ7は干渉光を受光する。増幅器8は受光センサ7の出力信号を増幅する。コンピュータ9は増幅した信号を解析する。
本実施の形態では、ビームスプリッタ2が第1光学部に相当し、集束レンズ3が第2光学部に相当し、位置可変機構付き交差ミラー5および固定ミラー6が第3光学部に相当し、受光センサ7および増幅器8が受光増幅部に相当し、コンピュータ9が解析部に相当する。
なお、後述するように、本実施形態では、本膜厚測定装置は持ち運び可能なポータブル測定器として実現され、複層塗膜表面の複数の箇所について測定(多点計測)を行う。測定者がサンプル4に対して膜厚測定装置を小刻みに移動させ、コンピュータ9が膜厚測定装置の各部の動作を制御することにより、膜厚測定の一連の手順が実行される。
(1−2)装置の動作
図2に示す膜厚測定装置の動作の一例を説明する。なお、ここでは装置の動作を説明することを意図しているので、説明を簡単にするために、サンプル4の複層塗膜は、光輝材を含む層を間に挟んでいない態様を例として説明する。
サンプル4は、例えば被塗物D上に塗膜層A〜Cの3層で形成された複層塗膜(図3(A))であり、所定の台(図示せず)に載置されている。光源1であるSLD(Super Luminescent Diode)から発せられた光は、ビームスプリッタ2によって、直進する参照光と進行方向が変更された入射光とに分岐される。入射光は、集束レンズ3によってサンプル4に入射し、サンプル4からの反射光はまた、集束レンズ3を介してビームスプリッタ2に入射する。一方、位置可変機構付き交差ミラー5は、図2に矢印Xで示す方向に例えば左から右へ移動させられながら、すなわち、参照光の光学距離を変化させながら、参照光の方向を変更して参照光をビームスプリッタ2に入射させる。このとき、ビームスプリッタ2において、サンプル4からの反射光と位置可変機構付き交差ミラー5からの参照光とが重なり合い、干渉が生じる。このように形成された干渉光は、受光センサ7によって受光される。増幅器8は受光センサ9の出力を増幅し、コンピュータ9は、増幅器8の出力を解析して、塗膜の膜厚を後述する方法で算出する。
上記した位置可変機構付き交差ミラー5を移動する理由、すなわち位置可変機構付き交差ミラー5の位置を走査する理由は、参照光の光学距離を変化させるためである。ビームスプリッタ2においてサンプル4からの反射光と重ね合う際に、参照光は、その光学距離に応じたサンプル4の深さ方向の、所定の距離からの反射光と干渉を生じる。すなわち、参照光の光学距離と入射光および反射光の光学距離とが等しいときに、干渉光の強度が増大する。
例えば、まず、図2に示す配置において、ビームスプリッタ2から位置可変機構付き交差ミラー5を介した固定ミラー6までの距離を、ビームスプリッタ2からサンプル4の表面までの距離と同じ距離に設定する。次に、この状態から、位置可変機構付き交差ミラー5を右へ、第1層である塗膜層Aの厚さほど移動させると、参照光は、塗膜層Aの底面の界面で生じた反射光と干渉を生じる。
従って、塗膜層Aの膜厚を計測するには、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を最小でも、塗膜層Aの全体の厚さほど走査(スキャン)する必要がある。
本膜厚測定装置を安価で簡便なポータブルな装置として実現する場合は、例えばTD(Time Domain)法と組み合わせて装置を構成する。TD法の場合、参照ミラーである交差ミラー5を一定速度で移動し、参照系光路の光学距離と測定系光路の光学距離とが一致した位置で起こる干渉を観察し、干渉光すなわち反射光の時間軸の情報を得る。反射光は時間軸に沿って並ぶ(後述する図3(B)の横軸が時間軸になる)ので、得られた反射光の数から塗膜の枚数情報を得る。さらに、時間軸の情報から距離情報を得る。すなわち、時間軸の情報を、参照ミラーの移動した物理距離に変換し、さらに光学距離に変換し、さらに膜の物理距離に変換することで、複層膜間の物理距離(膜厚)を得ることができる。例えば、最表面との干渉を測定した時間をt0として、走査速度を一定のvとすると、時間t1で測定した次の界面までの参照ミラーの移動距離Zは、Z=(t1−t0)/vで求めることができる。
(1−3)膜厚測定方法
