JP6268912B2 - 油圧パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧を利用して操舵を補助する油圧パワーステアリング装置に関する。
たとえば特許文献1には2台の電動ポンプを有する油圧パワーステアリング装置が記載されている。当該装置ではポンプ負荷が大きくなる操舵時には2台の電動ポンプがそれぞれ駆動される。また、ポンプ負荷が小さくなる非操舵時には2台のうち少なくとも一方の電動ポンプが操舵時よりも少ない回転数で駆動された状態に維持される。これにより、操舵開始時の油圧応答性が確保される。また、特許文献2,3には油圧パワーステアリング装置の油圧源として電動式の歯車ポンプを使用することが記載されている。
特開平9−95251号公報 特開平11−218084号公報 特開平11−50974号公報
歯車ポンプでは、互いに噛み合う2つの歯車の回転に伴い、たとえば両歯車とケースとの間の隙間に油膜が形成される。当該油膜により両歯車の回転負荷が低減される。当該油膜が形成されるかどうかは両歯車の回転数に依存する。このため、歯車ポンプでは、当該油膜が形成される最低限の回転数を基準として、許容される最低回転数が設定されることもある。また、歯車ポンプの吐出流量は両歯車の回転数にほぼ比例する。このため、歯車ポンプの最低回転数が設定されることにより、歯車ポンプの最低吐出量も決まる。
歯車ポンプを有する2台の電動ポンプを油圧パワーステアリング装置の油圧源として使用する場合、アシスト力の発生源である油圧アクチュエータには2台の電動ポンプからそれぞれ吐出される作動油が供給される。油圧アクチュエータは2台の電動ポンプから供給される作動油の総流量に応じたアシスト力を発生する。また、油圧パワーステアリング装置では通常、車速が速くなるほどアシスト力を低減させる。すなわち、2台の電動ポンプの回転数をそれぞれ減少させて油圧アクチュエータに対する作動油の供給量を減少させる。作動油の供給量が減少される分だけ油圧アクチュエータが発生するアシスト力が低減される。
ところが、2台の電動ポンプは最低回転数以上の回転数に維持する必要があるため、油圧アクチュエータに供給される作動油の総流量の下限は自ずと決まる。このため、当該総流量の下限に応じたアシスト力よりも弱いアシスト力が要求される状況に対応することが困難となるおそれがある。
本発明の目的は、複数の電動ポンプから吐出される作動油の総流量の低減幅を拡大することができる油圧パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る油圧パワーステアリング装置は、アシスト力を発生させる油圧アクチュエータと、油圧アクチュエータに作動油を供給する複数の電動ポンプと、各電動ポンプを制御する制御装置と、を備えている。前記制御装置は、通常時には各電動ポンプを駆動させる一方、各電動ポンプのうちいずれか一の吐出流量に相関する制御指令値が各電動ポンプに許容される当該制御指令値の下限に基づき設定される閾値未満であるとき、少なくとも一の電動ポンプを停止させるとともに当該停止に伴う吐出流量の減少を補うように残りの電動ポンプに対する制御指令値を増大させる。
何らかの理由により各電動ポンプの吐出流量に相関する制御指令値には下限が設定されることがある。この場合、各電動ポンプの吐出流量、ひいては油圧アクチュエータに供給される作動流の総流量の下限も自ずと決まる。しかし、当該総流量をその下限よりも少なくしたい状況も想定される。この点、上記の構成によれば、少なくとも一の電動ポンプを停止させて残りの電動ポンプに対する制御指令値を増大させることにより、各電動ポンプに対する制御指令値を、その下限を下回らせることなく、油圧アクチュエータに供給される作動油の総流量の低減幅を拡大することができる。すなわち、すべての電動ポンプを動作させることを前提とした場合の総流量の下限を下回る流量を油圧アクチュエータに供給することが可能となる。
上記の油圧パワーステアリング装置において、各電動ポンプは、前記制御装置により回転数制御されるモータと、当該モータにより駆動される歯車ポンプを有するものであってもよい。この場合、前記吐出流量に相関する指令値は前記モータの回転数指令値、前記閾値は歯車ポンプの歯車と当該歯車を収容するハウジングとの間に油膜が形成される最低限の回転数に基づき設定される回転数判定閾値とすることが好ましい。
歯車ポンプでは、歯車の回転に伴い当該歯車とハウジングとの間に油膜が形成されることにより当該歯車の回転負荷の軽減が図られる。当該油膜が形成されるかどうかは歯車の回転数、ひいてはモータの回転数によって決まる。このため、モータの回転数には下限が設定されることがある。この点を踏まえ、上記の構成によれば、各電動ポンプのモータうちいずれか一の回転数指令値が回転数判定閾値未満であるとき、少なくとも一の電動ポンプのモータが停止されるとともに、当該停止に伴う吐出流量の減少を補うように残りの電動ポンプのモータに対する回転数指令値が増大される。これにより、各モータの回転数指令値を、その下限を下回らせることなく、油圧アクチュエータに対する作動油の総流量の低減幅を拡大することができる。
上記の油圧パワーステアリング装置において、前記制御装置は、車速および操舵速度に基づき前記回転数指令値を演算するモータ回転数制御マップが格納された記憶部を有していてもよい。この場合、前記制御装置は、同一の前記モータ回転数制御マップを使用して各モータを制御することが好ましい。
