JP6295571B2 - 電子デバイス、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体 - Google Patents

電子デバイス、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体 Download PDF

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Description

本発明は、電子デバイス、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体に関するものである。
温度調節される被温度調節部を備える電子デバイスとして、例えば、恒温槽型水晶発振器、原子発振器等が知られている。
例えば、特許文献1に係る圧電発振器では、圧電振動子を収容している恒温槽である金属ブロックがヒーターからの熱を用いて温度調節されている。この圧電発振器では、金属ブロックおよびヒーターを収納している筐体の底板に対して基板を介して金属ブロックが支持されており、金属ブロックから底板への熱の逃げを抑制する目的で、基板に熱の伝達経路を小さくする切込みが設けられている。
しかし、特許文献1に係る圧電発振器では、基板の熱伝導を抑制することができるものの、基板から輻射(放射)により熱が逃げてしまい、その結果、消費電力の増大を招くという問題がある。一般に、輻射による熱の逃げは、熱伝導や対流による熱の逃げよりも量が少ないが、近年、電子デバイスの省電力化の要請に伴い、被温度調節部からの熱伝導や対流による熱の伝達を極力小さくすることが行われており、その結果、輻射による熱の逃げが顕在化し、上述した問題が特に顕著となる。
特開2003−142943号公報
本発明の目的は、低消費電力化を図ることができる電子デバイス、量子干渉装置および原子発振器を提供すること、また、かかる電子デバイスまたは原子発振器を備える信頼性に優れた電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
本発明のある形態に係る量子干渉装置は、ベース部と、金属原子が封入されているガスセルを含むユニット部と、前記ベース部と前記ユニット部の間に配設され、前記ユニット部を、当該ユニット部に対向する第1の表面で支持している支持部と、波長4μmの電磁波に対する反射率が50%以上である支持側反射部と、を備え、前記支持側反射部は複数の部分を有し、当該複数の部分が前記支持部の、前記第1の表面を含む複数の表面に、互いに離れて配設されていることを特徴とする。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記支持側反射部の前記複数の部分の少なくとも一つは、前記第1の表面において、前記ユニット部と間隙を有して配設されている。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記ユニット部は、前記ガスセルを加熱する加熱部を備えている。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記ガスセルは前記ユニット部に含まれる接続部材に係合され、前記ガスセルの外表面と前記接続部材の間に配設され、波長4μmの電磁波に対する反射率が50%以上である加熱側反射部を備える。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記加熱側反射部は、金属膜で構成されている。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記ガスセル内の前記金属原子を励起する光を出射する光出射部と、前記ガスセルを透過した前記光を検出する光検出部と、を備えており、前記加熱側反射部は、前記ガスセルの外表面のうち前記光が透過する部分を除く部分に配置されている。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記支持側反射部の前記複数の部分は、縞状に配置されている。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記支持側反射部の前記複数の部分は、斑点状に配置されている。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記支持部の前記複数の表面における前記支持側反射部の配設密度は、前記ガスセル側が前記ベース部側よりも大きい。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記支持側反射部は、金属材料で構成されている。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記支持部は、一端部が前記ベース部に接続されている複数の脚部と、前記複数の脚部を連結する連結部と、を有し、前記脚部と前記ベース部との接続部は、前記ベース部と前記ユニット部とが重なる方向からみた平面視で、前記ユニット部に対して離間している。
本発明のある別な形態に係る量子干渉装置は、前記支持部は、樹脂材料を主材料として構成されている。
本発明のある形態に係る原子発振器は、上述した量子干渉装置を備えることを特徴とする。
本発明のある形態に係る電子機器は、上述した量子干渉装置を備えることを特徴とする。
本発明のある形態に係る移動体は、上述した量子干渉装置を備えることを特徴とする。
[適用例1]
本発明の電子デバイスは、ベース部と、温度調節される被温度調節部と、前記ベース部に対して前記被温度調節部を支持している支持部と、波長4μmの電磁波に対する反射率が50%以上であって、前記支持部の表面において、互いに離れて配置されている複数の部分を含む支持側反射部と、を備えることを特徴とする。
このような電子デバイスによれば、支持部の断熱性(熱抵抗)を高めて支持部を介した被温度調節部とベース部との間の熱伝導を抑制しつつ、支持部からの熱輻射を支持側反射部により抑制することができる。ここで、支持側反射部が互いに離れて配置されている複数の部分を含んでいるため、支持側反射部を介した被温度調節部とベース部との間の熱伝導を抑制することができる。すなわち、支持側反射部は、被温度調節部とベース部との間の熱伝導の増加を小さくしながら、支持部からの熱輻射を抑制することができる。その結果、電子デバイスの低消費電力化を図ることができる。
[適用例2]
本発明の量子干渉装置は、ベース部と、
金属原子が封入されているガスセルと、
前記ベース部に対して前記ガスセルを支持している支持部と、
波長4μmの電磁波に対する反射率が50%以上であって、前記支持部の表面において、互いに離れて配置されている複数の部分を含む支持側反射部と、
を備えることを特徴とする。
このような量子干渉装置によれば、支持部の断熱性(熱抵抗)を高めて支持部を介したガスセル(被温度調節部)とベース部との間の熱伝導を抑制しつつ、支持部からの熱輻射を支持側反射部により抑制することができる。ここで、支持側反射部が互いに離れて配置されている複数の部分を含んでいるため、支持側反射部を介したガスセルとベース部との間の熱伝導を抑制することができる。すなわち、支持側反射部は、ガスセルとベース部との間の熱伝導の増加を小さくしながら、支持部からの熱輻射を抑制することができる。その結果、量子干渉装置の低消費電力化を図ることができる。
[適用例3]
本発明の量子干渉装置では、前記ガスセルを加熱する加熱部を備えており、
前記支持部は、前記ベース部に対して前記加熱部を支持していることが好ましい。
これにより、ガスセルを所望の温度に温度調節することができる。また、加熱部が支持部を介してベース部に支持されているので、加熱部と外部との間の熱干渉を抑制することができる。
[適用例4]
本発明の量子干渉装置では、前記ガスセルの外表面に配置され、波長4μmの電磁波に対する反射率が50%以上である加熱側反射部を備えることが好ましい。
これにより、ガスセルの熱が輻射により逃げるのを抑制することができる。
[適用例5]
本発明の量子干渉装置では、前記ガスセル内の前記金属原子を励起する光を出射する光出射部と、
前記ガスセルを透過した前記光を検出する光検出部と、を備えており、
前記加熱側反射部は、前記ガスセルの外表面のうち前記光が透過する部分を除く部分に配置されていることが好ましい。
これにより、加熱側反射部の構成材料や厚さ等に関係なく、光出射部からの光をガスセル内の金属原子に照射し光検出部で検出することができる。そのため、加熱側反射部からの熱輻射を効果的に抑制することができる。
