JP6300239B2 - Gip受容体活性を示すグルカゴンアナローグ - Google Patents
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Description
本出願は、米国仮特許出願No.61/662,874(2012年6月21日出願)及び米国仮特許出願No.61/787,973(2013年3月15日出願)(各出願の内容は参照によりその全体が本明細書に含まれる)の優先権を主張する。
電子出願資料の参照による組み入れ
本出願と同時に提出され以下のように特定されるコンピュータ読み出し可能ヌクレオチド/アミノ酸配列リスト(“224560SeqListing.txt”と称し、2013年3月14日作成の107キロバイトACII(テキスト)ファイル)は、参照によりその全体が組み入れられる。
インクレチンホルモン(グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)及びグルコース依存インスリン親和性ペプチド(GIP))は天然に存在するペプチドホルモンである。GLP-1もGIPもグルコース依存性態様でインスリンの合性及び分泌を刺激し、さらに低血糖を生じない(例えば以下を参照されたい:Nauck et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 76:912-917, 1993;及びIrwin et al., Regul. Pept. 153:70-76, 2009)。
GLP-1は、糖尿病の補助療法として有効であることが示されており、体重減少と密接に関係する。しかしながらGIP標的療法についてなお不明なことは、糖尿病及び肥満の治療の成功は、このホルモンの作用と拮抗することによって(例えばGIP受容体拮抗作用を介して)、又はGIPの作用を模倣若しくは強化することによって達成されるのか否かということである。
天然グルカゴンはGIP受容体を活性化せず、通常は天然GLP-1のGLP-1受容体における活性の約1%を有する。いくつかの実施態様では、本ペプチドは、天然ヒトグルカゴン(配列番号:1)のアミノ酸配列を土台にする構造を含むが、配列番号:1と比較して1つ以上の位置で相違するグルカゴンアナローグであり、該相違又は改変はGIP受容体における該アナローグのアゴニスト活性を強化する。そのようなグルカゴンアナローグは、GIP受容体で天然グルカゴンの活性よりも強い、いくつかの特徴では天然GIPの活性よりも強いアゴニスト活性を有するであろう。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストは少なくとも0.1%のGIPパーセンテージポテンシーを有する。本開示のいくつかの又はいずれかの特徴では、グルカゴンアナローグはさらに、グルカゴン受容体及びGLP-1受容体の一方又は両方でアゴニスト活性を示す。したがって、GIPアゴニスト、GIP-GLP-1コアゴニスト、GIP-グルカゴンコアゴニスト、及びGIP-GLP-1-グルカゴントリアゴニストが本明細書で提供される。
本開示は、以下を含むグルカゴン(配列番号:1)のアナローグを提供し:
(A)1位にTyr、His、チオAla又はPheの側鎖を含むアミノ酸(ここで1位のアミノ酸のアルファ炭素は、(i)H2N-(CH2)-、(ii)H2N-、(iii)H(アセチル)N-(CH2)0-1;及び(iv)H-又はCH3-から成る群から選択される構造に結合される);
(B)9、10、12、16、20又は37−43位のいずれかにアシル化又はアルキル化されたアミノ酸を含むアミノ酸(ここで場合によって天然のものではない(non-native)アシル基又はアルキル基はスペーサーを介してそのようなアミノ酸に連結される);
(C)16−21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸;及び
(D)配列番号:1と対比して10まで(例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9まで)の追加のアミノ酸改変、
ここで1位のアミノ酸はL-立体異性体又はD-立体異性体であり、
グルカゴンアナローグが親水性部分を欠くとき、該グルカゴンアナローグはヒトGIP受容体で約0.5nM未満のEC50を示し、さらに該グルカゴンアナローグは、GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する。
いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:11−18、21−23、25−31、33−36、38、39、100−139、141−155、157−173、175−194及び196−200のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:11−18、21−23、25−31、33−36、38、39、100−139、141−155、157−173、175−194及び196−200のいずれかを含む親配列を土台にする構造を含むが、本明細書にさらに記載するように1つ以上の位置で親配列と相違する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは配列番号:156、174及び195のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは配列番号:156、174及び195のいずれかを含む親配列を土台にする構造を含むが、本明細書にさらに記載するように1つ以上の位置で親配列と相違する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは配列番号:201又は202のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは配列番号:201及び202のいずれかを含む親配列を土台にする構造を含むが、本明細書にさらに記載するように1つ以上の位置で親配列と相違する。親配列を土台にする前述のペプチドの例示的な特徴では、アミノ酸改変は1位以外の位置で生じる。
本発明はさらにまた、
a.配列番号:11と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:11の配列、
b.配列番号:12と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:12の配列、
c.配列番号:13と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:13の配列、
d.配列番号:15と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:15の配列、
e.配列番号:16と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:16の配列、
f.配列番号:22と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:22の配列を含むペプチドを提供し、ここで、該ペプチドはヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体でアゴニスト活性を示し、該ペプチドはGIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する。3つまで(例えば1つ、2つ、3つ)のアミノ酸改変を有する配列番号:11−13、15、16及び22の配列のいずれか1つを含むペプチドの例示的特徴では、該アミノ酸改変は1位以外の位置で生じる。
(a)で、
X1は、アセチルL-His、アセチルL-Tyr、アセチルL-チオAla、アセチルD-His、アセチルD-Tyr、アセチルD-チオAla、アセチルベータ-2-L-His、アセチルベータ-2-L-Tyr、アセチルベータ-2-L-チオAla、アセチルベータ-2-D-His、アセチルベータ-2-D-Tyr、アセチルベータ-2-D-チオAla、デスアミノL-His、デスアミノL-Tyr、デスアミノL-チオAla、デスアミノD-His、デスアミノD-Tyr、デスアミノD-チオAla、デスアミノベータ-2-L-His、デスアミノベータ-2-L-Tyr、デスアミノベータ-2-L-チオAla、デスアミノベータ-2-D-His、デスアミノベータ-2-D-Tyr、デスアミノベータ-2-D-チオAla、D-His、D-Tyr、D-チオAla、ベータ-2-D-His、ベータ-2-D-Ala、ベータ-2-D-チオAla、ベータ-2-L-His、ベータ-2-L-Tyr、ベータ-2-L-チオAla、及びL-チオAlaから成る群から選択され;
X2はAla、Gly、Pro、サルコシン、Ser及びValであり;
X3は、Gln、構造I、II又はIIIの側鎖を含むアミノ酸、疎水性アミノ酸、酸性アミノ酸又は塩基性アミノ酸であるか、又はGlu、Ala、Leu、Ile、Nle、Val、NorVal、ホモセリン、Met、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、アセチル-Orn、アセチル-ジアミノブタン酸、及びアセチル-Lysから成る群から選択されるアミノ酸であり、ここで構造I、II及びIIIは以下であり:
(式中、R1はC0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2はNHR4又はC1-3アルキルであり;R3はC1-3アルキルであり;R4はH又はC1-3アルキルであり;XはNH、O又はSであり;さらにYはNHR4、SR3又はOR3である)、
X10はTyr又はC12からC18アシル若しくはアルキル基に共有結合されるアミノ酸であり;
X15は、酸性アミノ酸、場合によってGlu又はAspであり、
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro、及びSer以外の任意のアミノ酸(例えばGlu、Ala、アルファ、アルファ-二置換アミノ酸(例えばAIB)、His、Lys)であり;
X17はArg、His、Glnであり;
X18はArg又はAlaであり;
X19はAla又はアルファ、アルファ二置換アミノ酸であり;
X20は、アルファ、アルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)又はGln又はHis、Lys、又はAlaから成る群から選択され;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29は脂肪族、例えばAla又はGly又はAIB又はValであり;
X30は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるときX35は塩基性アミノ酸であり、場合によって、X28がAspであるときX29はGlyではなく、X10がTyrであるとき該ペプチドはC12からC18アシル又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸を40位に含み、場合によって該ペプチドは41位にGlyを含み、該ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化され、
(b)で、
該ペプチドはヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体及び/又はヒトグルカゴン受容体でアゴニスト活性を示し、場合によって該グルカゴンアナローグは、GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する。
(a)で、
X1は、アセチルL-His、アセチルL-Tyr、アセチルL-チオAla、アセチルL-Phe、アセチルD-His、アセチルD-Tyr、アセチルD-チオAla、アセチルD-Phe、アセチルベータ-2-L-His、アセチルベータ-2-L-Tyr、アセチルベータ-2-L-チオAla、アセチルベータ-2-L-Phe、アセチルベータ-2-D-His、アセチルベータ-2-D-Tyr、アセチルベータ-2-D-チオAla、アセチルベータ-2-D-Phe、デスアミノL-His、デスアミノL-Tyr、デスアミノL-チオAla、デスアミノL-Phe、デスアミノD-His、デスアミノD-Tyr、デスアミノD-チオAla、デスアミノD-Phe、デスアミノベータ-2-L-His、デスアミノベータ-2-L-Tyr、デスアミノベータ-2-L-チオAla、デスアミノベータ-2-L-Phe、デスアミノベータ-2-D-His、デスアミノベータ-2-D-Tyr、デスアミノベータ-2-D-チオAla、デスアミノベータ-2-D-Phe、D-His、D-Tyr、D-チオAla、D-Phe、ベータ-2-D-His、ベータ-2-D-Ala、ベータ-2-D-チオAla、ベータ-2-D-Phe、ベータ-2-L-His、ベータ-2-L-Tyr、ベータ-2-L-チオAla、ベータ-2-L-Phe、及びL-チオAlaから成る群から選択され;
X2はAla、Gly、Pro、サルコシン、Ser及びValであり;
X3は、Gln、構造I、II又はIIIの側鎖を含むアミノ酸、疎水性アミノ酸、酸性アミノ酸又は塩基性アミノ酸であるか、又はGlu、Ala、Leu、Ile、Nle、Val、NorVal、ホモセリン、Met、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、アセチル-Orn、アセチル-ジアミノブタン酸、及びアセチル-Lysから成る群から選択されるアミノ酸であり、ここで構造I、II及びIIIは以下であり:
(式中、R1はC0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2はNHR4又はC1-3アルキルであり;R3はC1-3アルキルであり;R4はH又はC1-3アルキルであり;XはNH、O又はSであり;さらにYはNHR4、SR3又はOR3である)、
X10はTyr又はC12からC18アシル若しくはアルキル基に共有結合されるアミノ酸であり;
X15は、酸性アミノ酸、場合によってGlu又はAspであり、
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro、及びSer以外の任意のアミノ酸(例えばGlu、Ala、アルファ、アルファ-二置換アミノ酸(例えばAIB)、His、Lys)であり;
X17はArg、His、Glnであり;
X18はArg又はAlaであり;
X19はAla又はアルファ、アルファ二置換アミノ酸であり;
X20は、アルファ、アルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)又はGln又はHis、Lys、又はAlaから成る群から選択され;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29は脂肪族、例えばAla又はGly又はAIB又はVal又はLeuであり;
X30は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるときX35は塩基性アミノ酸であり、場合によって、X28がAspであるときX29はGlyではなく、X10がTyrであるとき該ペプチドはC12からC18アシル又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸を40位に含み、さらに、場合によって該ペプチドは41位にGlyを含み、該ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化され、
(b)で、
該ペプチドはヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体及び/又はヒトグルカゴン受容体でアゴニスト活性を示し、場合によって該グルカゴンアナローグは、GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する。
さらに本明細書で提供されるものは、2つ以上の本開示のGIPアゴニストペプチドを含むダイマー及びマルチマーである。本開示のGIPアゴニストペプチド及び複合物の部分を含む複合物もさらに本明細書で提供される。いくつかの特徴では、複合物は、異種ペプチドに融合された本開示のGIPアゴニストペプチドを含む融合ポリペプチドである。本開示はまた、本開示のGIPアゴニストペプチド、ダイマー、マルチマー又は複合物(又は前記の組み合わせ)を含むキットを提供する。
本開示のGIPアゴニストペプチド、ダイマー、マルチマー又は複合物(又は前記の組み合わせ)のいずれか、及び医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物がさらに本開示で提供される。医薬組成物は好ましくは無菌的であり、非経口投与に適している。医薬組成物は、糖尿病若しくは肥満、又は糖尿病若しくは肥満に付随する症状を治療又は予防する方法での使用が意図される。したがって、例示的実施態様では、本開示は、体重増加を軽減するか又は体重減少を誘発する方法、糖尿病若しくは肥満を治療又は予防する方法、及び腸管の一時的な麻痺を誘発する方法を提供する。該ペプチドアナローグ及び前記を含む医薬組成物の更なる応用は以下の記載で提供される。
GIP受容体活性
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、ナノモル範囲のGIP受容体活性化のためのEC50を示す。例示的な実施態様では、該ペプチドのGIP受容体におけるEC50は1000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満である。いくつかの実施態様では、該ペプチドのGIP受容体におけるEC50は、約100nM以下、例えば75nM以下、約50nM以下、約25nM以下、約10nM以下、約5nM以下、又は約1nM以下である。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、ピコモル範囲のGIP受容体活性化のためのEC50を示す。例示的な実施態様では、該GIPアゴニストペプチドのGIP受容体におけるEC50は1000pM未満、900pM未満、800pM未満、700pM未満、600pM未満、500pM未満、400pM未満、300pM未満、200pM未満である。いくつかの実施態様では、該ペプチドのGIP受容体におけるEC50は、約100pM以下、例えば75pM以下、約50pM以下、約25pM以下、約10pM以下、約5pM以下、又は約1pM以下である。本明細書で用いられる“約”という用語は、記載の値又は値の範囲よりも10%高いか又は低いことを意味するが、ただし一切の値又は値の範囲をこの広い定義にのみ指定しようとするものではない。“約”という用語が先行するそれぞれの値又は値の範囲はまた、記載の値又は値の範囲が具体化するものを包含せんとする。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、天然ヒトグルカゴンと比較してGIP受容体で強化された活性を示す。天然グルカゴン(配列番号:1)はGIP受容体を活性化しない。すなわち、天然グルカゴンは、GIP受容体で本質的に天然GIPの0%(例えば0.001%未満、0.0001%未満)の活性を示す。天然グルカゴンと対比したあるペプチドのGIP受容体における相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/天然グルカゴンのEC50)の逆比x100%として算出される。
天然GIPと比較したあるペプチドのGIP受容体における相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/天然GIPのEC50)の逆比x100%(本明細書では“GIPパーセンテージポテンシー”とも称される値)として算出される。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、天然GIPの活性よりも高い活性をGIP受容体で示す。例示的な実施態様では、該GIPアゴニストペプチドは、少なくとも125%又は約125%、少なくとも150%又は約150%、少なくとも175%又は約175%、少なくとも200%又は約200%、少なくとも300%又は約300%、少なくとも400%又は約400%、少なくとも500%又は約500%、少なくとも600%又は約600%、少なくとも700%又は約700%、少なくとも800%又は約800%、少なくとも900%又は約900%、少なくとも1000%又は約1000%のGIPパーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のGIPアゴニストペプチドは、1000%を超えない又は10,000%を超えないGIPパーセンテージポテンシーを示す。
いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、約0.001から約10,000パーセント、又は約0.01から約10,000パーセント、又は約0.1から約10,000パーセント、又は約1から約10,000パーセント、又は約0.001から約5000パーセント、又は約0.01から約5000パーセント、又は約0.1から約5000パーセント、又は約0.1から約1000パーセントの範囲内のGIPパーセンテージポテンシーを示す。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIP受容体及びGIP受容体とは異なる第二の受容体を活性化するかぎりコアゴニストである。
GIP/GLP-1コアゴニスト
例示すれば、いくつかの特徴における本開示のペプチドは、GIP受容体及びGLP-1受容体の両方で活性を示す(“GLP-1/GIP受容体コアゴニスト”)。いくつかの特徴では、該ペプチドはGLP-1受容体及びGIP受容体で活性を示すが、グルカゴン活性は、例えば3位におけるアミノ酸改変によって顕著に低下又は破壊された。例えば、この位置における酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸(グルタミン酸、オルニチン、ノルロイシン)による置換はグルカゴン活性を低下させる。いくつかの又はいずれかの実施態様では、該GIPアゴニストペプチドは、グルカゴン受容体で天然グルカゴンの活性の約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)を示すペプチドである。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIP受容体におけるEC50は、GLP-1受容体におけるそのEC50とは約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約10倍以下、又は約5倍以下の相違である(より高いか、又は低い)。例えば、GIP受容体におけるEC50は、GLP-1受容体におけるEC50よりも10倍高いか又は10倍低くあり得る。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、GLP-1パーセンテージポテンシーとは約50倍、約40倍、約30倍、約20倍、約10倍、又は約5倍以下の相違である(より高いか、又は低い)。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、天然ヒトグルカゴンと比較して、GLP-1受容体で強化された活性を示す。天然グルカゴンは、GLP-1受容体で天然GLP-1の活性の約1%を有する。天然グルカゴンと対比して、GLP-1受容体におけるあるペプチドの相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/天然グルカゴンのEC50)の逆比x100%として算出される。
天然GLP-1と比較したあるペプチドのGLP-1受容体における相対的活性は、(本開示のペプチドのEC50/天然GLP-1のEC50)の逆比x100%(本明細書では“GLP-1パーセンテージポテンシー”と称される値)として算出される。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、天然GLP-1の活性よりも高い活性をGLP-1受容体で示す。例示的な実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも125%又は約125%、少なくとも150%又は約150%、少なくとも175%又は約175%、少なくとも200%又は約200%、少なくとも300%又は約300%、少なくとも400%又は約400%、少なくとも500%又は約500%、少なくとも600%又は約600%、少なくとも700%又は約700%、少なくとも800%又は約800%、少なくとも900%又は約900%、又は少なくとも1000%又は約1000%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、1000%を超えない又は10,000%を超えないGLP-1パーセンテージポテンシーを示す。
別の例として、いくつかの特徴における本開示のペプチドは、GIP受容体及びグルカゴン受容体の両方で活性を示す(“グルカゴン/GIP受容体コアゴニスト”)。いくつかの実施態様では、GLP-1活性は、例えば7位のアミノ酸改変によって、例えばIleによる置換、27位又は28位のアミノ酸のC-末端の(1つ又は複数の)アミノ酸の欠失(27アミノ酸ペプチド又は28アミノ酸ペプチドを生じる)、又は前記の組合せによって顕著に低下するか又は破壊される。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GLP-1受容体で天然GLP-1の活性の約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)を示すペプチドである。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、GLP-1受容体における本開示のペプチドのEC50は、グルカゴン受容体におけるそのEC50とは約50倍以下、約40倍以下、約30倍以下、約20倍以下、約10倍以下、又は約5倍以下の相違である(より高いか、又は低い)。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、そのグルカゴンパーセンテージポテンシーとは約50倍、約40倍、約30倍、約20倍、約10倍、又は約5倍以下の相違である(より高いか、又は低い)。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも0.1%又は約0.1%のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。例示的な実施態様では、該ペプチドは、少なくとも0.5%又は約0.5%、少なくとも1%又は約1%、少なくとも5%又は約5%、少なくとも10%又は約10%、少なくとも20%又は約20%、少なくとも30%又は約30%、少なくとも40%又は約40%、少なくとも50%又は約50%、少なくとも60%又は約60%、少なくとも70%又は約70%、少なくとも80%又は約80%、少なくとも90%又は約90%、又は、少なくとも100%又は約100%のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。
本開示のいくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、天然グルカゴンの活性よりも高い活性をグルカゴン受容体で示す。例示的な実施態様では、本開示のペプチドは、少なくとも125%又は約125%、少なくとも150%又は約150%、少なくとも175%又は約175%、少なくとも200%又は約200%、少なくとも300%又は約300%、少なくとも400%又は約400%、少なくとも500%又は約500%、少なくとも600%又は約600%、少なくとも700%又は約700%、少なくとも800%又は約800%、少なくとも900%又は約900%、少なくとも1000%又は約1000%のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、1000%を超えない又は10,000%を超えないグルカゴンパーセンテージポテンシーを示す。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIP受容体以外の2つ以上の受容体で活性を示す。したがって、本開示はいくつかの特徴でGIPトリアゴニストペプチドを提供する。いくつかの特徴では、本開示のペプチドは、グルカゴン受容体、GIP受容体及びGLP-1受容体の各々で活性を示す(“グルカゴン/GIP/GLP-1トリアゴニスト”)。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIP受容体におけるEC50は、本開示のペプチドの(a)GLP-1受容体、(b)グルカゴン受容体、又は両方におけるEC50よりも50倍以下、20倍以下又は10倍以下の相違がある(より高いか、又はより低い)。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIP受容体におけるEC50は、GLP-1受容体におけるそのEC50とは約40倍、約30倍、約20倍内の相違があり(より高いか、又は低い)、さらに場合によってグルカゴン受容体におけるそのEC50とは約50倍内の相違がある。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、(a)そのGLP-1パーセンテージポテンシー、(b)そのグルカゴンパーセンテージポテンシー、又は両方とは約50倍、20倍又は10倍以内の相違がある(より高いか、又はより低い)。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドのGIPパーセンテージポテンシーは、そのGLP-1パーセンテージポテンシーとは約40倍、約30倍、約20倍内の相違があり(より高いか、又はより低い)、さらに場合によってそのグルカゴンパーセンテージポテンシーとは約50倍内の相違がある。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、GIP受容体と対比してヒトGLP-1受容体に対して少なくとも100倍の選択性を有しない。例示的な実施態様では、GIP受容体と対比して本開示のペプチドのヒトGLP-1受容体選択性は100倍未満(例えば90倍未満又は約90倍、80倍未満又は約80倍、70倍未満又は約70倍、60倍未満又は約60倍、50倍未満又は約50倍、40倍未満又は約40倍、30倍未満又は約30倍、20倍未満又は約20倍、10倍未満又は約10倍、5倍未満又は約5倍)である。
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドはGIP受容体でのみ活性を示し、他の任意の受容体、例えばGLP-1受容体、グルカゴン受容体では活性を示さない。例示的な実施態様では、本開示のペプチドはGIP受容体で活性を示し、グルカゴン及びGLP-1活性は、例えば3位及び7位におけるアミノ酸改変によって顕著に低下しているか、又は破壊されている。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)のGLP-1パーセンテージポテンシーを示すペプチドである。いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、約10%以下(例えば約5%以下又は約1%以下又は約0.1%以下)のグルカゴンパーセンテージポテンシーを示すペプチドである。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本明細書でさらに述べるように、本開示のペプチドが異種部分(例えば親水性部分(例えばポリエチレングリコール))と複合物を形成するとき、本開示のペプチドは、自由な形又は非複合形にあるときよりも活性の減少(例えばより低いパーセンテージポテンシー又はより高いEC50)を示す。したがって、前述の絶対的活性レベルのいずれか(例えばGIPパーセンテージポテンシー、GLP-1パーセンテージポテンシー又はグルカゴンパーセンテージポテンシーであるが、相対比ではない)が複合物型のペプチド(例えばペジル化(pegylated)型)に適用されるとき、そのような絶対的活性レベルは、約10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、又は100倍低下することが意図され、さらに前記のような倍数低下活性は本開示の範囲内に包含されることが意図される。逆に、複合物を形成しないとき、本開示のペプチドは、異種部分(例えば親水性部分(例えばポリエチレングリコール))と複合物を形成したときの本開示のペプチドのポテンシーよりも約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍又は100倍より高いGIPパーセンテージポテンシーを示す。
グルカゴンアナローグ
いくつかの実施態様では、本開示のペプチドは、天然ヒトグルカゴン(配列番号:1)と構造的に類似し、例えば天然ヒトグルカゴンのアナローグである(“グルカゴンアナローグ”又は“グルカゴンのペプチドアナローグ”とも称される)。本明細書で用いられるように、“グルカゴンアナローグ”及び“グルカゴンのペプチドアナローグ”などという用語は、天然ヒトグルカゴンと構造的に類似するペプチドを指し、さらにこれらの用語は、必ずしも該ペプチドがグルカゴン受容体を活性化することを示唆しない。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列をベースにしたアミノ酸配列を含む、天然ヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるが、ただし前記は、該グルカゴンアナローグのアミノ酸配列が1つ以上(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及びいくつかの事例では16以上(例えば17、18、19、20、21、22、23、24、25など))の指定の又は自由選択のアミノ酸改変を含むゆえに配列番号:1とは異なる。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、天然ヒトグルカゴン配列(配列番号:1)と対比して、(該指定のアミノ酸改変に加えて)合計1つ、2つまで、3つまで、4つまで、5つまで、6つまで、7つまで、8つまで、9つまで又は10までの追加のアミノ酸改変を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、該改変は、本明細書に記載する改変のいずれか、例えばアシル化、アルキル化、ペジル化、C-末端の切端、1、2、3、7、10、12、15、16、17、18、19、20、21、23、24、27、28及び29位の1つ以上のアミノ酸の置換である。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、該アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、例えば2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上におけるアミノ酸の保存的置換である。本明細書で用いられるように、“保存的アミノ酸置換”という用語は、本明細書では1つのアミノ酸の類似の特性(例えばサイズ、荷電、疎水性、親水性及び/又は芳香族性)を有する別のアミノ酸による置換と定義され、以下の5つのグループの1つの中での交換が含まれる:
I.小さな脂肪族の非極性又はわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性の陰性荷電残基並びにそれらのアミド及びエステル:Asp、Asn、Glu、Gln、システイン酸、及びホモシステイン酸;
III.極性の陽性荷電残基:His、Arg、Lys、オルニチン(Orn);
IV.大きな脂肪族の非極性残基:Met、Leu、Ile、Val、Cys、ノルロイシン(Nle)、ホモシステイン;
V.大きな芳香族残基:Phe、Tyr、Trp、アセチルフェニルアラニン。
本明細書で用いられるように、“荷電アミノ酸”という用語は、生理学的pHの水溶液中で陰性に荷電する(すなわち脱プロトン化する)又は陽性に荷電する(すなわちプロトン化する)側鎖を含むアミノ酸を指す。例えば、陰性に荷電するアミノ酸にはアスパラギン酸、グルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸及びホモグルタミン酸が含まれ、一方、陽性に荷電するアミノ酸にはアルギニン、リジン及びヒスチジンが含まれる。荷電アミノ酸には20のコードアミノ酸の中の荷電アミノ酸とともに非定型的又は天然に存在しない又は非コードアミノ酸が含まれる。本明細書で用いられるように、“酸性アミノ酸”は、(アミノ酸のアルファカルボン酸以外の)第二の酸性部分(例えば側鎖カルボン酸又はスルホン酸基)を含むアミノ酸を指す。
前述の記載にしたがえばいくつかの特徴で、本開示のペプチドは、配列番号:1をベースとしたアミノ酸配列を含む天然ヒトグルカゴン(配列番号:1)のアナローグであり、前記配列は、GIP活性、グルカゴン活性及び/又はGLP-1活性に影響を与え、安定性を強化し(例えばペプチドの分解を、例えばDPP-IVプロテアーゼに対する耐性を改善することにより軽減することによって)、可溶性を強化し、半減期を延長し、作用の開始を先送りし、GIP、グルカゴン又はGLP-1受容体における作用時間を延長し、又は前述の記載のいずれかの組合せを生じる1つ以上のアミノ酸改変を含む。そのようなアミノ酸改変は、他の改変に加えて以下でさらに記述され、これら改変のいずれも個々に又は組み合わせて利用することができる。
いくつかの又はいずれかの実施態様にしたがえば、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるGIPアゴニストペプチドは天然のものではないアシル基を含むアミノ酸を含む(前記アミノ酸は、それがどのようにして調製されるか(例えば以前にアシル化されたアミノ酸の該ペプチドへの取り込み、又は該ペプチドの合成後のアシル化による調製)にかかわらず、本明細書では“アシル化アミノ酸”と称される)。いくつかの又はいずれかの特徴では、該アシル化アミノ酸は、グルカゴンアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20、37、38、39、40、41、42又は43位のいずれかに位置する。例示的な特徴では、該アシル化アミノ酸は、グルカゴンアナローグの9、10、12、16、20又は40位のいずれかに、又はグルカゴンアナローグの10、13、14、16、17又は40位のいずれかに位置する。例示的な特徴では、該アシル化アミノ酸は10、14及び40位の任意の1つ以上に位置する。例示的特徴では、該アシル化アミノ酸は、該ペプチドアナローグの10、12又は16位のいずれかに位置する。
