<1.画像表示装置の構成>
この実施の形態に係る画像表示装置1は、例えば液晶表示装置であり、図1の様に、入力ビデオ信号S1の映像における歪みまたはノイズが発生し易い範囲の周縁をカットする表示信号処理部4と、前記周縁がカットされた前記映像を表示する表示パネル5と、表示信号処理部4を制御する制御部2と、制御用メモリ3とを備えている。ここでは、表示パネル5は、例えば解像度1920×1080でアスペクト比16:9の映像表示領域(画面サイズ)を有している。
表示信号処理部4は、入力ビデオ信号S1として、テレビジョン信号方式である480i(interlace)/480p(progressive)/720p/1080i/1080pなどの入力ビデオ信号、またはVGA/XGA/SXGAなどコンピュータの入力ビデオ信号を入力し、その入力ビデオ信号S1の周波数を計測する。
また表示信号処理部4は、制御部4により設定される後述のオーバースキャン率に基づいて、入力ビデオ信号S1の映像に対しその左右の周縁をカットし更に表示パネル5の画面サイズに応じて拡大または縮小処理を行ってパネル出力信号S2を生成し、且つ制御部4により設定される後述の出力タイミングに基づいてパネル出力信号S2の表示パネル5への出力タイミングを制御することで、パネル出力信号S2の映像の垂直方向のアンダースキャン率を制御する。
より詳細には、表示信号処理部4は、複数(例えば3つの)ラインメモリLM1〜LM3と、各ラインメモリLM1〜LM3に対して選択的に入力ビデオ信号S1のデータの書き込みを行う書込部4aと、各ラインメモリLM1〜LM3に対して選択的にデータの読み出しを行う読出部4bとを備えている。書込部4aは、各ラインメモリLM1〜LM3を例えばLM1→LM2→LM3→LM1の順にローテーションして選択し、その選択したラインメモリにデータを書き込む。
尚、表示パネル5に表示される映像に前記周縁が含まれる場合は、表示信号処理部4または表示パネル5により、前記周縁を被覆する様に(即ち前記周縁をカットする様に)ブランキング部を重畳させても良い。
制御用メモリ3には、上記のオーバースキャン率が設定されている。
制御部2は、表示信号処理部4の計測結果に基づいて前記周縁をカットするオーバースキャン率を設定し、このオーバースキャン率に基づいて、入力ビデオ信号S1からパネル出力信号S2を生成させる様に表示信号処理部4を制御する。その際、入力ビデオ信号S1を拡大する際、入力ビデオ信号S1の映像のアスペクト比が保たれる様に入力ビデオ信号S1を拡大させる事が望ましい。
尚、入力ビデオ信号S1の映像の画面サイズが予め決まっている場合は、表示信号処理部4の計測結果に基づいてオーバースキャン率を設定する代わりに、制御用メモリ3から入力ビデオ信号S1の映像の前記周縁をカットするオーバースキャン率を読み出し、そのオーバースキャン率を設定してもよい。
また制御部2は、後述の様に、表示信号処理部4の計測結果および設定したオーバースキャン率に基づいて、パネル出力信号S2の表示パネル5への出力タイミングを制御する。
<2.表示信号処理部4の処理の詳細の一例>
表示信号処理部4でのパネル出力信号S2の生成(即ち、ラインメモリLM1〜LM3を用いての入力ビデオ信号S1の映像の周縁カットおよび拡大縮小処理)について詳説する。
比較のため、ます従来方法でのパネル出力信号S2の生成(即ち、フレームメモリを用いての入力ビデオ信号S1の周縁カットおよび拡大処理)について詳説する。
フレームメモリFMを用いて入力ビデオ信号S1の映像の周縁カットおよび拡大処理を行う場合は、図2(a)の様に、フレームメモリFMの読出開始位置Rs、および垂直方向および水平方向の各読出幅Hv,Hhを制御することで、周縁カットおよび拡大処理を行っている。尚、読出終了位置Rfが決まると、各読出幅Hv,Hhは決まる。
具体的には、例えば1920×1080の入力ビデオ信号S1を1920×1080の表示パネル5に水平方向および垂直方向に98%オーバースキャンして拡大表示する場合は、図2(a)の様に、読出開始位置Rsおよび読出終了位置Rfを制御して入力ビデオ信号S1の映像の周縁のカットを行う。即ちフレームメモリFMの書込開始位置Wsを例えば(1,1)とし、書込終了位置Wfを例えば(1920,1080)として、フレームメモリFMに入力ビデオ信号S1を書き込む。尚、括弧内の左の値は、フレームメモリFMの水平方向位置を示し、右の値は、フレームメモリFMの垂直方向位置を示している。
そして読み出しの際は、フレームメモリFMの読出開始位置Rsを書込開始位置Wsからオーバースキャン率に応じた分、垂直方向および水平方向に内側に後退した位置(20,12)とし、読出終了位置Rfを書込終了位置Wfからオーバースキャン率に応じた分、垂直方向および水平方向に内側に進んだ位置(1900,1068)として、フレームメモリFMから入力ビデオ信号S1を読み出す。これにより入力信号S1は、その周縁(即ち読出開始位置Rsおよび読出終了位置Rfで規定される矩形枠Tの外側の部分)がカットされて読み出される。
