JP6293187B2 - 造血機能増進用の組成物、及び貧血の予防及び/又は改善用の組成物 - Google Patents

造血機能増進用の組成物、及び貧血の予防及び/又は改善用の組成物 Download PDF

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Description

本発明は、造血機能増進ないしは貧血の予防及び/又は改善のために有用な食品用、医薬用、動物食餌用等の組成物に関するものである。
通称黒酵母とも呼ばれるアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)は、その培養中にβ−1,3−1,6−グルカン等の有用成分を豊富に分泌する。そこで例えば下記特許文献1などには、β−1,3−1,6−グルカンを主成分とするアウレオバシジウム培養液を有効成分にして、慢性関節リウマチ、膠原病、新興自己免疫疾患、ウイルス・細菌感染症、各種癌、癌の浸潤、転移、発癌ウイルス、神経疾患、痴呆症、アルツハイマー病、肝臓疾患、肝硬変、ウイルス性肝疾患、原因不明の難病、生活習慣病(糖尿病、高血圧、動脈硬化症、骨粗しょう症など)または日本人に大変多い痔(内外痔核、痔出血)など、各種疫病の予防または治療に用いることが提案されている。
特開2002−204687号公報
しかしながら、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物を造血機能増進ないしは貧血の予防及び/又は改善のために利用することは知られていなかった。本発明の目的は、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物を利用して、造血機能増進ないしは貧血を予防及び/又は改善するのに有用な食品用、医薬用、動物食餌用等の組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物を有効成分として含有し、造血機能増進のために用いられることを特徴とする組成物。
[2]アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物を有効成分として含有し、貧血の予防及び/又は改善のために用いられることを特徴とする組成物。
[3]食品用、医薬用、又は動物食餌用である、上記[1]又は[2]記載の組成物。
[4]更に、貧血の予防及び/又は改善のための補助有効成分を含む、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の組成物。
[5]アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物の、造血機能増進のために用いられる組成物の製造のための使用。
[6]アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物の、貧血の予防及び/又は改善のために用いられる組成物の製造のための使用。
[7]食品用、医薬用、又は動物食餌用の組成物の製造のための使用である、上記[5]又は[6]記載の使用。
[8]前記組成物は、貧血の予防及び/又は改善のための補助有効成分を含む、上記[5]〜[7]のいずれか1つに記載の使用。
本発明によれば、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物を利用して、造血機能増進ないしは貧血を予防及び/又は改善するのに有用な食品用、医薬用、動物食餌用等の組成物を提供することができる。
図1は試験例1の結果を示す図表であり、アウレオバシジウム培養液を経口摂取したときの摂取2ヶ月後及び4ヶ月後における赤血球数の変化を示す図表である。 図2は試験例1の結果を示す図表であり、アウレオバシジウム培養液を経口摂取したときの摂取2ヶ月後及び4ヶ月後における血色素量の変化を示す図表である。 図3は試験例1の結果を示す図表であり、アウレオバシジウム培養液を経口摂取したときの摂取2ヶ月後及び4ヶ月後におけるヘマトクリット値の変化を示す図表である。 図4は試験例1の結果を示す図表であり、アウレオバシジウム培養液を経口摂取したときの摂取2ヶ月後及び4ヶ月後におけるMCV(平均赤血球容積)の変化を示す図表である。 図5は試験例1の結果を示す図表であり、アウレオバシジウム培養液を経口摂取したときの摂取2ヶ月後及び4ヶ月後におけるMCH(平均赤血球ヘモグロビン量)の変化を示す図表である。 図6は試験例1の結果を示す図表であり、アウレオバシジウム培養液を経口摂取したときの摂取2ヶ月後及び4ヶ月後におけるMCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)の変化を示す図表である。
本発明においては、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物を、造血機能増進ないしは貧血の予防及び/又は改善のために用いられる組成物の有効成分として用いる。また、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物を、造血機能増進ないしは貧血の予防及び/又は改善のために用いられる組成物の製造のために用いる。この培養組成物には、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物がその生育中に産生するβ−グルカンやその他の有用成分が豊富に含まれている。