いくつかの実施態様のアシル化アミノ酸は、該GIPアゴニストペプチドに以下の1つ以上を保有せしめる:(i)循環中の半減期の延長、(ii)作用開始の先送り、(iii)作用時間の延長、(iv)プロテアーゼ(例えばDPP-IV)耐性の改善、及び(v)GIP受容体、GLP-1受容体及びグルカゴン受容体の任意の1つ以上におけるポテンシーの増加。
いくつかの実施態様では、アシル基は該GIPアゴニストぺプチドのアミノ酸に直に連結される。ある実施態様にしたがえば、GIPアゴニストペプチドは、該ペプチドにエステル、チオエステル又はアミド結合を介して結合されるアシル基を含む。
具体的な特徴では、GIPアゴニストペプチドは、該アゴニストペプチドのアミノ酸側鎖のアミン、ヒドロキシル又はチオールの直接アシル化によりアシル基を含む。いくつかの実施態様では、アシル化は、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20又は40位に(例えば10、14及び40位の任意の1つに)存在する。これに関して、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列、又は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含むその改変アミノ酸配列を含み、ここで該GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20及び40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つは、側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、側鎖アミンを含むアミノ酸は下記式Iのアミノ酸である:
式中n=1から4である。
いくつかの実施態様では、式Iのアミノ酸は、nが4(Lys)又はnが3(Orn)のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、側鎖アミンを含むアミノ酸は、側鎖アミンを含む芳香族アミノ酸である。例示的な特徴では、側鎖アミンを含む芳香族アミノ酸は、4-アミノ-フェニルアラニン(4-アミノPhe)、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン又は3-アミノチロシンである。例示的な特徴では、側鎖アミンを含む芳香族アミノ酸は4-アミノ-Pheである。
他の実施態様では、側鎖ヒドロキシルを含むアミノ酸は下記式IIのアミノ酸である:
式中n=1から4である。
いくつかの例示的な実施態様では、式IIのアミノ酸はnが1のアミノ酸(Ser)である。例示的な特徴では、式IIのアミノ酸はnが2のアミノ酸(ホモセリン)である。類似の例示的実施態様では、側鎖フドロキシルを含むアミノ酸はThr又はホモセリンである。類似の例示的実施態様では、側鎖ヒドロキシルを含むアミノ酸は、側鎖ヒドロキシルを含む芳香族アミノ酸である。例示的な特徴では、側鎖ヒドロキシルを含む芳香族アミノ酸は、チロシン、ホモチロシン、メチル-チロシン又は3-アミノチロシンである。
さらに他の実施態様では、側鎖チオールを含むアミノ酸は下記式IIIのアミノ酸である:
式中n=1から4である。
いくつかの例示的な実施態様では、式IIIのアミノ酸はnが1のアミノ酸(Cys)である。
さらに他の実施態様では、側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを含むアミノ酸は、式I、式II又は式IIIのアミノ酸のアルファ炭素と結合した水素が第二の側鎖と入れ替えられるという点を除いて、式I、式II又は式IIIの同じ構造を含む二置換アミノ酸である。
また別の実施態様では、アシル基はスペーサーを介してGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に連結され、ここで該スペーサーは、GIPアゴニストペプチドの該アミノ酸と該アシル基との間に位置する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは該ペプチドと該アシル基との間にスペーサーを含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは該スペーサーと共有結合し、該スペーサーは該アシル基と共有結合する。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸、又は側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸を含むジペプチド又はトリペプチドである。スペーサーが結合されるアミノ酸は、該スペーサーとの連結を許容する部分を含む任意のアミノ酸(例えば一又は二α-置換アミノ酸)であり得る。例えば、側鎖NH2、-OH又は-COOHを含むアミノ酸(例えばLys、Orn、Ser、Asp又はGlu)が適切である。これに関しては、いくつかの特徴のGIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列、又は本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含むその改変アミノ酸配列を含み、ここで9、10、12、13、14、16、17、20及び37−43位(例えば10、14又は 40位)のアミノ酸の少なくとも1つは、側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸、又は側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸を含むジペプチド又はトリペプチドである。
アシル基がアミノ酸スペーサーの側鎖アミンを介して結合される事例では、スペーサーは、側鎖アミンを含むアミノ酸、例えば式Iのアミノ酸(例えばLys又はOrn)である。この事例では、該アミノ酸のアルファアミン及び側鎖アミンの両方がアシル基と結合することが可能で、したがってGIPアゴニストペプチドは二アシル化される。本発明の実施態様にはそのような二アシル化分子が含まれる。いくつかの実施態様では、アシル基は、4-アミノ-Phe、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン、又は3-アミノチロシンに結合される。
アシル基がスペーサーのチオール基を介して結合されるとき、該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドのアミノ酸の1つは式IIIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様では、該アミノ酸はCysである。
具体的実施態様のスペーサー(例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能性スペーサー又は疎水性二官能性スペーサー)は、長さが3から10原子(例えば6から10原子、例えば6、7、8、9、10原子)である。より具体的な実施態様では、スペーサーは長さが3から10原子(例えば6から10原子)であり、さらにアシル基はC12からC18の脂肪アシル基、例えばC14脂肪アシル基、C16脂肪アシル基であり、したがってスペーサー及びアシル基の全長は14から28原子、例えば約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28原子である。いくつかの実施態様では、スペーサー及びアシル基の長さは17から28(例えば19から26、19から21)原子である。
いくつかの実施態様では、該スペーサーは全体的な陰性荷電を含み、例えば1つ又は2つの陰性荷電アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、該ジペプチドは一般構造A-Bのジペプチドのいずれでもない(式中、AはGly、Gln、Ala、Arg、Asp、Asn、Ile、Leu、Val、Phe及びProから成る群から選択され、BはLys、His、Trpから成る群から選択される)。いくつかの実施態様では、該ジペプチドスペーサーのアミノ酸は、Ala、β-Ala、Leu、Pro、γ-アミノ酪酸、Glu及びγ-Gluから成る群から選択される。
さらになお具体的な実施態様では、アシル基は、該ペプチドアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位のいずれかの(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上の)アミノ酸に結合され、該スペーサー及びアシル基の長さは14から28原子である。9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位のいずれかの(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上の)アミノ酸は、いくつかの特徴では式Iのアミノ酸(例えばLys)又は式Iに関連する二置換アミノ酸である。より具体的な実施態様では、該ペプチドアナローグは、分子内架橋(例えば共有結合分子内架橋)を欠く。例えば、該グルカゴンアナローグは、1つ以上のアルファ、アルファ-二置換アミノ酸(例えばAIB)を該アナローグのアルファヘリックスの安定化のために含むグルカゴンアナローグであり得る。
アシル化アミノ酸のアシル基は任意のサイズ、例えば任意の長さの炭素鎖でよく、さらに直鎖状でも分枝状でもよい。いくつかの具体的な実施態様では、アシル基はC4からC30の脂肪酸である。例えばアシル基は、C4脂肪酸、C6脂肪酸、C8脂肪酸、C10脂肪酸、C12脂肪酸、C14脂肪酸、C16脂肪酸、C18脂肪酸、C20脂肪酸、C22脂肪酸、C24脂肪酸、C26脂肪酸、C28脂肪酸、又はC30脂肪酸のいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アシル基はC8からC20の脂肪酸、例えばC12からC18の脂肪酸、C14脂肪酸又はC16脂肪酸である。例示的な実施態様では、アシル基はC16からC30の脂肪酸、例えばC20からC28の脂肪酸、C16からC22の脂肪酸である。
また別の実施態様では、アシル基は胆汁酸である。胆汁酸は任意の適切な胆汁酸であり得る。前記には、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、タウロコール酸、グリココール酸、及びコレステロール酸が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
例示的な特徴では、該コハク酸誘導体は下記式Vの構造を含む:
式中、R及びR’の各々は別個にH、直鎖状若しくは分枝状C4−C30炭素鎖、又は直鎖状若しくは分枝状C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30のアルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば、該アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、C8からC20アルキル、例えばC12からC18アルキル、C14アルキル又はC16アルキルである。例示的な実施態様では、該アルキル基はC16からC30アルキル、例えばC20からC28アルキル、C16からC22アルキルである。例示的な特徴では、該官能化炭素鎖は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含む(ただし前記に限定されない)官能基を含む。
例示的な特徴では、該コハク酸誘導体は、下記式VIの構造を含む無水コハク酸を含む:
式中、R及びR’の各々は別個にH、直鎖状若しくは分枝状C4−C30炭素鎖、又は直鎖状若しくは分枝状C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30のアルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば、該アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、C8からC20アルキル、例えばC12からC18アルキル、C14アルキル又はC16アルキルである。例示的な実施態様では、該アルキル基はC16からC30アルキル、例えばC20からC28アルキル、C16からC22アルキルである。例示的な特徴では、該官能化炭素鎖は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含む(ただし前記に限定されない)官能基を含む。
例示的な特徴では、該コハク酸誘導体は、下記式VIIの構造を含む無水コハク酸の誘導体である:
式中nは1−4であり、さらに
R及びR’の各々は別個にH、直鎖状若しくは分枝状C4−C30炭素鎖、又は直鎖状若しくは分枝状C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30のアルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば、該アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、C8からC20アルキル、例えばC12からC18アルキル、C14アルキル又はC16アルキルである。例示的な実施態様では、該アルキル基はC16からC30アルキル、例えばC20からC28アルキル、C16からC22アルキルである。例示的な特徴では、該官能化炭素鎖は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含む(ただし前記に限定されない)官能基を含む。
例示的な特徴では、該マレイン酸誘導体は下記式VIIIの構造を含む:
式中、R及びR’の各々は別個にH、直鎖状若しくは分枝状C4−C30炭素鎖、又は直鎖状若しくは分枝状C4−C30官能化炭素鎖である。例示的な実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30のアルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば、該アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、C8からC20アルキル、例えばC12からC18アルキル、C14アルキル又はC16アルキルである。例示的な実施態様では、該アルキル基はC16からC30アルキル、例えばC20からC28アルキル、C16からC22アルキルである。例示的な特徴では、該官能化炭素鎖は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミド(ただし前記に限定されない)を含む官能基を含む。
式中、R及びR’の各々は別個にH、直鎖状若しくは分枝状C4−C30炭素鎖、又は直鎖状若しくは分枝状C4−C30官能化炭素鎖である。例示的実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30のアルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば、該アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、C8からC20アルキル、例えばC12からC18アルキル、C14アルキル又はC16アルキルである。例示的実施態様では、該アルキル基はC16からC30アルキル、例えばC20からC28アルキル、C16からC22アルキルである。例示的特徴では、該官能化炭素鎖は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含む(ただし前記に限定されない)官能基を含む。
例示的特徴では、マレイン酸誘導体は無水マレイン酸誘導体であり、下記式Xのものを含む:
式中、nは1−4であり、2つの非カルボニル炭素の間に少なくとも1つのC=C二重結合が存在し、さらに
R及びR’の各々は別個にH、直鎖状若しくは分枝状C4−C30炭素鎖、又は直鎖状若しくは分枝状C4−C30官能化炭素鎖である。例示的実施態様では、R及び/又はR’はC4からC30のアルキル鎖を含む炭素鎖である。例えば、該アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、C8からC20アルキル、例えばC12からC18アルキル、C14アルキル又はC16アルキルである。例示的実施態様では、該アルキル基はC16からC30アルキル、例えばC20からC28アルキル、C16からC22アルキルである。例示的特徴では、該官能化炭素鎖は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミド(ただし前記に限定されない)を含む官能基を含む。
アシル基をペプチドのアミン、ヒドロキシル及びチオールを介して当該ペプチドに結合させる適切な方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:実施例1及び実施例2(アミンを介してアシル化する方法について);Miller, Biochem Biophys Res Commun 218:377-382(1996);Shimohigashi and Stammer, Int J Pept Protein Res 19:54-62(1982);及びPreviero et al., Biochim Biophys Acta 263:7-13(1972)(ヒドロキシルを介してアシル化する方法について);及びSan and Silvius, J Pept Res 66:169-180(2005)(チオールを介してアシル化する方法について);Bioconjugate Chem. “Chemical Modifications of Proteins: History and Applications” pages 1, 2-12(1990);Hashimoto et al., Pharmaceutical Res. "Synthesis of Palmitoyl Derivatives of Insulin and Their Biological Activity” Vol.6, No.2 pp.171-176(1989)。
例示的実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、当該GIPアゴニストペプチドに結合されるスペーサーによる長鎖アルカンのアシル化によってアシル基を含む。具体的な特徴では、長鎖アルカンは、スペーサーのカルボキシル基又はその活性化型と反応するアミン、ヒドロキシル又はチオール基を含む。カルボキシル基又はその活性化型を含む適切なスペーサーは本明細書に記載され、例えば二官能性スペーサー(例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド)、親水性二官能性スペーサー及び疎水性二官能性スペーサーが含まれる。
これらの特徴(長鎖アルカンが当該グルカゴンアナローグ又はスペーサーによってアシル化される)に関しては、該長鎖アルカンは任意のサイズでよく、さらに任意の長さの炭素鎖を含むことができる。該長鎖アルカンは直鎖状でも分枝状でもよい。例示的特徴では、該長鎖アルカンは、C4からC30アルカンである。例えば、該長鎖アルカンは、C4アルカン、C6アルカン、C8アルカン、C10アルカン、C12アルカン、C14アルカン、C16アルカン、C18アルカン、C20アルカン、C22アルカン、C24アルカン、C26アルカン、C28アルカン、又はC30アルカンのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、該長鎖アルカンは、C8からC20アルカン、例えばC12からC18アルカン、C14アルカン、C16アルカン又はC18アルカンを含む。例示的実施態様では、該長鎖アルカンは、C16からC30アルカン、例えばC20からC28アルカン、C16からC22アルカンである。
いくつかの実施態様ではまた、GIPアゴニストペプチドのアミン、ヒドロキシル又はチオール基がコレステロール酸でアシル化される。具体的実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、アルキル化des-アミノCysスペーサー(すなわちアルキル化された3-メルカプトプロピオン酸スペーサー)を介してコレステロール酸に連結される。
アシル基が、コハク酸、コハク酸誘導体、マレイン酸又はマレイン酸誘導体であるときは、該ペプチドは、該GIPアゴニストペプチド又はスペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオール基と、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX又は式Xのコハク酸、コハク酸誘導体、マレイン酸又はマレイン酸誘導体との反応によってスクシノイル化/マレオイル化される。スクシノイル化の方法は本明細書で述べる。
いくつかの又はいずれかの実施態様におけるペプチドは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)以外の位置にアシル化アミノ酸を含む。アシル化アミノ酸の場所はGIPアゴニストペプチド内の任意の位置でよく、前記位置には1−29位のいずれか、29番目のアミノ酸のC-末端の位置(例えば30、31、32、33、34、35、36、44、45、46、47位など、C-末端延長部内の位置、又は当該C-末端のアミノ酸)が含まれ、場合によって9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位のいずれか(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)に第二のアシル化アミノ酸を伴うが、ただし、当該ペプチドアナローグのGIPアゴニスト活性が強化されないとしても維持されることを条件とする。非限定的な例には、5、7、11、13、14、17、18、19、21、24、27、28又は29位が含まれる。
前述の記載と一致して、例示的特徴のグルカゴンアナローグは2つ(又は3つ以上)のアシル化アミノ酸を含み、2つのアシル基が存在するときは二重アシル化ペプチド又は二アシル化ペプチドと考えることができる。例示的特徴では、アシル化アミノ酸の全てが、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位の2つの位置(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)に位置する。例示的特徴では、アシル化は10、14及び40位の2つで生じる。例示的特徴では、該ペプチドは、第一のアシル化アミノ酸を10位に第二のアシル化アミノ酸を40位に含む。
アルキル基が直鎖状構成で配置される例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、第一のアシル基に直接結合される1つのアシル化アミノ酸(ペプチド骨格の部分である)を含み、続いて前記アシル基はスペーサーに結合され、続いて前記は第二のアシル基に結合される。
二重アシル化化合物の例示的な構造が考えられる。
アシル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドはさらに親水性部分を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、該親水性部分はポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。親水性部分の取り込みは、任意の適切な手段、例えば本明細書に記載の方法のいずれかにより達成される。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、本明細書に記載の改変のいずれかを含む配列番号:1を含むことができ、前記では、9、10、12、13、14、16、17、20及び37−43位のいずれかの(例えば10、14及び40位の1つ以上の)アミノ酸の少なくとも1つがアシル化アミノ酸であり、さらに16、17、21、24又は29位、C-末端延長部内の位置のアミノ酸又はC-末端アミノ酸の少なくとも1つがCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheであり、前記の側鎖が親水性部分(例えばPEG)と共有結合する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20及び37−43位のいずれかの(例えば10、14及び40位の1つ以上の)アミノ酸がアシル基と結合し、当該アミノ酸はさらに親水性部分と結合するか、又はさらにCys、Lys、Orn、ホモ-Cys若しくはAc-Pheと結合し、前記が親水性部分と結合する。
いくつかの特徴では、いくつかの実施態様のGIPアゴニストペプチドは、親水性部分が連結されるアミノ酸と同じアミノ酸の位置でアシル化されるか、又は異なるアミノ酸の位置でアシル化される。非限定的な例には、9、10、12、13、14、16、17、20又は40位(例えば10、14及び40位の1つ以上)におけるアシル化及びグルカゴンアナローグのC-末端部分の1つ以上の位置(例えば24、28若しくは29位、C-末端延長部内(例えば37−43)、又はC-末端(例えばC-末端Cysの付加による))におけるペジル化が含まれる。
いくつかの具体的な実施態様では、アシル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは、分子内架橋、例えば共有結合分子内架橋(例えばラクタム架橋)を欠く。
いくつかの又はいずれかの実施態様にしたがえば、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグであるGIPアゴニストペプチドは、天然のものではないアルキル基を含むアミノ酸を含む。前記アミノ酸は、どのように調製されたかにかかわらず(例えば以前にアルキル化されたアミノ酸の当該ペプチドへの取り込みによるか、又は合成後にペプチドのアルキル化によるかにかかわらず)、本明細書では“アルキル化アミノ酸”と称される。いくつかの又はいずれかの特徴では、該アルキル化アミノ酸は、9、10、12、13、14、16、17、20、37、38、39、40、41、42又は43位のいずれか(例えば10、14及び40位の1つ以上)に位置する。例示的な特徴では、アルキル化アミノ酸は、9、10、12、16、20又は40位のいずれかに、又は10、13、14、16、17又は40位のいずれかに位置する。例示的な特徴では、アルキル化アミノ酸は、10、12、16又は40位のいずれかに、又は10、12又は16位のいずれかに位置する。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸は10、14及び40位のいずれか1つ以上に位置する。
いくつかの実施態様のアルキル化アミノ酸は、GIPアゴニストペプチドに以下の1つ以上をもたらす:(i)循環中の半減期の延長、(ii)作用開始の先送り、(iii)作用時間の延長、(iv)プロテアーゼ(例えばDPP-IV)に対する耐性の改善、及び(v)GIP受容体、GLP-1受容体及びグルカゴン受容体のいずれか1つ以上におけるポテンシーの増加。
いくつかの実施態様では、アルキル基はGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に直接連結される。ある実施態様にしたがえば、GIPアゴニストペプチドは、エーテル、チオエーテル又はアミン結合を介して該ペプチドに結合されるアルキル基を含む。
具体的な特徴では、GIPアゴニストペプチドは、GIPアゴニストペプチドのアミノ酸の側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールの直接アルキル化によりアルキル基を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルキル基は、アミン、ヒドロキシル又はチオールと活性化アルキル基との反応によってGIPアゴニストペプチドのアミノ酸に連結される。いくつかの特徴のアルキル基は、脱離基(例えばハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩又はフェノキシル)で活性化される。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルキル化アミノ酸は、9、10、12、13、14、16、17、20又は40位の1つ(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)、又は10、12又は16位の1つに位置する。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、配列番号:1のアミノ酸配列又はその改変アミノ酸配列(本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含む)を含み、ここで、9、10、12、13、14、16、17、20又は40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の少なくとも1つは、側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを含むアミノ酸である。
他の実施態様では、側鎖ヒドロキシルを含むアミノ酸は式IIのアミノ酸である。いくつかの例示的な実施態様では、式IIのアミノ酸は、nが1(セリン)のアミノ酸である。例示的特徴では、式IIのアミノ酸は、nが2(ホモセリン)のアミノ酸である。同様な例示的実施態様では、側鎖ヒドロキシルを含むアミノ酸はThr又はホモスレオニンである。同様な例示的実施態様では、側鎖ヒドロキシルを含むアミノ酸は、側鎖ヒドロキシルを含む芳香族アミノ酸である。例示的な特徴では、側鎖ヒドロキシルを含む芳香族アミノ酸は、チロシン、ホモチロシン、メチル-チロシン、又は3-アミノチロシンである。
さらにまた他の実施態様では、側鎖アミン、ヒドロキシル又はチオールを含むアミノ酸は、式I、式II又は式IIIのアミノ酸のアルファ炭素に結合した水素が第二の側鎖と入れ替えられるという点を除いて、式I、式II又は式IIIと同じ構造を含む置換アミノ酸である。
また別の実施態様では、天然のものではないアルキル基がGIPアゴニストペプチドのアミノ酸にスペーサーを介して連結され、ここで該スペーサーはGIPアゴニストペプチドのアミノ酸と天然のものではないアルキル基との間に位置する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドはスペーサーと共有結合し、前記スペーサーは天然のものではないアルキル基と共有結合する。
例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、改変されてスペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアルキル化によって天然のものではないアルキル基を含み、前記スペーサーは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位の1つ(例えば10、14及び40位のいずれか1つ)のアミノ酸の側鎖に結合される。例示的実施態様では、アルキル基は、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールと脱離基(例えばハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩、フェノキシル)を有するアルキル基との反応によってスペーサーに結合される。
スペーサーと結合するアミノ酸は、スペーサーとの結合を許容する部分を含む任意のアミノ酸であり得る。例えば、側鎖NH2、-OH又は-COOHを含むアミノ酸(例えばLys、Orn、Ser、Asp又はGlu)が適切である。これに関しては、該アルキル化グルカゴンアナローグは、本明細書に記載のアミノ酸改変の1つ以上を含む、配列番号:1の改変アミノ酸配列を含むことができ、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)のアミノ酸の少なくとも1つが、側鎖アミン、ヒドロキシル、又はカルボキシレートを含む任意のアミノ酸に改変される。
いくつかの実施態様では、スペーサーは、側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸、又は側鎖アミン、ヒドロキシル若しくはチオールを含むアミノ酸を含むジペプチド若しくはトリペプチドである。
アルキル基がアミノ酸スペーサーの側鎖アミンにより結合される事例では、当該スペーサーは、側鎖アミンを含むアミノ酸、例えば式Iのアミノ酸(例えばLys又はOrn)である。この事例では、当該スペーサーのアミノ酸のアルファアミン及び側鎖アミンの両方がアルキル基と結合することができ、したがってGIPアゴニストペプチドは二アルキル化される。本発明の実施態様はそのような二アルキル化分子を含む。いくつかの実施態様では、アルキル基は、4-アミノ-Phe、p-アミノフェニルグリシン、p-アミノホモフェニルアラニン、又は3-アミノチロシンに結合される。
アルキル基がスペーサーのヒドロキシル基により結合されるときは、当該アミノ酸又はジペプチド若しくはトリペプチドのアミノ酸の1つは式IIのアミノ酸であり得る。具体的な例示的実施態様では、該アミノ酸はSerである。同様な例示的実施態様では、アルキル基はThr又はホモスレオニンに結合される。同様な例示的実施態様では、アルキル基は、側鎖ヒドロキシルを含む芳香族アミノ酸(例えばチロシン、ホモチロシン、メチル-チロシン又は3-アミノチロシン)のヒドロキシルを介して結合される。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、スペーサーは親水性二官能性スペーサーである。例示的実施態様では、該親水性二官能性スペーサーは、2つ以上の反応基、例えばアミン、ヒドロキシル、チオール及びカルボキシル基又は前記の任意の組み合わせを含む。例示的実施態様では、親水性二官能性スペーサーはヒドロキシル基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーはアミン基及びカルボキシレートを含む。他の実施態様では、親水性二官能性スペーサーは、チオール基及びカルボキシレートを含む。具体的な実施態様では、該スペーサーはアミノポリ(アルキルオキシ)カルボキシレートを含む。これに関しては、スペーサーは、例えばNH2(CH2CH2O)n(CH2)mCOOHを含むことができ、式中mは1から6の任意の整数で、nは2から12の任意の整数であり、例えば8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸で、前記は業者(Peptides International, Inc.(Louisville, KY))から市場で入手できる。
具体的実施態様のスペーサー(例えばアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、親水性二官能性スペーサー又は疎水性二官能性スペーサー)は、長さが3から10原子(例えば6から10原子、例えば6、7、8、9又は10原子)である。より具体的な実施態様では、スペーサーは長さが3から10原子(例えば6から10原子)であり、さらに天然のものではないアルキル基はC12からC18アルキル、例えばC14アルキル、C16アルキルであり、したがってスペーサー及びアルキル基の全長は14から28原子である。いくつかの実施態様では、スペーサー及びアルキル基の長さは17から28(例えば19から26、19から21)原子である。
いくつかの例示的な実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、スペーサーのアミン、ヒドロキシル又はチオールのアルキル化によるアルキル基を含む(前記スペーサーは、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位の(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上の)アミノ酸の側鎖、又はC-末端アミノ酸に結合される)。
さらになお具体的な実施態様では、アルキル基は、該ペプチドアナローグの9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位のいずれかの(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上の)アミノ酸に結合され、該スペーサー及びアルキル基の長さは14から28原子である。9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位のいずれかの(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上の)アミノ酸は、いくつかの特徴では式Iのアミノ酸(例えばLys)又は式Iに関連する二置換アミノ酸である。より具体的な実施態様では、該ペプチドアナローグは、分子内架橋(例えば共有結合分子内架橋)を欠く。例えば、該グルカゴンアナローグは、1つ以上のアルファ、アルファ-二置換アミノ酸(例えばAIB)を該アナローグのアルファヘリックスの安定化のために含むグルカゴンアナローグであり得る。
アルキル化アミノ酸の天然のものではないアルキル基は任意のサイズ、例えば任意の長さの炭素鎖でよく、さらに直鎖状でも分枝状でもよい。いくつかの具体的な実施態様では、アルキル基はC4からC30アルキルである。例えば、アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、アルキル基は、C8からC20アルキル、例えばC12からC18アルキル、C14アルキル又はC16アルキルである。例示的な実施態様では、アルキル基はC16からC30アルキル、例えばC20からC28アルキル、C16からC22アルキルである。
例示的な実施態様では、該アルキル化アミノ酸の天然のものではないアルキル基は、任意の長さの官能化直鎖状又は分枝状炭素鎖である。いくつかの具体的な実施態様では、該炭素鎖はC4からC30アルキルである。例えば、該アルキル基は、C4アルキル、C6アルキル、C8アルキル、C10アルキル、C12アルキル、C14アルキル、C16アルキル、C18アルキル、C20アルキル、C22アルキル、C24アルキル、C26アルキル、C28アルキル、又はC30アルキルのいずれかであり得る。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、C8からC20アルキル、例えばC12からC18アルキル、C14アルキル又はC16アルキルである。例示的な実施態様では、該アルキル基はC16からC30アルキル、例えばC20からC28アルキル、C16からC22アルキルである。例示的特徴では、該官能化炭素鎖は、カルボキシル、スルフヒドリル、アミン、ケチル、スルホキシル又はアミドを含む(ただし前記に限定されない)官能基を含む。
