JP6266555B2 - 電着塗装方法、伝熱管の製造方法及び熱交換器の製造方法 - Google Patents

電着塗装方法、伝熱管の製造方法及び熱交換器の製造方法 Download PDF

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本発明は、熱交換器等の製造工程において、フィンと呼ばれる板状部材に設けられた孔に伝熱管を貫通させ固定した後に、当該伝熱管及び当該板状部材を含む熱交換器を電着塗装する方法に関する。
伝熱管を拡管する方法として、かつては、より大径の球形の金属ボール等を伝熱管内に挿入して移動させていく(押し込んでいく)ことが行われていた。しかしながら、そのような方法は、簡便であるとは言えず、作業者にとっての負担が大きかった。
最近では、ボール等の固体の挿入物を用いることなく、高圧状態にした液体の水を用いて伝熱管を拡管することが行われている。この方法によれば、ボール等の固体の挿入物を用いる場合と比較して、より均等に圧力を伝熱管に与えることができるため、拡管後の伝熱管の真円度を極めて高く維持することができる。従って、拡管後の伝熱管をフィンに固定するための次の電着塗装工程が行いやすく、また、電着塗装後の密着性能を顕著に高めることができる。
高圧の水を用いて伝熱管を拡管させる方法は、拡管後の伝熱管の真円度を極めて高く維持できるという利点がある(特許文献1及び特許文献2参照)。従来、この利点を十分に活かすべく、伝熱管の全領域において拡管の程度が揃うような条件で、高圧水の供給が行われてきた。
これに対して、本件発明者は、フィンに設けられた孔に伝熱管が十分な強度で固定されるのであれば、伝熱管の変形の程度に不揃いが存在していても、各断面における真円度は高く維持され得て、伝熱管としての性能に不利な影響は生じないことを知見した。そして更に、本件発明者は、フィンに設けられた孔を順次貫通する領域での拡管の程度より、当該領域に隣接する領域における拡管の程度を高めることによって、従来よりも強固に伝熱管をフィンに固定することができることを知見した。この知見に基づいて、本件出願人は、特願2015−048730を提出している。
ここで、本件発明者は、拡管後の伝熱管及びフィンに対する電着塗装工程の直前に当該伝熱管及びフィンを洗浄することの有用性について、鋭意検討を重ねてきた。例えば、特許文献3には、純水を用いた洗浄や、ノニオン系界面活性剤を含有させた洗浄液を用いた洗浄が、開示されている。
特開平6−328173号公報 特開2004−239486号公報 特開平10−46393号公報
本件発明者による特願2015−048730に開示された発明によって、フィンに設けられた孔に伝熱管を十分な強度で固定することについては、見通しが立った。しかしながら、フィンに設けられた孔の内周と伝熱管の外周との間に、ごく僅かな隙間が残存してしまって、当該隙間に存在する気泡のために電着塗装不良が生じてしまうという問題は、依然として解消できなかった。(電着塗装不良は、冷媒漏れの原因となる。)
そのような僅かな隙間を電着塗装工程による電着塗料で埋めてしまうことを意図して、本件発明者は、電着塗装工程についての様々な条件を変更して、多種多様な実験を繰り返してきた。その鋭意の努力の結果、電着塗装工程前に特殊な溶液で電着塗装対象物を洗浄することが、僅かな隙間を電着塗料で埋めることに有効であるとの知見を得るに至った。
本件発明者の分析によれば、所望の効果を発揮する特殊な溶液というのは、電着塗装工程において電着塗料(電着液)が前記僅かな隙間に入り込むことを促すような溶液である。これは、本件発明者による更なる分析によれば、電着塗装対象物に対する「濡れ性」が電着塗料(電着液)の溶媒(電着塗料において顔料を溶かしている液体(電着塗料−顔料))と略等しい溶液である。これは、単に不純物の除去を意図した従来の洗浄方法で用いられる液体(純水やノニオン系界面活性剤)とは、着眼点が全く異なるものである。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものである。本発明の目的は、電着塗装工程における電着塗料が孔の内周と伝熱管の外周との間等に残存する僅かな隙間に入り込むことを促すことによって、当該僅かな隙間を埋めてしまうことを可能にするような伝熱管の電着塗装方法を提供することである。
