JP6276511B2 - 電気機械変換器及び電気音響変換器 - Google Patents

電気機械変換器及び電気音響変換器 Download PDF

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Description

本発明は、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器、及び、電気信号を音響に変換する電気音響変換器に関し、特にアーマチュア、ヨーク、コイル、磁石等からなる駆動部を備えた電気機械変換器及び電気音響変換器に関するものである。
補聴器等に用いられる電気音響変換器は、アーマチュア、ヨーク、コイル、1対の磁石などからなる駆動部を備え、コイルに供給される電気信号に応じてアーマチュアを駆動し、アーマチュアと他の部材との間の相対振動を音響に変換するように構成される。例えば、所謂バランスド・アーマチュア型(以下、バランス型と呼ぶ)の電磁型変換器の例として、特許文献1には、U字型のアーマチュアを用いた磁気回路の構造例が開示され、特許文献2には、E字型のアーマチュアを用いた磁気回路の構造例が開示されている。特許文献3には、上記と同様のバランス型の磁気回路を具備する電気音響変換器における耐衝撃性を向上させる構造例が開示されている。上記いずれの構造例においても、アーマチュアがヨークに接続され、磁気回路を構成している。また、上記のいずれの場合も、アーマチュアの一端が変位したときのアーマチュア自身の弾性による復元力が、その変位によって生じる磁石の磁気力(吸引力)より大きくなるように構成する必要がある。特許文献1〜3に開示された構造を採用する場合には、アーマチュアには軟磁性材料を用いることが不可欠である。
米国特許第7869610号明細書 米国特許第4473722号明細書 特開2006−041768号公報
しかしながら、上記従来のバランス型の電磁型変換器においては、アーマチュアが磁気回路の一部を構成するので、その磁気特性に対する設計上の要求を満たすことが求められる。また、アーマチュアが変位した際、その復元力が磁石の磁気力より大きくなるような設計が要求される点は前述した通りであるが、従来の構造においては、アーマチュア自身の弾性により復元力を得ているので、アーマチュアの設計に際しては磁気的な要求と機械的な要求を満足させなければならない。例えば、アーマチュアの耐衝撃性を向上させるために、アーマチュアの板厚を厚くすることが考えられるが、アーマチュアの板厚を厚くすると、その弾性範囲の変位量を十分に確保できなくなる。またアーマチュアには必要な磁気特性が求められるため、降伏応力が大きく、耐衝撃性に強い一般のバネ材料を使用することも困難である。通常、アーマチュアは、その材料の磁気特性を十分に引き出すために加工後に磁性アニール処理が施されるため、熱処理により降伏応力を大きくすることも困難である。以上のように、上記従来の構造によれば、アーマチュアの設計上の自由度が大きく制限されることは避けられない。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、アーマチュアの設計の自由度を高めて小型かつ薄型に構成でき、良好な磁気特性と耐衝撃性とを両立し得る電気機械変換器及び電気音響変換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器であって、少なくとも1対の磁石(14〜17)、前記磁石による磁束を導くヨーク(11、12)、前記電気信号が供給されるコイル(13)を一体的に配置した構造部と、前記構造部の内部空間を貫く内側部(22a)、前記内側部から両側に突出した第1の外側部(22b)及び第2の外側部(22c)とを有し、前記内側部のうち互いに逆向きの前記磁束が導かれる2つの領域を介して前記構造部と磁気回路を構成し、前記構造部に対して前記2つの領域における前記磁束の向きに平行に変位するアーマチュア(22)と、前記2つの領域と前記構造部の間に形成されるそれぞれのギャップ(G1、G2、G3、G4)と、前記アーマチュアの前記第1の外側部と前記構造部との間を結合する第1の弾性部材(23)と、前記アーマチュアの前記第2の外側部と前記構造部との間を結合する第2の弾性部材(24)とを備えて構成され、前記アーマチュアの変位による前記それぞれのギャップの大きさに応じて前記磁石による磁束が変化することを特徴とする。
本発明の電気機械変換器によれば、コイルに電流が流れないときに、そのコイルの空芯を含む構造部の内部空間の所定位置にアーマチュアが位置決めされた状態から、コイルに電流を流したときに内側部に加わる磁気力によってアーマチュアが相対的に変位し、2つの弾性部材により、アーマチュアの変位の大きさに比例し、変位と逆向きの復元力が作用する。よって、アーマチュア自身の弾性を利用することなく、アーマチュアの両端に取り付けた2つの弾性部材の復元力を利用する構造を採用したので、アーマチュアの設計上の自由度を高めることができる。すなわち、アーマチュアの板厚を薄くすることなく、十分な変位量を確保できるため、磁気回路の耐衝撃性の向上が可能となる。
本発明において、前記第1及び第2の弾性部材として、例えば、1対のバネ部材を用いることができる。この場合、1対のバネ部材の各々のバネ力を適切に設定することにより、前記復元力を与えることができる。