アルキル基をアミノ酸に結合させる方法は公知である。例えば、脱離基で活性化されたアルキル基は、求核側鎖(例えばアミン、ヒドロキシル又はチオールを含む側鎖)を含むアミノ酸と反応できる。例示的特徴の脱離基はハロゲン、スルホネートエステル、ピリジルチオール、アンモニウム塩又はフェノキシルである。
例示的実施態様では、アルキル基に結合されるべきアミノ酸はCys残基であり、硫黄原子はアルキル化、例えば“S-アルキル化”される。例示的実施態様では、Cysの硫黄は、-Cx-COOHの構造のカルボキシ官能化炭素鎖を含むアルキル基の脱離基と反応する。前記式中xは整数で、場合によって4−30の整数(例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30)であり、カルボキシ炭素はアルファ炭素であり、Cxの炭素の各々はベータ、ガンマ、デルタ、エプシロンなどと称され、ベータ炭素がアルファ炭素に結合される。例えば、xが4のとき、天然のものではないアルキル基は以下のように称されるであろう:Cε-Cδ-Cγ-Cβ-CαOOH。例示的実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、カルボキシ炭素以外の炭素(すなわちCxの炭素の1つ)を介して結合される。例示的特徴では、カルボキシ官能化炭素鎖は、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ、ガンマ、デルタ又はエプシロン炭素を介して、アルキル化アミノ酸の側鎖に結合される。また別の実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ、ガンマ、デルタ又はエプシロン炭素を介してスペーサーの側鎖に結合され、このスペーサーがアルキル化アミノ酸に結合される。例示的特徴では、カルボキシ官能化炭素鎖は、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ炭素を介してアルキル化アミノ酸の側鎖に結合される。また別の実施態様では、カルボキシ官能化炭素鎖は、カルボキシ官能化炭素鎖のベータ炭素を介してスペーサーの側鎖に結合され、このスペーサーがアルキル化アミノ酸に結合される。
例示的特徴では、脱離基は、ハロゲン(例えばヨウ素、臭素、塩素又はフッ素)、スルホネートエステル(例えばトシレート、トリフレート又はフルオロスルホネート)、ピリジルチオール、アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、ホスフェート又はフェノキシルである。
具体的な特徴では、アルキル基はヨウ素脱離基及び合計16炭素(カルボキシレートの炭素を含む)を含むカルボキシ官能化炭素鎖を含む。そのようなヨード-カルボン酸によるアルキル化は“S-パルミチルアルキル化”と称することができ、前記は“S-パルミテートアルキル化”と同義語である。さらに別のS-パルミチルアルキル化の実施態様は、本明細書の実施例1及び20で提供される。
いくつかの特徴のペプチドは、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)以外の位置にアルキル化アミノ酸を含む。アルキル化アミノ酸の場所はGIPアゴニストペプチド内の任意の位置でよく、前記位置には1−29位のいずれか、29番目のアミノ酸のC-末端の位置(a position C-terminal to the 29th amino acid)(例えば30、31、32、33、34、35、36、44、45、46、47など、C-末端延長部内の位置、又は当該C-末端)が含まれ、場合によって9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位の位置のいずれか(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)に第二のアルキル化アミノ酸を伴うが、ただし、当該ペプチドアナローグのGIPアゴニスト活性が強化されないとしても維持されることを条件とする。
前述の記載と一致して、例示的特徴のグルカゴンアナローグは2つ(又は3つ以上)のアルキル化アミノ酸を含む。例示的特徴では、アルキル化アミノ酸の全てが、9、10、12、13、14、16、17、20又は37−43位の2つの位置(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)に位置する。例示的特徴では、該ペプチドは、第一のアルキル化アミノ酸を10位に第二のアルキル化アミノ酸を40位に含む。
アルキル基が直鎖状構成で配置される例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、第一のアルキル基に直接結合される1つのアルキル化アミノ酸(ペプチド骨格の部分である)を含み、続いて前記はスペーサーに結合され、続いて前記スペーサーは第二のアルキル基に結合される。
二重アルキル化化合物の例示的構造は他の二重アシル化化合物から誘導し得る。
アルキル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは場合によってさらに親水性部分を含む。いくつかの具体的な実施態様では、該親水性部分はポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。いくつかの特徴における親水性部分の取り込みは、任意の適切な手段、例えば本明細書に記載の方法のいずれかにより達成される。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは、本明細書に記載の改変のいずれかを含む配列番号:1を含むことができ、前記では、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20及び37−43位のいずれかの(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上の)アミノ酸の少なくとも1つがアルキル基を含み、さらに16、17、21、24又は29位、C-末端延長部内の位置のアミノ酸又はC-末端アミノ酸の少なくとも1つがCys、Lys、Orn、ホモ-Cys又はAc-Pheであり、前記の側鎖が親水性部分(例えばPEG)と共有結合する。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドの9、10、12、13、14、16、17、20及び37−43位のいずれかの(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上の)アミノ酸がアルキル基と(場合によってスペーサーを介して)結合し、当該アミノ酸はさらに親水性部分と結合するか、又はさらにCys、Lys、Orn、ホモ-Cys若しくはAc-Pheと結合し、前記が親水性部分と結合する。
いくつかの特徴では、いくつかの実施態様のGIPアゴニストペプチドは、親水性部分が連結されるアミノ酸と同じアミノ酸の位置でアルキル基を化されるか、又は異なるアミノ酸の位置でアルキル基化される。非限定的な例には、9、10、12、13、14、16、17、20又は40位(例えば10、14及び40位のいずれか1つ以上)におけるアルキル化及びグルカゴンアナローグのC-末端部分の1つ以上の位置(例えば24、28若しくは29位、C-末端延長部内(例えば37−43)、又はC-末端(例えばC-末端Cysの付加による))におけるペジル化が含まれる。
追加アルキル基の実施態様
具体的な実施態様では、アルキル化アミノ酸を含むGIPアゴニストペプチドは、分子内架橋、例えば共有結合分子内架橋(例えばラクタム架橋)を欠く。
いずれの特定の理論にも拘束されないが、グルカゴンアナローグであるGIPアゴニストペプチドは、ヘリックス構造(例えばアルファヘリックス)を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、アルファヘリックス構造を安定化させるアミノ酸を含む。したがって、いくつかの特徴では、GIPアゴニストペプチドは1つ以上のアルファヘリックス安定化アミノ酸を含む。本明細書で用いられるように、“アルファヘリックス推進アミノ酸”という用語は、“アルファヘリックス安定化アミノ酸”という用語と互換的に用いられ、前記用語は、GIPアゴニストペプチドの部分であるアルファヘリックスに安定化の増進を提供するアミノ酸を指す。アルファヘリックス推進アミノ酸は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Lyu et al., Proc Natl Acad Sci U.S.A. 88:5317-5320(1991);Branden & Tooze, Introduction to Protein Structure, Garland Publishing, New Y尾rk、NY, 1991;Fasman, Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformation, ed. Fasman, Plenum, NY, 1989。本明細書の目的のために適切なアルファヘリックス推進アミノ酸には、アラニン、ノルバリン、ノルロイシン、アルファアミノ酪酸、アルファアミノイソ酪酸(AIB)、ロイシン、イソロイシン、バリンなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、天然に存在するタンパク質で見出されるアルファヘリックスの部分である任意のアミノ酸、例えばLeu、Phe、Ala、Met、Gly、Ile、Ser、Asn、Glu、Asp、Lys、Argである。
例示的実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、グリシン又はアラニンと比較してより大きな安定性をアルファヘリックスに提供する。例示的実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、アルファ、アルファ二置換アミノ酸、例えばAIBである。
本開示のいくつかの又はいずれかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、天然グルカゴン(配列番号:1)と類似するアミノ酸配列を含み、該GIPアゴニストペプチドは、当該ペプチドアナローグの16−21位の1つ以上(例えば16、17、18、19、20、21位の1つ以上)に少なくとも1つのアルファヘリックス推進アミノ酸を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、該ペプチドアナローグは、16、17、20及び21位の1つ、2つ、3つ又は全てにアルファヘリックス推進アミノ酸を含む。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、アルファ、アルファ二置換アミノ酸である。具体的な実施態様では、アルファ、アルファ二置換アミノ酸はR1及びR2を含み、それらの各々はアルファ炭素に結合し、R1及びR2の各々は別個に、場合によってヒドロキシル、アミド、チオール、ハロで置換されたC1−C4アルキルから成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合されるアルファ炭素と一緒になって環(例えばC3−C8環)を形成する。例示的な実施態様では、、R1及びR2の各々はメチル、エチル、プロピル及びn-ブチルから成る群から選択されるか、又は、R1及びR2は一緒になってシクロオクタン又はシクロヘプタン(例えば1-アミノシクロオクタン-1-カルボン酸)を形成する。例示的な実施態様では、、R1及びR2は同じである。他の実施態様では、R1はR2と異なる。例示的な特徴では、、R1及びR2の各々はC1−C4アルキルである。いくつかの特徴では、、R1及びR2の各々はC1又はC2アルキルである。例示的な実施態様では、、R1及びR2の各々はメチルであり、したがってアルファ、アルファ二置換アミノ酸はアルファ-アミノイソ酪酸(AIB)である。他の例示的実施態様では、アルファ、アルファ二置換アミノ酸はACPCである。
いくつかの例示的実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、GIPアゴニストペプチドの別のアミノ酸に分子内架橋を介して連結されるアミノ酸である。そのような実施態様では、分子内架橋を介して連結されるこれら2つのアミノ酸の各々はアルファヘリックス推進アミノ酸と考えられる。例示的実施態様では、GIPアゴニストペプチドは1つ又は2つの分子内架橋を含む。例示的実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、少なくとも1つの他のアルファヘリックス推進アミノ酸(例えばアルファ、アルファ二置換アミノ酸)と協力して1つの分子内架橋を含む。
いくつかの実施態様では、分子内架橋は、GIPアゴニストペプチドの2つの部分を非共有結合(例えばファンデルワールス相互作用、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用、双極-双極相互作用などを含む)を介して結びつける架橋である。
いくつかの実施態様では、分子内架橋は、共有結合を介してGIPアゴニストペプチドの2つの部分を結びつける架橋である。これに関しては、GIPアゴニストペプチドは共有結合分子内架橋を含む。
他の実施態様では、分子内架橋は、2アミノ酸離れた2つのアミノ酸(例えばj位及びj+3位のアミノ酸)の間で形成される(ここでjは12から26の間の任意の整数(例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25及び26)である)。いくつかの具体的な実施態様では、jは17である。j及びj+3位のアミノ酸が分子内架橋によって結合される具体的な実施態様では、リンカーのサイズは約6原子又は約5−7原子である。
さらにまた他の実施態様では、分子内架橋は、6アミノ酸離れた2つのアミノ酸(例えばk位及びk+7位のアミノ酸)の間で形成される(ここでkは12から22の間の任意の整数(例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21及び22)である)。いくつかの具体的な実施態様では、kは12、13又は17である。例示的な実施態様では、kは17である。
結合して(共有結合又は非共有結合により)6原子連結架橋を形成できるアミノ酸ペアリングの例には、OrnとAsp、Gluと式Iのアミノ酸(式中nは2)、及びホモグルタミン酸と式Iのアミノ酸(式中nは1)が含まれ、ここで式Iは以下である:
式中n=1から4である。
結合して7原子連結架橋を形成できるアミノ酸ペアリングの例には、Orn-Glu(ラクタム環);Lys-Asp(ラクタム);又はホモSer-ホモGlu(ラクトン)が含まれる。8原子リンカーを形成できるアミノ酸ペアリングの例には、Lys-Glu(ラクタム);ホモLys-Asp(ラクタム);Orn-ホモGlu(ラクタム);4-アミノPhe-Asp(ラクタム);又はTyr-Asp(ラクトン)が含まれる。9原子リンカーを形成できるアミノ酸ペアリングの例には、ホモLys-Glu(ラクタム);Lys-ホモGlu(ラクタム);4-アミノPhe-Glu(ラクタム);又はTyr-Glu(ラクトン)が含まれる。これらアミノ酸の側鎖のいずれも追加の化学基によりさらに追加的に置換され得るが、ただし当該アルファヘリックスの三次元構造が破壊されない場合に限られる。当業者は、類似のサイズ及び所望の効果を有する安定化構造を作出する代替ペアリング又は代替アミノ酸アナローグ(化学的に改変される誘導体を含む)を考案することができる。例えば、ホモシステイン-ホモシステインジスルフィド架橋は長さが6原子であり、更なる改変を実施して所望の効果を提供することができる。
いくつかの実施態様では、非共有結合分子内架橋は疎水性架橋である。ある実施態様にしたがえば、該アナローグのアルファヘリックスは、jとj+3位又はiとi+4位に疎水性アミノ酸を取り込むことによって安定化される。例えば、iはTyrでi+4はVal又はLeuで;iはPheでi+4はMetで;又はiはPheでi+4はIleであり得る。本明細書の目的のためには、上記のアミノ酸ペアリングは逆にすることが可能で、したがってi位に指示されたアミノ酸はまた別にはi+4に位置し、一方i+4のアミノ酸はi位に位置し得ることは理解されよう。jとj+3についても適切なアミノ酸ペアリングを形成し得ることもまた理解されよう。
いくつかの実施態様では、共有結合分子内架橋はラクタム環又はラクタム架橋である。ラクタム環のサイズはアミノ酸側鎖の長さに応じて変動可能で、ある実施態様では、ラクタムはオルニチンの側鎖をアスパラギン酸の側鎖に結合させることによって形成される。ラクタム架橋及び前記を形成する方法は公知である。例えば以下の文献(Houston Jr., et al., J Peptide Sci 1:274-282, 2004)及び本明細書の実施例1を参照されたい。いくつかの実施態様では、該アナローグは、配列番号:1の改変配列及びiとi+4との間のラクタム架橋を含む(iは上記に定義したとおり)。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは2つのラクタム架橋を、1つは16位と20位のアミノ酸の間に、もう1つは17位と21位のアミノ酸の間に含む。いくつかの実施態様では、GIPアゴニストペプチドは、1つのラクタム架橋及び1つの塩架橋を含む。さらに別の例示的実施態様は“実施例”と題するセクションで本明細書に記載されている。さらに別の例示的実施態様は、場合によってラクタム架橋を有する以下のペアリングを含む:16位のLysとともに12位のGlu;16位のGluとともに天然の12位のLys;20位のLysとともに16位のGlu;20位のGluとともに16位のLys;24位のLysとともに20位のGlu;24位のGluとともに20位のLys;28位のLysとともに24位のGlu;28位のGluとともに24位のLys。
いくつかの特徴では、オレフィンメタセシスを用い、全炭化水素架橋系を利用して該アナローグのアルファヘリックスの1つ又は2つのターンを架橋する。この事例のGIPアゴニストペプチドは、様々な長さのオレフィン側鎖を保有するアルファメチル化アミノ酸を含み、jとj+3又はiとi+4位でR又はS立体化学のどちらかの立体配置を示す。いくつかの実施態様では、オレフィン側鎖は(CH2)nを含む(式中nは1から6の任意の整数である)。いくつかの実施態様では、8原子の架橋長のためにnは3である。いくつかの実施態様では、6原子の架橋長のためにnは2である。そのような分子内架橋を生成する適切な方法は当業界で報告されている。例えば以下を参照されたい:Schafmeister et al., J Am Chem Soc 122:5891-5892, 2000;及びWalensky et al., Science 305:1466-1470, 2004。また別の実施態様では、該アナローグは、近傍のヘリックスターンに位置するO-アリルSer残基を含み、前記はルテニウム触媒閉環メタセシスを介して一緒に架橋される。そのような架橋手順は例えば以下に記載されている:Blackwell et al., Angew, Chem., Int. Ed. 37:3281-3284, 1998。
いくつかの実施態様では、i及びi+7位の2つのGlu残基の間のα,ω-ジアミノアルカン鎖(例えば1,4-ジアミノプロパン及び1,5-ジアミノペンタン)を用いて、該アナローグのアルファヘリックスを安定化させる。そのような鎖は、ジアミノアルカン鎖の長さに応じて、長さが9原子以上の架橋の生成をもたらす。そのような鎖で架橋されたペプチドの適切な生成方法は当業界で報告されている。例えば以下を参照されたい:Phelan et al., J Am Chem Soc 119:455-460, 1997。
さらにまた他の実施態様では、該アナローグのアルファヘリックスは、j及びj+3、又はi及びi+4位の2つのHis残基、又はHis及びCysペアによる金属原子の結合を介して安定化される。金属原子は、例えばRu(III)、Cu(II)、Zn(II)又はCd(II)であり得る。そのような金属結合によるアルファヘリックス安定化の方法は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Tetrahedron 55:11711-11743, 1999;Ghadiri et al., J Am Chem Soc 112:1630-1632, 1990;及びGhadiri et al., J Am Chem Soc 119:9063-9064, 1997。
GIPアゴニストペプチドのアルファヘリックスは、また別にはペプチド環化の他の手段を介して安定化させることができ、前記手段は以下で概括されている:Davies, J Peptide Sci 9:471-501, 2003。アルファヘリックスは、アミド架橋、チオエーテル架橋、チオエステル架橋、尿素架橋、カルバメート架橋、スルホンアミド架橋などの生成を介して安定化させることができる。例えば、チオエステル架橋は、C-末端とCys残基の側鎖との間で生成できる。また別には、チオエステルは、チオールを有するアミノ酸(Cys)の側鎖及びカルボン酸(例えばAsp、Glu)を介して生成できる。別の方法では、架橋剤(例えばジカルボン酸、例えばスベリン酸(オクタンジオン酸)など)が、アミノ酸側鎖の2つの官能基(例えば遊離アミン、ヒドロキシル、チオール基及び前記の組合せ)の間に結合を導入できる。
下記では本開示のグルカゴンアナローグに関する付記がが提供される。本明細書で考察されるように、下記記述でアミノ酸の位置は配列番号:1のアミノ酸番号に関連して示されている。さらにまた、下記記述では、天然ヒトグルカゴンに言及して、例えば配列番号:1の改変に言及して考察されているが、これらの記述は必ずしも、(i)そのような改変が本開示のペプチドの全てに存在すること、及び(ii)本開示のペプチドの唯一の製造方法は天然ヒトグルカゴンを用いて出発し当該配列を改変することを意味しているわけではない。そうではなく、本記述はむしろ本開示のグルカゴンアナローグのいくつかの具体例を説明するために提供され、“ペプチドの製造方法”と題するセクションにさらに記載されるように、本開示のペプチドは天然ヒトグルカゴンを出発物質として利用することなくde novoで製造できる。
1及び2位
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して1位にアミノ酸改変を含む。例えば該グルカゴンアナローグは1位にHisではないアミノ酸を含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは1位に大きな芳香族アミノ酸を含む。例示的実施態様では、大きな芳香族アミノ酸はTyr、Phe、Trp、アミノ-Phe(例えば4-アミノ-Phe)、クロロ-Phe、スルホ-Phe、4-ピリジル-Ala、メチル-Tyr又は3-アミノTyrである。
他の例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは1位にイミダゾール側鎖を含むアミノ酸を含む。例示的特徴では、1位のアミノ酸は下記式Aの構造を含む:
式中、R1及びR2の各々は別個に、H、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F及びその少なくとも1つのHがFと入れ替えられる(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。
例示的特徴では、1位のアミノ酸は、グルカゴン(配列番号:1)の天然の残基L-ヒスチジンであるか、又はHisの誘導体(His誘導体)、例えばアルファ原子が改変されるHisの誘導体である。例示的特徴のHis誘導体は、D-ヒスチジン、デスアミノヒスチジン、ヒドロキシ-ヒスチジン、アセチル-ヒスチジン、ホモヒスチジン、N-メチルヒスチジン、アルファ-メチルヒスチジン、イミダゾール酢酸、又はアルファ、アルファ-ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)である。
例示的特徴では、1位のアミノ酸は式Aのアナローグ構造を含み、ここでは環の窒素の1つ又は両方がC1-C3アルキルに結合される。
さらにまた他の特徴では、1位のアミノ酸は、本明細書に記載のDPP-IV防御アミノ酸である。本明細書で用いられるように、“DPP-IV防御アミノ酸”という用語は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP IV)切断に対抗する本開示のペプチドの実質的な耐性を達成するアミノ酸を指す。いくつかの特徴では、DPP-IV防御アミノ酸はHis誘導体である。
本明細書で用いられるように、“チオAla”という用語は2-チエニルアラニン又は2-チオフェンアラニンを意味する。チオAlaは以下の構造を有する:
アミノ酸が、(アルファNH2の代わりに)アルファ炭素に結合するH2N-(CH2)-の構造を含むとき、アミノ酸は当該アミノ酸の“ベータ-2”型、例えばベータ-2-L-Tyr、ベータ-2-D-His、ベータ-2-D-Ala、ベータ-2-D-チオAla、ベータ-2-L-His、ベータ-2-L-Tyr、ベータ-2-L-チオAlaと考えることができる。
アミノ酸が、(アルファNH2の代わりに)アルファ炭素に結合するH(アセチル)N-の構造を含むとき、アミノ酸は当該アミノ酸の“アセチル”又は“アセチル化”型、例えばアセチルL-His、アセチルL-Tyr、アセチルL-チオAla、アセチルD-His、アセチルD-Tyr、アセチルD-チオAlaと考えることができる。アミノ酸がH(アセチル)N-(CH2)-を含むとき、アミノ酸は当該アミノ酸の“アセチル-ベータ-2”型、例えばアセチルベータ-2-L-His、アセチルベータ-2-L-Tyr、アセチルベータ-2-L-チオAla、アセチルベータ-2-D-His、アセチルベータ-2-D-Tyr、アセチルベータ-2-D-チオAlaと考えることができる。
アミノ酸が、(アルファNH2の代わりに)アルファ炭素に結合する構造H -を含むとき、アミノ酸は当該アミノ酸の“デスアミノ”型、例えばデスアミノL-His、デスアミノL-Tyr、デスアミノL-チオAla、デスアミノD-His、デスアミノD-Tyr、デスアミノD-チオAlaと考えることができる。
アミノ酸が、(アルファNH2の代わりに)アルファ炭素に結合するCH3-の構造を含むとき、アミノ酸は当該アミノ酸の“デスアミノ-ベータ-2”型、例えばデスアミノベータ-2-L-His、デスアミノベータ-2-L-Tyr、デスアミノベータ-2-L-チオAla、デスアミノベータ-2-D-His、デスアミノベータ-2-D-Tyr、デスアミノベータ-2-D-チオAlaと考えることができる。
アミノ酸が、アルファ炭素に結合するH2N-を含むとき、アミノ酸は未改変アルファアミノ基を含むアミノ酸と考えることができ、アミノ酸のL-立体異性体又はD-立体異性体のどちらか、例えばD-His、D-Tyr、D-チオAlaであり得る。
例示的な特徴では、1位のアミノ酸はL-His、L-Tyr及びL-Phe以外である。
例示的実施態様では、1位のアミノ酸はアセチルD-Tyr、アセチルD-His、デスアミノTyr、D-Tyr、D-His及びアセチルD-Pheから選択される。
本明細書で用いられる“C1−Cnアルキル”(nは1から6であり得る)という用語は、1から指定の数の炭素原子を有する分枝又は直鎖状アルキル基を表す。典型的なC1−C6アルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
例示的実施態様では、2位のDPP-IV防御アミノ酸は、Ala、Gly、Pro、サルコシン及びValから成る群から選択される。例示的特徴では、2位のDPP-IV防御アミノ酸はAla又はGlyである。
例示的特徴では、DPP-IV防御アミノ酸がD-Serであり、1位のアミノ酸がHisであるとき、当該GIPアゴニストペプチドは異種部分(例えば親水性部分、例えばPEG)に結合されない。本開示の他の特徴では、DPP-IV防御アミノ酸はD-セリンではない。
例示的特徴では、2位のアミノ酸がAlaであるとき、1位のアミノ酸はあるアミノ酸のD-立体異性体である。
例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは、1位及び2位に下記から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む。
例示的特徴では、1位のアミノ酸は下記の構造を含む:
RはHis又はチオAlaの側鎖であるか、又はRは下記構造を含む:
R’が場合によって存在し、前記が存在するときは、R’はC1-4アルキレンであり、ここでXは、(i)H2N-(CH2)-、(ii)H2N-、(iii)H(アセチル)N-(CH2)0-1;及び(iv)H-又はCH3-の1つである。
例示的特徴では、R’は存在せず、XはHである。そのような特徴では、該アミノ酸は4-ヒドロキシフェニル酢酸と考えることができる。
いくつかの実施態様では、該グルカゴンアナローグは3位にあるアミノ酸を含み、前記アミノ酸は、この位置に天然のグルカゴン残基(Gln)を有する対応するコントロールペプチドと比較したとき、当該グルカゴンアナローグに該グルカゴン受容体における活性の低下を付与する。いくつかの特徴では、このタイプのアミノ酸を3位に有するグルカゴンアナローグは、天然のグルカゴンの該グルカゴン受容体における活性の約10%未満、例えば約1−10%、又は約0.1−10%、又は約0.1%より高いが約10%より低い活性を有する。いくつかの実施態様では、該グルカゴンアナローグは天然のグルカゴンの約0.5%、約1%又は約7%の活性を示す。例示的特徴では、3位のアミノ酸は、酸性、塩基性又は疎水性アミノ酸残基、例えばグルタミン酸、オルニチン、ノルロイシンである。いくつかの特徴では、3位のアミノ酸はIle又はLeuである。
いくつかの実施態様では、該グルカゴンアナローグは、3位に配列番号:1の天然のアミノ酸、例えばグルタミンを含むか、又はグルタミンアナローグを含む。特定の理論に拘束されないが、グルタミンアナローグを含むグルカゴンアナローグは該グルカゴン受容体で実質的な活性の低下を示さず、いくつかの事例では、グルタミンアナローグを含むグルカゴンアナローグはグルカゴン受容体活性を強化する。いくつかの実施態様では、グルタミンアナローグは、3位に下記構造I、II又はIIIの側鎖を含むアミノ酸を含む:
式中、R1はC0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2はNHR4又はC1-3アルキルであり;R3はC1-3アルキルであり;R4はH又はC1-3アルキルであり;XはNH、O又はSであり;さらにYはNHR4、SR3又はOR3である。いくつかの実施態様では、XはNHであるか、又はYはNHR4である。いくつかの実施態様では、R1はC0-2アルキル又はC1ヘテロアルキルである。いくつかの実施態様では、R2はNHR4又はC1アルキルである。いくつかの実施態様では、R4はH又はC1アルキルである。例示的実施態様では、構造Iの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここでR1はCH2-S、XはNH、さらにR2はCH3(アセトアミドメチル-システイン、C(Acm));R1はCH2、XはNH、さらにR2はCH3(アセチルジアミノブタン酸、Dab(Ac));R1はC0アルキル、XはNH、R2はNHR4、さらにR4はH(カルバモイルジアミノプロパン酸、Dap(尿素));R1はCH2-CH2、XはNH、さらにR2はCH3(アセチルオルニチン、Orn(Ac));又はR1は(CH2)3、XはNH、さらにR2はCH3(アセチルリジン(AcLys))である。例示的実施態様では、構造IIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここでR1はCH2、YはNHR4、さらにR4はCH3である(メチルグルタミン、Q(Me))。例示的実施態様では、構造IIIの側鎖を含むアミノ酸が提供され、ここでR1はCH2、さらにR4はHである(メチオニン-スルホキシド、M(O))。具体的な実施態様では、3位のアミノ酸はDab(Ac)で置換される。
(i)脂肪族アミノ酸、例えばAla、Val、ノルロイシン(Nle)又はノルバリン(NorVal);
(ii)下記構造S1の側鎖を有するアミノ酸:
-(CH2)n-X [構造S1]
(式中、nは1から4の整数で、XはSCH3、S(O)CH3又はSOOである);又は
(iii)下記構造S2の側鎖を有するアミノ酸:
-(CH2)n-OH [構造S2]
(式中、nは1から4の整数である)。
例示的特徴では、構造S1の側鎖を有するアミノ酸はMet、メチオニンスルホキシド又はメチオニンスルホンである。例示的特徴では、構造S2の側鎖を有するアミノ酸はホモセリンである。特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグはいくらかのグルカゴン活性を維持する。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して7位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは7位にThr以外のアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、7位のアミノ酸は、大きな脂肪族アミノ酸(例えばIle、Leu、Alaなど)である。特定の理論に拘束されないが、7位にそのようなアミノ酸を含むグルカゴンアナローグは、GLP-1受容体で活性の劇的な低下を示すと考えられる。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して9位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは9位にAsp以外のアミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、Asp以外の陰性荷電アミノ酸(例えばGlu、ホモグルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸)を含む。いくつかの特徴では、9位のアミノ酸は、本明細書で考察するように、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸である。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して10位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは10位にTyr以外のアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、10位のアミノ酸はTrpである。特定の理論に拘束されないが、10位にそのようなアミノ酸を含むグルカゴンアナローグは、10位にTyrを有する対応するペプチドと比較して低下しない活性をGIP受容体、GLP-1受容体及び/又はグルカゴン受容体で示すと考えられる。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本明細書で考察するようにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して11位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは11位にSer以外のアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、11位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸(例えばGly又はAla)である。特定の理論に拘束されないが、10位にそのようなアミノ酸を含むグルカゴンアナローグは、グルカゴン受容体で活性の低下を示すと考えられる。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して12位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは10位にLys以外のアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、12位のアミノ酸は、大きな脂肪族の非極性アミノ酸、場合によってイソロイシンである。いくつかの特徴では、12位のアミノ酸はArgである。特定の理論に拘束されないが、大きな脂肪族の非極性アミノ酸、例えばIleを含むグルカゴンアナローグは、GIP受容体で活性の強化を示す。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本明細書で考察するように、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して15位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは15位にAsp以外のアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、15位のアミノ酸は欠失されるか、又はグルタミン酸、ホモグルタミン酸、システイン酸又はホモシステイン酸である。特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは安定性の改善を示し、前記改善は、例えば時間経過時のアナローグの分解又は切断の、特に酸性又はアルカリ性緩衝液(例えばpH5.5から8の範囲内の緩衝液)における低下による。いくつかの実施態様では、この改変を含むグルカゴンアナローグは、25℃で24時間後に最初のアナローグの少なくとも75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を保持する。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して16位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは16位にSer以外のアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、16位のアミノ酸はグルタミン酸であるか、又は4原子の長さの側鎖を有する別の陰性荷電アミノ酸、また別にはグルタミン、ホモグルタミン酸若しくはホモシステイン酸のいずれか1つ、又は少なくとも1つの異原子(例えばN、O、S、P)を含みさらに約4(又は3−5)原子の側鎖長を有する側鎖をもつ荷電アミノ酸である。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、16位に、グルタミン酸、グルタミン、ホモグルタミン酸、ホモシステイン酸、スレオニン又はグリシンから成る群から選択されるアミノ酸を含むか、又はグルタミン酸、グルタミン、ホモグルタミン酸及びホモシステイン酸から成る群から選択されるアミノ酸である。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは安定性の強化を示し、前記強化は、例えば時間経過時のペプチドの分解の、特に酸性又はアルカリ性緩衝液(例えばpH5.5から8の範囲内の緩衝液)における低下による。そのようなグルカゴンアナローグは、Asp15−Ser16ペプチド結合の切断に対する感受性がより低い。
