JP6290524B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ケースの表面に導電性の薄膜ゴム層を有する空気入りタイヤに関する。
近年、車の低燃費化に対する要求が強くなり、転がり抵抗の少ないタイヤに対する要求もますます強くなっている。そこで、トレッドやその他のタイヤを構成する部材を構成するゴム組成物の損失正接(tanδ)を低減する手法が広く採用されている。
ゴム組成物のtanδを低減する手法として、カーボンブラックの配合量を減らす、カーボンブラックの種類を変更する等が行われている。しかし、これらの手法によれば、ゴム組成物の体積固有抵抗率(Ω・cm)が高くなり、タイヤの通電性が悪化することが知られている。
タイヤの通電性とは、車両に蓄積された静電気を路面へ放電する性能のことであり、一般的には、リム、クリンチ、プライ、サイドウォール、ベルトまたはブレーカー、トレッドを経路として放電する。
このような放電が行われない場合、車両に静電気が蓄えられ、乗車する人が感電する、燃料補給時にスパークが発生し発火する、走行時に車中で聞くラジオにノイズ混入が発生する、電気を帯びたリムによりクリンチ部のゴム組成物の腐食が促進するなどの不具合が発生する。
トレッドの導電性がゴム組成物の低tanδ化により悪化した場合の対策としては、ベースペン構造等を採用することによりタイヤの通電性を確保する技術が知られている(特許文献1および2等参照。)。
特開2007−8269号公報 特開2007−245918号公報
一方、サイドウォール用ゴム組成物の低tanδ化により、該ゴム組成物の体積固有抵抗率が上昇した場合、サイドウォールと隣接して配設するケースの導電性を確保することで、タイヤの通電性の悪化を抑制する必要がある。ケースの導電性を確保する方法として、ケーストッピング用ゴム組成物を体積固有抵抗率が低いゴム組成物とする、トッピングゲージを厚くする等の手法が挙げられる。しかし、これらの手法には、タイヤの転がり抵抗の悪化、タイヤ重量の増加、製造コストの上昇という問題がある。
本発明は、サイドウォールが体積固有抵抗率の高いサイドウォール用ゴム組成物により構成されるにもかかわらず、ケースのインナーライナー側表面および/またはサイドウォール側表面の所定の位置に、所定の薄膜ゴム層用ゴム組成物により構成された厚さ0.3mm以下の薄膜ゴム層を有することで、ケースにおける導電性の確保を行わずに通電性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、サイドウォール、ブレーカー、ケース、インナーライナーおよびビードエイペックスを有する空気入りタイヤであって、サイドウォールが、体積固有抵抗率5.0×107Ω・cm以上のサイドウォール用ゴム組成物により構成され、ケースのインナーライナー側表面および/またはサイドウォール側表面に、少なくともブレーカーエッジ下部からビードエイペックス先端部まで連続して配設された厚さ0.3mm以下の薄膜ゴム層を有し、薄膜ゴム層が、ゴム成分100質量部に対して1.7〜3.6質量部の硫黄、およびカーボンブラックを含有し、カーボンブラックのDBP吸油量の値(ml/100g)と、ゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)との積が4600〜10000であり、体積固有抵抗率が9.1×108Ω・cm以下の薄膜ゴム層用ゴム組成物により構成された空気入りタイヤに関する。
薄膜ゴム層用ゴム組成物が含有する各カーボンブラックのDBP吸油量が50〜600ml/100gであり、ゴム成分100質量部に対する合計含有量が30〜60質量部であることが好ましい。
本発明によれば、サイドウォールが体積固有抵抗率の高いサイドウォール用ゴム組成物により構成されるにもかかわらず、ケースのインナーライナー側表面および/またはサイドウォール側表面の所定の位置に、所定の薄膜ゴム層用ゴム組成物により構成された厚さ0.3mm以下の薄膜ゴム層を有することで、ケースにおける導電性の確保を行わずに通電性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの一態様を示す部分断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの一態様を示す部分断面図である。
本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール、ブレーカー、ケース、インナーライナーおよびビードエイペックスを有する空気入りタイヤである。
前記サイドウォールはサイドウォール用ゴム組成物により構成される。
前記サイドウォール用ゴム組成物としては、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減するために低tanδ化されたサイドウォール用ゴム組成物であれば特に限定されない。
サイドウォール用ゴム組成物を低tanδ化する手法としては、カーボンブラックの配合量を減らしたり、カーボンブラックの種類を変更したり、配合量および種類の両方を変更したりする手法が挙げられる。