本発明において、前記構造部、前記アーマチュア、前記第1及び第2の弾性部材の全体を収容するハウジングを更に設けてもよい。この場合、アーマチュアの第1及び第2の外側部のそれぞれの端部をハウジングに固定することにより、アーマチュア及びハウジングを、構造部に対して相対的に変位させることができる。
本発明において、前記ヨークを複数のヨーク部材を一体化して形成し、前記構造部に、前記複数のヨーク部材の各々を位置決めするための1又は複数のスペーサを設けてもよい。また、前記1対の磁石として、前記アーマチュアを通す互いに逆向きの2つの磁束を形成するために、それぞれギャップを介して対向する2対の磁石を用いることができる。また、1対の磁石とヨークを組み合わせることにより、前記2つの磁束を形成してもよい。
本発明において、前記構造部のうち前記アーマチュアの前記第1及び第2の外側部の近傍に、前記構造部に対する前記アーマチュアの可動範囲を制限するプロテクタを設けてもよい。これにより、バネ部材の衝撃に起因する塑性変形に対する有効な対策を施すことができる。
また、上記課題を解決するために、本発明は、電気信号を音響に変換する電気音響変換器であって、上述の構造部、アーマチュア、ギャップ、第1及び第2の弾性部材に加えて、それぞれ一端が前記第1及び第2の外側部に各端部に固定された1対のロッド(61、62)と、前記1対のロッドのそれぞれの他端に接続され、前記構造部に対する前記アーマチュアの振動に応じて音圧を発生する振動板(64a)を備えて構成され、前記アーマチュアの変位に応じて前記磁石による磁束が変化することを特徴とする。本発明の電気音響変換器においても、上述の電気機械変換器と同様の作用、効果を得ることができる。
本発明の電気音響変換器において、前記振動板の全体を収容するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記振動板が発生する音響を外部に出力する音口と、前記振動板の周囲に張設され、前記振動板の振動方向に対して可動な材料からなるコルゲーションと、前記コルゲーションの周囲に形成され、前記ハウジングと一体的に固定された枠部とを更に設けてもよい。この場合、前記構造部を前記ハウジングに固定することにより、アーマチュアと構造部の相対的な振動を確実に音響に変換して外部に出力することが可能となる。
本発明によれば、アーマチュア自身の弾性を利用することなく、アーマチュアの両端と構造部との間を結合する1対の弾性部材を設け、アーマチュアの変位の復元力を与えるように構成したので、アーマチュアの設計上の自由度を高めることができる。これにより、良好な磁気特性と耐衝撃性とを両立でき、小型高出力化に適した電気機械変換器及び電気音響変換器を実現することが可能となる。
第1実施形態の電気機械変換器の構造を示す正面図である。 図1の電気機械変換器を上方から見たときの上面図である。 図1の電気機械変換器を紙面右側から見たときの右側面図である。 第1実施形態の電気機械変換器における後述の磁気回路部の分解斜視図である。 図2のA−A断面における断面構造図である。 第1実施形態の電気機械変換器との対比のための比較例として、従来型のバランスド・アーマチュア型の電磁型変換器における磁気回路部の断面構造を模式的に示す図である。 図6の磁気回路部を紙面右側から見たときの断面図である。 第2実施形態の電気機械変換器を上方から見たときの上面図である。 図8のA−A断面における断面構造図である。 第3実施形態の電気機械変換器の構造を示す正面図である。 図10の電気機械変換器を上方から見たときの上面図である。 図10の電気機械変換器を紙面右側から見たときの右側面図である。 第3実施形態の電気機械変換器における磁気回路部の分解斜視図である。 第4実施形態の電気音響変換器の構造を示す上面図である。 図14の電気音響変換器を紙面右側から見たときの右側面図である。 図14のA−A断面における断面構造図である。 第5実施形態の電気機械変換器の主要部の構造を示す正面図である。 図17の電気音響変換器の主要部を上方から見たときの上面図である。 図17の電気機械変換器の主要部を紙面右側から見たときの右側面図である。 第5実施形態におけるバネ部材及びバネベースの構造を拡大して示す図である。
本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。以下では、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器、及び、電気信号を音響に変換する電気音響変換器に対して本発明を適用した複数の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1〜図5を参照して、本発明を適用した第1実施形態の電気機械変換器について説明する。図1は、第1実施形態の電気機械変換器の内部構造を示す一部欠け端面図(正面図)である。図1の右側には、便宜上X方向及びZ方向をそれぞれ矢印にて示している。図2は、図1の電気機械変換器をZ方向に沿って紙面上方から見たときの一部欠け端面図(上面図)であり、X方向及びY方向をそれぞれ矢印にて示している。図3は、図1の電気機械変換器をX方向に沿って紙面右側から見たときの一部欠け端面図(右側面図)であり、Y方向及びZ方向をそれぞれ矢印にて示している。図4は、第1実施形態の電気機械変換器における後述の磁気回路部の分解斜視図である。図5は、図2のA−A断面における断面構造図である。