本発明は、板状部材に設けられた孔を貫通した状態の伝熱管を電着塗料を用いて電着塗装する方法であって、前記板状部材の前記孔の周囲部及び当該孔に対する前記伝熱管の貫通部を、当該周囲部または当該貫通部に対する濡れ性において前記電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液によって洗浄する前処理工程と、前記前処理工程による洗浄後の前記周囲部及び前記貫通部を、前記電着塗料を用いて電着塗装する電着塗装工程と、を備えたことを特徴とする方法である。
本件発明者の分析によれば、孔の周囲部及び貫通部を、当該周囲部または当該貫通部に対する濡れ性において電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液によって洗浄することによって、その後の電着塗装工程において電着塗料が孔の周囲部及び貫通部近傍の僅かな隙間に入り込むことが促される。このことにより、そのような僅かな隙間が残存している場合であっても、当該僅かな隙間が電着塗料によって埋められるため、電着塗装不良の発生を顕著に抑制することができる。
濡れ性において同等というのは、例えば以下のような方法で確認できる。すなわち、電着塗料の溶媒の濡れ性は、一定量の当該溶媒を前記板状部材の前記孔の周囲部に滴下した時の広がり方に関する寸法によって評価され得る。例えば、一定量とは、0.1ccであり、広がり方に関する寸法とは、濡れ広がった後の液滴の長手方向長さ(最大長さ)であって、板状部材の孔の周囲部がアルミ材である場合、18mm程度である。洗浄溶液の濡れ性についても、同様に評価され得る。そして、この場合、例えば0.1ccの洗浄溶液が濡れ広がった後の液滴の長手方向長さ(最大長さ)が、18mmの90%〜110%の範囲内、すなわち、16.2mm〜19.8mmの範囲内にあることが、本発明にとって好ましい洗浄溶液の条件である。
本件発明者によれば、本発明にとって好適な洗浄溶液は、電着塗料をUF濾過することで得ることができる。電着塗料をUF濾過した溶液は、UF濾液とも呼ばれ、電着塗料中の顔料等、概ね分子量3000以上の成分が濾過によって除去された溶液である。UFとは、Ultra Filtration の略である。
また、洗浄溶液が電着塗料の溶媒と同一であれば、当然に本発明の効果を得ることができるが、完全に同一でなくとも、両者の主たる成分が同一であれば足りる。例えば、低分子量成分や、有機酸・夾雑イオン等については、不一致があってもよい。
電着塗料がいわゆるカチオン電着塗料である場合、その溶媒と濡れ性において同等である洗浄溶液の一例として、重量比で、95〜96%(重量部)の水、3〜4%(重量部)のアルキレングルコールモノアルキルエーテル、を含む溶液が挙げられる。あるいは、重量濃度で16〜24%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液や、重量濃度で4〜6%のエチレングリコールモノノルマルブチルエーテル溶液も、例として挙げられる。これらの溶液は、板状部材の孔の周囲部がアルミ材である場合、それぞれの0.1ccが濡れ広がった後の液滴の長手方向長さ(最大長さ)が、16.2mm〜19.8mmの範囲内になることが確認されている。
本発明によれば、孔の周囲部及び貫通部を、当該周囲部または当該貫通部に対する濡れ性において電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液によって洗浄することによって、その後の電着塗装工程において電着塗料が孔の周囲部及び貫通部近傍の僅かな隙間に入り込むことが促される。このことにより、そのような僅かな隙間が残存している場合であっても、当該僅かな隙間が電着塗料によって埋められるため、電着塗装不良の発生を顕著に抑制することができる。
