JP6265011B2 - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6265011B2
JP6265011B2 JP2014074140A JP2014074140A JP6265011B2 JP 6265011 B2 JP6265011 B2 JP 6265011B2 JP 2014074140 A JP2014074140 A JP 2014074140A JP 2014074140 A JP2014074140 A JP 2014074140A JP 6265011 B2 JP6265011 B2 JP 6265011B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
attribute
dot element
gradation
dot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014074140A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015198283A (ja
Inventor
鈴木 克明
克明 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2014074140A priority Critical patent/JP6265011B2/ja
Publication of JP2015198283A publication Critical patent/JP2015198283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6265011B2 publication Critical patent/JP6265011B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)

Description

本発明は、画像処理装置に関する。
特許文献1には、2値の入力画像データを4値データに変換する画像処理装置と、この画像処理装置により生成された4値データに基づき4値の階調記録を行うプリンタを備えた画像記録装置が開示されている。この特許文献1における画像処理装置では、まず、2値の入力画像データを平滑化処理により17値データに変換し、この17値データに対してエッジ処理等の画像処理を行った後に、誤差拡散法により4値データに変換している。
特開平4−219073号公報
ところで、一般的に、上述の平滑化処理のような低階調データから高階調データを生成する処理を行うと、生成される高階調データにおける画像の濃度変化は、低階調データにおける画像の濃度変化よりも小さくなる。即ち、高階調データに係る画像は、ぼやけた画像となる。従って、このような高階調データに対してエッジ処理等の画像処理を行ったとしても、画像のエッジ部分がぼやける等の問題が生じて、記録媒体に記録される画像の品質が劣化する虞がある。
そこで、本発明の目的は、低階調データから、画像記録装置において記録媒体に記録される画像の品質が劣化することを抑制可能な高階調データを生成可能な画像処理装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、記録媒体上の複数のドット位置それぞれに対応する複数のドット要素それぞれについて、N階調(Nは3以上の整数)で表された濃度値が設定されたN値データを記憶するためのN値データ記憶手段と、前記N値データにおける各ドット要素に設定された濃度値に基づいて、記録媒体上の各ドット位置に対してN階調記録を行うための画像記録手段とを備えた画像記録装置に使用される前記N値データを生成するための画像処理装置であって、前記複数のドット要素それぞれについて、M階調(Mは、前記Nよりも小さい2以上の整数)で表された濃度値が設定されたM値データを記憶するためのM値データ記憶手段と、前記M値データにおける、注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素それぞれに設定された前記濃度値を用いて、その注目ドット要素の属性が、予め設定された互いに属性が異なる複数種のドット要素属性の何れに該当するかを判定する属性判定手段であって、前記M値データにおける各ドット要素を、順次、注目ドット要素とし、それら注目ドット要素の属性が前記複数種のドット要素属性のどのドット要素属性に該当するかを判定するための属性判定手段と、前記M値データにおける前記M階調の階調値それぞれに対する、前記N値データにおける前記N階調の何れかの階調値の割り当てを定めた割当テーブルを、前記複数種のドット要素属性それぞれに対応させて複数記憶するための割当テーブル記憶手段であって、前記N階調の階調値それぞれは、少なくとも、何れかの前記割当テーブルにおいて、前記M値データにおける前記M階調の何れかの階調値に割り当てられている割当テーブル記憶手段と、前記割当テーブル記憶手段に記憶された前記複数の割当テーブルの中から、前記属性判定手段により判定された前記注目ドット要素の前記ドット要素属性に対応する前記割当テーブルを選択するための選択手段と、前記M値データの前記注目ドット要素に対応する、前記N値データの前記ドット要素の前記濃度値を順次設定して前記N値データを生成するためのN値データ生成手段であって、前記選択手段により選択された前記割当テーブルにおいて、前記注目ドット要素に設定された前記濃度値の前記M階調の階調値に対して割り当てられている前記N階調の階調値を、前記濃度値として、前記注目ドット要素に対応する前記N値データの前記ドット要素に設定するN値データ生成手段とを備えていることを特徴とする。
本発明によると、従来のように、元データであるM値データを平滑化処理等により高階調化した後に、当該高階調化したデータに対してエッジ処理等の画像処理を行ってN値データを生成する場合と比べて、元データであるM値データの各ドット要素に設定された濃度値を重んじて、各ドット要素のドット要素属性に応じてN値データの各ドット要素に対して濃度値を設定することができるため、記録媒体に記録される画像の品質が劣化することを抑制することができる。
一実施形態に係るインクジェットプリンタの電気構成図である。 (a)は図1に示す液体吐出装置における画像記録部の概略側面図であり、(b)はインクジェットヘッドの平面図であり、(c)は(b)に示すヘッドユニットの個別流路を示す部分断面図である。 (a)は4値データの模式図であり、(b)は吐出データの模式図である。 図1に示す吐出データ生成回路の回路構成図である。 (a)は図4に示す属性判定回路において処理対象となる第1処理対象領域、及び第2処理対象領域を説明する図であり、(b)及び(c)はソーベルフィルタについて説明する図である。 (a)〜(g)は各ドット要素属性に対応する割当テーブルである。 図1に示す吐出データ生成回路の動作を説明するフロー図である。 変形例に係る吐出データ生成回路の回路構成図である。 (a)は属性判定回路において処理対象となる第3処理対象領域を説明する図であり、(b)は属性判定回路において処理対象となる第4処理対象領域を説明する図であり、(c)は予備吐出属性に対応する割当テーブルであり、(d)は予備振動属性に対応する割当テーブルである。
以下、本発明の好適な実施の形態として、画像処理装置40、及び、液体吐出装置100を備えたインクジェットプリンタ101について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ101は、プリンタ全体の動作を司る制御装置20、液体吐出装置100、及び液体吐出装置100に使用される吐出データ(N値データ)を生成する画像処理装置40を備えている。
液体吐出装置100は、記録媒体としての用紙Pに画像を記録するための画像記録部(画像記録手段)5、及び、画像処理装置40により生成された吐出データを一時的に記憶する吐出データ記憶バッファ(N値データ記憶手段)85を備えた画像記録装置である。
画像記録部5は、図2(a)に示すように、ブラックのインクを吐出するインクジェットヘッド1(以下、ヘッド1)、用紙Pを搬送方向に沿って搬送する搬送機構13、複数枚の用紙Pを積層状態で収納する用紙トレイ11、画像が記録された用紙Pが排出される排紙トレイ12、並びにインクジェットヘッド1及び搬送機構13を制御する記録処理回路80(図1参照)を備える。
搬送機構13は、用紙トレイ11から、ヘッド1とプラテン15との間を通過して排紙トレイ12まで至る用紙Pの搬送経路を構成する。搬送機構13は、ピックアップローラ6と、ニップローラ7a,7bとを含んでいる。ピックアップローラ6は、記録処理回路80の制御の下、回転駆動されることで、用紙トレイ11内の用紙Pを1枚ずつ送出する。ニップローラ7a,7bは、記録処理回路80の制御の下、回転駆動されることで、ピックアップローラ6により送出された用紙Pを排紙トレイ12に向けて挟持搬送する。
ヘッド1は、主走査方向に延び、搬送機構13により搬送される用紙Pに対して、位置が固定された状態でインクを吐出するライン式ヘッドである。つまり、インクジェットプリンタ101は、ライン式プリンタである。ヘッド1の底面は、複数の吐出口108(図2(b)参照)が形成された吐出面2aとなっている。吐出面2aにおいて、吐出口108は、主走査方向に関して主走査方向解像度である600dpiの間隔で配列されている。搬送機構13によって搬送される用紙Pがヘッド1のすぐ下方を順に通過する際に、この用紙Pの上面即ち印刷面に向けて吐出口108からインク滴が吐出される。これにより、用紙Pに所望のモノクロ画像が形成される。なお、本実施形態において、副走査方向とは搬送機構13による用紙Pの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは副走査方向に直交する方向であって、水平面に沿った方向である。