第1実施形態の電気機械変換器は、その全体を収容するハウジング10と、ハウジング10内の駆動部を構成する1対のヨーク11、12、4つの磁石14、15、16、17、コイル13、4つのスペーサ18、19、20、21、アーマチュア22、バネ部材23(本発明の第1の弾性部材)及びバネ部材24(本発明の第2の弾性部材)を備えている。ハウジング10は、上下対称に配置された下部のハウジング部材10a及び上部のハウジング部材10bを一体化した構造を有し、その内部に上記駆動部の各構成要素が配置されている。上記駆動部のうち、ヨーク11、12、4つの磁石14〜17、コイル13、スペーサ18〜21は、一体的に配置された本発明の構造部として機能し、この構造部の内部空間を貫くアーマチュア22が駆動部に対して可動に配置されている。なお、図1〜図3は、いずれもハウジング10を部分的に除去して内部を見た構造を示しているが、実際には電気機械変換器の全体がハウジング10に覆われている。
ヨーク11、12は、下部のヨーク11(本発明のヨーク部材)と上部のヨーク12(本発明のヨーク部材)がZ方向に対向配置されている。図4に示すように、各々のヨーク11、12の中央部には、それぞれ内面を向く凹部11a、12aが形成され、空芯のコイル13が上下のヨーク11、12の各凹部11a、12aに挟まれるように空芯(貫通孔)の両端をX方向に開口させて配置されている。コイル13は、ヨーク11、12の中央に位置決めされ、ヨーク11、12の内面側と接着剤で固定されている。
ヨーク11、12のX方向の両側には、磁石14〜17が対称的に配置されている。すなわち、1対の磁石14、15がヨーク11、12のX方向の一端の各対向面に接着固定され、1対の磁石16、17が同様にヨーク11、12のX方向の他端の各対向面に接着固定されている。
ヨーク11、12は、磁石14、15の近傍でY方向に対向配置される1対のスペーサ18、20と、磁石16、17の近傍でY方向に対向配置される1対のスペーサ19、21とに支持されている。これら4つのスペーサ18〜21の各々は、図3に示すように、内側に向かって凸形状に形成され、その凸形状の上下にヨーク11、12が位置決めされつつ、レーザ溶接又は接着材で固定される。
アーマチュア22は、X方向に長尺の板状部材であり、1対の磁石14、15の間の空間と、コイル13の貫通孔と、1対の磁石16、17の間の空間をそれぞれ貫くように配置されている。図3に示すように、アーマチュア22の上下(Z方向の両面)には、磁石14〜17との間に平行な隙間が形成されており、それぞれの隙間がギャップG1、G2、G3、G4(図5)を構成する。第1実施形態の例では、同形状の4つの磁石14〜17と、同形状の4つのスペーサ18〜21と、同形状の4つのギャップG1、G2、G3、G4を有する構造を示している。また、アーマチュア22は、その動作範囲内でZ方向に変位したとき、コイル13と接触しない程度の適当な隙間を有するように配置される。
図4に示すように、アーマチュア22は、ヨーク11、12に対向する空間(構造部の内部空間)に位置する内側部22aと、ヨーク11、12に対向する空間から両側に突出した外側部22b、22cからなる。アーマチュア22の内側部22aは、Y方向で磁石14〜17の幅と同程度の幅に形成され、ヨーク11、12、磁石14〜17及びコイル13とともに磁気回路を構成する。アーマチュア22の外側部22b、22cは、Y方向で磁石14〜17の幅よりも細い幅に形成されている。なお、外側部22b、22cを磁石14〜17と同じ幅で形成してもよいが、磁石14〜17よりも細い幅とすることで軽量化でき、駆動効率を高めることができる。
アーマチュア22の外側部22b、22cには、磁気的な性能は要求されないが、もっぱら機械的要素としての役割が要求され、外側部22b、22cに板状部材を折り曲げ加工したバネ部材23、24がそれぞれ取り付けられている。図3に示すように、バネ部材23(24)の中央部23a(24a)は、アーマチュア22の外側部22b(22c)とレーザ溶接等により固定され、バネ部材23(24)の両端の先端部23b(24b)は、下部のヨーク11とレーザ溶接等により固定される。ただし、図3の構造には限られず、バネ部材23、24を上部のヨーク12と固定してもよいし、例えば、一方のバネ部材23を上部のヨーク12と固定し、かつ他方のバネ部材24を下部のヨーク11と固定してもよい。
バネ部材23、24は、アーマチュア22が磁気回路内でギャップG1〜G4に対して相対的に変位したとき、その変位の大きさに比例した復元力をアーマチュア22に与える役割がある。第1実施形態においては、バネ部材23、24が上述の磁気回路部と一体的に駆動部を構成する。また、アーマチュア22の両側の外側部22b、22cの各々は、その両端が上下のハウジング部材10a、10bに挟まれた状態で接着剤等により固定される。このような構造により、前述の駆動部の各構成要素はハウジング10(ハウジング部材10a、10b)内に収納される。
ハウジング10の外側の一端には、1対の電気端子25が設けられている。この電気端子25には、コイル13から延出される1対のリード線13aが半田付け等により電気的に接続される。これにより、ハウジング10の外部から電気端子25及びリード線13aを介してコイル13に通電することができる。