この構成によれば、制御装置は同一の前記モータ回転数制御マップを使用することにより簡単に回転数指令値を演算することができる。
本発明によれば、複数の電動ポンプを有する油圧パワーステアリング装置において、各電動ポンプから吐出される作動油の総流量の低減幅を拡大することができる。
油圧パワーステアリング装置およびその周辺の概略構成を示す構成図。 第1および第2の電動ポンプの構成を示すブロック図。 第1および第2の電動ポンプにおけるポンプ部分の断面図。 油圧アクチュエータへ供給される作動油の総流量の変化の一例を示すグラフ。 (a)は、第1のモータの回転数を制御する際の処理手順を示すフローチャート、(b)は、第2のモータの回転数を制御する際の処理手順を示すフローチャート。 (a)は、油圧アクチュエータへ供給される作動油の総流量の変化の一例を示すグラフ、(b)は、第1の電動ポンプの吐出流量の変化の一例を示すグラフ、(c)は、第2の電動ポンプの吐出流量の変化の一例を示すグラフ。 モータ回転数マップの特性を示すグラフ。 他の実施の形態における第1および第2のモータの回転数を制御する際の処理手順を示すフローチャート。 他の実施の形態における第1および第2のモータの回転数を制御する際の処理手順を示すフローチャート。
以下、油圧パワーステアリング装置の一実施の形態を説明する。油圧パワーステアリング装置は車両の操舵機構の動作を補助するものである。
<操舵機構>
図1に示すように、操舵機構10は、ステアリングホイール11およびステアリングホイール11が連結されるステアリングシャフト12を備えている。ステアリングシャフト12は、ステアリングホイール11側から順にコラムシャフト12a、インターミディエイトシャフト12bおよびピニオンシャフト12cが連結されてなる。ピニオンシャフト12cはその軸線方向に対して交わる方向へ延びるラックシャフト13に噛合されている。したがって、ステアリングシャフト12の回転運動は、ピニオンシャフト12cおよびラックシャフト13からなるラックアンドピニオン機構14によりラックシャフト13の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動がラックシャフト13の両端にそれぞれ連結されたタイロッド15,15を介して左右の転舵輪16,16にそれぞれ伝達されることにより、これら転舵輪16,16の転舵角が変更される。
<H−EPS>
油圧パワーステアリング装置20は、ラックシャフト13の動作を補助することによりステアリング操作を補助する。油圧パワーステアリング装置20は、ステアリング操作を補助するための構成として、油圧アクチュエータ21、ステアリングバルブ22、第1の電動ポンプ23、第2の電動ポンプ24および油タンク25を備えている。第1および第2の電動ポンプ23,24はそれぞれ油圧アクチュエータ21に対する油圧源として機能する。第1および第2の電動ポンプ23,24は油タンク25に貯留された作動油(作動流体)を吸い込み、この吸い込んだ作動油の圧力を高めて吐出する。第1および第2の電動ポンプ23,24からそれぞれ吐出される作動油は、ステアリングバルブ22を介して油圧アクチュエータ21に供給される。
<油圧アクチュエータ>
油圧アクチュエータ21は、中空のシリンダ31およびピストン32を有している。シリンダ31はラックシャフト13のハウジングとして兼用される。シリンダ31にはピストンロッドとしても機能するラックシャフト13が挿通されている。シリンダ31の内部において、ラックシャフト13にはピストン32が貫通した状態で固定されている。ピストン32によって、シリンダ31の内部は、第1の室31aと第2の室31bとに区画されている。ピストン32は、ラックシャフト13と一体をなしてシリンダ31の内部をラックシャフト13の軸線方向に沿って摺動する。また、第1の室31aと第2の室31bとの差圧によって、ラックシャフト13は図1に矢印で示される第1の方向LAまたは第2の方向RAへ移動する。当該差圧によるラックシャフト13の変位がステアリング操作を補助するアシスト力として機能する。
<ステアリングバルブ>
ステアリングバルブ22は、ピニオンシャフト12cに設けられている。ステアリングバルブ22は、ステアリングホイール11の操作、すなわちピニオンシャフト12cの回転に連動して油圧アクチュエータ21(第1および第2の室31a,31b)に対する作動油の供給経路および排出経路をそれぞれ切り替えるロータリバルブである。詳述すると、ステアリングバルブ22は、ポンプポート41、タンクポート42、第1のシリンダポート43および第2のシリンダポート44を有している。ポンプポート41は、途中で二股に分岐する供給管45を介して第1および第2の電動ポンプ23,24の吐出ポート(図示略)にそれぞれ接続されている。タンクポート42は、排出管46を介して油タンク25に接続されている。第1のシリンダポート43は第1の給排管47を介して第1の室31aに、第2のシリンダポート44は第2の給排管48を介して第2の室31bに接続されている。なお、第1および第2の電動ポンプ23,24の吸入ポート(図示略)はそれぞれ吸入管45a,45bを介して油タンク25に接続されている。
