JP6294775B2 - 両面粘着テープおよび両面粘着テープ用基材 - Google Patents

両面粘着テープおよび両面粘着テープ用基材 Download PDF

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Description

本発明は、両面粘着テープおよび両面粘着テープ用基材に関する。
画像等を表示する表示部を有する携帯電話端末等の電子機器において、表示部の表面に設けられる表面板を電子機器の筐体に貼り付けるために、両面粘着テープが使用される場合がある。
背景技術として、例えば、特許文献1には、携帯電話端末の筐体と表面板とを固定する両面粘着テープとして、樹脂の発泡体を基材とする両面粘着テープが記載されている。しかしながら、樹脂の発泡体を基材とする両面粘着テープでは、両面粘着テープの幅を狭くして使用した場合に、防水性が低下する場合がある。
このような問題を解決するために、特許文献2には、携帯電話端末の筐体と表面板とを固定する両面粘着テープとして、エラストマーの非発泡体を基材とする両面粘着テープが記載されている。
特開2009−108314号公報 特開2012−167247号公報
ところで、一般に、エラストマーの非発泡体からなる基材を有する両面粘着テープを製造する場合には、基材を作製し巻き取った後、巻き取った基材を巻き戻しながら基材上に粘着層を積層する工程を行う場合がある。
基材として柔軟性の高いエラストマーの非発泡体を用いる場合、基材を巻き取った際に、基材同士が貼りつく、所謂ブロッキングが発生する場合がある。そして、ブロッキングが発生した場合、基材を巻き戻すことが困難になり、両面粘着テープを作製することができない場合がある。
本発明は、基材の耐ブロッキング性を向上させながら、防水性に優れた両面粘着テープ等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の両面粘着テープは、基材と、前記基材の両面に積層された粘着層と、を備え、前記基材は、エチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなる第1基材層と、前記第1基材層に積層され、酢酸ビニルの含有量(VA%)が11重量%以上20重量%以下のエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなり、フィラーを含む第2基材層とを有することを特徴とする。
ここで、前記第1基材層は、VA%が、1重量%以上40重量%以下であることを特徴とすることができる。
また、前記第2基材層に含まれるフィラーは、平均粒子径が10μm以上50μm以下であることを特徴とすることができる。
さらに、前記第2基材層におけるフィラーの含有量は、当該第2基材層を構成するエラストマーに対して2重量%以上10重量%以下であることを特徴とすることができる。
さらにまた、前記第1基材層の厚さと前記第2基材層の厚さとの比は、1:4〜4:1の範囲であることを特徴とすることができる。
さらにまた、前記基材は、前記第1基材層の両面に前記第2基材層が積層されることを特徴とすることができる。
さらに、他の観点から捉えると、本発明の両面粘着テープ用基材は、エチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなる第1基材層と、前記第1基材層の両面に積層され、酢酸ビニルの含有量(VA%)が11重量%以上20重量%以下のエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなり、フィラーを含む第2基材層とを有し、ロール状に巻き取られていることを特徴とする。
本発明によれば、基材の耐ブロッキング性を向上させながら、防水性に優れた両面粘着テープ等を提供することができる。
本実施の形態が適用される両面粘着テープの構成の一例を示した図である。 両面粘着テープの使用方法の一例を示した図である。 実施の形態2の両面粘着テープの構成を示した図である。 (a)は、加速度計により測定される加速度の減衰曲線の一例を示した図であり、(b)は、減衰曲線の第1波の拡大図である。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[両面粘着テープ10の構成]
図1は、本実施の形態が適用される両面粘着テープ10の構成の一例を示した図である。図1に示すように、本実施の形態の両面粘着テープ10は、基材20と、基材20の両面に積層される粘着層31、32と、を備えている。また、本実施の形態では、両面粘着テープ10の両面には、粘着層31、32に対して離型性を有する剥離ライナー51、52が設けられている。
続いて、両面粘着テープ10の各層の構成について具体的に説明する。
(基材20)
図1に示すように、本実施の形態の基材20は、両面粘着テープ用基材の一例であり、第1基材層21と、第1基材層21の表裏両面に設けられた第2基材層22との積層構造により構成される。
(第1基材層21)
第1基材層21は、エラストマーの非発泡体から構成される。より具体的には、第1基材層21は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を主成分とするエラストマーの非発泡体から構成される。なお、本実施の形態の第1基材層21は、後述する第2基材層22とは異なり、フィラーを含んでいない。
一般に、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体は、酢酸ビニルの含有割合(VA%)が高いほど柔軟性が高くなる傾向がある。第1基材層21としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体を用いる場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有割合(VA%)は、1重量%以上40重量%以下の範囲であることが好ましい。