更にその読み出しの際、入力ビデオ信号S1は、その映像のカットされない1880×1056の部分(即ち枠T内の映像)が1920×1080の映像に変更(ここでは拡大)される。これにより、表示パネル5の映像表示領域と同サイズの1920×1080のパネル出力信号S2が生成される。このパネル出力信号S2が図2(b)の様に垂直方向および水平方向にフルスキャンされて表示パネル5に表示されることで、入力ビデオ信号S1の映像が表示パネル5において垂直方向および水平方向に98%オーバースキャンされて拡大表示される。
尚、入力ビデオ信号S1のキャプチャー時に、フレームメモリFMの書込開始位置Ws、および水平方向および垂直方向の書込幅Jh,Jvを制御することで、オーバースキャン表示する方法もあるが、この方法は周知技術であるので詳説は省略する。
これに対し、この実施の形態の様に、各ラインメモリLM1〜LM3を用いて(即ちフレームメモリを用いずに)入力ビデオ信号S1の映像の周縁カットおよび拡大処理する場合は、下記の様に行われる。例えば1920×1080の入力ビデオ信号S1を1920×1080の表示パネルに水平方向および垂直方向に98%オーバースキャンして拡大表示する場合は、図3(a)の様に、水平方向に対しては、各ラインメモリLM1〜LMの読出開始位置Rsおよび読出終了位置Rfを制御する。
即ち入力ビデオ信号S1の各ラインL1〜L1080のデータを順に、各ラインメモリLM1〜LM3にLM1→LM2→LM3→LM3の順にローテーションして書き込む。その際、各ラインメモリLM1〜LM3の書込開始位置Wsはそれぞれ例えば(1)とし、書込終了位置Wfはそれぞれ例えば(1920)とする。そして読み出しの際は、各ラインメモリLM1〜LM3の読出開始位置Rsはそれぞれ書込開始位置Wsからオーバースキャン率に応じた分後退した位置(20)とし、読出終了位置Rfはそれぞれ書込終了位置Wfからオーバースキャン率に応じた分進んだ位置(1900)として、データの読み出しを行う。例えば、第1ラインメモリLM1への書き込みが終わると、第1ラインメモリLM1からの読み出しを行うと共に第2ラインメモリLM2への書き込みを行う(即ち各ラインメモリLM1〜LM3のうちの或るラインメモリへの書き込みが終わると、当該或るラインメモリからの読み出しと次のラインメモリへの書き込みとを行う)。これにより入力ビデオ信号S1の映像におけるノイズまたは歪みが発生し易い一定の水平方向幅の左右の周縁がカットされる。
更にその読み出しの際、各ラインメモリLM1〜LM3に書き込まれたデータは、それらの中央のカットされない1880ピクセル分のデータが表示パネル5の映像表示領域の水平方向サイズ(1920)と同じサイズに変更(ここでは拡大)されて(即ち水平解像度が変更されて)読み出される。例えば各ピクセルのデータは基本的には1回だけ読み出されるが、数個のピクセルに1個の割合でその1個のピクセルのデータが複数回(例えば2回)続けて読み出されることで、1880ピクセルのデータが1920ピクセルのデータに増大される。
また垂直方向に関しては、上記の読み出しの際に、読み出されるデータの垂直方向のライン数(1080)が、表示パネル5の映像表示領域の垂直方向のライン数(1080)に対して、オーバースキャン率の逆数(正確には逆数の四捨五入値または逆数の小数点以下切り捨て値)を掛けた値(ここでは1102ライン)に変更(ここでは増大)されて(即ち垂直解像度が変更されて)読み出される。例えば入力ビデオ信号S1を構成する水平方向の各ライン(水平ライン)は、基本的には1回だけ読み出されるが、数個のラインに1個の割合でその1個のラインのデータが複数回(例えば2回)続けて読み出されることで、1080ラインが1102ラインに変更(ここでは増大)される。
この様に、入力ビデオ信号S1において、その映像の水平方向に関しては、オーバースキャン率に応じた分、各々一定の水平方向幅の左右の周縁がカットされた後に表示パネル5の水平方向サイズと同じサイズに変更され、且つその映像の垂直方向に関しては、オーバースキャン率の逆数倍のサイズ(即ち解像度)に変更されることで、パネル出力信号S2が生成される。そして図3(b)の様に、このパネル出力信号S2が、表示パネル5において、水平方向に関してはフルスキャンで出力表示され、且つ垂直方向に関してはオーバースキャン率で拡大されて出力表示される。これにより入力ビデオ信号S1の映像は、表示パネル5において、水平方向および垂直方向に例えば98%オーバースキャンされて表示される。即ち入力ビデオ信号S1の映像は、各々一定の水平方向幅の左右の周縁がカットされ、且つ各々一定の垂直方向幅の上下の周縁がカットされて表示される。
尚、読み出しの際に入力ビデオ信号S1を拡大処理する代わりに縮小処理する場合は、以下の様に行う。即ち水平方向に縮小させる場合は、各ピクセルのデータを基本的には1回だけ読み出し、数個のピクセルに1個の割合でその1個のピクセルのデータの読み出しを行わないことで、入力ビデオ信号S1を水平方向に縮小させる。また垂直方向に縮小させる場合は、各ラインL1〜L1080のデータを基本的には1回だけ読み出し、数個のラインに1個の割合でその1個のラインの読み出しを行わないことで、入力ビデオ信号S1を垂直方向に縮小させる。