本発明において用いられるアウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物(以下「アウレオバシジウム由来培養組成物」ともいう。)としては、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物を培養した培養物そのもの、遠心分離等により菌体を分離除去した培養液、その培養液の濃縮液、その培養液の希釈液、あるいはその培養液から水分を除いた固形物などが挙げられる。また、それらだけでなく、限外濾過や含水エタノール沈殿により低分子夾雑物を除いたり、その他の公知の分画手段に処したりして、β−グルカンの含有量を高めた培養組成物も含まれる。なお、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)の培養物は、増粘安定剤等の食品添加物として使用されているものであり安全性が高い。
本発明において用いられる上記アウレオバシジウム由来培養組成物は、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物を培養することにより生産されるβ−グルカンを、その培養物の質量100gに対する含有量に換算して、50〜3,000mg含有するものであることが好ましく、100〜2,000mg含有するものであることがより好ましい。
なお、β−グルカンの含有量の決定は、例えば次のような方法で行うことができる。すなわち、培養液にアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、プロテアーゼ等を用いて酵素処理を施し、蛋白質や、プルラン等のα−グルカンを除き、エタノール沈殿を行う。更に、ガラスフィルターでろ過し、高分子試料を得る。このとき、単糖を含む低分子物質を除くため、80%エタノールで充分に洗浄する。洗浄した高分子試料はアセトンで更に洗浄し、硫酸を加え、加水分解を行う。加水分解後、中和し、そのろ液を採取して、グルコースオキシダーゼ法によりブドウ糖を定量し、下記数式1に基づいて計算した値をβ−グルカン量とする。
・数式1:β−グルカン(g/100g)=ブドウ糖(g/100g)×0.9
また、β−グルカンの含有量の決定は、いわゆる糖鎖含有高分子物質(多糖)量として決定することもできる。この場合は、培養液にアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、プロテアーゼ等を用いて酵素処理を施し、蛋白質や、プルラン等のα−グルカンを除き、エタノール沈殿を行う。更に、ガラスフィルターでろ過し、高分子試料を得る。このとき、単糖を含む低分子物質を除くため、80%エタノールで充分に洗浄する。洗浄した高分子試料はアセトンで更に洗浄したものの重量を測定することで糖鎖含有高分子物質(多糖)量とする。
なお、このようにして定量されるβ−グルカンは、硫酸基、リン酸基等の官能基を有するもの、あるいはβ−グルカンの構成糖であるグルコース以外の糖からなる多糖などをも含むものとして定量される。したがって、このように広義の糖鎖含有高分子物質(多糖)としてβ−グルカンを定量した場合には、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物を培養することにより生産されるβ−グルカンの含有量は、その培養物の質量100gに対する含有量に換算して、70〜5,000mg含有するものであることが好ましく、140〜3,000mg含有するものであることがより好ましい。
アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物としては、例えばアウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)が挙げられる。また、より好適には、アウレオバシジウム プルランス M−1(Aureobasidium pullulans M-1、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号FERM BP-08615)やアウレオバシジウム プルランス M−2(Aureobasidium pullulans M-2、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号FERM BP-10014)などが挙げられる。なお、これらの菌株が産生するβ−グルカンは、NMR測定(13CNMR :Varian社UNITY INOVA500型、1HNMR : Varian社UNITY INOVA600型)による構造解析で、グルコースがβ−1,3結合した主鎖からβ−1,6結合でグルコースが分岐した構造を有するβ−1,3−1,6−グルカンであることが明らかとなっている。
アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養は、公知の方法(特開昭57−149301号公報等参照)に準じて行うことができる。すなわち、炭素源(ショ糖)0.5〜5.0質量%、N源0.1〜5.0質量%、その他微量物質(例えばビタミン類、無機質)を加えた培地(pH5.2〜6.0)に菌を接種し、温度20〜30℃で2〜14日間通気培養、好ましくは通気撹拌培養すればよい。β−グルカンが生成されるにしたがって培養液の粘度が上昇し、粘性の高いジェル状になる。このようにして得られる培養液には、通常0.6〜10質量%の固形分が含まれており、該固形分中にはβ−グルカンが5〜80質量%含まれている。また、β−グルカン以外にも、例えばリン、カリウム、マグネシウム、ビタミンC等の他の有用成分も含まれている。
アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養は、それを培養する培養液中に死菌化された微生物を加えて、栄養成分として資化させるようにして培養してもよい。この場合、その死菌体の培養液中への配合量は、用いる菌体の種類によっても異なるが、通常100個/mL(培養液)〜100兆個/mL(培養液)程度であることが好ましい。微生物の死菌化は加熱殺菌等によって行うことができる。
上記死菌化された微生物として用いる微生物としては、窒素源等のアウレオバシジウム微生物の栄養源を含むものであれば特に制限はないが、例えば乳酸菌や酵母などが挙げられる。乳酸菌としては、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシューム(E.fecium)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・マリ(L.mali)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス・ブヒネリ(L.buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ジョンソニー(L.johnsonii)、ラクトバチルス・ガリナラム(L.gallinarum)、ラクトバチルス・アミロボラス(L.amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(L.brevis)、ラクトバチルス・ラムノーザス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・ケフィア(L.kefir)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptcoccus thermophilus)等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)等のラクトコッカス属細菌、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B.longum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(B.adolescentis)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B.infantis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B.breve)、ビフィドバクテリウム・カテヌラータム(B.catenulatum)等のビフィドバクテリウム属細菌、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・コアグランス(B.coagulans)等のバチルス属細菌、クロストリジウム・ブチリカム(Clostoridium butilicum)等のクロストリジウム属細菌などを用いることができる。
酵母としては、不完全菌類も含み、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・インタメディウス(Saccharomyces intemedius)、サッカロマイセス・ヴァリドウス(Saccharomyces validus)、サッカロマイセス・エリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoideus)、サッカロマイセス・マリリスラー(マリーリスラー)(Saccharomyces mali risler)、サッカロマイセス・マンシュリカス(Saccharomyces mandschuricus)、サッカロマイセス・フォルデルマニ(Saccharomyces Vordermannii )、サッカロマイセス・ペーカー(Saccharomyces Peka)、サッカロマイセス・シアシング(Saccharomyces shasshing)、サッカロマイセス・ピリフォルミス(Saccharomyces piriformis)、サッカロマイセス・アナメンシス(Saccharomyces anamensis)、サッカロマイセス・カルティラギノースス(Saccharomyces cartilaginosus)、サッカロマイセス・アワモリ(Saccharomyces Awamori)、サッカロマイセス・バタタエ(Saccharomyces Batatae)、サッカロマイセス・コレアヌス(Saccharomyces Coreanus)、サッカロマイセス・ロブストウス(Saccharomyces robustus)、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces Carlsbergensis)、サッカロマイセス・モナセンシス(Saccharomyces Monacensis)、サッカロマイセス・マルキシアヌス(Saccharomyces Marxianus)、ザイゴサッカロマイセス(チゴサッカロマイセス)・マヨール(Zygosaccharomyces major)、サッカロマイセス・ラクティス(Saccharomyces lactis)、サッカロマイセス・ルクシー(Saccharomyces Rouxii)、ハンゼヌーラ・アノマーラ(Hansenula anomala)などを用いることができる。
