JP6279275B2 - 携帯端末、および携帯端末の制御方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施の形態について、図1〜6に基づいて説明する。ここでは、本発明の一態様に係る携帯端末をスマートフォン1として実現した例について説明する。図1は、本発明の一態様に係るスマートフォン1の要部構成の一例を示すブロック図である。また、図2は、スマートフォン1の外観を示す図である。
最初にスマートフォン1の概要を説明しておけば、以下の通りである。すなわち、スマートフォン1は、筐体を把持したユーザの手が接触する位置に設けられ、水などの誘電率が高いものが接触すると通常手が接触する時に出力する出力値の絶対値より大きな出力値の絶対値を出力する接触センサ11と、接触センサ11の出力値の絶対値が、第1閾値TH1以上で、かつ第1閾値TH1よりも大きな第3閾値TH3よりも小さいと手が接触したと判定し、第1閾値TH1よりも小さな第2閾値TH2以下になると手が離れたと判定し、また、第3閾値TH3以上であると水などの誘電率が高いものが接触したと判定する接触判定部101(接触判定手段)と、を備える。ここでさらに、詳細は後述するが、接触判定部101は、接触センサ11の出力値の絶対値が第3閾値TH3以上であると、水などの誘電率が高いものが接触センサ11に接触した異常状態であると判定する。また、接触センサ11の出力値の絶対値がTH3 Hysteresisよりも小さくなると、異常状態であるとの判定を解除してもよいと判定する。従って、スマートフォン1は、水との接触によって接触センサ11の出力値の絶対値が異常に大きくなってしまった場合にも、手との接触があったと誤って判定してしまうことを回避することができる。そのため、スマートフォン1は、ユーザが上記携帯端末を水没させてしまった場合等においても、上記接触センサが手との接触があったと誤判定してしまった場合に実施する動作を実施しないで済む。つまり、スマートフォン1は、余計な動作を減らして消費電流を低減することができ、また安定的で安全な動作を実施することができる。スマートフォン1においてはさらに、接触判定部101は、接触センサ11に水などの誘電率が高いものが接触したと判定した後は、接触センサ11の出力値の絶対値が第3閾値TH3よりも小さな第4閾値TH3 Hysteresis以下になるまで、接触センサ11に水などの誘電率が高いものが接触していると判定する。従って、スマートフォン1は、第4閾値TH3 Hysteresisを第3閾値TH3よりも下に設定することで、接触センサ11の出力値の絶対値が、第3閾値TH3よりも大きくなったり小さくなったりして不安定な動作(チャタリングなど)が発生することにより、異常状態であるが、異常状態であるとの判定と手に把持されている状態であるとの判定を繰り返す誤動作を回避することができる。特に、携帯端末は一般に、いったん水没させてしまうと、水から引き上げた後も接触センサの周囲から水が完全には抜けきらずに、第4閾値TH3 Hysteresisを下回らない状態が発生する可能性がある。これに対しスマートフォン1は、接触センサ11の出力値の絶対値が第4閾値TH3 Hysteresis以下になるまで、接触センサ11に水が接触していると判定する。そのため、スマートフォン1は、接触センサ11の周囲から水が完全には抜けきらない状態においても、手との接触があったと誤検出してしまうことを、安定的に回避できる。なお、以下では記載の冗長性を排するため、第1閾値TH1〜第4閾値TH3 Hysteresis(以下、第4閾値TH4と記す)を、TH1〜TH4と略記する。
接触判定基準121は、TH1〜TH4の4つの閾値であり、接触判定部101が、接触センサ11の出力値を用いて、接触センサ11に、ユーザの手が接触した/接触が離れた、水が接触した、といった判定を行うための基準である。具体的には、TH1は、ユーザの手が接触センサ11に接触したと接触判定部101が判定する閾値である。TH2は、ユーザの手との接触が離れたと判定する閾値であり、TH1よりも小さい。TH3は、水との接触があったと判定する閾値であり、TH1よりも大きい。ここで、水と記載したが水以外の異常状態の要因で超えてもよい。TH4は、接触センサ11に水が接触した後に、その異常状態を解除するために設定される値である。TH4は、接触センサ11が異常状態を検知後、それを解除するための閾値であり、TH3よりも小さい。例えば、TH4とTH2とは同じ値であってもよい。なお、TH1〜TH4は、各々、接触センサ11Rおよび11Lのそれぞれについて設定されてもよい。