第1基材層21におけるVA%が1重量%未満である場合、第1基材層21が固くなりやすく、その結果、基材20が固くなるため、両面粘着テープ10の柔軟性が低下するおそれがある。この場合、両面粘着テープ10を曲面部や凹凸を有する被着体に貼り付ける際に、両面粘着テープ10の追従性が低下するおそれがある。また、第1基材層21におけるVA%が1重量%未満である場合、第1基材層21が固くなりやすいため、後述する耐衝撃性や衝撃吸収性の効果が不十分になるおそれがある。
一方、第1基材層21におけるVA%が40重量%より多い場合、第1基材層21が柔らかくなりやすい。この場合、両面粘着テープ10の製造後の加工工程において、両面粘着テープ10を所望の形状に打ち抜く際に、打ち抜きに用いる刃や型等に基材20が貼り付いて基材20が伸びてしまうおそれがある。言い換えると、基材20を含む両面粘着テープ10の打ち抜き加工特性が低下するおそれがある。
また、他の観点からみると、第1基材層21のVA%は、第2基材層22のVA%と比較して高いことがより好ましい。すなわち、後述するように、第2基材層22のVA%は11重量%以上20重量%以下の範囲であることから、第1基材層21のVA%は、21重量%以上40重量%以下の範囲であることがより好ましい。
詳細については後述するが、第2基材層22はフィラーを含むため、第1基材層21と比較して固くなりやすい。この場合、第1基材層21のVA%を第2基材層22のVA%よりも高くし第1基材層21の柔軟性を高めることで、両面粘着テープ10に加えられた衝撃を第1基材層21にて吸収しやすくなり、両面粘着テープ10の耐衝撃性が高められる。
(第2基材層22)
第2基材層22は、フィラーを添加したエラストマーの非発泡体から構成される。より具体的には、第2基材層22は、フィラーを添加した、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を主成分とするエラストマーの非発泡体から構成される。詳細については後述するが、本実施の形態では、第2基材層22がフィラーを含むことで、第1基材層21、第2基材層22に柔軟性の高いエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた場合であっても、両面粘着テープ10の製造工程において基材20を巻き取った際に層間粘着によるブロッキングの発生が抑制される。
本実施の形態の第2基材層22では、エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有割合(VA%)は、11重量%以上20重量%以下の範囲となっている。
第2基材層22におけるVA%が11重量%未満である場合、第2基材層22が固くなりやすく、両面粘着テープ10の柔軟性が低下するおそれがある。この場合、両面粘着テープ10を曲面部や凹凸を有する被着体に貼り付ける際に、両面粘着テープ10の追従性が低下するおそれがある。
一方、第2基材層22におけるVA%が20重量%よりも多い場合、第2基材層22が柔らかくなりやすい。この場合、後述する両面粘着テープ10の製造工程において、第2基材層22にフィラーを含ませた場合でも、基材20を巻き取った際に層間粘着によるブロッキングが発生するおそれがある。
本実施の形態の第2基材層22に添加するフィラーとしては、特に限定されず、例えば無機フィラーや有機フィラーを用いることができる。第2基材層22に添加する無機フィラーとしては、例えば、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マイカ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。また、第2基材層22に添加する有機フィラーとしては、例えば、シリコーン樹脂系フィラー、フッ素樹脂系フィラー、ポリブタジエン樹脂系フィラー等が挙げられる。
これらのフィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第2基材層22に用いるフィラーの平均粒子径(個数平均径)は、10μm以上50μm以下の範囲であることが好ましい。
第2基材層22に用いるフィラーの平均粒子径が10μm未満の場合、第2基材層22にフィラーを添加することによる後述する効果(ブロッキング抑制の効果等)が不十分になるおそれがある。
一方、第2基材層22に用いるフィラーの平均粒子径が50μmよりも大きい場合、フィラーの粒子数が少なくなるため、第2基材層22において柔軟性のむらが生じやすくなり、両面粘着テープ10を曲面部や凹凸を有する被着体に貼り付ける際に、両面粘着テープ10の追従性が低下するおそれがある。また、第2基材層22に用いるフィラーの平均粒子径が50μmよりも大きい場合、フィラーが第2基材層22の表面から突出する高さが大きくなるため、例えば第2基材層22の表面に厚さが2μm以上200μm以下の粘着層31、32を設ける際に、フィラーの突出部が欠陥となり、粘着層31、32を均一に塗布あるいは転写できなくなるおそれがある。
第2基材層22におけるフィラーの添加量としては、第2基材層22を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して1重量%以上10重量%以下の範囲とすることが好ましく、2重量%以上8重量%以下の範囲とすることがより好ましい。
第2基材層22におけるフィラーの添加量が1重量%未満である場合、第2基材層22にフィラーを添加することによる後述する効果が不十分になるおそれがある。
また、第2基材層22におけるフィラーの添加量が10%を超える場合、第2基材層22が硬くなりやすく、両面粘着テープ10の柔軟性が低下するおそれがある。この場合、両面粘着テープ10を曲面部や凹凸を有する被着体に貼り付ける際に、両面粘着テープ10の追従性が低下するおそれがある。
(第1基材層21、第2基材層22の厚さ)
第1基材層21の厚さd1は、第1基材層21のVA%や第2基材層22の厚さd2およびVA%等によっても異なるが、例えば30μm以上300μm以下の範囲であることが好ましい。第1基材層21の厚さd1が30μmよりも薄い場合、基材20の柔軟性が低くなりやすく、両面粘着テープ10の追従性が低下しやすい。また、第1基材層21の厚さd1が300μmよりも厚い場合、基材20を含む両面粘着テープ10の打ち抜き加工特性が低下するおそれがある。また、両面粘着テープ10の厚さが厚くなりやすく、両面粘着テープ10を用いる携帯電話端末等の電子機器の薄型化が困難になる。
