JP6625896B2 - 電気機械変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器に関し、特にアーマチュア、ヨーク、コイル、磁石等からなる駆動部を備えた電気機械変換器に関するものである。
補聴器等に用いられる電気機械変換器は、アーマチュア、ヨーク、コイル、磁石などからなる駆動部を備え、コイルに供給される電気信号に応じてアーマチュアを駆動し、アーマチュアと他の部材との間の相対振動を機械振動に変換するように構成される。所謂バランスド・アーマチュア型の電磁型変換器は、アーマチュアを用いた磁気回路が構成され、アーマチュアが変位したときのアーマチュア自身の弾性による復元力が、その変位によって生じる磁石の磁気力より大きくなるように構成される。例えば、特許文献1には、アーマチュアの設計に際しての磁気的な要求と機械的な要求の両方を満たすことが可能な電気機械変換器として、平板状のアーマチュアと、このアーマチュアに復元力を付与する2つの弾性機構(バネ部材)とを具備し、各々の弾性機構の係合部がアーマチュアの外側部に係合する構造が提案されている。このような構造を有する電気機械変換器により、アーマチュアの設計制約を減らすとともに、耐衝撃度の向上と小型高出力化が可能となる。
特開2015−154402号公報
特許文献1に開示された電気機械変換器は、アーマチュアの外側部を弾性機構の係合部に係合させる構造を有するので、コイルに電流が流れないときに磁石、ヨーク、コイル等からなる構造部の内部空間の所定位置にアーマチュアを位置決めすることができる。しかし、このような構造を採用すると、アーマチュアと弾性機構のそれぞれに対し、両者を係合させるための高精度で微細な加工が要求されることになる。よって、電気機械変換器の低コスト化が困難となり、構成部品の小型化にも適していない。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、弾性部材により復元力を付与されるアーマチュアを確実に位置決めしつつ、簡単な加工により低コスト化と小型化に適した電気機械変換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器において、少なくとも2対の磁石(14)と、前記磁石による磁束を導くヨーク(10)と、前記電気信号が供給されるコイル(11)とを一体的に配置した構造部と、前記構造部の内部空間を貫く平板状の部材からなり、互いに逆向きの前記磁束が導かれる2つの領域が前記平板状の部材の第1の方向(X)に対向して配置され、前記2つの領域を介して前記構造部と磁気回路を構成し、前記磁気回路の磁気力に基づく変位方向(Z)に変位するアーマチュア(12)と、前記アーマチュアに対して前記変位方向の両側にそれぞれ配置され、前記アーマチュアの前記構造部に対する相対的変位に応じた復元力を前記アーマチュアに付与する1対の弾性部材(13)とを備えて構成され、前記アーマチュアの両側の表面のうち前記2つの領域に面する各々の位置に、前記2対の磁石にそれぞれ対向する2対の平板状のポールピース(15)が取り付けられていることを特徴としている。
本発明の電気機械変換器によれば、構造部の内部空間を貫くアーマチュアは、両側の表面の2つの領域に取り付けられたポールピースと磁石が対向する部分に磁束が集中するため、この位置に位置決めされることとなり、コイルに電流を流したときの磁気力によりアーマチュアが相対的に変位し、アーマチュアに接触する1対の弾性部材を介してアーマチュアの変位に応じた復元力が作用する。よって、設計上の自由度を高めたアーマチュアを用いつつ、アーマチュアと1対の弾性部材を係合させるための高精度で微細な加工が不要となり、低コスト化と小型化に適した電気機械変換器を実現可能となる。
本発明のポールピースは、前記2つの領域を介して対向する磁石と変位方向から見て同一の形状として形成することができる。これにより、アーマチュアは、変位方向から見てポールピースと磁石が重なる位置に安定的に位置決めすることができる。この場合、ポールピースの表面にそれぞれポールピース側磁石を設け、このポールピース側磁石を、変位方向から見て磁石と同一の形状として形成してもよい。