尚、ラインメモリLM1〜LM3からの読み出しの際に、入力ビデオ信号S1の映像の左右の周縁をカットしない場合は、読出開始位置Rsを書込開始位置Wsに一致させ、且つ読出終了位置Rfを書込終了位置Wfに一致させればよい。この場合は、読み出されたデータの左右の周縁にブランキング部を重畳することで当該左右の周縁を実質的にカットしてもよい。
尚ここでは98%オーバースキャンされる場合(即ちオーバースキャン率k=0,98の場合)で説明したが、このオーバースキャン率は、例えば、制御部2により、入力ビデオ信号S1のビデオタイミングに応じて、入力ビデオ信号S1の映像におけるノイズまたは歪みが発生し易い各々一定の水平方向幅の左右の周縁がカットされる様に設定される。
<3.パネル出力信号S2の表示パネル5への出力タイミングの設定>
次に図4に基づいて、制御部2によるパネル出力信号S2の表示パネル5への出力タイミングの設定(換言すれば、垂直方向にはラインメモリLM1〜LM3によりオーバースキャン率の逆数倍のサイズに変更され、水平方向にはラインメモリLM1〜LM3により左右の周縁が例えばカットされ更に表示パネル5と同じサイズに変更された入力ビデオ信号S1(即ちパネル出力信号S2)を、水平方向にはフルスキャンで表示させ、垂直方向にはオーバースキャン率kでオーバースキャンして表示パネル5に表示させる場合の出力タイミングの設定)の仕方を説明する。
以下では、説明便宜上、入力ビデオ信号S1が表示パネル5に垂直方向に拡大されて(即ちオーバースキャン率k<1でオーバースキャンされて)表示される場合を想定して説明する。しかし、オーバースキャン率k>1の場合は垂直方向に縮小されて(即ちアンダースキャンされて)表示され、またオーバースキャン率k=1の場合は垂直方向に拡大縮小されずに(即ちフルスキャンされて)表示されることになる。
まずステップU1で、制御部5は、表示信号処理部4による入力ビデオ信号S1の周波数計測結果から、入力ビデオ信号S1の垂直映像データライン数(INPUT Height)、垂直全期間ライン数(INPUT Vtotal)、水平同期信号周波数(fh)、垂直同期信号周波数(fv)などの入力ビデオ信号S1のビデオタイミングを検出する。
そしてステップU2で、制御部5は、上記の検出したビデオタイミングに応じて、入力ビデオ信号S1の映像におけるノイズまたは歪みが発生し易い一定の垂直方向幅の周縁がカットされるオーバースキャン率kを決定する。尚、kは、100%フルスキャンの場合は1となり、98%オーバースキャンの場合は0.98となり、103%アンダースキャンの場合は1.03となる。但しkは、表示パネル5のクロック周波数(Output Pixel Clock)、水平同期信号周波数(fh)、垂直同期信号周波数(fv)、水平全期間ドット数(Output Htotal)、垂直全期間ライン数(Output Vtotal)が許容できる範囲内で設定される。尚、例えば、入力ビデオ信号S1が480pでアスペクト比4:3の場合は、オーバースキャン率k=0.95に設定される。
尚、上記の検出したビデオタイミングに応じてオーバースキャン率kを決定する代わりに、制御用メモリ3から読み出したオーバースキャン率kを以てオーバースキャン率kを決定してもよい。
そしてステップU3で、制御部5は、オーバースキャン時の表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)を、表示パネル5の映像表示領域に適合したフルスキャン時の表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)÷オーバースキャン率kの演算により求める。尚このオーバースキャン時の表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)は、表示信号処理部4から表示パネル5に出力されるパネル出力信号S2の垂直方向のサイズに対応している。尚、演算の結果が整数にならない場合は、例えば四捨五入されるものとする(以下同様)。尚、説明便宜上、k<1の場合を想定して「オーバースキャン時」としているが、k=1の場合は「フルスキャン時」となり、k>1の場合は「アンダースキャン時」となる(以下同様)。
そしてステップU4で、制御部5は、オーバースキャン時の表示パネル5の垂直全期間ライン数(Output Vtotal)を、オーバースキャン時の表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)×入力ビデオ信号S1の垂直全期間ライン数(INPUT Vtotal)÷入力ビデオ信号S1の垂直映像データライン数(INPUT Height)の演算により求める。
そしてステップU5で、制御部5は、水平方向に対しては、ラインメモリLM1〜LM3からの読み出しの際に、入力ビデオ信号S1の映像の左右の周縁がカットされて表示パネル5の水平方向サイズと同サイズに変更されるので、フルスキャン表示の出力タイミングに設定する。故に制御部5は、表示パネル5の水平全期間ドット数(Output Htotal)および水平映像データドット数(Output Width)は、フルスキャン時の値のまま変更しない。
