JP6269080B2 - 磁気軸受装置および真空ポンプ - Google Patents
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Description
(2)さらに好ましい実施形態では、前記和信号は、前記センサキャリア信号の周波数をfcとしたときに、fc=(n+1/2)・fs(ただし、nは0以上の整数)を満たすサンプリング周波数fsで、かつ、前記センサキャリア信号の最大ピーク位置近傍となるタイミングおよび最小ピーク位置近傍となるタイミングでADサンプリングされ、前記最大ピーク位置近傍でサンプリングされた和信号のデータ値をd1、前記最小ピーク位置近傍でサンプリングされた和信号のデータ値をd2としたときに、d3=(d1−d2)/2により算出される値d3を前記復調変位信号とする。
(3)さらに好ましい実施形態では、回転体は、可動境界を有し、第1補正信号は、第1電流信号からなる関数(以下、第1関数)より成り、第2補正信号は、第2電流信号からなる関数(以下、第2関数)より成り、第1関数に用いられる係数が最適化される調整(以下、第1係数調整)が実施される際は、回転体を第1電磁石側の回転体の可動境界まで移動させ、所定のバイアス電流値で回転体を磁気的に吸引し固定した上で、第1係数調整が実施され、第2関数に用いられる係数が最適化される調整(以下、第2係数調整)が実施される際は、回転体を第2電磁石側の回転体の可動境界まで移動させ、所定のバイアス電流値で回転体を磁気的に吸引し固定した上で、第2係数調整が実施されることを特徴とする。
(4)さらに好ましい実施形態では、第1係数調整は、予め定めた周波数を有する印加信号が少なくとも第1電磁石側の電磁石電流に重畳された上で、予め定めた周波数を有する推定変位信号の振幅が所定レベル以下になるように実施され、第2係数調整は、予め定めた周波数を有する印加信号が少なくとも第2電磁石側の前記電磁石電流に重畳された上で、予め定めた周波数を有する推定変位信号の振幅が所定レベル以下になるように実施されることを特徴とする。
(5)さらに好ましい実施形態では、所定のバイアス電流値は、複数設けられ、第1係数調整および第2係数調整は、複数設けられた所定のバイアス電流値の各々において実施されることを特徴とする。
(6)さらに好ましい実施形態では、第1係数調整及び第2係数調整は、所定のバイアス電流値において複数回実施されることを特徴とする。
(7)さらに好ましい実施形態では、前記第3補正信号は、前記第1補正信号と前記第2補正信号とを所定比率で差分演算することにより生成され、前記所定比率は、前記回転体が時間的に位置変化しないように磁気浮上制御された状態において、第1電磁石に流れる電磁石電流に前記予め定めた周波数を有する印加信号を重畳した場合の磁気吸引力と、第2電磁石に流れる電磁石電流に前記予め定めた周波数を有する印加信号を重畳した場合の磁気吸引力とが相殺されるように設定される。
(8)本発明の好ましい実施形態による真空ポンプは、排気機能部が形成されたポンプロータと、ポンプロータを回転駆動するモータと、ポンプロータの回転体を磁気浮上支持する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁気軸受装置と、を備えることを特徴とする。
、モータ42が駆動される。
本実施の形態における5軸制御型磁気軸受では、各磁気軸受電磁石45の電磁石電流には、機能別で成分に分けると、バイアス電流ib、浮上制御電流icおよび位置検出用のセンサキャリア成分の電流isが含まれている。P側の磁気軸受電磁石45を流れる電流をIp、M側の磁気軸受電磁石45を流れる電流をImとすると、次式(1)のように表される。ispはP側のセンサキャリア成分で、ismはM側のセンサキャリア成分である。ただし、ispとismとは振幅が逆符号になっている。
Ip=ib+ic+isp
Im=ib−ic+ism …(1)
vsp=−v×sin(ωc×t)
vsm=v×sin(ωc×t) …(2)
1/Lp=A×(D−d)
1/Lm=A×(D+d) …(3)
なお、本発明では、第2課題を解決するために、後述する式(3a)のように式(3)を修正する。
