JP6286912B2 - 表示装置用前面保護板及び表示装置 - Google Patents
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Description
また、薄型化、軽量化、部品点数削減などに対する要求に応えるべく、表示装置用前面保護板40とタッチパネル20との一体化、或いはタッチパネル20と表示パネル30との一体化などの各種一体化の形態が、提案され実用化も始まっている(特許文献1、特許文献2)。
このため、白色樹脂層を含む遮光層42で、白色の色意匠を安定的に表現できることが望まれた。
(1)中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有する表示装置用前面保護板であって、
透光性基板と、
前記透光性基板の第1面とこの第1面とは反対側の第2面とのうちのいずれか一方の面において前記不透明領域に設けられ白色を呈する遮光層とを有し、
前記遮光層は、白色顔料を樹脂バインダ中に含む白色樹脂層と、
前記白色樹脂層に重なるように形成され、前記白色樹脂層の色とは異なる色を呈する色調整層とを有し、
前記白色樹脂層は、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、前記短波長端と前記長波長端との間で最大反射強度を与える最大強度波長λmaxを有し、且つ、前記短波長端の反射強度が前記最大反射強度よりも小さく、さらに、前記長波長端の反射強度も前記最大反射強度よりも小さい特性を有し、
前記色調整層は、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、前記短波長端と前記長波長端との間で最小反射強度を与える最小強度波長λminを有し、当該最小強度波長λminと前記白色樹脂層の最大強度波長λmaxとの差が140nm以下である、
表示装置用前面保護板。
(2)前記遮光層は、前記白色樹脂層の面上に当該白色樹脂層よりも遮光性が大きい裏打ち層を有し、
当該裏打ち層と前記白色樹脂層との間に前記色調整層を有する、
前記(1)の表示装置用前面保護板。
(3)前記遮光層は、前記白色樹脂層の面上に当該白色樹脂層よりも遮光性が大きい裏打ち層を有し、
当該裏打ち層が前記色調整層を兼用する、
前記(1)の表示装置用前面保護板。
(4)前記透光性基板の前記一方の面上に、前記表示用領域から前記不透明領域の前記遮光層の面上に延びるように設けられたタッチパネル用の透明電極と、
前記遮光層の面上に設けられ、前記透明電極に電気的に接続された不透明な配線と、
を有する、
前記(1)〜(3)のいずれかの表示装置用前面保護板。
(5)表示パネルと、
前記表示パネルからの表示光が出光する側である表側に配置された前記(1)〜(4)のいずれかの表示装置用前面保護板と、
を少なくとも備える、
表示装置。
以下に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「裏側」とは、前記「表側」とは反対側を意味し、表示装置用前面保護板或いはその他の構成要素において、表示パネルの表示光が入光する側を意味する。
「第1面」と「第2面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは任意である。
「一方の面」と、その反対側の面である「他方の面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは、本来は任意である。本発明においては、透光性基板に対して、遮光層を必ず有する側の面を「一方の面」と呼ぶことにしており、この一方の面が裏側として使用される面となる。また、本発明においては、「表側」となる面を「第1面」とし、「裏側」となる面を「第2面」として説明する。よって、遮光層を必ず有する「一方の面」乃至は「裏側」の面は「第2面」となり、「他方の面」乃至は「表側」の面は「第1面」となる。
「可視光帯域」とは、波長380〜780nmのことを言う。したがって、可視光帯域における「短波長端」とは波長380nm、「長波長端」とは波長780nmのことを意味する。
「白色」の意味については、後述遮光層の欄で説明する。
以下、本発明による表示装置用前面保護板を説明する。
本発明による表示装置用前面保護板の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。図1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。
色調整層2aは、本実施形態においては、着色顔料として有彩色の着色顔料、具体的には、赤色顔料、緑色顔料及び青色顔料を樹脂バインダ中に含み、この結果、上記特定の反射スペクトル特性を示す。また、色調整層2aは、白色樹脂層2wの色が遮光層2として目指す白色から色ずれして生じした色みに対して、おおよそ補色関係となる色を呈する。
本発明においては、裏打ち層2bは、白色樹脂層2wと色調整層2aとで遮光性が足りていれば、省略することもできる。
しかも、白色の色表現を、白色樹脂層2wのみでなく、白色樹脂層2wと色調整層2aとの両方で行う結果、色調整層2aが1層増えて製造工程は増えるが、白色の色意匠に対応するときに、厚みが厚くなる傾向があり製造条件がシビアな白色樹脂層2wは同じ組成のもので対応し、白色樹脂層2wよりは厚みを薄くできる色調整層2aのみで白色樹脂層2wの色ずれした白色に応じた組成のものについて製造条件を設定して対応できるので、色ずれに対して効率的な製造が可能となり、安定的な白色の表現が可能となる。
さらに、本実施形態においては、裏打ち層2bによって、遮光層2の遮光性も確保される。
表示装置用前面保護板10は、図1(a)の平面図で例示したように、中央に表示用領域A1を有し、表示用領域A1の外周部に、可視光を遮蔽する不透明領域A2を有する。表示用領域A1は、図1(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示す表示パネル30に適用したときに、表示装置用前面保護板10を透して、表示パネル30が表示する内容を表示できる領域である。不透明領域A2は、表示パネル30が外周部に有する配線、コネクタなどを隠したり、或いは、図1(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示すタッチパネル20に適用したときに、タッチパネル20がその外周部に有する不透明な配線、コネクタなどを隠したりする為の領域である。また、不透明領域A2は、それが表現する色、適宜設けるロゴやマークなどの可視情報8によって加飾部にもなる領域である。