本発明の1対の弾性部材の各々として、アーマチュアの第1の方向の両側に接触して復元力を付与する1対の接触部と、ヨークの端部に固定される1対の固定部とを有するバネ部材を用いることができる。これにより、アーマチュアと1対の弾性部材を係合させることなく、アーマチュアに対してバネ部材の1対の接触部を介して確実に復元力を付与することができる。この場合、1対のバネ部材の各々は、ヨークを取り囲む開口部を有し、ヨークの一部が開口部から変位方向に突出する構造とすることが望ましい。このような構造により、電気機械変換器を取り扱う際にバネ部材に外力が加わることによる位置ずれ等を回避することができる。また、1対の固定部は、ヨークのうち、開口部を挟んで第1の方向及び変位方向に直交する第2の方向の両側に位置する突出部にそれぞれ固定することができる。
本発明によれば、平板状のアーマチュアのうち磁石と対向する位置にポールピースを取り付けたので、アーマチュアに復元力を付与する1対の弾性部材をアーマチュアに係合させることなく確実にアーマチュアの位置決めを行うことができ、高精度で微細な加工が不要となり、電気機械変換器の低コスト化及び小型化を実現することができる。
本実施形態の電気機械変換器における駆動部をZ方向の一方から見たときの上面図である。 図1の電気機械変換器における駆動部をY方向の一方から見たときの正面図である。 図1の電気機械変換器における駆動部をX方向の一方から見たときの側面図である。 本実施形態の電気機械変換器における磁気回路部の分解斜視図である。 バネ部材の全体構造を示す斜視図である。 本実施形態の電気機械変換器の構成要素のうち、ヨーク、コイル、アーマチュア、4個のポールピース、4個の磁石のみの部分的な断面構造を示す図である。 磁石とポールピースとの間に作用する磁力線を模式的に表した図である。 図6の断面構造の変形例を示す図である。 図2に示す構造の電気機械変換器における駆動部と、その全体を収容するハウジングを取り外した状態の構造を示す図である。 本実施形態の電気機械変換器の全体を収容するハウジングが一体化された状態の構造を示す図である。
本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。以下では、電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器に対して本発明を適用した実施形態について説明する。
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態の電気機械変換器の基本構造について説明する。図1〜図3では、互いに直交するX方向(本発明の第1の方向)、Y方向(本発明の第2の方向)、Z方向(本発明の変位方向)をそれぞれ矢印にて示している。本実施形態の電気機械変換器は、上、下、左、右の方向性を持たないが、以下では説明の便宜のため、各図面内(紙面)の方向(X、Y、Z)に応じて、上、下、左、右の方向を記載する場合がある。
図1は、本実施形態の電気機械変換器をZ方向の一方から見たときの上面図であり、図2は、図1の電気機械変換器をY方向の一方から見たときの正面図であり、図3は、図1の電気機械変換器をX方向の一方から見たときの側面図である。また、図4は、本実施形態の電気機械変換器における後述の磁気回路部の分解斜視図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態の電気機械変換器のうちの駆動部は、1対のヨーク10(10a、10b)と、コイル11と、アーマチュア12と、1対のバネ部材13(13a、13b)と、2対(4個)の磁石14と、2対(4個)のポールピース(磁極片)15とを含んで構成される。この駆動部のうち、1対のヨーク10、コイル11、4個の磁石14は、一体的に配置された本発明の構造部として機能する。すなわち、この構造部の内部空間を貫くアーマチュア12が1対のバネ部材13を介して構造部に対し可動となるように配置されている。なお、図1〜図4では示されないが、本実施形態の電気機械変換器の全体は一体的に後述のハウジング20(図9及び図10)に収容されている。