図2に示す膜厚測定装置を使用して得られる典型的な測定結果に基づいて、複層塗膜の膜厚測定方法を説明する。なお、以下の説明では、説明を簡単にするためにサンプルの一箇所を測定する場合を説明するが、後述するように本実施形態では、膜厚測定装置は、サンプル上の所定の範囲内の複数箇所において反射光を測定する。塗膜の複数箇所を線状にまたは平面的に測定するために、本膜厚測定装置は持ち運び可能なポータブル測定器として実現されている。
図3は、図2に示す膜厚測定装置を用いて複層塗膜のサンプルに対して測定を行い、検出信号を解析する例を説明する模式図である。図中、(A)は塗膜層A〜Cからなる複層塗膜のサンプルを示し、(B)は干渉光強度と光学距離との関係表すプロファイルを示している。
サンプル中の隣接する各層間の屈折率が異なるため、図2に示す光源1からサンプルに測定用の光(測定光)を照射すると、測定光はサンプルの各層の上面で反射されて、反射光a、b、c、dを生じる。
これらの反射光のそれぞれは、干渉が生じるように調整された光学距離を持つ参照光と干渉し強め合い、受光センサ7によって受光されて、図3(B)に示す4つのピーク信号が得られる。ここで、図3(B)の横軸は、得られた干渉光間の光学距離を表し、縦軸は、受光した干渉光の強度を表している。図3(B)においてピーク信号に付した参照符号a〜dは、図3(A)における反射光a〜dに対応する。図3(B)に示すように、4つのピーク信号a〜dで規定される3つのピーク間の間隔のうち、ピーク信号a〜b間の間隔が、反射光a、bを生じた膜の膜厚(すなわち塗膜層Aの膜厚)に相当し、ピーク信号b〜c間の間隔が、反射光b、cを生じた膜の膜厚(すなわち塗膜層Bの厚さ)に相当し、ピーク信号c〜d間の間隔が、反射光c、dを生じた膜の膜厚(すなわち塗膜層Cの厚さ)に相当する。
このようにして得られた干渉光の強度と光学距離との関係図(プロファイル)を参照して、測定されたピーク(シグナル)の個数から複層塗膜の層の数が分かり、ピーク間の間隔からそれらの層の相対的な厚さが分かる。
複層塗膜における個々の膜の実際の物理的な厚さTは、下記の式1および式2により求めることができる。
膜の厚さT = 光学距離L / 屈折率n (式1)
光学距離L = Z×n (式2)
ここで、Zは膜の厚さTを得るのに位置可変機構付き交差ミラー5が移動した物理距離であり、nは空気の屈折率であり、nは膜の屈折率である。図3(B)に示すピーク間の間隔が各層の光学距離に相当する。ピーク間の間隔とは、言い換えると、隣接するピーク間において、ピークを得るのに要した位置可変機構付き交差ミラー5の移動距離(光学距離)である。このようにして、複層塗膜の各層の厚さを計算することができる。
なお、膜厚の測定に使用する光源として、780nm以下の波長(可視光)では、水分等の不純物による吸収や散乱の影響を受ける場合があるので好ましくない。一方、3000nm以上の波長では、膜厚測定装置の空間分解能が、塗膜の層間を分離して検出するために必要な距離よりも大きくなってしまうので、複層塗膜を正確に解析できない。このような空間分解能および透過率の配慮から、本願発明において使用する光源は、波長が780nm〜3000nmの範囲内、好ましくは1300nm〜2000nmの範囲内の近赤外線である。
(2)複層塗膜が光輝材を含む層を間に挟む場合の膜厚測定
次に、上記説明した光干渉断層法による膜厚測定の方法を踏まえて、複層塗膜が光輝材を含む層を間に挟む場合の膜厚測定方法を説明する。
図1を参照して説明したように、複層塗膜が光輝材を含む層を間に挟む場合には、入射光であるOCT光が、アルミフレーク101によって反射せずにアルミベース層と下色ベース層との界面cまたは下色ベース層内で反射するケース(I)と、アルミフレーク101によって反射するケース(II)との両方のケースがあり、測定により実際に得られる干渉波形には、符号102および103で示すこれらケース(I)およびケース(II)の両方の干渉波形が混在するので、各層間の界面を特定することが困難となり、正しい膜厚を測定することが困難であった。本願発明では、測定により得られた干渉波形のデータを積算することにより、この干渉波形が混在することで生じる問題、すなわち、界面bおよび界面cを特定することができなかったという問題を解決している。
