JP6275375B2 - 組成物を用いた部材の仮固定方法 - Google Patents

組成物を用いた部材の仮固定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6275375B2
JP6275375B2 JP2012256572A JP2012256572A JP6275375B2 JP 6275375 B2 JP6275375 B2 JP 6275375B2 JP 2012256572 A JP2012256572 A JP 2012256572A JP 2012256572 A JP2012256572 A JP 2012256572A JP 6275375 B2 JP6275375 B2 JP 6275375B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
parts
mass
temporary fixing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012256572A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014105216A (ja
Inventor
啓之 栗村
啓之 栗村
貴之 南雲
貴之 南雲
大島 和宏
和宏 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denka Co Ltd
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denka Co Ltd, Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denka Co Ltd
Priority to JP2012256572A priority Critical patent/JP6275375B2/ja
Publication of JP2014105216A publication Critical patent/JP2014105216A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6275375B2 publication Critical patent/JP6275375B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

本発明は、色々な部材を加工するのに使用する組成物に関する。本発明は、色々な部材を加工するに際しての仮固定・剥離方法であり、又それに好適な仮固定用の(メタ)アクリル系樹脂仮固定用接着剤組成物に関する。特に表面が粗い部材や大面積の部材を加工するに際して当該部材を仮固定する方法及び剥離方法と、当該用途に好適な仮固定用接着剤組成物に関する。
石英、セラミックス、ガラス、光学レンズ、プリズム、アレイ、シリコンウエハ、半導体実装部品等の仮固定用接着剤としては、両面テープやホットメルト系接着剤が使用されている。これらの接着剤にて接合又は積層した部材を、所定の形状に切削加工後、接着剤を除去し、加工部材を製造することが行われている。例えば、半導体実装部品では、これらの部品を両面テープにて基材に固定した後、所望の部品に切削加工を行い、更に両面テープに紫外線を照射することで部品からの剥離を行っている。ホットメルト系接着剤の場合には、部材を接合後、加熱により間隙に接着剤を浸透させた後、所望の部品に切削加工を行い、加熱して部品の剥離を行なうが、部材には必ず接着剤が残存するため、残存している当該接着剤は有機溶剤を使用して洗浄する必要がある。
しかし、両面テープの場合には、寸法精度を出すのが困難であったり、接着強度が弱いため部品加工時にチッピング性が劣ったり、100℃以上の熱をかけないと剥離できなかったりするという課題があった。紫外線照射により剥離させる場合には、被着体の透過性が乏しいと剥離できないという問題があった。
ホットメルト系接着剤の場合には、剥離後、洗浄時に有機溶剤を使用する必要があり、地球環境保護の観点から問題があり、更にはその洗浄処理工程が煩雑であるため、作業的にも問題となっていた。
これらの欠点を解決するために、特許文献1では、樹脂硬化体のガラス転移温度をコントロールしかつ樹脂組成物に溶解しない粒状物質を適量添加することを特徴とする光硬化型の接着剤組成物及びそれを用いた仮固定方法が提案されている。しかしながら、有機系熱膨張性粒子について記載はない。
特許文献2では、特定のエチレン性二重結合を有する炭官能モノマーと、特定の分子内に重合可能な二重結合を有せず、かつ水溶性若しくは吸水による膨潤性を有する高分子物質からなる仮固定用接着剤組成物を用いて小物品を仮固定し、次いで水に浸漬して取り外すようにする仮固定方法が提案されている。しかしながら、これらの接着剤を使用した仮固定方法では、取り外す際の接着剤の溶解、膨潤速度が遅いため、大面積の部材では作業時間が長くなってしまうという課題があった。
特許文献3及び4には、接着剤中に有機系熱膨張性粒子を特定の割合で添加することによって接着後、加熱処理により接着力が著しく低下して容易に自己剥離できる熱剥離型接着剤が報告されている。しかしながら、これらの接着剤では接着性が強すぎるため、大面積の部材では加熱処理しても剥離できず実用化できないという課題があった。
国際公開第2008/018252パンフレット 特許第2973991号公報 特許第3629021号公報 特許第4886369号公報
これら従来技術の課題を解決するために、例えば、表面が粗い部材同士や大面積の部材でも適用可能であり、更に剥離後の部材に糊残りがないといった、作業性にも環境性にも優れた仮固定用接着剤組成物が望まれていた。
即ち、本発明は、(1)、(2)、(6)の合計100質量部中、(1)分子の末端又は側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート20〜60質量部、(2)ポリアルキレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレート20〜60質量部、(3)ラジカル重合開始剤、(4)平均粒径80〜300μmの粒状物質0.1〜30質量部、(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子1〜30質量部、(6)(1)以外の多官能アクリレート0〜30質量部を含有する仮固定用接着剤組成物を用いて、常温で0.5〜500時間静置することにより部材を接着仮固定し、前記仮固定用接着剤組成物を硬化し、該仮固定された部材を加工し、加工された接着体を水に浸漬することにより、前記仮固定用接着剤組成物の硬化体を取り外す部材の仮固定方法である。
硬化体を取り外す際の水の温度が40℃を超え100℃以下であり、浸漬時間が1〜240分である前記仮固定方法が好ましい。
(1)、(2)、(6)の合計100質量部中、(1)分子の末端又は側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート20〜60質量部、(2)ポリアルキレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレート20〜60質量部、(3)ラジカル重合開始剤、(4)平均粒径80〜300μmの粒状物質0.1〜30質量部、(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子1〜30質量部、(6)(1)以外の多官能アクリレート0〜30質量部を含有する仮固定用接着剤組成物を用いて、常温で0.5〜500時間静置することにより部材を接着仮固定し、前記仮固定用接着剤組成物を硬化し該仮固定された部材を加工し、加工された接着体を100〜200℃に加熱処理することにより、前記仮固定用接着剤組成物の硬化体を取り外す部材の仮固定方法である。
硬化体を取り外す際の加熱時間が1〜240分である前記仮固定方法が好ましい。
加工後の接着面積が225cm以上である部材の仮固定に用いることが好ましい。
部材の表面粗さRaが0.2μm以上である部材の仮固定に用いることが好ましい。
前記(1)が、分子量10000〜50000であるポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであり、前記(2)が、ポリエチレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレートであり、前記(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子が、ブタン及び/又はイソブタンを、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチルからなる群のうちの1種又は2種以上からなる重合体又は共重合体である熱可塑性樹脂で包み込んだ熱膨張性マイクロカプセルであり、前記(6)多官能アクリレートがトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上からなることが好ましい。
前記(1)が、分子量25000〜50000であるポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましい。
