JP6289408B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は潤滑油組成物に関し、特にシンクロナイザーリングとしてカーボン材を使用する手動変速機に好適な潤滑油組成物に関する。
手動変速機用潤滑油組成物は、シンクロナイザーでの摩擦係数を高くしながら、高い耐摩耗性を有することが必要である(特許文献1、2)。また、さらなる省燃費性向上のためには、ギヤやベアリング摺動部での摩擦係数を低くする必要があるが、従来から使用されている摩擦調整剤を用いる手法では、シンクロナイザーリングの摩擦係数も同時に低くしてしまうことから、シンクロナイザーリングでの摩擦係数を高くすることとギヤやベアリング摺動部での摩擦係数を低くすることはトレードオフの関係にあった。
特開2014−98090号公報 特開2014−177605号公報
本発明は、以上のような事情に鑑み、シンクロナイザーでの摩擦係数を高くしながら、ギヤやベアリング摺動部での摩擦係数を大幅に低減させることが可能な手動変速機用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題について鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)鉱油および/または合成油からなる基油、(B)ジチオリン酸亜鉛を組成物全量基準、亜鉛元素量として、1000質量ppm以上4500質量ppm以下、および(C)モリブデン化合物を組成物全量基準、モリブデン元素量として、400質量ppm以上900質量ppm以下含有し、前記(C)成分の組成物全量基準でのモリブデン元素量としての含有量([Mo])と前記(B)成分の組成物全量基準での亜鉛元素量としての含有量([Zn])との元素量の比([Mo]/[Zn])が0.2以上0.9以下であることを特徴とする手動変速機用潤滑油組成物である。
また、本発明は、前記の手動変速機用潤滑油組成物において、さらに(D)ポリ(メタ)アクリレート系化合物を含有することを特徴とする手動変速機用潤滑油組成物である。
さらに、本発明は、前記の手動変速機用潤滑油組成物が、シンクロナイザーリングとしてカーボン材を使用する手動変速機に使用されることを特徴とする。
本発明の手動変速機用潤滑油組成物は、省燃費性向上のため低い金属間摩擦係数を有しながら、シンクロナイザーでの摩擦においては高い摩擦係数を有する手動変速機用として好適な潤滑油組成物である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の潤滑油組成物は、基油として鉱油および/または合成油を含有する。
鉱油としては、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系またはナフテン系などの鉱油系潤滑油基油やノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。
好ましい鉱油系潤滑油基油としては以下の基油を挙げることができる。
〔1〕パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留による留出油;
〔2〕パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留留出油(WVGO);
〔3〕潤滑油脱ろう工程により得られるワックスおよび/またはGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス;
〔4〕〔1〕〜〔3〕の中から選ばれる1種または2種以上の混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC);
〔5〕〔1〕〜〔4〕の中から選ばれる2種以上の油の混合油;
〔6〕〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または〔5〕の脱れき油(DAO);
〔7〕〔6〕のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC);
〔8〕〔1〕〜〔7〕の中から選ばれる2種以上の油の混合油などを原料油とし、この原料油および/またはこの原料油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる潤滑油
ここでいう通常の精製方法とは特に制限されるものではなく、潤滑油基油製造の際に用いられる精製方法を任意に採用することができる。通常の精製方法としては、例えば、(ア)水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精製、(イ)フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製、(ウ)溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう、(エ)酸性白土や活性白土などによる白土精製、(オ)硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄などの薬品(酸またはアルカリ)精製などが挙げられる。本発明ではこれらの1つまたは2つ以上を任意の組み合わせおよび任意の順序で採用することができる。
また、本発明で用いる鉱油系潤滑油基油としては、上記〔1〕〜〔8〕から選ばれる基油をそのまま、またはこの基油から回収された潤滑油留分を、水素化分解あるいはワックス異性化し、当該生成物をそのまま、もしくはこれから潤滑油留分を回収し、次に溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、その後、溶剤精製処理するか、または、溶剤精製処理した後、溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行って製造される水素化分解鉱油及び/又はワックス異性化イソパラフィン系基油も好ましく用いられる。