いくつかの実施態様では、16位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸であり、場合によって20位のアルファヘリックス推進アミノ酸(例えばアルファ、アルファ二置換アミノ酸又はAIB)と組み合わされる。そのようなグルカゴンアナローグはGIP活性を示す。
また別の実施態様では、グルカゴンアナローグは、上記に考察するように、16位にThr又はアルファヘリックス推進アミノ酸を含む。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸はAIB又はGluである。
いくつかの特徴では、16位のアミノ酸は陽性荷電アミノ酸、例えば下記式IVである:
式中、nは1から16、又は1から10、又は1から7、又は1から6、又は2から6、又は2又は3又は4又は5であり、R1及びR2の各々は、別個にH、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、ここでR7はH又はOHである。例示的特徴では、グルカゴンアナローグの16位のアミノ酸はLysである。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、本明細書で考察するように16位にアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸を含む。
さらにまた追加の実施態様では、16位のアミノ酸は、 “複合物”と題するセクションで本明細書に記載するように、異種部分と結合する側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは16位に脂肪族アミノ酸を含む。例えば、グルカゴンアナローグは、当該グルカゴンアナローグの16位にGly、Ala、Val、Leu又はIleを有することができる。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、小さな脂肪族残基(例えばGly、Ala)を含む。
例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、イミダゾール側鎖を含むアミノ酸を含む。例示的特徴では、16位のアミノ酸は下記式Aの構造を含む:
式中、R1及びR2の各々は、別個にH、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F及び少なくとも1つのHがFと入れ替えられる(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。例示的特徴では、16位のアミノ酸は式Aのアナローグ構造を含み、ここで環窒素の一方又は両方はC1-C3アルキルに結合される。
例示的特徴では、16位のアミノ酸はL-ヒスチジン(His)である。他の特徴では、16位のアミノ酸はHisの誘導体(His誘導体)であり、それらのうちのいくつかは本明細書に記載されている。例えば“1位”の教示を参照されたい。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して17及び18位のどちらか又は両方にアミノ酸改変を含み、したがって、17及び18位の二塩基性Arg-Argは排除される。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、17及び18位の一方又は両方でArg以外のアミノ酸を含む。特定の理論に拘束されないが、二塩基性部位の排除はグルカゴンアナローグのin vivo有効性を改善すると考えられる。いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は塩基性アミノ酸ではない。いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は脂肪族アミノ酸である。いくつかの実施態様では、17位のアミノ酸は、本明細書に記載されるように別のアミノ酸、例えば親水性部分を含むアミノ酸、アルファヘリックス推進アミノ酸で置換される。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j+3又はi+4のアミノ酸と非共有結合分子内架橋を形成する。いくつかの特徴では、17位のアミノ酸はGlnである。
他の特徴では、本開示のグルカゴンアナローグは、イミダゾール側鎖を含むアミノ酸を17位に含む。例示的特徴では、17位のアミノ酸は下記式Aの構造を含む:
式中、R1及びR2の各々は、別個にH、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F及び少なくとも1つのHがFと入れ替えられる(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。例示的特徴では、17位のアミノ酸は式Aのアナローグ構造を含み、ここで環窒素の一方又は両方はC1-C3アルキルに結合される。
例示的特徴では、17位のアミノ酸はL-ヒスチジン(His)である。他の特徴では、17位のアミノ酸はHisの誘導体(His誘導体)であり、それらのうちのいくつかは本明細書に記載されている。例えば“1位”の教示を参照されたい。
いくつかの特徴では、18位のアミノ酸は塩基性アミノ酸ではない。いくつかの特徴では、18位のアミノ酸は脂肪族アミノ酸である。いくつかの実施態様では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸(例えばAla)である。
いくつかの特徴では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸(例えばAla)であり、17位のアミノ酸はArgである。他の特徴では、18位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAlaであり、17位のアミノ酸はGlnである。
いくつかの特徴では、17位のアミノ酸は、 “複合物”と題するセクションで本明細書に記載されるように、異種部分と複合物を形成する側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して19位にアミノ酸改変を含む。例えばグルカゴンアナローグは19位にAla以外のアミノ酸を含む。いくつかの特徴では、19位のアミノ酸はアルファヘリックス推進アミノ酸(例えばアルファ、アルファ二置換アミノ酸又はAIB)である。特定の理論に拘束されないが、アルファ、アルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)を含むグルカゴンアナローグは、19位のアミノ酸が天然のアミノ酸残基(Ala)である対応するコントロールペプチドと比較したとき、グルカゴンアゴニスト活性の低下を示す。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して20位にアミノ酸改変を含む。例えば20位のアミノ酸はGln以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、例えば上記に記載したようにアルファヘリックス推進アミノ酸である。いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、アルファ、アルファ二置換アミノ酸(例えばAIB、ACPC)である。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j-3又はi-4のアミノ酸と非共有結合分子内架橋を形成する。
いくつかの具体的な実施態様では、該アミノ酸は、荷電されているか又は水素結合能力を有し、長さが少なくとも約5(又は約4−6)原子である側鎖を有する親水性アミノ酸、例えばリジン、シトルリン、アルギニン又はオルニチンである。他の特徴では、20位のアミノ酸はSer、Thr、Ala又はAIBである。
いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、本明細書で考察するように、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸である。
いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は、本明細書で“複合物”と題するセクションに記載するように、異種部分と複合物を形成する側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグの20位のアミノ酸はイミダゾール側鎖を含む。例示的特徴では、20位のアミノ酸は、下記式Aの構造を含む:
式中、R1及びR2の各々は、別個にH、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル-OH、F及び少なくとも1つのHがFと入れ替えられる(C1-C6)アルキルから成る群から選択される。例示的特徴では、20位のアミノ酸は式Aのアナローグ構造を含み、ここで環窒素の一方又は両方はC1-C3アルキルに結合される。
例示的特徴では、20位のアミノ酸はL-ヒスチジン(His)である。他の特徴では、20位のアミノ酸はHisの誘導体(His誘導体)であり、それらのうちのいくつかは本明細書に記載されている。例えば“1位”の教示を参照されたい。
いくつかの特徴では、20位のアミノ酸は陽性荷電アミノ酸、例えば下記式IVである:
式中、nは1から16、又は1から10、又は1から7、又は1から6、又は2から6、又は2又は3又は4又は5であり、R1及びR2の各々は、別個にH、C1−C18アルキル、(C1−C18アルキル)OH、(C1−C18アルキル)NH2、(C1−C18アルキル)SH、(C0−C4アルキル)(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4アルキル)(C2−C5複素環式)、(C0−C4アルキル)(C6−C10アリール)R7、及び(C1−C4アルキル)(C3−C9ヘテロアリール)から成る群から選択され、ここでR7はH又はOHである。例示的特徴では、グルカゴンアナローグの20位のアミノ酸はLysである。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、GLP-1受容体及び/又はGIP受容体で活性の強化を示すか、又はGlnの脱アミド化を介して生じる分解の低下を示すか、及び/又は安定性の増進を示す。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して21位にアミノ酸改変を含む。例えば21位のアミノ酸はAsp以外のアミノ酸である。例示的特徴では、21位のアミノ酸はSer、Thr、Ala又はAIBである。他の特徴では、21位のアミノ酸はLys、Arg、Orn又はシトルリンである。いくつかの特徴では、21位のアミノ酸はGlu、ホモグルタミン酸又はホモシステイン酸である。いくつかの特徴では、21位のアミノ酸は、本明細書で“複合物”と題するセクションに記載するように、異種部分と複合物を形成する側鎖を含むアミノ酸である。
いくつかの実施態様では、21位のアミノ酸はアルファヘリックス推進アミノ酸である。いくつかの実施態様では、アルファヘリックス推進アミノ酸は、j-3又はi-4のアミノ酸と非共有結合分子内架橋を形成する。
特定の理論に拘束されないが、そのようなグルカゴンアナローグは、Aspを脱水して環状スクシンイミド中間体を形成し、その後のイソアスパルテートへの異性化を介する分解によって生じる分解の低下を示すか、及び/又は安定性の向上を示す。
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して23位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、23位のアミノ酸はVal以外のアミノ酸であり、Ileが含まれるが、ただし前記に限定されない。
24位
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して24位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、24位のアミノ酸は、Gln以外のアミノ酸、例えばAla、Asn、Cysである。いくつかの特徴では、24位のアミノ酸は、本明細書で“複合物”と題するセクションに記載するように、異種部分と複合物を形成する側鎖を含むアミノ酸である。
27位
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して27位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、27位のアミノ酸はMet以外のアミノ酸である。いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、該ペプチドの酸化的分解を防止するアミノ酸を27位に含む。いくつかの特徴では、27位のアミノ酸は、メチオニンスルホキシド、ロイシン、イソロイシン又はノルロイシンである。いくつかの具体的な実施態様では、27位のアミノ酸はロイシン又はノルロイシンである。
他の特徴では、27位のアミノ酸は、脂肪族アミノ酸(例えばGly、Ala、Val、Leu、Ile)又は本明細書に記載した式IVのアミノ酸(例えばLys)である。例示的実施態様では、27位のアミノ酸はVal又はLysである。特定の理論に拘束されないが、そのようなアミノ酸改変はグルカゴン活性を低下させる。
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して28位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAsn以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAla、Ser、Thr又はAIBである。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸は、本明細書でさらに述べるように荷電アミノ酸、例えば陰性荷電アミノ酸である。“荷電C-末端”と題するセクションを参照されたい。いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAspである。例示的な好ましい特徴では、28位のアミノ酸はGluである。
例示的特徴では、28位のアミノ酸は本明細書に記載の式IVのアミノ酸である。例示的実施態様のアミノ酸はLysである。特定の理論に拘束されないが、そのようなアミノ酸改変はグルカゴン活性を低下させる。
いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して29位にアミノ酸改変を含む。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はThr以外のアミノ酸である。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸は脂肪族残基、例えばGly、Ala、Val、Leu、Ileである。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸は小さな脂肪族アミノ酸である。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はAla又はGly又はLeuである。いくつかの特徴では、29位のアミノ酸はα,α二置換アミノ酸、例えば本明細書に記載のアミノ酸のいずれかである。例示的特徴では、29位のアミノ酸はAIBである。
いくつかの特徴では、29位のアミノ酸は、本明細書で“複合物”と題するセクションに記載するように、異種部分と複合物を形成する側鎖を含むアミノ酸である。
特定の理論に拘束されないが、28位がAspであり、かつ29位がGlyであるとき、グルカゴンアナローグはある程度の化学的不安定性を被る。したがって、例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、28位のAsp及び29位のGlyの両方を有するわけではなく、安定性の強化を示すことができる。例えば、いくつかの特徴では、グルカゴンアナローグは28位にAspを含み、29位にGly以外のアミノ酸を含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、28位にAspを、29位にGly、Ala、Val、Leu、Ile又はAIBの1つを含む。また別の特徴では、グルカゴンアナローグは、29位にGlyを、28位にAsp以外のアミノ酸を含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、28位にAla、Ser、Thr、Lys、AIB又はGluを、29位にGlyを含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、28位にGluを29位にGlyを含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、28位にAsp又はGluを、29位にAlaを含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは28位にAspを29位にLeuを含む。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1に対比して、該アナローグのC-末端部分に荷電アミノ酸を導入する1つ以上のアミノ酸置換及び/又は付加を含む。いくつかの実施態様では、そのような改変は安定性及び可溶性を強化する。本明細書で用いられるように、“荷電アミノ酸”又は“荷電残基”という用語は、生理学的pHの水溶液中で陽性荷電若しくは陰性荷電(すなわち脱プロトン化)又は陽性荷電(すなわちプロトン化)である側鎖を含むアミノ酸を指す。いくつかの特徴では、荷電アミノ酸改変を導入するこれらのアミノ酸置換及び/又は付加は、配列番号:1の27位のC-末端の位置に存在する。いくつかの実施態様では、1つ、2つ又は3つ(いくつかの事例では4つ以上)の荷電アミノ酸がC-末端部分内(例えば27位のC末端の位置(1つ又は複数))に導入される。いくつかの実施態様にしたがえば、28位及び/又は29位の天然のアミノ酸が荷電アミノ酸で置換されるか、及び/又は別の実施態様では、1つから3つの荷電アミノ酸がまた該アナローグのC-末端に付加される。例示的実施態様では、1つ、2つ又は全ての荷電アミノ酸が陰性荷電である。いくつかの実施態様の陰性荷電アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸又はホモグルタミン酸である。いくつかの特徴では、これらの改変は可溶性又は安定性を高める。いくつかの実施態様では、30位は荷電アミノ酸ではない。特定の理論に拘束されないが、荷電アミノ酸(例えば陰性荷電アミノ酸、例えばGlu)はGIP活性を低下させる。
いくつかの実施態様にしたがえば、本明細書に開示するグルカゴンアナローグは、C-末端の1つ又は2つのアミノ酸残基の切り詰めによって改変される。そのような改変グルカゴンペプチドは、グルカゴン受容体及びGLP-1受容体で同様な活性及びポテンシーを維持する。これに関しては、該グルカゴンペプチドは、天然のグルカゴンアナローグ(配列番号:1)のアミノ酸1−27又は1−28を、場合によって本明細書に記載の追加の改変とともに含むことができる。
いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、配列番号:1と対比して、C-末端に荷電中性基(例えばアミド又はエステル)をアルファカルボキシレートの代わりに含む。いずれの特定の理論にも拘束されないが、例示的特徴におけるそのような改変は、GLP-1受容体でグルカゴンアナローグの活性を高める。したがって、いくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、C-末端残基がアミノ酸のアルファカルボキシレートの代わりにアミドを含むアミド化ペプチドである。本明細書で用いられるように、一般的にペプチド又はアナローグと言えば、改変されたアミノ末端、カルボキシ末端又はアミノ及びカルボキシ両末端を有するペプチドを包含することを意図する。例えば、末端カルボン酸の代わりにアミド基を含むアミノ酸鎖は、標準的なアミノ酸を指定するアミノ酸配列に包含されることが意図される。
本開示のいくつかの実施態様では、グルカゴンアナローグは、29位のアミノ酸に融合された1−21アミノ酸のC-末端延長部を含む。該C-末端延長部は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21アミノ酸を含むことができる。いくつかの特徴では、C-末端延長部は、“複合物”のセクションで下記に記載する異種ペプチドのいずれかである。例えば、グルカゴンアナローグは、30位に脂肪族残基(例えばGly、Ala、Val、Leu、Ile)を含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、30位に小さな脂肪族残基(例えばGly、Ala、)を含む。
さらに、例えばいくつかの特徴では、延長部は、Trpケージ構造を形成するアミノ酸配列を含む。例えば、延長部はGPSSGAPPS(配列番号:5)のアミノ酸配列又は前記の保存的置換配列を含む。また別の特徴では、1から21アミノ酸の延長部は少なくとも1つの荷電アミノ酸を含む。例示的特徴では、延長部はX1-X2のアミノ酸配列を含み、ここでX1は荷電アミノ酸で、X2は小さな脂肪族アミノ酸である。いくつかの特徴では、X1は陽性荷電アミノ酸(例えばArg)である。いくつかの特徴では、延長部はArg-Glyを含む。
いくつかの実施態様では、延長部は、配列番号:5(GPSSGAPPPS)、配列番号:6(GGPSSGAPPPS)、配列番号:7(KRNRNNIA)又は配列番号:8(KRNR)のアミノ酸配列を含む。具体的な特徴では、該アミノ酸配列は、グルカゴンアナローグのC-末端アミノ酸、例えば29位のアミノ酸を介して結合される。いくつかの実施態様では、配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列が、ペプチド結合によりグルカゴンアナローグのアミノ酸29に結合される。いくつかの具体的な実施態様では、グルカゴンアナローグの29位のアミノ酸はGlyであり、前記Glyが、配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列の1つに融合される。
例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、Trpケージとして当業界で公知の構造を形成する延長部を含む(例えば以下を参照されたい:Paschek et al., Proc Natl Acad Sci USA 105(46):17754-17759, 2008)。いくつかの特徴では、延長部は、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はGGPSSGAPPPS(配列番号:6)又はGPSSGRPPPS(配列番号:183)、又は1、2若しくは3つの保存的アミノ酸置換を有する前述の1つの配列を含む。例示的特徴では、延長部が配列番号:183のアミノ酸配列を含むとき、28位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸(例えばAsp又はGlu)である。
配列番号:1に対比して、本開示のグルカゴンアナローグのさらに他の改変についての記述は本明細を通して見出される。上記リストは網羅したものではなく単に例示である。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載するグルカゴンアナローグは、グリコシル化され、カルボキシル化され、リン酸化され、エステル化され、N-アセチル化され、環化され(例えばジスルフィド架橋を介して)、又は塩に変換され(例えば酸付加塩、塩基付加塩)、及び/又は場合によってダイマー化、マルチマー化若しくはポリマー化されるか、又は複合物に形成される。
本開示のグルカゴンアナローグは、以下の特許出願明細書に記載された、GIP受容体アゴニスト活性を示すグルカゴンアナローグとは構造的に別個である:国際特許出願PCT US2009/47447(2009年6月16日出願)、米国特許出願No.61/073,274(2008年6月17日出願);米国特許出願No.61/078,171(2008年7月3日出願);米国特許出願No.61/090,448(2008年8月20日出願);米国特許出願No.61/151,349(2009年2月10日出願);米国特許出願No.61/187,578(2009年6月16日)、国際特許出願No.PCT/US2010-038825(2010年6月16日出願);米国仮特許出願No.61/426,285(2010年12月22日出願);米国仮特許出願No.61/514,609(2011年8月3日出願)及び国際特許出願No.PCT/US2011/066164(2011年12月20日出願)(前記文献の内容は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。したがって、いずれかの又は全ての実施態様において、本開示のグルカゴンアナローグは、以下に記載されたグルカゴンアナローグ又はペプチドのいずれでもない:国際特許出願No.PCT/US2009/47447(2009年6月16日出願さらにWO 2010/011439として公開)、米国特許出願No.61/073,274(2008年6月17日出願);米国特許出願No.61/078,171(2008年7月3日出願);米国特許出願No.61/090,448(2008年8月20日出願);米国特許出願No.61/151,349(2009年2月10日出願);米国特許出願No.61/187,578(2009年6月16日)、国際特許出願No.PCT/US2010/038825(2010年6月16日出願さらにWO2010/148089として公開);米国特許出願No.61/298,812(2010年1月27日出願);国際特許出願PCT/US2011/022608(2011年1月26日出願さらにWO2011/094337として公開)。米国仮特許出願No.61/426,285(2010年12月22日出願);米国仮特許出願No.61/514,609(2011年8月3日出願)又は国際特許出願No.PCT/US2011/066164(2011年12月20日出願)。例示的実施態様では、本開示のペプチド、グルカゴンペプチド、又はグルカゴンアナローグは、WO 2010/011439の配列番号:1−262、WO 2010/148089の配列番号:1−680、又はPCT/US2011/022608の配列番号:1−1318、又は国際特許出願No.PCT/US2011/066164(2011年12月20出願)の配列番号:10−262のいずれの1つでもなく又は全てでない(すなわち前記を除外する)。
例示的実施態様では、本開示のペプチドは、
A.1位にTyr、His、チオAla又はPheの側鎖を含むアミノ酸(ここで1位のアミノ酸のアルファ炭素は、(i)H2N-(CH2)-、(ii)H2N-、(iii)H(アセチル)N-(CH2)0-1;及び(iv)H-又はCH3-から成る群から選択される構造に結合される);
B.9、10、12、20又は37−43位のいずれかにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸(場合によって該アシル又はアルキル基はスペーサーを介して該アミノ酸に連結される);
C.16−21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸;及び
D.配列番号:1と対比して10までの追加のアミノ酸改変を含む、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグであり、
該1位のアミノ酸はL-立体異性体又はD-立体異性体であり、ここで、場合によって1位のアミノ酸はL-His、L-Phe及びL-Tyr以外であり、グルカゴンアナローグが親水性部分を欠くとき、該グルカゴンアナローグは、ヒトGIP受容体で0.5nM未満又は約0.5nM(例えば0.01nM未満又は約0.01nM、又は0.05nM未満又は約0.05nM、又は0.03nM未満又は約0.03nM)のEC50を示し、さらに該グルカゴンアナローグは、該GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する。
A.1位に下記構造を含むアミノ酸:
(式中、RはHis又はTyr又はAlaの側鎖であるか、又はRは下記であり:
B.9、10、12、20又は37−43位のいずれかにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸(場合によって該アシル又はアルキル基はスペーサーを介して該アミノ酸に連結される);
C.16−21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸;及び
D.配列番号:1と対比して10までの追加のアミノ酸改変を含む、グルカゴン(配列番号:1)のアナローグであり、
該1位のアミノ酸はL-立体異性体又はD-立体異性体であり、ここで、場合によって1位のアミノ酸はL-His、L-Phe及びL-Tyr以外であり、グルカゴンアナローグが親水性部分を欠くとき、該グルカゴンアナローグは、ヒトGIP受容体で0.5nM未満又は約0.5nM(例えば0.01nM未満又は約0.01nM、又は0.05nM未満又は約0.05nM、又は0.03nM未満又は約0.03nM)のEC50を示し、さらに該グルカゴンアナローグは、該GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する。例示的特徴では、R’はC1-2アルキレンである。例示的特徴では、R’は存在せず、XはHである。そのような特徴では、該アミノ酸は4-ヒドロキシフェニル酢酸と考えることができる。
例示的特徴では、グルカゴンアナローグは1位にあるアミノ酸のD-異性体を含む、このとき2位のアミノ酸はAlaである。
例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、1及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む:
例示的実施態様では、グルカゴンアナローグは1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む:
前述に関する例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、29位のアミノ酸のC-末端に1から21アミノ酸の延長部を含み、いくつかの特徴では、該延長部はTrpケージとして当業界で公知の構造を形成する。いくつかの特徴では、延長部は、アミノ酸配列GPSSGAPPPS(配列番号:5)又はGGPSSGAPPPS(配列番号:6)又はGPSSGRPPPS(配列番号:183)、又は1、2若しくは3つの保存的アミノ酸置換を有する前述の1つの配列を含む。例示的特徴では、グルカゴン配列が1から21アミノ酸の延長部を含むとき、該グルカゴンアナローグは29位にGly、Ala又はLeuを含む。
例示的特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は、式Iの構造(場合によってLys)、式IIの構造(場合によってCys)又は式IIIの構造(場合によってSer)を含む。場合によって、いくつかの特徴では、アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸は式Iの構造(例えばLys)を含む。
アシル化アミノ酸に関しては、いくつかの特徴のアシル基はC12からC18(例えばC12、C13、C14、C15、C16、C17、C18)脂肪アシル基である。いくつかの特徴では、アシル基はC14又はC16脂肪アシル基である。
前述の実施態様に関する例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、15位、21位、又は28位に、又は15及び21位に、15及び28位に、又は21及び28位に、又は15、21及び28位にGluを含む。例示的特徴では、グルカゴンアナローグは、15、21及び28位のうち28位のみにGluを含む。
また別の或いは追加の特徴では、グルカゴンアナローグは、27位に、29位に、又は27位及び29位の両方にアミノ酸改変を含む。例えば、いくつかの特徴の27位のアミノ酸は、Leu、Nle、Val又はLysであるか、及び/又はいくつかの特徴の29位のアミノ酸はGly又はThrである。
いくつかの特徴では、28位のアミノ酸はAspであり、場合によって29位のアミノ酸はGly以外のアミノ酸(例えばVal、Ala、Leu又はAIB)である。
例示的特徴では、28位のアミノ酸はGluであり、29位のアミノ酸はGly、Ala又はLeuである。
i.7位にIle;
ii.12位にIle又はArg;
vi.18位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
iv.21位に酸性アミノ酸、場合によってGlu;
v.24位にAsn、Ala又はAIB;
vi.27位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla又はLeu又はNle;
vii.28位に酸性アミノ酸、場合によってGlu、又は脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
viii.29位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
ix.C-末端のアミド化。
前述の記載にしたがえば、例示的特徴のグルカゴンアナローグは、配列番号:11−34のいずれかのアミノ酸配列を含むか、本質的に前記から成るか、又は前記から成る。
ここで、
X1は、アセチルL-His、アセチルL-Tyr、アセチルL-チオAla、アセチルD-His、アセチルD-Tyr、アセチルD-チオAla、アセチルベータ-2-L-His、アセチルベータ-2-L-Tyr、アセチルベータ-2-L-チオAla、アセチルベータ-2-D-His、アセチルベータ-2-D-Tyr、アセチルベータ-2-D-チオAla、デスアミノL-His、デスアミノL-Tyr、デスアミノL-チオAla、デスアミノD-His、デスアミノD-Tyr、デスアミノD-チオAla、デスアミノベータ-2-L-His、デスアミノベータ-2-L-Tyr、デスアミノベータ-2-L-チオAla、デスアミノベータ-2-D-His、デスアミノベータ-2-D-Tyr、デスアミノベータ-2-D-チオAla、D-His、D-Tyr、D-チオAla、ベータ-2-D-His、ベータ-2-D-Ala、ベータ-2-D-チオAla、ベータ-2-L-His、ベータ-2-L-Tyr、ベータ-2-L-チオAla、及びL-チオAlaから成る群から選択され;
X2はAla、Gly、Pro、サルコシン、Ser及びValであり;
X3は、Gln、又は構造I、II若しくはIIIの側鎖を含むアミノ酸であり、ここで構造I、II及びIIIは以下であり:
(式中、R1はC0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2はNHR4又はC1-3アルキルであり;R3はC1-3アルキルであり;R4はH又はC1-3アルキルであり;XはNH、O又はSであり;さらにYはNHR4、SR3又はOR3である)、
X10はTyr又はC12からC18アシル若しくはアルキル基に共有結合されるアミノ酸であり;
X15は、酸性アミノ酸、場合によってGlu又はAspであり、
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro、及びSer以外の任意のアミノ酸(例えばGlu、Ala、アルファ、アルファ-二置換アミノ酸(例えばAIB)、His、Lys)であり;
X17はArg、His、Glnであり;
X19はAla又はアルファ、アルファ二置換アミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は、アルファ、アルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)又はGln又はHis、Lys、又はAlaから成る群から選択され;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29は脂肪族、例えばAla又はGly又はAIB又はValであり;
X30は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるときX35は塩基性アミノ酸であり、場合によって、X28がAspであるときX29はGlyではなく、X10がTyrであるとき該ペプチドはC12からC18アシル又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸を40位に含み、場合によって該ペプチドは41位にGlyを含み、該ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化され、
該グルカゴンアナローグが親水性部分を欠くとき、該グルカゴンアナローグはヒトGIP受容体で0.5nM未満又は約0.5nMのEC50を示し、さらに該グルカゴンアナローグは、GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する。
例示的特徴では、ペプチドは2位にAla、Gly、Pro、サルコシン及びValから成る群から選択されるアミノ酸を含む。例示的特徴では、2位のアミノ酸はAla及びGlyから成る群から選択される。