前記(1)が、ポリエステルポリオール化合物と有機ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させてなる、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートであり、ポリエステルポリオール化合物が、多価アルコール又はポリエーテルポリオールと、多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオールであり、多価アルコール又はポリエーテルポリオールが、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、水素化ポリブタジエンポリオールからなる群のうちの1種又は2種以上であり、多塩基酸が、アジピン酸であり、有機ポリイソシアネート化合物が、イソホロンジイソシアネートであり、ヒドロキシ(メタ)アクリレートが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上であることが好ましい。
前記(2)ポリエチレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレートが、下記化学式(D)で表される構造を有する単官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
化学式(D)
−(−CH−CH−O−)
(但し、n=2〜4)
前記(3)重合開始剤が(3−1)熱ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
前記組成物を二剤に分け、第一剤に(3−1)熱ラジカル重合開始剤を含有し、第二剤に(7)還元剤を含有する二剤型の組成物であることが好ましい。
前記(7)がバナジウムアセチルアセトネート、ナフテン酸銅及びオクチル酸コバルトからなる群のうちの1種又は2種以上からなることが好ましい。
(1)、(2)、(6)の合計100質量部に対して(3−1)の使用量が0.1〜5質量部であり、(7)の使用量が0.1〜5質量部である前記組成物が好ましい。
前記(3)重合開始剤が(3−2)光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
前記(3−2)の使用量が(1)、(2)、(6)の合計100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
前記(4)が架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子及び架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチルポリスチレン共重合体粒子からなる群のうちの1種又は2種以上であることが好ましい。
更に、(1)、(2)及び(6)の合計100質量部に対して、0.001〜3質量部の重合禁止剤を含有することが好ましい。
用途が石英接着用、セラミックス接着用及びガラス接着用からなる群のうちの1種又は2種以上であることが好ましい。
材が石英、セラミック及びガラスからなる群のうちの1種又は2種以上である前記仮固定方法が好ましい。
部材の表面粗さRaが0.2μm以上である前記仮固定方法が好ましい。加工後の部材の接着面積が225cm以上である前記仮固定方法が好ましい。
前記仮固定用接着剤組成物を用いて、石英基板を2〜100枚接着仮固定し、加工した後に接着体を水に浸漬することにより、石英製品を取り外す石英製品の製造方法が好ましい。
前記仮固定用接着剤組成物を用いて、石英基板を2〜100枚接着仮固定し、加工した後に接着体を100〜200℃に加熱することにより、石英製品を取り外す石英製品の製造方法が好ましい。
本発明は、例えば、作業性や環境性に優れる。本発明は、例えば、表面が粗く大面積な部材であっても、仮固定用接着剤組成物の硬化体が被着物より剥離する性質(以下、単に「剥離性」という)に優れ、更に剥離後の糊残りがなく、寸法精度良く加工後の部材を得ることができる。
以下本発明を説明する。
本発明の組成物は、硬化性樹脂組成物として使用できる。本発明の硬化性樹脂組成物は仮固定用接着剤組成物として使用できる。二剤型の仮固定用接着剤組成物の場合、(1)、(2)、必要に応じて使用する(6)の合計100質量部とは、第一剤と第二剤を合計した(1)、(2)、必要に応じて使用する(6)の合計をいう。
(1)ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートは、分子の末端又は側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、分子内にポリエステル構造を有する。(1)の中では、分子の末端に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
ここで、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリエステルポリオール化合物(以後、Xで表す)と有機ポリイソシアネート化合物(以後、Yで表す)とヒドロキシ(メタ)アクリレート(以後、Zで表す)とを反応させることにより得られる、ウレタン(メタ)アクリレートをいう。
ポリエステルポリオール化合物(X)としては、多価アルコール又はポリエーテルポリオールと、多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオールが挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ブチルエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。ポリブタジエンポリオールとは、2個以上の水酸基を有するポリブタジエンをいい、例えば、両末端に水酸基を有するポリブタジエンをいう。水素化ポリブタジエンポリオールとは、2個以上の水酸基を有する水素化ポリブタジエンをいい、例えば、両末端に水酸基を有する水素化ポリブタジエンをいう。ポリエーテルポリオールとは、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール等が挙げられる。多価アルコール又はポリエーテルポリオールの中では、ポリエーテルポリオールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、水素化ポリブタジエンポリオールからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましい。多塩基酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等が挙げられる。多塩基酸の中では、アジピン酸が好ましい。
有機ポリイソシアネート化合物(Y)としては、格別に限定される必要はないが、例え芳香族系、脂肪族系、環式脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが使用でき、中でもトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H−MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m−TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)等のポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物、これらポリイソシアネートとポリオールの反応生成物等が好適に用いられる。これらの中では、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)及び/又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)が好ましく、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(Z)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ブチルヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましい。
(1)分子の末端又は側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートの中では、分子量が10000〜50000であるポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、オリゴマー/ポリマー末端又は側鎖に2個以上(メタ)アクロイル化された多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマー等が挙げられる。ここで、分子量は重量平均分子量をいう。これらの中では、効果が大きい点で、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、15000〜45000がより好ましい。重量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフランを用い、GPCシステム(東ソ−社製SC−8010)等を使用し、下記条件で、市販の標準ポリスチレンで検量線を作成して求める。