(2−1)測定方法の概要
図4は、本発明の実施の形態に係る膜厚測定方法の手順を示すフローチャートである。
測定方法の概要について、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS1において、塗膜上の一箇所において干渉波形の測定を行い、複層塗膜内の界面a〜cにそれぞれ対応する強度ピークを有する干渉波形を得る。次に、ステップS2において、このようなステップS1の干渉波形の取得を、塗膜上の複数箇所において行い、ステップS3において、このような多点計測により得た複数の干渉波形を積算(S3)する。次に、ステップS4において、光輝材層とベース塗膜層との界面cに対応する干渉波形の強度ピークの位置を特定し、ステップS5において、塗膜表面の空気層とクリア層との界面aに対応する干渉波形の強度ピークの位置を特定する。そして、これら特定した界面aおよび界面cにそれぞれ対応する強度ピーク間の間隔から、ステップS6において、界面a〜c間に対応する、クリア層の膜厚と光輝材層の膜厚との和に相当する膜厚を計算する。
図5は、本発明の実施の形態に係る膜厚測定方法において行うデータ処理の概念を説明する模式図である。
塗膜上の任意の一点での干渉波形の計測結果(ステップS1)の一例は、図5(A)に示す通りである。本願発明では、図5(B)に示すように、塗膜上の所定の範囲内(例えば、1cm)で干渉波形の複数回の測定(多点計測)を行い(ステップS2)、この複数の計測により得られた複数の干渉波形を積算する(ステップS3)ことで、精度の高い膜厚測定を実現する。図5(C)に多点計測の計測結果の一例を示す。
図5(C)に示すグラフでは、干渉波形のピークの位置を縦軸にプロットしている。すなわち、図5(C)のグラフの縦軸は図5(A)のグラフの横軸(光学距離)に対応し、図5(C)のグラフの横軸は、多点計測により干渉波形の測定を行った塗膜上の点の数に対応する。図5(B)に示すように、持ち運び可能な膜厚測定装置を測定者が一定の速度で移動させて多点計測を行う場合、図5(C)のグラフの横軸は時間軸に対応するともいえる。
図1または図5(B)に示すように、空気の層と透明なクリア層CCとの界面をa、クリア層CCとアルミベース層との界面をb、アルミベース層と下色ベース層との界面をc、下色ベース層と基材層との界面をdと表すと、図5(C)中の符号41で示すラインが界面aに対応し、符号42で示すラインが界面bに対応し、符号43で示すラインが界面cに対応する。すなわち、図5(C)のグラフ中でこれらライン41〜43のそれぞれの位置を特定すれば、ピーク間の間隔から、クリア層CCの膜厚と、アルミベース層の膜厚とをそれぞれ個別に算出することができる。
このうち、ライン41に相当する界面aの位置については、塗膜が平坦である限り、空気の層とクリア層CCとの界面aでの干渉波形のピーク位置は多点計測を通じて一定であるので、これにより界面aの位置を特定することができる。したがって、ライン42およびライン43のうち、ライン43の位置を特定すれば、クリア層CC+アルミベース層の膜厚を算出することができ、後述する本願発明の変形例として説明するように、さらにライン42の位置を特定すれば、クリア層CCの膜厚とアルミベース層の膜厚とをそれぞれ個別に算出することができる。なお、図5(A)中、クリア層CCとアルミベース層との界面bには干渉波形のピークが現れていない。その理由は、これらの層の屈折率の差が小さく、OCT光の干渉が実質的に無視できる大きさであるからである。
図5(C)を参照すると、複層塗膜の断面構造(断面イメージ)が可視化されていることを理解することができる。ライン41とライン42との間の領域はクリア層CCに相当し、この領域には干渉波形のピークの位置がプロットされていない。これは、クリア層CC内に欠陥や不純物が無いことを意味する。
