JP6275135B2 - フィルム及び高分子圧電材料 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム及び高分子圧電材料に関する。
従来より、包装材料や光学材料等の各種の分野において、フィルムが用いられている。
各種の分野におけるフィルムとしては、例えば延伸処理されたフィルム等、分子配向を有するフィルムが用いられることがある。
例えば、分子配向を有するポリ乳酸フィルムを備えたタッチパネルやタッチ式入力装置が知られている(例えば、国際公開第2010/143528号パンフレット参照)。
しかし、分子配向を有するフィルムでは、色むらが視認される場合があることが判明した。
従って、本発明の目的は、色むらが抑制されたフィルム及びフィルムを含む高分子圧電材料を提供することである。
課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 分子配向を有するフィルムであって、前記フィルムの主面の中心を中心とする長さ10mmの測定範囲について、0.8mm間隔で波長550nmでのレターデーションReを測定したときに、前記レターデーションReの最大値と最小値との差の絶対値ΔReが100nm以下であり、かつ、前記レターデーションReの平均値Re(ave)が700nm〜900nmの範囲内または1250nm〜1450nmの範囲内に含まれる、フィルム。
<2> マイクロ波透過型分子配向計で測定される分子配向度MORが3.0〜4.0の範囲内または5.5〜6.5の範囲内に含まれる、<1>に記載のフィルム。
<3> 前記平均値Re(ave)が700nm〜900nmの範囲内であり且つ前記分子配向度MORが3.0〜4.0の範囲内である、または、前記平均値Re(ave)が1250nm〜1450nmの範囲内であり且つ前記分子配向度MORが5.5〜6.5の範囲内である、<2>に記載のフィルム。
<4> 光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含有する、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のフィルム。
<5> 前記差の絶対値ΔReが、20nm〜100nmである、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のフィルム。
<6> 前記差の絶対値ΔReが、30nm〜100nmである、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のフィルム。
<7> 一軸延伸されたフィルムである、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のフィルム。
<8> 重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載のフィルム。
<9> 前記ヘリカルキラル高分子が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である、<4>〜<8>のいずれか1項に記載のフィルム。
<10> <1>〜<9>のいずれか1項に記載のフィルムを含む高分子圧電材料。
本発明によれば、色むらが抑制されたフィルム及びフィルムを含む高分子圧電材料が提供される。
本発明のフィルムは、分子配向を有するフィルムであって、前記フィルムの主面の中心を中心とする長さ10mmの測定範囲について、0.8mm間隔で波長550nmでのレターデーションReを測定したときに、前記レターデーションReの最大値と最小値との差の絶対値ΔReが100nm以下であり、かつ、前記レターデーションReの平均値Re(ave)が、700nm〜900nmの範囲内または1250nm〜1450nmの範囲内にある、フィルムである。
本発明者等の検討により、分子配向を有するフィルムでは、色むらが視認される場合があることが判明した。この色むらは、このフィルムをクロスニコル配置とした一対の偏光板間に配置させて観察した場合や、このフィルムの観察側とは反対側に偏光板を配置した状態で、観察側から偏光サングラスを通してこのフィルムを観察した場合に、特に視認され易い傾向がある。
そこで本発明者は、上記差の絶対値ΔRe(以下、単に「ΔRe」ともいう)を100nm以下に維持した状態で上記平均値Re(ave)(以下、単に「Re(ave)」ともいう)を変化させていくと、Re(ave)が上記2つの範囲内(700nm〜900nmの範囲内、1250nm〜1450nmの範囲内)にある時に、フィルムの色むらが視認されにくくなることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明のフィルムは、上記構成により、色むらが抑制される。
即ち、フィルムのRe(ave)が、700nm〜900nmの範囲内及び1250nm〜1450nmの範囲内のいずれにも含まれない場合、フィルムの色むらが視認される。
上記700nm〜900nmの範囲は、750nm〜850nmの範囲であることが好ましく、800nm〜850nmの範囲であることがより好ましい。
また、上記1250nm〜1450nmの範囲は、上記1300nm〜1400nmの範囲であることが好ましく、上記1300nm〜1350nmの範囲であることがより好ましい。
本発明において、波長550nmでのレターデーションRe(以下、単に「Re」ともいう)は、通常定義されるとおり、下記式aで表される値である。Reについては、例えば、特開2012−7110号公報の記載を適宜参照できる。
式a: Re=(nx−ny)×d
〔式aにおいて、nxは、波長550nmにおけるフィルムの主面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyは、波長550nmにおけるフィルムの主面内の進相軸方向の屈折率であり、dは、フィルムの厚さ(nm)である。〕
本発明における「長さ10mmの測定範囲」の中心は、フィルムの主面の中心と重なる位置に設定される。
また、本発明における「長さ10mmの測定範囲」の長さ方向は、下記のΔReが最大となる方向に設定される。
本発明では、このように設定された「長さ10mmの測定範囲」において、0.8mm間隔で、Reを測定する。即ち、Reの測定点は12点である。そしてこの12点におけるReの最大値と最小値との差の絶対値をΔReとし、かつ、この12点におけるReの平均値をRe(ave)とする。
これらRe、ΔRe、及びRe(ave)は、複屈折二次元評価装置WPA−100((株)フォトニックラティス)を用いて測定される。
本発明において、フィルムの主面とは、フィルムの表面のうち、面積が最も大きい面を指す。換言すれば、フィルムの主面とは、フィルムの表面のうち、端面を除く2つの面を指す。
本発明において、フィルムのRe(ave)を上記範囲内に調整する方法には特に制限はないが、例えば、フィルムの厚さ、フィルムの延伸倍率、フィルムの結晶化度、添加剤の種類、添加剤の添加量等の調整によって調整する方法が挙げられる。
例えば、後述する、フィルム状の成形体(例えば予備結晶化フィルム)を得る工程と、得られた成形体を延伸処理(好ましくは一軸延伸処理)する工程と、を含むフィルムの製造方法において、フィルム状の成形体(例えば予備結晶化フィルム)の厚さ、フィルム状の成形体(例えば予備結晶化フィルム)の結晶化度、延伸処理における延伸条件(延伸倍率等)、最終的に得られるフィルムの結晶化度、等を調整することにより、最終的に得られるフィルムのRe(ave)を調整する方法が好適である。
また、フィルムに含まれる高分子が正の複屈折性を有する場合(例えば、後述のポリ乳酸系高分子である場合)は、負の複屈折性を有する添加剤を添加することでRe(ave)を低下させることができる。また、この場合、フィルムに含まれる正の複屈折性を有する高分子よりも高い正の複屈折性を有する添加剤を添加することでRe(ave)を増大させることができる。
また、フィルムに含まれる高分子が負の複屈折性を有する場合は、正の複屈折性を有する添加剤を添加することでRe(ave)を低下させることができる。また、この場合、フィルムに含まれる負の複屈折性を有する高分子よりも高い(絶対値が大きい)負の複屈折性を有する添加剤を添加することでRe(ave)を増大させることができる。
このような添加剤としては、有機低分子、高分子、無機フィラーなどが挙げられる。
