JP6631269B2 - 加飾部材、表示装置および有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 - Google Patents

加飾部材、表示装置および有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フレキシブル性を有する透明基材と上記透明基材上に配置された加飾部とを有する加飾部材、それを用いた表示装置、および有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法に関する。
近年、表示装置の発達に伴って、液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネル表示装置の需要が増加している。最近では、テレビやパーソナルコンピューターの他にも、スマートフォン、タブレット端末等の多機能端末の普及が盛んになっており、益々フラットパネル表示装置の市場は拡大する状況にある。このような状況において、フラットパネル表示装置を構成する各部材に関する研究が盛んに行われている。
フラットパネル表示装置を構成する部材は、例えばガラス基板上に所定の機能層を積層することにより得ることができるが、このような部材を用いた場合、リジットなフラットパネル表示装置となる。フラットパネル表示装置がリジットであると、例えば折り曲げることが困難となり、その用途が限られてしまうという問題がある。そこで、例えばフレキシブル性を有する透明基材上に、所定の機能層を積層した部材を用いたフレキシブル表示装置が提案されている。
フレキシブル表示装置は、自在に変形させることができることから、例えばローラブル(巻き取り可能な)モバイル表示装置を実現することができ、よりモバイルに適した表示装置を得ることができるという利点がある。また、フレキシブル表示装置は、例えば長尺のフィルムを用いて連続プロセスによって製造することができ、生産性に優れるという利点もある。
ところで、現在の表示装置は、表示パネルの前面に前面板保護基材が配置されることがある。このような前面板保護基材は、例えば、スマートフォン等のタッチパネル機能を備えた携帯電話等にも多く使用されている。
例えば特許文献1には、図14に示すように、基材3’上に白色加飾部2a’が配置された前面板保護基材1’が開示されている。また、例えば特許文献2には、図15に示すように、基材3’上に、白色加飾部2a’および裏打ち層2b’が配置された前面板保護基材1’が開示されている。白色加飾部の視認側とは反対側の面に裏打ち層を設けることにより、白色加飾部の遮光性を向上させることができる。
特開2013−200450号公報 特開2015−14733号公報
フレキシブル表示装置の用途が広がるに伴い、フレキシブル表示装置に求められる屈曲性は高まっている。そのため、このようなフレキシブル表示装置の表面に配置される前面板保護基材についても、フレキシブル表示装置に追従するような高い屈曲性が求められる。
ところで、前面板保護基材には、表示装置の外観を向上させるために所定の色調を呈する加飾部を配置することができる。具体的に加飾部は、表示装置における非表示領域を、表示装置の視認側から隠すための部材であり、主に非表示領域に配置された配線や制御回路等を隠すことができる。そのため、加飾部は、配線や制御回路等が表示装置の視認側から視認されない程度の遮光性を有することが求められる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、屈曲させた際に加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができ、加飾部に所望の遮光性を付与することが可能な加飾部材を提供することを主目的とする。
本発明の発明者等は、加飾部材を屈曲させた際に加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができ、加飾部に所望の遮光性を付与することが可能な加飾部材について研究を行った。その結果、加飾部材を屈曲させた際に加飾部の剥がれや割れの発生を抑制する(以下、耐屈曲性を有するとする場合がある。)ためには、加飾部の薄膜化を図る必要があることを見出した。
しかしながら、耐屈曲性を有しつつ加飾部の薄膜化を図る場合、加飾部における遮光性と耐屈曲性とを両立させることが困難であるという課題を見出した。
具体的には、加飾部材における加飾部は、通常、所定の色調を呈する着色顔料を含む。そのため、加飾部に所望の遮光性を付与するためには、加飾部における着色顔料の含有量を所定の量とする必要がある。ここで、従来は、加飾部における着色顔料の含有量(濃度)がそれほど高くないため、着色顔料を分散させるための主成分(樹脂バインダ)の含有量が高く、結果として加飾部の厚みが厚くなってしまっていた。
一方、加飾部に所望の遮光性を付与し、かつ薄膜化を図ろうとして、加飾部における着色顔料の濃度のみを高めてしまうと、加飾部における樹脂バインダの含有量が減ってしまい、例えば加飾部を屈曲させた際に剥がれや割れが発生しやすくなる、すなわち耐屈曲性が悪くなるという課題を見出した。
本発明の発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、加飾部材を屈曲させた際に剥がれや割れの発生を抑制することができる程度に加飾部の薄膜化を図ることができ、かつ加飾部に所望の遮光性を付与することが可能な加飾部における着色顔料の含有量(顔料濃度)を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、フレキシブル性を有する透明基材と、上記透明基材上に配置された加飾部とを有する加飾部材であって、上記加飾部は、上記透明基材上に配置された白色加飾部、および上記白色加飾部上に配置された黒色加飾部を有し、上記白色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に白色顔料が含まれた硬化物であり、上記白色加飾部の全固形分量に対する白色顔料の顔料濃度が、50質量%〜85質量%の範囲内であり、上記白色加飾部の全光線透過率が20%以下であり、上記黒色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に黒色顔料が含まれた硬化物であり、上記黒色加飾部の全固形分量に対する黒色顔料の顔料濃度が、40質量%〜85質量%の範囲内であり、上記加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする加飾部材を提供する。
本発明によれば、白色加飾部に含まれる白色顔料、および黒色加飾部に含まれる黒色顔料の顔料濃度が所定の範囲内であることにより、明るい白色を呈するとともに、所望の遮光性を有する加飾部とすることができ、加飾部材を表示装置に用いた際に、加飾部により配線等を隠し、優れた外観を得ることができる。また、加飾部材を屈曲させた際に、加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができる。
本発明においては、上記加飾部の厚みが、8μm〜20μmの範囲内であり、曲げ半径3mmの屈曲耐久試験を10万回以上実施した後、上記加飾部の割れまたは剥がれがないことが好ましい。
また、本発明は、フレキシブル性を有する透明基材と、上記透明基材上に配置された加飾部とを有する加飾部材であって、上記加飾部は、上記透明基材上に配置された白色加飾部、および上記白色加飾部上に配置された黒色加飾部を有し、上記加飾部の厚みが、8μm〜20μmの範囲内であり、上記白色加飾部の全光線透過率が20%以下であり、上記加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする加飾部材を提供する。
本発明によれば、加飾部の厚みが所定の範囲内であることにより、加飾部材を屈曲させた際に加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができる。また、白色加飾部および黒色加飾部が所定の光学濃度を有することにより、所望の遮光性を有する加飾部とすることができ、加飾部材を表示装置に用いた際に、加飾部により配線等を隠し、優れた外観を得ることができる。
本発明においては、曲げ半径3mmの屈曲耐久試験を10万回以上実施した後、上記加飾部の割れまたは剥がれがないことが好ましい。
本発明においては、上記加飾部により画定された表示領域に、複数の開口部を有するブラックマトリクスを有し、上記ブラックマトリクスが、上記黒色加飾部と同一材料により構成されることが好ましい。黒色加飾部およびブラックマトリクスを同時に形成することができる。
本発明においては、上記開口部に、着色部を有することが好ましい。本発明の加飾部材とカラーフィルタとを一体とすることができるため、加飾部材とカラーフィルタとを別体として設ける場合に比べて、表示装置としての厚みを薄くすることができる。
本発明においては、上記ブラックマトリクス上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有することが好ましい。本発明の加飾部材とセンサ電極とを一体とすることができるため、加飾部材とセンサ電極基材とを別体として設ける場合に比べて、表示装置としての厚みを薄くすることができる。
本発明においては、上記加飾部により画定された表示領域に、円偏光板を有することが好ましい。本発明の加飾部材が円偏光板を有することにより、高性能な表示装置を得ることができる。
本発明においては、上記円偏光板上に、複数の開口部を有するブラックマトリクスを有し、上記ブラックマトリクス上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有することが好ましい。
さらに、本発明は、上述した加飾部材と、表示パネルとを有することを特徴とする表示装置を提供する。
本発明によれば、表示装置を屈曲させた際に、加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができる。また、加飾部が所定の遮光性を有することにより、加飾部により配線等を隠し、優れた外観を得ることができる。
さらにまた、本発明は、第1のガラス基材上に貼着され、第1の透明基材上に加飾部が形成された加飾部材を準備する加飾部材準備工程と、上記加飾部材上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有するセンサ電極基材を積層するセンサ電極基材積層工程と、第2のガラス基材上に貼着された有機エレクトロルミネッセンス基材を準備する有機エレクトロルミネッセンス基材準備工程と、上記加飾部材上に積層された上記センサ電極基材、および上記有機エレクトロルミネッセンス基材を貼り合わせる貼合工程とを有し、上記加飾部材が、上述した上記加飾部材であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を提供する。
以下、有機エレクトロルミネッセンスを、有機ELと略して説明する場合がある。
本発明によれば、第1のガラス基材上に貼着された加飾部材およびセンサ電極基材と、第2のガラス基材上に貼着された有機EL基材とを貼り合わせる貼合工程を有することにより、熱等による各基材の収縮を抑制することができ、精度の高い位置合わせを行うことができる。また、センサ電極基材を第1のガラス基材上に貼着された加飾部材上にそのまま積層するセンサ電極基材積層工程を有することにより、センサ電極基材に支持基材等を設ける必要がなくなり、有機EL表示装置としての厚みを薄くし、高い屈曲性を実現することが可能となる。