そしてステップU6で、制御部5は、オーバースキャン時の表示パネル5のクロック周波数(Output Pixel Clock)を、オーバースキャン時の表示パネル5の垂直全期間ライン数(Output Vtotal)×表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Htotal)×表示パネル5の垂直同期信号周波数(fv)の演算により求める。
そしてステップU7で、制御部5は、ステップU3〜U6の演算で求めた各値を出力タイミングとして設定し、その出力タイミングに基づいて、ラインメモリLM1〜LM3から読み出された入力ビデオ信号S1(即ちパネル出力信号S2)を表示パネル5に出力させる。これにより、パネル出力信号S2は、水平方向にはフルスキャンで表示され、垂直方向にはオーバースキャン率kでオーバースキャンされて表示パネル5に表示される。
尚ここでは、パネル出力信号S2を水平方向にフルスキャンさせて表示される場合で説明したが、パネル出力信号S2を水平方向にオーバースキャンまたはアンダースキャンさせて表示する場合は、垂直方向の場合と同様に、オーバースキャンまたはアンダースキャンに応じて水平全期間ドット数(Output Htotal)および水平映像データドット数(Output Width)を変更すればよい。
<3−1.出力タイミングの具体例1>
図5は、表示信号処理部4から表示パネル5へのパネル出力信号S2の出力タイミングの具体例として、入力ビデオ信号S1を1920×1080の表示パネル5において垂直方向に拡大して表示させる場合の垂直方向の出力タイミングを説明する図である。尚、この場合の表示パネル5のフルスキャン時の垂直映像データライン数(Output Height)は1080ラインである。尚、水平方向の出力タイミングは、パネル出力信号S2をフルスキャンする場合(即ち従来と同様の場合)を想定しているので、ここでの説明は省略する。
入力ビデオ信号S1はCEA(Consumer Electronics Association)規格で定められたビデオタイミングを有している。1080pの入力ビデオ信号S1の場合、入力ビデオ信号S1の垂直同期信号周波数(fv)は60Hzであり、入力ビデオ信号S1の垂直全期間ライン数(INPUT Vtotal)は1125ラインである。
この入力ビデオ信号S1を垂直方向に拡大して表示パネル5に出力する際の出力タイミングは、表示パネル5のクロック周波数(Output Pixel Clock)、水平同期信号周波数(fh)、垂直同期信号周波数(fv)、水平全期間ドット数(Output Htotal)、垂直全期間ライン数(Output Vtotal)が許容できる範囲内で設定される。フレームメモリを用いない場合(即ちラインメモリLM1〜LM3を用いる場合)は、表示パネル5の垂直同期信号周波数(fv)は、パネル出力信号S2の垂直同期信号周波数(fv)と同じ60Hzとなる。
この事を踏まえて、まず比較のため、入力ビデオ信号S1(即ちパネル出力信号S2)が表示パネル5において垂直方向に拡大縮小されずに(即ちオーバースキャン率k=1でフルスキャンされて)表示される場合で説明する。この場合、フルスキャン時の表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)は、図4のU3により1080ラインとなる。また、表示パネル5の垂直全期間ライン数(Output Vtotal)は、図4のU4により、1125ライン(=1080ライン×1125ライン÷1080ライン)となる。これらの結果を図示すると図5(a)となる。
尚、図5(a)のAは、表示パネル5の垂直同期信号周波数(fv)であり、上記の通りfv=60Hzである。またBは、表示パネル5の水平同期信号周波数(fh)であり、ここでは例えばfh=67.5kHzに設定されている。またCは、表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)に対応する期間(即ち、表示信号処理部4から表示パネル5に入力ビデオ信号S1(即ちパネル出力信号S2)が出力される期間)を示しており、時刻t1で、パネル出力信号S2の映像(1080ライン)の第1番目のデータライン(水平ライン)が出力され、その後、各データラインが順次出力され、時刻t2で、最後の1080番目のデータラインが出力されることを示している。またDは、表示パネル5において、入力される前記データラインが出力表示される期間を示しており、時刻t1で、その時刻に表示パネル5に入力される第1番目の前記データラインが表示パネル5の映像表示領域(1080ライン)の第1番目のラインに出力表示され、その後、表示パネル5に順次入力される前記各データラインが表示パネル5の映像表示領域の各ラインに順次出力表示され、時刻t2で、その時刻に表示パネル5に入力される1080番目の前記データラインが表示パネル5の映像表示領域の最後の1080番目のラインに出力表示されることを示している。よってこの図5(a)から、入力ビデオ信号S1(従ってはパネル出力信号S2)は、表示パネル5において、垂直方向に拡大縮小されずに(即ちフルスキャンされて)表示される事が分かる。