前記サイドウォール用ゴム組成物をカーボンブラックの配合量を減らすことで低tanδ化する場合のカーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、20〜70質量部であることが好ましく、35〜60質量部であることがより好ましい。カーボンブラックの含有量が20質量部未満である場合は補強効果が不充分となる傾向がある。また、70質量部を超える場合は低tanδ化が不充分であり、また体積固有抵抗率が低くなる傾向がある。
前記サイドウォール用ゴム組成物をカーボンブラックの種類を変更することで低tanδ化する場合のカーボンブラックのヨウ素吸着量は、30〜140mg/gであることが好ましく、40〜125mg/gであることがより好ましい。カーボンブラックのヨウ素吸着量が30mg/g未満である場合は補強効果が不充分となる傾向がある。また、140mg/gを超える場合は低tanδ化が不充分となる傾向がある。なお、カーボンブラックのヨウ素吸着量はASTM D1765−05に準じて測定した値とする。
前記サイドウォール用ゴム組成物のtanδは0.13以下であることが好ましく、0.12以下であることがより好ましい。tanδが0.13を超える場合は、空気入りタイヤの転がり抵抗の低減効果が不充分となる傾向がある。また、tanδは低くし過ぎるとゴム組成物の補強性が低下する傾向があることから、0.08以上であることが好ましい。
前記サイドウォール用ゴム組成物の体積固有抵抗率は5.0×107Ω・cm以上であり、5.0×108Ω・cm以上であることが好ましく、5.0×1010Ω・cm以上であることがさらに好ましい。該ゴム組成物の体積固有抵抗率が5.0×107Ω・cm未満である場合は、充分に低tanδ化されておらず、空気入りタイヤの転がり抵抗の低減効果が不充分である傾向がある。また、体積固有抵抗率の上限は特に限定されないが、高くし過ぎるとゴム組成物の補強性が低下するという点から5.0×1013Ω・cm以下であることが好ましく、5.0×1012Ω・cm以下であることがより好ましい。なお、本発明における体積固有低効率はJIS K 6271に準じて測定した値である。
本発明の空気入りタイヤを構成するケースの表面には薄膜ゴム層が配設されている。この薄膜ゴム層は導電性を有する薄膜ゴム層用ゴム組成物により構成されており、低tanδ化により導電性が悪化したサイドウォールに代わって、静電気を路面に放電するための通電経路となり、空気入りタイヤの通電性を改善することができる。
前記薄膜ゴム層は、ケースのインナーライナー(IL)側表面および/またはサイドウォール(SW)側表面に配設されている。サイドウォール部の外観を悪化させないという点からインナーライナー側表面にのみ配設されていることが好ましく、タイヤの通電性を効率的に改善できるという点からは、サイドウォール側表面に配設されていることが好ましい。さらには、薄膜ゴム層の配設位置のバラツキによるタイヤの通電性不良の発生を防止することができるという点からは、インナーライナー側表面およびサイドウォール側表面に配設されていることがより好ましい。
前記薄膜ゴム層は、少なくともブレーカーエッジ下部からビードエイペックス先端部まで連続して配設されている。なお、前記ブレーカーエッジとビードエイペックスは、同じサイドウォールに近接するブレーカーエッジとビードエイペックスであり、またビードエイペックス先端部とは、ビードエイペックスのトレッド側の端部である。薄膜ゴム層の端部がブレーカーエッジ下部まで延伸されていない場合は、タイヤの通電性の改善効果が不充分となる傾向がある。一方、薄膜ゴム層の端部がビードエイペックス先端部まで延伸されていない場合も、同様に通電性の改善効果が不充分となる傾向がある。
ここで、添付の図1および図2は、本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す部分断面図である。図1は薄膜ゴム層11がケース50のインナーライナー側表面のブレーカーエッジ下部Aからビードエイペックス先端部Cまで連続して配設された本発明の空気入りタイヤを、図2は薄膜ゴム層12がケース50のサイドウォール側表面のブレーカーエッジ下部Aからビードエイペックス先端部Cまで連続して配設された本発明の空気入りタイヤを示す。なお、図1および図2における直線pは、ブレーカーエッジ31に対して垂直な直線であり、この直線pが交差するケース表面をブレーカーエッジ下部Aとする。また、図1および図2における直線qは、ビードエイペックス先端部81を通り、トレッド設置面に平行な直線であり、この直線qが交差するケース表面をビードエイペックス先端部Cとする。
前記薄膜ゴム層の厚さは0.3mm以下であり、0.2mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがより好ましい。薄膜ゴム層の厚さが0.3mmを超える場合は、薄膜ゴム層を配設する部分のタイヤ厚みが増すため、タイヤ走行時の温度上昇を招き、タイヤの耐久性が悪化する傾向がある。また、前記薄膜ゴム層の厚さは0.01mm以上であり、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。薄膜ゴム層の厚さが0.01mm未満の場合は、タイヤの電気抵抗改善効果が不充分となる傾向がある。