透光性基板1は、少なくとも可視光線に対して透明で、表示装置用前面保護板10を適用する表示パネルに対して、表面を保護し得る機械強度を有するものであれば、特に制限はなく、代表的には、例えばソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどのガラス板を用いることができる。とくに、ガラス板として、化学強化ガラスはフロートガラスに比べて機械的強度に優れ、その分薄くできる点で好ましい。化学強化ガラスは、典型的には、ガラスの表面近傍について、ナトリウムをカリウムに代えるなどイオン種を一部交換することで、化学的な方法によって機械的物性を強化したガラスである。
透光性基板1には、樹脂を用いることも可能である。例えば、樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。透光性基板1に樹脂を用いることで、軽量にできる上、可撓性を持たせることも可能となる。
透光性基板1には、ガラスと樹脂との積層体を用いることもできる。透光性基板1にガラスと樹脂との積層体を用いることで、ガラスの特性と樹脂の特性の両方を持たせることもできる。
図1に例示する実施形態における遮光層2は、透光性基板1のタッチパネル20及び表示パネル30側となる裏側の第2面S2の不透明領域A2の部分に形成されている。遮光層2は、不透明領域A2中の全領域に設けられている。逆に言えば、この遮光層2によって、不透明領域A2が不透明な領域として形成される。
本実施形態においては、遮光層2は、透光性基板1の第1面S1と第2面S2のうちの一方の面として第2面S2の面の、不透明領域A2に形成される。
遮光層2は、タッチパネル20がその中央の位置検知領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路、或いは表示パネル30がその中央の表示領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路などを隠して、目視不能にして、タッチパネル20や表示パネル30を用いた表示装置において、外観を損なわないようにする機能を有する。
本発明においては、遮光層2は、白色の色意匠を安定的に表現し、且つ白色の色意匠のものを効率よく製造できる構成の表示装置用前面保護板10となるようにするために、白色樹脂層2w以外にさらに、色調整層2aも必須の層として有する。
白色樹脂層2wは、本実施形態においては、色調整層2aに対してその表側に位置する形態である位置関係であるため、色調整層2aの色が反映される程度以上のある程度の透明性を有する。こうして、遮光層2が、少なくとも色調整層2aの色と白色樹脂層2wの色とが合わさった色を呈するようにすることができる。したがって、本実施形態においては、白色樹脂層2w自体で例えば光学濃度OD4.0以上の遮光性を有することはない。
本発明において、遮光層2が白色を呈するとは、文字通りの白色以外に、極僅かに色みを有する白色も含む。なお、理想的な白色は、反射率が100%で色相を全くもたない色であるが、現実的には難しい色である。よって、本発明においては、「白色」を次のように定義する。
すなわち、本発明において「白色」とは、JIS Z 8729による、L*a*b*表色系にて、明度L*、色度a*及び色度b*について、
明度L*は、L*≧80、好ましくはL*≧90、より好ましくはL*≧95、
色度a*は、−0.5≦a*≦0.5、及び
色度b*は、−0.5≦b*≦0.5
を示す色と定義する。
の色意匠により、明度が低いものも求められることがあるので、一概に明度が高いほどよいと言いきれるものでもないが、より白いものと言う意味では明度が高い方がよい。
同図にて、本発明における白色の定義域を、点線の四角形で示す。
また、同図では、符号2wで示す○印が、白色樹脂層2wが呈する白色から色ずれした色の座標であり、これが符号2aの矢印で示す色調整層2aによって、符号2で示す○印の遮光層2が呈する目指す白色の座標まで変化して(白色樹脂層2w自体の色が変化するのではなく、白色樹脂層2wの色と色調整層2aの色とが合わさった結果として変化するという意味)収まる様子を模式的に表わす。
白色樹脂層2wは、図2で示すように、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、短波長端と長波長端との間で最大反射強度を与える最大強度波長λmaxを有し、且つ、短波長端の反射強度が最大反射強度よりも小さく、さらに、長波長端の反射強度も最大反射強度よりも小さい反射スペクトル特性を有する。
図2中、反射強度が例えば反射率で100%と最大で、しかも可視光帯域の全域において一定の点線で示した反射スペクトルが理想的な白色のものである。
本実施形態においては、白色樹脂層2wは、樹脂バインダの樹脂には感光性樹脂を用いる。したがって、本実施形態においては、白色樹脂層2wは、白色顔料を感光性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層として形成される。
白色樹脂層2wの厚みは、例えば1〜40μm、通常10〜30μmである。白色樹脂層2wは、黒色系の色の場合に比べて、遮光性が不足気味となることが多く、この点では、白色樹脂層2wの厚みは厚い方が好ましい。ただ、白色樹脂層2wの厚みが厚くなって遮光性が大きくなり過ぎると、白色樹脂層2wの裏側に形成した色調整層2aの色を遮光層2の色に反映させることができなくなる。したがって、白色樹脂層2wの裏側に形成される色調整層2aの色が、白色樹脂層2wの色とともに遮光層2の色に反映されるためには、白色樹脂層2wの厚みは、その裏側の色調整層2aまで、白色樹脂層2wの表側から裏側まで光が到達し、再度、色調整層2aで反射して白色樹脂層2wの表側から出射し、遮光層2の色に反映される透明性を有する程度の厚み以下に設定される。この結果、遮光層2は、少なくとも色調整層2aの色と白色樹脂層2wの色とが合わさった色を呈することになる。
本実施形態においては、白色樹脂層2wの厚みは30μmとなっている。
本発明においては、白色樹脂層2wは、例えば、図4で例示するように、2層以上の複層構成であってもよい。同図は2層構成の場合である。本実施形態においても、白色樹脂層2wは2層からなる複層構成となっている。
なお、本発明にかかる図面において、白色樹脂層2wは、明示的に複層構成を例示する図4以外は、全て単層として描いてあるが、これらの図面において白色樹脂層2wは複層構成も含み得る。