流速:1.0ml/min
設定温度:40℃
カラム構成:東ソー社製「TSK guardcolumn MP(×L)」6.0mmID×4.0cm1本、及び東ソー社製「TSK−GEL MULTIPOREHXL−M」 7.8mmID×30.0cm(理論段数16,000段)2本、計3本(全体として理論段数32,000段)、サンプル注入量:100μl(試料液濃度1mg/ml)
送液圧力:39kg/cm2
検出器:RI検出器
このようなポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、日本合成社製「UV−2000B」(UV−2000Bの重量平均分子量:13000)、「UV−3000B」(UV−3000Bの重量平均分子量:18000)、根上工業社製「KHP−11」(KHP−11の重量平均分子量:25000)、「KHP−17」(KHP−17の重量平均分子量:40000)等が挙げられる。これらの中では、下記化学式(A)で表される構造を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
化学式(A)
P−R−P
(但し、Pは主骨格P、RはR成分)
これらの中では、下記化学式(B)で表される構造を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は化学式(C)で表される構造を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。下記化学式(B)で表される構造を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエステルポリオール化合物(X)が、エチレングリコールや1,4−ブタンジオールと、アジピン酸との縮合物であり、有機ポリイソシアネート化合物(Y)が、イソホロンジイソシアネートであり、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(Z)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。下記化学式(C)で表される構造を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエステルポリオール化合物(X)が、水素化ポリブタジエンポリオールと、アジピン酸との縮合物であり、有機ポリイソシアネート化合物(Y)が、イソホロンジイソシアネートであり、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(Z)が、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである。

化学式(B)で表される構造を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、日本合成社製「UV−3000B」(但し、R’はH)等が挙げられる。化学式(C)で表される構造を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、根上工業社製「KHP−11」、「KHP−17」(R' 'はH)等が挙げられる。
(1)の使用量は、(1)、(2)、必要に応じて使用する(6)の合計を100質量部中、20〜60質量部が好ましい。20質量部未満であると剥離性が得られない場合があり、60質量部を超えると仮固定用接着剤組成物が高粘度となってしまい、作業性が得られない場合がある。剥離性と作業性の観点から、30〜50質量部がより好ましく、35〜45質量部が最も好ましい。
(2)ポリアルキレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましい。ポリエチレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、下記化学式(D)で表される構造を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましい。
化学式(D)
−(−CH2−CH2−O−)n
(但し、n=2〜4)
(2)化学式(D)で表される構造を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、メトキシ(エチレンオキサイド2モル変性)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレンオキサイド3モル変性)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド3モル変性)(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート等が挙げられる。この中でもフェノール(エチレンオキサイド2モル変性)(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド3モル変性)(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましく、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)(メタ)アクリレートがより好ましい。単官能(メタ)アクリレートとは、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物をいう。
(2)の使用量は、(1)、(2)、必要に応じて使用する(6)の合計を100質量部中、20〜60質量部が好ましい。20質量部未満であると剥離性が得られない場合があり、60質量部を超えると仮固定用接着剤組成物の硬度が低くなるため、仮固定した部材の加工時のずれが生じ、寸法精度が得られない場合がある。剥離性と寸法精度の観点から、25〜55質量部がより好ましく、30〜45質量部が最も好ましい。
(3)重合開始剤としては、(3−1)熱ラジカル重合開始剤と(3−2)光ラジカル重合開始剤からなる群から選択される1種又は2種が好ましい。
(3−1)熱ラジカル重合開始剤としては、有機又は無機の過酸化物が好ましく、有機過酸化物がより好ましい。有機過酸化物としては、t-ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、クミルパーオキシネオデカノエイト、ヘキシルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート等のアルキルパーオキシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート及びジアリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート類、ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、ジキュミルパーオキサイド、t−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、クメンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等が挙げられる。これらの中では、アルキルパーオキシエステル類及び/又はハイドロパーオキサイド類が好ましく、ハイドロパーオキサイド類がより好ましく、クメンハイドロパーオキサイドが最も好ましい。
(3−1)熱ラジカル重合開始剤の使用量は、(1)、(2)及び必要に応じて使用する(6)の合計100質量部に対して、0.1〜5量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。0.1質量部以上であれば、硬化性が確実に得られるし、5質量部以下であれば十分な貯蔵安定性が得られ、皮膚刺激性が低くなる。
本発明の仮固定用接着剤組成物では(3−1)熱ラジカル重合開始剤を使用する場合、(7)還元剤を併用することが可能である。還元剤としてはナフテン酸銅、バナジウムアセチルアセトネート、オクチル酸コバルト等の遷移金属塩が挙げられる。これらの中では、オクチル酸コバルトが好ましい。
本発明の(7)還元剤の使用量は、(1)、(2)及び必要に応じて使用する(6)の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。0.1質量部以上であれば、硬化性が確実に得られるし、5質量部以下であれば十分な貯蔵安定性が得られる。
本発明の仮固定用接着剤組成物は、第一剤に少なくとも(3−1)熱ラジカル重合開始剤を含有し、第二剤に少なくとも(7)還元剤を含有する二剤型の仮固定用接着剤組成物として使用することが好ましい。二剤型については、本発明の仮固定用接着剤組成物の必須成分全てを貯蔵中は混合せず、仮固定用接着剤組成物を第一剤及び第二剤に分けて貯蔵することが好ましい。この場合、両剤を同時に又は別々に部材に塗布して接触、硬化することにより、二剤型の仮固定用接着剤組成物として使用できる。この場合(4)粒状物質や(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子や(3−2)光ラジカル重合開始剤は、第一剤及び第二剤のいずれか一方又は両方に含有して良い。二剤型の仮固定用接着剤組成物は、二剤の混合のみによって組成物を硬化させることができる。
