JP6269358B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドライバーの操舵操作に基づいてモータを駆動して操舵アシストトルクを発生する電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、ドライバーが操舵ハンドルに付与した操舵トルクに応じてモータの通電量を制御して操舵アシストトルクを発生する電動パワーステアリング装置が知られている。こうした電動パワーステアリング装置においては、ドライバーが強く操舵操作を行った場合には、車載電源からモータに大電流が流れる。車載電源が劣化してくると、モータへの通電時に車載電源の出力電圧(電源電圧)が低下する。車載電源の劣化の程度が大きいほど、車載電源から負荷に流れる電流に対する電源電圧の低下が大きくなる。モータを制御する制御装置(ECUと呼ぶ)は、マイコン、センサ等の電子制御部品を備えている。このため、規定電圧範囲内での電力供給が要求されるが、モータと同じ車載電源から電力供給されるため、車載電源の電圧降下を抑える必要がある。
そこで、従来から、電源電圧が低下した場合に、操舵アシストを制限する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、操舵アシスト中に電源電圧が低下した場合に、モータに流す電流の上限値である電流上限値を低くし、電源電圧が復帰した場合に、電流上限値を徐々に通常値に戻す技術が提案されている。
特開2005−193751公報
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、基本的には、電流上限値によって操舵アシストを制限する場合、例えば、図8に示すような電源電圧Vと電流上限値Ilimとを関係付けた上限特性に従って、ECUが電流上限値Ilimを算出し、この電流上限値Ilimの範囲内でモータの通電を制御する。この上限特性においては、ヒステリシスが設けられており、電源電圧が低下していく場合と、電源電圧が上昇していく場合とで、電源電圧Vと電流上限値Ilimとの関係が異なるように設定されている。具体的には、電源電圧Vが低下して低減開始電圧V1を下回ると、電源電圧Vの低下に合わせて電流上限値Ilimが基本電流上限値Ilim0から勾配α1で低下するように設定される。電源電圧Vがアシスト禁止電圧V2を下回った場合には、電流上限値Ilimはゼロに設定される。
また、電源電圧Vが上昇に転じた場合には、電源電圧Vの上昇量がヒステリシス量を超えた後に、電源電圧Vの上昇に合わせて電流上限値Ilimが勾配α2で増加するように設定される。例えば、電源電圧Vがアシスト禁止電圧V2を下回った後に上昇に転じた場合には、電源電圧Vが増加開始電圧V3(>V2)を超えるまでは電流上限値Ilimがゼロに維持され、電源電圧Vが増加開始電圧V3を超えた後に、電源電圧Vの上昇に合わせて電流上限値Ilimが増加するように設定される。
上限特性は、車載電源の劣化等、恒常的な電力供給能力の低下要因に対しても、適正に電流の上限制限(以下、電流制限と呼ぶ)を行うことができるようにする必要がある。例えば、車載バッテリが劣化している場合には、電力供給能力が低くなっているため、電流制限によって電源電圧が上昇に転じた場合にすぐに電流制限を弱めてしまうと(電流上限値を増加させてしまうと)と、その反動で、電源電圧が低下して再び電流制限が強められるというハンチング現象が発生する。これに伴って、操舵アシストトルクが変動して、操舵操作感が低下する。このため、上限特性においては、ヒステリシスが設定される。また、操舵アシストが急に増加してドライバーが過剰にハンドルを回してしまわないように勾配α2を緩やかに設定する必要がある。
このように設定された上限特性を使って電流制限を実施することにより、車載電源が劣化した場合でも、車載電源の電源電圧を可能な限り規定範囲内に維持することができる。
一般に、電動パワーステアリング装置は、エンジンの作動中においてのみ操舵アシストが得られるように構成されているが、エンジン停止中においても操舵アシストを得たいという要求がある。そこで、エンジン停止中においても操舵アシスト制御を継続させるように制御システムを構成した場合、クランキング時における電源電圧の低下によって上記の電流制限によって操舵アシストが制限されることがある。クランキング時には、オルタネータが発電していない状態であるため車載電源の電源供給能力が低く、かつ、セルモータが起動されるため、その起動の瞬間において電源電圧が低下するからである。
クランキング時における電源電圧の低下は、非常に短期間(例えば、100ミリ秒程度)であって、すぐに電源電圧が復帰する。このため、上記のように厳しく設定された上限特性をそのまま適用して電流制限を実施してしまうと、操舵アシストが制限される期間、つまり、ハンドル操作が重く感じられる期間が必要以上に長くなってしまうなど、クランキング時に適した電流制限を行うことができなくなる。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、クランキング時に適正な電流制限ができるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、
ドライバーの入力した操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段(21)と、
操舵アシストトルクを発生するモータ(20)と、
前記操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクに応じて前記モータの通電を制御するモータ制御手段(61,66,67)と、
前記モータに流れる電流が電流上限値以下となるように、前記モータに流す電流に上限制限を加える電流制限手段(66)と、
車載電源(100)の出力電圧である電源電圧を検出する電源電圧検出手段(62)と、
前記電源電圧の低下に従って前記電流上限値を低減させ、前記電流上限値を低減させた後に前記電源電圧が上昇に転じた場合、前記電源電圧の上昇に従って前記電流上限値を増加させるように前記電源電圧と前記電流上限値との関係を設定した上限特性に基づいて、前記電源電圧に対する前記電流上限値を設定する電流上限値設定手段(64)とを備え、前記車載電源から電力供給を受ける電動パワーステアリング装置であって、
前記電流上限値設定手段は、
エンジンがクランキングされる状況であると推定されるクランキング状態を検出するクランキング状態検出手段(63)と、
前記クランキング状態が検出されていないときには、前記上限特性として、前記電源電圧と前記電流上限値との関係が設定された非クランキング時上限特性を選択し、前記クランキング状態が検出されているときには、前記上限特性として、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電流上限値を増加させている期間における前記電源電圧に対する前記電流上限値が高く維持されるように前記電源電圧と前記電流上限値との関係が設定されたクランキング時上限特性を選択する上限特性選択手段(64,65)と
を備え、
前記電流制限手段は、前記電流上限値設定手段によって設定された前記電流上限値を使って前記モータに流す電流に前記上限制限を加えるように構成されたことにある。この場合、クランキング時上限特性は、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電源電圧が上昇に転じた後における、前記電流上限値の増加を開始させるときの前記電源電圧を表す増加開始電圧が低く設定されているとよい。