また、前記薄膜ゴム層の幅(タイヤ周方向の長さ)は特に限定されないが、薄膜ゴム層の幅が1.0mm未満である場合は、少なくともブレーカーエッジ下部からビードエイペックス先端部まで連続した層として配設することが困難となるため、1.0mm以上とすることが好ましい。
前記薄膜ゴム層は、ケースを構成するトップ反またはカットプライの表面に薄膜ゴム層用ゴム組成物を塗布する、もしくは該ゴム組成物からなるゴムシートを貼り付けることで作製することができる。薄膜ゴム層の厚さが0.2mm以下である場合は、ゴムシートとして作製することは困難であるため、薄膜ゴム層用ゴム組成物をナフサや灯油などの工業用溶剤に溶かしたゴム糊とし、これを刷毛等による塗布、スプレーによる噴霧により作製することが好ましい。
前記薄膜ゴム層用ゴム組成物は、ゴム成分に所定量の硫黄および所定のカーボンブラックを含有する。
前記ゴム成分としてはとくに限定はなく、ゴム工業で一般的に用いられる天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、各種スチレンブタジエンゴム(各種SBR)、各種ブタジエンゴム(各種BR)などのジエン系ゴムを用いることができる。特に耐久性、耐久性および加工性において優れるという点から、NR、各種SBRおよび各種BRを含有することが好ましい。
前記NRとしては特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20などが挙げられる。
ゴム成分としてNRおよび/またはIRを含有する場合の含有量は、耐久性および加工性において優れるという点から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。また、NRおよび/またはIRは単独で使用してもよいが、他のジエン系ゴムと併用してもよい。他のジエン系ゴムと併用する場合、NRおよび/またはIRの含有量は90質量%以下とすることが、リバージョン防止、低発熱性において優れるという点から好ましい。さらにリバージョン防止、低発熱性において優れるという点から85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。
前記各種SBRとしては、乳化重合により得られる乳化重合SBR(E−SBR)、溶液重合により得られる溶液重合SBR(S−SBR)、およびこれらのSBRを変性した変性SBR(変性E−SBR、変性S−SBR)などが挙げられる。
ゴム成分として前記各種SBRを含有する場合の含有量は、耐久性および加工性において優れるという点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。また、前記各種SBRの含有量は、低発熱性および耐熱劣化性において優れるという点から60質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。
前記各種BRとしては、ハイシス1,4−ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)などが挙げられる。
前記ハイシスBRとは、シス1,4結合含有率が90質量%以上のブタジエンゴムである。このようなハイシスBRとして、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150Bなどが挙げられる。ハイシスBRを含有することで低発熱性を向上させることができる。
前記SPB含有BRは、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を単にBR中に分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)製のVCR−303、VCR−412、VCR−617などが挙げられる。
前記変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3−ブタジエンの重合をおこなったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ−炭素結合で結合されているものなどが挙げられる。このような変性BRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1250H(スズ変性)、住友化学工業(株)製のS変性ポリマー(シリカ変性)などが挙げられる。
これらの各種BRの中でも、加工性および耐久性において優れるという点からBR130B、BR150BなどのハイシスBRを用いることが好ましい。
前記硫黄のゴム成分100質量部に対する含有量は、1.7質量部以上であり、2.0質量部以上であることが好ましい。硫黄の含有量が1.7質量部未満の場合は隣接部材との接着力が不充分となる傾向がある。また、前記硫黄のゴム成分100質量部に対する含有量は、3.6質量部以下であり、2.7質量部以下であることが好ましい。硫黄の含有量が3.6質量部を超える場合はゴム組成物の耐劣化性が低下し、タイヤ破壊の起点となる傾向がある。なお、本発明における硫黄の含有量とは、加硫剤として含有する硫黄における純硫黄成分量のことをいい、不溶性硫黄に含まれるオイル分、加硫促進剤などに含まれる硫黄成分は含まないものとする。また、硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる不溶性硫黄を好適に用いることができる。
