JP6279851B2 - 筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤 - Google Patents

筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤 Download PDF

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Description

本発明は、生体内で筋肉の萎縮を防止する、及び/又は筋肉の合成を促進する作用を有し、サルコペニアや廃用性筋萎縮等の種々の筋疾患の予防や治療に有用な筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤に関する。本発明はまた、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤を配合した筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飲食品、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用栄養組成物、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飼料に関する。
近年、日本人の平均寿命は80歳に迫り、およそ4人に1人は65歳以上という、超高齢社会を迎えた。これに伴って、運動器の障害の罹患率も増加の一途を辿り、2007年に日本整形外科学会は、運動器の健康維持・増進、介護についての国民ならびに医師の意識改革を推進するために、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」という新しい言葉を提唱した。ロコモティブシンドロームは、運動器の機能不全により要介護状態および要介護リスクが高まった状態を示し、運動器には骨・関節・靱帯、脊椎・脊髄、筋肉・腱、末梢神経など、体を支え、動かす役割を有する器官が総じて含まれる。これら運動器で見られる代表的な疾患および機能障害として、骨粗鬆症やサルコペニア、変形性関節症などが挙げられる。
サルコペニアは、進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群である。サルコペニアは、狭義には加齢に関連して生じるものとして定義されるが、広義にはあらゆる原因による筋肉量と筋力の低下を意味する。広義のサルコペニアの場合、加齢以外に明らかな原因がないものを一次性(加齢性)サルコペニア、加齢以外の1つ以上の原因が明らかなものを二次性サルコペニアと分類している。二次性サルコペニアは、活動量の低下に起因するもの、疾患によるもの、栄養素の摂取不足によるものの大きく3つに分けられる。つまり、二次性サルコペニアの患者は高齢者に限らず、例えば、入院などによって、長期間筋肉を使わない状態が続いた場合に生じる廃用性筋萎縮も二次性サルコペニアのひとつとされる。
サルコペニアの発病と進行には、骨格筋タンパク質の代謝が関連している。骨格筋の量は、筋タンパク質合成と筋タンパク質分解のバランスにより調整されているが、そのバランスが崩れて合成量が分解量を下回る、あるいは、分解量が合成量を上回ると、筋肉の萎縮が生じて筋肉量が低下する。高齢者においては、タンパク質の合成促進作用および分解抑制作用を有する成長ホルモンの分泌量が低下することや、タンパク質合成抑制作用を有する副腎皮質ホルモン(グルココルチコイド)の血中濃度が上昇することなどによって、合成量が分解量を下回り、これが筋萎縮の原因となる。一方、二次性サルコペニアでは、骨格筋への運動刺激がないことで、タンパク質合成が低下した結果、分解量が合成量を上回り、筋萎縮が生じる。
サルコペニアなどの筋疾患の予防や改善には、運動面における高強度のレジスタンストレーニングが有効であることが確認されている。しかし、高齢者や病後の療養生活において、高強度の運動を積極的に実施することは身体的な負担が大きく、また実施の際にも、専門家による適切な指導が必要となる。このため、サルコペニアの予防や改善には、基礎体力や運動機能が低下した人でも手軽に実施できる栄養面からのアプローチが望まれている。
サルコペニアなどの筋疾患の予防や改善に有効な、筋肉機能を改善させる効果を有する食品成分としては、例えば、リコピンによるタンパク質分解抑制(特許文献1)、カテキン類による筋肉老化抑制(特許文献2)等が開示されている。また、タンパク質やアミノ酸の摂取による骨格筋萎縮の予防と早期回復に関する検討も行なわれている。特に、牛乳中に含まれる乳清タンパク質は、大豆タンパク質と比較して筋肉の合成に関わる分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acids;BCAA)含量が高い上、NPU(Net Protein Utilization;正味タンパク質利用率)も高いことや、特開2011−160757に記載の乳清タンパク質加水分解物にはタンパク質の合成を促進することが知られており、運動時における筋肉の増強および回復のためのサプリメントとして利用が進んでいる。しかしながら、これら成分は有効摂取量が多いため、日常的な摂取が負担となるほか、飲食品へ応用する場合には、それらの成分特有の風味あるいは呈色が飲食品の官能へ悪影響を及ぼす可能性があるといった問題がある。
特開2004−59518号公報 特開2008−63321号公報 特開2011−160757号公報
本発明は、生体内での筋肉の萎縮を抑制する、及び/又は筋肉の合成を促進する作用を有する有効摂取量が従来品に比べ少量である、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤並びに筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤を配合した筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飲食品、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用栄養組成物、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飼料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を進めたところ、乳由来の塩基性タンパク質画分やその分解物とホエイタンパク質加水分解物を同時に摂取することにより、優れた筋肉の萎縮防止及び/又は合成促進効果があることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の構成によるものである。
