JP7127663B2 - 歯車及び駆動ユニット - Google Patents

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Description

本開示は、歯車及び駆動ユニットに関する。
従来、内燃機関や、自動変速機、緩衝器、パワーステアリング等の駆動系機器、歯車(ギヤともいう。)などには、その作動を円滑にするために潤滑油が用いられている。潤滑油は、各種摺動部分の潤滑のほか、エンジン内の冷却、燃焼物の清浄、防錆、防腐等の機構を有している。そのため、潤滑油には、目的に応じて、摩耗防止剤、金属清浄剤、酸化防止剤等の添加剤が添加されることがある。
例えば摩耗防止剤としては、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、亜鉛ジチオカーバメイト(ZnDTC)、モリブデンジチオカーバメイト(MoDTC)、又はモリブデンジチオフォスフェート(MoDTP)等が知られている。
例えばMoDTCは、摺動面において層状の化合物であるMoSを生成し、低摩擦を示すことが知られている。エンジン等の内燃機関では、摺動部の摩擦係数を小さくして摩擦損失を低減するために、MoDTCを配合したエンジン油が広く使用されている。その一方、MoDTCの効果は共存する他の添加剤によって大きく異なることが知られており、MoDTCによる摩擦損失の低減効果を高めるために、例えば特許文献1のように、MoDTCとZnDTP又は特定のCa系添加剤等とを併用する技術が提案されている。
他方、摺動部の面圧が1GPaを超え、エンジンに比べて高面圧となるギヤに用いられる潤滑油は、エンジン油に比べて高い耐摩耗性及び焼付き性が要求される。そのため、ギヤに用いられる潤滑油の組成は、エンジン油の組成とは異なる。例えば特許文献1に記載の潤滑油組成物では、ZnDTPが不可欠な成分として含まれるが、近年の、オートマチック(AT)車のオートマチックトランスミッションフルード(ATF;自動変速機油)、及びハイブリッド車(Hybrid Vehicle;HV)又は電気自動車(Electric Vehicle;EV)に用いられるトランスアクスル用フルード等のギヤ油にはZnDTPは含有されておらず、組成は異なっている。
エンジン油と組成の異なるギヤ油では、エンジン油に比べてMoDTCによる効果が発現し難く、エンジン油のように、MoDTCの添加によって摩擦係数が半減するようなギヤ油は上市されるに至っていない。例えば非特許文献1では、MoDTCを配合することによる摩擦低減効果は小さく、20%程度に留まっている。
特開平6-336592号公報
「低粘度デファレンシャルギヤオイルの摩擦低減機構解明」トライボロジー会議2018 春東京 予稿集(2018)、p.206~207、日産自動車株式会社 奥田紗知子、久保朋生、岡本裕司、秋江直人、JXTGエネルギー 有山萌奈、小松原仁
近年、AT車のみならず、HV及びEVでもモーター回転数を減速するために歯車式駆動ユニット(ギヤ駆動ユニットともいう。)が用いられている。ギヤ駆動ユニットを用いた車両の燃費又は電費を向上するためには、ギヤ摺動部における摩擦係数を低減し、ギヤ駆動ユニットの摩擦損失を低減させることが不可欠である。従来から、ギヤ摺動部の摺動面で生じる摩擦の低減効果を高める方法の1つとして、摩耗防止剤を添加することが検討されてきた。しかしながら、従来の技術では摩擦の低減効果としては充分とは言い難く、ギヤ摺動部における摩擦係数を低下させる技術の確立が求められており、ひいては駆動ユニットにおける摩擦損失の更なる低減が要求されている。
本開示は、上記に鑑みなされたものである。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、摩擦係数が低減された歯車を提供することにある。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、摩擦損失の少ない駆動ユニットを提供することにある。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> オートマチックトランスミッション又はトランスアクスルに用いられる歯車であって、