本発明は、屈曲させた際に加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができ、また、加飾部に所望の遮光性を付与することが可能な加飾部材とすることができるという効果を奏する。
本発明の加飾部材の一例を示す概略平面図および概略断面図である。 本発明の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の加飾部材の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明の加飾部材の製造方法の他の例を示す概略工程図である。 本発明の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の表示装置の一例を示す概略平面図である。 本発明の有機EL表示装置の製造法の一例を示す概略工程図である。 従来の加飾部材の一例を示す概略断面図である。 従来の加飾部材の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の加飾部材、表示装置および有機EL表示装置の製造方法について説明する。
A.加飾部材
本発明の加飾部材は、フレキシブル性を有する透明基材と、上記透明基材上に配置された加飾部とを有する加飾部材であって、上記加飾部は、上記透明基材上に配置された白色加飾部、および上記白色加飾部上に配置された黒色加飾部を有し、上記白色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に白色顔料が含まれた硬化物であり、上記白色加飾部の全固形分量に対する白色顔料の顔料濃度が、50質量%〜85質量%の範囲内であり、上記白色加飾部の全光線透過率が20%以下であり、上記黒色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に黒色顔料が含まれた硬化物であり、上記黒色加飾部の全固形分量に対する黒色顔料の顔料濃度が、40質量%〜85質量%の範囲内であり、上記加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする部材である。
また、本発明の加飾部材は、フレキシブル性を有する透明基材と、上記透明基材上に配置された加飾部とを有する加飾部材であって、上記加飾部は、上記透明基材上に配置された白色加飾部、および上記白色加飾部上に配置された黒色加飾部を有し、上記加飾部の厚みが、8μm〜20μmの範囲内であり、上記白色加飾部の全光線透過率が20%以下であり、上記加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする部材である。
本発明の加飾部材について、図を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明の加飾部材の一例を示す概略平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に示すように、本発明の加飾部材1は、透明基材3と、透明基材3上に配置された加飾部2とを有する。また、加飾部2は、透明基材3上に配置された白色加飾部2a、および白色加飾部2a上に配置された黒色加飾部2bを有する。なお、加飾部2により表示領域Dが画定される。
本発明によれば、白色加飾部に含まれる白色顔料の顔料濃度、および黒色加飾部に含まれる黒色顔料の顔料濃度が所定の範囲内であることにより、加飾部における遮光性および耐屈曲性を両立することが可能となる。したがって、本発明の加飾部材を表示装置に用いた際に、加飾部により配線や制御回路等を隠すことができ、優れた外観を得ることができるとともに、例えば加飾部を屈曲させた際の剥がれや割れの発生を抑制することができる。
この理由としては次のことが考えられる。
まず、本発明の発明者等は、加飾部材を屈曲させた際の耐屈曲性を付与するためには、加飾部材における加飾部の薄膜化を図る必要があることを見出した。具体的には、加飾部を薄膜化することにより、加飾部材を屈曲させた際、加飾部材における透明基材に加飾部が追従することを見出した。
しかしながら、加飾部の薄膜化を図る場合、加飾部に所望の遮光性を付与することが困難であるという課題を発見した。すなわち、従来、加飾部における着色顔料の含有量(濃度)はそれほど高くない。そのため、遮光性を向上させるために着色顔料の濃度を大幅に高めた場合には、着色顔料を分散させるための主成分(樹脂バインダ)の含有量も高める必要があり、結果として加飾部の厚みが厚くなってしまうという課題がある。一方、着色顔料の濃度のみを高めてしまうと、加飾部における樹脂バインダの含有量が減ってしまい、耐屈曲性が低下してしまうという課題がある。
これに対し、本発明においては、明るい白色を呈するとともに、所望の遮光性を維持しつつ、優れた耐屈曲性を発揮できる程度に加飾部を薄膜化することができる白色顔料の顔料濃度範囲、および黒色顔料の顔料濃度範囲を新たに発見し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明においては、白色顔料の顔料濃度および黒色顔料の顔料濃度が所定の範囲内であることにより、加飾部により配線や制御回路等を隠すことができ、優れた外観を得ることができるとともに、加飾部材を屈曲させた際に、透明基材からの加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、加飾部の厚みが所定の範囲内であることにより、加飾部材を屈曲させた際に、透明基材からの加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができる。また、加飾部が所定の光学濃度を有することにより、所望の遮光性を有する加飾部とすることができ、加飾部材を表示装置に用いた際に、加飾部により配線等を隠し、優れた外観を得ることができる。
以下、本発明の加飾部材を構成する加飾部および透明基材について説明する。
1.加飾部
本発明における加飾部は、透明基材上に配置され、白色加飾部および黒色加飾部を有する部材である。
本発明における白色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に白色顔料が含まれた硬化物であり、白色加飾部の全固形分量に対する白色顔料の顔料濃度が、50質量%〜85質量%の範囲内であり、白色加飾部の全光線透過率が20%以下であることを特徴とし、黒色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に黒色顔料が含まれた硬化物であり、黒色加飾部の全固形分量に対する黒色顔料の顔料濃度が、40質量%〜85質量%の範囲内であり、加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする(第1態様)。
また、本発明においては、加飾部の厚みが、8μm〜20μmの範囲内であり、白色加飾部の全光線透過率が20%以下であり、加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする(第2態様)。
以下、本発明における加飾部について、第1態様および第2態様に分けて説明する。
(1)第1態様
本態様においては、白色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に白色顔料が含まれた硬化物であり、白色加飾部の全固形分量に対する白色顔料の顔料濃度が、50質量%〜85質量%の範囲内であり、白色加飾部の全光線透過率が20%以下であることを特徴とし、黒色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に黒色顔料が含まれた硬化物であり、黒色加飾部の全固形分量に対する黒色顔料の顔料濃度が、40質量%〜85質量%の範囲内であり、加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする部材である。
本態様における加飾部は、所定の遮光性を有することが好ましい。ここで、所定の遮光性とは、本態様の加飾部材の用途等に応じて異なるが、例えば、本態様における加飾部により、表示装置の配線や制御回路等を隠すことができる程度の遮光性であることが好ましい。したがって、加飾部に求められる遮光性は、後述する白色加飾部および黒色加飾部の遮光性に応じて適宜調整することができる。例えば、加飾部の全光線透過率は、0.02%以下であり、中での0.010%以下であることが好ましく、特に0.005%以下であることが好ましい。
なお、加飾部の全光線透過率は、次のように測定することができる。まず、加飾部材の加飾部が形成された側から、加飾部材に対して垂直に国際照明委員会CIEによる標準光源Cの光を当て、加飾部材を透過した透過光について、Yxy表色系でのY値(%)を100で除した値を、上記透過光の透過率とする。次に、参照値として透明基板のみの測定を行い、ここで得られた測定値と上記透過光の透過率から加飾部の全光線透過率を算出する。
また、本態様における加飾部の上記全光線透過率は、白色加飾部および黒色加飾部に含まれる顔料濃度を調整することにより達成することができる。
さらに、本態様における加飾部の厚みが8μmのときの光学濃度が、3.5以上であることが好ましく、中でも3.7以上であることが好ましく、特に4.0以上であることが好ましい。
なお、ここでの光学濃度とはOptical Density(OD)値をいう。また、光学濃度にて表わされるOD値は、垂直入射した入射光の強度Iinと垂直に透過した透過光の強度Ioutとを用いた「log10(Iin/Iout)」によって特定され、顕微分光測色計(オリンパス株式会社製、OSP−SP200)によって測定することができる。
また、本態様における加飾部の上記OD値は、白色加飾部および黒色加飾部に含まれる顔料濃度を調整することにより達成することができる。
本態様における加飾部は、所定の厚みを有することが好ましい。例えば、加飾部の厚み、すなわち白色加飾部および黒色加飾部の総厚みが、8μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、中でも、8μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に8μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。加飾部の厚みが上記範囲内であることにより、本態様の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、自在に折り曲げることが可能となり、また、折り曲げることによる剥がれや割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。
本態様における加飾部は、所定の屈曲性を有することが好ましい。本態様における加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、自在に折り曲げることが可能となり、また、折り曲げることによる剥がれや割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。加飾部の屈曲性としては、例えば、加飾部材の屈曲耐久試験において、例えば3mmの屈曲半径で10万回以上曲げ試験を実施後、加飾部の割れまたは加飾部材からの加飾部の剥がれがないことが好ましい。中でも、3mmの屈曲半径で15万回以上曲げ試験を実施後、加飾部の割れまたは加飾部材からの加飾部の剥がれがないことが好ましく、特に、3mmの屈曲半径で20万回以上曲げ試験を実施後、加飾部の割れまたは加飾部材からの加飾部の剥がれがないことが好ましい。