(1)乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を有効成分とする筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(2)前記乳由来塩基性タンパク質画分分解物が、乳由来塩基性タンパク質画分をタンパク質加水分解酵素で処理して得られるものであることを特徴とする(1)に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(3)前記タンパク質加水分解酵素が、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、パパインなる群から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする(2)に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(4)前記乳由来塩基性タンパク質画分が、そのアミノ酸組成中に塩基性アミノ酸を15重量%以上含有していることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(5)前記乳由来塩基性タンパク質画分が、乳または乳由来の原料を陽イオン交換樹脂に接触させて塩基性タンパク質を吸着させ、この樹脂に吸着した画分を塩濃度0.1M〜1.0Mの溶出液で溶出して得られる画分である(1)から(3)のいずれかに記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(6)前記ホエイタンパク質加水分解物が分解率25%以上であることを特徴とする(1)に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(7)前記ホエイタンパク質加水分解物が、以下の特徴を有するものである(1)に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(A)分子量が10kDa以下、メインピークが200Da〜3kDaである。
(B)ALP(平均ペプチド鎖長)が2〜8である。
(C)遊離アミノ酸含量が20%以下である。
(D)抗原性がβ−ラクトグロブリンの抗原性の1/10,000以下である。
(8)前記ホエイタンパク質加水分解物が、ホエイタンパク質をpH6〜10、50〜70℃において耐熱性のタンパク質加水分解酵素を用いて熱変性させながら酵素分解し、加熱して酵素を失活させて得られるものであることを特徴とする(1)に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(9)前記ホエイタンパク質加水分解物が、ホエイタンパク質をpH6〜10、20〜55℃においてタンパク質加水分解酵素を用いて酵素分解し、これを50〜70℃に昇温させ、pH6〜10、50〜70℃において耐熱性のタンパク質加水分解酵素を用いて未分解のホエイタンパク質を熱変性させながら酵素分解し、加熱して酵素を失活させて得られるものであることを特徴とする(1)に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
(10)(1)から(9)のいずれかに記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤を含むことを特徴とする筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飲食品、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用栄養組成物、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飼料。
(11)乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を、同時に、それぞれ1日あたり5mg以上と10mg以上摂取することによる筋萎縮を防止する及び/又は筋合成を促進する方法。
本発明の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤は、生体内で筋肉の萎縮を抑制する、及び/又は筋肉の合成を促進する効果を有し、サルコペニアや廃用性筋萎縮等の種々の筋疾患の予防や治療に有用である。
本発明の特徴は、乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を有効成分とすることにある。本発明で用いる乳由来塩基性タンパク質画分は、牛乳、人乳、山羊乳、羊乳など哺乳類の乳から得られるものであり、また、本発明で用いる乳由来塩基性タンパク質画分分解物は、乳由来塩基性タンパク質画分をタンパク質加水分解酵素で処理して得ることができる。
この乳由来塩基性タンパク質画分は、次の性質を有している。
1)ソジウムドデシルサルフェート−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によると分子量3,000〜80,000の範囲の数種のタンパク質よりなる。
2)95重量%以上がタンパク質であって、その他少量の脂肪、灰分を含む。
3)タンパク質は主としてラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼよりなる。
4)タンパク質のアミノ酸組成は、リジン、ヒスチジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸を15重量%以上含有する。
このような乳由来塩基性タンパク質画分は、例えば、脱脂乳や乳清などの乳原料を陽イオン交換樹脂と接触させて塩基性タンパク質を吸着させ、この樹脂に吸着した塩基性タンパク質画分を0.1M〜1.0Mの塩濃度の溶出液で溶出し、この溶出画分を回収して、逆浸透(RO)膜や電気透析(ED)法などにより脱塩及び濃縮し、必要に応じて乾燥することにより得ることができる。