合成油としては、例えば、ポリα−オレフィン(エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、およびこれらの水素化物等)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、モノエステル(ブチルステアレート、オクチルラウレート)、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセパケート等)、ポリエステル(トリメリット酸エステル等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、リン酸エステル(トリクレジルホスフェート等)、含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィン等)、シリコーン油、FT反応などの合成ワックスおよび/または石油精製工程から得られるワックス(好ましくは溶剤脱ロウ工程で得られるスラックワックス)を異性化、水素化して得られる高性能炭化水素基油、テルペン類のような天然由来の不飽和炭化水素を水添して得られる炭化水素基油等が例示できる。
(A)成分の基油は、2種類以上の鉱油系基油同志、又は2種類以上の合成油系基油同志の混合物であっても差し支えなく、鉱油系基油と合成油系基油との混合物であっても差し支えない。そして、上記混合物における2種類以上の基油の混合比は、任意に選ぶことができる。
本発明に係る基油の100℃における動粘度は、1.5mm/s以上であることが好ましく、2.0mm/s以上がより好ましく、2.5mm/s以上がさらに好ましい。基油の100℃動粘度を1.5mm/s以上にすることで、十分な潤滑性を確保でき、また潤滑油基油の蒸発損失を抑制することができる。
一方、100℃における動粘度は、10mm/s以下であることが好ましく、8mm/s以下がより好ましく、5mm/s以下がさらに好ましい。基油の100℃動粘度を10mm/s以下にすることで、低温粘度特性に優れた潤滑油組成物を得られる。
本発明に係る基油の粘度指数は、80以上であることが好ましく、90以上がより好ましく、95以上がさらに好ましい。粘度指数を80以上とすることによって、低温から高温にわたり良好な粘度特性を示す組成物を得ることができる。
一方、上限については特に制限はないが、通常200以下であり、160以下が好ましい。粘度指数が高すぎると低温時の粘度が高くなる傾向があり好ましくない。
本発明の潤滑油組成物は、(B)成分としてジチオリン酸亜鉛を含有する。
ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)としては下記一般式(1)で表す化合物が挙げられる。
Figure 0006289408
式(1)中、R〜Rはそれぞれ個別に、炭素数1以上、好ましくは1〜30の炭化水素基を表す。
炭素数1以上の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアリールアルキル基を挙げることができる。これらの中でも、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基または炭素数7〜18のアルキルアリール基が好ましい。
アルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、特に炭素数3〜8のアルキル基が一般的に用いられる。これらアルキル基は直鎖状も分枝状も含まれる。これらはまた第1級(プライマリー)アルキル基も第2級(セカンダリー)アルキル基も含まれる。
アリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アルキルアリール基としては、具体的には、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等(これらのアルキル基は直鎖状も分枝状も含まれ、また全ての置換異性体も含まれる)が挙げられる。
本発明に用いられる潤滑油組成物において、(B)ジチオリン酸亜鉛の含有量は、組成物全量基準、亜鉛元素換算量として、好ましくは1000質量ppm以上である。また、好ましくは4500質量ppm以下である。その含有量が1000質量ppm未満の場合、省燃費効果が期待できず、一方、含有量が4500質量ppmを超える場合、潤滑油組成物の、特に高温下での安定性が低下する傾向にあるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物は(C)成分としてモリブデン化合物を含有する。
本発明で用いる有機モリブデン化合物としては、(C1)硫黄を含有する有機モリブデン化合物、または(C2)構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物等の各種有機モリブデン化合物が挙げられる。
まず、(C1)硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等が挙げられる。
モリブデンジチオホスフェートとしては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006289408
上記一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ個別に炭素数2〜30、好ましくは炭素数5〜18、より好ましくは炭素数5〜12のアルキル基、又は炭素数6〜18、好ましくは炭素数10〜15の(アルキル)アリール基等の炭化水素基を示す。またY〜Yは、それぞれ個別に、硫黄原子または酸素原子を示す。
モリブデンジチオカーバメートとしては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0006289408
上記一般式(3)中、R〜R12は、それぞれ個別に炭素数2〜24、好ましくは炭素数4〜13のアルキル基、又は炭素数6〜24、好ましくは炭素数10〜15の(アルキル)アリール基等の炭化水素基を示す。またY、Y、Y及びYは、それぞれ個別に、硫黄原子または酸素原子を示す。
また、これら以外の硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、モリブデン化合物(例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸、(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩、アンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩又はアミン塩、塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン等)と、硫黄含有有機化合物(例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、硫化エステル等)あるいはその他の有機化合物との錯体等、あるいは、上記硫化モリブデン、硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