本発明の電動パワーステアリング装置においては、モータ制御手段が、操舵トルクに応じてモータの通電を制御することにより、ドライバーの入力した操舵トルクに応じた操舵アシストトルクを発生させる。モータに流す電流は、電流制限手段によって、電流上限値以下となるように制限されている。この電流上限値は、電流上限値設定手段によって設定される。電流上限値設定手段は、電源電圧に基づいて、電源電圧の低下に従って電流上限値を低減させ、電流上限値を低減させた後に電源電圧が上昇に転じた場合、電源電圧の上昇に従って電流上限値を増加させるように電源電圧と電流上限値との関係を設定した上限特性に基づいて、電源電圧に対する電流上限値を設定する。従って、モータの作動によって電源電圧が低下した場合であっても、モータに流す電流を制限することによって電源電圧の低下が抑えられる。
エンジン停止中においても操舵アシストトルクを発生できるように電動パワーステアリング装置が構成されている場合、操舵アシスト中にエンジンがクランキングされることがある。この場合、クランキングによって電源電圧が低下して、電流上限値が低減されることがある。しかし、クランキングによる電源電圧の低下は非常に短期間であって、電源電圧はすぐに復帰する。一方、クランキングしていないときに電源電圧の低下が検出された場合には、車載電源が劣化している可能性が高い。従って、クランキングが発生している状況と発生していない状況とで、電源電圧に応じた電流制限を同一にしてしまうと、クランキング時における電流制限が過剰になりやすい。そこで、本発明においては、電流上限値設定手段は、クランキング時と非クランキング時とで、それぞれに適した特性の電流制限を加えるために、クランキング状態検出手段と上限特性選択手段とを備えている。
クランキング状態検出手段は、エンジンがクランキングされる状況であると推定されるクランキング状態を検出する。例えば、クランキング状態は、エンジンの始動/停止を指示する操作スイッチの状態を表すスイッチ信号を入力して検出することができる。この場合、車両が走行中にエンジンの停止指令を表すスイッチ信号が入力されたときに、エンジンが再始動される可能性が高いため、クランキング状態であると判定してもよい。あるいは、車両が走行中にエンジンが停止され、その後、エンジンの再始動の指令を表すスイッチ信号が入力されたとき、クランキング状態であると判定してもよい。また、例えば、エンジンの作動を制御するエンジン制御装置からクランキング動作に入ることを表す情報を入力してクランキング状態を検出するようにしてもよい。
上限特性選択手段は、クランキング状態が検出されていないときには、上限特性として、電源電圧と電流上限値との関係が設定された非クランキング時上限特性を選択し、クランキング状態が検出されているときには、上限特性として、非クランキング時上限特性に比べて、電流上限値を増加させている期間における電源電圧に対する電流上限値が高く維持されるように電源電圧と電流上限値との関係が設定されたクランキング時上限特性を選択する。電流制限手段は、電流上限値設定手段によって設定された電流上限値を使ってモータに流す電流に上限制限を加える。
上述したように、電流上限値設定手段は、電流上限値を低減させた後に電源電圧が上昇に転じた場合、電源電圧の上昇に従って電流上限値を増加させる。この電流上限値を増加させている期間における電源電圧に対する電流上限値が高いほど電流制限が緩和される。また、電流上限値の増加を開始させるときの電源電圧を表す増加開始電圧が低いほど電流制限が早いタイミングで緩和される。
従って、本発明によれば、クランキング時の一時的な電源電圧の低下が発生した場合には、非クランキング時に比べて、早く電流制限を解除することができる。これにより、電流制限によって操舵アシストが制限される期間(操舵アシストが制限される期間)を短くすることができる。従って、操舵アシストを有効に利用することができる。
一方、非クランキング時に電源電圧の低下が発生した場合には、車載電源が劣化している可能性が高い。この場合には、電源電圧に対する電流上限値が低く設定されることにより、電源電圧の低下を抑制するとともに、電流制限の解除にともなうハンチング現象の発生する可能性を低減することができる。この結果、本発明によれば、クランキング時における電流制限と、非クランキング時における電流制限とをそれぞれ適切に行うことができる。これにより、車載電源の電圧降下を抑制しつつ、操舵操作感を向上させることができる。尚、「電源電圧に基づいて電流上限値が設定される」とは、電源電圧そのもの(電源電圧の履歴を含む。)から電流上限値が設定される構成に限らず、例えば、電源電圧と電源電圧の変化率(微分値)とから電流上限値が設定される構成であってもよい。
本発明の一側面の特徴は、前記クランキング時上限特性は、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電源電圧が上昇に転じた後における、前記電源電圧の上昇に対して前記電流上限値を増加させる増加率が大きく設定されていることにある。
上述したように、電流上限値設定手段は、電流上限値を低減させた後に電源電圧が上昇に転じた場合、電源電圧の上昇に従って電流上限値を増加させる。この電流上限値を増加させる増加率が大きいほど電源電圧の上昇に対して電流上限値が早く増加し、増加率が小さいほど電源電圧の上昇に対して電流上限値がゆっくり増加する。これにより、増加率を大きくすることにより電流制限を緩和することができる。
従って、本発明の一側面によれば、クランキング時に一時的な電源電圧の低下が発生した場合には、電源電圧の復帰によって速い速度で電流制限を緩和することができ、結果として電流制限を早く解除させることができる。これにより、ハンドル操作が重く感じられる期間を短くすることができる。
クランキングしていないときに電源電圧の低下が検出された場合には、車載電源が劣化している可能性が高い。車載電源が劣化している場合には、電流制限によってハンドル操作が重くなるが、電流上限値を増加させる増加率が大きいと、ハンドル操作が急に軽くなって過度にハンドルを操作するおそれがある。そこで、本発明の一側面においては、非クランキング時には、増加率を小さく設定して電流制限をゆっくり解除する。このため、ドライバーが過度にハンドルを操作してしまうことを抑制できる。また、電流制限の解除にともなうハンチング現象の発生する可能性も低減することができる。
本発明の他の特徴は、
ドライバーの入力した操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
操舵アシストトルクを発生するモータと、
前記操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクに応じて前記モータの通電を制御するモータ制御手段と、
前記モータに流れる電流が電流上限値以下となるように、前記モータに流す電流に上限制限を加える電流制限手段と、
車載電源の出力電圧である電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
前記電源電圧の低下に従って前記電流上限値を低減させ、前記電流上限値を低減させた後に前記電源電圧が上昇に転じた場合、前記電源電圧の上昇に従って前記電流上限値を増加させるように前記電源電圧と前記電流上限値との関係を設定した上限特性に基づいて、前記電源電圧に対する前記電流上限値を設定する電流上限値設定手段と
を備え、前記車載電源から電力供給を受ける電動パワーステアリング装置であって、
前記電流上限値設定手段は、
エンジンがクランキングされる状況であると推定されるクランキング状態を検出するクランキング状態検出手段と、