ライン42とライン43との間の領域はアルミベース層に相当し、この領域では、干渉波形のピークの位置がランダムに分布している。これは、アルミベース層内においてアルミフレーク101がランダムに分布していること(図1の符号103)を表している。また、プロット(点)の数もライン43以下の領域と比較して少ない。これは、後述する下色ベース層内において、OCT光の多重散乱が生じているためである。また、アルミフレークの濃度も比較的低く、参考に、本実施形態では、アルミフレークの濃度は約0.1phr(Per Hundred Resin:重量部)〜3phr程度である。
ライン43以下の領域は下色ベース層および基材層に相当し、この領域でも、干渉波形のピークの位置がランダムに分布している。しかし、アルミベース層に相当する領域と比較して、プロット(点)の数は多い。測定データから得られるこれらの事実は、下色ベース層内に顔料として含まれている二酸化チタンによって、OCT光が多重散乱していること(図1の符号102)を表している。
(2−2)各層間の界面の決定手順
図5(C)のグラフ中に示すライン42およびライン43の位置を特定する手順について説明する。前述の通り、界面aでの干渉波形のピーク位置は多点計測を通じて一定であるので、ライン41の位置(すなわち界面a)についてはこれにより特定することができる。
界面cに相当するライン43の位置を特定する態様について説明する。本実施形態では、多点計測により得られた複数の干渉波形を積算することにより、界面cの位置を特定する。下色ベース層内においてOCT光の多重散乱が生じているか、或いは、アルミベース層に含まれているアルミフレーク101の濃度が、下色ベース層の二酸化チタンの濃度よりも低いと、アルミフレーク101によって反射する頻度が相対的に低く、二酸化チタンによって反射する頻度が相対的に高くなる。したがって、アルミフレーク101の反射による干渉強度が二酸化チタンによる干渉強度よりも相対的に高くとも、二酸化チタンによって反射する頻度が支配的であるので、多点計測により得られた複数の干渉波形を積算すると、積算後の干渉波形では、二酸化チタンを含む下色ベース層内での反射(I)が支配的となる。
図6は、本発明の実施の形態に係る膜厚測定方法により、図1に示す複層塗膜に対して干渉波形の計測を行った結果を示す模式図である。図6(A)は、複層塗膜上の任意の一点での干渉波形の計測結果を表す模式図であり、図6(B)は、複層塗膜上の所定の範囲内で干渉波形の多点計測(例えば、200点)を行い、得られた複数の干渉波形を積算した結果を表す模式図である。
図6(A)に示すように、計測結果には、入射光であるOCT光が、アルミフレーク101によって反射せずにアルミベース層と下色ベース層との界面cまたは下色ベース層内で反射するケース(I)と、アルミフレーク101によって反射するケース(II)との両方のケースの干渉波形が混在している。図6(A)に符号(I)で示す干渉波形が、図1のケース(I)に相当する干渉波形であり、符号(II)で示す干渉波形が、図1のケース(II)に相当する干渉波形である。
ここで、図5(C)を参照して説明したように、多点計測を行った場合、アルミベース層に相当する領域では、プロットの数は、下色ベース層に相当する領域でのプロットの数と比較して少ない。これに対して、下色ベース層に相当する領域では、OCT光が多重散乱することによる影響により、プロットの数は、アルミベース層に相当する領域でのプロットの数と比較して多い。これはすなわち、下色ベース層内においてOCT光の多重散乱が生じているか、或いは、アルミフレークの濃度が0.9phrと比較的低い場合には、アルミベース層内でアルミフレークによって反射する頻度が低く、下色ベース層内で二酸化チタンによって反射する頻度が高いことを意味している。
したがって、このような頻度の違いに着目して図6(B)に示す干渉波形の積算結果を参照すると、頻度の高い下色ベース層内での反射(I)が支配的であることから、図中の符号51で示す積算後の干渉波形の強度ピークが、ケース(I)の反射、すなわち、アルミベース層と下色ベース層との界面cに相当するといえる。したがって、この符号51で示す強度ピークの位置がライン43の位置(すなわち界面c)に対応する。
これにより、ライン41の位置については既に特定されているので、ライン41に対応する界面aの干渉ピークの位置とライン43に対応する界面cの干渉ピークの位置との間の間隔から、界面a〜界面c間に対応するクリア層CC+アルミベース層の膜厚を算出することができる。