物と、後述する、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物の項で説明するアミン化合物、コハク酸イミド、有機酸、アルコール等との錯体等、あるいは、元素イオウ、硫化水素、五硫化リン、酸化硫黄、無機硫化物、ヒドロカルビル(ポリ)スルフィド、硫化オレフィン、硫化エステル、硫化ワックス、硫化カルボン酸、硫化アルキルフェノール、チオアセトアミド、チオ尿素等の硫黄源と、後述する構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物の項で説明する、構成元素として硫黄を含まないモリブデン化合物と、後述する構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物の項で説明する、アミン化合物、コハク酸イミド、有機酸、アルコール等の硫黄を含まない有機化合物とを反応させた硫黄含有有機モリブデン化合物等様々なものを挙げることができる。具体的には、特開昭56−10591号公報や米国特許第4263152号等に記載されているような有機モリブデン化合物を例示することができる。
(C2)構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物としては、具体的には、モリブデン−アミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体、有機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩などが挙げられ、中でも、モリブデン−アミン錯体、有機酸のモリブデン塩及びアルコールのモリブデン塩が好ましい。
本発明に係る有機モリブデン化合物としては、摩擦低減効果に優れる点で、硫黄含有有機モリブデン化合物が好ましく、モリブデンジチオカーバメートを使用することが最も好ましい。
本発明に用いられる潤滑油組成物において、(C)有機モリブデン化合物の含有量は、組成物全量基準で、モリブデン元素換算量として400質量ppm以上であることが好ましく、より好ましくは500質量ppm以上、さらに好ましくは600質量ppm以上である。また、好ましくは900質量ppm以下である。その含有量が400質量ppm未満の場合、省燃費効果が期待できず、一方、含有量が900質量ppmを超える場合、潤滑油組成物の、特に高温下での安定性が低下する傾向にあるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物中において、(B)ジチオリン酸亜鉛の潤滑油組成物全量基準での亜鉛元素換算含有量([Zn])と(C)モリブデン化合物の潤滑油組成物全量基準でのモリブデン元素換算含有量([Mo])の比率([Mo]/[Zn])は、0.2以上であることが好ましく、0.22以上がより好ましく、0.25がさらに好ましい。一方、0.9以下であることが好ましく、0.8以下がさらに好ましい。[Mo]/[Zn]を上記範囲内に制御することで摩耗防止性を向上し、疲労寿命を長くすることができる。
本発明の潤滑油組成物は(D)成分としてポリ(メタ)アクリレート系化合物を含有することが好ましい。
ここでいう(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの総称であり、ポリ(メタ)アクリレート系化合物は、好ましくは下記一般式(4)で表される(メタ)アクリレートモノマー(以下、「モノマーM−1」という。)を含む重合性モノマーの重合体である。
Figure 0006289408
[一般式(4)中、Rは水素またはメチル基を示し、Rは炭素数1〜750の直鎖状または分枝状の炭化水素基を示す。]
一般式(4)で表されるモノマーの1種の単独重合体または2種以上の共重合により得られるポリ(メタ)アクリレート系化合物はいわゆる非分散型ポリ(メタ)アクリレートであるが、本発明に係るポリ(メタ)アクリレート系化合物は、一般式(4)で表されるモノマーM−1と、下記一般式(5)および(6)から選ばれる1種以上のモノマー(以下、それぞれ「モノマーM−2」および「モノマーM−3」という。)を共重合させたいわゆる分散型ポリ(メタ)アクリレートであってもよい。
Figure 0006289408
[一般式(5)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基または複素環残基を示し、aは0または1を示す。]
Figure 0006289408
[一般式(6)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基または複素環残基を示す。]
一般式(4)中のRで表される炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、及びテトラコシル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい。)、さらにはブチレンやブタジエン、イソプレン等の重合物の水素化物等のアルキル基が例示できる。
一般式(5)中のRで表されるアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、及びオクタデシレン基(これらアルキレン基は直鎖状でも分枝状でもよい。)等が例示できる。
一般式(5)および(6)中のE、Eで表される基としては、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾリノ基およびピラジノ基等が例示できる。
モノマーM−2、モノマーM−3の好ましい例としては、具体的には、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジン、モルホリノメチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン及びこれらの混合物等が例示できる。
モノマーM−1とモノマーM−2〜M−3との共重合体の共重合モル比については特に制限はないが、M−1:M−2〜M−3=99:1〜80:20程度が好ましく、より好ましくは98:2〜85:15、さらに好ましくは95:5〜90:10である。