これに対し、入力ビデオ信号S1(従ってパネル出力信号S2)が表示パネル5において垂直方向に拡大されて(例えばオーバースキャン率k=0.98でオーバースキャンされて)表示される場合は、以下の様になる。
即ち、表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)は、図4のU3により、表示パネル5の映像表示領域の垂直方向サイズ(1080ライン)よりも大きい1102ラインに拡大される。また、表示パネル5の垂直全期間ライン数(Output Vtotal)は、図4のU4により、1148ライン(1102ライン×1125ライン÷1080ライン)となる。これらの結果を図示すると図5(b)になる。
尚、図5(b)のAは、表示パネル5の垂直同期信号周波数(fv)であり、上記の通りfv=60Hzである。またBは、表示パネル5の水平同期信号周波数(fh)であり、ここでは例えばfh=68.9kHzに設定されている。またCは、表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)に対応する期間(即ち、表示信号処理部4から表示パネル5に入力ビデオ信号S1(即ちパネル出力信号S2)が出力される期間)を示しており、時刻t1で、パネル出力信号S2の映像(1102ライン)の第1番目のデータライン(水平ライン)が出力され、その後、各データラインが順次出力され、時刻t2で、最後の1102番目のデータラインが出力されることを示している。またDは、表示パネル5において、入力される前記データラインが出力表示される期間を示しており、時刻t3で、その時刻に表示パネル5に入力される前記データラインが表示パネル5の映像表示領域(1080ライン)の第1番目のラインに出力表示され、その後、表示パネル5に順次入力される前記各データラインが表示パネル5の映像表示領域の各ラインに順次出力表示され、時刻t4で、その時刻に表示パネル5に入力される前記データラインが表示パネル5の映像表示領域の最後の1080番目のラインに出力表示されることを示している。即ち、時刻t1から時刻t3までの間、および時刻t4から時刻t2の間に表示パネル5に入力される前記データラインは表示パネル5に出力表示されないことを示している。よってこの図5(b)から、入力ビデオ信号S1(従ってはパネル出力信号S2)は、表示パネル5において、垂直方向に拡大されて(即ちオーバースキャンされて)表示される事が分かる。
具体的には、表示パネル5のクロック周波数(Output Pixel Clock)を上げることで、表示パネル5の水平同期信号周波数(fh)、垂直全期間ライン数(Output Vtotal)、垂直映像データライン数(Output Height)を上げる。これにより、垂直映像データライン数(1102ライン)が表示パネル5の映像表示領域の垂直方向サイズ(1080ライン)よりも大きくなり、入力ビデオ信号S1(従ってパネル出力信号S2)がオーバースキャン率k=0.98で拡大表示される。
入力ビデオ信号S1の映像の表示パネル5の映像表示領域に対する垂直拡大率が大きくなるほど、入力ビデオ信号S1の映像の上下の周縁をより大きくカットしてオーバースキャン表示されるが、そのカットの大きさは、入力ビデオ信号S1のビデオタイミングや表示パネル5のクロック周波数、水平同期信号周波数、垂直同期信号周波数、水平全期間ドット数、垂直全期間ライン数の許容範囲に依存する。
<3−2.出力タイミングの具体例2>
図6は、表示信号処理部4から表示パネル5へのパネル出力信号S2の出力タイミングの具体例として、入力ビデオ信号S1を1920×1080の表示パネル5において垂直方向に縮小して表示させる場合の垂直方向の出力タイミングを説明する図である。尚、この場合の表示パネル5のフルスキャン時の垂直映像データライン数(Output Height)は1080ラインである。尚、水平方向の出力タイミングは、パネル出力信号S2をフルスキャンする場合(即ち従来と同様の場合)を想定しているので、ここでの説明は省略する。
上記の具体例1の場合と同様に、入力ビデオ信号S1のビデオタイミングはCEA(Consumer Electronics Association)規格で定められたビデオタイミングであり、1080pの入力ビデオ信号S1の場合、入力ビデオ信号S1の垂直同期信号周波数(fv)は60Hzであり、入力ビデオ信号S1の垂直全期間ライン数(INPUT Vtotal)は1125ラインである。
この入力ビデオ信号S1を垂直方向に縮小して表示パネル5に出力する際の出力タイミングは、表示パネル5のクロック周波数(Output Pixel Clock)、水平同期信号周波数(fh)、垂直同期信号周波数(fv)、水平全期間ドット数(Output Htotal)、垂直全期間ライン数(Output Vtotal)が許容できる範囲内で設定される。フレームメモリを用いない場合(即ちラインメモリLM1〜LM3を用いる場合)は、表示パネル5の垂直同期信号周波数(fv)は、パネル出力信号S2の垂直同期信号周波数(fv)と同じ60Hzとなる。