伝熱管の拡管を実現する装置の概略図である。 図1の装置で拡管された後のU字管の状態を誇張して示す概略図である。 拡管率について纏めた図表である。 濡れ性について纏めた図表である。 耐腐食性能を確認するための実験装置を示す図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本件発明者によって特願2015−048730において開示された、伝熱管の拡管を実現する装置の概略図である。図1に示すように、本実施の形態における板状部材は、熱交換器の構成部品であるフィン10であり、本実施の形態における伝熱管は、熱交換器の構成部品である伝熱管20であり、銅合金製であって、管径3/8インチ、肉厚0.8mmである。フィン10は、図1には9枚が図示されており、それぞれに伝熱管10の貫通のための円形孔が形成されると共に、互いに平行に配置されている。そして、伝熱管20はU字状であり、フィン10の各々に形成された円形孔を順次貫通するように配置される。
図1の装置は、そのような状態の伝熱管20内に水を供給するための装置である。具体的には、市水取得部から伝熱管20の供給側(図1の上側)端部に至る供給側ラインにおいて、第1開閉バルブ31、エア供給用バルブ32及びポンプ33、第2開閉バルブ34,水圧センサ35、フレキシブルホース36、が当該順序で設けられており、伝熱管20の排出側(図1の下側)端部から市水排水部に至る排出側ラインにおいて、フレキシブルホース36、第3開閉バルブ37、供給側ラインとの導通を開閉する第4開閉バルブ39、が当該順序で設けられている。
これらの各構成要素は、制御部41に接続されていて、当該制御部41によって制御されるようになっている。また、当該制御部41には表示部42が接続されていて、装置の各状態を表示できるようになっている。
次に、図1の装置の作用について説明する。
図1に示すように、複数のフィン10の各々に設けられた円形孔にU字状の伝熱管20が順次貫通された状態で、当該伝熱管20内に水が供給される。具体的には、図1に示すように、伝熱管20と供給側ライン及び排出側ラインとがフレキシブルホース36によって接続され、第1開閉バルブ31、第2開閉バルブ34、第3開閉バルブ37の全てが開状態とされる。これにより、伝熱管20内のエア抜きがなされると同時に水が供給される。
続いて、伝熱管20内に供給した水を所定の高圧、本例では20.6MPa、にする。具体的には、エア供給用バルブ32が開状態とされてポンプ33が駆動される。そして、30秒経過後に第3開閉バルブ37が閉状態とされ、管内水圧の昇圧が継続される(本例の場合、約5秒間)。この際に、水圧による拡管作用が開始される。
水圧センサ35が所定の高圧、本例では20.6MPa、を検出すると、第2開閉バルブ34も閉状態とされて、伝熱管20内の水圧状態が当該所定の高圧に維持される。この状態が所定の時間、本例では2〜3秒間、維持される。これにより、水圧による拡管作用が完了される。一方、エア供給用バルブ32は閉状態とされて、ポンプ33の駆動は停止される。
その後、第3開閉バルブ37が開状態に戻されて、伝熱管20内の水が排出される。最後に、フレキシブルホース36が取り外されて、一連の工程が終了する。
以上のような方法によって、図2に示すように、複数のフィン10の各々に設けられた円形孔を順次貫通する領域での伝熱管20の直径(図2のB)より、当該領域に隣接する領域での伝熱管20の直径(図2のA)の方が大きくなる。ここで、U字状の伝熱管20の9個のサンプルについての拡管後の管径(外径)及び拡管率等を図3に示す。
このように、複数のフィン10の孔を順次貫通する領域での伝熱管20の拡管の程度より当該領域に隣接する領域での伝熱管20の拡管の程度を敢えて高くしたことによって、従来よりも強固に伝熱管20を複数のフィン10に固定することができる。一方、熱交換器としての性能に、不利な影響が生じることもない。
ここで、図3に示すように、複数のフィン10の孔を順次貫通する領域での伝熱管20の拡管の程度(Bの拡管率)より当該領域に隣接する領域での伝熱管20の拡管の程度(Aの拡管率)を30〜100%高くした場合について、十分な強度での固定が実現できることが、本件発明者によって実際に確認された。