[適用例6]
本発明の量子干渉装置では、前記支持側反射部の前記複数の部分は、縞状に配置されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、支持側反射部を介したガスセルとベース部との間の熱伝導を効率的に抑制することができる。
[適用例7]
本発明の量子干渉装置では、前記支持側反射部の前記複数の部分は、斑点状に配置されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、支持側反射部を介したガスセルとベース部との間の熱伝導を効率的に抑制することができる。
[適用例8]
本発明の量子干渉装置では、前記支持部の表面における前記支持側反射部の配設密度は、前記ガスセル側が前記ベース部側よりも大きいことが好ましい。
これにより、支持部の温度が高い側の部分の熱の輻射を効率的に抑制することができる。
[適用例9]
本発明の量子干渉装置では、前記支持側反射部は、金属材料で構成されていることが好ましい。
これにより、支持側反射部の熱の輻射を抑制する作用を好適に発揮させることができる。
[適用例10]
本発明の量子干渉装置では、前記ガスセルを含むユニット部を備え、
前記支持部は、一端部が前記ベース部に接続されている複数の脚部と、前記複数の脚部を連結する連結部と、を有し、
前記脚部の他端部または前記連結部は、前記ユニット部に接続され、
前記脚部と前記ベース部との接続部は、前記ベース部と前記ユニット部とが重なる方向からみた平面視で、前記ユニット部に対して離間していることが好ましい。
これにより、各脚部の一端部(ベース部との接続部)が平面視にてユニット部に対して離間しているので、ベース部とユニット部との間の距離を小さくしても、支持部を介したユニット部からベース部への熱の伝達経路を長くすることができる。そのため、原子発振器の小型化を図りつつ、支持部を介したユニット部からベース部への熱の伝達を抑制することができる。また、複数の脚部間が連結部により連結されているので、支持部の剛性を高めることができる。そのため、ユニット部の振動を抑制することができる。
[適用例11]
本発明の量子干渉装置では、前記支持部は、樹脂材料を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、支持部の熱抵抗を高くすることができる。
[適用例12]
本発明の原子発振器は、本発明の量子干渉装置を備えることを特徴とする。
このような原子発振器によれば、低消費電力化を図ることができる。
[適用例13]
本発明の電子機器は、本発明の量子干渉装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
[適用例14]
本発明の移動体は、本発明の量子干渉装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る原子発振器(電子デバイス)を示す断面図である。 図1に示す原子発振器の概略図である。 図1に示す原子発振器のガスセル内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 図1に示す原子発振器の光出射部および光検出部について、光出射部からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフである。 図1に示す原子発振器が備えるユニット部の加熱部および接続部材を説明するための断面図である。 図1に示す原子発振器が備えるガスセルおよび加熱側反射部を説明するための分解図である。 (a)は、図1に示す原子発振器の支持部の平面図、(b)は、(a)中のA−A線断面図である。 図1に示す原子発振器の支持部の側面図であって、支持部の表面に設けられた支持側反射部を説明するための図である。 図1に示す原子発振器の変形例に係る支持側反射部を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る原子発振器(電子デバイス)を示す断面図である。 図10に示す原子発振器の支持部の平面図である。 図10に示す支持部の部分拡大斜視図である。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。 本発明の原子発振器を備える移動体(自動車)の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の電子デバイス、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.原子発振器(電子デバイス)
まず、本発明の原子発振器(本発明の電子デバイス)について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る原子発振器(電子デバイス)を示す断面図、図2は、図1に示す原子発振器の概略図である。また、図3は、図1に示す原子発振器のガスセル内におけるアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。また、図4は、図1に示す原子発振器の光出射部および光検出部について、光出射部からの2つの光の周波数差と、光検出部での検出強度との関係を示すグラフである。また、図5は、図1に示す原子発振器が備えるユニット部の加熱部および接続部材を説明するための断面図である。また、図6は、図1に示す原子発振器が備えるガスセルおよび加熱側反射部を説明するための分解図である。また、図7(a)は、図1に示す原子発振器の支持部の平面図、図7(b)は、(a)中のA−A線断面図である。また、図8は、図1に示す原子発振器の支持部の側面図であって、支持部の表面に設けられた支持側反射部を説明するための図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」という。
図1に示す原子発振器1は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。
この原子発振器1は、図1に示すように、量子干渉効果を生じさせる主要部を構成するユニット部2と、ユニット部2を収納するパッケージ3と、パッケージ3内に収納され、ユニット部2をパッケージ3に対して支持する支持部材4(支持部)と、支持部材4の外表面に設けられた支持側反射部7と、を備える。
ここで、ユニット部2は、ガスセル21と、光出射部22と、光学部品231、232と、光検出部24と、ヒーター25(発熱部)と、温度センサー26と、基板28と、接続部材29と、を含み、これらがユニット化されている。また、ガスセル21の外表面には、加熱側反射部6が設けられている。
また、図1では図示しないが、原子発振器1は、上記のほか、コイル27および制御部5を有する(図2参照)。
まず、原子発振器1の原理を簡単に説明する。
原子発振器1では、ガスセル21内に、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。
アルカリ金属は、図3に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光1、2を照射すると、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
光出射部22は、ガスセル21に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を出射する。
例えば、光出射部22が共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部24の検出強度は、図4に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
以下、原子発振器1の各部を順次詳細に説明する。
[ガスセル]
ガスセル21内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。また、ガスセル21内には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属ガスとともに封入されていてもよい。
図5に示すように、ガスセル21は、柱状の貫通孔を有する本体部211と、その貫通孔の両開口を封鎖する1対の窓部212、213とを有する。これにより、前述したようなアルカリ金属が封入される内部空間Sが形成されている。
