JP6299164B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アシストトルクと操舵角を制御する技術に関する。
近年、例えば、モータ回転角度、ステアリング回転角度、ヨーレートセンサ、タイヤ転舵角と目標値との偏差、カメラ,レーザレーダ,ミリ波レーダ等によって得られる目標位置との横変位、GPS等によって得られる目標軌跡との偏差、道路形状によって得られる曲率との偏差に基づいて自動で操舵角を制御する車両軌道制御が知られている。また、車両の前方を撮像するカメラからの画像情報に基づき、走行中の車線と自車両の位置関係を検出し、レーンに沿った走行を実現するために操舵角を制御する、車両軌道制御の一つであるレーンキープ制御と、ドライバによる操舵操作をアシストするためのアシストトルクを発生させるパワーステアリング制御(アシスト制御)とを、一つのアクチュエータ(モータ)で実現する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この装置では、基本的には、アシスト制御からの要求トルクに、車両軌道制御からの要求トルクを加算した結果に基づいてモータを駆動する。但し、車両軌道制御を行っているときには、容易にレーンから逸脱することがないように、アシスト制御からの要求トルクに、0より大きく1より小さい係数を乗じることで、アシスト制御の影響を抑制している。
特開平9−221053号公報
ところで、車両軌道制御中にドライバによる介入動作、いわゆるドライバオーバーライド(DOR)が行われると、車両軌道制御において設定される目標位置・角度に対する実位置・実角度の偏差が拡大する。すると、車両軌道制御では、この拡大した偏差を打ち消そうとするトルクを発生させ、そのトルクがドライバの操作を阻害することにより、ドライバに違和感を与えてしまう。この違和感を打ち消すには、車両軌道制御の応答性を低下させる必要がある。しかし、車両軌道制御の応答性を単純に低下させると、車両軌道制御の本来の機能を低下させてしまうという問題があった。
また、車両軌道制御によって、衝突等の危険を回避する制御を行う等、状況によってはドライバによる介入動作より車両軌道制御を優先させたいという要求もある。このような要求を、上述したような違和感のない制御の切り替えと両立させることは困難であるという問題があった。
このような課題を解決するために、アシスト制御および車両軌道制御をいずれも実行する操舵制御装置において、ドライバに違和感を与えたり、各制御の機能を低下させたりすることなく制御の切り替えを実現する技術を提供することを目的とする。
本発明の操舵制御装置は、アシスト偏差演算手段と、追従偏差演算手段と、換算手段と、重み係数設定手段と、偏差混合手段と、指令値生成手段とを備える。
アシスト偏差演算手段は、操舵トルクの検出値である検出操舵トルクと操舵負荷を軽減するアシスト制御の目標値となる目標操舵トルクとの偏差であるアシスト偏差を求める。追従偏差演算手段は、操舵に関わるトルク以外の単位を有する物理量と該物理量を用いた車両軌道制御の目標値となる目標物理量との偏差である追従偏差を求める。換算手段は、アシスト偏差演算手段で求めたアシスト偏差および追従偏差演算手段で求めた追従偏差の単位が一致するように両偏差のうち少なくとも一方を換算する。重み係数設定手段は、ドライバによる車両軌道制御への介入の度合い、および車両軌道制御の必要度に応じて、アシスト偏差および追従偏差の重み係数を設定する。偏差混合手段は、換算手段によって単位を一致させたアシスト偏差および追従偏差を、重み係数設定手段にて設定された重み係数に従って混合した制御偏差を求める。指令値生成手段は、偏差混合手段で求めた制御偏差に従いその制御偏差を小さくすることで、アシスト制御に基づくアシストトルクや車両軌道制御に基づく自動操舵トルクを発生させるモータの駆動に用いるアシスト指令値を生成する。
このように構成された本発明によれば、単位を一致させたアシスト偏差と追従偏差とを混合することでアシスト指令値の生成に用いる制御偏差を生成し、その制御偏差の生成に用いる重み係数を、車両軌道制御に対するドライバの介入の程度に応じて変化させている。なお、追従偏差の割合を大きくするほど車両軌道制御の応答性が向上し、アシスト偏差の割合を大きくするほど車両軌道制御の応答性が抑制される。これにより、アシスト制御と車両軌道制御とをドライバに違和感を与えることなくシームレスに切り替えることができる。