例示的特徴では、該ペプチドは、2位のアミノ酸がAlaであるときは、あるアミノ酸のD-立体異性体を1位に含む。
例示的特徴では、該ペプチドは1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む:
例示的特徴では、該ペプチドは、1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む:
配列番号:35のペプチドの例示的特徴では、X20はGlnである。例示的特徴では、16位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである。例示的特徴では、X18はAlaである。例示的特徴では、X28はGlnである。さらにまた例示的特徴では、X27はLeu又はNleで、X29はGlyで、該ペプチドはアミド化されたGlyをC-末端含むか、又は前記が組み合わされる。
本発明は、配列番号:35に対比して3つまでのアミノ酸改変(例えば0、1、2又は3つのアミノ酸改変)を有する配列番号:35の配列を含むペプチドを追加提供し、前記ペプチドは、ヒトGIP受容体及び、ヒトGLP-1受容体及び/又はヒトグルカゴン受容体でアゴニスト活性を示す。前記アミノ酸改変は本明細書に記載したもののいずれかであり得る。3つまでの(例えば1、2、3つの)アミノ酸改変を有する配列番号:35の配列を含むペプチドの例示的特徴では、該アミノ酸改変は1位以外の位置で生じる。
式中、
X1は、アセチルL-His、アセチルL-Tyr、アセチルL-チオAla、アセチルL-Phe、アセチルD-His、アセチルD-Tyr、アセチルD-チオAla、アセチルD-Phe、アセチルベータ-2-L-His、アセチルベータ-2-L-Tyr、アセチルベータ-2-L-チオAla、アセチルベータ-2-L-Phe、アセチルベータ-2-D-His、アセチルベータ-2-D-Tyr、アセチルベータ-2-D-チオAla、アセチルベータ-2-D-Phe、デスアミノL-His、デスアミノL-Tyr、デスアミノL-チオAla、デスアミノL-Phe、デスアミノD-His、デスアミノD-Tyr、デスアミノD-チオAla、デスアミノD-Phe、デスアミノベータ-2-L-His、デスアミノベータ-2-L-Tyr、デスアミノベータ-2-L-チオAla、デスアミノベータ-2-L-Phe、デスアミノベータ-2-D-His、デスアミノベータ-2-D-Tyr、デスアミノベータ-2-D-チオAla、デスアミノベータ-2-D-Phe、D-His、D-Tyr、D-チオAla、D-Phe、ベータ-2-D-His、ベータ-2-D-Ala、ベータ-2-D-チオAla、ベータ-2-D-Phe、ベータ-2-L-His、ベータ-2-L-Tyr、ベータ-2-L-チオAla、ベータ-2-L-Phe、及びL-チオAlaから成る群から選択され;
X2はAla、Gly、Pro、サルコシン、Ser及びValであり;
X3は、Gln又は構造I、II若しくはIIIの側鎖を含むアミノ酸であり、ここで構造I、II及びIIIは以下であり:
(式中、R1はC0-3アルキル又はC0-3ヘテロアルキルであり;R2はNHR4又はC1-3アルキルであり;R3はC1-3アルキルであり;R4はH又はC1-3アルキルであり;XはNH、O又はSであり;さらにYはNHR4、SR3又はOR3である)、
X10はTyr又はC12からC18アシル若しくはアルキル基に共有結合されるアミノ酸であり;
X15は、酸性アミノ酸、場合によってGlu又はAspであり、
X16は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro、及びSer以外の任意のアミノ酸(例えばGlu、Ala、アルファ、アルファ-二置換アミノ酸(例えばAIB)、His、Lys)であり;
X17はArg、His、Glnであり;
X19はAla又はアルファ、アルファ二置換アミノ酸であり;
X18はArg又はAlaであり;
X20は、アルファ、アルファ二置換アミノ酸(例えばAIB)又はGln又はHis、Lys、又はAlaから成る群から選択され;
X21は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X27はLeu、Ala、Nle又はMetであり;
X28はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X29は脂肪族、例えばAla又はGly又はAIB又はValであり;
X30は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAla又はGlyであり;
X35はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X28が酸性アミノ酸であるときX35は塩基性アミノ酸であり、場合によって、X28がAspであるときX29はGlyではなく、X10がTyrであるとき該ペプチドはC12からC18アシル又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸を40位に含み、場合によって該ペプチドは41位にGlyを含み、該ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化され、
ここで、該グルカゴンアナローグが親水性部分を欠くとき、該グルカゴンアナローグはヒトGIP受容体で0.5nM未満又は約0.5nMのEC50を示し、さらに該グルカゴンアナローグは、GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する。
例示的特徴では、ペプチドは2位にAla、Gly、Pro、サルコシン及びValから成る群から選択されるアミノ酸を含む。例示的特徴では、2位のアミノ酸はAla及びGlyから成る群から選択される。
例示的特徴では、該ペプチドは、2位のアミノ酸がAlaであるときは、あるアミノ酸のD-立体異性体を1位に含む。
例示的特徴では、該ペプチドは1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む:
例示的特徴では、該ペプチドは、1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む:
配列番号:140のペプチドの例示的特徴では、X20はGlnである。例示的特徴では、16位のアミノ酸は陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである。例示的特徴では、X18はAlaである。例示的特徴では、X28はGlnである。さらにまた例示的特徴では、X27はLeu又はNleで、X29はGlyで、該ペプチドはアミド化されたGlyをC-末端含むか、又は前記が組み合わされる。
本発明は、配列番号:140に対比して3つまでのアミノ酸改変(例えば0、1、2又は3つのアミノ酸改変)を有する配列番号:140の配列を含むペプチドを追加提供し、前記ペプチドは、ヒトGIP受容体及び、ヒトGLP-1受容体及び/又はヒトグルカゴン受容体でアゴニスト活性を示す。前記アミノ酸改変は本明細書に記載したもののいずれかであり得る。3つまでの(例えば1、2、3つの)アミノ酸改変を有する配列番号:140の配列を含むペプチドの例示的特徴では、該アミノ酸改変は1位以外の位置で生じる。
配列番号:12の配列を含むペプチドもまた本発明によって提供される。例示的な特徴では、該ペプチドは本質的に配列番号:12から成るか、又は前記から成る。
配列番号:13の配列を含むペプチドもまた本発明によって提供される。例示的な特徴では、該ペプチドは本質的に配列番号:13から成るか、又は前記から成る。
配列番号:15の配列を含むペプチドもまた本発明によって提供される。例示的な特徴では、該ペプチドは本質的に配列番号:15から成るか、又は前記から成る。
配列番号:16の配列を含むペプチドもまた本発明によって提供される。例示的な特徴では、該ペプチドは本質的に配列番号:16から成るか、又は前記から成る。
配列番号:22の配列を含むペプチドもまた本発明によって提供される。例示的な特徴では、該ペプチドは本質的に配列番号:22から成るか、又は前記から成る。
さらにまた本明細書で提供されるものは、
(A)配列番号:11と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:11の配列、
(B)配列番号:12と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:12の配列、
(C)配列番号:13と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:13の配列、又は
(D)配列番号:15と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:15の配列、
(E)配列番号:16と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:16の配列、
(F)配列番号:22と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:22の配列を含むペプチドであって、ここで、該ペプチドはヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体でアゴニスト活性を示す。3つまで(例えば1つ、2つ、3つ)のアミノ酸改変を有する配列番号:11−13、15、16及び22のいずれか1つの配列を含むペプチドの例示的特徴では、該アミノ酸改変は1位以外の位置で生じる。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、親配列のアミノ酸配列をベースにしたアミノ酸配列を含む、配列番号:11−18、21−23、25−31、33−36、38、39、100−200のいずれかを含む親配列のグルカゴンアナローグであるが、ただし前記は、該グルカゴンアナローグのアミノ酸配列が1つ以上(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及びいくつかの事例では16以上(例えば17、18、19、20、21、22、23、24、25など))の指定の又は自由選択のアミノ酸改変を含むゆえに親配列と相違する。いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示のペプチドは、配列番号:11−18、21−23、25−31、33−36、38、39、100−200のいずれかを含む親配列と対比して、合計1つ、2つまで、3つまで、4つまで、5つまで、6つまで、7つまで、8つまで、9つまで又は10までの追加のアミノ酸改変を含む。いくつかの又はいずれかの実施態様では、該改変は、グルカゴンアナローグに関して本明細書に記載する改変のいずれか、例えばアシル化、アルキル化、ペジル化、C-末端の切端、1、2、3、7、10、12、15、16、17、18、19、20、21、23、24、27、28及び29位の1つ以上のアミノ酸の置換である。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、改変はアミノ酸の置換又は取替え、例えば保存的アミノ酸置換である。いくつかの特徴では、該保存的置換は、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、27、28又は29位の1つ以上におけるアミノ酸の取替えである。また別の実施態様では、アミノ酸の置換は保存的アミノ酸置換ではなく、例えば非保存的アミノ酸置換である。例示的特徴では、アミノ酸改変は1位以外の位置で生じる。
前述の記載にしたがえばいくつかの特徴で、本開示のペプチドは、配列番号:11−18、21−23、25−31、33−36、38、39、100−200のいずれかを含む親配列のアナローグであり、前記アナローグの配列は、GIP活性、グルカゴン活性及び/又はGLP-1活性に影響を与え、安定性を強化し(例えばペプチドの分解を、例えばDPP-IVプロテアーゼに対する耐性を改善することにより軽減することによって)、可溶性を強化し、半減期を延長し、作用の開始を先送りし、GIP、グルカゴン又はGLP-1受容体における作用の持続を延長し、又は前述の記載のいずれかの組合せを生じる1つ以上のアミノ酸改変を含む。そのようなアミノ酸改変は、他の改変に加えて、グルカゴンアナローグに関してさらに本明細書で記述され、これら改変のいずれも個々に又は組み合わせて利用することができる。
本開示のグルカゴンアナローグは当業界で公知の方法によって入手できる。ペプチドをde novoで合成する適切な方法は例えば以下に記載されている:Chan et al., Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis, Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2005;Peptide and Protein Drug Analysis, ed.Reid, R., Marcel Dekker, Inc., 2000;Epitope Mapping, ed.Westwood et al., Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2000;及び米国特許No.5,449,752。本開示のペプチドを製造する追加の例示的方法は実施例1及び2に示される。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のペプチドは、業者により商業的に合成される(例えば、Synpep, Dublin, CA;Peptide Technologies Corp., Gaithersburg, MD;及びMultiple Peptide Systems, San Diego, CA)。これに関して、該ペプチドは合成でも、組換え体でも単離でも精製でもよい。
さらにまた、本開示のアナローグが非コードの又は天然に存在しないアミノ酸を全く含まない事例では、グルカゴンアナローグは、標準的な組換え方法によりアナローグのアミノ酸配列をコードする核酸を用いて組換えにより製造することができる。例えば以下を参照されたい:Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual.3rd ed., Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY 2001;及びAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons, NY, 1994。
いくつかの実施態様では、開示のグルカゴンアナローグは精製される。本明細書で用いられる“精製される”という用語は、いくつかの特徴では本来の又は天然の環境で分子又は化合物に通常付随する夾雑物を実質的に含まない形態での該分子又は化合物の単離に関係し、元の組成物の他の成分から分離された結果として純度が高められてあることを意味する。精製ペプチド又は化合物には、例えば実質的に核酸分子、脂質及び炭水化物又は他の出発物質、或いはペプチドの化学合成の間に用いられ又は生成された中間体を含まないペプチドが含まれる。“純度”は相対的用語であり、必ずしも絶対的純度又は絶対的濃縮又は絶対的選別と解されるべきでないことは理解されよう。いくつかの特徴では、純度は、少なくとも50%又は約50%、少なくとも60%又は約60%、少なくとも70%又は約70%、少なくとも80%又は約80%、又は少なくとも90%又は約90%(例えば少なくとも91%又は約91%、少なくとも92%又は約92%、少なくとも93%又は約93%、少なくとも94%又は約94%、少なくとも95%又は約95%、少なくとも96%又は約96%、少なくとも97%又は約97%、少なくとも98%又は約98%、少なくとも99%又は約99%)であるか、又は約100%である。
本発明はさらに、異種部分と結合した本明細書に記載の1つ以上のグルカゴンアナローグを含む複合物を提供する。本明細書に用いられるように、“異種部分”という用語は“複合物の部分”という用語と同義語であり、本明細書に記載のグルカゴンアナローグとは異なる任意の分子(化学的若しくは生化学的分子、天然に存在するか又は非コードの分子)を指す。本明細書に記載のアナローグのいずれかと結合させることができる例示的な複合物の部分には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):異種ペプチド若しくはポリペプチド(例えば血漿タンパク質を含む)、標的照準薬剤、免疫グロブリン若しくはその部分(例えば可変領域、CDR又はFc領域)、診断用標識(例えば放射性同位元素、蛍光発光団若しくは酵素標識)、ポリマー(水溶性ポリマーを含む)、又は他の治療用若しくは診断用薬剤。いくつかの実施態様では、本発明のアナローグ及び血漿タンパク質を含む複合物が提供され、ここで血漿タンパク質は、アルブミン、トランスフェリン、フィブリノゲン及びグロブリンから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、複合物の血漿タンパク質部分はアルブミン又はトランスフェリンである。いくつかの実施態様の複合物は、1つ以上の本明細書に記載のグルカゴンアナローグ及び以下の1つ以上を含む:ペプチド(前記は、本明細書に記載のグルカゴン及び/又はGLP-1受容体活性グルカゴンアナローグとは別個である)、ポリペプチド、核酸分子、抗体若しくはそのフラグメント、ポリマー、量子ドット、小分子、毒素、診断薬、炭水化物、アミノ酸。
いくつかの具体的な特徴では、延長部は単一アミノ酸又はジペプチドである。具体的な実施態様では、延長部は以下から成る群から選択されるアミノ酸を含む:荷電アミノ酸(例えば陰性荷電アミノ酸(例えばGlu)、陽性荷電アミノ酸)、親水性部分を含むアミノ酸。いくつかの特徴では、延長部はGly、Glu、Cys、Gly-Gly、Gly-Gluである。
いくつかの実施態様では、延長部は、配列番号:5(GPSSGAPPPS)、配列番号:6(GGPSSGAPPPS)、配列番号:7(KRNRNNIA)又は配列番号:8(KRNR)のアミノ酸配列を含む。具体的な特徴では、該アミノ酸配列は、グルカゴンアナローグのC-末端アミノ酸(例えば29位のアミノ酸)を介して結合される。いくつかの実施態様では、配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列は、グルカゴンアナローグのアミノ酸29とペプチド結合により結合される。いくつかの具体的な実施態様では、グルカゴンアナローグの29位のアミノ酸はGlyであり、このGlyが、配列番号:5−8のいずれかのアミノ酸配列の1つと融合される。
いくつかの特徴では、ポリマーは生物吸着性ポリマー、例えば生物浸食性ヒドロゲル(以下に記載される:H.S.Sawhney, C.P.Pathak and J.A.Hubbell in Macromolecules, 1993, 26, 581-587(前記文献の教示は本明細書に含まれる))、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、ポリ酸無水物、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)及びポリ(オクタデシルアクリレート)である。
いくつかの実施態様では、異種部分は炭水化物である。いくつかの実施態様では、炭水化物は、単糖類(例えばグルコース、ガラクトース、フラクトース)、二糖類(例えばスクロース、ラクトース、マルトース)、オリゴ糖(例えばラフィノース、スタキオース)、又は多糖類(例えばデンプン、アミラーゼ、アミロペクチン、セルロース、キチン、カロース、ラミナリン、キシラン、マンナン、フコイダン又はガラクトマンナン)である。
いくつかの実施態様では、異種部分は脂質である。いくつかの実施態様では、脂質は脂肪酸、エイコサノイド、プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサン、N-アセチルエタノールアミン、グリセロリピド(例えば一、二、三置換グリセロール)、グリセロホスホリピド、(例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン)、スフィンゴリピド(例えばスフィンゴシン、セラミド)、ステロール脂質(例えばステロイド、コレステロール)、プレノール脂質、糖脂質、又はポリケチド、油、ロウ、コレステロール、ステロール、脂溶性ビタミン、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質である。
いくつかの実施態様のグルカゴンアナローグは、アナローグの標的アミノ酸残基を有機誘導剤と反応させることによって直接的共有結合を介して複合物の部分に結合させることができる(有機誘導剤は、これら標的アミノ酸の選択した側鎖又はN-若しくはC-末端残基と反応することができる)。アナローグ又は複合物の部分の反応基には、例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α-ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基が含まれる。誘導剤には、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介して複合物を形成)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸又は当業界で公知の他の薬剤が含まれる。また別には、複合物の部分は、中間担体(例えば多糖類又はポリペプチド担体)を介して間接的にアナローグと結合させ得る。多糖類担体の例にはアミノデキストランが含まれる。適切なポリペプチド担体の例には、ポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、前記のコポリマー、並びにこれらのアミノ酸及び他のもの(例えばセリン(生成されるローデッド担体に所望の可溶性特性を付与するもの))の混合ポリマーが含まれる。
ヒスチジル残基は、pH5.5−7.0でのジエチルピロカルボネートとの反応によって誘導される(なぜならばこの薬剤はヒスチジル側鎖に比較的特異的であるためである)。パラ-ブロモフェナシルブロミドもまた有用である。この反応は好ましくは0.1Mのカコジル酸ナトリウム(pH6.0)中で実施される。
リシニル及びアミノ末端残基は無水コハク酸又は他のカルボン酸と反応させられる。これらの薬剤による誘導はリシニル残基の荷電を反対にする作用を有する。アルファ-アミノ-含有残基を誘導する他の適切な試薬には、イミドエステル、例えばメチルピコリンイミデート、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンジオン及びグリオキシレートとのトランスアミナーゼ-触媒反応が含まれる。
チロシル残基の特異的改変は、芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンとの反応によってチロシル残基にスペクトル標識を導入するという具体的利益とともに実施できる。もっとも一般的には、N-アセチルイミジゾール及びテトラニトロメタンを用いてそれぞれO-アセチルチロシル種及び3-ニトロ誘導体を形成する。
カルボキシル側鎖基(アスパルチル又はグルタミル)は、カルボジイミド(R-N=C=N-R’)との反応によって選択的に改変される。式中、R及びR’は異なるアルキル基、例えば1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリニル-4-エチル)カルボジイミド又は1-エチル-3-(4-アゾニア-4,4-ジメチルペンチル)カルボジイミドである。さらにまた、アスパルチル及びグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によってアスパラギニル及びグルタミニル残基に変換される。
別のタイプの共有結合改変は、グリコシドをアナローグに化学的又は酵素的に共役させることを必要とする。糖は以下に結合される:(a)アルギニン及びヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)遊離スルフヒドリル基、例えばシステインの基、(d)遊離ヒドロキシル基、例えばセリン、スレオニン又はヒドロキシプロリンの基、(e)芳香族残基、例えばチロシン又はトリプトファンのもの、又は(f)グルタミンのアミド基。これらの方法は以下に記載されている:WO87/05330(1987年9月11日公開)及びAplin and Wriston, CRC Crit.Rev.Biochem., pp.259-306, 1981。
いくつかの実施態様では、複合物は、グルカゴンアナローグを異種部分に結合させるリンカーを含む。いくつかの特徴では、リンカーは、1から約60、又は1から30原子以上、2から5原子、2から10原子、5から10原子、又は10から20原子の長さの原子の鎖を含む。いくつかの実施態様では、鎖の原子は全て炭素原子である。いくつかの実施態様では、リンカー骨格内の鎖原子は、C、O、N及びSから成る群から選択される。鎖原子及びリンカーは、より可溶性の複合物を提供するためにそれらの予想される可溶性(親水性)にしたがって選択できる。いくつかの実施態様では、リンカーは官能基を提供し、この官能基は、標的組織又は器官又は細胞で見出される酵素又は他の触媒又は加水分解性条件によって切断される。いくつかの実施態様では、リンカーの長さは、立体的妨害の可能性を減少させるために十分に長い。リンカーが共有結合又はペプチド結合で、複合物がポリペプチドである場合は、完全な複合物は融合タンパク質である。そのようなペプチジルリンカーは任意の長さであり得る。例示的リンカーは、長さが約1から50アミノ酸、5から50,3から5、5から10、5から15、又は10から30アミノ酸の長さである。また別には、そのような融合タンパク質は当業界で公知の組換え遺伝子操作の方法によって製造できる。
上記で特に言及したように、いくつかの実施態様では、アナローグは複合物を形成し、例えば免疫グロブリン又はその部分(例えば可変領域、CDR又はFc領域)と融合される。公知の免疫グロブリン(Ig)のタイプにはIgG、IgA、IgE、IgD又はIgMが含まれる。該Fc領域はIg重鎖のC-末端領域であり、前記は、例えば再生利用(半減期の延長をもたらす)、抗体依存細胞媒介細胞傷害(ADCC)及び補体依存細胞傷害(CDC)のような活性を遂行するFc受容体との結合に必要である。
例えば、いくつかの定義にしたがえば、ヒトIgG重鎖Fc領域は重鎖のCys226からC-末端に広がる。“ヒンジ領域”は概ねヒトIgG1のGlu216からPro230に及ぶ(他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、システイン結合に必要なシステインのアラインメントによってIgG1配列とアラインメントすることができる)。IgGのFc領域は2つの定常ドメイン(CH2及びCH3)を含む。ヒトIgG Fc領域のCH2ドメインは、通常はアミノ酸231からアミノ酸341に及ぶ。ヒトIgG Fc領域のCH3ドメインは、通常はアミノ酸342から447に及ぶ。免疫グロブリン又は免疫グロブリンフラグメント若しくは領域のアミノ酸番号付与に必要な照合はいずれもKabatらの著書(Kabat et al.1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S.Department of Public Health, Bethesda, Md)を基準にしている。関連する実施態様では、Fc領域は、CH1以外の免疫グロブリン重鎖の1つ以上の天然の又は改変された定常領域、例えばIgG及びIgAのCH2及びCH3領域、又はIgEのCH3及びCH4領域を含むことができる。
いくつかの複合物の部分はFcγR結合部位を含むことがあり、又は含まないことがある。FcγRはADCC及びCDCに必要である。FcγRと直接接触するFc領域内の位置の例は、アミノ酸234−239(下方ヒンジ領域)、アミノ酸265−269(B/Cループ)、アミノ酸297−299(C’/Eループ)、及びアミノ酸327−332(F/G)ループである(Sondermann et al., Nature 406: 267-273, 2000)。IgEの下方ヒンジ領域はまたFcRI結合でも示唆されている(Henry, et al., Biochemistry 36, 15568-15578, 1997)。IgA受容体結合に必要とされる残基は下記文献に記載されている(Lewis et al., J Immunol.175:6694-701, 2005)。IgE受容体結合に必要とされるアミノ酸残基は下記文献に記載されている(Sayers et al., J Biol Chem.279(34):35320-5, 2004)。
本明細書に記載のグルカゴンアナローグをさらに改変して、生理学的pHの水溶液中におけるその可溶性及び安定性を改善し、一方で天然グルカゴンと対比して高い生物学的活性を維持することができる。親水性部分(例えばPEG基)は、タンパク質を活性化ポリマー分子と反応させるために用いられる適切な任意の条件下でアナローグに結合させることができる。以下を介する手段を含む、任意の当業界で公知の手段を用いることができる:アシル化、還元アルキル化、ミハエリス添加、チオールアルキル化、又は他の化学選択的共役/結合方法(後者の方法は、PEG部分上の反応基(例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α-ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)と標的化合物上の反応基(例えばアルデヒド、アミノ、エステル、チオール、α-ハロアセチル、マレイミド又はヒドラジノ基)を介する)。水溶性ポリマーと1つ以上のタンパク質を結合させるために用いることができる活性化基には、スルホン、マレイミド、スルフヒドリル、チオール、トリフレート、トレシレート、アジジリン、オキシラン、5-ピリジル及びアルファ-ハロゲン化アシル基(例えばアルファ-ヨード酢酸、アルファ-ブロモ酢酸、アルファ-クロロ酢酸)が含まれるが、ただしこれらに限定されない。還元性アルキル化によってアナローグに結合される場合は、選択されるポリマーは、重合度を制御できるように1つの単独反応性アルデヒドを有するべきである。例えば以下を参照されたい:Kinstler et al., Adv.Drug.Delivery Rev.54: 477-485, 2002;Roberts et al., Adv.Drug Delivery Rev.54: 459-476, 2002;及びZalipsky et al., Adv.Drug Delivery Rev.16: 157-182, 1995。
適切な親水性部分には以下が含まれる:ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばPOG)、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グルコース、ポリオキシエチル化グリセロール(POG)、ポリオキシアルキレン、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、モノメトキシ-ポリエチレングリコール、モノ-(C1-C10)アルコキシ-又はアリールオキシ-ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリ(β-アミノ酸)(ホモポリマー又はランダムコポリマー)、ポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー(PPG)及び他のポリアルキレンオキシド、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、コロン酸又は他の多糖類ポリマー、フィコール又はデキストラン及び前記の混合物。デキストランは、もっぱらα1-6結合によって結合されたグルコースサブユニットの多糖類ポリマーである。多くの分子量範囲のデキストランが利用可能である(例えば約1kDから約100kD、又は約5、10、15若しくは20kDから約20、30、40、50、60、70、80若しくは90kD)。直鎖状又は分枝状ポリマーが意図される。得られる複合物の調製物は本質的に単分散でも又は多分散でもよく、アナローグ当たり約0.5、0.7、1、1.2、1.5又は2ポリマー部分を有することができる。
いくつかの又はいずれかの実施態様では、本開示の複合物は、化学的PEGと類似する伸長構造を形成できる付属アナローグ(例えば組換えPEG(rPEG)分子、例えば国際特許出願公開No.WO2009/023270及び米国特許出願公開No.US20080286808に記載されたもの)と融合された、GIP受容体アゴニスト活性を有するグルカゴンアナローグを含む。いくつかの特徴のrPEG分子は、1つ以上のグリシン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン又はプロリンを含むポリペプチドである。いくつかの特徴では、rPEGはホモポリマー、例えばポリ-グリシン、ポリ-セリン、ポリ-グルタミン酸、ポリ-アスパラギン酸、ポリ-アラニン又はポリ-プロリンである。他の実施態様では、rPEGは、反復される2つのタイプのアミノ酸を含む(例えばポリ(Gly-Ser)、ポリ(Gly-Glu)、ポリ(Gly-Ala)、ポリ(Gly-Asp)、ポリ(Gly-Pro)、ポリ(Ser-Glu)など)。いくつかの特徴では、rPEGは、3つの異なるタイプのアミノ酸を含む(例えばポリ(Gly-Ser-Glu))。具体的な特徴では、該rPEGはグルカゴン及び/又はGLP-1アゴニストアナローグの半減期を延長させる。いくつかの特徴では、rPEGは正味の陽性又は陰性荷電を含む。いくつかの特徴のrPEGは二次構造を欠く。いくつかの実施態様では、rPEGは長さが10アミノ酸以上であり、いくつかの実施態様では、長さが約40から約50アミノ酸である。いくつかの特徴の付属ペプチドは、本開示のアナローグのN-末端若しくはC-末端にペプチド結合を介して融合されるか又はプロテイナーゼ切断部位に融合されるか、又は本開示のアナローグのループ中に挿入される。いくつかの特徴のrPEGはアフィニティタグを含むか、又は5kDaより大きいPEGと結合される。いくつかの実施態様では、rPEGは、本開示のアナローグに流体力学半径、血清半減期、プロテアーゼ耐性、又は可溶性の増加を付与し、いくつかの特徴では、該アナローグに免疫原性の低下を付与する。
本発明はさらに、本明細書に開示したアナローグのマルチマー又はダイマーを提供し、前記にはホモ-若しくはヘテロ-マルチマー又はホモ-若しくはヘテロ-ダイマーが含まれる。当業者に公知の標準的な結合剤及び手順を用いて、2つ以上のアナローグを一緒に結合させることができる。例えば、ダイマーは、特にシステイン、リジン、オルニチン、ホモシステイン又はアセチルフェニルアラニン残基で置換されてあるアナローグについては、二官能性チオール架橋剤及び二官能性アミン架橋剤の使用により2つのペプチド間で形成できる。ダイマーはホモダイマーでも、或いはヘテロダイマーでもよい。例示的実施態様では、2つの(又は3つ以上の)アナローグを結合させるリンカーはPEG(例えば5kDa PEG、20kDa PEG)である。いくつかの実施態様では、リンカーはジスルフィド結合である。例えば、ダイマーの各モノマーは、Cys残基(例えば末端又は内部に位置するCys)を含むことができ、各Cys残基の硫黄原子はジスルフィド結合の形成に参加する。例示的特徴では、ダイマーの各モノマーはチオエーテル結合を介して結合される。例示的特徴では、一方のモノマーのLys残基のエプシロンアミンがCys残基に結合され、前記は続いて他方のモノマーのLys残基のエプシロンアミンと化学的部分を介して連結される。そのようなチオエーテル結合ダイマーの製造方法は本明細書でさらに記述される。いくつかの特徴では、複数のモノマーは、末端(例えばN-末端又はC-末端)アミノ酸を介して、内部アミノ酸を介して、又は少なくとも1つのモノマーの末端アミノ酸及び少なくとも1つの他方のモノマーの内部アミノ酸を介して連結される。具体的な特徴では、モノマーはN-末端アミノ酸を介しては連結されない。いくつかの特徴では、マルチマーのモノマーは、各モノマーのC-末端アミノ酸が一緒に結合される“尾対尾”の向きで一緒に結合される。
本発明によってさらに提供されるものは本明細書に記載のペプチド及びアナローグのプロドラッグである。本明細書で用いられるように、“プロドラッグ”という用語は、その完全な薬理学的作用を示す前に化学的改変を受ける任意の化合物と定義される。
例示的実施態様では、プロドラッグはアミド系ペプチドプロドラッグであり、前記は国際特許出願公開No.WO/2010/071807(2010年6月24日公開)に記載されたものと類似する。そのようなプロドラッグは、作用の開始を遅らせ、薬剤の半減期を延長することが意図される。作用の開始の先送りはプロドラッグの全身的分布をその活性化の前に可能にするという点で有利である。したがって、プロドラッグの投与は投与時のピーク活性によって引き起こされる合併症を排除し、親薬剤の治療指数を高める。
例示的特徴では、プロドラッグはA-B-Qの構造を含む。式中Qは本明細書に記載のペプチド又はアナローグであり、Aはアミノ酸又はヒドロキシ酸であり、Bは、A-BとQのアミンとの間でアミド結合を介してQに連結されるN-アルキル化アミノ酸であり、ここで、A、B、又はA-Bが連結されるQのアミノ酸は非コードアミノ酸であり、さらにQから切断されるA-Bの化学的切断半減期(t1/2)は、生理学的条件下で少なくとも約1時間から約1週間である。本明細書で用いられる“ヒドロキシ酸”という用語は、改変してアルファ炭素アミノ基をヒドロキシル基で入れ替えられてあるアミノ酸を指す。
R1、R2、R4及びR8は別個に、H、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環式)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)、及びC1-C12アルキル(A)(W1)C1-C12アルキルから成る群から選択され、ここでW1は、N、S及びOから成る群から選択される異原子であるか、又はR1及びR2はそれらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキル又はアリールを形成するか、又はR4及びR8はそれらが結合する原子と一緒になってC3-C6シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環式)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR4及びR3はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR2はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;さらに