摺動領域の浸炭鋼材の上にトライボ膜を有し、
前記トライボ膜は、トライボ膜の表面にビーム状の一次イオンとして30keVのBiイオンを照射する飛行時間二次イオン質量分析により検出される二次イオンのピーク面積が、下記(1a)~(4a)の関係を満たす、歯車である。
(1a)Feのピーク面積に対するMoのピーク面積の比≧0.05
(2a)Feのピーク面積に対するCaのピーク面積の比≧0.01
(3a)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、MoS2-のピーク面積の比≧0.0008
(4a)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、CSO3-のピーク面積の比≦0.003
上記の3a及び4aにおいて、基準負イオンは、C(M/Z:12.00),CH(M/Z:13.01),O(M/Z:16.00),OH(M/Z:17.00),C (M/Z:24.00),及びC(M/Z:25.01)を表す。
なお、M/Zは、質量を電荷で除算した値である質量数を表す。
<2> 下記(1b)~(4b)の関係を満たす、前記<1>に記載の歯車である。
(1b)Feのピーク面積に対するMoのピーク面積の比≧0.30
(2b)Feのピーク面積に対するCaのピーク面積の比≧0.02
(3b)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、MoS2-のピーク面積の比≧0.0009
(4b)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、CSO3-のピーク面積の比≦0.002
<3> 更に、下記(5a)の関係を満たす前記<1>又は前記<2>に記載の歯車である。
(5a)Feのピーク面積に対するZnのピーク面積の比≦0.10
<4> 更に、下記(6a)の関係を満たす前記<1>~前記<3>のいずれか1つに記載の歯車である。
(6a)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、PO2-のピーク面積の比≦0.08
<5> 前記<1>~前記<4>のいずれか1つに記載の歯車と、内燃機関及びモーターの少なくとも一方の動力を前記歯車によって分配する機構と、を備えた駆動ユニットである。
本開示の一実施形態によれば、摩擦係数が低減された歯車が提供される。
本開示の他の実施形態によれば、摩擦損失の少ない駆動ユニットが提供される。
MoS のピークを表すTOF-SIMSスペクトルである。 PO のピークを表すTOF-SIMSスペクトルである。 SO のピークを表すTOF-SIMSスペクトルである。 Moのピークを表すTOF-SIMSスペクトルである。 Caのピークを表すTOF-SIMSスペクトルである。 Feのピークを表すTOF-SIMSスペクトルである。 Znのピークを表すTOF-SIMSスペクトルである。 摩耗試験に用いるブロック・オン・リング型摩耗試験機を示す概略図である。 M/Z=158~168における負イオンのTOF-SIMSスペクトルである。 M/Z=158~168における負イオンのTOF-SIMSスペクトルである。 M/Z=20~80における負イオンのTOF-SIMSスペクトルである。 M/Z=20~80における負イオンのTOF-SIMSスペクトルである。 M/Z=30~120における正イオンのTOF-SIMSスペクトルである。 M/Z=30~120における正イオンのTOF-SIMSスペクトルである。
以下において、本開示の内容について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
本開示において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。本開示において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の成分の合計量を意味する。