白色樹脂層2wを複層構成とすることによって、一回の形成では目的とする厚みを出しにくい場合でも、目的とする厚みを出すことが可能となる。例えば、本実施形態のように、白色樹脂層2wを、白色感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィ法によって形成する場合などである。
白色樹脂層2wに用いる白色顔料としては、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、などを用いることができる。
樹脂バインダの樹脂としては、基本的には特に制限はないが、耐久性などの点で、硬化性樹脂を用いることが好ましい。樹脂バインダの樹脂として硬化性樹脂を用いる場合、白色樹脂層2wは硬化性樹脂の硬化物からなる層として形成される。
硬化性樹脂としては、紫外線、電子線、可視光線などの活性エネルギー線で硬化可能な感光性樹脂を用いることができる。感光性樹脂を用いることで、精細なパターン形成が可能なフォトリソグラフィ法によって形成することができる。
前記多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などを1種以上用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、又は、アクリレートのいずれかであることを意味する。
白色樹脂層2wの形成は、例えば、白色顔料と感光性樹脂の未硬化物を含む白色感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって形成することができる。
白色感光性樹脂組成物を、透光性基板1の面上に塗布する方法は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ビードコート法などの公知の塗工法によることができる。
白色感光性樹脂組成物を塗布した後は、フォトリソグラフィー技術を用いて露光、現像、ベーク(熱処理)などの所定の工程を経て、パターニングすることにより、透光性基板1の面上の一部に、所定パターンの白色樹脂層2wを形成することができる。
本実施形態においては、白色樹脂層2wはフォトリソグラフィ法によって形成されている。
また、白色は遮光性が出しにくく、このため白色樹脂層2wの厚みは黒色に比べて例えば10μm以上と厚くすることが多く、その輪郭部分での段差を通って透明電極などの導体形成時の断線にも注意する必要があり、この点でも、とりわけ白色では条件出しが重要であった。
このため、フォトリソグラフィ法によって形成された白色樹脂層2wの場合は、本発明による白色の色意匠の安定的表現及び効率的製造という効果がより顕著に発揮され得る。
色調整層2aは、白色樹脂層2wと重なるような位置に形成される。色調整層2aは、
その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、短波長端と長波長端との間で最小反射強度を与える最小強度波長λminを有し、且つ、最小強度波長λminと白色樹脂層2wの最大強度波長λmaxとの差が140nm以下となっている。このため、色調整層2aは、白色樹脂層2wが呈する色とは異なる色を呈する。
色調整層2aによって、遮光層2全体として目指すべき白色に対して色ずれした白色樹脂層2wが呈する色を有効利用するには、色調整層2aが呈する色は、基本的には、白色樹脂層2wが呈する色の補色関係となる色とすればよい。ただ、色調整層2aによって、遮光層2全体として目指すべき白色の対して色ずれした白色樹脂層2wが呈する色を有効利用して、遮光層2全体として目指すべき白色になるような色に色調整層2aの色を、効率的に調整するには、本発明のように、白色樹脂層2wと色調整層2aのそれぞれの反射スペクトルに注目して調整するのが好ましい。
色調整層2aの最小強度波長λminと、白色樹脂層2wの最大強度波長λmaxとの差を、140nm以下、好ましくは120nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは80nm以下とすることによって、色調整層2aと白色樹脂層2wとによって、遮光層2全体としての色を白色に効率的に合わせこむことができるからである。また、上記波長の差が大きくなるほど、白色への合わせこみの効率性が低下する。
なお、差が例えば140nm以下とは、(最小強度波長λmin−最大強度波長λmax)の絶対値が140nm以下であることを意味する。
色調整層2aに用いる着色顔料は、特に制限はない。着色顔料には、例えば、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料及び紫色顔料などの有彩色の着色顔料、並びに白色顔料及び黒色顔料などの無彩色の着色顔料を用いることができる。着色顔料は、1種単独で用いてもよいし、同種類の色、或いは異なる色の着色顔料を複数種類用いてもよい。
前記白色顔料には、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、などを用いることができる。
前記黒色顔料には、例えば、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタンなど)、カーボンブラックなどを用いることができる。
色調整層2aと白色樹脂層2wとの重なりは、遮光層2が形成される透光性基板1の一方の面(本実施形態においては、第2面S2)に対して垂直な方向から遮光層2を観察したときに、色調整層2aと白色樹脂層2wのそれぞれのパターンの重なりを意味する。換言すると、それぞれの平面視パターンの重なりを意味する。
また、白色樹脂層2wが複層構成の場合、色調整層2aは白色樹脂層2wの間に位置していてもよい。例えば、図4で例示した2層構成の場合、この2層の色調整層2aの間に色調整層2aが挟まれていてもよい。もろちん、こうした構成でも、複層構成の白色樹脂層2w全体の遮光性と、色調整層2aの遮光性とでは、遮光層2としての遮光性が不足する場合は、裏打ち層2bを設けることが好ましい。
色調整層2a、或いは白色樹脂層2wの色の評価は、対象とする層の片面に隣接して黒色の層を配置するなど層通過後の光が元の進入方向に戻る光反射を防いだ状態として、もう一方の方から観察したときの色を意味する。層通過後の光反射を防ぐのは、もしも仮に、光反射性の層があると、その光反射の光強度やスペクトル分布によって明度や色相が変化してしまうからである。なお、色の測定には、市販の測色計や分光測色計を用いることができる。
