JP6286912B2 - 表示装置用前面保護板及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC(パーソナルコンピュータ)など各種表示装置において、表示パネルと組み合わせて使用されるタッチパネルが急速に普及してきている。
図14は、タッチパネル20を備えた表示装置200の一例を模式的に示す図である。図14(a)は分解平面図であり、図14(b)の断面図は図14(a)の分解平面図中で、C−C線で表示装置用前面保護板40を切断したときの表示装置用前面保護板40のみの断面図である。タッチパネル20は、表示パネル30に対して、表示パネル30からの表示光の出光側である表側(紙面で手前側)に配置される。さらに、タッチパネル20の保護の為に、前記表示パネル30からの表示光がタッチパネル20を通過して出光する側であるタッチパネル20の表側に、表示装置用前面保護板40が配置される(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
表示装置用前面保護板40は、通常、透光性基板41に対して、図14で例示する様に、その表示用領域A1の外周部が不透明領域A2となっており、不透明領域A2には遮光層42が形成されている。遮光層42は、通常、着色顔料を樹脂バインダ中に含む着色樹脂層として形成され、また、遮光層42の色は遮光性などの観点から黒色とするのが普通である。この不透明領域A2によって、表示装置用前面保護板40の裏側に配置されるタッチパネル20が、その外周部に有する配線6やコネクタ等が見えて外観を損ねないようにしている。また、不透明領域A2中には、製品ロゴなどの可視情報8、赤外透過窓や装置の状態を示す通知窓などの窓も適宜設けられ、不透明領域A2は表示装置用前面保護板40の加飾部にもなっている。
表示装置用前面保護板40、タッチパネル20及び表示パネル30の各部材は、これらの部材間に空隙を設けずに樹脂層で埋めて、密着積層することもある。こうすることによって、界面反射による表示光の損失や外光反射を減らして表示を見易くすることができるからである。
また、薄型化、軽量化、部品点数削減などに対する要求に応えるべく、表示装置用前面保護板40とタッチパネル20との一体化、或いはタッチパネル20と表示パネル30との一体化などの各種一体化の形態が、提案され実用化も始まっている(特許文献1、特許文献2)。
特開2009−193587号公報 実用新案登録第3153971号公報 特開2008−266473号公報(図2)
しかしながら、最近ではデザイン性など商品価値をより高めるために、遮光層42の色には黒以外の色も求められるようになってきており、その中の代表的な色に白色がある。 白色は、遮光層42を構成する着色樹脂層に用いる着色顔料について、カーボンブラック等の黒色顔料に替えて、白色顔料を用いれば、一応表現できる。すなわち、着色樹脂層を形成するための着色樹脂組成物として、白色顔料と樹脂バインダとを含む白色樹脂組成物を用いて、白色樹脂層を形成すればよいことになる。
ただ、白色という色は、製品として目指す色に対して微妙に色がついても目立ちやすい。こうした色ずれは、白色樹脂組成物中の樹脂バインダが、白色樹脂組成物からなるインクを乾燥固化するときの熱などによって変質し黄変などすることが、その一つの原因と考えられる。とりわけ、パターン精度に優れるなどの点で、樹脂バインダに感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ法によって着色樹脂層を形成する場合は、露光、現像、熱処理などの工程も必要となるため、なおさらであった。さらに、タッチパネルを一体化させるための透明電極も設けた構成とすると、透明電極を焼成時の熱も加わるので、より一層顕著になることがあった。
このため、白色樹脂層を含む遮光層42で、白色の色意匠を安定的に表現できることが望まれた。
また、目指すべき白色の色に対する色ずれは、材料及び処理条件などの製造条件によって変化し、こうした製造条件によって一定しない色ずれに対して、効率的に対処して製造できることも望まれた。
すなわち、本発明の課題は、不透明領域の遮光層によって白色の色意匠を安定的に表現し、しかも白色の色意匠を効率よく製造できる構成の表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置を提供することである。
本発明では、次の様な構成の表示装置用前面保護板及び表示装置とした。
(1)中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有する表示装置用前面保護板であって、
透光性基板と、
前記透光性基板の第1面とこの第1面とは反対側の第2面とのうちのいずれか一方の面において前記不透明領域に設けられ白色を呈する遮光層とを有し、
前記遮光層は、白色顔料を樹脂バインダ中に含む白色樹脂層と、
前記白色樹脂層に重なるように形成され、前記白色樹脂層の色とは異なる色を呈する色調整層とを有し、
前記白色樹脂層は、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、前記短波長端と前記長波長端との間で最大反射強度を与える最大強度波長λmaxを有し、且つ、前記短波長端の反射強度が前記最大反射強度よりも小さく、さらに、前記長波長端の反射強度も前記最大反射強度よりも小さい特性を有し、
前記色調整層は、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、前記短波長端と前記長波長端との間で最小反射強度を与える最小強度波長λminを有し、当該最小強度波長λminと前記白色樹脂層の最大強度波長λmaxとの差が140nm以下である、
表示装置用前面保護板。
(2)前記遮光層は、前記白色樹脂層の面上に当該白色樹脂層よりも遮光性が大きい裏打ち層を有し、
当該裏打ち層と前記白色樹脂層との間に前記色調整層を有する、
前記(1)の表示装置用前面保護板。
(3)前記遮光層は、前記白色樹脂層の面上に当該白色樹脂層よりも遮光性が大きい裏打ち層を有し、
当該裏打ち層が前記色調整層を兼用する、
前記(1)の表示装置用前面保護板。
(4)前記透光性基板の前記一方の面上に、前記表示用領域から前記不透明領域の前記遮光層の面上に延びるように設けられたタッチパネル用の透明電極と、
前記遮光層の面上に設けられ、前記透明電極に電気的に接続された不透明な配線と、
を有する、
前記(1)〜(3)のいずれかの表示装置用前面保護板。
(5)表示パネルと、
前記表示パネルからの表示光が出光する側である表側に配置された前記(1)〜(4)のいずれかの表示装置用前面保護板と、
を少なくとも備える、
表示装置。
本発明によれば、不透明領域の遮光層によって白色の色意匠を安定的に表現し、しかも白色の色意匠を効率よく製造できる構成の表示装置用前面保護板と、これを備えた表示装置を提供することができる。
本発明による表示装置用前面保護板の一実施形態を説明する平面図(a)と、平面図中C−C線での断面図(b)。 白色樹脂層と色調整層の反射スペクトルを模式的に示すグラフ。 ***表色系色度図での白色の定義範囲と、色度図上で白色樹脂層の色が色調整層によって遮光層の白色に変化し収まる様子を示すグラフ。 本発明による表示装置用前面保護板の変形例(白色樹脂層が複層構成)を説明する断面図。 本発明による表示装置用前面保護板の変形形態(裏打ち層が色調整層を兼用)の一例を説明する断面図。 本発明による表示装置用前面保護板の変形形態(遮光層上に絶縁層)の一例を説明する断面図。 本発明による表示装置用前面保護板の別の実施形態(タッチパネル機能一体化)を説明する平面図。 図7の実施形態を説明する部分拡大断面図。 図7の透明電極の交差部の一例を説明する断面図。 本発明による表示装置用前面保護板の変形形態(オーバーコート層)の一例を説明する断面図。 本発明による表示装置の一実施形態(タッチパネル透明電極一体化)を模式的に説明する断面図。 本発明による表示装置の別の実施形態(タッチパネル透明電極一部一体化)を模式的に説明する断面図。 本発明による表示装置の別の実施形態(タッチパネル別体)を模式的に説明する断面図。 従来の表示装置用前面保護板と表示装置の一例を示す分解平面図(a)と、分解平面図中C−C線での表示装置用前面保護板の断面図(b)。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
〔A〕用語の定義:
以下に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「表側」とは、表示装置用前面保護板或いはその他の構成要素において、表示装置用前面保護板を表示パネルと組み合わせて使用したときに、表示パネルからの表示光が出光する側であり、表示パネルの表示を観察する側を意味する。
「裏側」とは、前記「表側」とは反対側を意味し、表示装置用前面保護板或いはその他の構成要素において、表示パネルの表示光が入光する側を意味する。
「第1面」と「第2面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは任意である。
「一方の面」と、その反対側の面である「他方の面」とは、何れかが前記「表側」となり、何れの面が前記「表側」となるかは、本来は任意である。本発明においては、透光性基板に対して、遮光層を必ず有する側の面を「一方の面」と呼ぶことにしており、この一方の面が裏側として使用される面となる。また、本発明においては、「表側」となる面を「第1面」とし、「裏側」となる面を「第2面」として説明する。よって、遮光層を必ず有する「一方の面」乃至は「裏側」の面は「第2面」となり、「他方の面」乃至は「表側」の面は「第1面」となる。
「可視光帯域」とは、波長380〜780nmのことを言う。したがって、可視光帯域における「短波長端」とは波長380nm、「長波長端」とは波長780nmのことを意味する。
「白色」の意味については、後述遮光層の欄で説明する。
〔B〕表示装置用前面保護板:
以下、本発明による表示装置用前面保護板を説明する。
《第1の実施形態》
本発明による表示装置用前面保護板の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。図1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。