まず比較のため、入力ビデオ信号S1(従ってパネル出力信号S2)が表示パネル5において垂直方向に拡大縮小されずに(即ちオーバースキャン率k=1でフルスキャンされて)表示される場合で説明する。この場合、フルスキャン時の表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)は、図4のU3により1080ラインとなる。また、表示パネル5の垂直全期間ライン数(Output Vtotal)は、図4のU4により、1125ライン(=1080ライン×1125ライン÷1080ライン)となる。これらの結果を図示すると図6(a)となる。図6(a)は図5(a)と同じである。
これに対し、入力ビデオ信号S1(従ってパネル出力信号S2)が表示パネル5において垂直方向に縮小されて(例えばオーバースキャン率k=1.03でアンダースキャンされて)表示される場合は、以下の様になる。
即ち、表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)は、図4のU3により、表示パネル5の映像表示領域の垂直方向サイズ(1080ライン)よりも小さい1046ラインに縮小される。また表示パネル5の垂直全期間ライン数(Output Vtotal)は、図4のU4により、1090ライン(1046ライン×1125ライン÷1080ライン)となる。これらの結果を図示すると図6(b)になる。
尚、図6(b)のAは、表示パネル5の垂直同期信号周波数(fv)であり、上記の通りfv=60Hzである。またBは、表示パネル5の水平同期信号周波数(fh)であり、ここでは例えばfh=65.4kHzに設定されている。またCは、表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)に対応する期間(即ち、表示信号処理部4から表示パネル5に入力ビデオ信号S1(即ちパネル出力信号S2)が出力される期間)を示しており、時刻t5で、パネル出力信号S2の映像(1046ライン)の第1番目のデータライン(水平ライン)が出力され、その後、各データラインが順次出力され、時刻t6で、最後の1046番目のデータラインが出力されることを示している。またDは、表示パネル5において、入力される前記データラインが出力表示される期間を示しており、時刻t1で、その時刻に表示パネル5に入力される前記データラインが表示パネル5の映像表示領域(1080ライン)の第1番目のラインに出力表示され、その後、表示パネル5に順次入力される前記各データラインが表示パネル5の映像表示領域の各ラインに順次出力表示され、時刻t2で、その時刻に表示パネル5に入力される前記データラインが表示パネル5の映像表示領域の最後の1080番目のラインに出力表示されることを示している。
しかし、時刻t1〜t5までの間、および時刻t6〜t2の間は、表示パネル5に前記データラインは出力されないので、表示パネル5の映像表示領域において、それら各間t1〜t5,t6〜t2に対応する各ラインには、パネル出力信号S2(即ち入力ビデオ信号S1)の映像は表示されず、パネル出力信号S2が出力される間t5〜t6に対応する各ラインにだけ、パネル出力信号S2(即ち入力ビデオ信号S1)の映像が表示されることを示している。よってこの図6(b)から、入力ビデオ信号S1(従ってパネル出力信号S2)は、表示パネル5において、垂直方向に縮小されて(即ちアンダースキャンされて)表示される事が分かる。尚、時刻t1〜t5までの間、および時刻t6〜t2の間には、ブランキング部が表示されてもよい。
具体的には、表示パネル5のクロック周波数(Output Pixel Clock)を下げることで、表示パネル5の水平同期信号周波数(fh)、垂直全期間ライン数(Output Vtotal)、垂直映像データライン数(Output Height)を下げる。これにより垂直映像データライン数(1046ライン)が表示パネル5の映像表示領域の垂直方向サイズ(1080ライン)よりも小さくなり、パネル出力信号S2がオーバースキャン率k=1.03で縮小表示される。
入力ビデオ信号S1が表示パネル5において垂直方向に縮小されて表示される場合は、パネル出力信号S2の映像の周縁(即ち歪み等が発生する周縁)にその周縁を被覆するブランキング部を重畳しても良い。この様にする場合、パネル出力信号S2(即ち入力ビデオ信号S1)の映像の表示パネル5の映像表示領域に対する垂直縮小率が大きくなるほど、前記ブランキング部の垂直方向の幅が大きくされるが、その幅の大きさは、入力ビデオ信号S1のビデオタイミングや表示パネル5のクロック周波数、水平同期信号周波数、垂直同期信号周波数、水平全期間ドット数、垂直全期間ライン数の許容範囲に依存する。
<4.全体動作>
<4−1.入力ビデオ信号S1が480pでアスペクト比4:3の例えばスクイーズ画像の場合>