また、本発明のフィルムは、ΔReが100nm以下である。
ΔReが100nmを超えると、フィルムの色むらが視認される。
ΔReは、80nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、60nm以下が特に好ましい。
また、ΔReが20nm以上(好ましくは25nm以上、更に好ましくは30nm以上)であると、本発明の色むら抑制の効果がより顕著に奏される。
以下、この点について、より詳細に説明する。
ΔReが20nm以上であると、色むらが視認され易くなる傾向となる。しかし本発明では、Re(ave)を上述の範囲とすることにより、ΔReが20nm以上であっても色むらが抑制される。即ち、本発明において、ΔReが20nm以上である場合には、Re(ave)を上述の範囲としたことによる色むら抑制の効果が特に顕著に奏される。
また、本発明者の検討により、ΔReは、一軸延伸(特に連続一軸延伸)されたフィルムにおいて、大きく(例えば20nm以上に)なり易いことがわかった。
従って、本発明のフィルムが一軸延伸(特に連続一軸延伸)されたフィルムである場合には、Re(ave)を上述の範囲とする手段による色むら抑制の効果がより顕著に奏される。
ここで、連続一軸延伸とは、フィルムを一軸延伸する場合において、予熱から一軸延伸完了までの過程を連続して行う態様の一軸延伸を指す。
このとき、延伸されるフィルムは、ロール状に巻かれたフィルムから巻き出されたフィルムであってもよいし、溶融押出法やキャスト法によって得られたフィルムであってもよい。
ここでいう「連続して」とは、上記過程をロールツーロール方式で行うことを指す。
本発明において、フィルムのΔReを上記範囲内に調整する方法には特に制限はないが、例えば、フィルムの分子配向や結晶化度のバラつきを低減することによって調整する方法が挙げられる。
例えば、予備結晶化フィルムを延伸処理する方法(詳細は後述する)において、予備結晶化フィルムを得るための予備結晶化の条件、延伸条件、予備結晶化フィルムを更に結晶化させる条件等を調整することにより、最終的に得られるフィルムの分子配向や結晶化度のバラつきを低減し、これにより、ΔReを上記範囲内に調整する方法が好適である。
<分子配向度MOR>
本発明において、分子配向(方向及び大きさ)は、分子配向度MOR(Molecular Orientation Ratio)を測定することにより求められる。
分子配向度MORは、分子の配向の度合いを示す値であり、以下のようなマイクロ波測定法により測定される。
すなわち、試料(フィルム)を、周知のマイクロ波分子配向度測定装置(マイクロ波透過型分子配向計ともいう)のマイクロ波共振導波管中に、マイクロ波の進行方向に前記試料面(フィルム主面)が垂直になるように配置する。
そして、振動方向が一方向に偏ったマイクロ波を試料に連続的に照射した状態で、試料をマイクロ波の進行方向と垂直な面内で0〜360°回転させて、試料を透過したマイクロ波強度を測定することにより分子配向度MORを求めることができる。
分子配向度MORは、公知のマイクロ波透過型分子配向計、例えば王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−2012AやMOA−6000等により、4GHzもしくは12GHz近傍の共振周波数で測定することができる。
分子配向度MORは、例えば、主に一軸延伸フィルムの延伸前の加熱処理条件(加熱温度および加熱時間)や延伸条件(延伸温度および延伸速度)等によって制御されうる。
また、本発明における分子配向は、本発明のフィルムが一軸延伸されたフィルムである場合には、一軸延伸の方向とほぼ平行となる。
また、本発明における分子配向は、本発明のフィルムが、二軸延伸されたフィルムである場合には、主延伸の方向とほぼ平行となる。
本発明のフィルムは、色むらをより抑制する観点から、マイクロ波透過型分子配向計で測定される分子配向度MORが3.0〜4.0の範囲内または5.5〜6.5の範囲内に含まれることが好ましい。
分子配向度MORとRe(ave)とは、フィルムが後述する光学活性を有するヘリカルキラル高分子(特にポリ乳酸系樹脂)を含む場合は、以下のような相関関係を示す場合がある。
例えば、分子配向度MORが3.0〜4.0である範囲は、上述のRe(ave)が700nm〜900nmの範囲に対応し、分子配向度MORが5.5〜6.5である範囲は、上述のRe(ave)が1250nm〜1450nmの範囲に対応する。
即ち、本発明のフィルムは、Re(ave)が700nm〜900nmの範囲内であり且つ分子配向度MORが3.0〜4.0の範囲内であること、または、Re(ave)が1250nm〜1450nmの範囲内であり且つ分子配向度MORが5.5〜6.5の範囲内であることがより好ましい。
本発明のフィルムの厚さには特に制限はないが、例えば、10μm〜400μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましく、20μm〜100μmが更に好ましく、20μm〜80μmが特に好ましい。
特に、本発明のフィルムは、Re(ave)が700nm〜900nmの範囲内であり且つ厚さが20μm〜50μm(好ましくは25μm〜45μm)であること、または、Re(ave)が1250nm〜1450nmの範囲内であり且つ厚さが40μm〜80μm(好ましくは45μm〜75μm、更に好ましくは50μm〜70μm)であることがより好ましい。
分子配向度MORは、公知の分子配向計、例えば王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−2012AやMOA−6000等により、4GHzもしくは12GHz近傍の共振周波数で測定することができる。
分子配向度MORは、後述の通り、例えば、主に一軸延伸フィルムの延伸前の加熱処理条件(加熱温度および加熱時間)や延伸条件(延伸温度および延伸速度)等によって制御されうる。
<光学活性を有するヘリカルキラル高分子(光学活性高分子)>
本発明のフィルムは、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(以下、「光学活性高分子」ともいう)を含有することが好ましい。
ここで、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(光学活性高分子)とは、分子構造が螺旋構造である分子光学活性を有する高分子をいう。
光学活性高分子としては、例えば、ポリペプチド、セルロース誘導体、ポリ乳酸系高分子、ポリプロピレンオキシド、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等を挙げることができる。
前記ポリペプチドとしては、例えば、ポリ(グルタル酸γ−ベンジル)、ポリ(グルタル酸γ−メチル)等が挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、酢酸セルロース、シアノエチルセルロース等が挙げられる。
光学活性高分子は、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましく、96.00%ee以上であることがより好ましく、99.00%ee以上であることがさらに好ましく、99.99%ee以上であることがさらにより好ましい。望ましくは100.00%eeである。
光学活性高分子の光学純度を上記範囲とすることで、フィルム中での高分子結晶のパッキング性が高くなる。その結果、例えばフィルムを圧電フィルムとして用いたときに、圧電性(圧電定数)をより向上させることができる。
上記光学活性高分子の光学純度は、下記式にて算出した値である。
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
すなわち、『「光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕との量差(絶対値)」を「光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕との合計量」で割った(除した)数値』に、『100』をかけた(乗じた)値を、光学純度とする。
なお、光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法により得られる値を用いる。