図7は、本発明の実施の形態に係る膜厚測定の結果と電磁膜厚計による膜厚測定結果との対応関係を表すグラフである。グラフ中、本願発明により得られた膜厚の測定値をグラフの縦軸にプロットし、電磁膜厚計により得られた膜厚の測定値をグラフの横軸にプロットしている。
図7のグラフに示されているように、本願発明による膜厚測定の結果は、電磁膜厚計による膜厚測定の結果と非常に良い対応関係を示している。したがって、本願発明による膜厚測定の方法は、電磁膜厚計による膜厚測定に代わる高精度な測定方法であることが示された。
このように、本発明によると、光輝材を含む層を間に挟む複層塗膜の膜厚を高精度で測定することができる。特に、本発明では、干渉波形のピークの出現頻度の差に着目して、複数の干渉波形を積算しているので、干渉波形の強度に影響されず、非常に干渉強度の低い塗膜(すなわち光の反射強度が低い塗膜)であっても、精度の高い膜厚測定が可能となる。
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。図2に示す膜厚測定装置並びに上記説明した実施の形態はあくまでも例示に過ぎず、当業者であれば、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変更や置換をすることができる。
例えば、上記した界面cに相当するライン43の位置の特定に加えて、さらに界面bに相当するライン42の位置を特定することができる。この態様では、アルミフレークの反射による干渉波形のピークの頻度分布を統計処理することにより、アルミフレークによって反射するケース(II)の干渉波形を抽出する。
光干渉断層法を用いて塗膜の膜厚を測定する場合、塗膜表面では空気との屈折率差によって光が干渉し、塗膜表面での干渉波形が最も強度の強い干渉波形となる。様々な複層塗膜に対する本願発明者による観測の結果、塗膜表面での干渉強度を1とすると、塗膜間の界面での干渉強度は0.4未満であることが見い出された。光輝材であるアルミフレーク101による光の反射強度が、塗膜間の界面での干渉強度よりも比較的強いという事実を考慮すると、アルミフレーク101による反射、すなわち、図1のケース(II)に相当する干渉波形を抽出する際の統計処理でのしきい値としては、干渉強度を例えば0.5〜1.5程度とすることができる。
この干渉強度が0.5〜1.5程度であるというしきい値の条件により、多点計測により得られたそれぞれの干渉波形について、干渉波形を選別し、選別された干渉波形の複数のピークの位置に基づいて、界面bの位置(ライン42の位置)特定する。この場合、3つの界面a〜cの位置がすべて特定されるので、クリア層CCの膜厚とアルミベース層の膜厚とをそれぞれ個別に算出することが可能となる。
ここで、上記実施の形態では、多点計測により得られた複数の干渉波形を積算することにより、界面cの位置を特定しているが、複数の測定点についての複数の干渉波形を積算する前に、1点について測定を行う度に、しきい値を用いた統計処理により、図1のケース(II)に相当する干渉波形(アルミフレーク101による反射)を予め抽出しておき、測定点1点について得られた干渉波形から、この抽出した干渉波形を予め差し引いたうえで、複数の測定点についての複数の干渉波形を積算してもよい。これにより、図1のケース(I)に相当する干渉波形がより支配的となり、より厳密に界面cの位置を特定することも可能となる。
また、上記実施の形態では、ライン41に相当する界面aの位置を、多点計測後の積算された干渉波形のピーク位置から算出しているが、界面aの位置は、塗膜上の任意の一点での干渉波形のピーク位置から算出してもよい。塗膜が平坦である限り、空気の層とクリア層CCとの界面aでの干渉波形のピーク位置は一定である。
また、図2に示す膜厚測定装置について、干渉光を得るには測定系の光学距離と参照系の光学距離とが一致すれば十分であるので、図2に示す装置におけるビームスプリッタ2、集束レンズ3や、交差ミラー5および固定ミラー6の配置は、相対的に自由に配置することができる。すなわち、それらの構成要件の配置は、2つの光学系の光路長を一致させる任意の配置であればよい。また、光学系自体も、例えば、ハーフミラーを配置したり、全反射ミラーを配置したりする種々のシステムとして実現してもよい。