ここで、ガスセル21の各窓部212、213は、前述した光出射部22からの励起光に対する透過性を有している。そして、一方の窓部212は、ガスセル21内へ入射する励起光が透過するものであり、他方の窓部213は、ガスセル21内から出射した励起光が透過するものである。
この窓部212、213を構成する材料としては、前述したような励起光に対する透過性を有していれば、特に限定されないが、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられる。
また、ガスセル21の本体部211を構成する材料は、特に限定されず、シリコン材料、セラミックス材料、金属材料、樹脂材料等であってもよく、窓部212、213と同様にガラス材料、水晶等であってもよい。
そして、各窓部212、213は、本体部211に対して気密的に接合されている。これにより、ガスセル21の内部空間Sを気密空間とすることができる。
ガスセル21の本体部211と窓部212、213との接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、接着剤による接合方法、直接接合法、陽極接合法等を用いることができる。
以上説明したようなガスセル21は、ヒーター25からの熱により加熱される。これにより、ガスセル21を所望の温度に温度調節することができる。
[加熱側反射部]
加熱側反射部6は、図5および図6に示すように、ガスセル21の外表面に配置されている。そして、加熱側反射部6は、波長4μmの電磁波(すなわち遠赤外線)に対する反射率が50%以上である。これにより、ガスセル21の熱が輻射により逃げるのを抑制することができる。また、パッケージ3から輻射された熱を加熱側反射部6で反射して、パッケージ3からガスセル21への輻射による熱伝導を抑制することもできる。
また、加熱側反射部6は、ガスセル21の外表面のうち光出射部22からの励起光LLが透過する部分を除く部分に配置されている。これにより、加熱側反射部6の構成材料や厚さ等に関係なく、光出射部22からの光をガスセル21内のアルカリ金属に照射し光検出部24で検出することができる。そのため、加熱側反射部6からの熱輻射を効果的に抑制することができる。
具体的に説明すると、加熱側反射部6には、励起光LLの通過領域に開口部61、62が形成されており、加熱側反射部6は、開口部61、62の形成領域以外の全域においてガスセル21の外表面を覆っている。
また、加熱側反射部6の波長4μmの電磁波に対する反射率(以下、「熱の反射率」ともいう)は、高い程前述したような効果が高まるため、75%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
このような加熱側反射部6の構成材料としては、ガスセル21の外表面よりも熱の反射率が高ければ、特に限定されず、例えば、セラミックス材料、金属材料、樹脂材料等を用いることができるが、金属材料を用いることが好ましい。これにより、加熱側反射部6の熱の反射率を75%以上とすることができる。
加熱側反射部6を構成する金属材料としては、特に限定されないが、例えば、銅(熱の反射率97.93%)、銀(熱の反射率98.47%)、金(熱の反射率98.62%)、チタン(熱の反射率78.04%)、クロム(熱の反射率93.77%)、鉄(熱の反射率87.09%)、コバルト(熱の反射率87.75%)、ニッケル(熱の反射率92.38%)、アルミニウム(熱の反射率99.03%)、イリジウム(熱の反射率98.73%)、鉛(熱の反射率98.90%)等の金属またはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金を用いることができ、中でも、熱の反射率が高いという観点から、銅、銀、金、クロム、ニッケル、アルミニウム、イリジウム、鉛を用いることが好ましく、さらに化学安定性に優れているという観点から、金が好ましい。
また、加熱側反射部6は、1種の金属または合金で構成されていてもよいし、2種以上の金属または合金を積層して構成されていてもよい。
また、加熱側反射部6を、ガスセル21を構成する材料の熱伝導率よりも大きい熱伝導率の材料で構成することにより、接続部材29からの熱を加熱側反射部6による熱伝導により効率的に拡散させることができる。その結果、ガスセル21内の温度分布を均一化することができる。特に、加熱側反射部6が窓部212、213間を繋いでいるので、窓部212、213間の温度差を小さくすることができる。また、加熱側反射部6が各窓部212、213の縁部に沿って全周に亘って設けられているので、各窓部212、213の温度分布の均一化を図ることができる。このような観点からも、加熱側反射部6は、金属材料で構成されていることが好ましい。
また、加熱側反射部6は、膜状をなしており、加熱側反射部6の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、蒸着、スパッタリング等の気相成膜法を用いることができる。
[光出射部]
光出射部22は、ガスセル21中のアルカリ金属原子を励起する励起光を出射する機能を有する。
より具体的には、光出射部22は、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を励起光として出射するものである。
共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル21中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起し得るものである。
また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル21中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起し得るものである。
この光出射部22としては、前述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
[光学部品]
図2に示すように、複数の光学部品231、232は、それぞれ、前述した光出射部22とガスセル21との間における励起光LLの光路上に設けられている。
本実施形態では、光出射部22側からガスセル21側へ、光学部品231、光学部品232がこの順に配置されている。
光学部品231は、λ/4波長板である。これにより、光出射部22からの励起光LLを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。
後述するようにコイル27の磁場によりガスセル21内のアルカリ金属原子がゼーマン***した状態において、仮に直線偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン***した複数の準位に均等に分散して存在することとなる。その結果、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数が他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に少なくなるため、所望のEIT現象を発現する原子数が減少し、所望のEIT信号の強度が小さくなり、その結果、原子発振器1の発振特性の低下をもたらす。
これに対し、後述するようにコイル27の磁場によりガスセル21内のアルカリ金属原子がゼーマン***した状態において、円偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン***した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振器1の発振特性を向上させることができる。
光学部品232は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、ガスセル21に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができる。そのため、光出射部22の出力が大きい場合でも、ガスセル21に入射する励起光を所望の光量とすることができる。本実施形態では、前述した光学部品231を通過した所定方向の偏光を有する励起光LLの強度を光学部品232により調整する。
なお、光出射部22とガスセル21との間には、波長板および減光フィルターの他に、レンズ、偏光板等の他の光学部品が配置されていてもよい。また、光出射部22からの励起光の強度によっては、光学部品232を省略することができる。