アーマチュア22とハウジング10との上述の結合部分は、駆動部で発生した振動がハウジング10に確実に伝達されるように十分な剛性を持たせる必要がある。アーマチュア22とハウジング10との間の結合部分が十分な剛性を持たない場合は、アーマチュア22とハウジング10との間に補強部材を設けて十分な剛性を得るようにしてもよい。
ハウジング10は、アーマチュア22の両端とリード線13a以外の部分では、駆動部と接触しないような構造であり、正常な動作範囲内でも接触しないような適度な隙間を持つ構造とされる。第1実施形態の電気機械変換器において、通常、ハウジング部材10a、10bの結合部分は接着剤等によりシールされるので、ハウジング10の内部は密閉される状態になる。
次に、第1実施形態の電気機械変換器の各構成要素の材料について説明する。ヨーク11、12及びアーマチュア22には、例えば、45%Niのパーマロイ等の軟磁性材料が用いられる。磁石14〜17には、例えば、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石、アルニコ磁石などが用いられる。スペーサ18〜21は、軟磁性材料を用いてもよいが、非磁性材料の金属を用いてもよい。例えば、SUS304等のステンレスやチタンを用いることができる。また、スペーサ18〜21に対して磁石14〜17の吸引力が常時作用するため、その力の影響によりヨーク11、12の位置を変化させない限り、スペーサ18〜21にプラスチック材料を用いてもよい。コイル13には、例えば、自己融着銅線などの線材が用いられる。バネ部材23、24は、バネ用SUS等のバネ材料が用いられる。
ハウジング10は、電気機械変換器を支持可能な強度の範囲内で極力軽い材料を用いることが望ましい。例えば、プラスチック材料又はステンレス等の金属材料が用いられる。磁気回路からの漏洩磁束が問題になる場合には、ハウジング10の材料として、例えば、78%Niパーマロイ等の軟磁性材料を用いてもよい。
次に、図5を用いて、第1実施形態の電気機械変換器の動作について説明する。図5に示すように、コイル13を挟んで対向配置された1対の磁石14、15及び1対の磁石16、17は、互いに逆方向に着磁されている。例えば、図5の右側の磁石14、15は下方向に磁化され、図5の左側の磁石16、17は上方向に磁化される。このように磁化された磁石14〜17により、ヨーク11、12及びアーマチュア22には、実線矢印にて示す磁束B1が発生する。
そして、磁束B1のうちギャップG1〜G4を通る磁束による磁気力がアーマチュア22に作用する。具体的には、アーマチュア22に対し、下側のギャップG1、G3を介して下向きの力が作用するとともに、上側のギャップG2、G4を介して上向きの力が作用する。これら4つの力が釣り合っていない場合には、アーマチュア22は力の大きい方に変位する。よって、コイル13に電流が流れていない状態で上記4つの力が釣り合うようにアーマチュア22が位置決めされる。このとき、アーマチュア22が変位しないので、ギャップG1を通る磁束とギャップG2を通る磁束がほぼ等しく、かつ、ギャップG3を通る磁束とギャップG4を通る磁束もほぼ等しい状態にある。そのため、アーマチュア22のうちコイル13に囲まれた部分には正味の磁束が流れない状態にある。
上記の状態でコイル13に電流を流す場合、アーマチュア22のうちコイル13に囲まれた部分には、電流の方向に応じた向きの磁束が発生する。例えば、図5は、コイル電流により、アーマチュア22に点線矢印で示す磁束B2が発生する状態を示している。このとき、図5における磁束B1及び磁束B2の方向性を考慮すると、磁束B2の発生により、ギャップG1とギャップG3の磁束はそれぞれ増加し、ギャップG2とギャップG4の磁束はそれぞれ減少する。その結果、アーマチュア22は下向きの磁気力を受けて下向きに変位する。
アーマチュア22が下向きに変位したとき、バネ部材23、24により、変位を元の位置に戻そうとする復元力が作用する。アーマチュア22が変位したときバネ部材23、24の復元力の和が、アーマチュア22に働く磁気力に比べて大きい場合は、アーマチュア22が磁石14、16に吸着することは避けられる。以上の動作は、所謂バランスド・アーマチュア型の電磁型変換器の動作原理と同様である。なお、コイル電流が上記と逆向きである場合は、アーマチュア22が上向きの磁気力を受けて上向きに変位する状態を想定すればよい。
ここで、アーマチュア22以外のヨーク11、12、コイル13、磁石14〜17、スペーサ18〜21からなる部分(本発明の構造部)とアーマチュア22との相対振動を考える。上述したように、コイル13への電気信号の印加時に流れる電流に応じた駆動力が発生し、この駆動力が上述の相対振動を生じさせる。アーマチュア22の両端とハウジング10とが十分な剛性をもって固定されるので、アーマチュア22と構造部との間に発生した駆動力は、アーマチュア22を通してハウジング10に伝達され、ハウジング10に振動を生じさせる。以上のように、第1実施形態の電気機械変換器は、電気端子25に印加される電気信号に対応する機械振動を発生するように構成される。
