JP6297784B2 - マニピュレータ装置 - Google Patents
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Description
図1は、マニピュレータ装置1の外観を正面側から示した斜視図である。マニピュレータ装置1は、略水平な机面上に載置されている。ここで、マニピュレータ装置1による処理の対象物に対してユーザが正対した場合、対象物からユーザ側を前側又は正面側、その反対を後側又は背面側とする。ユーザから対象物に向かって、対象物の右側方をマニピュレータ装置1の右側、対象物の左側方をマニピュレータ装置1の左側とする。対象物から机面側をマニピュレータ装置1の下側、その反対をマニピュレータ装置1の上側とする。
マニピュレータ部10は、マニピュレータ11により対象物を処理又は操作(把持、切断、剥離、除去、移動、組み立て、分解、分離等)する構成部である。また、マニピュレータ部10は、対象物を処理する作業状況を撮像する構成部でもある。操作表示部20は、マニピュレータ11を操作し、かつジャガイモの芽から茎頂を摘出する作業状況を表示する構成部である。
図1の例では、マニピュレータ部10と操作表示部20とは、隣接する位置に配置されている。しかし、操作表示部20はマニピュレータ部10を遠隔操作することができるので、マニピュレータ部10と操作表示部20との配置位置は、物理的な距離の制約を受けない。
マニピュレータ11は、対象物を処理する処理具(エフェクタ)を前後、左右及び上下に移動する3軸アクチュエータである。マニピュレータ11は、例えばステッピングモータ、ピエゾ素子、リニアモータ等により駆動される。以下では、マニピュレータ11は、パルス電力に同期して動作するステッピングモータで駆動されるものとする。
コンピュータ21は、マニピュレータ11及び可動ステージ13の制御を行ない、かつカメラ12が撮像した画像をタッチパネル22及びモニタ25に表示するための装置である。コンピュータ21は、デスクトップ型PC(パーソナルコンピュータ)、ノートブックPC、タブレット型PC、スマートフォン等である。以下では、コンピュータ21は、デスクトップ型PCであるものとする。なお、コンピュータ21がタッチパネル22等の入力機能を備えるタブレット型PC、スマートフォン等である場合、マニピュレータ装置1は、タッチパネル22、キーボード23及びマウス24を備えていなくてもよい。
RAM213は、例えばSRAM又はDRAMであり、CPU211が実行する処理の過程で必要な作業変数、データ等を一時的に記憶する。なお、RAM213は主記憶装置の一例であり、RAM213の代わりにフラッシュメモリ、メモリカード等が用いられてもよい。
インタフェース216は、マニピュレータ部10のマニピュレータ11、カメラ12及び可動ステージ13とも接続されている。
なお、マニピュレータ部10と操作表示部20とが夫々遠隔地に配置された場合、通信部217は操作表示部20をマニピュレータ部10と接続するための接続装置となる。かかる場合、マニピュレータ部10に通信部217と同様の構成部を追加する。
タッチパネル22は、表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作する入力装置である。タッチパネル22の表示装置は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の画面を有している。
なお、カメラ12が撮像した画像は、コンピュータ21を介在させずに、直接モニタ25に送信されてもよい。
図4は、マニピュレータ部10における構成要素の配置を概略的に示した上面図である。図4では、ベース板14及びクリーン箱15は、省略されている。図4において、上方はマニピュレータ装置1の前側を、右方はマニピュレータ装置1の左側を示している。
以下、前後、左右及び上下方向を夫々x軸、y軸及びz軸方向と呼ぶ。後側から前側に向かう方向をx軸の+とする。右から左へ向かう方向をy軸の+とする。下から上へ向かう方向をz軸の+とする。
当該配置図において、各カメラの記号に夫々対応する各光軸の交点には、刃11bの先端に対応する記号が表示されている。
第一カメラ画面221p及び第二カメラ画面222pにおいて、刃11bの先端には、夫々ポインタ2pが表示されている。