また、それぞれの第2基材層22の厚さd2は、第2基材層22におけるフィラーの含有量、平均粒子径やVA%、第1基材層21の厚さd1等によっても異なるが、例えば10μm以上100μm以下の範囲とすることが好ましい。第2基材層22の厚さd2が10μmよりも薄い場合、フィラーの平均粒子径によっては、フィラーが第2基材層22の表面から突出する高さが大きくなるため、例えば第2基材層22の表面に厚さが2μm以上200μm以下の粘着層31、32を設ける際に、フィラーの突出部が欠陥となり、粘着層31、32を均一に塗布あるいは転写できなくなるおそれがある。一方、第2基材層22の厚さd2が100μmよりも厚い場合、基材20の柔軟性が低下し、両面粘着テープ10の製造工程において基材20を巻き取りにくくなるおそれがある。また、両面粘着テープ10の厚さが厚くなりやすく、両面粘着テープ10を用いる携帯電話端末等の電子機器の薄型化が困難になる。
なお、本実施の形態の基材20では、2つの第2基材層22の厚さd2が互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。
さらに、本実施の形態の両面粘着テープ10において、第1基材層21の厚さd1とそれぞれの第2基材層22の厚さd2との比(d1:d2)は、1:4〜4:1の範囲となるようにすることが好ましい。
第2基材層22の厚さd2に対する第1基材層21の厚さd1が上述した範囲よりも厚い場合、基材20においてフィラーを含まない第1基材層21の比率が相対的に高くなる。この場合、両面粘着テープ10の製造後の加工工程において、両面粘着テープ10を所望の形状に打ち抜く際に、打ち抜きに用いる刃や型等に基材20が貼り付いて基材20が伸びてしまうおそれがある。言い換えると、基材20を含む両面粘着テープ10の打ち抜き加工特性が低下するおそれがある。
これに対し、第2基材層22の厚さd2に対する第1基材層21の厚さd1が上述した範囲よりも薄い場合、基材20においてフィラーを含む第2基材層22の比率が相対的に高くなる。この場合、両面粘着テープ10の柔軟性が低下しやすくなり、両面粘着テープ10を曲面部や凹凸を有する被着体に貼り付ける際に、両面粘着テープ10の追従性が低下するおそれがある。特に、例えば基材20を巻き取る際のブロッキングの発生をより抑制するために第2基材層22のVA%を第1基材層21のVA%より低くした場合、第2基材層22が固くなりやすいため、このような問題が生じやすくなる。
また、第1基材層21と、2つの第2基材層22とを合わせた基材20の全厚さは、特に限定されるものではないが、両面粘着テープ10を後述するように携帯電話端末の筐体に表面板を固定するために使用する場合は、50μm以上500μm以下の範囲であることが好ましく、80μm以上200μm以下の範囲であることがより好ましい。
基材20の全厚さが50μm以下である場合、両面粘着テープ10による防水性や耐衝撃性等の性能が不十分になるおそれがある。また、基材20の全厚さ500μmを超える場合、両面粘着テープ10の厚さが厚くなりやすく、携帯電話端末の薄型化が困難になる。
なお、本実施の形態の基材20は、その表面(この例では、第2基材層22の表面)に対して、コロナ処理やプラズマ処理などのような表面加工処理を施したものでもよく、またその表面にアンカーコート剤を塗布したものでもよい。
(粘着層31、32)
粘着層31、32は、粘着剤により構成される。粘着層31、32を構成する粘着剤の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エーテル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。また、粘着層31、32を構成する粘着剤として、ホットメルトタイプの粘着剤を用いてもよい。これらの粘着剤の中でも、耐熱性、耐環境性、コスト面等を考慮すると、粘着層31、32を構成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤を用いることが好ましく、エチルアクリレート(EA)、ブチルアクリレート(BA)、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)等を主成分としたアクリル系粘着剤を用いることがより好ましい。
なお、粘着層31を構成する粘着剤と、粘着層32を構成する粘着剤とは、同じ種類のものを用いてもよく、異なる種類のものを用いてもよい。
また、粘着層31、32に用いる粘着剤は、架橋タイプのものであっても、未架橋タイプのものであってもよく、両面粘着テープ10の用途および目的に応じて適宜選択することができる。ただし、両面粘着テープ10の耐環境性(耐光性等)の観点や、両面粘着テープ10の剥がれやズレを抑制する観点からは、架橋タイプの粘着剤を用いることが好ましい。
粘着層31、32の厚さは、特に限定されるものではないが、それぞれ2μm以上200μm以下の範囲とすることが好ましい。粘着層31、32の厚さが2μm未満の場合、粘着層31、32による両面粘着テープ10の粘着力が低くなりやすい。また、粘着層31、32の厚さが200μmよりも厚い場合、両面粘着テープ10が厚くなりやすく、後述するように両面粘着テープ10を携帯電話等の電子機器に使用する場合に、電子機器の小型化が困難になるおそれがある。
また、粘着層31、32は、無色であってもよく、黒色や白色等の有色であってもよい。また、粘着層31、32は、透明(光透過性)であってもよく、不透明(光不透過性)であってもよい。粘着層31、32を着色する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば粘着剤に着色料、顔料、染料等を混合する方法等が挙げられる。
また、粘着層31、32には、必要に応じて、老化防止剤等の添加剤を混合してもよい。
(剥離ライナー51、52)