光学活性高分子としては、光学純度を上げる観点(及び、フィルムを圧電フィルムとして用いた場合に圧電性を向上させる観点)から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有する高分子が好ましい。

前記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする高分子としては、ポリ乳酸系高分子が挙げられる。中でも、ポリ乳酸が好ましく、L−乳酸のホモポリマー(PLLA)またはD−乳酸のホモポリマー(PDLA)が最も好ましい。なお、本実施形態における前記ポリ乳酸系高分子とは、「ポリ乳酸(L−乳酸及びD−乳酸から選ばれるモノマー由来の繰り返し単位のみからなる高分子化合物)」、「L−乳酸またはD−乳酸と、該L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」、又は、両者の混合物をいう。
前記「ポリ乳酸」は、乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった高分子であり、ラクチドを経由するラクチド法と、溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させる直接重合法などによって製造できることが知られている。前記「ポリ乳酸」としては、L−乳酸のホモポリマー、D−乳酸のホモポリマー、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むブロックコポリマー、及び、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むグラフトコポリマーが挙げられる。
前記「L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物」としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸、グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸、及びこれらの無水物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール、セルロース等の多糖類、及び、α−アミノ酸等のアミノカルボン酸等を挙げることができる。
前記「L−乳酸またはD−乳酸と、該L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」としては、らせん結晶を生成可能なポリ乳酸シーケンスを有する、ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーが挙げられる。
また光学活性高分子中のコポリマー成分に由来する構造の濃度は20mol%以下であることが好ましい。例えば光学活性高分子がポリ乳酸系高分子の場合、前記光学活性高分子中の乳酸に由来する構造と乳酸と共重合可能な化合物(コポリマー成分)に由来する構造のモル数の合計に対して、前記コポリマー成分が20mol%以下であることが好ましい。
前記ポリ乳酸系高分子は、例えば、特開昭59−096123号公報、及び特開平7−033861号公報に記載されている乳酸を直接脱水縮合して得る方法や、米国特許2,668,182号及び4,057,357号等に記載されている乳酸の環状二量体であるラクチドを用いて開環重合させる方法などにより製造することができる。
さらに、前記の各製造方法により得られた高分子は、光学純度を95.00%ee以上とするために、例えば、ポリ乳酸をラクチド法で製造する場合、晶析操作により光学純度を95.00%ee以上の光学純度に向上させたラクチドを、重合することが好ましい。
ポリ乳酸系高分子としては、市販のポリ乳酸を用いてもよく、例えば、PURAC社製のPURASORB(PD、PL)、三井化学社製のLACEA(H−100、H−400)、NatureWorks LLC社製のIngeoTM biopolymer、等が挙げられる。
光学活性高分子としてポリ乳酸系高分子を用いるときに、ポリ乳酸系高分子の重量平均分子量(Mw)を5万以上とするためには、ラクチド法、または直接重合法によりポリ乳酸系高分子を製造することが好ましい。
本発明のフィルムが光学活性高分子を含有する場合、光学活性高分子の含有量は、80質量%以上が好ましい。
また、光学活性高分子は、重量平均分子量が5万〜100万であることが好ましい。
光学活性高分子の重量平均分子量が5万以上であると、フィルムの機械的強度がより向上する。光学活性高分子の重量平均分子量は、10万以上であることが好ましく、15万以上であることがさらに好ましい。
一方、光学活性高分子の重量平均分子量が100万以下であると、光学活性高分子を(例えば、押出成型などにより)フィルム形状に成形することが難しくなる。光学活性高分子の重量平均分子量は、80万以下であることが好ましく、30万以下であることがさらに好ましい。
また、光学活性高分子の分子量分布(Mw/Mn)は、フィルムの強度の観点から、1.1〜5であることが好ましく、1.2〜4であることがより好ましい。さらに1.4〜3であることが好ましい。
なお、光学活性高分子の重量平均分子量Mw及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、測定される。
−GPC測定装置−
Waters社製GPC−100
−カラム−
昭和電工社製、Shodex LF−804
−サンプルの調製−
光学活性高分子を40℃で溶媒(例えば、クロロホルム)へ溶解させ、濃度1mg/mlのサンプル溶液を準備する。
−測定条件−
サンプル溶液0.1mlを溶媒〔クロロホルム〕、温度40℃、1ml/分の流速でカラムに導入する。
カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定する。ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、光学活性高分子の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を算出する。
<規格化分子配向MORc>
本発明のフィルムについては、下記式により規格化分子配向MORcを求めることもできる
ここで、規格化分子配向MORcとは、基準厚さtcを50μmとしたときのMOR値である。
MORc=(tc/t)×(MOR−1)+1
(tc:補正したい基準厚さ、t:試料厚さ、MOR:分子配向度)
規格化分子配向MORcは、公知の分子配向計、例えば王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−2012AやMOA−6000等により、4GHzもしくは12GHz近傍の共振周波数で測定することができる。
規格化分子配向MORcは、後述の通り、例えば、主に一軸延伸フィルムの延伸前の加熱処理条件(加熱温度および加熱時間)や延伸条件(延伸温度および延伸速度)等によって制御されうる。
本発明のフィルムの規格化分子配向MORcの範囲には特に制限はないが、上述の分子配向度MORが3.0〜4.0の範囲内または5.5〜6.5の範囲内となる範囲に調整することが好ましい。
また、規格化分子配向MORcは、延伸方向に配列する高分子鎖を多くし、配向結晶の生成する率を高くする観点からは、3.5〜15.0であることも好ましく、4.0〜15.0であることがより好ましく、6.0〜10.0であることがさらに好ましく、7.0〜10.0であることが特に好ましい。
また、規格化分子配向MORcが3.5〜15.0の範囲にあれば、例えば本発明のフィルムを圧電フィルムとして用いる場合に、より高い圧電性を発現することが可能となる。
<結晶化度>
本発明におけるフィルムは、結晶化度が20%〜80%であることが好ましい。
ここで、結晶化度は、DSC法によって求めることができる。
フィルムの結晶化度は、好ましくは25%〜70%であり、さらに好ましくは30%〜50%である。
フィルムの結晶化度が20%〜80%であれば、フィルムの機械的強度と透明性とのバランスがよい。従って、フィルムを延伸するときに、白化や破断がおきにくく製造しやすい。
<規格化分子配向MORcと結晶化度の積>
本発明のフィルムにおいて、規格化分子配向MORcと結晶化度との積は、好ましくは25〜700、好ましくは40〜700、さらに好ましくは75〜680、さらに好ましくは90〜660、さらに好ましくは125〜650、さらに好ましくは180〜350である。