R7はH及びOHから成る群から選択される。
R1、R2、R4及びR8は別個に、H、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環式)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)、及びC1-C12アルキル(W1)C1-C12アルキルから成る群から選択され、ここでW1は、N、S及びOから成る群から選択される異原子であるか、又はR1及びR2はそれらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成するか、又はR4及びR8はそれらが結合する原子と一緒になってC3-C6シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C18アルキル)NH2、(C1-C18アルキル)SH、(C0-C4アルキル)(C3-C6)シクロアルキル、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環式)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及び(C1-C4アルキル)(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR4及びR3はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;さらに
R7は水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、R8はHであり、さらにR5はNHR6である。
式中、
R1及びR8は別個にH又は、C1-C8アルキルであり;
R2及びR4は別個に、H、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環式)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及びCH2(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキル又はアリールを形成し;
R5はNHR6であり;さらに
R6はH又はC1-C8アルキルである。
他の実施態様では、ジペプチドプロドラッグ成分は式Iの一般構造を有し、
式中、
R1及びR8は別個にH又は、C1-C8アルキルであり;
R2及びR4は別個に、H、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C2-C5複素環式)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、及びCH2(C3-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合する原子と一緒になってC3-C12シクロアルキルを形成し;
R3はC1-C18アルキルであり;
R5はNHR6であり;
R6はH又はC1-C8アルキルであり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択される。
R1及びR2は別個にC1-C18アルキル又はアリールであるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5はアミンである。
R1及びR2は別個にC1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択される。
さらにまた、本明細書に記載のペプチド又はアナローグのN-末端アルファアミノ酸に連結されるジペプチドプロドラッグ成分を有し、例えば約6から約24時間のt1/2を有するプロドラッグは、下記構造のジペプチドプロドラッグ成分を含み:
R1及びR2は別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12複素環式環を形成し;
R4及びR8は別個に、水素、C1-C8アルキル及びアリールから成る群から選択され;さらに
R5はアミンであるが、
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とし、さらにR4又はR8の1つは水素であることを条件とする。
R1及びR2は別個に、水素、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C4アルキル)NH2及び (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−12複素環式環を形成し;
R4及びR8は別個に、水素、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNH2であり;さらに
R7は、H、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択されるが、
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とし、さらにR4又はR8の少なくとも1つは水素であることを条件とする。
R1及びR2は別個に、水素、C1-C8アルキル及び(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C8アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6複素環式環を形成し;
R4は、水素及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;さらに
R5はNH2であるが、
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
R1及びR2は別個に、水素、C1-C8アルキル及び(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択され;
R3はC1-C6アルキルであり;
R4は水素であり;さらに
R5はNH2であるが、
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
R1及びR2は別個に、水素、C1-C8アルキル、(C1-C4アルキル)NH2から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C8アルキルであり;
R4は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)OHから成る群から選択されるが、
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とする。
R1は、水素、C1-C8アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はアミン又はN-置換アミン又はヒドロキシルであるが、
ただし、R1がアルキル又はアリールであるならば、R1及びR5はそれらが結合する原子と一緒になって4−11複素環式環を形成することを条件とする。
R1は、水素、C1-C8アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNHR6又はOHであり;
R6は、H、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択されるが、
ただし、R1がアルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であるならば、R1及びR5はそれらが結合する原子と一緒になって4−11複素環式環を形成することを条件とする。
R1及びR2は別個にC1-C8アルキル又はアリールであるか、又はR1及びR2は(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらにR5はアミンである。
いくつかの実施態様では、例えば約1時間のt1/2を有するプロドラッグは以下の構造を有し;
R1及びR2は別個にC1-C8アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であるか、又はR1及びR2は(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNH2であり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択される。
R1及びR2は別個に、水素、C1-C8アルキル及びアリールから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって4−12複素環式環を形成し;
R4及びR8は別個にC1-C18アルキル又はアリールであり;さらに
R5はアミン又はN-置換アミンであるが、
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とし、さらにR4又はR8の1つは水素であることを条件とする。
R1及びR2は、別個に水素、C1-C8アルキル及び (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって4−12複素環式環を形成し;
R4及びR8は、別個に水素、C1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R5はNHR6であり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR2はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択され。
ただしR1及びR2の両方が水素であることはないことを条件とし、さらにR4又はR8の少なくとも1つは水素であることを条件とする。
R1及びR2は別個に、水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5はアミン又はN-置換アミン又はヒドロキシルであるが、
ただし、R1及びR2の両方が別個にアルキル又はアリールであるならば、R1又はR2のどちらかは、(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結されることを条件とする。
R1は、水素、C1-C18アルキル及び (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであり;
R4及びR8は各々水素であり;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択されるが、
ただしR1及びR2の両方が別個にアルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であるならば、R1又はR2のどちらかは、(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結されることを条件とする。
さらに別の実施態様では、ジペプチドプロドラッグ成分は、芳香族アミノ酸のアリール基に存在するアミンを介してペプチド又はそのアナローグに連結される。いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸は本明細書に記載のペプチド又はアナローグの内部アミノ酸であるが、しかしながら該芳香族アミノ酸はまたN-末端アミノ酸であってもよい。いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸は、アミノ-Phe、アミノ-ナフチルアラニン、アミノトリプトファン、アミノ-フェニル-グリシン、アミノ-ホモ-Phe、及びアミノチロシンから成る群から選択される。いくつかの実施態様では、ジペプチドプロドラッグ成分とともにアミド結合を形成する第一アミンはアリール基でパラ位に存在する。いくつかの実施態様では、芳香族アミンは下記式IIIの構造を含む:
ジペプチドプロドラッグ成分が、芳香族アミノ酸のアリール基に存在するアミンを介して本明細書に記載のペプチド又はアナローグに連結されるそれら実施態様に関して、例えば約1時間のt1/2を有するプロドラッグは下記構造を有し:
R1及びR2は別個にC1-C18アルキル又はアリールであり;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって4−12複素環式環を形成し;
R4及びR8は別個に、水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;さらに
R5はアミン又はヒドロキシルである。
R1及びR2は別個に、C1-C18アルキル又は(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7であり;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって4−12複素環式環を形成し;
R4及びR8は、別個に水素、C1-C18アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNH2又はOHであり;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択される。
R1は水素、C1-C18アルキル及び アリールから成る群から選択されるか、又はR1及びR2は-(CH2)p(式中pは2−9である)を介して連結され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって4−6複素環式環を形成し;
R4及びR8は、別個に水素、C1-C18アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R5はアミン又はN-置換アミンである。
いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸を介して連結されるジペプチドプロドラッグ成分を有し、例えば約6から約24時間のt1/2を有するプロドラッグが提供され、ここで該ジペプチドは下記構造を含み:
R1は、水素、C1-C18アルキル、(C1-C18アルキル)OH、(C1-C4アルキル)NH2及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6複素環式環を形成し;
R4及びR8は別個に、水素、C1-C18アルキル及び(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択され;
R5はNHR6であり;
R6はH、C1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択される。
R1及びR2、別個に水素、C1-C8アルキル及びアリールから成る群から選択され;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6複素環式環を形成し;
R4及びR8は各々水素であり;さらに
R5はアミン、N-置換アミン及びヒドロキシルから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、芳香族アミノ酸を介して連結されるジペプチドプロドラッグ成分を有し、例えば約72から約168時間のt1/2を有するプロドラッグが提供され、ここで該ジペプチドは下記構造を含み:
R1及びR2は別個に、水素、C1-C8アルキル、(C1-C4アルキル)COOH、及び (C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR1及びR5はそれらが結合する原子と一緒になって4−11複素環式環を形成し;
R3はC1-C18アルキルであるか、又はR3及びR4は、それらが結合する原子と一緒になって4−6複素環式環を形成し;
R4は水素であるか、またはR3とともに4−6複素環式環を形成し;
R8は水素であり;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はH又はC1-C8アルキルであるか、又はR6及びR1はそれらが結合する原子と一緒になって4、5又は6員の複素環式環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH、及びハロから成る群から選択される。
R1はH及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;
R2及びR4は別個に、H、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、CH2(C5-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合する原子と一緒になってC3-C6シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C8アルキル、(C3-C6)シクロアルキルから成る群から選択されるか、又はR4及びR3はそれらが結合する原子と一緒になって5又は6員複素環式環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はHであるか、又はR6及びR2はそれらが結合する原子と一緒になって5又は6員複素環式環を形成し;さらに
R7はH及びOHから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、R1はH又は C1-C8アルキルであり、R2は、H、C1-C6アルキル、CH2OH、(C1-C4アルキル)NH2、 (C3-C6シクロアルキル)及びCH2(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR6及びR2はそれらが結合する原子と一緒になって5員環複素環式環を形成し、R3は、C1-C6アルキルであり、R4は、H、C1-C4アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH及び(C0-C4アルキル)(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員複素環式環を形成する。さらに別の実施態様では、R3はCH3であり、R5はNHR6であり、さらにまた別の実施態様では、R3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員複素環式環を形成し、R5はNHR6である。
R1はH及びC1-C8アルキルから成る群から選択され;
R2及びR4は別個に、H、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH、(C2-C3アルキル)SCH3、(C1-C4アルキル)CONH2、(C1-C4アルキル)COOH、(C1-C4アルキル)NH2、(C1-C4アルキル)NHC(NH2 +)NH2、(C0-C4アルキル)(C3-C6シクロアルキル)、(C0-C4アルキル)(C6-C10アリール)R7、CH2(C5-C9ヘテロアリール)から成る群から選択されるか、又はR1及びR2はそれらが結合する原子と一緒になってC3-C6シクロアルキルを形成し;
R3は、C1-C8アルキル、(C3-C6)シクロアルキルから成る群から選択されるか、又はR4及びR3はそれらが結合する原子と一緒になって5又は6員複素環式環を形成し;
R5はNHR6又はOHであり;
R6はHであるか、又はR6及びR2はそれらが結合する原子と一緒になって5又は6員複素環式環を形成し;さらに
R7は、水素、C1-C18アルキル、C2-C18アルケニル、(C0-C4アルキル)CONH2、(C0-C4アルキル)COOH、(C0-C4アルキル)NH2、(C0-C4アルキル)OH及びハロから成る群から選択される。
いくつかの実施態様では、R1はH又はC1-C8アルキルであり、R2はH、C1-C6アルキル、CH2OH、(C1-C4アルキル)NH2、(C3-C6シクロアルキル)及びCH2(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR6及びR2はそれらが結合する原子と一緒になって5員複素環式環を形成し、R3は、C1-C6アルキルであり、R4は、H、C1-C4アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、(C1-C4アルキル)OH、(C1-C4アルキル)SH及び(C0-C4アルキル)(C6アリール)R7から成る群から選択されるか、又はR3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員複素環式環を形成する。さらに別の実施態様では、R3はCH3であり、R5はNHR6であり、さらにまた別の実施態様では、R3及びR4はそれらが結合する原子と一緒になって5員複素環式環を形成し、R5はNHR6である。
塩
いくつかの実施態様では、該グルカゴンアナローグは、塩(例えば医薬的に許容できる塩)の形態である。本明細書に用いられるように、“医薬的に許容できる塩”は、親化合物の生物学的活性を維持し、かつ生物学的に又は他の意味でも望ましくないものではない化合物の塩を指す。そのような塩は、該アナローグの最終的な単離及び精製中にin situで調製されるか、又は遊離塩基官能基と適切な酸との反応によって別々に調製することができる。本明細書に開示する化合物の多くは、アミノ及び/又はカルボキシル基又は前記に類似する基の存在ゆえに酸及び塩基塩を生成できる。
さらにまた、塩基性窒素含有基は、本開示のアナローグとともに、より低級なハロゲン化アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル及びブチルクロリド、ブロミド及びアイオダイド)として;長鎖ハロゲン化物(例えばデシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルクロリド、ブロミド及びアイオダイド)として;ハロゲン化アリールアルキル(例えばベンジル及びフェネチルブロミド並びに他のもの)として四級化できる。したがって水溶性若しくは油溶性又は分散性生成物を得ることができる。
いくつかの実施態様にしたがえば、本開示のグルカゴンアナローグ又は医薬的に許容できるその塩及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物が提供される。本明細書で用いられるように、“医薬的に許容できる担体”という用語には、任意の標準的な医薬担体、例えばリン酸緩衝食塩溶液、水、エマルジョン(例えば油/水又は水/油エマルジョン)及び多様なタイプの湿潤剤が含まれる。前記用語はまた、米国連邦政府の規制庁によって承認された、或いは、動物(人間を含む)での使用のために米国薬局方に列挙された任意の薬剤を包含する。
該医薬組成物は、医薬的に許容できる任意の成分を含むことができ、前記には例えば以下が含まれる:酸性化剤、添加物、吸着剤、エーロゾル発射薬、空気置換剤、アルカリ化剤、抗固化剤、抗凝固剤、抗菌性保存料、抗酸化剤、防腐剤、基剤、結合剤、緩衝剤、キレート剤、コーティング剤、着色剤、乾燥剤、洗剤、希釈剤、殺菌剤、崩壊剤、分散剤、分解促進剤、染料、保湿剤、乳化剤、エマルジョン安定化剤、充填剤、フィルム形成剤、香味増進剤、香料、流動促進剤、ゲル化剤、顆粒化剤、湿潤剤、滑沢剤、粘膜吸着剤、軟膏基剤、軟膏、油性ベヒクル、有機性基剤、錠剤基剤、色素、可塑剤、つや出し剤、保存料、金属イオン封鎖剤、皮膚浸透剤、可溶化剤、溶媒、安定化剤、座薬基剤、表面活性剤、界面活性剤、分散剤、甘味料、治療薬剤、膨張剤、張度調整剤、毒性剤、粘度増強剤、水分吸収剤、水混和性共存溶媒、水質軟化剤、又は湿潤剤。
投与経路に関する以下の考察は例示的実施態様の説明のために単に提供され、いかなる態様においても範囲を限定するものと解されるべきではない。
経口投与に適切な処方物は、(a)液体溶液(希釈剤(例えば水、食塩水又はオレンジジュース)に溶解させた有効量の本開示のアナローグ);(b)カプセル、サシェ、錠剤、ロゼンジ及びトローチ(各々は予め決定した量の活性成分を固体又は顆粒として含む);(c)散剤;(d)適切な液体中の懸濁物;及び(e)適切なエマルジョンから成り得る。液体処方物は、希釈剤、例えば水及びアルコール(例えばエタノール、ベンジルアルコール及びポリエチレンアルコール)を、医薬的に許容できる界面活性剤とともに又は前記を添加せずに含むことができる。カプセル形は通常の硬又は軟外皮ゼラチンタイプが可能であり、例えば界面活性剤、滑沢剤及び不活性充填剤(例えばラクトース、スクロース、リン酸カルシウム及びトウモロコシデンプン)を含む。錠剤形は以下の1つ以上を含むことができる:ラクトース、スクロース、マンニトール、トウモロコシデンプン、ジャガイノデンプン、アルギン酸、微晶質セルロース、アラビアゴム、ゼラチン、グアーゴム、二酸化ケイ素コロイド、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸及び他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、保湿剤、保存料、香料、及び他の薬理学的に適合し得る賦形剤。ロゼンジ形は、本開示のアナローグを香料(通常はスクロース)及びアラビアゴム又はトラガカント中に含むことができ、不活性基剤(例えばゼラチン及びグリセリン)又はスクロース及びアラビアゴム中に本開示のアナローグを含む香錠、当業界で公知の賦形剤をさらに含むエマルジョン、ゲルなどと同様である。
非経口処方物で用いることができる油には、石油、動植物又は合成油が含まれる。油の具体例には、落花生、大豆、ゴマ、綿実、トウモロコシ、オリーブ、ワセリン及び鉱物が含まれる。非経口処方物で使用される適切な脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸が含まれる。オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルが適切な脂肪酸エステルの例である。
さらにまた、本開示のアナローグを多様な基剤(例えば乳化基剤又は水溶性基剤)と混合することによって、直腸投与用座薬を製造できる。膣の投与に適切な処方物は、活性成分に加えて当業界で適切であることが公知である担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫、又はスプレー処方物として提供できる。
上記に記載した医薬組成物に加えて、本開示のアナローグは、内蔵複合物(例えばシクロデキストリン内蔵複合物)又はリポソームとして処方できることは当業者には理解されよう。
本開示のアナローグは、GIP受容体アゴニスト作用、GIP/GLP-1受容体コアゴニスト作用、GIP/グルカゴン受容体コアゴニスト作用又はGIP/GLP-1/グルカゴン受容体トリアゴニスト作用が役割を果たす、疾患又は症状を治療する方法で有用であると考えられる。本開示の目的のためには、投与される本開示のアナローグの量又は用量は、合理的な時間の間、対象者又は動物で、例えば治療的又は予防的応答を達成するために十分であるべきである。例えば、本開示のアナローグの用量は、本明細書に記載の細胞のcAMP分泌を刺激するために十分であるか、又は哺乳動物の血液グルコースレベル、脂肪レベル、食物摂取レベル、又は体重を、投与の時から約1から4分、1から4時間、又は1から4週間又はそれより長く、例えば5から20週間以上低下させるために十分であるべきである。例示的実施態様では、前記の期間はさらに長いこともあり得る。用量は、本開示の具体的なアナローグの有効性及び当該動物(例えば人間)の症状とともに治療される該当動物(例えば人間)の体重によって決定されるであろう。
投与用量を決定するための多くのアッセイが当業界で公知である。本明細書の目的のためには、ある用量のアナローグのある哺乳動物への投与時に血液グルコースレベルが低下した程度を、その各々に本開示のアナローグの種々の用量を投与した一組の哺乳動物間で比較する工程を含むアッセイを、ある哺乳動物に投与されるべき開始用量の決定に用いることができよう。一定の用量の投与時に血液グルコースレベルが低下する程度を、当業界で公知の方法(例えば実施例10として本明細書に記載する方法を含む)によってアッセイすることができる。
本開示のアナローグを多数の方法で改変して、本開示のアナローグの治療的及び予防的有効性を当該改変により高めることができることは当業者には容易に理解されるであろう。例えば、本開示のアナローグを直接的に又はリンカーを介して間接的に標的照準部分と複合物を形成させることができる。化合物(例えば本明細書に記載のグルカゴンアナローグ)を標的照準部分と複合物を形成させるための実際的手順は当業界で公知である。例えば以下を参照されたい:Wadhwa et al., J Drug Targeting, 3, 111-127, 1995;及び米国特許No.5,087,616。本明細書で用いられる“標的照準部分”という用語は、細胞表面受容体を特異的に認識しこれと結合する任意の分子又は薬剤を指し、したがって標的照準部分は、該受容体(グルカゴン受容体、GLP-1受容体)がその表面に発現される細胞集団への本開示のアナローグのデリバリーを指図する。標的照準部分には、抗体(又はそのフラグメント)、ペプチド、ホルモン、増殖因子、サイトカイン、及び他の天然又は非天然リガンドが含まれ(ただしこれらに限定されない)、前記は細胞表面の受容体(例えば上皮増殖因子受容体(EGFR)、T細胞受容体(TCR)、B細胞受容体(BCR)、CD28、血小板由来増殖因子受容体(PDGF)、ニコチン様アセチルコリン受容体(nAchR)など)と結合する。本明細書で用いられるように、“リンカー”は、2つの別個の実体を互いに結合させる、結合、分子又は分子基である。リンカーは、当該2つの実体の最適な空間配置を提供し得るか、或いは、さらに該2つの実体を互いに引き離すことを可能にする柔軟な連結を提供し得る。柔軟な連結には、光切断基、酸不安定性部分、塩基不安定性部分、酵素切断基が含まれる。いくつかの実施態様の“リンカー”という用語は、本開示のアナローグと標的照準部分を架橋する任意の薬剤又は分子を指す。本開示のアナローグの機能に必要ではない、本開示のアナローグ上の部位は、リンカー又は標的照準部分を結合させるための理想的な部位であることは当業者には理解されよう。ただし、該リンカー及び/又は標的照準部位は、いったん本開示のアナローグに結合されたら、当該アナローグの機能(すなわち細胞のcAMP分泌を刺激し、糖尿病又は肥満を治療する能力)に干渉しないことを条件とする。
また別には、本明細書に記載のグルカゴンアナローグはデポット形に改変することができ、したがって前記が投与された体内に本開示のアナローグが放出される態様は、時間及び身体内の位置に関して制御される(例えば米国特許4450150号を参照されたい)。本開示のアナローグのデポット形は、例えば本開示のアナローグ及び多孔質若しくは無孔性物質(例えばポリマー)を含む移植可能組成物であり得るが、ここで本開示のアナローグは、該物質によって内包されているか、又は該物質全体から又は無孔性物質の分解により拡散される。デポットは体内の所望の位置に移植され、本開示のアナローグは予め定められた速度で該移植物から放出される。
例示的特徴の医薬組成物は、任意のタイプのin vivo放出プロフィールを有するように改変される。いくつかの特徴では、医薬組成物は、即時放出、制御放出、持続放出、延長放出、先送り放出又は二相性放出処方物である。制御放出用ペプチドを処方する方法は当業界では公知である:例えば以下を参照されたい:Qian et al., J Pharm 374: 46-52, 2009;並びに国際特許出願公開No.WO2008/130158、No.WO2004/033036、No.WO2000/032218及びNo.WO 1999/040942。
本組成物はさらに、ミセル若しくはリポソーム、又はいくつかの他の内包形を含むか、又は延長放出形で投与して長期貯蔵及び/又はデリバリー効果を提供できる。開示の医薬処方物は任意の例えば以下を含む投薬プログラムにしたがって投与できる:毎日(1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回)、1週間に3回、1週間に2回、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、1週間毎、2週間毎、3週間毎、1ヶ月毎、又は2ヶ月毎。
本明細書に記載のグルカゴンアナローグは、単独で又は他の治療薬剤(本明細書に記載の疾患又は症状のいずれかの治療若しくは予防を目的とする)と併用して投与することができる。例えば、本明細書に記載のグルカゴンアナローグは、抗糖尿病薬又は抗肥満薬と(同時又は連続的に)共投与できる。当業界で公知又は研究中の抗糖尿病薬には以下が含まれる:インスリン、レプチン、ペプチドYY(PYY)、膵ペプチド(PP)、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)、Y2Y4受容体アゴニスト、スルホニルウレア、例えばトルブタミド(Orninase)、アセトヘキサミド(Dymelor)、トラザミド(Tolinase)、クロルプロパミド(Diabinese)、グリピジド(Glucotrol)、グリブリド(Diabeta, Micronase, Glynase)、グリメピリド(Amaryl)又はグリクラジド(Diamicron);メグリチリニド、例えばレパグリニド(Prandin)又はナテグリニド(Starlix);ビグアミド、例えばメトフォルミン(Glucopahge)又はフェンフォルミン;チアゾリジンジオン、例えばロシグリタゾン(Avandia)、ピオグリタゾン(Actos)、又はトログリタゾン(Rezulin)、又は他のPPARγ阻害剤;炭水化物消化を阻害するアルファグルコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール(Glyset)、アカルボース(Precose/Glucobay);エクセナチド(Byetta)又はプラムリンチド;ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤、例えばヴィルダグリプチン又はシタグリプチン;SGLT(ナトリウム依存グルコーストランスポーター1)阻害剤;グルコキナーゼ活性化因子(GKA);グルカゴン受容体アンタゴニスト(GRA);又はFBPase(フルクトース1,6-ビスホスファターゼ)阻害剤。
いくつかの実施態様における本明細書に記載のペプチドは、神経変性疾患(例えばパーキンソン病)の治療用薬剤と共投与される。さらにまた抗パーキンソン病薬は当業界で公知であり、レボドーパ、カルビドーパ、抗コリン作動薬、ブロモクリプチン、プラミペキソール及びロピニロール、アマタジン及びラサギリンが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
前述の見地から、本発明はさらに、これらの治療薬の1つを追加的に含む医薬組成物及びキットを提供する。本追加治療薬は、本開示のアナローグと同時に又は連続的に投与され得る。いくつかの特徴では、該アナローグは本追加治療薬の前に投与されるが、他の特徴では、該アナローグは本追加治療薬の後で投与される。
本明細書で初めて提供される情報に基づけば、本開示の組成物(例えば関連する医薬組成物)は、GIP受容体、GLP-1受容体又は両受容体における活性の欠如が疾患又は症状の開始及び/又は進行の要因である当該疾患又は症状の治療に有用であることが予想される。したがって、本開示は、GIP受容体活性化及び/又はGLP-1受容体活性化の欠如が疾患又は症状の開始及び/又は進行に密接に関係する当該疾患又は症状を患者で治療又は予防する方法を提供する。本方法は、本明細書に記載したいずれかの組成物又は複合物を、該疾患又は症状の治療又は予防に有効な量で患者に提供する工程を含む。
いくつかの実施態様では、該疾患又は症状は代謝性症候群である。代謝性症候群(代謝性症候群X、インスリン耐性症候群又はリーベン症候群としても知られている)、は5千万を超えるアメリカ人が罹患する疾患である。代謝性症候群は、典型的には以下のリスク因子の少なくとも3つ以上の集合を特徴とする:(1)腹部肥満(腹部又は腹部周辺の過剰な脂肪組織)、(2)アテローム発生性異常脂肪血症(dyslipidemia)(動脈壁におけるプラークの蓄積を亢進する、高トリグリセリド、低HDLコレステロール及び高LDLコレステロールを含む血液脂肪異常)、(3)血圧上昇、(4)インスリン耐性又はグルコース不耐性、(5)前血栓症状態(血中の高フィブリノゲン又はプラスミノゲンアクチベーター阻害因子-1)及び(6)前炎症状態(例えば血中のC-反応性タンパク質の上昇)。他のリスク因子には加齢、ホルモンの不均衡及び遺伝的素因が含まれ得る。
本明細書の目的のためには、ある個体が、2001年の国のコレステロール教育プロジェクト成人治療会議又はWHOで示された基準の一方又は両方の基準に合致するならば、当該個体は代謝性症候群に罹患しているとみなされる。
いくつかの実施態様では、該方法は高血糖の症状を治療する。例示的特徴では、高血糖の症状は、糖尿病、I型真性糖尿病、II型真性糖尿病、又は妊娠期糖尿病(インスリン依存性又はインスリン非依存性のいずれか)である。いくつかの特徴では、該方法は、1つ以上の糖尿病合併症(腎症、網膜症及び血管疾患を含む)を軽減することによって高血糖の症状を治療する。
いくつかの特徴では、該疾患又は症状は肥満である。いくつかの特徴では、肥満は薬剤誘発肥満である。いくつかの特徴では、該方法は、患者で体重増加を予防若しくは軽減するか、体重減少を促進することによって肥満を治療する。いくつかの特徴では、該方法は、食欲を低下させるか、食物摂取を減少させるか、患者の脂肪レベルを低下させるか、又は胃腸管系を通過する食物の移動速度を低下させることによって肥満を治療する。
肥満は他の疾患の開始又は進行と密接に関係するので、肥満を治療する方法は、肥満と密接に関係する合併症を軽減する方法においてさらに有用である。前記合併症には、血管疾患(冠状動脈疾患、卒中、末梢血管疾患、虚血再灌流など)、高血圧、II型糖尿病の開始、高脂血症及び筋骨格疾患が含まれる。したがって、本開示は、これらの肥満関連合併症を治療又は予防する方法を提供する。
本明細書で用いられるように、グルカゴンペプチドの“有効な”量又は“治療的に有効な量”は、無害であるが所望の作用を提供するために十分なペプチドの量を指す。例えば、1つの所望される作用は、例えば血液グルコースレベルの増加によって測定されるように、低血糖の予防又は治療であろう。本開示のグルカゴンペプチドのまた別の所望される作用は、例えば血液グルコースレベルの正常への接近によって測定されるように、高血糖の治療、又は例えば体重の減少によって測定されるように、体重減少の誘発/体重増加の予防、又は体重の増加の予防若しくは軽減、又は体脂肪分布の正常化を含むであろう。“有効”な量は、個体の年齢及び一般的状態、投与態様などに応じて対象毎に変動するであろう。したがって、常に正確な“有効量”を特定できるとは限らない。しかしながら、任意の個体における適切な“有効”量を当業者は日常的な実験を用いて決定することができる。