接触判定部101は、接触センサ11の出力値がTH3以上の時、接触センサ11は異常状態にあると判定して、異常判定処理を実行する。また、接触センサ11の出力値が一度もTH3以上にならず、TH3よりも小さな状態が続いている場合には、接触判定部101は、通常判定処理を実行する。通常判定処理において接触判定部101は、接触センサ11の出力値がTH3より小さく、かつTH1より大きい時、接触センサ11にユーザの手が接触したと判定する。出力値がTH1より小さく、かつTH2以上の時、ユーザの手が接触し続けていると判定する。出力値がTH2より小さくなった時、ユーザの手との接触が離れたと判定する。また、接触センサ11の出力値が、いったんTH3以上になった後、TH3よりも小さいがTH4以上の時には、接触センサ11は不安定状態にあると判定して、不安定判定処理を実行する。なお、TH1〜TH4の各々の値は、それぞれの基準レベル(何も反応していない状態)に追従して、自動的に変更され得る。次に、通常判定処理、異常判定処理および不安定判定処理の詳細を説明する。
図3は、スマートフォン1の通常判定処理の概要を示す図である。ここでは、接触センサ11Rおよび11Lの出力値を一組として検知を行うものとするが、別々に検知を行ってもよい。つまり、接触センサ11Rおよび11Lの各々の出力値について、判定を行ってもよいし、接触センサ11Rおよび11Lの出力値を組み合わせて制御してもよい。
図4は、スマートフォン1の異常判定処理の流れを示すフローチャートである。接触判定部101は、接触センサ11Rまたは11Lの出力値がTH3よりも大きいかを確認する(S11)。接触センサ11の出力値がTH3よりも大きい場合(S11でYES)、接触判定部101は、接触センサ11が異常状態にあると判定し、接触センサ11に手が接触していないと判定する(S12)。そして、上記判定結果を例えば携帯端末制御部102へ通知する。出力値がTH3以下の場合(S11でYES)、接触判定部101は、接触センサ11が通常状態にあると判定し、通常の判定処理を実行する(S13)。つまり、スマートフォン1の制御方法は、接触センサ11の出力値の絶対値が、TH1(第1閾値)以上で、かつTH3(第3閾値)より小さいと手が接触したと判定する。出力値の絶対値が、TH2(第2閾値)以下になると手が離れたと判定する。出力値の絶対値が、TH3以上であると水などの誘電率が高いものが接触した異常状態と判定する。
以下、本発明の他の実施形態について、図7〜8に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図7は、本実施の形態に係るスマートフォン2の要部構成の一例を示すブロック図である。図示のように、スマートフォン2は、スマートフォン1に比べ、タイマ13と、制御部30中に補正部103(補正手段)とをさらに備える。また、スマートフォン2の記憶部22には接触判定基準121に加えてさらに、補正部103が接触センサ11の出力値の絶対値にキャリブレーションをかけるタイミングを決定するための補正基準時間122が格納されている。キャリブレーションとは、接触センサ11の出力値の基準となる値を調整することである。タイマ13は、接触センサ11の出力値の絶対値が、TH3より小さく、かつTH4より大きい状態の継続時間を計測する。補正部103は、タイマ13の計測する継続時間が補正基準時間122(所定時間)を経過すると、接触センサ11の出力値の絶対値にキャリブレーションをかける。従って、スマートフォン2は、接触センサ11の出力値の絶対値がTH3よりは小さいがTH4よりも大きく、実際に手が接触しても手が接触したことを正しく判定できない状態が続いた場合に、接触センサ11の出力値の絶対値にキャリブレーションをかける。従って、水との接触により接触センサ11の出力値の絶対値が異常に大きくなってしまった場合の誤検出を回避しつつ、さらに、以下の点で利便性を向上させることができる。なお、誤検出とは、ユーザの想定外のシーン・利用ケースにおいて、接触があった/離れたことを検出して、スマートフォン2の機能が勝手に有効・無効になってしまうことをいう。すなわち、スマートフォン2は、正しい判定処理ができない状態が所定時間継続するとキャリブレーションをかけて正しい判定処理ができるようにするので、利便性が向上する。