図1に示す実施形態の表示装置用前面保護板10は、図1(a)の平面図で示すように、中央の表示用領域A1と、この表示用領域A1の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域A2とを有する。図1(b)の断面図は、図1(a)の平面図にて、C−C線で切断したときの断面図である。図1(b)の断面図で示すように、本実施形態における表示装置用前面保護板10は、透光性基板1と、この透光性基板1の第1面S1とこの第1面S1とは反対側の第2面S2との2面のうちの、第2面S2において、前記不透明領域A2に設けられた遮光層2とを有する。
本実施形態における表示装置用前面保護板10は、遮光層2が透光性基板1の第2面S2上に設けられ、この第2面S2を裏側にして、言い換えると、第2面S2は、図1(b)で二点差線の想像線で示すタッチパネル20や表示パネル30側に向けて、第1面S1は表示パネル30の表示の観察者V側に向けて、用いられることを想定した形態である。
遮光層2は白色を呈し、本実施形態においては、透光性基板1側から順に、白色樹脂層2wと、色調整層2aと、裏打ち層2bとから構成されている。
白色樹脂層2wは、白色顔料を樹脂バインダ中に含み、白色を呈する。白色樹脂層2wは、白色顔料以外の、有彩色に着色するための着色顔料、及び明度を落とす為の黒色顔料は含んでいない。白色樹脂層2wは、反射率を上げて明度を高くし、白色を目指す層として形成されている。しかも、白色樹脂層2wは、図2で示すように、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、短波長端と長波長端との間で最大反射強度を与える最大強度波長λmaxを有し、且つ、短波長端の反射強度が最大反射強度よりも小さく、さらに、長波長端の反射強度も最大反射強度よりも小さい反射スペクトル特性を有する。
色調整層2aは、白色樹脂層2wに重なるように形成され、白色樹脂層2wの色とは異なる色を呈し、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、短波長端と長波長端との間で最小反射強度を与える最小強度波長λminを有し、且つ、最小強度波長λminと白色樹脂層2wの最大強度波長λmaxとの差が140nm以下となっている。
色調整層2aは、本実施形態においては、着色顔料として有彩色の着色顔料、具体的には、赤色顔料、緑色顔料及び青色顔料を樹脂バインダ中に含み、この結果、上記特定の反射スペクトル特性を示す。また、色調整層2aは、白色樹脂層2wの色が遮光層2として目指す白色から色ずれして生じした色みに対して、おおよそ補色関係となる色を呈する。
裏打ち層2bは、基本的に、白色樹脂層2wの透光性基板1から遠い側、つまり裏側に形成され、且つ、白色樹脂層2wよりも遮光性が大きい層である。裏打ち層2bは、本実施形態においては、黒色顔料を樹脂バインダ中に含み、黒色を呈する。
本発明においては、裏打ち層2bは、白色樹脂層2wと色調整層2aとで遮光性が足りていれば、省略することもできる。
本実施形態においては、このような構成の遮光層2とすることで、表示装置用前面保護板10に表側から入射した光が、白色樹脂層2wに進入して色調整層2aまで到達し、そこで一部反射した光が、再度白色樹脂層2wに戻って進入して、表示装置用前面保護板10の表側から出射することで、白色樹脂層2wの色に色調整層2aの色が加わり、遮光層2全体としては白色樹脂層2wの色と色調整層2aの色とが合わさって、目標とする白色を呈することになる。
しかも、白色の色表現を、白色樹脂層2wのみでなく、白色樹脂層2wと色調整層2aとの両方で行う結果、色調整層2aが1層増えて製造工程は増えるが、白色の色意匠に対応するときに、厚みが厚くなる傾向があり製造条件がシビアな白色樹脂層2wは同じ組成のもので対応し、白色樹脂層2wよりは厚みを薄くできる色調整層2aのみで白色樹脂層2wの色ずれした白色に応じた組成のものについて製造条件を設定して対応できるので、色ずれに対して効率的な製造が可能となり、安定的な白色の表現が可能となる。
さらに、本実施形態においては、裏打ち層2bによって、遮光層2の遮光性も確保される。
以上のように、本実施形態の表示装置用前面保護板10においては、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるという、効果が得られる。
以下、構成要素毎にさらに詳述する。
〔表示用領域A1と不透明領域A2〕
表示装置用前面保護板10は、図1(a)の平面図で例示したように、中央に表示用領域A1を有し、表示用領域A1の外周部に、可視光を遮蔽する不透明領域A2を有する。表示用領域A1は、図1(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示す表示パネル30に適用したときに、表示装置用前面保護板10を透して、表示パネル30が表示する内容を表示できる領域である。不透明領域A2は、表示パネル30が外周部に有する配線、コネクタなどを隠したり、或いは、図1(b)の断面図において、二点鎖線の想像線で示すタッチパネル20に適用したときに、タッチパネル20がその外周部に有する不透明な配線、コネクタなどを隠したりする為の領域である。また、不透明領域A2は、それが表現する色、適宜設けるロゴやマークなどの可視情報8によって加飾部にもなる領域である。
〔透光性基板1〕
透光性基板1は、少なくとも可視光線に対して透明で、表示装置用前面保護板10を適用する表示パネルに対して、表面を保護し得る機械強度を有するものであれば、特に制限はなく、代表的には、例えばソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどのガラス板を用いることができる。とくに、ガラス板として、化学強化ガラスはフロートガラスに比べて機械的強度に優れ、その分薄くできる点で好ましい。化学強化ガラスは、典型的には、ガラスの表面近傍について、ナトリウムをカリウムに代えるなどイオン種を一部交換することで、化学的な方法によって機械的物性を強化したガラスである。
透光性基板1には、樹脂を用いることも可能である。例えば、樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。透光性基板1に樹脂を用いることで、軽量にできる上、可撓性を持たせることも可能となる。
透光性基板1には、ガラスと樹脂との積層体を用いることもできる。透光性基板1にガラスと樹脂との積層体を用いることで、ガラスの特性と樹脂の特性の両方を持たせることもできる。
〔遮光層2〕
図1に例示する実施形態における遮光層2は、透光性基板1のタッチパネル20及び表示パネル30側となる裏側の第2面S2の不透明領域A2の部分に形成されている。遮光層2は、不透明領域A2中の全領域に設けられている。逆に言えば、この遮光層2によって、不透明領域A2が不透明な領域として形成される。
本実施形態においては、遮光層2は、透光性基板1の第1面S1と第2面S2のうちの一方の面として第2面S2の面の、不透明領域A2に形成される。
遮光層2は、タッチパネル20がその中央の位置検知領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路、或いは表示パネル30がその中央の表示領域に対して、その外周部に有する配線や制御回路などを隠して、目視不能にして、タッチパネル20や表示パネル30を用いた表示装置において、外観を損なわないようにする機能を有する。
遮光層2の遮光性は、要求仕様にもよるが、透過率で言えば大きくても1%以下(光学濃度OD2.0以上)、好ましくは透過率で0.1%以下(光学濃度OD3.0以上)、より好ましくは透過率で0.01%以下(光学濃度OD4.0以上)が望ましい。
遮光層2は、不要な部品などを隠すための遮光性と共に、表示装置用前面保護板10の外観意匠を向上させる加飾層としての機能も有する。
遮光層2は、本発明においては、白色の色意匠を表現する。
本発明においては、遮光層2は、白色の色意匠を安定的に表現し、且つ白色の色意匠のものを効率よく製造できる構成の表示装置用前面保護板10となるようにするために、白色樹脂層2w以外にさらに、色調整層2aも必須の層として有する。
白色樹脂層2wは、本実施形態においては、色調整層2aに対してその表側に位置する形態である位置関係であるため、色調整層2aの色が反映される程度以上のある程度の透明性を有する。こうして、遮光層2が、少なくとも色調整層2aの色と白色樹脂層2wの色とが合わさった色を呈するようにすることができる。したがって、本実施形態においては、白色樹脂層2w自体で例えば光学濃度OD4.0以上の遮光性を有することはない。
以下、白色、白色樹脂層2w、色調整層2a、裏打ち層2bについて、説明する。
[白色とは]
本発明において、遮光層2が白色を呈するとは、文字通りの白色以外に、極僅かに色みを有する白色も含む。なお、理想的な白色は、反射率が100%で色相を全くもたない色であるが、現実的には難しい色である。よって、本発明においては、「白色」を次のように定義する。
すなわち、本発明において「白色」とは、JIS Z 8729による、L***表色系にて、明度L*、色度a*及び色度b*について、
明度L*は、L*≧80、好ましくはL*≧90、より好ましくはL*≧95、
色度a*は、−0.5≦a*≦0.5、及び
色度b*は、−0.5≦b*≦0.5
を示す色と定義する。
なお、明度については、色度a*及び色度b*が上記範囲内であれば、要求される白色
の色意匠により、明度が低いものも求められることがあるので、一概に明度が高いほどよいと言いきれるものでもないが、より白いものと言う意味では明度が高い方がよい。
*は明度の指標であり、a*及びb*はともに色相及び彩度の両方が関係する指標である。図3は、この色相及び彩度を表わす色度a*及び色度b*を座標軸とするL***表色系色度図を示す。同図で、a*の図面左側のマイナス方向が緑色方向であり、a*の図面右側のプラス方向が赤色方向であり、b*の図面下側のマイナス方向が青色方向であり、b*の図面上側のプラス方向が黄色方向である。なお、紙面に垂直方向が明度L*の座標軸となる。
同図にて、本発明における白色の定義域を、点線の四角形で示す。
また、同図では、符号2wで示す○印が、白色樹脂層2wが呈する白色から色ずれした色の座標であり、これが符号2aの矢印で示す色調整層2aによって、符号2で示す○印の遮光層2が呈する目指す白色の座標まで変化して(白色樹脂層2w自体の色が変化するのではなく、白色樹脂層2wの色と色調整層2aの色とが合わさった結果として変化するという意味)収まる様子を模式的に表わす。