例えば、色の測定は、光源にはCIE(国際照明委員会)規定の光源C又は光源D65を用い、SCI(正反射光込み)又はSCE(正反射光除去)で測定したものとすることができる。本実施形態においては、光源Cを用いてSCEの条件で分光測色計によって測定した。
白色樹脂層2wは、その色が黒色や青色などの濃い色と異なり、白色を目指すが故に、例えば製造工程中での200℃以上の高温などの熱履歴によって、白色樹脂層2w中の樹脂バインダが変質し、黄変することがある。黄変は、一般に、反射スペクトル的には、可視光帯域のおおよそ700nmから短波長端での反射強度が低下する結果、黄色みがかった色に変化する現象である。
こうした黄変に対して、色調整層2aの色を、黄変した色と補色関係にある色(青系の色)とすることによって、黄変した結果、目指すべき白色が有彩色の黄色みを帯びた色に変化したものを、遮光層2全体として目指すべき白色に戻すことができる。
本発明においては、色調整層2aは、このような最大強度波長λmaxを有するような黄変に対する対策としても有効である。とりわけ、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ法で形成する場合は、樹脂バインダの樹脂成分的にも、また、フォトリソグラフィ法の露光、現像、熱処理などの諸条件によって、白色樹脂層2wが黄変しやすいときには、より効果的である。
色調整層2aの厚みは、白色樹脂層2wの厚みよりも薄くすることが好ましい。また、色調整層2aの厚みは、通常、着色顔料をバインダ樹脂中に含む層として形成されるときでも、白色樹脂層2wの厚みよりも薄く形成される。これは、色調整層2aは、白色樹脂層2wの白色の修飾機能を担うため、白色樹脂層2wとは違って、厚みを薄くしやすいからでもある。
色調整層2aの厚みを、白色樹脂層2wの厚みよりも薄くすることで、遮光層2全体として白色の色意匠を目指して、白色樹脂層2wとは異なる色の色調整層2aで対応して色調整する際に、異なる色の色調整層2a毎の形成工程の条件出しを、白色樹脂層2w自体に白色顔料以外の着色顔料を配合して白色樹脂層2w単独で色調整する場合に比べて。厚み増による段差の問題への配慮の必要性が低下するなどの点で、より容易にできるからである。この結果、厚みがより厚い白色樹脂層2w単独で、白色の色意匠に対応する場合に比べて、白色の色意匠の安定的表現及び効率的製造が可能となる。
色調整層2aは、遮光層2の一構成層である点で、遮光性が大きいことが好ましいが、色調整機能が最低限必須の層であり、その遮光性は問わない。したがって、色調整層2aは、透明層であってもよい。色調整層2a以外の遮光層2の構成層によって、要求される遮光性を確保できる場合には、色調整層2aは、透明層とすることができる。色調整層2a以外の遮光層2の構成層とは、白色樹脂層2w、裏打ち層2bなどであり、とりわけ裏打ち層2bである。
本発明においては、色調整層2aが白色樹脂層2wの裏側に形成され、且つ色調整層2aの遮光性を白色樹脂層2wの遮光性よりも大きくして形成されるとき、この色調整層2aは白色樹脂層2wに対して裏打ち層2bと言うこともできる。換言すると、こうした色調整層2aは、下記する裏打ち層2bと兼用することができる。
裏打ち層2bを兼用する層としての色調整層2aは、例えば、黒色顔料及び有彩色の着色顔料を樹脂バインダ中に含み、黒色系の色であるが色相を有する黒色系の色を呈する。ただ、当然であるが、黒色の層は、裏打ち層2bを兼用する層としての色調整層2aではなく、裏打ち層2bである。なぜならば、黒色の層からの光反射がなければ、その光反射の反射スペクトルは、色調整層2aとして必要な特定の最小強度波長λminを持たないからである。よって、単なる黒色は色調整層2aの色から除外される。
色調整層2aの形成は、基本的には特に制限されないが、前記白色樹脂層2wで述べた方法で形成することができる。
本実施形態においては、色調整層2aは、青色顔料を感光性樹脂の未硬化物を含む着色感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって形成されている。
裏打ち層2bは、白色樹脂層2wよりも遮光性が大きい層である。本発明においては、裏打ち層2bは、白色樹脂層2w及び色調整層2aのみでは、遮光層2の遮光性が不足するとき、遮光性を補うことができるため、設けることが好ましい。とくに厚みを厚くしないと遮光性を出しにくい白色の場合は、なおさらである。
本実施形態においては、裏打ち層2bは黒色樹脂層として、前記白色樹脂層2wと同様にしてフォトリソグラフィ法によって形成されている。
例えば、白色樹脂層2w及び色調整層2aが共にある程度の透明性を有する場合では、裏打ち層2bまで到達した光の反射スペクトルが、遮光層2の色意匠に反映される。この点において、裏打ち層2bとして反射層を有する形態では、遮光層2が呈する色には、白色樹脂層2w及び色調整層2aの色に加えて、裏打ち層2bの色も合わさった色となる。反射層が銀色で反射スペクトルが一様なときは反射率が向上し明度が増し白さを増強することができる。色とは、色相や彩度以外に明度も含むからである。
裏打ち層2bの厚みは、例えば樹脂層からなる裏打ち層2bの場合では黒色ならば0.5〜3μm、その他の色例えば灰色(この場合は色調整層2aと兼用する層と言うこともできる)ならば3〜15μm、金属性反射層からなる裏打ち層2bの場合では0.05〜0.5μmとすることができる。
本発明においては、裏打ち層2bを反射層として形成する場合、裏打ち層2bには、金属性反射層を用いることができる。金属性反射層は、黒色樹脂層のような樹脂層に比べて、その光反射特性を活かして、遮光層2の明度を増すことができる利点を有する。したがって、その分、白色樹脂層2wの厚みを薄くすることもできる。
以下、金属性反射層について説明する。
前記反射率とは、金属性反射層の表面に垂直に入射した入射光強度に対する鏡面反射光強度と拡散反射光強度との合計の反射光強度の比率を百分率で表した数値である。
通常のアルミニウム、銀などの金属性反射層であれば、厚み300nm程度で、反射率70%以上は容易に実現できる。
金属性反射層を金属層として形成するには、公知の膜形成法によることができる。例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの化学的気相成長法、等の気相成長法、或いは塗工法などである。
金属性反射層の厚みは一般に500nmでも充分な遮光性を確保することが可能であり、遮光性の点では1μmも必要はない。この為、金属性反射層の厚みは、通常10〜300nm程度で形成することができる。