上記の積が25〜700の範囲にあれば、透明性及び寸法安定性が好適に維持される。
更に、本発明のフィルムを圧電フィルムとして用いる場合には、圧電性も好適に維持される。
本発明のフィルムは、配向結晶の生成性、機械的強度、寸法安定性、及び透明性の観点から、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700であることが好ましい。更に、この態様では、本発明のフィルムを圧電フィルムとして用いる場合に、ある程度高い圧電性が維持される。
<内部ヘイズ>
本発明のフィルムの透明性は、例えば、目視観察やヘイズ測定により評価することができる。
本発明のフィルムは、可視光線に対する内部ヘイズ(以下、単に「内部ヘイズ」ともいう)が50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることが特に好ましく、2%以下であることがさらに好ましい。
本発明のフィルムの内部ヘイズは、低ければ低いほどよいが、本発明のフィルムを圧電フィルムとして用いる場合には、圧電定数などとのバランスの観点からは、0.01%〜15%であることが好ましく、0.01%〜10%であることがさらに好ましく、0.1%〜5%であることが特に好ましい。
本発明において、「内部へイズ」とは、フィルムの外表面の形状によるヘイズを除外したヘイズを指す。
また、ここでいう「内部ヘイズ」は、フィルムに対して、JIS−K7105に準拠して、25℃で測定したときの値である。
より詳細には、本発明における内部ヘイズ(以下、「内部ヘイズH1」ともいう)は、以下のようにして測定された値を指す。
即ち、まず、シリコンオイルで満たした光路長10mmのセルについて、光路長方向のヘイズ(以下、「ヘイズH2」ともいう)を測定する。次いで、このセルのシリコンオイルに本発明のフィルムを、セルの光路長方向とフィルムの法線方向とが平行となるように浸漬させ、フィルムが浸漬されたセルの光路長方向のヘイズ(以下、「ヘイズH3」ともいう)を測定する。ヘイズH2及びヘイズH3は、いずれもJIS−K7105に準拠して25℃で測定する。
測定されたヘイズH2及びヘイズH3に基づき、下記式に従って内部ヘイズH1を求める。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
ヘイズH2及びヘイズH3の測定は、例えばヘイズ測定機〔(有)東京電色製、TC−HIII DPK〕を用いて行うことができる。
また、シリコンオイルとしては、例えば、信越化学工業(株)製の「信越シリコーン(商標)、型番KF−96−100CS」を用いることができる。
<圧電定数>
本発明のフィルムは、25℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14が1pC/N以上であることが好ましい。これにより、本発明のフィルムを圧電フィルムとして用いる場合に、より高い圧電性を発現させることができる。
上記「圧電定数d14」とは、圧電率のテンソルの一つであり、延伸した材料の延伸軸方向に、ずり応力を印加したとき、ずり応力の方向に生じた分極の程度から求める。具体的には、単位ずり応力あたりの発生電荷密度をd14と定義する。圧電定数d14の数値が大きいほど圧電性が高いことを表す。本願において単に『圧電定数』と称するときは、応力−電荷法で測定した「圧電定数d14」を指す。
また、複素圧電率d14は、「d14=d14’―id14’’」として算出され、「d14’」と「id14’’」は東洋精機製作所社製「レオログラフソリッドS−1型」より得られる。「d14’」は、複素圧電率の実数部を表し、「id14’’」は、複素圧電率の虚数部を表し、d14’(複素圧電率の実数部)は本実施形態における圧電定数d14に相当する。尚、複素圧電率の実数部が高いほど圧電性に優れることを示す。
以下、応力−電荷法による圧電定数d14の測定方法の一例について説明する。
まず、本発明のフィルムを、延伸方向(例えばMD方向)に対して45°なす方向に150mm、45°なす方向に直交する方向に50mmにカットして、矩形の試験片を作製する。次に、昭和真空SIP−600の試験台に得られた試験片をセットし、Alの蒸着厚が約50nmとなるように、試験片の一方の面にAlを蒸着する。次いで試験片の他方の面に同様に蒸着して、試験片の両面にAlを被覆し、Alの導電層を形成する。
両面にAlの導電層が形成された150mm×50mmの試験片(フィルム)を、延伸方向(例えばMD方向)に対して45°なす方向に120mm、45°なす方向に直交する方向に10mmにカットして、120mm×10mmの矩形のフィルムを切り出す。これを、圧電定数測定用サンプルとする。
得られたサンプルを、チャック間距離70mmとした引張試験機(AND社製、TENSILON RTG−1250)に、弛まないようにセットする。次いで、クロスヘッド速度5mm/minで、印加力が4Nと9Nとの間を往復するように周期的に力を加える。このとき、印加力に応じてサンプルに発生する電荷量を測定するため、静電容量Qm(F)のコンデンサーをサンプルに並列に接続し、このコンデンサーCm(95nF)の端子間電圧Vを、バッファアンプを介して測定する。発生電荷量Q(C)は、コンデンサー容量Cmと端子間電圧Vmとの積として計算する。圧電定数d14は下式により計算される。
14=(2×t)/L×Cm・ΔVm/ΔF
t:サンプル厚(m)
L:チャック間距離(m)
Cm:並列接続コンデンサー容量(F)
ΔVm/ΔF:力の変化量に対する、コンデンサー端子間の電圧変化量比
圧電定数は高ければ高いほど、フィルムに印加される電圧に対する前記材料の変位、逆にフィルムに印加される力に対し発生する電圧が大きくなり、有用である。
具体的には、25℃における応力−電荷法で測定した圧電定数d14は1pC/N以上が好ましく、4pC/N以上がより好ましく、6pC/N以上がさらに好ましく、8pC/N以上がさらにより好ましい。また圧電定数の上限は特に限定されないが、透明性などとのバランスの観点からは、50pC/N以下が好ましく、30pC/N以下がより好ましい場合がある。
本発明のフィルムは、透明性及び圧電性をより効果的に両立させる観点から、可視光線に対する内部ヘイズが50%以下であり、且つ、25℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14が1pC/N以上であることが特に好ましい。
<安定化剤>
本発明のフィルムは、安定化剤として、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の化合物を含むことが好ましい。
これにより、上記光学活性高分子の加水分解反応を抑制し、得られるフィルムの耐湿熱性をより向上させることができる。
安定化剤については、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0039〜0055の記載を適宜参照できる。
<その他の成分>
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない限度において、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン樹脂やポリスチレン樹脂に代表される公知の樹脂や、シリカ、ヒドロキシアパタイト、モンモリロナイト等の無機フィラー、フタロシアニン等の公知の結晶核剤等、その他の成分を含有していてもよい。
なお、本発明のフィルムが光学活性高分子を含む場合、光学活性高分子以外の成分の含有量は、フィルム全質量中に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
−無機フィラー−
例えば、本発明のフィルムを、気泡等のボイドの発生を抑えた透明なフィルムとするために、フィルム中に、ヒドロキシアパタイト等の無機フィラーをナノ分散してもよい。但し、無機のフィラーをナノ分散させるためには、凝集塊の解砕に大きなエネルギーが必要であり、また、フィラーがナノ分散しない場合、フィルムの透明度が低下する場合がある。本発明のフィルムが無機フィラーを含有するとき、フィルム全質量に対する無機フィラーの含有量は、1質量%未満とすることが好ましい。
−結晶促進剤(結晶核剤)−