なお、本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
<歯車>
本開示の歯車(以下、ギヤともいう。)は、歯車式駆動ユニット(ギヤ駆動ユニット)であるオートマチックトランスミッション又はトランスアクスルに用いられるギヤであり、摺動領域の浸炭鋼材の上にトライボ膜を有する。本開示のギヤにおけるトライボ膜は、トライボ膜の表面にビーム状の一次イオンとして30keVのBiイオンを照射する飛行時間二次イオン質量分析により検出される二次イオンのピーク面積が、以下の(1a)~(4a)を満たす。
(1a)Feのピーク面積SFeに対するMoのピーク面積SMoの比≧0.05
(2a)Feのピーク面積SFeに対するCaのピーク面積SCaの比≧0.01
(3a)基準負イオンの合計のピーク面積Sに対する、MoS2-のピーク面積SMoSの比≧0.0008
(4a)基準負イオンの合計のピーク面積Sに対する、CSO3-のピーク面積SCSOの比≦0.003
上記の「基準負イオン」は、C(M/Z:12.00),CH(M/Z:13.01),O(M/Z:16.00),OH(M/Z:17.00),C (M/Z:24.00),及びC(M/Z:25.01)を表す。
歯車式駆動ユニット(ギヤ駆動ユニット)を用いた車両の燃費又は電費を向上するためには、ギヤ摺動部における摩擦係数を低減することが有効である。従来から、摩擦を低減する方法の1つとして、摩耗防止剤を添加することが検討されてきた。しかしながら、従来の技術では、ギヤ摺動部の摺動面で生じる摩擦の低減効果は必ずしも充分とは言い難く、ギヤ摺動部における摩擦係数を効果的に低下させる技術の確立が求められている。
そして従来、AT車の多くは、変速機構に摩擦によって動力を伝達する湿式の多板クラッチが採用されている。クラッチ部では、一定値以上の摩擦係数を確保する必要があり、したがってATFには、MoDTC含有のエンジン油のように、低摩擦係数を示すものは用いられていないのが実状である。
本開示のギヤは、ギヤ駆動ユニットに備えられた場合にオートマチックトランスミッションフルード(ATF)又はトランスアクスル用フルード等のギヤ油によってギヤ表面に特定の組成を有するトライボ膜が形成される。特定の組成を有するトライボ膜は、特にギヤ駆動ユニットのギヤ摺動面における摩擦係数を大幅に軽減することができる。
これにより、ギヤ駆動ユニットの摩擦損失を効果的に低減できる。
本開示のギヤは、浸炭鋼材と、浸炭鋼材の上に形成されたトライボ膜と、を有する。また、本開示のギヤは、必要に応じて、更に他の膜を有していてもよい。
(浸炭鋼材)
浸炭鋼材は、ギヤの骨格構造をなす基材である。
浸炭鋼材とは、炭素を添加して表面を硬くする浸炭処理を施して製造した鋼のことを指す。
浸炭鋼材としては、浸炭処理が施された鋼材であればよい。浸炭処理とは、加工適性を有する低炭素鋼の表層に炭素を拡散して硬化する処理のことをいう。例えば、低炭素鋼の表面に炭素を浸透拡散し、表面を高炭素化した後に焼入れを行って表面を硬化して得られる鋼材であってもよい。鋼材内部は低炭素鋼のままのため、製品とした際の靭性を保ちつつ、焼入れによる硬化に加え、表層部と内部との間の作用により耐摩耗性に優れている。
浸炭鋼材の形状、大きさ等の性状については、目的等に応じて適宜選択すればよく、特に制限されるものではない。
(トライボ膜)
本開示のギヤは、浸炭鋼材の上にトライボ膜が形成されている。トライボ膜は、ギヤが使用されてギヤ表面に形成される保護皮膜のことを指す。
トライボ膜とは、潤滑油中に含まれる添加剤が、摩擦が起きる摺動部表面に付着することにより生成する膜(トライボフィルムともいう。)のことを指し、例えば、潤滑油中に含まれる添加剤が、摺動部表面に吸着又は化学反応することによって生成する保護皮膜のことである。
本開示におけるトライボ膜は、トライボ膜の表面にビーム状の一次イオンとして30keVのBiイオンを照射する飛行時間二次イオン質量分析により検出される二次イオンのピーク面積が、既述のように、下記の(1a)~(4a)の関係を満たす。
(1a)SMo/SFe≧0.05