ポリ(メタ)アクリレート系化合物の重量平均分子量(M)は、2,000以上であることが好ましく、より好ましくは5,000以上であり、さらに好ましくは10,000以上である。また、500,000以下であることが好ましく、より好ましくは300,000以下であり、さらに好ましくは100,000以下であり、最も好ましくは50,000以下である。重量平均分子量が2,000未満の場合には潤滑油基油に溶解させた場合の粘度指数向上効果が小さく省燃費性や低温粘度特性に劣るだけでなく、コストが上昇するおそれがあり、重量平均分子量が500,000を超える場合にはせん断安定性や潤滑油基油への溶解性、貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
(D)ポリ(メタ)クリレート系化合物の含有量は、組成物全量基準で20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは16質量%以下である。含有量が20質量%を超えるとせん断安定性が低下する傾向にある。
一方、含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。含有量が0.5質量%に満たない場合は疲労寿命が低下する傾向にある。
本発明の潤滑油組成物は、さらに(E)成分として、金属系清浄剤を含有することが好ましい。
金属系清浄剤としては、潤滑油用の金属系清浄剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能である。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルフォネート、フェネート、サリシレート、ナフテネート等の正塩、塩基性塩または過塩基性塩等が挙げられる。アルカリ金属としてはナトリウムやカリウム、アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウム等が例示される。
なお、これら金属系清浄剤の全塩基価は0〜500mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは50mgKOH/g以上、さらに好ましくは250mgKOH/g以上、またより好ましくは450mgKOH/g以下である。
金属系清浄剤を含有することにより、シンクロナイザーの摩擦特性が良くなる。具体的には静摩擦係数が低下することにより変速操作時の引っ掛かりの程度が減少し、また動摩擦係数が上がることにより、変速操作にかかる時間を低減することができる。ただし、塩基価が500mgKOH/gを超えると、その効果が不安定になる。この摩擦特性に関しては、金属としてはカルシウムが好ましく、スルフォネートがより好ましい。
本発明の潤滑油組成物に金属系清浄剤を配合する場合、その配合量は、通常、潤滑油組成物全量基準、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属元素換算で、0.001〜0.5質量%であることが好ましい。
また、本発明の潤滑油組成物は、さらにその性能を高める目的で、その目的に応じて潤滑油に一般的に使用されている任意の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、無灰分散剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤(または極圧剤)、酸化防止剤、腐食防止剤、流動点降下剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤、着色剤等に代表される各種添加剤を単独で、又は数種類組み合わせて配合することができる。
本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度は、4.0mm/s以上であることが好ましく、4.5mm/s以上がより好ましく、5.0mm/s以上がさらに好ましい。潤滑油組成物の100℃動粘度を4.0mm/s以上にすることで、十分な潤滑性を確保でき、また潤滑油基油の蒸発損失を抑制することができる。
一方、100℃における動粘度は、15mm/s以下であることが好ましく、12mm/s以下がより好ましく、10mm/s以下がさらに好ましい。潤滑油組成物の100℃動粘度を15mm/s以下にすることで、低温粘度特性に優れた潤滑油組成物を得られる。
本発明の潤滑油組成物のシンクロナイザーでの摩擦係数は、好ましくは0.125以上であり、より好ましくは0.130以上、さらに好ましくは0.135以上である。
本発明の潤滑油組成物は、手動変速機に好適に使用できるが、特にシンクロナイザーリングとしてカーボン材を使用する手動変速機に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜、比較例1〜3)
表1に示す組成の潤滑油組成物を調製した。基油、各添加剤の添加量(質量%)は組成物全量基準である。各潤滑油組成物の性状について各種試験により評価し表1に併記した。
(参考例1、比較例4〜5)
シンクロナイザーリングの材質による違いを評価するため表2に示す組成の潤滑油組成物を調製した。基油、各添加剤の添加量(質量%)は組成物全量基準である。試験結果は表2に併記した。
表1から明らかなように本発明の潤滑油組成物は、シンクロナイザーでの摩擦においては高い摩擦係数を維持しながら、金属間摩擦係数を大幅に低減し省燃費性を向上させることができる。また表2からわかるように、シンクロナイザーリングがカーボン材の場合に特に効果を奏する。
Figure 0006289408
Figure 0006289408

Claims (3)

  1. (A)鉱油および/または合成油からなる基油、(B)ジチオリン酸亜鉛を組成物全量基準、亜鉛元素量として、1000質量ppm以上4500質量ppm以下、および(C)モリブデン化合物を組成物全量基準、モリブデン元素量として、400質量ppm以上900質量ppm以下含有し、前記(C)成分の組成物全量基準でのモリブデン元素量としての含有量([Mo])と前記(B)成分の組成物全量基準での亜鉛元素量としての含有量([Zn])との元素量の比([Mo]/[Zn])が0.2以上0.9以下であることを特徴とする手動変速機用潤滑油組成物。
  2. さらに(D)ポリ(メタ)アクリレート系化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の手動変速機用潤滑油組成物。
  3. シンクロナイザーリングとしてカーボン材を使用する手動変速機に使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の手動変速機用潤滑油組成物。
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