第1および第2の電動ポンプ23,24は、それぞれ油タンク25に貯留されている作動油を吸入管45a,45bを介して吸い込み、この吸い込んだ作動油の圧力を高めて吐出する。ステアリングバルブ22には第1および第2の電動ポンプ23,24から吐出される作動油が供給管45を介して供給される。ステアリングバルブ22は、ステアリングホイール11に印加される操舵トルクの方向(操舵方向)および大きさ(操舵抵抗)に応じて、供給管45を介して供給される作動油を第1および第2の給排管47,48のいずれかに振り分ける。すなわち、当該作動油は、第1および第2の給排管47,48のいずれか一を介して第1および第2の室31a,31bのいずれか一に供給される。
たとえば、第1の給排管47を介して第1の室31aに作動油が供給された場合、油圧アクチュエータ21は第2の室31bとの間に生じる油圧差に応じた油圧力を発生し、当該油圧力がアシスト力としてラックシャフト13に作用する。このとき、第2の室31b内の作動油は押し出され、この押し出される作動油は第2の給排管48を介してステアリングバルブ22に戻り(環流し)、さらに排出管46を介して油タンク25に戻る。ここでは、油圧力はピストン32を介して第2の方向RA(図1中の右方向)へ作用するので、ラックシャフト13はピストン32と共に第2の方向RAへ移動する。このラックシャフト13の移動によってステアリング操作が補助される。
<電動ポンプ>
図2に示すように、第1の電動ポンプ23は第1のモータ51、第1のモータ51により駆動される第1のポンプ52、および第1のモータ51の作動を制御する第1のECU(電子制御装置)53を備えている。第1のモータ51としてはブラシレスモータが、第1のポンプとしては外接型の歯車ポンプが採用されている。第1のECU53は、第1のモータ51を定められた一方向へ回転させることにより第1のポンプ52を駆動する。なお、第2の電動ポンプ24は第1の電動ポンプ23と同一品であって、第2のモータ61、第2のポンプ62および第2のECU63を備えている。
図3に示すように、第1のポンプ52は、ハウジング71、駆動歯車72および従動歯車73を有している。
ハウジング71の内部には、駆動歯車72および従動歯車73が収容される収容室74が設けられている。ハウジング71(収容室74)の内周面75には、駆動歯車72および従動歯車73の外径にそれぞれ対応する2つの円弧面75a,75bが設けられている。またハウジング71には、収容室74における2つの円弧面75a,75bの間から外部へ向けてハウジング71を貫通する吸入口76および吐出口77が設けられている。吸入口76は吸入管45aに、吐出口77は供給管45にそれぞれ接続される。
駆動歯車72および従動歯車73は互いに噛み合った状態で収容室74に収容されている。駆動歯車72は、第1のモータ51に連動する軸78と一体的に回転する。従動歯車73は、駆動歯車72との噛み合いを通じて駆動歯車72の回転に伴い軸79を中心として回転する。駆動歯車72の外周面と円弧面75aとの間には隙間D1が、従動歯車73の外周面と円弧面75bとの間には隙間D2が形成される。駆動歯車72は収容室74の円弧面75aに沿って、従動歯車73は円弧面75bに沿ってそれぞれ回転する。
第1のモータ51が定められた一方向へ回転されるとき、駆動歯車72は図3に矢印RBで示される時計方向へ回転する。また、駆動歯車72に連動して従動歯車73は図3に矢印LBで示される反時計方向へ回転する。これにより、吸入口76を介して作動油が収容室74に吸入される。この吸入される吸入口76側の作動油は、駆動歯車72および従動歯車73の回転に伴いそれらの歯とハウジング71の内周面75との間に閉じ込められるかたちで分離されつつ内周面75に沿って移動して吐出口77側へ運ばれる。そして駆動歯車72と従動歯車73とが噛み合うことにより、歯の間に満たされた作動油が吐出口77を介して排出される。
なお、第2のポンプ62は第1のポンプ52と同一品であるため、第2のポンプ62の詳細な説明を割愛する。
<電気的な構成>
つぎに、油圧パワーステアリング装置の電気的な構成を説明する。
図1に示すように、第1および第2の電動ポンプ23,24は、CAN(Controller Area Network)などの通信ネットワーク81を介して互いに接続されている。この通信ネットワーク81には、ステアリングセンサ82および車速センサ83もそれぞれ接続されている。ステアリングセンサ82はステアリングホイール11の操舵速度ωを検出する。車速センサ83は車速(車両の走行速度)Vを検出する。第1および第2の電動ポンプ23,24は、通信ネットワーク81を介して、ステアリングセンサ82の検出結果である操舵速度ω、および車速センサ83の検出結果である車速Vを取得する。
図2に示すように、第1および第2のECU53,63は操舵速度ωおよび車速Vを取り込み、これら取り込まれる操舵速度ωおよび車速Vに基づき第1および第2のモータ51,61をそれぞれ制御する。第1のECU53は、第1のマイクロコンピュータ(以下、「第1のマイコン」という。)54および第1の駆動回路(PWMインバータ)55を有している。第1のマイコン54は操舵速度ωおよび車速Vに基づきモータ制御信号Sc(PWM信号)を生成する。第1の駆動回路55は、モータ制御信号Scに基づき直流電源70から供給される直流電力を三相の交流電力に変換する。当該交流電力が駆動電力として第1のモータ51に供給される。