(2a)SCa/SFe≧0.01
(3a)SMoS/S≧0.0008
(4a)SCSO/S≦0.003
における「基準負イオン」は、各M/Zにおける負イオンを指しており、C(M/Z:12.00),CH(M/Z:13.01),O(M/Z:16.00),OH(M/Z:17.00),C (M/Z:24.00),及びC(M/Z:25.01)を表す。
飛行時間二次イオン質量分析により検出されるイオンのピーク面積とは、TOF-SIMS(Time Of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)法により、トライボ膜の表面に一次イオンのビームを照射することで検出された二次イオンの強度を縦軸とし、質量数(M/Z)を横軸とした二次元座標に表される強度スペクトルにおいて、各イオン毎のピーク波形の面積を指す。
なお、M/Zで表される質量数は、質量を電荷で除算(割り算)した値に相当する量である。
飛行時間二次イオン質量分析(TOF-SIMS)法による検出では、固体であるギヤの表面にビーム状の一次イオンとしてBiイオンを照射し、Biイオンとギヤ表面の衝突によって発生した二次イオンを飛行時間質量分析計(TOF-MS)で検出する。
本開示では、トライボ膜の表面に、ビーム状の一次イオンとして、30keVのBiイオンを照射する。これにより、鋼材であるギヤの表面に形成されたトライボ膜の組成を特定する。この際、得られる二次イオンスペクトルは、多くはベースオイル及びその変質物に由来する炭化水素のフラグメントイオン群であるが、スペクトル中には添加剤と鋼材との吸着又は反応によって形成されたトライボ膜の成分に由来する特徴的なイオンが検出される。これを検出することで、トライボ膜の組成を特定することができる。
TOF-SIMS法を利用した検出には、例えば、Ion-Tof社製の飛行時間型2次イオン質量分析装置TOF-SIMSを用いることができる。
(1a)Mo強度
Feのピーク面積SFeに対するMoのピーク面積SMoの比(SMo/SFe)は、0.05以上である。SMo/SFe比が0.05以上であると、摩擦係数の低減に効果的である。
Mo/SFe比は、0.30以上が好ましく、0.35以上がより好ましく、0.40以上が更に好ましい。また、SMo/SFe比の上限は、特に制限されない。
(2a)Ca強度
Feのピーク面積SFeに対するCaのピーク面積SCaの比(SCa/SFe)は、0.01以上である。SCa/SFe比が0.01以上であると、摩耗防止性が良好になる。
Ca/SFe比は、0.02以上が好ましく、0.025以上がより好ましい。また、SCa/SFe比の上限は、摩擦係数の低減の観点から、0.5以下とすることができ、0.1以下が好ましい。
(3a)MoS2-強度
基準負イオンの合計のピーク面積Sに対する、MoS2-のピーク面積SMoSの比(SMoS/S)は、0.0008以上である。SMoS/S比が0.0008以上であると、摩擦係数の低減に効果的である。
MoS/S比は、0.0009以上が好ましい。また、SMoS/S比の上限は、特に制限されない。
(4a)CSO3-強度
基準負イオンの合計のピーク面積Sに対する、CSO3-のピーク面積SCSOの比(SCSO/S)は、0.003以下である。SCSO/S比が0.003以下であると、摩擦係数の低減に効果的である。
CSO/S比は、0.002以下が好ましく、0.0015以下がより好ましい。また、SCSO/S比の下限は、特に制限されず、0.00005以上とすることができる。
本開示におけるトライボ膜は、潤滑油が供給されたギヤの使用によりギヤ表面に形成される。この際、潤滑油含まれる添加剤が、浸炭鋼材の表面に吸着又は化学反応等して保護皮膜を形成するので、使用する潤滑油の成分組成を調節することで上記(a1)~(a4)を満たす範囲に調整することができる。
上記(1a)~(4a)の関係は、本開示の効果をより効果的奏する観点から、下記(1b)~(4b)の関係を満たす範囲が好ましい。
(1b)SMo/SFe≧0.30
(2b)SCa/SFe≧0.02
(3b)SMoS/S≧0.0009