vsp=Lp×d(isp)/dt
vsm=Lm×d(ism)/dt …(4)
isp=−v×sin(ωc×t−π/2)/(ωc×Lp)
=−B(D−d)×sin(ωc×t−π/2)
ism=v×sin(ωc×t−π/2)/(ωc×Lm)
=B(D+d)×sin(ωc×t−π/2) …(5)
なお、本発明では、第2課題を解決するために、後述する式(5a)のように式(5)を修正する。
Ip=ib+ic−B(D−d)×sin(ωc×t−π/2)
Im=ib−ic+B(D+d)×sin(ωc×t−π/2) …(6)
なお、本発明では、第2課題を解決するために、後述する式(6b)のように式(6)を修正する。
図4は、各磁気軸受電磁石45に対応して設けられている励磁アンプ43の構成を示す図である。励磁アンプ43は、直列接続されたスイッチング素子とダイオードとを直列接続したものを、さらに2つ並列接続したものである。磁気軸受電磁石45は、スイッチン
グ素子SW10およびダイオードD10の中間と、スイッチング素子SW11およびダイオードD11の中間との間に接続される。
れており、センサキャリアを重畳するために必要な限界直流電流i_limitに到達している状態となる。
これにより、以下の2つのことを考慮しなければならなくなる。1つ目として、P側の電磁石コイル455とM側の電磁石コイル455で制御電流icの大きさが異なるものになる。そのため、P側の電磁石コイル455、M側の電磁石コイル455に流れる制御電流を各々icp,icmと表記する必要がある。なお、後述するようにicpとicmがキャンセルされないことが第1誤差の原因である。上述したが、第1誤差を除去する課題を第1課題と呼ぶ。
Ip = ib + icp - B{(D-d) + Np(icp)}×sin(ωc×t - π/2)
Im = ib - icm + B{(D+d) + Nm(icm)}×sin(ωc×t - π/2) ・・・(6a)
Ip + Im = 2×ib + △icpm + B{2d - Np(icp) + Nm(icm)}×sin(ωc×t - π/2)
・・・(7)
ここで、△icpm = icp - icm とする。
以上より、復調後の変位信号は、R(△icpm)+ B{2d - Np(icp) + Nm(icm)}となり、真の変位である2Bdに、R(△icpm)+ [- Np(icp) + Nm(icm)]という誤差が含まれる。
上述したように、制御軸1軸分にはP側およびM側の一対の磁気軸受電磁石45が設けられており、各磁気軸受電磁石45に対して励磁アンプ43がそれぞれ設けられている。10個の励磁アンプ43からはそれぞれ電流検出信号が出力される。
fc = (n + 1/2) × fs ・・・(8)
の関係がある。ただし、nは、0以上の整数である。
以上の式(8)に基づいて、ADコンバータ400は、最大ピーク位置近傍のデータ値d1と最小ピーク位置近傍のデータ値d2をサンプリングして取り込む。ADコンバータ400でサンプリングされた和信号(Ip+Im)は、信号処理演算部406に入力される。信号処理演算部406は、サンプリングデータに基づいてシャフト5の変位情報を演算する。
d3 = (d1 - d2)/2 ・・・(9)
ただし、出力タイミングが最大ピークタイミングの場合は、1サンプリング前の直前のデータ値d1を適用し、最小ピークタイミングの場合は、1サンプリング前の直前のデータ値d2を適用する。以上の式(9)に示す演算で、センサキャリアよりも低い制御電流成分は、P側、M側で大きさが非対称であってもキャンセルされる。これにより第1誤差
であるR(△icpm)を除去できる。これは、特願2013−021681号に記載されているとおりである。
スイッチ418p、スイッチ418mは、図に示すように通常はオンの状態になっている。しかし、後述する調整のうち粗調の時には、浮上制御を遮断するためにオフにする。
ことにより、磁気軸受電磁石45には常にセンサキャリア電圧が印加されることになる。
ここでは、以下の順番で第2誤差の除去について説明する。
・第2誤差の原因
・調整
・補正信号による第2誤差の除去