これは、不透明領域A2の遮光層2上に、後から、例えば、配線や透明電極の導体を設けて、タッチパネル機能の一部又は全部を一体化するときに、金属性反射層の部分の面を、配線や透明電極などの導体を短絡させずに、表示装置用前面保護板10を絶縁性回路基板として利用できるようにするためである。ただ、本発明においては、金属性反射層が非導電性であることを排除するものではない。
本発明においては、反射層には、金属性反射層に類似の樹脂層として、金属材料が粒子として透明樹脂バインダ中に分散されたメタリック樹脂層を用いることもできる。ただし、メタリック樹脂層は遮光性の点では金属層に比べて劣ることが多く、遮光性を出すためには厚みが厚くなりがちである。このため、厚みが許容されるならば、金属性反射層としてメタリック樹脂層を用いることもできる。
金属材料の粒子を構成する金属材料としては、金属性反射を示すものであれば特に制限はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、錫、クロム、ニッケルなどの金属及びこれらの合金を用いることができる。なかでも特に好ましいのは、上記したように無彩色を呈するものであり、具体例を挙げれば、アルミニウム、銀、錫、クロム、ニッケルなどである。
透明樹脂バインダの樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができる。
メタリック樹脂層は、金属材料の粒子、透明樹脂バインダ、及び溶剤などを含む液状の樹脂組成物からなるインクによって、印刷法などで、溶剤を乾燥除去した固化物として形成することができる。
本実施形態においては、絶縁層3は設けないが、本発明においては、絶縁層3を設けてもよい。すなわち、遮光層2の最表面が、裏打ち層2bとして設けた金属性反射層などによって導電性を示す場合、この遮光層2の最表面に接して、配線や透明電極などの導体がさらに形成されることが予想されるときは、図6に例示する表示装置用前面保護板10のように、導体が絶縁層3を介して形成されるように、遮光層2の面上に絶縁層3を形成しておくとよい。絶縁層3によって、互いに独立な導体同士がショートするのを防ぐことができる。
なお、図6は模式的な図面であり、絶縁層3は裏打ち層2bを含む遮光層2の面上のみに形成され、遮光層2の側面までは被覆していないように描いてあるが、側面で導電性を示す層部分と導体とが接触する可能性があるとき、或いは側面での酸化劣化などが予想されるときは、いうまでもなく、絶縁層3は側面も含めて遮光層2を被覆するのが好ましい。
絶縁層3には、酸化ケイ素などのケイ素酸化物、酸化クロムなどの金属酸化物、或いは、金属窒化物、金属炭化物など無機材料を用いることもできる。
絶縁層3の形成は、公知の方法によればよく、例えば、絶縁層3は、上記のような樹脂系の感光性樹脂を用いることで、フォトリソグラフィ法によって、遮光層2を被覆するようにパターン形成することができる。
絶縁層3の厚みは、絶縁性などを考慮して、例えば0.1〜10μm、通常0.5〜5μmである。
本実施形態の表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、次の様にして形成される。先ず、透光性基板1の第2面S2の不透明領域A2とする領域に、遮光層2として、白色樹脂層2wと、色調整層2aと、裏打ち層2bとをこの順にパターン形成する。白色樹脂層2w、色調整層2a及び裏打ち層2bの各パターンは同一である。こうして、表示装置用前面保護板10が製造される。
なお、本実施形態においては、より厳密には、色調整層2aは白色樹脂層2wの側面も被覆するようにパターン形成し、裏打ち層2bは色調整層2aの側面は被覆せずに白色樹脂層2wの面上を被覆するようにパターン形成してある。
図7、図8及び図9を参照して、本発明による表示装置用前面保護板10の第2の実施形態例を説明する。
a)タッチパネル用の透明電極4及び配線6が設けられている点。
本発明においては、表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能の一部又は全部を一体化してもよい。例えば、タッチパネル用の透明電極4及び配線6をさらに設けて、透光性基板1をタッチパネル用基板と兼用してもよい。タッチパネル機能との一体化は、タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化する形態でも、その分での部品点数の低減、薄型化の効果は得られるが、タッチパネルとしての必要な機能の全部を一体化するのが、より好ましい。
タッチパネル用の透明電極4を一体化する場合、その位置検知方式は各種知られているが、透明電極4が2層となり得る位置検知方式では、このうちの少なくとも1層を、より好ましくは2層を一体化するのが望ましい。
図7は本実施形態における表示装置用前面保護板10の平面図、図8はその部分拡大断面図、図9は透明電極4の交差部を示す断面図である。
図7は、とくに透明電極4のパターンを示す平面図である。
透明電極4は、本実施形態においては、互いに絶縁されて形成される第1透明電極4a及び第2透明電極4bから構成される。
第1透明電極4a、第2透明電極4bは、本実施形態においては同じ材料で形成してある。よって、本明細書において、これらを纏めて言うときは、単に「透明電極4」とも呼ぶ。
第1透明電極4a及び第2透明電極4bのパターンは、投影型静電容量方式では各種パターンが知られており、特に限定はない。典型的には、複数の第1透明電極4aが、第1の方向に延びて、この第1の方向に交差する方向、通常は直交する方向を第2の方向として、第2透明電極4bが第2の方向に延びたパターンとなっている。また、本実施形態においても、図7の平面図で示すように、同様である。
第1透明電極4aと第2透明電極4bとの交差部分は、互いに層間絶縁層5によって絶縁されている。層間絶縁層5は、少なくとも第1透明電極4aと第2透明電極4bとの交差部分に必要となる。
第1透明電極4aと第2透明電極4bとのうち一方の電極のみ、同図の場合は具体的には第1透明電極4aのみ、他方の電極との交差部分が欠損したパターンで同一の面に同時に形成した後、交差部分のみ層間絶縁層5を形成し、この後、層間絶縁層5を跨いで、欠損部分を電気的に接続する接続部4aCが第1透明電極4aの一部として形成されている。