(4b)SCSO/S≦0.002
更には、上記(1a)~(4a)の関係は、下記(1c)~(4c)の関係を満たす範囲がより好ましい。
(1c)SMo/SFe≧0.40
(2c)SCa/SFe≧0.025
(3c)SMoS/S≧0.0009
(4c)SCSO/S≦0.0015
また、亜鉛(Zn)化合物がオートマチックトランスミッションにおける湿式クラッチの目詰まりを生じさせることが知られていることから、下記(5a)の関係を満たしていることが好ましい。
(5a)Feのピーク面積SFeに対するZnのピーク面積SZnの比≦0.10
更に、上記(5a)の関係は、亜鉛(Zn)化合物がオートマチックトランスミッションにおける湿式クラッチの目詰まりを生じさせることが知られていることから、下記(5b)の関係の範囲であることが好ましい。
(5b)SZn/SFe≦0.01
また、摩擦面に占めるMo化合物の割合を多くし、摩擦係数をより効果的に低減する観点から、下記(6a)の関係を満たしていることが好ましい。
(6a)基準負イオンの合計のピーク面積Sに対する、PO のピーク面積SPO2の比≦0.08
更に、上記(6a)の関係は、摩擦面に占めるMo化合物の割合を多くし、摩擦係数をより効果的に低減する観点から、下記(6b)の関係の範囲であることが好ましい。
(6b)SPO2/S≦0.07
更に、上記(6a)の関係は、上記と同様の理由から、下記(6c)の関係の範囲であることが好ましい。
(6c)0.02≦SPO2/S≦0.07
TOF-SIMSスペクトルの定量は、以下の方法で行うものとする。
スペクトル中のピークの選択範囲によって定量値が若干異なることがあるため、定量化を行う際の各イオンのピークの帰属と面積算出方法を以下に示す。
TOF-SIMSスペクトルにおけるピークは、分析毎に小数点以下2桁の数値が増減する場合がある。そのため、試料(試験片)の定量比較には、各ピークにおけるM/Zの範囲を一定とせず、以下に記す基準でそれぞれの試料毎のピークの形からピークの範囲を判断する。なお、本開示では、上記数値の増減を考慮して、既述の(1a)~(4a)のように比率をとることで規格化する。
図1Aに示すMoS については、以下のように判断する。
図1Aに示すMoS のカウント数は、複数のピークが重なった複雑なピーク形状を呈している。これは、分析面(最表面)におけるMoSが酸化され易く、摩擦試験後、かつ、分析機器に挿入する前に洗浄して大気に曝された状態において、一部がMoSO及びMoOに酸化したためと考えられる。標準物質のMoSのスペクトルを測定した場合も、類似のピーク形状となる傾向がある。そのため、MoS (M/Z:161.850)のピークは、MoO を含む着色した領域の面積、即ち、細かなピークトップがM/Z=161.840~161.880の範囲にあるピークの合計のピーク面積を求める。
一方、図1B~図1Gに示すように、PO 、CSO 、Mo、Ca、Fe、及びZnの各カウント数は、いずれもシャープなピークを呈している。
これらのイオンについては、上記と同様に、各々の試験片の摩擦面(最表面)を分析して得られたピークトップが、PO ではM/Z=62.960~62.970の範囲、CSO ではM/Z=182.992~183.035の範囲、MoではM/Z=97.897~97.912の範囲、CaではM/Z=39.957~39.966の範囲にあるピーク面積を求める。また、図1Gに示すように、Znのカウント数はピークが認められていないが、M/Z=93.920~93.936の範囲の面積を求める。
トライボ膜の厚みとしては、特に制限されず、1nm~1000nmの範囲とすることができ、10nm~400nmの範囲とすることもできる。
トライボ膜の元素組成は、潤滑油の種類及び潤滑油に含有する添加剤の種類を、TOF-SIMSスペクトルに現れるピーク波形が目的とする波形となるように選択することで制御することができる。
なお、潤滑油は、特に制限されず、市販のオートマチックトランスミッションフルード(ATF(自動変速機油)等を用いることができる。
<駆動ユニット>