上記の治療方法に関して、患者は任意の宿主である。いくつかの実施態様では、宿主は哺乳動物である。本明細書で用いられるように、“哺乳動物”は、哺乳類クラスの任意の脊椎動物を指し、単孔類動物、有袋類動物、及び胎盤動物分類群のいずれかが含まれるがただしこれらに限定されない。いくつかの実施態様では、哺乳動物は、ネズミ目(例えばマウス及びハムスター)の哺乳動物及びウサギ目の哺乳動物(例えばウサギ)の1つである。例示的実施態様では、哺乳動物は、食肉目(ネコ科の動物(ネコ)及びイヌ科の動物(イヌ)を含む)由来である。例示的実施態様では、哺乳動物は、ウシ目(ウシ科の動物(乳牛)及びブタ類(ブタ)を含む)由来、又はウマ目(ウマ科の動物(ウマ)を含む)である。いくつかの事例では、哺乳動物は、霊長目、セボイド目又はシモイド目(サル)であるか、又はアンスロポイド目(ヒト及び類人猿)である。具体的な実施態様では、哺乳動物はヒトである。
本開示のグルカゴンアナローグは、ある実施態様にしたがえばキットの部分として提供され得る。したがって、いくつかの実施態様では、その必要がある患者にグルカゴンアナローグを投与するためのキットが提供され、ここで該キットは本明細書に記載のグルカゴンアナローグを含む。
ある実施態様では、キットは、対象にグルカゴンアナローグを投与する装置とともに提供される。いくつかの特徴の装置は、注射針、ペンデバイス、ジェットインジェクター又は他の無針インジェクターである。また別に或いは追加で、キットは1つ以上の容器(例えばバイアル、管、ビン)、予め充填された一チャンバー若しくはマルチチャンバー付き注入器、カートリッジ、輸液ポンプ(外付け又は移植可能)、ジェットインジェクター、予め充填されたペンデバイスなど(場合によって凍結乾燥形又は水溶液中のグルカゴンアナローグを含む)を含むことができる。いくつかの実施態様のキットは使用のための指示を含む。ある実施態様にしたがえば、キットの装置はエーロゾルディスペンス装置であり、該エーロゾル装置内に組成物が予め詰められている。別の実施態様では、キットは注入器及び針を含み、ある実施態様では、無菌的なグルカゴン組成物が該注入器に予め詰められている。
いくつかの実施態様のキットは使用のための指示を含む。いくつかの特徴の指示は、本明細書に記載の方法のいずれかにしたがって使用するための指示を含む。該指示は、健康的な食事及び/又は運動プログラムを維持するための指示を追加的に含むことができる。指示は紙製パンフレットの形態でも、電子形態(例えば該指示を含むコンピュータ読み出し可能保存装置)でもよい。
以下の実施例は本発明を単に説明するために提供され、いかなる態様においてもその範囲を制限するものではない。
実施例
グルカゴンのペプチドフラグメントの合成
材料:
特段の指示がなければ本明細書で実施例に記載した全てのペプチドがアミド化された。
MBHA樹脂(4-メチルベンゾヒドリルアミンポリスチレン樹脂)をペプチド合成の間ずっと用いた。MBHA樹脂(100−180メッシュ、1%DVB架橋ポリスチレン;ローディング0.7−1.0mmole/g)、Boc保護及びFmoc保護アミノ酸はミッドウエストバイオテク(Midwest Biotech)から購入した。アプライドバイオシステム430Aペプチド合成装置(Applied Biosystem 430A Peptide Synthesizer)により、Boc保護アミノ酸を用いる固相ペプチド合成を実施した。Fmoc保護アミノ酸合成は、アプライドバイオシステムズモデル433ペプチド合成装置を用いて実施した。
これらのアナローグの合成を、アプライドバイオシステムモデル430Aペプチド合成装置を用いて実施した。合成ペプチドは、2mmolのBoc保護アミノ酸を含むカートリッジにアミノ酸を連続付加することによって構築された。具体的には、Boc DEPBT活性化一カップリングを用いて合成を実施した。カップリング工程の最後に、ペプチジル樹脂をTFAで処理し、N-末端Boc保護基を除去した。前記をジメチルホルムアミド(DMF)で繰り返し洗浄し、この反復サイクルを所望のカップリング工程数について繰り返した。アッセンブリー後に、側鎖保護Fmocを20%のピペリジン処理によって除去し、さらにDICを用いてアシル化を実施した。ジクロロメタン(DCM)を用いて、全合成終了時にペプチジル樹脂を乾燥させ、無水HFにより樹脂からペプチドを切断した。
ラクタム化のために、直交保護基をGlu及びLysのために選択した(例えばGlu(Fm)、Lys(Fmoc))。保護基の除去後かつHF切断前に、以前に記載したように環化を実施した(例えば国際特許出願公開No.WO2008/101017を参照されたい)。
ペプチジル樹脂を無水フッ化水素(HF)で処理し、それによって典型的には約350mg(約50%の収量)の粗脱保護ペプチドが得られた。具体的には、切断のためにペプチジル樹脂(30mgから200mg)をHF反応容器に入れた。カルボニウムイオンスカベンジャーとして500μLのp-クレゾールを該容器に加えた。この容器をHF系に結合させ、メタノール/ドライアイス混合物中に沈めた。該容器を真空ポンプで空にし、さらに10mLのHFを反応容器に向けて蒸留した。ペプチジル樹脂及びHFのこの反応混合物を0℃で1時間攪拌し、その後真空を確立させ、HFを迅速に除いた(10−15分)。容器を注意深く取り出し、約35mLのエーテルを満たしてペプチドを沈殿させ、さらにp-クレゾール及びHFから生じた小分子有機保護基を抽出した。テフロンフィルターを利用してこの混合物をろ過し、2回繰り返して過剰なクレゾールを全て除去した。このろ液を廃棄した。沈殿ペプチドを約20mLの10%酢酸(aq)に溶解させた。このろ液(所望のペプチドを含む)を集めて凍結乾燥した。
下記の条件下でこの粗溶解ペプチドの分析用HPLCによる分析を実施した[4.6x30 mm Xterra C8、1.50mL/分、220nm、A緩衝液:0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/10%アクリロニトリル(CAN)、B緩衝液:0.1% TFA/100% CAN、15分かけて勾配5−95%B]。抽出物を水で2倍に稀釈し、2.2x25cmのVydac C4調製用逆相カラムにロードし、下記のWaters HPLC系でアセトニトリル勾配を用いて溶出させた(A緩衝液:0.1% TFA/10% CAN、B緩衝液:0.1% TFA/10% CAN、15.00mL/分の流速で120分かけて勾配0−100% B)。精製ペプチドのHPLC分析は95%を超える純度を示し、エレクトロスプレーイオン化質量分析を用いてこのペプチドの実体を確認した。
アシル化ペプチドを以下のように調製した。CS Bio4886ペプチド合成装置(CS Bio 4886 Peptide Synthesizer)又はアプライドバイオシステムズ430Aペプチド合成装置のどちらかを用い、固相樹脂によりペプチドを合成した。文献(Schnolzer et al., Int.J.Peptide Protein Res.40: 180-193, 1992)に記載されたようにin situ中和化学を用いた。アシル化ペプチドのために、アシル化される標的アミノ酸残基(配列番号:3のアミノ酸の位置の番号付けと対比して例えば10位)を、Nε-FMOCリジン残基で置換した。N-末端BOC保護が完了したペプチドのDMF中の20%ピペリジンによる30分間の処理は、FMOC/ホルミル基を除去した。遊離ε-アミノリジン残基とのカップリングは、10倍モル過剰のFMOC保護スペーサーアミノ酸(例えばFMOC-Glu-OtBu)又はアシル鎖(例えばCH3(CH2)14-COOH)のどちらか、及びDMF/N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)中のPyBOP又はDEPBTカップリング試薬をカップリングさせることによって達成した。スペーサーアミノ酸のFMOC基のその後の除去に続いてアシル鎖とのカップリングを繰り返す。100%のTFAによる最後の処理は一切の側鎖保護基及びN-末端BOC基の除去をもたらす。ペプチド樹脂を5% DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いて1時間0℃でHF/p-クレゾール(95:5)を用いて支持体から切断した。エーテル抽出に続いて、5%の酢酸(HOAc)溶液を用い粗ペプチドを溶媒化した。続いてこの溶液のサンプルが正確な分子量のペプチドを含むことをESI-MSによって立証した。10%のアセトニトリル(CH3CN)/0.1%TFAから100%CH3CN中の0.1%TFAの直線状勾配を用いるRP-HPLCによって正確なペプチドを精製した。Vydac C18 22 mmx250 mmのタンパク質カラムを精製に用いた。アシル化ペプチドアナローグは20:80の緩衝液比でおおむね溶出が完了した。複数の部分を一緒にプールし、分析用RP-HPLCで純度をチェックした。純粋な分画を凍結乾燥し、白色固体のペプチドを得た。
下記は例示的なアシル化Lys残基で、ここではアシル基はγ-Glu-γ-Gluジペプチドスペーサーを介して結合されている。
ペプチドがラクタム架橋及びアシル化される標的残基を含む場合、アシル化は、ペプチド骨格に当該アミノ酸を付加するときに上記のように実施される。
二重アシル化又は二アシル化は下記のように実施される。ペプチドは、CS Bio4886ペプチド合成装置又はアプライドバイオシステムズ430Aペプチド合成装置のどちらかを用い、固相樹脂で合成される。文献(Schnolzer et al., Int.J.Peptide Protein Res.40: 180-193, 1992)に記載されたようにin situ中和化学が用いられる。二部位二重アシル化ペプチドのためには、アシル化される標的アミノ酸残基(配列番号:3のアミノ酸の位置の番号付けと対比して例えば10位及び40位)を、Nε-FMOCリジンで置換する。N-末端BOC保護が完了したペプチドのDMF中の20%ピペリジンによる30分間の処理は、FMOC/ホルミル基を除去する。遊離ε-アミノLys残基とのカップリングは、10倍モル過剰のFMOC保護スペーサーアミノ酸(例えばFMOC-Glu-OtBu)又はアシル鎖(例えばCH3(CH2)14-COOH)のどちらか、及びDMF/ DIEA中のPyBOP又はDEPBTカップリング試薬をカップリングさせることによって達成する。スペーサーアミノ酸のFMOC基のその後の除去に続いてアシル鎖とのカップリングを繰り返す。100%のTFAによる最後の処理は一切の側鎖保護基及びN-末端BOC基の除去をもたらす。ペプチド樹脂を5% DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いて1時間0℃でHF/p-クレゾール(95:5)を用いて支持体から切断する。エーテル抽出に続いて、5%のHOAc溶液を用い粗ペプチドを溶媒化する。続いてこの溶液のサンプルが正確な分子量のペプチドを含むことをESI-MSによって立証する。10%のCH3CN/0.1%TFAから100%CH3CN中の0.1%TFAの直線状勾配を用いるRP-HPLCによって正確なペプチドを精製する。Vydac C18 22 mmx250 mmのタンパク質カラムを精製に用いた。アシル化ペプチドアナローグは20:80の緩衝液比でおおむね溶出が完了する。複数の部分を一緒にプールし、分析用RP-HPLCで純度をチェックする。純粋な分画を凍結乾燥し、白色固体のペプチドを得る。
0.28gm(0.2mmole)のmbha-樹脂(Midwest Biotech)を反応容器に入れ、Bocアミノ酸のDEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いCSBio336合成装置で下記の配列をアッセンブリーした:Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha樹脂。
このBoc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、20%ピペリジン/DMFで室温にて10分処理した。樹脂をろ過し、DMFで3回洗浄し、FmocLys(ivDde)-OH(EMD-Novabiochem)の活性化溶液を添加した(前記溶液は4.0mLの0.5M DEPBT/DMFに2mmoleのFmocLys(ivDde)を溶解することによって以前に調製し、さらに0.35mL(2mmole)のDIEAを添加した)。
このペプチド樹脂を室温で16時間混合し、続いてろ過し、DMFで洗浄し、さらに20%のピペリジン/DMFで10分間処理した。樹脂をろ過し、DMFで数回洗浄し、FmocGlu-OBzlの活性化溶液を添加した(前記溶液は4.0mLの0.5M DEPBT/DMFに2mmoleのFmocGlu-OBzlを溶解することによって以前に調製し、さらに0.35mL(2mmole)のDIEAを添加した)。反応物を1時間室温で混合し、続いてろ過し、さらに樹脂をDMFで洗浄した。20%のpip/DMFによるもう1回の処理の後、樹脂をDMFで数回洗浄し、パルミチン酸の活性化溶液を添加し、40位のLys側鎖のα-アミンのアシル化を完了させた(前記溶液は4.0mLの0.5M DEPBT/DMFに2mmoleのパルミチン酸を溶解し、さらに0.35mL(2mmole)のDIEAを添加することによって以前に調製した)。反応物を1時間混合した。
分画83−86を一緒にし、凍結及び凍結乾燥させて22.3mgのペプチド(配列番号:211)を純度90%+で得た。理論的分子量=5202.9、ESI観察質量=5202.0。
スクシノイル化ペプチドは下記のように調製される。ペプチドは、CS Bio4886ペプチド合成装置又はアプライドバイオシステムズ430Aペプチド合成装置のどちらかを用い、固相樹脂で合成される。文献(Schnolzer et al., Int.J.Peptide Protein Res.40: 180-193, 1992)に記載されたようにin situ中和化学が用いられる。スクシノイル化ペプチドのために、アシル化されるべき標的アミノ酸残基(配列番号:3のアミノ酸の位置の番号付けと対比して例えば10位)を、Nε-FMOCリジン残基で置換する。N-末端BOC保護が完了したペプチドのDMF中の20%ピペリジンによる10分間の処理は、FMOC/ホルミル基を除去した。樹脂をろ過し、DMF/DCMで洗浄し、さらにDCMに再懸濁させる。遊離ε-アミノLys残基とのカップリングは、10倍モル過剰の無水n-ヘキサデシルコハク酸(TCl)を4-ジメチルアミノピリジンとともにカップリングさせることによって達成する。樹脂を一晩混合し、ろ過し、DCMで洗浄し、さらに50%のTFA/DCMで処理して、一切の側鎖保護基及びN-末端BOCを除去する。ペプチド樹脂を5% DIEA/DMFで中和し、乾燥させ、続いて1時間0℃でHF/p-クレゾール(95:5)を用いて支持体から切断する。エーテル抽出後に、5%のHOAc溶液を用い粗ペプチドを溶媒化する。続いてこの溶液のサンプルをHPLC分析によって実証する。精製のために、残りの酢酸溶液を10x250mm Amberchrom XT20カラムにロードする。TFA水/ACNグラディエントを流し、その間分画を収集し、214nmでUVモニタリングを実施する。純粋な分画を凍結乾燥し、固体のペプチドを得る。
0.28gm(0.2mmole)のmbha-樹脂(Midwest Biotech)を反応容器に入れ、DEPBT/DIEA 活性化一カップリングを用いCSBio336合成装置で下記の配列をアッセンブリーした:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha樹脂。
大ざっぱに、1/3のBoc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、20%ピペリジン/DMFで室温にて10分処理した。樹脂をろ過し、DMFで3回、ジクロロメタンで2回洗浄し、10mLのDCMに再懸濁した。324mg(1mmole)の無水n-ヘキサデシルコハク酸(TCl)を2−3mgの4-ジメチルアミノピリジン(Aldrich)と一緒に添加した。
この樹脂をろ過前に室温で一晩混合し、DCMで2回洗浄し、さらに50%のTFA/DCMで1−2分処理した。樹脂をろ過し、DCMで数回洗浄し、5%のDIEA/DCMで洗浄することによって中和し、HF反応容器に移した。HF切断は、5mLの液体フッ化水素及び0.5mLのp-クレゾールスカベンジャーを用いて実施した。氷浴中で1時間攪拌した後、HFを真空で除去し、残留物をエチルエーテルに再懸濁した。半融ガラスロートを用いて懸濁物をろ過し、固体をエーテルで洗浄し、さらにペプチドを15mLの酢酸水(50%)で抽出した。HPLC(4.6x50mm Zorbax SB-C8、1ml/分、45℃、214nm;A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、勾配=10分かけて30%Bから90%B)での分析後、精製のために切断抽出物を21.2x250mm Amberchrom XT20カラムにロードした。aqTFA/アセトニトリルグラディエントを流し、その間分画を収集し、UV吸収をモニタリングした。分画55−56が単一成分であると同定され、凍結及び凍結乾燥した。90%+の純度を有する32.5mgが回収された(DLS-027-68B)。理論的分子量=4720.3、ESI観察質量=4717.0。
アルキル化(例えばS-アルキル化)ペプチド(グルカゴンAib2 E16 A18 L27 D29 Cex Cys40(S-2パルミチル)アミド(配列番号:164のアミノ酸配列を有する))の合成例は下記でさらに説明する。
0.28gm(0.2mmole)のmbha-樹脂(Midwest Biotech)をCSBio反応容器に入れ、Bocアミノ酸及びDEPBT/DIEA 活性化一カップリングを用いCSBio336合成装置で下記の配列をアッセンブリーした:HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSC-アミド。
ペプチド樹脂をHF反応容器に移し、10mLの液体フッ化水素及び1mLのp-クレゾールスカベンジャーを用いてHF切断を氷浴中で1時間実施した。HFを蒸発させた後、残留物をエチルエーテルに再懸濁し、ペプチド及び樹脂を半融ガラスロートでろ過した。エチルエーテルで洗浄し迅速に風乾した後、ペプチドを50%酢酸水で抽出した。HPLC(4.6x50mm Zorbax SB-C8、1ml/分、45℃、214nm;A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、10分かけて30%から90%B)による分析後、切断抽出物を水で3−4に稀釈し、精製のために22.2x250mm Amberchrom XT20カラムにaqTFA/CANグラディエントを用いてロードした。最初のプールを同じカラムで再度精製し、95%の純度を有する79mgを得た。理論的分子量=4313.7、ESI観察質量=4312.0。
ペプチドがC-末端にCys残基の代わりにLys残基を含むとき、最初がLysである骨格を有するペプチドを製造できる。N-アルキル化される標的アミノ酸残基はNε-FMOCリジン残基で置換される。N-末端BOC保護が完了したペプチドを30分間DMF中の20%ピペリジンで処理すると、Lys残基からFMOC/ホルミル基が除去される。Cys残基を遊離ε-アミノリジン残基にカップリングする。続いてこのCys残基を上記に記載したように2-ヨードパルミチン酸との反応によりアルキル化する。
ミニPEGスペーサーによるアシル化ペプチド(配列番号:89のアミノ酸配列を有するペプチド)の合成例を下記に記載する。
0.28gm(0.2mmole)の4-メチルベンゾヒドリルアミン(mbha)樹脂(Midwest Biotech, Inc., Fishers, IN)を反応容器に入れ、Bocアミノ酸及び3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-3H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-4-オン/N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DEPBT/DIEA)活性化一カップリングを用いCSBio336合成装置で下記の配列をアッセンブリーした:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha
大ざっぱに、1/3のBoc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、20%ピペリジン/ジメチルホルムアミドで室温にて10分間処理した。樹脂をろ過し、ジメチルホルムアミド(DMF)で数回洗浄し、FmocアミドPEG4の活性化溶液を添加した(前記溶液は2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに487.5mg(1.0mmole)のN-FmocアミドdPEG4酸(Peptides International, Louisville, KY)を溶解し、さらに0.175mL(1mmole)のジイソプロピルエチルアミンを添加することによって以前に調製されていた)。反応物を室温で約1時間混合した。
ペプチド樹脂をろ過し、DMFで洗浄し、再度20%ピペリジン/DMFで10分間処理した。樹脂をろ過し、DMFで数回洗浄し、FmocGlu-OBzlの活性化溶液を添加した(前記溶液は2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに470mg(1mmole)のFmocGlu-γ-OBzl(Aapptec, Louisville, KY)を溶解しさらに0.175mL(1mmole)のDIEAを添加することによって以前に調製されていた)。反応物を室温で1時間混合した。
ペプチド樹脂を再びろ過し、DMFで洗浄し、20%ピペリジン/DMFで室温にて10分間処理した。樹脂をろ過し、DMFで数回洗浄し、パルミチン酸の活性化溶液を添加した(前記溶液は2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに256mg(1mmole)のパルミチン酸(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)を溶解しさらに0.175mLのDIEAを添加することによって以前に調製されていた)。反応物を室温で1時間混合した。
同じ手順を異なるN-FmocアミドdPEG酸を用いて繰り返した。ある例では、N-FmocアミドdPEG8酸(Peptides International, Louisville, KY)を用い、別の例では、N-FmocアミドdPEG2酸(Peptides International, Louisville, KY)を用いた。
ジスルフィドダイマーペプチドの合成例を下記で述べる。
0.28gm(0.2mmole)のmbha-樹脂(Midwest Biotech)をCSBio反応容器に入れ、Bocアミノ酸及びDEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いCSBio336合成装置で下記の配列をアッセンブリーした:Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-アミド
このBoc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、20%ピペリジン/DMFで室温にて10分処理した。樹脂をろ過し、DMFで完全に洗浄し、FmocCys(Trt)の活性化溶液でアシル化した(前記溶液は4.0mLの0.5M DEPBT/DMFに1.17gm(2mmole)のFmocCys(Trt)-OH(Aapptec)を溶解し、さらに0.35mL(2mmole)のジイソプロピルエチルアミンを添加することによって以前に調製されていた)。反応を室温で2時間混合し、続いてろ過し、DMFで洗浄し、さらに同じ手順を用いて、FmocGlu-OBzlを、続いてパルミチン酸を添加した。
最後に、樹脂をろ過し、DMF、ジクロロメタンで洗浄し、さらに50%TFA/DCMで1−2分間処理した。5%のDIEA/DCMで中和した後で、樹脂をHF反応容器に移し、10mLの液体フッ化水素及び1mLのp-クレゾールスカベンジャーを用いて氷浴中で1時間HF切断を実施した。HFを蒸発させた後、残留物をエチルエーテルに懸濁し、ペプチド及び樹脂を半融ガラスロートでろ過した。エチルエーテルで洗浄し迅速に風乾した後で、ペプチドを50%の酢酸水で抽出した。HPLC(4.6x50mm Zorbax SB-C8、1ml/分、45℃、214nm;A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、10分かけて30%から90%B)による分析後、切断抽出物を水で3−4に稀釈し、精製のためにaqTFA/アセトニトリルグラディエントを用い21.2x250mm Amberchrom XT20カラムにロードした。精製分画64−67を一緒にし、凍結及び凍結乾燥して90%+のHPLC純度を有する物質58.7mgを得た。
DLS-027-97A 理論的分子量=4866.48、ESI観察質量=4864.0
HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Cys(SH)γE-C16)G-アミド
反応混合物を20mLの0.1%TFAで稀釈し、10x250mm Amberchrom XT20カラムにロードした。0.1%TFA/アセトニトリルグラディエントを用いて精製を実施し、その間220nmでUV吸収をモニターした。分画68−72を一緒にし、凍結乾燥させて5.5mgの精製ダイマーを得た。
HPLC純度は90%+であった。理論的分子量=9743.99、MALDI観察質量=9745.1。DLS-027-98B。
チオエーテルダイマーの合成例を下記で述べる。
0.28gm(0.2mmole)のmbha-樹脂(Midwest Biotech)をCSBio反応容器に入れ、DEPBT/DIEA活性化一カップリングを用いCSBio336合成装置で下記の配列をアッセンブリーした:
Boc-HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Fmoc)G-mbha
1/3のBoc保護ペプチド樹脂を手動反応容器に移し、20%ピペリジン/DMFで室温にて10分処理した。数回DMFで洗浄した後、BocDap(Fmoc)の活性化溶を添加した(前記溶液は2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに426mg(1mmole)のBocDap(Fmoc)-OH(Chem-Impex)を溶解し、さらに0.175mL(1mmole)のDIEAを添加することによって以前に調製されていた)。反応を室温で2時間混合し、ろ過し、DMFで洗浄し、さらに上記のように20%ピリジン/DMFで再処理した。DMFで洗浄後、樹脂をブロモ酢酸の活性化溶液でアシル化した(前記溶液は2.0mLの0.5M DEPBT/DMFに139mg(1mmole)のブロモ酢酸(Aldrich)を溶解し、さらに0.175mLのDIEAを添加することによって以前に調製されていた)。反応を室温で1−2時間混合し、続いてろ過し、さらに樹脂をDMFで、その後DCMで洗浄した。このペプチド樹脂を50%TFA/DCMで室温にて2分間処理し、続いてろ過し、DCMで洗浄し、5%DIEA/DCMで中和した。出来上がったペプチド樹脂をHF反応容器に移し、5mL液体フッ化水素/0.5mL p-クレゾールを用いてHF切断を実施した。氷浴中で1時間攪拌した後でHFを蒸発させ、残留物をエチルエーテルに懸濁した。樹脂/ペプチド混合物を半融ガラスロートでろ過し、エーテルで洗浄した。このペプチドを50%酢酸水で抽出し、粗生成物をHPLCで分析した:4.6x50mm Zorbax SB-C8、1ml/分、45D℃、214nm;A=0.1%TFA、B=0.1%TFA/90%ACN、勾配=10分かけて30%Bから90%B。切断抽出物を21.2x250mm Amberchrom XT20カラムにロードし、TFA水溶液/アセトニトリルグラディエントを用いて精製を実施し、その間220nmでUV吸収をモニターした。分画48−53を一緒にし、凍結及び凍結乾燥して、K40(Dap-Brアセチル)を有する配列番号:89のペプチド18mgを得た。純度=90%+。理論的分子量=4602.8、ESI観察質量=4616.0。
HaibQGTFTSDYSKYLDERAAQDFVQWLLDGGPSSGAPPPSK(Dap-BrAcetyl)G-アミド
上記のK40(Dap-Brアセチル)ペプチドの15mg(3.2μmole)及び配列番号:89 K40(CysγE-C16)のペプチド15mgを、3.0mLの7M尿素/0.05Mトリス(pH8.6)に溶解し、室温で混合し、その間反応の進行をHPLCでモニターした。30分後、出発物質の大半がピーク高で減少し、一方新しいピークが主要成分になった。反応混合物を25mLのTFA(0.1%)で稀釈し、精製のために10x250mm Amberchrom XT20カラムにロードした。水性TFA/アセトニトリルグラディエントを流し、その間220nmでUV吸収をモニターした。分画57−61を一緒にし、凍結及び凍結乾燥して、7.1mgのチオエーテルダイマーを得た。HPLC純度=90%+。理論的分子量=9401.4、MALDI観察質量=9402.8。
ペプチドのペジル化のために、40kDaのメトキシポリ(エチレングリコール)ヨードアセトアミド(NOF)を等モル濃度のペプチド(7M尿素、50mMトリスHCl緩衝液)と反応させた(ペプチドとPEGの両方を透明な溶液に溶解させるために必要とされる最少量(2−3mgのペプチドを用いる反応には一般的には2mL未満)の溶媒を用いた)。室温での4−6時間の激しい攪拌を開始し、反応を分析用RP-HPLCによって分析した。ペジル化生成物は、保持時間が短く出発物質とは明白に異なって見えた。精製は、最初のペプチド精製に用いた条件と類似する条件でVydac C4カラムで実施した。溶出は50:50の緩衝液比辺りで生じた。純粋なペジル化ペプチドの分画を見つけて凍結乾燥した。収量は反応毎に変動しつつ50%を超えていた。
質量スペクトルは、標準的なESIイオン源を有するSciex API-IIIエレクトロスプレー四極子質量分析計を用いて得られた。用いたイオン化条件は以下のとおりであった:陽イオンモードのESI;イオンスプレー電圧、3.9kV;オリフィス電位、60V。使用されるネブライズ及びカーテンガスは.9L/分の流速の窒素である。質量スペクトルは、0.5Th/step及び2msecの残存時間で600−1800Thomsonまで記録した。サンプル(約1mg/mL)を1%酢酸含有50%アセトニトリル水溶液に溶解し、外部注入器ポンプによって5μL/分の速度で導入した。
ペプチドをPBS溶液中でESIMSによって分析するときは、先ず初めに、製造業者(Millipore Corporation, Billerica, MA;以下を参照されたい:the Millipore website of the world wide web at millipore.com/catalogue.nsf/docs/C5737)の提供する指示にしたがい、それらペプチドを0.6μLのC4樹脂を含むZip Tip固相抽出チップを用いて脱塩した。
これらの粗ペプチドを用いて予備的分析を実施し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びMALDI分析を用いてリン酸緩衝食塩水(PBS)緩衝液(pH7.2)におけるそれらの相対的変換速度の概算値を得た。粗ペプチドサンプルをPBS緩衝液に1mg/mLの濃度で溶解した。生成溶液の1mLを1.5mLのHPLCバイアルに保存し、前記に蓋をして37℃でインキュベートした。100μLのアリコットを種々の時間間隔で抜き取り、室温に冷却してHPLCで分析した。
HPLC分析は、214nmでUV検出装置を用いベックマンシステムゴールドクロマトグラフィー(Beckman System Gold Chromatography)系で実施した。HPLC分析は150 mmx4.6 mm C18 Vydacカラムで実施した。流速は1mL/分であった。溶媒Aは蒸留水中に0.1%TFAを含み、溶媒Bは90%CH3CN中に0.1%TFAを含んでいた。直線状勾配を利用した(15分で40%から70%B)。データを収集し、ピークシンプルクロマトグラフィー(Peak Simple Chromatography)ソフトウェアを用いて分析した。
加水分解の初期速度を用いて対応するプロドラッグの分解の速度定数を測定した。プロドラッグ及び薬剤の濃度をそれぞれそれらのピーク面積から概算した。プロドラッグの一次分解速度定数を種々の時間間隔におけるプロドラッグの濃度の対数をプロットすることによって決定した。このプロットの勾配は定数“k”を提供する。続いて種々のプロドラッグの分解半減期を、式t1/2=.693/kを用いて計算した。
Fmoc法を用いるグルカゴン物質のペプチドフラグメントの合成:
全てのペプチドは特段の指定がなければアミド化し、テンタゲル(Tentagel)S RAM-Rink樹脂(90um;0.26mmol/gをローディング)により合成した。Fmoc保護アミノ酸及び樹脂はノババイオケム(Novabiochem)から購入した。固相ペプチド合成は、 CS Bio CS136XTペプチド合成装置で実施した。
ペプチド合成(Fmoc法):
アミノ酸溶液(0.05Mol/LのHOBt含有NMP中で0.33Mol/L)を混合容器に連続的に添加することによって合成ペプチドを構築した。具体的には、一カップリングによるCOMU/DIPEA活性化(4eqアミノ酸、4eq COMU、8eq DIPEA)を用い合成を実施した。カップリング工程の最後に(RTでは標準的時間は30分)、ペプチド-樹脂をピペリジン溶液(DMFに40%、1x10分+2x5分)で処理し、N-末端Fmoc保護基を除去した。樹脂をジメチルホルムアミド(DMF)で繰り返し洗浄し、この合成サイクルをカップリング工程の所望する回数繰り返す。18eq過剰のDMF中の無水酢酸/DIPEAでRTにて30分処理することによってN-キャップペプチドを生成した。
アシル化ペプチド
アシル化基(例えばC16)を結合させるために、上記に記載した標準的な条件を用い、ペプチド配列の所望の位置にDde-Lys(Fmoc)-OHを導入した。定量的カップリング後に、Fmoc基をDBU/DMFによって除去した(2%DBU/DMF処置3x3分の連続流、DMFで反復洗浄、前記手順を5回繰り返す)。アシル化基のカップリングは上記に記載のカップリング条件を用いて実施した。アシル化基の定量的カップリング後に、DMF2%中の20%ヒドラジン一水和物(64%)でN-末端Dde保護基を除去した(5x3分、連続流、DMFで反復洗浄)。残りのカップリング工程は上記のように実施した。
ペプチド切断及び脱保護
全合成の終了時に、ペプチジル樹脂をジクロロメタン(DCM)で洗浄し、試薬K(TFA/チオアニソール/水/フェノール/TIS;82.5/5/5/5/2.5)を室温で2時間用いてペプチドを樹脂から切断し、典型的には約250mg(収量〜50%)の粗脱保護ペプチドが得られた。
具体的には、ペプチジル樹脂(30−200mg)をフリットカートリッジに入れ、続いて試薬K(1.2gの樹脂に〜20mL)を添加し、この樹脂をRTで2時間攪拌した。前記液体をろ過した後、樹脂を5mLの試薬K、さらに3mLのDCMで2回リンスした。生成物を冷エーテルで沈殿させた。懸濁物を遠心分離し、液体をろ過し、粗ペプチドを水/CANに再溶解し、凍結乾燥して約250mg(収量は〜50%)の粗ペプチドを得た。
粗ペプチドを分析用HPLCで以下の条件下で分析した:HPLCカラム4.6x150mm ポロシェル(Poroshell)120 SB-C18;溶出系(緩衝液A:0.1% トリフルオロ酢酸(TFA)/10%アクリロニトリル/90%水;緩衝液B:0.1%TFA/10%水/90%CAN;勾配:30分かけて5−100%B)。
調製用HPLC(16x150mm Dr.Maisch Reprosil Gold 120 C18、5um、調製用逆相カラム)を用いて粗ペプチドを精製し、さらに分析用システムと同じ移動相を用い、190分かけて5−100%Bの勾配及び1.80mL/分の流速で溶出させた。得られた分画のLC/MS分析後に、純粋なサンプルを一緒にして凍結乾燥し白色粉末を得た。
cAMPを誘発するグルカゴンアナローグの能力をホタルルシフェラーゼ系レポーターアッセイで測定した。受容体(グルカゴン受容体、GLP-1受容体又はGIP受容体)及びcAMP応答性エレメント連結ルシフェラーゼ遺伝子を共トランスフェクトしたHEK293細胞を、0.25%ウシ増殖血清(Bovine Growth Serum;HyClone, Logan, UT)補充DMEM(Invitrogen, Carlsbad, CA)で16時間培養することによって血清を枯渇させ、続いてグルカゴン、GLP-1、GIP又は新規なグルカゴンアナローグのいずれかの連続希釈とともに5時間、37℃、5%CO2にて、96ウェルのポリ-D-リジン被覆“バイオコート(Biocoat)”プレート(BD Biosciences, San Jose, CA)でインキュベートした。インキュベーション終了時に、100マイクロリットルのLucLiteルミネセンス基質試薬(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)を各ウェルに添加した。このプレートを簡単に震盪し、暗所で10分間インキュベートし、発光をMicroBeta-1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)で測定した。オリジンソフトウェア(Origin software;OriginLab, Northampton, MA)を用いて有効50%濃度を計算した。
各グルカゴンアナローグを水又はPBSに溶解し、最初のHPLC分析を実施する。pH(4、5、6、7)の調整後、サンプルを指定の時間37℃でインキュベートし、さらにHPLCで再度分析してペプチドの完全性を決定する。問題の指定ペプチドの濃度を決定し、無傷維持パーセントを最初の分析と対比して算出する。
グルカゴン(又はアナローグ)の溶液(1mg/mL又は3mg/mL)を0.01NのHClで調製する。ストック溶液の100μLを0.01NのHClで1mLに稀釈し、UV吸収(276nm)を決定する。0.1MのNa2HPO4(pH9.2)の200−250μLを用いて、残りのストック溶液のpHをpH7に調整する。前記溶液を4℃に一晩静置し、続いて遠心分離する。続いて100μLの上清を0.01NのHClで1mLに稀釈し、UV吸収を決定する(デュープリケートにて)