本実施形態においては、透明電極4には、層自体が透明である透明導電体膜が用いられる。透明導電体膜からなる透明電極4としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、InZnO(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛酸化物)、AlZnO(Aluminum Zinc Oxide;アルミニウム亜鉛酸化物)、InGaZnO(Indium Garium Zinc Oxide;インジウムガリウム亜鉛酸化物)等の透明導電体膜をパターン形成したものを用いることができる。
層間絶縁層5には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、層間絶縁層5に樹脂を用いる場合には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、例えば、これらの樹脂系の感光性樹脂などを用いることができる。感光性樹脂の場合は、フォトリソグラフィ法を利用して形成することができる。また、層間絶縁層5には、酸化ケイ素などの無機材料を用いることもできる。
配線6には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、配線6には、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。配線6は、例えば、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパターン形成することができる。
配線6には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
本実施形態においては、配線6は、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)によって、金属層としてフォトリソグラフィ法及びエッチング法を利用して形成されている。
本発明においては、配線6の形成法としては、特に制限はなく、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成してもよい。
本実施形態の表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、次の様にして形成される。先ず、透光性基板1の第2面S2の不透明領域A2とする領域に、遮光層2して、白色樹脂層2wと、色調整層2aと、裏打ち層2bとをこの順にパターン形成する。次に、不透明領域A2である遮光層2の部分に、配線6をパターン形成する。次に、表示用領域A1から不透明領域A2にかけて透光性基板1の面上及び遮光層2の面上に、透明電極4をパターン形成する。このとき、透明電極4は、遮光層2の面上に形成された配線6上に接して形成されるようにパターン形成する。次に、透明電極4の交差部分には層間絶縁層5をパターン形成し、この層間絶縁層5を跨いで、透明電極4の欠損部分をパターン形成して接続部4aCを形成して透明電極4の全体を完成させる。こうして、タッチパネル機能を一体化した表示装置用前面保護板10が製造される。
以上のような構成の表示装置用前面保護板10とすることで、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるようにすることができる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
本発明の表示装置用前面保護板10は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
本発明においては、例えば、図10に例示する変形形態の表示装置用前面保護板10のように、透明電極4の面上などにオーバーコート層7が形成されていてもよい。同図に例示する表示装置用前面保護板10は、図8の構成に対して、オーバーコート層7が、透光性基板1の第2面S2の面上の最表層として、表示用領域A1及び不透明領域A2の全面に形成されている例である。また、同図に例示する表示装置用前面保護板10は、図8の構成に対して、オーバーコート層7としてオーバーコート層7aが、遮光層2の側面も含めて遮光層2の全面を被覆するように主に不透明領域A2に形成されている例である。このオーバーコート層7aは絶縁性であるとき絶縁層3と言うこともできる。
オーバーコート層7によって、絶縁性、耐傷付き性などを向上させることができる。
前記した実施形態では、透明電極4は層自体が透明な透明導電体膜によって形成されていた。
しかし、本発明においては、透明電極4は層自体が不透明な導体が、メッシュ状に形成されることで、見かけ上あたかも透明であるようにした導電性メッシュによって形成されていてもよい。導電性メッシュのメッシュパターンを構成する線の線幅は、不可視性の観点から好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下である。
不透明な導体には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
透明電極4と配線6とを同一材料で形成することで、同時形成することも可能となる。
例えば、導電性メッシュによる透明電極4と配線6とを、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層によって形成することができる。
透明電極4と配線6とを同一材料で同時形成することで、工程数を減らして低コストなものとすることができる。
前記実施形態においては、透明電極4及び配線6の用途はタッチパネルであった。
透明電極4をタッチパネル用とする形態においては、タッチパネルの位置検知方式として、透明電極4が互いに異なる面に2層になる位置検知方式では、このうちの少なくとも1層を設ける形態もあり得る。
透明電極4がタッチパネル用のときその位置検知方式は、抵抗膜方式など、投影型静電容量方式以外の方式のものであってもよい。
本発明においては、図1(a)にて点線で示すように、不透明領域A2の部分に、可視情報8が形成されていてもよい。可視情報8は、不透明領域A2の領域内において、製品ロゴマーク、操作説明用の文字や記号、模様などの任意の目視可能な情報である。可視情報8には、公知の材料及び形成法を採用することができる。
例えば、可視情報8は、着色顔料を含む感光性樹脂の硬化物層として着色樹脂層をフォトリソグラフィ法などによってパターン形成することができる。また、可視情報8は、図示はしないが、例えば、追加的に設ける着色樹脂層のパターンとして、或いは裏打ち層2bのパターンとして設けることができる。