また、本発明の乳由来塩基性タンパク質画分を得る方法としては、乳または乳由来の原料を陽イオン交換体に接触させて塩基性タンパク質を吸着させた後、この陽イオン交換体に吸着した塩基性タンパク質画分を、pH5を越え、イオン強度0.5を越える溶出液で溶出して得る方法(特開平5−202098号公報)、アルギン酸ゲルを用いて得る方法(特開昭61−246198号公報)、無機の多孔性粒子を用いて乳清から得る方法(特開平1−86839号公報)、硫酸化エステル化合物を用いて乳から得る方法(特開昭63−255300号公報)などが知られており、本発明では、このような方法で得られた乳由来塩基性タンパク質画分を用いることができる。
さらに、乳由来塩基性タンパク質画分分解物は、乳由来塩基性タンパク質画分と同様のアミノ酸組成を有しており、上記の方法で得られた乳由来塩基性タンパク質画分をタンパク質加水分解酵素で処理して平均分子量4,000以下の乳由来塩基性タンパク質画分分解物として得ることができる。なお、タンパク質加水分解酵素としては、市販されているプロテアーゼA「アマノ」SD(商品名)、サモアーゼPC10F(商品名)、プロチンSD−AY10(商品名)等の食品・工業用プロテアーゼが使用できるほか、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、パパイン等の酵素を挙げることができる。また、これらのタンパク質加水分解酵素を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明で用いるホエイタンパク質加水分解物は、例えば特開平4−112753に記載の方法によって得ることができる。この方法では、ホエイタンパク質をpH6〜10、50〜70℃とし、これに耐熱性のタンパク質加水分解酵素を加えて熱変性させながら酵素分解し、これを加熱して酵素を失活させることによって得られる。なお、上記の酵素分解を行う前に、ホエイタンパク質をpH6〜10、20〜55℃においてタンパク質加水分解酵素を用いて酵素分解し、これを冷却することなく直ちに上記の条件で酵素分解すると収率を一層高めることができる。
また、上記のように調製したホエイタンパク質加水分解物を、分画分子量1kDa〜20kDa、好ましくは、2kDa〜10kDaの限外濾過(UF)膜及び/又は分画分子量100Da〜500Da、好ましくは150Da〜300Daの精密濾過(MF)膜から選ばれる方法で濃縮することも可能である。このような膜処理により、ホエイタンパク質加水分解物の平均分子量を300〜500Daとすることによって、さらに苦味を軽減し、透明性を向上させることが可能である。
特開平4−112753に記載の方法によってホエイタンパク質加水分解物を調製する場合、前述のホエイタンパク質をpH6〜10に調整するが、通常ホエイタンパク質はこの範囲のpHになっているので、格別pHの調整を行う必要はない。必要な場合は、塩酸、クエン酸及び乳酸等の酸溶液あるいは苛性ソーダ、水酸化カルシウム及びリン酸ソーダ等のアルカリ溶液を用いてpH6〜10とする。加熱は50〜70℃で行うが、耐熱性のタンパク質加水分解酵素は、この温度で添加するよりも、むしろ加熱前から加えて酵素分解を行った方が収率の面から好ましい。
また、一般的なプロテアーゼの至適温度は40℃以下であるが、耐熱性のタンパク質加水分解酵素の至適温度は45℃以上である。耐熱性のタンパク質加水分解酵素としては、従来このような至適温度を有する耐熱性のタンパク質加水分解酵素として知られているものであれば特に制限なく使用できる。このような耐熱性のタンパク質加水分解酵素としては、パパイン、プロテアーゼS(商品名)、プロレザー(商品名)、サモアーゼ(商品名)、アルカラーゼ(商品名)、プロチンA(商品名)等を例示することができる。耐熱性のタンパク質加水分解酵素は、80℃で30分間加熱して残存活性が約10%あるいはそれ以上になるものが望ましい。また、単独よりも複数の酵素を併用する方が効果的である。反応は、30分〜10時間程度行うことが好ましい。
最後に、反応液を加熱して酵素を失活させる。酵素の失活は、反応液を100℃以上で10秒間以上加熱することにより行うことができる。
そして反応液を遠心分離して上清を回収し、上清を乾燥して粉末製品とする。なお、遠心分離した時に生ずる沈殿物は上清に比べ低アレルゲン化の程度が小さいので、これを除去した方が好ましいが、勿論反応液をそのまま乾燥して使用しても差し支えない。得られたホエイタンパク質加水分解物のAPL(平均ペプチド鎖長)は、TNBS(2, 4, 6−トリニトロベンゼンスルホン酸)法等の方法によって測定することができる。また、ホエイタンパク質加水分解物の分子量分布は、High performance size exclusion chromatography(HPSEC)法等の方法で測定することができ、その遊離アミノ酸含量は、75%エタノール等で遊離アミノ酸を抽出して、アミノ酸分析装置等で測定することができる。さらに、ホエイタンパク質加水分解物の分解率は、遊離のアミノ基を修飾して測定するオルトフタルアルデヒド(OPA)法等で測定することができる。
なお、本発明におけるホエイタンパク質は、牛乳、人乳、山羊乳、羊乳など哺乳類の乳から調製したホエイ、その凝集物、粉末、あるいは精製タンパク質をいい、これを酵素反応させる時は水溶液の状態で使用する。
本発明の乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物は、併せて摂取することにより、そのまま本発明の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤として使用してもよいが、必要に応じて、常法に従い、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤等に製剤化することもできる。
本発明では、有効成分である乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を製剤化あるいは飲食品等へ添加する場合、添加方法、配合方法等に特に制限はなく、例えば、溶液中で添加、配合するには、乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を脱イオン水に懸濁あるいは溶解し、撹拌混合した後、製剤化、あるいは飲食品や飼料の形態に調製して使用すればよい。
撹拌混合の条件としては、乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物が均一に混合されればよく、ウルトラディスパーサーやTKホモミクサー等を使用して撹拌混合することも可能である。また、当該組成物の溶液は、製剤化、あるいは飲食品や飼料に使用しやすいように、必要に応じて、RO膜等での濃縮や、凍結乾燥して使用することができる。本発明では、医薬品、飲食品や飼料の製造に通常使用される殺菌処理が可能であり、粉末状であっては乾熱殺菌も可能である。