本開示の駆動ユニットは、既述の本開示の歯車(ギヤ)と、エンジン動力及びモーター動力を歯車(ギヤ)によって分配する機構と、を備えている。歯車(ギヤ)の摺動面において既述の(1a)~(4a)の関係を満たすトライボ膜が形成されるので、駆動ユニットにおける摩擦損失を大きく低減することができる。
内燃機関及びモーターの少なくとも一方の動力をギヤによって分配する機構とは、動力を複数の機構へ必要に応じて振り分ける動力分配機を指し、例えば、エンジンからの動力をモータジェネレータとカウンタギヤとに分配する歯車機構等を挙げることができる。
内燃機関とは、シリンダ等の機関内で燃料を燃焼させて発生した燃焼ガスを用いて機械仕事を得る原動機のことであり、例えばエンジンが含まれる。
モーターとは、電気エネルギーを力学的エネルギーに変換する機器のことであり、例えば電気モーターが含まれる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準であり、M/Zを「m/z」と表記することがある。
-試料油の調製-
(1)市販のオートマチックトランスミッションフルード(ATF(自動変速機油);S元素:600ppm、N元素:2100ppm、B元素:70ppm、P元素:300ppm、Ca元素:120ppmを含む。)に、下記表1に示す元素組成となるように市販の添加剤を配合することで、サンプルオイル1を調製した。
(2)市販のオートマチックトランスミッションフルード(ATF(自動変速機油);S元素:600ppm、N元素:2100ppm、B元素:70ppm、P元素:300ppm、Ca元素:120ppmを含む。)にモリブデンジチオカーバメイト(MoDTC)を加えることにより、下記表1に示す元素組成を有するサンプルオイル2を調製した。
(3)S元素:1700ppm、N元素:1700ppm、B元素:100ppm、P元素:500ppm、Ca元素:200ppmを含むATFにMoDTCを加えることにより、下記表1に示す元素組成を有するサンプルオイル3を調製した。
(4)サンプルオイル1にMoDTCを加えることにより、下記表1に示す元素組成を有するサンプルオイル4を調製した。
上記サンプルオイル1~4をブロック・オン・リング摩擦試験(FALEX社製、LFW-1試験機)に供し、摩擦低減効果を評価した。
なお、各サンプルオイルの元素含有量は、金属元素及び硫黄分について誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法によって測定し、窒素分は化学発光法による微量窒素分析によって測定した。
Figure 0007127663000001

-ブロック・オン・リング摩擦試験-
図2に示すブロック・オン・リング型摩耗試験機を用い、その容器に上記のサンプルオイル1~4を順次装填し、サンプルオイルに一部が漬かるようにリング試験片を配置した。リング試験片に対向し、リング試験片のリング外周面に接する位置にブロック試験片を配置した。リング試験片を回転させることによって、リング試験片のリング外周面とブロック試験片の表面とが互いに摺動する。
ブロック試験片には、鋼材としてSCM420鋼(クロムモリブデン鋼)を用い、表面の硬さがHV750以上となるように浸炭処理を施した浸炭鋼である。ブロック試験片の表面は、表面粗さ(Ra)0.1μm以下の鏡面仕上げとし、摩擦面の幅は6.3mmとした。
リング試験片には、AISI4620浸炭鋼材からなるS-10標準試験片(FALEX社製;硬さHV800、表面粗さ(Ra)0.26μm、外径φ35mm、幅8.8mm)を用いた。
下記の摺動摩耗条件下、ブロック試験片に荷重をかけてブロック試験片を回転するリング試験片に押し付けることで、線接触形態における連続すべり条件にて30分間の摩擦試験を行い、耐摩耗性を評価した。摺動摩耗条件は、自動車用駆動系ユニットのギヤ摺動状態を模した条件である。
摩擦係数は、30分間の試験終了直前の1分間の値を読み取った。サンプルオイル1~4の各々について試験を2回実施し、平均値を摩擦係数とした。
<摺動摩耗条件>
・荷重(W) :1179N(最大ヘルツ面圧:611MPa)
・すべり速度(v):0.9m/sec
・油温(T) :80℃