[白色樹脂層2w]
白色樹脂層2wは、図2で示すように、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、短波長端と長波長端との間で最大反射強度を与える最大強度波長λmaxを有し、且つ、短波長端の反射強度が最大反射強度よりも小さく、さらに、長波長端の反射強度も最大反射強度よりも小さい反射スペクトル特性を有する。
図2中、反射強度が例えば反射率で100%と最大で、しかも可視光帯域の全域において一定の点線で示した反射スペクトルが理想的な白色のものである。
白色樹脂層2wは、遮光層2によって白色を表現する為の着色顔料として白色顔料を樹脂バインダ中に含む層として形成される。
本実施形態においては、白色樹脂層2wは、樹脂バインダの樹脂には感光性樹脂を用いる。したがって、本実施形態においては、白色樹脂層2wは、白色顔料を感光性樹脂の硬化物からなる樹脂バインダ中に含む層として形成される。
(厚み)
白色樹脂層2wの厚みは、例えば1〜40μm、通常10〜30μmである。白色樹脂層2wは、黒色系の色の場合に比べて、遮光性が不足気味となることが多く、この点では、白色樹脂層2wの厚みは厚い方が好ましい。ただ、白色樹脂層2wの厚みが厚くなって遮光性が大きくなり過ぎると、白色樹脂層2wの裏側に形成した色調整層2aの色を遮光層2の色に反映させることができなくなる。したがって、白色樹脂層2wの裏側に形成される色調整層2aの色が、白色樹脂層2wの色とともに遮光層2の色に反映されるためには、白色樹脂層2wの厚みは、その裏側の色調整層2aまで、白色樹脂層2wの表側から裏側まで光が到達し、再度、色調整層2aで反射して白色樹脂層2wの表側から出射し、遮光層2の色に反映される透明性を有する程度の厚み以下に設定される。この結果、遮光層2は、少なくとも色調整層2aの色と白色樹脂層2wの色とが合わさった色を呈することになる。
ただ、白色樹脂層2w自体の遮光性が不足し過ぎても、また白色樹脂層2wと色調整層2aとの両方での遮光性が不足し過ぎても、裏打ち層2bを併用すれば、裏打ち層2bによって遮光性不足を補うことができ、その分、白色樹脂層2wは薄くすることができる。しかし、白色樹脂層2wの厚みが薄くなり過ぎると、白色の色意匠の緻密感が低下することもあるので、白色樹脂層2wの厚みは適宜な厚みに設定される。
本実施形態においては、白色樹脂層2wの厚みは30μmとなっている。
(複層構成)
本発明においては、白色樹脂層2wは、例えば、図4で例示するように、2層以上の複層構成であってもよい。同図は2層構成の場合である。本実施形態においても、白色樹脂層2wは2層からなる複層構成となっている。
なお、本発明にかかる図面において、白色樹脂層2wは、明示的に複層構成を例示する図4以外は、全て単層として描いてあるが、これらの図面において白色樹脂層2wは複層構成も含み得る。
白色樹脂層2wを複層構成とすることによって、一回の形成では目的とする厚みを出しにくい場合でも、目的とする厚みを出すことが可能となる。例えば、本実施形態のように、白色樹脂層2wを、白色感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィ法によって形成する場合などである。
本発明においては、白色樹脂層2w以外の色調整層2a、裏打ち層2bなどにおいても、複層構成としてもよい。色調整層2a及び裏打ち層2bの各図中の表記も、白色樹脂層2wと同様であり、図面で単層として描いてあっても、複層構成を含み得る。
(白色顔料)
白色樹脂層2wに用いる白色顔料としては、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、などを用いることができる。
白色顔料の含有量は、白色顔料及び樹脂バインダを含む白色樹脂層2wの全固形分量に対する着色顔料の量の百分率で表した顔料濃度で、例えば、10〜80%である。
本発明においては、本発明の効果、すなわち、白色の色意匠の安定的表現及び効率的製造を、より確実に享受するためには、白色樹脂層2wに用いる着色顔料は、白色顔料のみとし、有彩色の着色顔料や黒色顔料などは併用しないことが好ましい。白色顔料以外の他の着色顔料を併用すると白色の白さが低下し、また、これらの着色顔料の種類及び配合を可変させれば、白色樹脂層2wの形成工程の諸条件をその都度設定する必要性が生じるからである。
(樹脂バインダ:感光性樹脂など)
樹脂バインダの樹脂としては、基本的には特に制限はないが、耐久性などの点で、硬化性樹脂を用いることが好ましい。樹脂バインダの樹脂として硬化性樹脂を用いる場合、白色樹脂層2wは硬化性樹脂の硬化物からなる層として形成される。
硬化性樹脂としては、紫外線、電子線、可視光線などの活性エネルギー線で硬化可能な感光性樹脂を用いることができる。感光性樹脂を用いることで、精細なパターン形成が可能なフォトリソグラフィ法によって形成することができる。
感光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基などの光反応性基を有する感光性樹脂の1種以上を用いることができる。前記アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤などからなる感光性樹脂を樹脂バインダの樹脂成分として用いることができる。
前記アルカリ可溶性樹脂には、ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体などのメタクリル酸エステル共重合体、ビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシアクリレートなどのカルド樹脂、などを1種以上用いることができる。
前記多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などを1種以上用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、又は、アクリレートのいずれかであることを意味する。
前記光重合開始剤には、アルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系などを1種以上用いることができる。
樹脂バインダとしては、この他、溶剤、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの、公知の各種添加剤を含むことができる。
(白色樹脂層2wの形成)
白色樹脂層2wの形成は、例えば、白色顔料と感光性樹脂の未硬化物を含む白色感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって形成することができる。
白色感光性樹脂組成物を、透光性基板1の面上に塗布する方法は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ビードコート法などの公知の塗工法によることができる。
白色感光性樹脂組成物を塗布した後は、フォトリソグラフィー技術を用いて露光、現像、ベーク(熱処理)などの所定の工程を経て、パターニングすることにより、透光性基板1の面上の一部に、所定パターンの白色樹脂層2wを形成することができる。
本実施形態においては、白色樹脂層2wはフォトリソグラフィ法によって形成されている。
とくに、本発明においては、例えば、露光、現像、熱処理など1層の形成工程に多数のサブ工程を要し、これらのサブ工程毎の条件出しが必要となるフォトリソグラフィ法のような方法によって層形成する場合には、遮光層2で白色を表現するのに、白色樹脂層2wの色は固定することで、厚みが厚くなりがちで条件がシビアな白色樹脂層2wについては1色分の条件を固定的に採用できるため、製造がより効率的になり、また品質的にも安定化し、安定的に白色を表現できるようになる。
また、白色は遮光性が出しにくく、このため白色樹脂層2wの厚みは黒色に比べて例えば10μm以上と厚くすることが多く、その輪郭部分での段差を通って透明電極などの導体形成時の断線にも注意する必要があり、この点でも、とりわけ白色では条件出しが重要であった。
このため、フォトリソグラフィ法によって形成された白色樹脂層2wの場合は、本発明による白色の色意匠の安定的表現及び効率的製造という効果がより顕著に発揮され得る。
なお、本発明においては、白色樹脂層2wの形成は、フォトリソグラフィ法以外の方法、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法でもよく、これらの形成法による場合でも、本発明による効果は得られる。
[色調整層2a]
色調整層2aは、白色樹脂層2wと重なるような位置に形成される。色調整層2aは、
その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、短波長端と長波長端との間で最小反射強度を与える最小強度波長λminを有し、且つ、最小強度波長λminと白色樹脂層2wの最大強度波長λmaxとの差が140nm以下となっている。このため、色調整層2aは、白色樹脂層2wが呈する色とは異なる色を呈する。
(色調整層2aが呈する色)
色調整層2aによって、遮光層2全体として目指すべき白色に対して色ずれした白色樹脂層2wが呈する色を有効利用するには、色調整層2aが呈する色は、基本的には、白色樹脂層2wが呈する色の補色関係となる色とすればよい。ただ、色調整層2aによって、遮光層2全体として目指すべき白色の対して色ずれした白色樹脂層2wが呈する色を有効利用して、遮光層2全体として目指すべき白色になるような色に色調整層2aの色を、効率的に調整するには、本発明のように、白色樹脂層2wと色調整層2aのそれぞれの反射スペクトルに注目して調整するのが好ましい。
色調整層2aの最小強度波長λminと、白色樹脂層2wの最大強度波長λmaxとの差を、140nm以下、好ましくは120nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは80nm以下とすることによって、色調整層2aと白色樹脂層2wとによって、遮光層2全体としての色を白色に効率的に合わせこむことができるからである。また、上記波長の差が大きくなるほど、白色への合わせこみの効率性が低下する。
なお、差が例えば140nm以下とは、(最小強度波長λmin−最大強度波長λmax)の絶対値が140nm以下であることを意味する。