剥離ライナー51、52としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムに、粘着層31、32との離型性を高めるための剥離処理を施したものを用いることができる。本実施の形態の剥離ライナー51、52の剥離処理に用いる材料としては、特に限定されないが、例えば、フロロシリコーン、長鎖アルキルビニルモノマー重合体、アミノアルキド系樹脂等の材料を用いることができる。
剥離ライナー51、52の厚さは、特に限定されないが、例えば、通常25μm〜125μmの範囲である。
[両面粘着テープ10の使用方法]
続いて、本実施の形態の両面粘着テープ10の使用方法の一例について説明する。図2は、両面粘着テープ10の使用方法の一例を示した図である。
携帯電話、デジタルカメラ、スマートフォン、電子書籍等の電子機器の表示部は、電子機器の小型化とともに小型化し、複雑な形状となっているため、打ち抜き加工により容易に任意の形状に加工することが可能な両面粘着テープが使用されることが多い。本実施の形態の両面粘着テープ10は、例えば、このような表示装置を有する電子機器に使用される。
具体的に説明すると、電子機器1は、図2に示すように、筐体2の内部に液晶表示素子や有機EL表示素子等の表示装置3が装着され、アクリル板やガラス板等の透光性を有する表面板4が表示装置3を覆うように筐体2に取り付けられる。本実施の形態の両面粘着テープ10は、筐体2の周囲に沿った枠型に形成され、筐体2に対して表面板4を固定するために使用される。
一般に、表示装置を有する電子機器等に使用される両面粘着テープは、表面板を固定するための粘着性に加えて、以下のような特性が求められる。
すなわち、両面粘着テープには、表面板と筐体との間から電子機器の内部に水等の液体が浸入することを防止するための防水性が要求される。また、両面粘着テープには、表面板に施される加飾印刷や、筐体の成型ばらつき等に起因する凹凸や段差に追従する段差追従性が要求される。さらに、両面粘着テープには、表面板に衝撃力が加えられた場合であっても破損しない耐衝撃性、および表面板に加えられた衝撃力を吸収し、表面板や表示装置等の損傷を抑制する衝撃吸収性が要求される。さらにまた、両面粘着テープは、打ち抜き加工により枠型(額縁状)に形成するための打ち抜き加工特性が要求される。
そして、従来、電子機器等において表面板を固定するための両面粘着テープとして、内部に気泡が形成された樹脂の発泡体からなる基材を有する両面粘着テープが使用されている。
ところで、近年、携帯電話やスマートフォン等の電子機器の表示部は大型化しているため、それに伴って、電子機器において表面板を固定するために使用される枠型の粘着テープの幅は、狭幅化される傾向がある。具体的には、両面粘着テープの幅を1mm、さらには1mm未満まで狭くすることが求められる場合がある。
ここで、両面粘着テープの基材として使用される樹脂の発泡体では、直径が0.5mm以上の気泡が存在する場合があり、このような気泡が両面粘着テープの幅方向に連続して形成された場合には、基材を幅方向に貫通する貫通孔が形成されるおそれがある。そして、両面粘着テープの基材に貫通孔が形成された場合、これを通じて電子機器の内部に液体が浸入するおそれがあり、電子機器の防水性が低下する場合がある。
基材として樹脂の発泡体を用いる両面粘着テープでは、防水性を保証するためには、両面粘着テープの幅を気泡の直径の2倍よりも大きくする必要性がある。しかしながら、基材のロット・品質のばらつきを考慮した場合に、基材の全幅、全長に亘って気泡の最大直径が0.5mm未満で、且つ形成された気泡が全て独立気泡であることを100%保証された樹脂の発泡体からなる基材は、現在のところ存在しない。このため、両面粘着テープの基材として樹脂の発泡体を使用する限り、両面粘着テープの幅を1mm、さらには1mm未満という狭い幅に加工して使用するという要求には十分に応えることができない。このような事情から、両面粘着テープの基材として樹脂の発泡体を用いる場合には、電子機器における表示部の大型化にも支障が生じる場合がある。
これに対し、本実施の形態の両面粘着テープ10では、上述したように、基材20の第1基材層21および第2基材層22が、ともにエラストマーの非発泡体から構成されている。すなわち、本実施の形態の第1基材層21および第2基材層22では、基材20が発泡体から構成される場合と異なり、基材20を貫通する貫通孔の形成されるおそれがない。
これにより、本実施の形態の両面粘着テープ10は、基材20が発泡体から構成される場合と比較して、防水性が優れている。そして、本実施の形態の両面粘着テープ10を上述したように電子機器1に用いた場合には、表面板4と筐体2との間から電子機器1内に水等の液体が浸入することが抑制される。
特に、本実施の形態の両面粘着テープ10では、基材20として発泡体を用いる場合と異なり、例えば両面粘着テープ10の幅が0.3mm〜0.7mmと極めて小さい場合であっても、防水性の低下が抑制される。これにより、本実施の形態の両面粘着テープ10は、電子機器1における表示画面の大型化に寄与することができる。
また、本実施の形態の両面粘着テープ10では、基材20の第1基材層21および第2基材層22が、ともに柔軟性の高いエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーにより構成されている。
これにより、本実施の形態の両面粘着テープ10は、優れた段差追従性を有する。そして、例えば表面板4に施された加飾印刷や筐体2における成型のばらつき等により両面粘着テープ10の被着対象が凹凸を有する場合であっても、両面粘着テープ10が凹凸に追従して変形することができ、電子機器1における筐体2と表面板4との密着性が向上する。さらに、両面粘着テープ10により筐体2と表面板4との密着性が向上することで、電子機器1に対する液体の浸入がより抑制され、電子機器1の防水性が高められる。
さらに、本実施の形態の両面粘着テープ10では、第1基材層21および第2基材層22が、ともに柔軟性の高いエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーにより構成されることで、両面粘着テープ10の耐衝撃性および衝撃吸収性が向上する。そして、例えば両面粘着テープ10を電子機器1に使用した場合に、電子機器1に加わった衝撃を両面粘着テープ10で吸収することが可能になり、電子機器1の表面板4等の損傷を抑制することができる。