本発明の薄膜ゴム層の導電性は、薄膜ゴム層用ゴム組成物が含有するカーボンブラックの含有量および特性に大きく影響を受けるところ、本発明においては含有するカーボンブラックのDBP吸油量の値(ml/100g)と、ゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)との積が所定の範囲であることを特徴とする。なお、本発明におけるカーボンブラックのDBP吸油量はJIS K 6217−4に準じて測定した値である。
前記カーボンブラックのDBP吸油量の値(ml/100g)と、ゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)との積は4600以上であり、5175以上であることが好ましい。DBP吸油量の値とカーボンブラックの含有量との積が4600未満である場合は薄膜ゴム層の導電性が不充分となる傾向がある。また、前記カーボンブラックのDBP吸油量の値と含有量との積は10000以下であり、8000以下であることが好ましい。DBP吸油量の値とカーボンブラックの含有量との積が10000を超える場合はゴム組成物の粘度が高くなり、混練時の加工性が悪化する傾向がある。なお、2種以上のカーボンブラックを含有する場合は、それぞれのカーボンブラックについてDBP吸油量の値とカーボンブラックの含有量との積を求め、それらの和が前記の範囲を満たせばよい。
また、各カーボンブラックのDBP吸油量は50ml/100g以上であることが好ましく、70ml/100g以上であることがより好ましく、80ml/100gであることがさらに好ましい。DBP吸油量が50ml/100g未満の場合は薄膜ゴム層の導電性が不充分となる傾向があり、該導電性を向上させるために含有量を増加すると混練時の加工性が悪化する傾向がある。また、各カーボンブラックのDBP吸油量は600ml/100g以下であることが好ましく、500ml/100gであることがより好ましく、440ml/100g以下であることがさらに好ましい。DBP吸油量が600ml/100gを超える場合は混練時の加工性が悪化する傾向、加硫ゴム組成物の伸びが低下して破壊特性が低下する傾向がある。
前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、30質量部以上であることが好ましく、34質量部以上であることがより好ましい。カーボンブラックの含有量が30質量部未満の場合は加硫ゴム組成物の破壊特性が低下する傾向、薄膜ゴム層の導電性が不充分となる傾向がある。また、前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、60質量部以下であることが好ましく、55質量部以下であることがより好ましく、45質量部以下であることがさらに好ましい。カーボンブラックの含有量が60質量部を超える場合は混練時の加工性が悪化する傾向、加硫ゴム組成物の低発熱性が悪化する傾向がある。なお、2種以上のカーボンブラックを含有する場合は、各カーボンブラックの含有量の合計量が前記の範囲を満たせばよい。
本発明の薄膜ゴム層用ゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ等の補強用充填剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、アロマオイル等のオイル、ワックス、混合樹脂などの加工助剤、加硫促進剤、加硫促進助剤などを適宜配合することができる。
前記薄膜ゴム層用ゴム組成物の体積固有抵抗率は9.1×108Ω・cm以下であり、8.2×108Ω・cm以下であることが好ましく、6.2×108Ω・cm以下であることがさらに好ましい。該ゴム組成物の体積固有抵抗率が9.1×108Ω・cmを超える場合は、薄膜ゴム層の導電率が低く、空気入りタイヤの通電性が不充分となる傾向がある。また、体積固有抵抗率の下限は特に限定されないが、混練時の加工性を悪化させないという点から5.0×106Ω・cm以上であることが好ましく、1.2×107Ω・cm以上であることがより好ましい。なお、本発明における体積固有低効率はJIS K 6271に準じて測定した値である。
本発明の空気入りタイヤのブレーカー、ケース、インナーライナーおよびビードエイペックスの各部材を構成するゴム組成物は、一般的にタイヤの各部材用のゴム組成物として用いられるものであれば特に限定されない。