本実施形態においては、白色樹脂層2wの最大強度波長λmax=500nm、色調整層2aの最小強度波長λmin=570nm、最大強度波長λmaxと最小強度波長λminの差=70nmであった。そして、遮光層2の白色は、色度a*が0.2、色度b*が0.1であった。
こうした色調整層2aによって、遮光層2が呈する色を、少なくとも白色樹脂層2wと色調整層2aとの色が合わさった色とすることができる。ここで、「少なくとも」と表現したのは、色調整層2aの面上にさらに、色調整層2a側から到達した光を再度色調整層2a側に戻し得る反射スペクトルを有する別の層を有する場合は、この別の層の反射スペクトルの色も関係するからである。ただし、本実施形態のように、色調整層2aの面上に黒色の裏打ち層2bがある場合はこれに該当しない。また、色調整層2aがその裏側まで光を到達させない場合も、これに該当しない。これらの場合は、白色樹脂層2wと色調整層2aとの2層によって、遮光層2が呈する色が決まる。
遮光層2が呈する色が少なくとも白色樹脂層2wと色調整層2aとの色が合わさった色となるために、本発明においては、遮光層2を構成する白色樹脂層2wと色調整層2aとは、白色樹脂層2wの色と色調整層2aの色とが合わさった色を呈するようになる層として形成される。この点に関して更に具体的に言えば、本実施形態においては、色調整層2aは、白色樹脂層2wに重なるような位置として、白色樹脂層2wの裏側に形成されている。したがって、白色樹脂層2wの裏側に色調整層2aが位置する形態においては、色調整層2aの表側に位置する白色樹脂層2wは、色調整層2aの色が遮光層2の色に反映される程度以上の透明性を有する層として形成されている。
一方、色調整層2aは、本実施形態においては、白色樹脂層2wの裏側に形成されているから、さらに色調整層2aの裏側に形成される層の色(例えば後述する金属性反射層の色、とりわけ銀色でその無色の反射光による明度上昇)も反映させないかぎり、色調整層2aの色が遮光層2の色に反映されるためには、色調整層2aは不透明でも透明でもかまわない。ただし、本実施形態においては、色調整層2aは着色顔料の濃度の点から、その結果として、透明な層として形成されている。
(着色顔料)
色調整層2aに用いる着色顔料は、特に制限はない。着色顔料には、例えば、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料及び紫色顔料などの有彩色の着色顔料、並びに白色顔料及び黒色顔料などの無彩色の着色顔料を用いることができる。着色顔料は、1種単独で用いてもよいし、同種類の色、或いは異なる色の着色顔料を複数種類用いてもよい。
前記赤色顔料には、例えば、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、ペリレン系などの赤色顔料を用いることができ、前記黄色顔料には、例えば、イソインドリン系、アントラキノン系などの黄色顔料を用いることができ、前記青色顔料には、例えば、銅フタロシアニン系、アントラキノン系などの青色顔料を用いることができ、前記緑色顔料には、例えば、フタロシアニン系、イソインドリン系などの緑色顔料を用いることができ、前記紫色顔料には、キナクリドン系の紫色顔料を用いることができる。
前記白色顔料には、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、などを用いることができる。
前記黒色顔料には、例えば、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタンなど)、カーボンブラックなどを用いることができる。
着色顔料の含有量は、色調整層2aによって調整する白色樹脂層2wが呈する白色からの色ずれの程度にもよるが、着色顔料及び樹脂バインダを含む色調整層2aの全固形分量に対する着色顔料の量の百分率で表した顔料濃度で、例えば、1〜70%である。
(色調整層2aと白色樹脂層2wの重なりとその応用)
色調整層2aと白色樹脂層2wとの重なりは、遮光層2が形成される透光性基板1の一方の面(本実施形態においては、第2面S2)に対して垂直な方向から遮光層2を観察したときに、色調整層2aと白色樹脂層2wのそれぞれのパターンの重なりを意味する。換言すると、それぞれの平面視パターンの重なりを意味する。
本実施形態においては、色調整層2aと白色樹脂層2wとの位置合わせ精度に対するマージン設定などによるパターン輪郭部分の多少の不一致は無視すれば、色調整層2aと白色樹脂層2wとは同一のパターンで形成されている。したがって、白色樹脂層2wの全域の色が色調整層2aの色で調整(「調整」は「修飾」と言ってもよい)されている。このように、本発明においては、白色樹脂層2wがその全域で色調整層2aの色で調整されていることが好ましい。
本実施形態においては、色調整層2aは白色樹脂層2wの裏側に位置して互いに重なり合う形態であったが、遮光層2が呈する色を、色調整層2aの色と白色樹脂層2wの色とが合わさった色とするには、色調整層2aが白色樹脂層2wの表側に位置していても可能である。本発明においては、このように、色調整層2aが白色樹脂層2wの表側に位置する形態も含む。もちろん、この場合は、色調整層2aは不透明であってはならず、白色樹脂層2wの色が反映されて遮光層2として白色が表現される程度の透明性を有する。
また、白色樹脂層2wが複層構成の場合、色調整層2aは白色樹脂層2wの間に位置していてもよい。例えば、図4で例示した2層構成の場合、この2層の色調整層2aの間に色調整層2aが挟まれていてもよい。もろちん、こうした構成でも、複層構成の白色樹脂層2w全体の遮光性と、色調整層2aの遮光性とでは、遮光層2としての遮光性が不足する場合は、裏打ち層2bを設けることが好ましい。
(色の測定法)
色調整層2a、或いは白色樹脂層2wの色の評価は、対象とする層の片面に隣接して黒色の層を配置するなど層通過後の光が元の進入方向に戻る光反射を防いだ状態として、もう一方の方から観察したときの色を意味する。層通過後の光反射を防ぐのは、もしも仮に、光反射性の層があると、その光反射の光強度やスペクトル分布によって明度や色相が変化してしまうからである。なお、色の測定には、市販の測色計や分光測色計を用いることができる。
例えば、色の測定は、光源にはCIE(国際照明委員会)規定の光源C又は光源D65を用い、SCI(正反射光込み)又はSCE(正反射光除去)で測定したものとすることができる。本実施形態においては、光源Cを用いてSCEの条件で分光測色計によって測定した。
(黄変への適用)
白色樹脂層2wは、その色が黒色や青色などの濃い色と異なり、白色を目指すが故に、例えば製造工程中での200℃以上の高温などの熱履歴によって、白色樹脂層2w中の樹脂バインダが変質し、黄変することがある。黄変は、一般に、反射スペクトル的には、可視光帯域のおおよそ700nmから短波長端での反射強度が低下する結果、黄色みがかった色に変化する現象である。
こうした黄変に対して、色調整層2aの色を、黄変した色と補色関係にある色(青系の色)とすることによって、黄変した結果、目指すべき白色が有彩色の黄色みを帯びた色に変化したものを、遮光層2全体として目指すべき白色に戻すことができる。
ただ、遮光層2で白色を表現する上で、白色を目指すべき白色樹脂層2wには、可視光帯域の反射スペクトルにおいて、その反射強度が短波長端で低下する以外に、長波長端側でも低下するような白色の変化も存在する。このような反射スペクトルは、短波長端と長波長端の間に反射強度が最大となる最大強度波長λmaxを有する。こうした反射スペクトルを有する白色樹脂層2wに対しては、単にその補色関係に注目して色調整層2aの色を設定するのだけではなく、その最大強度波長λmaxにも注目して、この最大強度波長λmaxに対して特定関係とする最小強度波長λminを有する反射スペクトルに色調整層2aの色を設定することが、最終的に遮光層2が呈する色を白色に効率的に合わせこむのに効果的である。
本発明においては、色調整層2aは、このような最大強度波長λmaxを有するような黄変に対する対策としても有効である。とりわけ、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ法で形成する場合は、樹脂バインダの樹脂成分的にも、また、フォトリソグラフィ法の露光、現像、熱処理などの諸条件によって、白色樹脂層2wが黄変しやすいときには、より効果的である。
(厚み)
色調整層2aの厚みは、白色樹脂層2wの厚みよりも薄くすることが好ましい。また、色調整層2aの厚みは、通常、着色顔料をバインダ樹脂中に含む層として形成されるときでも、白色樹脂層2wの厚みよりも薄く形成される。これは、色調整層2aは、白色樹脂層2wの白色の修飾機能を担うため、白色樹脂層2wとは違って、厚みを薄くしやすいからでもある。
色調整層2aの厚みを、白色樹脂層2wの厚みよりも薄くすることで、遮光層2全体として白色の色意匠を目指して、白色樹脂層2wとは異なる色の色調整層2aで対応して色調整する際に、異なる色の色調整層2a毎の形成工程の条件出しを、白色樹脂層2w自体に白色顔料以外の着色顔料を配合して白色樹脂層2w単独で色調整する場合に比べて。厚み増による段差の問題への配慮の必要性が低下するなどの点で、より容易にできるからである。この結果、厚みがより厚い白色樹脂層2w単独で、白色の色意匠に対応する場合に比べて、白色の色意匠の安定的表現及び効率的製造が可能となる。
色調整層2aの厚みは、以上の点で5μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下である。色調整層2aの厚みは、例えば0.1〜5μm、通常0.5〜3μmで形成される。本実施形態においては、色調整層2aは厚み1μmで形成されている。
(遮光性と透明性)
色調整層2aは、遮光層2の一構成層である点で、遮光性が大きいことが好ましいが、色調整機能が最低限必須の層であり、その遮光性は問わない。したがって、色調整層2aは、透明層であってもよい。色調整層2a以外の遮光層2の構成層によって、要求される遮光性を確保できる場合には、色調整層2aは、透明層とすることができる。色調整層2a以外の遮光層2の構成層とは、白色樹脂層2w、裏打ち層2bなどであり、とりわけ裏打ち層2bである。
(裏打ち層2bとの兼用)
本発明においては、色調整層2aが白色樹脂層2wの裏側に形成され、且つ色調整層2aの遮光性を白色樹脂層2wの遮光性よりも大きくして形成されるとき、この色調整層2aは白色樹脂層2wに対して裏打ち層2bと言うこともできる。換言すると、こうした色調整層2aは、下記する裏打ち層2bと兼用することができる。