ユーザは、第一カメラ画面221pが表示されたタッチパネル22の表面において、刃11bを移動させたい目標位置1tを例えばタップする。ただし、この目標位置は、刃11bの移動先近傍におけるジャガイモの芽1gの部分である。例えば、図5及び図6では、第一カメラ画面221pにおいて、符号1tで示されたジャガイモの芽1gの部分を目標位置1tに仮定している。ユーザが目標位置1tをタップした場合、マニピュレータ11は刃11bの先端をタップされたジャガイモの芽1gの外側近傍に移動する。図6の例の場合、刃11bは、目標位置1tに対して+y側及び−x側の近傍に移動している。上述のタップ操作による刃11bの移動は、高速な粗動作である。
最初に、ドラッグ操作に基づきCPU211がマニピュレータ11に処理具を一平面の面内方向へ移動させる場合の処理について説明する。次に、タップ操作に基づきCPU211がマニピュレータ11に処理具をジャガイモの芽1gの外側近傍における三次元方向へ移動させる場合の処理について説明する。
CPU211は、タップ、ダブルタップ、ドラッグ、ピンチイン、ピンチアウト等のジェスチャー入力に応じて、第一カメラ画面221p又は第二カメラ画面222pから各画面上での距離及び方向に係る情報を受け付ける(ステップS11)。当該情報は、例えば画面上での座標である。CPU211は、受け付けた情報から第一カメラ画面221p又は第二カメラ画面222p上での距離及び処理具の移動方向を算出する(ステップS12)。
まず、コンピュータ21にマニピュレータ11の動作を三次元的に制御させるための準備として、ジャガイモの芽1gの表面における立体座標分布をハードディスク214に記憶させる。そのために、第一カメラ画面221pでのy座標及びz座標並びに第二カメラ画面222pでのx座標及びz座標(単位は例えばピクセル)を、画像に含まれるジャガイモの芽1gに対して実行したエッジ検出処理により取得する。
CPU211は、タップ、ダブルタップ等のジェスチャー入力に応じて、第一カメラ画面221p又は第二カメラ画面222pから目標位置1tを受け付ける(ステップS21)。当該情報は、例えば画面上での二次元座標である。CPU211は、受け付けた情報から第一カメラ画面221p又は第二カメラ画面222p上での距離及び処理具の移動方向を算出する(ステップS22)。
また、マニピュレータ11は、ユーザがタッチパネル22上で不規則な軌跡を描くドラッグ操作を行った場合、描かれたドラッグ操作に応じた軌跡を描くように、処理具を移動する。すなわち、マニピュレータ11は、タッチパネル22上でユーザが行なったドラッグ操作に追随するように、処理具を移動する。
回転ステージ13rを回転させる場合、ユーザは第一カメラ画面221p又は第二カメラ画面222pの下部領域を、例えば2本の指で左右方向にドラッグする。CPU211は、タッチパネル22から左から右へのドラッグ操作を受け付けた場合、反時計回りの回転をさせるための信号を回転ステージ13rに送信する。CPU211は、タッチパネル22から右から左へのドラッグ操作を受け付けた場合、時計回りの回転をさせるための信号を回転ステージ13rに送信する。回転ステージ13rは、CPU211から回転に係る信号を受信した場合、信号の内容に応じて、反時計回り又は時計回りの回転をする。
ユーザは、クリーン箱15を把持してベース板14から上方に持ち上げ、マニピュレータ装置1から取り外す。ユーザは、回転ステージ13rの略中央にジャガイモの芽1gを載置する。ユーザは、クリーン箱15を把持してベース14の上に移動し、マニピュレータ部10の構成物をクリーン箱15内部に収容する。
ユーザは、上述の準備作業を実行し、ハードディスク214に第一変換情報、第二変換情報、第一奥行き情報及び第二奥行き情報を記憶させる。
このように、ジャガイモの芽1gから茎頂を摘出するためには、ジャガイモの芽1gの表皮を一枚ずつ剥がし、芽1gの上部をスライスする。この微細な作業を手作業で行う場合に比較して、マニピュレータ装置1はより短時間で実行することができる。
また、マニピュレータ装置1は、ジェスチャー入力により、対象物から一定距離以上離れた状態の処理具を、元の位置に復帰させる粗動作のための機能も有している。
なお、CPU211は、タッチパネル22からフリック入力を受け付けた場合、フリック入力を受け付けた開始時点での刃11bの座標位置(xyz空間での座標位置)をRAM213に記憶する。