以下、本発明の他の実施形態について、図10に基づいて説明する。図10は、本実施の形態に係るスマートフォン3の外観を示す図である。図示のように、スマートフォン3の筐体は、図において点線で囲んだ斜線部分のように、水などの液体を通すための水路を、接触センサ11に沿って備える。すなわち、スマートフォン3は、端末自体は防水端末であるが、意図的に接触センサ11の周囲に防水対策を施さないようにし、接触センサ11の周囲に敢えて水が入るようにした携帯端末である。また、スマートフォン3の筐体には、水を入りやすく、抜けやすくするため、数か所穴を設けている。なお、接触センサ11の周囲だけでなく、接触センサ11から制御部10までの配線部にも防水対策を施さないようにしてもよい。穴を設けることは必須ではなく、また穴の数に特に指定はなく、例えば、デザイン性重視でも構わず、接触センサ11の周囲から水を抜けやすくする構造であればよい。スマートフォン3は、上記水路によって、接触センサ11の周囲の水を抜けやすくすることができ、接触センサ11の出力値の絶対値が異常に大きくなってしまう異常状態から、接触センサ11を早期に回復させることができる。
これまで説明した各実施の態様においては、接触センサ11を、端末側面の下側半分に設けた例を説明した。ただし、接触センサ11は、筐体を把持したユーザの手が接触する位置に設けられていればよく、端末側面の下側半分に設けることは必須ではない。接触センサ11の搭載位置は、端末側面の下側半分に限られず、上側方向にも伸びていてもよい。また、側面ではなく、スマートフォン1のタッチパネル画面の下側に設けてもよい。
スマートフォン1、2の制御ブロック10、20(特に接触判定部101、携帯端末制御部102、補正部103)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、スマートフォン1、2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の態様1に係る携帯端末(スマートフォン1)は、筐体を把持したユーザの手が接触する位置に設けられ、水などの誘電率が高いものが接触すると通常手が接触する時に出力する接触センサの出力値の絶対値より大きな出力値を出力する接触センサ(11)と、上記接触センサの出力値の絶対値が、第1閾値(TH1)以上で、かつ該第1閾値よりも大きな第3閾値(TH3)よりも小さいと手が接触したと判定し、該第1閾値よりも小さな第2閾値(TH2)以下になると手が離れたと判定し、また、該第3閾値以上であると水などの誘電率が高いものが接触したと判定する接触判定手段(接触判定部101)と、を備えていることを特徴としている。
2 スマートフォン(携帯端末)
3 スマートフォン(携帯端末)
11 接触センサ
13 タイマ
101 接触判定部(補正手段)
103 補正部(補正手段)
122 補正基準時間(所定時間)
TH1 第1閾値
TH2 第2閾値
TH3 第3閾値
TH4 第4閾値
Claims (5)
- 筐体を把持したユーザの手が接触する位置に設けられ、水が接触すると通常手が接触する時に出力する接触センサの出力値の絶対値より大きな出力値を出力する接触センサと、
上記接触センサの出力値の絶対値が、第1閾値以上で、かつ該第1閾値よりも大きな第3閾値よりも小さいと手が接触したと判定し、該第1閾値よりも小さな第2閾値以下になると手が離れたと判定し、また、該第3閾値以上であると水が接触したと判定する接触判定手段と、を備えることを特徴とする携帯端末。 - 上記接触判定手段は、上記接触センサに水が接触したと判定した後は、上記接触センサの出力値の絶対値が上記第3閾値よりも小さな第4閾値以下になるまで、上記接触センサに水が接触していると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。 - 上記接触センサの出力値の絶対値が、上記第3閾値より小さく、かつ上記第4閾値より大きい状態の継続時間を計測するタイマと、
上記継続時間が所定時間を経過すると、上記接触センサの出力値の絶対値にキャリブレーションをかける補正手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。 - 上記筐体は、水が通る水路を、上記接触センサに沿って備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
- 筐体を把持したユーザの手が接触する位置に設けられ、水が接触すると通常手が接触する時に出力する接触センサの出力値の絶対値より大きな出力値を出力する接触センサを備える携帯端末の制御方法であって、
上記接触センサの出力値の絶対値が、第1閾値以上で、かつ該第1閾値よりも大きな第3閾値よりも小さいと手が接触したと判定し、該第1閾値よりも小さな第2閾値以下になると手が離れたと判定し、また、該第3閾値以上であると水が接触したと判定する接触判定ステップを含むことを特徴とする携帯端末の制御方法。
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