結晶促進剤は、結晶化促進の効果が認められるものであれば、特に限定されないが、光学活性高分子の結晶格子の面間隔に近い面間隔を持つ結晶構造を有する物質を選択することが望ましい。面間隔が近い物質ほど核剤としての効果が高いからである。
例えば、光学活性高分子としてポリ乳酸系高分子を用いた場合、有機系物質であるフェニルスルホン酸亜鉛、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート、フェニルホスホン酸亜鉛、フェニルホスホン酸カルシウム、フェニルホスホン酸マグネシウム、無機系物質のタルク、クレー等が挙げられる。それらのうちでも、最も面間隔がポリ乳酸の面間隔に類似し、良好な結晶形成促進効果が得られるフェニルホスホン酸亜鉛が好ましい。なお、使用する結晶促進剤は、市販されているものを用いることができる。具体的には例えば、フェニルホスホン酸亜鉛;エコプロモート(日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
結晶核剤の含有量は、光学活性高分子100重量部に対して通常0.01重量部〜1.0重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部、より良好な結晶促進効果とバイオマス度維持の観点から特に好ましくは0.02重量部〜0.2重量部である。結晶核剤の上記含有量が、0.01重量部未満では結晶促進の効果が十分でなく、1.0重量部を超えると結晶化の速度を制御しにくくなり、フィルムの透明性が低下する傾向にある。
<フィルムの用途など>
本発明のフィルムは、圧電フィルムとして好適に用いることができる。
また、本発明のフィルムは、圧電フィルム以外にも、表示装置などに用いられる光学フィルム等として用いることができる。
本発明のフィルムは、例えば圧電フィルムとして、スピーカー、ヘッドホン、タッチパネル、リモートコントローラー、マイクロホン、水中マイクロホン、超音波トランスデューサ、超音波応用計測器、圧電振動子、機械的フィルター、圧電トランス、遅延装置、センサー、加速度センサー、衝撃センサー、振動センサー、感圧センサー、触覚センサー、電界センサー、音圧センサー、ディスプレイ、ファン、ポンプ、可変焦点ミラー、遮音材料、防音材料、キーボード、音響機器、情報処理機、計測機器、医用機器などの種々の分野で利用することができる。
また、本発明のフィルムは、少なくとも2つの主面を有し、当該主面に電極が備えられた圧電素子として用いられることが好ましい。
電極は、フィルムの少なくとも2つの面に備えられていればよい。前記電極としては、特に制限されないが、例えば、ITO、ZnO、IZO(登録商標)、導電性ポリマー等が用いられる。
また、本発明のフィルムは、積層圧電素子の一部材として用いることもできる。
積層圧電素子の例としては電極と圧電フィルムとのユニットを繰り返し重ね、最後に電極で覆われていない圧電フィルムの主面を電極で覆ったものが挙げられる。具体的にはユニットの繰り返しが2回のものは、電極、圧電フィルム、電極、圧電フィルム、電極をこの順で重ねた積層圧電素子である。積層圧電素子に用いられる複数の圧電フィルムはそのうちの1つが本発明のフィルムであればよく、その他の圧電フィルムは本発明のフィルムでなくてもよい。
また積層圧電素子に複数の本発明のフィルムが含まれる場合は、ある一つの本発明のフィルムに含まれる光学活性高分子の光学活性がL体ならば、その他の本発明のフィルムに含まれる光学活性高分子はL体であってもD体であってもよい。本発明のフィルムの配置は圧電素子の用途に応じて適宜調整することができる。
例えば、L体の光学活性高分子を主たる成分として含む第1のフィルムが電極を介してL体の光学活性高分子を主たる成分として含む第2のフィルムと積層される場合は、第1のフィルムの一軸延伸方向(主たる延伸方向)を、第2のフィルムの一軸延伸方向(主たる延伸方向)と交差、好ましくは直交させると、第1のフィルムと第2のフィルムの変位の向きを揃えることができ、積層圧電素子全体としての圧電性が高まるので好ましい。
一方、L体の光学活性高分子を主たる成分として含む第1のフィルムが電極を介してD体の光学活性高分子を主たる成分として含む第2のフィルムと積層される場合は、第1のフィルムの一軸延伸方向(主たる延伸方向)を、第2のフィルムの一軸延伸方向(主たる延伸方向)と略平行となるように配置すると第1のフィルムと第2のフィルムの変位の向きを揃えることができ、積層圧電素子全体としての圧電性が高まるので好ましい。
特にフィルムの主面に電極を備える場合には、透明性のある電極を備えることが好ましい。ここで、電極について、透明性があるとは、具体的には、内部ヘイズが20%以下(全光線透過率が80%以上)であることをいう。
本発明のフィルムを用いた前記圧電素子は、スピーカーやタッチパネル等、上述の種々の圧電デバイスに応用することができる。特に、透明性のある電極を備えた圧電素子は、スピーカー、タッチパネル、アクチュエータ等への応用に好適である。
<フィルムの製造>
前述のとおり、本発明のフィルムは、延伸処理(好ましくは一軸延伸処理)されたフィルムであることが好ましい。
即ち、本発明のフィルムの製造方法としては、例えば、高分子(例えば、上述の光学活性高分子。以下同じ。)を含む組成物又は高分子単体を押し出し成形などによりフィルム状に成形して成形体(例えば、後述の予備結晶化フィルム)を得る工程と、得られた成形体を延伸処理(好ましくは一軸延伸処理)する工程と、を含む製造方法が好適である。
かかる製造方法では、例えば、延伸処理前の成形体の厚さと、延伸処理の条件(延伸倍率など)と、を調整することにより、最終的に得られるフィルムのRe(ave)を上述した範囲に調整することができる。
延伸処理前の成形体の厚さと延伸倍率との組み合わせの例としては、成形体の厚さが100μm〜180μm(好ましくは120μm〜160μm、より好ましくは120μm〜140μm)であり、かつ、延伸倍率が3倍〜4倍である第1の組み合わせ、又は、成形体の厚さが190μm〜300μm(好ましくは200μm〜270μm、より好ましくは200μm〜230μm)であり、かつ、延伸倍率が3倍〜4倍である第2の組み合わせが挙げられる。
第1の組み合わせによれば、Re(ave)を700nm〜900nmの範囲内に調整し易い。
第2の組み合わせによれば、Re(ave)を1250nm〜1450nmの範囲内に調整し易い。
上記成形体を得る工程と上記延伸処理する工程とは、連続して行ってもよいし(連続1軸延伸)、バッチ形式で行ってもよい(バッチ1軸延伸)。
但し、前述のとおり、上記工程を連続して行う場合にΔReが大きくなり易いことから、上記工程を連続して行う場合において、Re(ave)を上述の範囲とする手段による色むら抑制の効果が特に顕著となる。
以下説明する製造方法A及び製造方法Bにおける各工程についても同様である。
以下、フィルムが少なくとも光学活性高分子を含む場合における好ましい製造方法(製造方法A及び製造方法B)について説明する。
−製造方法A−
製造方法Aは、光学活性高分子(及び、必要に応じて安定化剤等のその他の成分)を含む予備結晶化フィルム(結晶化原反ともいう)を得る第一の工程と、前記予備結晶化フィルムを主として1軸方向に延伸する第二の工程と、を含む。
製造方法Aにおいて、フィルムの原料は、既述のポリ乳酸系高分子などの光学活性高分子(及び、必要に応じて、カルボジイミド化合物などの安定化剤等の他の成分)を溶融混練して得ることができる。具体的には、光学活性高分子と必要に応じて用いられる他の成分とを、溶融混練機〔東洋精機社製、ラボプラストミル〕を用い、ミキサー回転数30rpm〜70rpm、180℃〜250℃の条件で、5分〜20分間溶融混練することが好適である。
これにより、光学活性高分子と安定化剤とのブレンド体、複数種のヘリカルキラル高分子のブレンド体、ヘリカルキラル高分子と無機フィラーなどの他の成分とのブレンド体等を得ることができる。
一般的に延伸時にフィルムにかける力を増やすことで、光学活性高分子の配向が促進される一方、結晶化が進み、結晶サイズが大きくなることでヘイズが大きくなる傾向にある。また内部応力の増加により寸法変形率も増加する傾向がある。一方、単純にフィルムに力をかけた場合、球晶のように配向していない結晶が形成される。
よって、光学活性高分子の配向が促進され(即ち分子配向度MOR(又は規格化分子配向MORc)が高く)、かつ、ヘイズ及び寸法変形率が低いフィルムを形成するためには、配向結晶を、ヘイズを増大させない程度の微小サイズで効率よく形成することが好ましい。