1対のヨーク10は、上部のヨーク10aと下部のヨーク10bがZ方向に対向配置された状態で、例えば溶接により一体的に固定される。図4に示すように、上下のヨーク10a、10bの内面側の中央に挟まれるように空芯のコイル11が配置されている。コイル11にはX方向の両端に開口する貫通孔が形成されるとともに、Y方向の両端に1対の電極11a(図1及び図2参照)が設けられ、コイル11が電気的に接続されている。コイル11は、ヨーク10a、10bの内面側と接着剤で固定されている。ヨーク10a、10bの材料としては、例えば、45%Niのパーマロイ等の軟磁性材料を用いることができる。
ヨーク10a、10bの内面側のX方向の両端部には、4個の板状の磁石14が対称的に配置されている。すなわち、ヨーク10a、10bのX方向の一端で上下に対向する1対の磁石14と、ヨーク10a、10bのX方向の他端で上下に対向する1対の磁石14は、いずれも上下に所定の距離を置いた状態でヨーク10a、10bの内面側にそれぞれ接着固定されている。
アーマチュア12は、X方向に長尺の平板状部材であり、X方向の一端の1対の磁石14の間の空間と、コイル11の貫通孔と、X方向の他端の1対の磁石14の間の空間をそれぞれ貫くように配置されている。図4に示すように、アーマチュア12の上下の面には、4個の磁石14と対向する位置に4個のポールピース15が取り付けられている。アーマチュア12は、ヨーク10a、10b、4個の磁石14、4個のポールピース15、コイル11とともに磁気回路を構成する。各々のポールピース15は、Z方向から見た形状が各々の磁石14と同形状である。アーマチュア12及び4個のポールピース15の材料としては、ヨーク10a、10bと同様、例えば、45%Niのパーマロイ等の軟磁性材料を用いることができる。
アーマチュア12をコイル11の貫通孔に挿入した状態で、4個の磁石14と4個のポールピース15の間には平行な隙間が形成されており、それぞれの隙間がエアギャップ16(図6)を構成する。各々のエアギャップ16は、アーマチュア12が、その通常動作の範囲内でZ方向に変位したとき、コイル11及び磁石14と接触しない程度の適当な隙間となっている。
1対のバネ部材13(本発明の1対の弾性部材)は、開口部を有する板状部材を折り曲げ加工して形成された板バネであり、一方のバネ部材13aがアーマチュア12の上側に配置されるとともに、他方のバネ部材13bがアーマチュア12の下側に配置されている。ここで、図5には、1つのバネ部材13(13a又は13b)の全体構造を斜視図で示している。上下のバネ部材13a、13bはアーマチュア12を挟んでZ方向に対称な構造を有するので、両者に対して図5は同様の構造として考えればよい。
図5において、バネ部材13は概ね一定の幅W及び厚さTを有し、中央の四角形状の開口部Aを取り囲む板状の部材により形成される。バネ部材13の1対の固定部P1は、各々のヨーク10の中央でY方向に突出する両側の突出部と、例えばレーザ溶接により固定される。また、バネ部材13の1対の接触部P2は、アーマチュア12のX方向の両端部に接触して上下方向から押圧する部分である。よって、バネ部材13は、1対の固定部P1の位置から1対の接触部P2の位置に至るまでに、アーマチュア12に向かってZ方向に屈曲する形状を有している。1対のバネ部材13の役割は、アーマチュア12が磁気回路内で構造部に対して相対的に変位したとき、その変位の大きさに比例する復元力をアーマチュア12に与えることにある。本実施形態のバネ部材13は1対の接触部P2でアーマチュア12に接触するのみであり、バネ部材13とアーマチュア12とを互いに係合するための構造は設けられていない。