裏打ち層2bを兼用する層としての色調整層2aは、例えば、黒色顔料及び有彩色の着色顔料を樹脂バインダ中に含み、黒色系の色であるが色相を有する黒色系の色を呈する。ただ、当然であるが、黒色の層は、裏打ち層2bを兼用する層としての色調整層2aではなく、裏打ち層2bである。なぜならば、黒色の層からの光反射がなければ、その光反射の反射スペクトルは、色調整層2aとして必要な特定の最小強度波長λminを持たないからである。よって、単なる黒色は色調整層2aの色から除外される。
(色調整層2aの形成)
色調整層2aの形成は、基本的には特に制限されないが、前記白色樹脂層2wで述べた方法で形成することができる。
本実施形態においては、色調整層2aは、青色顔料を感光性樹脂の未硬化物を含む着色感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法によって形成されている。
本発明においては、色調整層2aは、着色顔料を樹脂バインダ中に含む層として形成される以外に、白色樹脂層2wの最大強度波長λmaxに対して前記特定関係の最小強度波長λminを有するものであれば、樹脂以外の材料、例えば金属乃至は金属化合物などの無機物からなる無機物層であってもよい。
[裏打ち層2b]
裏打ち層2bは、白色樹脂層2wよりも遮光性が大きい層である。本発明においては、裏打ち層2bは、白色樹脂層2w及び色調整層2aのみでは、遮光層2の遮光性が不足するとき、遮光性を補うことができるため、設けることが好ましい。とくに厚みを厚くしないと遮光性を出しにくい白色の場合は、なおさらである。
裏打ち層2bとしては、例えば、低反射の暗色層、反射層を用いることができる。暗色層は黒色などを呈し光を吸収することで遮光性を向上させ、反射層は光を反射することで遮光性を向上させる。
暗色層としては、着色顔料として例えば黒色顔料などを樹脂バインダ中に含む黒色樹脂層を用いることができる。着色顔料及び樹脂バインダ、並びに形成法は、前記白色樹脂層2wで説明したものを適宜採用することができる。
本実施形態においては、裏打ち層2bは黒色樹脂層として、前記白色樹脂層2wと同様にしてフォトリソグラフィ法によって形成されている。
反射層としては、例えば、銀、アルミニウムなどを含む金属膜などからなる金属性反射層を用いることができる。
裏打ち層2bは、白色樹脂層2w及び色調整層2aと裏打ち層2bとによって、或いは、裏打ち層2bが色調整層2aを兼用する場合は、白色樹脂層2wと裏打ち層2bとによって、遮光層2の意匠を表現することもできる。
例えば、白色樹脂層2w及び色調整層2aが共にある程度の透明性を有する場合では、裏打ち層2bまで到達した光の反射スペクトルが、遮光層2の色意匠に反映される。この点において、裏打ち層2bとして反射層を有する形態では、遮光層2が呈する色には、白色樹脂層2w及び色調整層2aの色に加えて、裏打ち層2bの色も合わさった色となる。反射層が銀色で反射スペクトルが一様なときは反射率が向上し明度が増し白さを増強することができる。色とは、色相や彩度以外に明度も含むからである。
ただ、遮光層2で表現する白色の色意匠の色調整は、色調整層2aに集中させるのが好ましい。裏打ち層2bも色調整に関与させると、条件出しが必要となる工程が増えて、効率的製造の点では不利となるからである。
裏打ち層2bの厚みは、通常、白色樹脂層2wの厚み未満である。裏打ち層2bの厚みを白色樹脂層2wの厚み未満とすることで、白色樹脂層2wを含み厚みが厚くなりがちな遮光層2全体の厚みを抑制することができる。
裏打ち層2bの厚みは、例えば樹脂層からなる裏打ち層2bの場合では黒色ならば0.5〜3μm、その他の色例えば灰色(この場合は色調整層2aと兼用する層と言うこともできる)ならば3〜15μm、金属性反射層からなる裏打ち層2bの場合では0.05〜0.5μmとすることができる。
(金属性反射層)
本発明においては、裏打ち層2bを反射層として形成する場合、裏打ち層2bには、金属性反射層を用いることができる。金属性反射層は、黒色樹脂層のような樹脂層に比べて、その光反射特性を活かして、遮光層2の明度を増すことができる利点を有する。したがって、その分、白色樹脂層2wの厚みを薄くすることもできる。
以下、金属性反射層について説明する。
金属性反射層は、金属又は金属化合物からなる金属材料を1種以上含み、可視光において金属性反射を示し且つ不透明で白色樹脂層2wよりも大きい遮蔽性を有する層である。金属性反射層としては金属層を用いることができる。
「金属性反射」とは、金属表面に特有の光反射性のことを意味する。金属性反射の色としては、特に、無色、金属色で言えば銀色が好ましい。遮光層2が目指す白色の色を、より具体的にはその色相を、金属性反射層が呈する色みに無関係に、白色樹脂層2wと色調整層2aとによって調整することができるからである。ただ、本発明においては、金属性反射層が色みを帯びていることを排除はしない。
金属材料の金属としては、光反射性で金属色を呈し、つまり金属性反射を呈し、可視光において不透明となるものであれば特に制限はない。例えば、銀、金、銅、錫、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデン、ニッケルなどの金属及びこれらの合金を用いることができる。また、これらの金属化合物としては、金属の酸化物、窒化物、炭化物などを用いることができる。なかでも特に好ましいのは、上記したように無彩色を呈するものであり、具体例を挙げれば、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)、アルミニウム、錫、ニッケル、クロムなどを用いることができる。
金属性反射層の反射性は、例えば、反射率が20%以上、反射光によって色の白さを増強する効果が大きいという意味では、反射率は70%以上がよい。
前記反射率とは、金属性反射層の表面に垂直に入射した入射光強度に対する鏡面反射光強度と拡散反射光強度との合計の反射光強度の比率を百分率で表した数値である。
通常のアルミニウム、銀などの金属性反射層であれば、厚み300nm程度で、反射率70%以上は容易に実現できる。
金属性反射層における不透明とは、全光線透過率で0.1%以下(光学濃度OD3.0以上)であることが好ましく、より好ましくは全光線透過率で0.01%以下(光学濃度OD4.0以上)であるが、最低限、全光線透過率で1%以下(光学濃度OD2.0以上)であることを意味する。
金属性反射層を、裏打ち層2bのパターン形状に形成するには、一旦、金属性反射層を金属層として形成したのち、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパターンニングすることで所定のパターンに形成することができる。
金属性反射層を金属層として形成するには、公知の膜形成法によることができる。例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの化学的気相成長法、等の気相成長法、或いは塗工法などである。
金属性反射層の厚みは一般に500nmでも充分な遮光性を確保することが可能であり、遮光性の点では1μmも必要はない。この為、金属性反射層の厚みは、通常10〜300nm程度で形成することができる。
金属性反射層は、光反射性それも金属性反射を示すことから、通常、導電性である。よって、裏打ち層2bとして金属性反射層を遮光層2の構成層のうち最も透光性基板1から遠い側つまり裏側に設け、且つ遮光層2の面上に配線や透明電極などの導体を設ける場合は、金属性反射層の面上に絶縁層3を設けるのが好ましい。また、金属性反射層の側面に導体が接する場合は、側面も含めて金属性反射層の表面を被覆するように絶縁層3を設けるのが好ましい(後述図10参照)。
これは、不透明領域A2の遮光層2上に、後から、例えば、配線や透明電極の導体を設けて、タッチパネル機能の一部又は全部を一体化するときに、金属性反射層の部分の面を、配線や透明電極などの導体を短絡させずに、表示装置用前面保護板10を絶縁性回路基板として利用できるようにするためである。ただ、本発明においては、金属性反射層が非導電性であることを排除するものではない。
(メタリック樹脂層)
本発明においては、反射層には、金属性反射層に類似の樹脂層として、金属材料が粒子として透明樹脂バインダ中に分散されたメタリック樹脂層を用いることもできる。ただし、メタリック樹脂層は遮光性の点では金属層に比べて劣ることが多く、遮光性を出すためには厚みが厚くなりがちである。このため、厚みが許容されるならば、金属性反射層としてメタリック樹脂層を用いることもできる。
金属材料の粒子を構成する金属材料としては、金属性反射を示すものであれば特に制限はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、錫、クロム、ニッケルなどの金属及びこれらの合金を用いることができる。なかでも特に好ましいのは、上記したように無彩色を呈するものであり、具体例を挙げれば、アルミニウム、銀、錫、クロム、ニッケルなどである。
透明樹脂バインダの樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができる。
メタリック樹脂層は、金属材料の粒子、透明樹脂バインダ、及び溶剤などを含む液状の樹脂組成物からなるインクによって、印刷法などで、溶剤を乾燥除去した固化物として形成することができる。
〔絶縁層3〕
本実施形態においては、絶縁層3は設けないが、本発明においては、絶縁層3を設けてもよい。すなわち、遮光層2の最表面が、裏打ち層2bとして設けた金属性反射層などによって導電性を示す場合、この遮光層2の最表面に接して、配線や透明電極などの導体がさらに形成されることが予想されるときは、図6に例示する表示装置用前面保護板10のように、導体が絶縁層3を介して形成されるように、遮光層2の面上に絶縁層3を形成しておくとよい。絶縁層3によって、互いに独立な導体同士がショートするのを防ぐことができる。
また、絶縁層3は、金属材料を用いた金属性反射層の酸化などによる劣化を防ぐ保護層として機能させることもできる。したがって、最表面が導電性を示す遮光層2に接して導体が形成されない場合でも、最表面が金属性反射層のように酸化による劣化が予想されるときは、絶縁層3を遮光層2の面上に保護層として設けることが好ましい。
なお、図6は模式的な図面であり、絶縁層3は裏打ち層2bを含む遮光層2の面上のみに形成され、遮光層2の側面までは被覆していないように描いてあるが、側面で導電性を示す層部分と導体とが接触する可能性があるとき、或いは側面での酸化劣化などが予想されるときは、いうまでもなく、絶縁層3は側面も含めて遮光層2を被覆するのが好ましい。