なお、上述した屈曲耐久試験は、ユアサシステム株式会社製 DLDMLH−FU 面状体U字繰り返し試験機を用いて、曲げ半径R=3mm、回転数120rpm、ストローク20mmの条件で測定することができる。また、本発明においては、10万回以上の曲げ試験実施後、加飾部の割れまたは加飾部材からの加飾部の剥がれがない場合に、加飾部が屈曲性を有すると評価した。
以下、白色加飾部および黒色加飾部に分けて説明する。
(a)白色加飾部
本態様においては、白色加飾部の全固形分量に対する白色顔料が、50質量%〜85質量%の範囲内であれば特に限定されないが、中でも55質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましく、特に60質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。本態様における白色顔料の顔料濃度が上記範囲内であることにより、本態様の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、表示領域の外周部を、明るい白色とすることができ、優れた意匠性を発揮することが可能となる。また、白色顔料の顔料濃度が上記範囲内であることにより、白色加飾部の主成分となる樹脂バインダの含有量を所定の範囲内に抑えることができるため、白色加飾部の厚みが厚くなることによる耐屈曲性の低下を抑制することができる。
本態様における白色加飾部は、後述する黒色加飾部を背面に配置した際に、黒色が透けて見えない程度の遮光性(不透明性)を有することが好ましい。例えば、白色加飾部の全光線透過率は、20%以下であり、中での18%以下であることが好ましく、特に15%以下であることが好ましい。
なお、白色加飾部の全光線透過率は、スガ試験機株式会社製 全自動直読ヘイズコンピュータ(HGM−2DP)により測定することができる。
また、本態様における白色加飾部の上記全光線透過率は、白色加飾部に含まれる白色顔料の顔料濃度が上述した所定の範囲内であることにより達成することができる。
さらに、本態様における白色加飾部の厚みが10μmのときの光学濃度が、0.5以上であることが好ましく、中でも0.7以上であることが好ましく、特に1.0以上であることが好ましい。
なお、ここでの光学濃度とはOptical Density(OD)値をいう。また、光学濃度にて表わされるOD値は、垂直入射した入射光の強度Iinと垂直に透過した透過光の強度Ioutとを用いた「log10(Iin/Iout)」によって特定される。
また、本態様における白色加飾部の上記OD値は、白色加飾部に含まれる白色顔料の顔料濃度が上述した所定の範囲内であることにより達成することができる。
本態様における白色加飾部は、所定の屈曲性を有することが好ましい。本態様における加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、自在に折り曲げることが可能となり、また、折り曲げることによる剥がれや割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。白色加飾部の屈曲性については、上述した加飾部の屈曲性と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本態様における白色加飾部の厚みは、上述した白色顔料の顔料濃度を実現することができる程度であればよく、中でも所定の屈曲性を示す程度であることが好ましい。具体的な白色加飾部の厚みは、例えば、5μm〜18μmの範囲内であることが好ましく、中でも7μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に8μm〜12μmの範囲内であることが好ましい。白色加飾部の厚みが上記範囲内であることにより、本態様の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、自在に折り曲げることが可能となり、また、折り曲げることによる剥がれや割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。
さらに、本態様における白色加飾部が、所望の遮光性を示しつつ、上記範囲内の厚みを達成するには、例えば、白色加飾部に含まれる白色顔料の顔料濃度を上述した所定の範囲内に調整することが好ましい。
本態様における白色顔料は、白色を呈する顔料であることが好ましい。ここでいう「白色」とは、純粋な白色(純白)以外に、アイボリー色、ベージュ色、赤色がかった白色(薄いピンク色)、黄色がかった白色、青色がかった白色、緑色がかった白色、紫色がかった白色、茶色がかった白色、黒色がかった灰色(ライトグレー)、銀色がかった白色、金色がかった白色等の有彩色で白を呈する色、および無彩色で白を呈する色等が挙げられる。
このような白色は、例えば、各種表色系を用いて数値として定義することができる。中でも、慣用的な表色系の1種であるマンセル表色系(JIS Z 8721)を用いた場合、本態様における白色は、明度が8.0以上であり、かつ彩度が2.0以下の色であると定義することができる。色相については、特に制限はなく、どのような色味であっても良い。
なお、マンセル表色系では、全ての色を明度、彩度および色相の三属性により表現することができる。マンセル表色系における明度は、最も明るい理想的な白を10とし、最も暗い理想的な黒を0とする。本態様における白色顔料は、白色を呈するため、明度は小さくても8であり、8.0以上であることが好ましい。また、マンセル表色系における彩度は、無彩色を0とし、色が濃くなるほど値が大きくなり、最大値は明度と色相に応じて適宜変化するが、最大で14である。本態様においては、有彩色であっても白色を呈することから、彩度は最大でも2であり、2.0以下であることが好ましい。
マンセル表色系の三属性は、市販の分光測色計、分光光度計等を用いることにより測定することができる。
このような白色顔料としては、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。中でも、酸化チタンは代表的である。酸化チタンの結晶型には、ルチル型およびアナターゼ型があるが、ルチル型のものを用いることがより好ましい。ルチル型は、アナターゼ型に比べて触媒活性が低く、加熱時に樹脂バインダを変質させる等の不具合を抑制することができるからである。なお、本態様における白色顔料には、1種の白色顔料のみを用いても良く、2種以上の白色顔料を混合して用いても良い。また、白色顔料に、その他の有色顔料を混合して用いても良い。
本態様における感光性樹脂として、加飾部に一般的に用いられる材料が挙げられる。具体的には、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂を1種以上用いることができる。アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤等からなる感光性樹脂を樹脂バインダの樹脂成分として用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂には、ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体等のメタクリル酸エステル共重合体、ビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシアクリレート等のカルド樹脂、等を1種以上用いることができる。多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を1種以上用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、または、アクリレートのいずれかであることを意味する。
光重合開始剤には、アルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系等、公知のものを1種以上用いることができる。例えば、アルキルフェノン系では、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア(登録商標)907、BASFジャパン株式会社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリオフェニル)ブタノン−1(イルガキュア(登録商標)369、BASFジャパン株式会社製)、オキシムエステル系では、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)(イルガキュア(登録商標)OXE01、BASFジャパン株式会社製)等を用いることができる。
本態様における樹脂バインダは、上述した材料の他にも、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの、公知の各種添加剤を含むことができる。
以上のように、本態様における白色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に白色顔料が含まれた硬化物である。ここでいう「硬化物」とは、光重合性化合物のみの硬化物に限定されず、例えば、分散剤、界面活性剤、あるいは、アルカリ現像適性のために配合されるアルカリ可溶性樹脂として用いられ得る非光重合性重合物、その他の非光重合性化合物等を、通常は含み得る硬化物をいう。
本態様における白色加飾部の形成方法は、所望の白色加飾部を形成することができる方法であれば特に限定されない。例えば、白色顔料と感光性樹脂の未硬化物とを含む白色感光性樹脂組成物を、後述する透明基材上に塗布した後、所定のパターンで露光して現像するという、いわゆるフォトリソグラフィ法が挙げられる。フォトリソグラフィ法により形成した白色加飾部は、スクリーン印刷法により形成した白色加飾部に比べて厚みを薄くすることができる。また、グラビア印刷法に比べて高い直線性で白色加飾部を形成することができる。
また、白色感光性樹脂組成物を、透明基材上に塗布する塗布法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ビードコート法等の公知の方法が挙げられる。
(b)黒色加飾部
本態様においては、黒色加飾部の全固形分量に対する黒色顔料が、40質量%〜85質量%の範囲内であれば特に限定されないが、中でも45質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましく、特に47質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましい。本態様における黒色顔料の顔料濃度が上記範囲内であることにより、所定の遮光性を得ることが可能となる。本態様においては、例えば加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際、フレキシブル表示装置における表示領域の外周部に配置された配線や制御回路等を加飾部によって隠すことができる。したがって、黒色加飾部が所定の遮光性を有することにより、配線や制御回路等が見えることによる外観の損失を抑制することができる。また、黒色顔料の顔料濃度が上記範囲内であることにより、黒色加飾部の主成分となる樹脂バインダの含有量を所定の範囲内に抑えることができるため、黒色加飾部の厚みが厚くなることによる耐屈曲性の低下を抑制することができる。
ここで、上述した所定の遮光性とは、本態様の加飾部材の用途等に応じて異なるが、例えば、本態様における黒色加飾部および上述した白色加飾部により、表示装置の配線や制御回路等を隠すことができる程度の遮光性であることが好ましい。したがって、黒色加飾部に求められる遮光性は、上述した加飾部の遮光性、すなわち加飾部の全光線透過率を達成することができれば良く、上述した白色加飾部の遮光性に応じて適宜調整されるため、特に限定されない。例えば、黒色加飾部の全光線透過率は、0.02%以下であることが好ましく、中での0.010%以下であることが好ましく、特に0.005%以下であることが好ましい。