ユーザは、タッチパネル22の画面に表示される対象物及び対象物を操作する処理具を見ると同時に、タッチパネル22に対するジェスチャー入力によりマニピュレータ11を操作する。そのため、ユーザがタッチパネル22を見る視野は、例えば顕微鏡の対眼レンズにおける視野のように閉鎖されておらず、開放されている。そのため、従来のマニピュレータ装置に比較して、マニピュレータ装置1における操作可能な空間範囲はより広い。このように、ユーザはマニピュレータ装置1をオープン空間で操作することができるので、ユーザの疲労度は従来のマニピュレータ装置よりも軽減される。
タッチパネル22からのマニピュレータ11に対する直感的なジェスチャー入力は、複雑なマニピュレータ11の機械構成を理解する必要がないため、初心者でもすぐにマニピュレータ装置1の操作を開始することができる。タッチパネル22からの入力は、微細作業に係る入力であっても容易に行うことができる。そのため、マニピュレータ装置1は、例えば手先が震える高齢者、障碍者であっても、操作可能である。
実施の形態2は、三次元位置を入力する力帰還型の入力装置をマニピュレータ装置1が含む形態に関する。入力装置は、対象物の硬軟に応じて、処理具が対象物に及ぼした力の反力を増幅して、入力装置自身に帰還させる3D入力装置である。
なお、実施の形態2において、実施の形態1と同様である構成要素には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
反力検出部112は、マニピュレータ11におけるアーム111の先端部に取り付けられた例えば歪ゲージ、圧力センサ、変位センサである。反力検出部112は、処理具が対象物に及ぼした力の反力を検出し、当該反力に応じた電気信号を生成する。出力部113は、反力検出部112が生成した電気信号を増幅し、検出信号として、入力装置26の本体262に送信する構成部である。
実施の形態3は、クリーン箱15内の状態を無菌状態に保持する形態に関する。
なお、実施の形態3において、実施の形態1、2と同様である構成要素には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
送風ユニット154は、外部の空気をクリーン箱15内部へ送り出す構成部である。送風ユニット154は、フィルタ152の上側に設けられている。送風ユニット154は、モータ154m及びファン154fを含む。モータ154mはファン154fを回転させるための電動機である。ファン154fは、例えばシロッコファン、サイレントファンである。ファン154fは、モータ154mにより回転し、クリーン箱15上方の空気を流入口151へ送り出す。
クリーン箱15は、謂わば卓上サイズの狭小なクリーンベンチといえる。茎頂の摘出、幼苗の分割等の作業を行う場合、作業環境を清浄に保つ必要がある。そのために、クリーンルーム、クリーンベンチ等が必要とされ、高額の設備投資をしなければならない。しかし、クリーン箱15は、その小さい容積部分のみを清浄に保つため、コストの低減に資する。
マニピュレータ装置1は、クリーンな環境が求められる半導体基板又は液晶装置における部品加工、高分子材料を用いた部品加工等にも利用可能である。その際にも、クリーン箱15は、塵埃を排除した清浄な作業環境を提供することができる。
前記マニピュレータは、前記処理具が前記対象物に及ぼした力に対する反力を検出し、検出した反力に応じた信号を出力する検出部を有し、
該検出部が出力した信号に応じた力が帰還され、かつ前記処理具の三次元目標位置を受け付ける受付装置を備え、
前記制御部は、前記受付装置が受け付けた三次元目標位置に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御するようにしてある
ことを特徴とする付記1から付記6までのいずれか一つに記載のマニピュレータ装置。
前記先端部に植物細胞を処理するための処理具が取り付けられている
ことを特徴とする付記1から付記9までのいずれか一つに記載のマニピュレータ装置。
11 マニピュレータ
111 アーム
112 反力検出部(検出部)
113 出力部(検出部)
12 カメラ(撮像部)
12x 第一カメラ(撮像部)
12y 第二カメラ(撮像部)
121x、121y 拡大レンズ
13 可動ステージ
13r 回転ステージ
14 ベース板
15 クリーン箱(箱体)
151 流入口
152 流出口
153 送風ユニット(吹出部)
154 フィルタ
21 コンピュータ