以上により、本発明の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤は、液状、ゲル状、粉末状、顆粒状等様々な形態とすることが可能であり、また、製剤化した後に栄養剤やヨーグルト、乳飲料、ウエハース等の飲食品や栄養組成物に配合することも可能である。
本発明の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤は、有効成分として乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を含む他、製剤化に際して、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤又は賦形剤を用いることができる。賦形剤としては、例えば、ショ糖、乳糖、デンプン、結晶性セルロース、マンニット、軽質無水珪酸、アルミン酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシルメチルセルロースカルシウム等を1種又は2種以上組み合わせて用いることが可能である。
また、本発明の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤では、安定剤や糖類、脂質、フレーバー、ビタミン、ミネラル、フラボノイド、ポリフェノール等を併用することも可能であり、飲食品や飼料を調製する際に、適宜これらを配合して使用することができる。また、他の筋肉機能を改善させる効果を示す成分、例えば、リコピンやカテキン類、分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acids;BCAA)、大豆タンパク質等とともに使用することも可能である。
本発明の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤では、後述する試験例に示すように、マウスやラットに、乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物を体重1kgあたり5mg以上、ホエイタンパク質加水分解物を体重1kgあたり10mg以上、同時に経口摂取させることにより、生体内で筋肉の萎縮を防止する、及び/又は筋肉の合成を促進することが可能である。実験動物における摂取量は、血中薬物濃度において、成人一人あたりの摂取量に該当することから(中島光好(1993)「第8巻 薬効評価」 廣川書店 2−18頁)、通常、成人一人一日あたり、乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ5mg以上と10mg以上、同時に摂取することにより、生体内での筋肉の萎縮、特にサルコペニアや廃用性筋萎縮等に対する予防や治療の効果が期待できる。したがって、乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を、この必要量を確保できるように製剤化あるいは飲食品等に配合すればよい。例えば、成人一人一日あたり、乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物をそれぞれ5mg以上と10mg以上、同時に摂取させるためには、医薬、飲食品、飼料の形態にもよるが、最終製品として、全質量に対して、乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物を0.00025〜1%(重量/重量)、ホエイタンパク質加水分解物を0.005%〜50%(重量/重量)、好ましくは、0.5〜25%(重量/重量)含有させればよい。
以下に本発明の実施例及び試験例を示し、詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
陽イオン交換樹脂のスルホン化キトパール(富士紡績株式会社製)400gを充填したカラム(直径5cm×高さ30cm)を脱イオン水で十分洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳40リットル(pH6.7)を流速25ml/minで通液した。通液後、このカラムを脱イオン水で十分洗浄し、0.98M塩化ナトリウムを含む0.02M炭酸緩衝液(pH7.0)で樹脂に吸着した塩基性タンパク質画分を溶出した。この操作を10回繰り返して、溶出液を逆浸透(RO)膜により脱塩して、濃縮した後、凍結乾燥して粉末状の乳由来塩基性タンパク質画分210gを得た(実施例品1)。得られた乳由来塩基性タンパク質画分について、ソジウムドデシルサルフェート−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により測定したところ、分子量は3,000〜80,000の範囲に分布しており、成分組成は表1に示すとおりであった。また、6N塩酸で110℃、24時間加水分解した後、アミノ酸分析装置(L−8500型、日立製作所製)でそのアミノ酸組成を分析した結果、表2に示したように塩基性アミノ酸が15重量%以上含まれていた。さらに、ELISA法により、そのタンパク質組成を分析したところ、表3に示すように、40%以上のラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼが含まれていた。
Figure 0006279851
Figure 0006279851
Figure 0006279851
陽イオン交換樹脂のSPトーヨーパール(東ソー株式会社製)30kgを充填したカラム(直径100cm×高さ10cm)を脱イオン水で十分洗浄した後、このカラムに121℃で30秒間加熱殺菌したチーズホエー3t(pH6.2)を流速10リットル/minで通液した。通液後、このカラムを脱イオン水で十分洗浄し、0.9M塩化ナトリウムを含む0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.7)で樹脂に吸着した塩基性タンパク質画分を溶出した。そして、この溶出液を電気透析(ED)法により脱塩し、濃縮した後、凍結乾燥して粉末状の乳由来塩基性タンパク質画分183gを得た(実施例品2)。