前記クランキング状態が検出されていないときには、前記上限特性として、前記電源電圧と前記電流上限値との関係が設定された非クランキング時上限特性を選択し、前記クランキング状態が検出されているときには、前記上限特性として、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電流上限値を減少させている期間における前記電源電圧に対する前記電流上限値が高く維持されるように前記電源電圧と前記電流上限値との関係が設定されたクランキング時上限特性を選択する上限特性選択手段と
を備え、
前記電流制限手段は、前記電流上限値設定手段によって設定された前記電流上限値を使って前記モータに流す電流に前記上限制限を加えるように構成されたことにある。
この場合、前記クランキング時上限特性は、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電源電圧の低下に従って前記電流上限値の低減を開始させるときの前記電源電圧を表す低減開始電圧が低く設定されているとよい。
上述したように、電流上限値設定手段は、電源電圧の低下に従って電流上限値を低減させる。この電流上限値を低減させている期間における電源電圧に対する電流上限値が高いほど電流制限が緩和される。また、電流上限値の低減を開始させるときの電源電圧を表す低減開始電圧が低いほど電流制限が開始されるタイミングが遅くなり、電流制限が緩和される。
従って、本発明によれば、クランキング時に電流上限値の低減動作を必要以上に行ってしまうことを抑制することができる。つまり、電流制限によって操舵アシストが制限される頻度を低減することがきる。これにより、操舵アシストを有効に利用することができる。一方、非クランキング時に電源電圧の低下が発生した場合には、車載電源が劣化している可能性が高い。この場合には、電源電圧に対する電流上限値が低く設定されるため、モータに流れる電流を確実に制限することができる。これにより、電源電圧の低下を良好に抑制することができる。
本発明の一側面の特徴は、前記クランキング時上限特性は、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電源電圧の低下に対して前記電流上限値を低減させる低減率が小さく設定されていることにある。
上述したように、電流上限値設定手段は、電源電圧の低下に従って電流上限値を低減させる。この電流上限値を低減させる低減率が小さいほど電源電圧の低下に対して電流上限値がゆっくり低下し、逆に、低減率が大きいほど電源電圧の低下に対して電流上限値が早く低下する。従って、低減率を小さくすることにより電流制限を緩和することができる。
従って、本発明の一側面によれば、クランキング時に一時的な電源電圧の低下が発生した場合には、電源電圧の低下に対して電流上限値をゆっくり低下させることができる。これにより、操舵操作感の急変を抑えることができる。一方、非クランキング時に電源電圧の低下が発生した場合には、車載電源が劣化している可能性が高い。この場合には、電源電圧の低下に対して電流上限値を早く低下させて、電源電圧の低下を良好に抑制することができる。
本発明の一側面の特徴は、前記電源電圧の低下に従って前記電流上限値を低減させる場合の前記電源電圧に対する前記電流上限値については、前記クランキング時上限特性と前記非クランキング時上限特性とにおいて同一に設定されていることにある。
本発明の一側面によれば、クランキング時であっても、非クランキング時と同様に、電源電圧が低下していく状況下においては厳しい電流制限を加えることができる。従って、過剰な電源電圧の落ち込みを防止することができる。また、電源電圧が上昇に転じた後においては、非クランキング時に比べて電流制限を緩めるため、電流制限によって操舵アシストが制限される期間を短くすることができる。尚、「クランキング時上限特性と非クランキング時上限特性とにおいて同一」とは、実質的に、クランキング時上限特性と非クランキング時上限特性とにおいて同一であれば良く、完全一致に限定するものではない。
尚、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 モータ制御部の機能ブロック図である。 IG電圧と電源電圧と操舵アシスト制御の作動状態との関係を表すグラフである。 非クランキング時上限特性を表すグラフである。 クランキング時上限特性を表すグラフである。 変形例としてのクランキング時上限特性を表すグラフである。 他の変形例としてのクランキング時上限特性を表すグラフである。 基本的な上限電流特性を表すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態として車両の電動パワーステアリング装置の概略構成を表している。
この電動パワーステアリング装置は、操舵ハンドル11の操舵操作により転舵輪を転舵するステアリング機構10と、操舵アシストトルクを発生するモータ20と、モータ20の作動を制御する電子制御ユニット50とを備えている。以下、電子制御ユニット50をアシストECU50と呼ぶ。
ステアリング機構10は、操舵ハンドル11の回動操作に連動したステアリングシャフト12の軸線周りの回転をラックアンドピニオン機構13によりラックバー14の左右方向のストローク運動に変換して、このストローク運動により左前輪Wflと右前輪Wfrとを転舵するように構成されている。
ラックバー14は、ギヤ部14aがラックハウジング15内に収納され、その左右両端がラックハウジング15から露出してタイロッド16と連結される。左右のタイロッド16の他端は、左右前輪Wfl,Wfrに設けられたナックル(図示略)に接続される。
ステアリングシャフト12には減速機25を介してモータ20が組み付けられている。モータ20は、例えば、三相ブラシレスモータが使用される。モータ20は、ロータの回転によりステアリングシャフト12をその中心軸周りに回転駆動して、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシストトルクを付与する。
ステアリングシャフト12には、操舵ハンドル11と減速機25との間にトルクセンサ21が設けられている。トルクセンサ21は、ステアリングシャフト12に介装されているトーションバー12tに働いた捩り力を、操舵ハンドル11に付与された操舵トルクTrとして検出し、操舵トルクTrを表す検出信号を出力する。尚、操舵トルクTrは、トルクの働く方向を符号により特定し、例えば、ステアリングシャフト12に右回転方向に働くトルクを正の値で、左回転方向に働くトルクを負の値で表すことにする。また、操舵トルクTrの大きさについて論じる場合には、その絶対値を用いる。
ステアリングシャフト12には、トーションバー12tと操舵ハンドルとの間に操舵角センサ22が設けられている。操舵角センサ22は、トーションバー12tの回転角度を操舵ハンドル11の操舵角θhとして検出し、操舵角θhを表す検出信号を出力する。
次に、アシストECU50について説明する。アシストECU50は、モータ20の制御量を演算するモータ制御部60と、モータ制御部60から出力されたPWM制御信号に従ってモータ20を駆動するモータ駆動回路80とを備えている。
モータ制御部60は、マイクロコンピュータ、入出力インターフェース、電源回路、不揮発性メモリ等を備えている。モータ制御部60には、トルクセンサ21、操舵角センサ22、および、車速を検出し車速vを表す検出信号を出力する車速センサ23が接続されている。また、モータ制御部60は、エンジン制御装置90(以下、エンジンECU90と呼ぶ)と相互に通信可能に接続されている。モータ制御部60は、モータ20に通電する目標アシスト電流Ias*を演算し、その目標アシスト電流Ias*がモータ20に流れるように生成したPWM制御信号をモータ駆動回路80に出力する。