最初の吸収の読みを体積の増加について補正し、下記の計算を用いてパーセント可溶性を確立する:
最終吸収/最初の吸収x100=パーセント可溶性
シンチレーション近接アッセイ(scintillation proximity assay)技術を利用して、ペプチドとグルカゴン受容体との親和性を競合結合アッセイで測定する。シンチレーション近接アッセイ緩衝液(0.05 Mトリス-HCl(pH 7.5)、0.15M NaCl、0.1%w/vのウシ血清アルブミン)で作成した連続3倍稀釈のペプチドを、96ウェルの白色/透明底プレート(Corning Inc., Acton, MA)で、0.05nM (3-[125I]-ヨードチロシル)Tyr10グルカゴン(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)(1−6マイクログラム/ウェル)、ヒトグルカゴン受容体過剰発現細胞から調製した形質膜フラグメント、及び1mg/ウェルのポリエチレンイミン処理コムギ胚芽アグルチニンタイプAシンチレーション近接アッセイビーズ(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)とともに混合する。ロータリーシェーカーにて800rpmで5分震盪し、前記プレートを12時間室温でインキュベートし、続いてMicroBeta1450液体シンチレーションカウンター(Perkin-Elmer, Wellesley, MA)の読みを得る。非特異的結合(NSB)の放射能を、試験サンプルの最高濃度より4倍高濃度の“コールド”の天然のリガンドを有するウェルで測定し、総結合放射能は競合物質を含まないウェルで検出する。パーセント特異的結合を下記のように計算する:%特異的結合=((結合−NSB)/(総結合−NSB))x100。IC50値は、オリジンソフトウェア(OriginLab, Northampton, MA)を用いて決定した。
GLP-1受容体(GLP-1R)、グルカゴン受容体(GR)及びGIP受容体(GIPR)におけるEC50を表1に提供する。
体重及び食物摂取は、ペプチド又はベヒクルコントロールをマウスに投与した日に測定した。身体組成は0、7及び14日目に分析した。空腹時血糖レベルを本実験から週に1回(0、7及び14日目)測定し、図1−4に示す。
図1に示すように、ペプチドはいずれも7日後に少なくとも10%の体重減少を引き起こした。ペプチドの1つを注射したマウスの総食物摂取は、ベヒクルコントロールを注射したマウスの総食物摂取の50%から60%であった(図2参照)。ペプチドを投与したマウスの各グループについて、脂肪質量は、ベヒクルコントロールを注射したマウスと比較して減少した(図3)。図4に示すように、ペプチドを注射したマウスは、ベヒクルコントロールマウスと比較して血液グルコースレベルの低下を示した。
グルカゴン受容体(GR)、GLP-1受容体(GLP-1R)及びGIP受容体(GIPR)におけるEC50を表2及び3に提供する。
4HPA=4-ヒドロキシフェニル酢酸;Des-NH2-Tyr=デスアミノL-Tyr;Ac=アセチル
Ac-D-Tyr=アセチル-D-チロシン
ベヒクル又はペプチド又はリラグルチン処置24時間後に、マウスの給与グルコースプロフィールを測定した。図6に示すように、多くのペプチドの投与は血液グルコースレベルの有意な減少を引き起こしたが、ベヒクル及びリラグルチドは血液グルコースレベルを変化させなかった。配列番号:12、17、18、23、29、142及び143のペプチドは給与グルコースレベル基準線の50%を超える減少を引き起こした。
本明細書に引用した全ての参考文献(刊行物、特許出願及び特許を含む)は、参照することによりあたかも各参考文献が個々にかつ具体的に取り込まれ、かつその全体が本明細書に含まれるかのように、参照により本明細書に含まれる。
“a”及び“an”及び“the”という用語並びに同様な指示語の、本発明を記載する文脈における(特に下記特許請求の範囲の文脈における)使用は、本明細書で特段の指示がなければ、又は文脈が明らかに矛盾しなければ、単数形及び複数形の両方を包含すると解されるべきである。“comprising”、“having”、“including”及び“containing”という用語は、特段の規定がなければ無制限用語と解されるべきである(すなわち“〜が含まれるが、ただし〜に限定されない”ということを意味する)。
本明細書における数値範囲の記載は、本明細書で特段の指示がなければ、当該範囲に含まれる各々ばらばらの値及び各々の最終点を個々に示す便法として提供しようとするものであり、各々ばらばらの値及び最終点は、あたかも本明細書に個々に列挙されたかのように本明細書に含まれる。
本明細書で特段の指示がなければ、或いは文脈が明らかに矛盾しなければ、本明細書に記載の全ての方法は任意の適切な順序で実施できる。特段の請求がなければ、本明細書で提供される任意のかつ全ての例示、又は例示的言葉(例えば“such as”)の使用は、単に本発明をより良好に説明することを意図し、本発明の範囲を限定しようとするものではない。本明細書のいずれの言葉も、主張されていない成分はいずれも本発明の実施に必須ではないと示唆していると解されるべきではない。
本明細書では本発明の好ましい実施態様が記載され、それらには、本発明の実施のために本発明者らが知る最良の態様が含まれる。そのような好ましい実施態様の変型は、前述の記述を読めば当業者には明瞭となろう。本発明者らは、当業者がそのような変型を適宜利用すると予想し、さらに本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載された態様以外の態様で実施されることを意図する。したがって、本発明には、適用法律によって許容された本明細書に添付の特許請求の範囲に記載された対象物の全ての変型及び等価物が含まれる。さらにまた、本明細書で特段の指示がないか、或いは文脈が明らかに矛盾しなければ、上記記載の成分の、その全ての可能な変型における全組合せが本発明に包含される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕天然グルカゴンのアナローグであって、
(A)1位にTyr、His、チオAla又はPheの側鎖を含むアミノ酸(該1位のアミノ酸のアルファ炭素は、(i)H 2 N-(CH 2 )-、(ii)H 2 N-、(iii)H(アセチル)N-(CH 2 ) 0-1 ;及び(iv)H-又はCH 3 -から成る群から選択される構造に結合される);
(B)9、10、12、20又は37−43位のいずれかにアシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸(場合によって該アシル又はアルキル基はスペーサーを介して該アミノ酸に連結される);
(C)16−21位の1つ以上にアルファヘリックス安定化アミノ酸;及び
(D)天然グルカゴンと対比して10までの追加のアミノ酸改変を含み、
場合によって、配列番号:140のアミノ酸配列を含み、
ここで1位のアミノ酸はL-立体異性体又はD-立体異性体であり、
場合によって該1位のアミノ酸はL-His、L-Tyr及びL-Phe以外であり、
グルカゴンアナローグが親水性部分を欠くとき、該グルカゴンアナローグはヒトGIP受容体で0.5nM未満又は約0.5nMのEC50を示し、さらに該グルカゴンアナローグは該GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する、前記天然グルカゴンのアナローグ。
〔2〕該1位のアミノ酸が該アルファ炭素に結合される(iii)の構造を含む、前記〔1〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔3〕該1位のアミノ酸が、アセチルL-His、アセチルL-Tyr、アセチルL-チオAla、アセチルL-Phe、アセチルD-His、アセチルD-Tyr、アセチルD-チオAla、アセチルD-Phe、アセチルベータ-2-L-His、アセチルベータ-2-L-Tyr、アセチルベータ-2-L-チオAla、アセチルベータ-2-L-Phe、アセチルベータ-2-D-His、アセチルベータ-2-D-Tyr、アセチルベータ-2-D-チオAla、アセチルベータ-2-D-Phe、デスアミノL-His、デスアミノL-Tyr、デスアミノL-チオAla、デスアミノL-Phe、デスアミノD-His、デスアミノD-Tyr、デスアミノD-チオAla、デスアミノD-Phe、デスアミノベータ-2-L-His、デスアミノベータ-2-L-Tyr、デスアミノベータ-2-L-チオAla、デスアミノベータ-2-L-Phe、デスアミノベータ-2-D-His、デスアミノベータ-2-D-Tyr、デスアミノベータ-2-D-チオAla、デスアミノベータ-2-D-Phe、D-His、D-Tyr、D-チオAla、D-Phe、ベータ-2-D-His、ベータ-2-D-Ala、ベータ-2-D-チオAla、ベータ-2-D-Phe、ベータ-2-L-His、ベータ-2-L-Tyr、ベータ-2-L-チオAla、ベータ-2-L-Phe、及びL-チオAlaから成る群から選択される、前記〔1〕又は〔2〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔4〕該1位のアミノ酸がアセチルD-Tyr、アセチルD-His、デスアミノTyr、D-Tyr、D-His及びアセチルD-Pheから選択される、前記〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
〔5〕2位にAla、Gly、Pro、サルコシン及びValから成る群から選択されるアミノ酸を含む、前記〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
〔6〕2位にAla又はGlyから成る群から選択されるアミノ酸を含む、前記〔1〕から〔5〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
〔7〕2位のアミノ酸がAlaであるとき、1位のアミノ酸があるアミノ酸のD-立体異性体である、前記〔6〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔8〕1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む、前記〔1〕から〔7〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ:
〔9〕1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む、前記〔8〕に記載のグルカゴンアナローグ:
〔10〕16位にアルファヘリックス安定化アミノ酸を含み、場合によって該アルファヘリックス安定化アミノ酸が陰性荷電アミノ酸又はアルファ、アルファ二置換アミノ酸である、前記〔1〕から〔9〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
〔11〕該陰性荷電アミノ酸がGluである、前記〔10〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔12〕17位にArg、及び18位に小さな脂肪族アミノ酸、場合によってAlaを含む、前記〔1〕から〔11〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
〔13〕29位のアミノ酸のC-末端に1から21アミノ酸の延長部を含む、前記〔1〕から〔12〕のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
〔14〕29位のアミノ酸がGly、Ala又はLeuである、前記〔13〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔15〕該延長部がGPSSGAPPPS(配列番号:5)のアミノ酸配列又はその保存的置換配列を含む、前記〔13〕又は〔14〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔16〕(i)該アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸が10位に位置するか、又は(ii)該グルカゴンアナローグが29位のアミノ酸のC-末端に1から21アミノ酸の延長部を含み、かつ該アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸が37−43位のいずれか、場合によって40位に位置する、前記〔1〕から〔15〕のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
〔17〕該アシル基又はアルキル基が式I(場合によってLys)、式II(場合によってCys)又は式III(場合によってSer)の構造を含むアミノ酸に結合され、式I、II及びIIIの各々が以下である、前記〔1〕から〔16〕のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ:
[式I]
[式II]
[式III]
〔18〕該アシル基又はアルキル基がスペーサーを介して該グルカゴンアナローグのアミノ酸に連結される、前記〔1〕から〔17〕のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
〔19〕該スペーサーがアミノ酸又はジペプチドである、前記〔18〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔20〕該スペーサーが1つ又は2つの酸性アミノ酸残基を含む、前記〔19〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔21〕該アシル化アミノ酸又はアルキル化アミノ酸がC12からC18脂肪アシル基に結合される、前記〔1〕から〔20〕のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
〔22〕該アシル基がC14又はC16脂肪アシル基である、前記〔21〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔23〕27位のアミノ酸がLeu、Nle、Val又はLysである、前記〔1〕から〔22〕のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ。
〔24〕28位にGlu又はAspを含む、前記〔1〕から〔23〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
〔25〕28位にAsp若しくはGlu及び29位にGlyを、28位にAsp若しくはGlu及び29位にAlaを、又は28位にAsp及び29位にLeuを含む、前記〔24〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔26〕28位にGlu及び29位にGlyを、28位にAsp若しくはGlu及び29位にAlaを、又は28位にAsp及び29位にLeuを含む、前記〔24〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔27〕以下の1つ以上を含む、前記〔1〕から〔26〕のいずれかに記載のグルカゴンアナローグ:
i.7位にIle;
ii.12位にIle又はArg;
vi.18位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
vii.21位に酸性アミノ酸、場合によってGlu;
viii.24位にAsn、Ala又はAIB;
ix.27位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla又はLeu又はNle;
x.28位に酸性アミノ酸、場合によってGlu、又は脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
xi.29位に脂肪族アミノ酸、場合によってAla;
xii.C-末端のアミド化。
〔28〕3位にGln、構造I、II又はIIIの側鎖を含むアミノ酸、疎水性アミノ酸、酸性アミノ酸又は塩基性アミノ酸を含むか、又はアミノ酸は、Glu、Ala、Leu、Ile、Nle、Val、NorVal、ホモセリン、Met、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、アセチル-Orn、アセチル-ジアミノブタン酸、及びアセチル-Lysから成る群から選択され、ここで構造I、II及びIIIは以下であり:
構造I
〔29〕配列番号:11−18、21−23、25−31、33、34、100−139、141−155、並びに157−173、175−194及び196−200のいずれかのアミノ酸配列を含む、前記〔1〕から〔28〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ。
〔30〕(a)X 1 X 2 X 3 GTFTSDX 10 SKYLX 15 X 16 X 17 X 18 X 19 X 20 X 21 FVQWLX 27 X 28 X 29 X 30 PSSGX 35 PPPSの配列(配列番号:140)、又は(b)配列番号:140と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:140の配列を含むペプチドであって、
(a)で、
X 1 は、アセチルL-His、アセチルL-Tyr、アセチルL-チオAla、アセチルL-Phe、アセチルD-His、アセチルD-Tyr、アセチルD-チオAla、アセチルD-Phe、アセチルベータ-2-L-His、アセチルベータ-2-L-Tyr、アセチルベータ-2-L-チオAla、アセチルベータ-2-L-Phe、アセチルベータ-2-D-His、アセチルベータ-2-D-Tyr、アセチルベータ-2-D-チオAla、アセチルベータ-2-D-Phe、デスアミノL-His、デスアミノL-Tyr、デスアミノL-チオAla、デスアミノL-Phe、デスアミノD-His、デスアミノD-Tyr、デスアミノD-チオAla、デスアミノD-Phe、デスアミノベータ-2-L-His、デスアミノベータ-2-L-Tyr、デスアミノベータ-2-L-チオAla、デスアミノベータ-2-L-Phe、デスアミノベータ-2-D-His、デスアミノベータ-2-D-Tyr、デスアミノベータ-2-D-チオAla、デスアミノベータ-2-D-Phe、D-His、D-Tyr、D-チオAla、D-Phe、ベータ-2-D-His、ベータ-2-D-Ala、ベータ-2-D-チオAla、ベータ-2-D-Phe、ベータ-2-L-His、ベータ-2-L-Tyr、ベータ-2-L-チオAla、ベータ-2-L-Phe、及びL-チオAlaから成る群から選択され;
X 2 はAla、Gly、Pro、サルコシン、Ser及びValであり;
X 3 は、Gln、構造I、II又はIIIの側鎖を含むアミノ酸、疎水性アミノ酸、酸性アミノ酸又は塩基性アミノ酸であるか、又はGlu、Ala、Leu、Ile、Nle、Val、NorVal、ホモセリン、Met、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、アセチル-Orn、アセチル-ジアミノブタン酸、及びアセチル-Lysから成る群から選択されるアミノ酸であり、ここで構造I、II及びIIIは以下であり:
構造I
X 10 はTyr又はC12からC18アシル若しくはアルキル基に共有結合されるアミノ酸であり;
X 15 は、酸性アミノ酸、場合によってGlu又はAspであり、
X 16 は任意のアミノ酸、場合によってGly、Pro、及びSer以外の任意のアミノ酸(例えばGlu、Ala、アルファ、アルファ-二置換アミノ酸(例えばAIB)、His、Lys)であり;
X 17 はArg、His、Glnであり;
X 18 はArg又はAlaであり;
X 19 はAla又はアルファ、アルファ二置換アミノ酸であり;
X 20 は、アルファ、アルファ-二置換アミノ酸(例えばAIB)又はGln又はHis、Lys、又はAlaから成る群から選択され;
X 21 は酸性アミノ酸、場合によってAsp又はGluであり;
X 27 はLeu、Ala、Nle又はMetであり;
X 28 はAla又は酸性アミノ酸(場合によってAsp又はGlu)であり;
X 29 は脂肪族、例えばAla又はLeu又はGly又はAIB又はValであり;
X 30 は小さな脂肪族アミノ酸、例えばAla又はGlyであり;
X 35 はAla又は塩基性アミノ酸(場合によってArg又はLys)であり;
ここで、X 28 が酸性アミノ酸であるときX 35 は塩基性アミノ酸であり、場合によって、X 28 がAspであるときX 29 はGlyではなく、X 10 がTyrであるとき該ペプチドはC12からC18アシル又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸を40位に含み、場合によって該ペプチドは41位にGlyを含み、該ペプチドのC-末端アミノ酸はアミド化され、
(b)で、
該ペプチドはヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体及び/又はヒトグルカゴン受容体でアゴニスト活性を示し、場合によって該グルカゴンアナローグは、GIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する、前記ペプチド。
〔31〕該1位のアミノ酸がアセチルD-Tyr、アセチルD-His、デスアミノTyr、D-Tyr、D-His及びアセチルD-Pheから選択される、前記〔30〕に記載のペプチド。
〔32〕2位にAla、Gly、Pro、サルコシン及びValから成る群から選択されるアミノ酸を含む、前記〔30〕又は〔31〕のいずれか1項に記載のペプチド。
〔33〕2位にAla又はGlyから成る群から選択されるアミノ酸を含む、前記〔32〕に記載のペプチド。
〔34〕2位のアミノ酸がAlaであるとき、1位のアミノ酸があるアミノ酸のD-立体異性体である、前記〔33〕に記載のグルカゴンアナローグ。
〔35〕1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む、前記〔30〕から〔34〕のいずれか1項に記載のペプチド:
〔36〕1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む、前記〔35〕に記載のペプチド:
〔37〕X 10 がTyrであり、該ペプチドがC12からC18アシル又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸を40位に含み、さらに該ペプチドが場合によって41位にGlyを含む、前記〔30〕から〔36〕のいずれか1項に記載のペプチド。
〔38〕X 10 がC12−C18アシル又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸である、前記〔30〕から〔36〕のいずれか1項に記載のペプチド。
〔39〕X 20 がGlnである、前記〔30〕から〔38〕のいずれか1項に記載のペプチド。
〔40〕16位のアミノ酸が陰性荷電アミノ酸、場合によってGluである、前記〔39〕に記載のペプチド。
〔41〕X 18 がAlaである、前記〔40〕に記載のペプチド。
〔42〕X 28 がGluである、前記〔30〕から〔41〕のいずれか1項に記載のペプチド。
〔43〕X 27 がLeu又はNleであり、X 29 がGlyであり、該ペプチドがC-末端にアミド化されたGlyを含むか、又は前記の組み合わせである、前記〔30〕から〔42〕のいずれか1項に記載のペプチド。
〔44〕3つまでのアミノ酸改変が保存的置換である、前記〔30〕から〔43〕のいずれか1項に記載のペプチド。
〔45〕配列番号:11の配列を含むペプチド。
〔46〕配列番号:12の配列を含むペプチド。
〔47〕配列番号:13の配列を含むペプチド。
〔48〕配列番号:15の配列を含むペプチド。
〔49〕配列番号:16の配列を含むペプチド。
〔50〕配列番号:22の配列を含むペプチド。
〔51〕配列番号:11の配列から成るペプチド。
〔52〕配列番号:12の配列から成るペプチド。
〔53〕配列番号:13の配列から成るペプチド。
〔54〕配列番号:15の配列から成るペプチド。
〔55〕配列番号:16の配列から成るペプチド。
〔56〕配列番号:22の配列から成るペプチド。
〔57〕以下の
a.配列番号:11と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:11の配列、
b.配列番号:12と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:12の配列、
c.配列番号:13と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:13の配列、
d.配列番号:15と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:15の配列、
e.配列番号:16と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:16の配列、又は
f.配列番号:22と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:22の配列
を含むペプチドであって、該ペプチドがヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体でアゴニスト活性を示し、さらに該ペプチドがGIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する、前記ペプチド。
〔58〕該グルカゴンアナローグがGIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する、前記〔1〕から〔57〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔59〕該グルカゴンアナローグのGIP受容体におけるEC50が、GLP-1受容体におけるそのEC50の約50倍以内である、前記〔1〕から〔58〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔60〕該グルカゴンアナローグのGIP受容体におけるEC50が、GLP-1受容体におけるそのEC50の約40倍以内である、前記〔1〕から〔59〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔61〕該グルカゴンアナローグのGIP受容体におけるEC50が、GLP-1受容体におけるそのEC50の約30倍以内である、前記〔1〕から〔60〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔62〕該グルカゴンアナローグのGIP受容体におけるEC50が、GLP-1受容体におけるそのEC50の約20倍以内である、前記〔1〕から〔61〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔63〕該グルカゴンアナローグのGIP受容体におけるEC50が、GLP-1受容体におけるそのEC50の約10倍以内である、前記〔1〕から〔62〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔64〕該グルカゴンアナローグのGIP受容体におけるEC50が、GLP-1受容体におけるそのEC50の約5倍以内である、前記〔1〕から〔63〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔65〕該グルカゴンアナローグが少なくとも1%のGIPパーセンテージポテンシーを示す、前記〔1〕から〔64〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔66〕該GIPパーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、前記〔65〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔67〕該GIPパーセンテージポテンシーが15%より高いか、又は20%より高い、前記〔66〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔68〕該GIPパーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、前記〔67〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔69〕該GIPパーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、前記〔68〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔70〕該グルカゴンアナローグが少なくとも1%のGLP-1パーセンテージポテンシーを示す、前記〔1〕から〔69〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔71〕該GLP-1パーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、前記〔70〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔72〕該GLP-1パーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、前記〔71〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔73〕該GLP-1パーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、前記〔72〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔74〕該GIPパーセンテージポテンシーが、GLP-1パーセンテージポテンシーより10倍以内高いか又は低い、前記〔1〕から〔73〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔75〕該グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも1%である、前記〔1〕から〔74〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔76〕該グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも10%である、前記〔75〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔77〕該グルカゴンパーセンテージポテンシーが少なくとも50%である、前記〔76〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔78〕該グルカゴンパーセンテージポテンシーが100%より高いか又は約100%である、前記〔77〕に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔79〕該GIPパーセンテージポテンシーが、該グルカゴンパーセンテージポテンシーよりも10倍以内高いか又は低い、前記〔1〕から〔78〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド。
〔80〕2つ以上の、前記〔1〕から〔79〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチドを含むダイマー又はマルチマー。
〔81〕複合物であって、前記〔1〕から〔80〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド及び複合物の部分を含む、前記複合物。
〔82〕該グルカゴンアナローグが異種ペプチドアナローグと融合される、前記〔81〕に記載の複合物。
〔83〕前記〔1〕から〔79〕のいずれか1項に記載のグルカゴンアナローグ又はペプチド、前記〔80〕に記載のダイマー又はマルチマー、前記〔81〕若しくは 82に記載の複合物、又は前記の組み合わせ、及び医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
〔84〕その必要がある対象で体重増加を軽減するか又は体重減少を誘発する方法であって、前記方法が、体重増加の軽減又は体重減少の誘発に有効な量で、前記〔83〕に記載の医薬組成物をその必要がある患者に投与する工程を含む、前記方法。
〔85〕該量が、その必要がある対象で肥満を治療するために有効である、前記〔84〕に記載の方法。
〔86〕糖尿病を治療する方法であって、前記方法が、血液グルコースレベルの低下に有効な量で、前記〔83〕に記載の医薬組成物をその必要がある患者に投与する工程を含む、前記方法。
〔87〕本明細書に記載のペプチド、場合によってグルカゴンアナローグ。
Claims (16)
- X1X2X3GTFTSDX10SKYLX15X16X17X18X19X20X21FVQWLX27X28X29X30PSSGX35PPPSの配列(配列番号:140)を含むペプチドであって、
X1は、天然グルカゴンの1位に対応し、
X1は、アセチルD-His、アセチルD-Tyr、アセチルD-Phe、デスアミノTyr、D-His及びD-Tyrから成る群から選択され;
X2はAla又はGlyであり;
X3はGlnであり;
X10は、C12〜C18アシル又はアルキル基に共有結合されるアミノ酸であり;
X15はAspであり、
X16はGluであり;
X17はArg、His、Glnであり;
X18はAlaであり;
X19はAlaであり;
X20はGlnであり;
X21はAspであり;
X27はLeuであり;
X28はGluであり;
X29はGlyであり;
X30はGlyであり;
X35はAlaであり;
ここで、
該ペプチドはヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体及び/又はヒトグルカゴン受容体でアゴニスト活性を示す、前記ペプチド。 - 1位及び2位に以下から成る群から選択されるアミノ酸ペアを含む、請求項1に記載のペプチド。
- 請求項1に記載のペプチドであって、
i)該1位のアミノ酸がアセチルD-Tyr、アセチルD-His、デスアミノTyr、D-Tyr、D-His及びアセチルD-Pheから選択され、
ii)2位のアミノ酸がAla又はGlyであり、
iii)10位のアミノ酸がC12−C18アシル又はアルキル基に共有結合され、
iv)X20がGlnであり、
v)X16及びX28が共にGluであり、
vi)X18がAlaであり、
vii)X27がLeuであり、X29がGlyであり、該ペプチドがC-末端にアミド化されたGlyを含む、前記ペプチド。 - 配列番号:11の配列を含む、請求項1に記載のペプチド。
- 配列番号:12の配列を含む、請求項1に記載のペプチド。
- 配列番号:13の配列を含む、請求項1に記載のペプチド。
- 配列番号:15の配列を含む、請求項1に記載のペプチド。
- 配列番号:16の配列を含む、請求項1に記載のペプチド。
- 配列番号:22の配列を含む、ペプチド。
- 請求項1に記載のペプチドのアナローグであって、
前記アナローグが以下の
a.配列番号:11と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:11の配列、又は
b.配列番号:12と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:12の配列、又は
c.配列番号:13と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:13の配列、又は
d.配列番号:15と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:15の配列、又は
e.配列番号:16と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:16の配列
を含み、
該ペプチドがヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体でアゴニスト活性を示し、さらに該ペプチドがGIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する、前記アナローグ。 - 配列番号:22と対比して3つまでのアミノ酸改変を有する配列番号:22の配列を含むペプチドであって、
該ペプチドがヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体でアゴニスト活性を示し、さらに該ペプチドがGIP受容体と対比して100倍未満のヒトGLP-1受容体選択性を有する、前記ペプチド。 - 2つ以上の、請求項1から11のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチドアナローグを含む、ダイマー又はマルチマー。
- 複合物であって、請求項1から11のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチドアナローグと複合物の部分とを含む、前記複合物。
- 請求項1から11のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチドアナローグ、請求項12に記載のダイマー又はマルチマー、請求項13に記載の複合物、又は前記の組み合わせと、
医薬的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤をと含む医薬組成物。 - 体重増加を軽減するか又は体重減少を誘発する必要がある対象で体重増加の軽減又は体重減少の誘発に使用するための医薬組成物であって、
請求項1から11のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチドアナローグ、請求項12に記載のダイマー又はマルチマー又は請求項13に記載の複合物を含む、前記医薬組成物。 - 糖尿病の治療に使用するための医薬組成物であって、
請求項1から11のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチドアナローグ、請求項12に記載のダイマー又はマルチマー又は請求項13に記載の複合物を含む、前記医薬組成物。
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