なお、前記の前記のブレーカー、ケース、インナーライナーおよびビードエイペックスの各部材を構成するゴム組成物の体積固有抵抗率は1.0×108Ω・cm以上であることが好ましく、5.0×108Ω・cm以上であることがより好ましい。これらのゴム組成物の体積固有抵抗率が1.0×108Ω・cm未満である場合は、本発明の効果を充分に発揮することができない傾向、空気入りタイヤの転がり抵抗の低減効果が不充分である傾向がある。また、体積固有抵抗率の上限は特に限定されないが、加硫ゴム組成物の補強性能(耐破壊特性)を確保するという点から1.0×1010Ω・cm以下であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、表面に薄膜ゴム層が配設されたケース用のトップ反またはカット反を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、前記トップ反またはカット反からなるケースを、タイヤ成型機上で、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを成型する。そして、該未加硫タイヤを加硫機中で加硫することで本発明の空気入りタイヤを得ることができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。
以下に実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
SBR:JSR(株)製のJSR1502(E−SBR、スチレン含量:23.5質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(ハイシスBR、シス−1,4−ブタジエン単位量:97質量%)
CB1:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N220、DBP:115ml/100g、ヨウ素吸着量:119mg/g)
CB2:Jiangxi Black Cat社製のCarbon Black N330(N330、DBP:82ml/100g、ヨウ素吸着量:102mg/g)
CB3:エボニックデグサ社製のPrintex XE2B(DBP:440ml/100g、ヨウ素吸着量:1125mg/g)
CB4:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN550(N550、DBP:115ml/100g、ヨウ素吸着量:44mg/g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のULTRASIL VN3(BET:175m2/g)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
加工助剤:ストラクトール社製のストラクトール40MS(芳香族炭化水素系樹脂及び脂肪族炭化水素系樹脂の混合樹脂)
オイル:H&R社製のvivatec500(TDAEオイル)
老化防止剤6PPD:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース355
石油系C5レジン:エクソンモービル社製のESCOREZ 1102B
不溶性硫黄1:日本乾溜工業(株)製のセイミOT(オイル分:10質量%)
不溶性硫黄2:四国化成(株)製のミュークロンOT(オイル分:20質量%)
加硫促進剤1:三進化学工業(株)のサンセラーCM−G(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
製造例TF1〜TF10(薄膜ゴム層用ゴム組成物)
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、不溶性硫黄および加硫促進剤以外の材料を180℃になるまで混練りすることで混練り物を得た。次に、得られた混練り物に不溶性硫黄および加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、105℃になるまで練り込み、未加硫の薄膜ゴム層用ゴム組成物を得た。また、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
製造例SW1〜SW3(サイドウォール用ゴム組成物)
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、不溶性硫黄および加硫促進剤以外の材料を180℃になるまで混練りすることで混練り物を得た。次に、得られた混練り物に不溶性硫黄および加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、105℃になるまで練り込み、未加硫のサイドウォール用ゴム組成物を得た。また、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
実施例1〜12および比較例1〜9
表2および表3に示す未加硫の薄膜ゴム層用ゴム組成物(薄膜ゴム層配合)および未加硫のサイドウォール用ゴム組成物(サイドウォール配合)を用いて各試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を作製した。薄膜ゴム層およびサイドウォール以外の部位については、全ての実施例および比較例において、一般的な配合のゴム組成物により形成された各部材を統一して使用した。
薄膜ゴム層が配設されたものは、表2および表3に示す厚さのゴムフィルムをケース(カットプライ)の表2および表3に示す薄膜ゴム層位置に貼り付け、このケースを用いて試験用タイヤを作製した。なお、薄膜ゴム層を配設しなかったものは「薄層ゴム層配合」以下の行に「−」と示す。