また、上記の実施形態では、参照光の光学距離を制御する構成を、線形の往復運動が可能な位置可変機構付き交差ミラー5としている。すなわち、交差ミラー5の移動機構は線形運動の機構である。しかしながら、例えば、交差ミラーを回転ディスク上に固定し、回転ディスクとモータ・シャフトとを接続し、モータを定速で回転させることで、安定な位置走査が可能な回転機構を実現して、参照光の光学距離を制御してもよい。位置可変機構付き交差ミラー5は、例えばステッピングモータで位置の制御が可能であり、高精度の位置制御が可能である。ステッピングモータに代えてサーボモータを使用してもよく、この場合、ステッピングモータを使用する場合と比較して、より高精度の位置制御が可能となる。
また、上記の実施形態では、測定用の光源にSLD(Super Luminescent Diode)を使用したが、SLD以外にも、LED(Light Emitting Diode)などコヒーレンシを必要としない種々の光を使用することができる。
受光センサとしては、光電子増倍管、フォトダイオード等を用いることができる。受光センサの出力を増幅する増幅方法についても特に規定しないが、精度を高めるためにロックインアンプを用いることができる。
また、上記実施の形態では、干渉光の強度がピークとなる位置に位置可変機構付き交差ミラー5の位置を調整した際に、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を取得しコンピュータ9に送信しているが、位置可変機構付き交差ミラー5の位置を、測定対象の複層塗膜の厚さ方向に向けて連続的に走査(スキャン)して、干渉光の強度と、位置可変機構付き交差ミラー5の移動距離(物理距離)とをセットにしたデータをコンピュータ9に随時送信し、走査終了後に、このセットにされたデータをコンピュータ9が解析して、干渉光の強度がピークとなるときの位置可変機構付き交差ミラー5の位置を決定してもよい。
1 光源
2 ビームスプリッタ
3 集束レンズ
4 複層塗膜のサンプル
5 位置可変機構付き交差ミラー
6 固定ミラー
7 受光センサ
8 増幅器
9 コンピュータ

Claims (20)

  1. 光干渉断層法により得られる干渉波形の複数の強度信号のピーク間の間隔から、複層塗膜の膜厚を算出する方法であって、
    複層塗膜が、基材層と、ベース塗膜層と、光輝材層と、クリア層とを順に積層した塗膜であり、前記ベース塗膜層内の顔料物質により光の多重散乱が生じ、
    前記複層塗膜に光源からの光を照射して、前記複層塗膜内のそれぞれの層または層間の界面からの反射光を含む干渉光の強度を検出して、前記複層塗膜内のそれぞれの前記層または前記層間の界面に対応する複数の強度信号の干渉波形を取得する干渉波形取得ステップと、
    前記複層塗膜上の所定の領域内の複数箇所において、前記干渉波形取得ステップを所定の回数繰り返し実行して、複数の前記干渉波形を取得する多点計測ステップと、
    複数の前記干渉波形を積算して、積算された干渉波形を求める積算ステップと、
    前記積算された干渉波形において、前記光輝材層と前記ベース塗膜層との界面に対応する第1の強度信号のピークの位置を特定する、第1の界面特定ステップと、
    前記積算された干渉波形または積算前の複数の前記干渉波形の何れかにおいて、前記複層塗膜の周囲の空気の層と前記クリア層との界面に対応する第2の強度信号のピークの位置を特定する、第2の界面特定ステップと、
    前記第1の強度信号のピーク位置と前記第2の強度信号のピーク位置との間隔から、前記クリア層の膜厚と前記光輝材層の膜厚との和に相当する膜厚を計算する膜厚計算ステップとを含む、膜厚測定方法。
  2. 前記光輝材層に含まれている光輝材による干渉強度が、前記顔料物質による干渉強度より高い、請求項1に記載の膜厚測定方法。
  3. 前記光輝材が金属フレークであり、前記顔料物質が二酸化チタンである請求項2に記載の膜厚測定方法。
  4. 光干渉断層法により得られる干渉波形の複数の強度信号のピーク間の間隔から、複層塗膜の膜厚を算出する方法であって、