図6は、第1実施形態の電気機械変換器との対比のための比較例として、従来型のバランスド・アーマチュア型の電磁型変換器における磁気回路部の断面構造を模式的に示している。また、図7は、図6の磁気回路部をX方向に沿って紙面右側から見たときの断面図である。本比較例の磁気回路部は、ヨーク30と、コイル31と、アーマチュア32と、1対の磁石33、34とを備えている。また、1対の磁石33、34とアーマチュア32との隙間がギャップGa、Gbを構成する。本比較例の構造においては、図6に示すように、U字状に折り曲げられたアーマチュア32は、変位したときの復元力がアーマチュア32自身の弾性により与えられ、第1実施形態のバネ部材23、24に相当する部材は設けられていない。
また、磁石33、34及びギャップGa、Gbはアーマチュア32のX方向の片側だけに設けられ、この部分でアーマチュア32がヨーク30と磁気的に結合する構造となっている。1対の磁石33、34は、矢印方向に磁化されており、これによりヨーク30及びアーマチュア32には、図7に示すように、YZ面内の両側で対称的な磁気回路に磁束B3が発生する。磁束B3のうち、ギャップGa、Gbを通るそれぞれの磁束による2つの磁気力がアーマチュア32に作用する。コイル31に電流が流れていない状態では、上記2つの磁気力が釣り合うようにアーマチュア32が位置決めされる。このとき、上下のギャップGa、Gbを通る磁束が等しくなり、アーマチュア32のうちコイル31に囲まれた部分には磁束が流れない。
上記の状態でコイル31に電流を流す場合、アーマチュア32のうちコイル31に囲まれた部分に磁束が発生する。例えば、図6は、コイル電流により、アーマチュア32に点線矢印で示す磁束B4が発生する状態を示している。磁束B4の発生により、ギャップGbの磁束は増加し、ギャップGaの磁束は減少する。その結果、アーマチュア32は上向きの力を受けて上向きに変位する。この状態でコイル電流をゼロにすれば、U字状のアーマチュア32自身の弾性による復元力により、アーマチュア32が元の位置に戻る。この場合、コイル31への電気信号の印加時に流れる電流に応じた駆動力が発生し、その駆動力がアーマチュア32を振動させる。
ここで、図6及び図7に示す構造を有する電磁型変換器において、アーマチュア32が釣り合いの位置から変位している状態を考える。例えば、アーマチュア32を上側のギャップGbの方向に変位させた場合、アーマチュア32自身の弾性による復元力も変位に比例するが、その向きは変位を戻そうとする向きに働く。このような弾性力の変位に対する比は正のスティフネスと呼ばれる。これに対して、ギャップGbが小さくなるためギャップGbにおける磁束が増加し、かつ、ギャップGaにおける磁束が減少する。その結果、アーマチュア32には上向きの磁気力が作用する。このときの磁気力の大きさは、アーマチュア32の釣り合いの位置からの変位にほぼ比例し、磁気力の向きは変位した方向に一致する。
一方、上記磁気力は上記復元力と逆向きの力であるため、上記磁気力の変位に対する比は、通常、負のスティフネスと呼ばれる。
アーマチュア32がギャップGa、Gb内で変位したときに必ず元の位置に戻るための条件として、アーマチュア32自身の持つ正のスティフネスを負のスティフネスの絶対値よりも大きくする必要がある。しかし、上記構造を有する電磁型変換器においては、所定の大きさの範囲内で駆動力を高めるためには、負のスティフネスの絶対値がより大きい方が望ましい。従って、アーマチュア32自身の持つ正のスティフネスも必然的に大きくする必要があり、アーマチュア32による大きな復元力を得るためにアーマチュア32の板厚を厚くする必要がある。アーマチュア32の板厚は厚くするほど弾性範囲内の変位が小さくなっていく。
上記構造を有する電磁型変換器を小型に構成し、かつ大振幅で駆動させるには、アーマチュア32の板厚を薄くする必要がある。しかし、アーマチュア32の正のスティフネスは板厚の3乗に比例することが知られており、それに応じて負のスティフネスも小さくする必要がある。その結果、最大変位量を大きくできたとしても、振動の駆動力が小さくなる。さらに、板厚が薄くなることで降伏応力が小さくなるため衝撃に対しても弱くなることは避けられない。すなわち、上記構造を有する電磁型変換器では、振動の最大駆動力と最大変位量がトレードオフの関係を有することになる。以上のように、本比較例の構造によれば、アーマチュア32自身の弾性による復元力を利用しているため、アーマチュア32を設計する際、その板厚に大きい制約を受ける。
これに対し、第1実施形態の電気機械変換器の構造は、図6及び図7に示す比較例とは異なり、アーマチュア22の設計時に上述の制約を受けない。具体的には、第1実施形態のアーマチュア22のスティフネスは、板厚には依存せず、別部品であるバネ部材23、24に依存して定まるので、所望のスティフネスとは無関係にアーマチュア22の板厚を決めることができる。第1実施形態の電気機械変換器が図5のZ方向の大きな衝撃を受けた場合、バネ部材23、24はギャップG1〜G4程度の変形を受けるが、バネ部材23、24の弾性範囲内の変形がこの程度の変形より十分大きくなるように設計しておくことによりZ方向の耐衝撃性向上が可能である。これに対して従来構造の場合、Z方向の大きな衝撃を受けると、アーマチュア32自体に大きな応力がかかるため、Z方向の十分な耐衝撃性を得ることが難しい。従って、本発明を適用した電気機械変換器によれば、磁性材料からなるアーマチュア22自身の弾性を利用することなく、別部品であるバネ部材23、24を用いてアーマチュア22の復元力を与えることにより、図6及び図7の構造の上述の問題点を解消し、駆動力と変位量の両方を大きくでき、小型高出力化に適した電気機械変換器を実現することができる。以上述べた効果は、第1実施形態に加えて、以下で説明する第2〜第5実施形態においても共通である。