表2および表3の「配設部位」における「A」、「B」および「C」は、図1に示した「ブレーカーエッジ下部A」、「バットレス部B」および「ビードエイペックス先端部C」をそれぞれ示す。また、「エイペックス上」はバットレス部Bとビードエイペックス先端部Cとの間の位置を、「エイペックス横」はビードエイペックスの先端Cとビードエイペックスの下端との間の位置を示す。つまり、「A〜エイペックス横」とは、Aからビードエイペックスの先端Cとビードエイペックスの下端との間の位置まで薄膜ゴム層が連続して配設されていることを示す。また、「エイペックス横〜エイペックス横」とは、一方のエイペックス横から、タイヤ赤道面を基準に反対側に設けた他方のエイペックス横まで連続して配設されていることを示す。
得られた加硫ゴム組成物および試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。
<体積固有抵抗率>
(株)ADVANTEST製のデジタル超高抵抗微小電流計(R−8340A)を用いて、印加電圧1000V、温度23℃、相対湿度55%、それ以外の条件についてはJIS K 6271に準じて、薄膜ゴム層用ゴム組成物およびサイドウォール用ゴム組成物の体積固有抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
<混練時の加工性>
薄膜ゴム層用ゴム組成物の製造工程において、バンバリーミキサーにて混練りしているときの加工性を以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
○:ヤケゴム(加硫ビッツ)発生なし
×:ヤケゴム(加硫ビッツ)発生あり
<タイヤの電気抵抗>
各試験用タイヤを内圧2.0MPaおよび荷重4.7kNの条件において鉄板にトレッド部を設置し、リム部と鉄板間の電気抵抗を印加電圧100V、温度23℃および相対湿度55%の条件下で測定した。なお、タイヤの電気抵抗は1.0×108Ω以下を性能目標値とする。結果を表2および表3に示す。
<ラジオノイズ>
各試験用タイヤを排気量2000ccの乗用車に装着し、ラジオを聴きながらアスファルト路面を10km走行し、走行中のラジオノイズ(ラジオの雑音)発生の有無を確認した。結果を表2および表3に示す。
<ドラム耐久性>
各試験用タイヤをリム(サイズ:15×6J)にリム組みし、内圧280kPaに充填し、縦荷重6.96kN、速度80km/hで直径1.7mのドラム上を30000km走行させ、走行後の各試験用タイヤを解体し、薄膜ゴム層と隣接するコンポーネントとの接着界面にはく離が発生しているかを肉眼で確認した。はく離の発生がなかったものを○、発生していたものを×で示す。結果を表2および表3に示す。
Figure 0006290524
Figure 0006290524
Figure 0006290524
表2および表3の結果から、ケースのインナーライナー側表面および/またはサイドウォール側表面の所定の位置に、所定の薄膜ゴム層用ゴム組成物により構成された厚さ0.3mm以下の薄膜ゴム層を有する空気入りタイヤとすることで、サイドウォールが体積固有抵抗率の高いサイドウォール用ゴム組成物により構成されるにもかかわらず、ケースにおける導電性の確保を行わずに通電性に優れた空気入りタイヤが得られることがわかる。
11、12 薄膜ゴム層
20 トレッド
30 ブレーカー
31 ブレーカーエッジ
40 サイドウォール
50 ケース
60 インナーライナー
70 クリンチ
80 ビードエイペックス
81 ビードエイペックス先端
90 リム
A ブレーカーエッジ下部
B バットレス部
C ビードエイペックス先端部

Claims (2)

  1. サイドウォール、ブレーカー、ケース、インナーライナーおよびビードエイペックスを有する空気入りタイヤであって、
    サイドウォールが、
    体積固有抵抗率5.0×1010Ω・cm以上のサイドウォール用ゴム組成物により構成され、
    ケースのインナーライナー側表面および/またはサイドウォール側表面に、
    少なくともブレーカーエッジ下部からビードエイペックス先端部まで連続して配設された厚さ0.01〜0.1mmの薄膜ゴム層を有し、
    薄膜ゴム層が、
    ゴム成分100質量部に対して1.7〜3.6質量部の硫黄、および
    カーボンブラックを含有し、
    カーボンブラックのDBP吸油量の値(ml/100g)と、ゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)との積が4600〜10000であり、
    体積固有抵抗率が9.1×108Ω・cm以下の薄膜ゴム層用ゴム組成物により構成された空気入りタイヤ。
  2. 薄膜ゴム層用ゴム組成物が含有する各カーボンブラックの
    DBP吸油量が50〜600ml/100gであり、
    ゴム成分100質量部に対する合計含有量が30〜60質量部である請求項1記載の空気入りタイヤ。
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