    複層塗膜が、基材層と、ベース塗膜層と、光輝材層と、クリア層とを順に積層した塗膜であり、前記ベース塗膜層内の顔料物質により光の多重散乱が生じ、
    前記複層塗膜に光源からの光を照射して、前記複層塗膜内のそれぞれの層または層間の界面からの反射光を含む干渉光の強度を検出して、前記複層塗膜内のそれぞれの前記層または前記層間の界面に対応する複数の強度信号の干渉波形を取得する干渉波形取得ステップと、
    前記複層塗膜上の所定の領域内の複数箇所において、前記干渉波形取得ステップを所定の回数繰り返し実行して、複数の前記干渉波形を取得する多点計測ステップと、
    複数の前記干渉波形を積算して、積算された干渉波形を求める積算ステップと、
    前記積算された干渉波形において、前記光輝材層と前記ベース塗膜層との界面に対応する第1の強度信号のピークの位置を特定する、第1の界面特定ステップと、
    積算前の前記干渉波形のそれぞれに含まれる複数の前記強度信号のそれぞれについて、前記強度信号が所定のしきい値の範囲内の干渉強度を有するか否かを判別前記範囲内の干渉強度を有すると判別された複数の前記強度信号に基づいて、前記クリア層と前記光輝材層との界面に対応する第3の強度信号のピークの位置を特定する、第3の界面特定ステップと、
    前記第1の強度信号のピーク位置と前記第3の強度信号のピーク位置との間隔から、前記光輝材層の膜厚を計算する光輝材層膜厚計算ステップとを含み、
    前記複層塗膜表面での干渉波形の強度信号の大きさを1.0とした場合に、前記しきい値が0.5以上1.5以下である、膜厚測定方法。
  5. 前記積算された干渉波形または積算前の複数の前記干渉波形の何れかにおいて、前記複層塗膜の周囲の空気の層と前記クリア層との界面に対応する第2の強度信号のピークの位置を特定する、第2の界面特定ステップと、
    前記第2の強度信号のピーク位置と前記第3の強度信号のピーク位置との間隔から、前記クリア層の膜厚を計算するクリア層膜厚計算ステップと、
    をさらに含む、請求項4に記載の膜厚測定方法。
  6. 前記光輝材層に含まれている光輝材による干渉強度が、前記顔料物質による干渉強度より高い、請求項4に記載の膜厚測定方法。
  7. 前記光輝材が金属フレークであり、前記顔料物質が二酸化チタンである請求項6に記載の膜厚測定方法。
  8. 前記光源からの前記光が、波長780nm〜3000nmの範囲内の近赤外光である請求項1または4に記載の膜厚測定方法。
  9. 前記光源からの前記光が、波長1300nm〜2000nmの範囲内の近赤外光である請求項1または4に記載の膜厚測定方法。
  10. 前記光源が、LEDまたはSLDの何れかである、請求項1または4に記載の膜厚測定方法。
  11. 光干渉断層法により得られる干渉波形の複数の強度信号のピーク間の間隔から、複層塗膜の膜厚を算出する装置であって、
    複層塗膜が、基材層と、ベース塗膜層と、光輝材層と、クリア層とを順に積層した塗膜であり、前記ベース塗膜層内の顔料物質により光の多重散乱が生じ、
    光源と、
    前記光源からの光を参照光と前記複層塗膜への入射光とに分岐する分岐手段と、
    前記参照光の光学距離を調整する参照光光学系と、
    前記入射光を前記複層塗膜へ入射させ、さらに、前記複層塗膜からの反射光を取り出す反射光光学系と、
    前記反射光光学系からの反射光と前記参照光光学系からの参照光とを干渉せしめる干渉手段と、
    前記干渉手段からの、前記反射光を含む干渉光を検出して前記干渉光の強度信号を出力する検出手段と、
    前記強度信号を解析する解析手段とを備え、
    前記検出手段が、
    前記複層塗膜内のそれぞれの層または層間の界面からの反射光を含む干渉光の強度を検出して、前記複層塗膜内のそれぞれの前記層または前記層間の界面に対応する複数の強度信号の干渉波形を取得し、
    前記複層塗膜上の所定の領域内の複数箇所において、前記干渉波形の取得を所定の回数繰り返し実行して、複数の前記干渉波形を取得し、
    前記解析手段が、
    複数の前記干渉波形を積算して、積算された干渉波形を求め、