図9(a)は、電磁石コア450を構成する積層珪素鋼板のBHカーブであり、このBHカーブの接線の傾きが透磁率μである。ここで、μ=μr×μ0 である。μrは比透磁率を表す。μ0は真空の透磁率で一定値である。積層珪素鋼板のBHカーブは、磁界Hが小さい領域では直線で近似でき、かつ、傾きが大きい。しかし、磁界Hが大きくなるとその傾きが小さくなる。
ところで、電磁石コイル455のインダクタンスの逆数量1/Lp、1/Lmは、電磁石コイル455の電流Iが大きい領域までを扱う場合には、上述した式(3)を以下の式(3a)のように修正して、積層珪素鋼板の比透磁率の非線形磁気特性を考慮しなければならない。
1/Lp = A×{(D-d) + lp/μrp}
1/Lm = A×{(D+d) + lm/μrm} ・・・(3a)
ここで、lp,lmは、それぞれP側、M側の電磁石コイルに関する距離の次元を有する定数である。μrp,μrmは、それぞれP側、M側の電磁石コアの比透磁率である。
isp = -v×sin(ωc×t-π/2)/(ωc×Lp)
= - B{(D-d) + lp/μrp}×sin(ωc×t-π/2)
ism = v×sin(ωc×t-π/2)/(ωc×Lm)
= B{(D+d) + lm/μrm}×sin(ωc×t-π/2) ・・・(5a)
Im = ib - ic + B{(D+d) + lm/μrm}×sin(ωc×t-π/2) ・・・(6b)
Ip + Im = 2×ib + △icpm + B{2d - lp/μrp + lm/μrm }×sin(ωc×t - π/2)
・・・(10)
式(7)と式(10)を比較すると、
[- Np(icp) + Nm(icm)] = (- lp/μrp + lm/μrm) ・・・(11)
となる。すなわち、第2誤差[- Np(icp) + Nm(icm)]が、(- lp/μrp + lm/μrm)に起因することが理解される。
ここで、図9(b)に示す1/μrと電流の関係を近似するために、1/μrを電流でべき級数展開する。具体的には、以下の式(12)のように、lp/μrp、lm/μrmを電流Ip,Imでべき級数展開する。
lp/μrp = a0p + a1p×Ip + a2p×Ip2 + a3p×Ip3+ …
lm/μrm = a0m + a1m×Im + a2m×Im2 + a3m×Im3 + … ・・・(12)
lp やlmも含めて展開したので、係数a0p, a1p, a2p, a3p,…, a0m, a1m, a2m, a3m,…は距離の次元を有している。調整では、主に、これらの係数a0p, a1p, a2p, a3p,…, a0m, a1m, a2m, a3m,…の最適化を行う。
図10は、調整時における回転体ユニットRのシャフト5の位置を示している。ここでは、一例として、磁気軸受67の対向する電磁石451p、451mの軸について調整するときの様子が描かれている。図10(a)、(b)は、粗調の様子を示し、図10(c)は後述する微調の様子を示す。図10(a)〜(c)に描かれている可動境界600は、タッチダウンベアリング66a、66bによって決定されるものであり、シャフト5の可動境界となっている。すなわち、シャフト5は、可動境界600内を動くことができる。
和信号Ip+Imは、式(7)、すなわち、
Ip + Im = 2×ib + △icpm + B{2d - Np(icp) + Nm(icm)}×sin(ωc×t - π/2)
・・・(7)
で表される。
さらに、ADコンバータ400と信号処理演算部406を通過することによって、第1誤差R(△icpm)が除去され、B{2d - Np(icp) + Nm(icm)} となる。すなわち、真の推定変位信号2Bdに第2誤差[- Np(icp) + Nm(icm)]が付加された信号となっている。
この信号が補正処理演算部415に入力される。
上述のように、和信号Ip+Imに起因する信号は、補正処理演算部415に入力される際には、真の推定変位信号2Bdに第2誤差[- Np(icp) + Nm(icm)]が付加された信号となっている。真の推定変位dは上述のように時間的に変化しないので、真の推定変位信号2Bdは直流成分しか持たない。よって、和信号Ip+Imに起因する信号のうち、交流成分は第2誤差[- Np(icp) + Nm(icm)]のみに起因するものであることが分かる。調整時の補正処理演算部415は、直流成分となる真の推定変位信号2Bdを除去し、交流成分である第2誤差[- Np(icp) + Nm(icm)]を抽出する。