[光検出部]
光検出部24は、ガスセル21内を透過した励起光LL(共鳴光1、2)の強度を検出する機能を有する。
本実施形態では、光検出部24は、接着剤30を介して接続部材29上に接合されている。
ここで、接着剤30としては、公知の接着剤を用いることができるが、熱伝導性が優れる接着剤を用いた場合、接続部材29から熱により光検出部24も温度調節することができる。
この光検出部24としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
[ヒーター]
ヒーター25は、通電により発熱する発熱抵抗体(発熱部)を有する。
このヒーター25からの熱は、基板28および接続部材29を介して、ガスセル21に伝達される。これにより、ガスセル21(より具体的にはガスセル21中のアルカリ金属)が加熱され、ガスセル21中のアルカリ金属を所望の濃度のガス状に維持することができる。また、本実施形態では、ヒーター25からの熱は、基板28を介して光出射部22にも伝達される。
このヒーター25は、ガスセル21に対して離間している。これにより、ヒーター25への通電により生じた不要磁場がガスセル21内の金属原子に悪影響を与えるのを抑制することができる。
本実施形態では、ヒーター25は、基板28上に設けられている。これにより、ヒーター25からの熱は、基板28に伝達される。
[温度センサー]
温度センサー26は、ヒーター25またはガスセル21の温度を検出するものである。そして、この温度センサー26の検出結果に基づいて、前述したヒーター25の発熱量が制御される。これにより、ガスセル21内のアルカリ金属原子を所望の温度に維持することができる。
本実施形態では、温度センサー26は、基板28上に設けられている。
なお、温度センサー26の設置位置は、これに限定されず、例えば、接続部材29上であってもよいし、ヒーター25上であってもよいし、ガスセル21の外表面上であってもよい。
温度センサー26としては、それぞれ、特に限定されず、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。
[コイル]
コイル27は、通電により、磁場を発生させる機能を有する。これにより、ガスセル21中のアルカリ金属に磁場を印加することにより、ゼーマン***により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器1の発振周波数の精度を高めることができる。
なお、コイル27が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。
また、このコイル27は、ガスセル21を囲むように設けられたソレノイドコイルであってもよいし、ガスセル21を挟むように設けられたヘルムホルツコイルであってもよい。
コイル27の設置位置は、図示しないが、ガスセル21と接続部材29との間であってもよいし、接続部材29とパッケージ3との間であってもよい。
[基板]
基板28の一方の面(上面)には、光出射部22、ヒーター25、温度センサー26および接続部材29が搭載されている。
基板28は、ヒーター25からの熱を接続部材29へ伝達する機能を有する。これにより、ヒーター25が接続部材29に対して離間していても、ヒーター25からの熱を接続部材29へ伝達することができる。
ここで、基板28は、ヒーター25と接続部材29とを熱的に接続している。このようにヒーター25および接続部材29を基板28に搭載することにより、ヒーター25の設置の自由度を高めることができる。
また、光出射部22が基板28に搭載されていることにより、ヒーター25からの熱により光出射部22を温度調節することができる。
また、基板28は、光出射部22、ヒーター25、温度センサー26および接続部材29を支持する機能をも有する。
このような基板28の構成材料としては、特に限定されないが、熱伝導性に優れた材料、例えば、金属材料を用いることができる。また、基板28を金属材料で構成することにより、基板28の表面の熱の反射率を高め、基板28からの熱の輻射を抑制することもできる。なお、基板28を金属材料で構成した場合、基板28の表面には、必要に応じて、例えば、樹脂材料、金属酸化物、金属窒化物等で構成された絶縁層が設けられていてもよい。ただし、かかる絶縁層は、上述した熱の輻射を抑制する観点から、基板28の下面にはできるだけ設けないことが好ましい。
なお、基板28は、接続部材29の形状、ヒーター25の設置位置等によっては、省略することができる。この場合、ヒーター25を接続部材29に接触させる位置に設置すればよい。
[接続部材]
接続部材29は、ヒーター25とガスセル21の各窓部212、213とを熱的に接続している。これにより、ヒーター25からの熱を接続部材29による熱伝導により各窓部212、213に伝達し、各窓部212、213を加熱することができる。また、ヒーター25とガスセル21とを離間することができる。そのため、ヒーター25への通電により生じた不要磁場がガスセル21内の金属原子に悪影響を与えるのを抑制することができる。また、ヒーター25の数を少なくすることができるため、例えば、ヒーター25への通電のための配線の数を少なくし、その結果、原子発振器1(量子干渉装置)の小型化を図ることができる。
図5および図6に示すように、接続部材29は、ガスセル21を挟んで設けられた1対の接続部材291、292で構成されている。これにより、ガスセル21に対する接続部材29の設置を容易なものとしつつ、接続部材29からガスセル21の各窓部212、213に均一に熱を伝達させることができる。
より具体的に説明すると、接続部材291は、ガスセル21を挟んで配置されている1対の接続部291a、291bと、1対の接続部291a、291b間を連結する連結部291cとを有している。同様に、接続部材292は、ガスセル21を挟んで配置されている1対の接続部292a、292bと、1対の接続部292a、292b間を連結する連結部292cとを有している。これにより、ヒーター25からの熱を各窓部212、213に効率的に伝達することができる。
ここで、接続部291a、292a、291b、292bは、それぞれ、加熱側反射部6に接触している。すなわち、窓部212、213と接続部材291、292とは、加熱側反射部6を介して接続されている。
また、接続部291a、291b、292a、292bは、それぞれ、励起光LLの通過領域を避けるように形成されている。すなわち、接続部291a、291b、292a、292bは、それぞれ、励起光LLの通過領域の外側に配置されている。これにより、ガスセル21へ励起光を入射させるとともに、ガスセル21から励起光を出射させることができる。
このような1対の接続部材291、292は、例えば、ガスセル21の互いに対向する1対の側面の両側からガスセル21を挟むようにして嵌合している。
なお、加熱側反射部6と接続部291a、292aとの間、および、加熱側反射部6と接続部291b、292bとの間の少なくとも一方に隙間が形成されている場合には、その隙間に、熱伝導性を有する接着剤が充填されていてもよい。かかる接着剤としては、例えば、金属ペースト、伝熱性フィラーを含有した樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等が挙げられる。
また、連結部291c、292cは、それぞれ、加熱側反射部6(加熱側反射部6を省略した場合、ガスセル21)との間に隙間を形成して配置されている。これにより、連結部291c、292cとガスセル21との間の熱の伝達を抑制し、接続部材291、292から各窓部212、213へ効率的に熱の伝達を行うことができる。
このような接続部材29の構成材料としては、熱伝導性に優れた材料、例えば、金属材料を用いることができる。
[パッケージ]
パッケージ3は、ユニット部2および支持部材4を収納する機能を有する。なお、図1では、図示を省略しているが、パッケージ3内には、図2に示すコイル27も収納されている。また、パッケージ3内には、前述した部品以外の部品が収納されていてもよい。
このパッケージ3は、図1に示すように、板状の基体31(ベース部)と、有底筒状の蓋体32とを備え、蓋体32の開口が基体31により封鎖されている。これにより、ユニット部2および支持部材4を収納する空間が形成されている。
基体31は、支持部材4を介してユニット部2を支持している。
また、図示しないが、基体31には、パッケージ3の外部から内部のユニット部2への通電のための複数の配線および複数の端子が設けられている。