特に、第1基材層21がフィラーを有さず、且つ第1基材層21のVA%が第2基材層22のVA%よりも大きい場合、第1基材層21が第2基材層22と比較して柔らかくなる。この場合、例えば電子機器1に加わった衝撃を、基材20の第1基材層21においてより吸収しやすくなる。これにより、両面粘着テープ10の耐衝撃性および衝撃吸収性がより良好になる。
なお、本実施の形態の両面粘着テープ10が使用される電子機器は、上述したものに限られず、他の防水性を要求される電子機器等における部品の固定に好適に用いることができる。このような電子機器の種類については特に限定されず、例えば、携帯電話端末、スマートフォン等の携帯型通信端末、デジタルカメラおよびビデオカメラ等の携帯型録画装置、携帯型音楽再生装置、ポータブルテレビジョン、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、電子辞書、電子書籍等のあらゆる電子機器に用いることができる。また、屋外設置型ディスプレイ装置等にも用いることができる。
[両面粘着テープ10の製造方法]
続いて、本実施の形態の両面粘着テープ10の製造方法の一例について説明する。本実施の形態の両面粘着テープ10は、第1基材層21および第2基材層22を有する基材20を作製する工程と、基材20上に粘着層31、32を形成して両面粘着テープ10を得る工程とを有する。
(基材20の作製)
本実施の形態の基材20は、基材20の材料となる樹脂を高温で溶融させ、押出機のスリット状の押し出し口から押し出し、冷却後に巻き取る溶融押出成型法により製造することができる。
具体的には、まず、第2基材層22の材料となる溶融材料(フィラーを含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体)、第1基材層21の材料となる溶融材料(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、第2基材層22の材料となる溶融材料を、押し出しダイスに形成された3つの押し出し口から共に押し出すことで、これらの溶融材料が順に積層された積層体を得る。そして、得られた積層体を空気冷却にて固化させた後、巻き取ることで、第2基材層22、第1基材層21および第2基材層22がこの順に積層された基材20が得られる。
ここで、溶融押出成型法には、溶融材料を押し出すダイスの種類により、押し出し口が直線(フラット)状のTダイ法や押し出し口が環(リング)状のインフレーション法等が存在する。例えば、インフレーション法の場合には、溶融材料を円筒状に押し出し、押し出された円筒状の溶融材料の内部に空気を吹き込んで空気圧により溶融材料を膨張させた後、空気冷却させる。続いて、得られた円筒状のフィルムを切り開いて平らなフィルムとし巻き取ることで、基材20が得られる。なお、インフレーション法の場合には、円筒状のフィルムを切り開く際に、対向する2カ所で切り開くことで、2枚の基材20を同時に製造することが可能である。
なお、基材20の製造方法は、上述した方法に限られず、公知の方法を問題なく採用することができる。
(両面粘着テープ10の作製)
続いて、得られた基材20を用いて両面粘着テープ10を作製する方法の一例について説明する。
まず、剥離ライナー51の剥離処理面に、粘着剤を塗布・乾燥し、粘着層31を形成する。粘着剤の塗工方法は、特に限定されるものではなく、例えばディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の方法を採用することができる。続いて、得られた粘着層31の上に、上述した基材20を巻き戻して積層し、剥離ライナー51、粘着層31、および基材20が積層された積層体を得る。
また、他方の剥離ライナー52の剥離処理面にも、同様に粘着剤を塗布・乾燥し、粘着層32を形成する。そして、得られた粘着層32上に、上記積層体を、基材20と粘着層32とが接するように積層する。
その後、必要に応じて加熱・養生することで、図1に示した積層構造を有する両面粘着テープ10が得られる。
また、両面粘着テープ10を作製する他の方法としては、以下の方法が挙げられる。
まず、剥離ライナー51の剥離処理面に、粘着剤を塗布・乾燥し、粘着層31を形成する。続いて、得られた粘着層31の上に、上述した基材20を積層し、剥離ライナー51、粘着層31、および基材20が積層された積層体を得る。
次に、得られた積層体の基材20上であって粘着層31とは反対側の面に、粘着剤を塗布・乾燥し、粘着層32を形成する。続いて、粘着層32上に剥離ライナー52を積層し、必要に応じて加熱・養生することで、図1に示した積層構造を有する両面粘着テープ10が得られる。
さらに、両面粘着テープ10を作製する他の方法としては、以下の方法が挙げられる。
まず、上述した基材20の第2基材層22上に、粘着剤を塗布・乾燥し、粘着層31を形成する。続いて、形成された粘着層31上に剥離ライナー51を積層し、剥離ライナー51、粘着層31、および基材20が積層された積層体を得る。
次に、得られた積層体の基材20上であって粘着層31とは反対側の面に、粘着剤を塗布・乾燥し、粘着層32を形成する。続いて、粘着層32上に剥離ライナー52を積層し、必要に応じて加熱・養生することで、図1に示した積層構造を有する両面粘着テープ10が得られる。
このように、本実施の形態の両面粘着テープ10の作製においては、基材20の製造工程において巻き取られた基材20を巻き戻し、例えば粘着層31上に積層する。
ここで、一般に、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の柔軟性の高い材料からなるフィルムでは、フィルムを巻き取った後、長期保存したような場合に、重なったフィルム同士が貼りつく所謂ブロッキングが生じやすい。そして、ブロッキングが生じたフィルムは巻き戻すことが困難であり、このようなフィルムを用いて粘着テープを製造することは難しい。