なお、バネ部材13の寸法パラメータや細部の構造については、多様な設計が可能である。例えば、バネ部材13の幅W、厚さT、X方向及びY方向の長さ、開口部Aのサイズについては、バネ部材13の1対の固定部P1及び1対の接触部P2が機能を発揮し、かつアーマチュア12に与える復元力が得られる限り、多様な寸法形状を採用することができる。この場合、これらの寸法パラメータは、アーマチュア12に付与すべき復元力に応じたバネ定数を得られるように設計する必要がある。また、バネ部材13の開口部Aを設けることにより、本実施形態の電気機械変換器を取り扱う際、バネ部材13の開口部Aにおけるヨーク10の上下面を利用することができるので、バネ部材13に外力が加わることによる位置ずれ等を回避することができる。なお、バネ部材13の材質としては、例えば、ステンレス鋼材(SUS301、SUS304)などを用いることができる。
ここで、図示を省略しているが、バネ部材13はZ方向に若干押圧された状態でヨーク10に固定される。すなわち、図2に示すように、アーマチュア12が1対のバネ部材13によってZ方向から常に挟まれる状態になる。その状態におけるアーマチュア12の釣り合いの位置は、アーマチュア12及び2つのポールピース15を介してZ方向で対向する2つの磁石14から見たときに、Z方向において、その対向面から等距離にあることが望ましい。
次に、本実施形態の電気機械変換器の基本的な動作に関連し、アーマチュア12に取り付けられた4個のポールピース15及び4個の磁石14が対向する部分の構造と作用について説明する。図6は、本実施形態の電気機械変換器の構成要素のうち、ヨーク10、コイル11、アーマチュア12、4個のポールピース15、4個の磁石14に着目し、これらの構成要素のみの部分的な断面構造を示しており、図6(A)が図2と同方向から見たときのXZ断面構造図であり、図6(B)が図3と同方向から見たときのYZ断面構造図である。
図6(A)に示すように、アーマチュア12のX方向の2つの位置には、それらの位置でのZ方向からアーマチュア12を挟むようにそれぞれ2個ずつ(計4個)のポールピース15が配置される。また、それぞれのポールピース15は、Z方向についてアーマチュア12の反対側の磁石14と対向している。ここで、ポールピース15と磁石14のそれぞれのX方向における長さXaは同寸法である。そして、それぞれのポールピース15と磁石14の間に、前述のエアギャップ16が形成される。また、図6(B)に示すように、アーマチュア12をZ方向で挟む2個のポールピース15のY方向における長さと、さらにその2個のポールピース15をZ方向で挟む2個の磁石14のY方向における長さが、いずれもアーマチュア12のY方向の長さYaと同寸法となっている。なお、他方の2個のポールピース15と2個の磁石14においても同様である。つまり、4個のポールピース15と4個の磁石14は、X方向の共通の長さXaとY方向の共通の長さYaで形成され、必然的にそれぞれのエアギャップ16についてもXY面においてそれぞれの共通の長さXa、Yaを有する空間となる。
ここで、Z方向に関して、ポールピース15の厚さTaと、磁石14の厚さTbと、エアギャップ16の厚さGはいずれも異なる寸法である。このうち、ポールピース15の厚さTaは、磁石14の厚さTb及びエアギャップ16の厚さGに比べて大きく設定されている。なお、ポールピース15の厚さTaと、磁石14の厚さTbと、エアギャップ16の厚さGは所望の条件を満たすように設定されるので、特に限定されるものではない。
図6において、コイル11に電流を流すとアーマチュア12に磁束が発生し、アーマチュア12が構造部に対してZ方向に変位する。この場合、図6(A)において、左側の磁石14と右側の磁石14は互いに逆向きに着磁されており、それぞれの磁石14とZ方向に重なる領域は互いに逆向きの磁束が導かれる2つの領域に相当する。このような磁気回路については、例えば、従来の特許文献1の構造と同様である。しかし、特許文献1の構造には、ポールピース15に相当する部材が設けられていないため、アーマチュアの外側部をバネ部材の係合部に係合させる構造を採用し、構造部とアーマチュア12の位置決めを行っている。これに対し、本実施形態では、位置決めの手段として、磁石14と同寸法のポールピース15を対向して配置することで、後述する作用を利用することにより、アーマチュア12とバネ部材13が接触部P2で接触しているだけであって互いに係合してない。