この基体31の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、セラミックス材料等を用いることができる。
このような基体31には、蓋体32が接合されている。
基体31と蓋体32との接合方法としては、特に限定されないが、例えば、ろう接、シーム溶接、エネルギー線溶接(レーザー溶接、電子線溶接等)等を用いることができる。
なお、基体31と蓋体32との間には、これらを接合するための接合部材が介在していてもよい。
このような蓋体32の構成材料としては、特に限定されず、例えば、樹脂材料、セラミックス材料、金属材料等を用いることができる。
また、基体31と蓋体32とは気密的に接合されているのが好ましい。すなわち、パッケージ3内が気密空間であることが好ましい。これにより、パッケージ3内を減圧状態または不活性ガス封入状態とすることができ、その結果、原子発振器1の特性を向上させることができる。
特に、パッケージ3内は、減圧状態であることが好ましい。これにより、パッケージ3内の空間を介した熱の伝達を抑制することができる。そのため、接続部材29とパッケージ3の外部との間や、パッケージ3内の空間を介したヒーター25とガスセル21との間の熱干渉を抑制することができる。そのため、ヒーター25からの熱を接続部材29を介して効率的に各窓部212、213へ伝達し、2つの窓部212、213間の温度差を抑制することができる。また、ユニット部2とパッケージ3の外部との間の熱の伝達をより効果的に抑制することができる。
[支持部材]
支持部材4(支持部)は、パッケージ3内に収納されており、パッケージ3の一部を構成する基体31に対してユニット部2を支持する機能を有する。すなわち、支持部材4は、基体31に対してユニット部2の各部を直接的または間接的に支持している。
また、支持部材4は、ユニット部2とパッケージ3の外部との間の熱の伝達を抑制する機能を有する。これにより、ユニット部2の各部と外部との間の熱干渉を抑制することができる。
この支持部材4は、図7に示すように、複数の脚部41(柱部)と、複数の脚部41を連結する連結部42とを有する。
複数の脚部41は、それぞれ、パッケージ3の基体31の内側の面に例えば接着剤により接合されている。
この複数の脚部41は、基体31とユニット部2とが重なる方向からみた平面視(以下、単に「平面視」ともいう)にて、ユニット部2の外側に配置されている。
本実施形態では、脚部41は、平面視にて、正方形をなすガスセル21の角部に対応するように、4つ設けられている。
各脚部41は、円筒状をなし、基体31の内側の面に対して垂直な方向に延びて立設されている。
また、各脚部41には、中空部411が形成されている。これにより、各脚部41の剛性を確保しつつ、脚部41における熱の伝達を抑制することができる。
この中空部411は、大気圧よりも減圧した雰囲気(減圧状態または真空状態)であることが好ましい。これにより、脚部41における熱の伝達をより効果的に抑制することができる。
本実施形態では、中空部411は、脚部41を上下に貫通している。そのため、パッケージ3内を減圧状態とすることにより、中空部411内も減圧状態とすることができる。
なお、中空部411の上側が開放していない場合、各脚部41と基体31との間に中空部411の内外を連通する隙間を形成すれば、パッケージ3内を減圧状態とすることにより、中空部411内も減圧状態とすることができる。
連結部42は、複数の脚部41の上端部(他端部)同士を連結している。これにより、支持部材4の剛性が高められている。本実施形態では、連結部42は、複数の脚部41と一体で形成されている。なお、連結部42は、複数の脚部41と別体で形成され、例えば、接着剤により各脚部41と接合されていてもよい。
連結部42は、全体が板状をなしている。すなわち、連結部42は、板状をなす板状部を含む。これにより、比較的簡単な構成で、支持部材4の剛性を高めることができる。
また、連結部42は、平面視にて、4つの脚部41が角部に位置するように四角形をなしている。
この連結部42の上面(脚部41とは反対側の面)には、ユニット部2(より具体的には基板28)が接合(接続)されている。これにより、支持部材4によりユニット部2が支持されている。
連結部42とユニット部2との接続部は、平面視にて、前述した複数の脚部41の上端部(他端部)よりも内側に位置している。
この連結部42の上面(すなわちユニット部2側の面)の中央部には、凹部421が形成されている。
この凹部421内の空間は、ユニット部2と連結部42との間に位置する。そのため、連結部42とユニット部2との間には、空間が形成されている。これにより、ユニット部2と連結部42との接触面積を低減して、連結部42とユニット部2との間の熱の伝達を効果的に抑制することができる。また、凹部421により薄肉化して連結部42の熱抵抗を高め、連結部42における熱の伝達を抑制することもできる。
本実施形態では、凹部421は、平面視にて、ユニット部2の外形よりも内側に配置されている。したがって、ユニット部2は、連結部42の凹部421よりも外周側の部分に接合されている。なお、凹部421は、平面視にて、ユニット部2の外形よりも外側に位置する部分を有していてもよい。
また、凹部421内は、減圧状態であることが好ましい。これにより、凹部421内の断熱性を高め、ユニット部2から連結部42への熱の逃げを抑制することができる。
ユニット部2と支持部材4との接合箇所は、凹部421の外周に沿って全周に亘って形成されていてもよいが、接合箇所を介したユニット部2と支持部材4との間の熱伝導を抑制する観点から、スポット状に複数形成されていることが好ましい。
また、ユニット部2と支持部材4との間には、凹部421の内外を連通する隙間が形成されていることが好ましい。これにより、パッケージ3内を減圧状態とすることにより、凹部421内も減圧状態とすることができる。
このような支持部材4によれば、各脚部41の下端部(一端部)が平面視にてユニット部2に対して離間している。そのため、支持部材4は、ユニット部2と支持部材4との接続部から各脚部41の下端部(すなわち脚部41と基体31との接続部)への熱の伝達経路(以下、「支持部材4の熱伝達経路」という)が屈曲または湾曲した部分(曲がっている部分)を有する。
これにより、基体31とユニット部2との間の距離を小さくしても、支持部材4を介したユニット部2から基体31への熱の伝達経路を長くすることができる。そのため、原子発振器1の小型化を図りつつ、支持部材4を介したユニット部2から基体31への熱の伝達を抑制することができる。また、複数の脚部41間が連結部42により連結されているので、支持部材4の剛性を高めることができる。そのため、ユニット部2の振動を抑制することができる。
また、支持部材4の構成材料としては、熱伝導性が比較的低く、かつ、支持部材4がユニット部2を支持する剛性を確保し得る材料であれば、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、セラミックス材料等の非金属を用いることが好ましく、樹脂材料を用いることがより好ましい。支持部材4を主として樹脂材料で構成した場合、支持部材4の熱抵抗を高くすることができ、また、支持部材4の形状が複雑であっても、例えば射出成型等の公知の方法を用いて、支持部材4を容易に製造することができる。なお、脚部41の構成材料と連結部42の構成材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、支持部材4は、樹脂材料を用いて構成されている場合、樹脂材料の他に、無機フィラーや各種添加剤等が50wt%未満の含有量で含有されていてもよい。
支持部材4の構成材料に用いる樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
また、支持部材4の熱電導率は、0.1W・m−1・K−1以上40W・m−1・K−1以下であることが好ましく、0.1W・m−1・K−1以上0.5W・m−1・K−1以下であることがより好ましい。これにより、ユニット部2とパッケージ3との間の支持部材4を介した熱伝導をより効果的に抑えることができる。すなわち、支持部材4の断熱性を高め、ユニット部2とパッケージ3とを熱的に分離する効果を顕著なものとすることができる。
[支持側反射部]
支持側反射部7は、図7(b)および図8に示すように、上下方向(すなわち、支持部材4の表面にガスセル21と基体31とが並ぶ方向)に沿って互いに離れて配置されている複数の部分71、72、73を含んでいる。そして、支持側反射部7は、波長4μmの電磁波に対する反射率(熱の反射率)が50%以上である。