これに対し、本実施の形態では、基材20の表面に設けられる第2基材層22が、フィラーを含有し、且つVA%が11重量%以上20重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体から構成される。そして、基材20の製造工程では、基材20は、基材20の表面に形成される第2基材層22同士が重なるように巻き取られる。
これにより、本実施の形態の両面粘着テープ10の製造工程では、基材20(第1基材層21、第2基材層22)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体という柔軟性の高い材料からなる場合であっても、ブロッキングの発生が抑制される。
具体的には、第2基材層22は、フィラーを含有することにより、エチレン−酢酸ビニル共重合体に由来する適度な柔軟性を有するとともに、フィラーに由来するアンチブロッキング性と適度な固さとを有することになる。これにより、基材20を巻き取ることで第2基材層22同士が積層された場合であっても、ブロッキングの発生が抑制される。言い換えると、本実施の形態の両面粘着テープ10は、良好な耐ブロッキング性を有している。
この結果、例えば巻き取られた基材20を長期間保存した場合であっても、両面粘着テープ10の製造工程において基材20を巻き戻すことができ、上述した両面粘着テープ10を得ることができる。
そして、上述した方法により得られた両面粘着テープ10は、必要に応じて、所望の形状に打ち抜き加工されて使用される。
本実施の形態では、第2基材層22が、フィラーを含有し、且つVA%が11重量%以上20重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体から構成されることで、上述したように第2基材層22が適度な固さを有する。これにより、第1基材層21がフィラーを有しない場合であっても、両面粘着テープ10を打ち抜く際に、打ち抜きに用いる刃や型等に基材20が貼り付いて基材20が伸びることが抑制される。この結果、本実施の形態では、両面粘着テープ10を打ち抜き加工により所望の形状に加工しやすくなっている。言い換えると、本実施の形態の両面粘着テープ10は良好な打ち抜き加工特性を有している。
以上説明したように、本実施の形態では、基材20が上述した構成を有することで、例えば電子機器等に使用するにあたり狭幅化した場合であっても防水性の低下が抑制され、耐衝撃性および衝撃吸収性に優れるとともに、柔軟性、段差追従性、耐ブロッキング性および打ち抜き加工特性に優れた両面粘着テープ10が実現される。
<実施の形態2>
上述した実施の形態1では、基材20が、第1基材層21の表裏両面に第2基材層22が設けられた構造を有する両面粘着テープ10について説明した。しかし、両面粘着テープ10における基材20の構成はこれに限られるものではない。続いて、本発明の実施の形態2について説明する。
図3は、実施の形態2の両面粘着テープ10の構成を示した図である。なお、実施の形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここでは詳細な説明は省略する。
図3に示すように、実施の形態2の両面粘着テープ10では、基材20が、第1基材層21と、第1基材層21の片面に積層された第2基材層22とを有している。すなわち、実施の形態1とは異なり、第1基材層21の表裏面のうち、一方の面にのみ第2基材層22が積層されており、他方の面には直接、粘着層32が積層されている。
実施の形態2においても、基材20が、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなる第1基材層21と、VA%が11重量%以上20重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなり、フィラーを含有する第2基材層22との積層構造を有することで、例えば電子機器等に使用するにあたり狭幅化した場合であっても防水性の低下が抑制され、耐衝撃性および衝撃吸収性に優れるとともに、柔軟性、段差追従性、および打ち抜き加工特性に優れた両面粘着テープ10が実現される。
なお、実施の形態2の両面粘着テープ10において、第1基材層21には、フィラーが含まれないことが好ましい。
また、両面粘着テープ10の製造工程において基材20を巻き取る場合には、基材20のうち第1基材層21側にPETフィルム等の他のフィルムを重ねながら巻き取ることで、第1基材層21の表面と第2基材層22の表面とが接触することが抑制される。これにより、第1基材層21と第2基材層22とが積層された実施の形態2の基材20を巻き取った場合であっても、ブロッキングの発生が抑制される。
続いて、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明者は、第1基材層21の表裏両面に第2基材層22が積層された基材20、および基材20を有する両面粘着テープ10の作製を行い、作製した基材20および両面粘着テープ10の評価を行った。
1.両面粘着テープ10の作製
(実施例1)
上述した溶融押出成形法により、第1基材層21の表裏両面に第2基材層22が積層された基材20を作製した。具体的には、VA%が25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなる第1基材層21の表裏両面に、VA%が15重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなり、平均粒子径が32.5μmのシリカ系のフィラーをエチレン−酢酸ビニル共重合体に対し5重量%添加した第2基材層22を積層した3層構造の基材20を作製した。
ここで、第1基材層21の厚さd1と第2基材層22の厚さd2との比は、d1:d2=3:1であり、第1基材層21と第2基材層22とを合わせた基材20の全厚さは100μmであった。すなわち、基材20において、第1基材層21の厚さd1が60μmであり、それぞれの第2基材層22の厚さd2は20μmであった。
続いて、アクリル系粘着剤溶液(サイデン化学株式会社製、AT−D54)100重量部に対してイソシアネート系架橋剤(サイデン化学株式会社製、AL)1.5重量部を添加した粘着剤溶液を、ドクターコーターによりPET製の剥離ライナー51(厚さ50μm)上に塗布し、約110℃で3分間乾燥させ、厚さ50μmの粘着層31を形成した。