モータ駆動回路80は、例えば、3相インバータ回路であって、モータ制御部60から出力されたPWM制御信号を入力し、このPWM制御信号によりスイッチング素子のデューティ比が制御される。モータ駆動回路80には、各相に流れる電流を検出する電流センサ24(図2参照)が設けられている。電流センサ24は、検出した電流値(以下、モータ電流Imと呼ぶ)に対応する検出信号をモータ制御部60に出力する。尚、本実施形態においては、モータとして3相ブラシレスモータを使用しているが、3相ブラシレスモータに限るものではなく、例えば、単相のブラシ付モータ等を使用することもできる。また、3相ブラシレスモータを用いる場合には、モータ回転角センサを設けてモータ電気角を検出し、モータ電気角に基づいて位相を制御する必要があるが、ここではその説明を省略している。
アシストECU50は、車載電源である電源装置100から電力供給される。電源装置100は、定格出力電圧12Vのバッテリ101と、エンジンの回転により発電するオルタネータ102とを並列接続して構成され、アシストECU50に限らず車両内の電気負荷に電力を供給する。
アシストECU50は、電源装置100から2系統の電源ライン(第1電源ライン105、第2電源ライン106)を介して電力供給される。第1電源ライン105は、アシストECU50と電源装置100とを直接的に接続する。
一方、第2電源ライン106は、エンジンスタートスイッチ110を介してアシストECU50と電源装置100とを接続する。エンジンスタートスイッチ110は、ドライバーがエンジンの始動および停止を指示する操作スイッチであって、アシストECU50だけでなく、エンジンECU90、および、その他の車載電子制御装置(以下、車載ECUと呼ぶ)に電圧信号を出力する。エンジンスタートスイッチ110は、ドライバーのプッシュ操作に応じて電源装置100の電源電圧を表わす電圧信号(アナログ信号)を出力するもので、エンジン停止中においてプッシュ操作されると電源電圧を表わす電圧信号を出力し、エンジン作動中においてプッシュ操作されるとその電圧信号の出力を停止する。エンジンECU90は、エンジンスタートスイッチ110から電圧信号が出力されるとエンジンを始動させ、電圧信号が出力されなくなるとエンジンを停止させる。従って、このエンジンスタートスイッチ110は、イグニッションスイッチに相当する。
尚、アシストECU50は、第1電源ライン105から供給される電力を遮断する図示しない電源リレーを備えており、電源リレーをオフにすることにより、アシストECU50内への電力供給を遮断することができるように構成されている。また、エンジンスタートスイッチ110から出力される電圧信号は、モータ制御部60を作動させる制御系電源としても使用することができる。このため、電源リレーがオフされている状況においても、エンジンスタートスイッチ110から出力される電圧信号によって、モータ制御部60のマイコンを起動させることができ、電源リレーをオンさせて操舵アシスト制御を開始させることができるようになっている。
また、エンジンスタートスイッチ110は、ドライバーの他の操作状態(例えば、ブレーキペダル操作状態)との組み合わせにより、イグニッションスイッチだけでなく、アクセサリースイッチとして機能させることができるが、そうした機能については本発明とは直接関係しないため、ここではその説明は省略する。
以下、電源装置100からアシストECU50に直接供給される電圧を電源電圧Vpと呼び、エンジンスタートスイッチ110を経由してアシストECU50に供給される電圧をIG電圧Vigと呼ぶ。電源電圧VpおよびIG電圧Vigは、何れも電源装置100の出力電圧を表わす。
モータ制御部60は、操舵アシスト制御を停止している状態でエンジンスタートスイッチ110からIG電圧Vigが供給されると起動し、アシストECU50内の初期診断を実施する。モータ制御部60は、診断結果が起動許可条件を満足している場合には、操舵アシスト制御を開始する。
次に、モータ制御部60が行う操舵アシスト制御処理について説明する。図2は、モータ制御部60の操舵アシスト制御に係る機能ブロック図を表す。モータ制御部60は、仮アシスト電流演算部61、基準電圧演算部62、クランキング状態推定部63、特性選択・電流上限値演算部64、上限特性記憶部65、目標アシスト電流演算部66、および、フィードバック制御部67を備えている。各機能部は、以下に示す演算処理を所定の短い周期にて繰り返し実施する。
仮アシスト電流演算部61は、トルクセンサ21によって検出された操舵トルクTrと、操舵角センサ22によって検出された操舵角θhと、車速センサ23によって検出された車速vとを読み込む。そして、その3つの検出値に基づいて仮の目標アシスト電流である仮アシスト電流Ias’を演算する。仮アシスト電流Ias’は、後述する電流上限値によって電流制限が加えられる前の目標アシスト電流である。
この演算に当たって、仮アシスト電流演算部61は、入力した車速vおよび操舵トルクTrに応じて設定される基本アシストトルクを計算する。基本アシストトルクは、操舵トルクTrの増加にしたがって増加し、かつ、車速vが低くなるほど大きな値となるように設定される。また、仮アシスト電流演算部61は、操舵角θh、あるいは、操舵角θhを時間で微部して得られる操舵角速度ωhに基づいて、基本アシストトルクを補償する補償トルクを演算する。例えば、仮アシスト電流演算部61は、操舵ハンドル11を中立位置に戻そうとする戻し補償トルク、操舵ハンドル11に適度な摩擦・粘性感を与える摩擦粘性補償トルク等を演算する。戻し補償トルクは、操舵角θhに基づいて演算され、摩擦粘性補償トルクは、操舵角速度ωhに基づいて演算される。
仮アシスト電流演算部61は、基本アシストトルクに補償トルクを加算することにより目標アシストトルクTas*を演算し、目標アシストトルクTas*をトルク定数で除算することにより、仮アシスト電流Ias’を算出する。仮アシスト電流演算部61は、算出した仮アシスト電流Ias’を目標アシスト電流演算部66に供給する。
基準電圧演算部62は、電源電圧VpとIG電圧Vigとを検出し、電源電圧VpとIG電圧Vigとのうちの高い方の電圧値を基準電圧Vsとして設定する。基準電圧Vsは、電源装置100の電源電圧を表すものとみなされ、電流上限値Ilimを演算する基準となる電圧として取り扱われる。電源電圧の検出については、これに限るものではなく、電源供給ラインのどの位置で検出してもよい。尚、基準電圧演算部62は、電源電圧VpとIG電圧Vigとのうち高い方の電圧値をローパスフィルタ処理を施して基準電圧Vsを演算する。基準電圧演算部62は、算出した基準電圧Vsを特性選択・電流上限値演算部64に供給する。
クランキング状態推定部63は、クランキング状態であるか否かを判定する機能部である。このクランキング状態とは、エンジンがクランキングされる状況(短期間内にクランキングされる蓋然性が高い状況及び/又は実際にクランキングされている状況)であると推定される状態をいう。上述したように、モータ制御部60は、エンジンスタートスイッチ110がオン操作されてIG電圧Vigが供給されると、初期診断を実施した後に操舵アシスト制御を開始する。モータ制御部60は、操舵アシスト制御を開始した後は、車両が停止している状態でエンジンスタートスイッチ110がオフ操作された場合には操舵アシスト制御を終了させるが、車両が走行中である場合には、エンジンスタートスイッチ110がオフ操作された場合でも操舵アシスト制御を終了させない。つまり、モータ制御部60は、エンジンスタートスイッチ110がオフ操作されたときに、車速vがゼロ(v=0)であるか否かを判断し、車速vがゼロである場合にはアシスト制御を終了させ、車速vがゼロでない場合にはアシスト制御を終了させない。