絶縁層3は不透明領域A2にのみ形成されるときは不透明でも透明でもよい。絶縁層3が透明層として形成されるときは、絶縁層3は、不透明領域A2以外に、表示用領域A1も含めて形成することもできる。
絶縁層3には、耐熱性の点で硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、熱硬化性のエポキシ樹脂などを用いることができる。
絶縁層3には、酸化ケイ素などのケイ素酸化物、酸化クロムなどの金属酸化物、或いは、金属窒化物、金属炭化物など無機材料を用いることもできる。
絶縁層3の形成は、公知の方法によればよく、例えば、絶縁層3は、上記のような樹脂系の感光性樹脂を用いることで、フォトリソグラフィ法によって、遮光層2を被覆するようにパターン形成することができる。
絶縁層3の厚みは、絶縁性などを考慮して、例えば0.1〜10μm、通常0.5〜5μmである。
〔製造方法〕
本実施形態の表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、次の様にして形成される。先ず、透光性基板1の第2面S2の不透明領域A2とする領域に、遮光層2として、白色樹脂層2wと、色調整層2aと、裏打ち層2bとをこの順にパターン形成する。白色樹脂層2w、色調整層2a及び裏打ち層2bの各パターンは同一である。こうして、表示装置用前面保護板10が製造される。
なお、本実施形態においては、より厳密には、色調整層2aは白色樹脂層2wの側面も被覆するようにパターン形成し、裏打ち層2bは色調整層2aの側面は被覆せずに白色樹脂層2wの面上を被覆するようにパターン形成してある。
《第2の実施形態:タッチパネル機能の一体化》
図7、図8及び図9を参照して、本発明による表示装置用前面保護板10の第2の実施形態例を説明する。
本実施形態は、図1に示した第1の実施形態に対して、次の点が異なる以外は、同じである。よって、同じ部分の説明は省略する。
a)タッチパネル用の透明電極4及び配線6が設けられている点。
〔タッチパネル機能の一体化〕
本発明においては、表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能の一部又は全部を一体化してもよい。例えば、タッチパネル用の透明電極4及び配線6をさらに設けて、透光性基板1をタッチパネル用基板と兼用してもよい。タッチパネル機能との一体化は、タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化する形態でも、その分での部品点数の低減、薄型化の効果は得られるが、タッチパネルとしての必要な機能の全部を一体化するのが、より好ましい。
タッチパネルとして必要な機能の一部又は全部を一体化した表示装置用前面保護板10は、「タッチパネル一体型表示装置用前面保護板」と言うこともできる。タッチパネルとして必要な機能の全部を一体化した表示装置用前面保護板10は、タッチパネルと言うこともできる。タッチパネルとして必要な機能の一部を一体化した表示装置用前面保護板10は、タッチパネル構成部材と言うこともできる。
タッチパネル用の透明電極4を一体化する場合、その位置検知方式は各種知られているが、透明電極4が2層となり得る位置検知方式では、このうちの少なくとも1層を、より好ましくは2層を一体化するのが望ましい。
本実施形態では、タッチパネル機能の一体化の例として、透明電極4が静電容量方式に適用可能な形態例である。
図7は本実施形態における表示装置用前面保護板10の平面図、図8はその部分拡大断面図、図9は透明電極4の交差部を示す断面図である。
〔透明電極4〕
図7は、とくに透明電極4のパターンを示す平面図である。
透明電極4は、本実施形態においては、互いに絶縁されて形成される第1透明電極4a及び第2透明電極4bから構成される。
第1透明電極4a、第2透明電極4bは、本実施形態においては同じ材料で形成してある。よって、本明細書において、これらを纏めて言うときは、単に「透明電極4」とも呼ぶ。
本実施形態では、タッチパネルの位置検知用の透明電極4として、第1透明電極4aと、第2透明電極4bとを、ともに同一の面上に形成するタッチパネル構造を採用している。すなわち、第1透明電極4a及び第2透明電極4bは、透光性基板1の同一の面である第2面S2の面上に形成される。
第1透明電極4a及び第2透明電極4bのパターンは、投影型静電容量方式では各種パターンが知られており、特に限定はない。典型的には、複数の第1透明電極4aが、第1の方向に延びて、この第1の方向に交差する方向、通常は直交する方向を第2の方向として、第2透明電極4bが第2の方向に延びたパターンとなっている。また、本実施形態においても、図7の平面図で示すように、同様である。
図9(a)は、第1透明電極4aと第2透明電極4bとの交差部分を示す平面図であり、図9(b)は図9(a)中、C−C線での断面図である。
第1透明電極4aと第2透明電極4bとの交差部分は、互いに層間絶縁層5によって絶縁されている。層間絶縁層5は、少なくとも第1透明電極4aと第2透明電極4bとの交差部分に必要となる。
第1透明電極4aと第2透明電極4bとのうち一方の電極のみ、同図の場合は具体的には第1透明電極4aのみ、他方の電極との交差部分が欠損したパターンで同一の面に同時に形成した後、交差部分のみ層間絶縁層5を形成し、この後、層間絶縁層5を跨いで、欠損部分を電気的に接続する接続部4aCが第1透明電極4aの一部として形成されている。
図8(a)の断面図で言えば、前記交差部分は、透光性基板1に近い側の透明電極4が、第1透明電極4aであるので、第1透明電極4aが形成され後の交差部分に対して層間絶縁層5が形成され、交差部分を跨いで接続部4aCが形成されて第2透明電極4bが完成する。
そして、第1透明電極4a及び第2透明電極4bからなる透明電極4は、中央の表示用領域A1内の位置検知領域から不透明領域A2の遮光層2に重なる部分まで延びて配線6に電気的に接続されている。
透明電極4には、公知の材料及び形成法を採用することができる。
本実施形態においては、透明電極4には、層自体が透明である透明導電体膜が用いられる。透明導電体膜からなる透明電極4としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、InZnO(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛酸化物)、AlZnO(Aluminum Zinc Oxide;アルミニウム亜鉛酸化物)、InGaZnO(Indium Garium Zinc Oxide;インジウムガリウム亜鉛酸化物)等の透明導電体膜をパターン形成したものを用いることができる。
〔層間絶縁層5〕
層間絶縁層5には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、層間絶縁層5に樹脂を用いる場合には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、例えば、これらの樹脂系の感光性樹脂などを用いることができる。感光性樹脂の場合は、フォトリソグラフィ法を利用して形成することができる。また、層間絶縁層5には、酸化ケイ素などの無機材料を用いることもできる。
〔配線6〕
配線6には、公知の材料及び形成法を採用することができる。例えば、配線6には、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。配線6は、例えば、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパターン形成することができる。
配線6には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
本実施形態においては、配線6は、銀、パラジウム及び銅からなる銀合金(APCとも言う)によって、金属層としてフォトリソグラフィ法及びエッチング法を利用して形成されている。
本発明においては、配線6の形成法としては、特に制限はなく、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法によって形成してもよい。
〔製造方法〕
本実施形態の表示装置用前面保護板10を構成する各層は、例えば、次の様にして形成される。先ず、透光性基板1の第2面S2の不透明領域A2とする領域に、遮光層2して、白色樹脂層2wと、色調整層2aと、裏打ち層2bとをこの順にパターン形成する。次に、不透明領域A2である遮光層2の部分に、配線6をパターン形成する。次に、表示用領域A1から不透明領域A2にかけて透光性基板1の面上及び遮光層2の面上に、透明電極4をパターン形成する。このとき、透明電極4は、遮光層2の面上に形成された配線6上に接して形成されるようにパターン形成する。次に、透明電極4の交差部分には層間絶縁層5をパターン形成し、この層間絶縁層5を跨いで、透明電極4の欠損部分をパターン形成して接続部4aCを形成して透明電極4の全体を完成させる。こうして、タッチパネル機能を一体化した表示装置用前面保護板10が製造される。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成の表示装置用前面保護板10とすることで、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるようにすることができる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
《変形形態》
本発明の表示装置用前面保護板10は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔オーバーコート層7〕
本発明においては、例えば、図10に例示する変形形態の表示装置用前面保護板10のように、透明電極4の面上などにオーバーコート層7が形成されていてもよい。同図に例示する表示装置用前面保護板10は、図8の構成に対して、オーバーコート層7が、透光性基板1の第2面S2の面上の最表層として、表示用領域A1及び不透明領域A2の全面に形成されている例である。また、同図に例示する表示装置用前面保護板10は、図8の構成に対して、オーバーコート層7としてオーバーコート層7aが、遮光層2の側面も含めて遮光層2の全面を被覆するように主に不透明領域A2に形成されている例である。このオーバーコート層7aは絶縁性であるとき絶縁層3と言うこともできる。