[第2実施形態]
次に、図8及び図9を参照して、本発明を適用した第2実施形態の電気機械変換器について説明する。第2実施形態の電気機械変換器は、その構造の多くが第1実施形態と共通であるので、以下では主に異なる点について説明する。図8は、第2実施形態の電気機械変換器の構造を示す上面図(一部欠け端面図)であり、図9は、図8のA−A断面における断面構造図である。図8及び図9は、それぞれ第1実施形態の図2及び図5に対応し、X、Y、Zで表す方向性についても共通である。
第2実施形態の電気機械変換器において、第1実施形態と実質的に同一の構成要素については、同一の部材番号で表記される。一方、第2実施形態の電気機械変換器は、4つのヨーク40、41、42、43及び2つの磁石44、45を備え、その構造及び配置については第1実施形態のヨーク11、12及び磁石14〜17とは異なっている。
具体的には、X方向に沿って、一方の側には下部のヨーク40と上部のヨーク41が対向配置され、他方の側には下部のヨーク42と上部のヨーク43が対向配置されている。そして、一方の磁石44が下側のヨーク40、42の間に接着固定され、他方の磁石45が上側のヨーク41、43の間に接着固定されている。
第2実施形態においては、アーマチュア22、ヨーク40〜43、磁石44、45、コイル13によって構成される磁気回路が、第1実施形態のそれとは異なっているが、磁気回路としての機能は同じである。すなわち、図9に示すように、下部の磁石44と上部の磁石45は、互いに逆方向に磁化され、これらの磁石44、45により、ヨーク40〜43及びアーマチュア22には、実線矢印にて示す磁束B5が発生する。また、コイル13に電流を流したときは、アーマチュア22には、点線矢印にて示す磁束B6が発生する。なお、図9の磁束B5、B6による作用は、図5の磁束B1、B2による作用とほぼ共通である。
第2実施形態の構造によれば、磁石14〜17を設ける第1実施形態の構造と比べ、2つの磁石44、45を設けるのみでよい。ただし、磁石44、45がアーマチュア22から離れて配置されているため、コイル13の電流が流れていない状態でアーマチュア22を適切に位置決めすることが重要となる。第2実施形態の電気機械変換器において、駆動力と変位量に関する効果については第1実施形態とほぼ同様であるため、説明を省略する。
[第3実施形態]
次に、図10〜図13を参照して、本発明を適用した第3実施形態の電気機械変換器について説明する。第3実施形態の電気機械変換器は、その構造の多くが第1実施形態と共通であるので、以下では主に異なる点について説明する。図10は、第3実施形態の電気機械変換器の構造を示す正面図(一部欠け端面図)であり、図11は、図10を上方から見たときの上面図(一部欠け端面図)であり、図12は、図10を紙面右側から見たときの右側面図(一部欠け端面図)であり、図13は、第3実施形態の電気機械変換器における磁気回路部の分解斜視図である。図10〜図13は、それぞれ第1実施形態の図1〜図4に対応し、X、Y、Zで表す方向性についても共通である。なお、図11のA−A断面における断面構造図については、第1実施形態の図5と共通である。また、図11では、ヨーク50及び磁石15についても部分的に除去して示している。
第3実施形態の電気機械変換器において、第1実施形態と実質的に同一の構成要素については同一の部材番号で表記される。一方、第3実施形態の電気機械変換器において、第1実施形態と異なる点は、4つのスペーサ18〜21が設けられず、かつ、上下対称に配置されたヨーク50、51を一体化した構造を有することである。
図13に示すように、下部のヨーク50と上部のヨーク51は、それぞれ内面を向く凹部50a、51aが形成され、それぞれの凹部50a、50bの両側における4つの角部が互いに接合することにより一体的なヨークを構成する。これにより、ヨーク50、51は、第1実施形態のスペーサ18〜21と同様の支持構造を有するので、スペーサ18〜21が不要となる。第3実施形態における磁気回路においては、第1実施形態の図5と同様、磁石14〜17による磁束B1(実線矢印)とコイル電流による磁束B2がそれぞれ発生する。ただし、図12に示したように、第3実施形態の構造にはヨーク50の側部が存在するため、磁束B1には、XZ平面内のループ状の成分だけではなく、比較例の磁束B3(図7)と同様、YZ平面内のループ状の成分も含まれる。第3実施形態の電気機械変換器において、駆動力と変位量に関する効果については第1実施形態とほぼ同様であるため、説明を省略する。
[第4実施形態]
次に、図14〜図16を参照して、本発明を適用した第4実施形態の電気音響変換器について説明する。第1〜第3実施形態では、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器の例を示したが、第4実施形態では、電気信号を音響に変換して外部に出力する電気音響変換器の例を示す。図14は、第4実施形態の電気音響変換器の構造を示す上面図(一部欠け端面図)であり、図15は、図14を紙面右側から見たときの右側面図(一部欠け端面図)であり、図16は、図14のA−A断面における断面構造図である。図14〜図16は、それぞれ第1実施形態の図2、図3、図5に対応し、X、Y、Zで表す方向性についても共通である。