二剤型の仮固定用接着剤組成物の使用方法は以下の通りである。
二剤型の仮固定用接着剤組成物の使用方法としては、固定する一方の部材の接着面に接着剤を適量塗布し、続いてもう一方の部材を重ね合わせるという方法や、予め仮固定する部材を多数積層しておき、接着剤を隙間に浸透させて塗布させる方法等により接着剤を塗布し、仮固定用接着剤組成物を硬化させ、部材同士を仮固定する方法等が挙げられる。
本発明の仮固定用接着剤組成物は、二剤の正確な計量を必要とせず、不完全な計量や混合、時には二剤の接触だけでも、常温で硬化する。本発明の仮固定用接着剤組成物は、作業性に優れる。
両剤を同時に又は別々に部材に塗布して接触、硬化させ、部材同士を仮固定する際は、二剤を混合して部材に塗布した後、例えば、常温で0.5〜500時間静置することにより部材同士を接着することが好ましい。0.5時間以上であれば仮固定用接着剤組成物が硬化し、十分な接着強度が得られるし、500時間以下であれば十分な接着力が得られる。部材同士を仮固定する際の静置時間は、4〜300時間がより好ましく、24〜200時間が更に好ましく、50〜100時間が最も好ましい。常温とは、例えば、10〜40℃をいう。
本発明の仮固定用接着剤組成物を使用した仮固定方法としては、上述した二剤の混合による仮固定方法を用いた後、水に接着体を浸漬することにより、仮固定用接着剤組成物の硬化体が軟化し、それにより容易にブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子が膨張し、硬化体(接着基材)と仮固定用接着剤組成物との界面に水が侵入し、硬化体をより容易に剥離できる。水の温度は高温である方が、ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子の膨張が大きいため、水が侵入しやすくなり、容易に硬化体を剥離することができる。硬化体を取り外す際の水の温度は、剥離性と温水による接着基材の劣化の点で、40℃を超えることが好ましく、60℃以上がより好ましく、80〜100℃が最も好ましく、90〜100℃が一層好ましい。浸漬時間は、1〜240分が好ましく、2〜200分がより好ましく、5〜180分が最も好ましい。
本発明の仮固定用接着剤組成物を使用した仮固定方法としては、上述した二剤の混合による仮固定方法を用いた後、100〜200℃に接着体を加熱することにより、仮固定用接着剤組成物の硬化体が軟化し、それにより容易にブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子が膨張し、硬化体(接着基材)と仮固定用接着剤組成物との界面に空隙が生じ、硬化体をより容易に剥離できる。加熱温度は高温である方が、ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子の膨張が大きいため、容易に硬化体を剥離することができる。硬化体を取り外す際の加熱温度は、剥離性と接着基材の劣化の点で、130〜200℃がより好ましく、150〜260℃が最も好ましい。加熱時間は、1〜240分が好ましく、10〜120分がより好ましく、15〜60分が最も好ましい。
積層は、例えば、一方の貼り合わせ面又は両方の貼り合わせ面に仮固定用接着剤組成物が塗布された各部材を貼り合わせた後に、両部材に挟まれて広がっている仮固定用接着剤組成物を硬化させるために、常温で静置することによって実施することができる。これを所望の回数だけ繰り返すことにより、所望の枚数の部材が積層された積層体を作製することができる。常温における静置は、部材を1枚積層する度に実施してもよく、複数枚を積層した後にまとめて実施してもよい。積層枚数は作業性の点から2〜100枚が好ましく、3〜50枚がより好ましく、4〜20枚が最も好ましい。
(3−2)光ラジカル重合開始剤は、可視光線や紫外線の活性光線により増感させて樹脂組成物の光硬化を促進するために使用するものである。光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン及びその誘導体、ベンジル及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン誘導体、ジエトキシアセトフェノン、4−t−ブチルトリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、p−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジフェニルジスルフィド、チオキサントン及びその誘導体、カンファーキノン、7,7−メチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−ブロモエチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−メチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸クロライド等のカンファーキノン誘導体、2−メチル−1−[4-(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルーベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルーフェニル)−ブタン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン誘導体、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシポスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジエトキシフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及びオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル等が挙げられる。光ラジカル重合開始剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、効果が大きい点で、ベンジルジメチルケタール、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルーベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルーフェニル)−ブタン−1−オンからなる群のうちの1種又は2種が好ましい。
(3−2)光ラジカル重合開始剤の使用量は、(1)、(2)及び必要に応じて使用する(6)の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。0.1質量部以上であれば、硬化促進の効果が確実に得られるし、20質量部以下で充分な剥離性を得ることができる。
(3−2)光ラジカル重合開始剤を使用した場合は可視光線又は紫外線を照射して、組成物を硬化させる。部材同士を接着する方法としては、仮固定用接着剤組成物に可視光線又は紫外線の少なくとも一方を照射して接着力を高める接着方法等が挙げられる。このような可視光線又は紫外線を照射するためのエネルギー照射源としては、重水素ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、キセノン−水銀混成ランプ、ハロゲンランプ、エキシマランプ、インジュームランプ、タリウムランプ、LEDランプ、無電極放電ランプ等のエネルギー照射源が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤を含有する仮固定用接着剤組成物(一剤型の仮固定用接着剤組成物)の使用方法は以下の通りである。
可視光線又は紫外線を照射して、仮固定用接着剤組成物を硬化させ、部材を仮固定する際は、波長365nmにおいて1〜10000mJ/cm2のエネルギーを仮固定用接着剤組成物に照射し接着基材同士を接着することが好ましい。1〜10000mJ/cm2であれば仮固定用接着剤組成物が硬化し、十分な接着強度が得られる。1mJ/cm2以上であれば仮固定用接着剤組成物が十分に硬化し、10000mJ/cm2以下であれば硬化歪みがなく、接着強度が向上する。部材同士を仮固定する際のエネルギー量は、接着強度の点で、10〜5000mJ/cm2がより好ましく、1500〜3000mJ/cm2が最も好ましい。
本発明の仮固定用接着剤組成物を使用した仮固定方法としては、上述した光エネルギーによる仮固定方法を用いた後、水に接着体を浸漬することにより、仮固定用接着剤組成物の硬化体が軟化し、それにより容易にブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子が膨張し、硬化体(接着基材)と仮固定用接着剤組成物との界面に水が侵入し、硬化体をより容易に剥離できる。水の温度は高温である方が、ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子の膨張が大きいため、水が侵入しやすくなり、容易に硬化体を剥離することができる。硬化体を取り外す際の水の温度は、剥離性と温水による接着基材の劣化の点で、40℃を超えることが好ましく、60℃以上がより好ましく、80〜100℃が最も好ましく、90〜100℃が一層好ましい。浸漬時間は、1〜240分が好ましく、2〜200分がより好ましく、5〜180分が最も好ましい。