製造方法Aにおいては、例えば延伸の前にフィルム内を予備結晶化させ微細な結晶を形成した後に延伸する。これにより、延伸時にフィルムにかけた力を微結晶と微結晶の間の結晶性が低い高分子部分に効率よくかけることができるようになり、ヘリカルキラル高分子を主な延伸方向に効率よく配向させることができる。具体的には、微結晶と微結晶の間の結晶性が低い高分子部分内に、微細な配向結晶が生成すると同時に、予備結晶化によって生成された球晶がくずれ、球晶を構成しているラメラ晶が、タイ分子鎖につながれた数珠繋ぎ状に延伸方向に配向することで、所望の値の分子配向度MOR(又は規格化分子配向MORc)を得ることができる。
このため、光学活性高分子の配向が促進され、かつ、ヘイズ及び寸法変形率の値が低いシートを得ることができる。
MOR(又はMORc)を制御するには、第一の工程の加熱処理時間および加熱処理温度などによる結晶化原反の結晶化度の調整、および第二の工程の延伸速度および延伸温度の調整が重要である。前述のとおり、ヘリカルキラル高分子は、分子光学活性を有する高分子である。ヘリカルキラル高分子とカルボジライト化合物を含む非晶状態のフィルムは、市場から入手可能なものでもよく、押出成形などの公知のフィルム成形手段で作製されてもよい。非晶状態のシートは単層であっても、多層であっても構わない。
−−第一の工程(予備結晶化工程)−−
第一の工程は、光学活性高分子(及び、必要に応じて安定化剤等のその他の成分)を含む予備結晶化フィルムを得る工程である。
本工程において、予備結晶化フィルムは、押出成形法などで光学活性高分子(及び、必要に応じて安定化剤等のその他の成分)を含む原料を、光学活性高分子のガラス転移温度よりも高い温度に加熱しフィルム状に押出成形した後、キャスターで押し出されたフィルムを急冷することで得ることができる。
また、予備結晶化フィルムは、光学活性高分子(及び、必要に応じて安定化剤等のその他の成分)を含む非晶状態のフィルムを加熱処理して結晶化させることで得ることもできる。
また1)予め結晶化した予備結晶化フィルムを、後述する延伸工程(第二の工程)に送り、延伸装置にセットして延伸してもよいし(オフラインによる加熱処理)、2)加熱処理により結晶化されていない非晶状態のフィルムを、延伸装置にセットして、延伸装置にて加熱して予備結晶化し、その後、連続して延伸工程(第二の工程)に送って、延伸してもよい(インラインによる加熱処理)。
非晶状態のフィルムを予備結晶化するための加熱温度Tは特に限定されないが、本製造方法Aで製造されるフィルムのMOR(又はMORc)や透明性など高める点で、光学活性高分子のガラス転移温度Tgと以下の式の関係を満たし、結晶化度が3%〜70%になるように設定されるのが好ましい。
Tg−40℃≦T≦Tg+40℃
(Tgは、前記光学活性高分子のガラス転移温度を表す)
ここで、光学活性高分子のガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、測定対象(例えば光学活性高分子)に対して、昇温速度10℃/分の条件で温度を上昇させたときの融解吸熱曲線から、曲線の屈曲点として得られるガラス転移温度(Tg)を指す。
予備結晶化するための加熱時間またはフィルム状に押出成形するときに結晶化する場合の加熱時間は、所望の結晶化度を満たし、かつ延伸後(第二工程後)のフィルムの規格化分子配向MORcと延伸後のフィルムの結晶化度の積が好ましくは25〜700、さらに好ましくは40〜700、さらに好ましくは125〜650、さらに好ましくは250〜350になるように調整されればよい。加熱時間が長くなると、延伸後の結晶化度も高くなり、延伸後のMOR(又はMORc)も高くなる。加熱時間が短くなると、延伸後の結晶化度も低くなり、延伸後のMOR(又はMORc)も低くなる傾向がある。
延伸前の予備結晶化フィルムの結晶化度が高くなると、フィルムが硬くなってより大きな延伸応力がフィルムにかかるので、前記フィルム中の結晶性が比較的低い部分も配向が強くなり、延伸後のMOR(又はMORc)も高くなる。逆に、延伸前の予備結晶化フィルムの結晶化度が低くなると、フィルムが柔らかくなって延伸応力がよりフィルムにかかりにくくなるので、前記フィルム中の結晶性が比較的低い部分も配向が弱くなり、延伸後のMOR(又はMORc)も低くなると考えられる。
加熱時間は、加熱温度、フィルムの厚み、フィルムを構成する高分子の分子量、添加剤などの種類または量によって異なる。また、フィルムを結晶化させる実質的な加熱時間は、後述する延伸工程(第二工程)の前に行なってもよい予熱において、非晶状態のフィルムが結晶化する温度で予熱した場合、前記予熱時間と、予熱前の予備結晶化工程における加熱時間の和に相当する。
非晶状態のフィルムの加熱時間またはフィルム状に押出成形するときに結晶化する場合の加熱時間は、通常は5秒〜60分であり、製造条件の安定化という観点からは1分〜30分でもよい。例えば、光学活性高分子としてポリ乳酸系高分子を含む非晶状態のフィルムを予備結晶化する場合は、20℃〜170℃で、5秒〜60分加熱することが好ましく、1分〜30分でもよい。
延伸後のフィルムに効率的にMOR(又はMORc)、透明性、高寸法安定性を付与するには、延伸前の予備結晶化フィルムの結晶化度を調整することが重要である。すなわち、延伸によりMOR(又はMORc)や寸法安定性が向上する理由は、延伸による応力が、球晶状態にあると推測される予備結晶化フィルム中の結晶性が比較的高い部分に集中し、球晶が破壊されつつ配向する一方、球晶を介して延伸応力が結晶性の比較的低い部分にもかかり、配向を促すと考えられるためである。
延伸後のフィルムの結晶化度、または後述するアニール処理を行う場合はアニール処理後の結晶化度は、20%〜80%、好ましくは40%〜70%になるように設定される。そのため、予備結晶化フィルムの延伸直前の結晶化度は3%〜70%、好ましくは10%〜60%、さらに好ましくは15%〜50%になるように設定される。
予備結晶化フィルムの結晶化度は、延伸後の、本実施形態におけるフィルムの結晶化度の測定と同様に行なえばよい。
予備結晶化フィルムの厚みは、第二の工程の延伸により得ようとするフィルムの厚みと延伸倍率によって主に決められるが、好ましくは50μm〜1000μmであり、より好ましくは100μm〜800μm程度である。
また、Re(ave)の上述した範囲内への調整し易さという観点からみた、予備結晶化フィルムの厚みと延伸倍率との好ましい組み合わせについては前述のとおりである。
−−第二の工程(延伸工程)−−
製造方法Aの第二の工程である、延伸工程における延伸方法は特に制限されず、1軸延伸、2軸延伸、後述する固相延伸などの種々の延伸方法を用いることができる。
この第二の工程を経ることで、分子配向を有するフィルムを好適に得ることができる。更には、主面の面積が大きいフィルムを得ることができる。
予備結晶化フィルムを主に一方向に延伸することで、予備結晶化フィルムに含まれる光学活性高分子(例えばポリ乳酸系高分子)の分子鎖を、一方向に配向させ、かつ高密度に整列させることができると推測される。
予備結晶化フィルムの延伸温度は、1軸延伸方法や2軸延伸方法等のように、引張力のみで予備結晶化フィルムを延伸する場合は、予備結晶化フィルムのガラス転移温度より10℃〜20℃程度高い温度範囲であることが好ましい。
延伸処理における延伸倍率は、3倍〜30倍が好ましく、3倍〜15倍の範囲で延伸することがより好ましい。
また、Re(ave)の上述した範囲内への調整し易さという観点からみた、予備結晶化フィルムの厚みと延伸倍率との好ましい組み合わせについては前述のとおりである。
予備結晶化フィルムの延伸を行なうときは、延伸直前にフィルムを延伸しやすくするために予熱を行なってもよい。この予熱は、一般的には延伸前のフィルムを軟らかくし延伸しやすくするために行なわれるものであるため、前記延伸前のフィルムを結晶化してフィルムを硬くすることがない条件で行なわれるのが通常である。しかし、製造方法Aにおいては、延伸前に予備結晶化を行なうため、前記予熱を、予備結晶化を兼ねて行なってもよい。具体的には、上述した予備結晶化工程における加熱温度や加熱処理時間に合わせて、予熱を通常行なわれる温度よりも高い温度や長い時間行なうことで、予熱と予備結晶化を兼ねることができる。
−−アニール処理工程−−