    前記積算された干渉波形において、前記光輝材層と前記ベース塗膜層との界面に対応する第1の強度信号のピークの位置を特定し、
    前記積算された干渉波形または積算前の複数の前記干渉波形の何れかにおいて、前記複層塗膜の周囲の空気の層と前記クリア層との界面に対応する第2の強度信号のピークの位置を特定し、
    前記第1の強度信号のピーク位置と前記第2の強度信号のピーク位置との間隔から、前記クリア層の膜厚と前記光輝材層の膜厚との和に相当する膜厚を計算する、膜厚測定装置。
  12. 前記光輝材層に含まれている光輝材による干渉強度が、前記顔料物質による干渉強度より高い、請求項11に記載の膜厚測定装置。
  13. 前記光輝材が金属フレークであり、前記顔料物質が二酸化チタンである請求項12に記載の膜厚測定装置。
  14. 光干渉断層法により得られる干渉波形の複数の強度信号のピーク間の間隔から、複層塗膜の膜厚を算出する装置であって、
    複層塗膜が、基材層と、ベース塗膜層と、光輝材層と、クリア層とを順に積層した塗膜であり、前記ベース塗膜層内の顔料物質により光の多重散乱が生じ、
    光源と、
    前記光源からの光を参照光と前記複層塗膜への入射光とに分岐する分岐手段と、
    前記参照光の光学距離を調整する参照光光学系と、
    前記入射光を前記複層塗膜へ入射させ、さらに、前記複層塗膜からの反射光を取り出す反射光光学系と、
    前記反射光光学系からの反射光と前記参照光光学系からの参照光とを干渉せしめる干渉手段と、
    前記干渉手段からの、前記反射光を含む干渉光を検出して前記干渉光の強度信号を出力する検出手段と、
    前記強度信号を解析する解析手段とを備え、
    前記検出手段が、
    前記複層塗膜内のそれぞれの層または層間の界面からの反射光を含む干渉光の強度を検出して、前記複層塗膜内のそれぞれの前記層または前記層間の界面に対応する複数の強度信号の干渉波形を取得し、
    前記複層塗膜上の所定の領域内の複数箇所において、前記干渉波形の取得を所定の回数繰り返し実行して、複数の前記干渉波形を取得し、
    前記解析手段が、
    複数の前記干渉波形を積算して、積算された干渉波形を求め、
    前記積算された干渉波形において、前記光輝材層と前記ベース塗膜層との界面に対応する第1の強度信号のピークの位置を特定し、
    積算前の前記干渉波形のそれぞれに含まれる複数の前記強度信号のそれぞれについて、前記強度信号が所定のしきい値の範囲内の干渉強度を有するか否かを判別前記範囲内の干渉強度を有すると判別された複数の前記強度信号に基づいて、前記クリア層と前記光輝材層との界面に対応する第3の強度信号のピークの位置を特定し、
    前記第1の強度信号のピーク位置と前記第3の強度信号のピーク位置との間隔から、前記光輝材層の膜厚を計算し、
    前記複層塗膜表面での干渉波形の強度信号の大きさを1.0とした場合に、前記しきい値が0.5以上1.5以下である、膜厚測定装置。
  15. 前記解析手段がさらに、
    前記積算された干渉波形または積算前の複数の前記干渉波形の何れかにおいて、前記複層塗膜の周囲の空気の層と前記クリア層との界面に対応する第2の強度信号のピークの位置を特定し、
    前記第2の強度信号のピーク位置と前記第3の強度信号のピーク位置との間隔から、前記クリア層の膜厚を計算する、請求項14に記載の膜厚測定装置。
  16. 前記光輝材層に含まれている光輝材による干渉強度が、前記顔料物質による干渉強度より高い、請求項14に記載の膜厚測定装置。
  17. 前記光輝材が金属フレークであり、前記顔料物質が二酸化チタンである請求項16に記載の膜厚測定装置。
  18. 前記光源からの前記光が、波長780nm〜3000nmの範囲内の近赤外光である請求項11または14に記載の膜厚測定装置。
  19. 前記光源からの前記光が、波長1300nm〜2000nmの範囲内の近赤外光である請求項11または14に記載の膜厚測定装置。
  20. 前記光源が、LEDまたはSLDの何れかである、請求項11または14に記載の膜厚測定装置。
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