透明電極4或いは配線6に接して形成されるオーバーコート層7は絶縁性とする。配線6上に形成されるオーバーコート層7は、配線6がフレキシブルプリント配線基板(FPC)を介して制御回路に接続する部分は形成せず、配線6を露出させておく。
オーバーコート層7によって、絶縁性、耐傷付き性などを向上させることができる。
オーバーコート層7には、公知の材料及び形成法を採用することができる。オーバーコート層7には、透明な樹脂、それも耐熱性の点で硬化性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができ、具体例を挙げれば、熱硬化性のエポキシ樹脂などを用いることができる。また、硬化性樹脂としては、紫外線などで硬化する感光性樹脂などを用いることもできる。感光性樹脂の場合は、部分形成するときにフォトリソグラフィ法を利用することができる。部分形成しないときは、オーバーコート層7は、塗工法で形成することができる。
本発明においては、オーバーコート層7は、要求仕様などに応じて、不透明領域A2及び表示用領域A1を含む透光性基板1の全面に設けられていてもよいし、全面に設けられていなくてもよい。
〔透明電極4:導電性メッシュ〕
前記した実施形態では、透明電極4は層自体が透明な透明導電体膜によって形成されていた。
しかし、本発明においては、透明電極4は層自体が不透明な導体が、メッシュ状に形成されることで、見かけ上あたかも透明であるようにした導電性メッシュによって形成されていてもよい。導電性メッシュのメッシュパターンを構成する線の線幅は、不可視性の観点から好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下である。
導電性メッシュのメッシュパターン形状は、特に制限はない。例えば、メッシュパターン形状は、正方格子形状、三角格子形状、六角格子形状(ハニカム形状)、レンガ積み形状などである。
不透明な導体には、例えば、前記配線6で列記した材料を用いることができる。不透明な導体には、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、パラジウム、モリブデンなどの金属(含むその合金)などを用いることができる。例えば、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層としてスパッタ法により製膜後、フォトリソグラフィ及びエッチング法によりパターン形成したものを用いることができる。
不透明な導体には、モリブデン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)と3層積層構造の導電性層(MAMと呼ばれている)を用いることもできる。
導電性メッシュを構成する不透明な導体として、配線6と同じ材料を用いることができることを活かして、透明電極4に導電性メッシュを用いるとき、この透明電極4と配線6とを同一材料で形成してもよい。もちろん、透明電極4と配線6とを異なる材料で形成してもよい。
透明電極4と配線6とを同一材料で形成することで、同時形成することも可能となる。
例えば、導電性メッシュによる透明電極4と配線6とを、銀、パラジウム及び銅からなる合金(APCとも言う)の金属層によって形成することができる。
透明電極4と配線6とを同一材料で同時形成することで、工程数を減らして低コストなものとすることができる。
〔透明電極4及び配線6の用途〕
前記実施形態においては、透明電極4及び配線6の用途はタッチパネルであった。
透明電極4をタッチパネル用とする形態においては、タッチパネルの位置検知方式として、透明電極4が互いに異なる面に2層になる位置検知方式では、このうちの少なくとも1層を設ける形態もあり得る。
透明電極4がタッチパネル用のときその位置検知方式は、抵抗膜方式など、投影型静電容量方式以外の方式のものであってもよい。
本発明においては、電極付き表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能を一体化した形成とする場合、タッチパネル機能として、前記透明電極4及び配線6以外に、さらにその他の、例えば、コネクタ、制御回路なとのタッチパネル機能の一部、さらには全部が一体化されたものであってもよい。
〔不透明領域A2:可視情報8〕
本発明においては、図1(a)にて点線で示すように、不透明領域A2の部分に、可視情報8が形成されていてもよい。可視情報8は、不透明領域A2の領域内において、製品ロゴマーク、操作説明用の文字や記号、模様などの任意の目視可能な情報である。可視情報8には、公知の材料及び形成法を採用することができる。
例えば、可視情報8は、着色顔料を含む感光性樹脂の硬化物層として着色樹脂層をフォトリソグラフィ法などによってパターン形成することができる。また、可視情報8は、図示はしないが、例えば、追加的に設ける着色樹脂層のパターンとして、或いは裏打ち層2bのパターンとして設けることができる。
〔不透明領域A2:窓〕
本発明においては、図示はしないが、不透明領域A2の部分に、通知窓、赤外透過窓などが形成されていてもよい。
通知窓は、例えば、電極付き表示装置用前面保護板10を適用する表示装置が携帯電話の場合で言えば、着信や電池の充電状態などの各種動作状態を、光の点滅、点灯、及び色などにより、使用者に通知する部分である。通知窓には、公知の構成、材料及び形成法を採用することができる。
通知窓は、図示はしないが、例えば、遮光層2の非形成部として設けることができる。
赤外透過窓は、表示装置用前面保護板10を適用する表示装置が携帯電話の場合で言えば、通話時に携帯電話を耳にあてがったときに、タッチパネルの誤作動を防ぐ必要から、また、表示パネルの表示を消して電池寿命を長くする観点などから、人肌の接近を感知する人感センサとして設ける赤外線センサの前方の部分に設けられる。赤外透過窓は、可視光に対しては遮光性を示すと共に赤外光に対しては透過性を示す。赤外透過窓には、公知の構成、材料及び形成法を採用することができる。
赤外透過窓は、図示はしないが、例えば、遮光層2の非形成部として設けることができる。
〔C〕表示装置:
本発明による表示装置は、表示パネルと、この表示パネルからの表示光が出光する側である表側に配置された上記表示装置用前面保護板10と、を少なくとも備えた表示装置である。
表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能の一部又は全部を備えたものとして構成されるときは、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとできる。
表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能は備えていないが、別の構成部品としてタッチパネルを備えた構成とするときは、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとできる。
表示装置用前面保護板10がタッチパネル機能の一部を備えたものとして構成されるときは、不足するタッチパネル機能を別構成部品として備えた構成とすることで、本表示装置はタッチパネル機能を有するものとする。
《第1の実施形態:タッチパネル機能を一体化した表示装置用前面保護板:その1》
図11は、本発明による表示装置の実施形態例であり、同図に示す表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、表示装置用前面保護板10、表示パネル30を備えている。
〔表示装置用前面保護板10〕
本実施形態での表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能を一体化した構成のものが用いられる。
表示装置用前面保護板10は、前述した本発明による表示装置用前面保護板10である。より具体的に、この表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能として、さらに配線6と、透明電極4とを有し、この透明電極4として、図示はしないが、図7、図8及び図9で例示した表示装置用前面保護板10のように第1透明電極4aと第2透明電極4bとを有する形態のものである。
本実施形態での表示装置用前面保護板10は、例えば、前記した第2の実施形態の表示装置用前面保護板10である。なお、本実施形態においては、さらに、タッチパネルとして機能するための制御回路など、その他の構成要素を備えることができる。
したがって、表示装置用前面保護板10は、タッチパネル用の透明電極4及び配線6以外に、さらに制御回路、この制御回路と配線6を電気的に接続するコネクタなどのタッチパネル機能の全部が一体化されたものとしてもよい。もちろん、この場合、タッチパネルの機能の全部が一体化された表示装置用前面保護板10を用いる場合は、独立したタッチパネル20は備える必要はなく、表示装置用前面保護板10と、表示パネル30とを少なくとも備えた構成の表示装置となる。この形態では、表示パネル30の外周部の配線、コネクタ、制御回路などを隠せることになる。
〔表示パネル30〕
表示パネル30は、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、この他、電子ペーパーパネル、ブラウン管でもよく、公知の各種表示パネルでよい。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成の表示装置100とすることで、その表示装置用前面保護板10において、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるものとすることができる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
《第2の実施形態:タッチパネル機能を一体化した表示装置用前面保護板:その2》
図12に示す第2の実施形態の表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、表示装置用前面保護板10、タッチパネル構成部材20a、表示パネル30を備えている。
図11で例示した第1の実施形態による表示装置100では、表示装置用前面保護板10はタッチパネル機能の一部として、配線6と、透明電極4の第1透明電極4a及び第2透明電極4bの両方を備えることで、タッチパネル機能が一体化している形態であった。