本発明の仮固定用接着剤組成物を使用した仮固定方法としては、上述した光エネルギーによる仮固定方法を用いた後、100〜200℃に接着体を加熱することにより、仮固定用接着剤組成物の硬化体が軟化し、それにより容易にブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子が膨張し、硬化体(接着基材)と仮固定用接着剤組成物との界面に空隙が生じ、硬化体をより容易に剥離できる。加熱温度は高温である方が、ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子の膨張が大きい点で、容易に硬化体を剥離することができる。硬化体を取り外す際の加熱温度は、剥離性と接着基材の劣化の点で、130〜200℃がより好ましく、150〜260℃が最も好ましい。加熱時間は、1〜240分が好ましく、10〜120分がより好ましく、15〜60分が最も好ましい。
仮固定用接着剤組成物の硬化体を取り外す際は、仮固定用接着剤組成物に可視光線又は紫外線を波長365nmにおいて好ましくは40000mJ/cm2以下のエネルギーを照射することにより、未反応の(3−2)からラジカルが発生し、大きな硬化歪みが発生し、硬化体自体が大きくうねりを生じ、接着面積が減少し、接着強度が低下するので、容易に硬化体を取り外すことができる。
積層は、例えば、一方の貼り合わせ面又は両方の貼り合わせ面に仮固定用接着剤組成物が塗布された各部材を貼り合わせた後に、両部材に挟まれて広がっている仮固定用接着剤組成物を硬化させるために、光を照射することによって実施することができる。これを所望の回数だけ繰り返すことにより、所望の枚数の部材が積層された積層体を作製することができる。光照射は、部材を1枚積層する度に実施してもよく、仮固定用接着剤組成物へ光が到達する限りにおいて、複数枚を積層した後にまとめて実施してもよい。積層枚数は作業性の点から2〜100枚が好ましく、3〜50枚がより一層好ましく、4〜20枚が最も好ましい。
(4)平均粒径80〜300μmの粒状物質は、レーザー法によって測定された平均粒径80〜300μmの粒状物質が好ましい。レーザー法によって測定された平均粒径80〜300μmの粒状物質(以下粒状物質ということもある)を使用することにより、硬化体が一定の厚みを保持することが容易となり、寸法精度が向上したまま接着でき、硬化体の厚みを制御でき、安定した剥離性を得ることができる。
(4)粒状物質としては、有機粒子、無機粒子いずれでもかまわない。粒状物質は、後述する(5)有機系熱膨張性粒子を除くものをいう。有機粒子としては、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチルポリスチレン共重合体粒子等挙げられる。無機粒子としては、ガラス、シリカ、アルミナ、チタン等といった、セラミック粒子が挙げられる。
(4)粒状物質としては、加工精度の向上、つまり接着剤の膜厚の制御の点で、球状が好ましい。有機粒子の中では、粒子の変形が少なく、粒径のバラツキによる硬化体の膜厚のバラツキが少ない点で、架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子及び架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチルポリスチレン共重合体粒子からなる群のうちの1種又は2種以上が好ましい。架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子及び架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチルポリスチレン共重合体粒子は、例えば、(メタ)アクリル酸メチルモノマーやスチレンモノマーと、架橋性モノマーとを、公知の乳化重合法により重合することにより、単分散粒子として得られる。無機粒子としては、粒子の変形が少なく、粒径のバラツキによる硬化体の膜厚のバラツキが少ない点で、球状シリカが好ましい。これらの中では、粒子の沈降等に因る貯蔵安定性や組成物の反応性の点で、有機粒子が好ましい。
本発明における粒子径は、例えば、島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200」により測定することができる。
(4)粒状物質の使用量は、接着強度、加工精度、剥離性の点で、(1)、(2)及び必要に応じて使用する(6)の合計100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜5質量部が最も好ましい。
(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子(以下有機系熱膨張性粒子ということもある)としては、マイクロカプセル内に、外殻の有機材料(ポリマー)によりブタン及び/又はイソブタンが封入された熱膨張性のマイクロカプセルが挙げられる。(5)有機系熱膨張性粒子は、外殻の有機材料が加熱により軟化すると共に内殻のブタン及び/又はイソブタンが膨張する粒子である。(5)有機系熱膨張性粒子の外殻としては、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチルからなる重合体又は共重合体を含有する熱可塑性樹脂が好ましい。本発明では、ブタン及び/又はイソブタンを外殻で包み込んだ熱膨張性マイクロカプセルを好ましく使用できる。
(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子の平均粒径は、2〜50μmが好ましく、5〜30μmが好ましく、8〜20μmが最も好ましい。2μm以上であれば、組成物の剥離性に優れるし、100μm以下であれは、剥離前の組成物の接着性が低下しない。
(5)有機系熱膨張性粒子の使用量は、剥離促進の効果と接着力の点から、(1)、(2)及び必要に応じて使用する(6)の合計100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、5〜29.9質量部がより好ましく、10〜25質量部が最も好ましい。1質量部以上であれば、剥離促進の効果が確実に得られるし、30質量部以下で充分な接着力を得ることができる。
本発明は、更に、(6)多官能(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。(6)多官能(メタ)アクリレートとは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物をいい、(1)以外の多官能(メタ)アクリレートをいう。(6)多官能(メタ)アクリレートとしては、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能(メタ)アクリレートモノマー、4官能以上の(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。多官能(メタ)アクリレートの中では、2官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変成ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましく、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。
4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(6)の使用量としては(1)、(2)、必要に応じて使用する(6)の合計100質量部中、0〜30質量部が好ましい。(6)の使用量がこの範囲にあると仮固定用接着剤組成物の硬度が高くなるため仮固定した部材の加工時のずれが生じ難く、寸法精度が優れる。30質量部を超えると剥離性が得られない場合がある。寸法精度と剥離性の観点から、5〜25質量部がより好ましく、10〜20質量部が最も好ましい。
本発明の組成物は、貯蔵安定性向上のために、重合禁止剤を使用できる。重合禁止剤としては、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジターシャリーブチル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノチアジン、ターシャリーブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール及び2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)及び/又はクエン酸が好ましい。