また、拡管後の直径について見れば、図3に示すように、複数のフィン10の各々に設けられた孔を順次貫通する領域での伝熱管20の直径より当該領域に隣接する領域での伝熱管20の直径の方が1.8%以上大きい場合について、十分な強度での固定が実現できることが、本件発明者によって実際に確認された。
以上の例においては、伝熱管20が銅合金製であって、管径3/8インチ、肉厚0.8mmであった。この場合、本件発明者による鋭意の実験結果によれば、所定の高圧は、20.4〜20.8MPaであることが好ましく、20.5〜20.7MPaであることが更に好ましい。
また、伝熱管20が銅合金製であって、管径1/2インチ(12.7mm)、肉厚1.0mmである場合には、本件発明者による鋭意の実験結果によれば、所定の高圧は、17.9〜18.6MPaであることが好ましく、18.0〜18.5MPaであることが更に好ましい。また、この場合においても、本件発明者による鋭意の実験結果によれば、所定の時間は、2〜3秒であることが好ましい。
また、伝熱管20が銅合金製であって、管径1/2インチ(12.7mm)、肉厚0.8mmである場合には、本件発明者による鋭意の実験結果によれば、所定の高圧は、15.9〜17.1MPaであることが好ましく、16.0〜17.0MPaであることが更に好ましい。また、この場合においても、本件発明者による鋭意の実験結果によれば、所定の時間は、2〜3秒であることが好ましい。
また、伝熱管20が銅合金製であって、管径5/8インチ(15.88mm)、肉厚0.8mmである場合には、本件発明者による鋭意の実験結果によれば、所定の高圧は、13.0〜13.6MPaであることが好ましく、13.1〜13.5MPaであることが更に好ましい。また、この場合においても、本件発明者による鋭意の実験結果によれば、所定の時間は、2〜3秒であることが好ましい。
さて、以上に説明した特願2015−048730に開示された方法によって、フィン10に設けられた孔に伝熱管20を十分な強度で固定することについては、見通しが立った。しかしながら、前述の通り、フィン10に設けられた孔の内周と伝熱管20の外周との間に、ごく僅かな隙間が残存してしまって、当該隙間に存在する気泡のために電着塗装不良が生じてしまうという問題は、依然として解消するには至らなかった。
本発明は、そのような僅かな隙間を電着塗装工程による電着塗料で埋めてしまうことを狙って、そのような作用を促進するための前処理を導入するものである。具体的には、フィン10の孔の周囲部及び伝熱管20の貫通部を、あるいは、それら部位を含む熱交換器の全体を、当該周囲部または当該貫通部に対する「濡れ性」において電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液によって洗浄するという前処理を導入するものである。
このような前処理によって、その後の電着塗装工程において電着塗料がフィン10の孔の周囲部及び伝熱管20の貫通部近傍の僅かな隙間に入り込むことが促される。このことにより、そのような僅かな隙間が残存している場合であっても、当該僅かな隙間が電着塗料によって埋められるため、電着塗装不良の発生を顕著に抑制することができる。電着塗装不良の部位が存在すると、当該部位の保護が不十分となって腐食が生じ、冷媒漏れ(リーク)を生じさせてしまうことがある。冷媒漏れの防止は、環境影響上、重要な課題である。電着塗装不良の発生を顕著に抑制することができれば、この課題を克服することに大きく貢献できる。
濡れ性において同等というのは、例えば以下のような方法で確認できる。すなわち、電着塗料の溶媒の濡れ性は、0.1ccの当該溶媒を例えばアルミ材からなるフィン10の孔の周囲部に滴下した時に濡れ広がった後の液滴の長手方向長さ(最大長さ)として評価されて、電着塗料がカチオン電着塗料である場合、18mm程度である。洗浄溶液の濡れ性についても、同様に評価され得て、すなわち、0.1ccの洗浄溶液を例えばアルミ材からなるフィン10の孔の周囲部に滴下した時に濡れ広がった後の液滴の長手方向長さ(最大長さ)として評価され得る。後者の長さが前者の長さの90%〜110%の範囲内であること、すなわち、電着塗料がカチオン電着塗料である場合、後者の長さが16.2mm〜19.8mmの範囲内にあることが、本発明にとって好ましい洗浄溶液の条件である。