・試験時間(t) :30min
上記の摩擦試験の結果について、各サンプルオイルでの摩擦係数を下記表2に示す。
なお、上記の摺動摩耗条件で摺動した場合、潤滑状態は境界潤滑となっていると考えられる。境界潤滑とは、油膜が十分に形成されず、固体同士の接触が生じる過酷な潤滑状態のことである。
-摺動面の解析-
ブロック・オン・リング摩擦試験において試験片の鋼材表面に形成されているトライボ膜の組成を以下の方法により解析した。
具体的には、以下の通りである。
上記ブロック・オン・リング摩擦試験後におけるブロック試験片の表面をTOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)によって二次イオンスペクトルを測定し、組成解析を行った。分析条件を以下に示す。
<分析条件>
装置:TOF-SIMS(Ion-Tof社製)
一次イオン種:Bi
照射電圧:30keV
モード:High current bunched mode
スキャンエリア:200μm四方(128pixels×128pixcels)
スキャン数:10scans
Figure 0007127663000002

摩擦係数(μ)について、上記表2に示されるように、MoDTCを添加することにより元素組成を調整したサンプルオイル2~4では、MoDTCを添加していないサンプルオイル1に比べて、摩擦係数(μ)の低減効果が認められた。その中で、既述の(1a)~(4a)の関係を満たすサンプルオイル3~4において、良好な摩擦係数(μ)を示した。特に、表2に示す元素組成を有するサンプルオイル4を用いた場合に、μの値が0.050を示しており、ギヤの摺動状態を模した摩擦試験において所望する優れた摩擦低減効果が得られた。
以上の結果から、各サンプルオイルで試験片の鋼材表面にトライボ膜が形成されていることが推測されるが、形成されるトライボ膜の元素組成が特定の範囲を満たすことによって摩擦に対する低減効果が大きく異なることが裏付けられた。特にサンプルオイル3~4を用いた場合に形成されるトライボ膜の元素組成は、摩擦係数が著しく低下し、駆動ユニットにおける摩擦損失を効果的に低減することが可能である。
次に、上記サンプルオイル1~4を用いて形成されたトライボ膜のスペクトルを図3~図8に示す。
図3~図4は、M/Z=158~168における負イオンのTOF-SIMSスペクトルである。
図3~図4に示すスペクトルのうち、MoDTCを添加したサンプルオイル2~4を用いて形成されたトライボ膜では、質量数(M/Z)161.86付近にMoS イオンが検出された。鋼材表面にMoSが生成していることが確認された。
図5~図6は、M/Z=20~80における負イオンのTOF-SIMSスペクトルである。
図5~図6に示すスペクトルでは、PO2-やPO3-など、摩耗防止剤として配合されているリン系添加剤に由来して生成したと考えられるリン酸化合物の存在が認められた。
図7~図8は、M/Z=30~120における正イオンのTOF-SIMSスペクトルである。
図7~図8に示すスペクトルでは、添加剤であるCa-スルホネート(防錆剤)に由来すると考えられるCaイオンが認められ、Ca化合物を含むトライボ膜が形成されていることが確認された。一方、Znイオンは検出されていないため、Zn化合物は存在していないことが確認された。
また、上述のFeは、ブロック試験片の鋼材に由来するものである。Feイオンのピーク面積と各化合物イオンのピーク面積との比を算出することで、トライボ膜の成分組成を定量比較することができた。
正イオン及び基準負イオンの各ピーク面積の比を上記表2に示す。
SO は、Ca-スルホネートに由来するスルホネート基の吸着成分と推定される。
なお、検出された負イオンのピーク面積(単位:cps)は、分析機器の状態によって変化し易いため、負イオンの定量に際し、摩擦試験に用いたサンプルオイルの違いによる影響を受け難くするため、炭化水素基、並びに、大気中の水分の吸着に由来するイオンと考えられるC(M/Z:12.00),CH(M/Z:13.01),O(M/Z:16.00),OH(M/Z:17.00),C (M/Z:24.00),及びC(M/Z:25.01)の検出量(基準負イオンのピーク面積の合計値)で規格化した。具体的には、検出された負イオンのピーク面積(単位:cps)の、基準負イオンのピーク面積の合計値に対する相対比で示した。