[-Np(icp)+Nm(icm)] = Q(-lp/μrp+ lm/μrm) ・・・(13)
ここで、
Q = b/(1+Ts) ・・・(14)
である。
パスフィルタの時定数で、粗調の時には変数であるが、微調の時や通常制御時は粗調によって定められた値の定数である。また、sはラプラス変換の複素変数であり、jを虚数、印加する信号の周波数をfとするとき、s=jx2πxfである。また、伝達関数Qは通常デジタルフィルタとして組み込まれるため、式(14)の構成で陽に表現されることはないが、係数を求める調整時のみに陽に表現される。
[-Np(icp)+Nm(icm)] = {b/(1+Ts)}×(-lp/μrp+ lm/μrm) ・・・(15)
lp/μrp = a0p + a1p×Ip + a2p×Ip2 + a3p×Ip3+ …
lm/μrm = a0m + a1m×Im + a2m×Im2 + a3m×Im3 + … ・・・(12)
に示すように、lp/μrpやlm/μrmと関係がある。
[-Np(icp) + Nm(icm)] = {b/(1+Ts)}×{-( a0p + a1p×Ip + a2p×Ip2 + a3p×Ip3 + …)+( a0m + a1m×Im + a2m×Im2 + a3m×Im3 + …)} ・・・(16)
直流成分である真の推定変位信号2Bdが取り除かれ、上述した式(15)の左辺に示す第2誤差である[- Np(icp) + Nm(icm)]のみが出力される。第2誤差[- Np(icp) + Nm(icm)]は、差分器808に入力される。
a1m×Im + a2m×Im2 + …)の影響は小さい。そのため、係数 a0m, a1m, a2m, a3m,…には初期値として、例えば、ゼロを入れ固定しておき、先に係数a0p, a1p, a2p, a3p,…に対する最適化計算、すなわち、例えば、最小二乗法による最適化処理を行うことができる。
良い。様々なバイアス電流設定値にて最適化された係数を補正処理演算部415の各部に記憶させておくことで、通常制御時に印加する様々なバイアス電流に対処しやすくなり、第2誤差が低減されやすくなる。
以下では、粗調の後に行う微調について説明する。各係数が上述の粗調で得られた後に、図8で示すスイッチ418p、418mをオンにして浮上制御へ切り替えて、図10(c)に示すように、シャフト5を含む回転体ユニットRを所定位置へ浮上させた状態で、図8に示す加振器417p、417mを用いて、P側およびM側へ同符号の予め定めた周波数の信号を加算重畳する。この場合、P側に引き付けようとする吸引力とM側に引き付けようとする吸引力とが等しく釣り合うので、加算重畳した調整用の信号成分は小さい。
[-Np(icp) + Nm(icm)] = {b/(1+Ts)}×{-(1+r/b)×( a0p + a1p×Ip + a2p×Ip2 + a3p×Ip3 + …)+ (1-r/b)×( a0m + a1m×Im + a2m×Im2 + a3m×Im3 + …)} ・・・(17)
以上のとおり、調整について述べたが、以下では、調整時の具体的な一例を示す。
式(12)の簡単な例として、以下の式(12a)を用いる。
lp/μrp = a0p + a1p×Ip + a2p×Ip2
lm/μrm = a0m + a1m×Im + a2m×Im2 ・・・(12a)
さらに、
Q = b/(1+Ts) ・・・(14)
を用いる。
補正信号 = {b/(1+Ts)}×{- ( a0p + a1p×Ip + a2p×Ip2)+ ( a0m + a1m×Im + a2m×Im2)} ・・・(18)
となる。この式(18)に示されたa0p, a1p, a2p, a0m, a1m, a2m, b, T に適当な初期値を与えて、調整を開始する。