211 CPU(制御部)
212 ROM
213 RAM
214 ハードディスク(記憶部)
215 通信部
22 タッチパネル
23 キーボード
24 マウス
25 モニタ
26 入力装置(受付装置)
260 受付部
266 アクチュエータ(力生成部)
11b 刃(処理具)
11m 鋏(処理具)
1g ジャガイモの芽(対象物)
Claims (7)
- マニピュレータの先端部に取り付けられた処理具で対象物を処理するマニピュレータ装置において、
前記処理具により処理される対象物を撮像する撮像部と、
該撮像部が撮像した画像を画面に表示し、かつ前記マニピュレータの動作を制御するための指示を受け付けるタッチパネルと、
該タッチパネルが受け付けた指示に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御する制御部と、
前記タッチパネルの画面上における距離及び前記先端部の移動距離を対応付けて記憶し、かつ前記対象物の三次元位置を記憶する記憶部と
を備え、
前記タッチパネルは前記対象物に対応する前記処理具の三次元目標位置を受け付けるようにしてあり、
前記制御部は、前記タッチパネルが受け付けた前記三次元目標位置及び前記記憶部に記憶された内容に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御するようにしてあり、
前記制御部は、前記タッチパネルが受け付けたジェスチャー入力により、前記マニピュレータの粗動作と微動作とを切り替えるようにしてあり、前記タッチパネルがタップ操作を受けた場合には前記粗動作に切り替え、前記タッチパネルがドラッグ操作を受けた場合には前記微動作に切り替える
ことを特徴とするマニピュレータ装置。 - 前記マニピュレータ及び撮像部を収容する箱体を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ装置。 - 前記対象物を載置する可動ステージを備え、
前記タッチパネルは前記可動ステージの動作を制御するための指示を受け付けるようにしてあり、
前記制御部は、前記タッチパネルが受け付けた指示に基づいて、前記可動ステージの動作を制御するようにしてある
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマニピュレータ装置。 - 前記撮像部は対象物を拡大して撮像するようにしてある
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のマニピュレータ装置。 - 前記マニピュレータは、前記処理具が前記対象物に及ぼした力に対する反力を検出し、検出した反力に応じた信号を出力する検出部を有し、
該検出部が出力した信号に応じた力を生成する力生成部及び該力生成部により生成された力が付与され、付与された力により前記処理具の三次元目標位置を受け付ける受付部を有する受付装置を備え、
前記制御部は、前記受付装置が受け付けた三次元目標位置に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御するようにしてある
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のマニピュレータ装置。 - 前記箱体は、
空気を吹き出す吹出部と、
該吹出部が吹き出した空気を清浄化するフィルタと、
該フィルタからの清浄空気が内部に流入する流入口と、
内部の空気が流出する流出口と
を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のマニピュレータ装置。 - 前記撮像部は、前記対象物を異なる方向から撮像する複数の撮像部を有しており、
前記タッチパネルは前記複数の撮像部が夫々撮像した画像を表示する画面領域各々を有し、かつ該画面領域各々にて前記マニピュレータの動作を制御するための指示を受け付けるようにしてあり、
前記制御部は、前記タッチパネルの画面領域各々が受け付けた指示に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御するようにしてある
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のマニピュレータ装置。
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