また、本発明によれば、重み係数を、車両軌道制御の必要度に応じても変化させているため、車両軌道制御の必要度を変化させる要因となる状況に応じて、車両軌道制御の応答性を変化させることができる。例えば、車両軌道制御の必要度が高い状況では、車両軌道制御の応答性を高めることによって、ドライバの介入を抑制して、車両軌道制御の機能を十分に発揮させることができる。
ところで、アシスト制御と車両軌道制御とを両立させる手法として、本発明の手法以外に、アシスト制御および車両軌道制御のそれぞれについて個別に指令値を生成し、その個別指令値を混合(加算)することで最終的な指令値を生成する手法も考えられる。しかし、その場合、指令値において車両軌道制御の指令値の割合を大きくすると(即ち、車両軌道制御の応答性を向上させると)、操舵過渡時(切り出し、切り返し、操舵停止)においてトルクのオーバシュートや振動が発生する(図7(a)参照)。これに対して本発明では、このようなトルクのオーバシュートや振動が抑制されるため、これらに起因する操舵時の違和感を抑制することができる(図7(b)参照)。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、本発明は、前述した操舵制御装置の他、当該操舵制御装置を構成要素とするシステム、当該操舵制御装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム、操舵制御方法など、種々の形態で実現することができる。
実施形態の電動ステアリングシステムの全体構成図である。 EPS−ECUの構成を示すブロック図である。 操舵力制御部の構成を示すブロック図である。 推定負荷から目標操舵トルクへの変換特性を示すグラフである。 サーボ制御部の構成を示すブロック図である。 操舵入力感応重み係数設定部の構成を示すブロック図である。 DORレベル毎に操舵トルクを測定した結果を示すグラフであり、(a)はサーボ制御後の出力を合成する比較例、(b)がサーボ制御前の偏差を混合する本発明の実施例である。
以下に本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
<全体構成>
本実施形態の電動ステアリングシステム1は、図1に示すように、ドライバによるハンドル(操舵部材)2の操作をモータ6によってアシストするアシスト制御、および走行レーンに設定された目標コースに沿った自動操舵をモータ6によって実現する車両軌道制御の一つであるレーンキープ制御を実行するものである。
ハンドル2は、ステアリングシャフト3の一端に固定され、ステアリングシャフト3の他端にはトルクセンサ4が接続されており、このトルクセンサ4の他端には、インターミディエイトシャフト5が接続されている。なお、以下の説明では、ステアリングシャフト3からトルクセンサ4を経てインターミディエイトシャフト5に至る軸体全体を、まとめて操舵軸ともいう。
トルクセンサ4は、操舵トルクTsを検出するためのセンサである。具体的には、ステアリングシャフト3とインターミディエイトシャフト5とを連結するトーションバーを有し、このトーションバーのねじれ角に基づいてそのトーションバーに加えられているトルクを検出する。
モータ6は、アシスト制御に基づくアシストトルクや車両軌道制御に基づく自動操舵トルクを発生させるためのものであり、減速機構6aを介してその回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。即ち、減速機構6aは、モータ6の回転軸の先端に設けられたウォームギアと、このウォームギアと噛み合った状態でインターミディエイトシャフト5に同軸状に設けられたウォームホイールとにより構成されており、これにより、モータ6の回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。逆に、ハンドル2の操作や路面からの反力(路面反力)によってインターミディエイトシャフト5が回転すると、その回転が減速機構6aを介してモータ6に伝達され、モータ6も回転することになる。
また、モータ6は、例えばブラシレスモータからなり、内部にレゾルバ等の回転センサを備えている。回転センサは、モータ回転角に減速機構6aのギア比を乗じることで求められるハンドル角(舵角)θを少なくとも出力する。なお、ハンドル角θの代わりにモータ回転角をそのまま出力してもよい。