実施例1で得られた乳由来塩基性タンパク質画分50gを蒸留水10リットルに溶解した後、1%パンクレアチン(シグマ社製)を添加し、37℃で2時間反応させた。反応後、80℃で10分間加熱処理して酵素を失活させた後、凍結乾燥して乳由来塩基性タンパク質画分分解物48.3gを得た(実施例品3)。
実施例2で得られた乳由来塩基性タンパク質画分120gを精製水1.8リットルに溶解した後、45℃に保持してプロテアーゼA「アマノ」SD(天野エンザイム社製)を20g添加し、2時間反応させた。80℃で10分間加熱して酵素を失活させた後、凍結乾燥して乳由来塩基性タンパク質画分分解物を95g得た(実施例品4)。
ホエイタンパク質10%水溶液1Lに、ホエイタンパク質1gあたり、パパインを50U、プロレザー(天野エンザイム社製) を150U加え、pH8に調整し、55℃において6時間、ホエイタンパク質を変性させながら酵素分解を行った。反応液を100℃で15秒間以上加熱して酵素を失活させ、遠心分離して上清を回収し、これを乾燥してホエイタンパク質加水分解物(実施例品5)を得た。得られたホエイタンパク質加水分解物の分子量分布は10kDa以下、メインピークは1.3kDa、APLは7.2、すべての構成成分に対する遊離アミノ酸含量は18.9%であった。Inhibition ELISA法によってβ−ラクトグロブリンに対する抗原性の低下を測定したところ1/10,000以下で、分解率は28%、収率(酵素反応液を遠心分離し、仕込み量の乾燥重量に対する上清の乾燥重量の比率(%))は80.3%、苦味度は2であった。また、6N塩酸で110℃、24時間加水分解した後、アミノ酸分析装置(L−8500型、日立製作所製)でアミノ酸組成を分析した結果、表4のようなアミノ酸組成であることがわかった。

Figure 0006279851
ホエイタンパク質10%水溶液1Lに、ホエイタンパク質1gあたり、パパインを50U、プロレザー(天野エンザイム社製)を150U加え、pH8、50℃で3時間酵素分解を行った。これを55℃に昇温させ、この温度で3時間維持し、タンパク質を変性させるとともに、タンパク質の酵素分解を行い、100℃で15秒間以上加熱して酵素を失活させた。この反応液を分画分子量10kDaのUF膜(STC社製)及び分画分子量300DaのMF膜(STC社製)で処理を行い、濃縮液画分を回収し、これを乾燥してホエイタンパク質加水分解物(実施例品6)を得た。得られたホエイタンパク質加水分解物の分子量分布は10kDa以下、メインピークは500Da、APLは3.0、すべての構成成分に対する遊離アミノ酸含量は15.2%であった。Inhibition ELISA法によってβ−ラクトグロブリンに対する抗原性の低下を測定したところ1/10,000以下で、分解率は32%、収率は65.4%、苦味度は2であった。
特開平4−69315号公報で報告されている方法により、ホエイタンパク質の加水分解物を調製した。ホエイタンパク質120gを精製水1,800mlに溶解し、1Mカセイソーダ溶液でpHを7.0に調整した。次いで、60℃で10分間加熱して殺菌し、45℃に保持してアマノA(天野エンザイム社製)20gを添加し、2時間反応させた。80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、凍結乾燥し、ホエイタンパク質加水分解物(実施例品7)を得た。得られたホエイタンパク質加水分解物の分子量分布は14kDa以下、メインピークは3.1kDa、APLは17.2、すべての構成成分に対する遊離アミノ酸含量は13.2%であった。Inhibition ELISA法によってβ−ラクトグロブリンに対する抗原性の低下を測定したところ1/5,000以下で、分解率は18%、収率は80.6%、苦味度は2であった。
特開平4−69315号公報で報告されている方法により、ホエイタンパク質の加水分解物を調製した。ホエイタンパク質120gを精製水1,800mlに溶解し、1Mカセイソーダ溶液でpHを7.0に調整した。次いで、60℃で10分間加熱して殺菌し、45℃に保持してアマノA(天野エンザイム社製)20gを添加し、8時間反応させた。80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、凍結乾燥し、ホエイタンパク質加水分解物(実施例品8)を得た。得られたホエイタンパク質加水分解物の分子量分布は10kDa以下、メインピークは1.8kDa、APLは10.0、すべての構成成分に対する遊離アミノ酸含量は19.3%であった。Inhibition ELISA法によってβ−ラクトグロブリンに対する抗原性の低下を測定したところ1/10,000以下で、分解率は25%、収率は80.6%、苦味度は2であった。
[試験例1]
(筋肉量低下防止試験)
実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品5、7のホエイタンパク質加水分解物を使用して、筋肉量低下防止効果を評価した。実験動物として、20週齢のSAM−P系雌マウスを使用した。マウスを体重が等しくなるように、生理食塩水を投与する群(A群)、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分をマウス体重1kgあたり5mg投与する群(B群)、実施例5のホエイタンパク質加水分解物をマウス体重1kgあたり10mg投与する群(C群)、実施例7のホエイタンパク質加水分解物をマウス体重1kgあたり10mg投与する群(D群)、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分をマスウ体重1kgあたり15mg投与する群(E群)、実施例品5のホエイタンパク質加水分解物をマウス体重1kgあたり15mg投与する群(F群)、実施例品7のホエイタンパク質加水分解物をマウス体重1kgあたり15mg投与する群(G群)、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品5のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、マウス体重1kgあたり5mgと10mg同時に投与する群(H群)、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品5のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、マウス体重1kgあたり10mgずつ同時に投与する群(I群)、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品5のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、マウス体重1kgあたり10mgと15mg同時に投与する群(J群)、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品7のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、マウス体重1kgあたり5mgと10mg同時に投与する群(K群)の11試験群(各群10匹ずつ)に分け、それぞれの実験試料を毎日1回ゾンデで経口投与して、45週齢まで飼育した。