重合禁止剤の使用量は、(1)、(2)及び(6)の合計100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好ましく、0.1〜0.3質量部が最も好ましい。0.001質量部以上であれば貯蔵安定性が確保されるし、3質量部以下であれば良好な接着性が得られ、未硬化になることもない。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、一般に使用されているアクリルゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム等の各種エラストマー、極性有機溶媒等の溶剤、増量材、補強材、可塑剤、増粘剤、染料、顔料、難燃剤、シランカップリング剤及び界面活性剤等の添加剤を使用してもよい。
本発明において、仮固定する際に用いられる部材の材質に特に制限はないが、例えば、石英部材、セラミックス部材、水晶部材、ガラス部材、プラスチック部材が挙げられる。このような部材は、部材の表面粗さRaが0.2μm以上であったり、加工後の部材の接着面積が60cm2以上であったりしても、本発明の仮固定方法により加工及び剥離が可能であり、適用可能である。部材の表面粗さRaは、50μm以下が好ましい。
仮固定された部材は、所望の形状にするために、切断、研削、研磨、孔開け等の加工を施した後、該部材を水、好ましくは温水に浸漬することにより、仮固定用接着剤組成物の硬化体を部材から剥離することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜5)
以下の方法により評価した。
(仮固定用接着剤組成物の作製)
表1の使用材料を用いた。表2、表4、表6、表8の組成で各使用材料を混合して、第一剤と第二剤からなる仮固定用接着剤組成物(二剤を二液ということもある)若しくは一剤の仮固定用接着剤組成物(一剤を一液ということもある)を調製した。得られた接着剤組成物を使用して、以下に示す評価方法にてD硬度、引張せん断接着強さ測定、接着・剥離試験(A)〜(F)を行った。結果を表3、表5、表7、表9に示す。表2、表4、表6、表8の組成物名には、表1に示す略号を用いた。
(評価方法)
積算光量:積算光量は紫外線積算照度計(アイグラフィック社製:EYE UVMETER UVPF-A1(365nm受光器使用))により測定した。
2液硬化による仮固定用接着剤硬化体のD硬度(表の「D硬度(2液硬化)」):第一剤と第二剤を等量混合した仮固定用接着剤組成物を、5mm厚のシリコンシートを型枠とし、PETフィルムに挟み込んだ。仮固定用接着剤組成物を、5mm厚のシリコンシートを型枠とし、PETフィルムに挟み込んだ。仮固定用接着剤組成物を、23℃で24時間養生し、厚さ5mmの仮固定用接着剤組成物の硬化体を作製した。作製した硬化体をカッターにて直径30mmの円柱状に切断し、ショアD硬度測定用硬化体とした。得られた硬化体を、D型ショア硬度計を用いてASTM D−2240により値を測定した。
UV照射による仮固定用接着剤硬化体のD硬度(表の「D硬度(UV照射)」):仮固定用接着剤組成物を、ベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、365nmの波長の積算光量2000mJ/cm2の条件にて光を上面から照射、硬化させた後、更に下面から365nmの波長の積算光量2000mJ/cm2の条件にて光を下面から照射、硬化させ、厚さ5mmの硬化体を作製した。作製した硬化体をカッターにて直径30mmの円柱状に切断し、ショアD硬度測定用硬化体とした。得られた硬化体を、D型ショア硬度計を用いてASTM D−2240により値を測定した。
2液硬化による引張せん断接着強さ(表の「接着強さ(2液硬化)」):JIS K 6850に従い測定した。具体的には被着材とした耐熱ガラス(商品名「耐熱パイレックス(登録商標)ガラス」、長さ25mm×幅25mm×厚さ2.0mm)を用いて、接着部位を直径8mmの円形として、第一剤と第二剤を等量混合した仮固定用接着剤組成物にて、2枚の耐熱ガラスを貼り合わせ、23℃で24時間養生して硬化させた後に、引張せん断接着強さ試験片を作製した。作製した試験片は、万能試験機を使用して、温度23℃、湿度50%の環境下、引張速度10mm/minで引張せん断接着強さを測定した。
UV照射による引張せん断接着強さ(表の「接着強さ(UV照射)」):JIS K 6850に従い測定した。被着材とした耐熱ガラス(商品名「耐熱パイレックス(登録商標)ガラス」、長さ25mm×幅25mm×厚さ2.0mm)を用いて、接着部位を直径8mmの円形として、仮固定用接着剤組成物を使用して、2枚の耐熱ガラスを貼り合わせ、ベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、365nmの波長の積算光量2000mJ/cm2の条件にて光を上面から照射、硬化させ、引張せん断接着強さ試験片を作製した。作製した試験片は、万能試験機を使用して、温度23℃、湿度50%の環境下、引張速度10mm/minで引張せん断接着強さを測定した。
(接着・剥離試験(A))
接着基材である石英硝子A(長さ60mm×幅60mm×厚さ2mm、表面粗さRa:0.7μm)上に、第一剤と第二剤を等量混合した接着剤組成物を3g塗布し、石英硝子B(長さ40mm×幅40mm×厚さ2mm、表面粗さRa:0.7μm)を貼り合わせ、23℃で24時間養生して硬化させ、完全に接着していることを確認した後、得られた試験体を、温水(95℃)に浸漬し、石英硝子同士が剥離する時間を測定し、又剥離後のフィルムの状態も確認した。剥離時間は、温水に浸漬してから、部材が剥離するまでの時間をいう。
(接着・剥離試験(B))
接着基材である石英硝子A(長さ150mm×幅150mm×厚さ2mm、表面粗さRa:0.7μm)上に、第一剤と第二剤を等量混合した接着剤組成物を7g塗布し、石英硝子B(長さ150mm×幅150mm×厚さ2mm、表面粗さRa:0.7μm)を貼り合わせ、23℃で24時間養生して硬化させ、石英硝子同士を接着した。その後、得られた試験体を、ホットプレートにて160℃に加熱し、石英硝子同士が剥離する時間を測定し、又剥離後のフィルムの状態も確認した。剥離時間は、160℃に加熱したホットプレート上に試験体を載置してから、部材が剥離するまでの時間をいう。
(接着・剥離試験(C))
接着基材である石英硝子A(長さ60mm×幅60mm×厚さ2mm、表面粗さRa:0.7μm)上に、仮固定用接着剤組成物を3g塗布し、石英硝子B(長さ40mm×幅40mm×厚さ2mm、表面粗さRa:0.7μm)を貼り合わせ、ベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、365nmの波長の積算光量2000mJ/cm2の条件にて石英硝子B上面から光を照射、硬化させ、石英硝子同士を接着した。その後、得られた試験体を、温水(95℃)に浸漬し、石英硝子同士が剥離する時間を測定し、又剥離後のフィルムの状態も確認した。剥離時間は、温水に浸漬してから、部材が剥離するまでの時間をいう。
(接着・剥離試験(D))
接着基材である石英硝子A(長さ150mm×幅150mm×厚さ2mm、表面粗さRa:0.7μm)上に、仮固定用接着剤組成物を7g塗布し、石英硝子B(長さ150mm×幅150mm×厚さ2mm、表面粗さRa:0.7μm)を貼り合わせ、ベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、365nmの波長の積算光量2000mJ/cm2の条件にて石英硝子B上面から光を照射、硬化させ、石英硝子同士を接着した。その後、得られた試験体を、ホットプレートにて160℃に加熱し、石英硝子同士が剥離する時間を測定し、又剥離後のフィルムの状態も確認した。









(実施例10〜18、比較例6〜10)
以下の方法により評価した。
(積層接着・加工・剥離試験(A))
1.石英ガラス積層体の作製
接着基材である石英ガラス(長さ150mm×幅150mm×厚さ2mm、表面粗さRa:1.5μm)上に、接着剤組成物を介して石英ガラス(長さ150mm×幅150mm×厚さ2mm、表面粗さRa:1.5μm)を12枚貼り合わせ、石英ガラスの積層体を作製した。
二剤型の接着剤組成物では、第一剤と第二剤を等量混合した接着剤組成物を介して作製した積層体を、23℃で24時間養生し、硬化させた。光ラジカル重合開始剤を含有する接着剤組成物(一剤型の接着剤組成物)では、ベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、波長365nmの積算光量2000mJ/cm2の条件にて石英ガラス上面から光を照射し、硬化させた。尚、光照射は、石英ガラスを1枚積層する度に実施し、11回繰り返すことにより石英ガラスの積層体を作製した。
2.石英ガラス積層体の切断加工
次に、板ガラスの積層体をバンドソーによって所定の切断線に沿って厚み方向に切断し、分割された石英ガラスの積層体を作製した。このとき、石英ガラスは、横40mm×縦40mm×厚み2mmに分割された。
3.得られた石英ガラス積層体を温水(95℃)に浸漬し、石英ガラス同士が剥離する時間を測定し、又剥離後のフィルムの状態も確認した。剥離時間は、温水に浸漬してから、12枚全ての石英ガラスが剥離するまでに要した時間とした。剥離した切断試験片を無作為に10個取り出し、その切断試験片の裏面(仮固定用接着剤組成物で仮固定した面)の各片を、光学顕微鏡を用いて観察し、石英ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。結果を表3、表5、表7、表9、表10に示す。

(実施例19〜27、比較例11〜15)