これにより、支持部材4の断熱性(熱抵抗)を高めて支持部材4を介したガスセル21と基体31との間の熱伝導を抑制しつつ、支持部材4からの熱輻射を支持側反射部7により抑制することができる。ここで、支持側反射部7は、ガスセル21と基体31とが並ぶ方向(言い換えると、ガスセル21から基体31への支持部材4における熱の伝達方向)に沿って互いに離れて配置されている複数の部分71、72、73を含んでいるため、支持側反射部7を介したガスセル21と基体31との間の熱伝導を抑制することができる。すなわち、支持側反射部7は、ガスセル21と基体31との間の熱伝導の増加を小さくしながら、支持部材4からの熱輻射を抑制することができる。その結果、原子発振器1の低消費電力化を図ることができる。
また、パッケージ3から輻射された熱を支持側反射部7で反射して、パッケージ3から支持部材4への輻射による熱伝導を抑制することもできる。
本実施形態では、支持側反射部7の複数の部分71、72、73は、ガスセル21と基体31とが並ぶ方向に対して垂直な方向から見たとき、縞状に配置されている。これにより、比較的簡単な構成で、支持側反射部7を介したガスセル21と基体31との間の熱伝導を効率的に抑制することができる。
また、ガスセル21側から基体31側へ、支持側反射部7の部分71、72、73がこの順で並んでおり、部分71、72は、支持部材4の連結部42の表面に配置され、部分73は、支持部材4の脚部41の表面に配置されている。
最もガスセル21側に配置された部分71は、連結部42の外周面だけでなく、連結部42の上面にも設けられている。これにより、連結部42の上面からの熱の輻射を抑制することができる。
また、部分71は、前述した連結部42の上面のうち、ユニット部2が接触する部分近傍を除く部分に形成され、ユニット部2(より具体的には基板28)と間隔Gをもって離間している(図7(a)参照)。これにより、ユニット部2から支持側反射部7への熱伝導を抑制することができる。
また、部分72は、連結部42の外周面だけでなく、連結部42の下面にも設けられている。これにより、連結部42の下面からの熱の輻射を抑制することができる。
また、部分72は、部分71と間隔G1をもって離間し、部分73と間隔G2をもって離間している。これにより、部分71、73と部分72との間の熱伝導を抑制することができる。ここで、間隔G1、G2が支持側反射部7のガスセル21側から基体31側への熱の伝熱経路を横断(遮断)するように配置されている。言い換えると、部分71、72、73は、ガスセル21側から基体31側に向かう途中で間隔G1、G2により断続的に途切れて配置されている。そのため、支持側反射部7のガスセル21側から基体31側への熱伝導を抑制することができる。
本実施形態では、部分71、72、73の上下方向での長さ(縞の幅方向の長さ)が等しいが、間隔G2が間隔G1よりも大きくなっている。そのため、支持部材4の表面における支持側反射部7の配設密度(言い換えると、支持部材4の表面での単位面積当たりに配設される支持側反射部7の面積)は、ガスセル21側が基体31側よりも大きい。これにより、支持部材4の温度が高い側の部分の熱の輻射を効率的に抑制することができる。なお、間隔G1と間隔G2が等しくても、部分71、72、73の上下方向での長さの大きい順を部分71、72、73の順とし、上述したような配設密度を実現してもよい。
また、支持側反射部7の波長4μmの電磁波に対する反射率(熱の反射率)は、高い程前述したような効果が高まるため、75%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
このような支持側反射部7の構成材料としては、支持部材4の外表面よりも熱の反射率が高ければ、特に限定されず、例えば、セラミックス材料、金属材料、樹脂材料等を用いることができるが、金属材料を用いることが好ましい。これにより、支持側反射部7の熱の反射率を75%以上とすることができる。その結果、支持側反射部7の熱の輻射を抑制する作用を好適に発揮させることができる。
支持側反射部7を構成する金属材料としては、特に限定されないが、例えば、銅(熱の反射率97.93%)、銀(熱の反射率98.47%)、金(熱の反射率98.62%)、チタン(熱の反射率78.04%)、クロム(熱の反射率93.77%)、鉄(熱の反射率87.09%)、コバルト(熱の反射率87.75%)、ニッケル(熱の反射率92.38%)、アルミニウム(熱の反射率99.03%)、イリジウム(熱の反射率98.73%)、鉛(熱の反射率98.90%)等の金属またはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金を用いることができ、中でも、熱の反射率が高いという観点から、銅、銀、金、クロム、ニッケル、アルミニウム、イリジウム、鉛を用いることが好ましく、さらに化学安定性に優れているという観点から、金が好ましい。
また、支持側反射部7は、1種の金属または合金で構成されていてもよいし、2種以上の金属または合金を積層して構成されていてもよい。
前述したような材料は、支持部材4を構成する材料よりも熱伝導率が大きいが、前述したように、間隔G1、G2を設けることにより、支持側反射部7全体の熱伝導を抑制することができる。
また、部分71、72、73は、それぞれ膜状をなしており、支持側反射部7の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、蒸着、スパッタリング等の気相成膜法を用いることができる。
[制御部]
図2に示す制御部5は、ヒーター25、コイル27および光出射部22をそれぞれ制御する機能を有する。
このような制御部5は、光出射部22の共鳴光1、2の周波数を制御する励起光制御部51と、ガスセル21中のアルカリ金属の温度を制御する温度制御部52と、ガスセル21に印加する磁場を制御する磁場制御部53とを有する。
励起光制御部51は、前述した光検出部24の検出結果に基づいて、光出射部22から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。より具体的には、励起光制御部51は、前述した光検出部24によって検出された(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、光出射部22から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。また、励起光制御部51は、光出射部22から出射される共鳴光1、2の中心周波数を制御する。これにより、前述したようなEIT信号を検出することができる。そして、制御部5は、図示しない水晶発振器の信号をEIT信号に同期して出力させる。
また、温度制御部52は、温度センサー26の検出結果に基づいて、ヒーター25への通電を制御する。これにより、ガスセル21を所望の温度範囲内に維持することができる。
また、磁場制御部53は、コイル27が発生する磁場が一定となるように、コイル27への通電を制御する。
このような制御部5は、例えば、パッケージ3が実装される基板上に実装されたICチップに設けられている。なお、制御部5がパッケージ3内に設けられていてもよい。
以上説明したような本実施形態の原子発振器1によれば、支持部材4の断熱性(熱抵抗)を高めて支持部材4を介したガスセル21と基体31との間の熱伝導を抑制しつつ、支持部材4からの熱輻射を支持側反射部7により抑制することができる。ここで、支持側反射部7は、ガスセル21と基体31とが並ぶ方向(言い換えると、ガスセル21から基体31への支持部材4における熱の伝達方向)に沿って互いに離れて配置されている複数の部分71、72、73を含んでいるため、支持側反射部7を介したガスセル21と基体31との間の熱伝導を抑制することができる。すなわち、支持側反射部7は、ガスセル21と基体31との間の熱伝導の増加を小さくしながら、支持部材4からの熱輻射を抑制することができる。その結果、原子発振器1の低消費電力化を図ることができる。
(変形例)
以下、前述した支持側反射部7の変形例を説明する。なお、支持側反射部7と同様の事項に関しては、その説明を省略する。
図9は、図1に示す原子発振器の変形例に係る支持側反射部を説明するための図である。
変形例に係る支持側反射部は、支持側反射部を構成する複数の部分の形状および配置が異なる以外は、前述した支持側反射部7と同様である。