を1000Hzまで順次周波数を増やした条件で係数a0p, a1p, a2p, a0m, a1m, a2mを求める。それぞれの加振周波数において係数a0p, a1p, a2p, a0m, a1m, a2mが得られるが、これらが極力一致するように、様々な全体ゲインbおよび時定数Tで上記の最適化計算を行う。すなわち、これによって全体ゲインbおよび時定数Tの最適化計算も行っていることになる。最適化計算後、係数a0p, a1p, a2p, a0m, a1m, a2m、および、全体ゲインbおよび時定数Tを固定する。
補正信号 = {b/(1+Ts)}×{-(1+r/b)×(a0p + a1p×Ip + a2p×Ip2) + (1-r/b)×(a0m + a1m×Im + a2m×Im2)} ・・・(19)
例えば、全体ゲインbの±20%の範囲で全体ゲイン値比rを調節する。
図12は、通常制御時の補正処理演算部415の動作を示している。図12を用いて、図8に示した補正処理演算部415の通常制御時の動作について説明する。補正処理演算部415の通常制御時の動作は、上述の調整によって最適化された各パラメータと信号Ip,Imを用いて第2誤差を除去するための補正信号を生成し、信号Ip+Imから得られる変位信号からその補正信号を減算することで第2誤差を除去し、真の推定変位信号2Bdを出力することである。以下、詳述する。
[-Np(icp) + Nm(icm)] = Q{-(1+r/b)×lp/μrp+ (1-r/b)×lm/μrm} ・・・(20)
なお、これは、式(12)と式(14)を参照すれば分かるとおり、式(17)と等しいものである。
さらに、場合によっては、粗調だけ行って微調を省略することもできる。
(1)本発明のコントロールユニットの磁気軸受装置は、回転体ユニットRと、回転体ユニットRを浮上制御するために複数の制御軸のそれぞれに設けられ、制御軸のそれぞれに回転体を介して対向配置されたP側の電磁石45およびM側の電磁石45と、P側の電磁石45およびM側の電磁石45のそれぞれに印加される電圧をPWM制御し、回転体ユニ
ットRの浮上位置を検知するためのセンサキャリア信号が重畳された電磁石電流Ip,Imを供給するP側の電磁石45およびM側の電磁石45のそれぞれに設けられた励磁アンプ43と、励磁アンプ43のそれぞれに設けられ、電磁石電流Ip,Imを検出する電流センサ101A、101Bと、電磁石電流Ip,Imに基づいて真の推定変位信号2Bdを取得し、真の推定変位信号2Bdに基づいて励磁アンプ43をPWM制御する制御部44と、を備える。
制御部44のADコンバータ400は、P側の電磁石45に流れる電磁石電流Ipの検出信号Ip、M側の電磁石45に流れる電磁石電流Imの検出信号Im、および、電流信号Ipと電流信号Imとを足し合わせて得られる和信号Ip+ImについてADサンプリングを行う。その際、ADコンバータ400は、和信号Ip+Imから最大ピーク値近傍のデータ値d1と最小ピーク値近傍のデータ値d2をADサンプリングする。
制御部44の信号処理演算部406は、データ値d1,d2を用いてd3=(d1-d2)/2という演算処理を行うことでデータ値d3を得ることで第1誤差を除去する。さらに、信号処理演算部40は、でデータ値d3に基づいて復調変位信号2Bd+[-Np(icp) + Nm(icm)]を生成する。
制御部44の補正処理演算部415において、信号変換部801は、ADサンプリング後の信号Ipから、補正信号lp/μrpを演算処理で生成する。信号変換部802は、ADサンプリング後の信号Imから、補正信号lm/μrmを演算処理で生成する。ゲイン調節部803は、補正信号lp/μrpに(1+r/b)を乗算して、信号(1+r/b)×lp/μrpを生成する。ゲイン調節部804は、補正信号lm/μrmに(1-r/b)を乗算して、信号(1-r/b)×lm/μrmを生成する。差分器805は、信号(1-r/b)×lm/μrmから信号(1+r/b)×lp/μrpを減算して信号{-(1+r/b)×lp/μrp+ (1-r/b)×lm/μrm}を生成する。補正部806は、信号{-(1+r/b)×lp/μrp+ (1-r/b)×lm/μrm}をローパスフィルタの伝達関数Qを通過演算して補正信号Q{-(1+r/b)×lp/μrp+ (1-r/b)×lm/μrm}を生成する。さらに、ハイパスフィルタ演算器807を通過して交流成分が抽出され、差分器808にて、復調変位信号2Bd+[-Np(icp) + Nm(icm)]から補正信号Q{-(1+r/b)×lp/μrp+ (1-r/b)×lm/μrm}を減算することで、第2誤差[-Np(icp) + Nm(icm)]を除去して、真の推定変位信号2Bdを得る。