上述の構成を有するヘッド1は、記録処理回路80の制御により、副走査方向に600dpiの間隔で吐出口108からのインクが用紙P上に着弾するように、インクの吐出間隔が制御される。即ち、本実施形態においては、主走査方向解像度及び副走査方向解像度はいずれも600dpiであり、用紙P上には、主走査方向と副走査方向とにそれぞれ1/600インチ間隔の格子状に区画された複数のドット位置(ドット領域)が規定される。また、本実施形態において、用紙Pに画像を形成するために、一印字周期内にヘッド1の吐出口108から吐出可能なインクの吐出量(インク滴の体積)は5種類(大滴、中滴、小滴、極小滴、不吐出)である。従って、用紙P上に形成されるドットによって表現可能なのは、インクの吐出量に応じた5段階の濃度だけである。このように、本実施形態の液体吐出装置100では、用紙P上に規定された各ドット位置に対して5階調記録を行うことが可能である。ここで、印字周期とは、副走査方向解像度に対応する単位距離だけ用紙Pが搬送されるのに要する時間である。
また、本実施形態の液体吐出装置100では、ヘッド1の吐出特性を維持・回復させるために、用紙Pに対して画像記録を行っている際に、予備吐出及び予備振動を行うことが可能に構成されている。予備吐出とは、吐出口108からインクが吐出されていない期間が第1不吐出期間以上となる場合に、上記画像を形成するためのインク吐出とは別に、吐出口108から用紙P上にインクを吐出させて、吐出口108付近の増粘したインクを吐出させる動作である。本実施形態では、この予備吐出において吐出口108から吐出させるインクの吐出量は、上記極小滴よりも少ない吐出量(予備吐出用インク滴)とされている。また、予備振動は、吐出口108からインクが吐出されていない期間が上記第1不吐出期間よりも短い第2不吐出期間以上となる場合に、吐出口108からインクが吐出しない範囲で、吐出口108近傍のインクを振動させる動作である。
次いで、図2(b),(c)を参照し、ヘッド1の具体的な構成について説明する。ヘッド1は、図2(b)に示すように、互いに離隔しつつ主走査方向に千鳥状に配列された、6つのヘッドユニット2を含む。6つのヘッドユニット2は、互いに同じ構成であり、図2(c)に示すように、それぞれ、流路ユニット9、流路ユニット9の上面に固定されたアクチュエータユニット21、及びリザーバユニット(不図示)を含んでいる。リザーバユニットには、インクを一時的に貯留するリザーバを含む共通の液体流路が形成されており、カートリッジからインクが供給される。アクチュエータユニット21は、流路ユニット9に形成された複数の圧力室110に対向して設けられた複数の個別電極を含んでおり、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する機能を有する。
流路ユニット9の上面には、リザーバユニットに接続されたインク供給口が開口している。流路ユニット9の内部には、インク供給口を一端とする複数のマニホールド流路(不図示)、マニホールド流路から分岐した複数の副マニホールド流路105、及び副マニホールド流路105に接続した多数の個別インク流路132が形成されている。個別インク流路132は、副マニホールド流路105の出口から圧力室110を経て吐出口108に至る流路である。流路ユニット9の下面は吐出面2aとなっており、多数の吐出口108が配置されている。
次に、アクチュエータユニット21について説明する。アクチュエータユニット21は、各圧力室110に対向した複数のアクチュエータを含んでいる。各アクチュエータは、圧力室110内のインクに印字周期(吐出周期)毎に選択的に吐出エネルギーを付与する。具体的には、アクチュエータユニット21は、いずれも複数の圧力室110に跨るサイズを有した、3枚の圧電シートから構成されている。最上層の圧電シート上における圧力室110に対向する位置のそれぞれには、個別電極が形成されている。最上層の圧電シートとその下側の圧電シートとの間にはシート全面にわたって共通電極が介在している。
共通電極は、すべての圧力室110に対応する領域において等しくグランド電圧に保持されている。個別電極は、ドライバIC25とそれぞれ接続されており、ドライバIC25から複数の個別電極に対して所定の駆動電圧とグランド電圧とからなる駆動パルス信号が独立してそれぞれ印加されるようになっている。このように、アクチュエータユニット21において、個別電極と圧力室110とで挟まれた部分が、個別のアクチュエータとして働く。
ドライバIC25は、記録処理回路80から、駆動信号と、互いに波形が異なる複数の駆動波形信号とを受信する。駆動信号は、複数の駆動波形信号のうちの何れかを指示する信号である。本実施形態では、この駆動波形信号として、画像記録用の記録用吐出波形信号と、上記予備吐出に係る予備吐出用波形信号と、上記予備振動に係る予備振動用波形信号とが含まれる。なお、記録用吐出波形信号には、画像記録用としてヘッド1の吐出口108から吐出可能な5種類(大滴、中滴、小滴、極小滴、不吐出)のインク滴に対応して5種類ある。
ドライバIC25は、記録処理回路80から駆動信号を順次受け取って、複数の駆動波形信号のうちの駆動信号が示すものを駆動パルス信号として、印字周期毎にアクチュエータユニット21の個別電極に供給する。個別電極に対してドライバIC25から駆動パルス信号を入力されると、これに対応する圧電シートが変形して圧力室110内のインクに圧力が付与される。このとき、駆動信号が記録用吐出波形信号及び予備吐出用波形信号の何れかを指示する信号である場合には駆動パルス信号の波形に応じた量のインク滴が吐出口108から吐出され、駆動信号が予備振動用波形信号を指示する信号である場合には駆動パルス信号の波形に応じてインクが吐出されない範囲で吐出口108内のインクが振動される。
図1に戻って、記録処理回路80について説明する。記録処理回路80は、吐出データ記憶バッファ85に記憶された吐出データに基づいて、用紙Pに画像を記録する記録処理を行うものであり、駆動信号生成回路82、ヘッド制御回路83、及び機構系駆動制御回路84を含む。
駆動信号生成回路82は、吐出データ記憶バッファ85に記憶された吐出データを、ヘッド1の吐出口108の配列パターンに合わせた形式に変更する。また、このとき、駆動信号生成回路82は、吐出データに基づいて、吐出口108からインク滴が吐出されていない期間が、上記第1不吐出期間以上となる場合には予備吐出が行われ、上記第2不吐出期間以上となる場合には予備振動が行われるよう予備吐出及び予備振動に係るデータを生成して吐出データに追加する。そして、この予備吐出及び予備振動に係るデータが追加された吐出データに基づいて、ヘッド1の駆動信号を生成する。
ヘッド制御回路83は、制御装置20の後述のCPU31からの制御信号に基づいて、複数の駆動波形信号と、駆動信号生成回路82により生成された駆動信号を、ヘッド1のドライバIC25に対して出力する。機構系駆動制御回路84は、CPU31からの制御信号に基づいて、搬送機構13を制御する。
なお、記録処理回路80及び吐出データ記憶バッファ85は、画像処理装置40の後述する、LVDS受信回路44及び吐出データ生成回路46とともに、エンジン基板300に搭載されている。
次に、制御装置20について詳細に説明する。制御装置20は、ネットワークインターフェース30、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、印刷データ記憶メモリ34、RIPCPU35、多値データ記憶メモリ36、及び画像データ送信回路37を有している。なお、制御装置20のこれらの構成要素は、画像処理装置40の後述する、受信回路41、量子化回路42、及びLVDS送信回路43と共に、メイン基板200に搭載されている。
ネットワークインターフェース30は、LAN等を介して、外部端末装置10に接続されている。ROM32には、CPU31やRIPCPU35が実行する各種プログラムが記憶される。RAM33は、CPU31及びRIPCPU35の作業領域として使用される。印刷データ記憶メモリ34には、ネットワークインターフェース30を介して外部端末装置10から受信した印刷データが記憶される。本実施形態では、この印刷データは、PDL(page description language)などで記述されたデータである。
RIPCPU35は、CPU31からの指示に従って、印刷データ記憶メモリ34に記憶された印刷データに対して公知のRIP(Raster Image Processing)処理を行うことで、用紙P上に規定される複数のドット位置に対応する複数のドット要素がマトリクス状に配置され、各ドット要素についてX階調で表された濃度値が設定された多値データ(以下、X値データ(Xは、M(MはNよりも小さい2以上の整数)よりも大きい整数))を生成するCPUである。このRIPCPU35により生成されたX値データは、多値データ記憶メモリ36に記憶される。画像データ送信回路37は、CPU31からの指示に従って、多値データ記憶メモリ36に記憶されたX値データを、画像処理装置40に送信する。本実施形態では、X値データは、各ドット要素について256階調で表された濃度値が設定された256値データである。
次に、画像処理装置40について詳細に説明する。画像処理装置40は、制御装置20から受信したX値データを、吐出用の吐出データに変換する画像処理を行うものであり、受信回路(受信手段)41、量子化回路(量子化手段)42、LVDS送信回路43、LVDS受信回路44、4値データ記憶バッファ(M値データ記憶手段)45、及び吐出データ生成回路46を有している。