本実施形態は、透明電極4の第1透明電極4a及び第2透明電極4bのうち片方を表示装置用前面保護板10が備え、他方は別体の基板が備える形態である。
図12に例示するように、本実施形態による表示装置100は、表示装置用前面保護板10が第1透明電極4aを備え、別の基板としてのタッチパネル構成部材20aが第2透明電極4bを備える。
互いに絶縁される第1透明電極4aと第2透明電極4bとの2層を必要とする形態では、第1透明電極4a及び第2透明電極4bからなる透明電極4によるタッチパネルの位置検知方式は、投影型静電容量方式でもよいが、投影型静電容量方式以外のものでもよい。
どのような構成で表示装置用前面保護板10とタッチパネル機能とを一体化するかは、使用し得る製造設備、組立工程などの諸条件に適した、構成を選べばよい。
なお、表示パネル30は、上記表示装置100としての第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成の表示装置100とすることで、その表示装置用前面保護板10において、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるものとすることができる。
さらにタッチパネル機能が一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
《第3の実施形態:タッチパネル機能は一体化しない表示装置用前面保護板》
本実施形態は、表示装置用前面保護板10が、タッチパネル用の透明電極4及び配線6を備えていない構成であり、タッチパネル機能が一体化されていない構成である。
図13に示す本実施形態の表示装置100は、図面上方の観察者V側の表側から順に、表示装置用前面保護板10、タッチパネル20、表示パネル30を備え、さらに、表示装置用前面保護板10とタッチパネル10との間は、樹脂層15で埋め尽くされている。
図13に例示するように、本実施形態による表示装置100は、表示装置用前面保護板10と、タッチパネル20と、表示パネル30とを備える。
タッチパネル20には、模式的に、透明電極4と配線6とを図示してある。
表示パネル30は、上記表示装置100における第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
〔表示装置用前面保護板10〕
本実施形態での表示装置用前面保護板10は、タッチパネル機能は備えていない構成のものが用いられる。例えば、前記した表示装置用前面保護板10としての第1の実施形態のものである。
図示はしないが、表示装置用前面保護板10は、不透明領域A2に配線6を備えることもできる。このように表示装置用前面保護板10が配線6も備える構成の場合には、配線6は、タッチパネル用ではなく、例えばセンサ接続用などとして用いることができる。
〔タッチパネル20〕
タッチパネル20は、典型的には、マルチタッチ(多点同時入力)が可能な投影型静電容量方式のタッチパネルであるが、この他、基板として透光性基板1が用いられる表示装置用前面保護板10に対応可能な方式であれば、表面型静電容量方式、電磁誘導方式、光学方式など、透明電極を必要としない位置検知方式も含めた公知の各種位置検知方式のタッチパネルのいずれでもよい。
タッチパネル20は、中央の位置検知領域の外周部に、配線、制御回路、これらを電気的に接続するコネクタなどの何らかの不透明な構成要素を有する。これらの不透明な構成要素は、表示装置用前面保護板10の不透明領域A2の遮光層2に平面視において重なり、隠れる位置となるような、タッチパネル20と表示装置用前面保護板10との位置関係となっている。このため、これら配線などの不透明な構成要素が、表示装置100の外観を損なわない様にすることができる。
〔樹脂層15〕
樹脂層15は透明な層であり、粘着シート、塗布した樹脂液の固化層などを用いることができる。粘着シートとしては、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤などからなるものを用いることができる。樹脂液としては、アクリル系光硬化性樹脂などを用いることができる。
樹脂層15によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。
〔本実施形態における効果〕
以上のような構成の表示装置100とすることで、その表示装置用前面保護板10において、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるものとすることができる。
さらにタッチパネル機能が樹脂層15により積層一体化しているので、部品点数が減り組み立て工数が少なくなり、低コストなものとできる。
《表示装置としての変形形態》
本発明の表示装置100は、上記した形態以外のその他の形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔タッチパネルを備えない形態〕
上記各実施形態における表示装置100は、いずれもタッチパネル機能を有する構成であったが、本発明においては、表示装置100は、タッチパネル20を備えないなどタッチパネル機能を備えていない構成であってもよい。
表示装置100に組み込まれる、タッチパネル機能を備えていない表示装置用前面保護板10による効果を享受することができる。すなわち、その表示装置用前面保護板10において、不透明領域A2の遮光層2によって白色の色意匠を安定的に表現でき、しかも白色の色意匠のものを効率よく製造できるものとすることができる。
〔樹脂層の介在〕
図11及び図12で例示した実施形態による表示装置100では、表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間は、空隙を有し空気層が存在する構造となっているが、本発明においては、表示装置用前面保護板10と表示パネル30との間など、構成部材の間は、図13で例示した第3の実施形態で説明したように、粘着剤層など樹脂層15で埋め尽くしてもよい。樹脂層15によって部材表面での光反射が減ることで、表示をより見易くすることができる。
〔D〕用途:
本発明による表示装置用前面保護板10、及び表示装置100の用途は、特に限定されない。例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPCなどの携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、電子書籍端末、電子手帳、ゲーム機器、自動券売機、ATM端末、POS端末、自販機などである。
1 透光性基板
2 遮光層
2a 色調整層
2b 裏打ち層
2w 白色樹脂層
3 絶縁層
4 透明電極
4a 第1透明電極
4aC 接続部
4b 第2透明電極
5 層間絶縁層
6 配線
7,7a オーバーコート層
8 可視情報
10 表示装置用前面保護板
15 樹脂層
20 タッチパネル
20a タッチパネル構成部材
30 表示パネル
40 (従来の)表示装置用前面保護板
41 透光性基板
42 遮光層
100 表示装置
200 (従来の)表示装置
A1 表示用領域
A2 不透明領域
S1 第1面
S2 第2面
V 観察者
λmax 最大強度波長
λmin 最小強度波長

Claims (5)

  1. 中央の表示用領域と、この表示用領域の外周部に設けられ可視光を遮蔽する不透明領域とを有する表示装置用前面保護板であって、
    透光性基板と、
    前記透光性基板の第1面とこの第1面とは反対側の第2面とのうちのいずれか一方の面において前記不透明領域に設けられ白色を呈する遮光層とを有し、
    前記遮光層は、白色顔料を樹脂バインダ中に含む白色樹脂層と、
    前記白色樹脂層に重なるように形成され、前記白色樹脂層の色とは異なる色を呈する色調整層とを有し、
    前記白色樹脂層は、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、前記短波長端と前記長波長端との間で最大反射強度を与える最大強度波長λmaxを有し、且つ、前記短波長端の反射強度が前記最大反射強度よりも小さく、さらに、前記長波長端の反射強度も前記最大反射強度よりも小さい特性を有し、
    前記白色樹脂層の前記反射スペクトルは、前記最大強度波長λmaxにおける前記最大反射強度を頂点とする略凸型の曲線で示されるスペクトルであり、
    前記色調整層は、その可視光帯域での短波長端から長波長端にわたる反射スペクトルが、前記短波長端と前記長波長端との間で最小反射強度を与える最小強度波長λminを有し、当該最小強度波長λminと前記白色樹脂層の最大強度波長λmaxとの差が140nm以下であり、
    前記色調整層の前記反射スペクトルは、前記白色樹脂層が呈する色の補色関係となる色を前記色調整層が呈するように、前記最小強度波長λminにおける前記最小反射強度を頂点とする略凹型の曲線で示されるスペクトルであり、
    前記遮光層が呈する白色は、JIS Z 8729によるL表色系にて、明度LがL≧80であり、色度aが−0.5≦a≦0.5であり、色度bが−0.5≦b≦0.5である、
    表示装置用前面保護板。
  2. 前記遮光層は、前記白色樹脂層の面上に当該白色樹脂層よりも遮光性が大きい裏打ち層を有し、
    当該裏打ち層と前記白色樹脂層との間に前記色調整層を有する、
    請求項1に記載の表示装置用前面保護板。
  3. 前記遮光層は、前記白色樹脂層の面上に当該白色樹脂層よりも遮光性が大きい裏打ち層を有し、
    当該裏打ち層が前記色調整層を兼用する、
    請求項1に記載の表示装置用前面保護板。
  4. 前記透光性基板の前記一方の面上に、前記表示用領域から前記不透明領域の前記遮光層の面上に延びるように設けられたタッチパネル用の透明電極と、
    前記遮光層の面上に設けられ、前記透明電極に電気的に接続された不透明な配線と、
    を有する、
    請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置用前面保護板。
  5. 表示パネルと、
    前記表示パネルからの表示光が出光する側である表側に配置された請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置用前面保護板と、
    を少なくとも備える、
    表示装置。
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