ここで、図7には、磁石14とポールピース15との間に作用する磁力線Mを模式的に表している。図7に示す磁力線Mは、マックスウェルの応力に基づき、磁石14とポールピース15の間に生ずる磁場のエネルギーが極小となるように磁力線Mの方向に縮もうとする力が働く。よって、磁石14とポールピース15が平面視で重なる位置から、例えば、ポールピース15がX方向のいずれかの太い矢印方向に向かって動こうとすると、磁力線Mを伸ばすことになるので、それに抵抗する力が働き、アーマチュア12が位置決めされることになる。これは、Y方向への動きの場合も同様である。
図8は、図6の断面構造の変形例を示している。図8に示すように、ポールピース15の表面に、さらにポールピース側磁石17を設けて磁石14と対向させる構造を採用してもよい。図8の変形例を採用することで、軟磁性材料のポールピース15に比べ、エアギャップ16に磁力線が集中するため、マックスウェルの応力によるアーマチュア12の位置決めの効果が顕著になる。
次に、図9及び図10を用いて、本実施形態の電気機械変換器の全体を収容するハウジング20について説明する。本実施形態の電気機械変換器において、各ポールピース15を含むアーマチュア12の部分に対し、それ以外のヨーク10、コイル11、磁石14からなる部分(本発明の構造部)は、コイル11への電気信号の印加時に流れる電流に応じた駆動力により、アーマチュア12との間で相対振動が生じる。そのため、アーマチュア12の両端をハウジング20と十分な剛性をもって固定することにより、アーマチュア12と構造部との間に発生した駆動力をハウジング20に伝達し、それによりハウジング20に振動を生じさせるものである。
図9は、図2に示す構造の駆動部と、その全体を収容するハウジング20を取り外した状態の構造を示している。また、図10は、電気機械変換器の全体を収容するハウジング20が一体化された状態の構造を示している。図9においては、図2と同じ方向から見た電気機械変換器と、上下に配置された上部のハウジング部材20aと下部のハウジング部材20bとが示される。上部のハウジング部材20aと下部のハウジング部材20bは、各辺の凹凸が互いに嵌合する形状に形成され、両者を接着剤等で固定することにより、図10に示すように、電気機械変換器を収容する一体的なハウジング20となる。ハウジング20は、駆動部を支持し得る強度を確保することを前提に、例えば、プラスチック材料又はステンレス等の金属材料を用いて形成することができる。
図9及び図10に示すように、下部のハウジング部材20bの側面には、基板21が取り付けられ、この基板21の表面に、前述のコイル11の1対の電極11aと電気的に接続される1対の電極22が設けられる。よって、コイル11の各電極11aから延出される配線(不図示)がハウジング部材20aの開口を介して各電極22に接続される。また、電気機械変換器の耐衝撃性を確保するため、上下のハウジング部材20a、20bの内面には、内側に突出する複数のストッパー(不図示)を設け、ヨーク10等の駆動部の可動範囲を制限する構造とすることが望ましい。
また、図9に示すように、上下のハウジング部材20a、20bのX方向の長さは、アーマチュア12の長手方向の長さに一致する。そして、アーマチュア12の両端の部分が上下のハウジング部材20a、20bに挟まれた状態で接着剤等により固定される。なお、ハウジング20は、アーマチュア12の両端を除いて、駆動部と接触しない構造となっている。アーマチュア12とハウジング20との結合部分は、駆動部で発生した振動がハウジング20に確実に伝達されるように十分な剛性を持たせる必要がある。
以上説明したように、本実施形態の構造を採用することにより、平板状のアーマチュア12とその上下のバネ部材13とを係合させる構造を設けることなく、アーマチュア12の安定的な位置決めができるので、アーマチュア12とバネ部材13に対する高精度で微細な加工が不要となり、電気機械変換器の低コスト化と小型化の面でメリットがある。また、バネ部材13をヨーク10の側面に設ける構造を有するので、製造工程等において開口部Aより突出したヨーク10の上下面を利用して、バネ部材13に外力が加わることによる位置ずれ等を回避することができる。なお、本実施形態において、平板状のアーマチュア12及び1対のバネ部材13を用いる構造に基づき、従来のU字型のアーマチュアに比べた場合のアーマチュア12の設計の自由度の確保と耐衝撃性の向上については、特許文献1の構造と同様の効果を得ることができる。