なお、黒色加飾部の全光線透過率は、上述した加飾部の全光線透過率と同様の方法により測定することができる。
また、本態様における黒色加飾部の上記全光線透過率は、黒色加飾部に含まれる黒色顔料の顔料濃度が上述した所定の範囲内であることにより達成することができる。
さらに、本態様における黒色加飾部の厚みが1.5μmのときの光学濃度が、3.5以上であることが好ましく、中でも3.7以上であることが好ましく、特に4.0以上であることが好ましい。
なお、ここでの光学濃度とはOptical Density(OD)値をいう。また、光学濃度にて表わされるOD値は、垂直入射した入射光の強度Iinと垂直に透過した透過光の強度Ioutとを用いた「log10(Iin/Iout)」によって特定され、顕微分光測色計(オリンパス株式会社製、OSP−SP200)によって測定することができる。
また、本態様における加飾部の上記OD値は、黒色加飾部に含まれる黒色顔料の顔料濃度が上述した所定の範囲内であることにより達成することができる。
本態様における黒色加飾部は、所定の屈曲性を有することが好ましい。本態様における加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、自在に折り曲げることが可能となり、また、折り曲げることによる剥がれや割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。黒色加飾部の屈曲性については、上述した加飾部の屈曲性と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本態様における黒色加飾部の厚みは、上述した黒色顔料の顔料濃度を実現することができる程度であればよく、中でも所定の屈曲性を示す程度であることが好ましい。具体的な黒色加飾部の厚みは、例えば、0.8μm〜3.0μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.8μm〜2.5μmの範囲内であることが好ましく、特に0.8μm〜1.5μmの範囲内であることが好ましい。黒色加飾部の厚みが上記範囲内であることにより、本態様の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、自在に折り曲げることが可能となり、また、折り曲げることによる剥がれや割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。
さらに、本態様における黒色加飾部が、所望の遮光性を示しつつ、上記範囲内の厚みを達成するには、例えば、黒色加飾部に含まれる黒色顔料の顔料濃度を上述した所定の範囲内に調整することが好ましい。
本態様における黒色顔料は、黒色を呈する顔料であることが好ましい。ここでいう「黒色」とは、色味のない黒色以外に、例えば、青色がかった黒色、緑色がかった黒色、赤色がかった黒色、茶色がかった黒色、橙色がかった黒色、または白色がかった黒色等の色でも良い。このような黒色顔料としては、例えば、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタン等)、カーボンブラック等が挙げられる。チタンブラックは、カーボンブラックに比べて同濃度、同膜厚で、可視光に対するより高い遮光性が得られる。したがって、チタンブラックを用いた場合には、カーボンブラックを用いた場合に比べて、同じ遮光性であれば加飾部の厚みを薄くすることができる。なお、本態様における黒色顔料には、1種の黒色顔料のみを用いても良く、2種以上の黒色顔料を混合して用いても良い。また、黒色顔料に、その他の有色顔料を混合して用いても良い。
本態様における感光性樹脂として、加飾部に一般的に用いられる材料が挙げられる。具体的には、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂を1種以上用いることができる。アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤等からなる感光性樹脂を樹脂バインダの樹脂成分として用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂には、ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体等のメタクリル酸エステル共重合体、ビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシアクリレート等のカルド樹脂、等を1種以上用いることができる。多官能アクリレート系モノマーには、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を1種以上用いることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート、または、アクリレートのいずれかであることを意味する。
光重合開始剤には、アルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系等、公知のものを1種以上用いることができる。例えば、アルキルフェノン系では、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア(登録商標)907、BASFジャパン株式会社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリオフェニル)ブタノン−1(イルガキュア(登録商標)369、BASFジャパン株式会社製)、オキシムエステル系では、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)(イルガキュア(登録商標)OXE01、BASFジャパン株式会社製)等を用いることができる。
本態様における樹脂バインダは、上述した材料の他にも、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの、公知の各種添加剤を含むことができる。
以上のように、本態様における黒色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に黒色顔料が含まれた硬化物である。ここでいう「硬化物」とは、光重合性化合物のみの硬化物に限定されず、例えば、分散剤、界面活性剤、あるいは、アルカリ現像適性のために配合されるアルカリ可溶性樹脂として用いられ得る非光重合性重合物、その他の非光重合性化合物等を、通常は含み得る硬化物をいう。
本態様における黒色加飾部の形成方法は、所望の黒色加飾部を形成することができる方法であれば特に限定されない。例えば、黒色顔料と感光性樹脂の未硬化物とを含む黒色感光性樹脂組成物を、上述した白色加飾部上に塗布した後、所定のパターンで露光して現像するという、いわゆるフォトリソグラフィ法が挙げられる。フォトリソグラフィ法により形成した黒色加飾部は、スクリーン印刷法により形成した黒色加飾部に比べて厚みを薄くすることができる。また、グラビア印刷法に比べて高い直線性で黒色加飾部を形成することができる。
また、黒色感光性樹脂組成物を、透明基材上に塗布する塗布法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ビードコート法等の公知の方法が挙げられる。
(2)第2態様
本態様においては、加飾部の厚みが、8μm〜20μmの範囲内であり、白色加飾部の全光線透過率が20%以下であり、加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする部材である。
本態様における加飾部の厚み、すなわち白色加飾部および黒色加飾部の総厚みが、8μm〜20μmの範囲内であれば良く、中でも、8μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に8μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。加飾部の厚みが上記範囲内であることにより、本態様の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、自在に折り曲げることが可能となり、また、折り曲げることによる剥がれや割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。
本態様における加飾部は、所定の遮光性を有することが好ましい。ここで、上述した所定の遮光性とは、本態様の加飾部材の用途等に応じて異なるが、例えば、本態様における加飾部により、表示装置の配線や制御回路等を隠すことができる程度の遮光性であることが好ましい。したがって、加飾部に求められる遮光性は、後述する白色加飾部および黒色加飾部の遮光性に応じて適宜調整することができる。例えば、加飾部の全光線透過率は、0.02%以下であり、中での0.015%以下であることが好ましく、特に0.01%以下であることが好ましい。
なお、加飾部の全光線透過率は、上述した「(1)第1態様」と同様の方法により測定することができる。
また、本態様における加飾部の上記全光線透過率は、白色加飾部および黒色加飾部に含まれる顔料濃度を調整することにより達成することができる。
さらに、本態様における加飾部の厚みが10μmのときの光学濃度が、3.6以上であることが好ましく、中でも3.8以上であることが好ましく、特に4.0以上であることが好ましい。
なお、ここでの光学濃度とはOptical Density(OD)値をいう。また、光学濃度にて表わされるOD値は、垂直入射した入射光の強度Iinと垂直に透過した透過光の強度Ioutとを用いた「log10(Iin/Iout)」によって特定され、顕微分光測色計(オリンパス株式会社製、OSP−SP200)によって測定することができる。
また、本態様における加飾部の上記OD値は、白色加飾部および黒色加飾部に含まれる顔料濃度を調整することにより達成することができる。
本態様における加飾部は、所定の屈曲性を有することが好ましい。本態様における加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、自在に折り曲げることが可能となり、また、折り曲げることによる剥がれや割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。加飾部の屈曲性については、上述した「(1)第1態様」の項に記載した加飾部の屈曲性と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、白色加飾部および黒色加飾部に分けて説明する。
(a)白色加飾部
本態様における白色加飾部の厚みは、上述した加飾部の厚みを達成することができれば良く、後述する黒色加飾部の厚みに応じて適宜調整することができる。例えば、白色加飾部の厚みは、5μm〜18μmの範囲内であることが好ましく、中でも、7μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に、8μm〜12μmの範囲内であることが好ましい。本態様における白色加飾部の厚みが上記範囲内であることにより、加飾部の厚みを、上述した所望の範囲内とすることが可能となる。また、白色加飾部の厚みが上記範囲内であることにより、本態様の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、表示領域の外周部を、不透明性を有する明るい白色とすることができ、優れた意匠性を発揮することが可能となる。