例えば、車両が下り坂を走行中に、ドライバーがシフトレバーをドライブ位置からニュートラル位置に切り替えてエンジンスタートスイッチ110をオフ操作することが考えられる。この場合、エンジンは停止するものの操舵アシスト制御は終了しない。このように、エンジン停止中においても操舵アシスト制御が作動する状況が存在する。
図3の下段グラフは、操舵アシスト制御の作動/停止状態を表す。図中においてONとして表されている期間が操舵アシスト制御の作動期間を表し、OFFとして表されている期間が操舵アシスト制御の停止期間を表している。時刻t1にてエンジンスタートスイッチ110がオン操作されると、IG電圧Vigが電源装置100の出力電圧と同等の電圧まで上昇する。エンジンECU90は、IG電圧Vigの上昇に基づいて、図示しないセルモータを作動させる。これにより、時刻t2において、エンジンがクランキングされる。クランキング中は、電源電圧VpおよびIG電圧Vigが一時的に低下する。エンジンは、時刻t3において始動し、操舵アシスト制御は、時刻t4において起動する。
車両が走行中にエンジンスタートスイッチ110がオフ操作された時刻t5においては、IG電圧Vigが0ボルトにまで低下してエンジンECU90によってエンジンが停止されるが、車速vがゼロでないため操舵アシスト制御の作動は継続される。この状況においては、ドライバーによって、エンジンスタートスイッチ110がオン操作、つまり、エンジンが再始動される可能性が高い。
そこで、クランキング状態推定部63は、操舵アシスト制御中にエンジンスタートスイッチ110がオフ操作されたか否か、つまり、IG電圧Vigが所定電圧Vigref以下にまで低下したか否かを判断し、IG電圧Vigが所定電圧Vigref以下にまで低下したときに、クランキング状態(エンジンがクランキングされる状況であると推定される状態)であると判定する。所定電圧Vigrefは、エンジンスタートスイッチ110のオフ操作を検出できる電圧に設定されていればよい。クランキング状態推定部63は、クランキング状態であるか否かの判定結果を表わす信号であるフラグFcrを特性選択・電流上限値演算部64に供給する。例えば、フラグFcrは、クランキング状態であると判定された場合には「1」に設定され、クランキング状態でない判定された場合には「0」に設定される。
クランキング状態推定部63は、一旦、クランキング状態であると判定した後は、エンジンが始動されたことを確認するまで、その判定結果を維持する。例えば、エンジンECU90からエンジン回転数nを表わす回転数情報を取得し、エンジン回転数nが規定回転数を超えたことを確認するまでクランキング状態であるという判定結果を維持する。また、クランキング状態推定部63は、IG電圧Vigが所定電圧Vigref以下にまで低下しない場合には、クランキング状態ではないと判定する。
特性選択・電流上限値演算部64は、基準電圧演算部62から供給された基準電圧Vsと、クランキング状態推定部63から供給されたフラグFcrとを入力する。特性選択・電流上限値演算部64は、上限特性記憶部65に記憶されている上限特性マップMP1,MP2のうち、フラグFcrによって特定される上限特性マップを選択し、選択した上限特性マップを参照して、基準電圧Vsに対応する電流上限値Ilimを演算する。上限特性マップは、基準電圧Vsと、モータ20に流す電流の上限値である電流上限値Ilimとの関係を設定したデータである。以下、基準電圧Vsと電流上限値Ilimとの関係を上限特性と呼ぶ。
上限特性記憶部65は、上限特性マップとして、非クランキング時上限特性マップMP1と、クランキング時上限特性マップMP2とを記憶している。図4は、非クランキング時上限特性マップMP1によって設定される非クランキング時上限特性を表す。図5は、クランキング時上限特性マップMP2によって設定されるクランキング時上限特性を表す。図5中における破線は、比較のために非クランキング時上限特性をあわせて表示したものである。クランキング時上限特性は、後述するように非クランキング時上限特性に比べて、モータ20に流す電流の制限が緩くなるように設定されている。尚、上限特性は、マップとして記憶されるものに限らず、基準電圧Vsと電流上限値Ilimとの関係を設定した関係付けデータであれば良く、例えば、関数として記憶されていても良い。
特性選択・電流上限値演算部64は、フラグFcrが「0」、つまり、クランキング状態ではないと判定されている状況においては、非クランキング時上限特性マップMP1を選択し、フラグFcrが「1」、つまり、クランキング状態であると判定されている状況においては、クランキング時上限特性マップMP2を選択する。
上限特性には、ヒステリシスが設けられており、基準電圧Vsの変化している方向によって電流上限値Ilimが決定される。そのため、特性選択・電流上限値演算部64は、基準電圧Vsの推移を逐次記憶しており、基準電圧Vsが低下している場合と、上昇している場合とで異なる電流上限値Ilimを演算する。この上限特性については、後で詳細に説明する。
特性選択・電流上限値演算部64は、上限特性マップを参照して基準電圧Vsに対応する電流上限値Ilimを演算すると、電流上限値Ilimを目標アシスト電流演算部66に供給する。
目標アシスト電流演算部66は、仮アシスト電流演算部61から供給された仮アシスト電流Ias’と、特性選択・電流上限値演算部64から供給された電流上限値Ilimとを入力する。目標アシスト電流演算部66は、仮アシスト電流Ias’が電流上限値Ilimよりも大きいか否かを判断し、仮アシスト電流Ias’が電流上限値Ilimよりも大きい場合には、目標アシスト電流Ias*を電流上限値Ilimに設定する(Ias*←Ilim)。従って、電流上限値Ilimによって操舵アシストが制限された目標アシスト電流Ias*が演算される。尚、モータ20に流す電流の制御量は、トルクを発生させる方向を特定するための符号(正・負)を用いて取り扱われるが、電流の上限制限は、その絶対値を制限するものである。従って、仮アシスト電流Ias’の絶対値が電流上限値Ilimより大きい場合に、目標アシスト電流Ias*の絶対値が電流上限値Ilimに設定されるものであり、符号は変更されない。
一方、仮アシスト電流Ias’が電流上限値Ilim以下である場合には、目標アシスト電流演算部66は、仮アシスト電流Ias’を目標アシスト電流Ias*に設定する(Ias*←Ias’)。従って、操舵アシストが制限されていない目標アシスト電流Ias*が演算される。目標アシスト電流演算部66は、演算した目標アシスト電流Ias*をフィードバック制御部67に供給する。
フィードバック制御部67は、モータ20に流れるモータ電流Imを電流センサ24から読み込み、モータ電流Imと目標アシスト電流Ias*との偏差ΔI(Ias*−Im)を演算し、この偏差ΔIに基づくフィードバック制御(例えば、PI制御)によりモータ20を駆動する。
フィードバック制御部67は、モータ20を駆動するにあたって、偏差ΔIに応じた目標指令電圧V*を演算し、この目標指令電圧V*に応じたPWM制御信号をモータ駆動回路80に出力して、モータ20を駆動する。
モータ制御部60は、各機能部が上記演算処理を繰り返すことにより操舵アシスト制御処理を実施してモータ20を駆動する。これにより、ドライバーの操舵操作に応じ、かつ、基準電圧Vsに応じて制限された操舵アシストトルクが得られる。また、モータ制御部60は、車速がゼロでエンジンスタートスイッチ110がオフ操作された場合には、操舵アシスト制御を終了する。