受信回路41は、制御装置20から送信されたX値データを受信する。量子化回路42は、受信回路41が受信したX値データを、低階調のM値データに量子化する誤差拡散処理を行う。この誤差拡散処理は、階調値を低減することによって各ドット要素に生じる誤差を周囲のドット要素に拡散させる画像処理である。なお、変形例として、公知のディザ処理によりX値データからM値データを生成してもよい。ディザ処理は量子化する際の閾値を、所定値として固定するのではなく統計的に量子化誤差を小さくするように、ドット要素ごとに設定したものである。
このように、量子化回路42により生成されたM値データは、図3(a)に示すように、複数のドット要素について、M階調で表された濃度値が設定されたデータである。このM値データは、複数のラスターを含んでいる。このラスターは、複数の吐出口108から吐出されるインクが着弾し得る用紙P上の、主走査方向に沿った複数のドット位置に対応する複数のドット要素を含んでいる。本実施形態では、量子化回路42によりX値データから生成されるM値データは、複数のドット要素について4階調で表された濃度値が設定された4値データである。そして、複数のドット要素に設定される濃度値の4つの階調値それぞれは、「00」,「01」,「10」,「11」の2ビットのデータとして表される。以下、M値データが4値データであるものとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、M値データが4値データ以外のデータであってもよい。量子化回路42は、このようにして生成された4値データをLVDS送信回路43に出力する。なお、本実施形態では、4値データは、ラスター単位で転送される。
LVDS送信回路43は、入力された4値データを差動信号に変換してLVDS(Low voltage differential signaling)で送信するドライバである。LVDS受信回路44は、LVDS送信回路43から送信された差動信号を受信して4値データに復元するLVDSのレシーバである。LVDS受信回路44で受信した4値データは、4値データ記憶バッファ45に記憶される。
吐出データ生成回路46は、4値データ記憶バッファ45に記憶された4値データから、吐出用の吐出データ(N値データ)を生成する処理を行う。吐出データは、4値データ記憶バッファ45に記憶された4値データ(M値データ)を高階調化したデータであり、本実施形態では、図3(b)に示すように、複数のドット要素それぞれについて、5階調で表された濃度値が設定された5値データである。この吐出データは、複数のドット要素それぞれに対して3ビットのデータが割り当てられており、この3ビットのデータにおいて「000」〜「100」の値を用いて、その濃度値が設定される。この吐出データにおける5階調の階調値は、「000」が不吐出、「001」が極小滴、「010」が小滴、「011」が中滴、「100」が大滴のインク滴にそれぞれ対応している。以下、吐出データ(N値データ)が5値データであるものとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、吐出データが4値データ(M値データ)よりも高階調であれば、4値データ以外のデータであってもよい。
また、本実施形態では、エンジン基板300に搭載された吐出データ生成回路46により、4値データを高階調化した5階調の吐出データを生成している。このため、メイン基板200に搭載されたLVDS送信回路43から、エンジン基板300に搭載されたLVDS受信回路44に送信させるデータのデータ量を少なくすることができる。なお、例えば、量子化回路42において5階調のデータを生成した場合、各ドット要素に設定される濃度値を2ビットのデータで表すことができず3ビットのデータで表す必要があるため、メイン基板200からエンジン基板300に送信させるデータのデータ量が多くなる。即ち、データ転送の帯域が増加する。
吐出データ生成回路46について、図4を参照しつつより詳細に説明する。吐出データ生成回路46は、平滑化回路51、元データ保持回路52、属性判定回路53、割当テーブル記憶回路54、及びマッピング回路55を有している。
平滑化回路51は、4値データ記憶バッファ45に記憶された4値データを読み込み、この4値データに対してローパスフィルタや移動平均フィルタなどを用いて平滑化処理を行うことで、平滑化データを生成する。そして、生成した平滑化データを属性判定回路53に出力する。これにより、属性判定回路53における後述する属性検出処理をより精密に行うことができる(例えば、画像のエッジに隣接する独立点などが後述するエッジ属性の判定に悪影響を及ぼさないようにすることができる)。また、この平滑化処理により、各ドット要素に設定される濃度値を表す階調が4階調よりも高階調(例えば、256階調、以下、256階調として説明する)となる。
元データ保持回路52は、4値データ記憶バッファ45に記憶された4値データを読み込み、保持する。そして、属性判定回路53から後述する注目ドット要素指定信号を受信したときに、当該注目ドット要素指定信号が示す、4値データのドット要素に設定された濃度値を属性判定回路53における後述するマッピング回路55に出力する。
属性判定回路53は、4値データにおける各ドット要素を、順次、注目ドット要素とし、それら注目ドット要素の属性が、予め設定された互いに属性が異なる複数種のドット要素属性のどのドット要素属性に該当するかを判定するための回路である。本実施形態では、このドット要素属性として、細線属性、エッジ属性、文字属性、要乾燥属性、中濃度属性、高濃度属性、及びこれらの何れの属性にも該当しない非該当属性の計7種類ある。各ドット要素属性については、後述する。
属性判定回路53は、図4に示すように、細線属性検出回路61、エッジ属性検出回路62、文字属性検出回路63、要乾燥属性検出回路64、中濃度属性検出回路65、高濃度属性検出回路66、及び属性選択回路69を有している。
属性検出回路61〜66は、複数種のドット要素属性のうちの何れか一つのドット要素属性にそれぞれ対応している。そして、属性検出回路61〜66は、平滑化回路51により生成された平滑化データにおける、注目ドット要素とそれに連接する周囲の他のドット要素それぞれに設定された濃度値を用いて、注目ドット要素の属性が、対応するドット要素属性に該当するか否かを検出する属性検出処理を個々に独立して行う。また、属性検出回路61〜66それぞれは、属性検出処理を行った結果、ドット要素属性に該当することを検出した場合のみ、属性選択回路69に対してその検出結果を出力する。
なお、本実施形態では、属性検出処理は、4値データにおけるドット要素に設定された濃度値そのものを用いるのではなく、4値データを平滑化した平滑化データのドット要素に設定された濃度値を用いているが、これは4値データにおけるドット要素に設定された濃度値を間接的に用いていることになる。同様に、平滑化回路51の平滑化処理により、平滑化データが、各ドット要素に設定される濃度値を表す階調が4階調よりも高階調化されたデータにされた場合においても、属性検出処理は、4値データにおけるドット要素に設定された濃度値を間接的に用いていることになる。
次に、細線属性検出回路61、エッジ属性検出回路62、及び文字属性検出回路63について、詳細に説明する。細線属性検出回路61、エッジ属性検出回路62、及び文字属性検出回路63は、図5(a)に示すように、平滑化回路51により生成された平滑化データにおいて、注目ドット要素とそれに連接する周囲の8つのドット要素からなる、注目ドット要素を中心とした3×3のマトリクス領域が処理対象領域(以下、第1処理対象領域)として関連付けられており、当該第1処理対象領域に属するドット要素それぞれに設定された濃度値を用いて、属性検出処理を行う。
細線属性検出回路61は、注目ドット要素の属性が、第1処理対象領域が画像の細線領域であることを表す細線属性に該当するか否かを検出するための回路である。詳細には、細線属性検出回路61は、第1処理対象領域において、注目ドット要素及び注目ドット要素に対して縦方向に関して連接する2つのドット要素それぞれに設定された濃度値の合計値PVと、それ以外の6つのドット要素それぞれに設定された濃度値の合計値RVを求める。そして、この合計値PVから、合計値RVの2分の1を減算した減算値と、予め設定された細線属性用の閾値THとを比較し、減算値が閾値TH以上の場合(PV−RV/2≧TH)に、第1処理対象領域が細線領域に該当すると検出する。同様にして、注目ドット要素及び注目ドット要素に対して横方向に関して連接する2つのドット要素それぞれに設定された濃度値の合計値PHと、それ以外の6つのドット要素それぞれに設定された濃度値の合計値RHとが(PH−RH/2≧TH)の関係を満たすときに、第1処理対象領域が細線領域に該当すると検出する。また、注目ドット要素及び注目ドット要素に対して右上から左下に向けた斜め方向に関して連接する2つのドット要素それぞれに設定された濃度値の合計値PUと、それ以外の6つのドット要素それぞれに設定された濃度値の合計値RUとが(PU−RU/2≧TH)の関係を満たすときに、第1処理対象領域が細線領域に該当すると検出する。また、注目ドット要素及び注目ドット要素に対して左上から右下に向けた斜め方向に関して連接する2つのドット要素それぞれに設定された濃度値の合計値PDと、それ以外の6つのドット要素それぞれに設定された濃度値の合計値RDとが(PD−RD/2≧TH)の関係を満たすときに、第1処理対象領域が細線領域に該当すると検出する。そして、細線属性検出回路61は、以上の何れかの処理において第1処理対象領域が細線領域に該当すると検出した場合に、注目ドット要素の属性が細線属性に該当するとして、細線属性に該当する旨を示す検出結果を属性選択回路69に出力する。