第1のマイコン54は、車速Vおよび操舵速度ωに基づきモータ回転数指令値(第1のモータ51の目標回転数)を演算し、当該モータ回転数指令値に応じてモータ制御信号Scを生成する。第1のマイコン54は自身の記憶部54aに記憶されたモータ回転数制御マップMpを使用してその時々の車両状態に応じた適切なモータ回転数指令値を求める。
図7のグラフに示すように、モータ回転数制御マップMpは、操舵速度ω、車速Vおよびモータ回転数指令値Nの関係を規定する三次元マップである。モータ回転数制御マップMpは車速Vが速いほど、また操舵速度ωが遅いほど、より小さな値のモータ回転数指令値Nを算出する。なお、図7のグラフに示されるモータ回転数指令値Nは一例であって車種あるいは製品仕様などに応じて適宜設定される。
第1のマイコン54には第1の電流センサ56および第1の回転角センサ57が接続されている。第1の電流センサ56は第1の駆動回路55とグランドとの間に設けられていて、第1のモータ51に供給される電流の値である第1の電流値Im1を検出する。第1の回転角センサ57は第1のモータ51の回転角である第1の回転角θm1を検出する。
第1のマイコン54は定められたサンプリング周期で第1の電流値Im1および第1の回転角θm1をそれぞれ取り込む。第1のマイコン54は、第1の回転角θm1に基づき第1のモータ51の実際の回転数を監視する。そして第1のマイコン54は、モータ回転数指令値Nおよび実際の回転数に基づき第1のモータ51に対する回転数フィードバック制御を行う。また、第1のマイコン54は第1の電流値Im1に基づき過電流などの異常検出を行う。
第2のECU63は第1のECU53と同一の構成を有している。すなわち、第2のECU63は、第2のマイクロコンピュータ(以下、「第2のマイコン」という。)64および第2の駆動回路65を有している。第2のマイコン64の記憶部64aにも図7のグラフに示されるモータ回転数制御マップMpが記憶されている。第2のマイコン64は第1のマイコン54と同じモータ回転数制御マップMpを使用してその時々の車両状態に応じた適切なモータ回転数指令値Nを演算し、当該モータ回転数指令値Nに応じてモータ制御信号Scを生成する。また、第2のマイコン64には第2の電流センサ66および第2の回転角センサ67が接続されている。第2のマイコン64は、第1のマイコン54と同様に、モータ回転数指令値Nおよび実際の回転数に基づき第2のモータ61に対する回転数フィードバック制御を行う。
<油圧アクチュエータに対する供給油量>
つぎに、油圧アクチュエータ21に対する供給油量について説明する。
次式(1)に示されるように、油圧アクチュエータ21には第1の電動ポンプ23の吐出流量Q1と第2の電動ポンプ24の吐出流量Q2を合計した総流量Qの作動油が供給される。
Q=Q1+Q2 ……………(1)
ここで、第1および第2のマイコン54,64はそれぞれ同一のモータ回転数制御マップMpを使用してモータ回転数指令値Nを演算する。また、モータ回転数指令値Nの演算に使用される車速Vおよび操舵速度ωについてもそれぞれ同じである。このため、次式(2)に示されるように、第1および第2のモータ51,61の回転数、ひいては第1および第2の電動ポンプ23,24の吐出流量Q1,Q2は基本的には同じになる。したがって、次式(3)に示されるように、油圧アクチュエータ21には、第1の電動ポンプ23の吐出流量Q1の2倍、または第2の電動ポンプ24の吐出流量Q2の2倍の作動油が供給される。
Q1=Q2 …………………(2)
Q=2・Q1=2・Q2 …(3)
第1および第2の電動ポンプ23,24の吐出流量Q1,Q2は、第1および第2のモータ51,61の回転数によって決まる。第1および第2の電動ポンプ23,24の吐出流量Q1,Q2は、次式(4)で表される。
Q1=Q2=Q・N ……(4)
ただし、「Q」は第1および第2のポンプ52,62の一回転当たりの吐出流量(単位:cc)である。「N」は第1および第2のモータ51,61の回転数(単位:rpm)である。
第1および第2のマイコン54,64は、第1および第2のモータ51,61の回転数を制御することにより油圧アクチュエータ21に供給する作動油の総流量Qを制御する。油圧アクチュエータ21は総流量Qに応じた油圧、ひいてはアシスト力を発生させる。このため、総流量Qが減少するほど油圧アクチュエータ21により発生される油圧が低くなり、ひいてはアシスト力が弱くなる。
油圧パワーステアリング装置20では、モータ回転数制御マップMpの特性に起因して、車速Vが速いほど、また操舵速度ωが遅いほど、油圧アクチュエータ21により発生される油圧、ひいてはアシスト力は小さくなる。すなわち、車速Vおよび操舵速度ωに応じて第1および第2の電動ポンプ23,24の回転数がそれぞれ減少されることによって油圧アクチュエータ21に対する作動油の供給量が減少される。作動油の供給量が減少される分だけ油圧アクチュエータ21が発生するアシスト力も低減される。
ここで油圧パワーステアリング装置20には、つぎのような懸念がある。