第4実施形態の電気音響変換器において、駆動部については第3実施形態の駆動部と実質的に同一の構造であるため、その構成要素に同一の番号を付して説明を省略する。第4実施形態においては、図15及び図16に示すように、ヨーク50が下部のハウジング部材60aにレーザ溶接等で固定され、アーマチュア22はハウジング60に固定されず、1対の板状のロッド61、62がアーマチュア22の両端にレーザ溶接等で固定されている。そして、ハウジング60の端部に振動板組立部64が配置され、上方に延伸されるロッド61、62の先端部61a、62aが、振動組立部64の両側の2つの矩形孔を貫通し、それぞれ接着剤65で固定される。振動板組立部64の外周側に形成された枠部64cは、ハウジング60を構成する下部のハウジング部材60aと上部のハウジング部材60bとに挟まれた位置で、数ヶ所の接合部を介してレーザ溶接でハウジング60と一体的に固定される。なお、図14において、ハウジング60と枠部64cは平面視で同一の外周形状に形成される。
振動板組立部64において、枠部64cの内周側にフィルム状のコルゲーション64bが張設され、そのコルゲーション64bの全周に振動板64aが接着されている。コルゲーション64bの役割は、振動板64aがZ方向に振動したときに、その振動を妨げることなく、ハウジング60内の空間を仕切って音圧を有効に発生させることにある。また、図16に示すように、上部のハウジング部材60bの一端には切り欠き60cが形成され、その部分の外部に向かって音口63が取り付けられ、音口63と上下のハウジング部材60a、60bがレーザ溶接で固定される。以上の構造により、コイル13に電流を流してアーマチュア22が上下に振動したとき、2つのロッド61、62を経由して振動板64aが上下に並進振動することで音圧が発生し、それが音口63から外部に出力される。なお、ハウジング60と枠部64cの接合部、及び、ハウジング60と音口63の接合部から音が漏れないようにするため、それらの接合部が接着剤でシールされる。
[第5実施形態]
次に、図17〜図20を参照して、本発明を適用した第5実施形態の電気機械変換器について説明する。第5実施形態の電気機械変換器は、その構造の多くが第3実施形態と共通であるので、以下では主に異なる点について説明する。図17は、第5実施形態の電気機械変換器の主要部の構造を示す正面図(一部欠け端面図)であり、図18は、図17を紙面上方から見たときの上面図(一部欠け端面図)であり、図19は、図17を紙面右側から見たときの右側面図(一部欠け端面図)である。なお、図17〜図19は、それぞれ第3実施形態の図10〜図12に対応し、X、Y、Zで表す方向性についても共通であるが、ハウジング10及びそれに関連する部材については、簡略化のため図示を省略している。また、図17及び図18では、ヨーク50、51及び磁石15についても部分的に除去して示している。
第5実施形態の電気機械変換器において、第3実施形態と実質的に同一の構成要素については同一の部材番号で表記される。第5実施形態の特徴は、第3実施形態の電気機械変換器に対して衝撃対策を施した点である。図17に示すように、第5実施形態の電気機械変換器には、衝撃対策を目的とした4つのプロテクタ70、71、72、73が設けられている。ヨーク50、51に対し、X方向の一方の端部には1対のプロテクタ70、71がレーザ溶接等で固定され、X方向の他方の端部には1対のプロテクタ72、73がレーザ溶接等で固定される。各々のプロテクタ70〜73は、図17に示すように、両端部分が中央部分から若干突出した断面形状を有する板状部材である。これらのプロテクタ70〜73は、図17に示すように、アーマチュア22の内側部22aとX方向の適度な隙間を持って対向し、かつ、図18に示すように、アーマチュア22の外側部22b、22cとY方向の適度な隙間を持って対向した状態で配置される。
第5実施形態では、上述のようにアーマチュア22と隙間を持って配置されるプロテクタ70〜73を設けたことにより、アーマチュア22とヨーク50、51とのX方向及びY方向の相対的な可動範囲を制限することが可能となり、耐衝撃性を改善することができる。なお、アーマチュア22とプロテクタ70〜73との隙間の大きさは、衝撃によってアーマチュア22とプロテクタ70〜73が衝突したとしても、バネ部材74、75等の弾性範囲を超えた変形を受けない程度に小さく設定することが望ましい。第5実施形態では、アーマチュア22のX方向とY方向に対する衝撃対策を考慮しているが、Z方向に対する衝撃対策を施すことも可能である。しかし、通常はZ方向の衝撃に対してアーマチュア22が相対的にギャップG1〜G4(図5)の大きさだけ変位したとしてもバネ部材74、75が弾性範囲を超えないように設計される。従って、Z方向に対する衝撃対策用のプロテクタは設けなくてもよい。なお、プロテクタ70〜73に関し、変形に対する強度、及びヨーク50、51との間の溶接強度は、耐衝撃性に求められる設計値を満たすように設計する必要がある。