本発明においては、図示はしないが、不透明領域A2の部分に、通知窓、赤外透過窓などが形成されていてもよい。
通知窓は、図示はしないが、例えば、遮光層2の非形成部として設けることができる。
赤外透過窓は、図示はしないが、例えば、遮光層2の非形成部として設けることができる。
本発明による表示装置は、表示パネルと、この表示パネルからの表示光が出光する側である表側に配置された上記表示装置用前面保護板10と、を少なくとも備えた表示装置である。
表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能の一部又は全部を備えたものとして構成されるときは、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとできる。
表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能は備えていないが、別の構成部品としてタッチパネルを備えた構成とするときは、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとできる。
表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能の一部を備えたものとして構成されるときは、不足するタッチパネル機能を別構成部品として備えた構成とすることで、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとする。
図11は、本発明による表示装置の実施形態例であり、同図に示す表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、表示装置用前面保護板10、表示パネル30を備えている。
本実施形態での表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能を一体化した構成のものが用いられる。
表示装置用前面保護板10は、前述した本発明による表示装置用前面保護板10である。より具体的に、この表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能として、さらに配線6と、透明電極4とを有し、この透明電極4として、図示はしないが、図7、図8及び図9で例示した表示装置用前面保護板10のように第1透明電極4aと第2透明電極4bとを有する形態のものである。
本実施形態での表示装置用前面保護板10は、例えば、前記した第2の実施形態の表示装置用前面保護板10である。なお、本実施形態においては、さらに、タッチパネルとして機能するための制御回路など、その他の構成要素を備えることができる。
表示パネル30は、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、この他、電子ペーパーパネル、ブラウン管でもよく、公知の各種表示パネルでよい。
以上のような構成の表示装置100とすることで、その表示装置用前面保護板10において、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるものとすることができる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
図12に示す第2の実施形態の表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、表示装置用前面保護板10、タッチパネル構成部材20a、表示パネル30を備えている。
本実施形態は、透明電極4の第1透明電極4a及び第2透明電極4bのうち片方を表示装置用前面保護板10が備え、他方は別体の基板が備える形態である。
互いに絶縁される第1透明電極4aと第2透明電極4bとの2層を必要とする形態では、第1透明電極4a及び第2透明電極4bからなる透明電極4によるタッチパネルの位置検知方式は、投影型静電容量方式でもよいが、投影型静電容量方式以外のものでもよい。
以上のような構成の表示装置100とすることで、その表示装置用前面保護板10において、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるものとすることができる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
本実施形態は、表示装置用前面保護板10が、タッチパネル用の透明電極4及び配線6を備えていない構成であり、タッチパネル機能が一体化されていない構成である。
図13に示す本実施形態の表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、表示装置用前面保護板10、タッチパネル20、表示パネル30を備え、さらに、表示装置用前面保護板10とタッチパネル10との間は、樹脂層15で埋め尽くされている。
タッチパネル20には、模式的に、透明電極4と配線6とを図示してある。
表示パネル30は、上記表示装置100における第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態での表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能は備えていない構成のものが用いられる。例えば、前記した表示装置用前面保護板10としての第1の実施形態のものである。
図示はしないが、表示装置用前面保護板10は、不透明領域A2に配線6を備えることもできる。このように表示装置用前面保護板10が配線6も備える構成の場合には、配線6は、タッチパネル用ではなく、例えばセンサ接続用などとして用いることができる。
タッチパネル20は、典型的には、マルチタッチ(多点同時入力)が可能な投影型静電容量方式のタッチパネルであるが、この他、基板として透光性基板1が用いられる表示装置用前面保護板10に対応可能な方式であれば、表面型静電容量方式、電磁誘導方式、光学方式など、透明電極を必要としない位置検知方式も含めた公知の各種位置検知方式のタッチパネルのいずれでもよい。
タッチパネル20は、中央の位置検知領域の外周部に、配線、制御回路、これらを電気的に接続するコネクタなどの何らかの不透明な構成要素を有する。これらの不透明な構成要素は、表示装置用前面保護板10の不透明領域A2の遮光層2に平面視において重なり、隠れる位置となるような、タッチパネル20と表示装置用前面保護板10との位置関係となっている。このため、これら配線などの不透明な構成要素が、表示装置100の外観を損なわない様にすることができる。