本態様における白色加飾部は、後述する黒色加飾部を背面に配置した際に、黒色が透けて見えない程度の遮光性(不透明性)を有することが好ましい。例えば、白色加飾部の全光線透過率は、20%以下であり、中での18%以下であることが好ましく、特に15%以下であることが好ましい。
なお、白色加飾部の全光線透過率は、上述した「(1)第1態様」の項に記載した白色加飾部の全光線透過率と同様の方法により測定することができるため、ここでの説明は省略する。
本態様における白色加飾部は、上述した厚みおよび全光線透過率を有することを特徴とするが、このような条件を満たす白色加飾部を得るためには、例えば白色加飾部における白色顔料の顔料濃度を所定の範囲内とすることが好ましい。具体的には、白色加飾部の全固形分量に対する白色顔料が、50質量%〜85質量%の範囲内であることが好ましく、中でも55質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましく、特に60質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。なお、本態様において、白色加飾部の全固形分量に対する白色顔料の顔料濃度が上記範囲内である場合の効果については、上記「(1)第1態様」と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
また、本態様における白色加飾部のOD値、屈曲性、材料および形成方法等については、上記「(1)第1態様」と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
(b)黒色加飾部
本態様における黒色加飾部の厚みは、上述した加飾部の厚みを達成することができれば特に限定されないが、例えば、0.8μm〜3.0μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.8μm〜2.5μmの範囲内であることが好ましく、特に0.8μm〜1.5μmの範囲内であることが好ましい。本態様における黒色加飾部の厚みが上記範囲内であることにより、加飾部の厚み、すなわち白色加飾部および黒色加飾部の総厚みを、上述した所望の範囲内とすることが可能となり、所定の遮光性を付与することが可能となる。したがって、本態様の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いた際に、表示領域の外周部に配置された加飾部により、表示装置の配線や制御回路等が見え、外観が損失することを抑制することができる。
また、通常の白色加飾部は、単体での遮光性が貧しく、白色加飾部だけでは、表示装置の配線や制御回路等を隠すことに限界がある。そのため、白色加飾部のみを有する加飾部材を表示装置に用いた場合には、白色加飾部から表示装置の配線や制御回路等が透けて見えてしまうという問題がある。したがって、白色加飾部の背面に、所定の遮光性を有する黒色加飾部を設けることが好ましい。ここで、黒色加飾部の所定の遮光性とは、本態様の加飾部材の用途等に応じて異なるが、例えば、表示装置の配線や制御回路等を隠すことができる程度の遮光性であることが好ましい。具体的には、上述した加飾部の全光線透過率を達成することができる程度の遮光性であることが好ましい。例えば、黒色加飾部の全光線透過率は、0.02%以下であることが好ましく、中での0.01%以下であることが好ましく、特に0.005%以下であることが好ましい。
なお、黒色加飾部の全光線透過率は、上述した「(1)第1態様」と同様の方法により測定することができる。
また、本態様における黒色加飾部の上記全光線透過率は、黒色加飾部に含まれる黒色顔料の顔料濃度を調整することにより達成することができる。
本態様における黒色加飾部は、上述した厚みおよび所定の遮光性を有することを特徴とするが、このような条件を満たす黒色加飾部を得るためには、例えば黒色加飾部における黒色顔料の顔料濃度を所定の範囲内とすることが好ましい。具体的には、黒色加飾部の全固形分量に対する黒色顔料が、40質量%〜85質量%の範囲内であれば特に限定されないが、中でも45質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましく、特に47質量%〜70質量%の範囲内であることが好ましい。なお、本態様において、黒色加飾部の全固形分量に対する黒色顔料の顔料濃度が上記範囲内である場合の効果については、上記「(1)第1態様」と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
また、本態様における黒色加飾部のOD値、屈曲性、材料および形成方法等については、上記「(1)第1態様」と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
2.透明基材
本発明における透明基材は、フレキシブル性を有する部材であり、上述した加飾部を支持する部材である。
ここで、「透明」とは、特段の断りがない限り、本発明の加飾部材が用いられた表示装置の操作者が、操作面からの視認を妨げない程度に透明であることをいう。したがって、「透明」は、無色透明、および視認性を妨げない程度の有色透明を含み、また厳密な透過率で定義されず、本発明の加飾部材の用途等に応じて透過性の度合いを決定することができる。
本発明における透明基材は、フレキシブル性を有する部材であれば特に限定されない。ここで、フレキシブル性を有するとは、耐屈曲性試験を行うことにより確認することができる。例えば、ユアサシステム株式会社製 DLDMLH−FU 面状体U字繰り返し試験機を用いて曲げ半径R=3mm、回転数120rpm/min、ストローク20mmの条件下にて測定することにより確認することができる。
本発明における透明基材を構成する材料としては、所定のフレキシブル性を付与することができる材料であることが好ましい。例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、またはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。また、厚みによってはガラス基材を用いることもできる。本発明においては、屈曲性や耐熱性等の観点から、PIを用いることが好ましい。
本発明における透明基材の厚みは、所定のフレキシブル性を有し、加飾部材として機能する程度の剛性を有する厚みであることが好ましい。透明基材の具体的な厚みは、20μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、中でも20μm〜85μmの範囲内であることが好ましく、特に30μm〜60μmの範囲内であることが好ましい。
本発明における透明基材は、市販のものを準備しても良いが、例えば、ガラス基材上に、所定の樹脂組成物を塗布して所望の透明基材を形成しても良い。樹脂組成物を、ガラス基材上に塗布する塗布法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ビードコート法等の公知の方法が挙げられる。
3.ブラックマトリクス
本発明は、加飾部により画定された表示領域に、複数の開口部を有するブラックマトリクスを有していても良い。具体的には、図2に示すように、透明基板3上であって、白色加飾部2aおよび黒色加飾部2bにより画定された表示領域Dに開口部を有するブラックマトリクス4を有していても良い。
ブラックマトリクスの材料は、上述した黒色加飾部の材料と同一材料であることが好ましい。黒色加飾部を形成する際に、同時にブラックマトリクスを形成することができるため、ブラックマトリクスを形成するための形成工程を別途設ける必要がなくなるからである。すなわち、工程数を増やすことなく、ブラックマトリクスを形成することが可能となる。
また、ブラックマトリクスは、通常、フォトリソグラフィ法により形成される。さらに、黒色加飾部も薄膜化を図るといった観点からフォトリソグラフィ法により形成することが好ましい。このように、ブラックマトリクスおよび黒色加飾部は、いずれもフォトリソグラフィ法により形成することができるため、同時に形成することが好ましい。
なお、ブラックマトリクスの具体的な材料については、上述した黒色加飾部の材料と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明におけるブラックマトリクスは、複数の開口部を有する。開口部の形状は、本発明の加飾部材が用いられる表示装置の設計等に応じて適宜調整することができるが、例えば、三角形状、四角形状、菱形形状、六角形状等が挙げられる。
ブラックマトリクスの厚みは、ブラックマトリクスとしての機能を発揮することができる程度であることが好ましい。中でも、黒色加飾部の厚みと同じであることが好ましい。黒色加飾部と同時に形成することができるからである。なお、ブラックマトリクスの具体的な厚みは、上述した加飾部の厚みと同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
また、ブラックマトリクスに配置された複数の開口部の大きさや数、ピッチ等は、本発明の加飾部材が用いられる表示装置の設計等に応じて適宜調整することができるため、ここでの記載は省略する。
ブラックマトリクスの形成方法は、一般的な表示装置に用いられるブラックマトリクスと同様の形成方法を用いることができる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等によりブラックマトリクス層を形成し、フォトリソグラフィ法によりブラックマトリクス層をパターニングする方法が挙げられる。したがって、ブラックマトリクスと黒色加飾部とを同時に形成する場合には、白色加飾部が形成された透明基材上に、黒色加飾部およびブラックマトリクスの構成材料からなる層を形成し、その後、フォトリソグラフィ法により当該層をパターニングして黒色加飾部およびブラックマトリクスを形成することができる。
4.着色部
本発明においては、ブラックマトリクスの開口部に着色部を有していても良い。すなわち、着色部は、ブラックマトリクスの開口部に配置されたパターン状の部材である。具体的には、図3に示すように、ブラックマトリクス4の開口部に着色部5(ここでは、赤色着色部5R、緑色着色部5G、青色着色部5B)を有していても良い。
着色部は、例えば赤、緑、青の3色の着色部を有する。着色部の色としては、赤、緑、青の3色を少なくとも含むものであればよく、例えば、赤、緑、青の3色、赤、緑、青、黄の4色、または、赤、緑、青、黄、シアンの5色等とすることもできる。
着色部としては、例えば色材をバインダ樹脂中に分散させたものを用いることができる。
着色部に用いられる色材としては、各色の顔料や染料等が挙げられる。例えば、赤色着色層に用いられる色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。また、緑色着色層に用いられる色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。さらに、青色着色層に用いられる色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料や染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。着色部に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が挙げられる。
着色部には、上述した材料の他にも、必要に応じて、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有させることができる。