すなわち通常、第1のポンプ52では、駆動歯車72および従動歯車73の回転に伴い、たとえば駆動歯車72とハウジング71の内周面75(円弧面75a)との間の隙間D1、および従動歯車73とハウジングの内周面(円弧面75b)との間の隙間D2にそれぞれ油膜が形成される。この油膜により、駆動歯車72および従動歯車73の回転負荷がそれぞれ低減される。当該油膜が形成されるかどうかは駆動歯車72および従動歯車73の回転数に依存する。当該回転数は第1のモータ51の回転数と相関する。このため、第1の電動ポンプ23では第1のモータ51に対して許容される回転数の下限である最低回転数が設定される。この最低回転数は、前述の油膜が形成される第1のモータ51の最低限の回転数を基準として実験などによって定められる。また、第1のポンプ52の吐出流量Q1は、駆動歯車72および従動歯車73の回転数にほぼ比例する。このため、第1のモータ51の最低回転数が設定されることにより、第1のポンプ52の吐出流量Q1の下限である下限流量Q1minも決まる。なお、このことは第1の電動ポンプ23と同一の構成を有しかつ同一の制御が実行される第2の電動ポンプ24についても同様である。すなわち、第2のモータ61の最低回転数が設定されることにより、第2のポンプ62の吐出流量Q2の下限である下限流量Q2minも決まる。
このように、第1および第2の電動ポンプ23,24では、第1および第2のモータ51,61の回転数を最低回転数以上の値に維持する必要があるため、油圧アクチュエータ21に供給される作動油の総流量Qの下限である下限流量Qminも自ずと決まる。このため、下限流量Qminに応じたアシスト力よりも弱いアシスト力が要求される状況に対応することが困難となるおそれがある。
なお、これら下限流量Qmin,Q1min,Q2minの関係は先の式(1),(2)に基づき次式(5),(6)のように表される。
min=Q1min+Q2min …(5)
Q1min=Q2min …(6)
図4のグラフに破線で示されるように、油圧アクチュエータ21に対する供給油量を下限流量Qminよりも少なくしたい状況が想定される。車種あるいは製品仕様などによって異なるものの、たとえば高速走行時などにおいて、より好適なアシスト力を得るために必要とされる作動油の総流量Qが下限流量Qminよりも少ない場合である。しかし前述した油膜が形成される状態を維持する観点から総流量Qを下限流量Qminよりも少なくすることはできない。このため、図4のグラフに実線で示されるように、油圧アクチュエータ21に対する供給油量がたとえば下限流量Qminよりも若干多くなるように、第1および第2のポンプ52,62の吐出流量Q1,Q2が設定される。
具体的には、油膜形成される第1および第2のモータ51,61の最低回転数をそれぞれ1000rpm、ポンプ1回転当たりの吐出流量を1.7ccとした場合、次式(7)で示されるように、単位時間当たりの下限流量Qminは3400ccとなる。
min=1.7cc×1000rpm×2台=3400cc/min …(7)
第1および第2のポンプ52,62の回転数を最低回転数より少なくすることはできないので下限流量Qminも3400ccより少なくすることができない。このため、たとえば総流量Qが下限流量Qminである3400ccよりも多くなるように、換言すれば第1および第2のポンプ52,62の吐出流量Q1,Q2が下限流量Q1min,Q2minよりも多くなるように、第1および第2のモータ51,61の回転数を最低回転数(ここでは1000rpm)よりも大きいな値(たとえば1300rpm)に設定せざるを得ない。すなわち、アシスト力は下限流量Qminである3400ccに応じたアシスト力よりも弱くすることができない。
このように、より好適なアシスト力を得るために総流量Qを下げたくても下げられない状況が発生し得る。このため、たとえば高速走行時において、より好適なアシスト力に対する実際のアシスト力は、図4のグラフに実線で示される実際の総流量Qと図4のグラフに破線で示される本来要求される総流量Qとの差ΔQの分だけ強くなる。
そこで、より好適なアシスト力を発生させるために、本例では第1および第2の電動ポンプ23,24(正確には、第1および第2のモータ51,61)の回転数制御を通じて総流量Qの低減幅を拡大する。
<第1のモータの回転数制御>
つぎに、第1のマイコン54による第1のモータ51の回転数制御の処理手順を図5(a)のフローチャートに従って説明する。当該フローチャートの各処理は第1のマイコン54の記憶部54aに格納される制御プログラムに従って所定の制御周期で実行される。
図5(a)のフローチャートに示すように、第1のマイコン54は第1のモータ51に対するモータ回転数指令値Nを演算する(ステップS101)。第1のマイコン54は、車速Vおよび操舵速度ωに基づきモータ回転数制御マップMpを使用してモータ回転数指令値Nを演算する。
つぎに、第1のマイコン54はステップS101で算出されたモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下であるかどうかを判断する(ステップ102)。回転数判定閾値Nthは前述した油膜が形成される第1のモータ51の最低限の回転数あるいは当該回転数を基準として実験などによって定められる値である。回転数判定閾値Nthは記憶部54aに記憶されている。
第1のマイコン54はモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下ではない旨判断されるとき(ステップS102でNO)、第1のモータ51の通常制御を実行する(ステップS103)。すなわち、第1のマイコン54はステップS101で算出された通常時のモータ回転数指令値Nに基づきモータ制御信号Scを生成する。