また、第5実施形態においては、上述の衝撃対策に関連して、バネ部材74、75の構造が第1〜第4実施形態のバネ部材23、24とは異なっている。すなわち、第5実施形態のバネ部材74、75は、それぞれの基端部がバネベース76、77に固定されている。これらのバネベース76、77は、第1〜第4実施形態のバネ部材23、24の先端部23b、24bに相当する部分に設けられ、下部のヨーク50とプロテクタ70〜73に接する位置に配置されている。ここで、図20には、バネ部材74及びそれに付随するバネベース76の構造を拡大して示している。図20に示すように、バネベース76は、平面視でコの字状の断面形状を有し、部分的にバネ部材74の基端部に挟まれる状態で固定されている。
以上のように、第1〜第5実施形態に基づいて、本発明に係る電気機械変換器及び電気音響変換器について説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。例えば、本発明に係る電気機械変換器は、使用者の耳甲介腔に装用する補聴器に適用することができる。これにより、電気機械変換器の振動自体とそのハウジングの振動によって発生した音の両方を伝達手段として機能させ、使用者の耳に音を伝達することができる。このような電気機械変換器を、例えば、耳甲介腔に装用する補聴器に適用する場合、ハウジング10の外形形状を耳甲介腔装用に適した形状とすることが望ましい。
10、60…ハウジング
11、12、30、40、41、42、43、50、51…ヨーク
13、31…コイル
13a…リード線
14、15、16、17、33、34、44、45…磁石
18、19、20、21…スペーサ
22、32…アーマチュア
23、24、74、75…バネ部材
25…電気端子
61、62…ロッド
63…音口
64…振動板組立部
64a…振動板
64b…コルゲーション
64c…枠部
65…接着剤
70、71、72、73…プロテクタ
76、77…バネベース
G1、G2、G3、G4…ギャップ

Claims (6)

  1. 電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器において、
    少なくとも1対の磁石と、前記磁石による磁束を導くヨークと、前記電気信号が供給されるコイルとを一体的に配置した構造部と、
    前記構造部の内部空間を貫く内側部と、前記内側部から両側に突出した第1の外側部及び第2の外側部とを有し、前記内側部のうち互いに逆向きの前記磁束が導かれる2つの領域を介して前記構造部と磁気回路を構成し、前記構造部に対して前記2つの領域における前記磁束の向きに平行に変位するアーマチュアと、
    前記2つの領域と前記構造部の間に形成されるそれぞれのギャップと、
    前記アーマチュアの前記第1の外側部と前記構造部との間を結合する第1の弾性部材と、
    前記アーマチュアの前記第2の外側部と前記構造部との間を結合する第2の弾性部材と、
    を備え、
    前記アーマチュアの変位による前記それぞれのギャップの大きさに応じて前記磁石による磁束が変化することを特徴とする電気機械変換器。
  2. 前記第1及び第2の弾性部材は、1対のバネ部材であることを特徴とする請求項1に記載の電気機械変換器。
  3. 前記構造部、前記アーマチュア、前記第1及び第2の弾性部材の全体を収容するハウジングを更に備え、
    前記アーマチュアの前記第1及び第2の外側部のそれぞれの端部が前記ハウジングに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気機械変換器。
  4. 前記少なくとも1対の磁石は、前記アーマチュアの前記2つの領域において、それぞれギャップを介して対向する2対の磁石であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気機械変換器。
  5. 前記構造部のうち前記アーマチュアの前記第1及び第2の外側部の近傍に、前記構造部に対する前記アーマチュアの可動範囲を制限するプロテクタを設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電気機械変換器。
  6. 電気信号を音響に変換する電気音響変換器において、
    少なくとも1対の磁石と、前記磁石による磁束を導くヨークと、前記電気信号が供給されるコイルとを一体的に配置した構造部と、
    前記構造部の内部空間を貫く内側部と、前記内側部から両側に突出した第1の外側部及び第2の外側部とを有し、前記内側部のうち互いに逆向きの前記磁束が導かれる2つの領域を介して前記構造部と磁気回路を構成し、前記構造部に対して前記2つの領域における前記磁束の向きに平行に変位するアーマチュアと、
    前記2つの領域と前記構造部の間に形成されるそれぞれのギャップと、
    前記アーマチュアの前記第1の外側部と前記構造部との間を結合する第1の弾性部材と、
    前記アーマチュアの前記第2の外側部と前記構造部との間を結合する第2の弾性部材と、
    それぞれ一端が前記第1及び第2の外側部に各端部に固定された1対のロッドと、
    前記1対のロッドのそれぞれの他端に接続され、前記構造部に対する前記アーマチュアの振動に応じて音圧を発生する振動板と、
    を備え、
    前記アーマチュアの変位に応じて前記磁石による磁束が変化することを特徴とする電気音響変換器。
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