MOR(又はMORc)を向上させる観点から、延伸処理を施した後(前記第二の工程の後)のフィルムを、一定の熱処理(以下「アニール処理」とも称する)することが好ましい。なおアニール処理により主に結晶化する場合は、前述の予備結晶化工程で行う予備結晶化を省略できる場合がある。
アニール処理における加熱温度は、概ね80℃〜160℃であることが好ましく、100℃〜155℃あることがさらに好ましい。
また、アニール処理における加熱は、一段階のみの加熱であってもよいし、異なる温度での多段階の加熱であってもよい。
アニール処理の温度印加方法は、特に限定されないが、熱風ヒータや赤外線ヒータを用いて直接加熱する方法、加熱したシリコンオイルなど、加熱した液体にフィルムを浸漬して加熱する方法等が挙げられる。
このとき、線膨張によりフィルムが変形すると、実用上平坦なフィルムを得ることが困難になるため、フィルムに一定の引張応力(例えば、0.01MPa〜100Mpa)を印加し、フィルムがたるまないようにしながら温度を印加することが好ましい。
アニール処理の温度印加時間は、1秒〜60分であることが好ましく、1秒〜300秒であることがより好ましく、1秒から60秒の範囲で加熱することがさらに好ましい。60分を超えてアニールをすると、フィルムのガラス転移温度より高い温度で、非晶部分の分子鎖から球晶が成長することにより配向度が低下する場合があり、その結果、圧電性や透明性が低下する場合がある。
上記のようにしてアニール処理されたフィルムは、アニール処理した後に急冷することが好ましい。アニール処理において、「急冷する」とは、アニール処理したフィルムを、アニール処理直後に、例えば氷水中等に浸漬して、少なくともガラス転移温度Tg以下に冷やすことをいい、アニール処理と氷水中等への浸漬との間に他の処理が含まれないことをいう。
急冷の方法は、水、氷水、エタノール、ドライアイスを入れたエタノールやメタノール、液体窒素などの冷媒に、アニール処理したフィルムを浸漬する方法や、蒸気圧の低い液体スプレーを吹き付け、蒸発潜熱により冷却したりする方法が挙げられる。連続的にフィルムを冷却するには、フィルムのガラス転移温度Tg以下の温度に管理された金属ロールと、フィルムとを接触させるなどして、急冷することが可能である。また、冷却の回数は、1回のみであっても、2回以上であってもよく、さらには、アニールと冷却とを交互に繰り返し行なうことも可能である。
−製造方法B−
フィルムが少なくとも光学活性高分子を含む場合における好ましい製造方法としては、上記製造方法A以外にも、下記製造方法Bが挙げられる。
製造方法Bは、光学活性高分子(及び必要に応じ安定化剤等のその他の成分)を含むシートを主として1軸方向に延伸する工程と、アニール処理をする工程と、をこの順で含む。延伸する工程及びアニール処理をする工程は、製造方法Aにおける工程と同様の工程とすることができる。
また、製造方法Bにおいては、製造方法Aにおける予備結晶化工程を実施しなくともよい。
上述した本発明のフィルムを含む高分子圧電材料も本発明の範囲に含まれる。本発明の高分子圧電材料は、上述した本発明のフィルムと同様の方法で製造可能である。
以下、本発明の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本実施形態はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<フィルムの作製>
各工程を連続して行う連続一軸延伸により、実施例1のフィルムを作製した。詳細を以下に説明する。
光学活性高分子である、NatureWorks LLC社製のポリ乳酸(PLA)(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D、重量平均分子量Mw:20万)を、原料として用意した。
作製した原料を押出成形機ホッパーに入れて、220℃〜230℃に加熱しながらTダイから押し出し、55℃のキャストロールに0.5分間接触させて、厚さ220μmの予備結晶化フィルムを得た(予備結晶化工程)。前記予備結晶化シートの結晶化度を測定したところ、5.6%であった。
得られた予備結晶化フィルムを72.5℃に加熱しながらロールツーロールで、延伸速度1650mm/分で延伸を開始し、3.6倍までMD方向に一軸延伸(連続一軸延伸)し、延伸フィルムを得た(延伸工程)。
得られた延伸フィルムを、ロールツーロールで、100℃に加熱した加熱ロールに5秒間、130℃に加熱した加熱ロールに10秒間、145℃に加熱した加熱ロールに10秒間、順次接触させて加熱し、次いで60℃の冷却ロールによって冷却し、フィルムを得た(以上、アニール処理工程)。
得られたフィルムの厚さは60μmであった。
なお、本実施例では、分子配向と一軸延伸方向とが平行(両者のなす角が0°)となっている。
<光学活性高分子のMw、Mw/Mn、光学純度、及びキラリティ>
上記フィルムに含まれる光学活性高分子(PLA)のMw、Mw/Mn、光学純度、及びキラリティを、下記の方法によって測定した。
結果を下記表1に示す。
(光学純度及びキラリティ)
50mLの三角フラスコに1.0gのサンプル(上記で得られたフィルム)を秤り込み、IPA(イソプロピルアルコール)2.5mLと、5.0mol/L水酸化ナトリウム溶液5mLとを加えた。次に、サンプル溶液が入った前記三角フラスコを、温度40℃の水浴に入れ、ポリ乳酸が完全に加水分解するまで、約5時間攪拌した。
前記サンプル溶液を室温まで冷却後、1.0mol/L塩酸溶液を20mL加えて中和し、三角フラスコを密栓してよくかき混ぜた。サンプル溶液の1.0mLを25mLのメスフラスコに取り分け、移動相で25mLとしてHPLC試料溶液1を調製した。HPLC試料溶液1を、HPLC装置に5μL注入し、下記HPLC条件で、ポリ乳酸のD/L体ピーク面積を求め、L体の量とD体の量を算出した。算出結果に基づき、フィルムに含まれる光学活性高分子の光学純度及びキラリティを求めた。
−HPLC測定条件−
・カラム
光学分割カラム、(株)住化分析センター製 SUMICHIRAL OA5000
・測定装置
日本分光社製 液体クロマトグラフィ
・カラム温度
25℃
・移動相
1.0mM−硫酸銅(II)緩衝液/IPA=98/2(V/V)
硫酸銅(II)/IPA/水=156.4mg/20mL/980mL
・移動相流量
1.0ml/分
・検出器
紫外線検出器(UV254nm)
(重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn))
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、上記で得られたフィルムに含まれる光学活性高分子の分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
−GPC測定方法−
・測定装置
Waters社製GPC−100
・カラム
昭和電工社製、Shodex LF−804
・サンプルの調製
上記で得られたフィルムを、それぞれ40℃で溶媒〔クロロホルム〕へ溶解させ、濃度1mg/mlのサンプル溶液を準備した。
・測定条件
サンプル溶液0.1mlを溶媒(クロロホルム)、温度40℃、1ml/分の流速でカラムに導入し、カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定した。次いでポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、光学活性高分子(PLA)のMw、Mw/Mnを算出した。
<フィルムの物性測定および評価>
上記で得られたフィルムについて、Re(ave)、ΔRe、厚さ、結晶化度、分子配向度MOR、及び規格化分子配向MORcを測定した。また、結晶化度と規格化分子配向MORcとの積を求めた。
更に、上記で得られたフィルムについて、色むら(位相差むら)の評価を行った。
詳細を以下に示す。
また、物性測定および評価の結果を下記表2に示す。
(Re(ave)及びΔReの測定)
上記で得られたフィルムから、210mm(一軸延伸方向)×297mmの矩形のサンプルを切り出し、Re測定用サンプルとした。
次に、得られたRe測定用サンプルの主面の中心を中心とする長さ10mmの測定範囲を設定した。この測定範囲の長さ方向は、下記のΔReが最大となる方向に設定した。具体的には、各実施例及び各比較例では、下記のΔReが最大となる方向は、分子配向(一軸延伸方向)と直交する方向であった。