これに対して、第1のマイコン54はモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下である旨判断されるとき(ステップS102でYES)、第1のモータ51の回転数を通常時の2倍とする回転数2倍制御を実行する(ステップS104)。すなわち、第1のマイコン54はステップS101で算出された通常時のモータ回転数指令値Nを2倍するとともに当該2倍のモータ回転数指令値Nに基づきモータ制御信号Scを生成する。第1のモータ51の回転数が通常時の2倍になることにより、第1のポンプ52の吐出流量Q1は通常時の2倍になる。
<第2のモータの回転数制御>
つぎに、第2のマイコン64による第2のモータ61の回転数制御の処理手順を図5(b)のフローチャートに従って説明する。当該フローチャートの各処理は第2のマイコン64の記憶部64aに格納される制御プログラムに従って所定の制御周期で実行される。
図5(b)のフローチャートに示すように、第2のマイコン64は第2のモータ61に対するモータ回転数指令値Nを演算する(ステップS201)。第2のマイコン64は、車速Vおよび操舵速度ωに基づきモータ回転数制御マップMpを使用してモータ回転数指令値Nを演算する。
つぎに、第2のマイコン64はステップS201で算出されたモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下であるかどうかを判断する(ステップ202)。この回転数判定閾値Nthは第1のマイコン54の記憶部54aに記憶されるものと同じ値であって、第2のマイコン64の記憶部64aに記憶されている。
第2のマイコン64はモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下ではない旨判断されるとき(ステップS202でNO)、第2のモータ61の通常制御を実行する(ステップS203)。すなわち、第2のマイコン64はステップS201で算出された通常時のモータ回転数指令値Nに基づきモータ制御信号Scを生成する。
これに対して、第2のマイコン64はモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下である旨判断されるとき(ステップS202でYES)、第2のモータ61を停止させるための制御を実行する(ステップS204)。第2のモータ61が停止されることにより、第2のポンプ62の吐出流量Q2は「0(零)」になる。
<モータ回転数制御の作用>
つぎに、第1および第2のモータ51,61の回転数制御を実行することによる作用を説明する。
図6(a)のグラフに示されるように、ここでは作動油の総流量Qがその下限流量Qminよりも多い第1の総流量Qに維持された状態において、下限流量Qminよりも少ない第2の総流量Qを流量制御の目標値として制御する場合を想定する。
図6(b)に示されるように、通常制御を通じて第1の電動ポンプ23の吐出流量Q1はその下限流量Q1minよりも多い吐出流量Q1に維持されている。また、図6(c)に示されるように、通常制御を通じて第2の電動ポンプ24の吐出流量Q2はその下限流量Q2minよりも多い吐出流量Q2に維持されている。第1の電動ポンプ23と第2の電動ポンプ24はそれぞれ同一のモータ回転数制御マップMpに基づき同一の流量制御が行われる。このため、このときの第1の電動ポンプ23の吐出流量Q1と第2の電動ポンプ24の吐出流量Q2とは同じ流量である。そしてこれら吐出流量Q1,Q2を合計した流量が第1の総流量Qとなる。
図6(b),(c)に示されるように、この状態において、たとえば車両の加速などを契機として(時刻t1)、吐出流量Q1,Q2は徐々に減少する。これら吐出流量Q1,Q2がそれぞれ回転数判定閾値Nthに応じた下限流量Q1min,Q2minに至ったとき(時刻t2)、第1の電動ポンプ23では回転数2倍制御が、また第2の電動ポンプ24では停止制御が実行される。
なお、ここでは説明の便宜上、回転数2倍制御の実行が開始されたとき即時に通常制御時の2倍の吐出流量Q1が得られ、また停止制御の実行が開始されたとき吐出流量Q2が即時に「0」に至るものとしている。
図6(b),(c)に二点鎖線で示されるように、第1および第2の電動ポンプ23,24の双方を動作させる本来の状況(通常制御時)であれば、時刻t2以降、第1および第2の電動ポンプ23,24の吐出流量Q1を下限流量Q1min,Q2minよりも少ない流量に制御する必要があるところ、このような流量制御は前述した油膜の観点から困難である。
この点、本例では第1の電動ポンプ23における回転数2倍制御を通じて図6(b)に二点鎖線で示される本来要求される吐出流量Q1の2倍の流量である吐出流量Q1が得られる。この吐出流量Q1は、流量制御の目標値である第2の総流量Qと等しい。また、図6(c)に示されるように、時刻t2以降、第2の電動ポンプ24の停止制御を通じて吐出流量Q2が「0」となる。このため、時刻t2以降、第1の電動ポンプ23の吐出流量Q1がそのまま第2の総流量Qとなる。