インターミディエイトシャフト5における、トルクセンサ4が接続された一端とは反対側の他端は、ステアリングギアボックス7に接続されている。ステアリングギアボックス7は、ラックとピニオンギアからなるギア機構にて構成されており、インターミディエイトシャフト5の他端に設けられたピニオンギアに、ラックの歯が噛み合っている。そのため、ドライバがハンドル2を回すと、インターミディエイトシャフト5が回転(即ちピニオンギアが回転)し、これによりラックが左右に移動する。ラックの両端にはそれぞれタイロッド8が取り付けられており、ラックとともにタイロッド8が左右の往復運動を行う。これにより、タイロッド8がその先のナックルアーム9を引っ張ったり押したりすることで、操舵輪である各タイヤ10の向きが変わる。
また、車両における所定の部位には、車速Vを検出するための車速センサ11が設けられている。
以下では、ハンドル2から各タイヤ10に至る、ハンドル2の操舵力が伝達される機構全体を総称して、操舵系メカ100ともいう。
このような構成を有する操舵系メカ100では、ドライバの操舵によりハンドル2が回転すると、その回転がステアリングシャフト3、トルクセンサ4、およびインターミディエイトシャフト5を介してステアリングギアボックス7に伝達される。そして、ステアリングギアボックス7内で、インターミディエイトシャフト5の回転がタイロッド8の左右移動に変換され、タイロッド8が動くことによって、左右の両タイヤ10が操舵される。
LKA(レーンキープ)−ECU16は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、図示しない車載カメラによって撮像された車両前方の画像から、走行レーンや走行レーンにおける自車両の位置を検出し、その検出結果に基づいて目標軌道を設定する。更に、車速や舵角の検出値等に基づいて、目標軌道に沿って走行するためのハンドル角の目標値である目標舵角θを設定する。なお、このような目標舵角θを設定する処理は、レーンキープ制御において周知のものであるため、ここでは説明を省略する。
また、LKA−ECU16は、上述の車両前方の画像から車両走行環境に存在する各種物標(障害物や自車線や隣接車線を走行する車両等)を検出すると共に、物標の認識状態の信頼度を求め、更に、検出された物標と自車との関係(相対速度、距離、同一車線か否か等)から危険度を推定する。なお、信頼度や危険度は、車両制御における既知の方法を用いることができる。また、これら信頼度および危険度に応じて、信頼度や危険度が高いほど大きな値となるDORレベルLv(本実施形態では1〜4の無段階である数値)を設定し、上述の目標舵角θと共にEPS−ECU15に出力する。
EPS(電動パワーステアリング)−ECU15は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、LKA−ECU16で求められた目標舵角θ,DORレベルLv、トルクセンサ4にて検出された操舵トルクTs、モータ6からのハンドル角θ、および車速センサ11にて検出された車速Vに基づいて、アシストトルクおよび自動操舵トルクを発生させるための電流指令値であるアシスト指令Taを演算する。そして、そのアシスト指令Taに応じた駆動電圧Vdをモータ6へ印加することにより、アシストトルク、および自動操舵トルクを発生させる。
つまり、EPS−ECU15は、駆動電圧Vdによってモータ6を制御することによって操舵特性を制御し、ひいてはモータ6により駆動される操舵系メカ100を制御する。
<EPS−ECU>
EPS−ECU15は、図2に示すように、操舵力制御部21、アシスト偏差演算部22、追従偏差演算部23、次元変換部24、操舵入力感応重み係数設定部25、調停部26、サーボ制御部27、モータ駆動回路28を備える。なお、これらのうち、モータ駆動回路28を除く各部は、EPS−ECU15が備える図示しないCPUが、所定の制御プログラムを実行することによって実現される。但し、これら各部がソフトウェアにて実現されることはあくまでも一例であり、これらの少なくとも一部を、例えばロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
操舵力制御部21は、アシスト指令Ta、操舵トルクTs、自車両の走行速度(車速)Vに基づいて目標操舵トルクTsを生成する。具体的には、図3に示すように、負荷推定器211、目標操舵トルク演算器212を備える。