エッジ属性検出回路62は、注目ドット要素の属性が、第1処理対象領域が画像のエッジ領域であることを表すエッジ属性に該当するか否かを検出するための回路である。詳細には、エッジ属性検出回路62は、まず、主走査方向に関する微分フィルタであるソーベルフィルタF1(図5(b)参照)と、副走査方向に関する微分フィルタであるソーベルフィルタF2(図5(c)参照)を用いたソーベルフィルタ演算を行うことで、第1処理対象領域がエッジ領域に該当するか否かを検出する。以下、ソーベルフィルタ演算について説明する。
ソーベルフィルタF1は、第1処理対象領域の行数と列数と等しい3×3のマトリックスに係数が配列されたフィルタである。ソーベルフィルタF2も、ソーベルフィルタF1と同様に、3×3のマトリックスに係数が配列されたフィルタである。ソーベルフィルタ演算では、まず、このソーベルフィルタF1を、第1処理対象領域に被せる。具体的には、ソーベルフィルタF1の中心に位置する係数を、平滑化データにおける注目ドット要素に被せて、当該注目ドット要素に設定された濃度値を乗算する。同時に、注目ドット要素の周辺に位置する8つのドット要素に設定された濃度値と、当該周辺に位置するドット要素に被せる係数をそれぞれ乗算する。そして、各乗算された値を加算して、注目ドット要素についての、主走査方向に沿うフィルタ演算値を求める。このフィルタ演算値は、注目ドット要素についての、主走査方向に沿う濃度勾配値を表す。同様に、ソーベルフィルタF2を、第1処理対象領域に被せて、注目ドット要素についての、副走査方向に沿うフィルタ演算値を求める。このフィルタ演算値は、注目ドット要素についての、副走査方向に沿う濃度勾配値を表す。
その後、主走査方向に沿うフィルタ演算値を2乗にした第1の2乗値と、副走査方向に沿うフィルタ演算値を2乗にした第2の2乗値とを求めた後、これらを加算したエッジ抽出量を求める。このようにして求めたエッジ抽出量と、予め設定されたエッジ属性用の閾値TEとの差を比較する。そして、エッジ抽出量が閾値TE以上である場合に、注目ドット要素に設定された濃度値が、周辺のドット要素に設定された濃度値よりも大きく、第1処理対象領域がエッジ領域に該当すると検出する。エッジ属性検出回路62は、このように第1処理対象領域がエッジ領域に該当すると検出した場合に、注目ドット要素の属性がエッジ属性に該当するとして、エッジ属性に該当する旨を示す検出結果を属性選択回路69に出力する。
文字属性検出回路63は、注目ドット要素の属性が、第1処理対象領域が画像の文字領域であることを表す文字属性に該当するか否かを検出するための回路であり、上記ソーベルフィルタ演算においてエッジ抽出量と比較する閾値がエッジ属性用の閾値TEとは異なる文字属性用の閾値TMであること以外は、上記エッジ属性検出回路62と略同一の回路構成である。そして、文字属性検出回路63は、求めたエッジ抽出量が閾値TM以上である場合に第1処理対象領域が文字領域に該当すると検出し、注目ドット要素の属性が文字属性に該当するとして、文字属性に該当する旨を示す検出結果を属性選択回路69に出力する。変形例として、文字属性検出回路63は、第1処理対象領域において、設定された濃度値の階調値が零よりも大きいドット要素の配置パターンが、予め設定された特定のパターンと一致する場合に、第1処理対象領域が文字領域に該当すると検出してもよい。
次に、要乾燥属性検出回路64、中濃度属性検出回路65、及び高濃度属性検出回路66について、詳細に説明する。要乾燥属性検出回路64、中濃度属性検出回路65、及び高濃度属性検出回路66は、図5(a)に示すように、平滑化回路51により生成された平滑化データにおいて、注目ドット要素とそれに連接する周囲の24のドット要素からなる、注目ドット要素を中心とした5×5のマトリクス領域が処理対象領域(以下、第2処理対象領域)として関連付けられており、当該第2処理対象領域に属するドット要素それぞれに設定された濃度値を用いて、属性検出処理を行う。
ところで、本実施形態のようなライン式プリンタでは、搬送される用紙Pにインクが吐出されるため、シリアル式プリンタと比較して印刷が高速となる。その反面、搬送経路を用紙Pが搬送される間にインクが十分に乾燥する時間がない。従って、用紙P上において、単位面積当たりのインクの吐出量が多い領域がある場合には、インクが乾燥せずに排紙トレイ12に排出され、排紙トレイ12にて排出された用紙Pを重ねたときに、この領域の印字部分が前の用紙Pに転写(裏移り)する問題等が生じ得る。そこで、本実施形態においては、用紙P上に単位面積当たりのインクの吐出量が多い領域(以下、要乾燥領域)がある場合には、この領域に吐出されるインクの量を減らす対策をとる。
要乾燥属性検出回路64は、注目ドット要素の属性が、第2処理対象領域が要乾燥領域であることを表す要乾燥属性に該当するか否かを検出するための回路である。詳細には、要乾燥属性検出回路64は、第2処理対象領域に属する25のドット要素に設定された濃度値の合計値が、予め設定された要乾燥属性用の閾値TK(第4階調値)以上である場合に、第2処理対象領域が要乾燥領域に該当すると検出し、注目ドット要素の属性が要乾燥属性に該当するとして、要乾燥属性に該当する旨を示す検出結果を属性選択回路69に出力する。変形例として、要乾燥属性検出回路64は、第2処理対象領域に属する25のドット要素において、設定された濃度値が零よりも大きいドット要素の数を求め、このドット要素の数が、予め設定された閾値以上である場合に第2処理対象領域が要乾燥領域に該当すると検出してもよい。
中濃度属性検出回路65は、注目ドット要素の属性が、第2処理対象領域が画像の中濃度領域であることを表す中濃度属性に該当するか否かを検出するための回路である。詳細には、中濃度属性検出回路65は、第2処理対象領域に属する25のドット要素に設定された濃度値のうち最も小さい濃度値の階調値が、予め設定された中濃度属性用の第1閾値TU(第2階調値)以上であり、且つ、25のドット要素に設定された濃度値のうち最も大きい濃度値の階調値が第2閾値TD(第3階調値)以下である場合に、当該第2処理対象領域が中濃度領域に該当すると検出する。そして、注目ドット要素の属性が中濃度属性に該当するとして、中濃度属性に該当する旨を示す検出結果を属性選択回路69に出力する。ここで、第1閾値TUは、平滑化データにおける256階調のうち最も小さい階調値よりも大きい値であり、本実施形態では、4値データにおける「01」の階調値に対応する階調値である。また、第2閾値TDは、平滑化データにおける256階調のうち最も大きい階調値よりも小さい値であり、本実施形態では4値データにおける「10」の階調値に対応する階調値である。即ち、第2閾値TDは第1閾値TUよりも大きい。
高濃度属性検出回路66は、注目ドット要素の属性が、第2処理対象領域が画像の高濃度領域であることを表す高濃度属性に該当するか否かを検出するための回路である。詳細には、高濃度属性検出回路66は、第2処理対象領域に属する25のドット要素に設定された濃度値のうち最も小さい濃度値の階調値が、予め設定された高濃度属性用の閾値TA(第1階調値)よりも大きい場合に、当該第2処理対象領域が高濃度領域に該当すると検出する。そして、注目ドット要素のドット要素属性が高濃度属性に該当するとして、高濃度属性に該当する旨を示す検出結果を属性選択回路69に出力する。ここで、閾値TAは、平滑化データにおける256階調のうち最も小さい階調値よりも大きい値であり、本実施形態では4値データにおける「01」に対応する階調値である。
以上、属性検出回路61〜66について説明した。なお、細線属性用の閾値TH、エッジ属性用の閾値TE、文字属性用の閾値TM、要乾燥属性用の閾値TK、中濃度属性用の第1閾値TU及び第2閾値TD、並びに高濃度属性用の閾値TAは、画像処理装置40に予め設定されていてもよく、ユーザが設定することが可能にされていてもよい。なお、平滑化回路51の平滑化処理により、平滑化データが、各ドット要素に設定される濃度値を表す階調が4階調よりも高階調化されたデータにされているため、上記7つの閾値は、4値データの4階調に対応する、平滑化データの或る階調の階調値が設定されることになる。
属性選択回路69は、属性検出回路61〜66から出力される検出結果に基づいて、注目ドット要素の属性を複数種のドット要素属性の中から何れか一つを選択する。詳細には、属性選択回路69は、属性検出回路61〜66の何れか一つのみから検出結果を受信した場合には、当該検出結果が示すドット要素属性を、注目ドット要素の属性として選択する。また、属性検出回路61〜66の何れからも検出結果を受信していない場合には、注目ドット要素の属性は、細線属性、エッジ属性、文字属性、要乾燥属性、中濃度属性、及び高濃度属性の何れにも該当しないとして、非該当属性を選択する。また、属性検出回路61〜66のうち2以上から検出結果を受信した場合には、予め設定された複数種のドット要素属性の各々の優先順位に基づいて、2以上のドット要素属性のうちのいずれか一つのドット要素属性を選択する。本実施形態では、細線属性、エッジ属性、文字属性、要乾燥属性、中濃度属性、及び高濃度属性の順で優先順位が高い。この優先順位は、画像処理装置40に予め設定されていてもよく、ユーザが設定することが可能にされていてもよい。
属性選択回路69は、このように選択した注目ドット要素の属性をマッピング回路55に出力する。また、このとき、属性選択回路69は、当該注目ドット要素を示す注目ドット要素指定信号を元データ保持回路52に出力する。これにより、元データ保持回路52から、4値データにおいて当該注目ドット要素に設定された濃度値がマッピング回路55に送信されることになる。
割当テーブル記憶回路54は、4値データにおける4階調の階調値それぞれに対する、吐出データにおける5階調の何れかの階調値の割り当てを定めた割当テーブルを、複数種のドット要素属性それぞれに対応させて複数記憶する回路である。各割当テーブルについては後述する。