このように、第2の電動ポンプ24の停止に伴う総流量Qの減少が第1の電動ポンプ23により補われる。これにより、第1および第2のモータ51,61の回転数をそれぞれ前述した油膜が形成される最低回転数よりも少なくすることなく、下限流量Qminを下回る総流量Q、ここでは第2の総流量Qが得られる。すなわち、総流量Qの低減幅が下限流量Qminよりも少ない流量にまで拡大される。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1及び第2の電動ポンプ23,24において、第1および第2のモータ51,61に対するモータ回転数指令値Nが定められた最低回転数以下になるとき、第2のモータ61は停止される。また第1のモータ51は最低回転数を超える回転数、すなわち本来のモータ回転数指令値Nの2倍の回転数で駆動される。このため、油膜切れを抑制しつつ総流量Qの低減幅を拡大することができる。高車速域などにおける過アシストも抑制される。
(2)第1および第2のマイコン54,64は、それぞれ同一のモータ回転数制御マップMpを使用することにより簡単にモータ回転数指令値Nを演算することができる。
<他の実施の形態>
なお、前記実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・本例では第1および第2の電動ポンプ23,24にそれぞれ第1および第2のマイコン54,64を設けたが、第1および第2のマイコン54,64は単一のマイコンとして統合してもよい。また、本例では第1および第2のモータ51,61はそれぞれ同一のモータ回転数制御マップMpを使用して制御するようにしたが、異なるモータ回転数制御マップMpを使用して制御してもよい。この場合も、トータルとしての回転数が変化しないように第1および第2のモータ51,61を駆動させることが好ましい。
・単一のマイコンにより第1および第2のモータ51,61をそれぞれ同一のモータ回転数制御マップMpを使用して制御してもよい。この場合の処理手順の一例はつぎの通りである。
図8のフローチャートに示すように、マイコンは第1および第2のモータ51,61に対するモータ回転数指令値Nを演算する(ステップS301)。つぎに、マイコンはステップS301で算出されたモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下であるかどうかを判断する(ステップ302)。マイコンはモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下ではない旨判断されるとき(ステップS302でNO)、第1および第2のモータ51,61の通常制御を実行する(ステップS303)。これに対して、マイコンはモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下である旨判断されるとき(ステップS302でYES)、第1のモータ51に対して回転数2倍制御を実行するとともに(ステップS304)、第2のモータ61を停止させる。このようにしても本実施の形態と同様の効果が得られる。
・単一のマイコンにより第1および第2のモータ51,61をそれぞれ異なるモータ回転数制御マップMpを使用して制御してもよい。この場合の処理手順の一例はつぎの通りである。
図9のフローチャートに示すように、マイコンは第1および第2のモータ51,61に対する第1および第2のモータ回転数指令値N1,N2をそれぞれ演算する(ステップS401)。つぎに、マイコンはステップS401で算出された第1のモータ回転数指令値N1が回転数判定閾値Nth以下であるかどうかを判断する(ステップ402)。マイコンは第1のモータ回転数指令値N1が回転数判定閾値Nth以下である旨判断されるとき(ステップS402でYES)、第1のモータ51を停止させる(ステップS403)。そしてマイコンは、第2のモータ61を本来の第2のモータ回転数指令値N2よりも大きな値の回転数で駆動させる(ステップS404)。具体的には、マイコンは先のステップS401において算出された本来の第2のモータ回転数指令値N2に先のステップS401において算出された第1のモータ回転数指令値N1を加算した値を新たな第2のモータ回転数指令値N2とし、当該新たな第2のモータ回転数指令値N2を使用して第2のモータ61を駆動させる。これに対し、マイコンはステップS402においてモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下ではない旨判断されるとき(ステップS402でNO)、マイコンはステップS401で算出された第2のモータ回転数指令値N2が回転数判定閾値Nth以下であるかどうかを判断する(ステップ405)。マイコンは第2のモータ回転数指令値N2が回転数判定閾値Nth以下である旨判断されるとき(ステップS405でYES)、第2のモータ61を停止させる(ステップS406)。そしてマイコンは、第1のモータ51を本来の第1のモータ回転数指令値N1よりも大きな値の回転数で駆動させる(ステップS407)。具体的には、マイコンは先のステップS401において算出された本来の第1のモータ回転数指令値N1に先のステップS401において算出された第2のモータ回転数指令値N2を加算した値を新たな第1のモータ回転数指令値N1とし、当該新たな第1のモータ回転数指令値N1を使用して第1のモータ51を駆動させる。なお、マイコンは先のステップS405においてモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下ではない旨判断されるとき(ステップS405でNO)、第1および第2のモータ51,61の通常制御を実行する(ステップS408)。このようにしても本実施の形態と同様の効果が得られる。なお本実施の形態において、第1および第2のモータ51,61をそれぞれ異なるモータ回転数制御マップMpを使用して制御してもよい。この場合、第1および第2のマイコン54,64は通信ネットワーク81を介して第1および第2のモータ回転数指令値N1,N2を相互に授受する。