入力ビデオ信号S1が480pでアスペクト比4:3(即ち画像サイズ720×480)の例えばスクイーズ画像である場合は、下記の様に、表示信号処理部4により入力ビデオ信号S1の映像の周縁がカットされて表示パネル5に表示される。
即ちこの場合は、入力ビデオ信号S1の映像は、水平方向については、表示信号処理部4において、上記の<2.表示信号処理部4の処理の詳細の一例>で説明した様に、オーバースキャン率k=0.95に相当する分左右の周縁がカットされると共に、カットされなかった中央の684ピクセルの部分が表示パネル5の映像表示領域の水平方向サイズ(1920ピクセル)と同じサイズに変更(ここでは拡大)されて、読み出される。また垂直方向については、入力ビデオ信号S1の映像は、各ラインメモリLM1〜LM3に書き込まれて読み出される際に、表示パネル5の映像表示領域の垂直方向サイズ(1080ライン)に対して、オーバースキャン率kの逆数を掛けた値(1137ライン)に増大されて読み出される。この様にして図7の様に、720×480の入力ビデオ信号S1から1137×1920のパネル出力信号S2が生成される。
そしてパネル出力信号S2は、下記の出力タイミングで表示パネル5に出力される。即ち、入力ビデオ信号S1が480pで画像アスペクト比4:3のスクイーズ画像の場合は、その入力ビデオ信号S1の垂直周波数は60Hzであり、垂直全期間ライン数は525ラインである。この場合、パネル出力信号S2の出力タイミングは、表示パネル5のクロック周波数、水平周波数、垂直周波数、水平全期間クロック数、垂直全期間ライン数が許容できる範囲内で設定される。
具体的には、表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)は、表示パネル5の映像表示領域(1080)よりもオーバースキャン率kの逆数倍大きい1137ラインに拡大されて設定される(図4のU3参照)。また表示パネル5の垂直全期間ライン数(Output Vtotal)は、1244ライン(1137ライン×525ライン÷480ライン)に設定される(図4のU4参照)。具体的には、表示パネル5のクロック周波数(Output Pixel Clock)を上げることで、表示パネル5の水平同期信号周波数(fh)、垂直全期間ライン数(Output Vtotal)、垂直映像データライン数(Output Height)を上げる。尚、表示パネル5のクロック周波数(Output Pixel Clock)は、垂直全期間ライン数(Output Vtotal)×垂直映像データライン数(Output Htotal)×垂直同期信号周波数(fv)の演算値に設定され(図4のU7)、表示パネル5の水平全期間ドット数(Output Htotal)および水平映像データドット数(Output Width)の設定値は水平方向にフルスキャンする従来の場合と同じ値が設定される(図4のU5)。
この様に、表示パネル5の垂直映像データライン数(Output Height)、垂直全期間ライン数(Output Vtotal)、水平全期間ドット数(Output Htotal)、水平映像データドット数(Output Width)およびクロック周波数(Output Pixel Clock)が設定されることで、図7の様に、パネル出力信号S2は、表示パネル5において、垂直方向には95%でオーバスキャンされ、水平方向にはフルスキャンされて表示される。これにより入力ビデオ信号S1は、その各々一定の水平方向幅の左右の周縁および各々一定の垂直方向幅の上下の周縁がカットされて表示パネル5に拡大表示される。
<4−2.入力ビデオ信号S1が480pで画像アスペクト比4:3でスクイーズ画像でない場合>
入力ビデオ信号S1が480pで画像アスペクト比4:3(即ち画像サイズ720×480)でスクイーズ画像でない場合は、下記の様に、表示信号処理部4によ入力ビデオ信号S1の映像の周縁がカットされて表示パネル5に表示される。
即ちこの場合は、入力ビデオ信号S1の映像は、水平方向については、表示信号処理部4において、各ラインメモリLM1〜LM3から読み出される際に、その中央の684ピクセルの部分が1440ピクセルに変更(ここでは拡大)される様に、その水平方向サイズ全体(720ピクセル)が例えば1516ピクセルに変更されて読み出される。尚、上記の1440ピクセルは、表示パネル5の映像表示領域の垂直方向サイズ(1080ライン)に対してアスペクト比4:3になる水平方向サイズである。そして読み出されたデータは、その水平方向の中央の1440ピクセル以外の部分にブランキング部bkが設けられることで、その中央の1440ピクセル以外の各々一定の水平方向幅の左右の周縁がカットされる。また垂直方向については、入力ビデオ信号S1の映像は、各ラインメモリLM1〜LM3から読み出される際に、表示パネル5の映像表示領域の垂直方向サイズ(1080ライン)に対して、オーバースキャン率kの逆数を掛けた値(1137ライン)に変更されて読み出される。この様にして図8の様に、720×480の入力ビデオ信号S1から1516×1137のパネル出力信号S2が生成される。
尚ここでは、ブランキング部bkは、表示信号処理部4においてパネル出力信号S2に設けられたが、そうする代わりに、表示パネル5においてパネル出力信号S2に設けられてもよい。