なお、実施例品1、5、7および実施例品1と5の混合物、実施例品1と7の混合物は、それぞれ生理食塩水に懸濁して、B〜I群に経口投与した。試験終了時に、ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)麻酔下で、マウスの右後足から長指伸筋(EDL)、前脛骨筋(TA)、ヒラメ筋(SOL)、腓腹筋(GAS)を摘出し、それぞれの筋肉の重量を測定し、体重あたりの相対重量(mg/100g体重)として算出した。その結果を表5に示す。
Figure 0006279851
※値は、平均値±標準偏差を示す。
※Tukey−Kramer法により有意差検定を行ない、異なるアルファベット間で有意差があることを示す(n=10、p<0.05)。
表5の結果から、体重あたりの相対筋重量は、長指伸筋、前脛骨筋、ヒラメ筋および腓腹筋すべてにおいて、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分をマウス体重1kgあたり5mgまたは15mg投与した群、実施例品5のホエイタンパク質加水分解物をマウス体重1kgあたり10mgまたは15mg投与した群、実施例品7のホエイタンパク質加水分解物をマウス体重1kgあたり10mgまたは15mg投与した群、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品5、7のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、マウス体重1kgあたり5mgと10mg同時に投与した群、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品5のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、マウス体重1kgあたり10mgずつ同時に投与した群、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品5のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、マウス体重1kgあたり10mgと15mg同時に投与した群で、対照群(A群)に比べ、有意に高かった。また、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品5、7のホエイタンパク質加水分解物を同時に投与することによって、それぞれ単独で投与した群より、体重あたりの長指伸筋、前脛骨筋、ヒラメ筋および腓腹筋の相対筋重量が有意に増加した。試験に用いたSAM−P系マウスは老化促進マウスであることから、対照群では老化に伴って筋肉が萎縮して筋肉量が低下したが、本発明の乳由来塩基性タンパク質画分とホエイタンパク質加水分解物を同時に摂取した場合には、それぞれ単独で摂取した場合より、相乗的に相対筋重量が増加することがわかった。また、その効果は、乳由来塩基性タンパク質画分とホエイタンパク質加水分解物を、マウス体重1kgあたり、それぞれ5mgと10mg同時に摂取した場合に認められることが明らかとなった。
[試験例2]
(筋肉合成評価試験)
実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6、8のホエイタンパク質加水分解物を使用して、筋肉合成効果を評価した。
実験動物として、6週齢のWistar系雌ラットを使用した。ラットを各群の体重が等しくなるように、尾部懸垂を行わず通常通りに飼育する群(A群)、尾部懸垂後の回復期間に生理食塩水を投与する群(B群)、尾部懸垂後の回復期間に実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物をラット体重1kgあたり5mg投与する群(C群)、尾部懸垂後の回復期間に実施例品6のホエイタンパク質加水分解物をラット体重1kgあたり10mg投与する群(D群)、尾部懸垂後の回復期間に実施例品8のホエイタンパク質加水分解物をラット体重1kgあたり10mg投与する群(E群)、尾部懸垂後の回復期間に実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、ラット体重1kgあたり5mgと10mg同時に投与する群(F群)、尾部懸垂後の回復期間に実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、ラット体重1kgあたり10mgずつ同時に投与する群(G群)、尾部懸垂後の回復期間に実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、ラット体重1kgあたり10mgと15mg同時に投与する群(H群)、尾部懸垂後の回復期間に実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品8のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ、ラット体重1kgあたり5mgと10mg同時に投与する群(I群)、尾部懸垂後の回復期間に乳清タンパク質単離物(WPI,Fonterra社製)をラット体重1kgあたり120mg投与する群(J群)の10試験群(各群10匹ずつ)に分けた。群分け後、A群は通常飼育用ケージ内での飼育を継続し、残りの7群は尾部懸垂により後肢が非荷重状態になるようにして1週間飼育した。尾部懸垂終了後、すべての群を通常飼育用のケージに移して回復期間を設け、それぞれの群に前述の実験試料を、毎日1回、ゾンデにより経口投与して1週間飼育した。なお、A群には、尾部懸垂した群の回復期間に相当する間(1週間)、毎日1回、ゾンデにより生理食塩水を経口投与した。また、実施例品4、6、8、実施例品4と6の混合物、実施例品4と8の混合物およびWPIは、それぞれ生理食塩水に懸濁して経口投与した。試験終了後、ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg)麻酔下で、下腿骨格筋(ヒラメ筋:SOL)を摘出して、筋重量を測定し、体重あたりの相対筋重量(mg/100g体重)を算出した。その結果を表6に示す。