マッピング回路55は、吐出データのドット要素の濃度値を順次設定して吐出データを生成するための回路である。詳細には、マッピング回路55は、まず、割当テーブル記憶回路54に記憶された複数の割当テーブルの中から、属性選択回路69により選択された注目ドット要素の属性が該当するドット要素属性に対応する割当テーブルを選択する。そして、選択した割当テーブルにおいて、元データ保持回路52から受信した注目ドット要素に設定された濃度値の4階調の階調値に対して割り当てられている5階調の階調値を、濃度値として、注目ドット要素に対応する吐出データのドット要素に設定(マッピング)することで吐出データを生成する。本実施形態では、マッピング回路55が、選択手段及びN値データ生成手段に該当する。
次に、割当テーブル記憶回路54に記憶された各割当テーブルについて、図6(a)〜(g)を参照して説明する。細線属性に対応する割当テーブルは、図6(a)に示すように、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、吐出データにおける5階調の階調のうち最も大きい階調値以外の他の階調値(即ち、大滴に対応する階調値「100」以外の階調値)が割り当てられている。また、用紙P上に形成される画像の細線領域では、画像ドットが欠落すると画質の乱れが目立ちやすい。そこで、細線属性に対応する割当テーブルにおいて、4値データにおける4階調の階調値のうち最も小さい階調値以外の「01」〜「11」の階調値は、吐出データにおける5階調の階調値のうち、吐出口108から吐出させるインクの吐出量が零以上となる何れかの階調値(即ち、極小滴、小滴、中滴に対応する階調値「001」〜「011」)に割り当てられている。従って、注目ドット要素の属性が細線属性に該当する場合には、当該注目ドット要素に対応するドット位置には、画像を構成する画像ドットが確実に形成されることになる。このため、用紙P上に形成される画像の品質が劣化することを抑制することができる
エッジ属性に対応する割当テーブルは、図6(b)に示すように、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、細線属性に対応する割当テーブルと同様に、吐出データにおける5階調の階調のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられている。また、用紙P上に形成される画像のエッジ領域に、多量のインクが吐出されると、インクが用紙Pに滲んで画質が劣化する。そこで、エッジ属性に対応する割当テーブルにおいて、4値データにおける4階調の階調値のうち「00」,「01」については、吐出データにおける5階調の階調値のうち、インクを吐出させない不吐出に対応する「000」の階調値を割り当て、4階調の階調値のうち「10」,「11」については、インクの吐出量が極小滴に対応する「001」の階調値を割り当てることで、画像記録中にエッジ領域に吐出させるインクの量を少なくしている。その結果、画像のエッジ領域が滲むことなくシャープにすることができる。
文字属性に対応する割当テーブルにおいては、図6(c)に示すように、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、細線属性に対応する割当テーブルと同様に、吐出データにおける5階調の階調のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられている。また、用紙P上に形成される画像の文字領域に、多量のインクが吐出されると、インクが用紙Pに滲んで文字がつぶれる虞がある。そこで、文字属性に対応する割当テーブルにおいて、4値データにおける4階調の階調値のうち「11」については、「10」の階調値と同様に、吐出データにおける5階調の階調値のうち小滴に対応する「010」の階調値を割り当て、画像記録中に文字領域に中滴、及び大滴のインクを吐出させないようにしている。その結果、画像の文字領域が滲むことなくシャープにすることができる。加えて、粒状感も改善することができる。
要乾燥属性に対応する割当テーブルにおいては、図6(d)に示すように、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、細線属性に対応する割当テーブルと同様に、吐出データにおける5階調の階調のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられている。また、要乾燥属性に対応する割当テーブルにおいては、4値データにおける4階調の階調値に対する吐出データにおける5階調の階調値の割り当てを、上記エッジ属性に対応する割当テーブルと同じにして、画像記録中に要乾燥領域に吐出させるインクの量を少なくしている。その結果、排紙トレイ12にて排出された用紙Pを重ねたときに、印字部分が前の用紙Pに転写する問題等が生じることを抑制することができる。
中濃度属性に対応する割当テーブルにおいては、図6(e)に示すように、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、細線属性に対応する割当テーブルと同様に、吐出データにおける5階調の階調のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられている。また、中濃度属性に対応する割当テーブルにおいては、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、この4階調の階調値同士の大小関係が維持されるよう、吐出データにおける5階調の階調値が割り当てられている。従って、画像の中濃度領域では、4値データにおいて注目ドット要素に設定された濃度値に応じた濃度の画像ドットを用紙P上に形成することができる。加えて、粒状感も改善することができる。
高濃度属性に対応する割当テーブルにおいては、図6(f)に示すように、4値データにおける4階調の階調値のうち最も大きい「11」は、吐出データにおける5階調の階調のうち最も大きい階調値(即ち、大滴に対応する「100」の階調値)が割り当てられている。加えて、高濃度属性に対応する割当テーブルにおいては、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、中濃度属性の割当テーブルや後述する非該当属性の割当テーブルと比較して、インクの吐出量が増えるよう大きい階調値が割り当てられている。その結果、画像の高濃度領域に吐出させるインクの量を増やすことができるので、OD値の向上によって、画像の品質を向上させることができる。
非該当属性に対応する割当テーブルにおいては、図6(g)に示すように、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、細線属性に対応する割当テーブルと同様に、吐出データにおける5階調の階調のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられている。また、中濃度属性に対応する割当テーブルと同様に、4値データにおける4階調の階調値それぞれは、この4階調の階調値同士の大小関係が維持されるよう、吐出データにおける5階調の階調値が割り当てられている。従って、4値データにおいて注目ドット要素に設定された濃度値に応じた濃度の画像ドットを用紙P上に形成することができる。
以上説明した7つの割当テーブルからも分かるように、吐出データにおける5階調の階調値それぞれは、少なくとも、何れかの割当テーブルにおいて、4値データにおける4階調の何れかの階調値に割り当てられている。具体的には、吐出データにおける「000」は全ての割当テーブルにおいて4値データにおける「00」に、吐出データにおける「001」,「010」,「011」は、例えば細線属性に対応する割当テーブルにおいて4値データにおける「01」、「10」,「11」それぞれに、吐出データにおける「100」は高濃度属性に対応する割当テーブルにおいて4値データにおける「11」に割り当てられている。これにより、4値データから、高階調な吐出データを生成することが可能となる。
次に、吐出データ生成回路46の動作について、図7を参照しつつ説明する。まず、平滑化回路51及び元データ保持回路52が、4値データ記憶バッファ45に記憶された4値データのうちの1つのラスターを処理対象のラスターとして読み込み(S1)、平滑化回路51が当該4値データから平滑化データを生成し(S2)、且つ、元データ保持回路52が当該4値データを保持する(S3)。次に、属性判定回路53が、平滑化データにおける複数のドット要素のうちの一つを注目ドット要素として設定する(S4)。そして、この注目ドット要素について、属性判定回路53における属性検出回路61〜66それぞれにおいて、注目ドット要素の属性が対応するドット要素属性に該当するか否かを個々に検出し、該当する場合のみ検出結果を属性選択回路69に出力する(S5)。
次に、属性選択回路69が、属性検出回路61〜66それぞれからの検出結果の有無に基づき、注目ドット要素の属性を複数種のドット要素属性の中から何れか一つを選択し、その選択結果をマッピング回路55に出力する(S6)。また、このとき、属性選択回路69が、当該注目ドット要素を示す注目ドット要素指定信号を元データ保持回路52に出力する。属性選択回路69から注目ドット要素指定信号を受信した元データ保持回路52は、保持している4値データにおいて、注目ドット要素指定信号が示す注目ドット要素に設定された濃度値をマッピング回路55に出力する(S7)。