以上のように、ADコンバータ400と信号処理演算部406が第1誤差を除去し、補正処理演算部415が第2誤差を除去することにより、対向している電磁石コイルのうちの一方にのみ大電流を流す場合においても第1誤差および第2誤差を的確に除去し、回転体の変位信号に関して良好なS/N比を維持することができる。
このP側の粗調、M側の粗調を実施することで、所定のバイアス電流ibを用いた通常制御時において生じる第2誤差を適切に除去することができる。
このように、その交流成分を用いて信号Ipからなる関数に用いられる係数や信号Imからなる関数に用いられる係数などを容易に最適化できる。
この微調によって、補正信号Q{-(1+r/b)×lp/μrp+ (1-r/b)×lm/μrm}が第2誤差を除去するのに最適なものとなり、通常制御時における第2誤差をより的確に除去することができる。
5:シャフト、 40:DC電源、 41:インバータ、 42:モータ、
42a:モータステータ、 42b:モータロータ、 43:励磁アンプ、
44:制御部、 45:磁気軸受電磁石、 55:ロータディスク、 60:ベース、
60a:排気口、 61:ポンプケーシング、 61a:吸気口、 61b:係止部、
61c:固定フランジ、 62:固定翼、 63:スペーサリング、
64:ネジステータ、 65:排気ポート、
66a、66b:タッチダウンベアリング、 67、68、69:磁気軸受、
101A、101B:電流センサ、 400:ADコンバータ、
401p、401m:ゲート信号生成部、 403、404:ローパスフィルタ、
405:バンドパスフィルタ、 406:信号処理演算部、 407:浮上制御器、
408p、408m:電流リミット回路、 409p、409m:信号処理演算部、
410p、410m:アンプ制御器、 415:補正処理演算部、
417p、417m:加振器、 418p、418m:スイッチ、
420p、420m、421p:差分器、
421m、422p、422m:加算器、 423:バイアス電流設定部、
441:PWM制御信号、 442:信号、 PWMゲート駆動信号443、
444:電磁石電流信号、 450:電磁石コア、
451p、451m、452p、452m:磁気軸受電磁石、 455:電磁石コイル、600:可動境界、 801、802:信号変換部、 803、804:ゲイン調節部、805:差分器、 806:補正部、 807:ハイパスフィルタ演算器、
808:差分器、 809:演算部、
d:変位、 D10、D11:ダイオード、 J:浮上中心軸(浮上目標位置)、
L1、L2:ライン、 R:回転体ユニット、 SW10、SW11:スイッチング素子
Claims (8)
- 回転体と、
前記回転体を浮上制御するために複数の制御軸のそれぞれに設けられ、前記制御軸のそれぞれに前記回転体を介して対向配置された第1電磁石および第2電磁石と、
前記第1電磁石および前記第2電磁石のそれぞれに印加される電圧をPWM制御し、前記回転体の浮上位置を検知するためのセンサキャリア信号が重畳された電磁石電流を供給する前記第1電磁石および第2電磁石のそれぞれに設けられた励磁アンプと、
前記励磁アンプのそれぞれに設けられ、前記電磁石電流を検出する電流センサと、
前記電磁石電流に基づいて推定変位信号を取得し、前記推定変位信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の制御軸の各制御軸における前記推定変位信号を得るにあたり、
前記第1電磁石に流れる前記電磁石電流の検出信号(以下、第1電流信号)、前記第2電磁石に流れる前記電磁石電流の検出信号(以下、第2電流信号)、および、前記第1電流信号と前記第2電流信号とを足し合わせて得られる和信号についてそれぞれ前記センサキャリア信号に同期してADサンプリングを行い、