Figure 0006279851
※値は、平均値±標準偏差を示す。
※Tukey−Kramer法により有意差検定を行ない、異なるアルファベット間で有意差があることを示す(n=10、p<0.05)。
表5の結果から、体重あたりのヒラメ筋重量は、尾部懸垂をして生理食塩水を投与したB群で、通常飼育したA群に比べて有意に低下した。しかし、実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6、8のホエイタンパク質加水分解物をラット体重1kgあたり、それぞれ5mg、10mg単独で投与した群(C群、D群、E群)、実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれラット体重1kgあたり5mgと10mg同時に投与した群(F群)、実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれラット体重1kgあたり10mgずつ同時に投与した群(G群)、実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれラット体重1kgあたり10mgと15mg同時に投与した群(H群)、実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品8のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれラット体重1kgあたり5mgと10mg同時に投与した群(I群)では、B群に比べ、有意に体重あたりのヒラメ筋重量が増加した。また、実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6、8のホエイタンパク質加水分解物を同時に投与した群(F群、G群、H群、I群)では、それぞれ単独で投与した群(C群、D群、E群))に比べ、体重あたりのヒラメ筋重量が有意に高く、その値は通常飼育したA群と同等であった。したがって、本発明の乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を同時に摂取した場合には、それぞれ単独で摂取した場合に比べ、相乗的に筋肉量を増加させることがわかった。また、その効果は、乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を、ラット体重1kgあたり、それぞれ5mgと10mg同時に摂取した場合に認められることが明らかとなった。
一方、WPIをラット体重1kgあたり120mg投与したH群の体重あたりのヒラメ筋重量には、生理食塩水を投与したB群と差は認められなかった。
(筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用錠剤の調製)
表7に示す配合で原材料を混合後、常法により1gに成型、打錠して筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用錠剤を製造した。なお、この錠剤1gには、実施例品1の乳由来塩基性タンパク質画分が10mg、実施例品5のホエイタンパク質加水分解物が20mg含まれていた。
Figure 0006279851
(筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用栄養組成物の調製)
実施例品3の乳由来塩基性タンパク質画分分解物125gと実施例品6のホエイタンパク質加水分解物250gを4,625gの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、TKホモミクサー(TK ROBO MICS;特殊機化工業社製)にて、6,000rpmで30分間撹拌混合して、実施例品3の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ125g/5kg、250g/5kg含有する溶液を得た。この溶液5.0kgに、表8の原材料を混合し、200mlのレトルトパウチに充填し、レトルト殺菌機(第1種圧力容器、TYPE:RCS−4CRTGN、日阪製作所製)で121℃、20分間殺菌して、本発明の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用液状栄養組成物50kgを製造した。なお、この筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用液状栄養組成物には、100gあたり、実施例品3の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品6のホエイタンパク質加水分解物が、それぞれ250mg、500mg含まれていた。
Figure 0006279851
(筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飲料の調製)
脱脂粉乳300gを402.5gの脱イオン水に溶解した後、実施例品2の乳由来塩基性タンパク質画分2.5gと実施例品8のホエイタンパク質加水分解物5gを溶解し、50℃まで加熱後、ウルトラディスパーサー(ULTRA−TURRAX T−25;IKAジャパン社製)にて、9,500rpmで30分間撹拌混合した。表9の原材料を添加した後、100mlのガラス瓶に充填し、95℃、15秒間殺菌後、密栓し、本発明の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飲料10本(100ml入り)を調製した。なお、この筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飲料には、100mlあたり実施例品2の乳由来塩基性タンパク質画分と実施例品8のホエイタンパク質加水分解物がそれぞれ250mg、500mg含まれていた。
Figure 0006279851
(イヌ用筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飼料の調製)