次に、マッピング回路55が、割当テーブル記憶回路54に記憶された複数の割当テーブルの中から、属性選択回路69により選択された注目ドット要素の属性が該当するドット要素属性に対応する割当テーブルを選択する(S8)。そして、選択した割当テーブルにおいて、元データ保持回路52から受信した注目ドット要素に設定された濃度値の4階調の階調値に対して割り当てられている5階調の階調値を、濃度値として、注目ドット要素に対応する吐出データのドット要素に設定する(S9)。なお、このステップS3〜S9の処理は、パイプライン処理で行われる。即ち、注目ドット要素が順次変更されて、次々に処理が行われる。そして、マッピング回路55が、各ドット要素に濃度値が設定された1ラスター分の吐出データを吐出データ記憶バッファ85に記憶する(S10)。次に、吐出データの全てのラスターについて処理対象のラスターとして設定されたか否かを判断する(S11)。処理対象のラスターとして設定されていないラスターが存在すると判断した場合(S11:NO)には、ステップS1の処理に戻る。一方で、吐出データの全てのラスターが処理対象のラスターとして設定されたと判断した場合(S11:YES)には、本処理を終了する。以上、吐出データ生成回路46の動作について説明した。
以上、本実施形態によると、4値データのドット要素毎にドット要素属性が判定され、その判定結果に基づいて、吐出データの各ドット要素に設定される濃度値が、4値データの対応する各ドット要素に設定された濃度値に基づいて設定される。これにより、元データである4値データを平滑化処理等により高階調化した後に、当該高階調化したデータに対してエッジ処理等の各種画像処理を行って吐出データを生成する場合と比べて、元データである4値データの各ドット要素に設定された濃度値を重んじて、各ドット要素のドット要素属性に応じてN吐出データの各ドット要素に対して濃度値を設定することができるので、用紙Pに記録される画像がぼやける等の品質が劣化することを抑制することができる。加えて、エンジン基板300において5値データ(吐出データ)を生成しているため、メイン基板200とエンジン基板300のデータ転送の帯域は4値データを転送させるときの帯域と同じにすることができる。
以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。以下、図8及び9を参照しつつ、変形例について説明する。上述の実施形態では、駆動信号生成回路82が、予備吐出及び予備振動に係るデータを吐出データに追加していたが、本変形例では吐出データ生成回路46が、複数のドット要素それぞれに対して割り当てられる3ビットのデータにおける、上述の5階調記録には用いられない「110」及び「111」の階調値を用いて、予備吐出及び予備振動に係るデータ(予備吐出データ、予備振動データ)を吐出データに追加する。詳細には、吐出データにおいて、「110」が設定されたドット要素のみ、当該ドット要素に対応する印字周期において予備吐出を行うことを示し、「111」が設定されたドット要素のみ当該ドット要素に対応する印字周期において予備振動を行うことを示す予備吐出及び予備振動に係るデータを吐出データに追加する。
また、本変形例では、属性判定回路53は、属性検出回路61〜66に加えて、予備吐出属性検出回路67及び予備振動属性検出回路68を更に有している。そして、属性判定回路53は、細線属性、エッジ属性、文字属性、要乾燥属性、中濃度属性、高濃度属性、予備吐出属性、予備振動特性及びこれらの何れの属性にも該当しない非該当属性の計9種類の中から、注目ドット要素の属性に該当するドット要素属性を判定する。予備吐出属性検出回路67は、図9(a)に示すように、平滑化回路51により生成された平滑化データにおいて、注目ドット要素と、その注目ドット要素に対して縦方向に隣接するドット要素であって、対応するドット位置が搬送方向上流側となる第1所定数のドット要素とからなる領域を処理対象領域(以下、第3処理対象領域)とする。そして、第3処理対象領域に属するドット要素それぞれに設定された濃度値を用いて、注目ドット要素の属性が、注目ドット要素に係る印字周期において予備吐出を行う必要があることを表す予備吐出属性に該当するか否かを検出する。詳細には、第3処理対象領域に属するドット要素に設定された濃度値がいずれも零である場合に、注目ドット要素に対応する吐出口108からインクが吐出されない不吐出期間が上記第1不吐出期間以上となり、当該注目ドット要素に対応するドット位置に対して予備吐出を行う必要があると判定する。そして、注目ドット要素のドット要素属性が予備吐出属性に該当するとして、予備吐出属性に該当する旨を示す検出結果を属性選択回路69に出力する。
なお、本変形例では、上記第1所定数として、乱数発生回路(不図示)により生成された乱数が採用される。この乱数発生回路は、上記第1不吐出期間に対応するドット要素数を下限とした所定範囲内で乱数をドット要素毎に発生する回路である。従って、第3処理対象領域は、注目ドット要素が変更される毎に、その領域が変動されることになる。これにより、予備吐出により用紙P上に形成されるドットを視認しにくくすることができる。
予備振動属性検出回路68は、図9(c)に示すように、平滑化回路51により生成された平滑化データにおいて、注目ドット要素と、その注目ドット要素に対して縦方向に隣接するドット要素であって、対応するドット位置が搬送方向上流側となる第2所定数のドット要素とからなる領域を処理対象領域(以下、第4処理対象領域)とする。そして、第4処理対象領域に属するドット要素それぞれに設定された濃度値を用いて、注目ドット要素の属性が、注目ドット要素に係る印字周期において、当該注目ドット要素に対応する吐出口108に関して、予備振動を行う必要があることを表す予備振動属性に該当するか否かを検出する。詳細には、第4処理対象領域に属するドット要素に設定された濃度値がいずれも零である場合に、注目ドット要素に対応する吐出口108からインクが吐出されない期間が上記第2不吐出期間以上となり、予備振動を行う必要があると判断する。そして、注目ドット要素のドット要素属性が予備振動属性に該当するとして、予備振動属性に該当する旨を示す検出結果を属性選択回路69に出力する。なお、第2所定数は、上記第1所定数よりも小さい値である。
属性選択回路69は、属性検出回路61〜68から出力される検出結果に基づいて、注目ドット要素の属性を複数種のドット要素属性の中から何れか一つを選択する。なお、本変形例においても、属性検出回路61〜68のうち2以上から検出結果を受信した場合には、予め設定された複数種のドット要素属性の各々の優先順位に基づいて、2以上のドット要素属性のうちのいずれか一つのドット要素属性を選択する。本変形例では、細線属性、エッジ属性、文字属性、要乾燥属性、中濃度属性、高濃度属性、予備吐出属性、及び予備振動属性の順で優先順位が高い。
次に、予備吐出属性に対応する割当テーブル、及び予備振動属性に対応する割当テーブルについて説明する。予備吐出属性に対応する割当テーブルにおいては、図9(c)に示すように、4値データにおける4階調の階調値のうち最も小さい「00」の階調値が、予備吐出用の「110」の階調値に割り当てられている。また、予備振動属性に対応する割当テーブルにおいては、図9(d)に示すように、4値データにおける4階調の階調値のうち最も小さい「00」の階調値が、予備振動用の「111」の階調値に割り当てられている。以上により、注目ドット要素に対応する吐出口108からインクが吐出されない期間が、上記第1不吐出期間以上となる場合には予備吐出を、上記第2不吐出期間以上となる場合には予備振動を行うことができる。
なお、上述したように、ドット要素属性が、予備吐出属性及び予備振動属性の何れかに該当する注目ドット要素では、当該注目ドット要素属性に設定された濃度値は零であるため、これらドット要素属性に対応する割当テーブルでは、4値データにおける4階調の階調値のうち「01」、「10」、「11」の階調値については、吐出データの階調値を割り当てる必要はない。しかしながら、属性検出回路61〜68による属性検出処理の検出結果が正確ではない場合があるため、これらドット要素属性に対応する割当テーブルでは、4値データにおける「01」、「10」、「11」の階調値については、吐出データの5階調の階調値のうち、非該当属性の割当テーブル(図6(g)参照)と同じ階調値が割り当てられている。これにより、属性検出処理による属性検出処理に誤りがある場合でも、4値データの階調値に応じた画像ドットを用紙Pに形成することが可能となる。
以上、本変形例では、平滑化データに基づいて予備吐出及び予備振動に係るデータを生成しているため、上述実施形態のように吐出データに基づいて予備吐出及び予備振動に係るデータを生成する場合と比べると正確性では劣るが、駆動信号生成回路82では予備吐出及び予備振動に係るデータを生成する必要はないので、当該駆動信号生成回路82の回路構成を簡略化することができる。以上、本変形例について説明した。
また、その他の変形例として、上述の実施形態では、インクジェットプリンタ101が画像処理装置40を備えているが、外部端末装置10が画像処理装置40を備えていてもよい。この場合、外部端末装置10からインクジェットプリンタ101に対して、画像処理装置40により生成された吐出データが転送されることとなる。
また、上述の実施形態では、属性判定回路53は、4値データに対して平滑化処理をした平滑化データを用いて属性検出処理を行っていたが、平滑化せずに4値データを用いて属性検出処理を行ってもよい。また、例えば、細線属性検出回路61、エッジ属性検出回路62、及び文字属性検出回路63については4値データを用いて属性検出処理を行い、要乾燥属性検出回路64、中濃度属性検出回路65、及び高濃度属性検出回路66については平滑化データを用いて属性検出処理を行ってもよい。
また、細線属性検出回路61、エッジ属性検出回路62、及び文字属性検出回路63は第1処理対象領域に関連付けられ、要乾燥属性検出回路64、中濃度属性検出回路65、及び高濃度属性検出回路66が第2処理対象領域に関連付けられていたが、特にこれに限定されるものではなく、各属性検出回路61〜66毎に最適な処理対象領域が関連付けられていてもよく、全ての属性検出回路61〜66に共通の処理対象領域が関連付けられていてもよい。