前記センサキャリア信号に同期してADサンプリングされた和信号により復調変位信号を生成し、
前記第1電磁石の磁気特性の非線形性に起因する前記復調変位信号への影響を低減するための第1補正信号を、前記ADサンプリング後の前記第1電流信号および前記第1電磁石の磁気特性の非線形性に基づいて演算処理で生成し、
前記第2電磁石の磁気特性の非線形性に起因する前記復調変位信号への影響を低減するための第2補正信号を、前記ADサンプリング後の前記第2電流信号および前記第2電磁石の磁気特性の非線形性に基づいて演算処理で生成し、
前記第1補正信号および前記第2補正信号の差分としての第3補正信号を演算処理で生成し、
前記復調変位信号から前記第3補正信号を減算することで、前記推定変位信号を得る磁気軸受装置。 - 請求項1に記載の磁気軸受装置において、
前記和信号は、前記センサキャリア信号の周波数をfcとしたときに、fc=(n+1/2)・fs(ただし、nは0以上の整数)を満たすサンプリング周波数fsで、かつ、前記センサキャリア信号の最大ピーク位置近傍となるタイミングおよび最小ピーク位置近傍となるタイミングでADサンプリングされ、
前記最大ピーク位置近傍でサンプリングされた和信号のデータ値をd1、前記最小ピーク位置近傍でサンプリングされた和信号のデータ値をd2としたときに、d3=(d1−d2)/2により算出される値d3を前記復調変位信号とする、磁気軸受装置。 - 請求項1または2に記載の磁気軸受装置において、
前記回転体は、可動境界を有し、
前記第1補正信号は、前記第1電流信号からなる関数(以下、第1関数)より成り、
前記第2補正信号は、前記第2電流信号からなる関数(以下、第2関数)より成り、
前記第1関数に用いられる係数が最適化される調整(以下、第1係数調整)が実施される際は、前記回転体を前記第1電磁石側の前記回転体の前記可動境界まで移動させ、所定のバイアス電流値で前記回転体を磁気的に吸引し固定した上で、前記第1係数調整が実施され、
前記第2関数に用いられる係数が最適化される調整(以下、第2係数調整)が実施される際は、前記回転体を前記第2電磁石側の前記回転体の前記可動境界まで移動させ、前記所定のバイアス電流値で前記回転体を磁気的に吸引し固定した上で、前記第2係数調整が実施される磁気軸受装置。 - 請求項3に記載の磁気軸受装置において、
前記第1係数調整は、予め定めた周波数を有する印加信号が少なくとも第1電磁石側の前記電磁石電流に重畳された上で、前記予め定めた周波数を有する前記推定変位信号の振幅が所定レベル以下になるように実施され、
前記第2係数調整は、前記予め定めた周波数を有する印加信号が少なくとも第2電磁石側の前記電磁石電流に重畳された上で、前記予め定めた周波数を有する前記推定変位信号の振幅が所定レベル以下になるように実施される磁気軸受装置。 - 請求項4に記載の磁気軸受装置において、
前記所定のバイアス電流値は、複数設けられ、
前記第1係数調整および前記第2係数調整は、前記複数設けられた所定のバイアス電流値の各々において実施される磁気軸受装置。 - 請求項4または5に記載の磁気軸受装置において、
前記第1係数調整及び前記第2係数調整は、前記所定のバイアス電流値において複数回実施される磁気軸受装置。 - 請求項4〜6のいずれか一項に記載の磁気軸受装置において、
前記第3補正信号は、前記第1補正信号と前記第2補正信号とを所定比率で差分演算することにより生成され、
前記所定比率は、前記回転体が時間的に位置変化しないように磁気浮上制御された状態において、前記第1電磁石に流れる電磁石電流に前記予め定めた周波数を有する印加信号を重畳した場合の磁気吸引力と、前記第2電磁石に流れる電磁石電流に前記予め定めた周波数を有する印加信号を重畳した場合の磁気吸引力とが相殺されるように設定される、磁気軸受装置。 - 排気機能部が形成されたポンプロータと、
前記ポンプロータを回転駆動するモータと、
前記ポンプロータの回転体を磁気浮上支持する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁気軸受装置と、を備える真空ポンプ。
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