負荷推定器211は、アシスト指令Taと操舵トルクTsとを加算する加算器211aと、その加算結果から所定の周波数以下の帯域の成分を抽出するローパスフィルタ(LPF)211bとを備え、このLPF211bにより抽出された周波数成分を、路面負荷の推定値である推定負荷Txとして出力する。なお、ドライバは、主に10Hz以下の操舵反力情報を頼りに運転をしているため、LPF211bは、概ね10Hz以下の周波数成分を通過(抽出)させ、10Hzより高い周波数成分は遮断するように設定されている。
目標操舵トルク演算器212は、負荷推定器211にて推定された推定負荷Txと車速Vとに基づき、アシスト指令によるアシスト制御の結果として検出される操舵トルクの目標値である目標操舵トルクTsを、図4に示す目標操舵トルク算出マップを用いて算出する。但し、図4に示したマップは、推定負荷Txが正値である場合の関数の特性を示したものであり、推定負荷Txが負値である場合の関数は、図4のグラフを原点対称にした特性を有する。
図2に戻り、アシスト偏差演算部22は、操舵トルクTsと目標操舵トルクTsとの差であるアシスト偏差ΔTsを演算する。追従偏差演算部23は、ハンドル角θと目標舵角θとの差である追従偏差Δθを演算する。
次元変換部24は、追従偏差Δθをトルク換算した追従偏差トルク換算値ΔTdを演算する。この演算では、トーションバーの一端に加わる力とねじれ角の関係(トーション剛性)に基づいて、追従偏差Δθの次元(単位)からアシスト偏差ΔTsの次元(単位)に換算する。この換算式はトーションバー周囲の構造に基づいて適宜求めることができるものであり、その詳細な説明については省略する。また、次元変換部24では、角度とトルクの位相の違いを吸収するための位相補償も行う。
調停部26は、アシスト偏差ΔTsと追従偏差トルク換算値ΔTdを、操舵入力感応重み係数設定部25で設定される操舵入力感応重み係数Gに従い、(1)式を用いて制御偏差ΔTを求める。但し、Gは0〜1の値をとる。
ΔT=(1−G)×ΔTs+G×ΔTd (1)
つまり、G=0のときは、アシスト制御のみが実行され、G=1のときには車両軌道制御のみが実行されことを意味し、Gが小さいほどアシスト制御が優先、Gが大きいほど車両軌道制御が優先されることになる。
サーボ制御部27は、制御偏差ΔTに基づき、この制御偏差ΔTが0になるようなアシストトルク(アシスト量ともいう)を発生させるためのアシスト指令Taを生成する。具体的には、サーボ制御部27は、図5に示すように、制御偏差ΔTに比例した比例成分を生成する比例制御器271と、制御偏差ΔTの時間積分に比例した積分成分を生成する積分制御器272と、制御偏差ΔTの微分に比例した微分成分を生成する微分制御器273と、比例成分、積分成分、微分成分を加算してアシスト指令Taを生成する指令値演算器274とを備え、いわゆるPID制御を実現するように構成されている。図5において、Kpは比例成分のゲイン(比例ゲイン)、Kiは積分成分のゲイン(積分ゲイン)、Kdは微分成分のゲイン(微分ゲイン)、sはラプラス演算子、s/(τs+1)2は疑似微分の演算を表す。
図2に戻り、モータ駆動回路28は、アシスト指令Taに基づき、アシスト指令Taに対応したトルク(アシストトルクおよび自動操舵トルク)が操舵軸に付与されるようにモータ6へ駆動電圧Vdを印加する。具体的には、アシスト指令Taを目標電流とし、モータ6に流れる通電電流Imが目標電流と一致するように駆動電圧Vdをフィードバック制御することで、操舵軸に対して所望のトルクを発生させる。なお、このようなモータ駆動回路28は公知の技術(例えば、特開2013−52793号公報参照)であるため、その詳細についての説明は省略する。
操舵入力感応重み係数設定部25は、操舵トルクTsおよびDORレベルLvに基づき、操舵入力感応重み係数Gを設定するものであり、図6に示すように、LPF251、絶対値演算器252、動作点シフト演算器253、重み係数演算器254を備える。
LPF251は、操舵トルクTsから、操舵トルクTsに重畳された路面外乱等、ドライバによる介入動作以外のノイズ成分を除去する低域通過フィルタである。絶対値演算器252は、LPF251が出力であるノイズが除去された操舵トルクの絶対値|Ts|を求める。
動作点シフト演算器253は、予め用意されたシフト演算マップ、もしくは関数式を用いて、操舵トルクの絶対値|Ts|を入力として、出力となる重み係数算出用トルクTgを求める。シフト演算マップは、入力|Ts|が大きいほど出力Tgが大きくなる特性を有している。但し、DORレベルLvに応じてその特性はシフトし、DORレベルが大きいほど、入力|Ts|に対する不感帯が大きくなるように設定されている。つまり、DORレベルLvが1(最低)のときには、不感帯はなく、常に入力|Ts|に比例した出力Tg=α×|Ts|となる(但し、ここではα=1)。DORレベルLvがk(k>1)のときには、不感帯の境界値をNkとして、0≦|Ts|≦NkではTg=0、|Ts|>Nkでは、出力Tg=α×(|Ts|−Nk)となる。