実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物5kgと実施例品7のホエイタンパク質加水分解物10kgを85kgの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、TKホモミクサー(MARK II 160型;特殊機化工業社製)にて、3,600rpmで40分間撹拌混合して、実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品7のホエイタンパク質加水分解物を、それぞれ5g/100g、10g/100g含有する溶液を得た。この溶液10kgに表10の原材料を配合し、120℃、4分間殺菌して、本発明のイヌ用筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飼料100kgを製造した。なお、このイヌ用筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飼料には、100gあたり、実施例品4の乳由来塩基性タンパク質画分分解物と実施例品7のホエイタンパク質加水分解物がそれぞれ500mg、1000mg含まれていた。
Figure 0006279851

Claims (11)

  1. 乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を有効成分とし、前記乳由来塩基性タンパク質画分が、下記の性質を有することを特徴とする筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
    1)ソジウムドデシルサルフェート−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によると分子量3,000〜80,000の範囲の数種のタンパク質よりなり、
    2)95重量%以上がタンパク質であり、脂肪及び灰分を含み、
    3)タンパク質はラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼを含み、
    4)タンパク質のアミノ酸組成は、塩基性アミノ酸を15重量%以上含有する。
  2. 前記乳由来塩基性タンパク質画分分解物が、乳由来塩基性タンパク質画分をタンパク質加水分解酵素で処理して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
  3. 前記タンパク質加水分解酵素が、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、パパインなる群から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
  4. 前記ホエイタンパク質加水分解物が分解率25%以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
  5. 前記乳由来塩基性タンパク質画分が、乳または乳由来の原料を陽イオン交換樹脂に接触させて塩基性タンパク質を吸着させ、この樹脂に吸着した画分を塩濃度0.1M〜1.0Mの溶出液で溶出して得られる画分である請求項1から請求項のいずれかに記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤の製造方法
  6. 前記ホエイタンパク質加水分解物が、以下の特徴を有するものである請求項1から請求項4のいずれかに記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
    (A)分子量10kDa以下、メインピークが200Da〜3kDaである。
    (B)ALP(平均ペプチド鎖長)が2〜8である。
    (C)遊離アミノ酸含量が20%以下である。
    (D)抗原性がβ−ラクトグロブリンの抗原性の1/10,000以下である。
  7. 前記ホエイタンパク質加水分解物が、ホエイタンパク質をpH6〜10、50〜70℃において耐熱性のタンパク質加水分解酵素を用いて熱変性させながら酵素分解し、加熱して酵素を失活させて得られるものであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項6に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤の製造方法
  8. 前記ホエイタンパク質加水分解物が、ホエイタンパク質をpH6〜10、20〜55℃においてタンパク質加水分解酵素を用いて酵素分解し、これを50〜70℃に昇温させ、pH6〜10、50〜70℃において耐熱性のタンパク質加水分解酵素を用いて未分解のホエイタンパク質を熱変性させながら酵素分解し、加熱して酵素を失活させて得られるものであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項6に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤の製造方法
  9. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項6に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤を有効成分として含むことを特徴とする筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飲食品、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用栄養組成物、筋萎縮防止及び/又は筋合成促進用飼料。
  10. 乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物の投与量が、同時に、それぞれ1日あたり5mg以上と10mg以上であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項6に記載の筋萎縮防止及び/又は筋合成促進剤。
  11. 乳由来塩基性タンパク質画分及び/又は乳由来塩基性タンパク質画分分解物とホエイタンパク質加水分解物を有効成分とし、前記乳由来塩基性タンパク質画分が、そのアミノ酸組成中に塩基性アミノ酸を15重量%以上含有していることを特徴とする筋萎縮防止剤。
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