以下の方法により評価した。
(積層接着・加工・剥離試験(B))
1.石英ガラス積層体の作製
接着基材である石英ガラス(長さ150mm×幅150mm×厚さ2mm、表面粗さRa:1.5μm)上に、第一剤と第二剤を等量混合した接着剤組成物を介して石英ガラス(長さ150mm×幅150mm×厚さ2mm、表面粗さRa:1.5μm)を12枚貼り合わせ、石英ガラスの積層体を作製した。
二剤型の接着剤組成物では、第一剤と第二剤を等量混合した接着剤組成物を介して作製した積層体を、23℃で24時間養生し、硬化させた。光ラジカル重合開始剤を含有する接着剤組成物(一剤型の接着剤組成物)では、ベルトコンベア式メタルハライドランプを使用し、波長365nmの積算光量2000mJ/cm2の条件にて石英ガラス上面から光を照射、硬化させた。尚、光照射は、石英ガラスを1枚積層する度に実施し、11回繰り返すことにより石英ガラスの積層体を作製した。
2.石英ガラス積層体の切断加工
次に、板ガラスの積層体をバンドソーによって所定の切断線に沿って厚み方向に切断し、分割された石英ガラスの積層体を作製した。このとき、石英ガラスは、横75mm×縦75mm×厚み2mmに分割された。
3.得られた石英ガラス積層体を160℃に加熱されたオーブンの中で30分暴露し、石英ガラス同士を剥離させて剥離性を観察した。又剥離後のフィルムの状態も確認した。剥離した切断試験片を無作為に10個取り出し、その切断試験片の裏面(仮固定用接着剤組成物で仮固定した面)の各片を、光学顕微鏡を用いて観察し、石英ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。結果を表3、表5、表7、表9、表11に示す。

表1〜11から本発明は優れた効果を有することが判った。比較例1は成分(1)が本発明と異なるため、比較例2は成分(2)が本発明と異なるため、比較例3は成分(4)が本発明と異なるため、比較例4は成分(5)が本発明と異なるため、比較例5は成分(5)を含まないため、効果を示さなかった。
光ラジカル重合開始剤を含有する組成物は、その組成故に光硬化性を有し、可視光線又は紫外線によって硬化し、その硬化体は切削水等に影響されずに、高い接着強度を発現しできる。
熱ラジカル重合開始剤を含有する組成物は、その組成故に常温硬化性を有し、常温で硬化し、その硬化体は切削水等に影響されずに、高い接着強度を発現できる。
従来の技術では表面が粗い部材や大面積の部材を仮固定し、加工した後、糊残り無く容易に剥離することは困難であった。本発明は、特定のオリゴマーと特定の単官能(メタ)アクリレート、ラジカル重合開始剤、特定の粒状物質、特定の有機系熱膨張性粒子を含有することにより、表面が粗い部材や大面積の部材であっても、工程を増やすことなく十分な接着性が得られ、加工時にずれが生じず、寸法精度が向上し、優れた部材が容易に得られる。
本発明は、接着体が温水と接触することにより、接着強度が低下し、部材間又は部材と治具との間の接合力が低下するので、容易に部材の回収ができる。
本発明は、接着体を加熱することにより、接着強度が低下し、部材間又は部材と治具との間の接合力が低下するので、容易に部材の回収ができる。
本発明の部材の仮固定方法は、従来技術に於いて必要であった有機溶媒を用いる必要がなく、剥離後も部材に糊残りがなく、部材から硬化体を容易に回収できるので、作業性に優れる。

Claims (22)

  1. (1)、(2)、(6)の合計100質量部中、(1)分子の末端又は側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート20〜60質量部、(2)ポリアルキレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレート20〜60質量部、(3)ラジカル重合開始剤、(4)平均粒径80〜300μmの粒状物質0.1〜30質量部、(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子1〜30質量部、(6)(1)以外の多官能アクリレート0〜30質量部を含有する仮固定用接着剤組成物を用いて、常温で0.5〜500時間静置することにより部材を接着仮固定し、前記仮固定用接着剤組成物を硬化し、該仮固定された部材を加工し、加工された接着体を水に浸漬することにより、前記仮固定用接着剤組成物の硬化体を取り外す部材の仮固定方法。
  2. 硬化体を取り外す際の水の温度が40℃を超え100℃以下であり、浸漬時間が1〜240分である請求項1記載の部材の仮固定方法。
  3. (1)、(2)、(6)の合計100質量部中、(1)分子の末端又は側鎖に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート20〜60質量部、(2)ポリアルキレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレート20〜60質量部、(3)ラジカル重合開始剤、(4)平均粒径80〜300μmの粒状物質0.1〜30質量部、(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子1〜30質量部、(6)(1)以外の多官能アクリレート0〜30質量部を含有する仮固定用接着剤組成物を用いて、常温で0.5〜500時間静置することにより部材を接着仮固定し、前記仮固定用接着剤組成物を硬化し該仮固定された部材を加工し、加工された接着体を100〜200℃に加熱処理することにより、前記仮固定用接着剤組成物の硬化体を取り外す部材の仮固定方法。
  4. 硬化体を取り外す際の加熱時間が1〜240分である請求項3記載の部材の仮固定方法。
  5. 加工後の接着面積が225cm以上である部材の仮固定に用いる請求項1〜4のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  6. 部材の表面粗さRaが0.2μm以上である部材の仮固定に用いる請求項1〜5のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  7. (1)が、分子量10000〜50000であるポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであり、(2)が、ポリエチレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレートであり、(5)ブタン及び/又はイソブタンを内包する有機系熱膨張性粒子が、ブタン及び/又はイソブタンを、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチルからなる群のうちの1種又は2種以上からなる重合体又は共重合体である熱可塑性樹脂で包み込んだ熱膨張性マイクロカプセルであり、(6)多官能アクリレートがトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上からなる請求項1〜6のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  8. (1)が、分子量25000〜50000であるポリエステル系ウレタン(メタ)アクリ
    レートオリゴマーである請求項1〜7のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  9. (1)が、ポリエステルポリオール化合物と有機ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させてなる、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートであり、ポリエステルポリオール化合物が、多価アルコール又はポリエーテルポリオールと、多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオールであり、多価アルコール又はポリエーテルポリオールが、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、水素化ポリブタジエンポリオールからなる群のうちの1種又は2種以上であり、多塩基酸が、アジピン酸であり、有機ポリイソシアネート化合物が、イソホロンジイソシアネートであり、ヒドロキシ(メタ)アクリレートが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上である請求項1〜8のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  10. (2)ポリエチレンオキサイド構造を有する単官能(メタ)アクリレートが、下記化学式(D)で表される構造を有する単官能(メタ)アクリレートである請求項1〜9のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
    化学式(D)
    −(−CH−CH−O−)
    (但し、n=2〜4)
  11. 仮固定用接着剤組成物の(3)重合開始剤が(3−1)熱ラジカル重合開始剤である請求項1〜10のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  12. 請求項11記載の組成物を二剤に分け、第一剤に(3−1)熱ラジカル重合開始剤を含有し、第二剤に(7)還元剤を含有する二剤型の仮固定用接着剤組成物を用いる部材の仮固定方法。