ここで、クランキング時上限特性と非クランキング時上限特性との違いについて説明する。非クランキング時上限特性は、図4に示すように、低減ラインL1noと復帰ラインL2noとによって基準電圧Vsと電流上限値Ilimとの関係が設定される。低減ラインL1noは、基準電圧Vsが低下していく方向に変化するときの電流上限値Ilimの設定に適用され、復帰ラインL2noは、基準電圧Vsが上昇していく方向に変化するときの電流上限値Ilimの設定に適用される。低減ラインL1noと復帰ラインL2noと間の電圧幅は、ヒステリシスを設定したものである。従って、基準電圧Vsが低下している状態から上昇に転じても、基準電圧Vsが復帰ラインL2noで特定される電圧にまで上昇しない間は、電流上限値Ilimは一定値に維持されて増加されないようになっている。
クランキング時上限特性は、図5の実線にて示すように、低減ラインL1crと復帰ラインL2crとによって基準電圧Vsと電流上限値Ilimとの関係が設定される。低減ラインL1crは、基準電圧Vsが低下していく方向に変化するときの電流上限値Ilimの設定に適用され、復帰ラインL2crは、基準電圧Vsが上昇していく方向に変化するときの電流上限値Ilimの設定に適用される。低減ラインL1crと復帰ラインL2crと間の電圧幅は、ヒステリシスを設定したものである。従って、基準電圧Vsが低下している状態から上昇に転じても、基準電圧Vsが復帰ラインL2crで特定される電圧にまで上昇しない間は、電流上限値Ilimは一定値に維持されて増加されないようになっている。
上記2つの上限特性においては、電流上限値Ilimを低減させていないときの値(基本電流上限値Ilim0と呼ぶ)は同一である。以下、低減ラインL1noの勾配、つまり、基準電圧Vsの低下に対して電流上限値Ilimを低減させる勾配を低減勾配α1noと呼び、低減ラインL1crの勾配を低減勾配α1crと呼ぶ。この低減勾配α1no,α1crは、本発明の低減率に相当する。また、復帰ラインL2noの勾配、つまり、基準電圧Vsの上昇に対して電流上限値Ilimを増加させる勾配を増加勾配α2noと呼び、復帰ラインL2crの勾配を増加勾配α2crと呼ぶ。この増加勾配α2no,α2crは、本発明の増加率に相当する。また、低減ラインL1noによって電流上限値Ilimの低減を開始させるときの基準電圧Vsを低減開始電圧V1noと呼び、低減ラインL1crによって電流上限値Ilimの低減を開始させるときの基準電圧Vsを低減開始電圧V1crと呼ぶ。また、低減ラインL1noによって電流上限値Ilimがゼロに設定されるときの基準電圧Vsをアシスト禁止電圧V2noと呼び、低減ラインL1crによって電流上限値Ilimがゼロに設定されるときの基準電圧Vsをアシスト禁止電圧V2crと呼ぶ。また、復帰ラインL2noによって電流上限値Ilimが増加を開始するときの基準電圧Vsを増加開始電圧V3noと呼び、復帰ラインL2crによって電流上限値Ilimが増加を開始するときの基準電圧Vsを増加開始電圧V3crと呼ぶ。
図4,図5から分かるように、2つの上限特性においては、低減勾配α1crが低減勾配α1noよりも小さく、増加勾配α2crが増加勾配α2noよりも大きくなるように設定されている。また、低減開始電圧V1crが低減開始電圧V1noよりも低く、増加開始電圧V3crが増加開始電圧V3noよりも低くなるように設定されている。
尚、図4,図5においては、増加開始電圧V3no,V3crは、電流上限値Ilimがゼロから増加を開始するときの基準電圧Vsを表しているが、それに限るものではない。つまり、増加開始電圧V3no,V3crは、電流上限値Ilimが任意の値に設定されている状態から基準電圧Vsが上昇した場合において、基準電圧Vsの上昇に伴って電流上限値Ilimが増加を開始するときの基準電圧Vsを表すものである。例えば、図5に示すように、電流上限値IlimがIlim1に設定されている状態から基準電圧Vsが上昇した場合においては、クランキング時上限特性では、基準電圧Vsが点P1で特定される電圧値から点P3で特定される電圧値に増加したときに電流上限値Ilimが増加を開始するが、非クランキング時上限特性では、基準電圧Vsが点P2で特定される電圧値から点P4で特定される電圧値に増加したときに電流上限値Ilimが増加を開始する。この場合、点P3で特定される電圧値が増加開始電圧V3crとなり、点P4で特定される電圧値が増加開始電圧V3no(>V3cr)となる。本実施形態においては、電流上限値Ilimが基本電流上限値Ilim0から低減された後は、電流上限値Ilimがどのような値に設定されている場合でも、増加開始電圧V3crが増加開始電圧V3noよりも低くなるように設定されている。
また、増加勾配α2no,α2crの大小関係については、復帰ラインL2no,L2crが一次関数以外で表されるものである場合(即ち、電流上限値Ilimが基準電圧Vsに対して常に一定の増加率を有しながら(比例しながら)増加する場合でない場合)には、平均的な増加勾配(例えば、電流上限値Ilimがゼロに設定された状態から電流上限値Ilimが増加開始される点と、基準電圧Vsの上昇によって電流上限値Ilimが基本電流上限値Ilim0に到達する点とを結ぶ線分の傾きなど)を用いればよい。また、低減勾配α1no,α1crの大小関係については、低減ラインL1no,L1crが一次関数以外で表されるものである場合(即ち、電流上限値Ilimが基準電圧Vsに対して常に一定の減少率を有しながら(比例しながら)減少する場合でない場合)には、平均的な低減勾配(例えば、電流上限値Ilimが基本電流上限値Ilim0から低減開始される点と、基準電圧Vsの低下によって電流上限値Ilimがゼロに設定される点とを結ぶ線分の傾きなど)を用いればよい。
従って、このような設定によって以下の作用効果が得られる。
1.クランキング時上限特性における復帰ラインL2crは、非クランキング時上限特性における復帰ラインL2noに比べて、基準電圧Vsに対する電流上限値Ilimが高くなるように設定されている。この場合、復帰ラインL2crは、図5のグラフにおいて、復帰ラインL2noよりも左側位置となる。従って、増加開始電圧V3crが増加開始電圧V3noよりも低く設定されているため、クランキング時においては、基準電圧Vsの復帰によって、早いタイミングで電流制限を緩和し始めることができ、結果として、早く電流制限を解除することができる。これにより、電流制限によってハンドル操作が重く感じられる期間を短くすることができる。従って、操舵アシストを有効に利用することができる。一方、非クランキング時に電源電圧の低下が発生した場合には、バッテリ101が劣化している可能性が高いため、復帰ラインL2noにおける基準電圧Vsに対する電流上限値Ilimを低く設定することにより、電源電圧の低下を抑制するとともに、電流制限の解除にともなうハンチング現象の発生する可能性を低減することができる。
2.クランキング時上限特性における増加勾配α2crは、非クランキング時上限特性における増加勾配α2noに比べて大きな値に設定されている。従って、クランキング時においては、基準電圧Vsの復帰によって、速い速度で電流制限を緩和することができ、結果として早く電流制限を解除させることができる。これにより、電流制限によってハンドル操作が重く感じられる期間を短くすることができる。一方、非クランキング時に電源電圧の低下が発生した場合には、バッテリ101が劣化している可能性が高い。このように電源装置100の電源供給能力が恒常的に低下している場合には、電流制限によってハンドル操作が重くなるが、電流上限値Ilimを増加させる増加勾配が大きいと、ハンドル操作が急に軽くなって過度にハンドルを操作するおそれがある。そこで、本実施形態においては、非クランキング時上限特性における増加勾配α2noが小さく設定されている。このため、電流制限がゆっくり緩和されてドライバーが過度にハンドルを操作してしまうことを抑制できる。また、電流制限の解除にともなうハンチング現象の発生する可能性も低減することができる。尚、クランキング時には、速い速度で電流制限が緩和されるが、これは、一時的に重くなったハンドル操作感を早く通常のハンドル操舵感に戻すことができるため、操舵操作感の向上に繋がる。