上記長さ10mmの測定範囲について、0.8mm間隔で、波長550nmでのレターデーションReを測定した。この測定における測定点は12点である。
得られた12点のReの測定結果に基づき、Reの平均値Re(ave)、及び、Reの最大値と最小値との差の絶対値ΔReを求めた。
以上の測定は、複屈折二次元評価装置WPA−100((株)フォトニックラティス)を用いて行った。
(結晶化度)
上記で得られたフィルムを10mg正確に秤量し、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)を用い、昇温速度500℃/分の条件で140℃まで昇温し、さらに昇温速度10℃/分の条件で200℃まで昇温して融解曲線を得た。得られた融解曲線から結晶化度を求めた。
(分子配向度MOR)
上記で得られたフィルムの分子配向度MORを、王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−6000によって測定した。
(規格化分子配向MORc)
上記で得られたフィルムの規格化分子配向MORcを、王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−6000により測定した。基準厚さtcは、50μmに設定した。
(内部ヘイズ)
以下の方法により、上記で得られたフィルムの内部ヘイズ(H1)を測定した。
まず、光路長10mmのセルに、シリコンオイル(信越化学工業株式会社製信越シリコーン(商標)、型番:KF−96−100CS)を満たし、このシリコンオイルで満たしたセルの光路長方向のヘイズ(以下、ヘイズ(H2)とする)を測定した。
次に、上記セルのシリコンオイルに上記で得られたフィルムを浸漬させ、フィルムが浸漬されたセルの光路長方向のヘイズ(以下、ヘイズ(H3)とする)を測定した。
次に、下記式のようにこれらの差をとることにより、フィルムの内部ヘイズ(H1)を得た。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
ここで、ヘイズ(H2)及びヘイズ(H3)の測定は、それぞれ、下記測定条件下で下記装置を用いて行った。
測定装置:東京電色社製、HAZE METER TC−HIII DPK
試料サイズ:幅30mm×長さ30mm
測定条件:JIS−K7105に準拠
測定温度:室温(25℃)
(圧電定数)
以下の方法(応力−電荷法)により、上記で得られたフィルムの圧電定数(d14)を測定した。
フィルムを、延伸方向(MD方向)に対して45°なす方向に150mm、45°なす方向に直交する方向に50mmにカットして、矩形の試験片を作製した。次に、昭和真空SIP−600の試験台に得られた試験片をセットし、Alの蒸着厚が約50nmとなるように、試験片の一方の面にAlを蒸着した。次いで試験片の他方の面に同様に蒸着して、試験片の両面にAlを被覆し、Alの導電層を形成した。
両面にAlの導電層が形成された150mm×50mmの試験片(フィルム)を、延伸方向(MD方向)に対して45°なす方向に120mm、45°なす方向に直交する方向に10mmにカットして、120mm×10mmの矩形のフィルムを切り出した。これを、圧電定数測定用サンプルとした。
得られたサンプルを、チャック間距離70mmとした引張試験機(AND社製、TENSILON RTG−1250)に、弛まないようにセットした。クロスヘッド速度5mm/minで、印加力が4Nと9N間を往復するように周期的に力を加えた。このとき印加力に応じてサンプルに発生する電荷量を測定するため、静電容量Qm(F)のコンデンサーをサンプルに並列に接続し、このコンデンサーCm(95nF)の端子間電圧Vを、バッファアンプを介して測定した。発生電荷量Q(C)は、コンデンサー容量Cmと端子間電圧Vmとの積として計算した。圧電定数d14は下式により計算した。
14=(2×t)/L×Cm・ΔVm/ΔF
t:サンプル厚(m)
L:チャック間距離(m)
Cm:並列接続コンデンサー容量(F)
ΔVm/ΔF:力の変化量に対する、コンデンサー端子間の電圧変化量比
(フィルムの色むら(位相差むら))
−偏光板の準備−
偏光板(日東電工(株)製「NPF−F1205DU」)を2枚準備した。
−色むら(位相差むら)の評価−
次に、クロスニコルの配置とした上記2枚の偏光板間に、上記Re測定用サンプル(フィルム)を挟んだ構造の積層サンプルを準備し、この積層サンプルに蛍光灯の光を透過させたときの色むらの有無を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
−評価基準−
A: 色むらが視認されない。
B: フィルムの全面にわずかに色むらが視認されるが、実用上許容範囲内である。
C: フィルム全面に色むらが視認され、実用上の許容範囲を超えている。
D: フィルム全面に色むらが視認され、かつ幅1mm程度のスジも観測され、実用上の許容範囲を超えている。
〔実施例2〜3及び比較例1〜3〕
フィルムの製造条件を下記表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製し、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
測定及び評価の結果を下記表2に示す。
表1及び表2に示すように、ΔReが100nm以下であり、Re(ave)が700nm〜900nmの範囲内または1250nm〜1450nmの範囲内にある実施例1〜3のフィルムでは、色むらが抑制されていた。
一方、Re(ave)が、上記2つの範囲内のいずれにも含まれない比較例1〜3では、フィルムの色むらが顕著であった。
2013年7月4日に出願された日本国特許出願2013−140900の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (9)

  1. 分子配向を有するフィルムであって、
    前記フィルムの主面の中心を中心とする長さ10mmの測定範囲について、0.8mm間隔で波長550nmでのレターデーションReを測定したときに、前記レターデーションReの最大値と最小値との差の絶対値ΔReが100nm以下であり、かつ、前記レターデーションReの平均値Re(ave)が800nm〜850nmの範囲内または1300nm〜1350nmの範囲内に含まれ
    光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含有する、フィルム。
  2. マイクロ波透過型分子配向計で測定される分子配向度MORが3.0〜4.0の範囲内または5.5〜6.5の範囲内に含まれる、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記平均値Re(ave)が800nm〜850nmの範囲内であり且つ前記分子配向度MORが3.0〜4.0の範囲内である、または、前記平均値Re(ave)が1300nm〜1350nmの範囲内であり且つ前記分子配向度MORが5.5〜6.5の範囲内である、請求項2に記載のフィルム。
  4. 前記ヘリカルキラル高分子が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフィルム。
  5. 前記差の絶対値ΔReが、20nm〜100nmである、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のフィルム。
  6. 前記差の絶対値ΔReが、30nm〜100nmである、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のフィルム。
  7. 一軸延伸されたフィルムである、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のフィルム。
  8. 重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700である、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のフィルム。
  9. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のフィルムを含む高分子圧電材料。
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