そしてパネル出力信号S2は、水平方向には、その中央の1440ピクセルの部分が表示パネル5の水平方向サイズ(1920ピクセル)の中央に配置され、垂直方向には、各々一定の垂直方向幅の上下の周縁がカットされて95%オーバースキャンされて拡大表示される様に、表示パネル5に出力される。これにより入力ビデオ信号S1は、垂直方向には95%オーバースキャンされて上下の周縁がカットされ、水平方向には映像表示領域の水平方向サイズ(1080ピクセル)に対して4:3のアスペクト比になる様に左右の周縁がカットされて(この左右の周縁のカットによりノイズまたは歪みの発生し易い左右の周縁もカットされて)表示される。
<4−3.入力ビデオ信号S1と表示パネル5とのアスペクト比が異なる場合>
ここでは、表示パネル5の映像表示領域を例えば1680×1050とし、その表示パネル5に1920×1080の入力ビデオ信号S1を表示する場合を例に挙げて説明する。
この場合、入力ビデオ信号S1は、下記の様に、垂直方向には例えば103%アンダースキャンされ、水平方向には例えば93%オーバースキャンされることで、上下の周縁はカットされずに各々一定の水平方向幅の左右の周縁だけカットされて、表示パネル5に出力表示される。
即ちこの場合は、図9の様に、入力ビデオ信号S1の映像は、水平方向については、表示信号処理部4において、上記の<2.表示信号処理部4の処理の詳細の一例>で説明した様に、各ラインメモリLM1〜LM3から読み出される際に、オーバースキャン率k=0.93に相当する分、各々一定の水平方向幅の左右の周縁がカットされると共に、カットされなかった中央の1782ピクセルの部分が表示パネル5の映像表示領域の水平方向サイズ(1680ピクセル)と同じサイズに変更(ここでは縮小)されて、読み出される。また垂直方向については、入力ビデオ信号S1の映像は、各ラインメモリLM1〜LM3から読み出される際に、表示パネル5の映像表示領域の垂直方向サイズ(1050ライン)に対して、オーバースキャン率k=1.03の逆数を掛けた値(1018)に変更(ここでは縮小)されて読み出される。この様にして図9の様に、1920×1080の入力ビデオ信号S1から1680×1018のパネル出力信号S2が生成される。
そしてパネル出力信号S2が、上記の<3.パネル出力信号S2の表示パネル5への出力タイミングの設定>または<3−2.出力タイミングの具体例2>で説明した様に、オーバースキャン率k=1.03の下で設定された出力タイミングで表示パネル5に出力されることで、図9の様に、パネル出力信号S2は、垂直方向には103%でアンダースキャンされ、水平方向にはフルスキャンされて表示パネル5に表示される。これにより入力ビデオ信号S1は、垂直方向には103%アンダースキャンされ、水平方向には93%オーバースキャンされて各々一定の垂直方向幅の上下の周縁がカットされて表示される。
入力ビデオ信号S1および表示パネル5の各アスペクト比の組み合わせによっては、例えば、入力ビデオ信号S1が16:9アスペクト比(1080p)であり、表示パネル5が16:10アスペクト比である場合において、入力ビデオ信号S1の映像の垂直方向が100%フルスキャンされる場合は、入力ビデオ信号S1の映像のアスペクト比を保持するには、当該映像を水平方向には90%オーバースキャンする必要があるが、ここでは垂直方向に103%アンダースキャンしているため、水平方向には93%オーバースキャンにすることができ、入力ビデオ信号S1の映像を極力カットしないようにしている。
<5.効果>
以上に説明した画像表示装置1によれば、入力ビデオ信号S1の映像を、その映像におけるノイズまたは歪みが発生し易い各々一定の水平方向幅の周縁または/および各々一定の垂直方向幅の周縁が映り込まない様に表示パネル5に表示する事ができる。
その際、高価なフレームメモリを用いずに各ラインメモリLM1〜LM3を用いるので、製品コストを増大させることなくオーバースキャン表示およびアンダースキャン表示でき、これにより、製品コストを増大させることなくノイズまたは歪みが発生し易い周縁が映り込まない様に入力ビデオ信号S1を表示できる。
また高価なフレームメモリを用いずに各ラインメモリLM1〜LM3を用いるので、回路規模の増大を防止して製品コストを低減することができる。特にフレームメモリを用いないため、映像処理が音声処理に対して遅延する事を防止できる。
尚、この実施の形態では、画像表示装置1として液晶表示装置を例にとって説明したが、発明の適用はこれに限定されるものではなく、プラズマディスプレイ装置や、有機EL表示装置、その他の画像表示装置にも適用できる。
またこの実施の形態では、表示パネル5の画面サイズとして、解像度1920×1080で16:9の画面サイズ、および解像度1680×1050で16:10の画面サイズを例に挙げて説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、実現されているあらゆる比率の解像度および画面サイズ、また将来実現される比率の解像度および画面サイズにも適用可能である。