次に、剥離ライナー51上に形成した粘着層31上に、作製した基材20を貼り合わせた。
続いて、粘着層31と同様に、PET製の剥離ライナー52(厚さ50μm)上に粘着剤溶液を塗布し、乾燥させることで、厚さ50μmの粘着層32を形成した。
そして、粘着層31上に貼り合わせられた基材20上に、粘着層32を貼り合わせることで、粘着層31、基材20および粘着層32が積層された両面粘着テープ10を得た。
(実施例2)
基材20において、第2基材層22のVA%を11重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(実施例3)
基材20において、第2基材層22のVA%を20重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(実施例4)
基材20において、第1基材層21のVA%を0.5重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(実施例5)
基材20において、第1基材層21のVA%を41重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(実施例6)
基材20において、第2基材層22におけるフィラーの含有量を1重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(実施例7)
基材20において、第2基材層22におけるフィラーの含有量を2重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(実施例8)
基材20において、第2基材層22におけるフィラーの含有量を10重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(実施例9)
基材20において、第2基材層22におけるフィラーの含有量を11重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(比較例1)
基材20において、第2基材層22のVA%を10重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(比較例2)
基材20において、第2基材層22のVA%を21重量%とした以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
(比較例3)
基材20において、第2基材層22を、フィラーを含有しないエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体で形成した以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープ10を得た。
2.評価方法
続いて、基材20および両面粘着テープ10の評価方法について説明する。
(1)段差追従性試験
実施例1〜実施例9および比較例1〜比較例3で得られた両面粘着テープ10を、外形50mm×100mm、幅0.7mmの枠型(図2参照)に打ち抜いた。
そして、打ち抜きより形成された枠型の両面粘着テープ10を、外形60mm×125mmの長方形状のポリカーボネート板に貼り付けた。
続いて、両面粘着テープ10を貼り付けたポリカーボネート板と、高さ25μmの段差が形成された外形60mm×125mmの長方形状のポリカーボネート板とを、両面粘着テープ10を貼り付けた面と、段差が形成された面とが内側になるように貼り合わせ、質量2kgの荷重で10秒間圧着した後、23℃に24時間放置したものを試験片とした。
なお、ポリカーボネート板の段差は、厚さ25μm、幅5mmのポリエチレンテレフタレート(PET)を基材とした片面テープをポリカーボネート板に貼り付けることで形成した。
続いて、この試験片をIPX7規格(JIS C 0920/IEC60529)に基づいて試験を行った。具体的には、試験片を深さ1mの水中に30分間放置した後、試験片を取り出して、枠型の両面粘着テープ10の内側への浸水の有無を評価した。
さらに、ポリカーボネート板に形成された段差の高さを50μmとして、同様の試験を行った。
段差追従性の評価は、段差の高さが25μmの場合と、50μmの場合とのそれぞれについて、以下の基準で行った。
A:両面粘着テープ10の内側への浸水が見られない。
C:両面粘着テープ10の内側への浸水が見られる。
(2)ブロッキング試験
実施例1〜実施例9および比較例1〜比較例3のそれぞれについて、ロール状に巻かれた基材20の原反における下巻部25mを、幅25mmに切断した。このロール状の基材20を、温度50℃、湿度90%の条件下に所定期間(1、3、5、7、14、31日)保管し、取り出した後、23℃に24時間放置したものを試験片とした。
この試験片を、引張試験機(アイコーエンジニアリング株式会社製)にて速度300mm/minで巻き戻し、その際のブロッキングの発生有無により評価を行った。
ブロッキング試験の評価は、以下の基準で行った。
A:ブロッキングが見られない。
B:保管期間14日以降で、ブロッキングが見られる。
C:保管期間14日未満で、ブロッキングが見られる。
(3)打ち抜き加工特性
実施例1〜実施例9および比較例1〜比較例3で得られた両面粘着テープ10を、パーソナル小型打ち抜き器(テスター産業株式会社製)を用い、外形50mm×60mm、幅0.7mmの枠型に10回打ち抜き加工を行った際の、打ち抜きの成功回数により、打ち抜き加工特性を評価した。
打ち抜き加工特性の評価は、以下の基準で行った。
A:打ち抜き成功回数が8回以上。
B:打ち抜き成功回数が5回以上7回以下。
C:打ち抜き成功回数が5回未満。
(4)衝撃吸収性試験
実施例1〜実施例9および比較例1〜比較例3で得られた両面粘着テープ10を、外形25mm×25mm、幅0.7mmの枠型に打ち抜き、外形50mm×50mmの正方形の2枚のアクリル板に挟み、質量1kgの荷重を載せ23℃に24時間放置したものを試験片とした。