また、上記アウレオバシジウム由来培養組成物として、β−グルカンの含有量を高めた培養組成物を用いる場合、例えばアウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養物を珪藻土等で濾過することによって不溶物を取り除いた後、粉末状の活性炭等を用いて低分子化合物を吸着、除去し、これを分画分子量5,000〜500万、より好ましくは分画分子量50万〜200万の限外濾過膜で限外濾過し、その非通過画分に回収されたβ−グルカンを含水エタノール沈殿させて得られたものなどを用いることができる。このようにして得られたβ−グルカンの含有量を高めた培養組成物は、典型的には、上記広義の糖鎖含有高分子物質(多糖)としてβ−グルカンを定量した場合の値にして、β−グルカンを固形分中40〜100質量%含有する組成物であり、より典型的にはβ−グルカンを固形分中70〜100質量%含有する組成物である。
後述の実施例で示すように、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養物の培養組成物には、造血機能を亢進させる作用効果がある。よって、例えば貧血を予防したりその症状を改善したりしたいヒトが上記アウレオバシジウム由来培養組成物を摂取することにより、それを実現できる。なお、貧血には以下の種類、原因、症状等が含まれる。
種類:原因
・鉄欠乏性貧血:鉄分、タンパク質、ビタミンB12、葉酸などの不足で、赤血球の産生量が減少する。
・出血性貧血:継続的な出血による。例えば、胃・腸などの消化管のがんによる出血、女性の場合は子宮筋腫による出血、月経も出血性貧血の原因となり得る。
・溶血性貧血:赤血球の寿命は約90日であるが、何らかの原因でその寿命が短縮したり、破壊が産生能より過剰となることによる。先天性と後天性がある。先天性は遺伝的素因による。後天性の原因は良く解っていない。
・再生不良性貧血:骨髄中の送造血幹細胞自体が何らかの原因で減少する。したがって、赤血球に限らず、白血球、血小板など、全ての系統の血液細胞が減少する。先天性と後天性があり、先天性再生不良貧血は常染色体劣性遺伝である。後天性再生不良貧血は、さらに突発性と続発性に分類される。
貧血の症状としては、めまい・立ちくらみ、動悸・息切れ、倦怠感・疲労感・脱力感、食欲減退、抜け毛・枝毛、肌荒れ、口内炎・口角炎、耳鳴り、異食症、爪の変色・変形、味覚変化、嚥下障害などが挙げられる。
更に、後述の実施例で示すように、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養物の培養組成物には、造血機能において、特に、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)には顕著な変化を与えずに、MCV(平均赤血球容積)を上昇させる作用効果がある。よって、本発明の好ましい態様においては、特に、例えば小球性貧血と診断されたヒト、または、鉄欠乏性貧血や二次性貧血が疑われるヒトに対して、好適に適用し得る。
上記アウレオバシジウム由来培養組成物の投与量は、症状の強弱、体調、年齢、投与方法、投与回数、投与時期などによって適宜決定することができる。また、副作用が少なく、長期摂取が可能である。そのため、長期間摂取させるようにし、効果を持続的に発揮させることが好ましい。一般的な投与量を例示すれば、例えばアウレオバシジウム由来培養組成物の内容物の一つであるβ−グルカンの量に換算して、1日およそ0.02〜200mg/kg(体重)の量で摂取する。更に、ペット、家畜など動物にも、ヒト同様に適用することができる。
本発明の組成物は、上記アウレオバシジウム由来培養組成物を、造血機能増進ないしは貧血の予防及び/又は改善のための有効量で摂取できるようにした組成物であればよく、特にその形態に制限はない。培養物そのものでもよく、あるいは適宜公知の手法により、例えば粉末状、顆粒状、液状、ゼリー状、クリーム状等の形態とすることもできる。また、それらの形態に応じて添加剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、油脂、アルコール、糖アルコール、水、オリゴ糖、水溶性高分子多糖など、適宜適当な製剤基剤等を加えることができる。更にまた、必要に応じて、蛋白質源、脂肪源、炭水化物源、繊維源、ビタミン、ミネラル、甘味剤、呈味剤、酸味料、香料、着色剤、保存剤などを配合してもよい。あるいは動物餌用に適する大豆粕、大豆油、小麦、トウモロコシ、米、フスマ、脱脂米糠などを配合してもよい。
本発明の組成物は、その組成物中に、上記アウレオバシジウム由来培養組成物を、上記アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物がその生育中に産生するβ−グルカンの量に換算して0.5〜30mg/g含有することが好ましく、1〜20mg/g含有することがより好ましい。また、貧血の予防やその症状の改善に有用な補助有効成分、例えば、鉄、葉酸、ビタミンB12などと組み合わせたり、あるいは併用したりして用いてもよい。その場合、当該補助有効成分を、本発明の組成物中に上記アウレオバシジウム由来培養組成物とともに、鉄の場合0.5〜30mg/g、葉酸の場合0.5〜30mg/g、ビタミンB12の場合0.5〜30mg/g含有せしめるようにして用いることが好ましく、鉄の場合1〜20mg/g、葉酸の場合1〜20mg/g、ビタミンB12の場合1〜20mg/g含有せしめるようにして用いることがより好ましい。