樹脂層15は透明な層であり、粘着シート、塗布した樹脂液の固化層などを用いることができる。粘着シートとしては、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤などからなるものを用いることができる。樹脂液としては、アクリル系光硬化性樹脂などを用いることができる。
樹脂層15によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。
以上のような構成の表示装置100とすることで、その表示装置用前面保護板10において、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるものとすることができる。
さらにタッチパネル機能が樹脂層15により積層一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
本発明の表示装置100は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
上記各実施形態における表示装置100は、いずれもタッチパネル機能を有する構成であったが、本発明においては、表示装置100は、タッチパネル20を備えないなどタッチパネル機能を備えていない構成であってもよい。
表示装置100に組み込まれる、タッチパネル機能を備えていない表示装置用前面保護板10による効果を享受することができる。すなわち、その表示装置用前面保護板10において、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるものとすることができる。
図11及び図12で例示した実施形態による表示装置100では、表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間は、空隙を有し空気層が存在する構造となっているが、本発明においては、表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間など、構成部材の間は、図13で例示した第3の実施形態で説明したように、粘着剤層など樹脂層15で埋め尽くしてもよい。樹脂層15によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。
本発明による表示装置用前面保護板10、及び表示装置100の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPCなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、電子書籍端末、電子手帳、ゲーム機器、自動券売機、ATM端末、POS端末、自販機などである。
2 遮光層
2a 色調整層
2b 裏打ち層
2w 白色樹脂層
3 絶縁層
4 透明電極
4a 第1透明電極
4aC 接続部
4b 第2透明電極
5 層間絶縁層
6 配線
7,7a オーバーコート層
8 可視情報
10 表示装置用前面保護板
15 樹脂層
20 タッチパネル
20a タッチパネル構成部材
30 表示パネル
40 (従来の)表示装置用前面保護板
41 透光性基板
42 遮光層
100 表示装置
200 (従来の)表示装置
A1 表示用領域
A2 不透明領域
S1 第1面
S2 第2面
V 観察者
λmax 最大強度波長
λmin 最小強度波長
Claims (5)
- 中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有する表示装置用前面保護板であって、
透光性基板と、
前記透光性基板の第1面とこの第1面とは反対側の第2面とのうちのいずれか一方の面において前記不透明領域に設けられ白色を呈する遮光層とを有し、
前記遮光層は、白色顔料を樹脂バインダ中に含む白色樹脂層と、
前記白色樹脂層に重なるように形成され、前記白色樹脂層の色とは異なる色を呈する色調整層とを有し、
前記白色樹脂層は、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、前記短波長端と前記長波長端との間で最大反射強度を与える最大強度波長λmaxを有し、且つ、前記短波長端の反射強度が前記最大反射強度よりも小さく、さらに、前記長波長端の反射強度も前記最大反射強度よりも小さい特性を有し、
前記白色樹脂層の前記反射スペクトルは、前記最大強度波長λmaxにおける前記最大反射強度を頂点とする略凸型の曲線で示されるスペクトルであり、
前記色調整層は、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、前記短波長端と前記長波長端との間で最小反射強度を与える最小強度波長λminを有し、当該最小強度波長λminと前記白色樹脂層の最大強度波長λmaxとの差が140nm以下であり、
前記色調整層の前記反射スペクトルは、前記白色樹脂層が呈する色の補色関係となる色を前記色調整層が呈するように、前記最小強度波長λminにおける前記最小反射強度を頂点とする略凹型の曲線で示されるスペクトルであり、
前記遮光層が呈する白色は、JIS Z 8729によるL*a*b*表色系にて、明度L*がL*≧80であり、色度a*が−0.5≦a*≦0.5であり、色度b*が−0.5≦b*≦0.5である、
表示装置用前面保護板。 - 前記遮光層は、前記白色樹脂層の面上に当該白色樹脂層よりも遮光性が大きい裏打ち層を有し、
当該裏打ち層と前記白色樹脂層との間に前記色調整層を有する、
請求項1に記載の表示装置用前面保護板。 - 前記遮光層は、前記白色樹脂層の面上に当該白色樹脂層よりも遮光性が大きい裏打ち層を有し、
当該裏打ち層が前記色調整層を兼用する、
請求項1に記載の表示装置用前面保護板。 - 前記透光性基板の前記一方の面上に、前記表示用領域から前記不透明領域の前記遮光層の面上に延びるように設けられたタッチパネル用の透明電極と、
前記遮光層の面上に設けられ、前記透明電極に電気的に接続された不透明な配線と、
を有する、
請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置用前面保護板。 - 表示パネルと、
前記表示パネルからの表示光が出光する側である表側に配置された請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置用前面保護板と、
を少なくとも備える、
表示装置。
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