・本例では第1および第2の電動ポンプ23,24を設けたが、3台、4台またはそれ以上の電動ポンプを設けてもよい。たとえば3台の電動ポンプを設け、これら電動ポンプのモータをそれぞれ同一のモータ回転数制御マップMpを使用して制御してもよい。この場合の制御の一例はつぎの通りである。すなわち、マイコンはモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下である旨判断されるとき、1つのモータに対して回転数3倍制御を実行するとともに、残りの2つのモータを停止させる。また、つぎのように3台の電動ポンプを制御してもよい。すなわち、マイコンはモータ回転数指令値Nが回転数判定閾値Nth以下である旨判断されるとき、2つのモータに対してたとえば回転数1.5倍制御を実行するとともに、残りの1つのモータを停止させる。必要とされる吐出流量が得られるように適宜の台数の電動ポンプを駆動させればよい。4台以上の電動ポンプを設ける場合も同様である。
・本例では、モータ回転数2倍制御を行うかどうかの判断(ステップS102、ステップS202)にはモータ回転数指令値Nを使用したが、第1および第2のポンプ52,62の吐出流量Q1,Q2に相関する他の制御指令値を使用して判断してもよい。たとえば、第1および第2のマイコン54,64は、正確にはモータ回転数指令値Nを電流指令値に変換し、当該電流指令値に基づきモータ制御信号Scを生成する。この電流指令値に基づきモータ回転数2倍制御を行うかどうかの判断を行ってもよい。
また、供給管45を流れる作動油の実際の流量(実際の総流量Q)を検出する流量センサを供給管45に設け、第1および第2のマイコン54,64は当該流量センサの検出結果に基づき第1および第2のモータ51,61に対する流量フィードバック制御を行うようにしてもよい。当該流量フィードバック制御を行う際、第1および第2のマイコン54,64により生成される制御指令値である流量指令値に基づきモータ回転数2倍制御を行うかどうかを判断してもよい。
また、供給管45内の圧力を検出する圧力センサを供給管45に設け、第1および第2のマイコン54,64は当該圧力センサの検出結果に基づき第1および第2のモータ51,61に対する圧力フィードバック制御を行うようにしてもよい。当該圧力フィードバック制御を行う際、第1および第2のマイコン54,64により生成される制御指令値である圧力指令値に基づきモータ回転数2倍制御を行うかどうかを判断してもよい。
・本例では、第1および第2の電動ポンプ23,24は第1および第2のECU53,63を含んで構成したが、第1および第2のECU53,63を第1および第2の電動ポンプ23,24と別体に設けてもよい。また、第1および第2のECU53,63の機能を他の車載システムのECUに持たせてもよい。
<他の技術的思想>
つぎに、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記制御装置は異なるモータ回転数制御マップを使用して各モータを制御すること。
(ロ)前記制御装置は各電動ポンプに設けられること。
20…油圧パワーステアリング装置、21…油圧アクチュエータ、23…第1の電動ポンプ、24…第2の電動ポンプ、51…第1のモータ、52…第1のポンプ(歯車ポンプ)、53…第1のECU(制御装置)、54a…記憶部、61…第2のモータ、62…第2のポンプ(歯車ポンプ)、63…第2のECU(制御装置)、64a…記憶部、Mp…モータ回転数制御マップ。

Claims (2)

  1. アシスト力を発生させる油圧アクチュエータと、油圧アクチュエータに作動油を供給する複数の電動ポンプと、各電動ポンプを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、通常時には各電動ポンプを駆動させる一方、各電動ポンプのうちいずれか一の吐出流量に相関する制御指令値が各電動ポンプに許容される当該制御指令値の下限に基づき設定される閾値未満であるとき、少なくとも一の電動ポンプを停止させるとともに当該停止に伴う吐出流量の減少を補うように残りの電動ポンプに対する制御指令値を増大させるものであって、
    各電動ポンプは、前記制御装置により回転数制御されるモータと、当該モータにより駆動される歯車ポンプを備え、
    前記吐出流量に相関する指令値は前記モータの回転数指令値、前記閾値は歯車ポンプの歯車と当該歯車を収容するハウジングとの間に油膜が形成される最低限の回転数に基づき設定される回転数判定閾値である油圧パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の油圧パワーステアリング装置において、
    前記制御装置は、車速および操舵速度に基づき前記回転数指令値を演算するモータ回転数制御マップが格納された記憶部を有し、
    前記制御装置は、同一の前記モータ回転数制御マップを使用して各モータを制御する油圧パワーステアリング装置。
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