3.クランキング時上限特性における低減ラインL1crは、非クランキング時上限特性における低減ラインL1noに比べて、基準電圧Vsに対する電流上限値Ilimが高くなるように設定される。この場合、低減ラインL1crは、図5のグラフにおいて、低減ラインL1noよりも左側位置となる。従って、低減開始電圧V1crが低減開始電圧V1noよりも低く設定されているため、クランキング時においては、電流上限値Ilimの低減動作を必要以上に行ってしまうことを抑制することができる。つまり、電流制限によって操舵アシストが制限される頻度を低減することがきる。これにより、操舵アシストを有効に利用することができる。一方、非クランキング時に電源電圧の低下が発生した場合には、バッテリ101が劣化している可能性が高いため、基準電圧Vsに対する電流上限値Ilimを低く設定してモータ20に流れる電流を確実に制限することができる。これにより、電源電圧の低下を良好に抑制することができる。
4.クランキング時上限特性における低減勾配α1crは、非クランキング時上限特性における低減勾配α1noよりも小さい値に設定されている。従って、クランキング時においては、電源電圧の低下に対して電流上限値Ilimをゆっくり低下させることができる。従って、操舵操作感の急変を抑えることができる。一方、非クランキング時に電源電圧の低下が発生した場合には、バッテリ101が劣化して電源供給能力が低下している可能性が高いため、基準電圧Vsの低下に対して電流上限値Ilimを早く低下させて電源電圧の低下を良好に抑制することができる。
5.基準電圧Vsは、検出電圧値に対してローパスフィルタ処理を施して演算される。このため、基準電圧Vsの検出遅れが発生するが、クランキング時においては、上記のように設定されたクランキング時上限特性を使って電流上限制限を加えることにより、その遅れを取り戻して、早く電流制限を解除させることができる。これにより、電流制限によってハンドル操作が重く感じられる期間を短くすることができる。
以上説明したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置によれば、クランキング時における電流制限と、非クランキング時における電流制限とをそれぞれ適切に行うことができる。この結果、電源装置100の電圧降下を抑制しつつ、操舵操作感を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、図6に示すように、クランキング時上限特性と非クランキング時上限特性とにおいて、低減ラインL1crを低減ラインL1noと同一の特性にして、復帰ラインL2crについてのみ復帰ラインL2noと異なるように設定しても良い。この場合、基準電圧Vsに対する電流上限値Ilimについて、復帰ラインL2noに比べて復帰ラインL2crのほうが高くなるように設定するとよい。また、増加勾配α2crを増加勾配α2noよりも大きな値に設定するとよい。従って、この変形例においても、クランキング時においては、早く電流制限を解除することができる。これにより、電流制限によって操舵アシストが制限される期間を短くすることができる。また、電流制限を開始するときの上限特性を、非クランキング時における上限特性と同一に設定しているため、厳しい電流制限を加えることができ、過剰な電源電圧の落ち込みを防止することができる。
また、本実施形態においては、低減ラインL1no,L1cr、および、復帰ラインL2no,L2crを1次関数にて表される特性に設定しているが、必ずしも、そのようにする必要は無く、例えば、図7に示すように非線形の特性を設定してもよい。また、同図に示すように、任意のポイントP11,P12,P13を通過するときに、一定の待ち時間を設けて、その待ち時間だけ電流上限値Ilimを維持するようにしてもよい。
また、基準電圧Vsの変化率を加味して電流制限をかける(モータ20に流す電流に上限制限を加える)ようにしてもよい。例えば、特性選択・電流上限値演算部64は、基準電圧Vsを時間で微分した基準電圧微分値Vs’を演算し、この基準電圧微分値Vs’で表される電圧低下速度が設定低下速度よりも大きい場合(基準電圧微分値Vs’が負の値であって、その絶対値が設定低下速度よりも大きい場合)には、基準電圧Vsが低下している際に上限特性マップMP1,MP2から算出される電流上限値Ilimを小さくする側に補正するようにしてもよい。また、電圧低下速度が大きいほど、基準電圧Vsが低下している際の上記電流上限値Ilimが小さくなるように補正するようにしてもよい。また、基準電圧微分値Vs’で表される電圧上昇速度が設定上昇速度よりも大きい場合(基準電圧微分値Vs’が正の値であって、その絶対値が設定上昇速度よりも大きい場合)には、基準電圧Vsが上昇している際に決定される上記上限電流値Ilimを基本電流上限値Ilim0を超えない範囲で大きくする側に補正するようにしてもよい。また、電圧上昇速度が大きいほど、基準電圧Vsが上昇している際に決定される上記電流上限値Ilimを基本電流上限値Ilim0を超えない範囲で大きくなるように補正するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、クランキング状態を検出する手法として、操舵アシスト制御中にエンジンスタートスイッチ110がオフしたか否かに基づいて判定しているが、それに代えて、操舵アシスト制御中にエンジンスタートスイッチ110がオンしたか否かに基づいて判定してもよい。例えば、図3の時刻t6に示すように、操舵アシスト制御中にIG電圧Vigが所定電圧Vigref以下となる状態から所定電圧Vigrefを超える状態に切り替わるタイミングで、クランキング状態であると判定するようにしてもよい。この変形例によれば、クランキング状態を検出した後に、実際にクランキング動作が行われるまでの時間を短縮することができ、一層、適正な電流制限を行うことができる。
また、クランキング状態を検出する他の手法として、操舵アシスト制御中にエンジンECU90からクランキング動作に入ることを表す情報を入力して、クランキング状態であると判定するようにしてもよい。また、エンジンECU90がアイドリングストップ制御機能を備えている場合には、アイドリングストップ情報(エンジンの始動待ち状態を表わす情報)を入力して、クランキング状態であると判定するようにしてもよい。この変形例によれば、クランキング状態をより精度よく検出することができ、一層、適正な電流制限を行うことができる。
また、本実施形態においては、クランキング時上限特性を非クランキング時上限特性に比べて電流制限が緩和されるように、低減ラインL1cr,L1noおよび復帰ラインL2cr,L2noの特性を決める複数の項目(低減勾配、増加勾配、低減開始電圧、増加開始電圧)について、2つの上限特性間において相違を設けている。しかし、本発明は、必ずしも、これらの項目の全てについて、2つの上限特性間において異なるようにする必要はなく、そのうちの1項目、あるいは、複数項目を任意に組み合わせて、クランキング時上限特性が非クランキング時上限特性に比べて電流制限が緩和されるように設定されるものであればよい。