重み係数演算器254は、予め用意された重み係数演算マップを用いて、重み係数算出用トルクTgを入力として、出力となる操舵入力感応重み係数Gを求め、その結果を調停部26に出力する。重み係数演算マップは、Tg=0のときにG=1となり、Tg≧AのときにG=0となり、0<Tg<Aでは、0<G<1の範囲で、Tgが大きいほどGが小さくなるように設定されている。なお、0<Tg<Aでのマップの特性を表すグラフの形状は、Tgに応じてGが減少していればよく、その減少傾向は直線的なものに限るものではない。例えば、2次関数のような形状をしていてもよい。
つまり、操舵入力感応重み係数設定部25によって設定される操舵入力感応重み係数Gは、操舵トルクの絶対値|Ts|がゼロのときに最大値G=1となる。このとき、調停部26で生成される制御偏差ΔTは、追従偏差トルク換算値ΔTdに等しくなり、車両軌道制御のみが実行されることになる。
また、操舵入力感応重み係数Gは、操舵トルクの絶対値|Ts|が大きいほど0に近づき、これに伴って、制御偏差ΔTにおける追従偏差トルク換算値ΔTdの割合が減少し、アシスト偏差ΔTsの割合が増大する。つまり、操舵トルクの絶対値|Ts|の増大に伴ってアシスト制御の影響が大きくなり、操舵入力感応重み係数が最小値G=0になると、制御偏差ΔTは、アシスト偏差ΔTsに等しくなり、アシスト制御のみが実行されることになる。
また、操舵入力感応重み係数Gは、DORレベルLvが大きいほど、操舵入力感応重み係数がG=1から減少し始める操舵トルクの絶対値|Ts|が大きくなり、ドライバがより大きな力でハンドルを回転操作しないと、操舵入力感応重み係数Gを1より小さい値に仕向けることができない。即ち、車両軌道制御が優先されてドライバの介入を受けにくい状態になる
<実験>
目標舵角θ=0[deg]にて車両軌道制御が実行されているときに、ドライバがハンドルを、±30[deg]の範囲をランプ状に操舵した場合に検出されるハンドル角θと操舵トルクTsをシミュレーションによって求めた。図7(b)が本実施形態のシミュレーション結果、(a)が比較例のシミュレーション結果であり、いずれの場合もDORレベルLvを、1〜4の4段階で変化させている。なお、比較例は、アシスト偏差ΔTsをサーボ制御した結果であるベースアシスト指令と、追従偏差Δθをサーボ制御した結果である追従指令という、それぞれがサーボ制御した出力結果を、操舵入力感応重み係数Gによって混合したものをアシスト指令Taとしている。
図からは、DORレベルLvを増加させると、ドライバが介入動作をするときの操舵トルクが重くなること、即ち、車両軌道制御における目標舵角θへの維持力が強くなることがわかる。また、比較例では、操舵過渡時(切り出し:図中A、切り返し:図中B、操舵停止:図中C)においてトルク振動が生じているのに対して、本実施形態では、操舵過渡時のトルク振動が抑制されていることがわかる。
<効果>
以上説明したように、本実施形態では、アシスト偏差ΔTsと追従偏差トルク換算値ΔTdとを混合することで制御偏差ΔTを生成し、その制御偏差ΔTの生成に用いる操舵入力感応重み係数Gを、操舵トルクの絶対値|Ts|に応じて、|Ts|が大きいほど、即ち、ドライバによる車両軌道制御への介入の程度が大きいほど、制御偏差ΔTにおけるアシスト偏差ΔTsの割合が大きくなるように変化させている。これにより、アシスト制御と車両軌道制御とをドライバに違和感を与えることなくシームレスに切り替えることができる。
また、本実施形態では、操舵入力感応重み係数Gを、車両軌道制御の必要度を表すDORレベルLvに応じて変化させており、DORレベルLvが高いほど、ドライバが介入動作をするときの操舵トルクが重くなるようにしている。このため、車両軌道制御の必要性が高い状況では、ドライバの介入が抑制され、車両軌道制御の機能を十分に発揮させることができる。