また、割当テーブル記憶回路54に記憶された各割当テーブルにおける4値データの階調値それぞれに対する、吐出データの5階調の階調値の割り当ては、上記の実施形態に限られるものではない。
また、上述の実施形態では、属性検出回路61〜66により、注目ドット要素の属性が、それぞれが対応するドット要素属性に該当するか否かを個々に独立して属性検出処理を行っていたが、優先順位の高いドット要素属性に該当する属性検出回路61〜66から順に属性検出処理を行い、優先順位が高いドット要素属性に該当する属性検出回路61〜66において、注目ドット要素の属性が対応するドット要素属性に該当しないと検出した場合のみ、優先順位の低いドット要素属性に該当する属性検出回路61〜66において属性検出処理を行うように構成されていてもよい。
本発明は、インク以外の液体を吐出する液体吐出装置に使用されるN値データを生成する画像処理装置についても適用可能である。さらに、本発明はライン式プリンタのみならず、静止している用紙Pに対してヘッド1を移動させることで、用紙Pに画像を記録するシリアル式プリンタにも適用可能である。加えて、液体吐出装置に限らす、レーザプリンタやサーマルプリンタなどの画像記録装置に使用されるN値データを生成する画像処理装置にも適用することが可能である。また、吐出データ生成回路46等のハードウェアが行う処理を、対応するプログラムを実行するCPUに置き換えることが可能である。
40 画像処理装置
45 4値データ記憶バッファ(M値データ記憶手段)
53 属性判定回路(属性判定手段)
54 割当テーブル記憶回路(割当テーブル記憶手段)
55 マッピング回路(選択手段、N値データ生成手段)
85 吐出データ記憶バッファ(N値データ記憶手段)
100 液体吐出装置(画像記録装置)

Claims (12)

  1. 記録媒体上の複数のドット位置それぞれに対応する複数のドット要素それぞれについて、N階調(Nは3以上の整数)で表された濃度値が設定されたN値データを記憶するためのN値データ記憶手段と、前記N値データにおける各ドット要素に設定された濃度値に基づいて、記録媒体上の各ドット位置に対してN階調記録を行うための画像記録手段と
    を備えた画像記録装置に使用される前記N値データを生成するための画像処理装置であって、
    前記複数のドット要素それぞれについて、M階調(Mは、前記Nよりも小さい2以上の整数)で表された濃度値が設定されたM値データを記憶するためのM値データ記憶手段と、
    前記M値データにおける、注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素それぞれに設定された前記濃度値を用いて、その注目ドット要素の属性が、予め設定された互いに属性が異なる複数種のドット要素属性の何れに該当するかを判定する属性判定手段であって、前記M値データにおける各ドット要素を、順次、注目ドット要素とし、それら注目ドット要素の属性が前記複数種のドット要素属性のどのドット要素属性に該当するかを判定するための属性判定手段と、
    前記M値データにおける前記M階調の階調値それぞれに対する、前記N値データにおける前記N階調の何れかの階調値の割り当てを定めた割当テーブルを、前記複数種のドット要素属性それぞれに対応させて複数記憶するための割当テーブル記憶手段であって、前記N階調の階調値それぞれは、少なくとも、何れかの前記割当テーブルにおいて、前記M値データにおける前記M階調の何れかの階調値に割り当てられている割当テーブル記憶手段と、
    前記割当テーブル記憶手段に記憶された前記複数の割当テーブルの中から、前記属性判定手段により判定された前記注目ドット要素の前記ドット要素属性に対応する前記割当テーブルを選択するための選択手段と、
    前記M値データの前記注目ドット要素に対応する、前記N値データの前記ドット要素の前記濃度値を順次設定して前記N値データを生成するためのN値データ生成手段であって、前記選択手段により選択された前記割当テーブルにおいて、前記注目ドット要素に設定された前記濃度値の前記M階調の階調値に対して割り当てられている前記N階調の階調値を、前記濃度値として、前記注目ドット要素に対応する前記N値データの前記ドット要素に設定するN値データ生成手段と
    を備えていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記複数種のドット要素属性のうち2以上のドット要素属性には、それぞれの前記ドット要素属性に対応した、前記注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素からなる領域がそれぞれ関連付けられており、
    前記属性判定手段は、前記注目ドット要素の属性が、この2以上のドット要素属性それぞれに該当するか否かについては、前記M値データにおいて、それぞれが関連付けられた前記領域に属する前記ドット要素に設定された濃度値を用いて判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記属性判定手段は、前記複数種のドット要素属性のうち2以上のドット要素属性については、前記注目ドット要素の属性が、それぞれのドット要素属性に該当するか否かを個々に独立して判定するものであり、
    前記注目ドット要素について、当該注目ドット要素の属性が前記複数種のドット要素属性のうち2以上のドット要素属性に該当する場合は、予め設定された前記複数種のドット要素属性の各々の優先順位に基づいて、前記2以上のドット要素属性のうちのいずれか一つのドット要素属性に該当すると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記複数種のドット要素属性には、前記M値データにおける、前記注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素からなる領域内の、前記ドット要素それぞれに設定された前記M階調で表された前記濃度値を、高階調化した濃度値それぞれの階調値のうち最も小さい階調値が、第1階調値以上となる高濃度属性が含まれており、
    前記割当テーブル記憶手段に記憶されている、前記高濃度属性に対応する前記割当テーブルにおいて、前記M値データにおける前記M階調の階調値のうちの少なくとも一つの階調値は、前記N値データにおける前記N階調の階調値のうち最も大きい階調値が割り当てられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記複数種のドット要素属性には、前記M値データにおける、前記注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素からなる領域が細線領域であることを示す細線属性が含まれており、
    前記割当テーブル記憶手段に記憶されている、前記細線属性に対応する前記割当テーブルにおいて、前記M値データにおける前記M階調の階調値それぞれは、前記N値データにおける前記N階調の階調のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられ、且つ、前記M値データにおける前記M階調の階調値のうち最も小さい階調値以外の他の階調値は、前記N値データにおける前記N階調の階調値のうち、記録媒体に記録される画像を構成する画像ドットの形成に係る何れかの階調値が割り当てられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記複数種のドット要素属性には、前記M値データにおける、前記注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素からなる領域が文字領域であることを示す文字属性が含まれており、
    前記割当テーブル記憶手段に記憶されている、前記文字属性に対応する前記割当テーブルにおいて、前記M値データにおける前記M階調の階調値それぞれは、前記N値データにおける前記N階調の階調値のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記複数種のドット要素属性には、前記M値データにおける、前記注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素からなる領域がエッジ領域であることを示すエッジ属性が含まれており、
    前記割当テーブル記憶手段に記憶されている、前記エッジ属性に対応する前記割当テーブルにおいて、前記M値データにおける前記M階調の階調値それぞれは、前記N値データにおける前記N階調の階調値のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記複数種のドット要素属性には、前記M値データにおける、前記注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素からなる領域内の、前記ドット要素それぞれに設定された前記M階調で表された前記濃度値を、高階調化した濃度値それぞれの階調値のうち、最も小さい階調値が第2階調値以上であり、最も大きい階調値が前記第2階調値よりも大きい第3階調値以下となる中濃度属性が含まれており、
    前記割当テーブル記憶手段に記憶されている、前記中濃度属性に対応する前記割当テーブルにおいて、前記M値データにおける前記M階調の階調値それぞれは、前記N値データにおける前記N階調の階調値のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられており、且つ前記M値データにおける前記M階調の階調値それぞれは、前記M階調の階調値同士の大小関係が維持されるよう、前記N値データにおける前記N階調の階調値が割り当てられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記複数種のドット要素属性には、前記M値データにおける、前記注目ドット要素とそれに連接する複数の他のドット要素からなる領域内の、前記ドット要素それぞれに設定された前記M階調で表された前記濃度値を、高階調化した濃度値それぞれの階調値の合計値が第4階調値以上となる要乾燥属性が含まれており、