また、着色部が形成されている同一平面上には、上述した色材を含有せず、バインダ樹脂を含有する白色層が形成されていてもよい。
着色部の配列は特に限定されるものではなく、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができる。
着色部の厚みとしては、カラーフィルタにおける一般的な着色部の膜厚と同様とすることができ、例えば1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。
ブラックマトリクスの開口部に、パターン状の着色部を形成する形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。
5.センサ電極
本発明においては、ブラックマトリクス上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有していても良い。
本発明においては、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極であれば良く、一般的なタッチパネルに用いられるセンサ電極を用いることができる。本発明におけるセンサ電極は、通常、メッシュ状の第1電極および第2電極を有することが好ましい。具体的には、図4に示すように、ブラックマトリクス4上に第1電極6aおよび第2電極6bを有していても良い。なお、図4では、第1電極6aおよび第2電極6bが隣接するブラックマトリクス4上に交互に配置されており、第1電極6aおよび第2電極6bの間には、第1電極6aおよび第2電極6bを電気的に絶縁するための絶縁層7が配置されており、第2電極6b上に保護層8が配置された例を示している。
センサ電極におけるメッシュ状の第1電極および第2電極の平面視形状および平面視外形形状は、例えば、特許第4610416号、特開2010−286886号公報、特開2004−192093号公報、特開2010−277392号公報、特開2011−129501号公報等に示されるような、一般的なタッチパネルに用いられるセンサ電極と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
センサ電極に用いられる材料としては、例えば、銀、金、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等が挙げられる。金属合金としては、APCと称される銀、パラジウム、銅の合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAMと称されるモリブデン、アルミニウム、モリブデンの3層構造体等も適用可能である。さらに、例えばPEDOT等の樹脂材料に上記金属を加えた導電性高分子を用いることもできる。
本発明におけるセンサ電極は、上述したブラックマトリクス上に配置されることが好ましい。そのため、センサ電極の線幅は、ブラックマトリクスの線幅に応じて適宜調整することができるが、ブラックマトリクスの線幅と同等もしくはそれ以下であることが好ましい。具体的なセンサ電極の線幅としては、例えば、1.0μm〜28μmの範囲内であることが好ましく、中でも1.5μm〜23μmの範囲内であることが好ましく、特に2.0μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。センサ電極の線幅が上記範囲内であることにより、ブラックマトリクス上にセンサ電極を好適に配置することができ、本発明の加飾部材を表示装置に用いた際に、表示装置の視認性への影響を抑えることができる。また、本発明の加飾部材を屈曲させた際のセンサ電極の剥離や割れを効果的に抑制することができる。
また、センサ電極の厚みは、タッチパネルの位置検知を行うことができる程度の導電性が発揮できる厚みであることが好ましい。センサ電極の厚みとしては、例えば、10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜800nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。センサ電極の厚みが上記範囲内であることにより、本発明の加飾部材を屈曲させた際のセンサ電極の剥離や割れを効果的に抑制することができる。
センサ電極の形成方法としては、例えば、メッシュ状の第1電極および第2電極を形成することが可能な方法であることが好ましい。具体的には、センサ電極を構成する導電性材料を用いて導電層を形成し、次に、導電層上にレジストパターンを形成して、当該レジストパターンをマスクとして導電層をエッチングする方法が挙げられる。このとき、導電層を形成する方法には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。
6.円偏光板
本発明においては、加飾部により画定された表示領域に、円偏光板を有していても良い。具体的には、図5に示すように、加飾部2により画定された表示領域Dに、円偏光板9を有していて良く、この場合、加飾部2の開口部に平坦化層11を配置することができる。なお、本発明においては、加飾部の厚みを薄くすることができるため、加飾部材上に粘着層を介して円偏光板を配置することもできる。
本発明における円偏光板は、一般的な表示装置に用いられるものと同様とすることができ、例えば、偏光板、各種位相差層を有していても良い。
円偏光板に用いられる偏光板は、例えば、透過光を直交する二つの偏光成分に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分を透過させ、上記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分を吸収することができる。このような偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させることにより形成することができる。
また、位相差層としては、例えば、面内レターデーション値がλ/4に相当する位相差層、面内レターデーション値がλ/2に相当する位相差層、および正のCプレート(+Cプレート)を含む位相差層等が挙げられる。位相差層の組み合わせや構成については、本発明の加飾部材の用途等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
7.その他の部材
本発明の加飾部材は、上述した透明基材、白色加飾部および黒色加飾部を有していれば良く、必要に応じてその他の部材を有していても良い。その他の部材としては、例えば、平坦化層、粘着層、絶縁層、保護層、反射防止層等が挙げられる。
(1)平坦化層
本発明における平坦化層は、透明基材上において、加飾部が形成されていない領域、すなわち加飾部の開口部内に配置することができる。平坦化層が配置されていることにより、本発明の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いる際に、加飾部材の設置を容易に行うことが可能となる。
本発明における平坦化層を構成する材料には、所定の光透過性を有し、また加飾部と同様に所定の屈曲性を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、樹脂材料を用いることができる。なお、平坦化層に用いられる樹脂材料については、上述した透明基材に用いられる樹脂材料と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
平坦化層の厚みは、平坦化層を設けることによる上述した効果が得られる程度の厚みであることが好ましい。具体的には、上述した加飾部の厚みと同等であるか、あるいは加飾部の厚みよりも薄いことが好ましい。
(2)粘着層
本発明における粘着層は、透明基材上において、加飾部が形成されていない領域、すなわち加飾部の開口部内に配置することができる。粘着層が配置されていることにより、本発明の加飾部材をフレキシブル表示装置に用いる際に、加飾部材を容易に貼り付けることが可能となる。
本発明における粘着層を構成する材料には、所定の光透過性を有し、また加飾部と同様に所定の屈曲性を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の一般的な材料を用いることができる。
粘着層の厚みは、例えば本発明の加飾部材をフレキシブル表示装置に貼り合わせることができる程度の厚みであることが好ましい。具体的には、上述した加飾部の厚みと同等であるか、あるいは加飾部よりも厚みが厚いことが好ましい。
(3)絶縁層
本発明における絶縁層は、例えば、図4の符号7で示すように、センサ電極6がメッシュ状の第1電極6aおよび第2電極6bを有する場合に、第1電極6aおよび第2電極6bを電気的に絶縁する際に用いることができる。
本発明における絶縁層の材料は、所望の絶縁性を有する材料であることが好ましく、タッチパネルに一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、光透過性のアクリル樹脂、シロキサン樹脂等が挙げられる。
絶縁層の厚みは、例えば、第1電極および第2電極間を電気的に絶縁し、短絡を防止することができる程度の厚みであることが好ましい。具体的な絶縁層の厚みは、一般的なタッチパネルに用いられる絶縁層の厚みと同様とすることができ、例えば、0.5μm〜3μmの範囲内とすることができる。
(4)保護層
本発明における保護層は、透明基材の加飾部が形成された側の表面に、加飾部および開口部を覆うように配置することができる。例えば、図4の符号8で示すように、センサ電極6がメッシュ状の第1電極6aおよび第2電極6bを有する場合に、第2電極6bを覆うように配置することができる。保護層が配置されていることにより、本発明の加飾部材の保護機能を高めることが可能となる。
本発明における保護層を構成する材料には、所定の光透過性を有し、また所定のフレキシブル性を有する材料を用いることが好ましい。例えば、一般的な保護層に用いることができる樹脂材料が挙げられ、中でも耐熱性や耐擦傷性を有する樹脂材料であることが好ましい。具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
保護層の厚みは、例えば保護層としての保護機能を発揮することができ、また本発明の加飾部材が有するフレキシブル性を損なわない程度の厚みであることが好ましい。具体的には、例えば1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
(5)反射防止層
本発明における反射防止層は、透明基材の加飾部が形成された側の表面に、加飾部および開口部を覆うように配置することができる。反射防止層が配置されていることにより、本発明の加飾部材表面への外光の反射を抑制することができ、視認性を高めることが可能となる。
本発明の反射防止層を構成する材料には、所定の光透過性を有し、また所定のフレキシブル性を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、一般的な反射防止層に用いることができる材料が挙げられるため、ここでの記載は省略する。
反射防止層の厚みは、例えば反射防止層としての反射防止機能を発揮することができ、また本発明の加飾部材が有するフレキシブル性を損なわない程度の厚みであることが好ましい。なお、具体的な反射防止層の厚みについては、反射防止層を構成する材料等に応じて適宜調整することができるため、ここでの記載は省略する。
(6)赤外透過窓