洗浄溶液が電着塗料の溶媒と同一であれば、当然にこの条件を満たすことができる。また、低分子量成分や有機酸・夾雑イオン等について不一致があっても、主たる成分が電着塗料の溶媒と同一である洗浄溶液は、前記条件を満たすことができる。例えば、電着塗料をUF濾過して、電着塗料中の顔料等、概ね分子量3000以上の成分が濾過によって除去された溶液(UF濾液)も、前記条件を満たすことができる。このUF濾液の成分を摸した溶液、具体的には、重量比で、95〜96%(重量部)の水、3〜4%(重量部)のアルキレングルコールモノアルキルエーテル、を含む溶液についても、前記条件を満たすことができる。
更に、本件発明者による鋭意の検討により、重量濃度で16〜24%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液や、重量濃度で4〜6%のエチレングリコールモノノルマルブチルエーテル溶液も、前記条件を満たすことが確認された。これらの溶液が濡れ広がった後の液滴の長手方向長さ(最大長さ)について、重量濃度毎に、実験結果を図4に纏めて示す。
また、本発明の実施の形態として、本発明にとって好ましい洗浄溶液の一例であるUF濾液を用いた前処理工程の後で、フィン10の孔の周囲部及び伝熱管20の貫通部を含む熱交換器の全体に、カチオン電着塗料を用いた電着塗装工程が施された。電着塗装後の状態をマイクロスコープ写真を撮影して評価した所(30箇所にて評価)、電着塗装不良は全く認められなかった。
比較例として、純水を洗浄溶液として用いて洗浄を行った後に電着塗装が施された場合についても、電着塗装後の状態をマイクロスコープ写真を撮影して評価した所(同様に30箇所にて評価)、約半数の箇所で電着塗装不良(塗り残し)が認められた。
更に、図5に示すように、U字状管と板状部材とからなるテストピースが作成されて、当該テストピースに、本発明にとって好ましい洗浄溶液の一例であるUF濾液を用いた前処理工程と、カチオン電着塗料を用いた電着塗装工程と、が施された。そして、そのような電着塗装後のテストピースについて、図5に示すような装置によって、耐腐食試験が行われた。
図5の装置は、並列に配置された複数のテストピースに対して、スプレーノズル53によって上方から腐食液を噴霧する装置である。腐食液タンク52の腐食液は、エアー供給部52からの工場エアーと共に、スプレーノズル53へと供給される。装置内部にはヒータ58が設けられていて、必要に応じて加熱されるようになっている。その他、図5の装置には、温度計54、温度計用温度センサ55、サーモスタット56、サーモスタット用温度センサ57、等が設けられている。
図5の装置を用いた具体的な実験として、電着塗装後のテストピースに対して、上方から腐食液を噴射し続けて(約2週間)、腐食発生の有無が検証された。腐食液は、塩酸溶液、硝酸溶液、硫酸溶液、ギ酸溶液、酢酸溶液、アンモニア溶液の6種類が用意され、それぞれ個別に実験された。その結果、いずれの腐食液によっても、腐食発生は全く認められなかった。
10 フィン
20 U字状伝熱管
31 第1開閉バルブ
32 エア供給用バルブ
33 ポンプ
34 第2開閉バルブ
35 水圧センサ
36 フレキシブルホース
37 第3開閉バルブ
39 第4開閉バルブ
41 制御部
42 表示部
51 腐食液タンク
52 エアー供給部
53 スプレーノズル
54 温度計
55 温度計用温度センサ
56 サーモスタット
57 サーモスタット用温度センサ
58 ヒータ

Claims (3)

  1. 板状部材に設けられた孔を貫通した状態の伝熱管を電着塗料を用いて電着塗装する方法であって、