また、正イオンについては、鋼材に由来するFeイオンのピーク面積に対する相対比で示した。
上記表2に示すように、低μ値(摩擦係数)が認められたトライボ膜(サンプルオイル2~4を用いて形成されたトライボ膜)では、MoS が多く生成していることがわかる。但し、MoS 量とμ値との序列は完全一致しておらず、表面のMoS量だけで摩擦特性を決定し得ないとも考えられる。
MoDTCを添加したサンプルオイル2~4を用いて形成されたトライボ膜に着目すると、添加剤のCa-スルホネートに由来するCSO とCaは生成量の序列が異なっている。低摩擦化は、MoS を生成させ、かつ、CSO の吸着量が少ないほど良好になる傾向が認められる。Ca-スルホネートもATFの諸特性を確保するために不可欠な成分である状況下において、スルホネート基の吸着を抑制した摩擦面が低摩擦化に有効であると考えられる。
摺動面におけるリン系化合物の生成は、一般に耐摩耗性及び耐焼付き性を確保する上で重要であることが知られている。表2中のサンプルオイル3又はサンプルオイル4を用いて形成されたトライボ膜を対比すると、PO 量が少ないほど低μ値を示す傾向にあることが認められる。
なお、本実施例に用いたATFは、いずれもZn系添加剤を含有しないことから、摺動面からはZn成分は検出されていない。

Claims (4)

  1. オートマチックトランスミッション又はトランスアクスルに用いられる歯車であって、
    摺動領域の浸炭鋼材の上にトライボ膜を有し、
    前記トライボ膜は、トライボ膜の表面にビーム状の一次イオンとして30keVのBiイオンを照射する飛行時間二次イオン質量分析により検出される二次イオンのピーク面積が、下記(1a)~(5a)の関係を満たす、歯車。
    (1a)Feのピーク面積に対するMoのピーク面積の比≧0.05
    (2a)Feのピーク面積に対するCaのピーク面積の比≧0.01
    (3a)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、MoS のピーク面積の比≧0.0008
    (4a)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、CSO のピーク面積の比≦0.003
    (5a)Fe のピーク面積に対するZn のピーク面積の比≦0.10
    前記3a及び前記4a中、基準負イオンは、C(M/Z:12.00),CH(M/Z:13.01),O(M/Z:16.00),OH(M/Z:17.00),C (M/Z:24.00),及びC(M/Z:25.01)を表す。M/Zは、質量を電荷で除算した値である質量数を表す。
  2. 下記(1b)~(4b)の関係を満たす、請求項1に記載の歯車。
    (1b)Feのピーク面積に対するMoのピーク面積の比≧0.30
    (2b)Feのピーク面積に対するCaのピーク面積の比≧0.02
    (3b)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、MoS のピーク面積の比≧0.0009
    (4b)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、CSO のピーク面積の比≦0.002
  3. 更に、下記(6a)の関係を満たす請求項1又は請求項2に記載の歯車。
    (6a)基準負イオンの合計のピーク面積に対する、PO のピーク面積の比≦0.08
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の歯車と、
    内燃機関及びモーターの少なくとも一方の動力を前記歯車によって分配する機構と、
    を備えた駆動ユニット。
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