  13. (7)がバナジウムアセチルアセトネート、ナフテン酸銅及びオクチル酸コバルトからなる群のうちの1種又は2種以上からなる請求項12記載の部材の仮固定方法。
  14. (1)、(2)、(6)の合計100質量部に対して(3−1)の使用量が0.1〜5質量部であり、(7)の使用量が0.1〜5質量部である請求項12又は13記載の部材の仮固定方法。
  15. 仮固定用接着剤組成物の(3)重合開始剤が(3−2)光ラジカル重合開始剤である請求項1〜10のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  16. (3−2)の使用量が(1)、(2)、(6)の合計100質量部に対して0.1〜20質量部である請求項15記載の部材の仮固定方法。
  17. (4)が架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子及び架橋ポリ(メタ)アクリル酸メチルポリスチレン共重合体粒子からなる群のうちの1種又は2種以上である請求項1〜16のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  18. 更に、(1)、(2)及び(6)の合計100質量部に対して、0.001〜3質量部の重合禁止剤を含有する請求項1〜17のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  19. 用途が石英接着用、セラミックス接着用及びガラス接着用からなる群のうちの1種又は2種以上である請求項1〜18のいずれか1項記載の部材の仮固定方法。
  20. 部材が石英、セラミック及びガラスからなる群のうちの1種又は2種以上である請求項1〜19のうちの1項記載の部材の仮固定方法。
  21. 部材の表面粗さRaが0.2μm以上である請求項1〜20のうちの1項記載の部材の仮固定方法。
  22. 加工後の部材の接着面積が225cm以上である請求項1〜21のうちの1項記載の部材の仮固定方法。
JP2012256572A 2012-11-22 2012-11-22 組成物を用いた部材の仮固定方法 Active JP6275375B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012256572A JP6275375B2 (ja) 2012-11-22 2012-11-22 組成物を用いた部材の仮固定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012256572A JP6275375B2 (ja) 2012-11-22 2012-11-22 組成物を用いた部材の仮固定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014105216A JP2014105216A (ja) 2014-06-09
JP6275375B2 true JP6275375B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=51027004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012256572A Active JP6275375B2 (ja) 2012-11-22 2012-11-22 組成物を用いた部材の仮固定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6275375B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016031472A1 (ja) * 2014-08-28 2016-03-03 スリーボンドファインケミカル株式会社 光硬化性組成物、仮固定剤および被着体の仮固定方法
JP6667442B2 (ja) * 2014-09-08 2020-03-18 デンカ株式会社 組成物及び解体方法
JP6742139B2 (ja) * 2015-04-22 2020-08-19 デンカ株式会社 組成物
JP6868988B2 (ja) * 2016-01-07 2021-05-12 デンカ株式会社 組成物及びそれを用いた部材の仮固定方法
FR3067929B1 (fr) * 2017-06-23 2019-11-22 Produits Dentaires Pierre Rolland Adhesif dentaire
CN111051462B (zh) * 2017-09-06 2023-02-17 日油株式会社 热膨胀性微胶囊、其制造方法及发泡成型品
JP7243606B2 (ja) * 2019-12-10 2023-03-22 Jsr株式会社 表示装置の製造方法、チップ部品の移設方法、および感放射線性組成物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4916681B2 (ja) * 2005-07-04 2012-04-18 電気化学工業株式会社 仮固定方法用光硬化性接着剤及びそれを用いる部材の仮固定方法
JP4886369B2 (ja) * 2006-06-06 2012-02-29 シャープ株式会社 熱剥離性を有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
JP5563262B2 (ja) * 2008-09-26 2014-07-30 電気化学工業株式会社 組成物及びそれを用いる部材の仮固定方法
JP5674291B2 (ja) * 2009-07-30 2015-02-25 電気化学工業株式会社 仮固定用接着剤組成物、仮固定方法、表面保護方法
JP5674332B2 (ja) * 2010-04-14 2015-02-25 電気化学工業株式会社 接着剤組成物及びそれを用いた部材の仮固定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014105216A (ja) 2014-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6030560B2 (ja) 組成物及びそれを用いた部材の仮固定方法
JP6275375B2 (ja) 組成物を用いた部材の仮固定方法
JP6868988B2 (ja) 組成物及びそれを用いた部材の仮固定方法
JP6895714B2 (ja) 薄厚基板用組成物及び仮固定方法
TWI425046B (zh) 黏著組成物以及使用彼使構件暫時性固定的方法
EP2383303A1 (en) Curable composition and temporary fixation method of member using it
JP5674332B2 (ja) 接着剤組成物及びそれを用いた部材の仮固定方法
KR101696331B1 (ko) 투광성 경질 기판 적층체의 가공 방법 및 판상 제품의 제조 방법
TW201107416A (en) Photocurable resin composition and cured product of same
TWI671375B (zh) 光硬化型接著組成物
JP6097509B2 (ja) 組成物及びそれを用いた部材の仮固定方法
JP5350056B2 (ja) 光硬化型易解体性接着剤及びこれを用いた解体方法
TW201317129A (zh) 硬質基板積層體之加工方法及緊固夾具
JP6052869B2 (ja) 被加工部材の仮固定方法
TWI725645B (zh) 用於接合聚合物之可固化熱封黏著劑
TWI594887B (zh) Method of manufacturing translucent hard substrate laminate
WO2020255849A1 (ja) 粘着シート、中間積層体、中間積層体の製造方法および製品積層体の製造方法
JP5831887B2 (ja) 透光性硬質基板積層体の加工方法及びこれを使用した板状製品の製造方法
JP5916620B2 (ja) 透光性硬質基板積層体の剥離方法及びこれを使用した板状製品の製造方法
JPWO2014192941A1 (ja) 硬質基板積層体および硬質基板積層体の製造方法
KR102334412B1 (ko) 광경화성 접착제 조성물 및 이를 이용하는 부재의 가고정 방법
KR102334413B1 (ko) 광경화성 접착제 조성물 및 이를 이용하는 부재의 가고정 방법
KR102339285B1 (ko) 광경화성 접착제 조성물 및 이를 이용하는 부재의 가고정 방법
WO2016031472A1 (ja) 光硬化性組成物、仮固定剤および被着体の仮固定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170609

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6275375

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250