また、本発明の好ましい態様においては、上記アウレオバシジウム由来培養組成物として、アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物を培養した培養物から遠心分離等により菌体を分離除去し、滅菌処理した培養液を、アルミ蒸着フィルム等の個包装中に0.5〜30g含有し、更にその培養液1gに対し鉄の場合1〜20mg、葉酸の場合1〜20mg、ビタミンB12の場合1〜20mg含有せしめるようにした形態のものが好ましく、鉄の場合2〜10mg、葉酸の場合2〜10mg、ビタミンB12の場合2〜10mg含有せしめるようにした形態のものがより好ましい。
本発明の組成物は、典型的に、例えば医薬品、医薬部外品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、健康食品、動物用医薬品、動物用医薬部外品、動物用機能性食品、動物用栄養補助食品、動物用サプリメント、動物用健康食品など各種の製品形態で使用されることが可能である。あるいはそれら製品と組み合わせて使用されることが可能である。また各種の飲食品と組み合わせて使用してもよい。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<調製例1>
以下のようにしてアウレオバシジウム プルランス M-2(Aureobasidium pullulans M-2)(FERM BP-10014)の培養液(以下、「アウレオバシジウム培養液」という。)を調製した。
予め調製した前培養液を、ショ糖1質量%、アスコルビン酸0.1質量%、米糠0.1質量%を含む液体培地(pH5.3)に適量接種して、25℃、72〜96時間(製造バッチによって異なる)、通気撹拌培養を行った。培養終了後、この培養液を121℃、15分間殺菌した。なお、得られた殺菌後の培養液の固形分は、およそ1.2質量%であった。
<試験例1>
20歳代の健常成人10名に、一日90gのアウレオバシジウム培養液を経口摂取させた。摂取開始前、摂取2ヶ月後及び4ヶ月後に採血を行い、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)の測定を行った。
その結果、摂取開始2ヶ月後及び4ヶ月後において、赤血球数には著名な変化は認められず(図1)、ヘマトクリット値の若干の上昇傾向を認めたが、標準偏差値の幅から見て、有意なものとは認められなかった(図2)。
一方、MCV(平均赤血球容積)については、男性及び女性の両群において有意な上昇が認められた(図3)。なお、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)には顕著な変化は認められず(図4)、その中でMCV(平均赤血球容積)が上昇したので(図3)、算出上、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)は減少したが(図5)、MCHCは、貧血と診断された場合にのみ臨床意義を持つ検査項目であり、健常人においての減少は、貧血または造血機能の減退を示すものではないと考えられた。
以上の結果から、アウレオバシジウム・プルランスの培養液には、造血機能を亢進させる作用効果があり、その摂取により貧血の予防やその症状の改善に有用であると考えられた。

Claims (10)

  1. アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物を有効成分として含有し、小球性貧血の予防及び/又は改善のために用いられることを特徴とする組成物。
  2. 前記培養組成物は、MCV(平均赤血球容積)を上昇させる機能性を有するものである、請求項1記載の組成物。
  3. 前記小球性貧血は、鉄欠乏性貧血又は二次性貧血である、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 食品用、医薬用、又は動物食餌用である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
  5. 更に、貧血の予防及び/又は改善のための補助有効成分を含む、請求項1〜のいずれか1つに記載の組成物。
  6. アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物の培養組成物の、小球性貧血の予防及び/又は改善のために用いられる組成物の製造のための使用。
  7. 前記培養組成物は、MCV(平均赤血球容積)を上昇させる機能性を有するものである、請求項6記載の使用。
  8. 前記小球性貧血は、鉄欠乏性貧血又は二次性貧血である、請求項6又は7記載の使用。
  9. 食品用、医薬用、又は動物食餌用の組成物の製造のための使用である、請求項6〜8のいずれか1つに記載の使用。
  10. 前記組成物は、貧血の予防及び/又は改善のための補助有効成分を含む、請求項のいずれか1つに記載の使用。
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