11…操舵ハンドル、20…モータ、21…トルクセンサ、50…アシストECU、60…モータ制御部、61…仮アシスト電流演算部、62…基準電圧演算部、63…クランキング状態推定部、64…特性選択・電流上限値演算部、65…上限特性記憶部、66…目標アシスト電流演算部、67…フィードバック制御部、80…モータ駆動回路、90…エンジンECU、100…電源装置、101…バッテリ、102…オルタネータ、110…エンジンスタートスイッチ、Fcr…フラグ、Ias’…仮アシスト電流、Ias*…目標アシスト電流、Ilim…電流上限値、Im…モータ電流、L1cr,L1no…低減ライン、L2cr,L2no…復帰ライン、MP1…非クランキング時上限特性マップ、MP2…クランキング時上限特性マップ、Tas…目標アシストトルク、Tr…操舵トルク、V1cr,V1no…低減開始電圧、V2cr,V2no…アシスト禁止電圧、V3cr,V3no…増加開始電圧、Vig…IG電圧、Vs…基準電圧、α1cr,α1no…低減勾配、α2cr,α2no…増加勾配。

Claims (7)

  1. ドライバーの入力した操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    操舵アシストトルクを発生するモータと、
    前記操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクに応じて前記モータの通電を制御するモータ制御手段と、
    前記モータに流れる電流が電流上限値以下となるように、前記モータに流す電流に上限制限を加える電流制限手段と、
    車載電源の出力電圧である電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    前記電源電圧の低下に従って前記電流上限値を低減させ、前記電流上限値を低減させた後に前記電源電圧が上昇に転じた場合、前記電源電圧の上昇に従って前記電流上限値を増加させるように前記電源電圧と前記電流上限値との関係を設定した上限特性に基づいて、前記電源電圧に対する前記電流上限値を設定する電流上限値設定手段と
    を備え、前記車載電源から電力供給を受ける電動パワーステアリング装置であって、
    前記電流上限値設定手段は、
    エンジンがクランキングされる状況であると推定されるクランキング状態を検出するクランキング状態検出手段と、
    前記クランキング状態が検出されていないときには、前記上限特性として、前記電源電圧と前記電流上限値との関係が設定された非クランキング時上限特性を選択し、前記クランキング状態が検出されているときには、前記上限特性として、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電流上限値を増加させている期間における前記電源電圧に対する前記電流上限値が高く維持されるように前記電源電圧と前記電流上限値との関係が設定されたクランキング時上限特性を選択する上限特性選択手段と
    を備え、
    前記電流制限手段は、前記電流上限値設定手段によって設定された前記電流上限値を使って前記モータに流す電流に前記上限制限を加えるように構成された電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置であって
    前記クランキング時上限特性は、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電源電圧が上昇に転じた後における、前記電流上限値の増加を開始させるときの前記電源電圧を表す増加開始電圧が低く設定されている電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記クランキング時上限特性は、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電源電圧が上昇に転じた後における、前記電源電圧の上昇に対して前記電流上限値を増加させる増加率が大きく設定されている電動パワーステアリング装置。
  4. ドライバーの入力した操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    操舵アシストトルクを発生するモータと、
    前記操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクに応じて前記モータの通電を制御するモータ制御手段と、
    前記モータに流れる電流が電流上限値以下となるように、前記モータに流す電流に上限制限を加える電流制限手段と、
    車載電源の出力電圧である電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    前記電源電圧の低下に従って前記電流上限値を低減させ、前記電流上限値を低減させた後に前記電源電圧が上昇に転じた場合、前記電源電圧の上昇に従って前記電流上限値を増加させるように前記電源電圧と前記電流上限値との関係を設定した上限特性に基づいて、前記電源電圧に対する前記電流上限値を設定する電流上限値設定手段と
    を備え、前記車載電源から電力供給を受ける電動パワーステアリング装置であって、
    前記電流上限値設定手段は、
    エンジンがクランキングされる状況であると推定されるクランキング状態を検出するクランキング状態検出手段と、
    前記クランキング状態が検出されていないときには、前記上限特性として、前記電源電圧と前記電流上限値との関係が設定された非クランキング時上限特性を選択し、前記クランキング状態が検出されているときには、前記上限特性として、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電流上限値を減少させている期間における前記電源電圧に対する前記電流上限値が高く維持されるように前記電源電圧と前記電流上限値との関係が設定されたクランキング時上限特性を選択する上限特性選択手段と
    を備え、
    前記電流制限手段は、前記電流上限値設定手段によって設定された前記電流上限値を使って前記モータに流す電流に前記上限制限を加えるように構成された電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項4に記載の電動パワーステアリング装置であって
    前記クランキング時上限特性は、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電源電圧の低下に従って前記電流上限値の低減を開始させるときの前記電源電圧を表す低減開始電圧が低く設定されている電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の電動パワーステアリング装置であって
    前記クランキング時上限特性は、前記非クランキング時上限特性に比べて、前記電源電圧の低下に対して前記電流上限値を低減させる低減率が小さく設定されている電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項1ないし請求項3の何れか一項記載の電動パワーステアリング装置であって
    前記電源電圧の低下に従って前記電流上限値を低減させる場合の前記電源電圧に対する前記電流上限値については、前記クランキング時上限特性と前記非クランキング時上限特性とにおいて同一に設定されている電動パワーステアリング装置。
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