    前記板状部材の前記孔の周囲部及び当該孔に対する前記伝熱管の貫通部を、当該周囲部または当該貫通部に対する濡れ性において前記電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液によって洗浄する前処理工程と、
    前記前処理工程による洗浄後の前記周囲部及び前記貫通部を、前記電着塗料を用いて電着塗装する電着塗装工程と、
    を備え
    前記電着塗料の溶媒の濡れ性は、一定量の当該溶媒を前記板状部材の前記孔の周囲部に滴下した時の広がり方に関する寸法によって評価され、
    前記洗浄溶液の濡れ性は、前記一定量の当該洗浄溶液を前記板状部材の前記孔の周囲部に滴下した時の広がり方に関する寸法によって評価され、
    前記洗浄溶液に関する前記寸法が前記溶媒に関する前記寸法の90%〜110%の範囲内にある洗浄溶液であって、重量比で、95〜96%の水、3〜4%のアルキレングルコールモノアルキルエーテル、を含む洗浄溶液を、前記前処理工程における前記電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液として用いる、ことを特徴とする電着塗装方法。
  2. 板状部材に設けられた孔を貫通した状態の伝熱管を電着塗料を用いて電着塗装し、電着塗装された前記板状部材付きの伝熱管を製造する方法であって、
    電着塗装前に、前記板状部材の前記孔の周囲部及び当該孔に対する前記伝熱管の貫通部を、当該周囲部または当該貫通部に対する濡れ性において前記電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液によって洗浄する前処理工程と、
    前記前処理工程による洗浄後の前記周囲部及び前記貫通部を、前記電着塗料を用いて電着塗装する電着塗装工程と、
    を備え、
    前記電着塗料の溶媒の濡れ性は、一定量の当該溶媒を前記板状部材の前記孔の周囲部に滴下した時の広がり方に関する寸法によって評価され、
    前記洗浄溶液の濡れ性は、前記一定量の当該洗浄溶液を前記板状部材の前記孔の周囲部に滴下した時の広がり方に関する寸法によって評価され、
    前記洗浄溶液に関する前記寸法が前記溶媒に関する前記寸法の90%〜110%の範囲内にある洗浄溶液であって、重量比で、95〜96%の水、3〜4%のアルキレングルコールモノアルキルエーテル、を含む洗浄溶液を、前記前処理工程における前記電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液として用いる、ことを特徴とする伝熱管の製造方法。
  3. フィンに設けられた孔を貫通した状態の伝熱管を電着塗料を用いて電着塗装し、電着塗装された前記フィン付きの伝熱管を用いて熱交換器を製造する方法であって、
    電着塗装前に、前記フィンの前記孔の周囲部及び当該孔に対する前記伝熱管の貫通部を、当該周囲部または当該貫通部に対する濡れ性において前記電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液によって洗浄する前処理工程と
    前記前処理工程による洗浄後の前記周囲部及び前記貫通部を、前記電着塗料を用いて電着塗装する電着塗装工程と、
    を備え、
    前記電着塗料の溶媒の濡れ性は、一定量の当該溶媒を前記フィンの前記孔の周囲部に滴下した時の広がり方に関する寸法によって評価され、
    前記洗浄溶液の濡れ性は、前記一定量の当該洗浄溶液を前記フィンの前記孔の周囲部に滴下した時の広がり方に関する寸法によって評価され、
    前記洗浄溶液に関する前記寸法が前記溶媒に関する前記寸法の90%〜110%の範囲内にある洗浄溶液であって、重量比で、95〜96%の水、3〜4%のアルキレングルコールモノアルキルエーテル、を含む洗浄溶液を、前記前処理工程における前記電着塗料の溶媒と同等の洗浄溶液として用い
    前記電着塗装工程後、電着塗装された前記フィン付きの伝熱管を用いて熱交換器を製造する、ことを特徴とする熱交換器の製造方法。
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