また、本実施形態では、操舵過渡時に生じるトルクのオーバシュートや振動が抑制されるため、これらに起因する操舵時の違和感を抑制することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(1)上記実施形態では、車両軌道制御として、レーンキープ制御を行う場合を例示したが、これに限るものではなく、例えば、モータ回転角度、ステアリング回転角度、ヨーレートセンサ、タイヤ転舵角と目標値との偏差、カメラ,レーザレーダ,ミリ波レーダ等によって得られる目標位置との横変位、GPS等によって得られる目標軌跡との偏差、道路形状によって得られる曲率との偏差に基づいて自動で操舵角を制御するものであればよい。
(2)上記実施形態では、次元変換部24は、追従偏差(目標物理量の偏差)Δθをアシスト偏差ΔTsの次元(単位)に合わせるように換算しているが、逆に、アシスト偏差ΔTsを追従偏差Δθの次元に合わせるように換算してもよい。また、どちらでもない別次元の物理量に両者を換算してもよい。
(3)上記実施形態では、操舵入力感応重み係数設定部25は、DORレベルLvが大きいほど、操舵トルクTsの不感帯が大きくなるようにしているが、これに限るものではなく、DORレベルLvが大きいほど、即ち、車両軌道制御の必要度が高いほど、操舵トルクTsに対する追従偏差の重みの減少が抑制されるようなものであればよい。
(4)本発明の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
1…電動ステアリングシステム 2…ハンドル 3…ステアリングシャフト 4…トルクセンサ 5…インターミディエイトシャフト 6…モータ 6a…減速機構 7…ステアリングギアボックス 8…タイロッド 9…ナックルアーム 10…タイヤ 11…車速センサ 21…操舵力制御部 22…アシスト偏差演算部 23…追従偏差演算部 24…次元変換部 25…操舵入力感応重み係数設定部 26…調停部 27…サーボ制御部 28…モータ駆動回路 100…操舵系メカ 211…負荷推定器 211a…加算器 211b,251…ローパスフィルタ(LPF) 212…目標操舵トルク演算器 252…絶対値演算器 253…動作点シフト演算器 254…重み係数演算器 271…比例制御器 272…積分制御器 273…微分制御器 274…指令値演算器

Claims (3)

  1. 操舵トルクの検出値である検出操舵トルクとアシスト指令によるアシスト制御の結果として検出される操舵トルクの目標値となる目標操舵トルクとの偏差であるアシスト偏差を求めるアシスト偏差演算手段(21,22)と、
    操舵に関わるトルク以外の単位を有する物理量の検出値と、車両軌道制御の目標値となる前記物理量である目標物理量との偏差である追従偏差を求める追従偏差演算手段(23)と、
    前記アシスト偏差演算手段で求めたアシスト偏差および前記追従偏差演算手段で求めた追従偏差の単位が一致するように両偏差のうち少なくとも一方を換算する換算手段(24)と、
    ドライバによる前記車両軌道制御への介入の度合いが大きいほど、前記アシスト偏差の割合が大きくなり、且つ、前記車両軌道制御の必要度が高いほど前記追従偏差の割合が大きくなるように、前記アシスト偏差および前記追従偏差の重み係数を設定する重み係数設定手段(25)と、
    前記換算手段によって単位を一致させた前記アシスト偏差および前記追従偏差を、前記重み係数設定手段にて設定された重み係数に従って混合した制御偏差を求める偏差混合手段(26)と、
    前記偏差混合手段で求めた制御偏差に従い該制御偏差を小さくすることで、前記アシスト制御に基づくアシストトルクや前記車両軌道制御に基づく自動操舵トルクを発生させるモータの駆動に用いる前記アシスト指令値を生成する指令値生成手段(27)と、
    を備えることを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記重み係数設定手段は、ドライバによる車両軌道制御への介入の度合いを表す入力量が大きいほど、前記追従偏差の重み係数を減少させ、且つ、前記車両軌道制御の必要度が高いほど、前記入力量に対する追従偏差の重みの減少を抑制することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 前記車両軌道制御の必要度は、車両走行環境に存在する物標の認識状態の信頼度、または該物標と自車との関係から推定される危険度のうち少なくとも一方に応じて、前記信頼度または前記危険度が高いほど増大するように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操舵制御装置。
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