図9に示す支持側反射部は、支持部材4の連結部42の表面に互いに離れて配置された複数の部分74と、支持部材4の脚部41の表面に互いに離れて配置された複数の部分75とを有している。
複数の部分74および複数の部分75は、斑点状に配置されている。これにより、比較的簡単な構成で、支持側反射部を介したガスセル21と基体31との間の熱伝導を効率的に抑制することができる。
このような複数の部分74、75は、上下方向(すなわち、支持部材4の表面にガスセル21と基体31とが並ぶ方向)に沿って互いに離れて配置されている。
本変形例では、各部分74、75は、円形をなしている。なお、各部分74、75の形状は、これに限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形、楕円形等であってもよい。
本変形例では、1つの部分74の面積と1つの部分75の面積が等しいが、部分74同士の間の間隔が部分75同士の間の間隔よりも小さくなっている。そのため、支持部材4の表面における支持側反射部の配設密度は、ガスセル21側が基体31側よりも大きい。これにより、支持部材4の温度が高い側の部分の熱の輻射を効率的に抑制することができる。
以上説明したような支持側反射部によっても、前述した支持側反射部7と同様の作用および効果を奏することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る原子発振器(電子デバイス)を示す断面図、図11は、図10に示す原子発振器の支持部の平面図、図12は、図10に示す支持部の部分拡大斜視図である。
本実施形態に係る原子発振器は、支持部の構成および加熱部の配置が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる原子発振器と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の原子発振器に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図10および図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。また、図11では、説明の便宜上、支持側反射部の図示を省略している。
図10に示す原子発振器1Aは、パッケージ3内でユニット部2をパッケージ3に対して支持する支持部材4A(支持部)と、支持部材4Aの表面に配置された支持側反射部7Aと、を備える。
この支持部材4Aは、図11に示すように、複数(本実施形態では4つ)の脚部41A(柱部)および複数(本実施形態では4つ)の柱部43と、複数の脚部41A間および複数の柱部43間をそれぞれ互いに連結する連結部42Aとを有する。ここで、柱部43および連結部42Aが、複数の脚部41A間を連結する「連結部」を構成するということもできる。また、連結部42Aの脚部41Aと柱部43とを連結する部分と、脚部41Aと、柱部43とが、「脚部」を構成するということもできる。
この複数の脚部41Aは、平面視にて、ユニット部2の外側に配置されている。
各脚部41Aは、四角筒状をなし、基体31の内側の面に対して垂直な方向に延びている。
また、各脚部41Aには、その軸線方向に沿って中空部411Aが形成されている。
各脚部41Aの下端部は、パッケージ3の基体31に例えば接着剤により接合されている。
一方、複数の脚部41Aの上端部(他端部)間は、連結部42Aを介して連結されている。
連結部42Aは、全体が板状をなし、連結部42Aには、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔422、複数の貫通孔423および複数の貫通孔424が形成されている。すなわち、連結部42Aは、基体31とユニット部2とが重なる方向に貫通する複数の貫通孔422、423、424を有する。これにより、連結部42Aの剛性を確保しつつ、連結部42Aにおける熱の伝達を抑制することができる。
複数の貫通孔422は、複数の脚部41Aにそれぞれ対応して設けられている。そして、各貫通孔422は、平面視にて、対応する脚部41Aとその脚部41Aに最も近い柱部43との間に位置している。これにより、柱部43から脚部41Aへの連結部42Aを介した熱の伝達経路を長くすることができる。
また、複数の貫通孔423は、平面視にて、互いに隣り合う2つの貫通孔422間に位置している。また、複数の貫通孔424は、平面視にて、複数の貫通孔423で囲まれる領域内に位置している。このような複数の貫通孔423および複数の貫通孔424を設けることにより、連結部42A全体の熱抵抗を大きくすることができる。
本実施形態では、各貫通孔422、423、424の平面視形状は、四角形をなしている。なお、かかる平面視形状は、これに限定されず、例えば、三角形、五角形等の他の多角形、円形状、異形状等であってもよい。
複数の柱部43は、連結部42Aの上面側に立設され、複数の柱部43の下端部間が連結部42Aにより連結されている。
この複数の柱部43は、平面視にて、ユニット部2の内側に配置されている。本実施形態では、柱部43は、正方形をなすガスセル21の角部に対応するように、4つ設けられている。
各柱部43は、四角筒状をなし、脚部41Aの延びる方向と平行な方向に延びている。
また、各柱部43には、その軸線方向に沿って中空部431が形成されている。
この各柱部43の上端部(連結部42Aとは反対側の端部)には、ユニット部2(より具体的には基板28)が接合(接続)されている。これにより、支持部材4Aによりユニット部2が支持されている。
本実施形態では、各柱部43の長さは、各脚部41Aの長さよりも長い。これにより、柱部43の熱抵抗を大きくし、ユニット部2から支持部材4Aへの熱の伝達を抑制することができる。また、各脚部41Aの長さを短くすることにより、支持部材4Aの剛性を高めるとともに、支持部材4Aの低背化、ひいては、原子発振器1Aの低背化を図ることができる。
このように構成された支持部材4Aでは、図12に示すように、ユニット部2からの熱が、柱部43、連結部42Aの貫通孔422を形成する壁部、脚部41Aをこの順に通って、基体31へ伝達される。これにより、支持部材4Aを介したユニット部2から基体31への熱の伝達経路を長くすることができる。
以上説明したような支持部材4Aの表面には、支持側反射部7Aが配置されている。
支持側反射部7Aは、図12に示すように、上下方向(すなわち、支持部材4Aの表面にガスセル21と基体31とが並ぶ方向)に沿って互いに離れて配置されている複数の部分71A、72A、73Aを含んでいる。そして、支持側反射部7Aは、波長4μmの電磁波に対する反射率(熱の反射率)が50%以上である。
本実施形態では、支持側反射部7Aの複数の部分71A、72A、73Aは、ガスセル21と基体31とが並ぶ方向に対して垂直な方向から見たとき、縞状に配置されている。これにより、比較的簡単な構成で、支持側反射部7Aを介したガスセル21と基体31との間の熱伝導を効率的に抑制することができる。
また、ガスセル21側から基体31側へ、支持側反射部7Aの部分71A、72A、73Aがこの順で並んでおり、部分71Aは、支持部材4Aの柱部43の表面に配置され、部分72A、73Aは、支持部材4Aの連結部42Aの表面に配置されている。
このような部分71A、72A、73Aを含む支持側反射部7Aは、ガスセル21と基体31との間の熱伝導の増加を小さくしながら、支持部材4Aからの熱輻射を抑制することができる。
このような支持側反射部7Aが設けられた支持部材4Aには、図10に示すように、基板28を介してヒーター25(加熱部)が設けられている。
本実施形態では、ヒーター25は、基板28に対してガスセル21とは反対側に設けられている。これにより、光出射部22の励起光の出射方向からみたとき、すなわち、平面視にて、ヒーター25を、ガスセル21の励起光が通過する領域と重なる位置に配置することができる。そのため、比較的簡単に、ヒーター25から、ガスセル21の励起光が通過する領域への熱の伝達経路を、ガスセル21の各窓部の周方向での各部において互いに等しくなるように構成することができる。
また、本実施形態では、基板28は、磁気シールド性を有することが好ましい。これにより、ヒーター25への通電により生じた不要磁場がガスセル21内の金属原子に悪影響を与えるのを抑制することができる。この場合、基板28の構成材料として、例えば、Fe、各種Fe合金(ケイ素鉄、パーマロイ、アモルファス、センダスト)等の軟磁性材料を用いればよい。