    前記割当テーブル記憶手段に記憶されている、前記要乾燥属性に対応する前記割当テーブルにおいて、前記M値データにおける前記M階調の階調値それぞれは、前記N値データにおける前記N階調の階調値のうち最も大きい階調値以外の他の階調値が割り当てられていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の画像処理装置。
  10. 前記画像記録手段は、
    液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドを制御するヘッド制御手段と
    を備えており、
    前記ヘッド制御手段は、前記N値データにおける各ドット要素に設定された濃度値に基づいて、印字周期毎に前記液体吐出ヘッドの吐出口から液体を吐出させて記録媒体上の各ドット位置に対してN階調記録を行うよう前記液体吐出ヘッドを制御し、且つ、前記複数のドット要素それぞれについて、対応する前記ドット位置に対して、前記N階調記録には寄与しない液体を前記吐出口から吐出させる予備吐出を行うか否かを定めた予備吐出データに基づいて、前記予備吐出を行うよう前記液体吐出ヘッドを制御するものであり、
    前記複数種のドット要素属性には、前記注目ドット要素に対応する前記ドット位置に対して前記予備吐出を行う必要があることを表す予備吐出属性が含まれており、
    前記N値データ生成手段は、前記N値データに加えて前記予備吐出データも生成するものであり、前記属性判定手段により前記注目ドット要素の前記ドット要素属性が前記予備吐出属性であると判定された場合に、前記M値データの前記注目ドット要素に対応する前記ドット位置に対して前記予備吐出を行うものとして前記予備吐出データを生成することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の画像処理装置。
  11. 前記画像記録手段は、
    液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドを制御するヘッド制御手段と
    を備えており、
    前記ヘッド制御手段は、前記N値データにおける各ドット要素に設定された濃度値に基づいて、印字周期毎に前記液体吐出ヘッドの吐出口から液体を吐出させて記録媒体上の各ドット位置に対してN階調記録を行うよう前記液体吐出ヘッドを制御し、且つ、前記複数のドット要素それぞれについて、対応する印字周期において前記吐出口から液体が吐出しない範囲で前記吐出口近傍の液体を振動させる予備振動を行うか否かを定めた予備振動データに基づいて、前記予備振動を行うよう前記液体吐出ヘッドを制御するものであり、
    前記複数種のドット要素属性には、前記注目ドット要素に対応する前記印字周期において前記予備振動を行う必要があることを表す予備振動属性が含まれており、
    前記N値データ生成手段は、前記N値データに加えて前記予備振動データも生成するものであり、前記属性判定手段により前記注目ドット要素の前記ドット要素属性が前記予備振動属性であると判定された場合に、前記M値データの前記注目ドット要素に対応する前記印字周期において前記予備振動を行うものとして前記予備振動データを生成することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の画像処理装置。
  12. 前記複数のドット要素それぞれについて、X階調(Xは、前記Mよりも大きい整数)で表された濃度値が設定されたX値データを、外部から受信するための受信手段と、
    前記X値データを量子化して前記M値データを生成し、前記M値データ記憶手段に記憶するための量子化手段と
    を更に備えたことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の画像処理装置。
JP2014074140A 2014-03-31 2014-03-31 画像処理装置 Active JP6265011B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014074140A JP6265011B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 画像処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014074140A JP6265011B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 画像処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015198283A JP2015198283A (ja) 2015-11-09
JP6265011B2 true JP6265011B2 (ja) 2018-01-24

Family

ID=54547774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014074140A Active JP6265011B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6265011B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7119404B2 (ja) 2018-02-13 2022-08-17 コニカミノルタ株式会社 画像データ処理方法、画像データ処理装置及びインクジェット記録装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03261271A (ja) * 1990-03-09 1991-11-21 Canon Inc 画像処理装置
JP2003158637A (ja) * 2001-11-21 2003-05-30 Sony Corp 印画装置及び印画方法、並びに印画システム
JP2003333332A (ja) * 2002-05-15 2003-11-21 Canon Inc 画像処理装置
JP5510043B2 (ja) * 2009-11-10 2014-06-04 セイコーエプソン株式会社 画像処理コントローラー及び印刷装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015198283A (ja) 2015-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4909321B2 (ja) 画像処理方法、プログラム、画像処理装置、画像形成装置及び画像形成システム
JP5056403B2 (ja) 画像処理装置、画像記録装置、及びプログラム
CN111347790B (zh) 图像处理装置、图像处理方法和存储介质
JP3970096B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP6415080B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、記録装置及びプログラム
JP2012020526A (ja) インクジェット記録装置および記録方法
JP6220029B2 (ja) インクジェット印刷システム及びその不吐補正方法並びにプログラム
JP2015168225A (ja) 記録装置の制御装置、制御方法およびプログラム
JP5268875B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP6191199B2 (ja) 画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び画像処理装置の制御プログラム
JP6596933B2 (ja) 液体吐出装置
JP5691591B2 (ja) 量子化装置、量子化方法及び画像形成装置
JP2004276596A (ja) 記録方法及び記録装置
JP2006076086A (ja) インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP6265011B2 (ja) 画像処理装置
JP2005161615A (ja) インクジェット記録方法
US9399355B2 (en) Printing method, printing apparatus, and computer-readable storage medium
JP6277771B2 (ja) 液体吐出装置、液体吐出プログラム、及び液体吐出方法
JP2005161630A (ja) インクジェット記録システムおよびインクジェット記録方法
JP5998928B2 (ja) 画像処理装置、及び画像処理装置の制御プログラム
JP4617772B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、及び画像記録装置
JP5855464B2 (ja) 画素データの補正方法、画像処理装置、プログラム並びに画像形成装置
JP2015143012A (ja) インクジェット記録装置および画像処理装置
JP6471817B2 (ja) 画像記録装置
JP4239939B2 (ja) 画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6265011

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150