本発明において、加飾部により赤外透過窓が形成されていても良い。赤外透過窓は、可視光を遮蔽し、赤外光を透過する部分であり、例えば、本発明の加飾部材をスマートフォン等のタッチパネル機能を備えた携帯電話に用いた際に機能する。具体的には、タッチパネル機能を備えた携帯電話は、通話時に携帯電話を耳にあてがったときに、タッチパネルの誤作動を防ぐために、または表示パネルの表示を消して電池寿命を長くするために、人肌の接近を感知する人感センサを好適に用いることができるが、上記赤外透過窓は、この人感センサとして機能する。
加飾部により赤外透過窓が形成される場合、透明基材と赤外透過窓を有する加飾部との間、もしくは加飾部に形成された赤外透過窓を覆うように赤外透過層が配置される。なお、赤外透過窓の具体的な構成や赤外透過層等については、例えば特許第5392641号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
赤外透過窓は、所望の赤外透過窓を形成することが可能な方法により形成することが好ましい。例えば、加飾部を形成する工程として、赤外透過窓を同時に形成することが好ましい。具体的には、黒色顔料と感光性樹脂の未硬化物とを含む黒色感光性樹脂組成物を、透明基材上に塗布した後、所定のパターンで露光して現像するという、いわゆるフォトリソグラフィ法によりパターニングして加飾部を形成する際に、赤外透過窓も同時にパターニングして形成することが好ましい。赤外透過窓を形成する工程を別途必要としないため、赤外透過窓を形成することによる製造工程の増加を抑制することができるからである。
また、赤外透過窓に配置される赤外透過層は、赤外透過層を形成する赤外透過性組成物を、透明基材上に塗布した後、所定のパターンで露光して現像するという、いわゆるフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより形成することができる。
8.加飾部材の製造方法
本発明の加飾部材の製造方法は、所望の加飾部材を得ることができる方法であれば特に限定されない。
以下、図を参照しながら説明する。
図6(a)〜(c)は、本発明の加飾部材の製造方法の一例を示す概略工程図である。図6(a)に示すように、透明基材3を準備し、次に、図6(b)に示すように、透明基材3上に、フォトリソグラフィ法によりパターン状に加飾部2を形成することにより、加飾部材1を製造することができる。なお、加飾部を配置する際には、ロールツーロールを用いることもできる。また、このように得られた加飾部材を、例えばフレキシブル表示装置に配置する方法としては、例えば図6(c)に示すように、加飾部材を、キャリアガラス基材13上に配置して、その後、図示はしないが、得られた積層体をフレキシブル表示装置に貼り合わせた後に、キャリアガラス基材を剥離する方法が挙げられる。このとき、キャリアガラス基材と透明基材との間には、再剥離可能な粘着層を有していても良い。
また、図7(a)〜(c)は、本発明の加飾部材の製造方法の他の例を示す概略工程図である。図7(a)に示すように、キャリアガラス基材13を準備し、次に、図7(b)に示すように、キャリアガラス基材13上に塗布法により透明基材3を形成し、次いで、図7(c)に示すように、透明基材3上に、フォトリソグラフィ法によりパターン状に加飾部2を形成することにより、加飾部材を製造することができる。また、このように得られた加飾部材を、例えばフレキシブル表示装置に配置する方法としては、図示はしないが、図7(c)で得られた積層体を、フレキシブル表示装置に貼り合わせた後に、キャリアガラス基材を剥離する方法が挙げられる。
本発明の加飾部材を形成する際に、透明基材およびキャリアガラス基材の間に用いられる粘着層は、一般的な粘着層であれば用いることができ、初期粘着力および再剥離性の観点からアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。なお、アクリル系粘着剤の組成については、特に限定されない。
本発明においては、加飾部材をキャリアガラス基材上に形成することにより、加飾部材が、製造過程における加熱により収縮してしまう等の不具合を抑制することができる。したがって、加飾部材の表示領域にブラックマトリクス等を配置する際に、高精細な位置合わせが可能となる。
なお、各部材の詳しい形成方法については、各部材についての項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
9.具体例
本発明の加飾部材の具体例としては、次のような構成のものが挙げられる。
(1)具体例1
本発明の加飾部材の具体例1は、加飾部材がタッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有する例である。
以下、本発明における具体例1について、図を参照しながら説明する。
本発明の加飾部材の具体例1は、図8に示すように、透明基材3と、透明基材3上に配置された加飾部2と、加飾部2により画定された表示領域に配置され、複数の開口部を有するブラックマトリクス4と、ブラックマトリクス4上に配置されたメッシュ状のセンサ電極6とを有する例である。また、具体例1は、センサ電極6がメッシュ状の第1電極6aおよび第2電極6bを有し、第1電極6aおよび第2電極6bは、絶縁層7を介して電気的に絶縁している。
本発明における具体例1では、加飾部と同一平面上にブラックマトリクスを有することにより、加飾部およびブラックマトリクスを同一材料で、かつ同時に形成することが可能となる。したがって、加飾部およびブラックマトリクスを別々で形成する場合に比べて形成工程の削減を図ることが可能となる。また、加飾部材にセンサ電極が一体化していることにより、加飾部材上に別途センサ電極基材を形成する場合に比べて、加飾部材を表示装置に用いた場合に、表示装置の厚みを薄くすることが可能である。
(2)具体例2
本発明の加飾部材の具体例2は、加飾部材がセンサ電極および着色部を有する例である。
以下、本発明における具体例2について、図を参照しながら説明する。
本発明の加飾部材の具体例2は、図9に示すように、透明基材3と、透明基材3上に配置された加飾部2と、加飾部2により画定された表示領域に配置され、複数の開口部を有するブラックマトリクス4と、ブラックマトリクス4上に配置されたメッシュ状のセンサ電極6と、ブラックマトリクス4の開口部に配置された着色部15(ここでは、赤色着色部15R、緑色着色部15G、青色着色部15B)とを有する。また、具体例2は、センサ電極6がメッシュ状の第1電極6aおよび第2電極6bを有し、第1電極6aおよび第2電極6bは、絶縁層7を介して電気的に絶縁している。
本発明における具体例2では、ブラックマトリクスの開口部に着色部を有し、加飾部材にセンサ電極および着色部が一体化していることにより、加飾部材上に別途センサ電極基材や着色部を有する着色層を形成する場合に比べて、加飾部材を表示装置に用いた場合に、表示装置の厚みを薄くすることが可能である。
(3)具体例3
本発明の加飾部材の具体例3は、加飾部材が、円偏光板およびセンサ電極を有する例である。
以下、本発明における具体例3について、図を参照しながら説明する。
本発明の加飾部材の具体例3は、図10に示すように、透明基材3と、透明基材3上に配置された加飾部2と、加飾部2により画定された表示領域に配置された円偏光板9と、円偏光板9上の表示領域に配置され、複数の開口部を有するブラックマトリクス4と、ブラックマトリクス4上に配置されたメッシュ状のセンサ電極6とを有する例である。また、具体例3は、センサ電極6がメッシュ状の第1電極6aおよび第2電極6bを有し、第1電極6aおよび第2電極6bは、絶縁層7を介して電気的に絶縁している。
本発明における具体例3では、従来の加飾部に比べて薄膜化を実現することができるため、透明基材と加飾部との段差を極めて小さくすることが可能である。そのため、当該段差を埋めるための平坦化層を用いずに、円偏光板をそのまま形成することができ、平坦化層を用いた場合に比べて、加飾部材を表示装置に用いた場合に、表示装置の厚みを薄くすることが可能である。
(4)具体例4
本発明の加飾部材の具体例4は、加飾部材が、円偏光板、センサ電極および着色部を有する例である。
以下、本発明における具体例4について、図を参照しながら説明する。
本発明の加飾部材の具体例4は、図11に示すように、透明基材3と、透明基材3上に配置された加飾部2と、加飾部2により画定された表示領域に配置された円偏光板9と、円偏光板9上の表示領域に配置され、複数の開口部を有するブラックマトリクス4と、ブラックマトリクス4上に配置されたメッシュ状のセンサ電極6と、ブラックマトリクス4の開口部に配置された着色部15(ここでは、赤色着色部15R、緑色着色部15G、青色着色部15B)とを有する例である。また、具体例4は、センサ電極6がメッシュ状の第1電極6aおよび第2電極6bを有し、第1電極6aおよび第2電極6bは、絶縁層7を介して電気的に絶縁している。
本発明における具体例4では、従来の加飾部に比べて薄膜化を実現することができるため、透明基材と加飾部との段差を極めて小さくすることが可能である。そのため、当該段差を埋めるための平坦化層を用いずに、円偏光板をそのまま形成することができ、平坦化層を用いた場合に比べて、加飾部材を表示装置に用いた場合に、表示装置の厚みを薄くすることが可能である。また、ブラックマトリクスの開口部に着色部を有し、加飾部材にセンサ電極および着色部が一体化していることにより、加飾部材上にセンサ電極基材および着色層を別途形成する場合に比べて、加飾部材を表示装置に用いた場合に、表示装置の厚みを薄くすることが可能である。
B.表示装置
本発明の表示装置は、上述した加飾部材と、表示パネルとを有する装置である。
以下、本発明の表示装置について、図を参照しながら説明する。
図12は、本発明の表示装置の一例を示す概略平面図である。図12に示すように、本発明においては、加飾部材1および表示パネル20を有していればよい。また、加飾部材1がタッチパネル機能を有しない場合、本発明の表示装置100は、加飾部材1および表示パネル20の間にタッチパネル10を有していても良い。
なお、本発明の表示装置の具体的な構成については、例えば、特許第5392641号と同様とすることができるため、ここでの詳しい記載は省略する。
本発明によれば、表示装置を屈曲させた際に、加飾部の剥がれや割れの発生を抑制することができる。また、加飾部が所定の遮光性を有することにより、加飾部により配線等を隠し、優れた外観を得ることができる。
なお、具体的な効果については、上記「A.加飾部材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明の表示装置は、上述した加飾部材および表示パネルを有していれば特に限定されないが、所定のフレキシブル性を有することが好ましい。
ここで、所定のフレキシブル性とは、本発明の表示装置に対して屈曲耐久試験を10万回実施した後、表示装置の特性に不具合が生じないことを指す。
なお、表示装置の屈曲耐久試験は、ユアサシステム株式会社製 DLDMLH−FU 面状体U字繰り返し試験機、曲げ半径R=3mm、回転数120rpm/min、ストローク20mmにより測定することができ、または、DLDMLH−FS 面状体無負荷U字伸縮試験機、曲げ半径R=3mm、回転数120rpm/min、ストローク20mmにより測定することができる。
以下、本発明の表示装置を構成する加飾部材、表示パネルおよびタッチパネルについて説明する。
1.加飾部材
本発明における加飾部材は、フレキシブル性を有する透明基材と、前記透明基材上に配置された加飾部とを有する部材である。なお、加飾部材については、上記「A.加飾部材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.表示パネル