以上説明したような第2実施形態の原子発振器1Aによっても、低消費電力化を図ることができる。
2.電子機器
以上説明したような本発明の原子発振器は、各種電子機器に組み込むことができる。このような本発明の原子発振器を備える電子機器は、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の原子発振器を備える電子機器の一例について説明する。
図13は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図13に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の原子発振器1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
3.移動体
また、前述したような本発明の原子発振器は、各種移動体に組み込むことができる。このような本発明の原子発振器を備える移動体は、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の移動体の一例について説明する。
図14は、本発明の原子発振器を備える移動体(自動車)の構成を示す斜視図である。
図14に示す移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、原子発振器1が内蔵されている。そして、原子発振器1からの発振信号に基づいて、例えば、図示しない制御部が動力源の駆動を制御する。
なお、本発明の原子発振器または電子デバイスを組み込む電子機器または移動体は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等に適用することができる。
以上、本発明の電子デバイス、原子発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、前述した実施形態の各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、支持部が複数の脚部および連結部で構成されている場合を例に説明したが、支持部の形状は、ベース部に対してガスセルまたは被温度調節部を直接的または間接的に支持することができれば、これに限定されず、例えば、板状、ブロック状、梁状等であってもよい。また、支持部が複数の部材で構成されていてもよい。
また、前述した実施形態では、支持部に支持されるユニット部がガスセルの他に接続部材、基板等を含む場合を例に説明したが、これに限定されず、ユニット部は少なくともガスセルを含んでいればよい。
また、前述した実施形態では、ガスセルが基板および接続部材を介して間接的に支持部に支持されている場合を例に説明したが、ガスセルが支持部に直接的に支持されていてもよい。
また、前述した実施形態では、本発明の電子デバイスの一例として量子干渉効果を利用した原子発振器(量子干渉装置)を説明したが、本発明の電子デバイスは、温度調節される被温度調節部を備える電子デバイスであれば、これに限定されず、例えば、量子干渉効果を利用した磁気センサー、量子メモリー等の他の量子干渉装置、恒温槽型水晶発振器等の他の発振器、ジャイロセンサー、角速度センサー等のセンサーデバイス等の各種電子デバイスに適用可能である。
1‥‥原子発振器 1A‥‥原子発振器 2‥‥ユニット部 3‥‥パッケージ 4‥‥支持部材 4A‥‥支持部材 5‥‥制御部 6‥‥加熱側反射部 7‥‥支持側反射部 7A‥‥支持側反射部 21‥‥ガスセル 22‥‥光出射部 24‥‥光検出部 25‥‥ヒーター 26‥‥温度センサー 27‥‥コイル 28‥‥基板 29‥‥接続部材 30‥‥接着剤 31‥‥基体 32‥‥蓋体 41‥‥脚部 41A‥‥脚部 42‥‥連結部 42A‥‥連結部 43‥‥柱部 51‥‥励起光制御部 52‥‥温度制御部 53‥‥磁場制御部 61、62‥‥開口部 71‥‥部分 71A‥‥部分 72‥‥部分 72A‥‥部分 73‥‥部分 73A‥‥部分 74‥‥部分 75‥‥部分 100‥‥測位システム 200‥‥GPS衛星 211‥‥本体部 212‥‥窓部 213‥‥窓部 231‥‥光学部品 232‥‥光学部品 291‥‥接続部材 291a‥‥接続部 291b‥‥接続部 291c‥‥連結部 292‥‥接続部材 292a‥‥接続部 292b‥‥接続部 292c‥‥連結部 300‥‥基地局装置 301‥‥アンテナ 302‥‥受信装置 303‥‥アンテナ 304‥‥送信装置 400‥‥GPS受信装置 401‥‥アンテナ 402‥‥衛星受信部 403‥‥アンテナ 404‥‥基地局受信部 411‥‥中空部 411A‥‥中空部 421‥‥凹部 422‥‥貫通孔 423‥‥貫通孔 424‥‥貫通孔 431‥‥中空部 1500‥‥移動体 1501‥‥車体 1502‥‥車輪 G‥‥間隔 G1‥‥間隔 G2‥‥間隔 LL‥‥励起光 S‥‥内部空間

Claims (15)

  1. ベース部と、
    金属原子が封入されているガスセルを含むユニット部と
    前記ベース部と前記ユニット部の間に配設され、前記ユニット部を、当該ユニット部に対向する第1の表面で支持している支持部と、
    波長4μmの電磁波に対する反射率が50%以上である支持側反射部と、を備え、
    前記支持側反射部は複数の部分を有し、当該複数の部分が前記支持部の、前記第1の表面を含む複数の表面に、互いに離れて配設されていることを特徴とする量子干渉装置。
  2. 前記支持側反射部の前記複数の部分の少なくとも一つは、前記第1の表面において、前記ユニット部と間隙を有して配設されている請求項1に記載の量子干渉装置
  3. 前記ユニット部は、前記ガスセルを加熱する加熱部を備えている請求項1または2に記載の量子干渉装置。
  4. 前記ガスセルは前記ユニット部に含まれる接続部材に係合され、前記ガスセルの外表面と前記接続部材の間に配設され、波長4μmの電磁波に対する反射率が50%以上である加熱側反射部を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の量子干渉装置。
  5. 前記加熱側反射部は、金属膜で構成されている請求項4に記載の量子干渉装置。
  6. 前記ガスセル内の前記金属原子を励起する光を出射する光出射部と、
    前記ガスセルを透過した前記光を検出する光検出部と、を備えており、
    前記加熱側反射部は、前記ガスセルの外表面のうち前記光が透過する部分を除く部分に
    配置されている請求項4または5に記載の量子干渉装置。
  7. 前記支持側反射部の前記複数の部分は、縞状に配置されている請求項1ないし6のいず
    れか1項に記載の量子干渉装置。
  8. 前記支持側反射部の前記複数の部分は、斑点状に配置されている請求項1ないし6のい
    ずれか1項に記載の量子干渉装置。
  9. 前記支持部の前記複数の表面における前記支持側反射部の配設密度は、前記ガスセル側が前記ベース部側よりも大きい請求項1ないし8のいずれか1項に記載の量子干渉装置。
  10. 前記支持側反射部は、金属材料で構成されている請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載の量子干渉装置。
  11. 記支持部は、一端部が前記ベース部に接続されている複数の脚部と、前記複数の脚部
    を連結する連結部と、を有し、
    記脚部と前記ベース部との接続部は、前記ベース部と前記ユニット部とが重なる方向
    からみた平面視で、前記ユニット部に対して離間している請求項1ないし10のいずれか1項に記載の量子干渉装置。
  12. 前記支持部は、樹脂材料を主材料として構成されている請求項1ないし11のいずれか
    1項に記載の量子干渉装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の量子干渉装置を備えることを特徴とする原
    子発振器。
  14. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の量子干渉装置を備えることを特徴とする電
    子機器。
  15. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の量子干渉装置を備えることを特徴とする移
    動体。
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