以上、本実施形態に基づいて本発明に係る電気機械変換器について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。例えば、本実施形態においては、磁石14とポールピース15がX方向及びY方向でほぼ同形状である場合を説明したが、大部分の形状範囲で両者が対向するように配置されていれば、同形状には限られない。また、本実施形態においては、図5の構造を有するバネ部材13を用いる場合を説明したが、図5の固定部P1及び接触部P2に基づく機能を有していれば、異なる構造のバネ部材を用いてもよい。
また、本発明に係る電気機械変換器は、電気信号を音響に変換して外部に出力する電気音響変換器に対して適用することも可能である。さらに、本発明に係る電気機械変換器は、例えば、使用者の耳甲介腔に装用する補聴器に適用することができる。これにより、電気機械変換器の振動自体とそのハウジングの振動によって発生した音の両方を伝達手段として機能させ、使用者の耳に音を伝達することができる。このような電気機械変換器を、例えば、耳甲介腔に装用する補聴器に適用する場合、ハウジング20の外形形状を耳甲介腔装用に適した形状とすることが望ましい。
10…ヨーク
11…コイル
12…アーマチュア
13…バネ部材
14…磁石
15…ポールピース
16…エアギャップ
17…ポールピース側磁石
20…ハウジング

Claims (6)

  1. 電気信号を機械振動に変換する電気機械変換器において、
    少なくとも2対の磁石と、前記磁石による磁束を導くヨークと、前記電気信号が供給されるコイルとを一体的に配置した構造部と、
    前記構造部の内部空間を貫く平板状の部材からなり、互いに逆向きの前記磁束が導かれる2つの領域が前記平板状の部材の第1の方向に対向して配置され、前記2つの領域を介して前記構造部と磁気回路を構成し、前記磁気回路の磁気力に基づく変位方向に変位するアーマチュアと、
    前記アーマチュアに対して前記変位方向の両側にそれぞれ配置され、前記アーマチュアの前記構造部に対する相対的変位に応じた復元力を前記アーマチュアに付与する1対の弾性部材と、
    を備え、
    前記アーマチュアの両側の表面のうち前記2つの領域に面する各々の位置に、前記2対の磁石にそれぞれ対向する2対の平板状のポールピースが取り付けられていることを特徴とする電気機械変換器。
  2. 前記ポールピースは、前記2つの領域を介して対向する前記磁石と前記変位方向から見て同一の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の電気機械変換器。
  3. 前記ポールピースの表面にそれぞれポールピース側磁石を設け、前記ポールピース側磁石は前記変位方向から見て前記磁石と同一の形状を有することを特徴とする請求項2に記載の電気機械変換器。
  4. 前記1対の弾性部材の各々は、前記アーマチュアの前記第1の方向の両側で前記変位方向の両面に接触して前記復元力を付与する接触部と、前記ヨークの一部に固定される固定部とを有するバネ部材であることを特徴とする請求項1に記載の電気機械変換器。
  5. 前記1対のバネ部材の各々は、前記ヨークを取り囲む開口部を有し、前記ヨークの一部が前記開口部から前記変位方向に突出していることを特徴とする請求項4に記載の電気機械変換器。
  6. 前記固定部は、前記ヨークのうち、前記開口部を挟んで前記第1の方向及び前記変位方向に直交する第2の方向の両側に位置する突出部にそれぞれ固定されることを特徴とする請求項5に記載の電気機械変換器。
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