本発明における表示パネルは、液晶表示パネル、電解発光(EL)パネルが代表的であるが、その他、電子ペーパーパネル、ブラウン管によるディスプレイ装置でも良く、公知の各種表示パネルでも良い。
上述した表示パネルについては、一般的な表示装置に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。
3.タッチパネル
本発明におけるタッチパネルは、典型的には、マルチタッチ(多点同時入力)が可能な投影型静電容量方式のタッチパネルであるが、この他、表面型静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式、光学方式等、透明電極を必要しない位置検知方式も含めた公知の各種位置検知方式のタッチパネルのいずれでも用いることができる。
タッチパネルは、表示装置における表示領域の外周部に、配線、制御回路、これらを電気的に接続するコネクタ等の何らかの不透明な構成要素を有していても良い。これらの不透明な構成要素が、加飾部材において加飾部が配置された不透明領域と平面視上重なるように配置されることが好ましい。加飾部により、不透明な構成要素を隠すことができ、表示装置の外観を向上させることができるからである。
4.用途
本発明の表示装置の用途としては、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレットPC等の携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、デジタルカメラ、電子手帳、ゲーム機器、自動販売機、ATM端末、POS端末等が挙げられる。
C.有機EL表示装置の製造方法
本発明の有機EL表示装置の製造方法は、第1のガラス基材上に貼着され、第1の透明基材上に加飾部が形成された加飾部材を準備する加飾部材準備工程と、上記加飾部材上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有するセンサ電極基材を積層するセンサ電極基材積層工程と、第2のガラス基材上に貼着された有機EL基材を準備する有機EL基材準備工程と、上記加飾部材上に積層された上記センサ電極基材、および上記有機EL基材を貼り合わせる貼合工程とを有し、上記加飾部材が、上述の上記加飾部材であることを特徴とする方法である。
本発明の有機EL表示装置の製造方法について、図を参照しながら説明する。本発明の有機EL表示装置の製造方法は、例えば、図13(a)〜(d)に示すような工程により行うことができる。まず、図13(a)に示すように、第1のキャリアガラス基材13上に、加飾部材1を貼着させ、加飾部材1を準備する加飾部材準備工程を有する。次に、図13(b)に示すように、センサ電極基材を加飾部材上に積層するセンサ電極基材積層工程を有する。なお、ここでのセンサ電極基材40は、加飾部材1上に開口部を有するブラックマトリクス4を形成し、上記ブラックマトリクス4上にセンサ電極である第1電極6aおよび第2電極6bを形成することにより、得ることができる。続いて、図13(c)に示すように、第2のキャリアガラス基材13上に、第2の透明基材3、有機EL画素15(ここでは、赤色画素15R、緑色画素15G、青色画素15B)、および薄膜トランジスタ(TFT)配線14を有する有機EL基材を貼着して、有機EL基材50を準備する有機EL基材準備工程を有する。最後に、図13(d)に示すように、センサ電極基材40および有機EL基材50を貼り合わせる貼合工程を有し、図示はしないがキャリアガラスを剥離することにより、有機EL表示装置を得ることができる。なお、センサ電極基材40および有機EL基材50の貼り合わせは、接着層16により行うことができる。
本発明においては、センサ電極基材および有機EL基材の間に、カラーフィルタを有していても良い。また、加飾部材およびセンサ電極基材の間に、円偏光板を有していても良い。
以下、本発明の有機EL表示装置の製造方法における、センサ電極基材形成工程および有機EL基材形成工程について説明する。
1.加飾部材準備工程
本発明における加飾部材準備工程は、第1のガラス基材上に貼着され、第1の透明基材上に加飾部が形成された加飾部材を準備する工程である。
本工程において用いられる第1のガラス基材は、一般的な表示装置の製造工程において用いられるガラス基材と同様のものを用いることができる。また、ここで用いられる第1のガラス基材は、本発明の製造方法の最後に剥離することができる部材であるため、その厚みや大きさについては、特に限定されない。
なお、本工程において形成される加飾部材については、上記「A.加飾部材」の項で記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.センサ電極基材積層工程
本発明におけるセンサ電極基材積層工程は、加飾部材上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有するセンサ電極基材を積層する工程である。
なお、本工程において形成される加飾部材、ブラックマトリクス、センサ電極については、上記「A.加飾部材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.有機EL基材準備工程
本発明における有機EL基材準備工程は、第2のガラス基材上に貼着された有機EL基材を準備する工程である。
本工程において形成される有機EL基材は、一般的な有機EL基材であれば特に限定されるものではなく、製造方法も公知の方法を採用することができる。なお、有機EL基材については、例えば、特開2015−162588号公報、特開2015−072827号公報等と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
4.貼合工程
本発明における貼合工程は、加飾部材上に積層されたセンサ電極基材、および有機EL基材を貼り合わせる工程である。
本工程における貼り合わせは、センサ電極基材および有機EL基材の間に粘着層等を設けることにより行うことができる。具体的には、センサ電極基材または有機EL基材の表面に粘着層を配置して圧着することにより貼り合わせることができる。
本工程において用いられる粘着層は、一般的な有機EL表示装置の形成工程において用いることができるものと同様のものを用いることができるため、ここでの記載は省略する。
5.その他の工程
本発明においては、上述した加飾部材準備工程、センサ電極基材積層工程、有機EL基材準備工程、および貼合工程を有していれば良く、必要に応じてその他の工程を有していても良い。
例えば、加飾部材およびセンサ電極基材との間に円偏光板を設ける場合には、加飾部材準備工程およびセンサ電極基材積層工程の間に、加飾部材上に円偏光板を積層する円偏光板積層工程を有していても良い。
また、センサ電極基材および有機EL基材との間にカラーフィルタを設ける場合には、有機EL基材準備工程および貼合工程の間に、有機EL基材上にカラーフィルタを積層するカラーフィルタ積層工程を有していても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1〜6]
透明基材(材料:トリアセチルセルロース(TAC)、厚み:40μm)上に、ダイコート法を用いて下記組成からなる加飾部形成用組成物を塗布し、表1に示すような全光線透過率および厚みを有する加飾部を形成した。このようにして、加飾部材を形成した。加飾部材形成用組成物には、白色顔料または黒色顔料(被覆カーボン)を有し、アクリル系樹脂、アルカリ可溶性樹脂を主成分とする感光性樹脂組成物を用いた。
[評価]
実施例1〜6により得られた加飾部材について、ユアサシステム株式会社製 DLDMLH−FU 面状体U字繰り返し試験機を用いて、曲げ半径R=3mm、回転数120rpm、ストローク20mmの条件で屈曲耐久試験を20万回実施し、その後加飾部の割れまたは剥がれがないかについて評価した。結果は、下記表1の通りである。
・割れ
○:割れ無し
△:僅かに割れ有り
・剥がれ
○:剥がれ無し
△:僅かに剥がれ有り
1 …加飾部材
2 …加飾部
2a …白色加飾部
2b …黒色加飾部
3 …透明基材
4 …ブラックマトリクス
5 …着色部
6 …センサ電極
9 …円偏光板
20 …表示パネル
40 …センサ電極基材
50 …有機EL基材
100 …表示装置
200 …有機EL表示装置
D …表示領域

Claims (9)

  1. フレキシブル性を有する透明基材と、前記透明基材上に配置された加飾部とを有する加飾部材であって、
    前記加飾部は、前記透明基材上に配置された白色加飾部、および前記白色加飾部上に配置された黒色加飾部を有し、
    前記白色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に白色顔料が含まれた硬化物であり、
    前記白色加飾部の全固形分量に対する白色顔料の顔料濃度が、50質量%〜85質量%の範囲内であり、
    前記白色加飾部の全光線透過率が20%以下であり、
    前記黒色加飾部は、感光性樹脂を含む樹脂バインダ中に黒色顔料が含まれた硬化物であり、
    前記黒色加飾部の全固形分量に対する黒色顔料の顔料濃度が、40質量%〜85質量%の範囲内であり、
    前記加飾部の全光線透過率が0.02%以下であることを特徴とする加飾部材。
  2. 前記加飾部の厚みが、8μm〜20μmの範囲内であり、
    曲げ半径3mmの屈曲耐久試験を10万回以上実施した後、前記加飾部の割れまたは剥がれがないことを特徴とする請求項1に記載の加飾部材。
  3. 前記加飾部により画定された表示領域に、複数の開口部を有するブラックマトリクスを有し、
    前記ブラックマトリクスが、前記黒色加飾部と同一材料により構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加飾部材。
  4. 前記開口部に、着色部を有することを特徴とする請求項3に記載の加飾部材。
  5. 前記ブラックマトリクス上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の加飾部材。
  6. 前記加飾部により画定された表示領域に、円偏光板を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加飾部材。
  7. 前記円偏光板上に、複数の開口部を有するブラックマトリクスを有し、
    前記ブラックマトリクス上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有することを特徴とする請求項6に記載の加飾部材。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載された加飾部材と、
    表示パネルとを有することを特徴とする表示装置。
  9. 第1のガラス基材上に貼着され、第1の透明基材上に加飾部が形成された加飾部材を準備する加飾部材準備工程と、
    前記加飾部材上に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極を有するセンサ電極基材を積層するセンサ電極基材積層工程と、
    第2のガラス基材上に貼着された有機エレクトロルミネッセンス基材を準備する有機エレクトロルミネッセンス基材準備工程と、
    前記加飾部材上に積層された前記センサ電極基材、および前記有機エレクトロルミネッセンス基材を貼り合わせる貼合工程と
    を有し、
    前記加飾部材が、請求項1または請求項2に記載された前記加飾部材であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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