続いて、この試験片の中央に、高さ150mmの位置から質量16gの鉄球を落下させ、試験片にかかる衝撃力を測定した。衝撃力の測定には、加速度計(昭和測器株式会社製2304A)を用い、加速度計は、試験片の鉄球を落下させる面とは反対側の面に設置した。
図4(a)は、加速度計により測定される加速度の減衰曲線の一例を示した図であり、図4(b)は、図4(a)に示した減衰曲線の第1波の拡大図である。衝撃吸収性の評価としては、得られた加速度の減衰曲線における、図4(b)に示した第1波のピーク高さに着目し、ピーク高さが低いほど、より衝撃を吸収しているものとして評価した。
なお、両面粘着テープ10を、上述した電子機器1(図2参照)に用いる場合、本試験により得られるピーク高さの数値は、2200以下が許容される範囲である。
3.評価結果
実施例1〜実施例9の両面粘着テープ10および基材20に対する評価結果について、表1に示す。また、比較例1〜比較例3の両面粘着テープ10および基材20に対する評価結果について、表2に示す。
Figure 0006294775
Figure 0006294775
表1に示すように、実施例1〜実施例9では、耐ブロッキング性が良好な基材20が得られ、また、段差追従性、打ち抜き加工特性および衝撃吸収性が良好な両面粘着テープ10が得られることが確認された。
以上より、実施例1〜実施例9は、例えば電子機器1において筐体2と表面板4とを貼り合わせる場合に使用するのに適していることが確認された。
これに対し、第2基材層22のエチレン−酢酸ビニル共重合体におけるVA%が10重量%である比較例1では、実施例1〜実施例9と比較して、段差の高さが25μmおよび50μmの双方の場合において段差追従性が劣ることが確認された。
これは、第2基材層22のVA%が低く第2基材層22の柔軟性が低いことが原因と考えられる。
また、第2基材層22のエチレン−酢酸ビニル共重合体におけるVA%が21重量%である比較例2では、実施例1〜実施例9と比較して、耐ブロッキング性および打ち抜き加工特性が劣ることが確認された。
これは、第2基材層22におけるVA%が高く第2基材層22が過度に柔らかいためだと考えられる。
さらに、第2基材層22がフィラーを含んでいない比較例3では、実施例1〜実施例9と比較して、耐ブロッキング性が低く、基材20を巻き取った場合にブロッキングが起こりやすいことが確認された。
また、実施例1〜実施例9のうち第1基材層21のVA%を互いに異ならせた実施例1〜実施例5を比較すると、第1基材層21のVA%が0.5重量%の実施例4では、第1基材層21のVA%が1重量%以上の実施例1〜実施例3および実施例5と比較して、段差追従性(段差高さ50μm)が劣ることが確認された。
一方、第1基材層21のVA%が41重量%の実施例5では、第1基材層21のVA%が40重量%以下の実施例1〜実施例4と比較して、打ち抜き加工特性が劣ることが確認された。
したがって、第1基材層21のVA%は、1重量%以上41重量%以下の範囲とすることがより好ましいことが確認された。
さらに、実施例1〜実施例9のうち第2基材層22におけるフィラーの含有量を互いに異ならせた実施例1、実施例6〜実施例9を比較すると、フィラーの含有量が1重量%の実施例6では、フィラーの含有量が2重量%以上である実施例1、実施例7〜実施例9と比較して、ブロッキング特性が劣ることが確認された。
また、フィラーの含有量が11重量%の実施例9では、フィラーの含有量が10重量%以下である実施例1、実施例6〜実施例8と比較して、段差追従性(段差高さ50μm)が劣ることが確認された。
したがって、第2基材層22におけるフィラーの含有量は、2重量%以上10重量%以下の範囲とすることがより好ましいことが確認された。
10…両面粘着テープ、20…基材、21…第1基材層、22…第2基材層、31、32…粘着層、51、52…剥離ライナー

Claims (7)

  1. 基材と、
    前記基材の両面に積層された粘着層と、を備え、
    前記基材は、
    エチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなる第1基材層と、
    前記第1基材層に積層され、酢酸ビニルの含有量(VA%)が11重量%以上20重量%以下のエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなり、フィラーを含む第2基材層と
    を有することを特徴とする両面粘着テープ。
  2. 前記第1基材層は、VA%が、1重量%以上40重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の両面粘着テープ。
  3. 前記第2基材層に含まれるフィラーは、平均粒子径が10μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の両面粘着テープ。
  4. 前記第2基材層におけるフィラーの含有量は、当該第2基材層を構成するエラストマーに対して2重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  5. 前記第1基材層の厚さと前記第2基材層の厚さとの比は、1:4〜4:1の範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  6. 前記基材は、前記第1基材層の両面に前記第2基材層が積層されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  7. エチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなる第1基材層と、
    前記第1基材層の両面に積層され、酢酸ビニルの含有量(VA%)が11重量%以上20重量%以下のエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするエラストマーの非発泡体からなり、フィラーを含む第2基材層とを有し、
    ロール状に巻き取られていることを特徴とする両面粘着テープ用基材。
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